法務委員会 第13号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/07/15
会議録
○委員長(郡祐一君) 只今より委員会を開きます。 少年法及び少年院法の一部を改正する法律案につき質疑を続行いたします。
○宮城タマヨ君 少年法及び少年院法の一部を改正する法律案について、少し伺いたいと思います。この法案は、随分長い間もう問題になつておりますので、大抵言い尽したと思つておりますが、矯正局長にちつとお伺いいたしたいのでございますが、医療少年院におきまして、男女を分離する施設がある場合には、必ずしも別個の、男子と女子と区別する必要がないことになつておりますでございますが、実際においては、どういうこの男女を分離する設備ができておりますでございましようか。
○政府委員(中尾文策君) まあこういうふうな中に仕切りをいたしまして、そして、建物が別になつておりまするところは、成るべく建物を別にしております。それからまあそれの必ずしもできにくいところは、間にずつと囲いをいたしまして、そうして区別をいたしておりまして、まあそれの一番わかりやすい例は、関東医療少年院でございますが、このほうは男のためには別に一棟、男の棟とそれから女の入るほうの部屋は別にいたしております。そして、治療なんかを受けまする場合には、これは同じ設備を使うわけでございますが、そのときには時間を別にいたしまして、そして接触させないようにいたしております。
○宮城タマヨ君 その点はわかりましたが、中でちらちら女の子が男一男の子が女を見るというようなことはございますでございましようね。全然隔離されているといつた、つまり形も見えないし、かおりもしないというような施設になつておりましようか。
○政府委員(中尾文策君) その点申されますると、絶対にもう、においもしなければ形も見えないということは、或いは私その場所に行つて実際の場合を見ておりませんので、はつきり申上げられませんが、或いは場合によりましては、においくらいはして来る場合もあるのじやないかと思います。理想といたしましては、やりは別の施設を作つたほうがいいことは、お説の通りであります。
○宮城タマヨ君 勿論その別にするということは、これは予算の関係でできないでございましようど思つて、止むを得んとは思つておりますが、これの取扱いにつきまして、現場のほうから何か苦慮していらつしやるような点の報告はございませんでしようか。
○政府委員(中尾文策君) 別にないようであります。
○宮城タマヨ君 最近に、東京医療少年院から少し大幅な集団逃走がございましたように新聞で見ましたが、事実でございましようか。それから余り遠くない前にもございましたと存じておるのでございますが、それは何が原因だつたでございましようか。
○政府委員(中尾文策君) 前に十六名出まして、それから昨日の朝十二名逃走いたしました。これは関東医療少年院でございます。このことにつきましては、私のほうでも、今管区長が一生懸命になつて調べておりますし、又私のほうも課長を昨日の朝現場に派遣いたしまして調査をいたしましたが、現在までのところでは、私たちにわかりましたところは、これは逃げておりまするのは男のほうなんでございますが、これは、一番手取早い原因は過剰拘禁ということだということになつております。つまりあそこの収容力に対しまして、入つて参ります少年のほうが少し多過ぎますので、その点で少年が相当窮屈を感じていると思います。なお、これは私たちのほうの管理の仕方が必ずしもよくなかつたわけでございますが、相当よくなつて来たものをやはり完全に直すまで置いておこうというようなことからいたしまして、普通の少年院に帰してもいいと思うような程度の者もあそこにおいておきました関係上そう元気なものがリクリエーシヨンの機会も与えられない、つまり病人扱いにされております関係上、又リクリエーシヨンのチヤンスに恵まれなかつたということと、或いは最近ずつと一月以上連続して雨が降りましたので、ああいう若い連中を外に出して、吐け口を求めさせる、或いは日光に当らせるというような機会が比較的少かつたために、そういう気分でいらいらいたしまして、そういうことがたまつて逃走ということになつたことだろうと考えておりますが、併し何にいたしましても、これは鋸で切つて出たわけでございますから、私どもの監督が悪かつた、不足だつたと思いますが、その点につきましても、職員が足らないということで、この関東医療少年院においては確かに職員を増員する必要があるということを私たち考えておるのでございますが、夜そこに泊めて置く者が二人しか泊められない現状でございますが、そういたしまするというと、起きているのは一人で、その一人の者が、あそこは二階から下まで相当面積がございますが、たつた一人でそこを廻つて見るというのでございますので、廻つて行つたときにちやんとしていればなかなか発見がむずかしい。そこを立去つて行きまするというと、あとずつと廻つて来る間に相当、二、三十分という時間がございますのでかなりいろいろな仕事ができるということもあるわけでございますが、こういう点で、職員不足のためにそういう失敗を来したのでございますが、併しいずれにしましても、私たちのほうの管理が非常に悪いわけでございまして、この点につきましては、今根本的に対策を立てなければならんということを考えておるのでございます。
○宮城タマヨ君 大体におきましては、起きていられないような程度の者を収容なさつておいでなんでございましようか。
○政府委員(中尾文策君) それはその病気の性質にもよるわけでございますが、まあ大体自分で普通に日常の用を弁ずるということには不自由な程度、いわゆる長期療養を必要とする病気の者ということが抽象的な標準になつております。
○宮城タマヨ君 今何が一番多うございますか。病気では……。
○政府委員(中尾文策君) ちよつと今ここに資料を持合しておりませんので、正確かどうか、ちよつと申上げられませんが、多分結核が一番多いと思います。
○宮城タマヨ君 女と男とどのくらいな数おりますでございましようか。
○政府委員(中尾文策君) 関東医療院のほうでございますが、男が百十人、これは今年の四月末日現在でございます。男が百十人に対しまして、女が百四十八人おりまして、合計で二百五十八名でございます。女のほうが数が多くなつております。
○宮城タマヨ君 結核の者が一番多いようでございます、結核の者なんかは、やはりまあ程度にもよりますけれども、外を散歩させるというような者もおりますのでございましようね。そういうことを伺いますのは、結局これはまあ分離する必要がないということになつておりますけれども、予算面で止むを得ないから分離しない、こういう結果になりますことと、それから本当は一緒に置いても何も差支えないということと私は大分違うと思うのでございます。今後努力して頂くについて、そ点のを伺いたいために、少年たちの散歩の様子なんかも聞きたい意味なんでございますが、そのおつもりでお答え願いたいと思います。
○政府委員(中尾文策君) 勿論これは男女を別にしたいと思つておりますが、今申上げたように、費用の点でそういうことができないわけでございます。これはそこに入れて置きますのは医療のためというのが目的なんでございますから、これは、散歩をさせるとか、或いはほかのいろいろな気晴しをさせるということが本人の療養のためにいいので、極力そういうことをいたすように考えております。
○宮城タマヨ君 今度失礼でございますが、家庭局長にお願い申上げます。今度のこの少年法、少年院法によりまして、残念ながら七十二時間、三日間というものを臨時的な措置で特別にいたすことになつておりますでございますが、この前に議論いたしましてから、大分ひにちがたちましたが、何か御名案がございませんものでございましようか。それをちよつとお伺いいたします。
○説明員(宇田川潤四郎君) その後いろいろ研究いたしましたが、何分にも、現在のところ、国会に提出されます法律の下に予算その他が組んでありますので、このたびは、この法律通過によつて事態を救済したいとこう思つております。なお、今後とも少年鑑別所の収容の問題につきましては研究して行きたいと存じております。
○宮城タマヨ君 少年をお運びになりますときに、まあ東京の様子は大体わかつておりますけれども、地方では、やはり運んでおりますときに、手錠をはめておるようなことが今以てございますのじやないかと心配いたしておりますが、その点は如何でございましようか。どうかして子供を動かしたくないと思つておりますし、又子供を動かしてみますと、やはりときには手錠をはめなければならない、止むを得ん子供もあると思うのでございますので、実はこういう措置をしないで、何とか考えて頂きたいと思いますけれども、心配しております。その点如何でしようか。
○説明員(宇田川潤四郎君) 宮城委員の仰せの通り、止むを得ざるときは現在家庭裁判所におきましても手錠を用いておるところがございます。これは非常に遺憾なことでございますが、手錠を用いませんと逃走する虞れが非常に多い、又用いなかつたために逃走してこれがために非常に困難を感じた場合もありますので、全然手錠を用いないということは言えないような実情にあるのであります。そこで結局成るべく押送を少くするという工夫が第一番の問題ではないかと思うのでございまして、そこで本省のほうにも常に少年鑑別所の支部を設置するようにして頂き、そして押送の手数を省くと共に逃走の危険を防止したい、こう考えております。
○宮城タマヨ君 只今まではまだ保護司がパスを持つていらつしやらないようでございますが、これにつきまして、これは保護局の管轄でございますか、どちらの管轄でございますか。保護司のパスというものについて何か運輸省のほうに御交渉なさつたようなことがございますればちよつと経過を聞かして頂きたいと思います。
○政府委員(齋藤三郎君) 只今の点につきましては、保護司のかたがたからも東京都の都電のバスを民生委員のかたはもらつておるそうですが、同様是非もらいたいという御希望がございまして、折衝いたしましたが、実は民生委員のほうも優待バスという名前ではございまするが料金を払つて優待バスをもらつておるわけでございまして、東京都としてはやはり無料では差上げかねるということで、結局保護司の活動に必要な費用を十分差上げるということで解決いたしたい、こういうことで今まで参つております。
○宮城タマヨ君 これはバスがございますと、とても保護司活動には便利でございますし、又少年に手錠をかけないでも、或いは時にこういうものを持つておれば、切符を買う時に取逃す場合が多いそうでございますが、手錠をかけないで済むというような結果にもなるのじやないかと思つて、私はどうしてもバスを頂きたいというように思つておりますのでございますけれども、一つ御努力願いたいと思います。 それから、これは又矯正局長になりますが、今年の鑑別所の新設につきましての予算を見ますと、今度は十六カ所の要求が容れられましたようでございますが、そうでございますか。
○政府委員(中尾文策君) いや、そうじやございません。こちらの要求は十七カ所要求をしたわけでございますが、その中で本所を一カ所、それから支所を十七カ所要求をいたしまして、支所としてニカ所が認められたというわけでございます。
○宮城タマヨ君 それがこの平と小倉でございますか。
○政府委員(中尾文策君) そうでございます。
○宮城タマヨ君 これは随分長い間この予算の折衝をなさつておるように明らかにされておるのでございますが、こんな大事な鑑別所の設置というようなことが、どうしてこう怠られているのでございましようか。その隘路はどこにございますか。
○政府委員(中尾文策君) まあ大蔵省も非常に好意的に且つ良心的に私たちのこの要求を審査して頂いたことと私は信じておりますがいろいろ交渉の経過によりましても、何分にも国家財政が許さんというところで、私たちもいろいろ折衝いたしまして一この程度でただ引下つたということが実情でございまして、この程度で引下るということが国のためにいいかどうかは非常に疑問でございまして、そういう点につきましてどうも私たち役人といたしましては、どの程度頑張るのが正しいことかということで煩悶しておるわけでぎおざいますが、今回はこの程度で引下りまして、その代り大蔵省のほうといたしましては、支所は建物を作る費用は認められないが、そのために職員が必要になるから、つまり同行をいたしますために職員が必要となるからというので、その職員なんかの算定につきましては非常に親切に、まあこれは大蔵省の見解でございますが、非常に熱心に検討して下さいまして、その点では大蔵省でもその同行のために職員の増員ということも認められまして、一応あとはだんだんと作つて行くということにいたしまして、これで引下つたわけでございます。
○宮城タマヨ君 同行に対しましての増員は要求通りに頂けましてございますか。
○政府委員(中尾文策君) これはやはりその点でも食い違いがございますが、要求通りにはもらうことができません。
○宮城タマヨ君 どのくらい認められましたでございますか。
○政府委員(中尾文策君) 六十四人に対しまして二十七人が認められております。
○宮城タマヨ君 これではとても賄い切れませんね。
○政府委員(中尾文策君) 非常に困りますし、非常に悲しかつたのですが、やらんというわけには参りませんので、全力を挙げてそれでやるようにいたしております。実を申上げますと、この二十七人では勿論足りませんので、そのためにほかのほうを抑えてでも恐らく同行のほうのために、本来所内で勤務しなければならん、又こういう勘定になつておるはずの職員が恐らく同行のほうに廻されて、そのカバーをしなければならんことになるだろうと考えております。
○宮城タマヨ君 大蔵省のかたは来ておりますか。
○委員長(郡祐一君) 宮城委員から主計局長へというお話で、主計局長に連絡をいたしておつたのでありますが、丁度本日かなりほかのほうに取られる仕事ができましたために、担当の主計局の鳩山主計官が参つておられます。
○宮城タマヨ君 お忙しいなかをわざわざ……、実は局長にお出しましを願いたいと思つておりましたのですが、今お忙しい真只中でおむずかしうございますと了承いたしますが、特に大蔵省においで頂きますという意味は、国家財政の大きいものから比べましたら、誠に小さい問題ではございますけれども、小さいことでも非常に国家として大事なことがございます。殊にこの青少年の問題につきましては、その中で又犯罪少年につきましては国家的にこれはやはり根本的の問題として取上げて頂かなければならないと思つております。特に今お聞き及びのように、国家財政から申しますというと、非常に僅かな数字の要求があるのでございますが、一々申しますと時間を取りますから省きます。御存じの通りでございますが、それが本当に十七カ所要求して僅かに二年がかりでニカ所認められたというような様子でございますことは、私は甚だ残念だと思つております。この十七カ所の鑑別所がございませんために、子供たちが不必要に手錠をはめられなければならなかつたり、又この手錠をはめますということが犯罪少年でございましても、又深入りする一つの導火線になるというような心配もございますために、どうかして子供を余り動かしたくない、そしてそのままで家庭に帰せる者は家庭に帰したいし、もつとより以上の処置をしなければならない考はそれぞれ審判の結果によつて処置されるものでございますけれども、どうか私は、全体から申したら僅かな額でございますから、特別子供のために大蔵省が一つ注意して頂きたい、目を向けて頂きたいというお願いがしたいために今日お出まし願つたようなわけだつたのでございます。 それで具体的の問題は今申上げましたような鑑別所の問題もございますし、殊にそれができませんために、子供を三日間のうちにそれぞれ本庁に運んで行かなければならないというような問題が起りますので、そこに又増員の問題があるのでございますが、それも要求額の殆んど三分の一ぐらいきりみていないというようなことになりますと、そこを根源にいたしまして幾多の問題が持ち上るように考えるのでございます。それでその点もお願いしたいのでいございますが、いま一つこれに関連いたしまして家庭裁判所が今以て僅かに十二独立いたしましたかと思つておりますが、そのあとは地方裁判所にまだ部屋借りをいたしておるようなことで、殊に家庭裁判所の独立した所長もなく、建物もございませんということは、子供の審判に当りまして非常に大きい問題だと思つております。これは庁舎の建設でございますので相当額の予算が必要だと思つておりますけれども、どうかこの点も一つ特別に御審議を願いたい、こう考えております。 それからついでにこれは刑の一部改正でのちに問題にしようと思つておりましたが、大蔵省当局にお願いでございますが、子供を扱つております、不良少年を扱つております、又中には大人の人も扱つております保護司でございますが、今全体で五万二千何百人任命されております保護司が、実にこれはこの不良の子供、或いは犯罪の子供を世話いたしまして、これをいいふうにして行こうという保護善導ということは骨が折れることでございますが、殊に非常に被害がございますのです。もうたくさん、この間も極く身近かな者の話に何方とかかりました写真機を余り安心して子供を扱つていたために取つて行かれたというようなこともございまして、表沙汰にするのにも勿論保護司の建前として忍びないような場合もございますが、そういう保護司に対しまして国家は実に一カ年五百円程度の謝礼をいたしておるのでございます。この五万二千人のかたがたは勿論その謝礼を当てにして働いておるというかたは一人もございませんと思つておりますけれども、併しながらこのむずかしい縁の下の力持ちを、もう難事中の難事でございますと思いますこの仕事に対しまして、僅かに国家が五百円の一年間の謝礼を以ちましてそれでこれだけのことをお願いするというのは、余りこれは虫がよ過ぎるし、私ども国会議員といたしましてもとても堪えられないと存じますようなわけでございます。それでどうかこの点も本当に局長にお話下さいまして、私が殊に願つておつたということを伝えて頂きたいと思つております。 それから引続きまして、今この保護司が少年或いは大人を就職させまして、立派な働き口を見付けますということが、本当に一番いい始末になるのでございますが、そのときに、その就職の世話をいたしますときに保証人になつてくれなければ請合わないという雇い主が殆んど大部分でございます。それで保証人になるわけなんでございますけれども、その被害を、折角就職いたさせまして完全にそこに勤め上げてくれればよろしうございますが、ときどきといいますか、多く又失敗をいたすのでございますが、そういうときに保護司はとても保証し切れない。中には数万というような損害を受けるようなこともございます。でございますからこれは保護司自身の損害賠償でなしに、やはり私は国家が責任を負つて賠償して頂くような方向に一つ考えて頂きたい。この国家賠償についてはそう簡単には行きません。いろいろな問題のございますことも私も存じておりますけれども、併し何とかして全部でなくても国家が補償するということによつて、犯罪者の就職がたやすくできるというようなことになりますことは、非常にこの問題の解決を早くすることだと思つております。でございますから一つその点もお考え願いたいと思います。 それから今国鉄その他地方での乗物のバスのことを申しましたのでございますが、これは取り扱う上に非常に大事な一つの道県だと思つておりますので、どうか一つ大蔵省でもお考え願いたい。 と申しますようなことをお願いいたしまして、大蔵省に対しましては私の質問はこれだけにいたしますが、どうか大蔵省の意思のございますところをお答え願えれば大変都合がいいと思つております。
○説明員(鳩山威一郎君) 本日局長が参りまして真接御答弁申上げるべきところでありますが、止むを得ん用事がございまして欠席いたしております。申訳ないと思つております。只今の御意見、帰りまして直接局長によく申し伝えまして、今後まあ来年度の予算もあることでございますから、今後実情を認識して行くように私としてできるだけ努力いたして参りたい、かように考えております。特に最初御指摘になりました少年鑑別所の問題、何分施設を新たに作るということは、これはこの問題だけといたしまして要求も三億程度の要求でございますが、何分今不足の建物というものが非常に多うございまして、例えば義務教育の学校にいたしましても、危険校舎の問題にいたしましても、何十万坪という建物が不足いたしておりまして、それも皆緊急を要するようなものが多いのでございまして、今度の少年鑑別所の施設にいたしましても、早急これは建築いたすべきものであるということは万々承知いたしておりますが、何分全般の関連上急速にこれが実現を図るということが、本年度の予算といたしましてはできない状態でございまして、最小限度の施設で本年は我慢して頂くということになつた次第でございます。なお今後逐年これが完成を見ますように努力いたしたいと存じております。 なお、その他の点につきまして、特に保護司の手当が非常に僅かであるのは全く御指摘の通りでございまして、或いは非常識過ぎるじやないかと、こう存じておりますが、この点も財政の許す限り今後増額に努力いたしたいと存じております。なおその他の点につきましてもよく局長と御相談をいたしまして、実現に努力いたしたいと存じております。
○赤松常子君 只今の宮城委員の御質題に関連いたしましてでございますが、保護司に対する国家の手当というものは、一体何を基準に割出しておいでになるのでございましようか。
○政府委員(齋藤三郎君) 只今保護司のかたは、法律上は保護司法によりまして定員五万二千五百ということになつております。家際においてはいろいろな人選とか移動もございまして、多数の人数でございますから、五万足らずのかたがおいでになりまして、各市町村に一名以上おられまして、犯罪をした青少年及び成人の保護をいたしておるわけであります。このかたがたに対しまして政府といたしましては年額一人当り五百円の謝金と、そのほかに一人について一カ月百円というものを、補導に要する実費を弁償するという形で差上げております。ところが保護司さんがたはこの防止活動をなさる上においてはいろいろ横の連絡をとつてその町、その部落の浄化活動をなされる必要がありますので、又事案についての検討もなさいますので、各地に保護司会を設けておりまして、それが地方の連合会、或いは全国連合会というようなことで組織的な活動もなすつていらつしやるので、実際にそういつた会費等に全部お充てになるのでございます。その上にここにもございますが、更生保護という雑誌を出しまして、非常にお忙しいかたですから、実際にいろいろなものを法務省から出しまして、保護司として心得て頂きたい事項等を通達、お知らせするにもなかなかお忙しいかたですから、読物の形で、教養訓練と申しまするか、そういつた連絡機関と申しまするか、そういつたものを出しておりまして、これも実は無料で差上げるべきだと存じておりますが、予算がないために毎月二十五円ずつ出して頂いておるという関係で、実際は本当に手弁当でおやりになつておる。これは私どもの努力の足らないためでございまして、保護事業というものは非常に緑の下の力持ちで、各方面の御理解を頂いておらないという点もあるかと思いまして、今後努力をいたして行きたいと、かように考えております。
○赤松常子君 ここで再び繰返す必要もございませんが、最近の青少年不良化の増大ということは大きな社会問題にもなりつつあるわけでございます。殊に保護司の方々がそういう刑余の青少年及び底に落込もうとしている青少年の保護にお当りになつていらつしやるかたで、ここにも多く予算を組んで頂いて、そのかたがたの活動を十分に能率化せしめることが、この不良化防止に役立つ大きな要件だと思うのでございますが、私お聞きしたいことは、そういう問題に対しまして、大蔵省の感覚というものがいつも薄いし、理解がないし、ただ金銭上の予算のみの方面にとられて、数字的にとらわれていらつして、多くの政治的な問題をそういう面からばかり考え過ぎておいでになるということに対して、さまざまな面から私非常に不満を持つておるわけでございますが、殊にこの保護司のかたが一年五百円ということはとても恥しいことだし、よくもこれつぽつちのことで国家がお手当を出しておるとおつしやつておるくらいに思つておるわけでございますが、何か他に標準でもあつての基準なんでございましようか。どういうお気持でこれをおきめになつていらつしやいますか、もう一度お聞きしたいと思います。
○政府委員(齋藤三郎君) 保護司というお仕事が保護司法によりましても給与は差上げないと、全く社会奉仕の面でやつて頂くという建前になつております。現在差上げておりますのは、謝金という名義でございますが、実際はこれは実費弁償という形で、謝金の形とそれから補導諸費の形と両方で差上げておるのでございます。こういう点、殊に謝金の点が、まあこれは大蔵省のかたがいらつしやいますので、私から申上げることはどうかと思いまするが、民生委員の謝金がやはり五百円というふうなことも一つはその関連性があるのではないか。これは私どもの責任外だけの想像でございますが、そんなことも考えておりますが要するに民生委員のほうのお仕事も大変なことでございますが、こちらのほうは逃げたい、逃げたいと、成るべく保護司の手から去りたい去りたいという人を呼び寄せて、何にも利益を与えるというんじやなくて、むしろ逃げたいというのを無理に引とめ、上手に引とめて、そして本然の道に帰すと、こういうお仕事でございまして、非常に困難性があるわけでございます。若し成功してみても自分が世話してあの人はようやく立派になつたんだという前身を明かすこともできませんことからして、いろいろな点から全く緑の下の力で一全く黙々としておやりになつておる。それは私どもの努力の足りない点だろうと思いますが、社会一般の御認識を十分頂いていないということもやはり問題じやないか一まずく努力をいたしまして是正をいたしたいと、こう考えております。
○赤松常子君 従来こういう問題について大蔵省の御要求は、どのくらい御要求しておいでになるのですか。
○政府委員(齋藤三郎君) 今正確な資料を持ちませんので、私の記憶でございまして、或いは御訂正を願うことがあるかも知れませんが、昨年度はたしか一カ月三百六十円というのを補導諸費として大蔵省にお願いいたしました。その三百六十円というのは、一カ月に四回対象者の所にいらつしやる、それの仮に日当とでもいいますか、そういうような関係で三百六十円というふうに勘定いたしまして要求をいたしましたのが一カ月百円ということで、それは補導諸費でございます。事件を本当にお持ちになつて毎月数回本人を呼び寄せて、或いは本人の勤め先なり本人の宅に御訪門なさいまして、いろいろの指導をし或いは職業の斡旋をなさいましたりする、こういつたような交通費とか或いはそういつた成績について毎月観察所に御報告なさいます。そうしてそれによつて観察所でも成績がよければ保護観察を解除する。どうしても悪い、又将来犯罪を起こす虞れがある場合には、少年院に戻すことを家庭裁判所に申請する。そういつたようなことのために少年観察所に御報告になりますが、そういつた通信費、交通費等を含めまして一カ月お一人平均して一件半、二件近くお持ちになつておりますので、月百円というようなことになつております。
○赤松常子君 今までそれの増額を御要求なさつたのが月百円でございますが。
○政府委員(齋藤三郎君) 当初は非常に少うございまして、それが昭和二十五年度になりまして五十円ということになりまして、それが二十六年度が一人当り百円というふうに、徐々には上つて参つておるのでございますが、まだ実際には非常にほど遠いと思つております。そうして本年度は三百六十円というふうに要求いたした、こういうことでございます。
○赤松常子君 ここに大蔵省関係のかたは見えておりますか。
○委員長(郡祐一君) 大蔵省主計官の鳩山主計官が来ております。
○赤松常子君 今のお答え願えますか。
○委員長(郡祐一君) 一応お尋ねを願います。
○赤松常子君 今の問題に対してどういうふうにお考えでしようか。将来どうなさりたいとお漕いでしようか。
○説明員(鳩山威一郎君) 実は最初に私から御答弁申上げるべきでございましたが、何分最近担当いたしたもので、内容のまだ不勉強の点が多うございますので正確を欠くと思いますので、十分研究してからお答えいたしたいと思います。なお本年度月百円という金額につきまして、これは十分なものでない、こう存じておりますが、成るべく増額できますように努力いたしたいと思います。
○赤松常子君 繰返して申上げませんが、どうぞ一番困難な苦労のお仕事をなさつていらつしやいますかたがたなんですし、一番社会的に大きな問題になつておる不良化防止のために第一線に働らいていらつしやる方々なんでございますし、その使命の重要は申すまでもございません。私特にこう申上げますのは、実は最近私も一つ問題を抱えておりまして、保護司の方々とここ暫くいろいろと連絡事項があつたり、いろいろお互いに観し合つたりしておる一つのケースがございまして、それを通じて考えましても、本当に申訳ない国家のお手当なり或いは措置だと思つておる次第でございます。どうぞ予算面において来年度には必ず増額のできますように是非お願いを申上げたいと思いますし、その決意をどうぞ固めて頂きたいと思います。
○宮城タマヨ君 もう一つ、これは矯正局長にちよつとお願いしたいのでございますが、あの収容所におります少年の着物のことでございます。殊に女の子の着物のことでございますが、これは今まで着ておりますような一律な色の一律な形のものをずつと継続しようというお考えでございましようか。何かこれについて新らしいお考えがございますでしようか。
○政府委員(中尾文策君) その被服の問題につきましては、御承知のように非常に衣料事情が悪かつた時代に一遍に少年院ができ、又少年鑑別所がたくさんできましたので、従いまして非常に貧しい一実にみつともないいろいろなものを寄せ集めて、やつと凌いで来たという実情でございますが、もう大体最近は衣料事情もよくなりましたし、なお又予算的措置もできましたので、もう今年一ばいくらい経ちますというと大体藩替えもできるようになると存じますが、今一つの点は、今御指摘のような、女につきましてどういうものを落せるかという問題でございますが、どうも片一方で経済問題を考えなければなりませんので、余り社会のような種類をたくさん作るということは無理でございますが、併し少くとも女につきましては、もう少し親切にしなければならないということは、私たち前から痛感いたしておりますので、大体今年ぐらい……今研究いたしておりますが、今年一ぱいぐらいで何か女に向いたものを作りたいということを考えております。ただ具体的に、種類をたくさん作るとか、又形式をどうするかということは研究中でございますので、まだその程度にしか御答弁できません。
○宮城タマヨ君 矯正局長のそのお言葉は誠に有難うございます。実は少年の、殊に若い娘たちでございますから、私はもう少しきれいな着物を着せてやつてもいいと思うのでございます。それで笠松で木綿のものを大分織つておりました。私ども一昨年でございましたか、笠松に参りましたときには、大変きれいで安いギンガムのものを見せてもらつたのでございます。それがまあ女の子の一着分といたしますというと、二百円内外でできるようなのでございます。そうして色もとりどりで、柄もとりとりでございますが、私はあそこでその仕事をしております娘たち、少年たちがどんなにうらやましいことだろうか、何か少し気の毒なくらいに考えたのでございますけれども、できるならばああいう刑務所でできました安いものが手に入ると思いますので、一つ作つてお着せ願いましたら、そのことも一つは子供たちにまあいろいろ喜ばせもし希望を持たせる一端ではないかと考えております。形をきれいにするということも又内部をきれいにする一つの助けになるというふうに考えております。実はこの間刑事訴訟法の一部改正をする法律案の説明のございましたときに、その四百九十九条を御説明になりましたとき、例の押収物返還を受けるべきものの住所がわからないときに官報で告示をする、その費用が一年間に一千万円かかつておつたけれども一今まで曾つて請求者が出て来たことは一遍もないので、今度そういうものはやめにするということを説明なさつたとき、私は思わずその一千万円で娘の着物を作つたらどれだけになるだろうかということを計算してみましたら、若し二百円でできるとするならば五万人の子供の着物ができる。これは大蔵省にもお願いしたいと思うのです。こういう本当に無駄な捨て金は、もつと研究することが一ぱいございます。そんなことに一千万円の金を政府は使つて一人も請求者がないとおつしやつたとき、私は非常に気持がおさまらなかつたのでございます。そうしてこれを計算して見て、五万人にいい着物が着せたいと思つて計算したのでございますけれど、どうかしてこれは今局長のお話で、明日ならずそういうときが来るということを私は楽しんで待つております。そうして大蔵省としましてはどうか厳密にお調べ下さいまして、本当に要るところに一番経済的にお使い下さいますように、もう一遍だけ申しておきます。これで私の少年法の質問はよろしうございます。
○亀田得治君 大蔵省のかたが見えておりますから一言だけちよつと御質問申上げます。恐らくよく答弁ができないのじやないかと思いますので、これは一つ大蔵大臣なり局長ともよく相談されて責任のある御算弁を適当な機会にこの委員会にお願いしたいと思います。それは大蔵省全体の予算に対する見方がどうも何か直接生産に関係のあるものとか、そういうようなことに非常にかたより過ぎておるのではないか、そういう方面の話はよくわかる。いろいろな大きな産業資本家なり、そういうところからの要求、そういうことは非常に呑込みがいいようです。併しどうもいろいろな科学技術の問題とかそういう方面はまだものわかりがいいと思うのですが、こういう法務関係のようなことになりますと、何か余計な金を出しておるのだというような気持がないかも知れませんが、何かそういうような気持が奥のほうにひそんでおるのではないか、こういうふうに私は思うのです。これは一つ先ほどから出ておる保護司の手当の問題或いは人権擁護委員の手当の問題とか、或いは民生委員の手当の問題、そういうものを一つ一つ取上げて見ても、何か非常にちつぽけな問題のように考えておられる。こういう点は私確かにあろうと思うのです。そうでしたとはおつしやらんでしようが、恐らくそういう気持があるのじやないか。大体予算委員会なりそういうところで、私どもいろいろ論議をいたしましても、何か大きな、金融問題とか貿易問題とか、そういうことは盛んに取上げられて来ますが、法務委員会で問題にされるような予算関係の事柄、こういうことはかいもく出て来ないのです。出て来ないということは、やはりこういう方面のことが予算編成全体の立場から非常に比重を小さく考えていると、こういうふうに私思うのです、これは一つ率直なところを、気持はあるけれども実際上こうこうしてできないのだとか何とかはつきりとしたお答えをよく考えて責任者からお願いしたいと思います。そういう気持は十分あるのだということでありますれば、その気持を活かすために私どもももつと国家予算の編成の内容を調べまして、ここにこういう無駄がある、から、例えば今宮城さんのおつしやつたように、そういうものもまだあつちこつちにも三つや四つ転がつておるはずです。それらのものを拾つて又御参考に持つて行くとかいうこともできるのですが、初めからそういう気持がなければ、これは何にもならない。その点一つ率直なところをお聞かせ願いたい。で、これは十分反省願いたいのですが、例えば自分の家庭のことを振返つて見たらいいと思うのです。自分の子供の教育費とか、それから自分の子供が何か不良少年になつた、こういう場合におけるその人の家計の金の使い方は、比率が随分子供にかたよつているだろうと思うのです。現在日本の国の財政が保護司とかこういうかたがたに出しておるようなそんなちつぽけなパーセンテージではとてもないはずだ。私国だつて一緒だと思うのです。そういう悪い人がどんどん殖えて存ば、結局はいろいろな生産の面とかそういう積極的な面がやはりそれだけ減らされて行くのですよ。自分の家庭の経済であれば、それが直ちにわかることが、国全体となつて来ますると全く逆なお金の使い方がされるこれは非常に私納得行かんと思うのです。勿論子供の世話とか教育とか、こういうことは現在の制度では相当親なりそういうものが負担をして行くというふうな建前が強いですから、家計と同じような比率を国家財政で出せということは考えませんけれども、何といいますか、余りにも軽視し過ぎる。確かに保護司のかたなんか少しまじめに保護活動をやつておられるかたは、随分個人的な負担までされておる。こんなことは随分酷だと思うのです。非常に経済的にお互いに余裕のあつた時代であれば、そういうことも続くでしようが、なかなかこういう時世になつて来ますると、そういう一つの同情心といいますか、その人の善意、そういうことだけにこれは任していい問題じや絶対にないのです。私も五百円とか千円とか百円とか、こういう数字を聞いてこれは全くあきれているのです。でそういう観点から今後もやはりこんなような大体似たりよつたりのつもりで行くのか、これは非常に悪かつたという気持もあつたけれども、余りそういう点をつつついて来る考もおらないし、止むを得ずこういうふうにやつておつたのだというのか、その点について一つの責任ある考え方を、これは特に法務委員会関係ではこういう問題が非常にやかましいわけですね。一般の社会保障制度に関連する費用でありますれば、恐らく厚生委員会とかそういうところでもいろんな御意見が出ておるだろうと思うのです。ところが法務委員会の関係のものは、そういう厚生委員会関係などと又少し別な性質を持つておるのですね、そういう方面が余り取上げられておらないのが実情です。これは私非常に考えなければならない問題だと思いますので、一つ基本的な考え方を十分まとめて一遍適当な機会に私ども聞きたいと思うのです。
○説明員(鳩山威一郎君) 只今の御趣意よく局長に伝えまして、適当な機会に御答弁申上げることにいたしたいと思います。
○委員長(郡祐一君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。
○赤松常子君 よほどこの問題は私真剣にお考え願いたいと思うのでございますが、本当に保護司が十分なる保護活動のできるための予算というものは、どのくらいにお考えになつておいでになるのでしようか。その理想と現実との開きがどういうふうになつておるのでございましようか、ちよつとお洩らし下さいませんか。
○政府委員(齋藤三郎君) 本日ちよつとその資料を持合せませんので、或いは概念的になるかも知れませんが、それでお許し願いたいと思います。私どもといたしましては、保護司活動を十分にやられるためには、全国に五万人近くの保護司がおられまして、一々観察所と連絡をとるということは非常に不可能でございます。観察所は現在県庁所在地にあるだけでございますので、各市町村に洩れなく、その置かれております保護司のかたと連絡をとるということは非常に困難でございますので、結局郡単位くらいに保護区を作りまして、保護区ごとにその保護司会というものを作りまして、大体毎月一回そこで会合を開かれることになつております。そこに担当の観察官が参りまして、そうしていろんな事件についての経過を伺い、適当な指導をし、そうして又官庁側から報告その他をお伝えするというようなことをいたしております。その保護司会を作り、保護司会をお開きになるのに、やはり数十名の保護司さんに保護司会の中心になつておられるかたがいろいろ通信で一郵便なり葉書なりでお知らせになる。それからお集まりになれば、お茶一ばいに何かお出しになる、そういつた費用が全部、その中心になつておる保護司会長とかいうようなかたの負担になつております。そういつた飲食の費用は別といたしまして、通信費と実際に最小限度必要なものは差上げたい、こういうふうに存じております。 それから今私ども非常に考えておりますのは、あの家庭裁判所が支部を設けられまして、支部で事件をどんどんおやりになつております。ところが支部から保護観察に廻りました少年を観察所側が受取るのに、観察所の支部が一つもございません。そのために本庁まで連絡しなければならない。そのために急速に手当をしなければならない要保護少年の手当が若干どうしても遅れる。これは非常に遺憾なことでございまして、成るべくその隙間のないようにすぐにやるためには、やはり審判をなさる家庭裁判所に対応して面倒を見る保護観察所の支部が必要である。これは是非設けたい。一番切実に不便を感じておりますのは、福島県の平でございます。これはいろいろな関係の事件が多いのでございまして、而も福島の本庁から平に行くためには、大変な遠廻りをしなければならない、こういうようなことで非常な不便を感じておりますので、何らかの形でこれは実現したいと存じております。その他保護司の毎月必要とせられる費用、これにつきましても大蔵省に要求する資料等を集めるために、保護司から実際に毎月どのくらいお使いになつたかを書いて頂くことにいたしておりまするが、映画に連れて行つたとか、本を買つて与えたとか、或いは学用品を与えたとかいうことを書くのが、すぐに金をくれるわけでもないし、書いてもすぐにどうなるというものでもないし、一々そんなものを要求がましく書きたくないというようなことでお書き願えない。そして資料もないというような関係で、実際には保護司がおやりになつておるのは、一件について、大蔵省からいつか要望がありまして、東京だけを調べましたが、その際には一人の少年を監督すれば三百数十円要する、それが現在では百円だ、而も予算の計上の仕方が保護司一人について月百円、ところが事件がだんだん殖えて参りまして、現在では七万数千件ございまして、結局百円にかけるの五万というものを七万で割るということになりまするから、月百円も差上げておらないというようなことに相成つておるわけでございまして、これは全く私どもの恥でございまして、もつと私ども努力をして大蔵省にも十分理解をして頂いて、予算を頂戴しなきやならんと存じております。そういつたわけで毎年十数億の予算を要求して、実際には昨年度が四億、本年度、昭和二十八年度の年間予算が六億というような、要求の三分の一程度の予算を頂戴しているというようなことに相成つております。
○赤松常子君 それからもう一つ、最近姫路の刑務所で少年同士が何か事件を起しておりますが、あれの真相が若しおわかりでございましたら次にお知らせ下さいますよう……。
○政府委員(中尾文策君) この問題が起りましたのは、十二日、日曜日でございまして、その晩すぐ保安課長を現地に出張させまして、今朝帰つて参りましたので、大体わかりまして御報告申上げることができると存じます。この直接の原因というものは実にたあいもないものでございまして、先ず最初に事件の概要を申上げますと、十二日の朝、これは十二日は免業日ということになつておりますので、工場に出て行かないで、食堂に行かないで、店房で御飯を食べる習慣でございます。それでそのために朝飯を配つておりましたところが、かねて第三工場というところと、第四工場との間に感情の行違いがありまして、お互いに仲が悪かつたのですが、そのときに四工場の者が、飯を配つてもらうときには、店房の扉を開いて、そうしてそこで食物を、汁とか、副食物とか、それから主食物などを入れてもらうわけですが、そのときに四工場の着たちが、どうも今朝は汁が少し足らんじやないかということを皆で言つたそうでございます。そう感じたらしいのでございますが、そのとき向うのほうを見ますというと、三工場の者に汁を配つておりましたのですが、その容れ物に四工場と書いてあるのを白墨で消して三工場と書いてあつたそうでありますが、それを見ましてこれは俺たちの工場のものを三工場の者が横取りしたのだ、これはけしからんじやないかということで、それがもとになりまして、お互いの間に口論が始まりますと、相当その中に勇み肌の者がおりましてすぐ飛び出して廊下のほうで渡り合うということが、これが直接の動機になつたわけでございますが、そういうことをいたしまするというと、お互いにこれは応援しなければならんというわけで、ほかのまだ扉の開いてない舎房に入つておりました者が、体当りなんかでその扉を壊して、早く自分の工場のものを助けなければならんというわけでお互いに飛出して参りまして、そのときは丁度免業日だものでございますから、日曜日で職員に相当休養を与えておりますので、出動者が極く少くて、前の晩の徹夜勤務をして残つた者と、その日の出番の者とを加えて、幹部から全部加えて三十三人ほどおりましたが、その配食のときには看守が二人しかおりませんので、何とも制止ができなかつたわけでございますが、そのために到頭騒ぎが大きくなりまして、そうして仕舞にグラウンドまで飛出して、そこで乱闘を始めたわけですが、そのときに最初に口火を切つた、これは朝鮮人でございますが、四工場の者を罵倒した者がおりますが、それが非常に皆から目をつけられて、狙われておりますので、逃げて、私たち保安事務所と申しておりますが、看守などの溜りである事務所がございますが、そのほうに向つて逃げて参りましたので、あとの者がそれを追つかけて、えらい勢いで事務所のほうに殺到して参りました。それで非常に騒ぎが大きいので、そこで一人発砲いたしました。それを取鎮めるために発砲いたしたわけでありますが、そういうことで約二時間ほど操みまして、所長が出て参りまして、すぐそれを取鎮めまして一応中に帰しましたが、併し非常に壊されておりますので、なかななかその解決がむずかしいために、附近の刑務所から応援隊を呼び寄せまして、そうしてその晩を明かしまして、翌日その中の危険な分子約二百名をほかの刑務所に移送するようにいたしましたが、その移送をいたしますときに又もう一遍悶着が起りましたので、又そこで多少負傷者が出ておりますが、併しそういう者を他所に送つてしまいましたので、もう鎮まりまして、翌日の十一時半頃はもう平静に帰しておりました。只今は応援の者が約四十人ほどほかの所から行つておりますが、大体おさまりましたので引上げて参りました。 その原因は何であるかということは、まだよく調べませんとわかりませんが、まあ私たち考えますることは、長い間、さつき申上げましたが、非常に雨が長く降りまして、これは二十歳から二十三歳までの者を入れておりますが、一向外に出る機会がなかつたということで、非常に気が荒くなつたということが大きい原因じやないかと思いますが、まあその中に非常に暴力を振うような分子が相当おりましたのを、私たちのほうで平素上手にコントロールしなかつたというようなことが直接のきつかけになつたのじやないかと思います。なお詳細なことにつきましては目下調査中でございますから……。
○委員長(郡祐一君) 詳細なことにつきましては、又他日矯正局長から報告を聞くことにいたしまして、本法案につきましては他に御質疑はございませんか。
○一松定吉君 よく私はこれはわからんのだが、一体こういう保護観察に当る人の学歴とか、人格とか、修養とかいうようなものはどうなつているのですか。
○政府委員(中尾文策君) それは少年院とか少年鑑別所の職員という意味だろうと思いますが、これは大体採用条件というものは旧制中等学校、新制高等学校以上の者というふうな標準にいたしておりまして、それらの者の中から採用いたしております。なお専門の技術を要しまする鑑別などをいたしまする技官につきましては、これは大学で専門の教育を受けたものということにいたしております。なお採用いたしましてから私たちのほうに、地方は八カ所、中央に一カ所研修所がありまして、その研修所で所内の研修、それからあと又更に重ねて研修をし直すということをいたしております。
○一松定吉君 どういうことを研修しますか。
○政府委員(中尾文策君) これはいろいろ広汎な範囲に亘りますが、何にしろ期間が短いために全部に亘りまして理想通りにはなりませんが、この少年というものはどんなものであるかということも心理学的な矯正学的な立場からの教育であるとか、或いはそういうものの取扱いの方法、それから少年法それから少年院法そういうところにいろいろ少年の取扱い方法につきまして根本的な規定ができておりますので、そういうものを中心といたしまして訓練をいたしております。
○一松定吉君 つまりこの少年院若しくは少年法の支配を受けるような少年はとかくその素行及び思想等が普通の者と違うことは異論ないのですからして、そういうものを是正し矯正し、教食を高めるという方向に向つて努力しなければならんことは異論ないのですが、そういうような任務を尽すことに適格な人をその保護観察とか或いは教養趣味という方面に使わなければ、ただ高等学校出たとか或いは研修所で研修したというようなことで自分の素行が治まらない、自分の家庭が治まらない、自分の思想が穏健でないというような人を使つても、却つてそういう不良化しておる少年少女に向つていわゆる感化を及ぼすということが十分でないということであれば、却つてそういうところに集めて一層悪くするというような結果を見ないと限らないので、私の希望するのは、そういう方面に向つて十分一つその人格の修練を積んで、この人ならばこういう少年少女の不良化を防止し是正し、立派にこれを改俊せしめることができるというような人に重きを置いて、それらの人を採用するというような方針をとつておられますか、どうですか、その辺を一り……。
○政府委員(中尾文策君) 誠に御尤もでございまして、私たちのほうでは特に本人について採用いたしまする場合につきましては、特に学科の点数というような、或いは体格というようなことよりは、直接に面接いたしましてそうして本人の人柄というようなものにつきまして、相当突込んで検討いたしております。なお又いろいろな方面から手を廻しまして、本人のこれまでの素行調査というようなことにつきましてもできるだけのことをいたして採用いたしております。
○一松定吉君 大変いいお考えだと思いますが、今私が申上げたようなことが本当にその指導、教育、看護の任に当る人がそういう立派な人格を持つておる人であれば、その人の一言一行が少年少女に対して重大なるいい影響を及ぼすことは言うまでもないことでありますからして、是非そういう方面に力を置いて、学校でどうだとか或いは体格がどうだとか容貌がどうだとかいうふうなことでなく、本当に人格の高い、あの人に接したならば春風駘蕩で、我々も自然に行いが直るというような人を選んで、そういう人をそういう任につかせるということに、将来一層の御留意あらんことを希望しておきます。 そういうようなことをするに、ついては、先刻来待遇問題ですが、結局待遇がよくなければそういう人をなかなか、特に慈善事業か何かでそういうことに一身を捧げようとかいう特別な考えを持つておる人はやりましようけれども一そういう人はなかなか少いです。やはり待遇をよくし、衣食足つて礼節を知るというような方面に御注意になることが必要だと思う。そういう方面では今亀田君の言うように相当やはり予算を取つて、そういう人物を養成して、そうしてこの少年保護の結果非常に立派になつた、生れ変つたようになつたということにするのがこの少年院とか少年保護の目的を達するために、こういう法律を設けたことは言うまでもないのですから、そういう点については一つ十分関係当局において予算を取つて、いい人物を採用するという方針にお向いあらんことを特に私はお願いしておきます。そういうことであれば、我々はそういう方面に使う予算は惜しいことはない。どうも司法方面の人は予算を取ることが下手なので、(笑声)いつもほかの方面のほうにたくさん取られて、いつも足らん足らんでやつておるというようなことでは、今言うように十分に施設を完備し、或いは人材を採用するということができないように思うから、それは遠慮なく一つやつて、やはりこういうものは将来一国の治安を乱したり、治安をよくしたりする一つの原因になるのですから、そういうことに一つ御留意を賜りますように希望を述べまして、私は質問を打切ります。
○委員長(郡祐一君) 他に御質疑はございませんか。……御質疑がないようでありますから、御質疑は終局したものと認めて、これより討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めてこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べ願います。
○宮城タマヨ君 少年法及び少年院法の一部を改正する法律案につきましては、私は残念ながら賛成……、残念ながらでございますが、賛成であります。 そこで希望意見として申上げたいのでございますが、それはこの今まで少年法及び少年院法の一部改正はもうことごとくの国会に提案されたと思つております。それほどこの問題はいつも引続いております。ということは、先ほどから出ております予算の措置が一番大きい原因をなしておると思つておりますので、法務省としましては、又裁判所といたしましては止むを得んという点もございますと思いますが、それを抜きにいたしまして、私が希望いたしますことは、この少年法の運営につきまして根本の問題があるのじやないかという点でございます。その運営につきましても、例えば少年院法の保護処分にいたしましても、法務省といたしましても矯正局において少年院が扱われ、それから保護局において保護観察の面が扱われるといつたような、それから又同じ観察でも、試験観察は家庭裁判所の少年審判の調査官によつて試験観察がされ、それからいわゆるプロベーシヨンなりパロールといつた面は、これは法務省の管轄になつておりますといつたように、運営の面でも非常に一貫性がないというところにこの問題があるのじやないかというように考えております。 そこでその取扱方につきましてもでございますが一私はここにもつともつと根本的なものは少年法或いは少年院法自体につきまして、いま少しこの法律を掘り下げて研究をいたしまして、もつと総合的な見地からも、又矯正保護教育の面からも根本問題に触れて一つ研究して頂きたい。そうしてこの少年法なり或いは少年院法という、いわゆる子供の矯正或いは保護に対します重要な問題に対する立法措置を完全なものにして頂きたいということをこの際希望いたしまして、私はこの法案に賛成いたします。
○委員長(郡祐一君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を続けて下さい。 他に御発言もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、例によりまして、委員長の本会議における口頭報告の内容その他は便宜委員長に御一任を願います。本案に賛成の諸君の署名を願います。 多数意見者署名 楠見 義男 宮城タマヨ 加藤 武徳 棚橋小虎 亀田 得治 一松 定吉 赤松常子 —————————————
○委員長(郡祐一君) 次に、司法試験法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたしたいと思います。
○赤松常子君 受験料の問題につきまして、もう少し釈然といたしたいと思うわけでございます。この間からの御説明によりますと、試験を行うために要する予算、費用というものと見合つて受験料をきめられるような御見解でございましたが、その受験料の性格というものを根本的に伺いたいと思います。
○政府委員(位野木益雄君) 受験料は、その受験に要する費用を賄う、それと見合つてきめるという原則が当然にあるということは、これは必ずしも言えないと考えるのであります。そういうふうにするかどうかということは、これは考え方、この予算の組立て方、或いは法律の組立て方によつてどうにでもなる問題であります。併しながら、現実のこの資格試験の各種のものを見ますと、大体この受験料の収入と予算額との差が余りないようになつてくる実情のようであります。
○赤松常子君 私の意見を申しますと、私、こういう国家が試験を行う、それは一つの国家のすべき義務であつて、国家が当然担うべき義務であると思うのでございます。ですから、その試験を行う場合に要る費用というものは、全部国家がこれを賄うのが当然であつて、その中の幾分かを受験料で賄う、そういう考え方に私矛盾を感ずるわけでございます。当然要るべきものは十分国家が予算を組んで出すのが当り前なのであつて、受験者にまでそういう国家が行うべき義務の負担を負わせるというところに、一つの矛盾を感ずるわけでございますが、これは如何でございましようか。
○政府委員(三浦寅之助君) この性質から言えば、私もその通りだと思うのであります。国家が必要があつて試験制度をこしらえ、試験をするというような場合においては、そういうまあ国家が必要な予算を編成してやるというのは、これは理論的にはそうだと思うのですが、実際の面から見まして、教育とかその他の面においてもそうでありましようが、実際上の現実の取扱いとしては、この国家で行う大抵の試験は、やはり国家の予算の関係かどうか知りませんが、それと睨み合して予算を編成しておるということが現実の姿であり、大体の国家試験の標準のようでありまして、将来においてそういう問題は根本的に十分これは考慮すべきことは考慮しなければならないと思つておりますが、ただ、現在のこの司法試験というものを考えました場合におきまして、やはりこの収入と睨み合して現実は予算が編成されるという実情らしいのであります。そういう意味から見まして、この間のような御意見の通り、受験者が非常に困るかたが多くて、又この試験の費用を負担することの非常に困難な受験生が多いということはその通りだと思います。そういうような受験生に対して受験料で少しでも負担を重くするということは、確かに矛盾があるように感じます。併し又飜つて考えて見まするというと、実は私も非常に疑問に思つたわけでありますが要は受験生の負担を軽くせしめるというためには、従来こういう試験は東京で一カ所で行なつておつたのが、現在では六カ所、更に一カ所の増設をして、各地方に試験場を設けるというようなことで、旅費とか、或いは宿泊料とか、その他の費用に対して非常に軽減を考える、もう一つは、現在のこの試験委員の実情から見まするというと、試験委員に対する待遇というものは非常に悪いのです。試験委員に対する待遇が悪いということは、その結果を考えて見まするというと、試験委員も人間でありまするから、一方においては、立派な試験委員を選考する場合に非常に支障を来たすでありましようし、又一方においては、経費のないために試験委員の負担が非常に過重になるという結果はどうだかというと、御承知の通り非常にたくさんの答案を審査するという場合におきましては、そのためにこの審査が疎漏になる、或いは場合によつては、字の下手な者は、試験官によつて非常に不利益になる。そういう字の下手な者とか、或いは答案の作成の下手な者は、実際に実力があつて、内容をよく検討すれば、十分に実力はあるのであるけれども、試験委員が、実は誠に遺憾でありまするけれども、審査が疎漏というような場合において、非常に損をするというようなことがなきにしもあらずでありまして、私どももそういうことは十分耳にするわけであります。そういうような点から、立派な試験委員をお願いすると同時に、できるだけ試験委員の待遇をよくして、そうして審査を丁寧にして頂く。そうして本当に受験者の苦心した実力を認めてもらうというようなことを考えるというと、やはりそれに相応するこの試験の予算というものをどうしても政府に、大蔵省方面にお願いしなければならん。ところが、実際の取扱いは、いいか悪いかは理論的には実際非常に矛盾がありますが、現実はやはり受験料の収入なんか睨み合して、そうしてなかなか予算の措置ができない。国家全般の予算から募りましようし、予算上のいろいろな関係から一なかなかそれができないという現実から、非常に遺憾でありますが、若干の受験生の負担を重くすることは非常に残念でありますが、その結果から見て、却つて一方においては、受験生の気持も軽くなり、又立派な試験の採点をしてもらうというような面も十分考慮されると思うわけでありまして、又同時に、現在の一般の受験料というものの標準から見ましても、現在の物価指数から見ましても、まあこの程度は止むを得なかろうというようなことで、この受験料の値上げを計画したような次第でありまして、将来も只今の御意見の趣旨に副うような問題については全般的に十分に考慮しなければならんと思いまするから、どうかそういう意味におきまして、受験料の問題も御了解願いたいと思うわけであります。
○赤松常子君 審査員に対する謝礼、それが非常に少いということをおつしやつておりますが、これは私ただ審査員のみならず、日本の国家というものが、大学の教授に対する俸給が如何に安いかというようなことから関連いたしまして、非常に残念だと思うのでございます。それは私国家自体がもつと学問を尊重し、科学技術を尊重するという風潮が高まらなければならないと思うわけでございますが、だからといつて直ぐ国家が負うべき負担を、私零細なる貧困家庭の子弟が多く受ける受験生に負わせるというところに、本当に割切れないものがあるのであつて、先の法務委員会では、一回の先生に対する謝礼として五万円くらいあげておいでになるそうでございますが、本当にお気の毒であれば、十万円差上げるなり、十五万円差上げるなり、これは国家が十分予算を組んであげるべきであつて、だから私はこれを上げるということには、これは不満は感ずるのでございます。それからもう一つは、いろいろこの資料を拝見いたしまして、値上の種類及び額を見てみますと、二百円が一挙に倍額以上に五百円に上つておるというのは、今回が初めてのように思うのでございまして、少しその点上り過ぎておるのが残念だと思うのでございますが、これをもう少し倍額以上に上げるということについて、どういうお考えだつたでしようか。
○政府委員(三浦寅之助君) それは御意見は全くその通りだと思うのでありまして、これは非常にそういうような点が残念に思うのであります。ただ現在の実情、現実はそういうような実情の上において試験が行われ、予算が取られるという実情において止むを得ず実は一般の標準と同時に、実は御承知の通り司法試験は非常にむずかしい制度でございまして、採点にも非常に骨が折れる、試験委員のかたが非常に苦労されるというような点もございまして、別に十分な根拠というのはどうこう御説明できないと思うのでございますが、大体このくらいという程度においてやつたのでありまして、別にそれが二百円が五百円、千円が二千円なんというような理論的根拠は、これは大体一般の現在の客観的情勢で、まあこのくらいなら止むを得んだろうというところで、一応このくらいにしております。その代りに反対に、御趣旨に副うような方面において、むしろ受験生の負担の軽減のほうには又全力を尽して、そうしてむしろ受験生のために負担の軽くなるような処置、試験場の増設とか、或いはいろいろの問題を考えて、より以上の、負担を重くしたより以上の効果を収むるように法務省の当局におきましても全力を尽して努力したい、努力するということをお約束申上げて御了解願いたいと思います。
○赤松常子君 もう一つお伺いしたいと思います。この資料で司法試験の受験生が七千九百名、約八千人いらつしやいまして、受験地が六カ所、それから、公認会計士の算験生と、それから開催地の宿泊、これを見てみますと、人数が多いのに開催地が少いというふうなことがやはり汽車に乗る費用、或いは滞在費の費用の増加、遠方からいらつしやる結果、非常に経済的に負担が重いわけなんですが、これほどたくさんな人が受験なさるのですから、もつと受験地の数を多くして頂くということはお考えでございましたでしようか。
○政府委員(三浦寅之助君) これはもうできるだけ、今年は一カ所に予定したのですが、将来におきましてもこれはどうしても試験を受けるほうの実情から見ますれば、非常に生活が困るばかりでなく、長年これは御承知のごとく苦労されて、家庭を持つて長い間家庭を犠牲にされて受験されるかたも非常に多いのでありまして、私ども若そういうような経験を持つておるので、受験生のためには実は非常に考えて、受験生のためにできるだけの試験所を予算の許す範囲において多く設けまして、そうしてそういうような便宜を受験生のためにできるだけ図るという方面におきましても全力を昼して努力しようと考えておりまするから御了解願いたいと思います。
○楠見義男君 赤松さんの只今の質問の最初の質問なんですが、手数料の性質の問題について、私は実は政務次官のおつしやつたのとは全く逆の意見を持つておるのですが、これは私の考え方が違つておるかも知れませんが、私ども承知しておるところでは、手数料でも、例えば行政手数料、特定の人の便益に供する特定の手数料というものは、これは実費弁償といいますか、できるだけ賄つてやるが、ただ警察許可手数料のように、或いはその他の行政的な手数料というものは、言わば警察許可手数料、こういうものは、本来ならば無手数料が原則で、特に、従つて旧憲法当時の特別の勅令等で手数料の徴収権能が認められたというような事例があるのですが、一般の行政手数料は今申しましたように、本来は実費弁償的に徴収すべきものである、こういうのが私は行政手数料の原則的な性格じやないか。ところが今おつしやつたように、本来はこれは国家で持つべきものである。こういうのが原則であるとすれば、今回の手数料というものは引上げすることは私は適当じやない、本来の国家の費用で賄うべきものに対して逆行するのですから、これは私は適当じやないと思うのですが、そうでなくて、本来は実費弁償であるけれども、できるだけ一般的に、費用は貧困なかたもあるだろうし、これから国としてはできるだけの補助をして賄つて行くのだ。こういうのであれば又別なんで、この法案の点も或る程度納得できないことはないと思います。それはその後の物価の事情とか、或いは試験場を殖やしてそれだけ便益を増して行くとか、そこで根本の考え方、行政手数料の性格といいますか、考え方の置きどころによつてこの増額が当であり或いは不当であるという問題になるのですが、その点私ははつきりして頂きたいと思う。
○政府委員(三浦寅之助君) 私は司法試験というものを考えると、御承知の通り試験に合格した者は現在の制度においては二年間の修習によつて当然国家の司法官、いわゆる判事なり検事なり弁護士というふうになるわけでありまして、弁護士ということを考えれば、これは一種の資格試験であり、同時に又そういうような手数料を取つても、これは今のような御意見も成るでしようし、又同時に国家が当然必要であつて、判事なり検事なりを採用するためにしなければならんということになれば、先ほど赤松さんおつしやるような私は意見になるのじやなかろうか。そうすると試験というものを考えると、両方面の意味の、あなたの御意見と赤松さんの御意見のような両方面のような性格を備えておるのじやなかろうかというふうに実は私は考えておるのですが、そういう意味において一方においては資格を与える行政手数料の問題もあるでしようが、又一方においては国家が必要に応じて資格のある司法官を採用しなければならんということから見れば、これは私はでき得れば国家が必要があつて、いわゆる公務員の採用試験という幾らか性質が違うか知れませんが、そういうような必要な試験においては、やはり国家が当然負担しなければならん性質のものじやなかろうかというように、司法試験という両のは方面から考えるべきものじやないか。そういうような意味で私はさつき、或いは私の答弁したのがこれは間違つておると……、私はまだ御承知の通りこういうところに立つのは初めてで、純然たる野人ですから、わかりませんが、私はそういうふうな方面において、実は司法試験というものを考えておるわけです。ですからそういうような意味において私もできるならばこれはまあ試験の手数料が非常に安いほうが……、併しながら国家のこういうような試験とか或いは教育というようなところを見ても、或る程度のやはり授業料も取つておるのですから、別にそれが全然ただでなければならんということまでも考えませんけれども、併しこれが単なる資格を与えるというのと、幾分そこに性質が違うのではないか、そこで司法試験というものは両方面から性質を備えていると解釈してもいいのではないかと考えておるのであります。又間違いがあれば政府委員から御訂正になつても結構です。
○亀田得治君 私今の性格の問題ですね、これはやはり司法試験の場合にはこの表に書いてある公認会計士、そのほかの試験に比較いたしますと、やはりこれは国家的な性質が随分濃厚なものじやないか、出発点はこういうふうに実は考えているのです。そういう立場から、できれば、こういう受験料は全廃してもらいたい、こう考えておる。そういう性格から一つと、それからもう一つはやはり司法試験の場合には随分困つたかたが苦学してやられております。そういう実情ですね。実際の面から……。ただそういう面で言えますことは、余り困らない人もあるのです、相当数……。で随分開きがひどいですね。別に千円程度の受験料、それが負担になるというふうな苦痛を少しも感じない家庭のかたがたくさんあります。ところが全く逆な者が相当あるのです。而もそういうかたに限つて随分いろいろなことをして頑張つています。だからできますれば、若しどうしても幾らか取らなければならぬという立場をとるのであれば、何か例外規定を設けて、そうして何か証明書でも出せば受験料を免除する。そういうことのほうが一番適するのじやないか。両方から案をずつと歩みよらして中途半端なところにする。こうなりますと、別にそれほどしてもらわなくつても、俺たちは簡単に出せるのだ、こういう人も相当あろうかと思います。出すという負担の面から考えるならば、この程度は簡単に出せる入も相当ある。そういうような実際の面から考えますと、何かそういう免除規定を設けられるような一つお考えはないでしようかね。
○政府委員(三浦寅之助君) 今のような御意見の趣旨において非常に困つておる、そうして受験されるかたが多いということは私はその通りだと思います。又御意見の通り受験料に困らないで試験を受けているかたも一部少数あることも言えるだろうと思いますが、それを一部免除するか或いは又区別をつけるということにつきましては、これは簡単には行かないだろうと思つております。そういう点につきましては、今後の問題として研究してみたいと思います。
○亀田得治君 簡単に行かないとおつしやいますけれども、ちよつと条文一カ条殖やしてやつてもらえば、割合簡単に行くのじやないかと思うのですよ。金額にしてそう大した金額になるものじや私はないと思う。そういう規案でができたからじや我も我もとそういう申請をして来る、そんなものじやないと思う。これはやはりこういう試験を受ける時代、は随分まじめに良心的にやつている青年ですからそんな……。而もその人の生活状態というものは、友人なり同僚、先輩がみんな見ておるわけですからね。そんなには私は出て来ないと思う。本当に困るのだというかただけが申請を出して来るだろうと思う。そうすればそんなに国家として減収にならないで、割合そのほうが筋が通つつ行くのじやないか、こういうふうに思うのです。だからこれはそう面倒じやないと思いますので、御考慮を是非お願いしたいと思います。
○政府委員(三浦寅之助君) 御意見の通り今後考慮したいと思います。
○委員長(郡祐一君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。 他に御質疑はございませんか……。御質疑がないようでありますから、質疑は終局したものと認めて、これより討論採決に入りたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めて、これより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○赤松常子君 私誠に残念でございますけれども、涙を呑んで賛成いたします、本当にいろいろ研究して参りますと、解決しなければならない根本的な問題が、この受験料の問題をめぐりましてもたくさんあることを発見いたしました。どうぞこういう問題が誠に適正に解決されまするように希望いたしますと同時に、受験者に対する便宜を十分に政府として御考慮を願い、本当にいい試験が行われるように、又試験官にも相当の待遇のできるように御考慮願いたい。こういう試験が本当に所期の目的を貫徹するような改革に向つて進むことを要望いたしまして賛成いたします。
○委員長(郡祐一君) 他に御発言もないようでありますから討論は終局したものと認め直ちに採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(郡祐一君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。 なお、例によりまして委員長の本会議における頭報告の内容その他は便宜委員長に御一任願います。本案に賛成のかたの御署名を願います。 多数意見署名 楠見 義男 宮城タマヨ 加藤 武徳 赤松 常子 小野 義夫 棚橋 小虎 亀田 得治 一松 定吉 —————————————
○委員長(郡祐一君) 逃亡犯罪人引渡法案の修正の点について政府から説明を求めたいと思います。
○説明員(津田實君) 逃亡犯罪人引渡法案につきましては、衆議院の法務委員会におきまして修正案が提出されましてこれから申上げまする通り修正になりました次第でございます。 修正案の全文を一応読上げますと、 逃亡犯罪人引渡法案に対する衆 議院修正案 逃亡犯罪人引渡法案の一部を次の ように修正する。 第九条中第三項を第四項とし、第 二項中「前里」を「第一項」に改め、 「逃亡犯罪人」の下に「及びこれを補 佐する弁護士」を加え、同項を第三 項とし、第一里の次に次の一項を加 える。 2 逃亡犯罪人は、前項の審査に関 し、弁護士の補佐を受けることが できる。 第十四条第一里中「引き渡すこと ができ、且つ、」を削り、同項及び同 条第三項中「引き渡すことができ ず、又は」を削る。 第二十二条第七項第三号中「、引き 渡すことができず、又は」を削る。 以上の通りでございまして、別にこれに対しまする修正理由として衆議院で説明されましたところを次に申上げます。 政府提案の原案によれば、裁判所が引き渡すことができると裁判をした者に対し、更に法務大臣が独自の立場から引渡すことができるかどうかを判断し、且つ、その上に引渡すことが相当であるかどうかを判断した上、その裁量によつて引渡命令を出すべきものと解されるが、これでは引渡すことができるかどうかという法律的適否に関する確認的裁判に対し、何等の拘束的価値を認めず、政府が重ねて同一の争点について自由な判断をなし、その措置上裁判所の決定を無視した結果になる場合もでき、それでは折角、逃亡犯罪人引渡手続の過程において、人権擁護と近代的立法のため、その司法化を図つた精神が没却されるので、この誤解を解消するため、この点を修正案のごとく原案から削除し、而も他方では、依然として引渡命令を出すべきかどうかは、右の裁判の上に立つて法務大臣がなお引渡すことを相当とするかどうかを大局的見地に立つて判断し、その自由裁量によつて決することができるように規定いたしておいて、引渡命令そのものの性格が終局的にはやはり政府の自由裁量により、而もこれは先ほど政府の質疑応答にも明らかにされたごとく、法的判断を含んだ上の裁量処分であるから、これに不服な引渡犯人は行政訴訟を提起することができるとなし、この新制度の司法化と行政との調節を図らんとするのが、本修正の最大眼目である。 なお、引渡の審査に弁護士の補佐を受け得るように修正した点は、引渡犯罪人が引渡の適否に関し、裁判を受ける際、その人権を擁護するため近代的訴訟の原則として弁護権を保障されることからして当然のことと思料し且つは本法案が極めて国際性を有し進歩せる諸外国における同様の人権保障の立法に対応せしめるため、当然修正する必要性を認めた次第である。こういうことであります。
○委員長(郡祐一君) それでは本日はこの程度を以て散会いたします、 午後四時十七分散会