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16回国会参議院1953/09/28

法務委員会売春対策に関する小委員会 閉会後第1号

発言数
66
登壇者
8
会派数
4
開催日
1953/09/28

会議録

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 只今より売春対策に関する小委員会を開きます。  本日はお手許に配付いたしてございます、前国会において提出され、審議未了になりました売春等処罰法案につきまして、参考として事務当局より説明を聴取いたします。そのあとで政府の関係官も出席を求めまして種々御質問を願いたいと存じます。先ず菊井法制局第二部第一課長より説明を聴取いたします。

菊井三郎法制局参事(第二部第一課長)

○法制局参事(菊井三郎君) 第十五国会におきまして売春等処罰法案が伊藤委員、岡部委員、宮城委員、金子委員、齋委員から発議されたわけでございますが、この法案作成につきましては、私どもも関係いたしましたので、この法案の内容につきまして御説明申上げたいと存じます。  売春等の処罰につきましては、現在勅令九号とか、或いは各地方公共団体で売春等に関する条例が設けてございます。なお児童福祉法、或いは性病予防法、或いは刑法の一部に売春に関しましていろいろ規定がございますけれども、総指的な法案としてはないというような観点から、売春等処罰法案を提出されたいというような意向によりまして、私どもこの立案に関係いたしたわけでございます。  この法案の目的というのは、売春及び売春をさせる行為等に関する刑罰規定を定めることによりまして風紀の紊乱を防ぐと共に、婦女の基本的人権を擁護して健全な社会秩序の維持に寄与しようということを目的といたしているわけでございます。  この法案の中身に規定いたしております事柄は、売春を中心といたしまして、これを幇助するような行為、この法案の中に各条に盛られております行為は売春のための勧誘であるとか、或いは周旋であるとか、或いは売春の場所を提供する行為、こういつたような直接売春の幇助行為をそれぞれ処罰して、直接売春行為をなくするようにしたいという一つの狙いと、更に又他の面から見まして売春をさせるような行為、例えば婦女を欺いたり、困らせたり、或いは特殊関係の影響力を利用して売春をさせるといつたような行為も処罰する必要があるというような観点から、売春をさせる行為或いはこれに類似いたしまして前貸しをするような行為、そうして結局体を犠牲にさせるというような行為をも処罰する必要があるという点から、そういつたような行為も処罰することにいたしております。又売春に関しまして、一つの寄生虫的な存在がある、そういつたような者をもやはり処罰する必要があるのではないかというような観点から、売春の報酬を収受するというような行為をも処罰することにいたしております。又婦女を売春の業につかせるというような行為をも処罰をする必要があるのじやないか、そういつた点から売春の業につかせる契約をするような者をも処罰することにいたしております。又売春を業としている婦女のためにその場所を提供する、特に売春婦となつて、それが職業的になつた者に対して、場所とか或いは施設を経営するというような行為は、かなり高度のものであるので、こういう者をも処罰する必要があるというように考えまして、この法案の内容は、直接売春行為及びこの幇助的な行為、更に又売春に陥らせるような行為、又陥つた者から搾取するような行為、或いは直接売春婦となつたような者について、職業的にいろいろな施設を経営するといつたような行為を処罰することにいたしているわけでございます。  なお、このほかに街をうろうろしている者、こういつた者を処罰する必要があるかどうか、こういう点も問題になつたのでございますが、そういうような者については、この際一応触れないでおこうではないか、こういつたようなことから、それは外されたわけでございます。  なお、妾を持つというようなことはどうかという点も問題になつたのでございますが、妾というものは売春それ自体とは多少趣を異にするということから、妾は除かれることになつたわけでございます。又男娼はどうするかということも問題になつたのでございますが、この法案では婦女を直接の対象にすべきではなかろうかといつた点から、男娼は除かれることになつたのでございます。  このような経過からいたしまして、この売春等処罰法案ができ上つたわけでございますが、以下この法案の内容につきまして御説明申上げます。  第一条は、この法案の目的を掲げておるものでございます。「この法律は、売春及び売春をさせる行為等に関する規定を定めることによつて、風紀のびん乱を防ぐとともに、婦女の基本的人権を擁護し、もつて、健全な社会秩序の維持に寄与することを目的とする。」こういうふうに掲げておりまして、この売春及び売春をさせる行為に関する処罰規定を設けることによりまして、この法律の狙いは風紀の紊乱と婦女の基本的人権を擁護しようということでありまして、そうするごとによつて健全な社会秩序の維持に寄与いたしたい、こういうことでございます。  第二条は、売春の定義を規定いたしております。この定義は、『「売春」とは、婦女が報酬を受け又は受ける約束で不特定の相手方と性交することをいう。』と規定いたしておりますが、ここに「婦女」と、こうあることによりまして、男娼は除外されるということになるわけでございます。報酬を受け又受ける約束があれば、そういう約束で相手方と性交すれば、売春になるのでありまして、この現実に受けた場合のみではない、受ける約束がある場合でも又売春になる、又この報酬は必ずしも金銭に限らない、物品でも差支えないということになるわけであります。  第三条は、売春をした者又はその相手方となつた者を処罰する規定でございます。なお常習として売春した者はその刑を加重することにいたしております。  第四条は、売春の勧誘について規定いたしておるわけであります。売春をする目的で相手方となるように勧誘した者を処罰することにいたしております。この第四条は売春をする目的で本人が勧誘した場合についての規定でありまする。  第五条は売春の周旋等に関する規定でありまして、第一項の一号は売春の周旋をした者、又第一項の二号では売春の周旋をする目的で勧誘した者を処罰することにいたしております。第二項は売春を行う場所を提供した者を処罰することといたしております。なお第三項は常習として売春の周旋とか、周旋の目的のための勧誘それから売春の場所提供を行なつた者を加重して処罰するようにいたしております。  第六条は、婦女を欺き若しくは困惑させるというようなことで、或いは又その後段にありますように特殊の影響力を利用して売春をさせた者を処罰することにいたしております。なお第二項はその未遂をも処罰することといたしております。  第七条は、売春について前貸等の方法で義理とか義務というようなものを感じさせてそうして売春を余儀なくさせるといつたような行為を処罰することにいたしておるのでありまして、売春をさせる目的で又は売春をすることを援助する目的で前貸その他の方法によつて人に金品その他の財産上の利益を供与した者を処罰することにいたしております。  第八条は、売春の報酬の収受等について規定いたしておるものであります。他人の売春の報酬の全部又は一部を収受したり或いはこれを要求したり約束した者を処罰することにいたしております。これは売春行為に寄生虫的な存在となつて婦女をいつまでも奴隷的な立場に追込むというような観点から処罰することといたしておるわけでございます。  第九条は、婦女を売春の業につかせることを内容に含む契約について規定いたしております。婦女を売春の業につかせることを内容に含む契約の申込又は承諾をした者は処罰されることとなつております。これは婦女を売春の業につかせるというように直接奴隷的な地位に置くというような観点から処罰の必要があるというように考えられたわけでございます。  第十条は、いわゆる売春婦のために売春の場所を提供する、或いはそういう提供することを主たる目的として施設を経営したり管理したりするということは、かなり職業的な存在になつて参りますので、こういうものを特に重く処罰する必要があるというように考えられまして設けられた規定でございます。  なお、第十一条におきましては、売春の業につかせる契約、売春婦のための売春施設の経営というものにつきまして法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその業務に関して罪を犯した場合におきまして、その法人又は人に対しても両罰的な立場から処罰する必要があるというように考えまして、この両罰規定を設けたわけでございます。  第十二条は、第三条第二項又は第五条から第十条までの罪を犯した者に対して情状によつて懲役及び罰金を併科することができる、こういうように併科してその罰を加重する必要があるのではないかという点から併科規定が設けられたわけであります。  附則の第一項は、これはこの法案の立案に当りましていろいろ問題になつたところでございますが、この法律は公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する、こういうようにいたしております。但し、第三条から第五条まで及び第十条の規定、詳しく申しますれば、三条は売春行為、四条は売春の勧誘、第五条は売春の周旋等の行為こういう行為の処罰規定と、第十条の売春施設の経営等の規定、それからこれらに関する第十一条の両罰、第十二条の併科の規定は昭和三十年一月一日から施行することにいたしまして、多少その間のゆとりをみよう、こういうような含みを持つておるわけでございます。これはいろいろ問題になつたのでございますが現在各地方公共団体に条例がたくさん出ておるのでありまして、若しこの法案が法律になつて実施されますと、地方公共団体の条例と法律との関係がどうなるかという法律技術の面から一つの問題が提供されたわけでございます。条例は法律又は命令に反しない限度においてはそのまま存続するわけでありますが、法律命令に反するということになりますと、その効力を失うということになつておるわけでございます。この法案が仮に通過いたして法律となりますと、地方の条例はどういうようになるであろうか。地方の条例をいろいろ調べてみますと、地方の条例では売春だけを規定したもの、それから風紀を一緒に規定したもの等いろいろございまして、この法律の内容と同じようなものがいろいろ散在するのでございますが、この法律が実施になりますと、条例の例えば第何条かの前段は失効して後段は生きておる、こういつたような場合が出て参る虞れがたくさんあるのでございます。そこでそういつたようなことになりますと、地方の条例は果して生きているのか死んでいるのかということが解釈上いろいろ疑問の余地が起きて来ないだろうか。そういうようなことになりますと解釈論として非常に困る場合が出るので、多少ゆとりを見て、地方の条例の改廃の機会を与える必要があるのではなかろうか、こういつた観点から多少延ばす必要がありはしないか、こういうことが考えられたわけでございます。なお他の一点は、現在いろいろな売春に関する施設が現在あるのでありますが、即時に施行いたしますと、これらの業者の転向とか、或いはそういう業に携わつている婦女の身の振り方がどうなるか、こういつた問題がすぐ出て参るわけでございまして、多少ゆとりをその面からも見る必要があるのではなかろうか。こういつたような二つの考え方から、いずれにいたしましても多少延ばす必要があるのじやなかろうか、こういうことで第三条から第五条、第十条の規定及びこれらに関する両罰、併科の規定は昭和三十年一月一日から旅行する、こういうことになつたわけでございます。  なお、附則二項の婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令は、この法律が実施されますと、その内容はこの法案に盛られてございますので、廃止することといたしまして、なお行為の処罰についてのみ活かしておく必要があるというように考えられまして、この第二項の規定が設けられたわけでございます。  大体この法案の大ざつぱではございましたけれどもこれを以つて説明といたして頂きます。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 何かこの法案に関連して立案の趣旨につきて或いは又法文上の解釈につきいて御質問があれば……。  ちよつと速記をとめて。    午前十時四十二分速記中止    —————・—————    午前十一時七分速記開始

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 速記をつけて……。只今御出席の関係官は法務省の刑事課長長戸君、それから同じく刑事課付検事の石井君、それから労働省の婦人課長田中君がお出でになつておりますから、本問題について御質疑のあるかたは順次御発言を願います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 出席者のかたからの何か説明があつたら先きに聞きましよう。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) それじや委員長から申上げますが、今の売春に関する御当局の意見を参考に……。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 法務省といたしましては、法務大臣からもたびたび御説明申上げておりまするように、売春問題は非常に深刻な問題でありまして、単に取締罰則のみを以てしては根本的な解決ができない。従つてむしろ売春に対する社会政策的な措置が先行乃至は並行しなければその効果を期待することができない。たとえ罰則を如何に整備いたしましても、社会政策的な措置が少くとも並行しなければ、その法律があつてもなきに等しいということになるのではないかということを私どもは非常に心配しておるのであります。で第二回国会に法務省というよりも、政府から売春処罰法案を提案いたしまして、第三回国会で引続き審議せられたわけでありますが、それが流産となつて以来、我々といたしましてもこの問題に真剣に取組んで参つたわけでございます。それでなお法務大臣も申されますように、又宮城委員も御指摘になりましたように、現在売春問題が目に余る様相において露呈しておる。何とかしなければならん。法務大臣の言葉を借りますれば、いわゆる黙認主義の限界に来ておる。そういうふうな差迫つた問題になつて参つておるわけでありますが、併しそれにいたしましても、私どもとしましては依然として社会政策的な措置の成立といいますか、それが至急になされることを望んでおるわけであります。一方立案それ自体としてはさほどに困難な問題ではないと思いますが、この社会政策的な措置を至急に促進することが第一であるというふうにまあ考えておるわけであります。  それからなおそれにつきまして、併しそういうふうな差迫つた問題でございますから、我々としてなすべきところをなすということで、前国会の終りましたのち厚生、労働、文部各省、それから国警と寄り合いまして、すでに四回の会合を持つておるわけでありますが、こうした懇談会は引続き進めて参りたいと思いますし、又更には先ほども御指摘になりましたように、根本的には我々としてはこれは政府全体の総合施策として考慮すべきものであるからして、政府としては内閣に審議会乃至協議会的なものを設けて頂く。その前提として、我々がそうした懇談会を持つておるというふうに思つております。  それからなお罰則の問題につきまして現在我々が非常に強く考えておりますことは、売春婦それ自体を刑罰を以てやるか、それとも保安処分乃至保護処分によつてやるかという問題でございます。これは先ほどお話の出ました前国会に、前々国会でありますか御提案になりました売春処罰法案にも、売春それ自体を刑罰を以て処罰するようになつておるのでありますが、この根本問題を我々としてもう一遍掘下げて見る。刑罰でなしに保安処分乃至保護処分でやるべき事柄ではないだろうかという疑問を今持ちまして、この問題に真剣に取組んでおるということでございます。  このような状態に現在あるわけでございますが、併し先ほども申上げましたように、いろいろと目に余るところが露呈しておりますので、その方面につきましては取締りを現在までよりも強化して参りたい。そのような考え方でおるわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 ちよつとお尋ねしたいのでございますが、只今この前の国会が終りましてから四回各省の関係の懇談会をお開きになつた……。大体どういう点が問題になつたんでございましようか。もう少し詳しくお聞きしたいと存じます。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) これは最初に労働省婦人少年局のほうで会合をお持ちになりました。それ以来各省においてそれぞれ、主催いたしまして会合を持つて参りました。昭和二十一年の十一月でございますか、次官会議決定がなされまして、その三項の備考でございましたかに、「社会上止むを得ない悪として生ずるこの種の行為については、特殊飲食店等を指定して警察の特別の取締りにつかせ、且つ特殊飲食店等は風教上支障のない地域に限定して集団的に認めるように措置する。」ということが言われておるのであります。我々としましては勅令九号もございまして、この次官決定が果して現在もその効力を存続しておるかどうか疑義を持つわけでございますが、併しながらこれに対して政府として、国家として何らかの考え方を改めて出すべきかどうかという問題、それから政府として総合的施策を進めるとして、それには相当長期間の、長期間と申しては何でありますが、相当期間の調査研究を必要といたすわけでありますが、それぞれの省のその理想、目標をどこに置くべきかという問題、それからその調査研究が若干の期間を要するとしましても、現在当面する問題についてそのまま放任はできない、それについて各省としてどういうふうな措置をとるべきかということを各省おのおのの責任においてプランを立て、プログラムをはつきりさせるということが主眼としてなされておるわけであります。我我の分野におきまして国警とも取締りの強化という点を打出して、当面の問題として取締りの強化を打出しておるわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 その今おつしやいましたように各省でそれぞれの問題を取上げて、そうして一応縦の意見はまとまるといたしまして、今のそれを横に連絡をとり合い、そうしてそれを主として取扱つて行くところをまあ内閣に置くとおつしやいましたけれども、併しその内閣に置くとしまして、やはりその各省の中でどこかが主導になる必要があると思うのでありますが、そういう点について何かお考えがまとまつておりましようか。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 我々としましては先ほど申上げました懇談会の、俗な言葉で申せば持廻りというようなことでやつております。これはそのつど先ほど申上げました省及び国警は必ず出席しておるわけでございます。決して責任逃れを申上げるわけではございませんが、この総合対策のことを考えまするとしますれば、私は行政面を持つておる厚生省と申しますか、そういうところが総合的な施策を立てるべきである。どういうふうな方向に持つて行くかということを先ず立てる。我々はそれの裏付けと申しますか、消極的な面を担当するというふうに考えるべきじやないかと思つております。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 厚生省ここにおいでじなりませんですが、そういう問題を自分でしようという御意思があるでしようか、如何でしようか。私がこうお尋ねしますのは、政府の各省の中でこの問題をどこが真剣におやりになるべきかということについて、何か結論が出ておるかどうかということを伺いたいのでございます。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 現在のところどこがイニシアテイヴをとるかということについては、結論が出ておりません。併し前回の懇談会は、厚生省において持つて頂きまして非常に真剣に御討議がなされたわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 先ほどからよく言われておりますように、まあ大前提としては社会政策が徹底しないと、この問題が根本的な解決ができないということはよくわかつておるのでございますが、もう宮城委員も繰返しておつしやるように気の付いておる問題であるので、取りあえず保護の面よりも取締る面から手を付けなければならない段階だと思うのでございます。まあ我々はそういう考えですが、政府自体はそういう点をどういうふうにお考えでございましようか。厚生省といつてもやはり社会政策の面を担当する省でありまして、そのほうが主導権をとるようになつて、果してこの問題が、今の現実のこの問題がどうなるでしようか。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 先ほども申上げましたように、当面の問題としてやはりこれは厚生省は厚生省として、やはり当面の問題があろうかと思います。例えば非常に大きな社会政策的な措置をお考えになりましても、当面として例えば婦人ホームの増設とか或いはそれのよき運営ということが考えられるかと思いますが、我々といたしましても目に余るところに対して取締りを強化するということはやはり考えております。ただこれは実際面として警察が末端においてはやることでございまして、警察の手の問題、それからそのときどきの重点の置き方というふうな点が考えられる。これを総花式にどこもかしこもというふうに手が届かない、そういうふうな重点の指向ということが考えられるわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私どもほうぼう廻つて参りまして、いろいろな角度から調査してみたのでございますが、今おつしやるような、指摘されるような直接この問題にタツチせる警察官の方々及び検察庁の方々の態度なりお考えなりというものが、今おつしやるのと丁度同じようなことをおつしやつておるのです。それだからといつて、これが放置されていいのじやないのでございますから、私はそれはそれなりにやはり対処して行くべき責任が政府にあると思うのでございまして、だからといつて法務省がこういう問題に対してどうも消極的であるような印象を受けるのでございますが、非常に私どもは遺憾と思うのでございます。で、もう少し法務省といたしまして、この問題に対し今おつしやるように、こう他の省にそれぞれ……それは総合的な対策をするのですから、いろいろ意見は聞かなくてはいけないと存じますが、すでにこういうふうに法案も出している経過等を考え、或いは第二国会以来法務官が中心でこういう問題を坂上げていらつしやる、そういう経過を考えまして、もう少し法務省として熱意を持つてこの問題に対して対処して頂きたいと私ども切望するのでございますが、もう一度そういう点に対する懇談会の結論なり、その辺を見てどういう方向に向おうとなされておるのか伺いたいと存じます。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 只今お叱りを受けたわけでございますけれども、法務省としましてもこの問題は真剣に取組んでおります。それなればこそ、我々として社会政策的な措置が少くとも併行しなければ、本当にこれが行かんのだと、法律というのは出された以上には、それが守られなければ法の威信というものはないわけでございます。そういう意味において、我々としては自分のなすべきことはなすが、同時に各省もそういうふうな社会政策面における意見の盛上りということを促進するというところに努力をいたしておるわけでございます。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私大変残念だと思うのでございます。というのは、それは法律も種々法律が出ております。人を殺せば死刑に処するというくらいに極刑の内容を持つた法律がたくさん出ておりましても、やはり殺人やいろいろな兇悪犯罪というものがあとを断たないのでございます。まあこれは悲しいことですけれども、だから私この売春法を作つたから、すぐに一掃されるわけのものじやないというふうに考えるということが私非常に割切れないのでございますね。ですから、いろいろの社会政策の面の対策も講じつつ、そうして現下のこの問題に対してもつと法務省が熱心におやりになつて欲しいと思うのでありまして、今おつしやるようにこの法律ができても、売春がなくならないなどということは、他の法律と比べてみても、余り強い根拠にはならないと考えるのでございます。私もつと法務省が強くお立ち上り願いたいとお願いいたします。法務大臣もこの前の委員会では非常に熱意を持つてこの問題に対処すると言明なすつたのでございますので、今私課長の御答弁聞きまして、大変失望いたしました。もつとこの法務大臣の意思をお進めになつて頂きたいと要望いたします。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 政府委員にちよつとお尋ねします。先ほど売春婦を取締りますこの立法につきまして、保安処分乃至保護処分にしようという方向に今非常に重点を置いて考えておるという御説明でございましたが、その内容をちよつとお洩らせ頂きたいと思います。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 少し私の発言が悪かつたかも知れませんが、法務省としましてこれを保安処分乃至保護処分にしたほうがいいのじやないかというふうに結論付けたわけではないのでございます。現在我々はそれを刑罰で行くべきか、保安処分乃至保護処分で行くべきかという点を真剣に考えておるわけであります。これが私は売春問題対策の根本的な考え方の中心になるのじやないかというふうに考えますので、それを今研究中でございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それなれば伺いますが、いずれ保護処分と申しましても、いわゆる少年法に盛つておりますところのあの保護処分のような取扱いにとおつしやるのでございましようか。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) ちよつと補足いたしますが、保安処分、保護処分を考えます場合にも、売春でも常習売春はこれは或いは刑罰というのが妥当であるという考えも出て参ると思います。それから保護処分の問題も少年法のようなものと同じようにやるかどうかという点は、まだ我々として結論付けておりません。ただこういう問題がございますですが、これは宮城先生なり赤松先生もよく御存じと思いますが、婦人ホームなどにそういうふうな元気のいい売春婦は入らない。だから婦人ホームのようなものを如何に増設しましても、よぼよぼの者だけが入つて行くというふうな現状でございますので、それではやはり或る程度の法的規制を与えなければ、この社会政策的な施設を如何に増設してみても、効果が挙らないというふうに考えられますので、或いはおつしやりまするように、少年法と同じように保護処分になるかも知れないと思います。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 この第二国会に政府がお出しになりました法案なり、又前国会に私どもが提案しました売春等取締法案、まああれが完全ではございませんけれども、ああいうものを骨子といたしまして、それに併行した保護処分という考え方はないのでございましようか。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 今申上げますように刑罰によるか、保安処分、保護処分によるかということを研究中でございますので、前国会にお出しになりました二条でございますか、あれには刑罰が入つておりますですね、それに保安処分、保護処分を加えるか、或いはあそこを抜きまして保安処分、保護処分にするかということだろうと思います。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 いや、私の伺いますのはそれに併用するというと、いわゆるアダプト・プロペーションですね、あれを付けるというようなことによつて、という意味か、と伺いたいのでございます。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 実は四回の懇談会を重ねておる間に、我々としてその問題を強く考えるようになりました。法務省としましては第二国会なり、第三国会において売春婦自体に刑罰を科するという考え方を持つておつた、先頃までそういう考え方を持つて参つたのです。併し常習でない売春婦自体に対しては保安処分なり保護処分なりをやつたほうがいいんじやないかというような根本的な問題に打当りましたので、これをつまり刑罰に代えてそういうふうなものによつてやるか、刑罰をやつた者に対して今度は例えば執行猶予なり、これがもし体刑をやるとしまして、そういうふうな場合に、或いは起訴猶予にした場合にそういうふうなものをするかというふういろいろ問題があるかと思いますが、そこまで細かく割切つては解決しておらないわけです。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それではそれを割切ろうとして今調査を進めておいでになるんですね。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 現在やつております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それから今一つ政府委員に伺いたいのは、調査研究をずつと進めているというさつきのお話でございましたが、現在の実態調査というものを法務省はどのくらいおやりになつておいでになるんですか、又それに対する予算措置はどうなつておりますでしようか。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 宮城先生からそうおつしやられますと、我々の現地調査の回数は少いのでございますが、佐世保地区それから呉地区或いは千歳地区というような基地、その他にやはり検事を出しまして調査をいたしております。それからなお各地から或る程度の情報を得てそれを参考にして研究をいたしておるわけでございますが、この売春問題につきましては、毎年のように予算を要求しておるんですが、その都度これは全然通つておりません。従いましてほかの予算を割いて我々は調査に出て行くという現状でございます。本国会には、殊に立案準備の問題がございますので、その点を強調して近く大蔵省に交渉することになつております。去年もその点を非常に強く述べましたのでございますが、どうしても予算が取れません。そういうふうな現状でございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 実はこの間私ども参議院の当委員会で千歳に調査に参りましたんですが、そのときも是非法務省からも一緒に行つてもらつて実態調査をして頂いて、熱を上げてもらおうと思つたんでございますが、法務大臣は二人ぐらい出しますと言明なさつたんですが、実際は当局では旅費が一文もないので、出すことはできんという非常に残念な結果になつたんでございますが、そこで実は私は今もおつしやる通りに予算が取れないということは、これは熱のない結果ではないかというように思うんでございますが、実際現地調査をもう少しやつて頂きたいということをもう切に願つております。  それからそれに連関することでございますが、今地方公共団体の地方条例というものが日に日にできて行くようでございますが、そういうことに対する材料はもう滞りなく集まつておりますでしようか、如何なものでございましようか。実はこの朝日新聞のこれを見ますというと、大阪の豊中市でもつい先頃、朝日新聞の九月二十三日に出ておりますが、風紀取締条例が三十対四で可決しております。それから今日静岡県の県条例が、殆んど絶対多数で通るだろうという、その条例の内容は、私ども前国会に出しましたこの法案を非常に参考とされて、織込まれておりますもののようでございますが、今日可決すると思つております。そういうふうに、地方ではとても国家の立法措置を待ちかねて、日に日にも条例を出しておりますが、この条例が又はき違えをいたしますというと、千歳のようにあの公娼を認めるというようなことになりますと、とてもこれはそれを放つておくということは大変な問題になると思つておりますが、法務省としましては、おさおさ怠りなくこういう地方条例をお集め下さいまして、もう殆んどなんでございましよう、日ならず全地方に大小これを設けられる情勢になると思つておりますが、その経過を一つ御報告願いたいと思います。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 曾て出ました条例につきましては、刑事局でそれぞれ報告を取ることになつており、まして、お話のたしか伊丹地区でありますかの条例につきましては、すぐ手配してこちらへ送附を受けることにしてございます、私、まだそれを見ておりませんが……。それから条例の問題につきましては、本年の中頃まで、各地に条例係検事というものを置いておつたわけであります。このたびそれ廃止いたしましたが、それは各地の次席検事がその事務を扱うことにさせまして、従つて従来条例係の扱つておりましたことを、次席検事においてやる、というのは、各地の条例に憲法或いはその他の法令に違背する虞れのあるものがあるわけでございます。それからもう一つにはこの売春問題のように、根本的な考え方の非常にむずかしいものもございますし、それから立法技術の問題もございますので、これを県なり市町村から相談を受けました場合、或いは自分のほうで気が付きました場合には、それぞれ検察庁の意見を述べるようにしているわけでございます。千歳の場合にも、これは参議院におかれても非常に御心配になつたことでございますが、我々もあの条例の、もとの条例案を見まして、それがすぐ通りそうな様子とのことでございました。これは非常に問題であるということで、すぐに札幌高検に指示いたしまして、それの阻止といいますかをいたしたようなわけでございます。これは決して売春条例の出ることに反対するわけじやない。それを何といいますか、むしろそれは許されるようになりそうでございましたので、阻止いたしたわけでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 今の千歳の実情でございますが、札幌の高検、地検の殊に検事正あたりが非常に力を入れて下さいまして勧告をお出し下すつた結果、今度新らしく修正されましたものが、たしか十月一日から実施されるようになつていると思うのであります。行つて見ましたら、もう町全体が売春街でございまして、而も経済問題とからんで、これに対する憂慮をしておりますものは、子供の将来を考えます母だけでございます。非常に残念な状態だと思つております。そうして当局も検察庁なり又北海道庁あたりで、こういう立法措置に対する邪魔をしたということを恨み骨髄に徹しておる様子でございまして、私どもも非常に邪魔者扱いされて参りました。どうぞ委員長にもお願い申しておきますが、条例を法務省でお集め下さいましたものを、次々とこちらに報告して頂きますようお取計らいをお願いいたします。  それからついでに婦人課長がおみえになつておりますから労働省の婦人少年局でこの前調査の資料をお配り下さいましたその後の様子について、ちよつと御報告願いとう存じます。

田中寿美子労働省婦人少年局婦人課長

○説明員(田中寿美子君) 売春問題に関する報告でございましようか。それとも私どもの行なつております労働省婦人少年局として行なつておりますことの報告でよろしうございますか。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 売春問題についてだけでよろしうございます。

田中寿美子労働省婦人少年局婦人課長

○説明員(田中寿美子君) 調査資料と申しますか、今日まで婦人少年局で収集いたしましたものは、統計関係の資料とか或いは数、それから現地におります、各府県におります婦人少年室を通じていろいろ情報を取つております基地の風紀に関する情報とか、それから現実に直面した場合に報告が参りますのをそういうものを基礎にいたしております。それから実態調査に関しましては、目下取り進めております。これは集団売春組織についての調査を行なつております。けれどもまだこれの結果は出ておりませんので、御報告申上げることができない状態でございます。それからこの春、国立輿論調査所等に御依頼いたしまして売春問題に対する輿論調査を全国的にいたしました。この資料の中間報告を差上げてあると存じます。もうすぐ本報告が出来上りますので、そのときに又差上げたいと存じます。あれは御覧頂きましたと存じますので、ただ一応一般の輿論というものが売春問題に対しては売春をいいものと思つておるものは非常に少い。大部分が悪いと思つておる。けれどもああいつた組織が、集団組織がどうしても止むを得ん、必要だというふうな考え方を持つているものが男にも女にも相当あるということ、調査されましたものの四〇%以上が男女共にああいうような売春街がどうしてもああいうものは止むを得ないだろうというような考え方が、まだ一般の世論の中にはあるということは注目すべきことだろうと思います。けれども七〇%以上の人がああいうものは悪いからなくしたいということは考えております。  それから基地においての売春に関しては、国内のいわゆる従来からございました赤線、青線に対しましての考え方よりももつと厳しくて、基地の売春に対しては、一般人は同情を持つておらない。これは御覧頂いたことと思いますので、その後のものは本報告になりましてから差上げたいと存じます。  それからその後の動きと申しますか、刻々にそんなに変つているとは思いませんが、やはり基地のほうでは宮城先生なんかももう十分御存じのように、富士山麓等で一応日米合同委員会の会議の結果、相当強硬な政策がとられまして、オフリミツトになりましたにもかかわらず、やはり地元側は是非オフリミツトの解除をしてもらいたいという要求をしておりまして、その間いろいろの交渉が現地の司令官と地元側との間に行われております。そうして極く近いうちにオフリミツトが解除されるのではないかというような見通しを私どもは持つて、心配いたしております。そういうときに一般の人々の考え方は婦人団体とか或いは純粋の教育の立場に立つ人以外はどうでもいいという考え方と、それから経済的な利益がからみついて、やはりああいうものがあつたほうがいいという考え方が相当風靡しているということは、丁度どこへ行つても同じ問題ではないかと思うわけです。それで一般の民間の婦人団体の動きでございますが、婦人団体といたしましては、第十五国会に廃案になりましたところの売春等処罰法案を是非この次の国会にも出してもらいたいという要望を持つておられまして、そうして度々準備の会合を持つておられるようであります。その婦人団体の人々の考えでは、第十五国会に出されました今日ここにございます売春等処罰法案の趣旨に大体賛成のようでざいますが、ただ法務省の刑事課長さんもおつしやいましたように、売春婦そのものを、女たちを困らせるということが目的でないので、処罰ということを、もつと保護処分にしてもらいたいという意向が相当に強いように思います。  それからもう一つは、公娼が廃止になりまして、その後勅令九号もあるし、地方条例もたくさんあるにもかかわらず、売春集団組織が横行いたしておりますのは、やはり売春禁止法がないためであつて、業者は口実として女たちが自営をしているのだということを以て逃れることができるから、やはり売春禁止法がなければ、人に売春をさして利益を得るところの強固な業者の組織或いは強固でなくても、いろいろの個々の業者たちを罰することはできないという考えを婦人は持つているようでございます。婦人たちが望むのは、隣れな未亡人や、それからそれによつて一家を支えているところの売春婦そのものの処罰で壕くして、それによつて利益を得るものを処罰したい。そのためにもやはり売春禁止法ができなければいけないというような考え方でいられたと思います。  そうしてなお政府側の対策につきましては、刑事課長から御報告申上げておりましたので申上げるまでもないと存じますが、売春問題につきましては、取締の面と、それから保護更生の面と、それから売春を未然に防止しますところの面と、それから一般人の教育啓蒙というような面がございますので、各省が関係いたしておりまして、各省がそれぞれ担当の決断を以て施策を進めて行くような話合いを強力に進めて行きたいということを婦人少年局では考えております。そうして各省の連絡会議におきましても、そのことを強くいつも要望申上げているわけでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 もう一点だけお伺いしますが、九月の初めでございましたか、婦人少年局の出先機関で、全国的に何か行事をなさつたようなことはございませんですか。

田中寿美子労働省婦人少年局婦人課長

○説明員(田中寿美子君) 婦人少年局では、婦人の人権の擁護という立場からこの問題を大体考えておるものでございますものですから、それで、この八月、九月にかけまして、全国の婦人少年室を通じまして、この問題を人権の立場から考えてみたい、そういう意味の啓蒙活動を行いました。で、その際民間の人々との懇談会も行いましたし、それからいろいろの会合をいたしております。だんだんその報告が参つておりますけれど……。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 その報告も、又どうぞ何かのときに委員長お願いいたします。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) どうぞ報告を一つあとから出して下さい。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 御質疑を聞いておりますと、問題点はそんなに余計ないように考えるのです。結局保護処分をどうするか、併行させるかどうか、この点に対する具体的な肚がきまれば、この問題は具体化するんじやないかと思いますが、これはあなただけでなしに、法務省のかたも、問題点がたくさんあるように何か言われるが、それしかないように私感ずるんですがどうなんです。

田中寿美子労働省婦人少年局婦人課長

○説明員(田中寿美子君) 保護処分というのは、取締法の中に私どもは含まれることが必要だというふうに考えているのでございますが、売春対策といたしましては、取締法があるだけでは十分でないということは、やはり私たちもも感ずるものでございます。年々そちらに陥つて行くものもございますから、未然に防止することも必要ですし、それからすでに転落しておりますものの本当に更生されるような方策が講じられませんと、第三国会で審議未了に終りましたときも、それを言われたわけでございます。保護更生の施策のほうが伴わなければ時期尚早であるというようなことで、審議未了に終つたように思いますので、そういう意味では是非いろいろな方策が一緒に進めて行かれなければならないと思います。ですけれども婦人少年局で考えますのには、どちらが優先的かというふうに考えないで、是非この取締法が一緒に上つたほうが仕事がしやすいので、是非同時に進めて頂きたいというふうに考えております。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 刑事課長どうですか。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 保護処分の問題は、個々の売春婦についての問題になるわけでございますが、社会政策的な措置としましては、先ず売春婦に陥ることを防止すると申しますか、そういうふうなものに初めからそういうところに行かないように別な生業を与えるというふうな措置が考えられなければならんと思うわけであります。それから又一旦売春婦になりました者につきましても、いわゆる保護処分だけで、司法処分としての保護処分だけでなしに、そのものを更生させる社会政策的な措置がなお必要であろうというふうに考えておるわけでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 例えば売春婦に転落しないような事前の措置とか、教育活動とか、そういうことは勿論私もわかるんです。併しそういうことを言い出せば、例えば物を取らないような生活状態にしてから窃盗を処罰するようにしなければいかん、これと一緒なんです。そんな廻りくどい話をしていたんではこれはいつまでたつても私はできないと思う。いろいろな情報からやつぱり判断して、具体的な処理の際に、初めてそういうことをやつた婦人に対していきなり処罰というのは、これは少しおかしい、これは私理由があろうと思う。だからそこの取扱いだけを論議の対象にして行かなければ、これは問題は解決しないと私は思う。ほかのことは、これはもう全部関連しておる、そんなことは当然なんです。そういうふうに私は思うのですがね。そこの保護処分というか、そこの取扱いの態度がきまつても、ほかのものがきまらなければという立場であれば、当分政府はこの問題には手をつけられないということを早く天下に声明すべきである。そうすれば地方のほうでもそのつもりで又いろいろ考え方を立てます。やるがごとくやらざるがごとく、これは何回もここで論議されておりますけれども、余り議論の進展は私ないように思います。だからいろいろな理由をつけて出されて来ますけれども、それ以外に問題点は私ないように思います。というのは、先ほど宮城さんからもお話がありましたが、例えば豊中です。これはこの国会で審議未了になつた法案と殆んど同じものを作りました。そうして市長が、これが可決された後に、この売春婦なり或いはその関係業者、これに対する問題は今後併行的に考える。こういうふうに断乎言明しているのです。そのくらいの覚悟を持たなければ、全部揃えてからそれからというようなことはとてもできない。豊中市長がそういう気持になられたのは、やはり何といつても直接地元でいろいろな状態を見て刺激されておるからであります。恐らくは政府の諸公にしても、自分の息子が豊中の売春街の中に住んでいる、或いはその附近にいる、こういうことになれば、恐らくもつと真剣になられるだろうと思う。だからそういう点を、地方なり婦人団体から強く盛り上つて来ているその気持を、もう少しその立場に立つて考えてやらなければならない。そうすれば売春婦の取扱いだけの問題をもう少し考え方を早くきめて、それさえきまればこの法案の具体的な立案に着手する、こういうことでなければ意味ないと私思うのであります。それ以外の問題に手をつけているのであれば、今待望している諸君にはこれは間に合わないのですから、これはもう当分駄目ですよ。このことを声明すべきである。そうすれば先ほども申上げますように、繰返すようですが、政府がそういう態度なら、おれのほうもこういうふうにして一つ処置して行こう。こういう考え方は、当然困つている各地元としては持ちますよ。豊中でああいう条例ができた。そうすると直ちに池田のほうではやはり問題が起きている。これは非常に強硬な条例ですから、池田市としてもそうすれば問題にせざるを得ないでしよう。これはきりがない問題です。当然これは、国家が全部を同じように取扱つてくれるということを恐らく期待しているに違いない。だからそういう状態なんですから、研究研究、調査と言いましても、そのときの情勢に応じた意味での調査であり研究でないと、意味がないと思うのです。そういう点どうですかね。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 我々としましても、社会政策的な措置が完全にでき上らなければ、こちらは全然手をつけないというふうに申上げているわけではございません。併し現在よりももつと進んだ社会政策的な措置はとられなければならないというふうに申しているわけでございます。  それからなお当面の問題としましては、御指摘になりますように各地で条例が出ておりますし、又本来の狙いでありますところの、売春婦を利用して搾取している階級、こういうふうなものにつきましては、現在の刑法、職業安定法、労働基準法、児童福祉法、そういうふうな法令を活用することによりまして、大体の取締りはできるわけでございますからして、我々としましても警察と共に現在よりも更に取締りを強化して参る、こういうふうに対策を考えておるわけでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 そうしたらどうなるんです。結局一般的な社会政策が並行して来なければ、取締りだけを強化して行つて新らしい立法の措置は考えないということなんですか。もうあいまいにしておくべき段階ではなかろうと思うのです。政府がやらないということなら、これは有志の議員のかたが提案するでしようし、そういう段階だと思うのです。調査と言つたつてこれはよくいろいろ調査されておる、相当調査されておると私は思うのです。一番これが調査されておるとは申しません。それは又いろいろ問題があるでしよう。併しいろいろな輿論の関係とか売春婦の生活実態とか、そういう点は相当調査されておりますよ。だからこれはやはり政府としては大臣のああいう言明もあつた後なんですから、もう肚をきめるべき段階だろうと思うのです。それをはつきり出してもらえば、我々議員としても、これは当然先ほど一松さんがおつしやつたように、政府の肚がきまれば、或る程度予算関係もありますから、政府ができるだけ提案されるのが一番いいと思う。併しながらそれができないという場合には、それじやどうするかということがやはり我々法務委員或いはこの小委員会の相談として当然進んで行くと思うのです。ともかくどつちでもいいですから、進むようなことにしてもらわないと、みんな時間を割いてこうして忙がしいのをやつているのですから、意味がないと思う。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 法務省といたしましては、法務大臣も直ちに立法するとまで言明はなさつたわけではございませんが、いわゆる勅令九号の法律化をされます際に、先ほどの法務委員会における附帯御決議の次第もあり、我々として決して立案準備ということをおろそかにしておるわけではないのでございます。で我々の常に主張しております社会政策的な措置の盛り上りということを相共にやるという意味において、この懇談会も厚生省なり労働省なりそういうふうなものと足並みを揃えて盛り上げて行く、それによつてそういうふうな盛り上りが或る地点に達した場合に我々として正規に立案する、こういうふうな態度で臨んでおるわけでございます。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 実際問題として、私非常に豊中が近いものですから、あそこの事態はずうつと絶えずいろいろ御相談に乗つておるのでありますが、遅くなればなるほど、政府のそういう意図というものが実行しにくくなるのです。豊中の市会で今度条例の賛成が三十対四です。業者の諸君は非常にそこで反省しまして、これは俺達の今まで運動が、やり方がまずかつた、この次の市会の改選にはもつともつとこつちのやつを余計出さなければならん、もつと票があると思つたら案外少かつた、こういうことを公然と言つております。これはどこでも基地のあるところはそういう傾向をとつておるのです。千歳は私は行きませんでしたが、恐らくそういう状態だと思う。そういう諸君との連絡がなければ町長にすら出られないんだ、或いは町会議員にそういう傾向をだんだん深めて行くんです。だからこれは盛り上げるのじやなしに、今は盛り上つておりますが、だんだんこれはやはり押切られて行く傾向が私強まつて行くと思う。で、だんだん放つておけば、盛り上つて行くのであればこれは私そういう慎重な態度もよかろうと思う。その盛り上りの情勢を見て適当な措置をとる。併しこれは悪いことであつても、経済関係に結びついてそれが一つの基地経済のような形をとつて行きますから、そういうことなんですから、盛り上るというようなことはおよそありませんよ、逆だ。だからそういう意味で調査をすべき点があれば、それは至急に調査をして、我々も委員会をそういう角度でそれじや調査材料をどんどん出すから、連日でも委員会を開いてもらいたいということなら幸い休会中だから、これは連日でも開くようにして頂いていいと思うのです。そういうふうにとにかく少し考え方を変えませんと、ときたま集つて或いはいろいろな議論をする、こういう態度ではちよつと間に合わないと思うんです。私の言うのは飽くまでもそういう意味で政府が先ず態度をはつきりしてもらいたい、こういうことなんです、よしあしにかかわらず……。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 もう一言、今日一番恐れられておりますことは、一般の人の考え方、殊に一般と申しましても男子の人の考え方は、議員も男子の議員を含めまして、目の前にちらつくようなあのパンパン、散娼は困るから集娼窟に入れる、赤線区域に追込むことがいいのじやないかということなんでございます。これについては赤線区域の中ならば、病気の者から伝染する率が少いということも今日医学的に崩れております。それから男性の性の問題につきましての防波堤になるためということも今日は崩れております。今日はこの本能説がだんだん崩れて環境説に移つております。これは学説上のようでございますけれども、併し男性の本能云々といつても調べてみますと、ほんの一部分の男性を以て私日本中の男性がかくのごとき売淫窟がなければならないのだというようなことを言うというのは、甚だ私どもの子供に対して相済まんと思つております。それで赤線区域を作れというようなことは今日心ある者は断然言つてはならない。又このもう議論は崩れてしまつておると思つております。殊に赤線区域の中で育ちました子供らの問題、その周辺におります子供らの教育上の影響、或いは風紀の問題、青少年の問題等につきましては、いろいろな統計も出ております通りでございますが、最近に皆様もさぞ御心痛だと思つておりますが、十二になる赤線区域の子供が武蔵野学園で首を吊つて死にました。このことは今に国会の問題になるだろうというので、実態調査をいたしました家庭裁判所の調査官が私のところに報告されて、詳しい報告を伺つておりますけれども、赤線区域の中に育ちました子供は、性の悪習慣が四才ぐらいからつきまして、到頭親までも困る、周囲も困る、学校も勿論困りまして武蔵野学園に頼んだ子供で、首を吊るまでいろいろないきさつがあつておるんでございますけれども、これは極端な例でございましようが、現に私ども参議院議員といたしまして同じ会派に属しておる或る尊敬すべき議員が、自分は三十人も売春婦を使つておりました売春窟の主人の子供ですよ。併しその母がこの大事な息子を育てるためにどうぞ三十人を解放してくれと言つて、すつかりそれぞれ就職口をみんな定めて生活をきめてやつて安定したところに置いて解放しました中に、宗教の伝導をしておる者もおります。私は売春窟から出て来た議員ですということを私に語られたかたがあります。そこまで私は行き得る業者であるように、そのためには道徳上の話をしてもわからない業者は、どうしても一刀両断、私はそれこそ伝家の宝刀を、このたびこそ法務省が抜くべきだと思つております。お願いいたします。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 私は先ほど刑事課長のおつしやいました言葉の中に、婦人ホームの問題が取上げられておりました。実際そうでして、私どもほうぼうそういう女の人の収容施設も見たのでございますけれども、おつしやる通りなかなかそれを更正させ得るまでに行つていない。それには解剖してみますとさまざまな問題がございまして、その施設が、十分この更正し得る生活技術を教える設備がなかつたり、或いはその指導者に適当な人がいなかつたり、或いはその施設そのものが非常に荒れていたり、誠に不備な状態が多うございました。それで収容能力が二十人もあつても、十人ほどしか入つていないというような実情でございました。で私どもはこれはやはり予算の関連性があると思つております。生活技術を教える設備をもつと豊富にするとかいうようなことは、すぐに予算に関係がございまして、そういうふうな点が非常に政府の責任だと思います。又地方自治体の責任だと思つているのでございますが、この問題についても勿論厚生省とよく連関もとらなくてはいけないと思つておりますけれども、その保護処分のいろいろな仕方に非常に研究しなくちやいけない点がある。まあそういうこのお仕事をして、泥沼に堕ちた人々の個別的な研究、調査もよくしてみなくてはならない。いろいろな方法でその人々を更生させる手段が違うと思うのでございます。ただ一度に一堂に集めて、劃一的な指導をしたつて、これはだめなんであります。そういうような保護施設の方法、そういうようなこともこれからいろいろ考究いたしてみませんと、今おつしやつたような成績も上らないということもよく調査して浮んで参りました。だから本当にそういう点についても、どうぞ焦点を向けて関係当局と御連絡、御協議を下さつたり御研究頂きたいことを深くお願いいたしますと同時に、最後に私はあなたにお願いしておきたいことは、もう繰返して言われております通り、どうぞこの懇談会の主体となつてそれを推し進めて行く官庁をどこにするかということを早く結論を出して頂きたい。適当な機会にどこにそれが置かれるという御報告を、この委員会にして頂きたいと私は強くお願いたしておきます。ちよつとそれだけ……。

長戸寛美法務省刑事局刑事課長

○説明員(長戸寛美君) 承知いたしました。

赤松常子日本社会党(第二控室・右)

○赤松常子君 それから次に婦人課長にちよつとお尋ねいたします。この前のここの委員会で、今の婦人ホームのことにつきまして、全国の婦人ホームがどのくらいあるか、それに対してどういう程度の予算が要るかということについて、御調査願いたいとお願いいたしておきましたのですが、できておりますか。

田中寿美子労働省婦人少年局婦人課長

○説明員(田中寿美子君) 婦人ホームは、実は厚生省の社会局生活課のほうが担当いたしております。全国十七カ所ございます。先日私ども各省間の連絡委員会のときにその資料を頂きましたので、まだこちらにお届けいたしていないかと思いますが、場所の数だの収容人員その他今後どのくらいの予算が要るかというようなことについては、来年度予算に要求してあるそうでございますけれども、あの機能が十分動けませんのは、自分から見つけ出しに行つて連れて来るというような機能を持つていないそうでございます。警察に挙げられたものが連れて来られるのを待つているのに過ぎないものですから、殆んど動けないので、その点をもつと拡充したいということを言つていられました。来年度はそういうふうな予算も要求しているとおつしやつておりました。厚生省にお尋ね頂きましたらその点の具体的な方策はわかると思います。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 この間北海道で見ました施設で、面白いことを女が言いましたよ。女を買いに来た男がこういう施設のあることを教えてくれて、早くあそこに逃げて行けと教えてくれたそうです。

田中寿美子労働省婦人少年局婦人課長

○説明員(田中寿美子君) そういうことはありそうです。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 お願いしたいのは、この小委員会としてどういう点を少し究明して行こうか、次回はそういう点について一つ各委員の御意見を聞かれてまとめてもらいたいと思うのです。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 只今亀田君から御提案があるのでありまするが、この小委員会をどういうふうに進めて行くか、実は、端的に、私小委員長として甚だ僭越でありますけれども、意見を申上げますると、議員立法にいたしましても、これは私は臨時国会では不適当であろうと考えております。通常国会を待つべきであろう。政府の提案も私そういうことであろうと思うのでありまして、私は調査研究は、ここに頂いているだけの資料をよく見ましても、このことの或る程度の必要性ということは、私はもう問題はないのではないかと思つているんであります。ただ峻厳な法律を作つて、一部の人が言うごとく、例えば潔癖にこの問題を非常に断乎厳罰に処すべしというような態度で臨まれましても、我々の政治というものは大衆政治でありまして、御承知のごとく、いわゆる子供、女あらゆる階級を通じての真の今のあり方、これは永久ということは政治にはないと思うのです。従いまして今の現段階、駐留軍が何十万というものが日本に駐留しているこれらの人が帰つてもらうというと、この問題も半分ぐらいは片付くというような気持もある。かかる意味におきまして、非常に性急にどうこうと言つても、政府もその点で出しても、議会を通らなければ徒らに一つのゼスチュアに過ぎない。衆参両院が完全に通るという見通しも或る程度持たなければ、やたらに立法を出しても、これはなかなか困難な事情があるのではないか。従つて私どものこの委員会も、いわゆる通常国会の開会後に熾烈にこれを急遽突撃すべきものであつて、もはや研究調査の時代は私は過ぎ去つているのではないかということも、亀田氏も先に申されましたが、私小委員長としてもそういう感を持つているんでありまするが、如何でございますか。それともやはり毎月一回くらい開いてやはりその後の情勢や、統計をもらつて進んで行く必要、継続審議でありまするから、そういうこともするべきでありますが、これはどうぞ皆様の御意見によりまして取扱いたいと思います。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 大体はそういうことで私ども結構だと思いますが、併しやはり通常国会まで何にもしないというのじやなしに、具体的に問題になつている箇所がやはり三、四カ所問題があろうと思います。こういう問題を一つ反別して取出して、この際そしてその点について少し準備をして、先ほど楠貝さんがおつしやつたように、そういう点についての考え方の統一ですね。こういうことのための委員だけの懇談今でもよろしいし、公けの小委員会でも結構ですが、やつてもらつたらいいのじやないか。そういうことの議題として私が例として考えていることは、やはり保護処分です。保護処分をどういう範囲でどういう人たちに対して行うか、こういうこともやはりもう少し検討すべきだと思う、我々だけとして……。政府のほうはこれは入らんでもよろしいと思います。それからもう一つは、地方のいろいろなたくさんの条例と今度できる法案との関係、これはこの前の国会に出た案でもそういう点取り上げられておりますが、その後ずい分条例が殖えている関係上、これはもう一遍そこの検討をやつてみるべきだと思うのです。あとの個々の条文についての細かい点、これは本格的な審議になり、立案に入るときでよかろうと思うのです。やはりこの二つの点だけは主要な点として一遍論議してみる。その論議をするときに、恐らくいろいろな世界観なり、人生観の相違といつたようなものも、同時にそこに出て来るだろうと思う。そういうふうに思うのですが、またほかにも問題があろうかと思いますが……。

楠見義男緑風会

○楠見義男君 私さつき申上げたことに尽きるのですけれども、法案といいますか、こういうものを作ること自体についての反対論というものは、ただそれだけを見れば反対論というものは私はないと思うのです。ただ先ほどからもお話がありますように、法案を作るについての先行条件とか、或いは併行条件とか、或いはあとからでもいいという条件とか、そういう条件が数々あると思うのです。その先行条件というものが致命的のものといいますか、決定的のものであるならば、それはこの法案はそれまで出せないということもありましよう。併しそれも一応検討してみなければわからん問題だし、同時にそれも最終的に致命的というより、或いは法律を作つておいて、五年なら五年の猶予期間、三年なら三年の猶予期間にその致命的な先行条件を政府にやらせるというふうに追い込むという手段もあると思うのです。併しそれが何が先行条件なりや、何が併行条件なりやということをやはり我々は一応検討しておく必要があると思うのです。少くとも私は今の感じでは政府の今までの考え方なり、今伺つているようなところから、行けば、政府提案というものはなかなかようやらないのじやないかという気がする。そうすると少くとも立法府として仮に我々が立法する場合には、立法者としては、そういうことはすつかり明らかにしておく必要があり、場合によつてはそれを踏みこえて追い込むということも考えなければいかん問題じやないかと思うのです。そういう点を先ずもつて委員会として検討しておいて頂きたい。それからこういうふうに、私も最近になつたのですが、委員が変るたびに又初めからむし返したのでは、前からやつているかたには非常に御迷惑ですから、そういうものはやはりここで調書としてかためておく必要がある。それにもそういう条件を我々として検討しておいて、その検討の上でどうするかという踏み切りをこんど委員の間で決断すればいい。私はだからそういう意味でこういう方向で審議して頂きたいと思うのです。

亀田得治日本社会党(第四控室・左)

○亀田得治君 非常に私も賛成です。例えば今のいつから実行するか、法律の実施のはじまりの年月日ですね、こういうようなこともこれは相当問題になろう思うのです。いろいろな施設が同時に並行しないということを考えればなおさらですね。だからこういうことも一つの議題として欲しいと思いますね。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 先ほどの委員長の報告で、この委員会の進め方でございますがね。私も刻々に問題が起るこういう生きた中の問題を対象とするこの対策小委員会でございますから、いつ開くとか開かないとか、又委員会にしましても、それから立法の提案にしましても、初めから通常国会に持つて行くとかどうとかというようなことでなしに、もつと臨機応変に非常に一生懸命にやつて行くという態度で行なつて行きたいと思いますが、如何でございましよう。だから月に一回ぐらい委員会を開くというようなことでなしに、若し必要なら何度でも、それからその問題が起らなければ、それはその必要もございませんかも知れませんけれども……。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) ちよつとお答えしますがね。この委員会を先ほども一松君が言われたように一体何をやるんだということを主題として、そうして委員会を開く、或いは又ただ寄合つて大体の審議の方針が、ここに例えば法案でもあれば、それを審議するということもいいし、それから又目に余るような事件がどこかに発生して、その実地調査をする必要があるとか、或いは当事者をここに喚問して、その実態を調査するというような場合は、これは臨時に別でございますけれども、大体今私は閉会中に他の委員会を見ましても、適切な法案についての審議はいいのでありますけれども、今実際ここに案というものは格段ないのですから、つまりこの法案を作りたいというだけの私は案で漠然たるそういう希望はあるのだけれども、でありますからそうしばしば開いて熱心ににやる言いましても、その熱心ということを何によつて表現して行くかということが今度は我々立法者としては考うるべきでありますから、私は理窟を申上げるわけではありませんが、まあ適時大体一カ月に一回ぐらいで資料を政府からもらつたり、或いは希望意見を述べたり、或いは問題があるとすれば、そういう御報告を受けるぐらいの態度でいいのじやないかと思いますが、併し差当り今問題となつておりまするどういう方向でまあ調査研究をしますか、その方針をきめるかという楠見、亀田御両氏の御意見も議題として次回にそれを一つ先にきめたらどうかと思うのであります。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 この委員会に先の国会に提案いたしました法案の提案者は私一人きり残つておりませんので、その私が非常に微力でございますから、そういうことが今問題になるということを私大変非常に悲しんでおります。それで今楠見さんもおつしやつたのでございますけれども、委員が変るごとに又元の起点に返つてそこから踏み出すのですから、これはいつになるのか、若ししたら潰れるかも知らん、私は今日皆さんのお話を聞いて見ますと、非常にとつてもお先真つ暗で、それこそ矢内原先生のように原子爆弾よりももつと危険なことだよとおつしやるようなかたが一方にあるかと思うと、こういう調子なんで、私にしたらこの小委員会は何故あるかということが今問題になる段階でなく、若し政府が出さなければ国会で出すというそれは私はもう大前提だと思つております。だけれどもそれを一人残つている私が微力でございますから甚だ残念でございますけれども……。

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 速記を止めて。    午後零時二十九分速記中止    —————・—————    午後零時五十一分速記開始

小野義夫自由党

○委員長(小野義夫君) 速記をつけて……。本日はこの程度で散会いたします。    午後零時五十二分散会

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