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16回国会参議院1953/07/24

法務・地方行政連合委員会 第1号

発言数
40
登壇者
8
会派数
3
開催日
1953/07/24

会議録

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 只今から法務・地方行政連合委員会を開会いたします。  先例によりまして法務委員長である私が委員長を務めさして頂きますから、どうぞ何分よろしくお願いいたします。  本日の議題は刑事訴訟法の一部を改正する法律案でございまして、本案につきましては地方行政委員会におきましてもすでに関係部分については政府から説明を聴取されたやに伺つておりますので、これより直ちに質疑に入ります。連合委員会は本日を以て終了いたしたいと思いますから、成るべく地方行政委員のかたがたの御質疑をお願いいたしたいと思います。御質疑のおありのかたは御発言を願います。只今出席しております政府委員は岡原法務省刑事局長、斎藤国警長官及び下牧参事官であります。

館哲二緑風会

○館哲二君 地方行政との連合でありますが、地方行政としては刑事訴訟法全体の問題に亙る必要もないので、極限いたしまして関係のある百九十三条の改正と百九十九条の改正について少しお聞きしたいと思うのであります。  現在の法の体系を見ますと、大体警察法にいたしましても、それから検察庁法或いは刑事訴訟法というものを通じて見まして犯罪の捜査というものとそれから公訴と裁判というものが三つ別々に考えられておるのじやないか。前のように公訴と捜査とは一緒になつているという建前がとられていないと思うのであります。そして捜査については警察がそれに当り、公訴については検察官が当つて行くという建前であると思うのであります。これが私は今日の法の体系でもありますし、そういうやり方であつたほうが非常に民主的であると思うのでありますが、これにつきまして法務省のほうではこの体系をやはり維持、現在そうであり又その体系を将来も維持されようという考えをお持ちなのかどうか御意見を拝聴したいと思います。

岡原昌男法務省刑事局長

○政府委員(岡原昌男君) 現行刑事訴訟法の建前と申しますのは、只今御質問にありますようなのと若干線が違つておるわけでございます。と申しますのは、捜査と申しますのは刑事訴訟法の条文に明らかな通り、司法警察職員並びに検察官両方がやることに相成つております。御質問の点は百九十三条に関する点と存じますので、その点を中心にこれを申しますならば、さように捜査の機関がばらばらになつておる、それを一体どういうふうに統括、統合すべきであるかという点と、公訴官たる検事がその公訴官たる地位から当然一つの制約を持つて来る必要がある。これが訴訟法の建前でございます。もつと簡単に申しますと、各地にばらばらに公安委員会の下に捜査機関がある。その捜査がそれぞれの思い付きでいろいろなことをやる。併し結局は全部検察官にかかつて来る。検察官は捜査官であると同時に公訴を提起いたします。自分で捜査いたしまして公訴を提起いたします。そのばらばらの事件が各地でばらばらでであつては困るので、それは百九十二条において一応協力してやるべきものであるけれども、その協力関係で賄えない場合に云いては百九十三条の一般的指示、指揮或いは具体的指揮ができる、かように我々は理解しております。従つて公訴という面から、公訴官たる地位から検察官が事件を見ますると、従つてそれは当然捜査の段階まで見通した一つの線を出さなければいかん。これが百九十三条の趣旨と考えております。従つて捜査と公訴、それから公判というものを完全に細別するということは、これは訴訟の段階としては一応はわかるのでございますが、その間の連絡というものがある、それがこの規定に現われておるのであります。かように御理解願います。

館哲二緑風会

○館哲二君 警察法には警察の一番大事な仕事、今日で言えば一番大きな仕事は警察法に書いてあるように犯罪の捜査及び被疑者の逮捕、これが大きな問題だと思います。刑事訴訟法に書いてあるのを見ましても犯人の捜査をするものは、第一段階、第一次には司法警察官であることはこれはもう今でも同じであると言つて間違いのないことかと思うのであります。又公訴というものを提起されるという上から言つて、捜査が前提になることは、これは申上げるまでもないのでありますが、法の全体の体系から言えば、少くとも捜査についての主体性は警察側にあるということは、これは否定できない問題だと思うのであります。その意味からしまして、常に両方連絡をとらるるということは非常に結構だと思うのでありますが、今日私は百九十三条が現在のような状態であつても、今の目的は達せられて行くのじやないかと思うのでありますが、実際の上においてこれは非常に不都合だということが考えられるのでありますか。

岡原昌男法務省刑事局長

○政府委員(岡原昌男君) その点までお尋ねでございますと、破防法のごたごたを申上げなければならん破目になるわけでございます。ざつくばらんに申上げますと、昨年春でございますか、破防法が国会の相当な難航を経まして法律として出たわけでございます。その際に国会の非常な御苦心によりましてこの法律が濫用されないようにという枠をはめられたわけでございます。私どもといたしましては、その捜査に関与する者としてこれを如何に濫用を防止するかという点につきまして、昨年七月七日私の部屋に国警の担当官、自治警の関係として警視庁の担当官各二名ずつ並びに高検、地検の検事、それから当時の特審の部長がお集り願いまして、その点について協議したわけでございます。その際に百九十三条の一項によつてこの捜査をむやみに着手しては人民の権利を不当に制限する虞れがあるからして、その着手の際には具体的な事件ごとに検事正の指揮を受ける。それを検事正の自分だけの判断でせずに、だんだん上の方に上げて来て、結局当時の法務総裁ですが、それの決裁によつて着手する、かような措置をとつたわけであります。その打合せをいたしまして、協議が整つて、その日の夕方ですか、或いは次の日になつてですか、忘れましたが、国警のほうからこれは困るという御意見がありました。どこが困るのだと言つたら、検事が捜査に関与するというのは、以てのほかだというのが最初の反対の理由だつたのでございます。それは百九十三条の読み違いではないか。我々のほうとしては当然これはできると解釈していいというようなことで争が始つたのでございますが、その当時どうしてもそれが理論的には私のほうは正しいと思つておりますが、解決せずにそのまま破防法の指示が出された、こういういきさつがございます。只今になりますると、私どもは捜査に検事が干与できないというのは、百九十三条のどこから出て来るのだろうか、ちよつと疑問に思うのであります。その点を国警側に十数回に亙つて私のほうから意見を申述べました結果、国警は自分の意見をその点について支持することは恐らくできなかつたのだと思いますが、最近に至つては何かそういうことを言つている人もあるやに聞くがという調子に説が変つて来ております。従つて私どもとしては百九十三条については、若しその点が国警のほうでこういう御意見であれば、私は今回の改正は必ずしも必要でないというくらいに考えておる。これはざつくばらんな話でございますが、ただその点について御承知願いたいのは、約一週間、十日前くらいに国家公安委員長の名前で出されました朝日新聞に対する投稿の中に、やはりそれと同じような思想が盛られております。かように誤解がどこまでも続くということは、これは後日のために訂正しておく必要があろう、かように考えます。又それは同時に単に国警の首脳部が了承したところで、下、或いは自治警察においてもこれを了承する限りでないかも知れない。そういう点についてははつきりしようというのがそもそもこれの原案を出し、且つこれを支持しているゆえんでございます。

館哲二緑風会

○館哲二君 私はどうも捜査に当られる警察と、それからその公訴に当られる検察側とがそういう相剋摩擦がいつもあることは非常に望ましくないことで、それなればこそ常に百九十二条にも、各段階における公安委員会なり、或いは司法警察と検察官とが連絡をとり、或いは警察法におきましては国家公安委員会と最高検察庁のほうと連絡をとるというふうに規定されているのでありまして、その円滑なるあれがあつていいと思うのでありますが、ただ検察側が公訴を実行するために必要なという限界は、公訴に必要であるということでことごとくの捜査に当つて、具体的に一切のことを指図しなければならないというような解釈をとることになりますれば、前の検事が捜査権を持つていられることと何ら変りがないようた感じを受けるのでありますが、その点如何でございますか。

岡原昌男法務省刑事局長

○政府委員(岡原昌男君) 公訴の実行という言葉を恐らく公訴の提起というふうに読んでおられるのじやないかというように思います。と申しますのは、具体的公訴権の公訴という文字の意味でございますが、公訴と申しますのはある犯罪が発生し、或いは犯罪があると思料した場合に、具体的に発生するいわゆる具体的公訴権と申す性質のものでございます。この公訴の実行というのは、要するに具体的公訴権を捜査によつて確定して行く、そういう段階のことを申すわけでございます。従つて単に起訴するわけではなくて、起訴不起訴を決するのも当然その中に入つております。従つて単に起訴する、公判を請求する、或いは略式命令を請求することのみを申すのではなくて、公訴権を実行するために実は本人が悪いことをしたかしないか、それを確定し、その罪の度がどのくらいであるか、従つてそれは起訴すべきかすべきでないかということを確定するについて必要なというふうなこと、つまり具体的な公訴権を実行するために必要だ、かように見るべきことと、これはほぼ事実上私は一致していると思います。

館哲二緑風会

○館哲二君 公訴を実行するために必要なという意味からして、捜査の初めの段階から検察官がこれに干与しなければならないというような考え方であるとしますれば、前の旧刑事訴訟法と何ら変りがないという感じを受けるのですが、この点は……。

岡原昌男法務省刑事局長

○政府委員(岡原昌男君) 公訴の実行全体として見ますと、今も申上げました通り、具体的な公訴権が発生すると同時に、検事はそれに干与して行く職権もあり、義務も発生するわけでございます。もとよりすべての事件について第一捜査責任者たる警察官をはねのけて、検事がやるということは考えてもおりませんし、又それは事実上不可能なことでございます。ただ若しもその捜査がその捜査の第一段階において間違つておれば、それは途中幾ら訂正いたしましても、これを訂正しかねる場合がございます。例えば最初から逮捕の手続が間違つておる、或いは調べが拷問によつてなされた、或いはもつと証拠を集めてから身柄を引張るべきを、たやすく身柄を勾留したというようなことから伴う捜査上の一番の欠陥は、起訴、不起訴を決定する上に、つまり公訴を決定するかどうかという上に必ず響いて参ります。これは決して観念的にそれとこれとは別だという議論は成立たないのでございます。検事はすべての尻拭い、簡単に申しますと尻拭いをやる役目でございます。今までのあらゆる材料がその尻拭いの一つの資料になつて参る。従つて最初の材料が悪ければ、その結果がおのずから悪いということになつて来る、そこで最初から適正にやつてもらいたい、その方針を示す。かようなことになつておるのであります。

館哲二緑風会

○館哲二君 そういたしますと、どうも今の御答弁で見ましても、何か初めから干与しないと安心ができないというような印象を非常に強く受けるのであります。今日までこの百九十三条によつてやられて来た国警側としてその点はどうでありましようか。私は国警といたしましても、捜査権を持つておられる以上は、将来それは公訴に移すべきものであることは予想せられておる問題だと思うのであります。そこでよほど慎重にやられると思うのでありわます。警察のやり方に一向信頼されないのだというような何か印象を受けるのでありますが、国警側としましてはこの捜査についてどういう態度をとつておいでになるか、その点を一つ承わりたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○政府委員(斎藤昇君) 警察といたしましては、只今御質問、御意見の通り、警察法から見ましても、或いは検察庁法から見ましても、警察は警察、して捜査の責任を持つておると同時に義務も持つておると思うのであります。ただ公訴の実行と捜査とは、これは密接な関連をしなければなりませんから、協力はいたさなければならない。このことは警察法にも、刑事訴訟法にも明記をされておるのであります。検事といえどもやはり捜査の権限を副次的ではありまするが、持つておられまするから、検事のやられる捜査と、警察のやられる捜査というものの間には、やはりこれは緊密な連絡とか、或いは場合によつては指揮、或いは指示の関係がなければならないと思います。これらの関係は百九十三条で明らかにされておると思うのでありますが、併し百九十三条の解釈は、只今も館委員から御説明がありましたように、今の刑訴の立て方、いわゆる捜査の段階を警察の捜査段階と、それから検事の捜査及び公訴実行の段階、それから裁判の段階、こういうものに分けて行うことが捜査の適正を期し、或いは人権の保障をなす最もいい方法として私は新刑事訴訟法に盛られていると思うのであります。以前の司法警察員はすべて検事の指揮監督の下において、司法警察職員の職を果したのとは、全く変つたわけでありますから、従つて個々の検察官と司法警察官との間の関係は変らなければならないと思うのであります。百九十三条第一項のごときは、かような意味で訴訟限度の例外行使において、捜査と関連する場合の最小限度の例外でなければならないと思うのであります。如何なる公訴の実行も捜査と関係せざるものはないのでありまして、さような意味から申しますならば、この百九十三条の第一項というのはこれはオールマイテイでありまして、この運用如何によつては、すべての事柄を検事の指示の下に置かなければならない。而も具体的捜査に当つて、個々の事件についてまで、事前に検事の承認がなければ、捜査に着手はできないということも、第一項で何かこういうように、法務省の解釈はなつて来るのは当然だと思うのでありますが、この解釈をさように押し広めますと、警察の独立捜査ということも全然無意味になつてしまう。而も警察は公安委員会の統轄の下に、責任の下に、この法律に与えられた捜査をするという責任を持つておるのであります。にもかかわらず百九十三条が広汎に解釈されますというと、この捜査及び逮捕につきましては公安委員会或いは警察の監督者も全然権限がなくなつてしまつて、すべて個々ばらばらの司法警察職員が検事からの指示のみによつて行われてしまう。そうなれば警察法に捜査逮捕の責任があるとありましても、これは全く空文になつてしまう。極端に言えば、さようになると思うのであります。従いまして我々といたしましては、百九十三条はできるだけ厳格に、狭義に解されなければならないと、かように思うのであります。個々の事件を指揮する、直接個々の事件について警察の行う捜査を或いはチエツクしたり、或いはこれを直接指揮したりするような内容は、百九十三条で含むことは行過ぎな解釈である、かように我々は考えておるのでございます。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ちよつと申上げますが法務大臣は衆議院の法務委員会と、参議院の予算委員会双方から出席を求められておるそうでありますので、大臣に対する御質疑を先にして、御質疑のおありの委員から御発言を願いたいと思います。

堀末治自由党

○堀末治君 私大臣にお尋ねを申上げたいのでありますが、これは私与党の立場にあつて、少しく大臣に対して皮肉な質問になりますが、どうぞその点は悪しからず……。私はこう思うのであります、最近政府では占領中の行過ぎを是正すると言つて、いろいろな法律を改正せられたのでありますが、これは当然占領中にいろいろ向うの風俗習慣で押しつけられたところが多分にございますから、どうしてもこれは日本の人情、風俗その他伝統、歴史等に合せて改正せられるべきが当然だと、実はかように思うのであります。併しその行過ぎ是正という考え方を私大臣に伺いたいのは、これは甚だ皮肉かも知れませんが、昨年警察制度の改正が提案されました。私平素大臣はたくさんの政治家の中でも非常に感覚の鋭い進歩的なかたで、実は非常に尊敬しておりましたのですが、昨年のあの警察制度の改正のときには、むしろ前進でなくして、数歩後退したという感じを受けたのであります。与党の私でさえもそういうような感じを受けるのですから、あれが解散でもなくて、本当に委員会の審議にかけられたらば、本当に問題になつたのではないかと思うのであります。幸い解散で、あの法案が陽の目を見なかつたのでありますが、併し非常に進歩的でいらつしやいますかたがああいう改正を出されたというところに、私非常に大きな失望と疑問を持つのであります。従いまして今度の刑事訴訟法、私こういう法は全然不得手で何にも専門的な知識を持ちませんけれども、何かやはり戦前の刑事訴訟法に戻つて行くような、僅かの字句の修正ですけれども、感じを持つのでありますが、そこで私は一体行過ぎ是正ということに対して、大臣はどういうお考えでいらつしやるか、先ずそれをお伺いしたいと思うのであります。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 現在の刑事訴訟法が占領治下においてでき上つたということは、只今御指摘の通りでございまして、長い間大陸的な考え方になじんで参りましたところへ突然英米法的な新らしい感覚が入つて来て、その英米法的な新らしい思想の注入には幾多の美点がございます。併しどうしても日本の国情に咀嚼し切れないものができて参りましたので、法務当局としましては、過去四年有半見守つて参りましたゆえんのものは、こういう刑事手続の基本法を、すぐに不便だからといつて、改正するのは、軽率のそしりを免れませんので、大体神様でない人間の作つた法律を直すのは、又人間であるのでありますから、四年とか五年とかいう時の経過の物指を以て見るということが、一番政治上措置としては適切だ、こういうふうになつて来たのであります。すでに四年有半で運用の妙を以てしてもなお且つどうにも不便だということがでてきまして、それでは根本的な改正はよほど慎重に、なお時日をかさなければならないが、どうしても運用上困る点についての、差当りの修繕工事はどことどこでありましよう、ということを法制審議会に諮問をいたしたのであります。この法制審議会は御承知のように、学界であるとか、在野法曹とか、実業界、国警側だとか、その他裁判所のかたも混つて頂きまして、前後三回に亙つて詳細な答申を頂いたわけであります。その結果、この度御審議願う改正案になつたのでありますが、単に人権をゆるめたか締め上げたかというだけの小さな角度からこの改正案を眺めたらどうなるかという御質問が仮にありましたならば、それは控訴審における事実取調べの範囲を拡げたこと、その他二、三の点を除いては、只今御心配の余り御指摘になりましたような、人権を拘束する箇条が多いのでございます。それは誠にけしからんではないかということになるのでありますが、結局これは人権の尊重と社会全体の福祉との調和から考えて、止むを得ないと思う点は、実は改正して御審議を願つておるわけなんでございます。止むを得ないという点について衆議院においてもいろいろ議論がありまして、諸点について修正が行われるような形勢にあるわけでございます。これは国会の意思の存するところであつて、政府当局としてはこれを尊重いたしたいと思つておるのであります。  そこで警察対検察の問題になりますが、百九十三条は、しばしば衆議院でも申上げて、先日、当参議院の法務委員会でも申上げたのでありますが、あれは解釈の区々になりやすいところを明瞭に再確認するところの解釈法的修正でありまして、あのために検察官の権限がもう一度一層伸びるということを予定はしてないのであります。在来の検察官の権限の存するところを明確にしたわけでございます。ところがここに実際問題として警察側の御心配になる点がありまして、私はここにおられる国警長官と連日連夜全く胸襟を開いて双方の話をし合いまして、これは幸いに妥結に至つたわけでございます。国警側、自治警をも含んででございますが、一番心配しておられますのは、一般的指示に際して、破防法の場合、検察側が警察側に出しました一般的指示が、一昨日の当委員会における法制局第二部長の説明によりますと、一般的指示の限界に達した強い指示をしても、併し権限内のことでありますから違法とは言えない、こういうお答えであります。そこでざつくばらんに申上げますと、警察側の心配がなお殖えまして、適法ならあの程度の強いのをどんどん出すのか、こういう点が一番の心配なのであります。一般的指示は改正せざる現行法においても認められておるのでありますが、その指示の出し方が、早く言えば破防法的強いものかどうか、こういうことでございます。そこで私は衆議院の法務委員会において責任を以て速記録に残しまして、破防法に際して出した一般的指示の内容は、真に止むを得ざる事情に出ずる例外的措置である、これを必ずしも先例としないということを申したのであります。且つ今日これも国警長官と打合せたのでありますが、今後一般的指示を出す場合に抜打ち的に出すということでは、あとにやはり問題を残しますので、あらかじめ緊密に連絡してよく協議をする。そのうちには例えば一般的指示を出したいと言えば、警察側でそれは私のほうで自分で捜査の規範に入れましようというふうな話合いも付く場合も恐らく多かろうと思うのでありますが、従つてそういう運用によりまして検察側の権力が警察側に対して一歩伸び直す、言い換れば旧刑事訴訟法に憧れを持つてこの百九十三条を読み直すということは絶対にさせないということを申上げたいと思うのであります。警察法の改正につきましてはいろいろこれ又御説明をいたすと三十分くらいかかりますので、今日は省かして頂きますが、丁度解散になりました当日、法務委員会、地方行政委員会の合同委員会におきまして、妥当なる胸襟を開いての修正意見の開陳が始まつておつたところへ午後解散ということになりました。従つてあのままでいても何らか良識ある中庸を得た結論が得られたのではないかと思います。  ついでに申上げて恐縮でございますが、いろいろさような経緯もございますので、このたび警察法の改正を考慮いたしますに際しまして、私どもの党派以外の考え方も虚心坦懐に、人の考えだから悪いに違いないなどという態度をとりませんで、虚心坦懐、これを考え直して、よきところはとり、又従来野党側で反対しておられたところも政府側がそういう気でやつていたならそう反対しなくていいという部分がありそうなんでございまして、そういう点を十分中庸を得たものを念入りに作つてみたい、こういうふうに考える次第であります。

堀末治自由党

○堀末治君 大変御丁寧な御答弁を頂きましたが、実は私はこの法案の細かいことをお尋ねしておるのではないのであります。いわゆる行過ぎを是正しようという要するに考え方の根本を実はお尋ねしているのであります。私はなぜこういうことをお尋ね申しますかというと、今度のこの法案では随分警察側のほうからいろいろな情報が私どものほうの耳に入るわけであります。何ぞや検察官の権力を強めるようにも私ども素人にも思われます。折角こう両建てに、裁判官と三つなら三つきれいになつたのを、もう一遍検察官側のほうに非常に強い権力を与える。これは実際私は刑事訴訟法の執行等のことは素人ですからわかりませんが、折角日本がこの大戦争の試煉を通つてアメリカの指導で憲法までああいうようなバタ臭い憲法を作つて、それで民主主義を建てて行こう。こういうことでいろいろな諸法律ができたのであります。私どもこれは参加しませんけれども、二十二年から国会におりましたから、随分アメリカにいじめられたことも記憶いたしております。そういう苦い経験でやつて来たのでありますが、実は私は民主主義というものにも非常に疑問を持つておりましたが、一昨年地方行政のほうでアメリカを視察しましたときに、アメリカのいわゆる民主主義なるものは彼らの生活にどういうふうに食い入つているかということについて特に注意して見て来たのであります。そうしていろいろな識者からいろいろな忠告を受けたのであります。その中でも彼らはこういう忠告をしてくれた。なかなか民主主義というのは実際にひまが要る。殊に日本のように長い歴史を持つた、長い伝統習慣を持つている国が、今直ちにアメリカの民主主義をそのままはめ込むということは非常に困難である。併し困難でも、確かに民主主義はあなたの国を将来栄えさせるためには決しておためにならないということはないということを固く信ずるから、気長にお育てなさい。而も育成せよという言葉で私どもに忠告してくれているのです。さようなことで、私どもは折角独立したことだからじやんじやんやれ、殊に明治年間の人は甚だ失礼ですけれども、あの日本が最も興隆した時代に育つているものだから、あの興隆した時代に憧れることはこれは止むを得ない。ですから、なるものならその時代に引き戻そうというような傾向が最近特に多いのでありますが、私はこれは折角あの大戦敗、長い間の占領で私どもはこれだけをかち得たのですから、これは私はどこどこまでも育成しなければならない、かように思うのであります。従つて政府といたしましてはあらゆる法律の行過ぎを是正することは結構ですけれども、その行過ぎが又行過ぎになつてずつと逆戻りをするというような考え方があつてはならないということを私は痛切に思うのであります。従つて今度のこの改正は、細かいことは知りませんが、よくよく不便があつたかどうかということに対しても私自身も疑問に思う。警察の諸君のお話を聞いてみても、警察側にもそれは多分に欠点はございましたでしようけれども、やはりこれらのことについては彼らも反省している点も多分にあると聞いておるのでありますから、私どもは今言う民主主義を育成するという意味において、もう少し辛抱しておやりになつたらどうか、先ほどの館さんの御質問に対してこちらから御答弁がございましたのですが、私ども直接触れたのではありませんが、やはりどうも館さん自身も何やらまだこだわりがあるように我々全然素人にもそう聞える。そういうところに日本の民主主義は全体に育成されておらないというところがあるのでございます。折角こうきれいな絹織で、警察は警察、検察は検察、裁判官は裁判官、余りにきれいに過ぎて日本はあらゆるものが細分化されていささか迷惑しているところもありますけれども、私はやはりすつきりした姿にきちんと置いてこれがおのおの分に応じて、よくのりを越えないで協議して行くというところに民主主義の非常にいいところがある。殊に検察、警察、裁判官ということになつて来ると、どちらかというと三者一体で不可分のものであると思いますが、そのどちらか多少でも権力を揮うというようなことになると、これは昔のような国を誤まつたああいつたような検察フアツシヨというようなことも私は現実に見ておることでありますから、この改正についてもどうかそういう点に大臣は十分心がまえを持たれて善処して頂きたいということを切に希望するのであります。従いまして私は一々細かいことは申上げません。館さんから大変御丁寧な質問が出ておりますから私はこれだけで私の質問を終りたいと思うのであります。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 堀さんの根本的な御心配というものは私も全く同感であります。私もしばしば体験いたすのでありますが、占領行政の行き過ぎということが行われるときには、必ず一部では昔の古い時代にうまく行つたら戻そうという動きが随所にあることを私は感じるのであります。そういうことがあつてはなりませんので、今度の改正でも一番留意しておりますのはその点でございます。法文は非常によくできているけれども運用で危ないという点は、大臣の声明、部内への訓令、或いは附帯決議を進んでお願いして、国会の決議によつて縛つて頂くということを率直に申上げておるのであります。結局法律というものは運用で白のものが黒に近くもなりますので、その点非常に心配であります。  それから英米法的法律思想の注入は幾多の功績はございましたが、同じ民主主義でも、大陸法的な民主主義に直したほうが実際うまく行くということは、例えば控訴審の事後審的なものを続審的にしたとか、英米法的なものを大陸法的に直したのでありますが、日本の旧刑訴の思想に戻したということはないのであります。  それから堀さんが今ちよつとお触れになつて、誠にいい言葉だと思いますが、余りにきれいに捜査権と公訴の実行に関する権力とを水と陸というふうに分けると双方がやりにくい。そこを直したのが百九十三条であります。恐れるところは、検察側がそれに便乗して法律の予想せざるところまで、又旧刑訴的な、検事が警察官の上に君臨するというようなことがあつてはならない。これはいずれ参議院でも御審議願いますけれども、衆議院を通過するときでも、私が喜んで声明もし、附帯決議も喜んでお願いするという形になつておるのであります。できるだけ注意はしておりますが、併し何分にも私不敏でございますから、その点はどんどん御遠慮なく、この法律は野党とか与党とか、そういう区別のない大問題でございますから、御叱正を願いたいと思います。

館哲二緑風会

○館哲二君 今法務大臣の御説明で私ども心配しております点が大分軽くなつたのでございますが、検察側から考えますれば、旧刑訴時代でさえやはり直接自分の下に捜査の機関を持ちたいという気分を持つておられたことは事実でありまして、私どもはしばしばそういうことに当面したのであります。非常にその最初から手がけて行くという問題は結構だと思うのでありますけれども、そこは現在の立法が捜査というものと公訴というものを分けたという点から考えて頂かなければならんと思うのであります。百九十三条は、今度の改正は単に現行法の解釈をはつきりしたのだと言われるのでありますが、世の学者の中には、いやそれは程度の差でなくて質的な変更を加えておるものだというような批評さえしておるのであります。どうしてもやはり建前として捜査については警察官が本来的な捜査の任務を持つものである。そうしてどうしても検察官の捜査に関するものはその補充だという建前はこれは厳守して頂かなければならんと思うのであります。今大臣は折角衆議院のほうで御折衝になつていられるようでありますが、できますならば一つそこらに適当な方法ができまして粉薬フアツシヨといつたような行き過ぎのない安心を与える修正ができ、立法ができますことを切にお願い申上げる次第であります。  百九十九条につきましても、申上げなくとも私どもの聞きたいと思つておるところはもうすでにおわかりと思うのでありまして、これにつきましても、憲法の建前から言つても、やはり司法官がここに干与して行くのは当り前でありまして、検察官がそれに中におつて同意を与えなければ動きがとれんという行き方は、これは少し行き過ぎではないかと思います。又この濫用という問題につきましても、半価警察に対してもこれは非常に注意を加えなければならん問題でありまして、警察官自身の資質の向上という問題、逮捕状請求について警察官をどういう程度にきめるかという問題について、私は解決の方途があると思うのであります。この意味におきまして一つ百九十九条につきましても善処されますことをお願い申上げまして、私は法務委員会のほうで適当に御処理を頂きますようにお願い申上げましてこれで質問を終ります。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 御注意一々御尤もと存じます。捜査の第一次的な責任者が司法警察官である。これは新刑訴の根本に規定されたことでありましてこれは動かすことができないと存じます。この百九十三条の改正は自分は反対だと言われました刑事訴訟法の研究家であります団藤教授の御意見も伺つたのでありますが、これは衆議院の公聴会で伺つたのでありますが、「捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするために」、「その他」という字が入つたために、公訴の実行を全からしめるという枠内において検察側が警察側に捜査の適正をこいねがう意思の反映が起るということは、その範囲内なら差支えない。併し「その他」を抜かしちやつて、はつきり捜査の第一次責任者に一々指図するという気持が仮にもあるなら自分は反対であると、こういうふうに言われたのでありますが、私はこの団藤教授の条件付の賛成のほうに賛成なのであります。リレー・レースで言えば、第一走者の駈け方を一々第二走者がとやかく言つたらうるさくて走れません。カーヴの走り方はこうやつて走つてくれ、今日は雨が降つたから曲り角は気をつけてくれ、そうすれば第二走者も任務を全うするゆえんだというような一般的指示の形、準則の形で、一般的指示として間接に個々のところに影響があるということはいたし方がありませんが、直接個々のケースに指揮をするということは私は分を過ぎたものだと思つております。そういう意味に解釈しておりますから、御承知願いたいと思います。それでは破防法についての一般的指示はそれをのりを超えているではないか。私はそう思います。これはあの当時破防法が両院を通過しますときに、国会側の御希望でこれは一つよほど気を付けてくれというようなこともありましたし、当時私は就任前のことで余り記憶がないのでありますが、あれはあれとして真に例外的なものである。今破防法的な一般的指示のように、捜査の前に一々検事の指揮或いは承認を受ける事件は頭の中にあるかと言えば、ありません。又一般的指示というものを出す前には、あらかじめこういうものを出したいのだがどうだろうと言えば、恐らく警察側でもこれは出してくれという場合もありましようが、多くの場合は、私のほうで規範に入れて自律的にやります、それで済むことならそれでやつて行けという話合いのほうが、率から言えば多くなると思います。百九十三条はそのように御了承願いたいと思います。  それから百九十九条は二つの場合が考えられるのでございます。これは斎藤君がおられて申上げにくいのでありますが、数多い警官の中には、ほんの僅かのものと思いますが、民事くずれその他で逮捕状の濫発ということが実は国会、在野法曹からやかましく私のところに言われて来ておるのであります。だからと言つて検察官のほうが遥かに優秀だから、この際旧刑訴的な、ところへ戻すという意味は毛頭ございません。ただ逮捕状の請求を裁判官にする場合、検事も同時にその内容を知りまして、そうしてその内容についての検事側の意見の反映が裁判官にあり、又同時に警察官にもあつたほうがいい、こういう考え方が一つあります。もう一つは、裁判官はその逮捕状の請求の内容が適法かどうかということは、御商売でありますから、すぐ判断がおつきになると思います。妥当であるかどうか、つまりこれは違法だ、こんなところまで逮捕しなくてもいいじやないか。それからこれは違法だが、今逮捕したほうがいいかどうか。ほかに連累があつたり、うつかり寝た子を起すことになつちやいけないというような妥当性の判断については、妥当性の判断がなし得るという者もおられますが、それは併し困難じやないか、そこまでは丙難じやないかという学者も相当おられるわけであります。又裁判所の意向を、この前髪議院の法務委員会で伺つてみますると、一緒に捜査したわけでないから、やはり違う角度からの意見の反映があつたほうが、なおやりいいような御意向でございました。そこで裁判官に対して、いずれはその事件をお受取りしなければならん側の公訴官の意見はこうでありますという意見の反映があつたほうが、なお十全を期するのじやないか。こういう意味でありまして、然らば館さんが御指摘になりましたように、そういうものが一体同意という字で非常に完全無欠に表現せられているか。世界一に適当な字かというお尋ねが仮にありますならば、私は世界一に適当であるという勇気はないのでありまして、それは今申上げたような枠の中の字ならば、実は余り私のほうではあえて争いをしないのであります。それじやなぜ同意をというので出したかという御質問がありますならば、法制審議会の御審議を願いまして、法制審議会では同意がよかろうということで 同意以外の字に変えるということになりますならば、従来法務省は法制審議会を尊重する伝統を持つておりますので、今一度開き直りますと、同意より穏やかな字という場合もあります上、強い字になる場合もありますので、同意という意味でざつくばらんに申上げますと、国会に辷り込んで、そうして国会の権威ある厳正な御批判を仰いだ。これが見栄も外聞もない実は真相なのでありまして、従つて同意という字で最後まで抵抗して争うという意思は持つていないのであります。

石村幸作自由党

○石村幸作君 法務大臣にちよつと……。簡単に二、三お尋ねをいたしますが、私はこの刑事訴訟法という専門の知識が薄いが、ただ地方行政委員会の委員として、地方まあ治安の維持、その面からお伺いいたしますので、従つて常識的であつて、専門の大臣から見ると、ピントが外れているかもわかりませんが、お許しを願いたい。この日本の警察制度、これが公安委員会それから国警長官、警察隊長、署長、こういうふうに組織的にでき上り、漸くこれが育成されて来つつあるというとき、検事の権力がこの中に介入する。そうすると折角育成して来た民主的警察制度というものが体形を崩す、破壊するというような虞れがないかと思うのであります。まあこれは丁度曾つて進駐軍が進駐中に、殆んどアメリカの指導でこの日本の民主警察制度を育成して来たにもかかわらず、進駐軍の法務関係の人たちがよく地方で手出しをして非常に警察運営にお困りであつたという事実は、もう我々もよく承知している。こんな点から考えても、今例を申上げたのですが、どうかと思うのですが、その根本方針について大臣の御所見は如何でしようか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 的確に御質問に答えが当てはまるかどうか。若し当てはまらなかつたら更にお尋ねを願いたいと思います。捜査の第一次責任者の警察官吏に一つ一つのケースで君、これはそうやらなければならん、これはそのくらい控えてくれと言つたら迷惑でありますし、捜査は遅れます。そういうことは私いけないと思うのであります。例えばこれは仮の例でございますが、国際関係の非常にやかましい傷害事件については逮捕するでしよう。こういうふうにしてくれとかいう一般的準則というものは私は出して差支えないし、現行法でも一般的指示は出すことを認めているのであります。但しこのたび捜査を適正に指示しという字を入れたからと言つて、個々のケースの指揮まではみ出ようというものではないのでありますが、随分多くの第一線の若い検察官などに意気軒昂としてそういう気持になるものもありましたら、これは本省の気持を誤ること甚しいものでありまして、直ちに当人に対して戒告いたすつもりであります。そういうわけでただ傷害事件の一般的指示を……傷害事件は微妙であるから話合いしたいという場合、話合いをすることになりますから、恐らく警察側としては、それじや私のほうで場合によつちや自分で捜査方針を変えます、それなら安心だという話合いが付くことが多いのではないか、その程度の一般的指示についての措置、計らい、活動は、ここにおられる国警長官もそれは承知しておられる。一番心配しておられるのは、破防法のときのような、捜査の前に承認を得るということですが、こういうことは再びあるまい。これは実に例外的措置であつて、今そういうものが次に予期してあるという観念は私どもにありません。ただ絶無だということは法律的に申上げられない。どんなことが起るかも知れん。絶無と言えないからやるのじやないかというのとは違うのでありまして、その点は一つ御了承願いたいと思います。百九十九条でも、今申上げましたように、常に事件を受取る公訴官の立場からその事件の内容を知れ、それについて逮捕状の要求が検察官から見てはどう考えているかという実際の反映が少くとも裁判官に対してあるということは裁判官も必要だとおつしやつているのでありまして、その程度のことは相み互いで相持ちでありますから、よろしいのではないか、こういうふうに考えております。

石村幸作自由党

○石村幸作君 私のお伺いするのは、今、検察官の権力の介入とか、そういう手続上のいい悪いというのではなく、そういうことによつて民主的日本の警察制度が揺ぎはしないかという根本をお伺いしたのでありますが、お気持は大体わかつたのです。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 私は根本的にはそういう気はありませんけれども、恐れるところは、根本的に異存はないが、万一起るとすれば、警察官対検察官の小さい処置をしないでそういうことが起るかということを私は心配している。その場合には、勿論全国次席会合とか検事正会合とか、……検事正会合ではたびたび言つておりますけれども、万一出先で起つた場合は本省の方針にもとることが甚しいものでありまして、直ちに時を移さず戒告いたしたいと思います。

石村幸作自由党

○石村幸作君 そこでこれは素人の質問に類すると思いますが、先ほどのどなたかの御答弁にもありましたが、古い制度では検察官の指揮監督の下に警察官が捜査に当つておつた。併し今は制度が変つて、そういうあり方ではない、検察官と警察官との関係というものは全然変つて来た。こういうお言葉で、御尤もなことでありますが、そうすると、この検察官と警察官は同じ捜査の立場から見て、その関係はどつちが上位であるとかどつちが下につくとかいうことはないと思うのですが、如何でございましようか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これは捜査の第一次的責任者主体者は明かに警察官でございます。ただ、どうせ警察官が今度は起訴するのでなくて検事の手で起訴するのでありますから、起訴する場合に調べ直しになる事件が多くては困りますので、あらかじめこれを第二捜査者として第一捜査者に大体のことを、必要な場合には一般指示で希望を申出るというのが百九十三条であります。そういうふうに御承知願いたいと思います。

石村幸作自由党

○石村幸作君 検察官と警察官が、そういう立場にあるのにかかわらずこの同意を要する、同意権を検察官が持つということになると、その立場は上位の立場に立つような、優位な立場に立つ……どうも言葉がしつくり行かないかもわからんけど、そういうふうに我々から見ると考えられるが、如何でございましようか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これも御尤もでありまして、只今館委員に申上げましたように、これは世の中で考えられる一番適当な字とも思いません。ただいきさつを申上げますと、この前の国会に……通常国会でしたか特別国会でしたか、警察法の御審議を衆議院にお願いする直前に、この問題をここにおられる斎藤長官、清原法務次官と私と三人で仲良く相談し合つたわけであります。その相談する前の原案は承認を得べしという、私はそのときに、今、石村さんのおつしやつた通りのことを言つたのであります。承認では、検察官が椅子に座つて警察官が立上つて許可を求めるようなことが想像できるから……これは同等の意味で同意にしようじやないか。その当時は三人が、それがよかろうということになつたのでありますが、当時は状況が違つたのであります。それは、警察法の改正によつてとにかく何かの形であれ警察組織が強化する、そうして国民もそれに対して不安を持つというような声も出ているから、検察官はそこはチェックするという形で、多少只今館委員に御説明いたしたよりも強い立場を三人で想像したわけであります。それで同意という字にしたのでありますが、承認から同意にするときに、同等だという観念でしたのであります。併し警察法も出てない折柄、同意という字だけそこに残つてるんじや困る。こういう国警側より申出もありまして、まあそれもその立場になれば言う気持はわかるということでありまして、とにかく先ほど申上げたように、法制審議会の議を経ておりますので、ざつくばらんに申上げますれば、国会の審議中に三人で相談しようという結果、すでに妥結を得た字があるのでございまして、私どもは、石村さんが同意という字はちよつと強過ぎやしないかという、その気持は十分わかるわけでございます。

石村幸作自由党

○石村幸作君 さつき法務大臣のお言葉で、警察官の下級というか、悪質なものが、例えば民事くずれ等の取扱いの点で遺憾の点があるというようなお話がありまして、我々も確かにその通りと思います。併し真実又考えようによりますと、警察官の下級な者が検事の……今さつきの遺憾の点のある警察官と同じような種類の検事と、早く一口で言えば、ぐるになつてそういう悪質というか、好ましからざる行為をするということが起るような恐れを非常に持つているものであります。そこでそういうことを言つてもなんですから、結局こういうふうな点は警察自体の自粛といいますか、公安委員の制度もあるのでありますから、そういう組織を十分に活用して、自粛矯正するというような、そういう、警察官に対してそういう自粛をさせるというようなお考えでございましようか、それで足れりというお考えでありますか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) これは御指摘の通りでありまして、警察官の数多い中の質の足りないものと、検察官の数の多い中の質の足りないもの、……一番下のほうの者を比較すれば、私はどつちもどつちだと思います。ですから私はそれはどうしたらいいかと申しますと、検察官がチエツクしたら急に警察官が自粛して直る、こう思いません。一番大事なことは、例えばアメリカやイギリスの警察官のように、非常に教養を高め、警察大学とか警察高等学校というものの施設を十分予算を頂いてやり、それからやはり俸給がよくなつて生活に心の裕りが出ないといけないのじやないか、根本はそれだと思います。併し私の申上げるのは、質が悪いから検察官がチェックするという意味でなく、いずれ第二番目の時期に至つては犯罪と同時に公訴の実行ということが生ずるのでありまして、起訴不起訴を含めて公訴の実行を次のバトンとして受取るのは検察官でありまして、その立場から犯罪のおおよその方針はこうあつて欲しいという意思の反映をしよう、こういう意味にほかならないのであります。本当に警察官がよくなるのは、警察官自体の問題だと思います。

石村幸作自由党

○石村幸作君 お忙しい際ですから、いろいろお伺いしたいけれども、この点でとどめますが、この改正法律案が出まして非常に問題になつて、世間でもこれは検察側と警察側どの権力争いである、縄張り争いであるというような、非常に面白くない批判が飛んでおります。特にその争いの中にはお互いに人権擁護を押売りにしてやつてるというような、非常な今物笑いになつてるように私は考えて遺憾に思つているのでありますが、今まで大臣の御答弁のお言葉等をいろいろ裏表を考えますときに、これは先ほど来いろいろ各委員からお話がありましたいわゆる警察制度を根本から変革する結果となり、又権力の集中の恐れというようなことも円満に除去されて、立派な運営ができるような案がまとまるのじやないかと考えられますので、よろしく慎重にお取扱いを願つて、治安の面を心配している我々として憂慮している点を、一つ十分お含みを願いたいと思いまして、私の質問を終ります。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) 全く御同感でありまして、極く飾らずに申上げますと、検察側警察側にいろいろ長い間のいきさつがありまして、私はこの点は私の在任中できるだけ解決をしたいと思いまして、両方に率直に話合つているわけであります。朝のうち検事総長と話せば夜は国警長官というふうにして、まあお蔭で本日どうやら意見の一致ができたように思います。あとは長年の惰性でまだしつくりしない状態もあると思います。これは私献身的に一つ融和させて、仰せのように世間の物笑いにならないようにいたしたいと思います。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 四点お伺いいたします。  一点は、基本的な制度自体に改正を加えるものではない、こう御説明をされているのでありますが、本法のような手続法におきましては、運用方法の如何が基本的な本質をも変える虞れを内在していると思うのです。問題は、この部分的な修正を加えますことが全体的への影響にどう現われるかということが問題じやないかと思う。この改正の影響を見ますると、制度自体をも変える危険があるように思われるのでありますが、この点が一点。  第二点は、旧刑事訴訟法に対しまして、人権尊重、捜査訴追権の分離、そういつたものが改正法を貫く精神ではないかと思われるのであります。いろいろ警察官の素質の問題等、或いは運用上の現実の障害除去の問題等といつた一時的な便益のために本法の精神が将来歪められる虞れがあることすら許容する改正というものが一体妥当であろうかという点が一点。  第三点は、現行法の認める勾留期間を以てしては起訴、不起訴を決定するために必要な資料を集めることすら至難な場合が少くないという御説明でありますが、二十日間のうちに起訴、不起訴の資料すら不明確なものを無理に犯罪構成をさせるために五日間の勾留期間を延長して犯罪の点まで持つて行かれるということは、国民の側から見れば甚だ人権侵害であります。それは現行法の基本的な性格を維持しながら、運用上現実に障害のある点を差当り除去するという説明とは随分食い違うと思うのです。なぜならば、運用上現実の障害を除去するという言葉に隠れまして、国民の利益は大きく侵犯されておるわけでありますので、こういう基本的な国民の利益というものを運用上の障害の除去という名の下に侵犯されるということは甚だ腑に落ちない、こういう点であります。  第四点は……。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) ちよつとその辺で一遍切つて頂きましよう、なかなか覚えきれませんから……。根本的な改正、つまり大陸法的なものを主にするか、英米法的なものを主にするかとか、その他新旧制度いろいろ問題がございまして、根本的な改正は他日に譲り、又そういうものを早くやつては危険でありますから、これは他日に譲ることにいたしまして差当り運用の妙を以てしてもうまく行かないという点についてだけ改正したいが、その点はどことどこだろうということを法制審議会に伺つたわけであります。それはやはり政府当局だけが運用の妙ではうまくいかんと主観的に思うということは危険でありますので、相当やかましいかたがたまで委員になつて頂いて、随分長く審議をしたわけであります。併し確かに仰せの通り、運用を誤まると、運用のところだけ改めたと言つても根本精神が変る場合がございます。例えば昨日黙秘権の問題がありました。私どもは、不利な点を黙秘しているということは、被疑者、被告人の自分の擁護で正当だと思つておりますが、差支えないことまで頑張るほうがいいのだということは行過ぎではないかと思いまして、御承知のように自分に不利益な供述は強要されないと変えられました。ところがこれが運用の如何によつては、これを言うのは利益だと思つて言つたら不利益になつたという場合もありますので、運用の妙と言いましても、憲法の根本精神にすら触れることもあるわけなんであります。その点は十分私は、法文で足らざるところは、大臣の委員会においての速記録における声明とか、部内に対する訓令とか、或いは政府から申上げるのは御無礼でありますが、要しますれば、国会のほうで決議をして政府を制約して頂きたいというふうに申上げて参つたようなわけでございます。捜査権と公訴権が条文が分れておるということは、新刑事訴訟法の根本に触れる問題でありますが、公訴の遂行を円満ならしむるために、捜査方針をできればこういうふうにやつてもらいたいという注文をする。干渉がましくするのではないが、注文をする。注文と干渉といつの間にかごつちやになるといけないから、そこは十分大臣の声明とか国会の決議なんかで制約してもらうと、こういうことで只今御質問のところを調和したいと思つているのであります。  勾留期間の延長ということは、これは一般国民にとつては迷惑なことでございまして、又現在の二十日間の間に調べない日が大分あるではないかという御非難もあるのでありまして、当局から言わせれば、それは共犯を調べたり傍証を調べたりしておるのだというのでありますが、これはできるだけ私は短縮しなければならんと思つております。この勾留期間五日間というのも、何でもかんでも五日延ばすというのではないのでありまして、多数ではない、多衆です、何十人という人々の騒擾事件みたいなもの、まだありますが、そういう枠に入れて私は言明するということを衆議院の法務委員会では申上げて来たのであります。衆議院の法務委員会では、本日それを数種の犯罪に枠をおはめになりまして、私はその枠をはめられることをむしろ人権擁護のために喜んでお受けしたいと思つております。これは絞つておるので、さように御承知願いたいと思います。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 只今大臣は、大臣の心境といたしまして十二分にそういう心配のないようにということでございますが、私ども法律の運用で警戒をしなければなりませんのは、当時の大臣の心がまえがどうであるとか、或いは立案者、立案者の精神がどうであるとかというようなことではなくて、その法文が将来どう解釈される恐れがあるかということのほうが遥かに重大だと思うのです。そこでここにいろいろ問題になつておりまする条文は、どうも将来、現在のものがどう立法をいたしましようとも、解釈において相当危険な解釈をされる虞れがあると思いますので、私はその点を伺つておるのであります。  第二点の注文をするのであると言いまするけれども、現在においても警察官は殆んど検察官の指揮を受けておるような実質的な形をとつております。検察官と裁判官との対等な関係というようなものは殆んどありませんで、警察官と検察官はまだ相変らず上下関係のような一つの慣習が存在していると思うのです。この慣習がまだ抜け切つておりませんうちに、それが注文というやさしい言葉の形で出ましても、それは指揮命令というふうに警察官は恐らく現実の慣習上から来るのではないかと思うのです。そうなつて参りますると、捜査と起訴の間に、捜査が検察官から命ぜられたというふうなことになりますと、どうしてもこの起訴のパーセンテージというものを上げようとする傾向が起つて来るのじやないか。それで捜査したものを必ず起訴すると、起訴のパーセンテージが非常にいいということは、これは必ずしも国民にとつては喜ばしいこととのみにはならないと思うのです。こういう点いろいろ問題になつております。警察官の資質も問題になつておりまするけれども、或る検察官の意図によりましては、或る目的のために起訴することもできれば、起訴のパーセントをうんと上げるということもできれば、起訴のために捜査を命ずるということもできるというような結果をも招来しないとは限らない。この点を我々心配しているのでありますが、その点……。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答え申上げます。私の代だけ心がけをよくするというのでは無意味でありまして、大臣なんていうものは長い政府の公務の連続から言えばほんの命の短かいものでありますから、あとまで有効である形式を進んでとるし、国会にもお願いすると、こういう言葉を衆議院の法務委員会では私は用いておるわけでございます。又検事総長の訓令というようなものは、その検事総長だけで終るものではございませんで、これは各検察庁の下僚に至るまでも束縛するものになると思う。そのほか私のほうからお願いすることは御無礼でございますが、若し仮に国会で附帯決議でもありましたならば、これは明らかに国の最高機関の決議でありまして、立派に拘束いたすものだと思うのであります。そういうふうにして、条文の簡単な体裁を以てしては運用の如何によつて危険が生じやすいところは、十分みずからも束縛し、国会にも監視を喜んでお願いしておるわけでございます。  それから第二の、検察側が警察側に注文するという形は、一般的指示という形で現われるのでありますが、先ほど堀委員に申上げましたように、これは一般的指示をいきなり出さないで、今度こういうものを出したいと思うが警察側はどうだと相談をし合う、こういう形式をとつております。ですから、少からざる部分はその一般的指示は私のほうで規範に書き入れて出しましようということになると思います。ですから、別に際立つて圧迫をするということにもなりませんし、そういう形式であるならばここにおられる国警長官も同意であるということで、今朝実は妥結をいたしたわけでございます。  それから起訴の率を上げて、あそこの検察庁は腕がいいという方針は、この総選挙に先立ちまして私が通牒を出しまして、又責任者を集めまして訓示しましたときに、件数主義はとらん。件数が多いから成績が良いという方針は今後とらない。むしろ行き過ぎた起訴に対しては、人事異動、言い換えれば昇進の際にそれは念頭に入れる、こういう方針でやつて参りました。起訴の数を誇るという風は極力やめさせておるわけでございます。なお御質問がありましたら又……。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 逆に伺います。私の申上げましたのは、起訴の点数稼ぎをするというのではなくて、現状を改めまして、注文にしろ、指示にしろ、検察官が捜査を命令するというふうな形をとりますると、自分が捜査を指示しましたものは、どうしても起訴まで持つて行くというような傾向が今よりも強くなるのじやないか。そうなると起訴のパーセンテージを上げるということになつて、国民にとつては甚だ迷惑なことになる。それで、捜査権は捜査権、今までのように警察側が持つておりました権利は権利というふうに、はつきりと分離しておつたほうが、こういつた点国民の利益が遥かに守られるのじやないかという点を伺いたいのであります。  それから簡単な条文では危険であるから云々ということでございますが、条文というもので正面から解釈して危険なような条文というものを残すということは、甚だこれは危険な話でありまして、条文だけから解釈できる範囲にだけ我々考えるのが当然なのであります。これに大臣の注釈というものが付かなかつたり、或いは検事総長の解釈が付かなかつたりすれば、条文の解釈はできないということは、おかしな話だと思います。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) それは私少し意見が違うのであります。捜査を命令するとか、監督するというのではなくして、捜査行為自身は捜査の第一次的責任者である警察がやるのでありまして、それに対して大きい枠で、例えば渉外事件は事微妙だから、こういうふうにしてもらいたい。入谷の何がしの事件はこうしろとかいうのではないのでありまして、渉外事件なら渉外事件について一般的指示を出そうという考えはありませんけれども、仮に例を挙げれば、渉外事件は事外国に関係するからおよそこういうふうにしてもらいたいというものを出す。出す前に、而もすぐ出さないで、あらかじめこういうものを出したいと思うが君のほうはどうだと言つて相談をするわけであります。従つて個々の捜査が逮捕率が上るとか下らないとかいうことは全然別個に考えております。  それから条文のことはちよつと誤解があつたようでありますが、私は条文だけ立派ならあとは放つておいてよいと思つていないのであります。条文によつては、その条文そのものが、その条文の盛られた内容の性質上、そのまま立派に運用が下まで行くことがありますが、そうでない場合があります。例えばそれを防ぐには列挙主義などということがよいのでありますが、御承知のように法律専門家は列挙主義というものはとらない。従つてともすれば下のほうで運用を行き過ぎる場合がある。行き過ぎると見た場合は、それに補足した訓令を出すとか、通牒を出すとかいうことは、これは何十年来やつておることでありまして、それは私はできるだけ親切に出すほうが国民に対して忠実なゆえんであると、こういうふうに思つておる次第であります。さよう一つ御了承願いたいと思います。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 今度の問題の捜査権に対する指示の問題の起りは、警察官の資質が云々されたところから来ておると思うのでございますが、警察官の現在の資質が一応そういう欠陥を認められるといたしましても、その欠陥のある警察官をそのままにしておいてよいという議論にはならないと思うのでございます。そこで大臣に伺いたいのは、警察官の資質を向上させるためには、もつと独立権限を与えて責任をはつきりとらせることが却つて警察官の資質を向上させることになるのじやないかと私どもは思うのであります。で、今のように警察官は検察官よりは遥かに知能程度が下だからお前たちには権限縮小でこうだというふうな傾向を持つて臨むことは、警察官の資質の向上にもならなければ、責任を更に十二分にさせる理由にもならないと思いますが、この点についてどういうふうに考えておられますか。

犬養健自由党法務大臣

○国務大臣(犬養健君) お答えいたします。百九十三条と百九十九条の改正の起りは違うのでありまして、百九十三条即ち一般的指示権の問題は、警官の素質が悪いから一つ直そうというのではないのでありまして、世の中の一部に公訴の完全なる遂行の中には捜査というものは入らないのだという法律的見解があります。多くの学者はこれを否定しておるのでありますが、それならば大体私の見解を申上げますれば、現行法の百九十三条の書き方が如何にも舌足らずで、誤解を招く素因を内在しておると、こう思つておるのであります。法務省に私は悪口を言つたのであります。大体こんな文章を呑むからいろんな問題が起るのである、身から出た錆じやないかと言いましたら、これは占領行政で、この文句がいいんだと言つて押し付けられた。如何にも占領行政の姿の情無さを感じるのでありますが、それならばもう少しよりよい日本語で書き直そうと、こうなつたのであります。それに長年の御承知のような検察対警察の関係ですから、それじやその裏に何かある、こういうことになつたわけであります。裏に何にもないということを、実際の運用の点でいろいろ声明をしたり、或いは委員会で私が弁明をしたり、附帯決議も付くことのようでありますが、喜んで付けて頂くということで、裏に何かあるということは今日氷解したわけでございます。  それから警官の素質の向上というのは、検事がチエツクしたらそれで済むものではありません。これは私は外国の警官に道を聞いたり、事件を相談したりして、実にゆつたりしていい人だなと思いましたが、これはやはり相当学歴もあるようであります。それから後顧の憂いがないようであります。我が国のような貧乏国ですぐそれを望むわけには行きませんが、その方向で警察官を立派にして行く。警察官の素養の今の水準で不満な点は検事がこれを補足してやるという考え方は、根本的に私はいけないと思います。検事の悪いのと警察官の悪いのとではどつちもどつちで勝負は同じだと、こういうふうに考えております。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 他に御質疑はございませんか。……御質疑はございませんようでありまするから、本連合委員会はこれを以て終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。これを以て連合委員会は散会いたします。    午後三時四十九分散会

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