文部委員会 第19号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1953/08/05
会議録
○委員長(川村松助君) それでは只今から文部委員会を開会いたします。 青年学級振興法案を議題に供します。前回に引続きまして質疑を続行いたします。文部大臣、政府委員からは各担当の委員が見えておりますから、御質疑のあるかたは御質疑を願います。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記をつけて下さい。 暫く休憩いたします。 午前十時五十三分休憩 —————・————— 午前十一時四十七分開会
○委員長(川村松助君) 再開いたします。
○須藤五郎君 この休会中に国会議員の調査を考えて頂きたいと思うのです。特に私たち初めて文部委員会に参りましたものは、文部行政に関しましてあらゆる文部委員会にかかる関係事項に関しまして非常に知識が実は少いので、この休会中を利用いたしましていろいろ調査研究をいたしたいと思いますので、その点御配慮を願いたいと思います。 なお私が希望いたします点は、基地教育の問題、それから僻陬地教育の問題、それから無形文化財の調査事項など、各般に亘りまして調査班を派遣して頂きたい、そういうふうに私は考えますので、この点どうぞ委員長においてよろしくお取計らいを願いたいと存じます。
○深川タマヱ君 私、共産党の須藤先生の御意見に賛成いたします。私はそれもあります。そのほか初等教育、高等学校、この頃の教育の何といいますか、現場を少しよく見せてもらいたいと思います。そうしてその後に又大臣のお暇なときにでも、今後の教育の方針につきましてゆつくりと一つ協議さして頂く機会を持つてもらいたいと思います。
○委員長(川村松助君) 只今の須藤君並びに深川君の御発言は了承いたします。案は事務当局に編成さして御異議ありませんね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) それではそういうことに決定いたします。
○剱木亨弘君 そういうことに話がなつたのかも知れませんが、若し調査されるならば私は僻陬地の教育状況並びに僻陬地における教育委員会の活動状況、これらを若しできますれば併せて……。
○委員長(川村松助君) 承知いたしました。事務当局のほうによく伝えて編成させます。 —————————————
○委員長(川村松助君) それではだんだんのお話もありましたので、今から高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案の質疑に入つて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議はないようでありますから高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案の質疑に入ります。質疑は総括、逐条一括して質疑を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) ではさよう決定いたします。御質疑のあるかたは御発言願います。
○深川タマヱ君 今日はもうこの一時間をおいて、もう今会期にチヤンスがないと思いますね。衆議院を上つているこの法案のことでもございますので、多少は意見のあるかたもあるかと存じますけれども、質疑をここで打切りまして、直ちに討論、採決に入らんことの動議を提出いたします。
○委員長(川村松助君) 討論をやつて採決ですか。
○深川タマヱ君 質疑の打切りの動議……。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○委員長(川村松助君) 只今の御意見に御異議ありませんか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○須藤五郎君 これは今すぐ打切つて……、何ら定時制に対して余りまだ質疑もされていないときに今打切ることは私少し乱暴じやないかと思うのですが、まだここに社会党の相馬さん、左派のかたもお見えになつておりませんし、そのお二人の専門のかたからいろいろ私意見が出るのじやないかと思いますので、そちらの御意見を伺つてから、その打切りを決定して頂きたいと思うのですが、それでないと又問題が起つて混乱するといけませんから、どうぞそういうふうにお取計らいのほどお願いいたします。
○委員長(川村松助君) 社会党の左派のほうからは安部先生が御出席になつています。
○安部キミ子君 このことにつきましては、荒木先生の意見をまだ一度も伺つていないわけなんです。今日はまだ昨日の続きがあるということで、私打合せもいたしておりませんので、私が荒木先生の意見として代理をするわけには参りません。それは越権だと思いますので御了承頂きたい。
○長谷部ひろ君 私も静かに考えますと、やはり各派の代表のかたがおいでになつて、一応十分に御質問なさつた上でおきめ願いたいと思います。
○委員長(川村松助君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記をつけて。それでは暫く休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 —————・————— 午後零時二十一分開会
○委員長(川村松助君) それでは再開いたします。
○相馬助治君 青年学級振興法の問題について私は昨日資料を要求しておきましたが、まあ、ことは簡単なので、今朝私の手許にそれが届いておりませんが、局長から若しその結果がわかつていれば発言をしてもらいたいと思うんです。いわゆる平衡交付金の中に教育基準財政需要として見込んだものと、それから現に各府県において支出されているものとの比較をお尋ねしたいということを申上げておいたわけでして、それに対して資料が今ここに配られたわけですが、何かこの資料について局長から補足して説明することございますか。
○政府委員(寺中作雄君) お配りいたしました資料の通りでございまして、その一、二にありますように、一は自治庁において計算しております高等学校の基準財政需要額でございまして、これは全日制を含んだ基準財政需要額が百六十八億となつております。それで定時制の分といたしまして特に切離しては計算はいたしておりませんので、その三割五十億というものが定時制のために見込まれておるということが推定されるわけでございます。それから現に地方において定時制高等学校のために出しておる教育費といたしましては、そこに挙げましたように五十八億円余りということになつております。
○委員長(川村松助君) 相馬君、念のために話しますが、今高等学校の定時制のほうが議題になつておるんです。そこをお含みの上で。
○相馬助治君 今議題になつている法律と並びに青年学級振興法に連関をいたしましてこの際文相にお尋ねしたいことがございます。御承知のようこ……。
○委員長(川村松助君) そうすれば何ですか、青年学級のほうも質問なさいますか。
○相馬助治君 両方に連関しております。
○委員長(川村松助君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記復活して下さい。
○相馬助治君 この際文相にお尋ねしたいと思いますことは、いわゆる勤労青年といわれる人たちの中には完全ではないけれども学校教育のうちの定時制に学ぶことができております。その残余の人たちのために青年学級というものが各所に設けられておるので、これの補助率というものを規定して文部省が青年学級の振興に当ろうとする意図はよくわかつております。これについて私は昨日寺中社会局長に詳細に亘つてお尋ねをしたのでありまして、局長の答弁範囲内においては誠に誠実な答弁が私に向つてなされたわけです。私はこの際文相に尋ねたいと思いますことは、青年学級振興法という単独立法をしてこの青年学級振興のための立法を文部省自身がやるならば、当然定時制の分についても定時制教育振興法というものを立案して、政府の責任においてこれが審議を国会に委ねるべきが筋ではないか、内容としては定時制のものについては、平衡交付金の中に基準財政百需要額として概数五十億のものが見込まれている、なお又文部省の一般当初予算の中で、千数百億が今回上程されている、これらを一括して、真に定時制の教育の振興のために、青年学級振興法と見合つた法案を出して、両々相待つて勤労青年のための教育の振興を図るべき段階になかつたか、にもかかわらず定時制のほうをそのままにして、青年学級振興法のみを出した理由は何であるかという私の質問に対して、社会局長の答弁は、その趣旨はよくわかるが、現在の日本の財政の現実と、平衡交付金というものの性格から割出して、平衡交付金法というものがあるという現実の上に立つからには、これを切離して、紐付にして定時制の分を立法するということが現実の問題として困難である、かような答弁がなされているのでありまして、私が尋ねたいのはその先のことなんだ。そういう現実は、一応議論はあるとしても了解いたしますが、将来文相はこれら定時制の教育についてどれだけ考慮を払われて、何か抜本的な措置を考慮する意図があるかどうか、その内容は何だということをここで唐突にお尋ねいたしてもこれは迷惑だろうと思うので、その意思がありや否やということを、私はこの際文相にお尋ねしておきたいと思うのです。
○国務大臣(大達茂雄君) 青年学級振興法、このほうだけを出したことにつきましては、只今のお話によりますと、関係局長から答弁を申上げたのであります。その通り御承知を願いたい。青年学級の振興法だけを出したということは、決して定時制教育のほうを軽く見るとか、特に青年学級のほうに重点を置いたとか、そういう意味はないのでありまして、定時制の教育につきましてはすでに学校教育法に規定がある、法律的な根拠がある、青年学級につきましては、御承知の通り全く自然発生的に勤労青年の向学の意慾からできたものであります。まだ法律的な根拠がないのでありますから、それでこの青年学級振興法だけを出した。定時制については只今お話がありましたように、これは予算の関係その他或いは地方の財政制度に関する問題と絡んでおりまして、政府提案としては出すに出せないということで、政府としては提案を見合わしたのであります。将来の問題でありますが、これも地方財政の制度の問題と密接な関係をしておりますので、私としてどうこうということをはつきり申上げることはできませんが、併し定時制教育というものは、勤労青年に対するいわゆる教育のこれが本筋でありますから、将来できるだけその振興充実を図つて参りたい、かように存じております。
○委員長(川村松助君) 念のために御報告いたしますが、発議者の衆議院議員中川源一郎君が今お見えになりました。
○相馬助治君 文部省が今大臣のお考えのような意味合いから定時制の分についての立法措置を積極的におやりにならなければならなかつた経緯に鑑みて、衆議院の中川君を発議者代表とするかたがたよつて定時制振興の立法がここになされておるわけで、その限りにおいて私は中川君初め発議者に敬意を表するものですが、問題は、この際大臣にやはり尋ねておきたいと思いますことは、こういう国の基本をなす文教政策の中で、各種のなになに教育振興というようなものが出ておるのでありまして、その中でも、定時制は非常に将来問題が私は多かろうと思うのでございます。具体的に申しまして、その給与、設備、そういうものについては平衡交付金の中にその財政需要額が見込まれておる。而も地方公共団体に交付されたものが、そのまま定時制の方面に使われておるかということについてはかなり問題がある。そういう際に中川君ほか数名のかたの提案になりまする分は、それらの面は暫くおいて、そうして他の残された面についての法律的な規定をして、これが振興を図ろうといつて趣旨は全く私同感なのでありまするが、この際理想としては抜本的に、これらを一本として立法措置ができなかつたかということが私の疑問であつたのでありますが、それについては只今の答弁を一応了解いたしまして、この際文相にお尋ねしたいと思いますことは、この衆議院の立案については文部大臣は提案以前に交渉を受けたかどうか、即ち交渉を受けたかということは、この法律が成立いたしまするならば、大蔵省その他と交渉をして、将来文部省が財政獲得のために骨を折らなければならない面が出て来るのでありますが、そういうことを考慮されて、この法律に対して文部省はどのように考えているか。即ちこの法律ができるならば止むを得ないから、文部省としては執行部として、この立法の趣旨に副つてやるというお考えなのか、諸般の事情上、文部省が積極的に立案はできなかつたが、中川議員の提案されたこの法律は至極よろしいと思うので、この成立を希望するという積極的意思を持つておるのかどうか、それによつて私どもはこの法案をどうしようとは考えておりませんが、この法案の将来の財政の面における運命を左右いたしますので、この際文部当局の責任ある言明を承つておきたいと思うのであります。
○国務大臣(大達茂雄君) 経過を申しますと、実は定時制教育に関する特別立法を政府提案として考えてもらいたいという話はあつたのであります。併し文部省といたしましては、只今申上げましたように、関係各省との間の折衝がなかなか簡単に参りませんから、政府提案としてはむずかしい、こういうことを申上げたのであります。そこで議院立法ということに相談がまとまつたのだろうと思います。ただそれならば議院立法で出すということに私のほうでその計画に参画したということはありません。ありませんが、こういう案でどうだろうかというような、これはまあ改まつての話ではないと思いますけれども、話は聞いておりました。文部省といたしましては、そういうものが出るということに対して反対する筋合いはありませんので、お出しになるのならば、それも結構であるという程度に感じております。
○相馬助治君 そうすると積極的にこの法案の成立を期待しているということまで言い切ることはこの際はできないという意味の御発言でございますか、反対でないことはよくわかります。
○国務大臣(大達茂雄君) 只今申上げたのは、この提案がなされるまでの実際の経過を申上げたのです。これが提案されました以上は勿論定時制教育の振興を図るべきことは文部省として非常に重大なことでありますから、文部省といたしましてはこの法案の成立を強く希望しておる次第であります。
○委員長(川村松助君) ほかに御発言ありませんか。
○成瀬幡治君 勤労青年を対象として定時制とそれから青年学級の二本建で、まあ或いは通信教育もありますが、それを入れれば三本建でございますが、三本建で一つ何とか勤労青年を見て行こうじやないか、趣旨は私たちも了とするわけですが、文部省としては学校教育というものと、それから青年学級というものは一つの社会教育に私は重点が置かれると思うのです。文部省としてはどういうお考えなのか、いわゆる学校教育というもので勤労青年というものを対象として救つて行こうじやないかという考えが重点であるのか、まあ定時制をここらあたりにそろそろして置いて、一つ今後は社会教育の一環であるところの青年学級というようなものに重点を置いて、そうしてこの勤労青年をみて行こうとされるのか、私はその基本方針をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 文部省といたしましては別に軽重の差別をつけておるわけではありません。先ほど相馬委員の御質問にお答えいたしました通り、勤労青年教育といたしましては当初からこの定時制教育というものが言わば本筋の教育であります。ただ併しながらこれは現在の勤労青年の働きながら勉強するという建前からいつて、定時制の教育を受ける余裕すらもないという青年が御承知の通り非常にたくさんある、定時制教育を受け得る経済的にも或いは時間的にも余裕があるものが非常にパーセンテイジとしては少いのであります。そこでその大多数の勤労青年というものが制度の上においては今日まで制度上向学の機会を与えられることなしに放置せられておるのであります。そこで自然発生的に青年学級というものができた、これは勤労青年の勉学の意慾から自然にできて来たものである。でありますからそれを助成をして、そうしてそれらの勤労青年に対して勉学の機会を与えるということが教育の機会均等の上から見ましても我が国の青少年の全般的教育の上から見ましても極めて大事である。こういう考え方で、青年学級振興法案というものを出しまして、従つて申上げまする通り、今後は青年学級の振興法のほうに力を入れて定時制教育はこれくらいにしてやめて置くという、そういう意味は絶対にないのであります。これは御承知の通り程度におきましても、又資格をとる上におきましても差違があるのでありますから、定時制教育というものの振興は今後ますますやつて行きたい。併しそれだけでは全部の青年に対する教育というものが到底充足されませんから、青年学級の振興ということを考えて、両々相待つて我が国の勤労青年の教育の上に充実を図つて参りたい、こういうことであります。
○成瀬幡治君 私は勤労青年と一つに言いますが、青年というものは私は無条件に向学心に燃えておる者であると思います。そうしてせめて定時制を出れば、その上の又定時制の大学なら大学に進学したいというのが私は青年の無条件的な心理だと思うのです。青年学級へ入りましてもこれは御承知のように、あなたが指摘されたように資格にも何にも影響ないわけなんです。私は定時制をもつと力を入れてやつてお行きになるなら、私は勤労青年学級を設けるというような点は非常に限られたる範囲になつて来ると思うのです。逆な言葉で言うなら、文部省がこの定時制の学校に対して力を入れなかつた。入れない結果が私は自然発生的に出て来たのじやないかという逆な論理も成立つんじやないかと思うのです。定時制高校に対して力を入れなかつたことの証拠がここに現われて来ておると思うのです。一つの県をとりましてみても一番多く出ておる福島県などを見ますと、青年学級は九百八十五ある。それに対して定時制高校は七十八しかない。これは村に一つくらいずつ定時制高校というものがあつたならば、私はこういうことはなかつたと思う。あなたは、先ほど聞いていると十分力を注いで来た、そこへ以て来てなお青年学級というようなものが自然発生的に出て来たのだと、こういうふうな御答弁に受取れるわけでございますが、私は定時制高校に対して今までやつて来たことは十分でないと思う。こういうふうに私は考えるわけですが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(大達茂雄君) 先ほど申上げたのは私の言い方が悪かつたかも知れませんが、私は現状で十分だとは言わない、だから先ほど申上げましたように、青年学級のほうを振興すれば定時制はこのくらいでやめておくということはないんだということは、はつきり申上げた。定時制の教育は今後ますます充実して参りたい、こう思つております。
○成瀬幡治君 定時制の高校を十分しなければならないんだ、こうおつしやるわけですが、私はこのそれに対して提案者である中川さんにお尋ねするわけですが、これで以て向学心に燃えておる多くの青年というものは救われるか、財政的の裏付けも十分なし得るのだと、こういうふうにお考えになつて提案されておるのか。これじや非常に不十分だ、ここは困るのだ、こういう点があるなら私は端的にここで御指摘が願いたいと思います。
○衆議院議員(中川源一郎君) 働く者の定時制教育、この問題につきましては文部委員各位の格別の御心配を頂きまして有難う存じます。今日までこの法律ができましてから、恵まれなかつた子供が働きながら学ぶことのできる、機会均等を与えられましたということは誠に仕合せでございまして、その教育を受ける生徒の数が累年増加いたして参つております。この状態で参りますならば、恐らく十年先には百万以上、只今よりも増加する。只今は五十八万人以上でございますが、百五十万、六十万ということになるであろうということは、私は明らかな統計によつてみられるのでございます。今日までは御承知の通り高等学校は地方自治体のほうで、或いは府県、或いは町村が主として校舎の設備並びに内容の充実を図つて参つたわけでございます。教職員の俸給の補助につきましては平衡交付金の中から四割充てられておるのでございまするが、何分地方自治体におきましても、中学校等の義務教育の充実のために追われて参りまして、なかなか困難な事情がございます。思うように定時制教育につきましても、内容の充実を図るということは至難な状態でございます。こういうふうにやりたい、ああいうふうにやりたいと思うことがたくさんございます。併しながらそれも誠に不十分な状態でございまして、文部大臣も先般教育の基本方針について新聞で発表いたされましたように、定時制につきましては、今後一層力を入れたいという力強い御意見を承わりまして、私どもも感謝いたしておるのでございまするが、只今のところでは三千百五十四の全国の定時制高等学校のうちで、内容の充実していないものは恐らく千以上ある、誠にそのうちでは乏しいものがございまして、黒板と白墨だけくらいしかない、ミシン一台で数十名の女生徒を教えなければならんというような貧弱なものもございます。これらにつきまして、一日も速かにこの内容の充実を図りまして、高等学校としての最低の施設が施されまするように念願いたして、そうしてこの法案を提出さして頂いたわけでございます。私どもはまだそのほかにいろいろやりたいという考えを持つておりまして、荒木委員の御提案になりました事柄につきましては、私どもも全く同感でございまして、将来はこういうふうなところまで一日も早く漕ぎつけたいという考えを持つておるのでございますが、何分国家財政などを勘案さして頂きまして、今回一度に要求することは至難であろうと、こういうふうに考えまして、遠慮をいたしまして、最低線の法案を提出さして頂いたわけでございます。どうぞ一つ審議に当りましては、この点御賢察頂きまして、よろしくお願いを申上げます。
○成瀬幡治君 私も財政的な問題についてどうこうという点について、大変御苦労なさつておる点はわかると思うのです。併し折角法案をお出しになつたということは、向学心に燃えているところの勤労青年教育をどうするかというところに私は趣旨があると思う。あなたは最低のところを今出した、こうおつしやつたのですが、その最低としては、例えばあなたが御指摘になつた三千百五十四校のうち千以上というものは内容が充実しておらん。黒板とチヨークだけでやつておる、こういうような御説明でございましたが、これをお出しになれば少くとも千以上の不十分な学校は充実するのだ、そういうお考えで御提案になつておるのか。あなたがおつしやる最低ということが私は了解ができないわけなのです。どこを基準にしておるのか、もう少し具体的におつしやつて頂きたい点が一つと、それから先ほどいろいろな点がやりたい、或いは片方に出て来ている勤振法などについて非常に敬意を表するということをおつしやつたわけでございますが、私はこの法案を出されて非常にあなたが、ちよつとここは不備だというようなところはございませんかという、この質問にお答えがないわけであります。最低で、これでと言葉を濁されるのか、私は先ほどの質問に対してやはりお答えが頂きたいと、こう思うのです。
○衆議院議員(中川源一郎君) 最低の法案を提出さして頂いたわけでございまして、もとより不十分なものでございます。地方といたしましては、学校校舎の建築は、何分中学校がだんだん定員が増加いたしまして、中学校と併設の定時制高校の場合も多うございますので、そういう場合などは早く定時制の教室等を明渡してもらつて中学校に当て嵌めるようにというような希望も地方には多うございまして、そういう場合において校舎の建築ということにつきましては、或いはせめて起債などを許してもらいたい、或いは補助金をもらいたいというような向きも多うございます。併し施設も設備も一気に出すということが国家財政の都合を見ましてむずかしいのじやないか、こう考えまして、不十分ながら設備だけを提案いたした次第でございます。
○成瀬幡治君 どうも私は、抽象的なお言葉でございまして、あなたが指摘された千校以上というものはこれで実際救われるかどうか、これで最低を保障せられるとおつしやるなら、そういうチヨークと黒板だけのものじや私はいかんと思う。そういうものがこれによつて救われるかどうか、そういう点を一つお答え願いたいと思います。
○衆議院議員(中川源一郎君) 私の設備という案は、三分の一の補助を政府から仰ぎまして、そうしてその三分の一が約十億を超えるわけでございます。それを十年間やつて参ります。その三倍、三百億という設備だけの金になる、これは公立学校だけでございますね。そういたしますと、大体その最低基準の設備が高等学校においてできるのではないか、こう思うのであります。これは設備だけでございます。
○成瀬幡治君 提案者の御意見として私は承わりたいと思うのですが、前に青年学級振興法という実は法案が出たわけでございます。私は定時制高校というものを充実して行く、そうしましてもなお学校に通えないような、地域的にどうしても私は不可能なところが出て来る、こう思うわけです。そういう所はやはり青年学級で或いは救つて行かなくちやならないということも考えられると思うのですが、そういう所に対しては、例えばラジオで以てそれを補つて行く。いわゆる通信教育ですね。そういう点でやれば私は救われて行くのじやないか。だからここで最も力を注がなくちやならない点は、自然発生的に青年学級が出て来たと、こう文部大臣や或いは寺中社会教育局長は答えられますが、私はそういう点に非常に力が抜けておつた、今後そういう面を努力して行つたならこういうものもなくなつて来るのじやないか。そういう私は目標を持つてこの法案を提出され、今後もそれに対して努力をしようと、こう思うわけですから、ここに出ておるのは最低である、だからこれはいつかは修正もされ、もつと高度のものになつて来るのだと、こういうことを予定しておいでになるのかどうか、それを予定されておるかどうかというのが一つと、それから今申しましたように、勤労青年を救うには青年学級が救うのじやない、飽くまでも私は定時制高校というものが救つて行くのだ、こういうふうに確信をしておるものでございますが、中川さんはどういうふうにお考えになつておるのか、この二点をお答え願いたいと思います。
○衆議院議員(中川源一郎君) 全日制に学べない者は定時制に入るということ、そうして定時制さえも学べない者は通信教育を受け、通信教育さえも学べないという者がありますれば、通信教育と共に青年学級に社会教育として学ぶということもこれは適当なことじやないかと私は思うのですが、青年学級だけで満足のできないということでございましたならば、更に通信教育へ、或いは又定時制によつて単位を取りまして、そうして資格を取るということも必要である。又地方の実情に徴しまして、定時制に学びながら青年学級の特別な教育を受けて、地方の実情に即した学びをするという、社会教育を受けるということも必要であるかと、私は両々相待つて青少年の教育を振興さすべきものではないかと、こう思うのでございますが、御承知の通り、中学校だけを卒業いたしました者といたしましては、実業界に出しましても十分役立つというわけには参りませんで、もう少し上の教育を経て、或いは専門的な或いは又技術的な教育を受けまして、そうして立派な実業家とならなければならんと思うのであります。定時制さえ学べない者は青年学級に学ぶということも必要なことじやないかと思います。又青年学級から更に定時制に入つて行くということも大変結構である、こういうふうに私は考えております。
○成瀬幡治君 中川さんにお尋ねするわけですが、今度の、私は不勉強であつてよくわかりませんから念のためにお尋ねするわけでございますが、通信教育の場合、これは設備だけが対象になつておつて、あなたが指摘された三分の一補助をやつて十億かかる。設備だけの問題なのか、通信教育を施すようなところに対して、例えばラジオを備えつけるようなものも補助の対象になるとか或いは照明を、暗い所ですから照明の問題についても、それを改善するというようなものもその補助の対象になるか、或いはシヤワーと申しますか、そういうものまで対象になるのか、本当にその校舎だけのものを対象にしておみえになるのか、その辺の内容を私は一つ御説明が願いたいと思います。
○衆議院議員(中川源一郎君) 定時制においては理科設備というものを第一の主眼といたしておりまするし、又照明というようなものも対象といたしたいと思います。設備全般に亘つて定時制においては対象といたしまして、十億余りの金が要るわけでございます。それから通信におきましては図書の編集というようなものにつきまして、或いは運営というようなものにつきましての費用が相当要るわけでございます。それから建築というものにつきましては、只今私のほうでは提案をいたしておりません。必要なことではございますけれども、設備だけを対象といたしまして提案いたしましたような次第でございます。
○成瀬幡治君 この間理科教育振興法といいますか、そういう法律が通つたのでありますが、あなたは理科設備云云と言われたのですが、そつちのほうとの関係では、理科教育振興法では定時制高校の理科設備は除外されておるからこれを入れたと、こう了承していいのですか。
○衆議院議員(中川源一郎君) 今度通過いたしました理科設備を定時制にこれを利用して運営して行くということでございますならば、それも大変結構であります。又産業教育振興法、すでに出ておりますあの設備を、定時制に利用して頂くということも誠に結構であります。併しこの定時制の中の予算には入つていない、これは別個に扱つて頂くという……。
○成瀬幡治君 私はこの法律が通るとすると、この施行は全布の日から施行されるようでございますが、実は昭和二十八年度の予算には私は一厘も計上されていないと思うこのための予算というものは。そうしますとあなたは大蔵省と若干その予算関係において折衝されておると思う。そうでなければ財政の裏付けのない法案などはお出しになるはずはないと思う。そうすると少くとも二十九年度の予算案においては、例えば最低十億というものが組まれるという、こういう言質を私はお取りになつておると思う。それはどなたとお約束になつておるのか、その点を一つ。
○衆議院議員(中川源一郎君) 二十八年度の予算には御承知の千八百万円の予算が組まれてございまして、一千万円は定時制の設備に対する補助でございます。それから六百五十万円は通信教育の運営費に充てる。百五十万円は定時制のモデル・ケースを作るための補助金でございます。二十八年度はそれきりでございますが、二十九年度からは是非とも一つ十億二千三百二十九万円、こういうふうな私どもの計算をいたしておるのでございますが、これは先ほど申しましたように、三分の一の補助で十カ年計画、一年度分が既設の学校に対しても充実するように、又新設の学校に対しても従来ありますように予算を組んで頂きたいと、こう考えているのでございますが、それは言質をとつて約束をしたというわけではございませんが、これに対しましては大臣を初め各当局におかれましても十分努力をするということだけは承わつておるのでございます。約束をはつきりしておるというわけではございません。できるだけの努力をする、こういうことを承わつておるのでございます。
○成瀬幡治君 私は、先ほど理科設備などが非常な重点になつているということを御説明になつたのです。そうしますと、理科教育振興法というものがあつて、片一方でそれで予算の裏付けをするとかいうことになつて、折角予算獲得を努力されましても崩れるようなことがあつては大変だと思う。この問題につきましては大蔵省もそういうようなことを言つておる。文部大臣としては当然予算獲得に努力されるものと了承もし、又これは当然なものと考えておるのですから、この点については私は質疑はやめまして、一つこれとはちよつと関係がないわけですが、折角大臣がお見えになるから二つだけ質問を許してもらいたい。と申しますことは、地方公務員法の二十二条によりまして、地方公務員である教員が、Aの村からBの村に代つたときに、これが臨時採用というような形で置かれておる所が各県にぼつぼつと出て来たわけです。これは私は重大問題だと思う。そういうことに対して文部省としては、これは地方法がそうなつておるから止むを得ないと、こうお考えになつておるのか、或いはこういう問題については初めてここで聞いて知らなんだと、こうおつしやるのか、或いはそういうところはもう聞いたからこういうような手も打つておるというのか、その辺に関して私は一つ御説明を願いたいと思います。これは大臣でなくて事務当局でもかまいません。
○政府委員(田中義男君) 只今御指摘の通りに、地方法の上で参りますると、甲の村から乙の村の学校に転任いたしました場合には、条件付き採用とこういうふうになつておることは事実でございます。そこで人事異動等なします際に、そのためにその期間の間は非常に先生としては臨時に保障を欠くということになりますので、いろいろ心配の向きもあるようでございます。規定は規定ですけれども、ただその規定を余り濫用されるということは、これはどういう点から考えてもよくないことでございますから、そういう点について法の濫用のないように、こういうことを文部省としても期待をいたしておるのでございます。
○成瀬幡治君 大臣にお尋ねしたいのですが、今の田中局長は濫用をせないように期待しておる、こういう話ですね。これでは地方教育委員会が権限を持つておつて、勝手にやることになると思うのですが、これだけでは私は条件付き採用、臨時採用された職員は大変だと思うわけですが、大臣としては期待しておるのだといつて文部省でふんぞりかえつていても私は一向効果が現われないと思うのですが、何かこれに対して、例えばこういうようなふうにして欲しいというような通達を出すような用意なりがあるかないか。
○国務大臣(大達茂雄君) その点につきましては、文部省といたしましても濫用の起らんように通達を出すことにしております。多分今日あたり出ると思つております。
○成瀬幡治君 もう一点大臣にお尋ねいたしますが、理科教育振興法が通り、その運動資金と私も了承しかねるわけですけれども、小学校の生徒一人一円、中学校二円、高等学校三円を集めて、これは名前をここで発表するのも如何かと思いますが、理科教育振興法の中心になられた校長さんが中心になつて集められたやに承わつておるのでございます。私はこれは事実であつたら重大問題だと思う。私は事実でないと思うのですが、文部大臣としてはこれが事実であつたならどういう処置をこういう問題についてとられようとされるのか、所見を承わりたい。
○国務大臣(大達茂雄君) 今お話のことは、私全く聞いておりませんけれども、無論事実であるかどうか聞いておりません。ただこういう強制的にそういうものを集めるということは、これは理科教育の振興に限りませんが、何によらず強制的に金を集めるということは、これは当然よろしくないことであると思います。全国に亘つてそういうことがあつたかどうか知りませんけれども、これはやはり制度の上から申しますと、教育委員というものがそういう点についての、学校の先生が指導を通じて強制的に金を集めるということのないように、教育委員会としては当然監視しなければならないと思います。文部大臣としてはさようなことがあれば十分教育委員会のほうでも気をつけて欲しいということは言えるのでありますけれども、文部大臣として御承知の通り助言、指導、勧告以上の措置はとらないのであります。
○成瀬幡治君 あなたの御答弁によりますと、そういう事実があつたならこの教育委員会に対して監督をし、或いは助言を与え、勧告をする、こういうふうに承わるわけでございますが、そういうことが事実であつたとするならそういうことをおやりになると、こう了承して差支えありませんか。
○国務大臣(大達茂雄君) 抽象的な仮定的なお話でありますから、さような事実は、まあこれは理科教育には限らんと思いますが、あれば直ぐそういう勧告をするかどうかということは、これは具体的な場合でないと申上げられません。ただ全般的にそういうことがしばしば行われると、これが教育の上から見て甚だ重大な問題と化するということになれば、無論できるだけそういうことのないようにという勧告をしたいと思つております。
○成瀬幡治君 私は具体的だと思うのです。例えば九州の水害であるとか、和歌山県中心の水害に対して、これは一つ何とかしなければならんというので、子供たちは学級委員会において決定をしまして、慰問袋を作るとか、或いは幾らかの金を醵出するということとは別個だと思う。こういうようなことは奨励もしなければどうこうという問題ではなくて、やはり私は期待を多く持つたほうがいいと思う。ところが理科教育振興法を通すのだ、そのために小学校は一円、中学校は二円、高等学校は三円を集めるということは、どう考えてみても不合理なことであり、こんな馬鹿なことが行われるということはないと思う。だからこういうことが事実であるなら、私は文部大臣としては当然やるべき責務であり、果してもらわなければならんと思う。それを事実でないのでどうだとかという話ですので、そういうことが仮定の事実で答えられんというなら私も申上げられません。又私は事実であるかないか調査して、又の機会に私は文部大臣にやろうと考えておるわけでありますが、文部大臣としては私が今言つたようにほかのいろいろなことじやない。理科教育振興法を通すために集めたという事実があつたならばどうするかということをお答え願いたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 只今申上げましたようにこれは理科教育とは限りませんが、併し寄附を強制的に集めるということであれば、これは甚だよくない。これは水害の場合でも必ず強制的に集めるとか、或いは又強制的にどうでも持つて来いと言わんでも、大体の実際の空気が子供のほうから言うと、或いは父兄の側から見ると或いは強制的だと感ずるというような金の集め方をするということは、これは穏当でない。でありますから、そういうものにつきましては具体的な事実について善処したい、こう思つております。理科教育についてそれがあるから必ず何か処置をとるか、こういうことでは具体的の事実についてでなければ御返事はできません。
○高橋道男君 議題に帰つて議事を進行されんことを希望いたします。
○委員長(川村松助君) 只今の高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案につきましてまだ質疑がありますか。
○荒木正三郎君 私少し体を痛めておりますので簡単に御質問申上げます。 私も提案者と同じように勤労青年の教育の振興の重要性を感じておる一人でございます。この点につきましては、提案者のお考えと全く同感でございますが、この勤労青年の教育の振興につきましてただ高等学校の定時制の教育、それから高等学校の通信教育だけではないと思うのですが、そのほかにも大学の夜間部或いは大学でやつておりまする通信教育等も考えられるというふうに私は考えるのでありまするが、そういう点についてこの法案は高等学校の定時制、それから高等学校の通信教育に限定してお考えになつておるようでありまするが、その点提案者の御意向を伺いたいと思います。 それからもう一つは私の見るところでは私立学校でやはりそういう勤労青年の教育をやつておるところがございますが、そういう面をこれは対象にしているようには考えられないのでございますが、若しそういうことであれば御説明を頂きたいと存じます。
○衆議院議員(中川源一郎君) 日本に教育を普及徹底させる、殊に貧しい恵まれないものの教育というものにつきましての教育の機会均等を与えるためにはいろいろの方法があろうと存じます。今日の法律化されておるものではどうしても定時制を振興させまして、そうしてこれに多くを学ばすということが必要ではないかと思うのでございます。それすらも家庭の事情とか或いは勤務先の事情によりまして途中で挫折するものがあります。それらにつきましては通信教育をせしめまして、そうして単位をとらして資格をとらす、決して短い期間でなしに長い期間においてそういうふうに勉強をするということも誠に適当な方法ではなかろうかと思うのでございます。又高等学校を出ましただけでは普通課程では目的を達成し得られないのでございますので、大学に進みたいというものが多うございます。これらにつきましては国立とか公立の学校に大学を開設してもらう、又私立の大学を利用する。一番只今では私立の大学が多いのでございますが、それらを利用するということをしなければならんと思うのであります。それにいたしましても、将来は各都道府県に増設の必要を我々は認めておるのでございます。そういうふうにいたしまして定時制とも関連した上級の学校が必要なことは申すまでもないのであります。只今私どもの提案いたしました定時制につきましては大学を含んでおりませんけれども、この法案もだんだんと改善を加えて行かなければならんというふうに私どもは考えております。 それから私立学校を入れたいということは私どもは念願といたしておつたのでございますが、提案いたします場合に、それが至難な点もございましたので、先ず公立の学校を充実させてからのちにと、こういうふうに考えまして、提案は見合わしたのでございますけれども、衆議院におきましては、私立学校もこれは勿論認むべきであるというふうな考え方から、文部委員会で修正を加えられまして、衆議院ではこれを議決いたしたわけでございます。只今私立学校といたしましては全国で二百十二校定時制の高等学校があるわけであります。それらを含めたものを今回は参議院におきましても議決をして頂きたいと思うのでございます。
○荒木正三郎君 そういたしますと、大学の夜間部とか、大学でやつている通信教育というふうなことについてはどうも私御説明がよくわからなかつたのでございますが、次の機会に考えたいというふうな御趣旨でございますか、どのようなものですか。
○衆議院議員(中川源一郎君) 大学の大雑把な計画はございますけれども、定時制を先ず充実させまして、そうして次に一つ大学を考えてもらわなければならんと、又私どもも考えなければならん、こう考えておりますが、只今具体的な御説明を申上げるにはちよつとすることができないのでございますが、一つあしからず。
○荒木正三郎君 それからその勤労青年の教育の重要性ということは、これは何人も認めておる点だろうと思うのですが、この勤労青年の教育の充実を図つて行く上においては、私は別に新らしい法的な措置も必要であろうと思いますが、それに必要な予算を獲得するという点に重点が置かるべきであるというふうに考えておるわけなんです。一体今日の教育関係法規は私はかなり充実したものだと思うのです。それを実現して行くに必要な予算さえ十分に盛られて行けば教育振興はかなり達成せられるのではないかというふうに考えておるわけなんです。併し実際は教育予算は十分でない。非常にお粗末であるというのが現状であるように考えるわけなんです。恐らく提案者もこの法案によつてできるだけ勤労青年教育振興に必要な予算を獲得したい、こういう御趣旨によつてこの法案を御提出になつたのじやないかというふうに考えるわけでございますが、併しこの法案では必ず政府が予算支出をしなければならんという義務規定はないように思うのですが、これで果して政府が予算を組むかどうか。そういう点について一つ提案者のほうの御説明を願つておきたいと思います。
○衆議院議員(中川源一郎君) お説のように予算の範囲内において、ということを除きまして、必ず補助を出さなければならないというような法律でございましたならば、それに過ぎることはございません。私どもの念願といたしますところは、必ずそういうふうにして欲しいというのが私の念願でございますけれども、国家財政を勘案いたしますときに、私どもの目的を一気に達成させるということも困難な事情があるのではなかろうかというふうに考えまして、予算の許す範囲において補助を出して頂くというように法案を作らして頂いたわけであります。そういうふうな遠慮した法案の出し方でございます。これより最低のものはないと私は思つております。この上は十分各位のお骨折によりまして、又我々の努力によりまして目的の達成いたしますようにしなければならんと、こう考えております。よろしくお願いいたします。
○深川タマヱ君 議事進行について……、あと十分で社会党が総会をお開きなさるそうでございますけれども、恐らく十分の後には本会議のベルが鳴りそうでございますから、一つ十分の間にこの質疑を適当に調整なさいまして、成るべくはまとめるように……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(川村松助君) 只今深川君の議事進行についての御発言がありまして、賛成の御意見がありますが……。
○荒木正三郎君 質疑を打切れという動議ですか。何ですか。
○委員長(川村松助君) ちよつと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。
○須藤五郎君 私もこの定時制の問題に関しましては決して満足はいたしません。不満な点はたくさんある。今提案者自身が最低限度の提案だと言つているように、提案者自身もそれは認められている。私は非常に不完全で決して充実したものではないと思うのです。それであればこそ附帯決議がお尻にくつついて来るというような法案なんですから、不完全なものだと思うのです。そうしますと、荒木君たちから出しているところの勤労青年教育振興法案と比較して見てみますと、やはり荒木君たちの出している勤労青年のほうが法案としては優れていると思う。充実していると思う。そうしますと、今ここに二つの法案が同時に出されておつて、こちらに一つのもつと優れた法案があるのに、この不足な、不十分な法案をなぜ急いで出さなければならんかということが私には理解ができないのです。ですから、この二つの法案を同時に審議して、そうして両提案者が相談してここで通すほうが、より完全な法案を作つて通すのが将来のためにいいのではないか。そういうふうに私は考えるのです。これが一点。それとこれを急いで自由党の諸君たちがこれを通して、あとで又荒木君の法案を審議して、そのほうがいいということがはつきりしましたならば、こちらの荒木君のほうの中にこれを解消するだけの度量があるのかどうか、この二点だけを伺いたい。
○衆議院議員(中川源一郎君) 実はこの法案を私どもが出しましたのは、昨年の六月に栃木県におきまして全国に出ておりますその総会がありまして、その際に定時制教育振興法を一日も速かに推進しようじやないかという議決をいたしましたのに基きまして法案を作つたわけでございます。その当時に作りましたのが荒木先生のお出しになつておるのと非常によく似て、何条何々という字句までが殆んど同じようなもので、そのときに私どもの計画では最低百億円金が要るというわけでございまして、その点につきましていろいろ政府とも折衝をして参りました。参りましたが、なかなかこれがむずかしいというふうなことで、たびたび法案の修正をいたしまして、十三回、今回で十四回の修正をいたしましたのがこの最低線のものであります。これでもこんなものなら出さないほうがましじやないかという感じが起りますが、併し出さないよりも出したほうが一歩を踏むことになるから、これで不十分な点は、累年一つ修正をいたして頂きまして、そうして一つ我々の理想とするところまで達成いたしまして、多くの青少年に教育の機会均等を得せしめなければならないということを考えまして、むしろ私どもが提案いたしました法案は、不備な点が多うございます。どしどしこれを修正をして頂きまして、又予算を伴うようにして頂くことを私は念願しておるのでありますというわけでございます。
○須藤五郎君 もう次の臨時国会もそう遠くないのですから、その間、休会中にこの両法案を継続審議の形で審議して、そうしてこの両提案者が相談をして、文部委員会として超党派的に、我々全部が快く賛成のできる、そうしてもつといい案を作ることこそ、勤労青年に対していい贈物になるのではないかと思うのですが、どうですか。それほど急がなくても、ここ一、二カ月の問題ではないでしようか、
○衆議院議員(中川源一郎君) 定時制教育におきまして、振興会のほうは全然政党政派を超越いたしたものでございます。そういう振興会を作つているものでございます。この問題に限つて政党というものは介在しないように今までは努力して参りました。今回政府から提案にならない以上、せめて議員提出をいたしまして最低線のものは確保したい、こういうのが一般の念願でございます。どうぞその点御了承願います。
○成瀬幡治君 約束通りですから暫時一つ休憩をお願いをいたします。
○剱木亨弘君 議事進行。約束通り一つここで質疑を打切つて下さい。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案について、剱木さんのほうから動議が出ておりますが、御賛成のかたは挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(川村松助君) 多数でございます。よつて質疑はこれを以て打切ります。 暫く休憩いたします。 午後一時三十六分休憩 —————・————— 午後七時一分開会
○委員長(川村松助君) 再開いたします。 事情がありまして、本日はこれを以て散会いたします。 午後七時二分散会