予算委員会 第9号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/07/06
会議録
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。
○佐多忠隆君 委員長ちよつと議事進行について……。相当多数の議員が見えておるにかかわらず、政府委員諸君をお待ち申上げるような、こういう不見識な議事の進行の仕方は今後絶対にないように御注意を願いたい。
○委員長(青木一男君) 今通産省の政府委員が見えておりますから、貿易のほうから御質疑を願いたいと思います。
○木村禧八郎君 委員長、今佐多君の言われた発言に対して何とか答弁する必要があると思います。
○委員長(青木一男君) よく了承しておきます。
○説明員(松尾泰一郎君) 最近の貿易概況について御説明申上げます。 お手許に資料をお配りいたしておりますが、先ず貿易金融協定一覧表というものを差上げておるはずであります、それから御説明申上げます。現在各国と貿易金融協定を締結いたしておりまするのは、この表で御覧の通りオープン・アカウントの協定といたしまして十四カ国、それからスターリング関係につきましては御存じの支払協定が包括的なものが一つありまして、その中に国別の貿易計画を盛つた協定が三つございます。その他米ドル・キヤツシユで以て取引を規制いたしております協定が四つございます。従いまして、大きく数を考えますれば、約二十地域と貿易協定を締結しておる、こういうことになるわけであります。本年に入りましてから、いわゆる通商協定、特に貿易計画等の改訂をいたしましたのは、一番最初に出ておりまするイタリアを初めとしまして、アルゼンチン、台湾、それから西独、パキスタン、スウェーデン、この六地域に相成つておりまして、近く折衝を開始せんとするところは、フランス連合を初めとしまして、インドネシア、それからブラジルその他が数えられるわけであります。申上げるまでもないことでありますが、この通商協定は貿易をいたしまする基礎、基盤を整理をするという意味合から申しまして、先ずこれが先行することが先方の輸入制限を緩和し、取引を安全にする根本のことになるわけでありますが、この改訂のたびごとに毎年協定額の増額に努めて参つておるわけであります。イタリアから申しますればこの表で御覧の通り、片道千五百万ドルということでありますが、これは今年になりまして初めて協定のできた地域でありますし、又アルゼンチンは片道八千万ドルの協定でございますが、従来の実績から申しますとかなり大巾な改訂になつております。その他、例えば西独にいたしましても或いは台湾にいたしましても、例えば台湾は片道約七千五百万ドルの協定でありますし、又西独は四千五百万ドルになつておりますが、前回はそれぞれ台湾は約五千万ドル、それから西独は三千万ドルという程度でありまして、それぞれ五割方殖やした形になつております。尤も協定額が幾ら大きな額になりましても、実質が伴いませんと、役に立たないわけでありますが、なかなか協定はその金額通りに実施をするということは、いろいろな関係から非常にむずかしいのでありますが、この台湾、インドネシア等におきましては、殆んど協定額通りの実績を示しておるわけでありまして、それらの地域につきましては、協定を増額することによりまして、協定額を殖やすことによりまして、貿易が増進するであろうと思いますし、又アルゼンチン等につきましては、たしか実績はこの四分の一内外になつておるかと思いますが、できるだけこの協定の額まで行くように努力をすべきではなかろうかと思つております。 それから次に輸出入の状況を御説明をいたしまする参考といたしまして、輸出為替の統計表と、それから輸入為替の統計表をお配りをいたしておりますが、先ず輸出のほうから御説明を申上げますと、二十六年度の輸出が総額、一番左側の欄の一番下を御覧願いたいわけでありますが、約十四億ドルと相成つております。それが二十七年度、いわゆるこの二十八年の三月末に終ります二十七年度におきまして、十一億六千八百万ドル程度になつておりまして、即ち昨年は前年と比べまして、かなり輸出が減りましたことは御存じの通りでございます。これは一音に申しまして、海外の輸入制限と、それから他方、一部商品の割高ということが根本原因ではなかつたかと思うのであります。今年になりましてからの輸出の推移でございますが、この表にも、二十八年度の一月から三月或いは四月の金額を書いておりますが、二責に申しまして、毎月一億から最低八千万ドル程度の輸出を示しておるのでありまして、それを若干地域別に特色を申上げますと、ドル地域への輸出は、大体毎月最近では四千万ドル近くなつておりまして、昨年度の月平均は三千二百万ドル程度であつたわけであります。今年になりましてからは若干よくなつておるのではなかろうかというふうに見られます。次に、いわゆるオープン・アカウント地域でありまするが、これも大体昨年度とほぼ同様程度の推移ではございますが、ここ二、三カ月は信用状の参ります額が漸次増加して参つておりまするに応じまして、僅かずつ輸出は殖えつあるような方向に向つております。それから一番問題なのは、スターリング地域への輸出でございますが、御存じのように昨年の六・七月頃までは非常にスターリング地域への輸出が伸びまして、いわゆるポンドの累積という言葉で以てやかましく言われたことは御存じの通りでありますが、その後いわゆる昨年の下半期以降、スターリング諸地域の輸入制限の強化によりまして、漸減して参つておるわけでありまして、数字的に申上げますと、昨年の七、八月を境といたしまして、毎月五千万乃至六千万ドルの輸出のベースが、四千万に減り、三千万に落ちて参り、その後二千万ドル台に落ちて参つたのでありますが、その結果としまして、御存じのポンドの累積も反逆の方向に、ポンド不足の状況に相成つて来つあるわけでありますが、まあその結果といたしまして、本年の三月に、イギリス側と先方の輸入制限の緩和につきましていろいろ話合いをいたしました結果、大体今年の一月から十二月までの日本の受取りとしまして、約五億ドル程度の輸出になるであろうという話合いであつたわけであります。従いまして仮に五億ドルといたしますと、少くとも毎月四千万ドル程度の輸出がなければならないのでありますが、この四月、五月になりまして若干スターリング地域への輸出の増加の徴候は現われて参つておりまして、特に五月になりまして信用状の来かたがかなり殖えて参つております。三千万ドル程度になつておりまするが、今後話合いの五億ドルに達するためには、この下半期におきましてかなり多くの信用状が参り、輸出が増加しないと、かような数字にならないのでありますが、向うの説明によりますと、ああいう非常に広汎ないろいろの種類の地域を包含しております関係上、その効果の現われるのはもう一、二カ月待つてみてもらいたいというようなことも言つております関係上、正直なところ、この輸出の伸び工合につきましては、非常に心配を我々はいたしておりまするが、もう一、二カ月様子をみる必要があるのではないかというふうに考えております。 そこでこの国際収支の表というのをお手許にお配りをいたしておりまして、そこに二十七年度の実績と、それから二十八年度の見通しを対照しておりまするが、これで御覧のように、この受取りの次の輸出の欄を御覧願いたいのでありますが、二十七年度の実績は合計として十一億六千八百万ドル、そのうちドルが四千四百万ドル、それからポンド地域が四億六千九百万ドル、オープンアカウント地域が二億五千九百万ドル、こうなつておるのでございます。これを一応二十八年度の見透しとしましては、合計十一億八千万ドル、それぞれドル、ポンド、オープンアカウントの地域に分けまして、前年度と比較してみますと、大体ドルは昨年度並み、それからポンド地域は若干減る、オープンアカウント地域はかなり伸びるというふうな見通しになつております。これは又後刻大蔵省のほうから国際収支として御説明があろうかと思いますが、輸出の見透しといたしまして、一応現状のごとくんば、十一億八千万程度かと思うのでありますが、例えばオープンアカウント地域の巨億三千万ドルにしましても、或いはポンド地域の四億二千万ドルにしましても、各種の通商協定或いは日英のいろいろな支払協定に関連するいろいろな話合いから見まして、今少し増加をいたすのではないかというふうに見ております。一応通産省としては、この国際収支としてはそれに基いて輸入計画のほうも作る必要上、割に固く踏みました計画として、輸出目標を十一億八千万ドルと掲げておりますが、内部の事務手続としては、大体輸出目標十三億ドル程度に掲げまして、できるだけその線になるように努力したいということで進んでおるような次第であります。なお、この輸出の為替統計表で御覧願いまするように、依然として繊維関係の輸出を中心とし、それに鋼材等を中心とする金属及び金属製品がそれに次いでおります。その次には、大体機械類が位しておるというふうな輸出の状況になつております。一々につきまして御説明申しますと時間を取りまするので、一応具体的な数字はこの表によつて御覧願いたいのでありますが、二十八年度の見透しといたしましては、地域別には先ほど申した通りでありますが、商品別には大体繊維関係は単価の値下り等もありまして、数量的にはかなり増加はするであろうが、金額としては大体昨年程度か、特に化学繊維については若干増加をするのではなかろうかというふうに考えております。昨年に比べまして若干減少をいたすものといたしましては、大体鋼材類、特に厚板、亜鉛鉄板を中心といたしました鋼材類が昨年度よりも本年度は若干劣るのではなかろうか、機械類につきましてはいろいろ価格上の問題もありまするが、現在の引合の状況、或いは昨年の契約をいたしましたものの契約の履行等から考えまして、若干増加をいたすのではないかというふうに考えております。特に繊維関係におきましては、人絹織物、スフ織物、それから生糸類は昨年度よりは増加をするのではなかろうかというふうに見ております。 それから輸入の状況でありますが、輸入は二十六年度におきまして大体十六億五千八百万ドルの輸入をいたし、二十七年度におきましては十七億八千九百万ドルの輸入でありまするが、これは御存じのように、重要物資のみの外貨予算制度を通じて輸入をいたしております関係上、別段取立てて申上げることもなかろうかと思いまするが、二十八年度を輸入も大体二十七年度並程度を考えておるような次第であります。 統計によりましては余り詳細に申しましても御判断が願えないかと思いまするが、一応最近の問題点について申上げますると、特に輸入につきましてはポンド地域からの輸入でありますお手許に二十八年度四月━九月の輸入が、貨物外貨為替予算というものをお配りしておるはずであります。一番最後の頁の一番下のところを御覧願いたいのでありますが、総額として十二億二千五百万ドルの輸入をする、そのうちドル地域が五億七千九百万ドル、スターリング地域が二億九千九百万ドル、清算勘定地域が三億四千六百万ドルの輸入をいたす予定になつておりまして、目下この予算の実行中でありまして、丁度六カ月予算の三カ月を過ぎましたところでありますが、大体順調な実施の状況に相成つております。特にポンドにつきましては御存じのような状況でありまして、非常に輸出の不振の関係上ポンドが少く相成つて参つておりまして、お手許に同じく外貨の手持の状況の表をお配りいたしておりまするが、スターリングにつきましては昨年の六月、七月、八月頃は大体一億二千六百万ポンド程度の手持になつたのでありますが、それが九月、十月とずつと減つて参つておりまして、五月末には三千五百万ポンド程度に減つて参つております。その結果といたしまして、このポンド地域からの輸入の外貨予算約三億ドルの実施につきましていろいろ困難な点もあるわけでありますが、大体この予算の金額通りに実施をするということで進んで参つております。一部こういうポンドの状況から見て、若干このポンド地域からの輸入を制限する必要がないかということも考えられるのでありまするが、とかくこういう輸入物資はかなり重要物資のみを輸入しております関係上、五分乃至一割程度の輸入削減をいたしましても物価に響くような関係もありまして、合理化によつて二、三分の引下げの努力をする半面、この輸入の制限によつてはすぐそれを打消してなお且つ物価を騰貴せしめるというふうな状況でもありまするので、できるだけ事情の許す限り予算通り実施することにしたいということで、ものによりましては若干輸入の交渉等を遅らせるというふうな配意もいたしておりまするが、三億ドルのスターリング地域からの輸入というものは、大体金額通りに実施をするという方針で進んでおります。それからドル地域なりオープンアカウント地域からの輸入につきましては、予算通りに実施をいたしておりまするので、別段御説明を申上げることもなかろうかと思います。 それから資料に主として関連する御説明はその程度にいたしまして、最近の輸出につきまして、特に価格の問題がいろいろあるわけでありまするがプラント類の輸出が非常に叫ばれるその半面、価格がかなり高いというのが、これがまあ無論申上げるまでもなく現在の困難な問題の一つになつておるわけでありますが、例えて申しますと、発電プラント類等になりますと、二、三割程度の国際価格と比べまして値が、値高になつておりますし、又油送船等をとつてみましても、約一割前後の値上り或いは又機関車類或いは貨車類をとつてみましても、それぞれ一割から三、四割程度の値上りを示しているものもあるわけであります。ただ綿につきましては、現在のところ品質の問題はあるかも知れませんが、日本が一番安いというふうな状況にもなつておるわけであります。今後これらにつきましての輸出をどうするかという問題が残されているかと思うわけであります。 一応取りあえず貿易概況といたしましては簡単でありますが、この程度にしまして、あとでお尋ねがありましたら、それによつて補足させて頂きたいと思います。
○委員長(青木一男君) 御質問のかた……。
○堀木鎌三君 第一にお願いいたしたいことは、最近の国際入札において、こつちが応じたにもかかわらず、非常に価格その他の点で入札しなかつたという例がたくさんあると思います。そういう実例をお持ちにならなかつたら、最近のそういう国際入札で日本の商品が落札しなかつた因というものをお調べになつたものを頂戴したい。特に来年も相当繊維製品については期待をしておる。来年度というより二十八年度に期待しておると言われるのでありますが、最近人絹等においてイタリアとの価格と相当開きがあつたために、印度との契約において入札しなかつたという事例もあるし、又最近車輌類も出るという場合に非常に現在の価格では国際価格との開きがあるのじやなかろうかという心配をされておるわけであります。そういう問題についての実例をお話願いたい。 それから輸出入銀行法を改正して。フラン輸出の増進を図ろうという点について二十八年度においては、どういうふうなことを考えておられるのかどうかという点についてお聞きしたいのであります。 それから今の御説明では鋼材類等について昨年よりも多く見積つておられるという話なんですが、昨年度に鋼材類が特に殖えたのは、アメリカの鉄鋼ストの関係だということが言われておるのでありますが、昨年は非常に殖えた。殖えたにかかわらず、なお且つ本年度もつと殖えるだろうというお見込みはどういう点からまあ言つておるのでありましようか。そういう点についてのお見込みを伺いたいのであります。一先ずその程度の質問にしておきます。
○説明員(松尾泰一郎君) 鋼材類は私只今申上げたのを誤解されたのかも知れないが、昨年に比べてかなり減るという見込みでございます。昨年はたしか若干違いがあるかも知れませんが、百六十万ドルの輸出になつております。本年度はそれをまあ百二十万ドルまで減らしております。 それから最近の国競争入札におきましての日本側が入札に応じられなかつたというあれは、後刻調べられるだけの資料を調べまして、お配りいたしたい、かように思います。ただ私は先ほど申上げました化繊関係につきまして、最近の引合状から見まして、昨年よりも若干多い見通しを付けておるのでありますが、確かに御指摘のような印度のボンベイにおける国際入札で日本が負けたことは事実であります。どうもこれは特殊な価格をイタリアが出したように承知をいたしておりますが、その価格がいわゆる国際価格であり、各国も又その価格で取引をしておるとは思われないのであります。勿論どうちかというと特別に安い価格で出しております。従いまして、それは一応日本がまあ負けに相成りましたが、その他の場合におきましては大体順調に出て参つております。今のところまあ地域によつては問題ない地域もあろうかと思いますが、大体そう引けをとらん実情である、そういうふうに考えております。 それから、輸出入銀行法の改正につきましては、後刻為替局長からお答えがあろうかと思いますが、我々といたしましては、例えば最近のパキスタンとの通商協定をまあいたしまして、かなり機械類を、プラント類を出すことになつたわけであります。例えば市中銀行との協調融資でないと金が出せないというふうな問題が輸出入銀行の単独融資として出せるというふうな点、或いは融資の期限が非常に延長されるというふうな点、又いろいろの本邦商社の在外活動につきましても、何といいますか、活動資金を多く貸してもらえるとか、或いはその保証をしてもらえるとかいうふうな問題、かなり多く含んだ改正であるように承知をしておるのであります。プラント類の輸出の振興という立場から見ましては、こういう点は是非やつて頂きたいと考えておるのであります。なお、いま一つの問題としまして、輸出入銀行の金利の問題がございます。輸出入銀行も先般金利の引下げをやられまして、現在五分ということに相成つておるわけであります。通産省としましてはもう少し引下げて頂きたいというふうに要望もし、いろいろ話合いもしておる最中であります。
○木村禧八郎君 鋼材の輸出の見通しについてちよつと伺いたいのですが、経済審議庁で前にワールド・バンクに出した報告ですと、三十二年が七十万トンぐらい出る。更にその後又再改訂作業をやつたようですが。それによると更に減るような見通しのようですが、聞くところによると、四十万トンぐらいに三十二年にはなるのだ。それはまあ主としてシューマン・プランの関係、インド政府との関係のようですが、非常にその見通しが悲観的のように言われておりますが、その点について通産省のほうはどういうふうに考えておられますか、伺つておきたいのです。
○説明員(松尾泰一郎君) この鋼材の輸出につきましては、只今もちよつと申しましたように、まあこれた本年でありますが、大体百二十万トンの種皮の目標にいたしておるのであります。で、まあ今の審議庁の計画との関係は、審議庁の岩武部長もお見えになつておりますので御説明があろうと思います。最近我々が毎月々々の契約の状況を見ておりますと、例えばこの一月から五月までの状況を毎月契約数量というものをとつて見ておるのであります。確かに御指摘のような心配をされる点があります。例えば一月に十一万トンの契約が取れた。それが二月には約八万トンに相成りましたが、三月ではこれが又九万六千トンぐらいに伸びまして、それから四月には四万六千トンに非常に減つたわけであります。又五月にはこれが又殖えまして、六万九千トンにまで殖えておるのであります。毎月平均いたしましてまあ十万トンぐらい出ませんと、一年間として百二十万トン程度には相成らんわけであります。今木村さんからお話のありましたような、ヨーロッパの鉄鋼業界がいよいよ動き出した結果といたしまして、日本の鉄鋼輸出、特にヨーロッパ市場への鉄鋼輸出につきましては非常に困難になつて参つて来ることは事実であります。今申しました一月から五月までの毎月の輸出の状況を地域別に見ましても、ヨーロッパ地域への非常な減り方を示しておるのであります。併しながら他方例えばオープンアカウントの協定等によりましては、引合いはかなり参つておる状況でありまして、いわゆるリンク取引と申しますか、バーター取引というふうなことによりまして出る面もあるわけでありまして、まあ我々も輸入に影響を及ぼさない限りにおいてできるだけ、そういうバーター取引等を慫慂することによりまして、輸出の維持に努めたいというふうに考えておりまするが、根本的に鉄鋼につきましては、最近の国際価格との開きが漸次はつきりして参つております。ヨーロッパ各国において、特に造船用の鋼材等につきましては、かなりまだ不足がありまして、日本にかなり買いには参つておりますが、その価格につきましていろいろ問題がある。まあ国際価格よりは若干高く買う肚はあるようでありまするが、いつもその価格の四、五%というようなところが問題になつておるのであります。先ほど申しましたようなバーター取引等をやることによつてできるだけその価格差をまあ補填するというふうな方法で、できるだけ輸出に努めたいと思つております。根本的には今御指摘のような問題は認めざるを得ないと思つております。
○佐多忠隆君 先ず今の問題にちよつと関連して、鋼材、特に鉄板あたりが非常に減るのじやないかというようなお話ですが、その場合に中共向けのこれらの商品に対する輸出は今までにどういう扱いになつておるのか。それから数量的にどれぐらいになるのか。特にココムでこれをどういうふうに扱つておるのか。それと日本における扱いとはどういう相違があるのか。今後それをどういうふうに打開して行こうとされるのか、その点を先ず伺います。
○説明員(松尾泰一郎君) 鋼材の対中共向けの輸出の問題かと思いますが、御存じのように日本は現在中共向けには鋼材は輸出禁止の処置をとつております。ココムにおきましては、大分前からこれがこの鋼材の禁輸論というものが問題になつておりまして、まだ禁輸をするしないというような最終的決定には至つていないようであります。で、我々といたしましては、その四囲の状況を勘案しまして考えたい、こういうふうに考えております。従いまして今のところ輸出実績はございません。
○佐多忠隆君 ココムじや輸出するしないというのはどつちにもきまつていないのですか。どうなんですか輸出は禁止されていて、それを解くことはきまつてないのですか。
○説明員(松尾泰一郎君) 御存じのように今日ココムと申しますのは戦略物資の輸出につきまして各国の足並みを揃えるというのが主体でありまして、従いまして御存じのようにアメリカ、カナダは禁輸をやつておるのであります。それからイギリスも現在禁輸をいたしておるわけであります。ヨーロツパにおきましては、なおイギリス以外の国が今のところ輸出を続けておるという状況であります。で日本は御存じのように占領時代から非常に強力な中共向けの輸出統制をいたしておりまして、昨年以来漸次緩和をいたしておりますが、それぞれの国がやり方に相違がありまして、ざつくばらんに申上げますれば、イギリスは現にやつておるというふうな状況でありますので、理屈を言えばココムの決定がなければ禁輸を解いてもいいということも零えられるわけでありますが、各国のやり方はそういうふうにいろいろまちまちでありますために、そのココムの結論が出るのをみたいということで、まだ今のところ禁輸を続けておるというふうな状況であります。今お尋ねのように禁輸を解くという話じやないのでありますが、禁輸しろという意見でそれに反対するという国と禁輸をしろという国との話合で、どちらかというとココムというのはそういうことをやかしくするほうが主体のところでありますので、まだ結論はにわかに判断はつきませんけれども、最近非常に禁輸論のほうが強くなつておるというように聞いておるわけであります。
○佐多忠隆君 亜鉛鉄板は……。
○説明員(松尾泰一郎君) 亜鉛鉄板も同様であります。
○佐多忠隆君 亜鉛鉄板はイギリスその他にも殆んど禁止しなくて出ているのじやないのですか。その点はどういうふうな状況ですか。
○説明員(松尾泰一郎君) 実は亜鉛鉄板が出ておるというふうに、我々も業界の情報として聞きましていろいろ調べたのでありますが、どうもイギリス本国から出ておるのではなくて、決済手段としてポンドで、ポンド決済によつて中共に入つておることは事実のようでありますが、どうもほか国のものが、英国産でないものがポンド決済で中共へ入つて来るという事実は最近になつて判明したのであります。が現実の取引から見ますと、どこの国から積出したかということよりも、決済、或いはどういうふうな国の業者が扱つておつたかということは、外部に出ることが多い事柄でありますので、そういうふうなことからやはりイギリスが中共向けにそれぞれ商品を出しておるというふうに見られておるのではないかと判断をいたしておるわけであります。今のところまだ的確にわかりませんが、いろいろ調査の結果そういうふうな段階になつております。
○佐多忠隆君 若しそういう状況にあるならば、そういうアメリカその他で若干援助しておるにもかかわらず、日本であえてそれをやつたということになれば、どういうことになれば、どういう支障が考えられるか、その点を一つお聞きしたい。
○説明員(松尾泰一郎君) これは支障と申しましても我々一事務官の答弁を申しまするにはふさわしくない事柄かと思いますので、大臣その他にもお聞き願いたい思いますが、いろいろ先ほど申しますように中共に対する禁輸はやや政治的で、非常に扱いにくい問題である。各国がそういうふうにやつておる国があり、やつてない国がある。従つて日本がやつてない国の部類に入るのがいいのか、或いはやつておる国があるならば、その国の仲間に入つておるほうがいいのかという最高政治判断の問題ではなかろうかと思いますが、やかましく言えば、例えばバトル法の出題とかいうようなことも言えるかと思います。バトル法と申しますのは、今のところまだ具体的にアメリカとしてはバトル法を引つかけて、各国にどうこうするという事例は殆んどないわけであります。これは全般の各国の歩調を見て判断をさるべき問題ではないかというふうに我々は考えております。政府首脳部のほうも大体そういう考え方であろうと思います。
○佐多忠隆君 政治的な判断は別として事務的にいつて何か支障があるかどうか、特にバトル法の関連の問題、一体MSAの援助を受けてない場合、バトル法か何か使つて日本に何かの圧力をかける法的な根拠なり基礎があるのかどうか、その辺の事務的な御説明を願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) これは事務的に申しましても、事柄自身が非常に政治的な感覚を伴う問題でありますので、事務的にお答えするということは非常にむずかしい事柄なのでありますが、御存じのようにバトル法というのは表面に出る商品と、それから公表されていない商品とあるわけであります。その公表されてない商品というものは、各国間において協議するという建前につております。一旦品目をきめますと、その品目を輸出するということになると一切の援助をやめるぞというのがバトル法の規定するところなのでありますが、現段階としましてはバトル法による協議ということは各国ともないわけであります。日本もバトル法の協議によつて何か禁輸品目を協定するということはないわけであります。これは別段嘘でも何でもないわけで、事実問題としてバトル法上の協議ということは今のところ各国ともないわけでありますが、まあ日本がいろいろな意味において政治的、経済的に援助を受けておるということを認めるならば、それは協議がしてあろうとなかろうと精神解釈として同じような解釈をすべきではなかろうかというふうに私は考えておるわけであります。
○中田吉雄君 主要商品別の製造原価の構成比率、例えば石炭なら石炭の材料費が幾ら、労務費が幾ら、金利が幾らというふうにその原価の構成要素を年次別の数字で御調査になつたようなものがあるでしようか、ありましたらお願いしたいと思います。それはさつき申されたようにポンド地域なんかの輸出は、輸入制限の措置とコスト高による二つの要因が考えられると言われたので、一体それならコスト高と生産費の構成要素のいずれがウイーク・ポイントになつておるかというようなことを知りたいと思いますので、石炭とか銑鉄、硫安、造船の主要商品について昭和九年と十一年頃を基準にしたそういうものがあつたら欲しいと思うのですがどうでしようか。
○説明員(松尾泰一郎君) この価格の分析は、問題になる資料についてはやつております。実は今私持つて参つておりませんので、できる限り御指摘のような商品については比較したものがあるかどうかわかりませんが、少くとも国際価格と比べまして、石炭が問題なのか鋼材が問題なのかということは始終資料を作つていろいろ議論をしておりますので、帰ればあると思いますので、いずれ整理しまして差上げたいと思います。
○中田吉雄君 その整理の仕方ですが、一つ戦前については昭和九年と十一年ぐらいを基準にして、戦後は最近の二十六、二十七というような、やはり生産費の構成要素の内部においても変化が年次別にわかつて、又それを知ることが必要だと思いますので、その辺も含んで、できましたら一覧表をお願いしたいと希望しておきます。
○佐多忠隆君 さつきの問題の続きですが、どうも今のお話によると、少くとも事務的にはそれを出すことに大した支障もないように思うし、それから従つて結果としても、そうあえて出して悪い結果を招くようにも思わない。然るに日本が置かれておる地理的位置とか、或いは日本の現在の輸出が非常に減つていて、何とか大きい輸出規模の拡大に手を打たなければならないという実情、殊に鉄鋼製品、亜鉛鉄板等については特にその点が必要になつておることは、今政府委員から詳しく御説明のあつた通りでありますが、そういう事態を前にして、若しここで本当に真剣に輸出規模の拡大をお考えになるなら、そういう方面の打開をもつと積極的に考えなければならないと思うのですが、事務当局においてはそういうことをお考えになつたことがあるのかどうか、それらをどういうふうにお考えになつておるか、もう一遍御説明願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) 我々通産省の者といたしましては、できるだけ輸出をしたいということから、絶えずいろいろな研究もいたしておりますし、又その努力もいたしておるつもりであります。ただいろいろな情勢上それを明確に具体的にああいうことをしておる、こういうことをしておるということはちよつと申上げにくいということでありまして、努力は及ばずながら絶えずやつておるつもりであります。
○佐多忠隆君 通産大臣は中共に対する輸出緩和の問題について、いろいろ話合をしておるというようなことをたびたび答弁されたのですが、それはどういう方法で、どういう問題について具体的には緩和を折衝しておられるのか、それをもう少し事務的に詳しく御説明願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) この問題につきましては、大臣から相談をしておるとか協議をしておるというふうな申入れを、言い方をされたということは新聞で我々も拝聴したのでありますが、これは少し言葉が足りないのでありまして、何も相談をするとか協議をするとかということではないわけであります。我々としては各国の態度、やり方を調べるとというほうが私は正確ではなかろうかと思います。従いまして各国における審議の状況、各国の判断、なぜ禁輸を主張するのか、或いは禁輸反対を主張しているとか、各国のいろいろの主張点を詳細に見まして判断をしつつあるという情勢で、従いまして情勢というものは、絶えず何と申しますか変転しておるわけでありまして、私どもも各国の情勢がこうなれば割にうまく行くのではないかという希望を抱いたときもあります。又これは非常にむずかしいぞというような感じになるときもあります。今甚だ漠たることを申上げて恐縮でありますが、あらゆる機会、あらゆる方法を尽くしまして今研究しておるという程度に申上げるほかいたし方ないと思います。
○佐多忠隆君 それでは調査しておられるので、政府的に何かそれを行動に移すということは未だ何もやつていないというふうに了承しておいていいのですか。
○説明員(松尾泰一郎君) 研究いたしておるということは、何も頭の中で考えておるということではないのでありまして、いろいろの意見を述べ合つて見たり、協議をして見たりということが決定されるまでは研究、こういう意味であります。
○佐多忠隆君 そうしますと、そういう意味での折衝はしておられるのでありますか。
○説明員(松尾泰一郎君) 折衝ということを私は避けて申しておりますが、折衝はいたしておりませんが、調査をし、意見を述べ合うというふうなことはいたしております。
○佐多忠隆君 意見は直接に述べておりますか。……その問題はもう他の機会に譲りますが、先ほどの予算の問題ですが、二十八年度の見通しを国際収支の方法としては十一億八千万ドルと固く抑えておる。然るに貿易計画としてはむしろ十三億ドル見当を考えておるというお話でしたが、その場合に各地減刑にはどういうふうにお考えですか。
○説明員(松尾泰一郎君) 一言に申しまして、ポンド地域とオープンアカウント地域について違うわけであります。ドル地域につきましては大体先ほど御説明申上げましたと大差ございません。ドル地域については四億三千二百万ドルでありますが、ポンド地域につきましては五億三百万ドル程度を考えております。オープンアカウント地域については三億七千万ドル程度を考えております。
○佐多忠隆君 昨年、昭和二十七年度の十一億六千八百万ドルという実績が出ておるのですが、これは我々が予算審議するときの当初の計画は、今幾らだつたか、十四億ドルだつたか十五億ドルだつたか忘れましたが、その当初の計画を立てて、逐次計画を縮小して行かれたと思うのですが、そうすると当初において見通しを誤まられたのかどうか。それからそういうふうに実績が少くなつて来るにつれて、それを防ぐためにどういうふうな具体的な手を打たれたのか、そういう具体的な手を打たれたにかかわらず、なお且つ駄目だつたという実情をもう少し詳しく御説明願いたい。そういうふうな手を打たれたにかかわらず、十一億六千八百万ドルに過ぎなかつた、そういうものの責任は一体どこがとろうとしておられるのか。非常に年度末になつてこういう大きな違いが出て来て、ただどうも情勢が悪かつたものですからこうなりましたという報告で、けろつとしておられるのだけれども、そこらはもう少し厳重に計画と実績との比較検討をし、政策の間違いなり何なりをもう少し批判して検討をしなければならない問題であると思いますので、その点を詳しく御説明を願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) 実は輸出計画の策定ほど困難なものはないわけでありまして、一応先ほども申しますように十一億八千万とか、或いは努力目標として十三億とかいうことを申しますが、これを申しますことによつて責任があると、これは確かに我々は責任を感ずるわけでありますが、何分この事柄の性質上これが少し動いたということでお叱りを受けるということは、非常に我々としては苦しいわけでありまして、この情勢というものは刻々に変化いたすわけであります。何分国内のいろいろな事柄と違いまして相手国のあることでありまして、うまく行つておるものが急に締まる場合がある、交渉してもなかなか輸入制限の緩和はできないというふうな状況にもありまして、確かにお説の通り昨年度は当初の見通しと結果とかなり変つたわけでありますが、我々内部のやり方としては、大体二、三カ月ごとくらいにそのときの情勢で以て見透し作業というものをいたしております。従いまして甚だ無責任な言い方かも知れないのでありますが、少くとも当初の計画は少し甘かつた点は認めざるを得んかとも思いまするが、情報に応じて計画を立て直しておるというつもりを我々はいたしておるわけであります。その最も大きく違いましたのは、要するにスターリング地域の輸入制限と、それからオープンアカウント地域の輸入制限ということが一番大きかつたことであり、それからもう一つは価格の問題でありまして、計画を立てました一昨年の状況におきましては、単価自身が非常に高かつた。これがいろいろな国際情勢で一般的な単価が下つて参つた、従つて数量的にはさほど減つてないものも、金額的に非常に減つたというふうな点もあるわけでありまして、例えばポンド地域につきましては、その当時誰が考えましても月に五千万か、うまく行けば六千万は行くであろうと考えるのが常識であつたかと思うのでありますが、ところがその後イギリスの御存じのような連邦会議その他によつて、急遽緊縮財政と申しますか、厳重な国際収支均衡の方針がとられるということになつて、輸入制限を非常に強化したということ、又オープンアカウント地域につきましては、特別に、それぞれ申すと非常に長つたらしくなりますが、いずれも一昨年度におきまして日本の輸出が伸び過ぎた。そのために勘定におきまして日本がいずれも輸出超過になつた。輸出超過になるということは、言い換えてみますると、相手国といたしますれば、スウィングを超過したものをドルで支払わなければならんということになつております。そういうことで昨年度はその反動といたしまして、輸入の制限を向うが強化をいたして来たということでありまして、幾ら輸出超過してもいいという言質を与えるならば、輸入制限の緩和ということも或いは言えたかも知れないのでありますが、これは為替局のほうからもお話はあろうかと思いますが、そういういわば輸入を伴わない輸出をそうむやみにやるわけにもいかんということで、日本側としては或る程度超過した部分のドルの決済も要求をしたというふうな経緯がありまして、まあひと言に申しますれば、一昨年度の輸出が伸び過ぎた反動ではなかろうかというふうに我々は考えておるのであります。勿論その間スターリング地域といい、或いはオープンアカウントの諸地域に対しましても、それぞれ交渉によつて緩和を要求した、或いは計画の改訂を申入れ等々いたしましたが、何分出超が圧倒的に多い状況から見まして輸入がそれに伴わないという状況下におきましては、或る程度向うの輸入制限も黙認をせなければならなかつたようなふしもあるわけであります。
○佐多忠隆君 政府のほうに余り責任がないので、客観的な情勢が変つたからどうなつたというような御説明のように聞いたのですが、そういうふうな態度をとられるのならば、私のほうでも一言せざるを得なくなるのですが、政府のほうでも、御承知の通り去年の国際収支或いは貿易計画等々をお尋ねをして論議をした際に、昭和二十六年度の輸出実績は非常によかつたので、今後の見通しはこういう楽観的なものであつてはいけないのじやないか、もつと厳正に批判しなければいけないので、政府の見通しは甘過ぎるじやないかということは、殆んど各議員の一致した意見であつたと思うのです。更に又国際情勢の場合にも、ああいう軍拡の傾向というものが必ずしもそういうふうに続ものじやなくて、スロー・ダウンしなければならない国内的な事情があるし、特にイギリスにおいては、その点が非常に大きな問題になつているのであつて、更には世界情勢から見てもこういう危機的な方向よりも、むしろ対立を緩和する方向が考えられるから、そういう点を考慮すれば、もう少しこれらの点を厳重に考えなければならないのじやないかというようなことが論議されたにかかわらず、政府は自分たちの見通しが誤まつていないのだから、これでやるのだということで押切られたと思う。従つてそのときのことをお考えになれば、そう客観的な情勢が動いたのだからいたし方ございませんというような無責任な返事はできないのじやないかと思いますが、この点は議論になりますから他の機会に譲ります。ただ一つお尋ねをしたいのは、それならば日本が減つたのと同じようにイギリスも減つているのかどうかという問題が一つ、併イギリスはスターリング地域ですから、或いはイギリスはむしろ日本を減らして、逆に殖えたのだということであるのならば、ドイツやスイスやスウェーデン等々の国は、一体こういう地域に対して去年の輸出の実績はどうなつているのか、それらと対比して日本が果して誤りがなかつたかどうか、怠つていなかつたかどうか、その辺を数字的に御説明を願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) 只今各国の貿易の数字を持つて参つておりませんので、詳細お答えはできませんが、全般的な傾向といたしましては、世界の貿易は減少をしたことは、これは間違いないわけであります。いずれ若し御要求ありますれば、各国のそういう統計の数字は提出いたしたいと思います。(「そんなことはないでしよう、スターリング地域やドイツは伸びている」と呼ぶ者あり)
○木村禧八郎君 只今の佐多君の質問ですが、これは佐多君ばかりじやなく、我々としも全く同感で、講和条約発効後の日本経済が如何にもよくなるかのごとく装うために非常に楽観的なああいう国際収支の分析をしたと思うのです。相当私は責任があると思うのですが、併しこれは何回も私は大臣にも質問いたしましたが、どうも明確な答弁がないので、議論になりますからやめますが、相当これは、僅かばかりの齟齬ではないのです。五億ドル以上も違つているのですから、十六億一千百万ドルが十一億台になつておる。少しの違いならいいのですが、五億ドル以上も輸出が違う、計画とズレるということは大問題なんですけど、この点議論になるからやめます。 そこで質問いたしたいのは外貨予算ですが、この頂いておる資料の中の四月━九月の機械及び鉄鋼製品の外貨予算のうち、機械、航空機、自動車、それから鉄鋼製品、こういうものはどういう内容なものかを具体的にお示し願いたいのです。航空機というのはどういうものを指すのか、それから機械もどういう機械なのか、機械は相当多いようですが……、それからもう一つ外国製日用品、これは品目としてどういう品目なのか、これを具体的に伺いたいのです。化粧品とか何とかいろいろあるのでしようが、それを具体的内容について、若しでき得れば資料として、特に十四と十五については詳細な数字及び品目を示して頂きたいと思います。
○説明員(松尾泰一郎君) この機械のうち航空機についてのお尋ねだと思いますが、これは大部分が日本航空の飛行機及び何と申しますか産業航空のための飛行機でございます。それから全般的に機械は、これは原則として合理化用の機械を含んでおるわけであります。この機械の輸入につきましては、いつも国産と輸入品との競合の関係が起きるわけでございます。或いは輸入をしたい側から言えば、日本で買うよりも値が安いとか、或いは品質の問題とか、いろいろの輸入をしたい側の希望もあるわけでありますし、又国産のメーカーから見れば、大体国産品で間に合うものをなぜ輸入するかというような批判もあるわけでありますが、そこで我々といたしましては、原則として合理化用の機械ということでありますが、具体的な審議がなかなかむずかしいわけでありまして、我々内部で、いわゆる機械を輸入したいほうの側を所管している局と、それからいわゆる機械を所管しているほうの局との担当官を以ちまして、その都度協議をやつております。我々通商局が一応主催のような恰好をいたしまして、輸入機械の割当審議会というものを一週に一遍なり二遍なりやつておりまして、そこでいろいろ協議して、これならば成るほど輸入する価値があると、これでは国産では間に合わんというふうなものだけを輸入をいたしておる次第であります。 それから外国製日用品でありまするが、これはまあ内容は、街頭で御覧の通りのいわゆる日用品でありまして、衣料をはじめとしまして、食料もありますれば、化粧品というものも含んでおるわけあでります。この予算は、外国製日用品四百万ドルと、それから外人用ホテル用品百五十万ドルと、二つに分れておりまするが、ホテルの百五十万ドルと申しますのは、例えば帝国ホテルその他外国人が一般に泊るホテルに使うものということでありまして、まあいわゆる日用品とほぼ同様のものでありますが、この外国製品日用品がいつも問題になるのでありまするが、これは前々期におきましては九百万ドル、それから前期におきましては六百万ドルというのを、漸減をして参つて、実は今期四百万ドルということになつておるのでありまするが、これの廃止に伴ういろいろな関係業者の利害の関係もありまして、急に廃止をしにくかつた、或いは外国からの輸入の要請もあつたということで、この四百万ドルは最後のものとしてここに掲げたのでありまするが、一応為替局長もお見えになつておりまするが、我々事務的には、十月以降の期におきましてはこういうものを廃止をするつもりにしております。まあ緊要度の点から行きますと不急不要と言われるべきものであるということは、我々も垣に承知はしておるのでありまするが、一度にやめてしまうというわけにも行きません。それとなおこの外国製日用品につきましていろいろ誤解がありまする点は、これは外人の業者が全部扱つておるような印象をお持ちなのでありますが、このうち外人のいわゆることに駐在をしておりまする商社の扱つておりまするものは、比率から申しますと極く僅かでありまして、多くは日本人のいわゆるこういう取扱い業者が扱つておるということを申上げておきます。いずれ細かい商品別の資料は追つて差上げます。
○木村禧八郎君 それでは特に今の十四、十五につきまして、具体的に商品別、金額別に示して頂きたいと思います。その中で不急不要であるかどうかというようなことは、それを見てから我々にも一つ判断さしてもらいたいと思うのです。 それからもう一つ伺いたいことは、中共貿易のことなんですが、これまで日本が中共貿易を中止する根拠は、国連に日本が協力するということが建前になつておつたわけです。併しアメリカから援助は受けていなかつた。今度はMSAの援助というものを具体的に受けると、それと関連してやはり中共貿易に対する制限、バトル法というものを考慮しなければならんことになるとこう思うのですが、先ほど情勢の変化によつていろいろ変わると言いましたが、今度MSAとの関係でバトル法というものを考慮しなければならんことになるのではないか、事務当局としてはその辺の研究はどういうふうにしておられるか、伺いたいと思います。
○説明員(松尾泰一郎君) 或いは私の解釈の間違いかも知れませんが、バトル法とMSAの関係でありまするが、我々はMSAを仮に受けることになつても、バトル法が強化されるということはないのではないかというふうに考えております。バトル法の適用という言葉は非常に誤解を招きやすいと思いますが、バトル法、いわゆるアメリカの国内法というものは、一応存在しておりますし、それから現に日本はいろいろの政治的、経済的な援助を受けておることも、これは事実であります。従つて日本はアメリカがバトル法を適用しようという気になれば、今だつてやれるのではなかろうかという判断を下しておるのであります。その限りにおきまして、MSAを仮に受けるといたしましても、その関係は余り変らないというふうに了解をしておるわけであります。
○木村禧八郎君 それはもう少し正確に考える必要があると思う。バトル法による援助の停止というのは、例えばマーシャル援助ですね、経済援助、一九四八年の対外援助法による援助、或いはMSAによる援助、こういうものはバトル法によつて若し戦略物資をソ連及び中共に輸出した場合には援助を停止するということがバトル法に規定されているのです。このバトル法に規定されておるような援助を日本は受けていないわけですよ。今度は正式に受けるのです。これまでのことは一応ほかの理由によつて日本は実質的にバトル法の適用を受けたと同じ効果をアメリカ側としては得ているわけです。それは国連協力という形でそういう制限をされておつたのです。今度MSAを受けますと、はつきりとそういうバトル法を適用する根拠が今度出て来るのですね。そういう意味で聞いておるのです。ですから、これはどうしても今までとは私は考え方が違つて来なければならない。こう思うのですが、その点今すぐでなくてもいいのですが、もう少し十分研究されて、深い関係があるのだということになると、これは重大な問題だと思いますから、その点もう一度政府に確めておきたいと思います。
○説明員(松尾泰一郎君) 私はその現実にと申上げたのでありまして、これは確かにここに何といいますか、白紙でものを考えるということになりました場合に、MSAを受けた場合にバトル法の適用が明確になるというのは、これはもう常識で疑わんところかと思うのであります。併し今現在我々はバトル法の規定しております援助というものは、これは間接、面接を問わず実際の援助を言うているのでありまして、いわばアメリカの各国に対する、まあ表現は悪いかも知れませんが、おどかし文句ということなのでありまして、要するにこういう共用圏に対して禁輸物資を輸出する国に対しては援助しませんぞというおどかしなのであつて、従つてその判断というものは飽くまでアメリカがこれをやつておるわけであります。で、あの国はいやだということなら援助は向うがやめるだけであつて、こちらはこちらの考えで処理すべきではなかろうかというふうに我々は考えておるわけです。従つて今の現段階でも非常に心配をすれば、すべてアメリカは禁輸をしているのだから、中共向けの、例えば紡績機械でもアメリカが戦略物資と判断して禁輸しておるものを日本が出せば、アメリカは援助をとめるかという理論的にはそういう問題が起りますが、それは現実の適用に当つてはその国々の必要を認めてアメリカがやる事柄ではないかと思うのであります。日本が危いと思えば、これは私の私見になりますが、向うはMSAをくれないだけのことではないか、その意味におきましてバトル法というものは現実に我々は適用があり得るのだと、まあ適用をいう言葉は向うの国内法でありますから、語弊がありますけれども、適用しようと思えばいつでもやれる状況にあるのではないか、そういう意味で申上げたのであります。
○木村禧八郎君 これから具体的にMSAの交渉に入るのですね。部分的に具体的に折衝過程に入るのですが、そういうとき通産省はバトル法との関係は全然具体的折衝に入るときに関係ないと、こういうので臨むわけですか。
○説明員(松尾泰一郎君) いや、今申上げましたようにバトル法とMSAとは関係があるわけなのであります、今申しましいように理論的には……。併し私が申上げましたのは、日本の、現在は私はバトル法の適用があると判断をし得る段階なんだから、そのMSAを受けることによつてその適用の影響する変化はない、というふうな意味で私は申上げたのでありまして、MSAとバトル法の関係のありますことは当然なことでありまして、これは認めざるを得ない。我々は認めておりますが、日本にはバトル法の適用がない、MSAを受ければバトル法の適用があると判断するのは少し誤りではないかという私の見解を申上げたに過ぎないのであります。
○木村禧八郎君 それではMSAを受けても、援助を受けてもこれまでと変化がないと、こういう態度で折衝に臨む、こういうふうに了解してよろしいですね。
○説明員(松尾泰一郎君) 大体我々事務当局の肚づもりではそういうふうに考えております。
○堀木鎌三君 木村君の質問に関連して私特にお願いしたいのは、是近外貨の割当について、一応最近の貿易事情から考えてみると、殊に不要不急と見なせるものについては特にシビリアンに制限をつけよう、勿論その中にはいろいろ貿易の取引の実情から止むを得ないものもあるが、併しとにもかくにもそういう新らしい観点から考えて、無用というお話がある物品について、この四月━九月までの割当ですか、下期に特にお考えになるような品目について、実例を挙げて大体どういうふうに変つて参るのか、その点のわかる資料を頂戴したい。最近下期の外貨予算はすでに大体お考えになつているわけですから、その点を特に頂戴したいと思うのです。それからもう一点は最近の国内価格が高いので、輸出価格が国内価格と相当の開きを持つているということ、事実二重価格的なものになつておるという実例も例を挙げて頂戴いたしたい、こう思います。
○説明員(松尾泰一郎君) ちよつとお尋ねなのですが、外貨の予算におきまして、輸入削減をせんとするものがあればそれの……。
○堀木鎌三君 下期なんです。
○説明員(松尾泰一郎君) ということは、この次の、外貨予算の十月以降において……。
○堀木鎌三君 そうです。
○説明員(松尾泰一郎君) それで国際価格との比といいますのは、先ほどもちよつと申上げておりました重機械類の国際価格の比という意味でございましようか。それとも例えば綿につきましても、羊毛につきましても、多かれ少かれリンク制を実施いたしますと、国内価格との開きがある、というのは認めざるを得ないわけです。これはあらゆる商品についてそういうことが言えるかと思いますが、そういう価格の比較表、こういう意味でございましようか。
○堀木鎌三君 あらゆる商品ではなくて、将来重要な商品についての……最近だんだんその傾向が強くなつて来ているはずなんです。主なるものについて実例を挙げて頂きたい。
○説明員(松尾泰一郎君) 承知いたしました。
○亀田得治君 中共貿易の問題ですね、総理大臣とか通産大臣なんかが意見を吐くときには、随分政治的な立場の要素が入つて来る。それでそういう要素を抜きにして、これは恐らく事務当局としては大事なことですから、いろいろ検討されておると思うのですが、日本の通商貿易というものを拡大して行く立場から見て、一体どのように評価されておるのか。詳しくお話になればきりのないことでしようが、政府の方式の、ものの言い方は随分政治的で歪められておるのです。純粋な貿易政策の立場からどういうふうな考え方を基本にして考えられておるか、それが直ちに今年或いは来年実施できないものであるかも知れない、純粋のそういう立場から見てどのように皆さんはやつておられるか、こういう点の御意見を少しお聞きしたい。
○説明員(松尾泰一郎君) 或いはお尋ねの趣旨をはき違えているかも知れませんが、先ず中共貿易について、何といいますか、見通し規模をどの程度に考え、又今の統制の状況をどういうふうにするつもりかという二つのお尋ねではないかと思うのですが、大体そういうことなんでございましようか。
○亀田得治君 一応そういう点です。
○説明員(松尾泰一郎君) この戦略物資の輸出統制の問題は、これは繰返し総理なり大臣或いはその他のかたから言われますように、我々としては、要するに各国並と申しますか、西欧並にできるだけ行きたい、各国がいろいろ歩調を合せてああいうことをやつております以上、日本だけが別の行動をとるということもいけないことであると判断するわけであります。従いまして各国並の行動を早くとるようにするというのが先ず第一の原則と考えております。先ほど来いろいろお尋ねがあり、申上げておりますように、各国のやり方に足並がそろわん点がある。日本より強く統制している所もあれば、日本よりも弱い統制をしておる所もある、日本は丁度その中間辺ぐらいを行つておるわけです。従つて、今御存じのようにココムを中心といたしまして各国の足並を揃えるいろいろ話合が進められておる。従いまして我々先ほども申しましたように、その話合の推移を見てできるだけ西欧並という原則で行きたいということで今努力をしておることは、通産大臣からも繰返し申上げたことだと思います。 それから第二点の対中共貿易の規模の問題になりますが、これは一言に申しますと、たしかに戦前は日本の輸出市場、輸入市場として二割程度の主要な地域であつたわけでありますが、ああいう共産態勢の確立と同時に、経済情勢が根本的に変つているというふうにいろいろ伺うし、書物でこれは見ておるわけでありまして、昔通りの貿易が回復するというふうには考えておりませんが、ただ例えば石炭にしろ鉄鉱石にしろ、塩その他の主要物資がどの程度取れるか、それによつて日本のその地域に出せる輸出規模はこの程度ではないかというふうな判断をしておるのにすぎないのでありまして、これは例えば、仮りに石炭が百万トン取れたといたしましても、トン十ドルと考えれば一千万ドルにしかならんわけであります。そういうふな意味合からいいまして、仮に今の日本の去年の貿易が十一億、今年は約十二億といたしますと、その二割ということになると二億ドルか一億四、五千万ドルの地域になるわけでありますが、決してそんな地域には相成らんのではないか。戦後中共貿易が一番よく行きましたのは昭和二十五年でありますが、その当時の価額にしまして丁度三千四、五百万ドルぐらいに大体なつておるかと思うのでありますが、その当時と今と価格を比べますと相当変動もございまするが、我々はまあその辺のところが一応の目標ではなかろうかというふうに今のところは考えておるような次第であります。
○亀田得治君 戦前と比較して中国の購買力というものは非常に高まつておる。これは恐らく事務当局のほうでもそういう点は認められると思います。こういう点に対する考え方はどうか。 それからもう一つは、相手は国営貿易が主体ですから勿論戦前と同じような方式での貿易は成立しないと思います。当然相手方の新らしい方式に応じたやり方を或々としては工夫すべきだと思うのです。そういう何といいますか貿易方式を工夫してということ。それから購売力が我々としては高まつている、こう見ているのです。建設関係なりいろいろな方面から判断して、そうすれば今言われたのは非常に控え目な貿易量の見通しでありますが、これは少しもそういういろいろな工夫がされないでやられたときだつたと私思うのです。いろいろな準備がされておりません。併し新しい中国に対するやはりそういう準備をして臨めば、相手が力がついているのにその貿易量が問題にならないというふうなことはなかろうと思うのです。それで戦前の二〇%という数字が或いは大きいとしても相当程度のものが見込めるのじやないか。こういうふうに考えるのですが、こういう考え方はあなたのほうはどういうふうに考えておりますか。
○説明員(松尾泰一郎君) これは私の個人的な鷲見になるかも知れませんが、購買力はそれは確かに殖えていることを我々も聞き、又いろいろなものを見てもわかるのでありますが、それにしては余りにも買う物がきまつているということを不思議に思うわけでありまして、まあ何も贅沢品を多く買つてくれというわけではありませんが、今のところでは相当重要商品を向うは買つてくれるはずなのにかかわらず買つてくれないという点。先ほどからもいろいろお話がありました鋼材だとかむずかしい機械だということばかりに重点が向いているような感じがいたすのであります。これは勿論そういう資材も中国としては一層必要かと思いますが、先ほど来申上げておりますようにまだ今のところ急に望めないといたしますと、向うが購買力があるとすれば今の日本の輸出可能品目からいつてももつと買わるべき物を買いに来てよさそうなものと我々も思うのですが、早い話が例えば紡織機械、紙類、毛織物類或いは印刷用のインク等につきましても、昨年の夏頃はなぜ禁輸を解除しないかということをやいやい言うので新たに緩和した。そうすると大して買いに来ない。これは一例でありますがそういう状況でありまして、確かに金持にはなられたと思うのでありますが、必ずしも貿易活動の上においてはそれは現れて来ておらん。これは議論に相成ると思いますが、今の禁輸物資を輸出すればそれは買いに来ると言えるかも知れませんが、向うの購買力が増加したほどには実は買いに来てないことを不恩赦に思うわけであります。 それから他方新中国といえども一方的な輸入超過になることはまあ肯んずるかどうか、実際我々は疑問に思うのです。実際中国から買える石炭、鉄鉱石或いは塩、これは三大物産でありまして、そのものを日本に幾ら出せるかということによつて、おのずから日本から買つて行くというものがわかるのではないかとこう思うわけです。ところが先ほど申しますように鉄鉱石にしましても石炭にしましても塩にしましても、これは単価というものは非常に安いものでございまして、まあ五十万トン百万トンになりましてもそう大したこれは金額にならんのであります。そういたしますと、それ以上なお日本品を向うは買つて行くということになると、要するに中共側が一方的に日本との関係において輸入超過になつても日本品を買つてくれるということにならないと、中共貿易というものは伸びないということになる。それほど果して日本品を買つてくれるかどうかということについては、正直なところ私は非常に疑問を抱いておるのでありまして、先ほど申します通り、我々が取得し得る物資の範囲くらいのところならば実は文句ないということで、先ほどのような意見を申上げた次第であります。
○亀田得治君 短い時間でこれはなかなか結論がつかないと思うのですが、今お答えになつたことでもまだまだ納得が行かないことがたくさんございます。例えば輸入超過を侵してまで日本の品物をそんなに買わないだろう。これは一応言えることなんですが、併し日本の品物を買うことが有利ということであれば、日本との関係においては輸入超過をあえてしても買おう。中国との全体とのバランスが合えばいいのでありますから、そういうことは幾らでもあり得ると思います。そういう意味で中国経済なり、中国市場というものに対して日本の経済が積極的に結ばれて行くというような、非常に積極的な立場から乗り出して行けば、いろいろな研究の余地がたくさん私は残されておるのではないか。何か非常に消極的で言訳的でそういう立場からだけ御説明されますと、これは我々のおらないほかの国のことですから、どうでも言える。こういう点は私は、大臣とかそういう諸君の立場と離れて事務当局の人はもつといろいろな立場に立つて、大所高所から研究調査は進めておくべきではないか。こういう野党の諸君の立場に立つてものを考えるようなこともなされていいのではないか。資料としていろいろなものを出して考える。そういう立場から考えると、どうも先ほどからのお答えは少し大臣のお答えに似通つているようなところがあつて不満なんですが、まあもう少しそういう点を一つ突込んだ、いろいろ調査研究を進めてほしいと思うのです。まあ答弁はよろしいです。
○佐多忠隆君 今の点、もう少し関連して。今の政府の御答弁では中共の対日輸出余力としても余り望みないのではないかというようなお話でありますが、一体塩であるとか大豆であるとか鉄鉱石であるとか石炭であるとかというような重要な品目、それ以外に羊毛であるとか或は桐油であるとかそういう雑品、そういうものを現在の中国の生産の状況或いは輸出の状況から見て、或いは現在の価格の状況から見て、仮に政治的な制約がなく純粋に事務的に考えたならば、どのくらい輸入可能なんですか。日本としてどのくらい輸入を必要とするのか、それらの点をもう少し具体的に御説明を願いたい。というのは、あなたの方からお出しになつたこの日本貿易の現状の中では、中共の対日輸出余力は塩、大豆、鉄鉱石、石炭については、正常貿易が回復しそれが軌道に乗れば相当量が期待し得ると言われ、価格の点でも現在の他国からの輸入価格よりはかなり割安であるというふうな報告をしておられる。 それから或いはスタッセンMSA長官がMSAの援助の問題を述べたときに、日本の対中共禁輸は厳重で他の国よりもむしろアメリカ、カナダの政策に近い、ヨーロッパ諸国よりも遥かに厳重だと。民需品についてはそれほど厳格ではないけれども結局は綿糸、肥料など中共の米、大豆、植物油、鉄鉱石と交換するとすれば、利点があると考えられている。アメリカはこれに同意し得ないが、その主張の基礎となる経済的事実はこれを認めざるを得ないというふうにはつきりと言つていて、彼らといえども専ら政治的にこれを制約しているんだということを承認をしている。だとすればそういう政治的な背景なり力を一応除いて、純粋に経済的な事実としてどうなつているのかということは、事務当局がもつとリアルに、もつと厳正に、正確に判定をつけなければならない問題だと思うのです。そういう気持、そういう見地から先ほどの数字的な見通しなり見当をもう少し具体的にお話願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) いろんな制約がなかつた場合の中共貿易の量ですが、これは研究するにやぶさかでありませんし、やつております。おりますが、先ほども輸出貿易の見通しなり輸入の見通しでもお話を申しましたように、まあとらぬ狸の皮算用になることをやつて又誤解も起きてもいけませず、正直なところ諸先生方も、じや果して中共貿易はどの程度に好転するかという見通しはおありかも知れませんが、なかなかはつきりつかみにくい問題じやないか。我々はまあ香港を通して参りますいろいろの業者などと常時接触してどうだこうだという議論を重ねて、現実的な見通しとしてこれはこんなところじやなかろうかという点を申上げたので、ただ理想を画けというならば幾らでも大きな理想を私は画けるかと思うのであります。併しそういう抽象的な絵を画くというよりは、これは早く現実に如何にして中共貿易を多少なりとも打開し、円滑化するかという点から私は申上げたのでありまして、諸先生方の考え方とは感覚において少し違うかも知れませんので、えらく消極的なことを申しているというふうにお考えになるかも知れませんが、我々としても研究することについては大いにやつているつもりでございます。お教え頂ける点があれば幾らでもお教えを頂ければ、その方向について我々は研究いたしたいと思いますので、ただ抽象的な余り大きな理想にとらわれても現実は動きませんので、現実に即して動けばまあ私が申上げたようなところが一応の目標じやないかというようなところで申上げたのであります。それは大きくなれば大きくなるほど貿易というものはいいと我々は考えておりますが、現実はなかなかそう簡単に動かないという点を我々常時香港を通して来る中国人に接しまして感ずるために、まあ現実的と申上げると誤解を受けるかも知れませんが、やや現実に即して我々は、勘で考えた場合に、そういうようなところじやないかということを申上げたに過ぎません。
○佐多忠隆君 私たちがはつきりわからないのは、ただ単に現実の事実の数字だけをお示しになつてこの程度しかないのだという話なんであつて、こといやしくも政策として掲げられる以上は一つの目標も目的もお持ちだろうし、その目標に対して、併し現実の事態はこれこれなんだからこれらを勘案して、漸くこの程度しか上らないのだというような御説明があつたときに、本当に政策の数字であり、同時にその政策の数字が単なる現実を無視した希望数字ではなくて、原則に即しながら而も何らかの政策を加味した数字であるというふうなら合点が行く。今までの御説明ではそういう合点が我々には行きかねるということを言つておる。 その点は例えばそれじや別な方面からお尋ねをしますが、イギリスであるとか、西ドイツであるとか、フランスであるとか、オランダ、セイロン、パキスタン等は非常に積極的に中国との貿易を打開しようと努力している。更に朝鮮休戦が成立間近だという連絡があると、すぐ向うから八名でしたか十名の実業視察団が中共にやつて来て、イギリスの実業視察団も調査をば始めておる。ドイツからも来たと言われる。或いはもつと、中国への輸出をタブーのように考えているところのアメリカの実業家諸君も、或いはカナダの諸君も少くとも香港まで相当出かけて来て、どう貿易規模を拡大するかという点で非常に積極的な努力をしている。そういう世界情勢にあつて皆があそこに殺到しようとしているときに、最も近接をしているところの日本が、最も重大なる関係を持つているところの日本がどうもあそこはそう期待が持てないんだと言つて何らそういう積極的な動きをしておられないということがむしろ問題ではないのか。そういう態度があるからこそ、先ほどから私たちが言ているような政策的な数字を真剣になつて検討をし、考えようとしておられないんじやないか。或いは又すでにイギリスであるとか、フランスであるとか、西ドイツ、フィンランド、セイロン等は貿易協定をすでに実施しているのであるが、先ほどの御説明によると、どうも中国との貿易協定の問題等について何にも御報告がなかつたようでありますが、これらの問題はどういうふうにお考えになつているのか。それらの点について、もう少し納得の行く御説明を願いたいと思います。若し資料の準備その他がないのであれば他日の機会でいいですから、もう少しその点を一つ真剣に御検討の上に御報告願いたい。
○説明員(松尾泰一郎君) 繰返して申上げて恐縮でありますが、先ほどから申しますように、我々事務当局としてはできるだけの研究もしているつもりであります。これは勉強しておらんと言われればそういうこともあるかと思うのでありますが、そういう政策的な問題はまあ大臣から一つよくお聞きを願いたいと思いますが、我々としては先生方の言われる点御尤もな点もあります。言われるまでもなく各国がそういう視察団を派遣したとかいうようなことは及ばずながら知つております。従つてそれに対して日本も如何にすべきかということをまあ苦慮しているような次第でありまして、こうじつと遊んで見ているというわけではありません。これを動かすものはやはり結局最後は政治力なり何なりになるのじやないかと私は思うのであります。又日本人の業者のかたも遊んでおられるのではなく、香港を通して並々ならん努力をされているのであります。何も外国だけが努力をして日本はじつと遊んでいるというわけじや全然ございません。我々はもう及ばずながらお手伝いをして勉強しているつもりであります。それ以上実は政治的な問題になりますので、我々がお答えしても御納得が行かんかも知れませんので……。
○中田吉雄君 その点ですが、例えばマックス・ウエーバーは、役人というものはどんなに高級官吏であろうとも、政府の決定した政策に従つてそれをあたかも、自分の意思に反しておつても、自分がそういうふうに思つておるようにやらねばならないという、そういう苦衷はよく知つているんです。全然もう反対の中共貿易は、実際必要だ、又可能であるということを見ても、政府の総合政策がそういうふうになつておれば、まあ官吏のひとではそれは止むを得ないと思うんですが併し今のいろいろなお話を開くと非常に多くの問題があると思うんです。アイゼンハウアー大統領でも、日本が中共貿易をやらずいるが、この無慾恬澹さは驚嘆する、こういう演説をやつているのです。私はこれは極めて重要だと思つて切り抜いているんですが、御記憶願いたいと思うが、アイクは中共貿易を放棄しているその無慾恬澹さには驚嘆するといつている。そういうことがありますので、我々の知りたいのは、例えば中国の工業塩はどれくらい生産がある。中国の今大きな建設計画でどれだけ工業塩が消貿されてしまうか、そこで実際に輸出気力はどれだけあるか。鉄鉱石は埋蔵はどれくらいあるか、生産されているのはどれくらいあるか、中国の近代化のために実際どうなつているのか。そうしてそれをもつと生産性を殖やす可能性があるかどうか。そういうことをきちんと、政策にかかわらず十分お調べ願いたいということなんです。そういう気持が、又そういう調査が実際できていないんじやないかと思うんですが、私の乏しい経験から見ても、いろいろな知識から見ても、もうセーロンは中国と食糧とゴムのバーター取引をしています。ドイツ、フランスその他は広範な中国市場に対する関連をつけて来ているわけであります。日本が経済自主権を取戻したときには、もう四億七千五百万という厖大な市場ははやお客がきまつておるというようなことになりましては、われわれとしましては非常に大変だと思うのでありまして、政策に関係なしに、例えば工業塩はさつき申しましたが、くどいようですが、どれだけの生産量が現在あるか、中国の建設計画でどれだけ要つておるか、或いは生産をふやす可能性はどれくらいあるか、輸出余力はどれくらいあるか、政策の障碍で入れるのかどうかは、これはあとでいいと思いますが、そういう資料を一つ手数だと思いますが、整えて頂きたいと思いますし、実際中国といろいろな貿易協定を結びまして取引しておる、そういう協定のできたいろいろな年月日等も一つお調べ願つてお願いしたいと思うのです。自由党内閣の中共貿易に対する立場から、いろいろな苦しい立場はよく了解いたしますが、先に佐多議員が言われたような点、何か驚嘆するような無慾恬澹さというようなことも含んで、一つ事務当局としては万遺漏のない準備をされることを希望いたしておきます。
○亀田得治君 只今佐多さん並びに中田さんが要求された資料ですね。これは是非一つ私からも要求しておきます。我々もまあ部分的にいろいろな情報はつかんでおりますが、しかし政府側も勉強は大いにやつておるのだという先ほどのお話でありましたから、是非中国の国際貿易関係、或いは日本が貿易を始めるとしていろいろな判断をするに必要な国内の建設状況、工業の再建の状況、そういつたような点政府側としてつかんでおる資料、これを一つ是非お出し願いたい。お互いに持つておる資料が食い違つておりますと結論が違つて来るのは当り前ですから、なぜお互いの結論が違うか、そういうこともつかんでおる資料を比較してみれば一層はつきりすると思います。是非この資料を一つ成るべく早い機会にお出し願いたいと思います。
○佐多忠隆君 今の資料の問題ですが、これはたびたび繰返してお願いするにかかわらず正確に行つていないので、改めてお願いしておきたいと思うのですが、議員が要求をした資料は一つしつかりリストにしてそつちに整理しておいて頂きたい。それから本審査に入る前に、その資料は全部整えてお出しを願うように、若し出ていなければ、どういう正当な理由で出ていないのだということがはつきりわかるようにして頂きたい。若し正当な理由なしに出ていないのならば、本審査に入ららないというぐらいの決意を以て資料を扱つて頂きたい。それを特に委員長にお願いをしておきます。
○亀田得治君 委員長、これは出してもらえますか、ちよつと念を押しておいて下さい。いいですか。
○委員長(青木一男君) お出しになりますね。……今為替局長が見えております。それから経済審議庁の調整部長が見えておりますから、為替問題、それから経済の見通しの問題で御質問ありましたら、どうぞ継続して下さい。
○木村禧八郎君 委員長、ちよつと報告があるのじやないですか。
○委員長(青木一男君) この前経済の見通しについて大体一通り御説明があつたようですから、御質問がありましたら……。
○中田吉雄君 あの見通しに関して、あれと、やはり防衛何カ年計画ですか、審議庁のほうであるというので、それは全部何ですか、暗号のようなもので書いて実際作業ができたというのがありました。売読新聞にかなり詳しく出ていた。又いろいろな見通し作業をやるには、そういう計画を織込まねばできないと思うのですが、それについてどうなつているか、一つお願いしたいと思います。
○政府委員(岩武照彦君) お答えいたします。読売新聞に出ておりました防衛六カ年計画が審議庁で作られておるということは、これは事実でありません。これはいろいろ調べましたことろ、民間の某団体が作成したかと言われておりまするものが、誤つてそういうふうに載録されておるということでありまして、これは衆議院のほうでは大臣からも公式に否定しておりますが、全然無根でございます。 それから今のお話のありました経済の見通しといいますものが、只今予算委員長のお話にありましたのは、私が先日この席で述べましたので昭和二十八年度、つまり今年度の経済の見通しであります。ところが今お話のありました見通しなるものは、これは昭和三十二年、つまり今から五年程度先の経済の、まああれは一つの荒つぽいデッサンを描いたものでありまして、これは機会を得まして大臣から御説明するだろうと思います。只今私主管でありませんので私資料を持つていませんから失礼いたします。
○木村禧八郎君 その某団体というのは、どこか御説明願いたい。それから経済審議庁はよその外郭団体に調査を依頼してないか。そこで某団体とまぎらわしいことが起きたというのは、経済審議庁がそういうものの調査を発注しているから、そういうまぎらわしいことが起きたのではないかと思いますので、その某団体というのはどこであるかを明確にしてもらいたいこと。 それから審議庁はそういうことを外部に調査を依嘱してないかどうか。これは予算の調査費を見ればわかるのでありますが、調査費にそういうものは計上されていないかどうか。 それともう一つは、これは審議庁の機構を私よく知らないのですが、計画二課というものは何をやつているか、計画二課の作業内容、できたらこれを伺いたい。
○中田吉雄君 昭和三十二年までですか、それで漸増計画なんというものは全然なしにああいう作業になつてるのですか、そういう点も含めて一つよく……
○政府委員(岩武照彦君) 今木村委員のお尋ねのような民間の某団体と申しますのは、これは国民経済研究協会でございます。あそこは御承知と思いますが、景気観測とかいうようなガリ版が出ておりまして、それのたしか三月号でございましたか四月号でございましたかそれに出ておりました。それは案といいますよりは一つの計算であると思いますが、その中の或る計算が、どういう関係でございますか間違いまして審議庁の案ということになつております。これは全然審議庁ではそういうふうな内容のものは作成乃至調製しておりません。これははつきり大臣からも申上げたと思います。 それから今お尋ねの三十二年における経済の一応の見通しを作つたかということでございます。これはいろいろな財政投資を行いまして、例えば食糧増産でありますとか、或いは行政整理の予算でありますとか、或いは造船の何ヵ年計画というふうなものをやりました暁には、こういうふうな程度に生産が上る、国民所得も増加しよう、又それにより財政資金はこの程度だというふうな一つの荒つぽいデッサンでございまして、その際には防衛の問題は全然配慮外におきまして、そんな防衛計画を新らしく作つたことはございませんので、これは入れるに由ないことでございます。全然そのことは考えておりません。
○木村禧八郎君 今の質問に対して二つ答えてないのです。某団体というのはわかりました。国民経済研究協会、そこに審議庁は調査の依頼をしてないかどうか。それから計画二課というのはどういう作業をしているか。
○政府委員(岩武照彦君) 私から、主管でございませんが、便宜お答えいたします。結果は勿論私は責任を持つたお答えをしますが、一つは、そういうふうな防衛に関する調査を委託したことはございません。これは我々のほうにも若干の調査費を持つておりまするが、これは例えば国民経済におきまする資本の蓄積と経済の整調の関係でありますとか、或いは生活水準と蓄積の関係でありますとかいうふうなものその他の項目、若干ございますが、主としてそういうふうな純経済的な問題に関する調査、これは委託調査をやつております。併し防衛の問題は全然出しておりません。と申しますのは、次の御質問に関連いたしますが、計画部の計画第二課と申しまするのは、これは組織規定には総合国力の調整という文句でございましたか、ちよつと言葉を覚えておりませんが、これは将来そういうふうなことも、防衛力漸増ということに関しまして、いろいろなその防衛の計画と国民経済のいろいろな用途なり或いは循環なり、そういうものとの関連が起るであろうということを考えまして、そういうふうなものをまあ調査しておく必要があるだろうということで設けた課でございますが、現在までは人間の構成の関係もございまして、又民間のほうにいろいろな防衛計画とやら称する案もございまするが、これもまだいろいろなまとまつたものがございませんので、従つてそういう案を実施した場合に、国民経済がどういうふうな影響を受けるかという点を本来は検討するのが任務だろうと思いますが、現在そこまでの段階に至つてないのであります。従いまして防衛計画の中味を作るなんということは、それはその構成人員の能力等を御覧になりましたらわかりますように、全然問題にならんことであります。従つて初め申上げましたように、審議庁としましてはそういう計画のごときものは作製しておらんわけであります。 それから委託調査の問題でございますが、これをもう一度申上げますと、仮にあれは委託しましたら、そのほうの景気観則のナンバーはたしか一部何百円とかいうふうな、比較的高い会費でありますか、頒布料をとつて配つております。そうしますと、若し役所が頼んだことであればそんなものを金を払つてやるということは言語道断なことでございます。これは全然役所でも瀬んでありませんし、又国民経済研究協会は自分の発意でいろいろな内容のものを作つているようでございます。併しこれは役所とは全然関係はございません。どういう関係でございますか、誤られて甚だ迷惑に思つて滑ります。
○木村禧八郎君 今のお話で防衛一画をやつた場合に、国民経済にどういう影響を及ぼすか、こういうような関連において、国民生活水準とか純経済的と今言われましたが、そういう委託調査はやつている……。
○政府委員(岩武照彦君) いやそれは……。
○木村禧八郎君 それはあとで訂正されればそれでいいのですが、私はそう聞いたのですが、了解したのですが、それからこれは発表できなければいいんですが、委託調査費というものはどのくらい計上しているものですか。それと計画二課はどういうことをやつているかまだはつきりしておらないのですが、計画二課からの委託調査であるかどうかですね。
○政府委員(岩武照彦君) お答えいたしますが、委託調査費の金額、ちよつと私今資料持つておりませんがどの程度であつたか存じません。たしか計画部は委託調査費は使つておらないと思います。大体調査部でやつております今の御質問の点は、何か防衛計画を実施した場合におけるほかの経済ファクターが受ける影響を調査、調整するかというような御質問でございましたが、これは全然違いまして、私も調査部の委託調査の報告を二、三読んでおりますが、これはむしろ日本の経済、殊に日本の国民経済の過去のいろいろな成長なり或いは循環なりの過程を経済的に分析し、トレースしていること等が中心でありまして、又現在の分析としましては生活水準の問題、つまり現実の生活水準をどういう方法で把握し、それが現在どうなつているかというような委託調査も行なつております。先日私がこの席で御説明しましたのもその一部でございます。従つて将来そういうものをやつた場合にどうなるかというようなことは全然やつておりません。 計画二課の事務でございますが、先ほど申上げましたようにむしろ審議庁は、そのプロパーの使命はそういうふうな具体的な計画を作るということではございませんで、そういうふうな各省における計画との調整を図るのがむしろ使命であると考えております。従つて計画一課も将来或る種のものができますれば或いはそういうものと財政の関係であるとか、或いは国民経済の関係、殊に生活水準でありますとか、或いは投資その他の関係でありますとかいうことの調整を図るところだろうかと思つておりますが、現在はそういうものがございませんので、いわば何もやつておらんということでございます。
○木村禧八郎君 もう一度念を押しておきますが、計画二課は防衛計画に関する仕事も何もしていない、そういうことをはつきり言われますか。
○政府委員(岩武照彦君) 防衛計画の作成に関します仕事はいたしておりません。
○堀木鎌三君 私二点だけちよつとお伺いしておきたいのは、この間御説明を受けました物価の問題なんでございますが、大体二十八年度は生産財物価は横ばいの状況である。大体一〇一%ぐらいと申しますか、そんな程度で計算をしておる。それから消費財関係がCPIでは一〇四・四%ぐらい殖える計算をしておられというふうですが、これらの点について今のお見通しではこういうふうになる。そうして予算の基礎は大体これでできている、こう見ていいのですか、その点だけ一点お聞きしておきます。
○政府委員(岩武照彦君) 現在の状況から判断いたしますると、先日申上げましたようなことに相成るのではないだろうかというふうに存じております。 それから現在提案されております予算がこの基礎と合つているかどうかというふうな御質問であるかと思いますが、これは二つの問題を分けて考えなければいかんだろうと思います。一つは米価の問題でありますとか、その他の直接財政に関係いたしまして国が価格をきめておりますものがあると思います。このほうは予算とぴつたり合つております。現在提案されております予算と合つております。 もう一つは政府の購入いたしまするいろいろな商品の単価がこの見通しに合つているかという御質問かと思いますが、この点は実は詳細に検討いたしておりませんが、この先日申上げましたように、生産財のほうはおしなべて大体横ばいということでございますので余り大差はないと思つております。つまり生産財のほうは御承知のように昨年来だんだん下り気味になつております。一部のものは上ることがございましようが、大体横ばいでございますので余り基礎は違わんと思つております。 それから消費財のほうでございますが、これも国が購入価格等を引上げましたものは大体昨年の下半期中心でございますので、その点は今度の予算には織り込まれておると思いますが、その後の一番最近のは電話料の問題でございましようが、あれなんかはまあ予算のはじき方が、電話を何遍使うから庁費が預けるというのではございませんで、頭からつかんでありますので、むしろ値上り分だけは電話料を役所の会計のほうは節約をせざるを得なくなるということであろうかと思います。
○堀木鎌三君 細いことでいろいろ突き探すつもりはないのです。ただ特に申上げる必要もないかと思いますが、総理大臣も物価を下げるのだと言う。それから大蔵大臣もそういう。通産大臣もそういうことを言う。そうすると国際価格から言えばともかくも非常に高いものになつているのだが、事務的には物価はそのままに現況を基にして予算を編成される。それで政策的なものはそうするとそこで織り込まれてないということになつて来るわけです。それらの点について何か経済審議庁として特にお考えになつた分があつてこの国民所得の問題がきつて来るのかどうかというふうな問題にかかつて来るわけなんです。どうも聞いているとそういう点はありのままの姿で政策的なものが出てないように思うものですから、ちよつとまあ余計なことなんだが念を押してみた、こういうことなんです。どうもその点について経済審議庁として総合調整して或る程度そういう面における国策の総合調整をされるというふうな観点から、何らかあつたかどうか、こういう点をお聞きしたかつたから特に念を押したわけです。念のためにお聞きした趣旨はそれだけだということです。
○政府委員(岩武照彦君) 経済審議庁としましては、予算の編成に対しましては、国民所得の点からまあ大蔵省と或る程度相談いたしまして、実は国民所得の大きさ自体が或る程度予算の規模で動きますから、これは大体の規模並びに内容の固まるのと平行いたしまして国民所得を弾いておるわけでありまして、その点は一応平仄を合せておるわけでございます。ただ物価のほうの問題につきましていろいろな調整なり何かのことをしたかという仰せでございましようが、これは実はものによるわけでございまして、場合によりものによりまして或る程度調整の場に乗り出す場合もございましようし、又乗り出さない場もございます。これはその場のケース次第と思つております。
○中田吉雄君 昭和二十七年の特需の収入ですね。あれが国民生活水準の何の引上げくらいになるかというような大体の傾向はわからんでしようか。
○政府委員(岩武照彦君) お尋ねでございますが、この点我々のほうでもいろいろの方法によつてまあ或る程度数字的なものをつかんでみようかと思つて、いろいろやつてみたのでございますが、実はこの特需収入の把握の仕方が一つは外貨収入という面を通じまして、まあ輸入の消貿財の維持、或いは間接には生産財の輸入を通じまして、生産水準の維持から循環しまして国民生活水準の維持ということになりますので、非常にむずかしい問題点になつて参りますので、実は困つております。 それからもう一つは、端的にそういうような調達が行われることによりまして、それだけの所得をその関係の向きに与えるという、いわば直接の所得効果がございます。実はそのほうが端的には大きいかと存ずるのでありますが、これもその特需の調達の額をすぐ国民所得なり国民総生産のバランスに叩き込んで計算するやり方が、よかつたか悪かつたかは、ちよつと自信がございません。従つて実は非常に困つておりまして余り結論を出しておりませんが、ただざつくばらんに申上げますと、仮に全部なくなつたとした場合はどうなるかということに還元して申上げますと、これはなかつたのが昭和二十五年でございますので、その程度の生活水準と生産水準になるんじやないだろうかというような一応の推測ができるわけです。ただその際にもガリオアその他の援助もございましてその点どう考えるか、それでああいうふうにだんだんと復興し発展して参つた経済でありますので、その過程を二年間あとへずらしましてみたその額が当るかどうかというと、これもちよつと疑問でございます。端的に申下げますと、そういう方法で行くとまあすれば大体の生産水準は戦前程度、消費水準は当時たしか全国平均いたしまして八〇を割つておると思いますので、七〇台ぐらいじやないかと思つておりますが、違つておれば訂正いたしますが、そういうことではないだろうかと見られるわけであります。いずれにしましても方法的に非常にむずかしいものでございます。いろいろ専門にやつておる連中にも命令してやらせておりますが、実際にはつきりした結論を申上げられないのを残念に思います。
○中田吉雄君 これは只今申されたようになかなかむずかしい前提条件があろうと思いますが、大臣なんかもよく特需が国民所得の水準の高揚に非常に役立つておるように言われるので、やはりそれは大体資本の蓄積やその他にどういう影響を起しているかということをはつきりつかんでみることが必要なんじやないかと思うので、一つ何とか可能な限りの正しいと思われる方法を一つ検討して、是非一遍作業をやつて頂きたいと希望しておきます。
○佐多忠隆君 この要求資料一覧表の中に休戦後の情勢変化を織り込んだ昭和三十二年度までの日本経済の見通しという要求が出ているのですが、これはお出し願つたのかどうか。先ず一つそれを聞いておきます。
○政府委員(岩武照彦君) 今調べておりますが、ちよつとはつきりしませんので、若し出しておらなければ至急お出しいたします。但しちよつとお断わりしておきますが、休戦の影響を織込んだというその前提でございまするが、これは実は我々の考えておりまするのが、休戦の影響がどういうふうに出ますものか、はつきりわかりませんので、多分お出ししますものは特需というふうな臨時的な収入がだんだん減つて参るというふな点に集約して考えていいかと存じまするので、そういうふうに御了承願いたいと存じます。
○佐多忠隆君 ここへ二枚、主要経済指標というのと、又何か重要産業における長期資金要望額経済表が、これが何か三十二年度の数字が出たものであるのですか。これきりないのか。もつとまとまつたものをお出し願うのかどうか。 それからもう一つこれはどこの案か、岡野試案という、我が国経済の自立についてという文句で書いた資料が一つ来ております。これと今の資料とどういう関係になるのか。
○政府委員(岩武照彦君) 只今お述べになりました資料がお尋ねのものでございますが、ただ初のほうの我が国の経済の自立につきましての岡野試案と言いますものは、これは実は、このあとのほうの二枚の表の説明、いわば口上書といつたものでございますので、実態はむしろこのお配りしました二枚のほうの表でございます。
○佐多忠隆君 資料としては、そうすると三十二年度の見通しというのはこれだけですか。あとまだお出し願うのか。
○政府委員(岩武照彦君) これだけだそうでございます。
○佐多忠隆君 この間ガーナーにお出しになつた資料も一緒にお出し願いたいと言つておいたのですが、それはどういうふうになつておるのですか。
○政府委員(岩武照彦君) 何か手違いでそのほうはお出ししなかつたようでございますので、御要求でございますならば後刻お渡しいたします。
○佐多忠隆君 もつとあの方式に対応した三十二年度までの見通しというのが、新らしい形のもう少し詳しいものができ得るのじやないかと思うのですが、でき得ればもつとそういうものをお出し願いたい。 それからこれはすでにこの間御報告になつたのかも知れませんが、今日特に審議庁に来て頂いてお話を願うのは、この剛は二十八年度の見通しを聞いたので、今度はその三十二年度までの資料について一応まとまつた御説明を願うというつもりで来て頂いているのじやないかと思うのですが、その説明はどうなりますか。
○政府委員(岩武照彦君) 実はいろいろ連絡の手違いで、二十八年度の短期のほうの主管の私が参りましたので、今主管の部長はちよつと何か電源の関係の緊急会議に出たようでございますので、呼び寄せましてもちよつと間に合わないかと存じますので、恐縮でございますが日を改めて御説明することにいたします。
○佐多忠隆君 他の機会でいいのですが、その担当の方に来て頂いて御説明を願いたい。殊に岡野試案なるものを、まあ大臣にもお聞きしますが、その前にもつと事務当局の事務的な、資料的な御説明をあらかじめお願いをしたい。 それから特に私が問題にしたいのは、先ほど防衛生産その他については何ら考慮に入つていないというお話でありますが、この説明或いはこの主要経済指標の中には三十二年度に二億ドルのMSAをもらうのだということを前提にした数字がちやんと出ている。政府ではそういうふうにすでにおきめになつているのかどうか。それからそれを各年度別にどういうふうにお考えになつているのか、殊に二十八年度にはそれをどうお考えになつているのか、それらの点を特に一つ詳しく御説明を願いたい。今日でなくてもよろしいです。
○政府委員(岩武照彦君) 主管の部長から御説明するのが当然でございますが、私知つております範囲で申上げますれば、これは間違つておりませんと思いますが、一つは三十二年度の二億ドルという外貨収入でございますが、これは今の形の朝鮮特需でございますが、これがだんだん変化して行つて復興特需等に変るだろう、その続きがあり得るだろう。それからもう一つは、これも先の問題でございますからいろいろむずかしい問題がありまするが、行政協定に基きます駐留軍が、まあその当時も日本に駐留することに相成るだろう、その関係のいろいろな支払なり何かが、裏付けあるものが行われるのではないか。つまり現在と申しますよりは防衛分担金からアメリカ側の負担分として出されるものが当時も続くのではないか。もう一つは、それに伴う軍人軍属等の個人的消費もあり得る。それはいろいろ減少して来るのではないかということで、大ずかみな二億ドルと申上げたわけであります。 それからもう一つ岡野試案の中にMSAという問題がありますが、これはその言葉のすぐ前にはつきり申上げておりますように、日本がMSAの援助を受ける対象になるということではございませんで、東南アジア方面例えばフィリピンでありますとか、或いは現在やつております仏印とかというふうな方面に対してMSAの援助が行われて、そのオフシヨア・バーチェスが日本の兵器工業等に宛てて行われるかも知れない。現在も若干来ておりますし、又台湾の肥料などはMSA関係フアンドだそうでございますが、そのようなオフシヨア・バーチェスなどが日本の企業に宛てて行われるのではないかということを書いたのであります。作成いたしました当時は、ざつくばらんに申上げますれば、MSAの問題がそう急速に進展しない、又それを受けるとしましても、借りるにしましても、ドル収入があるとはこれは断定できません。そういう不確定な要素は一切排除いたしましてやつたものでございます。
○木村禧八郎君 只今のお話は、二十七年度は約八億ドルぐらいの広義の意味のものが入る。そういうものが朝鮮特需その他進留軍消費引つくるめて八億ドルぐらいが二億ドルぐらいに減つているということが一つと、それから今佐多委員が要求されましたが、やはり今度出されただけの資料では貿易の見通しなんかはわかりませんから、主要商品別にやはり鋼材や鉄鋼どのくらいになるのか、年度別に。或いは綿布類はどういうふうになるか、機械はどうなるか、そういう今日本貿易の中で一番輸出貿易に重要なアイテムについての年度別の輸出見通しを書きませんと、輸出の見通しが甘いのか辛いのかわかりませんから、商品別に見て行くとわかりますから、例えば世界的な鉄鋼需給関係から甘いか辛いかわかりますし、綿布なんかもわかりますから、その主要商品についてやはり具体的に出して頂きたいと思うのです。
○政府委員(岩武照彦君) 今のお尋ねの第一点はお尋ねの通りでございまして、八億ドルを超えたいわゆる特需と称しますか軍関係収入が二億ドルに減るということでございます。それから第二の点は担当部長が参りまして御説明申上げますので、詳細はそのときに……。
○木村禧八郎君 そのとき資料として出して頂くと都合がいいのですがそういうふうに連絡して下さい。
○政府委員(岩武照彦君) 承知したしました。
○佐多忠隆君 その点私からもお願いしておきますが、今の特別外貨収入が三十二年度二億に減つて行く経過をどういうふうに見通しておられるか、それを一つ詳しくわかるように御説明を願いたい。 それからこれはこの次で結構だと思いますが、仮にこういう二億ドルにすらなくなつてとつ外すということにすれば、一体日本の経済、生産消費というものにどういう影響を及ぼすのか。従つてそれじや絶対にやつて行けないのかどうか、その辺がはつきりわかるように資料としてもお作り願いたいし、御説明も願いたいと思います。
○政府委員(岩武照彦君) 担当部長が御説明の際にその点も申上げるように申しておきます。ただ御納得の行くようにうまく説明できますかどうか、これはほかのなかなか問題もございますのと、もう一つは途中のはしごがスムースに登つて行けないので、それは一つ御聴取の際にいろいろお願いいたしたい。
○木村禧八郎君 その説明の際に特需収入がなくて生産水準が相当上るようになつております。いわゆる防衛生産、兵器生産というものがなくて、又そういう特需生産というものがなくて、そうして貿易がそんなに相当増加する見通しがなくて、どうして生産水準が上るのか。そういう点も詳しく、防衛生産を織込んでないと言いますが、織込んでなくてどうしてそういうふうに生産水準が上つて行く見通しがあるかという点も詳しく説明して頂きたい。
○政府委員(岩武照彦君) 大分詳しい御注文がございますので、或いは一時に担当部長話せるかどうかわかりませんが、ただちよつと今考えたことを申上げますれば、多分お配りした資料には生産水準は昭和二十八年度より一割強の増強で、それを数字に直しますればたしか一七〇をちよつと超えたか超えないかだと思います。そういたしますと、まあ現在大体一五〇の大分上のほうに行つております。五月のごときは一五〇・四となつておりますので、まあ防衛生産とか或いはMSA援助とかいうようなものがそうなくても、現在の生産の水準がまあいわば惰勢的だというと言葉が悪いかも知れませんが、日本の経済の生産を見ておりますと多分に惰勢的のところがございますので、そういう動きを年率にしまして二〜三%程度の増加は特別な要因がなくても行けるのではないかと見ております。多分そういうことになると思います。あらかじめ御披露をしておきます。
○木村禧八郎君 それからこれは大蔵省の関係ですが、二十七年度の国際収支でMSA関係から収入になつておる項目があるのですね。あれはどういうことなんですか。
○政府委員(東條猛猪君) お答え申上げます。二十七年度の国際収支の受取勘定で約八億百万ドル見当のいわゆる駐留軍関係の項目があつたと記憶いたしておりますが、それでMSA系統の項目があつたというお尋ねでありますが、非常に恐縮なんですが、どういう資料によつて御承知になつたか、ちよつと……。
○木村禧八郎君 それは経済審議庁から出した資料によつてであります。
○政府委員(東條猛猪君) それでは経済審議庁からの資料でございますので、経済審議庁のほうから一つ……。
○政府委員(岩武照彦君) どの資料か存じませんが、ただそのなかに、これは本来特需の中に入れていいかどうかわかりませんが、MSAという言葉は使つておりませんが、GSA、ゼネラル・サプライ・エーゼンシー、或いは、TCA、テクニカル・コーポレーシヨン・エーゼンシーというようなものが日本で調達しまして、よその国へ出ておるのでございます。これは輸出の形式をとつております。これがMSAの傘下に入るとみるのがいいのか悪いのかわかりませんが、その項目だと思います。金額はたしか千六百万ドル見当だと思つております。これは東南アジアのほうに出ております。
○木村禧八郎君 それは域外調達、オフシヨア・バーチェスみたいものなんですか。
○政府委員(岩武照彦君) オフシヨア・バーチェスというような言葉はよくわかりませんが、外務省の諸君に聞きましてもよくわかりませんが、或る国にレートが与えられましてそれで買付ける品物が、援助国でもない被援助国でもない市場で買付けるものをオフシヨア・バーチェスといいますれば、これも多分それのことだろうと思います。或いはこれもその一種だと思います。今までもオフシヨア・バーチェスによりまして日本も少し入札して落した例もございます。多分そういうようなものであろうと思います。これがいわゆるMSAというものに当りますかどうか、これは言葉の解釈とか、或いは向うのいろいろの含みもございまして、はつきりいたしませんが、いずれにしましてもこの項目のことは若干あつたようでございます。
○木村禧八郎君 これは今頂いた資料に、MSA関係に書いてあるものですからそういう疑問を抱いたのであつて、その点は今後のMSAとこれまでのあれとは適用をうけておりませんから違うのではないかと私は思うのですが、そういうふうに書いてあつたので疑問を抱いたので、その点は実体的に性質が同じなのか、或いは同じでなければどうして違うのか、どういう項目のものなのか、明らかにして頂きたい、今後の参考になるので。若しあそこに出ておる項目が、具体的にどういうものなのか内容を伺いたいのですが、そうなると今後のMSAの域外調達のサンプルになるので、やはりエヂイケーシヨナル・オーダーとして出てきておるのかどうか、その点を尋ねておるのですが、あいまいでなくはつきり御説明を願いた。お調らべになつてもう少し正確に。
○佐多忠隆君 その点は大蔵省のほうにもお願いするのですが、一体二十七年度に域外調達として入つたドル収入といのものはどのくらいになつておるのか。それはこの勘定の中のどこに入つておるか、普通の駐留軍関係の収入の中に入つておるのか、或いは八億二百万ドル、或いは貿易外二億四千一百万ドルのなかに入つておるのか、そこを御説明願つて、あと資料にして……。
○政府委員(東條猛猪君) 今経済審議庁から御説明がございましたが、私どもが国際収支の数字から判断いたしておりますところを一応申上げます。二十七年度のいわゆる駐留軍関係の経費は、収入は八億百二十六万九千ドルこれはポンドと両方でございますが、これを通計ドル換算で八億二十六万九千ドルと、こう計算しております。それでその内訳の数字でございますが、これは従来御説明申上げておりますように駐留軍関係の将兵、の個人消費の系統と、やはり駐留軍の使用いたしますところの労務者に対する支払の経費、或いは物資調弁に関係いたしますところの経費、それからその物資が、細かく申上げますれば純粋の軍需用と、それからいわゆる市場でいわれる特需に分れると思うのでありますが、実はそういう物資、或いはサービスの調弁が国内消費の部門とその他国内消費でない部門というものとは、我々の為替統計の関係から見まするとこれは正確に判断ができません。それから又或いはその他、大体統計的に三本ぐらいに分けておるのでありますが、二十七年度の八億百万ドルのうちで大体将兵の個人消費に当るというふうに考えております収入が二億九千四百九十五万六千ドル、即ち二億九千五百万ドル見当であろうかと推定しております。それから労務費でありますとか或いは物資サービスの調弁の系統の経費でありますが、それが大体四億二百万ドル見当だと思つております。それで右に申上げました二億九千五百万ドルと四億二百万ドルと八億百万ドルの差引が、いわばその他のいろいろな項目のほうに流れて参ると存じます。 それから木村委員の御質問にも関連いたすのでありますが、これは経済審議庁からも今御言弁になりましたように、このその他の中には若干のMSAと呼べば呼べるような収入があろうかと思つております。併しながら、これは今経済審議庁のほうから御答弁になりましたように、今後日本がいわゆる研究して参る、或いは交渉段階に入るといわれておりますようなMSAに伴う収入ということでなくて、先ほど来お話がございますように、やはり日本におきまして物資を調弁をいたしまして、これをすでにアメリカといろいろの関係に入つている国に出すところの物資、その他の調弁のため日本で賄つた、これに伴いまするところの収入がやはりこの中に入つているというふうに、私どもの手許では大体考えております。
○木村禧八郎君 それは幾らぐらいですか。
○政府委員(東條猛猪君) ちよつと今即座にお答えいたしかねますが、MSA或いは御承知のように救済のアンクラというのがございますが、両者を合せまして大体千七百五十万見当ではなかろうかというのが、私どもの数字なんでございます。
○佐多忠隆君 それから二十八年度の見込の七億ドルの中には今の域外買付のものはどのくらいにお考えですか。
○政府委員(岩武照彦君) それとあまり違わない額の千八百万ドル見当でございます。別段根拠があつてやつたわけではございませんで、大体その見当だろうということであります。
○木村禧八郎君 これが明らかにわかりませんと二十七年度の……
○政府委員(岩武照彦君) 二十七年度我々のほうで取調べてやつておるのですが、これは為替統計上どうもなかなかややこしいところも入つているようでございます。個々に当りませんとむずかしいものであります。ただいろいろ話を聞きますと台湾の肥料の輸出の中に、その一部のファンドはMSAから出したいということを、これは台湾でも言つているのでございますので、今までのも今後のも特需のデフェンス・サポーチングというふうなものもありましようが、又そういうふうな平和的なものも大分あるのじやないかと思つております。
○佐多忠隆君 そうすると二十八年度の七億の見込の中には殆んどMSA関係は入つていないということになりますが、政府ではすでに日本の経済にいい影響があると思われるので、大体において受諾することを予定しながら交渉に入ると聞いておるのですが、そうなるとその国際収支の中ではそれらのMSAの援助のために数量的にどういう変化が出て来るというふうに見通しておられるのか。それからその数字の変化によつて予算の数字に関連する変化はどういう部面にどういうふうに起つて来るとお考えになるか、その辺を事務的に御説明を願いたい。これは大蔵省のほうに。
○政府委員(岩武照彦君) 予算以外の方を私の方から御説明をいたします。ちよつとその前に只今お答えしました本年の見通しの今のものが大体一千八百万と申上げましたが、二千万ドルと細かい数字でございますが御訂正を願います。 それから問題になつておりますMSAを受諾いたしました場合にどうなるかということでございますが、これは実は我々まだ事務当局間でも余り研究いたしておりませんが、従つて私が申上げることは或いは一個の推測の範囲かとも存じまするが、まあいろいろ伝えられるところによりますとその援助は成るほどアメリカの予算の面では何億ドルとかいうふうなことも言われておりましようが、これはアメリカから完成兵器或いはその備品というような現物の形で来るのも恐らくは相当有り得るのじやないかと伝えられておりまするし、それが恐らく事実だと思つておりますので、従つて外貸の受取になる為替統計の面にそれが現実にひびくというふうな形のものは、恐らくまあ御承知のようにそのフアンドルに基きまする調達が日本国内で行われるという場合でないと、そういうことはないわけでございましようが、それもどういうふうなことに相成りまするかちよつと我々見当がつきませんので、ただまあそういうことがあれば或る程度は或るいは殖えるかも知れんというふうなこともありましようが、ただその為替統計面の整理そう他が今までの整理の仕方と変りますかどうか、これは日銀なり或いは先方の勘定の整理の仕方もございますので、殖える分がはつきりしますか、或いは現在あります朝鮮特需等の調達が減りますか、相殺されまするか、その程なかなか分析がむずかしいだろうと思います。
○政府委員(東條猛猪君) 佐多委員すでに御承知の通りでございまするが、二十八年度は七億ドルの駐留軍関係の収入を見込んでおるわけでございます。そこでこの中でまあ労務費と申しますか、そういうものは大体一億四千万ドル見当じやなかろうか。又将兵の個人消費というようなものは二億四千万ドル見当だから、それ以外のものはいわゆる駐留軍関係の必要といたします物資サービス或いは特需或いはその他のいろいろの項目というふうに我々推定をいたしておるわけでございます。そこでこの見込はいわゆるMSAをどう見ておるのだという問題になりまするが、これは今経済審議庁からもお答えがありましたように、私ども一応MSAは今後の勿論問題でございまして、この七億ドルというものには当初見込みましたときには見込んでおりません。 ただそれではそういうものが具体化いたした場合に現実の数字はどうなるであろうか、或いはどう変化するかという点でありまするが、これは今経済審議庁からもお答えがありましたように、今後いろいろと話合をいたしますれば話合の結果如何によりましてそれらの資金の使途或いはその形態というものも変つて参ろうかと思うのであります。そういう将来の問題でございまするが、この七億ドルの受取収入に対しまして如何なる関係があるか、これは今暫く支出関係の推移を見てみなければ何ともこの席で責任を持つてお答えは私としてはできかねると思います。
○佐多忠隆君 まだ細部的な数字がどうなるかということは、今御説明の通りだと思うのですが、政府の説明によると、大体において経済状態についてもプラスになるという見通しが立てば援助を受けるという態度をきめるんだということを言つておられて、そしてまあ今後折衝してみなければ細部的にはわからないが、大体受諾をすることを前提にして折衝に入るんだというふうな御説明だと思うのです。そうすると、すでにそういう態度をおきめになる以上は数学的に正確な数字はわからないにしても、大体大ざつばに言つてこれはこのくらいの見通しになつて、従つて日本の経済にプラスになるから大体受諾する気持で交渉すればいいんだという判断をされたに違いない。従つてそれらの判断の基礎になつた大体の見通し、大体の感じを御説明願いたい。
○政府委員(東條猛猪君) お答え申上げます。只今申上げております七億ドルの数字が、将来どういうような客観的な情勢の変化によつて、まあ率直に申上げれば変るかも知れない。これは先ほど木村委員からも政府の国際収支の見通しはいろいろ当初の見積と実績と違うのじやないかというお叱りを頂いたのでございますが、これは輸出にいたしましても、或いはいろいろの収入にいたしましても相手方のあることでありまして、我々といたしますれば、例えば輸出で申上げれば一つの目標をきめればできるだけそれに向つて努力をするということは当然でございますが、こういう意味におきまして、七億ドルの数字自体も的確に絶対変らんかと言えばそこまで申上げる私は自信もございません。ただMSAの成果は今後の交渉に待つてみなければわかりませんが、その話合が行われなかつたであろうならばこの七億ドルが如何に変化したか、若しくは如何に変化すべきであつたろうかという、仮に仮定いたしました場合の数字が幾らかということは、これは今申上げておるように非常にむずかしい。この席で申上げる限りでないと思いますが、そういうMSAがなかつたらこの七億ドルが見込み通り行くか、或いは変つたならどうなるかという場合に比べますれば、MSAの話合が今後両国間におきまして満足すべき方向に向うならば、外貨収入の面におきましても望ましい計数を示すことになろう。勿論MSAの問題は単に外貨収入の問題ではなかろう、かと存ずるのでありますが、外貨収入の問題をとりましてもそういう見方は可能であろうかと、こう考えております。
○佐多忠隆君 どうも御説明がよくわからないのだが、私が先ほど聞いたのは七億ドルという数字は、MSAを受けるというようなことは何ら前提としていないで、若しMSAの関係がありとすれば、二十七年度の実績のときにあつた若干の域外調達の金が入るだろうから、それがまあ二千万ドル程度見込まれている。併しそれはMSA援助を受けるという問題はなしにして従来のような状態でそれだけのものが入るんだという考え方なのか、こう了解していいのか。そうするとこの七億ドルはMSAを受るということはちつとも入つていないのだ。受けるとなればこれはどういうふうに変化をするのだ、なかつたらこれがどう変化するという問題でなしに、この七億ドルというものは、ないことを前提にして作つておられるのだ。従つてそれがあればこれが今度はどう変化をするのだ。それはもうすでに大体の見通しはおつきになつておるはずではないか。それによる判断ができたからこそ一応受けることを前提にして交渉に入る、こういうことをおつしやつておるのではないか。一応の見積はあるはずだ。更には明日からか明後日からか知りませんけれども協定の交渉にも入られるし、それと同時に実施細目についても話合に入るのだ。そのときには外務省だけでなしに、大蔵省も通産省も保安庁も或いは経済審議庁も、それらの関係の人たちが集つて協議をするのだと言つておられるのでありますが、そうならばちやんと準準もできておるはずはないか。その大体の感じなり見通しをどういうふうに考えておられるか、それを一つお話しを願いたい。
○政府委員(東條猛猪君) お答え申上げます。先ほども申上げましたように、この七億ドルの数字自体がMSAの関係を織込んでおらないといたしましても、それではこの数字はどんなことがあつても確保できるかということはなかなか将来の問題であつて、それは参らないであろう……
○佐多忠隆君 それ自体の変化はいいのですよ、そのことは聞いていない。
○政府委員(東條猛猪君) そこで若しMSAが成立しなかつたならば、一体ほかの事態が全然ないとするならば、この程度の国際収支の受取になるだろう。その数字に比ぶればMSAというものが成立すれば私はやはり外貨収入の面におきましてもプラスになるであろう。併しながらそのプラスになるべき数字がどの程度のものであろうかということは、今後の話合を続けてみないと、この席におきまして計数的に具体的にはお答えを申上げられない。かような趣旨のことを申上げておるわけであります。
○委員長(青木一男君) 大体よろしうございますか。
○中田吉雄君 ちよつとお尋ねしますが、輸出入貿易を外国船で運搬することによつて失う外貨、これは年度別にどう変つていますか。
○政府委員(東條猛猪君) 大変恐縮でございますが、今のお尋ねの準備はいたしておりません。資料をととのえまして別の機会にお答えすることを許して頂きたいと思います。
○中田吉雄君 経済審議庁のほうでわかりませんか。
○政府委員(岩武照彦君) 甚だ残念でございますが、今手許に持合せておりません。ただこれは非常に仮定を置きまして、払うべかりし外貨の運賃の支払をセーブできたというふうな額が或る程度の積取率を前提として出ますので、年度別に若干検討していると思いますが、たしか現在考えておりまするのは、年間三十万総トン、四年間計百二十万総トンの外航カーゴー・ボートを造るといたしますと、たしか現在よりも更に五千万ドルの外貨は節約にならなかつたかという程度だつたと思つております。甚だ間違つておるといけませんが、随分大きな額かと思つておりましたが、必ずしもそうではなかつたように記憶いたしております。
○中田吉雄君 詳細なことは大蔵省のほうで出してやると言われたわけでそれをお願いしますが、大体今とにかく外国の船で運搬するために幾らくらい、二億にもなるのでしようか、その失う外貨は。
○政府委員(東條猛猪君) 只今のお尋ねにつきましては国際収支の支払の関係で、貿易外の支払として運輸関係でどの程度払つておるかという数字を一応いろいろの御判断を頂く一つの資料として申上げたいと思いますが、二十六年度におきまする国際収支の支払の関係におきまして、運輸関係で払つておりまする外貨額は、ドル、ポンド、オープン地域、いろいろございますが、それを累計いたしますと三千八百二十一万三千ドルになつております。それから昭和二十七年度になつて参りますると、やはりドル、ポンド、オープンを通じまして貿易外の運輸関係の支払は四千四百八十五万三千ドルということになつております。それからこれを二十八年度にどういう見込を立てておるかという点でございまするが、二十八年度もやはり同様貿易外の運輸関係の数字といたしましては大体四千二百ドル見当ではなかろうかという見込みを立てております。ただこの数字では、先ほど来お話の邦船による積取、こういうことは決してわかるわけではありませんので、建値がCIF建、FOB建のものがありまするし、これは通産省あたりお聞き願いたいのでありますが、極力邦船による積取率を上げるという意味で輸入貨物でも極力FOB建にするということを機会あるごとに努めております。 それから最近運輸省あたりでもいろいろ造船問題を考えるに当りまして、極力日本の輸出入の横取率を増加するということに努力をいたしておるわけでありますが、一面実際輸入その他の数量、金額、そういうものによつて海運関係の支払或いは受取という数字は違つて参りますので、初めのお尋ねの外船の横取によるところの積極、消極面における外貨の喪失額はどのくらいになつておるかということのお答えにはなりませんけれども、一応御判断の資料として申上げます。
○中田吉雄君 それを一つお願いします。
○委員長(青木一男君) ほかに御発言ございませんか。……では、本日はこの程度で散会いたします。明日は十時から開会いたします。 午得四時五十八分散会