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16回国会参議院1953/06/23

予算委員会 第5号

発言数
46
登壇者
9
会派数
4
開催日
1953/06/23

会議録

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) これより予算委員会を開きます。  先ずお諮りいたします。先般理事永井純一郎君より理由を附して理事辞任の申出がありました。これを許可することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。次に理事秋山俊一郎君が先般委員を辞任されました。つきましてはこの際二名の理事補欠互選を行います。互選は先例により委員長において指名することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。  私より理事に松澤兼人君、高橋進太郎君を指名いたします。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) それではこれより議事に入ります。昭和二十八年一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算並びに昭和二十八年度一般会計暫定予算補正(第二号)、同じく特別会計暫定予算補正(特第二号)、同じく政府関係機関暫定予算補正(機第二号)につきまして大蔵大臣の説明を求めます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○国務大臣(小笠原三九郎君) 昭和二十八年度予算の編成に関する基本方針並びに予算の大綱につきましては、過日本会議において御説明いたしたところでありまして、本予算案は、前国会に提出し衆議院の議決を経ました不成立予算を基礎とし、その後の情勢の推移に伴う必要な調整を加えて編成いたしたものであります。予算委員会の御審議をお願いするにあたりまして、改めてその内容を御説明申上げます。  先ず、歳出について申上げますと、第一に、防衛支出金六百二十億円、保安庁経費七百十九億円、平和回復善後処理費百億円、連合国財産補償費四億円を計上いたしました。  防衛支出金は、昨年締結されました行政協定によつて日本側において負担すべきものとされた米軍の駐留に関連して支出を必要とする経費であり、その内訳は、米軍の役務、需品の調達に充てるための米軍に対する交付金として五百五十八億円、米軍の使用する「施設及び区域」の提供に必要な経費その他として六十二億円であります。  保安庁につきましては、人員は、ほぼ現状にとどめることといたしましたが、船舶数の増加に伴い警備官を二千七百余人、学校、研究所等の要員として保安官、警備官以外の職員を千四百余人増加いたしました。経費の増加は、給与改善及び昨年増加した人員の維持費を平年度化すると共に、装備施設の増加等機能の充実を図るためのものであります。なお、保安庁経費は、本予算施行の遅延のため不成立予算に比し、約百十億円減少しておるのでありますが、他方警備船等船舶の建造のため六十五億円、営繕工事等施設の整備のため三十五億円、計百億円を限り、昭和二十九年度において国庫の負担となる契約を、二十八年度において結び得ることといたしております。  以上、防衛支出金と保安庁経費との合計千三百三十九億円は、安全保障諸費を含めた前年度のこの種経費千八百億円に比して約四百六十億円の減少となつております。  平和回復善後処理費は、連合国に対する賠償の支払、対日援助費の返済、その他外債務の処理等、平昭回復の結果として必要を生ずると考えられる諸般の経費に充てることを予定いたしたものであります。  連合国財産補償費は、連合国財産補償法の定めるところにより、前年度からの繰越額と合せて、年度内に百億円を補償しうるよう四億円を計上いたしたものであります。  第二に、経済力の充実発展のための措置といたしまして、まず財政投融資の拡充を図りました。即ち電源開発、外航船の建造、中小企業及び農林漁業の振興、国鉄施設の整備、電信電話事業の拡充等に特に配慮して、国民経済の自立態勢確立を図ることとし、財政投融資といたしまして一般会計、資金運用部資金、簡保資金、産業投資特別会計及び公募公債を合せ総額二千九百九十三億円を予定いたしております。これら財政投融資の財源につきましては、一般会計の歳入をもつて賄うもの四百五十三億円、資金運用部資金等の通常の原資千六百四十八億円のほか、特に保有国債の売却等による蓄積資金約五百三十億円の活用にも配意し、又、日本国有鉄道、日本電信電話公社の建設資金調達のため市中公募債百六十億円を発行する途を開くと共に、新たに産業投資特別会計を設置し、二百億円を限り特別減税国債の発行を予定いたしております。なお二十八年度におきましては、外国為替資金への一般会計からの繰入れ、いわゆるインベントリー・フアイナンスを取りやめ、又、電信電話料金の改訂を行い、日本電信電話公社の自己資金の充実、企業体制の確立に資することといたしました。  第三に河川、砂防、山林、道路、港湾、漁港及び都市計画の諸事業並びにこれらに関連する災害復旧事業等の公共事業について、一千二十億円を計上いたしましたが、前年度に比し約百八十億円の増加でありまして、治山治水事業特に河川の総合開発及び道路の建設等の推進に配意しております。なお道路事業費のうちには、特定道路整備事業特別会計への繰入金二十五億円が含まれております。又食糧自給度の向上を図るため、耕地の拡充、改良及び耕種改善、農業用公共施設の災害復旧、病虫害の防除等につき、食糧増産対策費として前年度に比し九十一億円を増額し、四百九十四億を計上して、食糧自給度の向上につき一層その推進を図ることといたしました。  第四に民生安定のための経費につきましては、国民生活の現状にかんがみ、民生安定施策の重点をまず住宅対策におくこととし、公営住宅の建設等について、住宅対策費を前年度に比し約五十四億円増額して百二十五億円計上するほか、住宅金融公庫を通ずる貸付百八十億円、資金運用部からの勤労者厚生住宅貸付二十五億円を行い、これらを合せて約十一万五千戸の住宅建設を予定いたしております。  又生活困窮者の保護のため二百五十六億円、児童保護費五十二億円、国民健康保険等社会保険の充実のため八十五億円、結核対策費として百出十五億円、失業対策費として百九十二億円、合計七百十億円を計上し、前年度に比し百四十七億円を増額して、国民生活の安定を図ることといたしております。  次に旧軍人、軍属及びその遺族に対する恩給につきましては、昨年十一月になされました恩給法特別審議会の建議の趣旨を尊重いたしまして、現在及び将来の財政の事情を考慮して、能うかぎりの措置を講ずることとし、本年四月に遡つてこれを復活することといたしました。なお恩給の対象とならない、戦没遺族、戦傷病者及び未帰還者留守家族につきましては、この際従来の援後措置を強化いたすこととし、これらに要する経費として総額五百億円を計上いたしたのであります。  第五に、文教振興のための経費でありますが、まず義務教育の機会均等とその水準向上を図りますため、義務教育国庫負担法に基きまして、義務教育諸学校の教職員の給与費について実支出額の半額並びに教材費の一部を国庫負担とする方針の下に、義務教育費国庫負担金五百四十億円を計上いたしました。なお教職員給与費国庫負担金の交付にあたりましては、同法に基く政令によりまして、一定の基準による国負担額の最限度を設けることとし、又地方税制の改正等により、地方公共団体における財源の偏在が是正されるまでの暫定措置として、立法措置により八月以降特定の富裕都府県に対しては、不交付ないし減額交付とすることとしているものであります。  教育施設につきましては国立、公立及び私立を通じてその改善に考慮を払い、約六十五億円を計上いたしましたが、小、中学校一般校舎の整備、積雪寒冷湿潤地帯の屋内体操場の建設促進を図つたほか、特に資金運用部による地方債引受の枠の拡張と相待つて危険校舎の改築等にも配慮いたしましたものであります。その他育英事業、産業教育の振興、科学研究費等につきましてもそれぞれ増額し、教育学術の振興を図つております。  第五に地方財政に関しましては、昭和二十八年度におきましては、義務教育国庫負担制度が実施されることとなりましたので、地方財政平衡交付金制度に相当の変更が加えられることとなり、平衡交付金としては千二百五十億円を計上いたしたのでありますが、義務教育費国庫負担金と合計いたしますと千七百九十億円となり、前年度に比し実質的には三百四十億円の増額となり、不成立予算に比しても七十億円の増殖となつているのであります。なお別に資金運用部による地方債引受の枠を八百八十五億円に拡張いたしましたほか、公募による地方債百八十億円を予定しております。  地方財政の現状を見まするに誠に容易ならざるものがあり、根本的な対策を講ずる必要があると考えられますので、地方制度全般の問題と関連し、急速にこれが改善を図りたいところであります。  次に歳入予算について申上げます。歳入予算の内訳は租税及び印紙収入七千百六十一億円、専売納付金千四百三十七億円、雑収入等六百二十八億円、前年度剰余金四百五十五億円となつております。租税及び印紙収入につきましては、最近の収入状況及び二十八年度における生産、物価の状況、国民の所得及び消費の動向を予測して、その見積の適正を期したのであります。即ち所得税、法人税等はその課税実績を基礎とし、国民所得算定の基礎となつた生産、物価、雇用、賃金等の動向と、更に経済の実情を勘案して、その収入を算定いたしました。酒税につきましては本年三月相当の減税をいたしましたが、消費の増加を見込み、ほぼ前年度程度の税収を確信し得るものとして計算いたしました。その他物品税、砂糖消費税、関税等の間接税収入は、二十八年度の生産、販売、輸入の見通し等を十分考慮に入れて算定いたしております。今後生産物価ともに堅実な歩みを続け、国民所得も順調に増加するものと考えられますので、七千百六十一億円の租税及印紙収入は、これを確保し得るものと考えております。税制改正の大綱につきましては、先に財政演説の際申述べましたが、その詳細につきましては政府委員をして説明いたさせます。  次に日本専売公社納付金につきましては、たばこの売さばき数量において約五%の増加を見込みますと共に、従来の益金算定方式を改め、損益計算に基く益金を納付せしめることとして千四百三十四億円を見込んでおります。  以上一般会計歳出及び歳入について申上げましたが、次に特別会計及び政府関係機関について申上げますと、先ず特別会計予算は、造幣局特別会計ほか三十二の特別会計に関するものであります。本年三月末を以て解散団体財産収入金特別会計が廃止されて一般会計に引継がれ、又農林漁業資金融通特別会計は公庫に移行されたのでありますが、一方新たに木船再保険特別会計を設置し、更に米国対日援助見返資金特別会計を廃止して、産業投資特別会計を新設いたしました。なお輸出信用保険特別会計は輸出保険特別会計に改めることとしております。  次に政府関係機関予算は日本専売公社ほか八機関に関するものでありまして、二十七年三月を以て閉鎖機関整理委員会及び商船管理委員会が廃止され、又農村漁業金融公庫が新設されたのでありますが、更に新たに中小企業金融公庫が設置されることとなつております。中小企業金融公庫は中小企業振興の重要性に鑑み、中小企業金融の積極化を図るため新たに設立されることになつたものでありまして、中小企業者が市中金融機関から融資を受けることを困難とする設備資金及び長期運転資金を供給することを目的としております。  以上を以て昭和二十八年度予算についての概要の御説明といたす次第であります。なお詳細につきましては政府委員をして説明いたさせます。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いを申上げます。  昭和二十八年度本予算案は、その編成を急ぎまして、去る十三日本第十六回特別国会に提出の運びとなり、現在御審議をお願いしているところでありますが、時日の関係から六月中にその成立を期することは困難であると考えられますので、ここに本予算成立までの暫定措置といたしまして、七月分に必要な経費を既定の四〜六月分の暫定予算に追加いたしまして、暫定予算補正第二号として提出いたした次第であります。  この七月分暫定予算は、すでに本国会に提出いたしました昭和二十八年度本予算を基礎として編成いたしたものであり、此の点四〜六月分の暫定予算とはやや趣を異にしている次第であります。即ち暫定予算の性質上、新規事業のうち後年度に相当な財政負担を及ぼすような大規模事業は七月分暫定予算にこれを計上いたすことは見合せておりますが、その他の経常的経費につきましては、本予算計上額の月割一カ月分を計上いたし、又本予算において七月より実施を予定しております新規事業及び単価の改訂につきましても、原則としてこれを織込むこととしているのでありまして、暫定予算の域を脱しない限りにおいてできるだけ本予算の趣旨を織込み、極力国政の円滑なる運営を期した次第であります。  この結果七月分の暫定予算は一般会計において歳入千四億五千八百余万円歳出九百六十七億八千四百余万円となり、差引三十六億七千三百余万円の歳入超過となつております。  その内容につきましては、歳入において七月末に確定する前年度剰余金のうち二十八年度の本予算の財源となつております四百五十五億七千二百余万円を計上いたしましたこと、歳出において公共事業費、食糧増産対策費、住宅対策費等建設的経費に特に意を用い、事業の時間的関係を考慮してその促進を図つておりますことが主なる特徴となつております。  特別会計、政府関係機関につきましても、一般会計と同様二十八年度本予算を基礎として七月分の必要額を計上し、それぞれ暫定予算補正第二号を編成いたしました。なお米国対日援助見返資金特別会計は七月まで存置することといたしております。  以上を似ちまして昭和二十八年度暫定予算補正第二号につきましての御説明といたしますが、詳細については政府委員をして御説明いたさせます。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。

河野一之大蔵省主計局長

○政府委員(河野一之君) 大臣の御説明に引続きまして私から補足的な御説明を申上げます。  今回提出いたしました本予算案は、先に不成立になりました予算を大巾に改編することを避けまして、その後における情勢の変化等に基く調整をいたしたのでございます。従いまして主として不成立予算との関連、差違等につきまして御説明申上げたいと存じます。お手許に「昭和二十八年度予算の説明」という印刷物が入つておると存じまするので、便宜これによりまして御説明申上げたいと存ずるのであります。  先ず財政規模と国民所得との関係でございますが、この印刷の書類の二頁を御覧願いたいのでございます。今回提出いたしました予算は二頁の左の方でございますが、九千六百八十三億、国民所得が五兆八千二百億でここで一六・五%となつておりますこの不成立予算の際におきましては、この国民所得は五兆六千七百四十億ということになつております。従いまして不成立予算のときには五兆六千七百四十億として一六・九%でありましたが、今度国民所得を新たに建直しますと十六五%で少し減るわけでありますが、財政投融資の総額を加えた割合は減つておるのでございます。その次の欄にございますが、二十八年度の一般会計以外の投融資を加えました総額は一兆二千二百二十三億で、約二一%ということに相成つておるようでございます。  次は国際収支の問題でございますが、これは三十三頁を御覧頂きたいと存じます。三十三頁の左の欄でございまして、受取が二十一億二千万ドル、支払も同額二十一億二千万ドルでございまして、差引きとんとんというふうに推定をいたしております。不成立予算の際におきましては、受取が二十一億八千八百万ドル、支払が二十一億四千三百万ドルでございまして、差引き四千五百万ドル程度の受取超過というふうに考えておつたのでございますが、今回収支の見積を改訂いたしております。最近における外貨ポゼシヨンでございますが、二十八年度三月末における外貨の保有額は十億六千万ドルに相成つております。五月末におきましては九億九千七百万ドルでございます。ここに外貨保有額は二十八年度末見込を九億八千四百万ドル、これは二十八年度末と同額であるべきでありますが、この九億八千四百万ドルは外為会計で持つておる外貨でございましてこのほかに日本銀行の保有が五千万ドル、それから為銀の持つておりますものが二千六百万ドルほどあるわけであります。合計いたしまして、十億六千万ドルというのが二十七年度末の外貨ポゼシヨンでございます。  次は食糧の関係でございますが、食糧につきまましては、これはこの書類の三十五ページ附近を御覧願いたいと思います。先ず買入れの数量でございますが、ここは左側に買入の数量が書いてございますが、国内産米四百二十三万七千五百トンということになつておりますが、これは二十八年産米で申上げますと二千八百二十五万石であります。大麦が六万トン、裸麦九万トン、小麦三十六万二千トンということに相成つております。輸入の食糧でありますが、米が九十万トン、大麦が六十二万トン、小麦が百五十七万三千トンということに相成つておりますが、不成立予算に比較いたしまして、米が六万トン減少いたしております。大麦が二十万一千トン減少いたしております。小麦二十一万一千トン、不成立予算より減少いたしておるのでありますが、二十七年度におきまして、麦におきまして二十八万トンほど繰上輸入がございまして、需給の計画の上においてはそれだけ減らすことが可能に相成つたのであります。  次は価格の点でございますが、先ず米につきましては、一応現在の統制を継続するという建前の下に予算を組んでおるのでございまして、且つその価格も二十七年度の予算米価そのままをとつておるのでございます。即ち二十七年度におきましては、普通供出については七千五百円、超過供出につきましては三千円、そのほかに早場米奨励金を八十億ほど出しておるわけでありますが、これを全体に平均いたしますと、七千七百九十二円ということに相成るのでございまして、この価格は今後きまることでありますが、予算上前年度の予算米価平均七千七百九十二円ということで組んでおるのであります。大麦、裸麦、小麦でございますが、これは予算上はそこに書いてございまする数字、小麦千九百三十三円、裸麦二千九十九円、大麦千五百六十七円で組んでおるのでございますが、これの計算は今年の五月におけるパリティが一一三・一一でありまして、これは昨年が一一二八三、このパリティで出た価格、これを小麦の値段といたしまして、農家の今年の二月末における庭先相場で見ました三麦間の小麦比価を加重平均いたしまして、その比率が大麦が九二・六、裸については一〇八・六でありますので、小麦に対してこの比率をかけているのごでざいます。但しこれは予算編成のときの案でありますと同時に、米価審議会に諮問いたしました案でございまするので、その後答申もございましたし、最終決定に至りましては多少変るのでございまするが、その金額の異動は大したことはないものと考えております。数億円の移動にとどまると思つております。買入数量の点もございますし、予備費の百億もございまするので、これがために予算を動かすことはないと考えております。  輸入の方はそこにございますように米が二百十三ドル、これは不成立予算の通りでございますが、大麦が九十三ドル、不成立予算九十二ドル、小麦が九十ドル不成立予算が九十四ドルでございます。不成立予算の当時は小麦協定で二十五万トンというふうに考えておりましたが、今回その買入可能数量が百万トンになりまして従つて二十万トンの追加割当もあるという見込もあるのでございますが、一応百万トンといたして計算をいたしておるのでございますが、二十五万トンの、昨年末は一ブッシェル一ドル八十セントでありましたのを一ブツシェル二ドル五セントということで計算をいたしておるのでございます。  売渡価格につきましてはここに書いてございますが、米については別段変えてございません。麦はこれは統制が撤廃に相成つておりまするので、公定価格というものはないのでありますが、原麦を払い下げまする場合において、麦の想定末端価格というものを一応予定いたしまして、それによつて政府の売渡価格をきめておるのでございますが、ここに掲げましたような、価格になつておるのでございます。大体麦の一般価格は対米価比からきめておるのでございます。  それからこの食糧管理会計におきまする年度末の食糧証券は千五百八十億でございまして、昨年より百十億を増加するのでございます。これに関連して補給金の線でございますが、補給金に関しましては二十二ページを御覧頂きたいと思います。二十二ページの右の欄でございまして、三百億ございまして、不成立予算のときには三百二十億であつたわけでありますが、前年度は三百八十億、真中の辺に三つの補給金額の欄がございますが、米が二百十三億、大麦が五十八億、小麦が十六億、前年度からの繰越分が十三億で合計三百億ということに相成つておるのでございます。  次は地方財政と義務教育費国庫負担金の関係でございますが、不成立予算におきましては義務教育費国庫負担金が九百二十億、地方財政平衡交付金が八百億で千七百二十億であつたわけでございますがその際におきましては、義務教育費全額国庫負担は定員定額制であつたわけでございますが、御承知のような事情で実支出額の半額国庫負担の法律によりまして、四月以降実施されておるのでございまして、これに伴う金額といたしまして五百四十億円を計上いたしております。但しこの五百四十億円につきましては二つの点におきまして措置を講じておるのでございます。即ち第一点は、同法第二条但書によりまして、実支出額が一定の基準で算定した金額以上に出る府県につきましては、その最高額を制限するという政令を出しておるのでございます。その一定の基準と申しますものは、先ず給与の単価につきましては全国の国立学校を平均いたたしました単価をとつております。一万三千数百円でありますが、これに勿論各地方におきまして地域別の勤務地手当の差はつけるわけでございますが、これに実学級定率というものをかけるのでございますが、これは大体国立学校の基準によるのでございますが、小学校につきましては六学級について七人、中学校については六学級について九人の先生、これに校長先生を入れる意味におきまして学校の数を加えまして、更にその合計数に対しまして、結核や産前産後の休暇による教員の休まれる率〇・三というものを乗じまして一応実学級、学校の先生の数を出しまして、これを掛け合したものに対して、各府県の実支出額が超過する場合におきましては、超過額をその額までに押えるという政令を出しておるのでございます。この関係におきまして年間におきまして十六億、最高額が押えられるわけでございます。これに該当いたしまする府県は東京、大阪、愛知、京都、兵庫、福岡の大県であろうと考えております。その上にかつ又この八月以降につきましては特別の法律を出しまして、特定の府県につきましては、この特定の府県というのは標準財政収入が標準財政需要に対して超える府県ということになりますが、そういつた地方財政の上から見れば比較的富裕と認められる団体につきましては、そういうように算定した義務教育費国庫負担金を、その超過額を限度として差別交付調整する、或いは場合によりましては交付を受けないこともあり得るわけであります。その関係におきまして八月以降四十八億円の額が支出を抑制せられるわけであります。これは現行法通りそのまま行くことといたしますと、年度初めから百四億の金になるわけでございますが、七月までそういうような措置をとります結果、七月以降におきまして四十八億を減少いたしております。その結果の数字が五百四十億でございまして、勿論五百四十億の中に五百二十一億円がそういつた給与の経費でありまして、十九億円が教材の負担金に相成つております。そういつた八月以降の制限を受ける府県は、これは正確にいろいろ昭和二十七年度の収入実績等、これから七月末に確定すると思われますので、今後動くかと存じますが、大体考えられておりますのは、該当するのは東京、大阪、神奈川、愛知の四府県であろうと思つております。東京におきまして二十四億、大阪では十六億、神奈川では四億、愛知では三億、こんなような程度の金額になるのではないかと思つております。勿論今後正確なる数字ができますとこの金額、或いは府県等も変つて来るかと存ずるのであります。地方財政平衡交付金は不成立予算のときは八百億でございましたが、これが若し平衡交付金にロスがなしに義務教育国庫負担が行われたといたしまするならば、その義務教育国庫負担は平衡交付金から差引き得るというと語弊はありますが、移り変り得る金額は五百億でございまするので、差引千二百二十億ということになるのでございますが、法人税割の減収もございまして、三十億を増加いたしまして千二百五十億ということにいたしております。そのほか不成立予算に比較いたしまして、地方債の起債額を十五億増加いたしております。  次は財政投資の面でございますが、財政投資につきましては、三ページの左の欄を御覧願いたいと思います。財政投資につきましては不成立予算のときに比較いたしまして四、五点差がございます。これは一つは特別減税国債が予算遅延のために三百億から二百億に減つたことが一点、公募公社債二百二十億を予定いたしておりましたものが、予算遅延に伴ないまして六十億減少いたしまして百六十億と相成つております。それから資金運用部資金の原資におきまして約五十億減少、丁度見返資金の統合が遅れまして、四月早々から産業投資会計に統合せられる予定になつておりましたが、法案及び予算不成立のためにこれを八月から予定いたしております。これが具体的な差でございます。見返資金の総額そのものにつきましても約十億ほど前年度からの繰越が殖えております。三ページの左の欄に過去の蓄積資金の使用の分、それから特別減税国債の発行という各欄がございまして、一般会計の財源繰入れ、これは四百五十三億で、これが相当殖えているのでございます。二十八年度の財政投資の原資の総額は二千九百九十三億ということに一番下の欄でございますが、出ているわけでございます。  具体的に個々の投資の比較で申上げますならば、ちよつと六十六ページを御覧願いたいと思います。六十六ページの左から四番目の財政資金需要総額、この一番下の所に二千九百九十三億というふうになつておりますが、これが只今申上げました数字でございます。不成立予算の数字が括弧内に入つているのでございまして、変つておりますところが、輸出入銀行で四十億計上したものがゼロに相成つております。これは輸出入銀行におきましては、まだ資金が百五十億程度も残つているような関係も考慮したものでございます。電源開発は変りございませんで、金融債引受も変りございませんで、農林漁業公庫で一砧殖えておりますのは凍霜害対策での九千三百万、端数を繰上げたのでございますが、その融資の関係でございます。中小企業において八十五億が百億で十五債増加いたしております。  政府事業建設投資でございますが、電信電話公社で百六十億が百七億に減つておりますのは、二割五分値上げをいたします関係で五十三億新らしい資金が生れましたので、これによりまして預金部の資金引受をゼロといたしますと共に、公募公社債も減少いたしているのでございます。少し下の方の欄、地方債におきまして八百七十億が八百八十五億と十五億増加いたしているのでございます。  以上が主要な点でございまするが、最後に個々の問題について申上げてみたいと思うのでありますが、五十九ページを御覧頂きたいと思うのでありますが、ここに需要経費につきまして不成立予算との開きが出ているのでございますが、その前に歳入におきましては、昭和二十八年度一般会計歳入歳出と不成立予算案との比較表で、租税及印紙収入が八十億程度殖えておりますが、これは主として源泉所得税の増収でございます。最近三月頃の数字を取りました分であります。大体九十億ほど普通の税で殖えまして、十億ほど有価証券取引税その他の増税の遅延で減つております。専売納付金でちよつと減つておりますが、酒の減税に伴いましてアルコールの、民間におきまする酒の減税相当分が減少するということになつております。官業益金及び官業収入で減つておりますのは、国立病院、療養所移管が取りやめになつた分がある関係であります。それから政府資産整理収入で少し減つておりますが、これは殖えているものもあるのでありますが、電々公社から国際交通、電気通信会社が分離いたしたのでございますが、その株式を売りましてその財源は電々公社に交付して建設の財源に充てる、これは不成立予算のときに二十億計上いたしておりましたものが、三十二億全額売れる見込でありまするのでこれを十二億殖やしておりますが、そのほかにおきまして最近の実績によりまして国有財産の収入、或いは共有船舶の持分収入等におきまして相当減つておるものもございます。それから対日援助物資等処理特別会計という特別会計がございまして、三月まで生きておりまして、不成立予算の際にはこれを一般会計に債権債務を引継いで特別会計を整理することを予定いたしておりましたが、これが流れましたのでこの会計が生きまして、その債権の収入は特別会計で処理する分が約十三億ございまして、そういう減少がございます。それから雑収入で多少殖えておりますのは、これは預金の利子でありますとか、或いは恩給のベース・アップに伴います負担金の増加でありますとか、或いは電々公社、国鉄の負担に属する国債の利払及び償還は不成立予算の際には一般会計を通じて行う建前になつておりましたが、不成立予算の際におきましてはこれを直接に国債整理基金に入れることになつております。これは法律が流れましたので七月までの間は従来通りの形式でやる関係上、その関係で利払が一応一般会計に入つて来るという関係で、約五億七千万円ほどの増があるのであります。  歳入につきましては大した異動はございませんが、歳出につきまして主なるものをピック・アップして申上げますと、保安庁経費におきまして百十一億一千五百万円ほど減少いたしておりますが、この端数の十一億円ばかりは四月から警備官を二千七百名ほど増員することになつておりましたものが定員法の関係でこれが遅延いたしました。それから借受船舶が大体七月頃全部受渡が終了する予定で、船舶の稼動費等もその予定で組んであつたものが、それが少し遅れた関係上……。それから演習関係は別としまして本部の関係の旅費、庁費につきまして一五%の節約をやつたのでございます。あとの百億は船舶及び施設関係の予算成立の遅延に伴いまして、現金の計画は変更いたしませんが、現金の支払が明年度にすべきものが約百億ございますから、その分を削減いたしましたわけでございます。但しこのことにつきましては国庫債務負担行為を二十八年度において結び得る権限お願い申上げておる次第であります。  連合国財産補償費におきまして九十六億ばかり減つておりますのは、連合国財産補償法の十九条におきまして、こういう補償費が一会計年度百億を超える場合においては、その超過額は翌年度以降に繰越してもよいという趣旨の規定があるのでございまして、昭和二十七年度におきましてはいろいろ当事者に折衝をいたしたのでございますが、なかなか相手方の承諾が得られませんで、と申しまして法律にありますように、第三国まで入れた委員会において裁定を受けることも如何かと思いまして、目下努力をいたしておるのでありますが、結局四億円しか支出がございませんでしたので九十六億円が繰越になりますので、これを合せて二十八年度約百億を支払えばいいという建前で減少をいたしておるのでございます。  公共事業で減つておりますのは、旅費、庁費につきまして一割五分、これはすべての場合に通じた原則でございますが、事務費の系統において節約いたしております。山林において少し殖えておりますのは、これは次の食糧増産費とも関係がございますが、前国会の末におきまして海岸砂地帯農業振興法という法律が出まして、これに基く経費を約一億一千万円ほど入れておる関係でございます。食糧増産対策で土地改良でちよつと殖えておりますのは、これは岩手県の猿ケ石のダムにおきまして丁度農業水利と併せてやる段階になりまして、そういうような計画の変更調整がありましたので、この金額を計上いたしたわけでございます。耕種の改善その他で減つておりますのは、これは事務費の節約、或いは暫定予算期間中における新規のものを入れなかつたその月割の減少等があるのでございます。  文教関係の事務費の節約でございますが、災害におきましては北大の理学部の火災復旧の関係がございます。九の官庁営繕でちよつと殖えておりますのは、これは国会の地下道等の営繕関係でございます。生活保護費で十一億ほど殖えておりますが、これは軍人恩給の実施が四月からということに不成立予算で考えておりまして、その際におきましては生活保護費が或る程度減るだろうと考えておつたのでございますが、今回軍人恩給は四月に遡つて支給はいたされますけれども、そういつた関係を調整することが現在からでは困難でございますので、それだけ殖えることに相成りました。児童保護におきましても事務費等の節約でございます。皆大体そうでございますが、社会保険において日雇保険の関係は十月の予定が一月にずれております。失業対策におきまして対策事業補助、失業保険の保険金、いずれも殖えておりますが、最近の実績に徴して対策事業につきましても失業保険につきましてもこれを殖やすことにいたしております。不成立予算の際には大体十月ごろの現状で考えておりましたが、今回は三月ごろの実績を基礎にいたしているのでございます。遺家族援護、留守家族、軍人恩給について特に申上げることはございません。合計いたしまして五百億でございます。国立学校、育英事業、これらはいずれも事務費の減少でございます。国家警察もさようでございます。  衆参両院議員の選挙の関係で十二億不成立予算よりも殖えております。租税払戻金は六十億、これは暫定予算にも三十億すでに計上して支払済みでございますが、最近の状況で殖えて参りましたので、六十億を計上いたしております。日本電信電話公社交付金は先程申上げた通りでございます。文官恩給におきまして十億七千万円ほど殖えておりますが、このうち約四億円は、今年の一月から実施いたしました不均衡是正の金が、恩給局の台帳では九億と予定されておりましたが、現実に基いてみますと四億ほど殖えておりますのでそれを計上いたしました。それから十月から文官恩給のベース・アップ二〇%をやることにいたしますと、これは年間二十四億でございますから、十月から実施いたしまして十、十一、十二月分でございます。一、二、三月は明年度予算ということに相成りますので、十月から実施ということになりまして六億程度でございます。その関係で増加いたしているわけでございます。  以上一般会計の主要事項についての説明でございますが、特別会計、政府関係機関につきましては、この予算の説明に相当詳細に書いてございますので、省略をいたします。  それからその次に引続きまして暫定予算につきまして編成要領の御説明を申上げたいと存じます。これもお手許に二十八年度暫定予算七月分編成要領というのがお手許に参つておるのではないかと思います。一般的の方針といたしましては、先ほど大臣が申上げられましたように、七月分の暫定予算は今度の本予算を基礎として編成するという建前をとつておるのでございます。勿論法律の関係もございまするので、その点の制約は勿論あるわけでございますが、歳入につきましては七月中の収入、歳出は普通の経常的経費につきましては、本予算計上額の月割一カ月分ということに原則としていたしております。ただ公共事業とかそういつた従来からの継続事業で時期的関係のあるものは、その時期的関係を考慮して必要額を計上いたしております。ただ本予算もいろいろ新規の経費が計上いたしてありますが、その事業のうち、この時期にやらなければならんと思われるような急施を要するもの、積寒地帯のような、この時期に相当の事業の進捗を見なければならんというようなものにつきましては、これは本予算の審議に支障を及ぼさない、つまりこれを決定することによつて本予算のほうも、それから影響を及ぼさないというようなものをピクアップいたしまして、必要な金額を計上いたしたのでございます。  そういう大体の方針でございまして、具体的なものになりますと、先ず第一に歳入でございますが、歳入は四、五月分と変りございませんが、ただ前年度剰余金につきまして、昭和二十八年度本予算に計上いたしておりまする財源としてとつておりまする四百五十億ほどのものを歳入に計上いたしております。  歳出につきまして防衛支出金ございますが、これは七月が在日米軍交付金を交付する時期でもございますので、百四十五億を計上いたしております。その中で百四十一億円が交付金に相成つております。  保安庁経費は、現有の人員においてやつております。  公共事業は大体六月分の暫定予算と同額を計上いたしたのでございますが、同じ系統の道路なら道路というような経費につきましても、前年度から同じものにつきましても増加いたしておるものがあるのでございます。これは即ち従来の継続事業を促進するという趣旨のものであるのでございますが、これはま考あえようによつては新規ということにも相成りますが、これは工事の契約の時期、それから施行時期というものを考えまして、北海道、東北、北陸等の積寒地帯、それから冬期の風浪地域のものにつきましては、大体増加額の四分の一、この期間にこれだけやることによりまして、仕事のテンポから申しますと十二月までにそういつた工事ができるという建前に相成ります。それからその他の地域につきましては六分の一をやつておるのでございます。  それから新規の事業で、これは国が直轄して施行するような大きな事業、例えば継続的なダムの継続費というようなもの、それから補助事業にも同様なものがございますが、これをやることによつて後年度の事業計画がきまつてしまうというようなものは、これは暫定予算の性格上適当でないと考えて計上いたしておりません。  その他特殊なものといたしましては、ここにいろいろお書きてあるのでございますが、(8)の生活保護と児童保護につきましては、七月から保護単価を増額して施行し得るようなことにいたしております。つまり今年の一月から六大都市五人家族で七千二百円というものを八千円にして施行できるような建前にいたしております。  その次の育英事業につきましても七月から奨学貸付金の単価を、従来一千九百円を二千円に上げるようにいたしております。  失業対策事業も従来就業日数二十日間で組んでおりますが、これを二十一月に増加しております。又資材費に対する補助額の増額も一億計上しております。  義務教育費国庫負担金は先ほど申上げた趣旨によつておるのでございます。  以下のほか特に申上げるのは予備費でございますが、普通の予備費は全然今までの暫定予算の分を殖やしておりませんが、災害対策の予備費につきましては、四九州の風水害の関係もあり、十五億円を追加いたしておるのでございます。  財政投融資の問題につきましては別に御資料がお手許に行つていると思います。  ただ、ここに一つ暫定予算の総則に特殊なものがございますが、これは火力発電の関係におきまして外資の導入が実現される見込でありまして、たしか本日国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律案というのを国会に御提案申上げておると思いますが、これは水力の関係、火力の関係、いろいろございますが、この火力の関係の分につきましては、七月中には何とか契約ができる見込もございまするので、そういつた意味におきまして元本につきまして百四十八億円、四千百万ドル、利子及び手数料につきまして百十一億円、約三千百万ドルございますが、これについて外資の政府保証につきまして予算総則において御承認をお願いしているような次第でございます。  以上大体本予算及び暫定予算について御説明申上げた次第でございます。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) 大蔵大臣及び主計局、長の説明を補足いたしまして租税及び印紙収入予算について御説明申上げます。  お手許に昭和二十八年度租税及び印紙収入予算の説明という冊子が御配付申上げてあると思いますが、これにつきまして御説明申上げたいと思います。今度提案されました予算に計上してございます租税及び印紙収入の総額につきましては二ページに内訳及び合計がございますから御覧願いたいと思います。(D)の欄でございますが、改正案による収入見込額予算額七千百六十億これが合計でございます。この数字は二十七年度の決算見込額七千九十四億円に比べまして六十六億円の増加になつておりますが、現行法による収入見込額八千百八十四億円に比べますと千二十三億円の減になつております。尤もこのうちには減税百億の減収分がそこに内訳にございます四十四億含まれております。なお、現行法による収入見込額と申上げますのは、このうちにも書いてございますが、十五国会において成立しました減税分、それから十六国会においてすでに成立を見ました物品税法改正による減収等も全部なかつたものとして計算した場合の数字でございます。  最初一応この見積りの基礎になりました税制改正案の外貌につきまして御説明申上げたいと思います。三十ページ以下にございます税制改正につきましては、去る十五国会におきまして酒税法の改正が成立いたしまして、酒税の税率引下げが行われました。又本国会におきまして物品税法の一部改正が行われまして、物品税の税率引下げが行われました。で今回の改正はこれらと一応一連の関連を持たせましてなされるものでございますが、すでに実施されております昭和二十八年分所得税の臨時特例等に置する法律、これは臨時的に行なつておる所得税の軽減措置でございますが、これを平常化しようということ、それから相続税の負担軽減を行いたいということ、その他一の連負担の調整、軽減合理化措置によりまして、租税負担の軽減、調整をすると共に、課税の簡素化及び資本の蓄積に資するための幾つかの措置を行おうとするものでございます。  先ず第一に所得税でございますが、所得税につきましては、一番中心をかすものは、いわゆる臨時特例法によつて行なつていることを平常化しようとするものでありますが、その一に書いてございますことは大部分がそれであります。即ち基礎控除の五万円を六万円に引上げたい。扶養控除につきまして、最初の一人について三万五千円に引上げたい。給与所得の控除の最高限度額を四万五千円に引上げたい。社会保険料の控除を行いたい。又税率につきまして、最低の税率を百分の十五に引下げたい。これらはいずれもすでに臨時特例法によりまして実施されているところと同じであります。新らしく出ておりますのは、三百万円を超える金額につきまして百分の六十、五百万円を超える金額につきまして百分の六十五の税率を作りたい。これは一面におきまして富裕税廃止をすることを提案しておりますので、それと見合つて、額高所得者につきましては、所得税において高税率を適用することを考えているわけでございます。  なお、その次以下は、新らしい臨時特例法以外の分でございますが、生命保険料の控除限度額を、現行四千円から八千円に引上げる。医療費の控除が、現在は所得の百分の十を超えれ場合に適用になつておりますが、これを、所得の百分の五を超えた場合に適用することにしました。控除限度額も現行の十万円から十五万円に引上げる。  それから青色申告者について、現在行なつておりますいわゆる専従者の控除の規定でございますが、これも金額は基礎控除に合せまして、現在は五万円となつておりますが、今度基礎控除額が六万円に上るに伴いまして、これを六万円に引上げたい。なお親族の範囲を、現在は十八才以上になつておりますが、これを十五才以上に拡大したい。  退職所得について、控除を十五万円から二十万円に引上げる。  有価証券の譲渡所得に対する所得税の課税を廃止する。  山林所得、不動産の譲渡所得等の一時的所得について、税負担の軽減と課税の簡素化を図る。  預貯金利子等に対する源泉選択税率を、現在百分の五十を百分の四十に引下げる。  匿名組合等による利益の分配について、二割の源泉課税を行う。  企業組合その他これに準ずる法人に対する課税の適正化を図る措置を講ずる。  以上はいずれも前国会に提案しまして、審議未了となりましたその法案を原則としてそのまま提案されております。  次に、法人税でございますが、法人税につきましては企業合理化促進法及び租税特別措置法による特別償却の範囲を拡張する。  貸倒準備金及び価格変動準備金制度の拡張改善を図る。  貿易商社等について、五年限りのいわゆるキャンセル準備金制度を作る。及び海外支店設置費の特別償却を認める。  個人の有価証券の譲渡所得税を廃止する機会におきまして、法人の清算所得に対して法人税の課税を行う。  これらもいずれも前国会において審議未了になりました法案を、そのまま提案されております。ただ一点、前国会におきましては、いわゆる交際費につきまして、一定限度を超える場合に、その二分の一を損金に算入しないという規定を提案したのでありますが、実施のその基準を作る基準の設定の点とか、或いは交際費の範囲とか、いろいろな点で実施すること自体についても、いろいろ御議論がありまして、なお研究を要すべきものが多々あろうと思いますので、今回の提案におきましてはこの分は取りやめております。  第三は富裕税でございますが、富裕税につきましては、昭和二十八年分からこれを廃止する。  第四は、相続税でございますが、現在の相続税の制度は、御承知のようにシヤウプの勧告に基きましたいわゆる累積課税制度と我々は呼んでおりますが、人の一生を通じて相続、又は贈与はよつて得た財産の額を順々に積重ねて行つて控除し、又は税率を適用して課税する方法をとつておりますが、これはどうもやつてみましても、実情にうまく適合しない点がございますので、この制度をやめまして、相続については、その都度相続税を、それから贈与については、一年分を合算して贈与税を課税しようという考え方であります。なお現在のように、受益者課税ということを考えておりますをので、三人で相続すれば、各一人々々について、その相続した財産の額について税課する。遺産税の制度をとることは考えこおりません。  基礎控除額が相続税については現行の三十万円を五十万円に引上げる。贈与税については新らしく十万円の控除額を作りたい。保険金、退職金に対する控除額を二十万円から三十万円に引上げる。税率を最高は据置きますが、相続税については下のほうは百分の五程度ずつ引下げる。贈与税では大体現行の相続税の税率による。なお延納の範囲を拡大する。これらも前回の国会に提案されまして、審議未了に終つたその案がそのまま提案されております。  それから砂糖消費税でございますが、砂糖消費税につきましては、国産の分蜜糖については税率は据置きますが、分蜜白糖、再製糖等につきましては、その税率を二割引上げる。  それから有価証券取引税でございますが、有価証券譲渡の所得に対する課税を廃止する機会におきまして、低率の有価証券取引税、一種の移転税を課税したい。税率でございますが、株式の取引については、普通の場合は万分の十五、証券業者が売渡人になる場合におきましては、その譲渡が非常に頻繁に行われることを考えまして、万分の六ということを考えております。この税率の点だけが、前回提案されました案と異なるところでございまして、前回はこの万分の十五が万分の二十、万分の六が、万分の八という案で提案されておりましたが、最近における株式市場の状況等に考えまして、万分の十五、万分の六という税率において、今回は提案をすることになつております。  第三次の再評価でございますが、これも考え方は大体前回提案されたところと同じでございます。昭和二十八年一月一日を基準日としまして、第三次再評価を行う。やり方は大体第一次、第二次の場合と同じであります。再評価を行い得る時期は二十八年、及び二十九年中に各一回、任意に行う。ただこの点につきまして、同時に再評価税の税率は百分の六、ただ再評価税につきましてはいろいろ議論もございまして、これがまあ再評価について相当の支障になるという御議論もございますので、今回はその納付につきまして、相当の修正を加えた提案をしております。前回の提案でございますと、三年にこの百分の六を納付する。第一年において百分の三、二年、三年で百分の一・五づつということになつていたのですが、今回の提案におきましては、五年に均分する。第一年だからといつて余分に徴収することをいたしませんで、一年から五年まで、毎年百分の一・二づつということになつております。  それから特別減税国債を購入した場合の租税の軽減でございますが、この考え方も大体におきましては前回提案したと同じであります。個人の場合におきましては購入額の百分の二十五に相当する所得税を軽減する。但し軽減額は所得税額の百分の二十を限度とする。法人の場合には購入額の百分の二十一を相当とする。但しこの軽減額でございますが、特別減税国債の発行時期が遅れましたために、四月から施行になつておりますと、半年決算の会社におきましても申告をする機会が二回あるわけでございますが、若し八月一日から施行したといたしますと、まあその機会が一回にしかなつていないということが考えられるのでありまして、こういう点を考えまして、その直前事業年度における税金と、その申告をする税金と合せたところで以て、その二割を限度としよう、即ち軽減額は法人税の年換算額の百分の二十を限度とする、これが又前回の提案と多少異なつておる一つの点でございます。  その他収入印紙の不正を防止するために登録税法について必要の改正を行う。  酒税、物品税の例にならつて他の間接税についても利子税の制度を設けて必要の税の整理を図る。  以上が今回提案されております、或いはされようとしております税制改正案の大要でございますが、各項目によりまして収入にどれくらいの影響があるかということにつきましては、三ページに個別の総収入額の内訳がございますので御参照願いたいと思います。見積の方法としましては、前回提案された予算における歳入見積は昨年の暮に行なつたものでありまして、それまでの事実に基きまして推算をしておつたわけでございますが、その後時日が随分経過しておりまして、大分新らしい数字が入手できる状況になつておりますので、新らしい数字が手に入りましたものにつきましては、その新らしい数字によりまして全部見直すということによりまして収入の見積をし直しております。方法といたしましては、先ず以ちまして現行法による場合の収入見積を算出いたしまして、改正法による増減を見積りまして、そうして改正後における収入金額の見積を出しておるわけでございます。以下各税について主要の点について簡単に御説明申上げたいと思います。  その第一は、所得税四ページでございますが、所得税につきましては、現行法による収入見込額が三千五百九十五億、税制改正後の見込願が二千六百七十一億この数字は前国会の不成立予算におきましては、現行法による収入見込額が三千四百四十億、税法改正による減が九百三十一億、差引予算額が二千五百九億、こういう数字になつておりましたのが、その後の見積替によりまして、そこに書いておるような数字になつたわけでございます。そのうち先ず源泉所得税でございますが、この数字も不成立予算の場合におきましては、現行法による収入見込額が二千四百五十三億、税法改正による減が七百三億、差引予算額が千七百四十九億こういう数字であつたのでありますが、そこに書いておりますように、現行法による見積額が二千六百五十二億、改正による減が七百三十三億、差引予算額が千九百十八億、かように改正されておるわけでございます。見込額の主たる理由は、前回においては昭和二十六年における支給人員それから支給金額というものを基礎といたしまして、七、八この二カ年に亘る雇用の増、給与の増というものを見込みまして推算したのでございますが、二十七年における給与の支給人員についての推定実績乃至支払給与金額が一応実績的に出ましたので、これを置換え、同時に安定本部で国民所得算定の基礎に使つております雇用の増、賃金の増というものを一応頭に入れまして、全部の推算をし直した次第でございます。なお、うしろのほうにございます繰越滞納の収入見込とか、こういうような点につきましても最近の滞納額を見合いまして、全部改算したわけでございます。その結果といたしまして、現行法におきましては、二千六百五十二億これに対しまして今度税制改正を行うということによりまして、新らしくまあ失格になる者の人員を見込み、同時にそれによる失格者の所得を見込みまして、差引課税有資格者の人員それに対する給与見込を出しまして、以下基礎控除を行う、扶養控除を行う、いずれも最近の数字を基礎にいたしまして、見積替をいたしておるわけでございます。  なお、給与所得以外の源泉所得税、預金利子に対する税額とか、或いは配当所得に対する税額、退職所得に対する税額というようなものにつきましても最近の数字によりまして一応の見積替がしてございます。  次に、申告所得税でございますが、申告所得税は不成立予算におきましては、現行法による収入見込額が九百八十七億、改正案による収入見込額が七百五十三億、こういうことになつていたのでございますが、この数字はやはり前回におきましては二十六年度の課税実績見込を基礎にして作り上げてあつたのでありますが、二十七年の課税実績見込が事業別の内訳といつた、細かい点はまだわかりませんが、総額的にわかりましたので、その数字に置き替えまして見積替をいたしました。全体の計画としまして、前回見積りましたときに比べまして、課税人員が減りまして、一人当りの所得の額が殖えた。課税を受ける人の一人当りの所得の額が殖えた。これが現行法による収入見込額は減つておりますが、改正案による収入見込額は大体前回の不成立予算の場合と異らない数字が出た理由のように思われます。一応二十七年度の課税実績見込によりまして、営業、農業、その他の事業に分けまして人員、所得金額、課税所得、税額を出しまして、これに対しまして生産の増、物価の増、これらの相乗積、それから申告及び能率の増と、その他所得率の分とかいろいろ考えまして、結局これを一応表にしてございますが、総合しまして計数を出しまして、これを二十七年の実績についてそれぞれ乗じた金額によりまして全体の見積額を出してあります。なお収入歩合、或いは繰越、滞納収入額等につきましてもその後の数字によりまして改算をしてございます。こうして作つた数字につきまして又源泉所得税の場合と同じように、改正法による基礎控除の引上げ、扶養控除の引上げといつたようなものを全部見積りに入れまして、改正後の数字が出ておるわけでございます。  次に、法人税でございますが、法人税におきましては、これも最近の会社の申告状況等がわかつて参りましたので、前は二十六年の十二月から二十七年の十一月までの申告税額を基礎にしておりましたが、今度は二十七年の四月から二十八年の三月までの申告額を基礎にして全体の見込額を直しております。全体の収入見込額が、不成立予算では千八百九十六億、税法改正による減が百二十九億、差引千七百六十七億となつておりましたが、やや減になつております。最近における収益率の減ということを相当見込みまして立ててございます。なお改正法におきましては、それぞれの新らしい改正による減を見込みまして一応の減収を見込んでおります。  相続税につきましても、これも又同じような考え方で新らしい数字は直してございます。不成立予算では、現行法による収入見込額が三十一億、税法改正による見込額が十億、差引き二十一億となつておりましたが、今度は現行法によるのが四十二億、税法改正による減が十億、差引き三十二億、前回の見積りにおきましては、二十六年分の相続税を基にして計算しておりましたが、二十七年度の相続税の数字が判明しましたので、それよりまして全部改算をしてございます。改正法におけるやり方は他の税と同じであります。  それから富裕税につきましても、最近の状況を見まして多少の改算は、ずつと改算しておりますが、その数字におきましてはそう大きな変化はありません。前回のときには現行法による見込が二十七億一千三百万円、端数だけが変つております。税法改正による減が十八億八千百万円、差引き八億三千三百万円という数字であつたわけであります。  それから再評価税につきましては、先ほど申述べましたような理由によりまして大体従来の数字をそのままとつたのでございますが、改正法による第三次再評価による再評価税の徴収方法が多少変つておりますことと、それから最近における再評価税の収入状況が前回見積りましたときよりも相当殖えておりますので、それによる増収を見込んでおります。前回の見積りでは、現行法による分が百十二億、税法改正による分十五億、差引き百二十七億となつておりましたが、今度は現行法による分が百二十六億、税法改正による増が十億、差引き百三十六億という見込みでございます。  酒の税でございますが、酒税につきましては、去る三月一日から施行になりました税率引下げの機会におきまして税率は引下げられましたが、併し消費は相当殖える、それによりまして税収全体は余り変らないということを目途に全体の予算が組んであるあるわけであります。その後の出荷の状況を見て参つておりますと、昨年に比べますと価格が下つただけに相当の出荷は殖えておるようでございます。全体の見積りを、現在見積り替えをするほどの材料も、数字も出ておりませんので、これは全部前回不成立予算において見積つたときの数字をそのままとつております。即ち現行法の場合におきましては、造石数において五百二十九万石、税額で千四百六十億、これが改正法になりますと、六百七十九万石、千四百二十三億という数字になつているわけでございますが、差当りましてこの数字はまだこれを増減いずれとも変更するだけの時期に達していませんので、そのままの数字をとつております。砂糖消費税につきましては、最近砂糖の輸入が減るとか、いろいろな問題がございますので、そうした事実を見込みました点が一点と、それから税法改正による増税が四月から行われないで八月一日から行われることが一応予定されておりますので、それによる増収の……まあ増税の遅延による増収の減ということが見込まれております。現行法による収入見込額は不成立予算では二百八十七億、税法改正による増が五十五億、差引き三百四十二億でございましたが、今度は現行法による収入見込額が二百七十億、税法改正による増が三十三億、合計三百二億を見込んでございます。  揮発油税につきましては、最近の数字が出て参つておりますので、前回は二十七年の六月から十月までの課税実積を基にしたわけでありますが、今度は二十七年の十一月から二十八年の三月までの課税実績を基にして、その結果といたしまして消費の増が見込まれまして、前回百五十八億見込んでおりました数字が百八十六億、相当殖えております。  それから物品税につきましては、一部改正によりまして減税がすでに行われているのでございます。ただこの減税も四月から行いませんで、六月から行われたことによりまして、税法改正による減が前回は二十億見込まれておりましたが、今度は十六億に減つております。現行法による収入見込額は数字は置き直しましたが、答えとしては前回と殆ど同じで、前回はこれが二百三十九億、差引予算額が二百十九億となつておりましたが、今回は二百三十八億、税法改正による減が十六億差引二百二十一億となつております。  取引所税につきましては、これも数字を置き直しましたが、大して変りはありません。前回は一億九千九百万円見込んでありましたが、今度は二億円になつております。  有価証券取引税につきましては、一つは先ほど申しましたように税率をやや引下げてありましたことと、最近における取引高等を考慮いたしまして、取引高の減も見込んでおりますので、同時に又施行の時期が大分遅れておりますので、前回の場合におきましては二十七億五千万円見込みましたが、今回は十二億八千八百万円ということになつております。  通行税でございますが、今回は二十七年の課税実績を基にして改算し直してありますが、結果は大して影響はありません。前回は二十三億四千百万円今回は二十四億百万円になつております。  関税でございますが、関税につきましては、最近の収入実績を見合い、同時に輸入につきまして、不要不急品の輸入についてこれを相当抑えたほうがよいといつたような考え方が大分出ている向きもございますので、その点をも考慮いたしまして、又砂糖の輸入等が相当減つて来そうな様子もございますので、そういつたような最近の情勢をも加味しまして前回は二百四十億見込んでおりますが、今度は二百二十五億ということにいたしました。  又屯税でございますが、これも最近の実績によりまして前回には二億五千万円、今回は二億二千八百万円にいたしました。  印紙収入、これは最近の情勢によりまして、これも前回は二十七年の七月から十月までの実績を中心に計算してありましたが、二十七年度の収入実績が出ましたので、それを基にしまして改算をし直しました。前回は印紙収入総額としましては百六十七億でありましたが、百七十一億に数字が変つております。  以上申述べましたのが大体今回提案されております予算案における租税及び印紙収入の見積りの概要でございます。なお、七月分の暫定予算におきまして租税印紙収入の見積りは大体四月、五月、六月にやりましたと同じように大体今度の新らしい見積額を基にしまして、同時に前年における七月中の収入工合というものを基礎にしまして一応見合いまして大体確実な数字をまとめまして、計上しているわけでございまして、詳細な数字は省略させて頂きます。

石田正大蔵省理財局長

○政府委員(石田正君) 理財局関係の若干の数字につきましては、お手許に謄写刷りのものを配付してあるわけでございますが、それによりまして、重点的に説明させて頂きたいと存じます。  一番初めの表に、資金運用部関係の数字が掲げてございます。これは二十八年度の運用計画を二十七年度の実績と対比いたしまして記したものでございます。先ず左側の原資の部でございますが、預託金の増加の項におきまして、郵便貯金、厚生保険関係におきましては、実績に対しまして、二十八年度それぞれ増加を見込んでおるのでございます。これに対しまして、二番目の簡保年金の項におきまして、二十七年度の実績三百五十五億に対しまして、二十八年度は二百十五億円と、非常に大きな減少を来しておるようでございますが、これは、簡保年金の特別会計におきまして、二十八年度より、その積立金の運用するということになりまして、そちらのほうで運用いたします関係上、その金額が引かれまするので、資金運用部といたしまして運用する金額は減つて参る、かような意味合でございまして、簡保年金の余裕金が減るというような意味ではございません。この数字等につきましては、又あとで地方債のところで申上げたいと思つております。  それから、その一番下のところの、その他というのがございますが、これは、いろいろな特別会計におきまして余裕金を生じました場合に、資金運用部に預託されるということになつておるのであります。二十七年度におきましては、国有林野とか或いは失業保険関係におきまして、相当余裕金が出まして、相当大きな金額が預託されておるのでございますが、二十八年度に至りましては、そういう要素の預託される分が少くなりましたので、減額計上いたしたような次第でございます。  その次に、貯蓄債券の収入金というのがございますが、これは昨年度、貯蓄債券を六十億円発行いたしまして、電源開発公社に対するところの資金に充当しようという計画で発足いたしたのでございますが、とかく売行が思わしくございませんし、又他面、電源開発会社といたしましては、事業の遅れました関係上、資金も必要でないというような事情もございましたので、八億募集いたしましたところで打切つたのでございます。本年度におきましては、こういうものを全然見込んでおりませんので、ゼロになつておる次第でございます。  それから、その次の保有国債の売却でございますが、これは、あとで運用のほうで申上げますが、その運用のほうとの関連におきまして、原資に不足を来しまするので、手持国債を売却することによつて資金を捻出しようというので、百八十一億円をここに掲げてある次第でございます。  既運用金の回収につきましては、これはここに数字がございますので、格段の説明を必要としないかと存ぜられますので、省略させて頂きたいと存じます。  以上合計いたしまして、小計のところで、二十七年度の千四百七十四億円に対しまして、千五百七億円という数字になるわけでございます。この中におきまして、本年度におきましては先ど申述べました保有国債の売却百八十一億というのが新らしく出て参りました問題でございます。  次に、右側の運用のほうでございますが、この資金運用部の運用計画は、財政資金を以てする投融資全体の需給というものを考慮いたしまして、一般会計或いは産業投資特別会計等におきますところの投資額と見合いまして作成いたしたものでございます。  特別会計の項におきまして、特定道路に二十七年度といたしまして二十二億計上せられましたものが、本年度においてはゼロになつております。暫定予算におきましては、六月、七月と二月の暫定予算におきまして、資金運用部から五億融資せられることを予定いたしておるのでございますが、これは本予算が成立いたしまして一般会計のほうでそういうのが出ますまでの暫定的措置として実行いたす所存でございますので、従いまして二十八年度の予算といたしましては、それが回収されましてゼロになる、かように考えておる次第でございます。  その次の政府関係機関の点でございますが、この一番初めの電信、電話につきましては、二十七年度百三十五億融資したのに対して、本年度はゼロになつておりますが、これは料金の値上によりましてカバーをする部分、それから又はかに公募債が七十五億あるわけでございます。その次に国有鉄道でございますが、この国有鉄道につきましても、ここに掲げました数字のほかに公募債八十五億がございます。従いまして本年度におきましては電信電話公社債と国有鉄道の公募債と両方合せまして、公社債におきましては百六十億というものを公募債で予定いたしておる次第でございます。  それから二つばかり飛びまして中小企業と書いてございますが、これは中小企業金融公庫に対しましてそれが新らしく成立に伴いまして資金運用部から二十億融資しようというふうに考えておる次第でございます。  その次の農林漁業でございますが、二十七年度の百十七億というのは、これはまだ二十七年度におきましては農林漁業特別会計でございまして、農林漁業特別会計のほうに百十億融資したのでございます。本年度の分として五十億計上してございますが、これは農林漁業金融公庫に対しまして出資をするということに相成つております。  それから一つ飛びまして地方債の所でございますが、二十七年度の八百億に対しまして二十八年度は六百九十五億というふうに減つておりますけれども、これは簡保年金特別会計等におきまして百九十億地方債を引受けることになつておりますので、これと合せまするならば、八百八十五億という数字に相成る次第でございます。  それから大体その欄の説明はそれだけにさしおきまして、その原資の分に戻りまして、一番下から二番目の、前年度より繰越というところの金額が、二十七年度には五百十億になつております。これが二十八年度では百九十九億でございます。要するに二十七年度一ぱいにおきまして繰越余裕金は五百十億から百九十九億に減る、その間におきまして三百十一億減るというふうな数字に相成るわけでございます。その一つ右のところの翌年度への繰越でございますが、これは二十七年度から二十八年度に繰越しますところのものが百九十九億でございます。二十八年度から二十九年度に繰越しますものが百二十六億でございます。従いましてこの両者の差額は七十三億と相成るのでございます。即ち二十八年度中におきまして七十三億の余裕金の減少ということが起るわけでございます。なおこの七十三億に対しまして、先ほど申上げました保有国債の売却百八十一億円を加えますると、その両者の合計は二百五十四億と相成るのであります。即ちこの運用計画によりますれば、資金運用部は二十八年度中におきまして二百五十四億過去の蓄積を喰う、かような計算に相成る次第でございます。  次に紙をおめくり願いまして、ここに第三表がございますが、その三表を説明さして頂きたいと存じます。三表には見返資金特別会計の収支見込が記してございます。この二十八年度見返資金特別会計は本年七月まで、逆に申しますならば、産業投資特別会計ができますまで、見返資金として続けて行こうという予定に相成つておるのでございます。先ず収入の部におきまして、八十一億四千万という数字がございます。これは二十七年度から二十八年度に繰越しました余裕金でございます。それからその次の運用収入の中で利殖金、回収金は経常的なものでございますが、三番目の国債の売却八十八億二千万円というものを計上してございます。これは手持国債の売却代、日本銀行に対する売却でございまして、右側の支出の欄におきまするところの融資及び投資を実行いたしますためにこの売却をいたそうとするものでございます。支出のほうでございますが、開発銀行に対しますところの百四十五億円はこれは融資でございます。それから電源開発会社に対しまする四十億は出資に相成ります。その支出を合計いたしまして、結局六億九千万円という一応の差額が見込まれます。これは産業投資特別会計が八月から発足するに当りまして、引継がれることを予定いたしております。そこで一つ前の頁へお戻り願いますと、そこに産業投資特別会計の収支見込が記してございます。この会計は今申上げましたごとく、八月から発足することを予定いたしておるのでございますが、収入の部におきまして、先ず第一に二百億といつた数字が挙げてございますが、これは特別減税国債の発行手取金を計上いたしたものでございます。二番目の見返資金承継の余裕金は、只今前の表において申上げました数字をここに挙げておる次第でございます。運用収入金につきましては利殖金、回収金のほかに国債売却代を更に百八億八千万円と予定いたしております。この百八億八千万円と、それから見返資金の区分におきまして売却いたしまするところの八十八億二千万円というものを加えますると、両者を通じましての国債売却代は百九十七億円と相成る次第でございます。それから右側の支出のほうでございますが、これは開発銀行に対しまして三百十五億円の融資をいたし、電源会社に対して百十億円の出資をいたそうというのでございます。これも見返資金の数字を合せますと、この数字はそれぞれ開発銀行に対しましては四百六十億円の融資、電源開発会社に対しましては百五十億円の出資、かように相成る次第でございます。2にあります六億三千万円という数字は、これは減税国債の発行に伴いまする利子その他の経費を計上いたしておる次第でございます。一番最後に予備費といたしまして六億八千万円は、これは不時の用に充てるということを予定いたしておる次第でございます。  そこでその次の第三表に参ります。仮に見返資金が、七月末日になくなりまして、そうして八月初めに産業投資特別会計に引継がれるといたしました場合には、この見返資金が二十四年に設立いたされましてから、そのときまでに一体どんなかつこうであろうかということを示してあるわけでございます。この区分の中の一番上の資金のところでAといたしまして対日援助に見合う繰入額とございますが、これは要するに物資払下げ代金等の繰入が二十八年の七月末までにおきまして、三千六十五億に上るという数字を掲げてある次第でございます。この三千六十五億のうちから支出いたしました中で使用ということになりまして、見返金資の資産とならずして手放しになつてしまつたものが千四十九億円あるわけであります。それを差引きますると、残りましたものは、二千十五億円になるのであります。下の2に挙げまするように、この間におきまして運用利殖金がございましたので、その数字が二百六十五億円、これをプラスいたしますると、二千二百八十一億円ばかりのものがこれが産業投資特別会計に引継がれるであろうと思うところの資産の総額と予定せられておる次第でございます。なお、この二千二百八十一億円というもののそれでは内訳はどうなつておるかということにつきましては、その次の欄に計上してございまするので御参照を願いたいと思うのでございます。なお先ほど申しました1の支出したうちで、使用され放しで見返資金に残らなかつたところの千四十九億というものの中味はどういうものであろうかということが一番下の網に記してございまするので、御参照願いたいと思う次第でございます。  最後にその次の表におきまして、二十八年度の予算案がそのまま施行せらるといたしました場合に、国庫の民間に対する収支はどういう数字になるであろうかということの見込を大略的にここに記しておいた次第でございます。一番初めの一般会計の剰余金使用四百五十六億円と申しますのは、これは二十六年度に生じましたところの剰余金でございまして、それを本年度に歳入として受入れて支出財源にいたすわけでございます。これは二十六年度中に民間から引揚げましたものを二十八年度において支出するわけでございますので、二十八年度といたしましてはそれだけ支払超過の要因になるであろうということでその数字を掲げた次第でございます。その次の資金運用部関係は、これは第一表で御説明申しましたところの国債売却の百八十一億円と余裕金の減少七十三億円、合計いたしまして、そこに二百五十四億という数字を掲げてある次第でございます。それから投資会計といたしましては、これは見返資金区分と合わせまして、国債を売却するものが百九十七億円、余裕金減少は八十一億円、会計いたしまして二百七十八億円という数字をここに取つているわけでございます。以上三者を合計いたしますと九百八十八億円という数字になるわけでございます。  国庫収支に影響を及ぼしますところの大きな要因といたしましては、国際収支がどうなるかということがまず考えられるのでございますが、この点につきましては一応国際収支は均衡するであろうというような見通しもございますので、それに従いましてここにおきましてはその資金関係においては別段民間に対して撤超も或いは揚超の要因もない、かように考えた次第でございます。  その次に大きな会計といたしましては、食糧管理特別会計があるのでございますが、これは昭和二十七年度末におきますところの食糧証券の現在高に対しまして、昭和二十八年度末におきまするところの食糧証券の現在高は百十億円殖える、それだけ発行限度にゆとりを持たせるという予算になつておりますので、そこでそがそのまま実現の場合には、百十億円だけ民間に対して支払超過の要因があるだろう、かように考えまして数字を計上いたしたわけでございます。  以上合計いたしますと、一番最終の千九十八億という数字になるわけでございます。この数字につきましては、たびたび申上げているのでございますが、これは予算がその通り間違いなく行われたら、こういう姿になるだろうということを策定いたしたものでございます。  それから第二といたしまして、これは会計年度の区分によつているのではない、逆に申しますれば、本年の四月から来年の三月末までの間にこうなるであろうというような建て方ではございませんので、その御了承を願いたいと思うのでございます。  いろいろございますが、私の説明は一応これで止めさして頂きたいと存ずるのであります。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今の収支の二十七年度の実績は……。

石田正大蔵省理財局長

○政府委員(石田正君) 二十七年度は、これは結論的に申しますと、大体四億円の揚超になつております。なお附加えて申しますると、その場合に指定預金二百七十六億円ばかり、従つて指定預金をしなかつたならば、揚超は二百八十億円であつたろう。これは二十八年度中の実績でございますが、二十八年度中に行なわれました二十七年度その他の各年度の収支が結果的に現われた数字は、今申しましたような数字になつております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 資料にして出して頂きたい。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 指定預金幾らですか。

石田正大蔵省理財局長

○政府委員(石田正君) 今申しました数字は、二十七年度中におきまして指定預金が殖えました数字が二百七十六億円……。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) 次に経済審議庁の岩武調整部長。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 経済審議庁のほうから本年度の国民所得の推計、その基礎になりましたいろいろな経済の見通しについて申上げたいと思います。  お手許に一枚刷の紙でございますが、昭和二十八年度経済の見通しと申しまするものと、同じく昭和二十八年度国民所得推計と申しますものがございます。  最初に順序といたしまして経済の見通しについて申上げたいと思います。この左の欄にいろいろな項目がございまするが、要するに生産、貿易、国際収支、物価、人口、雇用の関係、消費水準といつた経済諸指標につきまして一応の見通しを立ててみた次第でございます。  最初に生産でございまするが、鉱工業の生産のほうは一般的には石炭とか或いはその他の物資におきまして過剰生産の気味も一部で見られまするが、他方消費財物資におきましては、依然として国内の消費活動が旺盛でございますので、その方面におきましてはなお今後とも相当な増産が見えるかと存じております。なかんずく家具類とかいうふうな耐久消費財等におきましては、依然として消費活動が旺盛のようでございます。又繊維等におきましても、なお消費は今後或いは若干増加するのではないか、こういうふうに見ております。それからもう一つは、生産財の面におきまして投資活動が一般的には下向いておりまするが、財政投資を中心といたしました、例えば公共事業でありますとか、或いは電源開発、食糧増産、といつた方面でセメント、木材等々の生産財、或いは建築土建用材といつたものの需要も相当増加して参りまするので、その方面の生産活動が旺盛になるかと存じております。なお食料品、工業で精酒或いはビール方面等におきましては、本年度は昨年以上に相当なる造石高の増加が見込まれますので、それこれを合せますと、大体におきまして、指数に合せまして考えますれば、約一割程度の増加を見るのではないか、こういうふうに存じております。  それから農林水産でございまするが、これは御案内のように昨年は米麦ともに非常な豊作でございました。今年は如何相成るかという見通しでございまするが、麦のほうは御承知のように、作付反別の減少がすでに昨年末に見られておりまするし、一部地方におきまする風水害等もございまして、これは昨年度の実収よりも二百万石程度の減収に相成るかというふうに見られております。米のほうは、これは今後の問題でございまするので、見通しも立ちませんが、一応この計算では平年作六千五百万石という仮定をおきまして計算しておるわけでございます。その他のものにおきまして、養蚕とか或いは茶の方面等におきましては、当初の予定に反しまして若干の伸び悩みも見られております。又水産方面は、これは大体横這いの見当ではないかと見ておりまするが、林産物におきましては、建築活動の旺盛等に伴いまして用材生産量の相当の増加を見れるようでございまするので、まあ大体全体としましては横這い見当というふうにに見ております。これは特に本年の生産が減退するというのでございませんで、むしろ昨年のほうが一昨年に比べまして異常な増加ぶりであつたというふうに御了解願いたいと思つております。  それからその次には貿易の関係でございまするが、輸出のほうは、最近いろいろ輸出の不振等伝えられておりまして、相当減退気味ではございまするが、先行きとしましては、一つは例のポンド地域の輸入制限緩和の問題がございまして、これは昨年三月末の日英会談に基きまして、最近では香港、シンガポール方面或いはオーストラリヤ等におきましては、一制限部の輸入の緩和を行なつているようであります。それからもう一には、通商協定の関係で、最近アルゼンチン或いはパキスタン、西ドイツ等の通商協定ができましたが、この方面におきましては繊維製品或いは鉄鋼製品等の相当の輸出の見通しができて参りましたので、まあ大観しまして大体昨年程度の輸出が可能ではないかと、こういうふうに見ておるわけでございます。以上のような二事情を合せまして、その他等も考えますると、繊維関係特に綿布等でございまするが、昨年は異常に少い数量でございましたが、今年は一割乃至二割程度の輸出の増加が見れるのではないかと思つております。それから輸入でございまするが、これは昨年下半期以来ポンド地域の物価の安定に伴いまして相当に輸入の手当が行われまして、その結果が本年の上半期に相当為替の買いに出て参つておりまするが、これも最近やや減退気味でございまして、一応一巡したかと思つておりますが、今後下期の輸入手当の時期に向いまして、繊維原料を初めとしまして、いろいろな物資の輸入手当が行われるわけでございまするが、他方或る種の生産財におきましては相当在庫も入つて参つておるということでございまして、まあ大体これも昨年の実績程度の輸入で相済むかというふうに存じております。  それから貿易外の収支でございまするが、このうちで一番問題になりまするのは例の特需問題でございます。特需の問題は、これは一概に特需と申しまするが、御承知のようにいわゆる朝鮮特需と申しまする物資並びにサービスの調達のほかに、米軍の駐留に伴いまする分担金からの支出、或いは軍人軍属等が個人的に消費いたしまするものの分等を合せまして、昨年度は八億ドル余あつたのでございます。本年はこれが如何に相成るかという見通しでございますが、朝鮮特需の関係は、性質上若干減退するのでないかというふうに見ております。又個人消費のほうも或る程度減退するのじやないかというふうに考えられまするが、併し兵力数が急激に減少いたさなければ相当受取があると存じております。又先程の朝鮮特需にいたしましても、すでに今年度契約を見ておりますのが相当ございまするので、これが支払に廻つて参りますると、まあそう急激に減少することはないというふうに考えておりまして、大体七億ドル見当の為替の受取があるものと存じております。そういたしましてその他の受払は大体は昨年の実績前後というふうに考えて参りまして、まあ収支トントンに相成るのではないかというふうに考えております。昨年度はここにありまするように、一億ドル弱の受取超過でございましたが、本年度はそれが若干減りまして収支トントンというふうなことで推移すると存じております。  それから物価の問題でございまするが、生産財におきましては、先程鉱工業生産のほうで申上げましたように、全般的にはやや需給が緩和し或いは在庫が増加いたしまして、弱含みになると存じておりまして、現在昨年末以来だんだんと弱く落ちて参つておりまするが、この傾向は急激にはなりませんでも、やはり弱含みだと考えております。ただこれも昨年の初め以来現れておりまするが、土建関係の資材の、なかんずく木材並びにセメント等の値上りの状況は相当顕著でございまして、これは今年もやはり需給関係が急激に緩和して参る見込もございませんので、この土建資材のほうは依然として騰勢を続けるのではないかと見ております。まあ大体といたしましては横這いになると存じております。御参考までに申上げますると、大体四月或いは五月上旬の日銀の物価指数が四七〇前後でございまするので、大体はこの水準で推移して参ると、こういう考えでございます。それから消費者物価のほうでございまするが、これは昨年の後半におきまして、消費者米価の引上げ、或いは鉄道料金、ガス料金、地代、家賃というものの引上げがございまして、これが平年度化して参るというふうな問題もございまして、それからもう一つは、家庭燃料の関係の、木炭、薪といつたものの需要でございまするが、これが木材と同じように急激に需給が緩和いたすような状況でございませんので、やはり今年の冬には、昨年の冬を若干上廻るのではないかという見通しもございます。まあこれらを勘案いたしまして、大体年度通算いたしますると、昨年度に比較いたしまして、五%弱の値上に相成るのではないかと、こういうふうに見ております。  それから国民所得は後ほど説明いたしますが、人口でございまするが、これは十月一日におきまして、昨年は八千五百八十万、これが本年は人口動態その他から勘案いたしまして、大体八千六百九十万と、百十万の増加に相成るのではないかというふうに見られております。これが雇用方面、或いは家族従業者、自営業者等の方面の収容人口になりますのでありますが、このうち雇用になりまするものが、本年は約三十万人程度の増加に相成るのではないか。と申しまするのは、財政投資の増加に伴いまして、土建方面で約十三、四万の増加になるのでございます。これは予算にありまする人件費と予算単価と睨み合せますると、大体十三、四万程度の増加に相成ると思います。その他例年の傾向といたしまして、物品販売業或いはサービス業方面に、例年二十万前後の雇用が吸収されておりますので、本年もこの傾向は強いのではないかと考えられまして、一応三十万人強の雇用増加が見えるのではなかろうかというふうに考えております。  それから消費水準でございまするが、これはいろいろな計測の方法もございまするが、審議庁におきましては、都市及び農村に分けまして、家計費の支出の金額を戦前の物価指数でデフレートいたしまして、それぞれにつきまして消費水準の戦前比較を求めまして、それを都市、農村の人口比に総合いたしております。昨年は戦前水準をやや下廻ります九七・七というような状況でございますが、これも衣料、食糧の方面においてはカロリー、ポンド数等に換算いたしまして、大体戦前のレヴエルに近いものが行渡つておるようでございます。今年も一般的に所得の増加に伴いまして、消費水準は更に上昇して参ると考えております。まあ大体戦前水準を僅かでございますが、上廻るのじやないかというふうに見ております。  それからここに脱落いたしましたが、賃金関係でございます。この賃金の動向は、これはなかなか予測が困難でございますが、一応この四月現在の賃金水準が、下期におきまして或いは労働協約の改訂等もございますので、若干小刻みではございますが、上昇するのではないかというような見方でございます。それから盆暮等の一時的な給付でございますが、これは最近の企業の収益状況と睨み合せますると、倍率等におきましてそう大きな倍率、殊に比較的収益が多かつた二十六年度程度の倍率を見込むのは、これは無理かと存じますが、併し全然盆暮の給付がないということは、これは実情に反します。まあ比較的低い時期の昨年の末であるとか、或いは二十五年程度の、割合の支給が行われるのじやないかというふうに見まして、大体年間を通じまして八%程度の増加、これは賃金の水準としての増加でございますが、全産業を平均しまして、その程度の増加に相成るのではないかと、こういうふうに推算いたしております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 何パーセントですか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 八%でございます。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 消費水準を農村と都市とを分けると……

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 二十七年度が都市が八三・三、農村が一一九・三、これを総合いたしまして九七・七、二十八年度の見通しといたしましては都市のほうが八六・一、農村が一二二・七、総合いたしまして一〇〇・七でございます。農村より都も市のほうが伸び方がやや上廻るのではないか、こういうふうに見ております。二十七年度内にをきましては、むしろ都市より農村のほうが上つておると思いますが、一応今年度は農産物の関係等もございまして、都市のほうが伸びるのじやないかと、こういうふうに見ております。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 二十七年度は都市は幾らですか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 二十七年度の都市は八三・三でございます。次に別の紙にございまする……

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 失業は。……

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 大体変らず、四十万台と存じます。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 まとめてお願いしたいが、今御説明になりました細かいものを白書のようにして出して頂けませんか。鉱工業生産の内訳、農林水産の内訳も、細かい点を白書にして出して下さい。この次の審議に間に合うように……。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 承知いたしました。  次に国民所得の推計のほうでございます。以上申上げました生産、物価、賃金、その他の指標を基礎にいたしまして、二十八年度の所得をはじいたわけでございますが、実は二十七年度の国民所得の一部の実績推計が最近でき上りましたのでそれを基礎といたしまして、二十七年度の実績に対しまして以上の経済指標の伸びを勘案いたしまして、この数字が入つたわけでございます。御覧願いますと、一番最初の勤労所得でございますが、これが生産の増加もございますが、賃金水準の上昇とそれから若干の雇用数の増加とを反映いたしまして二兆八千八百四十億と一応相成りまして、前年度対比一一%増、こういうふうに相成りました。構成比は四九・六、二十七年度は四八・四でございますので、勤労所得の割合が累年増加して参つておる、こういう状況でございます。  それから個人業主所得でございますが、これはものによりまして軌を一にいたしておりませんで、その中にございますような農林水産業のほうは、これは先ほど申上げたような農業生産の停滞気味等を反映いたしまして、現在の米価の水準ではじきますると、大体横這いということでございます。  それから営業、つまり商工業等の方面におきましては、これは物品販売業、或いはサービス業等の方面の相当な活況が見られまするので、これは御承知のように、消費財の生産販売等の量が相当殖えて参りまするのと、これは現実の状況でございまするが、そのほかに若干の物資の値上りもございまするので、このほうの所得は相当増加して参ると存じております。これが工業なり或いは土建業等の停滞気味なのを持返しまして、全体としましては相当増加して参ると、こういうふうに考えております。  個人業主に対しましては、前年対比四・七%の増でございまして、構成比は四〇・〇、二十七年度は四一・四でございまするので、これは全体の割合はむしろ減少して参ると、こういうような傾向かと存じております。  それから個人賃貸利子所得でございますが、この賃貸所得のほうは、これは御承知のように、昨年度におきましては地代家賃等の統制額の引上げがございまして、その関係から相当所得の増加が見られるわけでございます。それから利子所得でございまするが、これはいわゆる貨幣利子のほかに、金融機関の帰属利子と申しますか、つまり金融機関の収入としまして受取りまする貸出金利の利息の額、これで計算しておりまして、これは万国共通の方法でございまするので、そのほうを考えますると、これは資金量の増加に伴いまして、昨年に比較しまして約二割五分を増加して参るだろうと、こういうふうに考えております。  それから法人所得でございまするが、この法人所得は、昨年度は停滞気味でございまして、今年は先ほど申上げましたような一部の生産の増加、或いは価格の強含み等がありまして、むしろ一割程度の増加が見られるのではないかと、こういうふうに計算いたしております。これもいろいろ法人の種類ごとに応じまして、物価或いは生産量等の睨み合いから算出したわけでございます。  以上合計いたしまして、今年度大体五兆八千二百億、前年対比八・四程度の増加に相成るのではないかと、こういうふうに考えております。実はこの一月の本委員会におきまして、本年度五兆六千七百四十億程度に相成るかというふうに御説明いたしたわけでございまするが、その後の生産の問題、或いは物価の強含み等を勘案いたしまして、約千四百億程度の増加を見たわけでございます。このうちに物価の要素も若干入つておりまするので、実質におきましては六%程度の増加と相成ると、こういうふうに考えております。これを国民一人当りの実質の所得に直してみますると、戦前対比四%強の増加に相成ると存じております。  又財政の規模のほうを比較いたしますると、一般会計の規模におきまして、本年は一六・六%、昨年度は一七・四%でございまするので、財政の規模は国民所得に比べまして漸次縮小して参つておるわけでございます。  それから租税の負担率の関係でございますが、これは国税、地方税を合算いたしまして、今年度は二〇%強、昨年度は二〇・七%でございまするので、租税負担率のほうも漸次逓減して参ると、こういうふうな傾向かと存じております。  以上で大体御説明を終ります。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 不成立予算のときとの比較を出してくれませんか、二十八年度の不成立予算との比較ですね。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 昨年度法人所得三千九百五十億に対して、二十八年度四千三百九十億という見通しですが、法人税収のほうから言うと、百二十八億くらい減つておるのですが、これは所得自体は殖えたにかかわらず、法人税が減るという理由はどこにあるのですか、その点をちよつと伺いたいのです。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) お答えいたします。  審議庁のほうで計算しておりますのと我々のほうの法人税の見積りと、主な点で二点ほど相違点があると思います。これは事柄の性格から言いまして異る点でございますが、一点は、私のほうは損失会社などがございました場合において、税金はあとのほうの繰戻損で以てカバーいたします。その辺の裏腹が我々のほうの計算には入つて参りますが、要するにあとで以て清算するということになつております。審議庁の計算では、その年に利益のある会社と損のある会社とを差引くと、こういう計算にしております。これはどういう数字になりますかはつきりいたしませんが、一応理論的には違つて参ります。私のほうでありますと、甲の会社が前に損がありますと、今度益が出ましても、今度の期においてそれを差引く、審議庁のほうは今年中に甲の会社と乙の会社と差引く、この点が一点であります。それからもう一つは、これは大きな点だと思いますが、我々のほうの見積りだと大体今年の三月決算と今年の九月決算、これが本年度の歳入に入るわけであります。来年の三月決算は、これは二十九年度の歳入になります。従いまして、まあ今年の状況の見通しが、年の後半以降において、予算なども出まして相当活況を呈するといたしましても、法人税の歳入見積りにおきましては、大体九月で以て一応今年度の歳入になるものはおしまいになつてしまいまして、それ以後の活況は二十九年度の歳入の面に現われて参るわけであります。審議庁の計算は、年度計算にいたします。その辺が今年の四月から三月ということになつておりまして、まあむしろこの第二の点などが大きく影響して来るのではないかと思います。実は私のほうと審議庁のほうと、或る程度つき合わせばいたしておりますが、余り細かいところまでつき合わせばいたしておりませんので、多少そこに見方の違いはあるかと思いますが、我々のほうとしては、大分三月決算の分が五月の申告に出ております。九月の決算見込なども相当とつておりますので、そういうような点におきまして、三月決算と九月決算におきましては、収益率の減というものが、少くとも大きな会社については相当見込まざるを得ないのではないか。こういつたようなところが歳入見込におきます場合と国民所得の計算におきます場合と事柄の性格から言いましても多少違う。それが今御指摘のような点に出て来るのではないかというように思つております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 そうしますと、法人税の基礎になつておる法人所得自体も大体減つておるということでございますか。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) 一応法人所得そのものが或る程度減つておると申上げていいのではないかと思います。算出の基礎といたしましては、こういうような計算をやつておるのでございます。昨年度中におきます調査課所管の法人、これは五百万円以上の法人でございます。それから税務署所管の法人と、それ以下の小さな法人、それらにつきまして、小さな法人は大体物品販売業の法人が相当多いのでございます。それから大きな法人は製造業的な法人が多いのでございまして、そういう点を一手に見まして、生産指数におきましての伸び、それから物価におきましても、小さな法人は消費財の伸びが相当影響するし、大きな法人におきましては生産財の伸びが大きく影響すると、こういう点を見まして、又収益率の点におきましても、小さな法人につきましては、物品販売業が多いので、そう収益率は大きく変らないだろう、大きな法人になると、まあ賃金その他は上りますけれども、物価が下りぎみのところにあることによつて、収益率は相当減るであろう、こういうような計算を入れまして、一応の見積りを作つてございまして、まあ最終的にどういうふうな数字に国民所得の決算が付き合いますか、まだ細かい付き合せを実は私聞いておりませんが、見方といたしましては、そういうふうになつております。ただ今申上げましたように、時期的に相当ずれておりますので、両者の数字は性質的にやはり一致するということにはならないんじやないか、かように考えております。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○佐多忠隆君 今の点を安定本部と付き合せる必要はないのですか。主税局の法人税の対象になる法人所得の二十七年度と二十八年度の対比ですね。所得自体の増減、そいつを一つわかるように資料を頂きたい。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) かしこまりました。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 ちよつと法人の数ですね。法人数の数字、これを一つ出してもらいたいですね。それともう一つは二十六、七、八ぐらいの法人の場合の課税所得見込額と、それから法人の国民所得との比較率、この二つを一つお願いします。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) これは今申上げましたように時期的のずれはありますが、それは御了承を願いたいと思います。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 それは主税局としてどれだけ法人所得を抑えて、それに対して課税見込みをどれだけしているか。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) 主税局で抑えました数字は大体課税の所得に入つておるわけですが、そうすると課税の予算に計上した分と実績ということになりましようか。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 いやそれは違うでしよう。国民所得としての法人所得……。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) 国民所得のほうは安定本部で計算しておりまして、最近におきましては、主税局のほうでは国民所得としての法人所得は計算はしておりません。

木村禧八郎無所属クラブ

○木村禧八郎君 いや例えば法人所得四千三百九十億あるでしよう。その場合に税をかけると、見込みは大体三割八分から四割ぐらいなものでしよう、千何百億……。

渡邊喜久造大蔵省主税局長

○政府委員(渡邊喜久造君) 今度の数字におきまして千六百億とございますのは、これは申告の税額において千六百六億という数字になつておりまして、所得額ではございませんです。これは前回収入予算の説明のときお出ししましたのは、資料が足りませんものでございましたから、一応先ず課税の対象となる所得額を出しまして、そうしてそれから計算をして参りました。従いまして前回のときは一応課税の対象になる所得額は四千百二十四億という数字を元にしまして、これは二十六年十二月から二十七年十一月までの間における数字から一応計算の基礎になる数字を出しまして、それを四千百二十四血と踏みまして、それからいろいろ物価指数とか生産の上昇とか、いろいろ掛けまして、結局そのときの対応する数字が三千八百九十億、こういう数字になつております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 さつきちよつと御説明ございましたが、あの経本のようで消費水準をお出しになる算式というものはできているのですか。なおお尋ねしたいことは、その算式が昭和九—十一の基準年度というものの算式と同じ算式でやられておりますか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 消費水準の計算の仕方でございますが、簡単に申上げますと、次のようにいたしておりますが、例えば昭和九—十一年におきまして、都市、東京都でありますが、この都市の家庭支出の金額が一カ月当り実績としましては九十四円七十銭という数字がございます。ところが昭和二十七年におきましては一カ月当り、これは暦年でございますが二万二百五円、ところがその間に物価のほうは、その九—十一年を仮に一としますと、二六六・一というふうに上つて参る、そうしますと二万二百五円といいますものを二六六で調整いたします。そうすると、戦前に対して八十何ぼという数字が出ます。農村のほうも同様な計算をやつております。農家経済調査局でやつております農家の支出のうちで、家計費の支出が昭和九—十一年におきましては五十六円六十三銭でありますが、これが昭和二十七年におきまして一万九千二百九十七円、然るにその間に農村の家庭用品の物価指数は二八四倍になつているということでございます。それを調整いたしましてやつております。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 できたらその農村と東京都内ですね。そういつたようなものに分けて一つ資料を預けませんですか。

岩武照彦経済審議庁調整部長

○政府委員(岩武照彦君) 承知しました。

田村文吉緑風会

○田村文吉君 恐れ入りますが、先ほど申上げましたようにちよつと面白い資料になると思いますので、一つ内訳を聞かして頂きたいと思います。

青木一男自由党

○委員長(青木一男君) それではこれで散会いたします。    午後四時八分散会

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