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16回国会参議院1953/08/06

電気通信委員会 第21号

発言数
46
登壇者
8
会派数
4
開催日
1953/08/06

会議録

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) これより委員会を開会いたします。  放送法の一部を改正する法律案(予備審査)を議題といたします。  本日は日本放送協会会長古垣鉄郎君の出席をお願いして驚きしましたが、都合により代つて副会長小松繁君が出席されております。これより小松副会長を参考人に決定し、御意見を拝聴することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) ではさように決定いたします。郵政大臣はちよつと遅れますので、政府当局及び参考人に質疑のあるかたは御発言を願います。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 郵政大臣がお見えになりましたので質問いたします。放送法の一部を改正する法律案が衆議院のほうでも今折角審査中であるようでありますけれども、これは臆測に過ぎませんけれども、会期の関係で、恐らくこれは今度は審議未了になる公算が大きいかと思うのですが、そこでそういうことを前提にしてお尋ねしたいのですが、この法律案を作られた経過とか、或いは御趣旨というようなことは、この前によく伺いましたが、立案過程において、いろいろ例えば一番関係の深い放送協会との打合せが或いは十分でなかつたとかというような、いろいろなことを当時聞いたのです。そういう点は別といたしまして、この法律案の狙つておられるところ、これは先般御説明があつたように、大体三つくらいの問題になると思います。この方針を今後郵政大臣としては改めて法律案をお出しになるかならないか。お出しになる場合、今度の両院の審議を通じてお考えになりましたところによつてお変えになるおつもりがあるのか、その点を伺つておきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 実は衆議院のほうが今もお話のようにうまく進行しないで、非常に弱つておるのでありますけれども、いろいろ聞いてみますと、何かこの提出した経緯について非常に誤解があるらしいのでありまして、私がこの法案を御審議願うように考えましたのは、大体余りよく放送関係のことは承知しておらんのでありますけれども、ずつと読んでみて、この法律ができた時期が時期であるものですからして、いろいろ不備な点がたくさんある。殊に同じような立場にある他の公社関係の各機関と、それからそれぞれの所管大臣との関係と、この放送協会と郵政大臣との関係が非常に違つておる点がたくさんあるのでありまして、それにだんだん民間放送も盛んになつて参つております。テレビなんかも出て来ておるのでありますから、いろいろと全般的な改正をしなければならないという考え方を一つ持つておるわけであります。そこで全般的改正をするときに全部やるか、そのうちでも取りあえずそう大きな疑問の起きそうもない問題、誰が見ても事理明白だという問題だけを取上げるという問題をいろいろと考えたのでありますが、結局において、どうせ全般的な大改正を一応考えなければならんが、そのうちで今申上げたような一部分の問題を取りあえず取上げるというように考えて、この改正案の御審議を願つたわけであります。従つて今度心配されておるように、仮に審議未了というようなことになりますれば、次に御審議願うようになるものは、勿論今度御審議願つたものを含めて、更に足らない部分を全項的に検討したものを、今度はまとめたものとして、改正案として御審議願いたいと思つておるわけでありますから、今度考えております基本に流れております考え方につきましては、それによつて変るということは毛頭ございません。こういうふうに御了解願いたいと思います。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 大体大臣の気持はわかりましたのでありますが、もう少し具体的になるわけですが、この条文の書き方を見ますと、如何にも私どもから見ましても、大臣の考えておられるようなことが、この字句の上からは出にくい、又非常に行き過ぎた書き方をしているというような点もあるように思うのです。これは十分検討されて、そうして次の提案のときに、両院における空気も十分に取入れてやつて頂きたいと思いますが、それで今お話になつた根本的な改正というふうになりますと、恐らく放送法全体の根本的改正ということを言つておられると思いますが、それに関連して、それはこの委員会では前から再三問題にしていることであり、政府当局のほうでもそれは必要だと思う、併しまだ研究が足りないとか、或いは具体的に事情が熟さないとかというので、今度は提案されなかつたと思いますけれども、テレビジヨンの関係の規定でございます。これは一体こういう特殊の機関でございますから、法案の内容とか認定とかというようなものについて、政府機関が余り中に立入つて干渉をして番組を流すというようなことになつてはいかんと思います。併し一面から言つてテレビジヨン関係で、アメリカなんかでもいろいろ議論されておりますように、社会風教上非常に弊害のあるというようなものに対してこれは従来アメリカなんかは、御承知のように協会を作つておりまして、自主的にそういつたものはお互いに監視し合つて、そうして是正し合つているというような状況でございます。日本ではテレビジヨンについては設置する企業体もそう多くないのですから、そういう自主的な調整といいますか、是正といいますか、そういうことはなかなか望めないという事情だと思います。そこで番組編成について、やはり電波法には罰則等も多少ございまして、多少の制限は勿論できると思うのです。教育面に非常に大きな影響を及ぼすようなテレビジヨンの放送については、もう少し規定を整備しないことには、非常に困つた結果になりはしないかということを、今までも再三この委員会では論議せられているのであります。これについて、やがて民間のテレビジヨン会社も許可されるものもあるし、近く又許可されるであろうというようなものもあるわけです。こういつたものに関連して、法制のほうの整備をして頂かないと困るじやないかという気がするのですが、その点、大臣は只今お話のように、これは骨子になるけれども、このほかにももう少し必要なものを附加えてやるという場合に、そういうテレビジヨンの特に社会教育に及ぼす影響の重大なことから、何か法制的な措置をとろうというお考えがございますか、その点について。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) この点はテレビジヨンがだんだん盛んになつて参りまして、若し御指摘のような懸念が出て来るならこれは私も重大な問題だと思うのです。ただそれをどういう工合に規律するかということになりますと、勿論何らかは放送法の全面改正の場合にはテレビジヨンに関しても規律しなければならないと思うのでありますが、それを番組の編成をこうしろああしろという、指図できるまでに行つてそれを規制するか、そこまで行かずに、例えば認可を下す際に、やる人間の審査その他を十分にいたしまして、先ず十分信頼の置ける人間でなければ許さないようにする、更に法律の上に、一般的にこういうことをやつちやならないというような注意の規定を設けておく、そうしてそれに違反した場合に、やつた人間に対して何らかの処罰でもするというような形にして規制をするか、それともここに番組のところでも場合によつては口を出せるというように規律するか、これはかなり問題だと思うのでありますが、私の今の気持としましては、やはり番組編成に対して、一々監督官庁が喙を入れるということは、これは相当問題があると思うのです。仮に規律するとすれば、先ほど申上げました、あとの間接的な方法で以て、そういうことの起きないように何らか規律しなければならないじやないかというように考えております。併しこれは非常に重大な問題でありますので、なお私といたしまして十分検討した上で回答いたしたい、こう思つております。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 それでこの点は質問の域を超えまして多少意見になりますけれども、それを私ほんの一廻り見て来たというだけですが、先年アメリカのテレビジヨン状況をずつと見て参りますときに、向うのFCCの機関なんかも、今国会においてもテレビジヨンが非常にいい影響を与える半面もあるけれども、悪い影響を与える半面が最近多いので、テレビジヨンの番組に関して、何らか国会においてもこれを規律する必要があるということを認めて、今これを研究中であるということをFCCの人が言つておるのでありますから、これはその性質論としては、非常に番組の編成とか、或いはニユース内容とかいうものについて掣肘を加えるべき筋合いではないと思う。ただその影響如何によりましては、むしろ社会教育の面から或る程度の規制をすることも公共のために止むを得ないという場合も私はあると思う。この点は今お話のように十分にこの次までに御研究を願つて、もう民間のテレビ会社も出て来るわけです。それをもう野放しに、見ている以外にないというような、非常な社会に悪い影響を与えることも放任しなければならんというようなことのないように適当な考慮を加えて頂きたい。私もその方法はいろいろあると思います。あると思いますけれども、これは又むずかしい問題でありますから、よほど研究をしなければならない。この点は特に新聞とか今のラジオと違つた面が随分出て来ると思うのですが、これは十分御研究願つて、成るべく次の国会には成案を得て頂きたいと考えます。  それからもう一点お伺いしたいと思いますのは、先般来実は政府委員から資料を出して頂いたり、或いは口頭で御説明を願つたりして、一番問題になつております四十九条の三と書いてある監督命令、ここで私はもつと政府側が考えておられるところをはつきり言われるといいと思うのですが、ここで今審議をするだけの期間は実はありませんが、出して頂いた資料によると、例えば日本放送協会が法律に規定してあることに違反をしたというような場合に、罰則もあるけれども、その通り実行しないというような場合に、郵政大臣がそれに対して積極的な命令を出して、それをさせるのだというようなことを書いてありますね。これは私実は非常に考え方としてはおかした考え方だと思う。そういう問題になると、自然に役員なんかの解任の問題、いろいろな他の問題が起つて来て然るべきものだ。一々罰則に付いているものを、罰則があるけれども、その通りにやらない。罰則を覚悟でやつたらもうしようがない。この場合にあえて監督命令を規定しておくのだというような考え方はどうも本当の真意でないように私は思う。その点について、大臣がどういう考えを持つておられるのか。私たち素人でありますけれども、今ちよつとお話に出ましたように、日本放送協会は、これは一面国民を対象にした文化機関であり、社会教育機関であり、報道機関であるという特質を実は持つておるのでありますけれども、性質がやはり何といいますか、公共企業体に類するものでありますから、実質的には公共企業体と言つてもいいのではないか。そういうものだから特に番組編成、ニュースの内容とかいうものについては、先ほどお話のように、軽々に政府が干渉すべきではないと思うのでございますけれども、併しその他の面について、或る程度の監督権をお持ちになることは、これは又その国民から言いますと当然のことでもあり、これをおやりになるのが至当じやないかという気がするのです。それでそういうことを考えて行きますと、一例を挙げればまあ理事者のごときは、これは経営委員会或いは会長等が任されておつて、これは政府の機関が干渉できないわけですが、併しこれで任しておいて、若し何か公衆の側から見て困つたような事態が発生した場合、やはり理事者に対して最後の解任権というようなそういつたのを持つというようなことも、これは一つの考え方ですけれども、そういつたことも考えられる。それから例えば経理面の問題、こういつた問題について、税金ではありませんけれども、聴取料というものをもとにして経営しているのですから、これはこの国会でも、この委員会でも、いろいろ問題があつて、これを税金のようにしたらどうかという議論も出たくらいです。併しこの委員会としては、只今のようなやり方が一番実際に適するというので、こういう制度をとつておるわけであります。併し内容はやはり国民全体からこういう聴取料を集めて経営するのですから、経理なんかについては、公益上必要であると認められる場合には勧告をしたり、或いは必要によつては命令で規制をするというようなことがやはりこれは必要ではないかというような気もするのです。非常に具体的になりましたが、こういう点は私は実は郵政当局は考えておられるのではないかと思つておつたのですが、どうも書類や口頭説明からみると、そういうものはちつとも出て来ないというので、何を考えておるか実はよくわからないのですが、もう少し考えておられるところを率直にお話下さつたほうが、恐らく私は衆議院のほうもそのほうが通りやすかつたのではないかという気がするのですが、その点について御説明願えませんか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) これは衆議院の審議の過程におきましては、考えているところは率直に実はお話申上げておるのでありまして、恐らく速記録を御覧下されば御了解願えると思いますが、ただ資料というふうにして書き物にいたしますとなかなか全部表現できないし、例えば例示をするということになつて幾つか挙げると、それ以外はそうではないかということになると思うのであります。ここでこの機会に折角お尋ねがありましたので、私はこの第四十九条の二の監督、それから四十九条の三の命令、報告の条項、この条項を私がどういうふうに了解しておるか、考えておるかと申しますと、これは新谷さんも御指摘になりましたように、これは公共企業体の一種なんだ、特別な権限を与えられ特別左任務を負わされてこれはできておるのであります。ただこれが他の公共企業体と違うのは、言論、報道の機関であるということが違うと思うのであります。従つて公共企業体であるというのが本質である以上は、その本質に従つて監督官庁が公共企業体に対して持てる監督権というものは当然これは持つていなければならんし、あるのが本質であります。併しながらそれが法律の上に規定してない今の放送法自体に欠陥がある。欠陥があるために他の公社のほうとまあ規定の仕方が違つておるわけであります。それを合せる。同じようにそうあるべきであるから合せる。それで報道機関、言論機関としての特殊性というものが若しあるとするならば、又あるのでありますが、その面からやつてならないことは、そのほうは列記して、こういうこととこういうこととこういうことは監督権は持つてはおるが、やつてはならないのだということを法律にお書きになるならば、どんなに詳しくお書きになつても私の考え方と少しも食い違うものではない。併し監督権があるからと言つて監督権の規定をここにおくということは、そういう監督してはならない面まで監督する虞れがあるからと言つて反対されるのは筋が違うのじやないですかということを私ははつきりと申上げておるわけであります。勿論法律に反して行われた場合には、いろいろな問題が起きて参りますし、それが監督命令で是正できると思うものは監督命令で是正させるようにしたわけでありますが、併し法律に規定しておることしか監督命令ができないかと言えば、そうではないと私は思つておるわけであります。それは監督官庁である郵政大臣と監督されておる日本放送協会というものの本質、そこから来る。法律には規定してないが、当然監督されなければならないという面がおのずからあるので、それは一々その面からは法律に表現なんかし切れるものではありません。恐らく今の経理面の問題も出て参ります。その面を列記して置くということは建前としては逆である。一般に監督権というものを規定しておいてそうして監督してならないものを列記してそれに制約を加える、そういうふうにすべきであるからこういう条項というものは是非必要である、こういうふうに私は御説明申上げておるのであります。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 大臣の御出席の時間が余りないようですから、ほかのかたの御質問があるかも知れませんが、もう一つだけ私は伺いたいと思います。そこで今おつしやることは、これは消極的に書くか積極的に書くかという問題の違いで、それは私は立法技術としてはどちらでも考えられると思います。その辺はこれはできるだけ一ついい案を作つてやはり筋を通して頂きたいと思います。この機会に大臣に私の希望意見のようになりますが、実は私も多少実情をみておりまして必要だと思いますので申し上げたいと思いますが、大臣は行政管理庁の仕事もやつておられる。もともと我々も終戦後急に厖大になつた行政機構をだんだん縮小して行つて、いわゆる安い行政費で仕事をして行くことがいいのは勿論でありますが、ただ今の状態で行きますと、私はこの前の行政機構の改革のときにもそういうふうな点を考えたのですが、審議期間等の関係でこれは実現できなかつたのですが、今の電波監理局ですか、郵政省の内部部局ですが、これは今の民間放送の関係もあり、それから日本放送協会の関係もある。それから電波というものは単に放送通信とかそういつたものだけに利用するのじやなく、もつと広く国民が利用して行くべき性質のものであると思いますし、発達過程にあるのであります。非常に大事なものだけに、私は機構改革をして拡充をして行くことは余り好かないのですが、今の郵政省の中にぽつんと一つ内部部局で電波局があるということのために、非常に電通関係の行政がやりにくいのじやないか。これは勿論大臣が十分おれがみて行くのだとおつしやればそれも一つの方法だと思いますが、非常に郵政大臣は現在のところではいろいろな仕事をしておられてどうしても十分にできないということになりますと、我々からみると電波監理局がまあ郵政省の中でも何か孤児のようになつて取残された局のように見えるのですが、これは別に長谷君から頼まれたことじやないからちつとも遠慮は要らないのですがね。少し行政改革をおやりになるときに、何もかも一律に外局はやめろとか、外局は潰してしまえということよりも、やはり実情に即した機構が欲しいと思います。電波監理局が外局の程度にやつてもう少しほかの郵務局とか、簡易保険局、貯金局とかのように、これは仕事の上で連絡のある機関ではないのですから、お離しになつてもちつとも横の連絡には不自由はないのであります。ですからそういうことも考えられてもう少し電波行政に重点を置いて、非常に今技術的にも遅れているし、これからうんと進めなければならないこうした電波行政に力を入れて頂きたいということを私は痛感しておりますので、丁度行政管理庁の長官をしておられるのでいい機会ですから、この機会にこれは私の意見になつて恐縮ですが特に大臣の御考慮を求めておきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(塚田十一郎君) 考え方としてはちつとも変つておりませんので、まあ外局や出先機関は成るべくなくしてしまうほうがいいのじやないか、こういうふうに考えているのでありますが、併しまあ必要なもの、重要性のあるものは勿論重要性に応じて省も考えなければならん、外局も考えなければならんということになると思うのです。まあ電波の場合は、今までそう重大でなかつたので、これからが重大になるものであつて、今まで統制時代心重大であつてこれからはだんだん要らなくなるという考え方の行われ得る他の部分の行政事務とは全然これは別に考えて行かなければならんということは私も感じているわけであります。従つて必要度が増すに連れて、それに応じた機構というものは、まあ機構縮小をしなければならないという段階においても、考えなければならないと思つております。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) ちよつと小松副会長にお尋ねしますが、理事の増員とかその他の点、この改正で放送協会として希望しておられる点がありますのですが、これは二十九年度の予算編成その他で非常にお急ぎのようなこの間お話があつたのですが、この国会でこれが通りませんと非常な不便でありますかどうか、協会の実情を伺いたいと思います。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 先般のこちらの電通委員会で、当協会の会長から総括的に申上げました通り、今回の放送法の改正につきましては、非常に重点的にお話を申上げますならば、政府の監督権の発動される範囲でございますが、これにつきましては、放送事業という企業体の性格から、成るべくその範囲を少くして欲しいと、国民的な協会の性格という面から、常に国民の批判を仰ぎ、殊に言論報道機関であるが故にできるだけ自主性を与えて欲しいという希望を申上げて、そういう点が十分にくみ取られますならば、この法律の改正は成るべく実施に移して頂きたいという意見を申上げたはずでございます。そういう意味で、実現することを希望するのではありますが、只今申上げましたような趣旨が十分おくみ取りを頂けないもので進むならば、場合によりましては遅れるのも又いたし方ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 只今の法律案につきましては、小松さんに申上げたいのですが、大臣もああいう考えを持つておられるようでありますが、日本放送協会としても、これは立案者ではないけれども、非常に公共企業体としては重大な関係のある問題であり、而もそれが殊に国民にも響いて来る問題ですから、十分検討されて当局に意見を具申をされて、そしてこの間ここでいろいろ言われましたように、実はこの案については、何も自分たちには相談もなかつたというようなことのないように、これは郵政省も協会も両方で一つ十分打合せをしてやつて頂きたいと思うのです、この次までには……。  ついでに私一つ伺つておきたいのですが、これは決して私はあなたのほうの番組の編成に干渉しようというのではないのです。ないのですが、どうも腑に落ちないことがあるのです。ということは、もうお耳に入つておるか知れませんが、私は四、五年前にも古垣さんに電話で以てそういうことを申上げたことがあるのですが、どうも国会の事情を、ラジオを通じ、或いは最近はテレビジヨンを通じて国民に知らしておられる。これは非常に結構だと思います。国会の事情をできるだけ時間を割いて国民に知らせて頂くのは非常に結構だと思います。国民と国会とを繋ぐゆえんだと思うので、やつて頂きたいと思いますが、その場合にいつも私たち参議院のほうとしては腑に落ちないことがあるのですね。国会というと衆議院だけが国会で、参議院は国会でないというような編成をしておられるように、私はそういうふうに感じるのです。それは成るほど衆議院が中心でございますから、衆議院と同じようにしたがよいということは私も申しませんが、参議院における重要法案や予算案の審議状況、そういつたものを録音でも殆んど行われないし、又勿論テレビなんかではおやりにならないというようなことになりますと、国民に場合によつては国会というものはこうだというような印象を与えて、如何にも衆議院だけが国会であるかのごとく印象付ける悪影響を私は来たすのではないかと思うのです。前々からそういう希望を出しておつたのですが、これは繰返して申しますが、決して私は番組編成に干渉するものではありません。ありませんが、そういう点について番組編成上何か御配慮が足りないのではないかという気がするのですが、一体番組編成は、ああいうものをおやりになるときにはどこでどなたがおきめになるのですか。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 只今の御質問に対してお答え申上げるわけでございますが、番組は、当協会の職制が最近に変りまして、ラヂオのほうはラヂオ局、それからテレビジヨンに関しましてはテレビ局になつておりますが、従来はこれを一つの局として、編成局として扱つておつたわけでございますが、そこで担当しておるわけでございますか、番組編成につきましては、部内の機関といたしましては、殆んど放送の関係者、これが役員も含めまして番組編成委員会がございまして、そこで間接的にも相当関係の深い部門の人も参画いたしまして番組の編成をいたしておるわけでございます。それからそのほかに、外部の有識者又経験者を、相当の権威のあるかたにお願いいたしまして、番組審議会を作りましてそういうふうな只今御質問のあつたような問題も含めまして、かなり基本的な問題を含めて十分御意見を伺いまして、その御意見を尊重して取入れております。又御承知のように、輿論調査などを十分いたしまして、それを基礎といたしております。それに各方面の批判、投書その他も十分に参考にして番組を編成しておるわけでございます。只今お話のございました国会に関しまする番組につきましては、主なものを申上げますならば、国会からの直接の実況中継放送、テレビジヨン、ラジオ両方含めての中継放送であります。それから御承知のように、国会討論会がございます。又もう少し縁が遠くなると申しますか、報道性から言えばやや離れたウエイトの軽いという意味では放送討論会、これも国会関係或いは又政治方面の時局問題を扱つておるわけでございますが、それらの主なものを通じて申上げますと、国会の実況放送は、それは確かに衆議院がお話の通り非常に多いと思います。それから国会討論会は、衆議院も多いのでありますが、参議院の方面のかたにもかなり出て頂いておるように記憶いたしております。それから放送討論会に至りますと、なお更これは非常に参議院、衆議院両方共かなり多く出ております。全体を通じまして衆議院が多いのは、今申しましたいずれも、報道の直接問題であり、或いは又報道に類するものでありますので、時局的なニュース的なトピックとして扱うという趣旨から、やはり先に行われる国会のほうを扱いまして、あとに参議院のほうがなるものですから、同じような内容のものを二度やるということは、やはり国民も余り希望いたしませんので、どうしてもあとに審議されるものが出る回数が少いと、但しこれは我々十分国会に両院がありますことを承知しておりますし、又国民も承知しておるのであります。或る程度そういう希望も勿論言つて来ますので、この番組を扱う上には各党の御意見を十分伺いまして、出て頂くかたも無論選定もそちらのほうからお倣いしてやつておるような状況でございます。決して衆議院、参議院両方に差別的な考え方をしておるものではございません。

新谷寅三郎緑風会

○新谷寅三郎君 そういうことじやなく、私はまあこれは放送記者なんかが見ておられるのだろうと思いますが、まあいろいろの場合にもろ参議院の審議が中心になつてでき上るような法律案とか、予算にしましても修正とか、そういつたものが相当ありますし、従来もありましたが、これからも出て来ると思いますが、そういう場合に、例えば今の先に一遍録音にかけたものを同じような題目でかけないというのは、これはまあその題目だけ見るとそうですが、併しその内容的に見ると、むしろ参議院における審議というのが国会の最終決定になるような重大なものが相当たくさんあるわけです。そういつたものまで今のようなことで参られますと、国民に真相をお伝えになる場合に、真相が伝わりにくいではないかという気がするのです。でございますから、これは具体的にいろいろ法律案も名前を挙げてもいいのですけれども、そういつたことについて実情を国民に伝える上から十分な検討をされて私もそれは衆議院のほうが多いのは当り前だと思います。それで結構だと思いますが、それにしても余りに参議院というものの審議が軽く扱われておるような気がするものですから、そういうことはないだろうと思うのですけれども、その点について十分御検討を願いたいという趣旨で申上げたのです。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 只今申しましたような気持でこの番組の問題は扱つておるわけでございます。只今新谷委員の御注意もございましたので、十分その点は更に念のために検討いたしまして、そういう差別的な扱いにならないように、十分心掛けて行きたいと思います。

津島壽一自由党

○津島壽一君 ちよつとこの機会にお伺いいたしますが、理事の分掌、それはどういうふうになつておりますか、何か資料があつたかと思いますが、今日NHKの会長、副会長、理事、理事の増員の提案があるのですが、現在の理事の分掌はどういうことになつておるか聞きたいのです。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 只今の御質問についてお答え申上げますが、現在は非常に明確な分掌事項を規定上設けておりません。非常に大きい事項が起きた場合に、会長以下五人の理事者の中で、それをその都度ある程度の担当をきめるような仕組みにいたしております。その理由は、職制上各専門部門につきましては、局長が直接責任を以て執行いたしておりますので、理事者は却つてその上の担当をいたしまして、局長の上の大局長という形になることは、むしろ避けるほうがいいのではないかという考え方でいたしておりますが、やはり理事者はそれまでの経験、或いはその人の特別な能力によりまして、幾らか重点をおいて仕事をみるという分野がどうしても自然に起つて参ります。従いまして先ほど番組の話も出ましたが、只今の職制からいいますと、ラジオ局、テレビ局、国際局というふうに、番組のほうでは三つの局に分れるというので、その相互間の調整連絡も行うという意味で、その上にこれは内規としてきめておるわけでございますが、放送番組編成委員会というものを作りまして、その全般の番組の編成の仕方、それから只今申上げました三つの局の相互連絡調整ということを兼ねまして、そういう委員会を設けておりますが、委員長は会長みずから当るようにいたしております。従いまして会長は特に担当というものは設けておるという意味ではございませんが、主として番組を中心にして見るというような、仕事の面ではそういうふうに分けております。それから私はたまたま、技術出身でございますので、技術部門に幾らか重点をおいて平素仕事を心掛けて見るというような心がまえでやるという仕組にいたしております。それからあとの他の三人の理事は、経理出身のかた、それから業務全体の企画の面での経験を持つたかた、それからもう一人の理事は、これは総合的な協会の業務の執行を経験したかたでございますので、この三人の理事は大体において或いは経理、或いは協会の業務と申しておりますが、主として加入なり或いは周知宣伝、或いは受信者への大体サービスでございます。そういつたもの、或いはそれから管理的な事務の方面というふうな、三人のかたがその方面に重点を置いて担当して見るというような大体やり方をいたしております。その少し前まではそれぞれ担当をきめておつたのでございますが、どうしても局長の上の大局長という形になりますので、却つて一部分に片寄り、局長が業務を執行する上に却つて窮屈さがあつていかんというふうな考え方から、そういうふうなやり方に最近は変えているわけでございます。

津島壽一自由党

○津島壽一君 それでよくわかりました。それで理事の増員の場合ですね、七人以内というから、何人ですか、三人増加するか二人増加するか、こういつた場合に、理事の増加した者と現在の者を含めて、今の経理とか企画、業務、総務というようなものの、あと三人か四人増すといつたような場合の運営上の分担というか、それはそういつた特殊の事務を面倒を見て行くというような分掌になるのか、これは一般的のいわゆる業務命令ですか、何の問題ですか、意見ですね、又指図するというような意味の増員ですか、増員後の仕事のやり方です。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 尤もこれがいつ決定になりますか、又何人直ちに増員をしたらいいかということにつきましては、まだ確定している段階でもないし、而もこれを決定いたしますのは大体会長がやることになつているわけでございますので、今までのところ明確にきめてはございませんが、会長の承知しておりますところの一部分は、現在の協会の全国の組織の中心は東京だけでございますので、やはり西日本を或る程度中心にしました大阪あたりに、かなり大きな仕事の責任があるわけでございますので、そういつたところを或いは局長のままで理事にしたらどうかというふうなことも考えておるようでありますが、これは一つの参考的な意見を申上げた程度でございまして、現在のところではまだ何もきめていない段階でございます。

津島壽一自由党

○津島壽一君 そうすると問題は元へ帰るのですが、増員の要求というものが放送協会から出て、そうして監督官庁というか郵政省へ持出した、それじや一つ法律を改正しようというような径路でなくて、そういつた具体的な要望ということば計画なしに、ただ何となく、大きくなるからついでに増員しておこうとでもいうような経過なんですか。理事増員の法案の出るまでの経過ですね、それをちよつと聞きたいのですが。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) これは政府側から提案の改正案でございますが、私のほうで一応賛成の意思表示をいたしております。大体心づもりでは、会長以下五人の理事者が、先ほど申上げました仕事の大体の扱い方をいたしておりまするが、一人の受持つ範囲というものは非常に負担がございます。なかなか日々、御承知のように放送ですから、朝早くから夜遅くまで刻々大事な番組が動いているわけでございますので、それらを十分に見て行くということはなかなか困難なわけでございます。従いまして理事者がもう少しおりますならば、日常の業務を運行して行く上に、各自が狭い範囲を受持ちまして、分担いたしまして十分な責任を持つて見て行くということが可能だろうと考えます。これは私自身ここで御答弁申上げるのは適当かどうかわかりませんが、一つ大体において考えられますことは、只今申上げました大阪を一つの例として申上げましたが、地方局の実際の運営を責任を持つて見て行くというには、どうしてもそれだけでも人乃至二人の理事者が必要なんで、全国に大体、職場で申上げますと百五十カ所の職場に現在協会の職場が分れておりますので、これだけを見ていても一人ではとても見きれないのじやないかという感じがいたします。それから先ほど申しましたラジオ放送、テレビ放送、国際放送、これはそれぞれ別個の性格を持ち、別個の責任を持つて仕事をやつているのでありまして、できるならばこれらも分けて理事者が成るべく全般的に見て行くほうがいいのじやないか、必ずしも担当という意味じやなくてです。そういうことも考えられますので、理事者はやはり範囲を成るべく狭くしまして、責任を持つてこの仕事の運行に当りたいという気持から、大体七人以下の理事、それに会長、副会長を加えた数あたりは認めておいて頂けば、仕事の拡充に伴つて、その限度において理事者を殖やして行くほうがいいのじやないかという考え方で賛成を申上げているわけでございます。

津島壽一自由党

○津島壽一君 その問題はその程度でいいですが、先ほど新谷委員の申しました放送番組について、テレビを含めての外部のいわば有識者、権威ある人の番組編成審議会、あれは定期的にちやんと開いているのですか。随時都合に応じて開いているのか、現実の運用はどうなつていますか。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) テレビジヨンはラジオと併せまして一緒の放送番組の審議会として扱つております。それから国際放送は別個の放送審議会が設けられております。この両方とも大体二月に一回ずつ設けております。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 只今津島委員の御質疑の中にありましたのですが、役員の増員は政府に協会が賛成せられたようなお話であつたのですが、参考人の御意見でも局長の上に大局長を余り作りたくないというお話でした。先日二十六年度の決算を拝見したときにも、民間放送とは比べられませんかも知れませんが、相当人が多い。殊に主管大臣は行政整理を今非常に総理から督励されている担当者の塚田郵政大臣であるというようなことをいろいろ考えますと、この際政府のほうが積極的に理事の増員を発案したというようなことはちよつと私ども考えられないのですが、その間の事情をもう少しはつきり御説明頂けないでしようか。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 人員の問題に関しましては、終戦直後の非常に大きな、これは各事業体ともそうであつたかと存じますが、戦争中にこの放送協会は国の戦争遂行のために非常に協力をいたしまして、外地への派遣、それから当然国民の義務としての応召、これが正確に只今数字を記憶いたしておりませんが、約二千人くらいの人員が出ておつたろうと思いますが、これが全部終戦と共に逐次協会に戻つて参りまして、一時的にはその人たちは仕事から暫らく離れておつたということもございまして、適正な配置になつておらなかつた時代がこれはいささかあつたかと存じます。併しながらその当時から大体において約八千人近くの人員を持ちまして、これの適正な配置に心掛けて来たわけでございますが、その当時から見ますと、局の数も非常に多く殖えておりまして、同時に最近になりまして国際放送、それからテレビジヨン放送が殖えましても人員の増加というものは殆んどいたさないで、その中の人の適正な配置で我慢して参つております。現状では先ほど申上げました全国に亙りまして約百五十カ所の職場に分かれておりますが、その中では樺か二人の技術者が国際的にまで登録された立派な性格を持つた一つの放送局を扱つている場所すらございます。これは中継放送局でございますが、僅か二人から或いは四人くらいまでの人間で運営している所もありまして、各局とも非常に労働強化になる虞れがあるというので、増員の要請を非常に強くいたしておりますが、各方面からそうした合理的な運営或いは又冗費の節約或いはできるだけ最小の経費によつてこの事業を運営するというような要請も相当ございますので、そうしたかなり苦しい事情もございますのを我慢してやつているわけでございます。で、先ほど委員長からちよつと民間放送との比較が御指摘ございましたのですが、これに関しまして向うとこちらとの違いを申上げますと、民間放送局は御承知のようにスポンサーというものを持つておりまして、このスポンサーがかなり番組の編成或いは演出の面まで幾らかきめているところもあるやに聞いているわけでございますが、そうした面をかなり担当しているわけでございますけれども、通信に関しては、外部の通信社をかなり大きく利用いたしておりますので、そうしたものは協会側とかなり違つた運営の仕方がされておりますので、そうした面はかなり協会のほうが多くなるのは必然的に考えられるわけじやないかと存じます。それからもう一つ非常に大きな違いとして挙げられますことは、この事業体の性格でございます。同時に又全国をあまねく放送するというような大きな義務から、全国的に放送網を作つてやつております関係から、そうした価の企画性というものが非常に必要になつて参りまして、特にそのほかに新らしい番組の製作といいますか、開拓といいますか、そうした面にもかなり力を入れておりますので、企画面の関係者は民間放送と違つてかなりたくさん擁しているという点もある事情でございます。繰返して申上げますが、現状ではどの局でも相当人員には窮屈しているのを我慢してやつているというふうに私たちは考えております。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) そういうような公共放送としての特殊の事情を考慮いたしましてもなお民間放送とは相当、民間が切り詰めておりますのか相当の差があるように思うのですが、この点は今日は別にいたしまして、あなたのほうといたしましてはそういうふうに各職場で労働強化になるほど増員の要求が非常にある、いわゆる現場では非常に苦しみを忍んでいるというような実情であるといたしますれば、そういうふうに現場のほうを抑えておいて理事者のほうを増員するということが、現場に対する感じ方がどういうものであるか。理事者のほうは先ほどお話のように、局長の上に又大局長を置きたくない、津島委員に対してお答えのように、理事者がそれぞれの担当をお持ちにならないで、五人で連帯責任でおやりになつているといたしますれば、まあ地方にそれぞれ責任者をお置きになれば又これは別でありますけれども、むしろ第一線の人たちが労働強化を忍んでやつてるとするならば、今暫らく理事者のほうも少数で、五人で一つ歯を食い縛つてやつていらつしやることのほうが、現在の情勢としてはふさわしいのじやないかというふうに考えられるのですが、如何でございましようか。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) これは我々が五人で絶対にできないというものでもまだありませんが、極めて責任を強く感じ、良心的に飽くまでも責任を百パーセント果したいという気持を持てば、まあもう少し多いほうがいいという気持がこれは出て来るわけでございますが、実際の全国八千人の職員の上に五人の理事者というのは、只今出ました商業放送と比較いたしましても、私は極めて少い数ではないかというふうに感ずるわけでございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○小林孝平君 この法案はまだ十分内容を承知しておらんものですから、間違いがあるかもわかりませんけれども、私はこの間から考えておるのは、先ほども新谷委員からお話があつたように、この法案の改正案の立案に当つては、放送協会とは余り連絡がなく行われたということでございますけれども、こういう重要な改正をやる以上は、もつと十分今後打合せて頂きたいということは、私も強くそういうことを要望したいと思います。今津島委員或いは委員長からも指摘されました理事の問題なども、私はこういうような理事の増員などというものは、ただ大きいから殖やさなければいかんというような、極めてあいまいな説明というものはちよつと理由がないのじやないかと思います。もつと役所の一般の予算の要求に当つても、僅かの人を要求する際にも、どういうことを具体的にやるかということがきまらないで要求するというようなことはないと思うのです。その意味からも相当この法案の内容というものは杜撰じやないか、極めて杜撰で、まあともかく何かこれによつてやれというような気がするのです。特に先ほど委員長の、この法案が通らなければ困るかどうかという質問に対しましての副会長の答弁では、まあ理事の増員という点は必要だから、できればこれを通したい。ただ郵政省の監督の点が幾分緩和し、或いは明確になれば通したほうがいい、こういうように、理事の増員と郵政省の監督というような点を同じ程度に考えておられる。私はこれは非常に大きい間違いであろうと思います。理事の増員のごときは、今のお話によれば、まあなくてもいいという程度なんです。これはまあ今のお話では実にはつきりしている。ところが郵政大臣の監督権の問題は、これはまだ十分読んでおりませんけれども、ざつと見たところでは、これは容易ならない事柄なんです。これは今の政府が言論報道を非常に統制しようと考えているその一環として考えられて然るべき問題であつて、これは何事の増員などという関野と同列に扱い得る事柄じやないのです。而もその理事の増員については、今言うような、まあ殖さなくても殖やしてもいいという程度のものと同一に考えられておるということは、NHKに対しては非常に私としては残念に思つておるのです。こういうことでは、仮に今後、次の国会に新たなる法案を出され、郵政当局はNHKに相談されるとしても、理事の増員を認めてやるからこれはこの程度でよかろうということで簡単に妥協されるのではないか。これは単にNHKの問題だけでなく、日本の今後の政府の言論報道機関に対する統制という重大なる問題と関連して来るのでありまして、そう軽々しく考えてもらつては非常に困ると思うのです。私は、郵政当局の今回の法案立案に当つては、非常に独善的であり、官僚的であるということを残念に思つて、まあこれはNHKに今後十分相談してやつてもらつたらその点は是正できるかとも思つていたのだけれども、只今のお話では、非常にNHKが弱腰で、仮に今後相談されても余り頼りにならんのじやないかと、こう思つているのです。ですから、その点はどういうふうに一体お考えになつているのか、覚悟のほどを一つお聞きしたいと思います。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) 最初に法案を出しますに至りました考え方なり経緯は、大臣からも申上げたのでありますけれども、多少誤解を頂いているような点もあるやに存じますので、御参考までに申上げてみたいと思います。最初に……

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○小林孝平君 内容それ自身は、今日は時間の関係もありますから私は余りお伺いしなくてもいいのです。そこのところはちつとも誤解しておりませんから。誤解まで行きません。(笑声)ほかの委員がお聞きになるというのならいいですけれども、私は誤解していませんから、今日はお聞きしなくてもいいのです。むしろNHKの、放送協会の責任者としての覚悟を承わりたいのです。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 簡単にお願いします。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) 失礼いたしました。私誤解と申上げましたのは、理事の人数や何かの点でございますが、この点はきめますときには、この問題ばかりでなくて協会とも連絡いたしました。連絡いたしましたけれども、文書を以て協会に提出して意見を求めるというようなことでなしに、口頭で御連絡はいたしております。又理事の人数等をきめるときも、協会側の意見を聞きまして、原案になるような人数をきめているわけであります。協会の会長が若しも連絡がなかつたというようなことを申上げたとするならば、恐らく文書上のなにはなかつたというふうなお考えではなかつたかと存じます。  なお監督の問題につきましては、私も一度御説明申上げておりますからくどく申し上げないのであります。失礼いたしました。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○小林孝平君 今のお話で、そうしますと理事の点は、それはお話になつたかも知れません。政府の監督権の問題についても、NHKは了解されたのかどうか。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。監督権及び命令の点につきましては、協会から、これでは言論統制になる疑いがあるから困るのではないかというお話がありました。併し政府としては、この放送法の中に書いてある監督及びその命令であります、この法文で御覧になればおわかりと存じますが、監督上必要な命令でございます。その監督は、又この法律に従つて郵政大臣が監督する、こういうような、関連条文から参りまするならば、この放送法を逸脱した監督命令は出ないのだ、こういう考え方で多少法文の解釈の違いのあつたことはありますけれども、政府としては、法制局等ともいろいろ研究の結果、そういうような心配は出ないのではないか、こういうことで実は原案のままで御審議を願うようなことになつた次第でございます。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○小林孝平君 今の御説明は御説明として承わつておきますけれども、法制局が何と言おうと、我々はちつともそういうことは了解しておりません。全然見解が違う。次に改めて出て来たとき審議いたしますが、ともかく放送協会として如何に今後再び協議があつたとしても、そういう理事三人を七人以内に殖やしてもらつたから我が意を得たりというようなことで、何でもこういう重大な言論報道機関の統制というような、全面的な統制の一環として考えられることを易々と妥協されるというような態度は、私は非常に心外だと思うのだけれども、大体放送協会はそういう態度を今後もおとりになるのか、ちよつと承わりたい。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 小林委員の先ほどのいろいろ私に対するご意見なり質問なりに総括的にお答え申上げますが、先ほどお話のございました協会の役員の数を殖やすとか、協会側において賛成であるが故にあと監督命令の点が幾らか譲歩されればそれでよろしいというふうにおとりになつたように只今伺つたのでございますが、私の先ほど申上げた説明が言葉が不十分なために、或いは誤解を招いたのではないかと思うので、改めてそこのところを訂正して申上げたいわけでございますが、今度の政府からお出し願つた改正につきましては、一つの例として、役員の数を申上げたのでありますが、そのほかに研究の依託或いは助成その他幾らかの条項につきましては、私たちもそうして頂くほうが適当であろうというふうに考えるものが相当にありますが、併しながら協会の事業体の性格から言いまして、監督命令の範囲は極めて最小限度にして頂きたいという希望を強く持つているわけでございまして、これのほうが遥かにウエイトが重いのでありましてそちらのほうと、役員の数なりその他の協会において希望するものを天秤にかけて物を考えているという意味では決してないのでありますから、その点は念のためにはつきり御了承をお願いしたいと思いまして、特にその点御説明申上げるわけであります。

小林孝平日本社会党(第四控室・左)

○小林孝平君 今のお話で、できるだけ監督の権限の範囲を少くするようにしてもらいたいなんという気では、微温的というか、まあ政府にお願いしてお助け下さいというようなお話ですが、そんなことでは困ると思うのですよ。監督でも、政府から当然受ける……、先ほども私は塚田さんにお話しようと思つたら帰られたので残念なんですけれども、監督を受けるべき点は当然あるので、それは受けたらいいと思う。事と物の次第で、政府がしてはならんことがあるわけなんです。それをできるだけその範囲を縮小してもらうというようなことでは困るので、受けてもいいものは受ける。受けてはならんものは幾ら辛くても拒むということは当然だと思つております。これはNHKだけの問題ではないのですから、私はこれは放送協会を挙げてそういう不当なる政府の監督に対しては抵抗してもらわなくちや、この下打合せの際にも、国会に出て来るまでにしてもらわなくちや困ると思う。ここに出て来てからNHKはどう思うかというようなことでやつても仕方がないので、その点を、そういう心がまえをされているのか。もうこれは相手は役所だから仕方がないのだというような態度でおやりになるのか、一つ心がまえをお尋ねしておきたいと思います。

小松繁日本放送協会副会長

○参考人(小松繁君) 会長が先月の十三日のここの電通委員会で非常にはつきりその点は申上げたと存じます。こういう条文にしてくれということまでは申述べなかつたと思いますが、その線は非常にはつきり一線を画するものを会長が申上げたと思いますので、私繰返して申上げることを避けただけでございます。私たちはこの命令権の及ぶところ、要するに監督権の発動される範囲に対する限度というものは、一つはつきり考えているわけでございますが、これにつきましても、そういう機会が十分に与えられて、そしてこれが最終段階に至るまでにそうした意思表示を十分にさせて頂く機会を考えておつたわけでございますが、この際に先ほど小林委員からもお話ありましたように、内容の一々、条文につきましてここで審議するのには時間がなさ過ぎるというお話もございましたので、特にその点は具体的に申上げなかつただけであります。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 民間放送についての条文が現在のところでは非常に少い。二条あるだけのようですが、これらについては、先ほどもちよつと話が触れましたが、もつと広い意味で、民間放送をひつくるめてこれを改正なさるようなお気持はないのですか。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。先ほど郵政大臣が放送法の全面的な改正についてもいろいろ検討中で、できるだけ早い機会に御審議を願うようにしたい、こういうことを申上げておると存ずるのでありますが、その考え方は、最近における民間放送の動向等も頭において放送協会のあるべき姿、それから民間放送というものに対する考え方と、そういうものを一緒にして放送法全体を考えて見たい、こういうことでございますので、御指摘の点はその際には十分に考えて行かなければならん、そういうふうに考えております。ただこれを単に規制するというほうに行つたらいいのか、或いは助成というような考え方もございましようし、いろいろ考え方はあると思うのでございますが、まだ考え方そのものについて具体的に申上げ得るところまで至つておりませんけれども、今申上げしたように、いろいろ各関係方面の関係者の意見等も十分に徴しまして用意をしたい、こういうふうに思つております。

三浦義男純無所属クラブ

○三浦義男君 先ほども話が出ましたか、この法案の審議の進捗状態は、今国会では到底成立の見込はない、次の国会に審議をされるのだ、こういうことになりますと、もう民間放送も生れてから相当の年月もたつておるのだし、ほうぼうにもできている状態でありて、相当皆さんもお考えになつているだろうと思うのですが、今度お出しになる機会にそれをひつくるめてお出しになるというのですか。

長谷慎一郵政省電波監理局長

○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。先ほど郵政大臣がお答え申上げましたように、今回不幸にして時間その他の関係からこの御審議を願つております放送法の一部を改正する法律茶が通過を見ません場合には、この次には恐らく全面的な放送法の改正という形で御審議願うのではなかろうかということを申上げてございますが、私どももそのつもりで準備を進めたいと。こういうふうに思つております。

津島壽一自由党

○津島壽一君 今のに関連して、ちよつと希望を述べておきたいと思うのですが、ちよつと速記をやめてもらいたいのですが。

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 速記をとめて。    〔速記中正〕

左藤義詮自由党

○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十八分散会

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