文部委員会 第16号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1953/07/31
会議録
○委員長(川村松助君) 只今から文部会員会を開会いたします。私立学校教職員共済組合法案を議題といたします。本法律案は去る七月二十一日に提案理由の説明を聞いております。質疑は本日が初めてでございます。 質疑に入ります前に審査方法についてお諮りいたしたいと思います。総括、逐条と順次やりますか。それとも総括、逐条の差別なしに御自由に御質疑なさいますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) それでは御自由に御質疑願います。政府委員が見えておりますから、質疑のおありのかたは順次御発言願います。
○木村守江君 ちよつとお伺いしますが、公立学校教職員の共済組合がありますが、あの人員はどのくらいですか。
○政府委員(近藤直人君) お答えいたします。公立学校共済組合の加入人員は只今六十四万でございます。
○木村守江君 共立学校共済組合の政府の分担金は幾らくらいですか。
○政府委員(近藤直人君) 事業主といたしまして、都道府県がこれを負担するわけでございます。なおそのほかに政府からそれに対して補助をするということになつておりまして、政府の補助は諸給付の百分の十ということになつております。
○木村守江君 都道府県の負担する分は幾らくらいになつておりますか。
○政府委員(近藤直人君) 千分の五十七でございます。
○木村守江君 公立学校教職員共済組合の組合員の自己負担はどのくらいですか。
○政府委員(近藤直人君) 組合員のほうは千分の三十九でございます。
○木村守江君 それでお伺いしたいのですが、私立学校の共済組合ができることは、非常にその趣旨として賛成するものですが、私立学校の共済組合に加入する人員は何名になりますか。
○政府委員(近藤直人君) 只今私どもで予定いたしておりますのは七万六千人でございます。
○木村守江君 七万六千人というのは、これは加入が自由になつて、強制加入でないということになつておるようでありまするが、修正案によりますと……、その自由加入を見越した数ですか。
○政府委員(近藤直人君) 七万六千と申しますのは、一応全部入つた場合の数字でございます。
○木村守江君 そうすると、この修正案が通りました暁には、このうちの相当数が加入しないというふうな見越しもつくことになりますね。
○政府委員(近藤直人君) 御指摘の通りでございます。ただその数字は、只今一応私どもで予定いたしておりますのは、現在健康保険組合に加入しておりますものが四千五百、それからなお組合設立を考慮中のもの及び政府管掌の健康保険に加入しておりますものが四千二百でございます。従いまして、健康保険組合に入つておりますものは、先ほど申上げました四千五百、それから政府管掌の健康保険に入つておりますのが四千二百でございます。なおそれに現に健康保険組合を設立するかも知れないというものがございますので、それらを全部加えますと一万四千ございます。それから長期給付につきましては、厚生年金保険ですね、この厚生年金保険に現に入つておりますものが二万二千くらいございます。ですから、厚生年金保険に入つておるのが全部抜けるといたしますと二万二千、それから政府管掌の健康保険に入つておるもの並びに健康保険組合に入つておるものが全部抜けますれば一万四千、只今私どものほうの案におきましては、一応健康保険組合に加入しいるもののみこれを除くという建前をとつておりますので、その数字は先ほど申上げました四千五百ということになつております。
○木村守江君 七万六千のうち、大体一割内外が加入しないのじやないかというような見通しがつくのですが、その場合に自己負担はどのくらいになりますか。
○政府委員(近藤直人君) 自己負担という意味は教職員の掛金ですか、掛金は一応変化はないと予定いたしております。
○木村守江君 千分の三十九というわけですか。
○政府委員(近藤直人君) 長期につきましては千分の三十九、短期につきましては千分の二十九。
○木村守江君 ここでちよつとお尋ねいたしたいのですが、公立学校の共済組合では六十四万人の組合員があることころがこの私立学校の共済組合に加入するものは大体七万ちよつとというような状態、政府の負担金は百分の十、ところが都道府県の千分の五十七というような負担が、受けることができるというような、修正案によりますと非常にいい修正をなされておりますが、まあ今までのなり来たりの状態を見ますと、どう考えても私立学校に対する都道府県の負担というものは、公立学校と同じような状態には期待できはいのじやないかということを考えるわけなんです。そうして組合員の数は少い。都道府県の負担は少い。而も組合員の掛金は同じである。その上私立学校の教職員の俸給というものが公立学校の教職員より下廻つているということになますと、この共済組合の掛金というものが相当少くなる。そうした場合には、こういうような立派なものを作りましても、果して運営ができるかどうかというようなことにつきましてちよつと見通しをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(近藤直人君) 只今都道府県の掛金の負担と申しましたが、これは公立学校教職員共済組合におきましては、事業主が都道府県でございますので、その事業主と教職員と原則として折半負担と、それに対しましてこの私立学校教職員共済組合におきましては、事業主に該当するものが学校法人でございますので、学校法人と教職員の折半負担と、こういう建前になつております。従いまして、公立学校教職員共済組合におきまして、都道府県が負担する分を学校法人が負担すると、こういう形になるわけでございます。それに対して更に教職員共済組合には都道府県からも補助ができるようにするというのが、これが衆議院におきまする修正案でございます。そういうことになりますれば、結局それはこの組合に対して補助が多くなるわけでございまして、従つて教職員或いは学校法人の掛金の負担が軽減されるということは、これは当然でございます。 それから只今御指摘になりました標準給与が、これは公立の場合と比較いたしまして低いということは、御指摘の通りでございます。現在公立におきましては約一万三千円見当、私立の教職員におきましては平均一万五百三十五円という数字が出ておりますので、確かに御指摘のように低いわけでございます。それから又そのほかに組合を作りました暁におきまして、果して脱退率がどういうものかということを検討してみますと、公立の場合と比較して私学の教職員の場合におきましては恐らく脱退率が低いのじやないか。それはやはり掛金にマイナスの影響を与える。それから御指摘のように、公立の場合は六十四万を対象にしており、こちらの場合は仮に七万六千を対象にする場合には、危険分散の範囲が非常に狭いので、これも掛金に対してはマイナスの影響があるということで、果してこの組合が運営できるかどうかという御疑問は御尤もでございますが、それにつきまして私ども一応見当をつけましたのでございますが、それは結局御承知のように、教職員の共済組合の運用につきましては、つまり死亡生残表、つまり何人生き残つておるか、将来二十年、三十年経つたときに、何人生き残つておるかという死亡生残表とか、或いは何名残つて、何名脱退するかという脱退残存表とか、或いは又給与の昇給率はどうだという給与指数、そういつたようなもの、或いは又、この溜つて来ます教職員の負担金と、それから学校法人の負担金が集積されまして、ここに責任準備金ができることになつて来るわけでありますが、その責任準備金の運用の予定利率というもの等をいろいろ噛み合せまして、ここに一つの保険数理の計算によつて運営の計画ができるわけであります。従つて只今私どもの計算いたしましたところによりますると、この予定利率を、国債の五分五厘をとつて考えますと、国の補助率の百分の十によりましてほぼやつて行けるという計算ができたのでございます。ただ御指摘のように、先ほど申しましたが、危険分散の範囲が非常に狭いとか、或いは標準報酬が低いとかいうようなことで、確かに公立と比較して、これは何と言いますか、マイナスの要素が多いというわけであります。従つて、これから将来、百分の十の補助金では、掛金率が相当公立の場合に比較して高くなるのではないか。只今の場合は、掛金率につきましては、公立につきましても、短期給付につきましては千分の二十九でございますから、これは公立の場合と同程度でございます。それから長期給付につきましては、公立の千分の三十九に対しまして、こちらは千分の三十八、少し低くなつておりますが、ほぼ同じ程度で、一応それでやつて行けないことはないという見当をつけておりますが、併し更にこれを、衆議院のほうの修正がございましたように、都道府県から補助を与えるとか、或いは私学振興会からこれに助成するとかいうことになりますれば、それだけ、まあ直ちにとは申しませんが、それだけやはり掛金率に対する影響としていい影響を与える。つまり掛金率を下げるような影響を与えるということでございます。
○木村守江君 勿論こういうような法案が作られて提案されるまでは、私が只今心配するようなことがないような基礎的な算定の下になされたと思うのでありまするが、私どもどう考えましても、この加入者の少いところから考えると、まあ先ほど申上げましたような理由から申上げますと、この法律を施行して行くためには、だんだん非常に苦しい立場になつて、その苦しい立場になつたときには、どうしても組合員の加入者の自己負担にしわ寄せしなければならない状態になるのじやないか。若しもこの法案ができたために、而もこの法案が、私立大学に教鞭をとる教職員の身分の保証をして、日本の教育を進展させようというような立派な精神から発したものであるにかかわらず、この法案のために、この法案を運営して行くために自己の負担を重くする、自己の負担にしわ寄せするというようなことがあつたならば、私は本旨に反するものであると言わなければならないと思うのです。そういう点から考えまして、この法案は、私の考えでは、恐らくは国民健康保険等を実施されまして、実際あれを行なつたときに、非常にその加入者負担が多くなつて、あらゆるところに国民健康保険のいわゆる廃止というような憂目を見たことは御承知の通りでございまして、ああいう状態になるその前に、ならない前に私立学校の教職員の組合員に対して非常な大きなしわ寄せが行くのじやないかというふうに心配されますので、そういう場合には、今回丁度国民健康保険に対しまして、国庫が二倍の分担金を持つというような決定をしたように、そういう場合には、いつでも政府は百分の十と言わず百分の二十までも上げて、そうして私立学校の教職員の負担を軽減して、飽くまでもこの法案の趣旨である私立学校の教職員の身分の保障を図つて、教育の振興を図るのだというような御決意があると思われますので、その御決意のほどを一つ伺つておきたいと思います。
○政府委員(近藤直人君) お話の前に、公立学校の教職員は五十四万と申上げましたが、こちらでは七万六千で、今非常に少くて、危険分散が却つて問題だということでございますが、他にも実は極く僅かな組合員がございますので、例えて申しますれば、営林署の共済組合におきましては三万、或いは専売公社の場合は四万というようなことでございまして、まあこの程度の組合員でございますれば恐らくできるのじやないかということでございます。 それから御指摘のように、確かに私立学校の全般の問題といたしまして、経営上非常に困難を極めておる。従つて学校法人の立場も考えなければいかん。又教職員の給与も非常に標準報酬が低いということから、私立学校におきましては、政府は大いに助成その他につきまして考慮を払わなければならないという御趣旨はよくわかつております。私どもといたしましては、是非今後とも私学振興会の方法によつて、学校の経営に対して援助を与えると同時に、又この共済組合の制度によつて、私学の教職員のために福利厚生を図るというつもりでございます。ただ私立学校教職員共済組合を作りました基準と申しますか、それは大体公立学校の教職員共済組合の基準に準じておりますので、つまり公立学校教職員共済組合のそれをほぼ準用しておるという立場でございますので、従つて掛金の負担率などにおきましても、ほぼそれと均衡を得たものがあるわけであります。例えて申しますれば、先ほど申すように、例えば短期につきましては十分の二十九、或いは長期につきましては千分の三十八ということで、ほぼ均衡を得ておるのでございまして、これを公立と比較して、格段な差等をつけて、例えば長期につきましては千分の三十とか、或いは短期につきましては千分の二十五にするということにつきましては、それは負担の面から行きましたら、確かにそれは私は結構だと思いますが、併しながら公立の共済組合、これは元々共済組合の制度でございますので、やはりそういう意味から申しましても、極端にこれを課するということは如何かと思いますが、それは公立と飽くまでも均衡を図り、而も学校の負担、並びに教職員の負担を軽減するという方向にいたしたいと思つております。
○木村守江君 もう一つ局長のお話を聞いていますと、この法案は、将来この法案を施行して行くためには、私立学校の教職員の加入者の自己負担を増すというようなこともないだろう、まあこれで大丈夫やつて行けるというようなことを申しておるのだろうと思うのですが、勿論そういう考えがなければこういう法案は出せませんので、その気持はよくわかりますが、これは私立学校の教職員の共済組合というものの性質を、只今例にとられました営林署や、或いは専売公社の三万とか、五万とかいうような少数の共済組合がやつて行けるから、私立学校の共済組合もやつて行けるのだというような考え方とは、少し私は私立学校においては違うのじやないかということを考えますので、これはやはり専売公社、営林署等がやつて行けるから、これも大丈夫やつて行けるのだということでなく、私は将来においてこの法案を施行して行つて、而も私立学校の教職員の身分を保障して、そうして教育の振展を図るためには、やつていけないような状態に立至つた場合には、政府は責任を持つてやつていけるような方法、即ち或いは政府の補助金を増すとか、或いは私立学校の振興会などの助成金を増していくとか、あらゆる努力をして、これをやつていくようにするのだというような考えを持つて頂くのだと思うのですが、どうぞ御決意のほどを。
○政府委員(近藤直人君) 只今のお話の点は共済組合法の第一条の目的の中に「私立学校教職員共済組合は、私立学校教職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生を図り、もつて私立学校教育の振興に資すること」。政府といたしまして私立学校教育の振興ということは、これは重要な方針でございます。それがために今日まで昭和二十四年には私立学校法を作り、或いは昭和二十七年には私学振興会を作つたということからいたしましても、私立学校の振興ということには非常に関心を持つて来ております。従いまして只今御指摘のように共済組合につきましても、政府といたしましては勿論関心を持ちまして、この私立学校共済組合を盛り立てていく、而も教職員の負担をそう多くしないようにし、又学校法人の負担もそう多くしないようにして、とにかく私立学校の教職員の共済組合を盛立てるということには変りございません。今後ともそういう方向に努力するつもりでございます。
○須藤五郎君 私は昨日厚生省の保険局長の出席を求めたのですが、まだお見えになつておりませんようですから、その前に少し文部当局に御質問いたしたいと思います。 国家公務員共済組合制度と、今度の共済組合との政府が出す金の額はおのおのどれくらいになりますか。
○政府委員(近藤直人君) 公立学校教職員共済組合に対しまして政府の補助は長期給付の百分の十でありまして、これは対象が六十四万人もございますので、その俸給を基準にいたしますので金額は相当莫大に上ります。それからそれに対しましてこちらの組合におきましては七万六千人を対象にしておりますので、その標準給与を基準にいたしまして、これも同率の百分の十、俸給に対しまして百分の十の補助をする建前でございます。
○須藤五郎君 昨日の答弁で公立学校の共済組合と今度の私立学校の共済組合との内容そのものは同じだという御答弁があつたのですが、あらゆる点においていささかも違つていないというふうに理解していいのですか。
○政府委員(近藤直人君) 公立学校の場合とこちらの場合とで給付の種類及び内容等におきまして全く同じでございます。
○須藤五郎君 私はこの条文の中で二、三質問いたしたいと思うのですが、第九条に役員の任免するのは文部大臣となつておりますが、これはなぜ役員の任免権を文部大臣にしたのか、むしろ運営審議会に役員任免権を与えたほうがより民主的だと思いますが、その点に対する……。
○政府委員(近藤直人君) この組合に対しましては、これは文部大臣が監督をするわけでございます。文部大臣の管轄下にある組合でございますので、従いまして、その役員等につきましても、これは文部大臣が任命するのが適当であるというふうに考えております。又その他の法令におきましても、文部大臣の監督下に置くような場合におきましては、役員につきましては文部大臣が任命するのが例になつておるのでございますので、それに倣いまして規定いたしたのであります。
○須藤五郎君 例はいい例と悪い例とありまして、悪い例は即刻改めるのがいいと思います。官僚諸君は何でも前例前例と言つて悪い例でも飽くまでもそれを固執しようとする、非常にいけないと思うのです。ですからどちらがいいかと言つたらば、民主的に運営する場合だつたらば私が申上げたほうがよりいいにきまつておるのでございます。 この第十二条のこれは運営審議会は大臣が委嘱するというふうになつておりますが、私はこの点も運営審議会はやはり選挙制にすべきものだと、こういうように考えますが、それに対して……。
○政府委員(近藤直人君) 第十二条のこの運営審議会は、これは性格といたしまして組合の理事長の諮問機関でございます。而してその仕事といたしましては組合の業務の適正な運営を図るという意味合いを持つておるのでございまして、この運営審議会の役員につきましては、これは組合員並びに組合員を使用する学校法人及び組合業務の適正な運営に必要な学識経験を有するものの、この三つのカテゴリーのうちから委員を選定いたしまして、これを文部大臣が委嘱するという建前をとつております。只今選挙制度はどうかという御意向でございますか、従来これは大体他の例におきましては、評議員というような場合に準ずるのではないかと思いますが、さような場合におきましても文部大臣が委嘱する。又この規定の倣いました規定といたしましては、公立学校教職員共済組合法がございますが、それにおきましても同じような規定がございますので、大体それに準じまして規定した次第でございます。
○須藤五郎君 大体こういう共済組合的なものは、それに加入しておる人たちからの選挙制によつていろいろな役員が選ばれて行くということ、それが一番私は運営上好ましい形だと思うのです。選挙された人ですから、その組合員の利益をいつも念頭に置いてそれを運営して行く、今度任命制ですと、非常に大臣としては都合がいいかわかりませんが、組合員としては都合の悪い問題が起つて来ると思う、というのは、先ほど木村委員が申しましたようになかなかこの組合の運営というものは困難を来すことが明らかだと思うのです。ですから給付が非常に赤字だ、それで赤字がだんだん出て来る。そうするとその赤字を埋めさすのは恐らく組合員にしわよせが来るということは我々も感じられてその点非常に今気にかかつておる点でありますが、そういうことに関しましての解決というものには何でも大臣が任命した役員でしたらば簡単に組合員に押付けるという結果を来すと思うのです。ところが組合員から選出された役員ならば、組合員の意向を十分尊重しなくちやなりませんから、何とかそれを組合員に有利に解決しようとして努力するだろうと思うのです。その点で私はこういう共済組合的なものはすべて選挙制によつて組合員の中からあらゆるものが選出されてこの組合を運営して行くのが一番好ましい形だと思う。而も政府は僅か一千万円に過ぎない金を組合に補助することによつてその組合の指導からすべての権力を文部大臣に掌握しようとする。こんなばかげたことは私はないと思うのです。ですからすべからくこれは選挙制にして最も民主的な運営をするのが当然だと思いますがどうですか。
○政府委員(近藤直人君) 御意見もございますが、決してこれは文部大臣が委嘱する場合に一方的に役所の都合のいいものを選ぶ、さような意味ではございませんので、その点はどうぞ御了承願いたい。勿論文部大臣が委嘱する場合におきましては、各方面の意見を斟酌いたしまして、これが組合の運営に適切なかたを選定する、そうして御委嘱をする、こういうことになるはずでございます。殊に第十二条の第三項には「文部大臣は、前項の規定により委員を委嘱する場合においては、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」という規定もございますように、決して偏頗なことはいたさないつもりでございます。この点はどうか御了承を願いたいと思います。
○須藤五郎君 そんなことは寝言に過ぎない。政府がいろいろな役員を任命するときに政府の都合のいいものを任命しておるじやないですか。あなたが役員を任命するのに共産党の僕を任命することができますか。できないでしよう。自分の都合のいい人間しか任命しない。僕たちは人民の利益を代表していろいろなことを運営して行こうとしている。ところが共産党を任命しようとしないで、あなたの都合のいい人間を任命しておるというのが現状じやないですか。それは言い逃れに過ぎない。結果としては必ず僕が言うようなことが起つて来る。それは観点の相違かどうかわかりませんが、それ以上私は申しませんが、そういうことは単なる言い逃れに過ぎないということを申上げておきます。 それから二十七条、「標準給与の月額と掛金との割合は、政令で定める」、こういうことになつておりますが、これでは非常に私は組合員が不安だと思う。なぜこれを法律化しようとしないのか、その点をお聞きしたい。
○政府委員(近藤直人君) これは只今のところでは、はつきりここで千分の幾つという線がまだ決定されませんので、これを研究いたしました上で政令できめるという意味合いが一つと、それから将来掛金の率というものは変更を生ずるものである。そういつた場合にこれを法律に規定しておきますと、いちいち法律の改正ということに相成りまして、それも如何かと思いますので、政令で定めまして、政令の範囲内で以てこれを定める。それから第三といたしましては、これも公立学校の教職員共済組合法におきまして、これはむしろ運営規則でこれを定めるようになつておりますので、これもそういつたことに鑑みまして政令で定める、この範囲を、例えて申しますれば、先ほど申しました掛金の率は短期につきましては千分の五十から千分の七十まで、長期につきましては千分の七十から千分の八十五まで、かような規定をいたすつもりでございます。
○須藤五郎君 昨日の厚生委員会との連合審査の中で或る委員からこういうようなことが言われたと思うのです。社会補償制度の建前からは、こういうものは一本にすべきで、官公と二本にすべきでないという意見が出たと思うのです。この意見は私は正しいと思うのです。ところが残念ながら今日の日本の社会保障制度そのものが不完全であるために、こういう条件が生まれて来ておる。ですから将来若しも立派なものができた場合は何ら執着なく即刻これを解消して、そうして解消するという決意を今日あなたは持つておるか。一つのものができると何とかかんとか言つて、いいものができても何らそれを解消しないというのが今日までの情勢であります。ですから、そういうことは絶対にないように、いいものができたら直ちにその中に入つて行くかということをあなたたちはどういうふうに考えておるか、一点お聞きいたしたい。
○政府委員(近藤直人君) 確かに昨日の合同委員会におきまして社会保険の制度の一元化というお話が、ございました。その一元化ということにつきましてこれはいろいろ私は問題があろうと思います。又いろいろ見方の相違もあろうと思いますが、終局におきまして、仮りにあらゆる方面からこれを検討いたしまして、一元化ということが理想的なものがありますれば、これは私は決して否定するものではない、かよに考えております。ただこの共済組合は大体先ほど申上げましたように公立学校教職員共済組合に準じて規定されておりますので、勿論その場合には公立学校教職員共済組合と共に、この一元化という問題が当然考慮されるべきものではないか、こう考えております。
○須藤五郎君 何か独自のことを考えていらつしやるようで、私の言つたことに対して何か特別な考えがあるならばその点を述べてもらいたいと思うこと一点。それからこの公立学校のほうとこれを一緒に同じ条件で政府が臨まんとしているならば、同じ組合にしてしまうことが可能なのか不可能なのか。若しも不可能ならばどういう点が不可能なのか、その点をもう一度伺いたい。
○政府委員(近藤直人君) 先ほど申しましたのは社会保険制度の一元化ということにつきまして、私は格別須藤委員と違つた考え方ではないと思いますが、ただこの社会保険制度の一元化という意味が、それは昨日お話ございましたように厚生省の窓口を一つにするという意味の一元化でありまするか、或いはその社会保険制度の内容におきましてこれを一元化を図るという意味でありますか、或いは又これを広く単に日本のみならず外国の例に倣つてやるという意味ありますか、いろいろ私は問題はあろうと思います。そういう意味におきまして、そういつた問題がすつかりまあ集約されまして、一つの理想的な範疇がここに確立できれば、その場合には公立学校の共済組合といえども、又その私学教員共済組合といえども、それは当然考慮に値するという意味で申上げたのでございます。 それから第二点はこの私学の教職員共済組合と公立学校の教職員の共済組合と一本にしたらどうかという御意見でございますが、これは御尤だと思いますが、公立学校の教職員はこれは都道府県に身分を持つておりまして、都道府県から給与を受けております関係と、それに対して私学のほうは学校法人に足場を置いているという身分上の相違がございます。又給与につきましては公立の場合におきましては条例によりまして俸給がほぼ一定しております。大体基準ができておりますが、これに反しまして私学におきましては只今のところではいろいろ差等がございまして、その点一本にするということは困難かと思います。必らずしも不可能ではないという御意見もございましようが、只今のところはやはり困難でございまして、どうしてもこれは別に考えるべきであると、かように考えております。
○須藤五郎君 私はできると思うか当局としてはなかなか技術的にいろいろ厄介な問題があるだろうと思いますが、併し理想としてはやはり一本にするのが本当だと思う。どうかそういうふうに努力して頂きたい。何でも組織というものは最初は人が作るのですよ。できてしまつた組織は今度は組織の中の人の利益、不利益にかかわらず飽くまでもその組織に固執しようというのが通勢なんです。ですから、私は将来この組合員にとつてもつと有利なものができたならば、即刻これを解消して組合員の利益を図るべきだ。そういう決意を今あなたたちに私は求めて行きたい。 それから厚生省の保険局長が御出席になつているようなのでちよつとお尋ねしたいと思うのでありますが、この私学教職員共済組合法案に対しまして、あなたのほうの何と言うのですか、福祉審議会というのですか、社会保障審議会というのですか、名前は私は今はつきりいたしませんが、その審議会から反対の意見が出た、そういうことを私は聞いているのですが、それが事実なれば、如何なる点で反対を表明されたのか、又その反対の意見に対して厚生省としてはどういう見解を持つているのか伺いたい。
○政府委員(久下勝次君) お答えを申上げます。お話の反対意見を表明をいたしましたのは、内閣に所属いたしております社会保障制度審議会のことであらうと存じますが、この社会保障制度審議会におきまして本法案が審議されました際には、私も列席をいたしておりました。その意味で私の見解を申上げるのでございます。何がゆえに反対意見を表明したかということにつきましては、そういう意味におきまして或いは推測に亙る部分があるかも知れません。その点は御了承を頂きたいと思います。社会保障制度審議会がこの案に反対の意向を表明いたしましたのは、同審議会は両三年前に社会保障制度に関する勧告をいたしております。その頃からの一貫した同審議会の考え方でございまして日本の社会保障に関する諸制度が今日におきましてもなおいろいろまちまちな制度になつており、又運用もそれぞれ違つておるので、これを一元化すべきである。こういう立場に立つて従来からその主張をいたしておるわけでございます。従いまして本法案につきましても又同様に別の制度ができるということは面白くないという意味で、反対の意向を表明いたしたものと了解をいたしております。厚生省としてはいろいろこの制度に関しますことにつきまして、というよりもむしろ私どものほうの健康保険法、厚生年金保険法の一部改正の問題が本国会に提案をされ、すでに可決しておることでございますが、その両法の一部改正の問題と関連をいたしまして、事務的にはいろいろな紆余曲折がございました。併しながら結論におきましては、文部省の方針に賛意を表するのみならず、文部省がこの法案を取上げて政府提案として提案をされるに当りましては、法案の作成につきまして私どものほうも及ばずながら御協力を申上げた次第でございます。
○須藤五郎君 あなたのほうの関係の深い審議会と、あなたたちとの間に意見が一致していないように伺うことは甚だ奇異な感じがするのでありますが、私は元来審議会の意見に根本的には賛成なんです。社会保障というものは一本にすべきである。そしてそれは全額国庫負担でおいてやるべきもので、組合員から金をとつてこういうことをやるべきものでない。そして今日の健康保険の中には分娩とか何とか、そういうことがないという昨日の答えでありましたが、こういうあらゆる面も全部社会保障制度の立場から含めたような、そういう立派なものを作るのがこれが本当だと思うのであります。ですから、この共済組合ができることに反対をしている審議会は、それではどういうものを作ろう、そしていつ作ろうという考えがあつて反対をしておるのか。その点を伺つておきたい。
○政府委員(久下勝次君) 審議会の意向につきましては先ほど来申上げておりまするように私が責任を持つてお答えする立場にございません。内閣に所属した審議会でもあります。独立した機関でもありません。その点は御了承を頂きたいと思いまするが、ただこの意見につきましての私どもの考え方を申上げてみたいと思います。私どもといたしましても社会保障制度審議会の勧告の基本的な考え方には同意もし又我我としてもその努力をいたさなければならないと思つておるものでございます。併しながら現実の各種の社会保険制度を見まするときには、それぞれ歴史的な発展過程がございます。又現在現状における越えがたいいろいろな溝がございます。これらを乗越えて制度の一本化を図るということは理想としては言えることでもございましようけれども、余ほど思いきつた強力な施策なり或いは財政的な措置なりが行われません限りにおきましては、私どもとしては極めて困難な問題であると思つておるのでございます。そこでこれらの各個々の社会保険制度の発展につきまして、二つの議論になるわけでございますが、一本化されない前に個々の制度をそれぞれの自由で発展をさせることは、むしろ社会保険一元化の障害になるという意見、それは併しながら理想ではそうでありましようとも、現実のそれぞれの制度における一歩前進ということを考えないということは私は不適当であると考えております。実は私どもの考え方はその後者の立場に立つておるのでございまして、一本化は理想でありましようけれども、一本化されるまでは今の制度の改善に手を着けないということは、これは又現実を見ない措置であると考えまして、現に私どもの関係におきまして社会保険制度をそれぞれ上部改善をし一歩前進を図つておりますが、立場としてはさような立場に立つておるものでございます。
○須藤五郎君 その点に関しては私もあなたと同じ考えを持つているんです。ただ審議会がこの案を反対している以上、これに代るべき何か代案を持つて反対しているのだろうと思うのです。だから私は先ほど質問申上げたのであります。若しもいい代案ができたときには、そのときにこの組織を解消すべきだという建前から私は今質問を申上げたわけなんです。どうもそれがまだないような、余り大した案が審議会のほうにないようなお口ぶりなので、私は甚だ遺憾だと思うのでありますが、どうぞ一日も早く金額国庫負担であるような英断を以て、そして国民の生活安定のためにそういう立派な組織を作るように当局者は大いに努力をして頂きたいと、そういうふうに私は思うのです。もう一遍質問をいたしたいと思いますが、これまで私立学校のかたたちが、なぜ健康保険に任意加盟をしていらつしやらないのか。私が伺つておるのが間違いでなければ、健康保険には一万人、共済会に一万人という加盟があるように伺つておるのですが、ほかはどれにも加入していないと伺うのですが、なぜ加入をしていらつしやらなかつたか。そして今度この共済組合ができるならば、皆さんは喜んでこれに全部加盟をなさるのかどうか、そういう点を保険局長の意見と文部省の意見と二つ、両方伺つて質問を終りたいと思います。
○政府委員(久下勝次君) 実は今度この国会で御決定を頂きました健康保険法及び厚生年金保険法の一部改正がございました。これによつて教育事業が健康保険法及び厚生年金保険法の強制適用事業所になりましたわけであります。従来は教育に関する事業は厚生年金保険法、健康保険法の強制適用事業じやなかつたのでございます。ただ健康保険法及び厚生年金保険法には任意包括加入といつて強制適用の事業所でございませんでも、一定の条件に適いますものは申出によつてそれぞれの保険に加入することが認められておる制度でございます。 それからもう一つは別の項目でございますが、法人の事務所というものがやはり強制的の事業所になつております。五人以上の使用人を持つております法人の事業所は強制適用することになつております。従来は教育をやつておりまする学校は、健康保険又は厚生年金保険の適用を受けておりまするのは二者いずれかの理由によつておるものでございます。大きな私立大学におきましては数校健康保険組合の設立を認可されてやつておるものものもございますし、又小さい学校におきましては政府管掌の健康保険及び厚生年金保険の適用事業所になつておるのがございます。その数は実は私どものほうでも的確に掴めておりませんけれども、少くとも四千名以上の被保険者があると思つております。そういう関係でございまして、この法律はできましても、衆議院の修正にもありまするように、現在そうして適用を受けておりまする事業所につきましては、衆議院の修正案によりますれば、被保険者の過半数の同意を得て文部大臣の承認を受けることによつて、従前通り厚生年金保険法、健康保険法の適用を受けることができるようになつておるわけでございまして、すでにこの法律施行の際、現に健康保険又は厚生年金保険の適用事業所でありましたものは、被保険者の同意を得て文部大臣の承認によりまして、その選択が許されている、こういうようなことになつております。
○政府委員(近藤直人君) 只今保険局長さんの御答弁がございましたが、大体そういう趣旨で私学が今日まで来ておるものだと思います。なおその私学が今日まで、ただ然らば全然この保険につきまして考慮を払つていなかつたかと申しますと決してそうではないのでございまして、御承知のようにこれまで財団法人の私学恩給財団というものが、これは大正十五年に設けられまして、任意加入でございますが、年金の支給の仕事を今日までやつて参つております。只今までその加入者が一万三千人余に上つておりますが、とにかく細々ながらそういつた制度の必要を感じてやつて来て参つておるのでございます。 又短期給付につきましては、これは極く最近でございますが、財団法人のやはり私学教職員の共済金というものが設けられておりまして、これ又約一万数千人の加入者を持ちましてやつて参つております。私学にいたしましてもその必要性を十分感じておつたわけでございます。ただ私学全体といたしましては、教育基本法の精神並びに私立学校法の精神及び先日申上げました通り十三回国会におきまする私学振興法の際の附帯決議の精神から、私学の大同団結をした特定の福利厚生事業を持ちたい、相互扶助事業を持ちたいという熱望もございまして、それが今日実を結んだわけでございます。私学といたしまして、ただ荏苒日を送るというわけではございません、この点は御了承を願います。
○大谷贇雄君 先ほど木村委員の質疑によりまして、本法案の詳細を大体了承をいたしたのでございますが、なお一、二私よりお尋ねをいたしておきたいと思います。先ほどの木村委員との質疑にも当局から御返事がありました中に現われておりましたように、公立学校の教職員の給与と私立の学校の職員の給与とは格段の相違があるのであります。このことは日本の私学というものがその経営におきまして、非常に困難、茨の道を歩いて、独自の立場から我が国の教育、人材の養成のために努力をいたしたいということで私学がやつて参りました。その中にあつて教職員の各位は、先ほどの質疑に現われておりますような、公立学校と比べまして非常に低い俸給手当を以て一生を捧げて教育のために尽力をせられていることを表明いたしているものであつて、過日来この法案が出ましたことについて懇談会等におきまして各委員のお言葉を承わつておりますと、誠に御同情のある、又余りに遅過ぎているというようなお気持が表明されていることによつても、私学の教職員の御努力に対して感謝の気持が現わされていると思うのであります。従つてこの法案ができますることは、本員といたしましても心から喜ぶものでありますが、先ほど来の御質疑にありましたように、この法律が将来学校法人にとわましても、更に又組合にとりましても、その負担が増して、そのために苦しまれるというようなことであつては本法案を御提案になるその趣旨にも悖ることでありまして、先ほど局長さんの御答弁の中には、都道府県の規定はあるけれども、なかなかこれは困難である。従つて政府なり私学振興会においてそれらの点につして考慮をするというようなことでありましたが、その点がはつきりいたしておりませんので、この点に関して将来の運営について工合いよいよ行きますように明確なる一つ御答弁を頂きたい、かように思います。
○政府委員(近藤直人君) 只今大谷委員からのお話でございますが、私どもといたしまして、私学の今日の現状につきましては十分承知をいたしているつもりであります。従いましてこの私学の教職員共済組合法を作りましても、今後ともこの私学の組合を育てるためには、あらゆる援助の努力を払うつもりでございます。その援助といたしましては、これは衆議院で修正になつたのでございますが、先ず第一に都道府県の補助があるということになつております。この点につきましては現在すでに都道府県から現実に補助が出ているのでございます。かような規定がございますれば、なおさら都道府県におきまして援助の途がついたことになりましてこれは誠に結構なことではないか、かように考えております。更に私学振興会法の二十二条の修正を受けまして私学振興会は私学の教育の振興のために必要な施設等に対しまして助成又は貸付をするという規定がございましたものを、「施設、事業等」に貸付をするというふうに改められたのでございます。この点につきましては現行法におきましても、必ずしも私学振興会からこの共済組合に対して助成をするという途が鎖されているとは考えておりません。殊に福利施設、たとえて申しますれば保養所とか或いは宿泊所とか、或いはレクリエーシヨンのいろいろの施設等に対しましては、これは現在でも私学振興会からこれに助成をすることができるのであります。ただこの「事業等」といたしますれば、その点が更に明確化されまして施設のみならずこの私学教職員共済組合の仕事に対しまして助成ができるということになりまして、この点も非常に明確化されて結構だと思いますが、然らばどのくらいの金額がこれに助成されるかということであろうと思いますが、只今私学振興会におきましては、その振興会の金を直接貸付けるという意味では、ございませんので、私学振興会の剰余金からこれに支出するということになります。振興会の規則によりまして普通積立金或いは特別積立金をいたしました残余の剰余金を以てこの共済組合によつて助成するということになろうかと思います。只今私は私学振興会の理事の一員を汚しておりますが、ここで申上げてどうかと思いまするが、本年度におきましても約一千三百万の剰余金がございますので、これを以ちましてこちらの共済組合のほうに助成することができるのでございます。 御承知と思いますが、私学振興会につきましては、本年十億、更に先般の予算の話合いにおきまして、五億追加されましたので、二十八年度は実に十五億の政府出資が計上されることになりますので、この際生じまする剰余金も、相当の額に上るのではないかと今計算されるのであります。従いまして将来私立学校振興会からこの私学教職員共済組合に対して助成するという途は、相当確実に、且つ相当の金額がこれに助成できるという見通しでございます。
○大谷贇雄君 只今の御答弁で、私学振興会の剰余金から助成をいたすことができるいう明確なる御答弁を頂きましたので、その点につきましては結構と存じます。なお従来恩給財団に入つておられた教職員で昨年の十月までに退職をいたした人々が千三百名近くあることを承わつているのでありますが、これらのかたは、先ほど申しましたように、私学振興会もでき、又共済会も、この法律のできる前に、非常な苦心をし、努力をいたして私学の教育のためにお尽しになつたかたがたであるのでありますが、それらのかたが、聞くところによりますというと、僅かに年額一万二千円程度の年金より受けておられんということでありますが、十月に切替えになりましたかたがたとは格段の相違があるわけであります。而もこれらのかたがたは数十年、教育のために尽されて、僅かな年金を受領せられまして、その生活にも困窮をしておられまするけれども、而も教育者であるという立場において、そのことにかれこれなされぬという実情にあるのであります。こういうような年金受給者に対しまして、新旧の不均衡の是正のために、何らかの措置をお考えになつているかどうか。この点を承わりたいと思います。
○政府委員(近藤直人君) 先ほどちよつと触れたのでございますが、私学恩給財団のことでございます。私学恩給財団の発足は、大正十四年当時、この恩給財団を作られた教職員のかたがたが非常な御苦心をなすつているということは、十分承知しております。今日私学恩給財団が一万三千の有識者を以て成長して来たということにつきまして、全く敬意を表するのでございますが、この私学恩給財団の当初の加入者に対する恩給の支給が、年金の支給額が非常に少いということにつきましても、誠に同情に堪えないのでございます。確かに御指摘のように、従来のことにつきましては、一万三千円程度であつたかと思いまするが、それが今後の分につきましては六万五千円というふうになつておりまするので、その点につきましては十分御同情を申上げるのでございます。殊に私学恩給財団が今回の共済組合法成立を機といたしまして解散し、この共済組合で権利金を償還するということになりますと、これはこの新らしくできます共済組合におきまして何らか措置をしなければならないということは、重々考えているところでございます。併しながらこの年金者の恩給の引上げということにつきましては、これは他にもかような例がございます。例えば国家恩給の場合におきましても、或いは府県の恩給の場合におきましても既受給者の引上げという問題がございまして、この点につきましては、まあ急にこれを新らしく発足上ます共済組合の年金支給額までこれを一挙に引上げるということは、ちよつとこれは困難じやないか、いろいろバランスがございますので、それらとかみ合せまして漸次これを改訂して行くという考えを持つております。本法成立の際に、この際一挙にさような問題を解決することは、或いは適当であつたかも知れませんが、只今では一応さような問題につきましては、これは今後の問題といたしまして事情は十分承知しておりまするので、漸次他とのバランスを見まして改訂して、決して御不便をかけないようにいたしたい、かように考えております。
○大谷贇雄君 只今の問題は、この年金受給者も非常に数が少いわけなんですから、いろいろな御事情もありましようけれども、極力一つ、この同じような均衡を保つて行けるように御努力を是非ともお願いを申上げたい、かように思つております。
○長谷部ひろ君 只今までいろんな御質疑に対する御答弁をお伺いしたのですけれども、私どうもはつきりと納得ができないのです。そこで率直にお伺いいたしますけれども、長期給付は百分の十で現在あると、それを私学のほうでは百分の二十に引上げてくれとおつしやつていらつしやるのです。そのお答えに対して何らかの措置をするつもりでいると、それからいろんなバランスを保たなければならない、そういつたようなことについて、まあ考慮して、将来は是非ともそれを実現するように努力するとは言つていらつしやいますれども、併しながらこの百分の二十にいたしましても、負担金が年額三千万円ということを伺つているわけなんです。どうしてそれくらいの少いお金が、この大きな予算を抱えている国家から出ないはずはないと思うのですがね。どこからでも私は捻り出せば出ると思うのです。それを何とか考えて下さるわけには行かないでしようか。この三千万円というような少額な金は、どこからでも私は出ると思います。それについて政府のほうではどうお考えになつているでございましようか。
○政府委員(近藤直人君) 只今の御質問の要旨は、退職給付及び傷害給付及び廃疾給付、つまり長期給付に対する政府の補助の問題であろうと思います。只今この法律におきましては長期給付に対しては百分の十補助するという規定になつております。なぜ百分の十にしたか、これを百分の二十にすることによつて教職員並びに学校法人等の各県の負担率が軽減されて結構じやないか、是非百分の二十にしてもらいたいという御趣旨かと考えますが、自今も申上げました通りこの共済組合の立法の精神といたしましては、公立学校の共済組合に全く準じまして制定されておりますので、公立学校法におきまして百分の十の政府の補助がございますので、従つてこの法律におきましても百分の十という規定をおいたのでございまして、確かに百分の二十ということは私どもとしましてもそうありたいと思いまして、実はこれは関係当局に対していろいろ折衝したのでございます。併しながらその点につきましては了解を得られませんで、甚だ意に満たないのでございますが、とにかく百分の二十ということは今後とも私どもといたしましても努力するようにいたしたいと、かように考えております。なお然らば何らこの組合に対して補助がないじやないかという御意見があるかと思いますが、それに対しましては先ほども申上げましたように、私学振興会というもの或いは都道府県というものから、これに対して補助がなされるということでございます。全く御指摘のように百分の十から百分の二十に引上げた場合には、金額にいたしまして二千五百万円程度でございまして、或いは極めて少額な金額であろうかと思いますが、この点につきまして率の引上げの問題につきましては、これは影響するところが非常に大きいということでございます。つまりこれは厚生省所管の健康保険或いは厚生年金保険、そういつた面、或いはその他の保険にすべて影響する問題でありますので、ここの場合におきましては仮に二千五百万円の問題といたしましても、他の方面にこれはやはり適用するようになりますので、その金額は相当多額に上るという意味合いから、なかなかこの点につきましては了解を得ませんので、残念ながら百分の十ということに止まつた次第でございます。
○深川タマヱ君 誰の考えもよく似ているらしうございますが、会期が非常に切迫しておりますために、私学側の強い要望もございましたので、拙速もこの際は止むを得ないかと思つてだまつていたのですけれども、会期が若し延長になるようでございましたら、この原案は誠に手落のある原案でございます。参議院といたしましては、もう少し考慮の余地があると思うのです。実は私質問をしようと思つておりましたところ、自由党の木村さんからすでに御聡明なる質問をされたそうでありまして、誠に我が意を得たりと思つております。さつきは又無所属の長谷部さんから同じ意味の質問がございましたが、この原案は恐らく極く一カ月前くらいにできた原案だろうと思います。一カ月目におきまして改進党が予算折衝の途中に国民健康保険二割国庫負担という修正案を以ちまして他会派と折衝いたしまして、それが功を奏しまして二割になつたわけです。いわばこの私立学校の共済組合もその一般国民健康保険によく似たものでございますので、特に多年非常に苦労されていらつしやる私学側のほうに余計に国庫補助をするならわかるのですけれども、一般国民の健康保険よりも半分しか補助しないということはどういたしましても聞えない話でございます。いろいろ影響するところが多いそうでございますけれども、共産党の須藤さんの話によりますと、そろそろ全額国庫負担にして行くことが理想だということでございました。影響するところがございまして、辛抱できないなら辛抱できないところから、そろそろこの意思表示が出て来ると思います。それはそのときに考慮されるといたしまして、新らしい法律をここに設定いたしますときは、相成るべくは完全に近いもので出発いたしたいと思います。公立学校のほうが一割だと仰せられますけれども、公立学校のほうも二割にできるならばそろそろしてもいいと思いますので、私学振興会の助成金というふうなお話がございましたけれども、元来これは設備に使う金であつたのではないかと思いますので、これほどたくさんの金が今まで手許に遊んでおりましたならば、経営困難を来たしております私学のために、何故今まで融通しなかつたかという疑惑を持つのでございますので、こういう助成金がこういうような、してもせんでもいいような融通無碍のようなことにしないで、法律の上でちやんと二割国庫負担にするということがいいと思いますが、政府から出た原案を政府が修正なさるということはお困りでございましよう。困難であると思いますので、大会派自由党がすでに二割に賛成だし、改進党にも報告して見たいと思いますし、ここにいらつしやる先生がたも私学に対しまして深い同情を持つていらつしやるらしいのでございますので、あとは高橋道男先生に緑風会を一つまとめて頂きますならば二割の修正は成功する可能性が多いと思いますので、委員長におきまして会期延長と睨み合わせまして手落のないように、一つできますならば、相成るべくは、この際スタートに当つて二割の要望に応えられますように修正をおまとめを願いたいと存じます。政府の御答弁がありましたら承わつてもよろしうございます。
○安部キミ子君 只今皆様のお話を聞きまして私も賛同するところがありますし、又全面的に賛同ができないところもありますので、後ほど私どもの考えました修正案も出ることだと思います。併し今まで私学がみじめな状態におかれていたということは異口同音に皆様も認めていらつしやいますが、生みつぱなした親がその子供を立派に育てることはこれからだと思います。併しまだ生みつぱなしの子をそのままにしておかれる学校があるのではないか、と申しますのは、私は私立学校というものの存在が学校法人或いは財団法人というふうな、れつきとした立場におかれている学校は漸くにしてこのように救い上げられるのでございますが、今日全国に各種学校という特別な制度によつていわゆる学校教育・子供の教育に携わつている学校なり教職員の数は万を超えるものだと思うのであります。而も戦後この各種学校の果しました役割は、その立場は教育基本法や新憲法や或いは教育委員会法に基いてできたものでないといたしましても、それがその場その場で果した役割というものは非常に大きかつたと思うのであります。従いましてこれらの学校の経営者或いは教職員は非常に苦しい立場でそれぞれの務めを果しておりますが、政府ではこの各種学校をどのように考えておられるでありましようか、先ずそのことからお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(近藤直人君) この法律で規定しております組合百員の内容でございますが、それは第十四条に規定してございます私立学校法第三条に定める学校法人同法第六十四条第四項の法人又は組合に使用されているものは組合員とする、只今安部委員の御指摘になりました各種学校と申しますのは、この私立学校法第六十四条第四項の法人でございます。この点につきましては各種学校と申しますのは確かにいろいろございまして、現在約六千もございます。そのうちにはこの私立学校法第六十四条四項に規定いたしております法人組織の、いわゆる私立学校法に認められております各種学校もございます。又そのほかに民法上の法人でできているのもございます。或いは又純然たる個人立のものもございます。それらを合わせまして今日約六千程度あるわけでございます。この教授で組合員といたしておりますのは、この各種学校のうち私立学校法の六十四条の四項で規定されておりまするものだけを対象に取上げております。と申しますのは、これは私立学校法の第三条にいうところの学校法人でございまするので、さような意味におきましてこれは組合の対象に取上げたのでございます。でありまするから、各種学校のうちの私立学校法で認めておりまするものだけを対象にしたのでございます。
○安部キミ子君 そうしますと学校法人による各種学校はこのうちに挿入れるという御意見でありますが、法人に入つておらない各種学校は除外するという御意見でございますか。
○政府委員(近藤直人君) さようでございます。例えて申しますれば、仮りに学校法人の或る大学でありまして、その大学が、大学、高等学校、中学校、幼稚園の各種学校までも経営しておる大学がございます。その場合にはその学校法人の経営する各種学校でありまして、これは学校法人の範疇に入るわけでございます。学校法人の範疇に入るわけでございますから、その学校法人の経営する各種学校はもとより組合員になるわけでございます。それからもう一つはこの私立学校法の六十四条の四項でいうところの法人組織の各種学校に使用されている組合員は対象になります。それからその他のいわゆる民法上の各種学校或いは純然たる個人立の各種学校につきましては、これはこの対象から除外してございます。
○安部キミ子君 私は新憲法に謳われておりますところの、すべての国民は教育を等しく受ける権利を有するのであつて、公立学校の全額は当然国庫が負担すべきでありますと同時に、やはり教育に関する限りにおいては私立学校にも幾分の恩恵があつて然るべきだと思うのであります。現に各種学校に勤めております先生たちの現状は非常に惨めなものでありますので、せめて共済組合のほうなりとも適用してもらいたいというのが皆さんの熱意でありますと同時に、私がこの目で見ましてそうあつて欲しいと思う念願でありますので、当局におかれましてもこの線もこの次には必ず考えてもらいたいということを希望しておきます。
○委員長(川村松助君) ほかに御質疑ありませんか。 〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御質疑がなければ速記をちよつと中止して下さい。 午前十一時三十三分速記中止 —————・————— 午後零時十一分速記開始
○委員長(川村松助君) 速記を始めて下さい。質疑は大体お済みのようでございますが、ほかに御発言ございませんか。本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議はないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○木村守江君 私は今回提案されました私立学校教職員共済組合法案並びに衆議院より送付されました同修正案に対して賛成の意見を述べるものであります。 御承知のように私立学校が終戦後我が国教育の振興のために貢献をいたしましたことは誠に大きいものでありまして、今更論を待たないところであります。ところが私立学校の状態は、その経営の場合におきましても、又私立学校に奉職する教職員の身分につきましても、全く前途を憂うべき状態がありまするところに、この法案の成立によりまして、将来幾分でも私立学校の教職員の身分が保障され、而して安心して教育に従事することができることは誠に結構なことだろうと考えるのであります。かような点から本法案は必ずしも万全の策を含んでおるものとは申しがたい点がありまするが、この法案の成立を心から賛成いたすものであります。なおこの法案の将来遂行していくにつきまして万全を期せんがために附帯決議を付したいと考えております。附帯決議を朗読いたします。 私立学校教職員共済組合法案に関する附帯決議 本委員会は、私立学校教職員共済組合法案に対し、次の通り決議する 一、役員は、広く各界代表によつて構成するようその任命に留意すると共に、将来、運営審議会に役員推せん権を与えるよう考慮すること。 二、運営審議会の委員構成は、組合員たる教職員代表と学校法人等の代表とを、各同数とする、と共に、将来、選挙によつてこれを選任するよう努力すること。 三、第三十五条一号の国庫補助率は、早速に将来更に引上げるよう、法改正を考慮すること。 四、私立学校教職員共済組合は、私学恩給財国からの既年金受給者に対して、本法案の施行後、なるべく速やかにその受給額の増額措置を考慮すること。 以上の附帯決議を付しまして本案に賛成するものであります。
○高橋道男君 私は衆議院から修正されて送られました本法案に賛成するものであります。 私立学校法に引続いて私学振興会法が制定され、更に今回私立学校教職員共済組合法が成立する段階に至りましたことは、私立学校の法体系を確立する上からの段階といたしまして誠に喜ばしいことと思うのであります。今国会においてこの法案が上程されるかどうかということにつきましては過程上若干危ぶまれておつたこともあつたのでありますが、幸いにして当局の努力によつて、而も数日は徹宵してこの法案の原案を得られたというような努力に対しまして私は篤く敬意を表しておきたいと思うのであります。 ただこの際私の意見として附加えて置きたいのは、私は年来この学校教職員というものの立場は私立と公立との経営者の違いはあつても教育者としての身分に相違のあるはずはない。教育者としてはすべて一つであるというような上から、殊にこの年金給付というようなことに関しましては国公私立を通じた一本建の制度ができることを希望し、又その努力をして来たつもりであります。一昨年私は初めて当時の文部大臣或いは管理局長にその意を持つてお尋ねいたしましたところ、その当時は私立学校の教職員は公立学校の教職員と全然一つにはできないというような相当強い御意見があつたと記憶するのでありまするが、その後当局のほうにおきましてもその意見が転換いたしましたせいか、今日の須藤委員の御質問に対しましても困難ではあるけれども必ずしもできないことではない、同一の身分として認められないわけでもないというような御発言があつたことはその一つの証左だと思うのでありますが、今後も私はこの私立学校の教職員各位と国公立の学校教職員の各位とが国家的な立場から教育者として殊に退職後の問題につきましては同一の待遇を受けられるような、つまりこの共済組合におきましても同一の共済組合の下に運営できるような制度ができることを希望するものであります。先ほどは公立と私立とは違うから相当困難だという御意見が政府委員からございましたけれども、これは制度によつて人間の人としての権限を束縛しているような見解に立たれておるものだと思うのであります。私は先ず人間として、教育者としては同一の立場、同一の身分でなければならん。法律も又制度も又その人間を守る上からこれを根本的に考究し直して行かねばならんというような見解を強く持つておりまするが故に、今後教職員の問題におきましては何とか一本になり得るような努力を私もいたしますけれども、当局においてもこれをいたされるように希望するものであります。殊にこの学校教職員の間におきましては公立私立の関係を問わず人事交流ということはほかの職種よりももつと頻繁に行われているというようなことから考えまして、これはできるだけ早い機会に一つにする方法をとつたほうがもつと私はよい制度を生むものであるというように考えるのであります。 次にこの現在の恩給財団によつて長期給付を受けられておるかたに差等があるということにつきまして先ほど大谷委員から御発言がございましたが、僅かの予算でこれを均等にすることはできると思いまするから、私は予算の運営上の措置を以つてできれば来年度には遅くともこれが均一して給与されるように処置を講ぜられるように希望するものであります。 もう一点触れて置きたいのは、この法の第十四条に組合員を構成する規定が設けられておるのでありますが、組合員の資格についていろいろ問題が起り得ると思いまするので、そうしてこの組合員の構成によつて、組合員の在り方によつて、この組合が円満に運営されるかどうかということも起つて来ると思うのであります。極端にこれは悪く解釈いたしますれば、この法を悪用して、資格として不十分な者も組合員に入ることができるようなふうにさえ考えられないでもありませんので、そういうところはいわゆる悪貨によつて良貨が駆逐されないように、良貨だけが十分に護られるように運営されることを希望するのであります。現在の段階におきまして、我が国においては社会保障制度が完全にでき得ない状態でもありまするので、私はここに今回この法案が成立することを心から喜びを以て賛成いたしたいと思うのであります。 なお先ほど木村委員から提案されました決議についても賛意を表するものであります。
○深川タマヱ君 本法案は一方において国民健康保険に国庫が二割補助いたしながら、他面多大の経済的困窮と闘いながら、私学の分野において日本の文化行動に少からず貢献いたしつつある経営者並びにその教員に対し、国民健康保険と同じ性質のこの問題の国庫補助がその半額の僅か一割であるということは誠に筋の通らんことであり、且つは多年の私学への労に報いるところの余りにも少きを憾むものでございますので、今回この機会に修正を強く望んだのでございますけれども、諸般の事情止むを得ん様子でございますので、附帯決議にとどめますが、一年以内に速かにせめて一般の国民健康保険なみの国庫補助の改革案を政府のほうでお出し下さいますことを強く要望いたしまして、改進党を代表してこの案に賛成いたす次第であります。
○安部キミ子君 終戦後のどさくさの中で、いち早く立ち上つて、国民の教育に挺身して下さいました私立学校経営者の皆様方並びに教職員の皆様方が、多大な誠意を以て御助力頂きましたことは、我が国にとりまして非常に有難いことだと思います。そもそも教育基本法に載つておりますように、教育はすべて機会均等であるし、而もその身分もすべてのことが安心して保障されなければならない。又児童憲章にもありますように、国はこれを以て責任を負うというふうなことが言葉を美しく書かれておりますにもかかわらず、現在の実情はそのことが実践に移されていない憾みがあるのであります。従いまして、私はこのたびのこの法案が出たことは大変喜ばしいことでございまして、先生方の身分が安心して保障されるということは、それは即ち生徒、児童も安心して教育が受けられる、立派な教育が確立されるという、そのことに帰一すると思うのであります。その意味におきまして私はこの法案は十分なものではありません。先ほどいろいろ討論がありましたように至つて不満なものであります。若し理想とするならば、私はこれらの制度は全額国庫が負担すべきものだと思うのであります。併し現在の段階におきましては、そう望みますことも不可能なことであります。併しながら私どもは全員一致してこの法案が、皆様が心に強く要望しておられますところの附帯決議をいたしまして、万全を期して進んで行きたいと思う次第であります。御当局におかれましても、今日のこの空気がどういうところにあるかということを十分御察し下さいまして、国民のこの希望しているところを実現してもらうように努力して下さることをお願いしておきます。私は社会党第四控室を代表して意見を述べました。
○須藤五郎君 私は共産党を代表してこの法案に賛成をするものであります。併し私たちの考えといたしましては、先ほど社会党の安部委員もおつしやつたように、この種のものは全額国庫負担とするのが当然だというふうに考えます。そして又その国庫負担は決して不可能ではないと思うのであります。なぜならば、九千億の予算の中から数千億の再軍備費を使つておる今日、その憲法違反の再軍備をする費用をこれに廻すならば、たちどころにして全額国庫負担ということも可能であります。なお又只今問題になりましたこの私立学校の補助金のごときも、百分の十を百分の二十にすることは実に易々たることだと思うのであります。そのことによつて二千五百万円の金が要るということを申して渋つておりますが、大砲一門作ることをやめれば二千五百万円の金は出る。何でもないこと、それをやろうとしないところに今日の政府の性格があると思うのでありますが、併しそういうことを申上げまして私がこの際反対をいたしましても、全国私学教職員の諸君が強く、不完全ながらこの法案の成立を希望されて、日々たくさんの希望葉書を寄せられましたことに対しまして応える途でもないと存じますので、私はこの際全国の私立学校職員の皆さんの強い要望に応える途として、不満ながらこの法案に賛成をいたしたいと存じます。 なお私が法案の審議の過程におきまして、いろいろ、質問をいたしました不満な点も、この附帯決議の中に要望されておりますので、その点を諒として私は賛成の意を表する次第でございます。
○長谷部ひろ君 公立学校の職員でありましようとも、私立学校の職員であろうとも、教育者としての使命は同一であろうと思います。従いましてその身分は尊重されなければなりませんし、勿論待遇も平等でなければならないと思います。併し現在の私学の教職員は非常にみじめな、本当に恵まれない状態にあるのでございます。で、私立学校の先生方が安心して、明るい気分で教育に従事することのおできになりますようにどうしてもしなければならないと思います。その意味におきまして、今度出ましたこの法案というものは実に私として不満ではございますけれども、早急にこの不満を解決して頂くことを第一といたしまして賛成するものでございます。
○委員長(川村松助君) あと御発言ありませんか。別に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。私立学校教職員共済組合法案を議題といたします。本案を可決することに賛成のお方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 全会一致でございます。よつて私立学校教職員共済組合法案は可決と決定いたしました。 それから次に只今討論中にありました木村君提出の附帯決議を採決いたします。木村君提出の通り附帯決議を付することに賛成の方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 全会一致と認めます。よつて木村君提出の附帯決議を付することに決定いたしました。なお以下慣例によつて委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。それでは例によりまして御署名願います。 多数意見者署名 八木 秀次 谷口弥三郎 深川タマヱ 長谷部ひろ 須藤 五郎 安部キミ子 荒木正三郎 大谷 贇雄 剱木 亨弘 吉田 萬次 高橋 道男 木村 守江
○剱木亨弘君 本日は非常に困難かと思いますけれども、是非本会議に上程するようにお願いいたします。
○委員長(川村松助君) 事務当局にさよう連絡をとつてあります。暫く休憩いたします。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) では休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 —————・————— 午後四時十二分開会
○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を再会いたします。 理科教育振興法案を議題といたします。発議者坂田道太君から提案の理由の説明を求めます。
○衆議院議員(坂田道太君) 提案の理由御説明を申上げます前に、私たち衆議院文部委員会各党を代表いたしまして、一言皆様方に御挨拶を申上げたいと思います。この暑さに、而も連日の委員会で非常に御苦労を願つておりますさ中に、私たちが共同して提案いたしました理科教育振興法案を、委員会にお取上げを頂きましたことを、厚く心から感謝申上げる次第でございます。 私は只今議題となりました辻寛一君外衆議院議員二十名の提案にかかる理科教育振興法案について、提案者を代表いたしまして、その提案理由の概要並びに法案の骨子を御説明申し上げます。 御承知の通り我が国の現状は、国土も狭く、資源も極めて乏しい実状であります。この窮状の上に八千万の国民が文化的な国家を建設するためには、何をおきましても全国民の我々一人々々が等しく一日も速かに合理的、科学的になるより外に途がないと存ずるのであります。資源に恵まれ、経済力豊かな欧米においても、科学の振興には、絶大の努力が払はれつつありますこと皆さん既に十分御承知のことと存じます。この世界の大勢に伍する上からも、科学の振興こそは、国家の一大責務なりと考えます。而して科学の振興は、その基礎である小、中、高等学校の理科教育に俟たなければならないと思います。その理科教育を振興するには何をおいても先ず適切なる施設、設備が必要なことは明らかでございます。 然るに、わが国小・中・高等学校の理科施政設備の現状は、極めて不完全でありまして、十数年に亙り殆んど放任の状態でございました。加うるに戦災による甚しい損耗も依然として回復されず、非戦災校におきましても、破損、消耗のためその設備は使用不能の状態でありまして、小学校の全国平均の現有設備は基準の約一八%、中学校におきましては一一%、高等学校におきましても二一%という甚だしい低率を示しております。しかもこのまま放置しておきます時は、これが改善される見通しは殆んどないのでございましてこの危機を脱するために、国において、財政的措置をはかり、理科設備の充実、理科教育の振興を期することが目下の急務であると考えた次第でございます。 科学振興という理想を実現するためには、まず小、中、高等学校におけるところの、理科教育充実を図ることが先決でなければならない、こういう前提に立つて、私共提案者一同は、本法案をとりあげたのであります、民族の将来を思い、文化国家の基盤を考えて、数多い教科目の中から敢えてこの理科を採りあげ、此の振興を提案致したのであります。 次にこの法案の骨子を御説明申し上げます。 第一に、この法律案は、学校教育における理科教育の目的を明確に規定し、理科教育の振興を図るため国の果すべき任務を規定してございます。 第二に、理科教育に関する重要事項を審議するため、中央に設けられる理科教育審議会の構成及びその任務を規定してあります。 第三に、公立学校の理科教育設備を整えますために要する経費の国庫補助を規定してございます。学校教育の内容に関して理科設備は最も多額の経費を要するのでございますが、従来これが専ら父兄の負担において賄われてきた実情でありました。本法案におきましては国庫補助の途を開き、公費によつて理科教育の生命とする実験、観察のための設備の充実を図ることになつているのでございます。 以上、この法案の趣旨及び大要について申しのべましたが、本法案は理科の現状を考えますと、まだまだ不十分でございます。しかし、国家財政の実状にかんがみ、この程度に止めた次第でありますが、本法案が成立し、施行されますならば、学校教育は著しく充実し、生徒、児童の学習意欲を高めまして、我国の教育の振興に貢献するところ極めて大きいことを確信いたす次第であります。 どうか慎重に御審議の上、すみやかに御賛同あられんことを御願い申し上げます。
○委員長(川村松助君) 引続き質疑に入りましようか、暫く休憩しましようか。 ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記をつけて下さい。 質疑に入るについて総括質問からやりますか、逐条、差別なしにやりますか。
○相馬助治君 逐条を含めて総括質問したらいいと思います。
○委員長(川村松助君) 総括、逐条を含めて質問することにいたします。質疑のある方は御発言願います。
○相馬助治君 辻寛一君ほか二十四名提出の理科教育振興法案の提出理由の説明を聞きまして、率直に発議された衆議院の各位に私は敬意を表します。 そこでお尋ねしておきたいのですが、申上げるまでもなく各種のこういう振興法案が出るということは、この立法の建前から言いましても実のところ喜ぶべき現象でないと思うのです。併し現実に理科教育が立遅れている、これを救うためには単独の立法に待たねばならないというこの現在の国情からして止むなくこういう発議となり、我々も又これを喜んで審議しなければならないということ自身が、もう理科教育というものが如何に今日まで無慙な状態に置かれて来たかということの立証だと思うのです。 そこで私はこの法律で問題になりますことは、ただ一点、この立法によつて財政負担区分がどうなるんだということに尽きると思うのです。そこで立案者にお伺いしたいと思うのですが、この立法に当つて特に政府方面と財政上の交渉をした事実があるかないか、あるとすればその概略について承わりたいと思います。
○衆議院議員(坂田道太君) お答えいたします。この理科教育振興法案を提出いたしました主な理由の一つは、理科設備に対する費用が非常にたくさんかかるから、これを法律案にしなければならない事情になつたわけでございまして、私どもも国会にこの法案を提出いたしますからには、大蔵省とこの点の見通しを持たなければ提出するわけには行かんということで参つたのでございまするが、漸く私たち提案者といたしましては甚だ不十分とは考えます。又理科教育の振興という点から考えまするならば、これで以て私たちは満足をいたしておりません。遥かに理想は違いのでございますが、併し最小限度これくらいやつても、この法案を提出いたしたほうが理科教育の振興になるという確信の下にこれを提出いたした次第でございます。 然らば一体どの程度の費用をもくろんでおるかというお尋ねでございますが、この点はこの法案によりますると、一応二十九年度の予算から施行するということになつておりまするが、大体私たちといたしましては国庫補助金といたしまして五億程度を毎年小、中、高等学校の理科設備のために出して頂く、こういう了解を得ておるような次第でございます。而もその出し方といたしましては、現在御承知の通り半額義務教育の負担法の中にございまするように、教材費といたしまして十九億五千万円が見込まれておりますので、その中から三億七千万円、これは義務教育でございまするので、小学校、中学校の分でございます。あと残りの一億三千万円を来年度にプラスいたしまして五億を別枠といたしまして出発をいたしたい、こういうふうな考えを持つております。で、毎年五億を国が負担し、残りの五億、合計十億を以て初年度の理科設備の充実を図りたい。そうしてこれを十年計画にいたしまして約百六億を以て理科教育設備の第一段階の設備の充実を終りたい。これが私たちの考え方でございますし、大蔵省と了解を得ております点もそういうような最小限度の費用でございます。
○相馬助治君 その財政上の問題は政府当局にも私は伺わなくちやならないところですけれども、只今の発議者の御努力というものが十分窺われる御答弁で、その点は了解いたしました。 次にこの教育の現実から推して私立学校ですが、極く特殊の私立学校は日本でも公立学校に優る理科設備をしておりますが、平均いたしますれば特に高等学校程度までのもので見ますと、私立学校のほうが理科と言わず、図書と言わず、種々な設備が公立学海に比べまして落ちていると、かように存ずるのです。で、この画期的な立派な法律案を提出いたしました衆議院の各位がこの現実を見逃すことは私はよもなかろうと思いまするけれども、現実には私学のことについては一言も触れておりません。何かこれらの点については経緯があるならば承わり、今後のお考えについて言及されることを希望いたします。
○衆議院議員(坂田道太君) お答えいたします。只今の御質問は誠に我々といたしましてもそうあるべきものと実は考えまして、私立も是非共これに入れたい、そういうことで折衝もいたしたのでございまするが、何と申しましても現在の国家財政からいたしまして、経費の面でこれを落されたような次第でございます。先ず国といたしましても義務教育、それに高等学校、公立学校、小学校を先ず充実して、その次の段階において私立学校におきましても援助の手を差延べるべきではないか、こういう考えに実は立脚いたしておるのでございます。仰せの通り私立の小学校、中学校におきましても極めて貧弱でございます。加うるに戦災その他災害によりまして、現有設備も私立小学校におきましては二〇%、或いは中学校においては一〇%、高等学校においては二〇%というような誠に貧弱な設備でございます。併しながら我々といたしましては、先ず第一に義務教育及び公立学校を先にしそうして私立学校は次の段階にいたしたい、止むなくそういたしたような次第でございます。 ただここで私たち一応そういう考えを持つて参りましたけれども、一面においてはやはり公立学校というものと私立学校というものには、おのずとその教育の目的につきましても、一致する面もございますけれども、又私立学校は私立学校なりの立場も目的も持つていると考えられますし、又その経営の方針も違うかと考えるのでございます。一方におきまして皆さんがたの御協賛を得まして、私立学校の振興という面につきましても多大な御援助を得まして、そうして今国会におきましても修正案といたしまして、十億に加うるに五億の振興の費用を組んで頂いたような次第でございまして、私立学校の場合におきましては、一方においてこういう振興の途も開かれておりますので、当分の間これで我慢をして頂いて、そうして将来においてもう少し我々の財政が豊かになりました場合においてこれを考えたいこういうふうな考えを持つております。
○吉田萬次君 只今の御説明によりますると、私立学校にはおのおの特色があつて、多少そこに公立学校と違うようなことも考えられる点もあります。併しながらこの中小学校といういわゆる義務教育の方面においての私立学校というものは、殊に基礎的の知識を与えるということにおけるところの理科の問題については同じものだと解釈いたします。殊に国家財政から考えて、そうして今余裕がないからというお話で、この問題が実現してその後において私立学校のほうも考えようというようなお話でありました。この書類から見ますると、あなたのお説から言うと、十年後において、十年において完備するということであつたならば、少くとも十年の期間を待つて、然る後に私立学校に恩恵を与えるというようなふうに解釈ができるのであります。殊にこの資材というものを見ますると、これは備品もあり、消耗品もあるように思つております。国家がすべての面において負担をするということであつたならば、もう少し考えようによつて私立の方面に及ぼすという計画も立ち得ると思いまするが、この点どうお思いになりますか。
○衆議院議員(坂田道太君) 只今のお説は尤もだと私たちも考えております。私たち提案者といたしまして、最小限度の設備をするのに十年かかるから、十年後において私立学校に手を差延べるという考えは実は持つておらないのでございまして、来年度の予算時期におきまして、或いはその次の国会におきまして、できますならばこの点を大蔵省と折衝して、見通しがつき次第そういうような私立学校に対しましても補助金を差上げるというようにしたいという趣旨に考えておるわけでございます。
○吉田萬次君 先ほども申しましたが、必要な器具、機械というような方面を見ましても、この中には備品と消耗品と、すべてが含まれている。そうすると理科教育というものに対するこの負担というものは全部国庫でおやりになる御方針ですか。
○衆議院議員(坂田道太君) お答えいたします。この法案におきまして消耗品は入つておりません。
○吉田萬次君 それは成るほど見れば消耗品でないようなものがありまするけれども、併し物の限度というものにおきましては、五年或いは三年を以て使用に耐えないものもあるのでありまして、全部これを消耗品でないというはつきりしたことについては、そこに見解の相違もありましようけれども、さような方面にまで考慮せられるというような慈悲心があつたならば、少くとも私立学校に対してもこの恩恵に浴させるのが当然であると思うのでありますが、かようなことについてお考えはどうでしようか。
○衆議院議員(坂田道太君) 私どもといたしましては至極尤もなことだと考えておりますが、まあ例えばフラスコであるとか、そういつたようなものは、一面において設備でありますと同時に消耗品とも言えるかと思いますし、それを公立学校で見ておつて、そうしてこの三条に私立を除いておるのは怪しからんじやないかというようなお説でございました。私どもといたしましてはこの点は誠に同感でございまするが、只今この法案を提出いたしました経緯に鑑みまして、実はこの点を落されたわけでございます。併しながらその趣旨は十分に我々衆議院の文部委員会といたしましても又参議院の皆さんがたのお力を得まして完璧なものにいたしたいと、かように考えておる次第でございますので、御了承を得たいと思います。
○相馬助治君 発議者並びに政府にお尋ねしておきたいと思います。第九条の二項、「必要と認められる経費の二分の一を、当該学校の設置者に対し、予算の範囲内において補助する。」という、この「予算の範囲内」というのは、これは国の予算を指しておるのかどうか。それからつい先だつて学校図書館法というのが本院にかかつて、極めて慎重な審議が試みられました折に、同僚荒木委員から、あの学校図書館法が、義務教育費半額国庫負担法の適用を排除していないことについて疑義を持たれ、質問をしたのであります。そうして政府当局からもそれぞれ必要の答弁がなされたのです。ところがこの法律案を見ますと、義務教育費半額国庫負担法の適用を排除しております。そこで発議者は真に理科教育の振興のために義務教育費半額国庫負担法の適用を排除しておくほうが金が取りやすいという政治的考慮に基いてなされたのであるかどうかということ。 それからもう一つは、御承知のように理科教育の施設というものの中には、設備として固定したものであるというふうに考えられるけれども、又一面消耗品としての性格を持つたものがあつて、現実に理科教育に一日でも従事したものであれば、その辺のことがもう明らかだと、こういうふうに存じます。今の吉田委員の質問に対しまして、消耗品についての財政負担の面は考慮されていないと言うけれども、これは現実になかなか問題であろうと思うのですが、これらについての関連はどうなつているのであるか。なおこれに連関してあと三点ほど質問ありますが……。
○衆議院議員(坂田道太君) 少しずつ切つて頂いたほうがわかりいいと思います。 第九条におきまする「予算の範囲内」と申しまするのは、やはり国の予算でございます。 それからこの法案におきましては、義務教育関係の教材費との関係におきまして負担法を排除しておるということになつておりまするのは、予算獲得の際において、明確にこれを区別しまして予算の混雑を避けるために、我々といたしましてはこの法案においてはそういうふうにした次第でございます。
○相馬助治君 今の点が非常に問題なのです。成るほど現在の教材費というものは僅かに十九億程度ですから、これが或る程度固定のものとするならば、理科教育の費用というものを紐付きにして、別枠にしてとるという考え方のほうが、これは金額がたくさんとれるし、とりいいという理窟が成立つのです。ところがですね、この理科教育というものは当該の学校が施設して申請して、而もその中の二分の一を審査されて予算の範囲内でもらうというのでして、若し仮りに吉田内閣党が非常に文教政策に思いを新たにされて、今までのような態度を棄てて思いを新たにされ、教材費を多量に見込み得るというような時代が来たならば、むしろこの義務教育費国庫負担法を排除されていることによつて理科教育の金はとれないという現実があり得るわけなんです。理窟上ですよ。そういうふうに考えて来ますと今の発議者の御意見はわかります。わかりますが、法律というものは永久なものです改変されるまでは。そういう意味でどうも直ちに以て首肯しがたいのですが、これに対する発議者の御意見並びに田中局長の御所見を承わりたいと思います。
○衆議院議員(坂田道太君) 我々といたしましては十九億五千万円という教材費そのものも、これは御承知のように従来教材費の負担が、最小限度に見積りましても従来PTAの負担になつて百億ぐらいはあると推定されておるのでございまして、その半分は国庫で持つべきじやないかということで、最初あの法案を作りました際も、最小限度三十億というものを予定してあれは作つたと記憶をいたしております。そういうようなわけで、この十九億五千万というものは固定的なものでなくつてこれは予算編成の際に三十億或いは五十億の線に持つて行くべきものであるというふうに我々は考えておりますが、この法案におきましては一応それとは別個に理科教育振興のための設備につきましてその法案を排除いたしまして、そうして明確に理科教育のためにこれだという予算を要求する。従いまして私はむしろ明確化しますことによつて予算の増額が期待されるのであつて、それによつて予算が、獲得が困難であるというふうには考えておらないのでございます。
○政府委員(田中義男君) 只今提案者から御説明がありましたのでございますが、実は先般も学校図書館法の場合にいろいろ御論議がございましたように、教材費との関係においてはなかなかはつきりしない点もあるのでございます。そこで現実予算を編成し、而もこれを獲得いたして行く場合になかなかそこで両者の関係等について相当事務折衝についても困難を感ずる点もないではございません。従いましてこの理科教育振興法案のようにはつきり一応法律の上において区別して頂きましたほうがやりいい点もあろうかと、かようにも考えるのでございまして、その点については実際これはやつてみないとわからないのでございますけれども、私どもはこの理科教育振興法案のようにはつきりして頂くことも一つの行き方じやないか、かように存じております。
○相馬助治君 ざつくばらんに田中局長にお聞きするのですが、私が聞いていることは、この法案がいいか悪いかということを聞いているのじやないのです。あなたは少くとも政府委員としてこの議会に来て、この辻君ほか何名かの、二十四名提出のこの法律案をいいの悪いのという議論をする余地もなければ資格もないのです。(笑声)私聞いているのは学校図書館法のときに問題になりましたように、或いは義務教育費国庫負担法の適用を排除しておりませんから、太田課長も言明されましたように設備のところは学校図書館法で金をもらうというのです。で、消耗品ができて来る部分は義務教育費国庫負担法でもらう、教材費の幾らかを流し込むのだという、俗な言葉で言えば誠にふてぶてしい法案なんです。ところがこの法律案はそういう意味ではすつきりしているのです法案の建前は。ところが坂田さんの御説明では、消耗品については別途考えるのだというのが吉田委員に対する御答弁なんです。その通りだと思うのです。ところが私が心配いたしますのは、義務教育費国庫負担法の適用を排除しておりますから、設備のところではこの法律案で金をとり、消耗品の部分はどうするのだという問題が出て来るわけであります。ですから、こう法律案が修正なしに本院を通過して法律となりましたならば、局長はこれを如何ように適用し、どのようにこの財政の支出区分を明確にするのでございますか。こういうここを、この法の適用の面からのことを私はお尋ねしているわけなんです。再度御答弁を煩わしたいと思います。
○政府委員(田中義男君) 先ほど、どう思うかというお話がございましたから所見を述べたので……。(笑声)
○相馬助治君 私の質問も悪うございましたので……。
○政府委員(田中義男君) 更にそれじやお話のように消耗品的な部分等について具体的なお話でございますから申上げますけれども、一応法文通りに読めば確かに教材と申しますのは相当、非常に広い意味でございまして、この法案によれば設備ということがはつきり出ております。従つてその間設備以外の、而も設備に紛らわしい、さつきお話になりましたような両方どつちともつかないような、誠にあいまいな線にあるものも相当実際問題としては出得るかと思うのでございまして、そこになりますれば或いはこの法案に言う設備ではないけれども、場合によれば教材費に言う教材ということが考えられないでもないという領域も実際問題として出て来ると思います。そこで若しこの教材費に関するあの負担法をそういつたふうなこの法律の規定いたしておりまする以外の領域について適用し得るなら、そのほうについて更にこれを広く予算を得るための方法として考えられんでもないであろうというふうにも思います。
○相馬助治君 そのことはかなり問題がありますが、荒木さん等あたりからも御質疑があるのじやないかと思うので、一応そのことはそれにとどめまして、私は最後の一点、発議者並びに田中局長にお尋ねしたいと思うのです。と申しますのは、この理科教育振興会という団体がございまして、非常に熱心にこの問題について関心を以て今日まで来たようでございます。で、曾てその会からの代表である春日君から私示された案を見ますとですね、附則のところへもつて来て、地方財政法の第十条二十四号の中に一項を加えて、理科教育の振興に要する経費というものを挿入して、理科教育に対する設備というものが或る一定の基準に達するまでは地方公共団体の財政支出を義務付けるところの条項であるというふうに規定してあつたように思うのです。ところが今般提案になりましたものを見ますと、これがどうもないようなんですが、ないのですね。
○政府委員(田中義男君) ありません。
○相馬助治君 私はこれは地財法十条の二十四号というのは、立法に伴つて地方公共団体が財政支出を義務付ける条項で、文部当局等があとでこの理科教育の振興の実態を監督する場合に、明らかに地方の公共団体を法的に拘束するという意味で重要であろうと思うのです。これが規定されておりませんごとは、これらの関連を発議者は如何ようにお考えであるか。なお田中局長においては本法案が成立の暁にはこの規定がないことが支障を来すと考えないかどうか。極端な話をしますと、山の中の学校で理科教育なんか要らんということで何にもしなかつた。申請もしなかつたから勿論補助ももらえない。そうしますと義務教育費半額国庫負担で僅かながら教材費はもらえた。ところがたくさんもらうつもりで、その適用を排除して単独立法していたために一文ももらえなかつた。尤も私の話はちよつと現実離れをした極端な話ですが、そのほうがはつきりするから申しているのでして、そういうことが理窟の上ではあり得るわけです。この地方財政法の十条二十四号の手当をしなかつた理由、それから局長においてはこの結果予想されることで差支えあるかないか。これらについて明快なる御答弁を願いたいと思います。
○衆議院議員(坂田道太君) 実はその点お答えいたしますが、第九条にございまするように、予算の範囲内において補助するということにいたしましたので、この点も負担とせずに予算の範囲において補助する。飽くまでも奨励をするという立場に立つておるのでございます。で、理科の教育の振興というものは、勿論国がこれは一つの重大な責任を持つておりますると同時に、地方自治団体においても当然この理科教育の振興については責任を分つべきものであると私たちは考えるのでございまして、又現在の地方自治体の財政状況を勘案いたしました場合に、余りにも国の義務付けによつて地方財政を圧迫するということもどうかということも我々の頭の中にあつたのでございまして、そういう意味から設置者がこれを当該基準まで高めようとする場合において国が補助するということによつて、その調節よろしきを得て、国と地方と両々相待つてこの理科教育の振興を図る、これが私たちの法案を出した趣旨になつておる次第であります。
○政府委員(田中義男君) 文部当局としてこれを実施いたして行きます場合に、一応観念がこれは補助ということになつておりまして、負担となりますと、当然これは地方財政法のあの規定の改正を要するわけですけれども、只今提案者がお述べになつたような趣旨で一応これを補助として参ることになります。実際問題といたしましては、大体補助するということでもそれぞれやはり地方におきましても相当実際問題としてまあ予算も組んで、そうして補助を受けて行こうというのが大勢でございますから、実際としては強制はいたしませんけれども、その目的は他の例にも徴して見まして大体やつて行ける、かような考え方であります。
○大谷贇雄君 先ほど私学の問題について御答弁がありましたですが、最初には私学の問題についても大蔵当局と折衝した、こういうお話でしたが、その私学を入れますと、大体年額どのくらいになりますか。
○衆議院議員(坂田道太君) お答えいたします。大体私学を入れますと、年額六千五十五万円支出いたしますれば、これと、公立学校と同様な設備ができる。
○大谷贇雄君 そうしますと、公立学校と比べますと非常にこの私立学校に補助を与えましても、僅かと申しては何でありますが、比較いたしますと僅かの金額だと思うのであります。そこで先ほどの御答弁にはこの私立学校については公立が済んでから、まあ一応公立を先にして私立をあとにするということは、私学振興会ができておるからそのほうで何とかというような御趣旨のようでありましたが、御承知のように私立学校法ができましてから、私学というものが非常な全く公共性に立脚をいたしておるわけであります。そうして又この私学振興会ができて今年もまあ相当額計上されておりますることは非常に結構だと思うのですが、この私学振興会の運営は、御承知の通り主として土地建物等について、而も貸付という形をとつている、公立学校のほうは危険校舎にいたしましても或いは災害等を受けました場合、戦災の問題でも、それぞれ補助が出る。私学のほうは今の貸付金ということでありまして、返さなければならんというような点で、まあ振興会に今年余分に計上したからそれでいいのだ、こういうお考えではどうかと思うのですが、その点に関してのお考えを伺いたいと思います。
○衆議院議員(坂田道太君) お答え申上げます。勿論我々といたしましてこの法案に私立学校に対する補助をしませんだつた主な理由は財政上の問題でございますが、一面において私は公立学校に対する補助のいろいろの法案、或いは振興法等によつて全部同様に個々に私立学校に対する補助をやるというそのことがいいか、或いは又今お説の通り私立学校の振興法の中においては現在までのところ貸付という形ではございますけれども、これはやはり我々といたしまして国が或る程度の補助をするという道も何らかの法によつてやるべきじやないか、そういう一本の補助規定を設けることによつてこういう個々の問題も解決して行くほうが筋ではなかろうかということも我々の頭の中に実はあるわけでございまして、この公立学校に対するいろいろの法案の個々に全部私立学校の補助もやるという形をとらないで、この一本で、私立学校の振興法、同時に何らかの形の補助法を可及的速かに制定するほうがいいのではないか、かように実は考えておる次第でございます。例えば私も余り知識はございませんけれども、聞くところによりますると、イギリスあたりにおきましてもやはり最近の情勢においては私立学校においてもなかなか費用の捻出が不如意であつて、そうして国が相当の費用を補助しておるということも聞いておるのでございまして、いわんや我々のこの狭い、貧弱な国土において経済力の乏しい、浅い我が国におきまして、私立学校の果しておるその役目に比較して、その国のとつておる補助の制度が立遅れておるということは私たち十分に承知をいたしておりまするので、速かに皆さんがたと共に何らかの補助法を出すべきではないかということを二面において私は予想いたしておりまして、ただこの法案につきましては只今申上げましたような経費の点もございまして、これを入れなかつたような次第でございます。
○吉田萬次君 発案者にお尋ねいたしますが、実業教育の方面におけるところのものこの中に含まれておりますか。
○衆議院議員(坂田道太君) これは御承知の通り産業教育振興法案が制定せられておりまするので、この中には含まれておりません。
○吉田萬次君 含まれておりませんですか。小中学校というものは、これは義務教育ですけれども、高等学校の中には商業高等学校或いは工業高等学校というようなものがありまするが、そういうふうのいわゆる学校というものはこの中に含まれておるはずだと思うが、含まれておりませんか。
○衆議院専門員(石井つとむ君) 私から申上げます。只今のお話は工業高等学校或いは商業高等学校へも行くんであろうかというお尋ねと承わります。
○吉田萬次君 そうです。
○衆議院専門員(石井つとむ君) 結論から申上げますると、参ります。ただ直接に産業教育自体を潤おす目的で行くのではなくて、そこにありまするところの基礎学科になつておりまする理科でございます。具体的に申しますると、物理、化学、生物、地学、そういう種類のものの学科の種類がこれによつて予定されております。
○吉田萬次君 重ねてお尋ねいたしまするが、そういうふうの実業学校などというのは入つておるものといたしますると、さような学校においては、折角与えてもらうところの恩恵に与れるところの資材、物品というものが、それほど重要性を持つておらん学校もありまするし、それから又若しそれだけの費用というものを金で流用し得るところの便法が与えられる場合においては、より必要なものを購入して、そうして学校のためになるということも出えられるんでございます。その点においてこれは物品として与えられるのか、或いは金額として与えられるのか、又金額として与えられるということならば、適当に買うことができるけれども、物品を指示してその金が与えられるということになると、いわゆる偽つたところの報告書を出さねばならんということにもなつて参ります。この点は特別な方法によつて行われるのならいいけれども、一律にかような物品として指示して与えられて迷惑するという、又折角もらうものならば他に立派に考えられる点があるということも考えて、さような点はどうお考えになりますか。
○衆議院議員(坂田道太君) お答えいたします。原則的にはやはり最小限度の物品を明示いたしますし、又その物品に応じた額の金が交付されるものと思われますが、併しながらただ一律に画一的にそれをやることは、結局国がそういうようなことをいたしましても、却つてこの不均衡を来したり或いは振興法の精神にも則らん場合も出て参りますので、そういうふうな具体的なことに関しまして、実は中央に理科教育の審議会を設けまして、そうしてそういうような問題の解決に当りたい、かように考えている次第であります。
○荒木正三郎君 文部大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、只今審議をいたしております理科教育振興法案の中には、理科教育を振興するために、小中高等学校の設備或いは教材について二分の一を補助しようという内容でございますが、これは勿論理科教育の重要性からこういうふうに考えられていると思うのですが、これと関連いたしまして、義務教育半額国庫負担法の問題になるわけですから、義務教育出額負担法では、設備については全然補助規定がないわけであります。そうして教材については二分の一という規定がなくて、その一部を負担すると、こういうふうになつているわけですが、先に審議いたしました図書館法についても、二分の一を補助して行こう、これはやはり現在の実情から言つてですね、非常に強い要望になつて来たのです。そこで大臣にお伺いしたいのは、義務教育半額負担法を改正をして、そうして補助を二分の一に引上げる、それから範囲も単に教材に限らないで、設備の面にまで拡充して行く必要が起つているのじやないか、こういうふうに私は考えるのですが、この機会に私は大臣の御所見を伺つておきたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 義務教育の経費が国庫負担の何といいますか、歩合の程度を増して行く、これはまあ議論もありましようけれども、大体において私は希望すべきことであると思います。特に現在の国庫負担法につきましては、経費の一部を負担するということになつておりまして、その負担の歩合というものがはつきりきまつておりません。これは議員立法によるものでありますが、恐らくはやはり国の財政との関係を考慮せられた点であろうかと思うのであります。今直ちにこれを改正するということは、この財政との睨み合いの問題でありますが、今はつきりしたことを申上げることは困難だと思いますけれども、漸を逐うてその負担の経費も明瞭にして参りたい、負担の程度も増せるようにしたい、かように考えております。
○荒木正三郎君 今の御答弁は、私、よくその真意を把握することができないのですが、今財政上の理由で困難であると、こういうふうな御答弁でございましたが、現在では理科教育振興法案でも、設備についても補助すると、これは私は恐らく成立を期待しています又学校図書館法についても、いずれも議員立法ですが、設備について補助して行こうと、こういうふうに動いて来ているわけなんですから、そういうふうに半額国庫負担法においても努力したい、こういうふうな御意見を持つておられるのか、当分だめだと、こういうふうに考えておられるのか、そういう点を伺つておきたい。
○国務大臣(大達茂雄君) この理科教育振興法につきましては、私はこれは提案者の御意図でありますが、法文を拝見して、今日は御承知のように、輝科教育に関する設備というものは非常に貧弱であるということと同時に、理科教育と申しますか、科学に対する基礎的な知識も与え、又いわゆる科学人というものを作り出す上において理科教育の振興というものは特に必要である。そして理科教育は設備というものを離れては実際効果は上げにくい。特に理科教育について特殊の緊急性と必要を認められて提案されたものと、かように承知しております。一般のこれを教材設備まで拡充するということは、只今申上げましたように財政の点等も睨み合せてきめて行くことでありまして、理科教育についてそういう特殊な立法がなされたからといつて、すべての教材設備についてそれを及ぼして行くというところまでは只今は考えておりません。
○荒木正三郎君 もう一つ問題になる点は図書館法にいたしましても、それから今の理科教育振興法にいたしましても、又産業教育振興法にいたしましても、国庫の補助の対象を単に義務教育に限定しないで高等学校にまで拡げて来ているわけです。私はやはり義務教育も重要であろうと思うのですが、同様に高等学校教育も必要であろう、重要であろうと思うのです。そういう意味において国庫の補助を高等学校にまで拡げて行くということは極めて好ましいことだ。単に理科の教材の補助だけするのじやなしに、できる範囲内において高等学校の教育に対しても国庫の補助をだんだん拡充して行くということは非常に望ましいことであり、我々審議した法案から見てもそういうことが期待されると思うのですがね。そういう点について文部大臣の将来における抱負と言いますか、意見というものを伺つておきたいと思います。
○国務大臣(大達茂雄君) 義務教育費国庫負担法は、大体教職員の給与の負担についての法律であります。そこで義務教育と高等学校でありますが、どうしてもこれは国が負担をするということになれば義務教育というものが先ず第一に来なければならない、かように考えております。言葉から言いましてもこれは補助でなしにやはり国が負担をするのである。地方の負担と国の負担といわば連帯支弁のような観念であると思います。そこで高等学校のほうもできるだけ、今日地方の財政は困難でありますから、これを国で補助し、或いはその経費の一部を負担するということは、学校教育を振興する上かちいつて勿論望ましいことであります。望ましいことでありますが、義務教育の場合とそうでない場合とを同じに取扱うということは、なお研究を要する問題だろう思います。
○荒木正三郎君 それでは大臣に対する質問を終りますが、一つだけ提案者にお尋ねをしておきます。それは相馬君も言われた問題でありますが、教材費に対する国庫補助の問題で、義務教育については理科教育振興法からの補助と、義務教育費半額国庫負担法からの補助と二本建になつておるわけです。提案者は立案される場合にそういうことについてどういう考慮を払われたか、伺つておきたいと思います。
○衆議院議員(坂田道太君) 只今の御質問でございますが、我々といたしましては、やはり予算を獲得いたします場合に、はつきりこの教材費とは別冊にいたしますことが特にこの教科目を取上げた趣旨に副うということを考えまして、教材費からの枠外に実はこれをはずしたようなわけでございます。で、大蔵省といたしましては、恐らく十九億五千万の中から先ず三億七千万というものを引離して、その基礎の下に第一予算編成に当つて来るだろうと承知をいたしております。
○荒木正三郎君 そこで私はこういう考え方に必ずしも反対するわけではないのですが、文部省に伺いますが、この法案が成立すれば、義務教育費半額国庫負担法の教材費にどういう影響が来るということが予想されますか。
○政府委員(田中義男君) まあ先ほどから提案者の御説明になつておるような趣旨でございますから、従つてあの教材費の中からは理科教育に関する限りこれを除くと、こういう建前で算定をして来ると思います。
○荒木正三郎君 そういたしますと、相当な減額は免れないと、こういうことになるわけですね。
○政府委員(田中義男君) 先ほど来お話ございますように、仮りに三億七千万といたしますれば、それだけは十九億からはずして、そうしてこのための費用に割く、かように相成ると思います。
○荒木正三郎君 この場合に老婆心ですが、御注意して頂きたいのは、ここには高等学校の設備が含まれておるのですから、あつちの費目は義務教育になつておるのだから、このまままるまる引いてしまうということは不合理であるということは私から申上げるまでもないことである。私の質問はこれで終ります。
○木村守江君 ちよつと委員長に質問しますが、今本会議が始まるのですが、続行しますか。
○委員長(川村松助君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記をつけて。質疑は大体済んだものと思われますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○荒木正三郎君 討論を省略して採決することの動議を提出いたします。
○委員長(川村松助君) ちよつとその前にお諮りしますが……。
○木村守江君 附帯決議を出したいのです。
○委員長(川村松助君) その前に懇談をしたいと思いますから、速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記をつけて下さい。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○剱木亨弘君 本員は自由党を代表いたしまして理科教育振興法案に対して賛成をいたすものでございます。 理科教育の振興の重要性は提案者が提案理由に述べられた通りでございまして、現下非常に重要なことと思いますので、これが完全なる実施を望みます。なおこの際この法案に賛成するに当りまして皆様各委員の御賛同を得て理科教育振興法案に対する附帯決議をいたしたいと思います。これを一応朗読さして頂きます。 本委員会は理科教育振興法案に対し次の通り決議する。 一、学校教育法及び本法案第一条、第二条及び第三条の趣旨にかんがみ、理科教育振興に必要な経費についての国の補助は、私立学校に対しても公立学校と均衡を保つことができるよう、可及的速かに法的措置を講ずべきものと認める。 以上であります。
○荒木正三郎君 私は社会党第四控室を代表しまして只今剱木委員から提案されました附帯決議を附して本法案に賛成をするものでございます。 ただこの機会に文部当局に要望しておきたい点は、この理科教育振興の運営に当つて行く重要な責任のある審議会のことでございますが、審議会の委員の任命は文部大臣が当ることになつておりますが、文部大臣はこの委員の任命につきましては各方面の意向が十分反映するような工合にその委員の構成を十分に考慮してもらいたいという希望を申し添えておきます。
○高橋道男君 私は本法案並びに剱木委員から提案されました決議に賛成をいたします。 理科教育、殊にその設備に関しましての現状が極めて不完全であるということは誠に残念でありまして、その設備の促進を図る上から今回の法案が上程されましたことは誠に結構なことと思うのであります。ただ先ほどの質疑の段階におきまして、相馬委員からも若干触れられ、又荒木委員の御質問に対する大臣の御答弁にもあつたのでありますが、この種の単一科目の振興、或いは設備の促進というような種類の法案が今後は恐らく出まいとは思いまするけれども、そういうような懸念を若し抱かせるようなことになりますならば、私は全体の教育体系を或いはゆがめるようなこともあり得るのじやないかということを恐れるのであります。これは大臣の御答弁によつてそういうことはないということを確信いたしますけれども、そういうことを懸念いたします上から、こういう法案が出れば、私どもは何ら反対する理由を見付けることはできないのでありまするから、そういう全体の均衡という上からは、今後更に慎重な検討をする必要もございましようし、将来学科目の審議をする上、なおその学科に関してのいろいろな行政上の予算措置などにはつきりとした安定し得るような見込が立ち得る場合には、この種の法案は整理さるべきものではないかとさえ思うのであります。併しながらいずれにいたしましても、現段階においては、こういう法案の必要は十分あると思いますので、賛意を表するものであります。
○深川タマヱ君 終戦後日本の各方面において、一時破壊混乱の状態が続きましたが、時と共にこうした聡明なる着眼と国民の協力によりまして、次々と整頓されて参りますことは、国家のため誠に喜ばしいことに存じます。この法案は提案者の御説明の通り、資源少く、人口多い日本がよく独立国として世界に連坐いたし、平和と国民生活の安定を維持いたしますために、今後理科教育の振興を図ることを目的といたしておるといたしますならば、今後年と共にもつと予算額の増額が必要と存じますので、この点を政府におきまして格別御配慮給わりたいと存じます。なおいつもこうした法案につきましては、私学が機会均等の線から差別待遇されておりますことを誠に遺憾に存じます。義務教育は別といたしましても、高等学校は私学の存在いたしますところには当然公校の設備が少くていいわけでございますので、国費がそれだけ節減されますので、殊にこういうものは将来の日本の運命を背負つているものといたしますならば、私学に対しましてもできるだけ速かに平等なる待遇をいたすことを今後諸法案に対しまして御考慮なさると共に、今回もできるだけ速かに私学に対しましても平等なる待遇をお与えになりますよう、劔木氏の決議案にも賛成いたす次第でございます。
○委員長(川村松助君) 別に御意見もなければ討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。 理科教育振興法案を議題といたします。本案を可決することに賛成のかたは御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 全会一致でございます。よつて理科教育振興法案は可決されました。 次に只今討論中にありました劔木君提出の附帯決議を採決いたします。劔木君提出の通り、附帯決議を付することに賛成のかたの御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 全会一致と認めます。よつて劔木君提出の通り附帯決議を付することに決定いたしました。なお、以下事務的処置は慣例によりまして委員長に御一任あらんことを御了解願いたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議がなければさよう決定いたします。順次御署名を願います。 多数意見者署名 吉田 萬次 谷口弥三郎 八木 秀次 須藤 五郎 大谷 贇雄 木村 守江 高橋 道男 深川タマヱ 荒木正三郎 剱木 亨弘
○委員長(川村松助君) 暫時休憩をいたします。 午後五時三十二分休憩 〔休憩後開会に至らなかつた。〕