文部委員会 第9号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1953/07/17
会議録
○委員長(川村松助君) 開会いたします。 前回に引続きまして国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のあるかたはどうぞ御発言願います。
○長谷部ひろ君 短期大学を設置されるということは非常に結構なことだし私は思うのですけれども、この前に相馬先生が御質問になりましたときにそのお答えがはつきりしていなかつたように思うのでございますが、この定員増の問題なんですが、一名二名であるというようにおつしやつたようなんですが、これは学生数に対して十分であるかどうかというそのことが一つある次第でございます。それから急にこのようなものを設置いたしましてうまく運営ができるかどうかということなんですが、これについて今までどのような準備がなされているか、具体的に一つわかるように御説明頂きたいと思います。
○政府委員(稲田清助君) 短期大学を創設するに関連いたしまして多少の定員増をいたしております。で、勿論この短期大学は夜間の課程でございますので、昼間の教授組織が主たる教授士となつて参るわけであります。その足らざるところを定員増として補つているわけでありまして御質疑のように学生数当り幾らということはこれは大学の教育でございますからそういう計算はいたしていないわけでございます。およそ当該大学の傾向といたしましてこの程度増員すれば短期大学を置き得るということで予算要求が文部省に提出され、それを本として編成いたしているわけでございます。それから短期大学創設についての準備の問題でございますが、これもこの前御質疑のときにもおつしやいましたように、我々短期大学を設置しますのは学部として相当充実した学部ばかり考えるわけでございます。従いまして自然その学部が前身としての高等専門学校として非常に長い歴史と長い充実を経て来てそれが転換して学部になつたもの、こうした学部が選ばれるようなわけでございます。従いましてそういう学部におけるこういう教育につきましては多年の経験を積んでおります。短期大学を置くということによりましてそう新らしい特別な教育計画を用意しないでも大学自身も十分用意があるはずだと考えております。
○長谷部ひろ君 そうすると昼間の教官が夜間の兼任をなさるということなんでございますね。その場合はお手当といいますか、どのくらいお出しになりますか。
○政府委員(稲田清助君) 単価を覚えておりませんが、普通国家公務員に対します超過勤務、特に一般教官には超過勤務はございませんけれども、夜間の大学に対しましては超過勤務を用意いたしております。
○長谷部ひろ君 それからもう一つ伺いますが、試験の期日なんですけれども、授業の開始が大体九月ぐらいかと思うのでございますけれども、そうしますと試験の期日は八月というぐらいになるのじやないのですか。そういたしますと授業を始めましてからでも単位一つのために支障ができやすい状態になるだろうと思うのですが、そういつたようなことを考えますと、むしろ昭和二十九年の四月一日からこれを実施したほうがよくないかというような考えを持つのですけれどもね。その点どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(稲田清助君) これは若しこれが昼間の学校でありまして、下級学校から上級学校に接続するというような点で入学試験を行いますといたしますれば、お話のように学年の途中でやりますことは非常に困難なのでございます。ただ御了解頂けますように、入学者が勤労青年でございます。すでに職場で仕事をやつておつてその上に勉強したいという方々であります。まあそういうような関係でありますので、必ずしも四月の前後でなくても他の昼間の場合ほどの混乱はないと考えております。ただ御指摘のように、何分予算不成立のために遅れ遅れして参りまして、一年間の授業時間というものが非常に詰つております。まあこの点につきましては八月に若しこの予算が実施し得るといたしますれば、八月の初めに極く接着して開校いたしたい、そういうことによりまして、普通大学が九月の中頃まで休暇であります日数をこれに充当する、それから更に冬季の休暇であるとか、或いは普通の大学が二月の末くらいに授業が上りますのを三月一ぱい延伸するというような方法をとりまして、これは学生も教授のほうも非常に御勉強でお気の毒だとは思いますけれども、まあそういうことでやるほかはないと思います。お話にありましたように、これは一年遅れさせますことは、ゆとりがあつて楽ではございますけれども、何分これは地方の要望も非常に強いことでもあり、又その地方の勤労青年としてはやはりこの春くらいから進学を希望しておつた人たちが非常に多かつたと思いますから、そういう希望を考えますれば、今申しましたような特別の配慮を用いましても、まあできるだけ早く出発することがいいんじやないか、私どもはこう考えておる次第でございます。
○須藤五郎君 ちよつと関連して。私たちもこの法案で一番心配するのは、これに対する予算措置が十分されていないということと、教授内容などが非常に不足しておるような感じがして、これが問題だと思つておるのですが、今聞きますと、夜間学校だから昼間の先生を夜間に充てるというお話ですが、それは何ですか、昼間の学校の先生を夜間に廻すという場合は、先生が義務を生ずるわけなんですか、夜間の学校に廻るというのは……。
○政府委員(稲田清助君) これはやはりその当該の先生とお話合いで、夜間に従事するのがいやだとおつしやれば、強いてお願いできないことだと思います。
○須藤五郎君 それじやそういう夜間に廻るのがいやだという先生が生じた場合、今の内容でやつて行けるのですかどうですか。
○政府委員(稲田清助君) まあ自然そうなりますれば、大学の教授会において教授計画をお立てになつて人を転換するとかいうようなこともできるかも知れませんけれども、当該教授会及び大学の御計画として、夜間大学設置ということを文部省に予算要求があつてやつていることでございますから、そうした教授の充当等につきましては、予算要求に先立つて当該教授会なり大学当局は十分御用意のあることだと考えております。
○須藤五郎君 これはどうもこういうものができると、今でも教授たちは相当疲労して十分の研究もできないような状態ですが、なおこういうことが義務制じやないと言つても、文部省でこういうことをきめられるというと、先生たちは半ば強制的にこういうことをやらされることになるだろうと思うのですが、それが延いては昼間の教授に差障りを来たしたり、いろいろな面で障害を来たす面がたくさん出て来るのではないかと思うのですが、こういうことは全部その学校々々においてもうすでに検討済みで、教授会の自発的な意思によつてそれをやつて行つておるのか、文部省が一方的に押付けておるものであるのか。
○政府委員(稲田清助君) 十分御理解頂いておりますように、国立大学につきましては、予算の要求につきましても、教育計画につきましても、学長の問題にいたしましても、国立大学それ自身の発議から出発するのでございます。文部省のほうから天降りに国立の大学において何か作れというような性質のものでない。そういうまあ成立ら、運営の機構になつております。従いましてこうして文部省から、政府から国会に予算を提出いたします一番最初におきましては、当該大学において十分その教授会或いは評議会で議を練られて、自分の大学としてはこういう計画を以てやりたいということから出発するわけでございますから、私どもはその大学がそういう御意思であれば、十分それに対しての御計画があるということを前提としてものを運んでいるわけでございます。
○杉山昌作君 今度のこの国立大学に学部を新たにこしらえるというようなことにつきまして、先だつてから主として財政面から設備が充実するかどうかという御懸念の質問があつたので、私は別の方面から申しまして、卒業生の就職というふうな方面から一つこういう大学をどしどし作つて行くということについての御見解を承わつておきたいと思います。で、勿論学校教育は何も就職の手段でないということも考えられましようし、又大学を出た者が家へ帰つて百姓をしていかんとか、或いは小商人になつていかんということもないので、むしろそういうふうになつてすべての教育程度が上るということはそれは望ましいことではありましようけれども、現実の問題としますと、子弟を学校へ出しておるところの父兄といたしましても、学校を出たら然るべき成るべくいいところへ就職させたい、本人も無論そうでして、これはもう今年あたりの就職をあの血眼になつて親も本人もやつたことから容易に想像されるわけです。そういう現実を見ておいて、学部は殖やします、大学は作ります、一体就職は今後今の景気だとむしろ今年よりも来年は会社なんかの採用人員は少くなるのじやないかと懸念されるようなときでありまするが、一体この卒業生を殖やすということと就職との問題についてはどういうふうなお考えを持つておるのか。で、私が申上げている就職とは切離して一般的に教養を高め知識を高くするということは、結構で、我々もそうありたいと思うのですが、それならば今のこれは父兄の心がまえも、変えてもらわなければならん、我々も父兄だからそうなんですが、と同時に学校において生徒の訓育上もそういう心がまえをするような平素の躾ということがあつて然るべきではないかというふうな気持もするのですが、そこらのことについての御見解を承わりたい。
○政府委員(稲田清助君) 御質疑の前提でありますこういう学部ができたから学生が殖えたんじやないかというお話でございますが、これは前々御説明申上げているように、学部を分離いたしたものは、法経学部として定員のあるものを両学部に分ける。理家政学部も同様でございます。それから富山大学の経済学部ができましたのは、経済学科としての学生定員があるのを学部にいたしたわけでございます。それから広島大学は、県立大学の定員のあるのを国立に移したわけで、別に大学生が頭数そのものがそこにおいて殖えるわけではありません。併し次の御質問として大体大学生が多過ぎるのだ、需要供給から如何かという御趣意のように承わつております。この点はこの春出ます卒業生が学制改革の関係で昨年の卒業生よりまあ倍までは参りませんが、倍に近く多いということで非常に心配したのでございます。その結果、就職したパーセンテージを見ますと、国立私立全部おしなべまして七〇%は就職しております。これは昨年の成績と全く同じ程度なのでございます。むしろ絶対数においては非常に多く就職しているわけであります。殊に国立大学は八五%から九〇%を超えるのが普通であるような状態なのでございます。これにつきましては従来学校当局も随分骨折られたのでございますが、文部省も仲介いたしまして学校と実業界との結付けを去年の夏以来ずつとやつて参りました。又明年春出ます卒業生に対しましても、選考の期日を統一するとか、そのほか会社と大学との意思の疏通を図るなり、十分結付けをやつて参りたいと思います。それからお話のうちにございまして、いいところに就職したいという希望が多いだろうというお話でございますが、新制大学は、従来の高等専門学校の領域まで旬合いたしました高等教育全体が新制大学になつたわけでございますから、やはり従来の極く小数の大学卒業生が進出いたしました職場だけに限るということはあり得ないことじやないか。従いまして本年の就職いたしましたあとを見廻しましても、就職者の六〇%は中小工業のほうへ参つておるわけであります。これは私どもとしましても、今後中小工業の充実というような点から見てやはり或る程度こういう点は奨励すべき問題だと考えております。
○杉山昌作君 まあ大体只今のお話でよくわかりまして、これは何も文部省を責めるとか、学校当局を責めるというのではなくて、社会全体の大きな問題として、私自身としても心配しなければならない問題でありますが、御見解を承わりまして大体御尤もだというふうに感じます。むしろ今案ますますその方面へ御努力をお願いしたいと存じます。 あとはまあ小さい問題ですが、大学の学部を分けると学部所属の事務局も当然分れて来ると思いますが、そこらの定員とか何とか、学部のほうの人員その他は十分でも、事務局のほうが過労であるとか何とかというような問題はないのでございますか。
○政府委員(稲田清助君) お話のように、事務局もこれはまあ分離するわけでございます。それに従いまして事務局も増員を承認すべきであると思うのでございますが、そういう点につきましては、本年度全体の予算編成方針において、一般事務職員の定員の増を抑止する、まあ教官だけは特例を開いて、これは各省全部の非常な例外として文部省の教官定員を殖やして頂いたというようなわけでございますので、事務局職員の増はこの予算には組まれてないのでございます。そういう点は窮屈だと思いますけれども、まあ暫らく学内全体の融通をやつて頂いて凌いで頂くほかはないと思つております。
○須藤五郎君 お尋ねいたしますが、今大学で各教授が一週間に受持つている時間数というのは大体どのぐらいのものなんですか、現在において……。
○政府委員(稲田清助君) これはまあ二時間から十二時間ぐらいまでの間において、学科その他において、一般教育、専門教育でも違いますが、非常な違いがあります。
○須藤五郎君 今度夜間ができますと、それはどのようになるのですか。
○政府委員(稲田清助君) その点につきましては、現在手持ちに資料ございませんので、調査いたしたいと思います。
○須藤五郎君 私たちは、さつきあなたは教授会の希望によつてというようなことですが、いやしくも大学教授として研究をしなくちやならん立場にある人が、夜間まで受持ちたいというような希望を積極的に持つというようなことは、殆んど学者として考えられないのじやないかと思うのですよ。それを大学教授会の希望によつてこういうことをやるということを言われても、僕らはすぐそれが納得行かないのですがね。ですから、予算の措置にしろ、教授の人員にしろ、定員にしろ、大学からこちらに言つて来ておる数とそれからこれに出ておる数と多少食い違いがあるのじやないかと思うのですが、そこの点は、或る大学からこういうことを言つて来たが、それに対して文部省はこういう査定をしておるのだということをはつきり私たちに説明して頂きたいと思うのですが、どうですか。予算の点におきましても、すべての点において、どうもこれが全部大学教授会の意見だというふうには受取れないのです。
○政府委員(稲田清助君) まあその間いろいろ経緯がございまして、予算折衝の過程におきましては、大学の第一次希望の予算が認めにくいと、その場合におきましては、常に私どもそれを大学のほうに通知いたしまして、最後に手打ちと申しますか、最後に決定いたしますまでには、大学の了承を得て参つて来ております。それから教授が夜働くことを好まんじやないか、それは勿論人々でいろいろな御意見があろうかと思いますけれども、やはり大学の教授でいらつしやいますれば、青年子弟の教育という点について非常に御尽瘁になろうというお気持があつて、殊にその方面の勤労青少年の勉学意欲というものを満たしてやろうと、そうしたきれいなお気持からそうしたことを教授会で発議されたものだと私どもは考えております。
○委員長(川村松助君) ほかに御質疑ありませんか。
○荒木正三郎君 この問題に関連してこの際お尋ねしておきたいのですが、大学の学生の授業・料の問題で、医学部、歯学部の学生に対する授業料ですね、どれはたしか昨年授業料の値上げがあつたと思うのです。で国立の教養学部から入つて来た者については従来の授業料でやろうと、併し私立学校のほうから入つて来た者については新らしい授業料でやると、そういうふうになつておつて、学生の間ではかなり不満があるようですが、これはまあ医学部、歯学部は特別な事情にあると思うので、額にしては大した問題でないと思いますが、何とか同様に考えてやることはできないでしようか。
○政府委員(福井勇君) 御説誠に御尤もな話でございますので、先般衆議院の委員会におきましても、御趣旨と同様な御尤もな発言がございましたので、今検討中でございます。
○荒木正三郎君 それでいいわけですが、いいほうに検討して頂いておるかどうか。
○政府委員(福井勇君) 引続きよく検討することにして、至急結果を得るようにいたします。
○杉山昌作君 もう一遍……、この改正の第四条の第二項に「国立大学の教員その他の者」とあるわけですが、この「その他」というのは一般の民間の人誰でもということでしようか。勿論この研究所の目的から言つて、そう誰でもと言つたところが手広くはないかも知れませんが、別にそこに資格を設けるとか棚を設けるとかいうことでなしに、事実研究を本当にやろうというような人ならば誰でもというようなことになるのでしようか。
○政府委員(稲田清助君) お言葉の通り、文法では別に限定はありませんので、「当該研究施設の目的たる研究と同一の研究に従事するものに」と、こうありますので、私立大学とか或いは民間研究機関あたりでこの研究をやつておられるかた。まあ現に例えば宇宙線研究でありますれば、立教大学あたりに立派な研究者がおられます。そういうかたがたが恐らく予想せられるのではないかと思います。
○委員長(川村松助君) ほかに総括質問なさるかたはありませんか。
○大谷贇雄君 ちよつとお尋ねしておきたいのですが、この国立大学の……、ほかの大学は存じませんが、名古屋大学等の例を見ますると、非常に図書が少い。大学というのが名のみのような実は状況で、まあ私この名古屋大学の文学部の図書を調べたことがあるのです。極めて貧弱なものです。科によつてはまあ新制中学の持つておる以下くらいな数量しか持つておらない。従つて、大学長が非常に心配をして、一般の財界から寄附を求めるとか、まあ私どもお手伝いしたことがありまするけれども、一般の民間の者が心配をして蔵書を寄附するとかいうような状況でありまするが、これに対しては、大学と名がつく以上は、これはもう図書の充実ということが眼目であります。それがなくては研究ができんというわけですが、そういう点についてはどんなふうな手を打つておいでになるか、又将来どの程度充実を文部省としてなさる御意思か、承わりたい。
○政府委員(稲田清助君) お話のごとく、この戦時中、或いは戦後に拡張いたしました部面に対応いたしまする専門図書、これは非常に予算も少くもあり、やはり将来入手も困難であります。そういう点で各大学非常に困難をしておられますが、予算の裏打ちといたしましては、昨年度本年度共に専門図書購入のために一億ばかりの予算を用意いたしております。そのほか学生向の一般教養図書といたしましては、昨年も本年も四百万円ずつの用意をいたしておる。そのほか科学研究費の関係におきまして、いわゆるバツク・ナンバーと申しますか、外国のそうした専門雑誌購入につきましては特別に経費を増すことにいたしております。それから特に私立大学に対しましては、本年新たに科学研究費にとりました費用の一部を割きまして、こうした外国の定期刊行物の購入も考えております。十分とは考えておりませんけれども、年々そうした予算の裏付け、これを私どもとしては将来できるだけ拡張して参りたいと思つております。殊に又各大学におきまして相当まとまつた文庫等購入したいという問題が起りました場合には、又他の費目その他を流用等いたして配分いたして参りたいと考えております。
○委員長(川村松助君) 総括質問について御質疑のかたはございませんか。
○長谷部ひろ君 先日たしか相馬委員だつたと思いますけれども、その御質問が学部の運営について御質問のときに、たしか年次計画を以て充実して来ましたというお返事だつたと思います。ところでその計画は昭和二十四年に大学設置のときにあつた計画でございますか。そうした計画であつたならば、初めからこの委員会にもお話してあつたわけなのでしようか。
○政府委員(稲田清助君) 当時この委員会に御報告したかどうかは私当時おりませんのでちよつとこれは記録を調べなければわかりません。ただ理家政学部だとか或いは法経学部というものはとにかく大学計画といたしましては純粋なものではありません。当時急に力のある先生を集めるという点にも困難でもあり、又全部の定員を満たす立場において、或いは設備を増加する立場において理家政学部として併設してそういうものを出発させる、将来いずれは法と経と分ける、理と家政と分ける、こういうふうに充実を待つて分けるということで出発したことは事実だと聞いておるわけであります。
○委員長(川村松助君) ほかに御質疑ありませんか。……それでは総括質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議がなけば総括質問は一応終了いたします。 それでは次に逐条質疑を願います。第三条について御質疑を願います……。 第三条御質疑がなければ第三条の三について御質疑を願います……。 第三条の三について御質疑がなければ第四条について御質疑を願います……。 御質疑がなければ第五条について御質疑を願います……。 第五条について御質疑がなければ別表第一についての御質疑を願います……。 附則について御質疑がなければ、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) それでは質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 午後二時二十五分速記中止 —————・————— 午後二時四十八分速記開始
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。 それではこれより討論に入ります。 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○須藤五郎君 私はこの法案が十分な予算措置がなされていないということと、それからどうも今の状態では教授の負担が非常に加重になつて結果的に面白くない結果が生ずるだろうというそういう点から賛成することができないので反対いたします。
○相馬助治君 只今議題になつておりまする国立学校設置法の一部を改正する法律案は当然第十五国会においてこの法案の性質上可否が明らかになり施行法案ととしてこれが可決された場合はこの線に沿つて実施せらるべき筋のものであつたにかかわらず、不幸にして十五国会の解散となつて今日に至つたわけでありまして、本法案を逐条的に眺めて行く場合には一、二の疑義なしといたしません。只今須藤委員が触れられましたように、予算措置の面に関しましては地方の公共団体にその寄附行為を願い、或いは各種の後援会等にその寄附を待つということを予定して国立学校の充実を図るということはその趣旨から申しまして多くの疑念なしといたしません。特に定員の問題に関しましても、これで十分であるとは思えないのでありますが、質疑の過程において稲田局長の説明によればこれは逐年計画を以てなすべきであつて逐次その定員は充実され予算関係も初年度においてはこの定員を以てなすことは止むを得ないという説明でありまして、このことは以て諒としなければなるまいと存ずるのであります。ただこの種法案が議題に供せられるたびに問題となりまするのは、日本の現在における大学教育のあり方であります。これを機会に文部省においてはこの基本的な問題について十分検討せられることを希望し、なお本法案の施行に当つてその財政的な負担区分その他については深甚の考慮を払われることを希望いたしまして私は本法案に賛成の意思を表明する次第であります。
○委員長(川村松助君) ほかに御発言ございませんか……。 別に御意見がなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議がないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。本案を可決することに賛成のかたは御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(川村松助君) 多数でございます。国立学校設置法の一部を改正する法律案は多数を以て可決するものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によりましてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにしまして御承認を願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 御異議ないものと認めます。 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつております。本案を可とせられましたかたは順次御署名を願います。 多数意見者署名 大谷 贇雄 杉山 昌作 長谷部ひろ 安部キミ子 荒木正三郎 相馬 助治 吉田 萬次 剱木 亨弘 八木 秀次 —————————————
○委員長(川村松助君) 御署名漏れはありませんか……御署名漏れはないものと認めます。
○委員長(川村松助君) 次の問題に入つて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(川村松助君) 次に大日本育英会法の一部を改正する法律案を議題にいたします。 ちよつとお諮りいたしますが、本法律案は総括質疑と逐条質疑と分けずに一般的に御質疑をして頂きたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○須藤五郎君 お尋ねしますが、現在大学院或いは特別研究生が済んだあと大学に採用される数、それから在学生とその採用される数とのパーセントはどのくらいの率になつておりますか。
○政府委員(稲田清助君) 御質疑の前段、いわゆる特別研究生、これは旧制大学に関連するものでございます。これは前期三年、後期二年でございまして、定員といたしましては前期三年が四百二十名ずつ、後期二年が官名ずつということになつております。それから新制大学院でございます。この定員は、国立が三千人、公私立で三千二百人が定員でございます。現員としては、国立が千九百人、私立のほうも千七百名程度だと思つております。
○須藤五郎君 特別研究生で済んで、それから大学に採用される人はどのくらいあるか。
○政府委員(稲田清助君) 現在特別奨学生はまだ最終年度に達しておりません。従つて御質問のような事実は、これから先に起つて参ります。
○須藤五郎君 それではあなたの見通しはどういうものですか。これが全部大学に採用されるという見通しですか。
○政府委員(稲田清助君) 特別研究生は必ずしも大学でないのでありまして、研究者になる養成でございます。研究者といたしますれば、日本学術会議の有権者約五万でございます。それの新らしい勢力として方針を考えますれば、当然そのくらいな数はすべて研究者になり得るのだと考えます。
○須藤五郎君 先日も特別研究生が国会に参りましていろいろ窮状を訴えて参つたのでありますが、最初これは給費生という形で出発したものですね。ところが途中で貸費生に変つてしまつた。それでその条件について大学に残る者からは金をとらない、免除する意思があるということを言われておるのですが、そうでない人からは貸した金をとるということに今度変つて来ておるわけです。そこで非常にみんな因つているわけです。若しも大学に全部採用されるならば問題はないわけですが、採用されることが殆んど不可能な状態になつているのではないか。そういう現状になつて来ている。そこでみんな何十万円かの金を返さなければならんことになる。これはどうも最初の約束と違うということを訴えて来ておるのですが、それに対して局長はどういうふうに考えられますか。
○政府委員(稲田清助君) もともと戦時中初めてこの特別研究生ができましたときは、研究者の国家養成という建前で恐らく当時は就職指定ということを考えて給費でやつていた。途中終戦になりまして新らしい職業安定法或いは労働基準法というような関係からそういう国家養成とか就職指定ということがむずかしくなりましたが、とにかくまあ研究者は養成したい。従つて育英会の貸付に切替えまして貸付はする。ただその人たちが若し研究者として就職するならばその間償還は猶予し、又一定年限を経れば償還を免除する、こういう方針で来たわけです。その故に、今御審議を頂きます大日本育英会法の改正におきましても、「第十六条ノ三」の二項でございますが、新らしく法を改正いたしまして、「大学院ニ於テ学資ノ貸与ヲ受ケタル者が修業後一定年数以上継続シテ教育又ハ研究ノ職ニ在リタルトキハ政令ノ定ムル所ニ依リ共ノ貸与金ノ全部又ハ一部ノ返還ヲ免除スルコトヲ得」こういう途を新らしく開きたいと思つて御審議願つておるわけでございます。
○須藤五郎君 この特別研究生として今いる人たちに前の約束と違つた結果を押付ける結果になつて来てこの人たちに対して非常に大きな問題が起つておるのでありますが、なお現在特別研究生が大学内においてやつている仕事は実質的には助手と同じような仕事をしておる。ところが助手にはちやんと身分保証があるのに、特別研究生にはその保証がない。而も学校に採用されない場合は金を返さなければならないという結果が招来する。勿論この金を借りておるということは家が貧しくて、そうして金を出す力もない人がこれを受けておるのでありますから、返すとなればこれは大きな問題になつて来る。政府としてこの人たちに約束したことを裏切る結果となり、道義的に私は責任が生ずるのではないかと思うのですが、そういう点どういうふうに解決するつもりですか。
○政府委員(稲田清助君) お話の前段、助手と同じだという点は、私どもはそう考えない。非常に似ておる部面もある。助手は勿論助手として教授、或いは助教授の手助けをやると同時に後進研究者として十分に研究に従事する。この大学院学生は学生として大学の機関を利用してやはり後進研究者としてやる。研究するという点は似ておりますけれども、国の仕事をその職としてやることは前者においては当然である、従つて前者に対して身分保証はありますけれども、後者は単に勉強するだけであります。これはやはり一般の学部の学生、その精神を延長いたしまして大学院というものを利用して研究する。こうした教育の対象でありますから、奨学金を増すのが本質だと思います。ただ終戦というようなことで、従来の給費が切替つた点は気の毒に思つております。これなればこそ我々といたしましては、償還猶予の免除の方法をとつて、そうして事実それだけを給したと同様な結果を来たしたい。それがやはり大学院に残り、研究所に勤務しなければなりませんから、やはりそういう点につきましては大学の当局と共に十分御斡旋をして、本来の目的に進むにおいては同じ結果を生ずるということにいたしたいと思います。
○須藤五郎君 もともとこれは特別研究生というのは大学の教授を作るために置いた一つの方法だと私は思うのでありますが、それが途中からこういうふうに変つて来て、その人たちの生活を非常に脅かす結果を来たしておる。それに対して文部省としてやはりそれだけは責任があるわけですから、十分にこれらの生活を脅かさない手段を講ずることが必要であると思うのです。それと同時に先ほど伺つたのは、そのためにこの特別研究生から大学教授に採用される人間がどれだけであるか、或いは現在特別研究生がどれだけあるかという数字を挙げて説明して頂きたいと、こういうふうに考えたのでありますが、採用の数が少しも示されない、そうしてそれに対する見通しも局長ははつきりおつしやらんようでありますが、これでは現在研究しておる人たちは非常な不安に堪えないと思うのです。ですから文部省として責任を持つてこういう人たちに不安を与えないように考えると同時に、最初の約束通りやはり給費生というふうに、それから貸したものを給費生でとにかく約束したのですから忠実にここで途中から貸与というようなことをしないで、最初の約束通りに約束を守るように文部省として努力すべきではないかと思うのですが、これに対する局長の見解を承わりたい。
○政府委員(稲田清助君) 前段は先ほどお答えいたしましたようにまだ最終年度に達しないのでありますから就職という数字は今出せない。併しそれくらいの人数は、勿論あれだけ五万もいる研究者の後進でありますので十分これは本来の目的に、優秀なかたがたですから支給し得るものだと見当つけておりますが、これはまだ一年の先でございますから的確に申上げにくいのであります。それから給費がなくなりましたのはやはり終戦という非常に大きな転換で一般いろいろな方面について変つて参りました。職業安定法から言えば選択の自由ということが第二条に規定してあるし、又労働基準法第十四条から言えば、一年を超える期間就職はできないのだという法制になつておりますから、それなど睨み合せて給費制度はこれは持続できないと思います。併し、貸費をやつてそうして特別研究に従事したならば、貸費の償還を免除する。結局同様な結果を本人に与えて不利益を救済するという方法しかないのじやないかと思つております。
○須藤五郎君 私はやはりこういう状態では今後日本の立派な学者を生む、作つて行く点から非常にやはり欠陥が起つて来るのではないかというふうに心配しますので、是非優秀な人たちに対しては、給費制度を復活さして、そうしてその人たちに心配のないように勉強のできるような方法を文部省としてやることを強く要望するわけです。 それからなお私は知識はないのでありますが、本年から育英会から出す金は大学生は月幾ら、高等学校は幾らというふうに、ちよつと教えて頂きたいと思うのです。
○政府委員(稲田清助君) 第一、高等学校でございますが、従来は月五百円でありましたのを、今御審議願つております予算におきましては、月七百円にいたしております。それから大学につきましては、従来予算単価は千九百円でございます。それを今御審議願つております予算におきましては二千円に上げまして、ただ二千円の給費費を受けて継続して上へ進学して参ります者がございます、その進学者のうち優秀な者一割に対しましては二千五百円という金額衣貸与しよう、こういうのが中心でございます。で、更に教育奨学生、これは学部の学生と同じように二千二百円から二千五百円ということをいたしております。それは先ほどお話がありました新制大学院の特別奨学住、これは予算におきましては四千円という計算になつております。 それから更に先ほど御指摘がありました新制大学院のいわゆる研究奨学生、これは前期が一万七百円、後期が一万三千百円ということにいたしております。
○須藤五郎君 予算から計算すればわかるのですが、それで大体金の総額と人数はどういうふうになりますか。
○政府委員(稲田清助君) そういたしますと、高等学校のほうは学生総数に対しましてこれは採用率が三%でございます。五万六千三百四十六人という人数が貸費を受けるということになつております。それから大学でございます。これは学生総数四十三万一千二百七十六名の二〇%でございます。従いまして人員として八万六千八百七十四人ということになつております。それから教育奨学生と申しましてこれは教育学部、或いは学芸学部の学生でございます。この分につきましてはこの改正法案にありますように、将来義務教育職員になりました場合は、償還の猶予の免除がある分でございまして、これが六〇%でございます。人員にして二万七千六十六人。それから特別奨学生が先ほど申上げましたように九千五百名でございます。それからそのほか研究奨学生が、これは前期、後期通じまして千四百六十人という定員になつております。 それから別にこの通信教育の夏季あたりに、いわゆるスクーリングを受ける場合、これに対して特別に配付いたしますもの、これが人員の五%で三百七十五人でございます。 それからそのほか先般から軍人遣家族に対しまして、特別の枠がございます。この特別の枠が一万四百三十四人ということになつております。予算総額貸付金総額が三十四億一千八百万余りになつております。前年が二十九億でありますので、約五億ばかりの増額になつております。
○相馬助治君 提案されている法律案の内容については、私はさして意見を持つておりませんが、只今須藤委員が質問された問題ですが、これが文部省の予算説明のときに、私どもが会計課長からこの説明を聞いて実に一人当りの単価が少いし、将来これはどういうふうな見解でこの国費を出すつもりか、具体的に申しますれば、国家財政の規模からトータルは押えられる、そこで多くの人に分けるなら、一人に行く額が非常に少くて全く時代離れした七百円というような単価が出て来てしまう。それでは一人の者にたくさんやるならば今度は人数が制限される、これらを見合つて一体政府はどういうふうに考えておるのだという質問をしたのですが、政府委員でもありませんし明快な答弁を得られなかつたし、又得ようとしたのは無理であつたと思つてやめたのです。この際次官に私はお聞きしておきたいのですが、こういう単独立法をしますことは、この場合事情の変化に伴つて必要なことを最小限度に止むを得ない、又はこれはこれでよろしいと思いますが、本年度の予算の編成に当つても文部当局はこの種の費用を相当大蔵省に要求したやに聞いております。ところが現われて来たものは五百円が七百円、又一方が二千円ということになつて、次官等もお聞き及びかも知れませんが、先般NHKが街頭録音で育英会の費用の問題を問題にしたときに、もう全くこういう馬鹿々々しい時代離れした金を与えて、そうして日本の育英制度の強化を図つておるなどということはナンセンスだということで悪評喧々たるものがあつたことを御承知だと思うのです。基本的に国家財政の規模から非常な制約を受けるというこの現実の上に立つて文部当局は将来これをどういうふうにして行くか。例えば先ほど須藤さんの言う貸費でなくて給費生にしろということは、もらう側から言えばそれはその通りですが、出す側から言えば、にわかにそういうふうに一方の提燈ばかりも持てまいと思つて未だ私はこの点に対しては最終的な態度は私自身はきめておりませんが、これらも含めて給費生、貸費生の問題等を含めて抜本的に何か当局として構想しておることがあるかどうか、それらについてなかつたらこれは止むを得ません、怠慢だと悪口を言うよりほかありませんが、あつたら一つ聞かせて頂きたいと思います。
○政府委員(福井勇君) 相馬委員の御指摘の点につきまして、国家予算の制約は御説の通り相当厳しく制約されております。そこで文当部局としましては今までのこの程度の予算では育英方面における予算が決して足りておるというような考えは持つておりません。そこで年々の状況を実際に顧みますると、今年三十五億というものを要求しております。それから昨年が二十九億、その前が十四億でございます。そういうふうに漸増しておりまするが、勿論これで足りるとは思いませんので、一人一人の額を七百円とか或いは二千円とかいう数字につきましても、その一人一人の学生の家庭における状況によつても、まあ今日の状態では決して満足だとは思つておりません。そこで何とか大蔵当局の方面とも予算的の睨み合いを今後もよく検討してもらいましてなおこの育英方面における完璧を期するよう今検討中でございます。
○長谷部ひろ君 この「十六条ノ二」ですが、終りのほうの下からちよつと上のほうにこういうことがあるのです。「其ノ他政令ノ定ムル事由アルトキハ」というのですが、この「政令ノ定ムル事由」というのは一体何ですか。
○政府委員(稲田清助君) 「十六条ノ二」のほうは自分の原因である傷痍疾病又は他の原因である災害の場合でございますが……。
○長谷部ひろ君 二の終りから二行目の下から三分の一ぐらい……。
○政府委員(稲田清助君) 例えば上級学校への進学者の場合でございますね。高等学校を出てそれつきりおやめになればすぐ償還が始まるのですが、或いはそれじやなければ大学に入る、又大学の学部を出ておやめになればそのまますぐ償還が始まるが、まあ大学院に入る、そういうことを予想いたしております。
○長谷部ひろ君 もう一つ、「十六条ノ三」の「政令ノ定ムル所ニ依リ」と又書いてありますが、これは……。
○政府委員(稲田清助君) これは例えば教員養成学部を出まして、小学校、中学校の義務教育の先生になりましたような場合に一定年限を考えまして、例えば大学四年貸りたものは八年以上ぐらい義務教育に勤めれば免除してしまう、或いは八年が五年ぐらいだつたら按分比例して一部分を返す。こういうように就職年限と比例して一部免除したり、或いは全部免除するということを政令で明らかにしたいと思います。
○須藤五郎君 議事進行で伺います。これは今日採決するつもりですか。
○委員長(川村松助君) これは皆さんの御意思によつて決定することでありますから、するともしないともこれは皆さんの御意思によつてきまることであります。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。
○長谷部ひろ君 インターンの育英資金というものがあるのですか。
○政府委員(稲田清助君) インターンにつきましても、これは学生じやないのでございますけれども、学部の学生と同じようなパーセンテージを以て学部の学生と同じ金額を貸付ける途を開いております。
○長谷部ひろ君 学部の学生と同じですか。
○政府委員(稲田清助君) つまり一人当り千九百円でございましたが、今御審議を願つております予算におきましては二千円の単価にいたしております。
○長谷部ひろ君 先日インターンの学生さんたち参りましたときの話、非常に学生でもない、お医者さんでもないし、大変あいまいな立場にいる。そうして生活にも保障がないし困るというような訴えを聞いたわけなんです。それで私引続いて奨学資金を受けていた者がインターンになつたならばその額をもう少し殖やしてもらわなければ困るのじやないかということをひしひし感じたのですが、それについてのお考えは今ありませんでしようか。
○政府委員(稲田清助君) 御承知のように、インターンはこれは厚生省のほうでも御心配のようでありまして、厚生省のほうもインターンそれ自身の処遇という問題でお考えがございましようからそれとよく相談いたしたいと思つております。
○委員長(川村松助君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて下さい。
○長谷部ひろ君 私は頭が悪いので、この数字を書いたんですけれども、どうしても書き切れないのですわ。ですから、育英資金を受けている者の数とそれから貸与の月額、そういつたようなものを具体的にはつきり書いて頂きたいと思います。
○政府委員(稲田清助君) さつき会計課長が予算の説明をいたしましたうちにそれは明らかにいたしております。
○長谷部ひろ君 どうも有難うございました。
○荒木正三郎君 この間の文部大臣の文教政策の中に重要な一つの項目として、育英制度の拡充ですか、これがまあ挙げられておつたわけなんですが、成るほど昨年の二十九億に比べて今年は三十四億ですか、若干の増加をしておるということは認めます。併しこの二千円という額はもう三年くらい私は続いているのじやないかと思うのですがね。今年はまあ二千百円、その間に物価は相当な騰貴をしております。べース・アツプもこの間に二・三回行われておるのであります。それから昨年は又学生の授業料を大体倍額に増額しているわけなんですね。従つて私はもつと一人当りの資金を増加して行くのが当然ではないかと思います。割合に歴代の文部大臣はこの問題を重要視しておられることはよくわかるのです。非常に結構ですが、その裏付けになる予算の問題になると、まあ若干の増加は認めますが、どうもその裏付けがないように私は思うのですがね。これは、政務次官に今日お尋ねしたいのですが、大臣にお尋ねするのが当然だと思うのですが、まあ、口が悪いようですがね、歴代の文部大臣は、というよりもね、文部大臣は伴食大臣という悪い名前が従来あつたわけです、これは予算が用が足らないというのでそういうふうに言われておるのじやないかと思うのですが、今度の大臣は私はそうじやないと思うのですが、どうも声を大にしておられる割合にこの予算が殖えて来ないというふうな点ですね、どういう点にあるのか、御説明を願いたいと思うのですが……。
○政府委員(福井勇君) 荒木委員の御指摘の、一人当りの単価が非常に少くて、物価の変動、特に上つて来ておる現状から非常にこれでは無理だという点につきましては誠に同感でございます。そこで文部当局といたしましても、すでに、御存じの通り、大蔵省という一つの、各省とも非常なこの大きい関所を通過するのに難儀しておる範疇に入りまして、非常に努力して来ておるのでありますが、まあ、歴代の文部大臣が伴食であるかどうかは別として、今度はそういうことはない、大物の大臣が来ておりまするので、折角一つ皆さんの御指示の、御協力の下に逐次こういうふうな予算増加の目標も達して来ておりまするから、なお一層一つ努力するように大臣にも申し伝え、且つは私からも各委員各位の御協力を懇願したいと存じております。
○荒木正三郎君 先般頂いた文部省からの資料によりましても、大体学生の七割程度が勤労による、或いは勤労を希望しておる、アルバイトを希望しておる、こういうまあ実情の現実でございますので、この点については相当思い切つて充実を図つて頂く必要があるのじやないかと思いますが、参考のためにお聞きしたいのですが、私の聞いておるのでは、イギリス等では相当育英制度というのは充実しておるように聞いておるのですが、大体どの程度になつておりますか。概略でいいですから……。
○政府委員(稲田清助君) 誠に恐縮でございますが、イギリスの育英制度につきましては、現在、私、調査したものを記憶してないのでございますから、いずれ取調べられましたら、取調べてお答えいたしたいと思います。
○荒木正三郎君 そうすると、文部省のほうでは、諸外国の育英制度ということについて研究はしていないと、こういうことなんでしようか。
○政府委員(稲田清助君) 私自身記憶しておりませんが、或いは調査局あたりで調査しているかも知れませんが、よく調べてお答え申上げます。
○荒木正三郎君 やはり育英制度についても諸外国の例などもいろいろ研究をして、日本は遅れているのですから、やつぱり学ぶべき点もあるのじやないかと私は思うのですがね、十分やつて頂きたいと思うのですが、これは要望として一つ十分考えて頂きたいと思いますが……。 その次に資金の貸与について国立の関係、それから私立の関係が必ずしも公平に行つていない、こういう声を聞くわけですが、私はそうかどうかはよくわからないのですが、それで育英資金を貸与しておる学生ですね、それは国立のほうにはどれくらいの人数が行つておるのか、私立関係にはどのくらいの人数が行つておるのかお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(稲田清助君) 只今の資料はここに持つておりませんが、役所にございますので後刻調製してお目にかけたいと思います。
○荒木正三郎君 資料はあとで頂くとして、大体そういう声を聞くのですが……。
○政府委員(稲田清助君) 先般の国会においてそういう御質問がございまして、私、気にいたしまして調査いたしましたが、そういうような結果にはなつていないのでございます。非常に私立のほうにも厚くなつておることを発見いたした次第でございます。
○荒木正三郎君 これは資料にして頂ければ大体わかるのではないかと思いますので、この問題は留保しておきます。 それから問題は非常に細かくなりますが、この中に義務教育に従事する者に対しては返還を免除するという規定があつたように思うのですが、十六条でございましたか、全部の又は一部の返還を免除するということができるという規定がございますが、これは非常に悪い規定ではないと思うのです。併し何故義務教育だけに限つたかということですね。私の考えでは義務教育だけに限る必要はないと、それ以上の高等学校或いは更に大学でもいいわけですが、教育に従事した場合は免除すると一貫してやつたらどうかというふうに考えるのですが、何故その義務教育だけに限定したか。これは従来の例に捉われておるのではないかと思うが、そういう必要はないのであつて、この際もつと幅を拡げたらどうかと思うのですが、こういうふうな点、何か特別な理由があるのですか。
○政府委員(稲田清助君) 今、お話のお言葉の中の捉われると言われれば捉われてでございますが、第一着手として義務教育を重視いたしまして、それは師範学校の時分に授業料を免除して、而も給費があつて養成して参りました、それと義務教育の今日の教員養成、充実経費と睨み合せましても、やはり助教等がまだ二七%もあるというような状況でございますので、義務教育についての優秀教員の確保の一助としてこれは考えたわけでございます。高等学校につきましては義務教育学校と比べまして優秀教員がパーセンテージにおいて相当自然集まつておりますから、相当教員確保の方策としてはやはりそこに順序もあろうかと思います。恐らく只今の御意見は、受ける者の身から見れば同様じやないか、これも確かに一つの理由でございまして、私どもといたしましてはまあ第一順位には考えないでおりましたけれども、十分その点は将来考究すべき問題だと考えております。
○杉山昌作君 ちよつと関連して……今義務教育というお話でしたが、この「十六条ノ三」の二項を見ると、「教育又ハ研究ノ職ニ在リタル」と謳つて、上に義務教育ということは書いてないのですが、どこから出て参りますか。
○政府委員(稲田清助君) 会荒木委員が仰せになりましたのは、第十六条ノ三の第一項第二号だと思います。
○杉山昌作君 ああ、そうですか……。
○荒木正三郎君 それでは続けます。私はこういうところで義務教育尊重という言葉を使いたくないのですよ。こういうことによつて義務教育が尊重されるのかどうか私には疑問に思うのです。むしろこういうところでは別にしなくてもいいと思うのです。一方では待遇の問題では差等をつけようという考えを持つておつて、それから優秀な教員を得るためにこれは一つ免除してやるんだといつたつて筋が通らないのですね。むしろ義務教育を本当に尊重するならば義務教育に従事しておる教職員の待遇の改善を図つてやるということのほうがもつと大きな問題ですよ。こういうところでそういう美しい名前は使わないで、これは当然こういう免除規定はいいことなんですから、できるだけ義務教育に限定しないで幅を拡げるように私はすべきじやないかという意見なんです。従つて義務教育に人材を求めるとか、優遇とか、こういう理由でこれをつけることにはどうも納得しがたい、ほかのいろいろな政策と勘案してどうかと思います。
○政府委員(稲田清助君) 必ずしも美名でないのでございまして、先ほど予算で御説明申上げましたように、枠から違うのでございますね。六〇%教育奨学生として余計配付しておるわけなんです。而も今までは一年生には五百円ずつを全員に差上げておつたのです。こういうのを全部返すということになると本旨でない。なぜそういう教育奨学生にそうしたかと申しますと、小学校では終戦後二七%の助教がある、ああいうのをなくすために学費を貸与して優秀な教員を集めなければならん、どうしても教員養成学部に優秀な人を入れなければならん、こういうことでございまして、高等学校について、そう申しては又いろいろな問題を起すかも知れませんけれども、まあ現実の問題としては無資格教員が非常に少いことから見ても、優秀教員が自然集まつて来る。義務教育学校においてはやはりこれは全体の量も量でございますので、そうした方法を以て確保する必要があるのだということを第一段階として考えた、そういう点を一つ御了承頂きたいと思います。
○荒木正三郎君 若干の理由はあるかも知れませんが、私はやはりこういうところでは平等に扱つたらいいじやないか、これは意見になりますが、将来十分一つ考えて頂きたいとこういうわけです。 それから二十八条ですね、「政府ハ日本育英会ニ対シ第十六条二規定スル業務ニ関シ毎年度予算ノ範囲内ニ於テ補助金ヲ交付スルコト」ができる。これは前の条文によると金額が出ておつたわけですね、二億七千四百万円という金額が出ておつたわけです。今度これを予算の範囲円というふうに抽象的に書き替えた理由ですね、説明を願いたいと思います。
○政府委員(稲田清助君) この前の条文にあります百分の三・二というのは利子補給でございます。今度は利子補給という方法をやめまして、育英会に対する政府貸付金という途で参りますから、貸付金の加減で行くわけでございます。前には預金部資金を配付いたしましたので利子補給というものを政府の予算から別に出した。今度は政府の貸付金一本で参りますからそれを加減することによつて別途に利子補給を上げないでいい。然らばこの分を削つたのは何かということは、これは事務費の補助でございます。事務費の補助をここに現わす意味で書きました。丁度何というか、文句を新らしい文句としてお読み頂きませんと、削つた意味と新らしく削られてできた文句とはちよつと意味が違うわけでございます。
○荒木正三郎君 いや、利子の問題じやなしに、補助金の最高限度を学資の貸与の場合の借入金補助としては二億七千四百万円と、こういう数字が出ていますね。
○政府委員(稲田清助君) こつちのほうですか、二十八条と存じましたが、借入れのほうはこれは一時借入れでございますから、まあそのときどきの状況上に応じて多少の伸び縮みがあつたほうがいいんじやないか、大体これは翌年度初めに、本年のように補正予算といいますか、予算が成立しないで遅れたような場合の一時借入れでございますので、約一カ月分である大体二億円程度でございますけれども、特に法律で以て規定することもないんだということで削除いたしたのでございます。
○荒木正三郎君 借入金に対する補助金というのですが、これは補助するわけですから国庫支出になるわけですね。そういう意味だろうと思うのですがね。そうすればこの金が、時の事情によつて伸縮自在になるということはいい面もありますし、それがこの補助金等が増額できる、そういう場合はいいのですが、こういう伸縮自在にして置いて非常に額が減らされる、こういう危険が実はあると思うのですが、そういう点はどういうふうに考慮されているんですか。
○政府委員(稲田清助君) その辺につきましては勿論政府部内において、この育英事業の方針は財務当局も十分御理解願つておるし、私どもも十分理解してもらつてそういうお話のような懸念の生じないようにいたしたいと思います。
○荒木正三郎君 それで説明はいいわけですが、私はむしろこれが額をきちつときめておいたほうが、これを減らすとか、どうするとかいうことができないように……、大体例年から見てどのくらいの補助金が要るかということは大体わかると思う。ですから別に額をとる必要はないのじやないか。こういうふうに思うのですが、特にこれを省いたということは何か将来もう自由にできるようにしたい、こういう考えから出ているのではないかと思うが、私の言つているのは間違つておるかどうですか。
○政府委員(稲田清助君) よくわかるのでございまして、全体を御覧頂きますように、従来預金部資金という別途の資金を借入れて政府のほうから利子補給をやつて来た、これは二本建の形で。今度の場合は政府貸付金、政府補助金の一点張りになつたわけでございます。そういう点においていろいろその金額の制限を全部外して来たわけです。利子補給につきましても又お話のほうの二億七千余万円につきましても、立て方をそういう立て方にしたものですから全体的に只今御覧のような改正の体裁にいたしたのでございます。
○荒木正三郎君 私の質問はこれで終ります。
○剱木亨弘君 今の荒木委員の質問に関連してでございますが、育英会の問題は貸費人員をどのくらいにして行くかという問題と、貸費額をどうして行くかという二つの問題があると思うが、御承知のように育英会が成立いたしましたときには、貸費額は全部だ、ということを基本方針にいたしまして、学生が勉学をするために必要なる金額は全額これを貸与するという方針でやつておつたように思うのですが、つまり終戦後の経済状態の変遷で人を削減すべきか、額を削減すべきかということで、先ず人を殖やすということにしたわけでございます。併し現在の経済情勢から言つて、如何にも月二千円では、これは先ほどもお話がありましたが、まあアルバイトをしないで勉学するということは予想していない金額でございますが、できるだけ実際の支出額に合して行くということが方針としては努力されて行かなければならんと、これは御当局も御同感と思いますが、ただ私はここで一番問題になりますのは、恐らくその給費額、貸費額を正式の丸抱えに直しますと、恐らく現在の人員だけで百億を突破するのじやないか、これは計算ははつきりしておりませんでわかりませんが、そうして今荒木委員の御指摘になりましたように、これが補助金として交付されるということになりますれば、財政的な理由によりましてなかなかその実現は困難であるというふうに考えます。そこで今回改正になりますものは、現状におきまして補助金でございますので、これを裏付けるために法律改正をするということは止むを得ないことだと思いますが、併し本当にその育英会の資金、貸与金を増額して行くというためには、私は今もなおこの預金部資金から借入れて、政府はその利子補給をするという形が最もこの育英会の予算を取る上から言いましても、人員を増し、又単価を増して行くという点から言いましても必要なことではないか。ところがまあ私自身の考えでございますが、これを交渉いたしましたが、終戦後預金部資金の使用は、現在の例えば生産方面でございますとか、地方起債というほうに割当てておりますけれども、生産に預金部資金を割当てなければならんという理窟は私には今日までまだはつきり了解できないのでございます。特に地方公共団体に預金部資金を融資します場合には、これはその中にやはり土木災害或いは学校なんかがありましてこれを育英会の非営利事業であるという理由については、何らそこに私はわからないのでございます。ただ育英会に、預金部資金が使用計画上そこまで手が廻らないのだという理窟になりますれば、それは私どもとしては育英会のほうに増すということはなお優先的に考えてもいいのじやないかと考えますので、政府御当局としましてはこれを預金部資金より借入れて、政府がその利子を補給をするという根本的な考え方に将来ともこの法律改正をいたしますれば、もはやその方法は断念してしまつて、将来はその方法はとらない、こうお考えでございますか、その点を一つ……。
○政府委員(稲田清助君) 只今の御質疑のうちにまあすべて尽されておりまして私どもといたしましてもそれ以上申上げることもないのでございますけれども、ただ最後の将来預金部資金から借入れる方策をここで放擲したかという点につきましては必ずしも十分でないのでございます。まあこの点は将来も十分研究して参りたいと思つております。ただ御承知のごとく今のところもう数年、毎年いろいろな面に当りまして研究して参りましたけれども、預金部資金の現在のまあ運営方針と申しますか、第一長期はいけないのだ、非常にまあ何というか、短期に生産方面に預金部資金の健全なる維持を考えまして運用するほかはないのだという方針でずつと参つて来ております。その現状をここに法律化いたしたわけであります。若し将来預金部資金というものが元のように借りれるということになりますれば、又一つその点につきまして再びその方針で御審議願わなければならんと思つております。
○剱木亨弘君 それからこれはまあ質問になるかどうかわかりませんが、私多少関係しておりましたので、今荒木委員の御質問がございました二億七千万円ですか、最高量を限つた問題でございますが、今度の改正では実は表面には現われていませんけれども、育英会法ができましたときの根本的な問題を実はこの法案で改正しておるのであります。 それはこの育英会法ができました当時の貸与の方法は、これはいわゆる保険計算によりまして貸資金を、いわゆる生命保険の保険金を先ず先に出してやつて、そうして掛金はその三十年なりあとでかける、それは無利子の命を借りるのでございますから、その時間的な、三十年後であろうが、前に渡そうが、死んだときに渡すものを前に渡す、これは貨幣価値としては相違ないので、ただ保険計算ということを基礎にしまして、例えば三千円借りたものは保険計算によりまして三千五百円返せば、満期になつて返したことになり、いわゆる貸費者の非常な便宜を図つたものでございますが、これは理論的には非常によろしく、整理上むずかしかつたが、一つの理論的な形態をとつた。但しそれが実際の運営になつて来ますと、保険会社でないものですから、これは非常にむずかしい問題にぶつかつて、事務量が非常に増して来るということで、現在貨した金を等分して同額返すということになつたのでありますが、その点は私はむしろ簡素化する意味において現在のほうがよいのじやないか、保険計算は一応理窟はあるけれども、併しその運営はなかなかむずかしい。特に現存のような経済情勢の変動が激しいときにはこれは無理ではないかというのでこれを停止したのでありますが、そのときに預金部資金を借入れて、そうして年々一定計画でこれを貸して行きますと、多分三十五年後であつたと思いますが、三十五年後においては預金部資金から借入れないでいわゆるコンスタントになつて、それが資金になつて例年の計画ができ、その総額は二億七千万円だ、その限度というものを法律で示したのであります。この二億七千万円というのはいわゆるコンスタントになつて預金部資金から借入れることを必要としない最高限を法律できめたわけであります。これを今回現状に直したというのが、この法案でありますから、その点は、御質問の点はそういう関係でございますが、ただここで私はまあ自分の考え方といたしましても保険計算を取入れてやりましたことについては相当なこれは苦心をいたしてやつたつもりでありますが、又経済情勢が平常の状態に返つて参りますれば、これは貸費生の便宜を図つてやる、利益を図つてやるという意味ならば勿論よい方法だと今でも考えております。この点将来も全然採用しないかどうかという点について御説明を願います。
○政府委員(稲田清助君) この育英会法ができました当時に又当局におかれまして非常に御苦心になつた点はよく承知しておりますし、又それが育英制度の本旨であることもよく存じております。ただその後の状況が非常に大変動いたしました。まあステーブルに参りますれば、当初の保険計算なり、当初の法律構想そのままで結構だつたのでございますが、今の状況といたしまして、差当り今の状況に合せる、むしろ従来のものが残つていていろいろ誤解を生ずるというような点をこのたび削除いたしました。この点は或る意味において非常に遺憾に考えております。お言葉にございました将来の問題といたしましては十分この点事務当局でも真剣に考えたいと思います。
○杉山昌作君 先ほど私立大学と国立大学とが偏頗ではないかという話があつたのでありますが、それに関連してですが、大体資金を貸付ける人の選考ですね。これは全国の者を困つた順序にといつてもなかなか実際問題としてできないので、結局府県別に割当てるとか、学校別に割当てるとかということになるのだろうと思いますが、それはどういうふうな方法、或いはどういうふうな基準で割当なんかをおやりになるのでしようか。
○政府委員(稲田清助君) それの実施は、日本育英会にこの貸費に関しまする委員会がございまして、国立、私立大学の当局その他学識経験者も出ておりまして、そこで年々の方針をきめます。勿論もつと根本方針は理事会等できめるわけでありますが、そういう専門委員の意向を聞きながら、いろいろ是正しながら来ておられるわけであります。なお各学校に対する割当がどうかという点につきましては、逐年の実績を考えまして、その後の学校の拡張或いは消長を考えて、その枠を是正するという方法でございます。大体そういうふうなことで行なつておられるようでございます。又個人に対しての貸付の順位は、それぞれの学校で出して来られる順位通り育英会で貸付けておられるわけでございます。
○杉山昌作君 これは回収の問題でございますね、正規に免除する、或いは猶予するというのは、これはまあ当然の話でございますが、いわゆる滞納というようなものが相当あるのでございましようか、どんなようになつておりましよう。
○政府委員(稲田清助君) この点につきましては、財政の問題から我々も非常に心配いたしまして、常に聞くわけでございますが、今までのところ非常にこれはよろしうございます。と申しますのは、やはり育英会においても、学生に対して、これを返されることによつてあなたがたの後進が奨学の便を得るのだと申しますと、学生は非常にまじめによく返してくれる、一つは今まで貸付けました単価が、物価の関係において、戦時中、戦前非常に安かつたから、今返す金額というものは大変楽だという問題もあると思います。ただこの点は、この運営を非常に健全ならしめる一つの大事な問題であるので育英会においても大変御苦心になつておられます。
○委員長(川村松助君) ほかに御発言ございませんか……。
○荒木正三郎君 今おつしやつたように、今返すのは楽だと思うのですよ。併し今借りた金を将来安くなつたときに返す場合は、これは当然考えられる問題でしようね。率を変えて行く……。
○政府委員(稲田清助君) それは非常に長い目で見て時代に即応するように考えなければならん問題だと思います。
○委員長(川村松助君) ほかに御発言ございませんか……。本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。 ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(川村松助君) 速記を始めて下さい。 本日はこれを以て散会いたします。 午後三時五十七分散会