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16回国会参議院1953/07/11

予算委員会 第14号

発言数
32
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/07/11

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより予算委員会公聴会を開きます。  公述人のかたく、お忙しいところをおいで頂きまして有難うございます。先ず野崎産業株式会社会長野崎一郎君の公述をお願いいたします。

野崎一郎野崎産業株式会社会長

○公述人(野崎一郎君) 自分は御紹介にあずかりました野崎一郎でございます。  自分は十五国会の衆議院予算委員会にやはり呼び出されまして、インフレ予算であるということによりまして、その当時反対の意見を述べた次第でございます。今回の予算も大局的に申しますれば、大体緊縮予算ではございませんので、その点に対して非常に遺憾の意を表する次第でございます。  現在の日本の現状は、もはや特需のみに頼つておることはできません。従つて、真剣に自立経済によるのほかないと思つております。従つて、輸出第一主義によらなければならないということは申すまでもないのでございます。世界はすでにデフレ経済になつておりまして、自由競争の激化に対応して行かねばなりませんが、日本の物価高は輸出第一主義遂行には大障害になつておりますので、デフレ政策に転回せなきやならん要がございますので、その点でインフレの傾向のあります予算に対しては反対するわけでございます。  貿易の必要さは今更御説明の要はございませんが、日本の現状を十分認識して頂きますには、先ず世界の経済を見て頂かにやならんと思います。第二次大戦後、世界経済の悩みは申すまでもございません、各国のドル不足の悩みであります。戦後米国の輸出超過その他によりますドルの受取勘定の超過は四百五十億ドルに上つておりますのでありますが、その欠陥を補正するために米国が他国に援助資金の形で貸付けた金額が三百八十億ドルでございます。その点から見ましても、世界のドル不足は当然の結果でありまして、而も年々の援助資金の放出は減額一方でございます。従つてこれが世界経済に不安を与え、各国の保有ドル資金の不足から勢い自衛上輸入の制限となり、或いは輸出の奨励となつて来ておりますので、各国の輸出の価格はますます値下り競争となり、貿易は縮小均衡にならざるを得ない次第でございます。而も戦後新興国の独立によりまして、無理な独立会計が一層縮小均衡の勢いを得まして、又、消費国が工業国になつて来ております関係上、今までの輸入が内需自給となりまして、その上に輸出国と変つて参りましたことを考えましても、世界の貿易額は縮小に向うのは当然の結果と申さなきやなりません。バトラー英蔵相が、米国に援助よりは貿易を望むという悲痛な叫びも今以て実現の見込みはございません。而も米国の輸入関税引下げの希望も実現しないのみならず、引上げの不安に脅かされておるようなことを見ましても、ドル不足の激減はますます激減になつて行くというよりほか考えられないのであります。これが原因で、各国の為替貿易管理はますます極度になつて参りまして、現に日本の対スターリング勘定は一年ばかり前には一億三千万ポンド足らずございました保有資金も全部枯渇するほどに物を買わされましても、依然として輸入制限の緩和は遅々として進んでおりません。清算勘定、いわゆるオープン・アカウント地域も一億ドル見当ありました勘定も殆んど今はなくなつて参りまして、インドネシアにある焦付勘定の六千万ドル、そのほかに或いは朝鮮に新らしく貸付けたのを入れまして、総計で五千万ドル見当も切れておるような現状でございす。誠に売るにはいい機会でありますけれども、日本の物価高のために非常な出血輸出をしない限りは売れない窮状にあるわけです。世界のドル不足に対処するために、ドルを直接に使用しないで何とかお互にやろうということで貿易のできる、いわゆる精算勘定、オープン・アカウント勘定の双務協定、それからスターリング地域のいわゆる日英支払協定、それから為替も貿易管理もしないで一本に集めて年二回の清算をしております欧洲支払同盟、即ちEPUと、種々の方法は考えられて善処されて来ておりますのが現状でございますが、オープン・アカウント勘定によります貿易協定も、先方の高い悪いものを当方が買つてやらなければ、こつちから買つてもらうことができないというような関係で、誠に無理があるものですから、この点もオープン勘定もいよいよ行詰つて来ておる状態になつております。従つて集中決済でやります方法を考えなければなりませんで、それで何とかアジア支払同盟、即ちAPUを希望するかたもございますけれども、これは実際にぶつかつて見れば、その取引高の内容、それから或いはその客先等を考えますと、これもちよつと今のところはできない相談になつております。比較的支払制度がうまく行つておりますのは、先ほど申上げましたEPU、ヨーロツパ支払同盟のものが非常にうまく行つておりますので、これを中心にして世界の支払は大きく廻つておるというのが現状でありますけれども、日本及び近隣のお客様、いわゆる東南アジア地区のお客様がたにはこれの関係できない方面が非常に多いものでございまして、よく日本のこと将来不安に思いまして、太平洋の孤児と言われて心配されておつた次第でございます。最近に牛場通商局長の尽力によりまして、EPUの一部の結合ができまして、この活用如何によりましてはこの不安も幾分か去るというように思われて参ります。  世界の貿易政策は大略二つの方法によつております。一つは為替管理或いは輸入制限、或いは関税を引上げる政策等の消極的方面を以て為替の維持等を図つて行くという一つの方法、それから今一つの方法は、国家の力で以て輸出奨励策、或いは税制の保護、奨励金、補給金、それから振興外貨、或いは間接的の策でありますけれども、輸出信用保険制度による方法、或いは貿易振興資金、又は輸出為替に対する金利を引上げる方法等、あらゆる方面をやつておる次第でございまして、今回ここに出ております、当議会におきまする予算中に計上されておりますこの貿易振興資金は後者に依つたものと思う次第でございます。前者のいわゆる消極的方針をやりまして、自分の為替を完全に価格を維持し、従つてその為替の安定によりまして、その国の物価を引下げ、続いて輸出価格を低落させ、競争力を附加して行くといつたようなのが、英国流のやり方でありまして、後者の方法に重点を置いておりますのが西独を初め西欧諸国でありまして、なお後者の方法では、競争力を強めるために西欧六ヵ国が関税、為替、貿易管理等を撤廃しまして、それで石炭、鉄鋼の共同生産販売を一本に合理化しまして、シューマン・プランを実行して参りました。続いて化学薬品及び農産物にもこれを施行して行こうという方針でおります。世界の国際競争は農産物の過剰生産で、最近農産物は非常に世界的に下つて参りまして、それと相加えまして、ますます激甚えとひた走りに走つておるのが現状でございます。日本の現在の為替の形から言いますれば、焦付になつておりますところの精算勘定は減少しましたし、それから今はむしろ借の形になつております。それから資本の使用に対して制限のありますポンド勘定も枯渇して参りまして、ドル勘定の手持が多くなつております。これは特需その他の貿易も殖えておりますし、特需その他でドル勘定は殖えておりますので、総額的に形は健全になつて来たと言つている人もございますけれども、各国ともに輸出制限の緩和は依然として成るべく遅らして、それで輸出に対しては出血しても盛んに奨励するというふうな方針でありますので、手持のドルはときにはそのドル以外の勘定に対してはスワップ、或いはアウトライトにドルを以て払うというようなことで、だんだん巻き上げられて参りますような虞れがございますので、折角ドルを持つてもドルを持つたにならないというようなところに悩みがあり、而も朝鮮休戦によりまして、ドル収入の困難が見通されておりますので、現在は非常に不安に感じておるというのが日本の現状でございます。試みに今年の日本の輸出の総額を取りあえず調べてみますと、五月までの累計が昨年の半分も出ておりません。それから輸入は昨年と余り変らない金額であります。戦後国民が非常な期待を持つておりまするところの重工業或いは化学工業の製品についても、国際価格よりやはり二割、三割、ときにより物によりましては二倍に近いものがございまして、その引合いが非常に困難でありまして、而も国内の石炭の現状は依然として原材料がどうしても価格を引下げられない立場にあり、それから合理化運動も思うように進展しておりませんので、実に悲観すべき現状だと思う次第でございます。且つこれを例えばマス・プロを以て生産方式をやつたとしましても、現在の日本の市場ではそのはけ口がありませせん。輸出がとまつておる関係上、内地に流すほか仕様がないのでありまして、はけ口がない。又同時にその合理化運動によりまして整理されたところの労務問題、どういうようにして解決つけるかという問題もついておりません。それらのことを考えましても、英国のごときは非常に窮状になりましたけれども、現在ジェット飛行機を作つて、或いは自動車を作つて、非常に精密機械を作つては売つて、どんどんこの頃は経済的に復興して行くようなふうで、非常に士気が上つておる次第でございます。このように材料が少くても、いわゆる精密工業を以て大いに発展したらいいじやないかという御意見のかたもございますけれども、日本の現状を以てしてはこれも到底これを頼りにするようなことはでき得ないと思う次第でございます。日本の物価は殆んど一年間横這いであつたにもかかわらず、国民の消費は昨年一カ年の増加率は約一六%増加しております。誠に消費力は旺盛であつて、製造家も輸出に対する意欲が喪失しておるような次第でございます。特需でも今は激しい国際競争に立たされておるのですから、各国のとつております必死の輸出奨励策を時宜を失うことなく、当分出血でも、合理的なマス・プロ方策をとつて先ず売つてみて、それで生産をしながら、値を下げて行きながら国際価格に近付ける方法でこの際切抜けるよりほかに方法がないと自分は信じている次第でございます。  以上を考えましても、今回の予算は誠に重点がなく、むしろ総花主義であつて、誠に失礼な申分ですけれども、甘いと言わざるを得ない。日本の物価を引下げて、世界の大勢に順応するには余りに遠いという点について自分は残念に思つている次第でございまして、特に貿易は申すまでもなく、各事業界は税金、金利の負担に堪え得る限度にもうすでに達しております。これで世界の競争に打ち勝とうなどということは思いもよらない次第でございまして、根本に遡つてどうしたら無駄を合理的に省けるか、どうしたら歳出を節約して減税し得るや、業界もそれによつて自己資本の蓄積ができて、国際競争に対処し得ることができるように真剣に御研究御実施を頂きたいと自分はお願いする次第でございまして、それでその点において特に輸出産業及び貿易に対して庇護して頂かなければ、現在の場合は到底競争に堪え得ない次第でございますので、その点を十分に御考慮頂きたいと存じます。  このたびの予算につきまして、法人税の中の貸倒準備金を大分増加して頂きました。これは殖やしておりますけれども、これも十分とは申せられません。それから価格変動準備金に至りましては、これはシヤウプの本当の間違つた原則の下に立つたものであつて、机上の議論と言わなければならん次第でありまして、この根本理念をも一つ考え直して頂きたいと思います。キャンセル・クレーム準備金を今度設定して頂いたことは誠に感謝に堪えない次第でございますが、もともとこれは輸出信用保険法によるべきものでありますけれども、現在の実情ではこの信用保険法によるのは矛盾が非常にあるわけであります。と言いますのは、御承知の通り非常に取引先その他について甲乙が非常に多いものでございますから、これの悪い分までもいい確実なる店が受けなければならんということには非常に保険料が高くなる、それで競争に堪えられないということで、それで自己保険の形の今度のキャンセル・クレーム準備金の形にして頂いた次第でございますから、これはむしろ自己保険の形をとつて頂きますことが本筋でありまして、今の形は利益処分の形をとつておりますが、これに誤まりがあるのじやないかと思う次第でございます。以上の商社強化案のような微温的なものでなくて、ドイツが現在輸出に実行しております輸出業者に対しては輸出取引高の実績の一分、それからその製造業者に対しては三分を免税にいたして積立てさしておりまして、なお同額の分を各自十年間の延納を許すという保護法をとつております。なお、輸出貿手の金利は五分以下、これは外貨手形という新らしい型をとつておりますので、輸出地先と同率の金利を以てやらせるという方法をとつております。長期には三分以下の金利にするというような、競争のできるようなところまでして頂いて、現在輸出第一主義と折角政府の方針もきめられておるのですから、口ばかりでなく、実際にやつて頂いてみられたら如何かと思います。貿易業者或いは輸出産業業者、共にその意義に感じまして、士気も振つて、仲間同士のけんかなんかせず、国際市場に他国品と血みどろになつて闘つてみようと思う次第でございます。同じことが輸出信用保険にも言えます。補給金はいろいろ政府の御処理の通り、輸出の補給金は国際通貨基金、IMF及びダンピング税をかけることはできないと申しておりますが、これは輸出信用保険を低率にしまして、それを誰でもかけやすいようにして、輸出信用保険の保護の下に思切つた政策をとられたらどうか、これが本当の輸出振興策になるのでないかと思います。特にこの中で輸出信用保険で問題になつているのは甲種、即ち普通保険の場合は、これは国際間の紛争その他によつて輸出上の損失が起つた分に対する問題でありまして、これは国際間の事情によつて起つた損失なんでありますから、当然国家が負わなければならんにもかかわらず、これは被占領当時の強制的制度に根本理念を置いたそのままになつておるような次第で、これは間違つていると思います。これは是非変えて頂きたい。こういうふうにして保護をしますればまだたくさん保護の方法があると思います。今回の予算の中に輸出倍加保険の基金に追加分が一つも出ておりませんが、これは誠に今後こういう方法を実行するについても非常に困難があると思います。今回の予算について貿易振興資金として上げられておりますのは総額一億九千五百万円でありまして、十五国会のときよりは、これは流産予算でありますが、約倍近くになつたという点は誠に結構だと存じますが、すでに一兆に近い予算の中で以て僅か一億足らずの金額を以て先ほど申上げました国家の窮状を救い得るための予算を出そうというには、余りに根本的に考えが違つているんじやないか、こういう点をもつと御再考をお願いしたいと思います。例えば新らしく振興資金として出ました中に出て参ります分は、貿易斡旋所開設運営に必要なるところの経費三千九百万円、これは政府だけの予算ではなく、地方庁にも多額の順を負担させるということになつておりますので、これは困難なる地方財政を当てにするところに無理があるんじやないか、むしろ国家一本でやつて輸出第一主義の肚を見せて頂きたい、こう思う次第であります。で、斡旋所はニューヨークのみに限りません。むしろ日本の商品のいいところを御存じのない地方、即ち中南米とか或いは中近東とか、アフリカ等の物資消費国、即ち消費物資を主に買つてくれる国に対して、而もそれが外費を非常に保有しておる国々に日本の商品の斡旋所又は有能なる商務官或いは通商監を常駐させ、市況を報告したり、或いはその国の経済、或いはその国の政府との連絡をし、或いは信用の調査等を連絡させれば、ここで初めて他国との競争ができて参る次第でありまして、現にDP、DA払、即ち標準外決済方式のために手形保険の裏付けも今度はいよいよできることになりますが、それによつて初めてその貿易を進展させるのには、先ほど申しました通りの商務官その他の常駐によつて実行され得る次第でございますので、これらについての考慮が今度の予算に対して足りなかつたということに対して自分としては残念に思う次第でございます。フランスの財政は余り楽ではないということは皆さん十分御承知でございますが、このフランスでさえ貿易振興予算に対して四百六十億フランの勘定を当てております。以てその決心の如何に強いかということがおわかりになると思います。東南アジア諸国との経済提携に必要なる経費として一千万円、それから重機械類の輸出振興に必要なる経費として七十万円を計上されております。これは共に時宜を得た政策として御賛成する次第でございます。  先ほども申しました前者の分に対しては、日本の現在の東南アジア地区の貿易商を一応調べてみますと、昭和二十八年度、本年の一月から五月までの統計によりますと、東南アジア地区、即ち香港、インド、インドネシア、タイ、シンガポール、ビルマ、フィリピン、パキスタン、セイロン、マライ、インドシナの国々でございますが、これが日本の総輸出高の第一位になつております。その額が日本の輸出高の約三割弱になつております。それから北米が第二位であつて二割四分弱、それから極東、即ち朝鮮、台湾、琉球、中共、これが第三位で一割四分になつております。欧州が第四位、一割三分五厘になつております。これから考えても如何に大切な市場であるかということが考えられます。この市場は大体スターリング地域に属するものが多いのでありまして、原料の供給市場の関係上、米国の軍拡のスロー・ダウンの影響を非常に強く受けまして、且つそれのほかに前に申しましたEPUの集中算勘定から離れておりまする点は日本と同様の孤立の状態になつております関係上、ドル不足の悩みを非常に強く受けております。最もこれは世界中で甚しい所であると思います。そういうかうな関係で、而も米の生産地でない国々は一層の貧窮な状態になつております。而も西欧諸国はいよいよ競争が激甚になつております関係上、この消費物資国であるところの東南アジア地区に向つて猛烈な競争をしかけて来ておりますことを見ましても、日本といたしましては、一日も早く国交の回復と賠償問題の解決とを睨み合せまして、それで技術者の交換、提携等をいたしますれば、輸出の振興となりまして、而も現在及び将来の根本的な根強い地盤の保持となる好機会と存じますので、この際十分にこの資金を善用、活用して頂きますことを希望する次第でございます。  後者は即ちプラントものに対するサービス機関の問題、これはテクニカル・サービス・センターと言われておりますが、鉄鋼等の基本資材の輸出以上にプラント輸出というものは現在必要な次第でございます。而も値段が非常に高いほかに、日本の戦後の貿易の欠陥と申しますのは、海外に支店がなく、出張所もなく、そのために貿易商社が非常に微力になつておるという点であります。戦前におきましては、貿易商が海外に十分に出張いたしまして、それで先方に広告、宣伝からすべて痒いところまで十分に手が行届いて地盤を作つたものでありまするが、現在の状態ではいわゆる信用状が来たのを境にしまして売つてしまえばそれであとはいいというような制度になつておりますので、勢いこれが値段で競争するような形になつて、今のくだらない出血競争をお互いにやつておる次第でありますので、こういう点はどうしても改良しなければならんと思うのであります。こういう地盤が向うにできますれば、勢いおのおのの地盤を作りまして、そうして日本人同士の徒らな競争がなくて、幾分でもそういうことを防いで確固たる地盤ができるのでありますが、こういうことが、このプラン下のごとき問題につきましては特にその点を十分に保護しなければうまく行かない次第でありまして、例えば向うへ機械が参りますと、機械が行つても組立てる方法もわからず、部品が足りないで組立てる方法がつかない、折角手紙でやられますと、二カ月もたつてからやつとそれが戻つて来る、それでもどうしていいかわからん、こういうような状態を続けてれるにもかかわらず、他国のごときは向うにちやんとエンジニヤが行つておりまして、それで機械から何から、プリントからすつかり見まして、そうして人様の向うにある機械まで直して、而もその機械に悪い部分があつて壊れておれば、それをすぐ部品を持つて来て直してやる、工場まで持つて行く、こういうふうなことをして競争するのでは、とても日本の現状では問題にならん次第でございます。これの先ず第一歩としてここにこういう制度を設けられたことは非常に時宜を得た方法だと思います。が、併しその資金たるや五カ所で以て約七千万円でございますから、一カ所で一千四百万円、一カ月当り百二十万円でやるというのでは余りに振興費としては少いのじやないか、よその国の先ほど申しましたような制度をやるのに対しては余りに少いものですから、この制度が中途半端にならんように一つお願いしたいと思う次第でございます。プラントものの原価高のために各地の競争入札にいずれも敗退しまして、それで非常に皆さん失望落胆しておるようでありますけれども、こういう制度が十分完備されて日本の商品に対する信頼感が得られますれば、インドのような状態は日本を凌ぐような大工業国になつて参つてはおりますけれども、併しこの国の機械は現在原始工業、それから大工栄の二種類きりありません。いわゆる中級機械に乏しいものでありますから、日本としてこれを売込むには適当しておる商品じやないかと思う次第でありまして、この例はインドに限りません。新興中南米方面に対しても言える話でありまして、振興策にもつと思い切つた資金を出して、無駄のない有効な政策をとれば、前途希望を持つて進むごとができると信ずる次第であります。東南アジア地区は何と申しましても農業国でありますので、農機具を先方に適合するように改良するような研究機関を設けて頂きたいと思います。これらの資金も今後大いに必要と存じますので、十分御研究頂きたいと思います。なお西欧諸国は振興策と共に調査研究費を非常に出しております。これがあつて初めて無駄のない活躍ができる次第でありますので、こういう調査研究費にも十分投資をして頂きたいというふうに思うのであります。それでこういうふうな機関がございますれば、研究してはどんどん業界に発表して、それで合理的に業界を知的に指導して行けるような点がありますので、こういう点は大いに学ばなければならん次第であります。  最後に結論を申しますれば、現在の日本に欠けておりますのは、いわゆる経済外交である。これがいろいろ実際と合わないことをしてはいろいろな失敗をやつております。それのみならず通商航海条約のできないところがたくさんございますから、これも早く通商航海条約を結んで、それで取りあえず関税の引下げをして頂くような方法を十分にとつて頂き、又内には輸出第一主義の経済に切換えて頂いて、朝野官民一致しまして日本経済を建直して、貿易業者は大いに力を蓄わえまして、国際競争にどこまでも闘つて行けるように、又日本人同士の下らないけんかはやめて、大いに連携して参りまして、且つ又新市場、手を付けていない新市場がまだたくさんございます。この新市場の獲得に努め、又同時に今まで政府も余り乗気になつておりませんスイッチ・ビジネスとかいうふうなものを十分研究して参りますれば、現在の窮状は救われ得ると信ずる次第でございますので、どうかその点につきまして、国会の皆様方におかれましても十分御了解頂いて、貿易振興のために御協力あらんことをひとえにお願いする次第でございまして、自分の公述はこれで終ります。有難うございました。(拍手)

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 質疑がございましたら……。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 ちよつと一つ。今新市場の獲得にもう少し積極的に、或いは購買力なりドルを持つているのにかかわらず、余り心をつけていないのじやないかというようなお話がありましたが、具体的にはどういうふうにお考えですか。

野崎一郎野崎産業株式会社会長

○公述人(野崎一郎君) それは現在一番問題になつているのは、中米でございます。中米は御承知の通りベネズエラのごときは石油でうんと儲けております。大体最近の現状は石油で儲けている市場が非常に多いのであります。ベネズエラが然り、それから中近東がみんな石油で、イランは今問題になつておりますけれども、イラクそれからサウジアラビア、あの近辺なんかみんな石油で儲けておる。これらは外貨を非常に保有しておりますので、これに対して今一番難点になつておりますのは、日本との貿易協定もありませんければ、通商航海条約もないのであります。従つて関税は非常に高い関税でありまして、差別的関税でありまして、約よその国の五倍も六倍も、ときには十倍まで高い関税をかけられておる次第でありまして、こういう方面に対しまして勢い一日も早く十分な手を打つて頂くようにしなければならん。我々出掛けて行きましても、関税で先ずつかえてしまう。で思うように行かない。そういう点を先ず通商協定から始めて頂かなければならん、こう思う次第でありまして、それからなおそのほかに貿易の実情は非常に習慣が違つておりまして、殊に中米のごときは全部日本の現在やつておる方式は全部LCベーシスになつております。信用状を得てやつております。ところが向うのほうは信用状なしの全部後払い形式になつております。でこれをやるには後払い形式をやるには日本の現在の金融は全然できておりません。ですから勢い輸出信用保険におきます金融保険と同時に手形保険、これが両方とも今度国会に出ることになりますが、これによりまして初めてDP、DAの取引ができる次第でありますけれども、併しこれもいろいろ国々ができておりますが、住んでおるラテン民族は変つてないのでございますから、気分は変つてないのでありますから、ですからやはり向うに行つて監督をしたり、或いは常に情報の連絡をしなければならん。これにはやはり向うへ誰か各商社が行つてなければならんわけでありますが、これも余り行つていいものやら悪いものやら、余り行つてむちやくちやに競争をしてぶち壊してしまうことはどうかと思います。むしろこういうものこそ商務官或いは通商監等が設置されまして、行かれて連絡をとられることが非常にいいのではないか、こう思うのであります。それで現在そういう方面に対してはもうすでに日本の商品がうんと行つているらしいのです。行つているのは勿論ニューヨークを通して外商が向うに売つておる。その外商たるや三カ月払い、六カ月払い、而もうんと高く儲けております。ですから日本は一つも出ていない。ですから関税から仕直して行く方法を考えなければならんということをちよつと申上げるために、そういうことを申上げた次第であります。まだたくさん手をつけなければならんところがございます。ですから決して悲観することはないと思います。ただ全体の物価高ということは事実なんですから、これは抑えなければいかんと思います。それには予算からして一つお気を付けて頂きたいということをお願いいたしたいということを申上げた次第であります。   —————————————

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 次に経済団体連合会副会長植村甲午郎君。

植村甲午郎経済団体連合会副会長

○公述人(植村甲午郎君) 植村でございます。今回の予算につきましては、この前の解散国会の提出のときとそう大きな変化ないと思うのでありますが、この前のときに衆議院の公聴会にまかり出まして、多少の意見を申上げたのでありまして、それの繰返しになるのも恐縮でありますが、極くあらましだけ申上げて、それから差当り問題になつておりますことにつきまして、率直に意見だけ申上げたいと思います。私の考えましたところでは、一体この前の解散国会に出ました予算というものが、平和条約が締結されましてから本式に出て来る予算の当初のものではないか、そうしますと、この占領中に行われましたいろいろな制度、法規等につきましても、振返つて見て日本の実情として適当でないもの、或いはあちらから無理押しにされた部分等につきましては十分に検討を加えて、同時に制度の改革もやつて、これによつて費用を捻出して、そうしてこれからの日本の復興の費用に使つて行くというのが本筋であろうと思いますが、なかなかこれま時間的にむずかしいことで、今そういうことを申しても無駄な話かも知れませんが、この方向については是非ともこれからも御努力願いたいと思います。予算の関係としましても、いわゆる制度の改革を伴う行政整理というものにつきまして、これは歴代の過去の実例から言いますと、内閣が企ててもなかなかむずかしいことでありますが、そういうことを言つておられない場合になろうと思いまして、是非とも皆様の御研究によつてこういう方向にも力強く動いて頂きたい。  それから地方の財政、地方制度との調整の問題も交通機関或いは通信機関の非常に発達した今日でありますので、思い切つた簡素化と申しますか、地域的にもいわゆる道州制のような方向に対して十分な御研究を願つて、思切つた簡素化をやつて財政の整理をなし、又中央との調整も図るという方向に是非とも御努力を願いたいと思います。  それから経済の面といたしますと、私どもの考えとしましては、財政については均衡は是非保つて頂きたい。いわゆるデフレ予算でなくてもいいわけでありますが、膨張は極力避けて頂きたい。均衡予算の堅持ということと同時に、為替相場としましては現在のレートを堅持するという立場をとつておる次第でございます。まあそういう観点から予算を見てみますと、まだまだ何と申しますか、総花主義という言葉がいいか悪いか知りませんが、重点的に必要なところに費用が十分に行つていないと同時に、もう少し工夫を凝らすべき節約の部面があるんじやないかということを感ずる次第でございます。経済の面としましては只今もお話がございましたが、貿易振興と国内資源の開発と申しますか、この二つを中心にして経済の再建を図つて行つて頂きたい。で、申上げるまでもなく日本の生産力その他どんどん復興して参りまして、生活程度、生活水準というふうなものもほぼいわゆる戦前基準に近くなつて参つておると思いますが、貿易に関する限りは御承知のようにまだ半分にも行かないというような状況で、一方西独あたりのすでにいわゆる正常貿易を以て均衡を保つて来るようになつた状況と比べますると、非常にこの面が遅れているという感じを強くするのであります。申上げるまでもなく外交、つまり市場開拓の面とそれからコストの切り下げの面と二つ努力すべき方向がありますが、外交の面につきましても、例えば東南アジア地方にしましても賠償問題の解決というようなものが先決問題であろうと思いますが、これらについても何か現地に行つて新らしい企業もあちらの人と一緒に共同でやろうとかいう人とか、或いは貿易をやるかたとか、こういうかたが帰つて来られてのお話を聞きますと、もう少し積極的にもう進むべきときであつて、勿論相手のあることでありますが、そうぐずぐずしていてはいけないときになつて来てやしないかという感じをいたすのであります。それと同時に先ほどのコストの切下げの問題でありますが、これは非常な大きな、又根本的なむずかしい問題だと思います。併しながらどうしてもこれをやらなければいけないのでありまして、事業界としまして、産業人としてもとより第一にやらなければなりませんが、そのほかに政府の施策につきましても、集中的にこの貿易振興、コストの引下げというところに向つて頂きたい。このコストの切下げと申しましても、そう万能薬はなかなかないのだと思います。又業界の種類によりまして事情、程度が違うと思います。従いまして各輸出品につきまして、だんだんに原料、材料にまで及んで、それぞれの段階、又貿易のトランザクシヨンのそれぞれの段階においてセーブすべきものをセーブして、それを集積して外国品と競争ができるというところに持つて参るよりほかに方法はないのじやないか。従つて各商品別に、産業別に相当の今まで調査があるのでありますから、それを基にして急速に対策を立てて実行されることが一番大切じやないか。これは今まで政府の各種の委員会等もございますし、方向はおのずからきまつておると思うのであります。そこに重点的に力を一致して入れて行くということになりますれば、相当の成果が挙るのではないか、かように考えております。  それから貿易の振興につきまして、いわゆる直接補助と申しますか、補助金を出して、少くとも当面のギャップを埋めないとやり切れないのではないか、こういうふうな意見もございます。併しながらこれらの点につきましては、私どもよりより研究をいたしましたところでは、直接補助はやはり対外的な関係から申しましてもこれを避けるほうがいい。結局税制であるとか、或いは金利であるとかというような、そういう間接の面で輸出ができるように極力助成して行くという方法をとつて行くのがいいだろう。ただあとで当面の問題として申上げようと思いますが、極めて特殊なものについて幾らか例外を認めなくては止むを得ないかも知れないというように考えております。  それから財政の状況を見てみますと、私どもとしましては、来年、再来年というふうなときに果して如何なる財政状況になるか、予感としてはますます楽でないのじやないか、苦しいのじやないかというふうなことも考えられるのであります。同時に九州地方の風水害というふうな特別なことも起きておりますし、来年度、再来年度の予算は苦しいのじやないか、そういう点をだんだん考えて参りますと、このきまつております予算の使い方等につきましても、よほど注意をして使つて頂きたい。いつでも実業人の集まりで問題になりますことは、この予算に相当の巨額な金額が計上される、これは必要なんだからよろしい、ただその使用が目的に適つてされておるかどうか、その点についていつでも問題になるのであります。従来よく公共事業費或いは食糧増産費、災害対策費というふうなものについて、これは相当国会等でも問題になつておるところのように聞いておりますが、これらの費用の使い方等について何か新らしいことが考えられないだろうか、私は率直に申しますと、これらの費用が適当に使われないということにも、単純な無駄遣いということのほかに、制度的に無理なところがあるのではないか。今の地方制度との問題等も絡んで、そこに一つ問題がありはしないかというようにも感ずるのであります。我々産業に従事しておりますような者の集まりでよく言われますことは、川が三本ある、これに対して十億円かけて立派に改修をやる、ところがこれが三本に対して三分の一ずつ行くようにやれば、三年計画なら三年たたないとできない。これを端から一本ずつ完成することはできないだろうか。この関係は、私は土木費等のインフレーシヨンに対する影響といいますか、これについても非常に言えるのじやないか。つまり生産に寄与する目的を達して来るようになりますれば、これはそういう懸念はないのでありますから、大きな費用、つまり未完成のものに注ぎ込む間の金融的な影響というものはやはり相当考えていいのじやないか。端から出て回転するようになれば、これはちつともそういう影響はないのでありますから、そういう観点からも何か一つ使い方については御工夫できないものだろうかということが考えられるのであります。  それから当面問題になつておりますことにつきまして若干の率直な私個人の意見を申上げたいと思います。私どものほうで今問題にしておりますことは、大体政府もその方向には進んでおると思いますが、産業投資、殊に開銀の資金の利下げの問題であります。これはいろいろな産業に関係がございますが、殊に電力或いは船舶というふうなものにつきましては非常な関係があるわけであります。電力は現在割合に安いほうのものの一つでありますが、これが現在行われておりますような開銀の七分五厘というふうな利子でやつて行きますと、将来できて来ます電力料金というものは相当高いものになる。折角いわゆるコストの切下げをしまして、国際的に競争をして参ろうというのでありますが、その基本的な電力料金の問題で又高いものになるということでは非常に困る。こういうような面については将来長く影響のある問題であるから、政府資金の開銀を通ずる金利の引下げというものによつて、将来の日本の産業建設の基盤をしつかりしたものにして行きたいという希望があるわけであります。それから、それよりも当面の問題として非常に困つておりますのは、御承知の海運業が非常に不振であることであります。運賃の世界的値下りのためにすべての会社が赤字になつておりまして、国際競争はやつて行かなくちやなりませんから、運賃は競争に耐えるだけ下げなければなりません。然るにそれでは船価が高くついておつて、償却もできなければ利益も出て来ない、赤字になる、こういうわけであります。私どもの只今目標にしておりますところは、海運会社については、これは勿論会社自体としまして努力すべき面が多々あるわけであります。経費の節減であるとか或いは経営の合理化、そういうふうなことはこれは会社がやるべきことでありまして、或いは今小さく分れております企業をもう少し集中して、そうして経済の力を持たせなくちやならないというような面が勿論ございます。併しながら如何にも現在の船価が高いし、それから又その資金は多く借入金でありますが、それの利子が高い、これをどうしても世界並みにしなければ競争に耐えないのでありますから、これを真つ先に考えて頂きたい。大体この海運設備の融資の金利は年利三分五厘程度に一つやつてもらいたい。それから市中の金融機関からも借りておるわけでありますが、それの残高に対しても三分五厘になるようなところを狙いにして利子補給が考えられないものか。これはだんだん問題になつておるようでありますが、これを是非実現をして、海運会社としての競争力をつけて頂きたい、こういうことが問題になつております。  それからこれは一般の問題でありますが、私どもの考えとしましては、この普通の銀行その他の各種金融機関の金利という問題につきましても、少しこの際に特別の勉強をしてもらいたいということで、どこまで行きますか、研究をいたしておるような状態でありまして、いずれにしてもいろいろな方面から、自分の努力は勿論、あの手この手で何とか国際競争に耐えるように持つて行きたい、これを是非一つ実現方をお考え願いたい。  それから固定資産税につきましては、ああいうような金がさのものでありまして、この地方税としてほうぼう動くものでありますから、適当であるないの問題があるのでありますが、こういう固定資産税というようなものも、これを船舶に適用することはやめて、何かほかの方法を考えてもらいたい。そうして事業税についても、外形標準税と申しますか、それをやめて、収益税のシステムに載せて行くようにしないとやり切れない、こういうようなのが現状であります。これらの点についても何とか船会社として国際競争に耐えるように持つて参りたいというのが私どもの念願でございます。それからそれに関連しまして、造船会社が外国船を引受けますときに、やはり値段を二割程度引かないと引受けられないというのが現状であります。これをどうして輸出船ができるようにやるか。御承知のように国内船舶も、海運業がそういう状況でありますから、政府として一定の枠を作つて、これだけは是非作らせるという方法でやつておられますが、併しなかなかこの造船業者としても、その枠も小さくなつて来るし、非常に困る状況にあります。これは御承知のように下請に非常に多くの業種を抱いておりますししますから、経済、社会上の影響というものは相当大きいわけであります。そこでこの輸出船を何とかすべて引受けることができるような措置をあらゆる面でとつて行きたい。これは先ほど申上げましたように、その産業のあらゆる段階でみんなが努力して、それを集積してやれるというところへ持つて参らなければならんのでありますが、いま一つ問題になつております問題としましては、例の造船用の規格鋼材の問題であります。これを一つ実際安く使えるようにする措置を講ずる。そこに先ほど申しました、或いは例外的なこういう特殊なものでありますので、直接補助も一部要るかも知れません。これを製鉄業者に全部かぶせることは少し無理なようであります。併しながら政府の補助だけで製鉄業者は何もしなくてもいいというのでは、先ほど申上げた、それぞれができるだけのことを分担して集積して行くという方向と違つて参ります。これも一つできるだけ負担して行く、その具体的なところをどうするかというようなのが、今研究部面の一つになつております。それから輸出入銀行の造船貸付金利、これもやはり国際水準と申しますか、三分五厘程度に引下げて、そうして期限を五年乃至七年に延長するというような措置をとつて頂きたい。そのほかに税法上の優遇措置というふうなものもございますが。要するに今の金利の関係或いは税制の関係というような方面から、何とかやれるように持つて参りたいということであります。これらの点につきましてもいずれ御審議に相成ることと思いますが、どうぞ十分に御審議頂きたいという点でございます。  それから只今問題になつておりまする二重米価の問題というものがございますが、これは私ども本当の素人でありますので、当らないかも知れませんが、只今のコスト切下げをどうしてもやらなくちやならんときでありますので、先ず消費価格が上ることは何とか回避できないか、こういうことを考えております。この米の問題につきましては、将来どうなるかという問題があると思うのでありますが、二重米価の制度をはつきり今とるのがいいかどうか、それらの点についてもう少し考えてみることができないか、何かこう財政負担に将来大きくなつて来るような気持がするという程度でありまして、これはそれぞれの審議会或いは国会において御専門の方の御検討を煩わしたいのでありますが、私どもとしてはそういう感じを持つております。  それからもう一つはインベントリーのドルを使つて、公債をやめて行くという問題が一つ問題になつておりますが、この点につきましてはときどき私どもの考えを申上げておつたところでありますが、どうもインフレの影響というほうからいいますと、二重に札が出るような感じになりましてどうかと思つております。但しその額が一億ドル程度のものであれば、そう大きく言わなくてもいいじやないかという説もございます。併しどうも筋としてどうだろうか、むしろ公債のほうがいい、但し私個人のあれから申しますと、今の減税公債の妙味は、額がおのずから限られる、公債政策は成るべくとりたくないという意味から行きますと、そういう面で結構である。併しコストが高いという面からいうと、むしろ普通の公債でもいいじやないか、こういうような議論になつて参るようであります。どうもこのインベントリーの関係は、それよりも公債のほうがいいというのが大体の私どもの意見でございます。  大分雑駁なことを申上げまして甚だ恐縮でございますが、要するにもう一つ卒直に只今の全般に対する感じを申上げたいのは、この前の議会解散のために予算が成立しなかつたということは、経済産業界としましては相当の影響があつた、今になつて思わないところになかなか痛いところが出て来る、こういうのが現状であります。そういう意味から言いましていろいろな御議論がありましようが、適当な取りまとめによつて、速かに予算が成立してこれが実施されるということを一番熱望している、これが卒直な私どもの声でございますので、これもお願いをして私の意見を終りたいと存じます。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 ちよつとお尋ねしたい。今お話を承わりましたが、根本的な問題として計画的云々というお話を聞いておりますと、国会に対して経団連の陳情を聞いておるような感じがするのでありますが、例えば経団連関係の鉄鋼にしましても或いは海運にしても、電力にしても、第一に重点的に金を出す、それから総花的には成るたけしないように、こういうのでありますが、参考に、帰つてお話を願いたいので申上げるのでありますが、総花的というと、国会が重視しておりますことは、国民の総力、国民の総合したいわゆる実力というものを強化しなければならないと思つて私は言うておるのです。然るにその半面に重点的に何かそういうものの、国家重要産業に励みやられるということは、お話はわかりますけれども、今のお話を聞いておりますと、又重点的に出したものに対して先ず第一に金利を下げる、長期に貸付をする、返済の期限を長期にする、これは重点的に先ずたくさん金を持つて来る、そのときには貸した金は非常に長く貸しておけ、それから金利はただの三分五厘にしろ、これは世の中にそんなうまいことはない。これをやつたら国民生活、庶民というものがもう生活苦などというものは何もない、皆これは安心して所を得る。ところがこういう傾向が、今日経団連の諸君にまだそういうものが当然として、こういうところでも恥も外聞も忘れて言われるような、この経団連の思想というものを根底的に改めなければ、日本の貿易にしても、今貿易々々ということを申されておるが、これは振興できません。なぜかと申しますれば、往年の例えば岩崎彦弥太とか三井八郎右衛門或いは浅野総一郎、安田善次郎、これを経団連の諸君は見習いなさいというのだ。ちよつと何かといえば国家予算で事をやろうとする。自分の資力、自分の孜々営々たるところの力によつて貿易の振興を如何にすべきか、その資金をどうすべきかということは全然考えていない。電力においてもそうである。海運においてもそうである。浅尾新甫なんていう日本郵船の社長を私よく知つておりますが、実に愚劣な人物です。(笑声)これは戦争後において郵船社長になつたから、総理の吉田君などは彼を海外使節として出しておる……。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 平林君に申上げます。質問の趣旨を簡略に願います。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 質問の趣旨を簡略につて……、国会の権威として、今のは当然のことです。簡略にしてはいけません。ところでそういう思想の経団連に対して根本的の問題です。それを直さないと、国家予算というものに対して、いわゆるこれが経団連重点的の予算になる。だからその精神というものを一つ改めなくちや困るので、当然のこれは問題です。そういうものはこれは何もない。浅尾なんという者は私よく知つております。社長どころかいわゆる課長級の者である。経団連の石川一郎にしても皆そうなんです。あなたもその一員である。その話を聞いておる国会なんてものは実に驚くべきものです。そういう人物が経団連なんです。そうしてややもすればいわゆる総理吉田あたりのところに行つて、財政投資資金というものは三十億出ておりますが、そういうものを経団連というものはむしろ利権の対象としてさえ考えておる。そうしてそれを重点的にもつと、そうして国民全体に及ぼすところの資金というものをまだ削減しようと、そうして利息を下げろと言う、五年のもの、七年どころではない、今度開発銀行は十五年になつているではありませんか。御安心なさい、七年じやないのです。輸出入銀行は従来五年のものが、今度国会に提出しているところの期限というものは十年になつております。特別の場合においては十五年、今日の世界情勢のかくのごときテンポのところに十五年というのです。これは経団連の意見なんです、これが出て来たんです。(「簡単」と呼ぶ者あり)これは国家の、金を常に守つて、そうして自己の利益、利潤にのみに汲々としている往年の、曾つて日本の資本家ですらそのような図々しいことはいたしておりません。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 平林君に申上げます。質問の趣旨を簡略に述べて下さい。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 国家を滅し、いわゆる経団連の石川一郎とか……、これに対して今日確固たる弁明を承わりたいと思います。そうして予算に対する陳述を承わりましよう。我々は国会、国民の代表といたしまして、皆国民の血税である、そういうものに対して今このような話をすることは甚だ何といいますか危険千万である。こういう人物が経団連ならば、将来、そうして我が国の経済の民間団体の主力をなして、政府に極めて一つの何か権力的な行為まで出ておる。これに対して納得の行く解説を本委員会を通じて国民にわかるように、これに対する弁明、答弁を一つ上手にやつて下さい。

植村甲午郎経済団体連合会副会長

○公述人(植村甲午郎君) 御納得は恐らく行かないかも知れません。が併し私どもが只今申上げました基盤になりますことを申上げます。もとより各業界の人として政府に頼つて仕事をやつて行こうというようなことは一つも考えておりません、これは自力でやろうということを考えておるわけであります。それから重点の問題でございますが、これは恐らく国民としてやりたいことは幾らでもあろうと思うのです。併し民間の資金にいたしましても又政府の資金にしましても、御承知の通り非常に欠乏しておるわけでありますから、そこでそういうふうな状況の下にこの苛烈な国際競争に堪えてどうやつて経済を自立して行くか、こういう点になるわけであります。そこで重点主義をとろう、重点主義をとりますと、これは私どもの内部といたしましても問題が非常にあるわけであります。非重点のほうはいろいろの面で不便を忍ばなくちやならない。これも仕方がない。非重点の一面は不便を忍んで、そうして突破口を作つて行こう、これにはどうしても重点主義で行かなくちやならない、これだけのことであります。ほかには別に申上げることはないのでありますが、その意味で先ほど来重点主義、それから貿易振興第一主義でやつて行かなければならん、こう申上げた次第でございます。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 今やや反省したような話が出たのでありますが、何としても経団連というものは今日人物がおらん。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 討論の場所ではないですから、質問の範囲にして下さい。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 質問するには理由が要るから言つているのです。あなたは国会の委員長でしよう。政府の委員長ではないでしよう。あなたは戦争中便乗して大東亜大臣になつて、これが日本を亡ぼしたのじやありませんか。その思想をお改めにならなければ国会の委員長としてあなたは資格はない。いやしくも委員長は委員の発言を制圧するようなことがあつては……。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 公述人に対する質問に限つて発言して下さい。

平林太一無所属クラブ

○平林太一君 只今のお話でありますが、どうかそれでありますから私は申上げておきますが、往年の日本経済を左右いたしました、先刻申上げた人々と、今日の経団連の諸君と、いわゆる経団連の石川一郎あたりから、そういう人物の比重というものは副会長としてどうお思いになりますか、副会長としてどつちが重い、どつちが軽い、そうしてはつきりそれを考えて反省して、例えば岩崎彦弥太であるとか、浅野総一郎あたりはああいう仕事をいたしております。安田善次郎であるとか、当時の財界の巨頭、それと今日の石川一郎とか浅尾新甫、藤山愛一郎、ああいう者はどつちが重い、どつちが軽い。そこで謙虚な態度で当時の人々は国家予算というものを、当時の国家予算というものは必ず削減した、それが国会の使命である。だからそういうことを望まない当時の財界の巨頭というものは自分の力で孜々としてやつて参つたのであります。その点を伺いましよう。(「答弁の要なし」と呼ぶ者あり)

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 答弁ありません。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 重点主義の問題でありますが、産業投資その他について重点をどこに置くかという問題はかなりわかるような気がするのでありますが、予算体系の中で重点主義とおつしやる場合に、今各費目が挙げてある中に、大雑把に言つて、体系として、考え方としてもつと具体的にこういう面にはもう少し重点的にやる、こういう費目、こういう方面はもつと積極的に削つたほうがいいというようなことをもう少し具体的にお話願いたい。

植村甲午郎経済団体連合会副会長

○公述人(植村甲午郎君) 甚だ勉強が足りませんで、具体的なことを申上げられないで遺憾であります。(平林太一君「頭が空つぽだよ」と述ぶ)つまり私の申上げたいのは、第一段は産業投資、これはやつて行きたい。それから一般行政費についてはできるだけの圧縮をして行きたい、これは大筋だと思います。それからつまり社会保障費その他につきましても、これは何といいますか、私どもの頭からいうと、直接経済的の費用とそれから間接経済的費用と、こんなふうに分けて考えておりますから、従つてその意味においてそういう面についても均勢の取れた形でやつて行つて頂くならば、大いにやつて行かなくてはならないというふうに考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 将来の見通しの点について非常に楽観を許さないような事態になるのじやないかというようなお話があつたのですが、その点をもう少し……。この二、三年或いは数年先を具体的に言つてどういうお見通しか。例えば政府のほうで示された資料によりますと、二十七年度の輸出が十一億であつたのを、三十二年度には十五億程度に伸ばす、或いは輸入は二十七年度の十八億であつたのを三十二年度には十六億に減らす、そこで輸出入の収支で二億円の赤字が出るが、それは特別外貨収入でその程度のものは無理なく見込み得るので、二億程度の特需その他の収入を考えれば国際収支はバランスする、そうしてそういう国際収支の見通しで行くと工業生産は戦前に対して一七〇%、即ち二十七年度に比べると二割以上の増加をするし、それから生活水準その他もそう下げなくて行ける、或いは一割程度は上げられるかも知れないというようなのが政府の見通しのあらましなんです。でこういう見通しに対して、今お話の経団連あたりではどういうふうにお考えですか。

植村甲午郎経済団体連合会副会長

○公述人(植村甲午郎君) 見通しの問題はむずかしい問題でありますが、つまりコストの切下げ、それから貿易の伸張ということにつきましては、声は大きいし、皆努力をいたしますが、なかなかむずかしい問題だと思つております。従つて今の予算通りそういうふうなものが伸張して行くかどうか、この点について若干悲観的なような気持は持つております。  それから今の輸入の削減の面につきましては、これはまあ食糧の関係としてどの程度に増産ができるか、それから私どもはこれはなかなかいろいろな問題があるようでありますが、今の高い米を小麦に替えたい、そうして食生活の改良と、それから外貨のセーブをやりたいというようなことも主張しておるわけでございますがあとのつまり原材料というふうな面になりますると、これはそうセーブする意味にはならないし、又輸出のほうに影響して来る、こう思います。ただこの奢侈品はこれは問題ないのでありますが、そのほかに消費生活の面についてもう少し輸入を内地産に替える、外貨予算を替えるという面が考えられておる。例えば衣料品にしましても、純綿についてスフを混ぜても、今日のスフはなかなかいいのでありますから、そういうふうなものを国民としては使うという気がまえになれば幾らか節約できる、そういうようなことがどの程度に、効果をいつから起して来るかという面から言いますと、来年、再来年というようなところは相当やはり苦しい、そうして本当に効果を出して来るとすれば、やはり三年目くらいから以降になつて来やしないかというようなことを考えるわけであります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 金利の問題でありますが、金利を引下げなければならないことは非常によくわかるのですが、これはもう前から数年、特にこの一、二年は非常に声を大きくされながら金利がなかなか下らない、ほかの方面では、ほかのコスト方面では例えば労賃なんかにしても非常に上つた上つたと言われますけれども、戦前水準に比べての生活水準は農村、都会を合せれば丁度水準くらいに復帰したかも知れないけれども、都会だけでは八〇%程度、而もそれは国際水準から見れば非常に低い、それからその他のいろいろな物資にしても、今国際価格に鞘寄せをするというので非常な努力をしていて、非常な努力の結果、相当鞘寄せができつつある、それにもかかわらず金利だけが非常に高く、国際水準と比較すれば問題にならないくらい高くて、そのまま、殆んどみずから努力もなされていないように感ずるのですが、政府の金利を下げるということもさることながら、一般的なそういう金融機関の金利を下げなければならないと思うのですが、にもかかわらず、どういう理由で下らないと見ておられるのですか。

植村甲午郎経済団体連合会副会長

○公述人(植村甲午郎君) その点は産業家と金融家の間に、しよつちゆう論議が戦わされる問題であります。根本的に金利の高い原因は、申上げるまでもなく蓄積資金が足りないということが一番だと思うのであります。銀行の行員一人当りに対するつまり預金額といいますか、こういうふうなものを昔の戦争前の状況と比べてみますと非難に少くなつているわけであります。そういう意味で資金がとにかく足りない。それから従つてまあ貸出しの利率も高からざるを得ないということになるのでありますが、問題はその間の経費その他で消える部分が節約のできる対象になるわけであります。それについてもう少しつまり勉強をしてもらいたい、或いは預金吸収の競争上ほうばうに支店を設ける、支店のコストが、建物なんかも信用上立派なものにしなければいかんというようなことで、そこへ又金が出て行くとかいろいろなまあ銀行の営業上の問題があると思います。それらの点について一つできるだけしぼつて、そうして金利を安くするというように行つて欲しいというのが産業家のほうの意見です。これはまあなかなかむずかしい問題で、大幅には問題が解決しないと思いますが、まあ逐次やる誠意は持つておるようであります、金融家のほうでも。現状そんなふうであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 私社会党の左派の中田ですが、植村副会長並びに経団連のほうではMSAの受諾に対して非常に積極的なように拝しますし、更に兵器生産についても非常に熱意を示しておられるようですが、私新聞紙上で拝見しまして、不況対策とし取上げられておるのじやないかという強い印象を受けるわけですが、私としましては不況対策にならないではないか、成るほど日本には大東亜戦争の非常に兵器生産の遊休施設もある。併しこれらの多くは陳腐化しておる。更に近代兵器の発展というようなことから考えると、兵器生産をやりますためには、蓄積された資本から多くの部面を、陳腐化された施設を更新化するために努力して行かねばならんのじやないか、そうすると平和産業の合理化資金を食つてしまうわけであります、というような点から兵器生産は不況の打開にならんのじやないかという点を考えるのですが、特に国際情勢が冷戦が緩和するということになりますと、各国ともそういう兵器生産に対する熱意をやめまして、輸出産業に重点を置いて来るというようなことから、世界情勢とは逆になつてますます不況になり、不況をますます兵器生産で打開するというようなことになつて、そういうことが悪循環して、遂に日本が大東亜戦争の前に歩んだような道を歩むのじやないかというようなことを心配するのですが、兵器生産の発展といいますか、拡充強化と平和産業との関連はどういうふうに行うのですか、その点……。

植村甲午郎経済団体連合会副会長

○公述人(植村甲午郎君) MSAの問題に関連しまして、私どもとしてはまあ現在約八億ドル見当の特需収入というものが日本の経済をまあ円滑に運営しまして、本当の平常輸出による、自立経済へ持つて行く間のギャップを埋めて行く方法としてどうしても必要だと先ず思つております。  それからただ兵器生産が非常にこう新聞等で大きく取扱われておりますが、考えてみますると、まあ日本の産業統計を見れば、大体四兆くらいの工業生産がある。それから機械工業だけをとつて見ても、機械工業に属する部面だけで六千億くらいの生産がある。その中でいわゆる兵器として今まで受けたもの或いはこれから受けるであろう注文というふうなものは一億ドルとしたつて三百六十億円と、こういうふうになりますね。それが二億ドルならその倍、比重はそんなに重い形でないのです。で今のその平和産業との関係につきましては、私どもとしては、今の平和産業をチェックするという作用はないと思つておりますが、ただ一つ、つまりコストを引下げるということは一面物価の引下げと関連するところが多大なわけであります。そこで一方からいつて、若干の新しい仕事が起きて来るということが幾らか物価引下げに逆作用を持つて来はしないか、物価が高くなる傾向を持ちはしないか、これらの点については、やり方について、殊に資金操作について気を付けて行かなければならない、こんなふうに考えているわけであります。従いましてこれからMSAが政府、国会でどういうふうに取扱われますか、仮にそれを受けるという方向になつて参りましたとして、そのやり方、内容につきましてはこれは又私どもとしてこう是非ありたいという注文があるわけです。その狙いは、一つは今の航空機の工業であるとか或いは電子工業といいますか、エレクトロニクスといういろいろな電波とか何とかの工業であるとか、こういうような大きなギャップが技術的にできております工業については、この際この方法によつてでなければ急速には追付けないだろう、そういうふうなことは是非追付きたい。それからこの兵器生産の一般兵器にしましても、分量はそう大きいものでなくても、技術的精度は相当世界的レベルを要求される性質を持つておるわけでありまして、一般の機械工業に対する技術レベルの引上げという面ではやはり効果があるのではないか。従つてそれがこの機械等の輸出増進、販路の拡張にも役立つて来はしないか、而してこれからの輸出についての機械材料面の役割というものはまずまず大きくなるであろう、こんなふうに考えておるのであります。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 大体御見解がわかりましたが、私経団連が持つておられます今の発言力の強さというようなことから、なかなか日本政界におきましても無視できない力がありますし、ともすれば、兵器生産が不況打開というようにとられて、そのことが日本の運命に致命的な打撃を与えるのではないかということを、我が労の立場として心配しているわけなんで、この問題はやはり日本の安全を保障するには実際どうすべきかという基本的な立場から出発すべきではないかということを思うわけであります。アームストロングとかビッカースとか、或いはドイツの主要な兵器会社等がナチスと結びつきまして、遂に第二次大戦に至つたことを思いまして、日本の国を思う点では同一かも知れませんが、一旦投じました兵器産業に対する資本という弔のは、国際情勢が平和になつても、投下資本の利潤を要求するというようなことから、非常にスロー・ダウンするようなことも困難になつて来る、特に経団連等で政治資金を数億もまとめてお出しになつたりしていると、いわば今の政界は扶養家族のような形で、なかなか非常に強い発言力を持たれますので、不況打開を兵器産業にというようなことでなしに、一つ慎重な御配慮をお願いしたいという希望を申述べます。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これにて暫時休憩いたします。午後は一時より再開いたします。    午後零時十六分休憩    —————・—————    午後一時四十四分開会

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 休憩前に引続いて会議を開きます。  全国繊維産業労働組合同盟会長滝川実君の公述をお願いいたします。

滝田実全国繊維産業労働組合同盟会長

○公述人(滝田実君) 私全繊同盟の会長をしております滝田実でございます。本日公述をしろという御通知がございましたので、約束の時間に遅れて参りましたことを先ずお詫び申上げたいと思いますが、併し同時に本公述に当つて議員各位が又非常に出席が悪いのでありますが、今も委員長から聞けば、大抵こんなようなものだというので、これでは私どもは本当に公述をする熱意を欠かざるを得なくなる立場におかれます。併し記録にも残るということでありますし、是非公述の役目だけは果してくれということでございますので、非常に私素人でありますが、労働組合員としての意見を公述いたしたいと思います。  その前に一言申上げておきたいことは、只今総評の大会が四日間持たれまして、今日は最終日でございますが、私も一代議員として出席いたしました。そこで現在の日本の労働運動そのものが、民主的な労働組合の結集勢力として総評議会に結集され、それが日本の組織労働者のみならず、未組織労働者、国民一般に対しても非常に総評の運動自体が大きな影響を与えるということを我々十分考えて、認識いたしておるわけでありますが、この労働運動自体が今年の大会を契機にして更に運動としては憂慮さるべき方向に向つて行く危険性が多分にあります。ここにお聞きの議員の方でも、私が今申上げる考え方については反対の方があるかも知れませんが、私は公述に先立つて是非ともこのことは申上げておかなければならない問題だと思います。いわば労働運動そのものは多分に容共的な色彩を帯びて来ておる。このような労働運動自体について政治はどのように対処するかということが基本的に政治の中に出て来なければ、今組まれようとする予算問題についても対策を根本的に誤る危険性がある。総じて言えば、この予算そのものは国民の生活安定という問題についての重点か欠けておる。こういうところから生活の不安、或いは社会政策全般に互る誤り或いは矛盾というものが、労働運動をこのような容共的な色彩をとらざるを得ないところに追い込んでしまつておる。このことは是非とも自由党と言わず或いは社会党と言わず、改進党と言わず、それぞれの党において国民的な立場で一つ考えて頂きたい問題だと思います。私は日本の労働運動のこの動向に対して再民主化運動を進めておる一人であります。新聞紙上に出ておりますように、民労連運動を進めておる指導者の一人でございますが、このようなことがやはり国会内に十分認識された上でこの予算に対する御審議を是非ともお願いしたいということを、先ず冒頭に申上げておきたいと思います。  大体衆議院或いは参議院において公述された方々、或いは現在までの審議の過程を見ますと、専門的な立場においていろいろ述べられておりますので、私はそういつた学者的な立場において数字を申上げるというよりも、概念的ではありますけれども、労働者の素朴な一つのものの見方というような立場から若干申述べたいと思います。主なる点を大体指摘しておきたいと思いますことは、歳出のほうについて前年度に比較して三百五十七億余が増加につておる。このことについてインフレを起さないように一つ是非とも注意して頂きたい、これが基本的な態度の一つの問題であります。それから防衛支出或いは安全保障費、保安庁の関係の費用等がここに計上されておるわけでありますが、これは昭和二十七年度の予算額に対して減少しておるということでございますが、併し総支出に対してやはり一三%を超えておるというような、このパーセンテージそのもの、或いは絶対額そのものについて、私どもはやはりこれは非常に日本の経済力と国民の生活水準ということから比較して無理がある。而もこれが憲法との関係において、再軍備というものを実質的にこれは現わしておるのではないかという点については、この額は認めがたいというふうに考えます。それぞれの国において軍備という問題については、これは国会においても十分議論されていることで、私が今更申上げることではございませんでしようけれども、やはり予算額の中の一〇%を超える軍事関係の支出というものは、事実上国民生活を圧迫するということについて非常に大きなファクターであるということについては間違いないことでありますので、この点については第二の点として指摘をしておきたいと思います。  それから第三点については、このような保安関係或いは軍事費と目されるものの支出に対比いたしまして文教関係の支出が非常に少い。特に昨年度に比して文教施設費、これが減少しておることについては我々は適当ではないというふうに考えます。一般教職員の待遇改善の問題にいたしましても、もう少し教職員というものは実際に生活が維持できる、十分生活には必配がないというような保障をすることによつて教育者の教育に対する態度を誤らないようにして頂きたい。で、私は現在の日教組の政治的な面における活動については多々誤りがあるというふうに考えております。併しこのような誤りをあえてさせるところには、やはり経済的な裏付が十分されていないというところに教育者自身の政治活動面における誤りを犯さしめておる、このように考えますので、私ども自体は、労働組合の政治活動面についての行き過ぎは、私は是正いたさなければならないものは融合自身の手によつてしたいと思いますけれども、文教施設費全般がこうして減少されるその傾向そのものは、教育者に対するやはり政治の態度というものが誤つている。むしろ逆の方向に行つておるのではないかと、このように考えますので、この点も一つ指摘しておきたいと思います。  その次には、中小企業のいわゆる積極的な対策というものについて、財政投資の計画というようなものが積極性を欠いておるのではないか、このようなことを考えて、それではお前はこの数字をもう少しどう直すんだということについて意見を述べたらどうかというふうに言われるかも知れませんが、このようなことについてはそれぞれの党の政策の専門的な方がおいでになられるわけでありますから、そのようなところで十分御検討をお願いしたい、このように考えます。  それから歳入全般についての労働者の考え方というのは、やはり減税措置はとられておると言つておりますけれども、僅か十四億の減少、而もこれが依然としてやはり大衆の生活の税金のやはり収奪というようなことについて、やはり緩和されたというような実績が出て来ていないのではないか、このように考えます。所得税が若干軽減を見ても、実際上にはやはり地方税が増加しておるようなことによつて、勤労者の生活そのものはやはり依然として税金の重圧下に置かれておるというようなことは、これは減税とは言えないし、国民の生活保障、生活安定という面からいたしますと、決してこれは政策の中に軌道に乗つておるというふうには言えないように考えます。  非常に私が申上げることは抽象的なことのようでありますが、ここで住宅問題について特に申上げたいと思います。これは予算と直接関係ない問題のようにも考えられますけれども、一般国民の住宅対策について、政治に一体どれくらいの熱意を示しておるかということについて、端的に私は日本のこの状態を見て、例えば東京の街において現存高級料理店がこれほど氾濫しておる都市というのは私はちよつと見られないのではないか、私はここ三年間にヨーロッパ各地を、三回に亘つて国際会議に行くために見て来ました。そして絶えず労働者の住宅がどうなつておるかということと、それから消費面における人たちの遊興関係の住宅、むしろ施設というようなものが、一体どういう関連にあるかということについて絶えず眺めて参りました。特にイギリスへ行きまして、イギリスの住宅対策というものは日本とどれほど食い違つておるかということについては、一応私はロンドンのあの貧民街と言われておるイースト・エンドの街を見に参りました。イギリスはここ数年間に経済的には国家的に非常に苦しい立場に置かれておりますけれども、イースト・エンドの住宅対策というものは、国家の財政が苦しいにもかかわらず、住宅の対策というものはむしろ積極的に行われておる。ここにイギリスの社会の一つの安定性というもの、或いは又労働運動の正常な発展というものが約束されるのではないか、それに引替えて日本の状態というものは高級料理店の氾濫、東京で言えば新橋、築地のあの状態というのは、或いはあの赤坂の料亭というのは、又一方には大ビルディングのこの化成というのは、本当に一部の大資本の利益によつて建てられておる。国会の周辺における新らし建築のこの状態を見ても、これは一般大衆の住宅と対比してまあ非常に相矛盾した建設が行われておる。このようなことは、少なくともイギリスの国内においては全く見られない状態だと私は思います。でこのようなことが行われ、仮に地方に行つてみましても、私はその県の名前を挙げてもよろしいですが、挙げることはあえて適当でないと思いますので差控えますが、仮に地方の県庁の所在地の都市へ行つて見ましても、県庁の所在地の県庁の周辺には必ず大きな料亭が建つておる。一体この政治というものと料亭というものとどんな関係があるのかということについて、先ず住宅対策というようなものを、単に個々の数字に、労働者の住宅を何戸建てました、五万戸建てるとか建てないとかいう問題よりも、もつとほかに税金の徴収の問題についても或いは不当利得の問題についても、或いは住宅対策そのものについても、政治としては本当に真剣に考えて頂かなければならない問題があるのではないか、このようなことがやはり十分考えられないと、単に個々に数字の魔術によつてこの数字をどうして下さいというようなことだけでは、私は解決がつかないのではないかと考えます。今スト禁止法の問題で、今も衆議院のほうに労働者の諸君がデモをかけつつありますが、この状態を私は見まして、これはやはり法律によつてこのストの禁止、抑えるという問題は、特に最近経営者関係においても或いは自由党の方々も、西独のストライキがないことについていろいろ論議されて、日本の労働者がなぜあんな無茶なストライキをやるのかというようなことについていろいろ論議をされます。併しこれにつきましても、今住宅の問題について申上げましたと同様に、西独の状態というものは……、私は丁度昨年の今ごろドイツにおりました。ベルリンの東独のほうにも入つてみました。私は国際自由労連関係の日本の代表として参りましたが、ドイツのベルリンのあの状態というものを見て、日本の状態とやはり対比いたしまして、先ほどロンドンの例を挙げましたが、これと同様であります。ベルリンには恐らく消費面におけるいろいろの日本のこの悪い施設というものはございません。高級料理店がこう濫立しておる状態もなければ、一部の会社がビルディングを建てる状態もございません。又一部の支配的な立場の人が豪壮な宿舎や何やを建てておる例もございません。そうして大体税金が中流以上の人に非常に累増的にかけられて、そうしてその歳出については、先ず公共施設に税金の歳出の重点が置かれておる。このようなことが西ドイツに十分行われた。そして平均化された。貧困というものをなくするというような対策が全般的に出ることによつて、西独のストライキが起らないという根源的な動きが一つあるわけであります。このようなことについて現在のスト禁正法などというものは全くまあとんでもない間違いを犯しておるわけでありますが、住宅対策について今申上げたような西独或いはイギリスの例を、これらを政治のどの面でどのように活かして行くかということについて政治家自身が考えて頂きたい問題だと私は思います。従つて私の申上げることは、もつと具体的にこの数字を検討しろと皆さんが質問される前に、今申上げたような根本的な問題について十分な認識がなされて、各党が調整を願いたいもんだと、このように私は主張いたしたいと思います。  それから項目の中で特別是非これは反対的な立場をとらなければならないと思いまして一つの指摘しておきたいのは、この支出のほうの十九にあります旧軍人恩給費の問題でありますが、私どもはこれには反対をいたしたい。このようなものが一体日本の現在の社会保障全般が立遅れている段階においてなぜこう取上げてやらなければならないか、特異な問題としてこれを取上げるのは不適当であるというふうに考えます。自由党、改進党はこれに同調しておられるわけでありますが、これは再軍備という問題等に結びつけてなされるのは以てのほかだというふうに考えるわけであります。総括的に見まして、この予算の組み方については、軍事費が非常に多いことについて、これはうんと削減しなければならないということ、そうして社会保障制度のほうにもつと重点が置かれた組み方にされたい。そうして税金の徴収については不当利得的或いは富裕者に対する税の累増的なかけ方というものについてもつと考慮をして頂きたい。このようなことを全般的な問題として望みたいと思います。  大変雑駁でございますが、又素人がましい意見でございますけれども、労働者の立場から率直なものの訴え方として大体概念的に申上げました。このようなことについて御考慮を頂ければ仕合せに存じます。私の公述はこれで終ります。(拍手)

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 有難うございました。  御発言もないようでありますから、これにて散会いたします。    午後二時四分散会

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