文部委員会 第22号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/08/08
会議録
○理事(剱木亨弘君) それでは文部委員会を開会いたします。 それでは奈良県の期末手当の問題につきまして文部当局の報告を求めます。
○政府委員(田中義男君) 先般荒木委員からのお尋ねがございまして、〇・二五の手当支給をいたしておらない県がある。それらについての実情を調査して御報告をすることにお約束しておきましたのでございます。私のほうで自治庁と連絡いたしまして調査いたしましたところ最初九県自治庁としては名前を示されたのでございますが、いろいろ私のほうでその後調べてみましたところ、だんだんといろいろな方法を以ちまして支給をいたしておることがわかつて参りまして、結局今日までのところ二県のみのようでございます。そのうち先般お話のございました奈良県の問題でございますが、これにつきましては教育委員の方が文部省に参られまして、いろいろ私どもとしても事情を聴取いたしまして、それによりますと結局昨年も昇給等の措遣をとつた関係もありまするので、事実上の財政難から来る、一般県職員と同様に支給することができなかつたのであると、こういう実は事情説明を述べられたわけであります。私どもとしては、ともかくこの二月に五十億円のあの起債の枠の拡大をいたしましたということは形式的にはともかくも、実質的にはやはりそれを予定された措置であつたわけでございますから、それを支給されないということはいろいろ問題を起す原因であり、実は文部委員会等におきましても、いろいろお話も出、なおそのために我々としても調査をして御報告をする、こういうことになつておるような実情等もよく話まして、それに対する善処方を要望いたしておきましたが、まあその後の結果については更に報告を徴しておりませんが、ただ財政上の理由でそういう運びになかなか至らないんだ、かようなことで、更に帰りましてということで、一応文部省を去つて帰任されました。なお他の一件につきましては、これは鳥取のようでございますが、これも全く財政上の、非常に困窮しておる実情を種々聞いておりますので、そのためにまだ支給をしておらないようでございますが、これに対しましても奈良と同様な意味の話を私どもとしていたしておるようなわけでございます。只今までの結果はさようなことに相成つております。
○荒木正三郎君 只今調査の御報告を聞いたわけでありますが、問題はやはり期末手当を支払うようにするのにはどうしたらいいかという点にかかつていると思う。それでこれには文部省が一段と御尽力願うよりほかに道がないんじやないかと思うんですが、文部省としては何らかの見通しを以て自治庁なり、大蔵省はどうか知りませんが、大蔵省なり折衝して、又一面奈良県当局とも折衝して出すようにする道はないのでしようか。
○政府委員(田中義男君) 自治庁とは実は直接お話も連絡もいたしておるのでございますが、結局財政上の問題でございますから、新たな、何かの措置を国で考えてやれば別ですけれども、又それもなかなか困難のよう思われます。で、府県側においてそのつもりになり、又そのような計らいを実現してくれることが、これ又我々として努力する一つの目標でございますので、まあ御承知のように本省としての勧奨を進める、つまり程度もございますので、これを強く強制的にやることはできないので、そこに非常に何と申しますか、不徹底な立場にあるわけでございますけれども、ともかく私どもとしては、出すように一つ更に進めて行きたいと、かようにどうも申上げるよりほかにないのでございます。
○理事(剱木亨弘君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(剱木亨弘君) 速記をお願いします。
○政府委員(田中義男君) 実は昨日教育課程審議会の総会の結果に基く答申が文部大臣宛になされましてその答申案は今回は社会科に関するものでございまして、昨日新聞等にも夕刊で概要を報告いたしておりましたのでございますが、一応私から内容を御紹介申上げたいと思うのでございます。で、答申案の内容は一般的事項と、学校の段階による改善事項と、それから更に最後に附記として三段階になつております。で、この一般的事項におきましては六つの事柄を申しておるのでございまして、その概要は現在の社会科の狙いはこれは正しいものであるから、これは育てて行くべきである。ただ次に現状を見ます場合によくいつているところもあり又よくいつておらないところもある。よくいつているところでは、非常に子供の自主的な研究或いは考え方、或いはみずから判断するというような、極めて民主的な基本的な要素について非常にその成長を認めるけれども、併しよくいつておらないところになりますと、これは御承知のように非常に誤解や行き過ぎや、あれやこれや、ともかく不徹底な点が認められるので、従がつてその改善を図るために、三、四項の事柄を考える必要があると申しております。で、そのためには先ず学習指導要領を改定すること、或いは指導計画、或いは指導の改善を図ること、又更には教師の養成或いは現職教育の問題、又実際授業をいたして行きます場合に、現在では多数の児童生徒を収容しておるこの学級を、もう少し適正化してこれを少数にする必要がある。なお又教育上設備資材の充実も図る必要がある、こういうふうなことを掲げております。 次に道徳教育の在り方につきましても、その指導計画、或いは指導法については、その徹底のために十分改善する必要がある。特に生徒児童の発達段階に応ずるような考えを、もつと徹底せしめる必要がある、こう申しております。 次に地理、歴史の在り方の問題でございますが、これも当然その基本的な知識や理解を軽視するということは誤つておるので、その点について十分な施策をする必要であるのですが、併しそれもやはり生徒児童の発達段階に応じてその具体的な方法等を検討すべきである。特に義務教育として、小学校、中学校、これは一貫性を持つたもので組織しなければいけない、高等学校は違つた面もあるわけですからこれは別に考える必要がある、かように申しております。 次に第六として一般的事項に政治経済方面の教育も非常に重要であるので、それをおろそかにしないように、而も九年の義務教育期間を通じて有効に行なわれるように、それも計画すべきである。かように一般的事項として項目を掲げていろいろ説明を附記いたしておるのでございます。 次に学校の段階よる改善事項でございますが、小学校の社会科について最も大切なことは、もつと先生方が本当に日常授業をして行く上に指針となるような具体的な指導計画等、参考案を文部省が作つてそうして親切具体的にそれを示す必要がある。現在その点で第一線にいる先生方が非常に実は迷つておる。で、その参考案を提示することが先ず先決だ、こういうことが大前提となりまして、道徳教育につきましても、又地理、歴史の教育につきましても、それぞれその生徒、児童の発達段階に応じた具体的な指導計画を立てなければならない。殊に道徳教育につきましては、先生方が特に道徳的の判断の基準となるような、これは昔の言葉で言えば徳目といつたようなことに当るかと思うのでございますけれども、それに該当するような重要な基準となるような行動なり行為なりというものをよく考えて、そうして日常授業して行く上にそれらについて十分躾をすることが必要である。そういうようなことについてはやはりこれを指導したほうがいいんじやないか、こういうようなことを申しております。 それから歴史教育についても、低学年においてはこれはもう分科することがよくないのであつて、上の学年において、而もこれも別科目としないで、もう少し現在よりも系統立てる必要がある、こういうふうに申しております。 それから次に中学校の社会科ですが、これも小学校の基礎の上に、義務教育を通じた一貫性を持たせることが必要である。で、が道徳教育については、無論基本的には小学校の場合と同様でございますけれども、各単元計画と申しておりますが、もう少し十分深く考え得るような機会を与えるように、もつとまとめてこれを指導し、教育して行くような計画を立てろ、こういうふうに申しております。地理、歴史につきましてもやはり同様がして、もつとこれを系統立てて、而も成る期間継続的に、或る分野に重点を置く、こういうふうなことを考えることも適当である、こういうふうに申しております。特に日本歴史につきましては、これを現在中学校でも御承知のように日本歴史を教えております。その教科書もできております。非常に多量なことを織込んでおるのは少し程度を失しているので、従つてもう少し内容を精選をして、そうして時間も現在以上にこれに割くようにすべきだ、こういう結論が出ております。それから高等学校の社会科につきましては、これははつきりやはり無論共通的な社会科としての特色を失つてはいけない、各科目にこれを分けたほうがよろしい、特に倫理、政治、経済、こういつたふうなものを一応まとめて、そうしてその中には当然人生観或いは道徳、思想こういつたふうなものを深く考える機会を持つような要素を取入れて、そうして新たな科目を確立したほうがよろしい、こういうふうに言つております。更に科目をそれぞれ分科し、或いは新設するのみならず、それを必修にしたい、歴史、人文地理、それから只今申しました新らしい科目、こういつたふうなものは必修にすることが望ましい、更に、なお、選択的に特に倫理、哲学、思想方面に関心を持つような生徒のためにそういつたふうな新たな科目を選択せしめることも必要である、かように申しております。 次に最後に附記として三つの事柄を言つておりまして、これを実施する場合には混乱が起きないように十分考えること、それからさつき申しましたように、教員養成、現職教育の問題についても十分一つ検討をする必要がある。第三番目に、最後にこれも先ほど申しましたように、学級の大きさ、クラスの大きさの適正化、或いは教育施設、設備等についても十分充実しなければ社会科の教育は徹底しない、かようなことを申しておるのが雑駁でしたけれども答申の骨子でございます。
○理事(剱木亨弘君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(剱木亨弘君) それじや速記を始めて。 暫らく休憩いたします。 午後零時一分休憩 —————・————— 〔休憩後開会に至らなかつた。〕