P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
16回国会参議院1953/07/09

予算委員会 第12号

発言数
94
登壇者
10
会派数
5
開催日
1953/07/09

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより会議を開きます。  経済審議庁西原総務部長から説明を願います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 我が国経済自立の方策と申しますか、大体の考え方につきましては経審長官から本会議において申述べられたのでございますが、この構想に基きまして私ども一応の試算といたしまして、おおむね玉津後、即ち大体昭和三十二年度頃の我が国経済の構造を研究して参りまして、まだ研究途中の中間的なものでございますけれども、一応の数字ができ上りましたので、それを概略申上げたいと存じます。勿論これは今も申上げましたように一応の中間的なものでございまして、今後の内外の経済情勢の変化に応じ又今後の検討に伴いまして、当然変更して参るべきものでございます。又これは私どもの内部の一応の検討でございますので、関係各省とも今後更に十分連絡いたしまして検討を加えるつもりでおります。又私どものほうに経済審議会というのがございまして、そちらで十分検討を受けるようにしたいと思つております。それ以外に経済界その他各界の意見も十分伺いまして、今後なお検討を続けて参りたいと存じている次第であります。このような中間的な研究でございますが、その概要を申上げますと、大体次のようでございます。  基本的な考え方につきましては、すでに本会議において経審長官から申述べられた通りでございますが、世界情勢の現状及び将来に対応いたしまして、国民の消費水準の維持充実に努めながら極力正常な貿易による国際収支によつての均衡を図つて行く。右の目標を、相当高水準の特別の外貨収入が期待できる間に実現する。このために輸出の増大、国内自給度の向上を通じまして、国際収支の改善を図りながら経済規模の拡大を図つて参ります。なおこれと共に消費を抑制いたしまして所得の増加を成るべく蓄積に振向けるように措置し、経済自立の速かな達成を図る。これが基本的な考え方でございます。  この基本的な考え方に基きまして、大体次のような経済政策を重点的に実施したいというのでございます。第一は、輸出の増大でございますが、経済外交の推進、東南アジア諸国との経済提携の強化等、輸出市場の拡大を図りますと共に、次の方法によりまして割高物資のコストの低減を図り、その他金利の引下げ、税制の合理的改正に努め、その国際競争力の強化を期するのでございます。  基本的なものは、前々から言われておりますように石炭でございますが、石炭関係につきましては竪坑開発を促進するなどその合理化を推進いたしまして、おおむね五年以内に二〇%程度の炭価の引下げを図る。  鉄鋼につきましては、既定の合理化三カ年計画というのがございますが、これによる製鉄設備の近代化を促進いたしまして、銑鉄で四%、棒鋼で一二%、厚板で二〇%、薄板で二七%程度のコスト引下げを図ります。  次に、硫安でございますが、設備近代化を促進し、又操業度の向上等によりまして、おおむね三年以内に二割程度のコスト引下げを図りたいというのでございます。  次は、造船工業を含みます機械工業でございますが、これにつきましてもやはり設備近代化を促進して、極力そのコスト低減を図るようにいたしたいというのでございます。  次に、外貨払の節約を図るという意味で、国内自給度の向上を図る必要があるわけでございますが、これにつきましては、現在輸入総額の五割が大体食糧と繊維原料でございますので、このまま人口が増加いたしまして、又年々農地の荒廃等がございますので、このままで行きますと勿論食糧の輸入が増加するのでございます。又人口増に伴いまして繊維原料も増加するわけでございますが、そういうような点から見まして、食糧と合成繊維の増産に重点を置きまして、国内自給度を向上せしめ、これによつて外貨払いの節約を図りますぽか、外航船腹の増強によりまして、外貨払いの節約と外貨の獲得に資するようにいたしたいというのでございます。  食糧の増産でございますが、昭和三十二年度におきまして米麦千七百万石程度の増産を行うことを目標として、食糧の増産を図ると共に、米食偏重の是正を図りたい。  次に合成繊維の増産でありますが、昭和三十二年度におきまして合成繊維一億五千万ポンドの生産を目標として設備の増加を図る。  次は外航船腹の増強であります。昭和三十二年度当初におきまして百二十万総トンの外航船腹の増加を目標として、その増強を図るようにいたしたい。  それからこれは当然のことでありますが、既定計画通りに電源開発につきましては昭和三十二年度までに五百十万KWの出力増加計画、これをその通り実行するように電源開発を促進したいというのでございます。  次は、奢侈的物資の輸入を極力抑制し、外貨払いを節約いたしますと共に、輸出適格品の消費を抑制して輸出の増大に資するようにいたしたいというのでございます。  こういうようなことを実行いたしました場合の、大体おおむね五年後の我が国経済の構造を想定いたしますと次のようになるのでございます。  輸出は本年度の十一億八千万ドルに比較いたしまして約三億ドル増加して十四億六千万ドル程度になるものと考えられます。輸入は昭和二十八年度の十七億八千万ドルに比較いたしまして、約一億ドルを減少いたしまして十六億六千万ドル程度となります。  次に、正常な貿易外収支におきましては外貨払いの節約と共に船腹の増加によりまして三国間輸送による運賃収入の増加が期待されますので、昭和二十八年度約一億ドルの赤字勘定でございますが、これは大体六年後においては収支とんとんになるというふに考ええられます。  特別外貨収入は、朝鮮の経済復興、東南アジアに対するMSAいわゆるポイント・ホアー計画によるドル収入として一応約一億ドルを期待する、これで大体国際収支がとんとんになるわけでございます。  それから生産でございますが、生産につきましては鉱工業生産指数は昭和二十八年度の一五四に対しまして一七 ○程度になる。農林、水産生産指数は昭和二十八年度の一〇八は対しまして一二一になります。それから国民所得はこれに伴いまして本年度の五兆八千二百億円に対しまして、六兆五千五百億円、約一割の増加となります。消費につきましては主食の一人当りの消費量は二千十七カロリー二十七年度と同様でございます。それから砂糖の一人当り消費は二十七年度の九・七キログラムに対して十七キログラムを大体予定しております。食用油の一人当りの消費量は二十七年度三・五グラムに対しまして四・五グラムにそれぞれ増加するものと、一応そういう計算になるのでございます。それから繊維につきましては、昭和二十七年度の一二・八四ポンドの一人当りの消費量が一二・四〇ポンドとなりますが、合成繊維の占める割合が増加いたしまして、これの耐久力を加味いたしますと実質的の消費は一四四〇ポンドに相当することになるのでございます。  次に、雇用でございますが、昭和二十八年度に比較いたしまして、国民所得が大体一二%増加するのに対しまして、人口は五%増加するのでございます。総人口に対する労働力人口の割合が現状通りといたしますと、労働力人口の増加は大体この経済規模の拡大によつて吸収され得ると考えられるのでございます。  このような経済施策に必要な資金の関係でありますが、先ず電力、食糧、合成繊維及び外航船腹の増加並びに石炭、鉄鋼、硫安及び機械の合理化に必要な資金として要望されております昭和二十八年度から三十二年度間の所要金額総額は約二兆九百億円であります。そのうち財政資金から賄われることが要望されておりますものが約一兆九百億円でございます。今後におきまする財政資金の需要の増加等も予想されるのでありますが、右の財政投資要望額もその効率的な使用を図ることによりましてこれを減額し得るものと考えられます。今後の経済規模の拡大によりまして自然増収もあろうと思われるので、民間金融機関の一層の協力と外資導入の促進とも相待つて、これら経済自立に必要な資金の優先的確保を図りますれば、大体所要の財政資金は供給し得るのではなかろうかというふうに考え得るのであります。概略以上の通りであります。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 質疑に入ります。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 ちよつとお尋ねしておきますが、この三十二年度の経済表の総括的説明というわけなんでしようが、これはなんですか、この構想をお練りになる基礎的な基盤というものは審議会か何かお開きになつてその意見なんか総合されてその上に立てられておるものですかどうですか。単に経審庁関係の御意見なんでしようか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。この構想を練るにつきましては、一応経済審議会の幹事のかたがたの御意見なんかも伺い、又経済界からもいろいろ基本的な経済政策ついていろいろな案を頂いております。そういうようなものも考え合せまして主なものを大体まとめてみた、そういうようなものであります。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 これは外務省なんかのいわゆる世界情勢の変動に関する見通しは一応これに織込まれておるのですか、これは如何なものでしようか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。外務省と申しますか、私どもの内部でも世界経済の動きにつきましては一応いろいろと研究もいたしております。と申しましても、今後の世界経済の動きというものはなかなか予測しにくいものがあると思うのであります。一応の現在までの情勢としては或る程度考えておりますけれども、併しなかなかそういう意味で織込みにくい点もありますので、やはり今後そういう情勢に応じて過当に変更しなければならない。又先ほども申上げましたように、一応の中間的な研究でございますので、今後の研究によりまして変更乃至は検討を加えて行きたいというふうに思つておる次第であります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 自立計画の中の国際収支の問題でありますが、最後はなお二億の特別外貨収入で一応のバランスをとるという考え方ですが、この輸出について十一億六千九百万ドルの二十七年度実績から十四億六千万ドルに増加する主な内容、それから経過年度的にどういうふうに考えておられるか。それから市場構成はどういう変化を考えておられるか、その辺を先ず第一にもう少し御説明頂きたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。一応経済自立の構想といたしましては、基本構想で申述べておりますように、正常な貿易によつて国際収支の均衡を図るということでございます。これに基きまして一応おおむね五年後の経済の構図のようなものを作つてみたいというのでございまして、その結果といたしましては一応検討いたしたことから申上げますと、唯今お話のございましたように、一応三十二年度においては輸出が十四億六千万ドル、輸入が十六億六千万ドルで、差引二億ドルのマイナスになる。そのマイナスについては大体五年後においても朝鮮経済の復興とか或いは今後においても東南アジアに対するポイント・フオアーとか、そういうものは継続されるだろうと思います。この程度のものは大体特別の外貨収入としても期待していいのではなかろうかというふうに一応考えております。そういそことで三十二年度は国際収支は大体バランスが合う、こういうふうに計算したわけでございます。輸出のどういうものが出るかというふうなことになりますと、なかなかいろいろこれは先ほどもお話がございましたように、今後の世界経済の情勢、或いは政治、経済の情勢によりまして変化して参るものと思われますので、非常にむずかしいのでございますが、まあ概略を申上げますと、大体においては現在に比較いたしまして平均して二割五分程度の増加を期待し得るのではなかろうかというふうにまあ考えているわけであります。過去におきましても或る程度それぞれ輸出を相当できたときもございます。併し例えば鉄鋼類その他につきましては今後の情勢からいつて鉄鋼自身の素材としては、それほど輸出がで身ないかも知れないが、併しプラントものその他については今後の努力によりましてこの輸出を伸ばして行くというふうにいたしたい。又繊維等につきましてもなお若干の、現在は非常に低い水準にございますが、なお若干の輸出増加は望み得るのではなかろうかというようなふうに考えているわけでございます。それから市場別につきましては今のところ直接にまだ検討いたしておりませんです。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 国際収支の問題ですが、輸入、外貨収入、特別外貨収入、その一つ一つの項目についてはもつとのちほどお聞きするとして、輸出どう伸ばすか輸出規模の拡大という問題が非常に重要なポイントになるんだろうと思うんですが、その場合にもつとどういう輸出増進政策というか、規模拡大の方策をとつて、どういう品目で或いはどういう地域においてどう伸ばすかということをもう少し具体的に納得の行くように御説明を願いたいと思います。のみならず経過年度においてどういうふうに輸出増加の変化を見通されるのか、その辺をもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。それでないとどういう方策で自立経済或いは対外依存政策から脱却するのかということが具体的にわかりません。そこいらをもう少し詳しく御説明願いたしたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。輸出につきましてはいろいろ世界経済の情勢の変化によつてやはり変化して行くということを考えなければならないと思うのでありまして、こちらだけで計画ということもなかなかむずかしいと思うのでありますが一応個々の輸出入の見通しにつきましていろいろ考えました面におきましては、ポンドの関係或いは東南アジアとの関係、いろいろある意うんですけれども、まあ全体として或る程度の増加を期待し得るというふうにまあ今後の世界経済の全体としての持つて行き方として、そういうふうに期待し得るというふうに考えたわけであります。で年次別にこれをどう伸ばすかということは、やはりいろいろな関係もございまして、今ここで一応の中間的なコースとしてこれを出しまして、これについてのいろいろ御批判を伺つた上で、これ自体をも固め、同時に年次別に固めて行くというふうに考えておりますので、只今の年次別にどうこうということを出しておりません。又現下の情勢ではその点が非常にむずかしくなるんじやなかろうか。具体的に実現を確実に期待し得るようなものを作るということが非常に困難じやなかろうかと思いまして、まあ大体五年後の姿を一応考えてみるということに努力したわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それじや輸出についてですね、今ちよつと簡単に御説明あつたんですが、繊維の関係とそれから鉄鋼或いは機械類の関係とその輸出、或いは化学工業品、その輸出が現在の状態と三十二年度計画とはどういうふうに変化して行く、どういうふうに変化さすべきかとお考えになつているか、その点を一つ……。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。どういうふうに変化さすべきかということはなかなか実はむずかしい点だと思うのでありますが、一応二十七年度の繊維の輸出が約四億ドルございましたが、これが大体二五%ぐらい伸びると申上げましたのは、大体過去の平均の一種の伸びというものが、大体七%というような数字がございますので、そういうようなものを根拠にして実は伸ばして行きたいのでございますが、大体繊維につきましては、まあ二十七年度が四億ドルの輸出でございますが、これが三十二年度ぐらいにはやはり五億五、六千万から六億ドル程度にまでは伸ばさなければならないのじやないだろうかと、又伸びるべきじやないだろうかというように考えられます。それから化学製品は、二十七年度の実績が三千八百万ドルでございますが、これが大体やはりその倍ぐらいにならなければならないというふうに考えます。それから鉄鋼でございますが、これは素材関係でございますので、二十七年度は非常に多く出ておりまして、二億六千二百万ドルで、二十八年度の見通しでは約一億八千万ドルになつておりますが、これはまあ三十二年度・五年後ぐらいにおいては、各国とのいろいろな関係を考えまして、まあ一億ドルぐらいしか或いは期待できないのじやなかろうかというので、この点については若干消極的でございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 機械。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 機械につきましては、二十七年度の実績が大体一億三千八百万ドル、これを大体やはり一億ドル程度は増加させるようなふうに努力をいたしたいというふうに考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 自立経済確立、特に輸出規模を拡大するためには、今までずつと謳われて来たことは、繊維製品の輸出の自然増、今までの自然増程度に伸ばすことは勿論であるが、併しもつと重点は重化学工業に移して、そつちのほうの輸出増加を図るんだ、そのためにプラント輸出であるとか、或いは東南アジアとの提携の問題とか、相当議論しておられると思うのですが、今の御報告によると、こちらのほうはまあ化学が倍ぐらい伸びますが、これは倍率からすれば相当伸びているけれども、絶対量はそれほどよくない、鉄鋼機械はむしろ半分になるとか、三分の一になるとかいうような考え方なんですが、これは三十二年度ぐらいの経過年度のときには止むを得ないので、併し今後は又これが相当伸びるというようにお考えになるのか、或いは日本のれ実勢としてはこういうことになつてしまうので、今まで重化学工業に重点を置くんだという問題は、輸出規模の拡大に関する限りは殆んど意味がないのだというふうにお考えになつて、政策なり考え方を変更されるのか、その点を御説明願いたい。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。将来の輸出の見通しというものはなかなか非常に困難だと思うのでありますが、大体の情勢からいたしまして、重化学工業品はやはり伸びるべき性質のものでなければならないというふうに考えております。只今御説明申上げましたように、大体化学製品では約倍ぐらい……、又そういうふうにしなければならないというふうに考えております。それから鉄鋼の素材といたしましては、やはりいろいろな関係から我が国の素材のマストが必然的に高いような関係もございまして、現在よりも将来においてこれの輸出が伸びるというように考えることは非常にむずかしいのじやなかろうかというふうに思いまして、大体鉄鋼については二十七年度の二億六千万ドルの実績が約一億ドル程度にまでむしろ減るんじやなかろうかというふうに考えたわけであります。併しその代りと申しましては語弊があるかも知れませんが、その機械とか或いはプラントものについては、これは努力をいたしまして附加価値の多いものでありますから、こういうものについては輸出を大いに奨励いたしたいというふうに考えて募りまして、現在は一億三千八百万ドルが二十七年度の実績でございますが、この約一億ドルはプラスしたいというふうに考えているわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それから市場別を考えて参るというお話ですが、これが輸出規模拡大の問題について、一番重要な点じやないかと思うし、政府は東南アジアでやるとおつしやるし、我々は中国市場を併せ考える。むしろそつちに重点を置くという考え方なんですが、その考慮をせずにこういう数字が出ておるのかどうか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。今後のそういうような問題につきましては、やはり世界経済の今後の情勢というものをよく見通さなければならないと思います。そういうような関係もありまして、政府のこの見方といたしましては地域別とか、或いは国別に大体どういうふうに今後なつて行くということをみるということは、非常にこの際としては見当がむずかしいものでございますから、中間的な研究といたしましては、そこまでは研究いたさなかつたのでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 一つ一つの区域別に見ろということであれば、今おつしやつたように非常にむずかしい問題であろうと思うのですが、これくらい一つ一つの物資についてお考えになつておるとすれば、もつと東南アジアのウエイトをどう考えるか、ドル地域をどうするか、殊に中国をどう見るかというような、大ざつぱなことは、もつと一つ一つの品目を御覧になるよりかわかりいいのだし、それから政策をどうきめるかという問題の重点になると思うので、そつちのほうの考慮がなされていないということは了解しかねるのですが、この問題は議論になりますから他の機会に譲りまして、そうすれば二日十八日にお作りになつたという計画試案では、中国貿易について余り現在と変らないということなんですか。現在というのは二十七年度実績では、この間あなたのところの長官が御説明になつたのでは非常に少いけれども、二十八年度といいますか、むしろ二十八年暦年に入つて一—三月ですか、一—五月ですか、それらはもう非常に増えていて、すでに去年の一年間を遥かにオーバーして、そういう状況から考えて、中国貿易は現在と変らないなどというような計画は、非常に計画が狂つて来るのだし、或いはこういうことを考えておられるから貿易の規模がちつとも伸びないという結果になると思うのです。その辺はどういうふうにお考えですか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。今度の一応の三十二年度の見通しと申しますか、政府の構想におきましはて中共貿易がどういうふうになるというようなふうには特には考えておりませんです。併し世界の全体の情勢からいたしまして、例えば昔でありましたならば中共貿易では、大いに繊維が出たということになるだろうと思うのでありますけれども、どうも最近のいろいろな話を間接に聞いてみますとなかなかその方面でも期待が持てるか、持てないのかよくわからないというような情勢もございます。そういうような関係からいたしまして、中共貿易の点をいろいろ考えましても、なかなか今後むずかしい問題が出て来るだろうと思うのでありますが、一応の三十二年の中間的な構想といたしましては、個々の具体的にどこの国にどうこうというところまでは考えずにいたしました。それは今後の世界経済の情勢に応じて更に検討を加えて行きたいというふうに考えておるわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 繊維の問題についてはお話の通りだと思うのですが、化学品、或いは鉄鋼、機械というようなものを或る程度東南アジア市場、その他、非常に世界競争の激しいところで、この程度のものをお見込みになるならば、やりよう、政策如何によつては、そういうものでもつと中共貿易を伸ばすべきではないかと思いますが、これも意見になりますから別の機会に大臣と議論をすることにいたします。  それから次に、それじや輸入の計画についてもう少し、どういうふうに輸入を削減して行こうとしておられるのか、その辺のことをもう少し詳しく御説明願いたい。特に品目別に、更に大きな地域別にどういうふうな変化、どういう脱却の仕方をして行こうとせられるか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。輸入の見込み方につきましては、構想で申上げておりますように、大体食糧につきまして現在のカロリーを落さない、それから繊維関係につきましても、やはり現在の一人当りの繊維の消費を落さない、大体そういうような現在の消費の水準はこれを維持して行く、或いはそれ以上に若し国内資源の開発なり、その他の関係でプラスされればプラスして行きたいというようなふうな考え方で、一応見積つているのでございます。大体食糧関係では、二十七年の実績では米が一億六千万ドル、小麦が一億四千万ドル、大麦が九千五百万ドルで、結局約四億ドル近い数字の輸入をいたしておりますが、これをまあ大体三十二年度におきましては、三億六千万ドルから七千万ドル程度に減らすようなふうに持つて行きたいというふうに考えておるわけであります。それからあとの原綿とか羊毛の関係が非常にこれはむずかしい計算になると思うのでありますが、昨年二十七年度の輸入実績は羊毛が一億五千万ドル、原綿が三億五千万ドル、合計いたしまして五億ドルでございましたが、これは三十二年度におきましては合成繊維の増産によりまして、これらの原料の輸入を減少するという効果を挙げ、又片一方で或る程度繊維の輸出増加を見込んでおりますので、必然的にその面からは輸入の増加を見なければならないのでありますが両方併せて操作いたしまして、約四億四千万ドル程度の輸入を見込んでいる、而もそこで六千万ドルぐらいの差引減になるというようなふうに考えているわけであります。その他一般的な方策におきまして、約一億ドル近い減少減少と申しますか、大体その近くのものを輸入削減と申しますか、輸入の減少、これは或る意味において船が外航船が殖えるという関係もありまして、そういう関係で相当な外貨払いの輸入としては、減つて行くというふうに考えられますので、大体十八億ドルの昨年度の輸入が、三十二年度におきましては十六億六千万ドルになる、こういうふうに考えておるわけであります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうすると原綿とか羊毛は、三十二年度は二十七年度実績より減るといわれるのですか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 食糧とそれから原綿、羊毛の輸入は、二十七年度実績よりも減るのでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 この表で減るのですか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 三十二年の経済表でございますか……。それでは殖えるかも知れませんが……。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 これが改訂されたのですね。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) はあ。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 新らしいほうをあとで簡単でいいですから……。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 新らしいほう、いずれ又差上げるように……。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうすると政府の政策では、国内食糧自給度の向上であるとか、或いは繊維の国内自給度の向上というような問題を認つておられると思いますが、これは第一の三十二年度あたりまでは余り実績が挙らないというふうな、従つて輸入の削限には余り寄与しないというようなお考えなのかどうか。それからそういうものが輸入を抑圧するのに貢献して来るのはそれらはいつ頃からどういう形で出て来るというふうにお考えになつているのか、その辺をもう一つ……。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。只今お話の点は、今後私ども十分研究しなければならん点だろうと思います。大体のまあ目標と申しますか、大きな、まあデッサン的な姿として先ほどから御説明申上げましたようなところに置いておるわけでございますが、これは今後徐々に実現されて行くということになりますので、それの効果に伴つて輸入が或いは減少するというようなことに漸次なつて行くというふうに考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとそのことは、今程度の食糧増産計画、今の予算規模での食糧増産計画、或いは合成繊維の計画を前提にして、大体これだけの数字になるということなのか、或いはもつと、今年度は別としても来年度あたりからは食糧増産その他についてはもつと規模を拡大して、今の予算規模より遥かに飛躍的に拡大をし七行く、更には合成繊維の問題等々も今年あたりよりから飛躍的にもつと増加する。従つてそれの設備資金等々のことは別に考えてやるというような心がまえになつておるのかどうか、その辺はどうここには織込まれているか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。合成繊維につきましては、本年度の、むしろ二十八年度予算で開発銀行から二十五億円を供給するという一応の計画になつております。これで大体、まあこれでと申上げますとあれでございますが、大体五年後項に、一億五千万ポンド程度の生産をし得る設備を増設し得るというふうに考えております。それから食糧につきましては、先ほどの輸入数量と申上げましたのは、実は大体曾つて農林省案と申されましたが、千七百万石の増産計画というもののまあ達成したと申しますとあれですが、まあ達成的なものを幾らか余地をとりまして、約八割程度は抑えた数字で、先ほど申上げました輸入所要量を計算しておるわけであります。従いましてまあ勿論これはあの農林省の千七百万石の案を実現するためには、大きな数字の財政資金が必要であるというふうに出ておりますが、それ自体が更に計算等を必要とするだろうと思いますが、同時に一応のこの計画と申しますか、見通しとしてはそのような数字で計算をいたしておりますので、あれだけの財政資金も必要ではないだろうというふうには考えております。併し本年度の、二十八年度の食糧増産予算ではあの計画もたしか約五割強ぐらいの程度だろうと思う。これであの程度の効果が上れば勿論非常に結構なことだと思いますが、若し計画通り効果が上らないということであれば、その点何らかの工夫が必要だというふうになるだろうと思うのですが、これは今後研究して参りたいというふうに考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 特別外貨収入これは七億から一億に減つて、いや八億から一億に減つて行く経過はどういうふうにお考えですか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。二十八年度の特別の外貨収入七億ドルというふうに計算いたしました。一応の内訳は特需がまあ大体三億ドル、それからこちらの米軍の労賃の支払いが一億四千万ドル、それにまあ米軍の個人消費が二億五、六千万ドルというような一応の内訳をしておるようなわけでありますが、二億ドルという三十二年度の一応の計算は、これは輸出と輸入との差額から来ておるわけであります。それからその間七億ドルから二億ドルまでにどうなるかということは今後のやはり情勢によることでございますので、特別にどういうふうにということを今から推定と申しますか、計算することはなかなか困難かと思つております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとこの二億ドルは貿易収支を一応出して見て、二億ドルだけ足りないから、これだけはやはり何らかの形でドル依存をしなければならん。これが期待量という意味で結果的に出されておる数字だというふうに了解していいのかどうか。そうすると今度はそれじや一体この一億ドルこういうものに依存することなしに、完全な意味で自立経済を打ち立て得るのはいつ頃ということにお考えになつておるのか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 只今のお話の一億ドルでございますが、片一方から申しますと、輸出と輸入の大体必要な量の見通しからこういう数字が出て参ります。それと同時に今後の朝鮮の経済復興とか或いはポイント・フォアを進められるということを考えて参ります場合に、大体この程度の特別の外貨収入というものを期待するということができないというわけでもなかろうかというふうにも考えておるわけであります。なおこの一億ドル自身もないような経済の自立の姿、正常な貿易による国際収支ということになりますと、これはやはり時間がかかると申しますか、更に研究しなければならん点だろうと思います。これはいつ頃になるかということにつきまして、まだ私ども研究いたしておりませんので御了承願いたいと思います。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとその一億ドルの内訳はどういうふうに大体お考えになつておるのか。それから二億ドル程度の額は半永久的のそういう収入を期待していいというふうにお考えになつておるのかどうか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答申上げます。二億ドルの内訳につきましてはただ漠然と朝鮮の経済復興とか、MSAといいますか、東南アジアに対するMSAの関係等を考えておりますので、内訳をどうということは非常に実はまだ五年後のことで非常にむずかしいものでございますから、一応漠然と大体そういうことで期待できるのではなかろうかというふうに考えておるわけであります。又一億ドル程度の特別外貨収入が永久に続くかというお話でございますが、これはやはり朝鮮の経済復興というものがいつ頃に大体完成されるかというようなものとも関連いたします。永久にこういうものがあるというふうには勿論考うべきではなかろうと思うのでございますけれども、まあそういうものとのテンポの見合いで行くものであろうというふうに考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうするとこういう形での特別外貨収入を非常な無理をしてでも、政策的にでも消して行かなければならないというようなことは、殆んどお考えになつておらないので、ただ現在二十七年度八億二十八年度七億というような、今のような情勢がただ推移して行けば、そういうことになるだろうという推移の結果を予測しておられるだけで、政策の結果ではないのだというふうに了解をしていいのかどうか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 結局そのバランスの問題になりますと、輸出をどういうふうに伸ばすのか、或いは輸入をどの程度に行うのかということが、政策として現われて来るのではなかろうかと思うのでありますが、輸出につきましては、先ほど申上げましたように、大体二割五分程度は増加させるようにいたしたい、それから輸入につきましては、国内自給度の向上によりまして、輸入をできるだけその量を少くする。又外航船腹の増強によつて、三国間貿易と申しますか、輸送等もございますしそういうものによる外貨収入を殖やして行くということで、正常貿易による国際収支の均衡を図るということについての方策は、できるだけ考えているつもりでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 だから輸出の政策なり輸入の政策というのは、帰一する目標は特別外貨収入をどうしようとしているのかという点にあると思うのですが、従つてこの一億というようなものを一体近い将来において、こういうものは全然なしにして、完全な意味での自立経済を打立てるということを目標にしておられるのか。そうでなくてこの程度のものは期待もできるし、この程度のものはあつたつてそう自立を曲げるものでもないし、又必要でもあるのじやないかというような考えから出発しておられるのかどうか、その辺のこの心がまえの問題はどうなんです。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 経済の自立の目標といたしましては、特別の外貨収入なんかに頼らないところで、正常な貿易による収支で均衡させるというところにおきたいというふうに考えております。そういうような目標でいろいろ研究してみたんでありますけれども、食糧増産の問題或いは合成繊維によつて置き換え得ると申しますか、そういう繊維の消費量その他いろいろ研究してみました。一応の中間的な研究の結果といたしましては、まあ大体三十五年頃にこの程度の結果になると、その結果の数字でございます。目標は特別の外貨収支がなくても、自立した経済を作りたいということにございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうすると、その究極の目標に到達し得るのは、今三十二年度はだめだが、どれくらいならそれが達成されるということを、漠然とでもお考えになつておりますか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 三十二年品後の問題につきましては、実は三十二年の大体こういう中間的構想から、今後更に具体的に定めて行きたいと思います。その後において、その後の問題を研究いたしてみたいと思つておりますので、まだそこのところまで研究いたしておりませんです。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうしたらこの三十二年度に二億の外貨収入を、特別外貨収入を全部とつ払つてしまう。これを三十二年度で消すということを目標にして進めた場合には、三十二年度に或いはそれまでの経過年度にどういう無理が来るのか、そういう意味でこれが不可能なのか、その辺の見当をお説明願いたい。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 三十二年度に一億の特別外貨収入がない場合どうなるかということについては、私どもまだ研究いたしておりませんです。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それはおかしいので、目標が飽くまでも特別の外貨収入によらないという一つの努力の目標があつて、そのためにいろいろな作業をしておられると思いますが、そこでまあ三十二年度、そのつもりでいろいろ作業をして見たところが、これだけの無理があるので、どうも三十二年度までは達成ができないので、更にあとまで問題が残つたんだということであるならば、考えられるのでありますが、そこで私は目標をどうお考えになるかという点をしつこく聞いているんですが、ただ、そうすると、三十二年度は、輸出入の経過からこういうことになつてしまつたんで、ちつともその目標を真剣に考えておられるのでなくて、ただ自然の推移を、まあいろんな操作を加えながら自然の推移を見てみましたならば、こういうことになつたのだということに過ぎないような感じがするのですが、もう一遍それじや、私、今できていなければお願いをしたいのは、二億というのが三十二年度に、第一の五カ年間にとつ払つてしまうというようなことを相当無理にでもやるならば、どういういろんな無理が出て来るのか。従つて全然不可能なのかどうか、或いはそれをやるためには、もつとどういう思い切つた措置までとらなければそれができないのか。そういうことをとつても、なお且つ不可能なのか、その辺を一つ真剣に検討して見て頂きたいと思います。そのことは、もつと無理に言えば、二十八年度からすぐ、或いは二十八年度は、もうすでに半分経過したとも言えますから、二十九年度あたりからすぐとつ払うというようなことになれば、一体どういう無理が出て来るのか、その辺も一つ検討を願つた上で、他の機会でよろしうございますから御報告願いたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 経済自立の目標は、先ほど基本構想においても申述べましたように、現在の消費の水準、つまり現在の食糧のカロリーとか、或いは繊維の消費量、こういうものを落さないで、その他のものについては、できるだけこれを殖やすようにして、そして目標を達成する。そうして又それ宮本は、乗る程度水準のある、三水準の特別の外貨収入がある間に行うということでございます。又、現に、特別の外貨収入は相当現実の問題といたしまして入つて来ているわけでございますので、又朝鮮の経済復興というものが、五年後において相当大きな規模において行われるであろうとか、或いは東南アジアに対するポイント・フォアの関係が、今後ますます推進されるであろうということを期待するということは、決して無理なことではないだろうと思うのであります。従いまして、私どもの一応の見通しと申しますか、計算といたしましては、この程度のものを約五年後において期待するということは、決して無理でもないのじやなかろうかということを大体考えているわけでありますので、その間の、それがないということを仮定してということは、まあ一つの計算としては、それはやり得ることもできないこともないと思うのでありますけれども、私どもとしては、そういうふうには考えていないわけなんでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そこでその二億ドルの内容をどうお考えになつているかということが非常に問題になるのですが、例えば一億ドルの内容が、今おつしやつたように、朝鮮の復興特需であつたり、或いはポイント・フォアの技術援助であつたり等々であるならば、これは私はドル収入として待つていても、それだからドルに依存しているんだとかいうことは言えないので、これは正常なる輸出と考えてもいいと思うのです。ただ併し、そうでなくて、一億ドルというようなのが依然として進駐軍の個人消費であるとか、或いは今まで言つたような特需であるとかいうようなものであるのならば、私たちはそれが如何に金額は少くとも、やつぱり特別なものに依存をしている紐付のものだと考えざるを得なくなるので、そこで先ほども一億ドルの内容は、どういうものとお考えになつているかということを、まあしつこく聞いたわけですが今の話だと、何か朝鮮復興特需であつたり、ポイント・フォアの東南アジア需要であつたりするというようなお話でありますから、そうであれば、そんな無理にこれを消す必要もないのだ。そこらは、一つもう少しはつきり明瞭にして頂きたい。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) これは新聞等によつて、よく……むしろ私どもより御承知の点であろうと思うのですが、朝鮮の経済復興のためには、三十億ドル程度のものが要るんじやなかろうかというようなことも言われているようでありますので、五年後程度のところで、朝鮮経済復興、或いはポイント・フオアの推進等による需要として、これは一つの、今先生からお話ございましたような、本当のまあ何といいますか、特別の外貨収入というよりは、或る意味における正常な輸出とも考えられるようなものだと思うのであります。そういうもので一億ドル程度を大体期待するということはそう無理でもないのじやなかろうかというようなふうに考えているわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 それからもう一つ、二十八年度の特別外貨収入七億ドルの問題でありますが、今日の新聞にでしたかアメリカのウエアリングとかいう参事官が報告したところによると、むしろ今年度の、或いは暦年かも知れませんが、二十八年の特別外貨収入は九億を越えて十億ぐらいになるのじやないか。というのは、一月から六月までの実績を基礎にして推定をするとそういう計算が出て来る。例えば特需が四億ドル、それから個人消費が三億六千万ドル、防衛分担金が一億ドル、合計九億六千万ドル、これはかたく見たので、もつと殖えて十億ドルぐらいにかり得るかも知れんというような報告をいたしておるようでありますが、この計算はあなたがたのほうではどういう院ふうにお考えになるか。或いは関西あたりに行つてMSA援助の問題と関連さして話をしているので、非常にそういう政略的な問題が含まつているかとも思いますので、その辺のことをあなたがたはどういうふうにお考えになるか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) ウエアリング参事官の談というのは今日新聞に出ておりまして、今お話のように本年の収入が或いは九億ドルというふうにでもなるのじやないかというようなお話が出ている。その内訳はこちらからも聞いてみないとよくわからないのでありますが、今までのこういう特別の外貨収入の足取りを申上げますと、今年の一月が五千四百万ドル、二月が五千七百万ドル、三月が六千七百万ドル、四月が六千六百万ドル、五月が六千八百万ドル、或いは私今計算をやりましたので、多少違うかも知れませんが、大体五カ月で三億一千万ドルの程度なつておる。そういたしますと年間といたしまして六億八千万ドル、大体七億ドルというベースだろうと思います。大体このベースで今年の特別外背収入は七億ドルという程度を実は出しておるのは私どもの推算でありまして、その内訳といたしましては、先ほど申上げましたような一応計算をいたしております。私どもはそういうことで考えておりますので、これから特別の収入が殖えるような情勢の何かそういうものでもあれば、格別でありますが、私どもの一応の推算としては、現状の趨勢を基礎といたしますと、七億ドル程度が適当なところではなかろうかというふうに思つておるわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今のアメリカのほうの報告は、特需は去年の実績の二億四千万ドルを四億ドルくらいに見ておりまして、ここいらには非常に政略的な問題があるかも知れませんが、例えば進駐軍の個人消費は二億三千万ドルの去年の実績に対比して今年度は三億六千万ドル程度であるということを言つておるのですが、これらは単にMSA関係の政略的な問題というよりか、何か向うが相当確かな見当をつけているのじやないか。というのは、朝鮮の休戦が成立をして朝鮮に行つていたところのアメリカの軍人諸君が引揚げて来て、それがそのままアメリカに帰らないで日本に駐留をするというようなことも考えられるので、それらのことを考えると、ここいらで二億三千万ドルが三億六千万ドルに殖えるというようなことも一応考えられるのじやないかと思います。そういうことになると、非常にあなたのほうの勘定と比べると一億ドルくらいの相違が出て来る。そういうことになると予算関係その他で相当な狂いが出て来るし、政策なり何なりをかなり変更して行かなければならない問題にもなると思います。この点は一つ今日は無理でしようが、もう一遍よく検討して頂いて、もう一遍摘当な機会にそれらのものを検討した納果、なお且つあなたがたのほうが正しい見通しになるのか、もつと変更しなければならないか、その辺の御説明を他の機会でいいのですが、お願いしたいと思います。  それからもう一点、今のこの自立計画によりますると、そうすると二十八は七億ドルの外貨収入で、以後漸減して行つて一億ドル程度のものに沖つて、その場合にはMSAの援助に関連するもの、日本に外貨が来るとか、或いは域外買付が相当殖えるとか、そういう問題は全然考慮の外に置いてある、予定しておられないというふうに了解していいのですか。而も現在の国民経済を今あなたがたが概略を目標に当てて、生活水準その他も下げないで行ける。そのためには何らMSAによる特別の援助或いは域外買付の増加を期待する必要はないのだ、このまま柄一応目標のようなことはできるのだというふうに了解しておいていいのですか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。一応三十二年の構想といたしましてはMSAの日本に対する関係等は全然考慮に入れておりません。その閥どういうふうに動いて行くかということになりますと、これは年次別の問題になるわけでありますが、これについてはいろいろ各界の御意見、或いは御指導を受けで検討して参りたいというふうに考えておるわけであります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 年次別の動きにしても、二十八年度の七億ドルから三十二年度の二億ドルに漸減して行くということになれば、MSAの援助を、日本に対しても、或いはその他の地域に対する特別なものを考えなくとも、七億ドル程度のものはあるのである。それが更に漸減して行つて二億ドルになる見通しであるのだから、見通しの中に入つておらないのみならず、これで今言われたような生産の増強なり、消費水準の保持なり、そういうものはスムースにやつて行けるということと了解していいのでしようか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) この基本的な構想は、相当高水準の特別外貨収入がある間に、所要の食糧増産とか、或いは合成繊維の増産等を行なつて、おおむね三十二年において、先ほど申上げたような経済規模と申しますか、そういうような構図に持つて参りたいということで描きました構想であります。従いましてその間におきましてどういうようなふうに特別外貨収入が働けばいいのか、動くべきかというような問題は、その間の今後の問題になるのでありますから、只今お尋ね頂きましたことにつきまして、的確にこれはどういうふうになるとか、それでいいとかどうということをまだ私どもとしても研究いたしておりませんので、お答えいたしかねるのでございます。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 私用事があつて遅れて参りましたから、或いは他の委員の質疑の間にそういうことがありましたかも知れませんが、その点若しもそうでしたら、そういうおつしやつて頂いたらそれで省いてしまつてよろしうございます。こういう実は作業を見せて頂いていつも感ずることは、この目的を達成するためにはいろいろな条件がある。その条件を実は詳しく我々に説明して頂かないと、実はこれがいいのか悪いのか、どうしたら達成できるのかという問題がいつも問題になつて参る。例えばここに書いてありますような基本的なお考えの中に、我が国の昭和二十九年度以降の輸出の増加率は一応過去の平均発展率により、約七乃至は一〇%を想定されている。過去の実績から考えられるとこれはこの通りに出て参るだろうと思います。併し最近の情勢から見ると、御承知の通りの世界経済の情勢が変つて来ている。そういう問題について従事の過去の実績を維持して行こうとすると、その間にどういう事柄が我々としては行わなければならないものかというふうな問題が出て参るだろうと思うのです。それからこの頃東南アジアに対するいろいろな問題があつて、これは東南アジアの経済開発と結び付けて日本の産業を復興しようということが起つて来ることはわかります。併しこれこの問題については賠償問題等が解決されなければならないということも考えられる。又本当にこういうところの経済と日本の輸出産業が結び付いているのかどうかという問題になつて参りますと、どうも結び付けることが希望であるが、現実の姿はやはりむしろドル貿易の進出にはなるが、日本の貿易は期待通りには進んで行きにくい。それで輸出入節行等についても特別な措置を講ずるというふうな姿が出て参るだろうと思うのでありますが、そういう点について実は詳しくお聞きしたいと思うのです。更に前提条件及び策定方針の一で見ますと、果して自由諸国間の軍拡態勢は継続するということは何の根拠でお考になつているのかというふうなことも伺いたい。(ニ)に至りますと、世界貿易の活溌化に対して、何らかの効果的な対策が講じられなければ、縮小貿易に移つてしまうということもこれまた考えられる。そういう点二例を挙げると、私今頂戴した資料を見ておりまして、この資料のみならず、従来経済審議庁で非常に御苦労なすつて作業をなさるのだが、こういう目標を達成しなければ自立経済が達成できないというふうなことはわかります。併し要するに問題はそれを達成する諸条件がこういうふうにならなくちやならない、ああいうふうにならなくちやいけない、そのためにはこういう施策が行われかければならない。こういう作業をして行かれる中にそういうものが出て来るはずです。そういう点を少し詳しく、何か資料でも結構ですが、一応今日概括的な御説明を願つて、この目的を達成するにはこうなくてはならない、こうしなくちやならないという問題を、主な点を挙げて頂けば結構です。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) いろいろお話を頂いた点非常に御尤もなあれでございまして、私どもとしてそういう点でいろいろ勉強が不十分でござまし詳て、まだこれ自身中間的な研究でございますので、いろいろそういう点を今後研究して参りたいと思うのであります。大体先ほど申上げましたように、輸出の振興につきまして、やはり一つ問題は東南アジアの関係とか或いはポンドの関係等において、今後経済外歩と申しますか、そういうものを進めて行かなければならない。それから輸出市場の拡大を図るためにいろいろ相手方の国の国情自体と申しますか、経済事情をやはりよく調査して、それに合うようなふうに持つて行かなければならないというふうに考えておりますので、そういう点を進めて参りたいと思います。それと同時にやはり輸出貿易の関係では、国際競争の問題が一番問題になると思うのでありますが、そういう関係から実は石炭とか、鉄鋼とか、或いは硫安というこういうような造船を含めました機械工業の合理化と申しますか、設備の近代化を進めまして、そのコストを引下げるということは是非やらなければならないというふうに考えているわけであります。そういう意味でその基本的な施策の重点と申しますところでそういう点を申述べてあるわけであります。それでそういうようなことを考え輸出をいろいろ考えたわけでありますが、まあいろいろな最近の情勢からいたしまして、大きく伸びるということを考えるべきかどうかという点が非常に問題がございます。昨年来実はポンド輸出が非常に下つて参りまして、非常に悪い情勢でございましたが、これも極く最近のこの五月のL・Cの関係では幾らか回復して参つたようでございます。又東南アジアを主といたしますオープンアカウントの輸出も極く最近にはやはり元のように返つて参つております、といつて先ほどお話がございましたように大きくこれを見るということも如何かと思いまして、大体の見当といたしまして、現在のベースである十二億ドルに対して或いは約二割ぐらいの増加と申しますか、二割よりも余計になりますが、約二割ぐらいの十四億四千万ドル程度は今のような努力によつて今後伸ばすということを考えても、そう不適当ではなかろうというふうに考えて見たわけでございます。そういたしますと、どうしても現在の消費水準を維持して行く、特にこの輸入に依存しておりますような関係のものについて維持して行くということになりますと、食糧の増産と次はやはり繊維ということが一番問題になるというふうに考えるわけでございます。この食糧と繊維の原料の輸入が大体十八億ドルのうちの半分を占めているわけでありますので、とれをその減らすと申しますか、今後人口が増加いたしますと、どうしてもこの両方とも現在の消費水準を維持して行くとすれば、どうしても殖えることになるわけでありますので、これを減らすということに努めなければならない。そういうような意味合から炭は食糧の増産というものと、合成繊維の増産に今後力を入れなければならないというふうに考えたのであります。それと同時にもう一つは、やはり船の運賃の問題でありまして、なかなかこれはやはり大きな外貨払を占めているわけでありますので、現在の計画では大体年々三千万トンぐらい現在でも船を殖やして頂いておりますが、外航船は今後も殖やして参りまして、運賃の外貨払の節約、又できれば三国間の輸送によりまして外貨の獲得を図るということにいたしたい、こういうふりに考えたわけでございます。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 おつしやることは御尤もで、私もそれに異議は一つもありません。異議はありませんが、今頂戴した資料を見ると、実は私この経済審議庁の案を拝見していていつも痛感するのは、一つの物価の問題をどう思つているかという施策がない、周東君が曾てそういう三カ年計画をしたときにも、その問題について相当論議したのですが、物価問題が一つだとすれば、どうも合理化という言葉が……、非常に合理化でなんでもごまかされてしまうともう政策が出て参らない。どういうふうに合理化をするのだ、こういうふうなことになつてこれとこれとの実際の合理化をすれば、この程度はコストを下げられるはずだというところまで行かないといけないと思います。例えば今頂戴したのを見ますと、石炭については大体コストの引下げが竪坑の対象になるものが三五%あつて、それができれば二〇%値段が落ちる。鉄鋼については四%から二七%までなる、こういうふうなことで資金需要総領、財政資金需要額等に含められているのですが、これも実際民間の努力がどこまで伴うかということも相待つて参ることで、非常にその点ではオプスキユアな問題が出て来る。と同時に、世界の物価というものは、やや落目であつて、日本の横這い傾向よりは更に建つた傾向を示しているということも事実だと思う。こういう点について細かい何か、こういう大体ここに挙げられた主要品目については、そういうふうな具体的なものがおありになるだろう。そういうふうに考えるのですが、そういうものがございますようでしたら、是非手許に頂戴したい、こう私は考えるのですが、如何でございましよう。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 只今お話でございましたように、物価の問題が一番基本の問題でございます。一番私どもも苦労するところでございます。国臓物価、アメリカにいたしましてもイギリスにいたしましても、大体現在昨年の末くらいから横這い傾向をとつております。そういうような点で日本のやはり、我が国の鉄鋼とか石炭の価格が高い、コストが高いことがやはり問題だと思う。これにつきましては昨年から通産省のほうで堅坑を掘る、つまり運搬坑道と申しますか、運搬の道程を、つまり短くするということでコストを下げられる、それ堅坑対象の山につきましては約三割程度はコストが下げられるのではないかというふうに考えられるのでございまして、資料を作つております。それから鉄鋼につきましては、これは昨年から、二十七年度から合理化三カ年計画というのが進んでおりまして、来年度において大体終るわけであります。これはストリップ・ミルとか、そういうふうなものを作つているというような程度であります。それぞれたしか合理化計画の相当な資料があると思いますから、通産省なり何なりに、私のほうで間合せまして差上げるようにいたしたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 この自立計画の中で、一番重要な国際収支の問題ですね。この点について、主として先ほど来質疑応答があつたのですが、審議庁の答弁によりますと、年度別の相当具体的な計画、或いは地域を対象にしたところの或る程度具体的なもの、こういうものが極めて漠然としておる。私はこういうことでは、単なる一つの希望ですね、こういうふうにあつたのだというふうなものでしかないのじやないか、これくらいに思うのですね、恐らく実際は……。併しそれは遠慮して、そういうふうにおつしやつているので、或る程度の地域別年度別の作業というのはなされている。やはりこれは非常に大切な点ですから、十分これはまとめておらないものであつてもよろしいが、何かこれに対する説明書なりの形でお出し願えれば是非お出し願いたいと考えます。何か出ませんか、まとめて……。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 私どもも地域別、或いは大体の年度別の収支の見通しにつきまして、是非やはり考えなければならないと、見通しを立てたいと思うのでありますけれども、なかなか現在の情勢が非常に、どういうふうに考えて行くかという点についてむずかしい点もございますので、研究がまた中途でございますので、まだそういうものはできてございませんことは誠に申訳ございません。ただ現在の、二十七年度なら二十七年度の実績の地域別の大体の調査、東南アジヤに対する日本の輸出入額のウエイトとか何とかいうようなものは、これはございますので、若し必要ございましたら差上げるようにいたしたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 それで、その中で例えば一つの例を挙げて申上げたいが、食糧増産の問題、これは非常にあなたのほうでは重要に取上げられている、これは当然なことだと思います。併しこれもですね、先ほどの御説明によりますと、千七百万石の増産計画、これはこの通り行くとは思つておらない、大体八割程度行けばいいほうだ、そういうふうな考え方でこの国際収支の問題も結論を見通し付けている、こういうお話でした。併しまあ現実に今年度に潤まれておる食糧増産の予算というものは、五割くらいですね。これはあなたもおつしやつたように……。五カ年間であれだけのものを実現しようとすれば、必要な経費の半分程度……、ところがそういうふうに予算が少い、これは増産計画そのものの検討になりますが、そのほかに食糧という問題については、日本の災害という問題があろうと思います。これはもうあなたもこういう総合計画を立てるときにお考えになつていると思うのですが、日本の災害復旧という問題は、絶えずこれはマイナスになつている。過年度のものが蔽いかかつている。そういう状態ですから、これは積極面における予算が五割程度、而も私は五カ年内には必ず九州のような災害でなくとも、やはりいろいろな災害が、これは過去の経験からして出て来る。そういうものも加えますと、この予算の不足というものは、ますます予定計画に比較すると足らない。こういうふうにやつて行きますと、例えば昭和三十年、三十一年、そういうときにはもう思い切つてどんどん食糧増産の費用を注ぎ込むつもりだ、或いは若しそういうつもりであれば、そういう金が出て来るというだけの見通しがつかなければならないし、こういう食糧問題一つちよつと見ましても、果してその通り行くかどうか、私はこれはもう絶対に行かない、五カ年経つても今の調子とあれば、いろんな面から検討して、大体今までのような食糧輸入が続くのじやないか、こういうふうに私は考えるのですがね。併しあなたの計画は非常にこの点は違う。これに対するやはり説明なりそういうものがなかなか出て来ない、先ほどのような御説明の程度では……。その点に対するお考えを、先ほども聞いておりますが、もうちよつとその点だけ限つて触れてもらいたいと思います。もう一つは五カ年間における一つの作業ですから、私は例えば中国費易ですね、これはもつと大く比重を考えるべきじやないか。成るほどそれはいろいろな政治的な立場からして、吉田内閣としては今まで通り以上の比重は置けない。これは一応了解せられます。併し誰が常識的に考えても、三年も四年も五年も先になつても、現状の通り、これは今日中共貿易に賛成されないかたでも、腹の中ではまさかそんなことは考えておらんでしよう。そうすれば、これは当然そういう要素も計画の中に加わつて来るべきじやないか。で、勿論そういう中国貿易、これは先だつても少し議論になりましたが、中国貿易というものをつかまえてみました場合に、果してどの程度のものが予想されるか。これはなかなか研究の余地があろうと思いますが、この現状の程度ということでぽつと打切つてしまつて何も考えない。何も考えないこともないでしようが、この計画の中には、少くともそれが一つの問題として取上げるというふうな出発点に私はなつておらんだろうと思う。これはやはり試案であれば結構ですから、何とかこう表現の仕方にもあなたとしては注意しなければならんところがあるかも知れませんが、やはりこれは考慮すべき要素じやないか。考慮するということになれば、我々もそれが考慮されるなら、中国における原料品の問題はどうなるか、そういうふうに更に突込んでお話もできるのですが、初めからそれがどうも考慮になつておらんということでは、非常にやはりそこに計画として杜撰じやないかと思うのです。米の点とその点をもう少し具体的にお考えをお聞きしたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 今日何か三十二年度経済表の総括的説明というのをお配り申上げましたので、そのほうでいろいろ御質問があるのではないかと思うのでありますが、これはこの前のあれでございまして、今度の分としては相当実は変つておりますので、これは何か御要求がありましたものですから、参考にということでお配り申上げましたので、今度御説明のあれとしてお配りしたのじやないのでございます。この間これも何か参考に配れとかいうお言付けがございまして、お配り申上げました。或いはそういうような意味で、例えば軍拡態勢は、先ほどもお話ございましたように、継続するとか、或いはその他中共貿易については、余り現在と変らないとか、いろいろこういう前提のようなことが書いてございますが、今度の構想におきましては、余りこういうことにそれほどはまあ拘泥していないと言うと、幾分語弊がございますが、情勢もいろいろ変つておりますので、本当はそういう意味では今後もう少し情勢が落ちつくのを待つて、本格的に検討を加えるべきじやないかと思うのでありますが、そういうふうな意味も兼ねまして、これは中間的な研究として一応御覧に入れ、いろいろお叱りを受けるようなふうにしたいと、こういうふうに考えたのでございます。従いまして先ほど申上げましたように、今度の研究におきましては、中間的な研究でございますので、おおむねまあ五年程度のあとのことを一応予想するというようなことにいたしまして、又年次別の計画とか、或いは地域別の大体の見通しということも、そういうような事情から困難でございますので、今のところではそういうものを作つていないわけでございます。  それから食糧増産についてのお話でございますが、これはやはり今お話ございましたように、一番大きな問題であり、私どもとして一番努力すべき問題であろうと思うのであります。来年度以降農林省の計画自体はどういうようなものでありますか私もよく知りませんが、更に農林省としても具体化するように目下検討し、練られていると思いますので、そういうものができますれば、漸次これが具体化して行くのじやなかろうかというふうに思つているわけであります。まあ一応先ほど申上げましたように、増産計画千七百万石に対して、一応今日の計算では八〇%ぐらいをとりましたのは、いろいろな関係から、安全率として、その程度にはしておいたほうがいいのじやなかろうかと考えまして、そういう数字を取上げたわけであります。勿論食糧の輸入につきましては、人口も増加いたしますし、只今お話ございましたように、農地が年々災害その他で荒廃して参りまして、そういう関係から、農産物と申しますか、米麦もやはり産額が減るものでございますから、千七百万石がネットに増加するということにはならないのでございまして、ネットに増加する分は、それから相当下の数字になるわけでございます。従いまして先ほど申上げましたように、現在約四億ドルの食糧を輸入しておりますけれども、相当程度まあ三億七、八千万ドルぐらいでございますが、三億六、七千万ドル近い数字の食糧の輸入というものは、やはり五年後においても継続するのではなかろうかというふうに考えておりますので、その点只今御指摘を受けました通りでございます。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 関連してちよつと伺いたい。五カ年後の経済関係を一応表にまとめてお出しになつたようでありますが、これはインドネシアとかビルマ、それからタイなんかの米の輸入というのは、これは私は日本の農業政策の上から見て、やはり毎年輸入して行くということは国のために非常によくないと見ておりますが、先だつてピブンに会いましたときにこういうことを言つておりました。お隣りのインドやインドネシアが困つておるのに、遠い日本に米は送れないと言つておりました。そこで昭和二十六年度の日本に輸入すると予想された三億七千八百万ドルの米が、二十六年度には多分三億一千九百万ドルしか入つていない。それでそんなことは机上でいろいろ作戦を練つてもなかなかうまく行かない。私はただ今の立案者にお尋ねしておきたいのは、こういう点なんです。昨年の米の出来高は六千三百万石、麦が二千五百万石、合せて八千八百万石であつたと覚えておる。ところが人間一カ年に食います一人当りの石高は一石九升五合、三日三合食うとして……。そうすると八千三百万人の人間になぜ足りないかと私は言うのです。そのほか割食物が非常にたくさんある。あわ、きび、ひえ、大豆、小豆、えんどう、蚕豆、人参、ごぼう、かぶら、じやがいも、さといも、さつまいも、それから魚類も加えて御覧なさい、大変な量になる。一億二千万石になると私は見ております。それだけの豊富な食糧を持つておつて、なぜそれを輸入して行かなければならんかという問題です。私は実に不思議で仕様がない。こういう問題についてはおかしいのです。これは人間の数を人間の一日食べる石数を照し合せればなぜこれで足らんか、人間も一カ年に相当殖えて行きますけれども、まだまだ日本の今日の農林省……、この間も申しました通りに役人さんがたの頭の開拓をやつて、デンマーク式の立派な農業政策というものを樹立することができたら、こんなものを五カ年計画の中に入れる必要はないと思います。日本国内においてこういうものは自給態勢がとられるのだといつことをなぜ謳われないのか、これは実に不思議でしようがない。私はこういう点について政府の役人さんがたは何らの考慮も払われていないかどうかという点については疑問を持つておる。ただ単に例えばインドシナの見通しですね。七年間戦争が続いておるけれども、相当の年が来れば平和になつて、米の増産ができて日本に輸入できるし、タイ、ビルマの状況も変つて来るだろうということが書いてある。そんななまやさしいことで、本当に私は立派な食糧対策というものはできないのじやないか。経済審議庁でこういう甘いお考えを持つておられたら、何年経つても、日本の国土の狭いところでは、人間はうだつが上りませんよ。こういう点について、もう少し御研究になつたら如何でしようか。相当若いおかたのように見えますし、頭のいいかたのようにも見るのですが、(笑声)もう少し徹底した意見を述べてほしいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) これはたしかお配りした総括的説明のほうと申しますか、さつき申上げました……、誤解があると悪いと思いますので、できましたら、むしろこれはこの前どなたからあれがあつたのですが、返して頂いたほうが却つていいのかも知れないと思うのですが、(中山福藏君「これは返したほうがいいでしよう、そんなものは。」と述ぶ)今のお話の点につきましては、私どものほうも、いろいろ輸入の問題について研究をいたしました結果、又それから国内のいろいろな今後の米の、世界的な米の米食と申しますか、米の需給の関係、麦の需給の関係等も研究いたしました結果、私どもとしては、やはり幾らか米から、少し麦とか、その他のほうの食糧へ成るべく転換するというような、生活様式の改善と申しますか、食生活の改善というようなものを考えたほうがいいんじやなかろうかというふうに、考えを改めて来ているのでございます。で、二十七年度におきまして、米は九十一万トン輸入したのでございます。それから三十二年の経済表では幾らになりましたか、ちよつと私忘れましたけれども、今度の一応の考え方といたしましては、九十一万トンの米の輸入をむしろ六十万トン程度に減らしたいというふうに考えております。まあそういうふうなことで、そう世界的な意味からいつて米の輸入にそう多く期待するということは無理ではなかろうか。又米のほうの値段が御案内のように非常に高いわけでございまして、麦に比べまして約倍の値段をいたしております。その意味からいたしましても、やはり外貨払を節約するという意味からは、きるだけ米の生活から麦の生活にむしろできれば変るというほうがいいんではなかろうかというふうに考えていわけでございます。  それから先ほど申上げました中共貿易、これにつきましては、総括説明でちよつとあれでございます参が、余り現在は変らないというふうに、一応その当時の情勢から言つて考えていたわけでございますが、その後朝鮮の休戦問題等もございまして、だんだんとこういう点については今後検討を要するのではなかろうかということから、今回の輸出の見通しにつきましては、まあ大ざつぱに、大体こういうものについてはどの程度国際的に見て輸出ができそうかというような点を検討いたしまして、余り国別に中共との関係はどうこうということを特別にはそれほど研究いたしませんでございました。併しまあ中共の関係等におきましても、人絹等については、ここでやはり或る程度伸びておるのじやなかろうかというところを漠然とは考えております。中共貿易自身が、この前から大臣から申されておりまするように、昨年よりも今年のほうがすでに或る程度金額も殖えております。併し今後の中共貿易がどういうふうになるかとか何かということは、まだまだ今後の情勢によつて研究すべきであろうというふうに考えておりますので、現在の三十二年とか何とかの、まあ、五年後のことでもございますが、この関係ではどこの国に対してどの程度の貿易というようなことは余り研究していないのでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 じや、もう一度だけちよつと……。その三年、四年、五年先のことだから考えてもらいたいというのです。今年、或いは来年というなら、これは吉田内閣の外交方針の下では、これは考えたつて無駄です。もう少し先のことだから、一つこれは真剣に考えて欲しい、その言つておるわけですね。そうして私どもの考えでは、やはり対中共との問題は、中共に対する建設資材の輸出の問題で消費材のの時代ではないと考えております。そして我々の輸入の面では、やはり鉄鉱石、粘結炭、塩、大豆、こういつたような原料品であろうと考えるわけですね。これが随分、何といいますか、一つの政治的な立場からかも知れませんが、寡小評価されておる傾向がありますので、そういうことにとらわれないで、三年、四年、五年先の大きな一つ気持を以て、もう少し突込んだ研究をやはりやつてもらいたい。そうしてこういう見通しを立てる場合には、そういうものも織込んで行くというふうに、是非これはお願いしたいと、要望いたしておきます。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 中共貿易の問題につきましては、五年後のことでございますので、お話の通りでございます。私どもいろいろまだ向うの内部の状況がよくつかめないものでございますから、結論をどう出していいか、その点について非常に迷つておりますので、いろいろ研究いたしておりますのですが、どうも最近、まあいろいろの調査等によりますと、中共のつまり対外貿易と申しますか、そういう関係も非常に変つて来ているというふうに考えられるのでございます。で中共の貿易が一応のこの資料によりますと、戦後の中国の相手国別輸出入比率等によりますと、ソ連との関係が、輸出では、一九五〇年では全体の二六%でございますから、約三割でございまして、それが一九五一年から一月、九月……、一昨年になるわけでございますが……、では五一%に、こう上つて来ているわけであります。で輸入のほうは、一九五〇年が約二割でございまして、それから五一年の一月から九月で約四五%程度に上つて参つております。それから又中の中共自身での鉱工業の生産が非常に伸びて来ております。例えば銑鉄でございますが、大体一九四九年では一〇という指数……過去のピークを一〇〇にいたしまして、それの中の一一くらいの程度でございましたが、一九五三年の計画としては一二〇くらいになつているようであります。それから鋼塊がやはりピーク時に比べてやはり二倍にしよう。石炭がやはり生産として、過去のピーク時の九五くらい、このように内部の生産が非常に変る。綿糸が過去のピークを一〇〇といたしまして、大体一九五三年が一〇三、綿布が一九一くらいの計画というようなことになつております。こういうものは計画でございますので、それがなかなかわからないものでございますから、私どもも、もう少し研究を進めた上で結論をつけたいと思うのでありますが、こういうような点から考えまして、従来過去において我が国が向うから輸入をしていたから、それがそのままやはり入つて来るだろうとどいうふうに考えていいのかどうか。又過去においてこういうものが非常に輸出ができたのだから、やはりそれがそのまま輸出できると考えていいのかどうかというようなことについては、相当研究しなきやならないというふうに考えているわけであります。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 私どもも勿論過去と同じような形で、これができ得る、こういうふうには考えておりません。それから只今おつしやつた中国とソ連との間の貿易の変化ですね、これも今お述べになつた通りです。併しこれなんかの問題も、決して我々がこの問題を考える場合に、マイナスの面として考える必要はないのですね。今日までは御承知のように、もう共産主義圏との貿易というものは、成るべくやらない方式をとつて来ている。そういう立場ですから、どうしてもこれは中国の建設資材というものは、ソ連圏に依存している。これは当り前のことなんですね。ところがそういう情勢が緩和される情勢になつて来れば、これは当然中国としても、もつと有利な、近くのところで取引したい、これは当然なんですね。で中国自身としても、例えばセイロンとか、インドネシアとか、そういうものとの部分的にいろいろな貿易協定なんか始めております。そういうわけですから、これは決して先方は国営貿易で昔とは違うとかそんなことは僕らも知つておりますよ。なお且つ打開できるものがたくさんあるのですよ。だからそれを一つ真剣に取上げてもらいたい、こういうふうに考えるものです、日本経済を自立させるために……。

岸良一緑風会

○岸良一君 ちよつと簡単なことをお尋ねしたいと思います。この表を拝見いたしまして、食糧の問題を輸出入の問題で考えなければならんという考え方は皆様がたと同じでございますが、従つてそれを考える場合に、私は日本で自給できるものについては極力これを自給するということはこれも又当然のことだろうと思います。然るにこの三十二年の輸入計画細目表を見ますると、食糧の輸入の計画、三十二年に酪農製品というものを相当の数入れておる計画になつておる。これはどういう意味であるか伺いたいのと、又これは年次別にやはりお考えになつておるかということをお伺いしたいと思うのであります。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 只今前の表を差上げまして非常に御迷惑をかけて申訳けないですが、いろいろな輸入とか何とかの内訳について研究いたしましてから差上げるようにいたしたいと思います。

岸良一緑風会

○岸良一君 それでそれに関連して、私少し折角御研究になつているなら一つ御参考に取入れて御研究頂きたい、こう思います。前の皆さんがたの御指摘に相成りましたように、日本が莫大なるところの米、大麦、小麦を輸入するということは実際の状況から止むを得ないとしても、これを何とか減らすということに工夫をするのは当然である。各種の土地改良をしてかなり工事費もかかるような、いわゆる傾斜地の開発をやり、或いは寒冷単作地帯の開発をやるということを考えておることも、結局はそれに考え方を置いておるだろうと思います。併しこれによつて土地の開発をして、ただ予期通りに穀類を取るということができるかどうかということの問題は、これは又別に考えなければならん問題だ。特に寒冷単作地帯につきましては、穀物の実らん地帯がたくさんある。これらの地帯を開発して日本の食糧を充実して行くということになりますると、これはやはりとそこにでもきたものを他の形で利用する。即ち端的に言いますれば私どもは家畜を飼わせて、そうして家畜によつて乳なり肉なりを作り、これによつて日本の食糧を充実して行くというほかに途はないと思います。又これらの地帯にあるところの多くの草地、これは全体からいきますれば非常に莫大なる面積を持つておりますが、これらの開発も又これによつてやるよりほかに方法はない。又これによつて達成されるところの食糧品というものは相当の量にもなりまするし、その品質から言えば、日本の食糧問題として欠けておるところの優良な蛋白質及び脂肪の欠陥を補うことができるというような関係になつております。こういうような点から考えて家畜の増殖をやられておりますし、その計画も多分三十二年で一応目標を達成するようになり、又これを達成することによつて日本の最小限度に近い蛋白質、脂肪の供給ができるということになつておりますので、これによりまして今後において私は乳製品等の輸入を考える必要がない、そういう面において極力節約し、むしろこれによつた余力を輸出に向ける、そういう品物は曾ては今の東南アジア特にインドネシア或いはタイであるとかというところに市場を持つており、相当の量が出ておつたわけです。そういうふうに向けて行くことも可能性がありますので、これらに対しての適切なる措置を講ぜられると、その目的は達せられる。そうして日本の国際収支の面において解決せられる、これが大きな寄与するだろうと思いまするのでこれを考慮の中に入れられてそうして研究して頂きたい。これは外部との関係によつて変化するより、国内で方針がきまれば達成し得ることだろうと思うから特に御研究を願いたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 只今のお話は畜産の奨励と申しますか、増産のお話でしたが、これにつきましては、やはり農林省で相当な計画をお持ちでございますので、私も実は個人的には非常に今後やはり米食から特に麦等分に移る場合において、畜産等をやるべきじやなかろうか。又畜産によつて食糧増産が相当できる面があるのじやないかということも、個人的な感じもいたしますし、非常に興味も持つているのであります。いろいろその点につきましては今後研究をして参りたいと思います。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 この食糧輸入の問題に関連しまして、今の政府は自立経済の重点に貿易問題を置かれているのですが、今の御説明を聞くと、何か米から麦への意識的転換を試みているような模様に聞えて来るのでありますけれども、この食糧輸入関係は国内需給とやはり通商関係との睨み合せというものが極めて重要ではないかと思うのです。然るに今回の国際小麦協定の動きを見ましても、とにかくアメリカが小麦を中心とした食糧品が非常に増産せられて、そのはけ道に困つているというようなときに、外貨払いの問題なんかを中心といたしまして、ただ米より麦へ転換しろという形で移行したときに、果してこのビルマなり、タイなり、私もピプンに会い、ウ・ヌーに会つて来ましたけれども、今の現象面だけを見るのでなくて、ああいう米産地におきまする輸出貿易というものは極めて重要視せられておるのでありまして、それらの国からの米の輸入ということを非常に削減して、そうしてアメリカ依存の方向へ持つて行くということは、東南アジアとの結合の上において日本自身が非常に不利な立場に入つて来るのではないかと思うのです。現に通産省関係においてアルゼンチンの小麦が相当高いと言われながらも、アルゼンチンとの通商協定をバーター貿易によつてなさんとしているような事実から以てしても、ただ単に国内需給の立場或いは簡単に米から麦への転換というような思いつきだけの考え方で、そうしてものを考えて行くのでは、極めて危険性があるのじやないか。もつと総合的に、この食糧輸入の問題も検討されないと、各省のセクシヨナリズムによつて思いつき的な、独断的な処置が行われると非常に混乱が生ずるのではないかと思いますし、その問題に対して先ほどのお話を伺つて私非常に心配だから、どの程度までの肚がまえで政府は米から麦への転換を考えようとしているのか、その点を承わりたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) 政府自体といたしましては米から麦へどの程度ということをまだ考えているあれはないと思うのでございます。今のお話の点非常に御尤もなことでございますので、私どもそうい点はいろいろ考慮しなければならないと考えております。いろいろ考慮もいたしおりますが、ただ今後の全体の世界的な意味での、これも世界の動きでございますのでわかりませんが、過去の実績から考えて参りますと、食糧の国際的な生産の伸びと申しますか、それがやはり米の伸びのほうが少くて、麦類の伸びのほうが多いようでございます。麦の国際市場に持つておる量は非常に多いのでありますが、米のほうは少いというふうな関係から、やはり我が国としまして、今後食糧増産計画においては、米を中心にし、成るべく米を増産するということで行われるのだと思いますけれども、やはり全体の生産、今後の将来の国際的な需給とか、いろいろな関係を考えてみますと、そう米ばかりに依存するということができないのではなかろうかということは、一面において考えなければならないというふうにも考えられるのでございます。今の貿易のお互いに輸出入を伸ばす上において、東南アジアの諸国は確かに米の輸出というのは非常に大きな輸出品目でございます。その点も考慮しなければ加らんと思うのでございます。今後いろいろそういうふうな点御指摘を受けまして、中間的な研究を更にいいものにして行くというふうに努力いたしたいと思つております。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 日本人の食生活において米に偏重していることは確かに改めなければならないし、実際上粉食から更に畜産関係によつて、我々が栄養を取らなければならないほうにだんだく移行しなければならないというのは誰もが持つ常識だと思います。併し問題は政策として今急激に米から麦への転換というようなことが打出されたときに、日本のこの食生活の革命というよりは、一つの政府の思いつきの貿易転換によつて、そして米から麦への転換という形を東南アジアよりもアメリカの食糧のでき過ぎたのを処分するほうの方面ばかりに眼を注ぐというような、非常に疑心暗鬼を東南アジア諸国からも生むと思うのです。大体米の買付けの困難を来たしたのは政府の貿易態勢よろしきを得ず、乱雑に出先商魂人と官憲と思惑屋が結託して買漁りをやつたから、インドにおいてもインドネシアにおいても迷惑を受けている。東南アジアにおける米の問題の根源は、日本政府が持つているところの無定見なる買漁り主義によるものであつて、もつと各国との調整の上に立つて米の買上げなり何なりを行うべきであつて、その乱脈なるところの買上げに対するところの態度を改めるべきが先決でありますから、その点は、鬼面人を驚かすような米から麦への転換というような形の、余り無責任な言動をやると、私はその結果というものは却つて逆効果を来たすのではないかと思うのです。その点政府においても十分注意をしてもらいたい。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私経済表につきまして一つお願い申上げたいと思うのです。それは、前提条件が極めて断定的であつて、例えば自由主義国家の軍拡態勢は継続する、或いはその次の場合には縮小化傾向は漸次解消する、それから第三項では徐々に進展する、中共貿易については変らないというような点は、非常に一貫性に欠けたところがあると思うのです。五カ年向うの見通しを立てるということは先ほどもありました通りに、先ず不可能に近いことだと思いますので、むしろこれはそういう計画をどのような態度で考えて行くかというそれを把握する態度が重要だと思うのですが、その態度においてこのような独断的な面が多くて、而も防衛力の充実については検討する余裕がないというような観点に立つての計画そのものは、先ほど撤回願いたいというお申出があつたように、これはむしろおやりにならないほうがよいと思います。で今後そういう点については、やはり冷静に客観的にやつて頂きたいということをお願いいたしまして、簡単なことを一つだけお尋ねいたします。  繊維と食糧の輸入を減少させるという基本的な御計画、而もその食糧についてはいろいろ御質問がありましたが、繊維原料については、合成繊維の増産を図つて行く、こういうお話でありましたけれども、これについては非常に大きな問題がたくさんあると思うのです。その一つは、国土保全の立場において考えなくてはならないと思いますが、合成繊維の目内増産ということは自然国土保全と関連を持つて来ます関係上、この相関関係が極めて大きいものがあると思うのです。この説明書の中にもそういう点は述べておられまして、海外に資源を求めるというような必要があるというようなことも書いてありますが、海外に資源を求めるとすれば、どのような構想があるか。或いは又先般新聞に出ておりましたように、アラスカにパルプ工場を作るというようなことが出ておりましたが、それは一体この中の考慮に入つておるのか、どの程度具体的なプランになつておるか。そのような点がおわかりでしたら御説明を願いたいと思います。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) お答え申上げます。合成繊維につきましては、大体全部国内資源で材料でできると思いますので、これについて特に今後海外に資源を求めるということはないと思います。ただ人絹類の輸出が或る程度今後殖やし得るのではなかろうかということを一応考えておりますので、この面については幾らかやはり原料を海外に求めなければならないと思いますが、これは大した金額にはならないと思います。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 アラスカのパルプ工場の問題を見て、あれはどうなんですか。

西原直廉経済審議庁総務部長

○政府委員(西原直廉君) アラスカのパルプ工場は、あれは直接には通産省の関係かと思いますが、多分あれはああいうので進んで、設立されるのではなかろうかと思いますけれども……。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 保安庁の訓練所の問題についてお尋ねいたします。あの説明書を読みますと、九頁の終りから二行目のところに訓練所の購入費が二十八億円上つておるのでありますが、この訓練所というのは、予定された訓練所であるか、これから更に相当の土地を求めてそれを訓練所に仕上げるのであるか、それは非常時を想定して現在の訓練地というものをお買求めになるのか、そういう点を一つ御説明願いたいと思うのです。

窪谷直光保安庁経理局長

○政府委員(窪谷直光君) お答え申上げます。今保安庁で使用いたしております専用の訓練所というものは、キャンプの構内とも言つていい程度のものが逐次整備されておる状況でございます。若干の部隊を編成いたしまして訓練をいたします場所というのは専用のものは殆んど一つもないという状況でございます。それで今までどうして訓練をやつておりましたかと申しますと、一つは米軍に提供いたしております施設を共用させてもらつております。これは従来と同様に将来もずつと継続をいたして行くことになつておるのでありますが、そのほかに、そういうふうな米軍に提供しておりますような大きな訓練場ではなしに、小部隊の訓練をやります場所は、従来、地元の市町村その他地主の、土地の所有者のかたがた等の了解を求めまして、その都度非常に不自由をして訓練をいたしておるという状況でございます。こういう状況を継続しておりましたのでは、だんだん各個の教練もできて参りましたので、部隊の訓練に非常に支障を来すというような状況になりましたので、今回の予算でそれの整備をして行きたいという考え方をいたしております。それで大きな訓練場といたしましては、北海道に一カ所相当大きな訓練場を持ちたいということを考えております。そのほか、内地につきましては、各、今、現に駐屯をいたしております部隊の近所に、坪数にして申しますと、約二十四、五万坪前後のものと、それから更に、若干、部隊を集合いたしまして訓練をいたしますために、二百四、五十万坪前後の訓練場を逐次整備をして参りたいということでございます。これは現在使用をいたしております訓練場の中に、旧軍の施設でそのまま所管替えによつて保安庁の専用の訓練場となし得るものは極く僅かはございます。併しながら、昔の軍の施設が開拓地になつておりますとか、まあそういうふうな事情から、これを買戻すということが、なかなか、折角苦労をされて開拓をされたかたがたに対しても忍びないという問題もございますし、又換地の問題等いろいろむずかしい問題がございまして、そういうものにつきましては、むしろほかの場所を探したほうがいいということから、大体原野荒蕪地等を中心にいたしまして、従いまして、相当部隊から距離が離れるというような不便も出て参るかと思うのでありますけれども、これらもこの際としては止むを得ないじやないかということから、原野、荒蕪地等を中心にいたしまして、できるだけ農耕に対する影響を少からしめるというような配慮をいたしつつ、新たに取得をいたして行きたいという考え方をいたしております。従いまして、これは平常におきます日常の訓練に使用をいたします訓練場でございまして、別に非常時の場合に使うというような性格のものではなくて、日常の施設の整備というふうな計画に相成つております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 それは日米行政協定に基いた合同委員会なんか開いておきめになるのですか。単独にあなたのほうでおやりになるのですか。

窪谷直光保安庁経理局長

○政府委員(窪谷直光君) これは保安庁専用の訓練場でございますので、日米合同委員会に付議する必要はございませんので、保安庁のほうで決定をいたすということに相成つております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 その買収ということはすでに交渉済でございますか。又これから相当の土地を見付けてそうしてお買求めになるつもりですか。

窪谷直光保安庁経理局長

○政府委員(窪谷直光君) まだ予算が成立いたしておりませんので、部外との折衝は全然やつておりません。ただ現在の段階では候補地を物色して調査をいたしておるという段階でございます。従いまして、土地の取得につきましては、従来の経験から申しましても相当の期間を要するということでございまして、地元のかたのできるだけの納得を得つ仕事を運ぶというふうな配慮からも、相当の期間を要するだろうというふうに考えておりますが、年度末までには予定されたものは整備をして参りたいというふうに考えております。

中山福藏緑風会

○中山福藏君 最後に一つお尋ねしておきますが、これには立退料とか、慰藉料とか、内灘問題みたようなうるさい問題が起きたときに、いろいろなその金銭問題というものがそこに附帯して来ると思うが、そういう考えもこの中に詰め込んで計上されてあるか、二十八億というものは。こういう問題はなかなかその場にならなければ計上はむずかしいだろうと思いますが、どういうことになつておりますか。

窪谷直光保安庁経理局長

○政府委員(窪谷直光君) 土地の買収費につきましては、土地価格そのものの買収費のほかに、先ほど申したように、荒蕪地等を中心にするにいたしましても、全然その農耕地を取得しないで済むというわけにも参りませんので、そういうふうな土地を買収いたします場合には、土地の買収代金のほかに離作の補償費を支払うことにいたしております。内灘の状況を私ども実はどういうふうな措置になつておりますかよく承知いたしておりませんが、大体土地買収の場合につきまして各地方々々によりまして、大体離作料は三年分払うとか、或いは五年分払うとかいう土地の慣行もございますので、これらの慣行も尊重しつつ無理のないところでやつて行きたいと思つております。それからなお離作料以外に例えばその上に建物があるという場合には、その移築できるものであれば、その移築の費用を補償するということにいたしております。それからどうも移築ができない、買取つてしまわなければならないというような場合には、その建物を買取るというようなことに考えております。ただ精神的な損害に対する慰藉の問題につきましては、従来とも保安庁といたしましてはどうも処置のしようがないということから、そういう補償の方法はとつておりません。大体適正な価格と適正な補償ということで処置をいたして参ります。二十八年度の予算の積算の考え方も従来の考え方でやつておる次第でございます。従いまして内灘のようにどこか、新聞で承知いたしておりますところでは、村の公共事業費を特別に見るとかというお話が出ておるやに聞いておりますけれども、そういうふうな経費は全然計上してございません。又そういう措置を必要とするような地域はできるだけ避けて行きたいというふうな考え方をいたしております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 ちよつとそれに関連して、候補地はどことどこですか、今。

窪谷直光保安庁経理局長

○政府委員(窪谷直光君) これはまだいろいろ候補地を物色中でございましてどこということをまだ内定もいたしておりませんが、大体今、現在キャンプの所在地の周辺ということに相成ります。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) では本日はこれにて散会いたします。  明日は十時から公聴会を開きますから、多数委員のかたの御出席を希望いたします。    午後零時四十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗