電気通信委員会 第17号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/07/24
会議録
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。 公衆電気通信法案、有線電気通信法案、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案を一括議題といたします。昨日に引続き質疑を行うことにいたします。
○久保等君 総裁もお見えのようですから総裁に御質問をいたしたいと思いますが、今度PBXの民間開放に伴いまして、昨日副総裁の御答弁によつても、このPBXを民間に開放して参ることに伴つて、一応監督といいますか、技術的な基準を中心にした検査というものは当然にやらなければならないということになるわけですが、そうなりますと、おのずから現在PBXに携わつておる職員が、恐らく殆んど大部分だと思うのですが、検査要員として、今度は新らしくPBXが民間に開放されて民間の業者がやつた場合における検査をする人員が、或いは専従という形ではないけれども、概略或いは千名程度になるかも知れないというようなお話があつたのです。ところでそうなつて参りますると、従来検査業務というものは、勿論やつておらないわけですから、新らしい検査業務をやるということになつて来ると、相当職場における業務の変更もやらなければならないというような関係から、やはり従業員の配置転換というような問題も若干考えられるのではないかというように思うわけなんですが、その点についてどのようにお考えでしようか、お伺いいたしたいと思います。
○説明員(梶井剛君) 今回施設が民間に開放せられるために、それの検査のために必要な要員という問題ですが、民間に開放された結果、どの程度に民間において工事をやるかという範囲が予想がすぐは付かないのであります。現在の施設の工事から考えましても、たとえ民間に開放されても、その大部分というものは従来通り公社が工事をし、保守をして行くという形態になるのではないかと私は予想しております。従つて民間に開放された場合に、民間でやります範囲というものは極めて少いのでありまするから、これに対する要員というものは現在の要員で十分足りると我々は考えます。又我々としましても今後合理化、能率化をやつて、できるだけ人を最も有効に働いてもらうようにしなければならんわけでありますから、合理化、能率化をやれば、その程度の人は容易に捻出ができるだろうと予想しております。
○久保等君 要員が容易に捻出できるかどうかという私質問をしているのではなくて、むしろ検査業務をやらなければならないということになつて、それに伴う人員を配置換えしなければならない事態が起つて来るのではないか。いわゆる従業員の配置転換ということを考慮しなければならないような事態が生じて来るのではないだろうか。そういうことについての見通しなり、お考えを承わりたいという意味の御質問を申上げておるわけですが、なおもう一遍お答え願いたいと思います。
○説明員(梶井剛君) 配置転換の問題は、あえてこの施設の検査ばかりでなく、事業の伸展によりまして自然に配置転換が行われるのでありましてそれから見ますれば、この施設の検査によつて生ずるところの配置転換というものは、極めて小さな部分であると思います。又配置転換が必要であります場合におきましては、それぞれの局部におきまして、会議の上で必要な配置転換をしなければならんと思います。
○久保等君 まだ明確な御答弁に実は受取れないのですが、一般的な場合にも配置転換ということはあり得るのだというお話で、そういう場合に比較すればむしろほんの小規模というか、大した配置転換はないのだというふうな意味なんですが、いずれにしましても、とにかく配置転換があり得るだろうというように受取れるような御答弁なんですが、そうなつて参ると相当重大な私は問題だと思う。私の質問いたしておりまする意味は、勿論従来担当しておつた仕事の内容が変つて来るということはこれはもうあり得るだろうと思う。別にこのPBXの監督業務が新らしくできなくても、一般的にいつてもそういう場合はあり得ると思う。従来PBXを担当しておつた人間が、検査業務という新らしい職種の仕事をやるという意味での仕事の分担が変るという場合はあり得ると思う。併し私の御質問申上げておるのは、そういういわば同じ所にいて従来やつておつた仕事の内容が多少変るというような意味のことを質問いたしておるのではなくて、やはり場所が多少変るというような配置転換、そういうことを質問申上げておるのです。従つて規模の大小を問わず、いずれにしてもこのPBXの民間開放ということに伴つて、仮に小規模にしろそういつた配置転換という問題まで惹起するということも予想されるとすれば、相当重大だと思う。従つて私の御質問申上げておるのは、そういう意味でございますので、そういう意味における配置転換ということが予想せられるという御答弁なんでしようか。
○説明員(梶井剛君) 私の申しました配置転換というものは、仕事が変るという程度の意味で申したのであります。自分の勤務地が変つてしまうというような配置転換は殆んど行われないだろうという意味であります。
○久保等君 それでは私の質問いたしておる従業員の配置転換というものは、最悪というか、相当大幅にPBXを開放するという結果になつた場合でもあり得ないということを御答弁として言われたというふうに了解してよろしうございますか。
○説明員(梶井剛君) これは絶無という意味は毛頭ないのでありまして、殆んどないだろう、こういうことを申しておるのであります。併し何分にも業務の範囲が全国に拡がつておりまするわけでありますから、場合によりましていろいろな業務ごとに配置転換ということは当然起り得るのであります。それから見ますれば、実際にそういう必要が起つて配置転換するにしましても、極めて稀だろう、大部分は現在の勤務地にいて従来工事をやつておつた人がそれが検査をやるというような状態になるに過ぎないであろう、こういう意味であります。それで将来のことですから、そう絶対にないということを言うのは言い過ぎのように思われますから、殆んどない、こういう意味であります。
○久保等君 どうもその程度でもちよつと安心できないのですがね。大部分は大丈夫だろうと言う、その大部分と言つてもどの程度の大部分か。勿論一般に考えられます例えば常時転勤というような問題が個々の場合なんかにあるわけですから、そういつたような程度のものはこれは本人も希望もし、特に行つてもらつたほうがあらゆる面でいいのじやないかという、そういう常時あり得るようなことは、私は特にここで御質問申上げておる質問には当らないと思う。そうではなくて、やはり今度のこういう新らしいいわば民間の業者の人にPBXをやらせるということに伴つて新らしい仕事の内容ができるわけですから、その仕事の内容のできたことに伴つて、今言つた相当まとまつた配置転換と言われるようなものに該当する人事の異動といいますか、人員の配置換えというようなことが考えられるかどうか。まあ殆んどないでしようという程度じやなくて、もう少し一つはつきり御答弁を願いたいと思うのです。これはやはり相当見通しが困難で、何とも言えないと言われるけれども、私昨日も質問したのですが、この配置転換の問題とは別に関係ない問題としても、一体工事量や幅をどの程度民間に開放されるかどうかというこの見通しの問題が、的確な見通しが立つと思うのです。即ち電電公社と民間の業者との間に対等の立場で、何か市場に出されたものを再考が競争して仕事をやるという状態ではこの電気通信の場合にはないと思うのです。むしろ当然あらゆる運営についての責任を包括的に持たなければならない責任のある電電公社がPBXの問題にしろ、やはり責任を持つてできるだけやるのだが、併し政府の提案せられておる趣旨は、私は、どうしてもやろうと思つてもなかなか需要者の要望に副えないような部面については、一つ民間に開放したつていいのじやないかというような趣旨だと思うのです。従つてここに全くの或る第三者がいて、この第三者の出したものを公社とそれから業者がその仕事を、いわば入札か何かやつて取つて来るというような関係にある問題じやないかと思うのです。そうなつて参りますると、少くとも今日においては公社の工事能力或いは一般の需要者の需要状況、そういつたようなものと睨み合せた場合に、どの程度までが年間にPBXとして民間に開放する工事量であるか、幅であるかというようなことについては、相当的確な私は推測といいますか、予想は成り立つと思うのです。やつてみなければならんというような極めてあいまいなものじやないはずだと思うのです。少くとも又これに対する業者そのものの、業者の工事能力というようなものについては、恐らくこのPBXの問題が国会に出てすでに一年にもなる。その間の動き等は、私どもは相当詳細に公社としては把握されて来ていると思う。そういう立場になつて来ると、いわば工事能力の問題と、それから需要者の需要量の問題と、こういうような面から睨み合せて、而も電電公社の持つておる能力と第三者を睨み合せるならば、そこから出て来るものについては、相当的確な見通しが立つと思う。従つてそれをやつてみなければ、それはどつちに転ぶかわからない、どの程度になるかわからないのだというようなことはないのじやないかと思う。従つて只今申上げた配置転換の問題にいたしましても、若し若干でもあり得るならば、いわゆる配置転換というものについては、一応の見通しが具体的に立つのじやないだろうかということをまあ考えるわけなんです。それで、やはり配置転換ということになつて参りますと、これは非常に重要な問題でもあるだけに、相当ここで責任ある御答弁を願つておくことが、非常にこの法案の審議に当つても、私はあらゆる面についてのまあ危惧といいますか、あらゆる面について遺憾なくまあ私ども事業状況を把握して十分確信を持つた法案の審議もできるのじやないかと思います。だからその点がやはり明確に御答弁を願わないと、非常に判断として実は迷わざるを得ないことになるのですが、一つそのあたりもう一度明確に御答弁を願いたいと思うのですが。
○説明員(梶井剛君) 今のお話の通りに、まとまつて配置転換というものはありません。一、二配置転換というような事情が止むを得ず起るかも知れませんけれども、まとまつては起りません。
○久保等君 だから個々の一人々々というような場合はあるかも知らんという意味ですか。そういうことでございますか。
○説明員(梶井剛君) そういう意味であります。まとまつて一団体が配置転換をしなくちやならんというようなことは起り得ない、こういう意味であります。
○久保等君 それではその問題については、一般に言われる配置転換というものはない。普通転勤とみなされる程度の、個々の本人の希望によつて転勤をするというような程度のものはあり得るかも知れんが、それ以上に二人以上を本人の意思に反して配置換えをするというようなことはないという御趣の御答弁として理解してよろしうございますか
○説明員(梶井剛君) 二人以上と言われますと余り数学的になつてしまうので、……(笑声)若干そういうことがあり得るとしましても、まとまつては起り得ない、こういう意味であります。
○久保等君 要するに数より以上に問題になるのは、やはり本人の意思の問題だと思うのです。従いまして本人の意思に反してまで今度監督業務というものができたのだから、とにかく本人の意思如何にかかわらず強制的にかわつてもらうのだ、そうでなければこの際一つやめてもらいましようというようなことは、これは配置転換としての要素として非常に重く見ているわけなんです。それで人間二人以上ということの、数のほうはむしろ大したというか……数以上にそういつた本人の意思に基くか基かんかというところに問題がある。そこでそういう点から申して配置転換、私の申上げているような意味の配置転換というようなことはないと思うという答弁だと理解してよろしうございますか。
○説明員(梶井剛君) 本人の意思に反してというようなことになりますと、これは公社法にちやんと明らかに書いてあります。本人の意思に反してやめさせることはできないということが書いてあるのでありますから、今、久保委員の言われた通りに、配置転換に応じなければやめさせるというようなことはこれはできません。そういう止むを得ないときには、本人に十分納得ができるように話しまして、そうして配置転換するわけでありますから、先ほど来お答えしました程度で我々の意思がおわかり頂けるものだろうと思います。
○久保等君 それでは、その配置転換の問題は今の総裁の御答弁で、まあいずれにしても本人の意思に反した配置転換というようなことは決してあり得ないということで一つ了解をいたしておきたいと思います。 次に、やはりPBXの問題で昨日も御質問をいたしたのですが、それに対してやはり余りはつきりした御答弁がなかつたのですが、八月の一日からPBXが民間で自営ができるというような形のものにしたいという法案の内容になつておりまするけれども、これの実施によつていろいろ細かい技術基準というようなものの制定もなされなければならないと思うのですが、ただ手許に頂いておりまする資料には、極めて簡単な項目が羅列してあるわけなんですが、質問を申上げたいのは、例えば具体的に申上げて、技術基準によつて、仮に或る一定の工事をやるという場合についても、工事担任者が勿論事前に資格試験を受けて、担任者の資格を獲取した者に工事をやらせるわけですが、その工事担任者自体もすべて同じような、一級なら一級に該当する同じような能力の工事担任者ばかりではないのじやないかと考えられるのですが、例えば自動電話だとか或いは磁石式だとか、共電式だとかいつたような、技能の範囲についてはやはり一級か二級か三級か何か知りませんけれども、そういう種別なり或いは級別というようなものを設けるのじやないだろうかというふうに考えるのですけれども、そういうふうなことについては、いろいろ御質問を申上げましても、何らの具体的な御答弁は実は賜わつておらないのです。それじや、いざ試験を実施するという場合に、どのような具体的な資格試験をしようとしておるのか、一つ御答弁を願いたいと思うのですが。
○政府委員(庄司新治君) お答え申上げます。御承知のようにPBXの技術的な内容と申しますか、仕事の内容といいますか、そういうものはただ単に電話と一口で申上げますが、電話にもこれはいろいろ種類がございまして、例えば自動交換機とか共電式の交換機或いは磁石式の交換機というふうに種類がございます。これはもう御存じかと思いますが、その自動交換機の中でも、例えば同じ交換機であつても二数字の場合と三数字の場合では非常に技術的には内容を異にしておるわけであります。二数字の場合にはコネクター・グループだけでいいかも知れませんが、三数字になるとセレクター・グループが要るというように変つて参ります。共電式の場合でも、単式交換機、複式交換機というようにいろいろ技術的な内容が違いますので、観念的には試験は、自動の場合、いわゆるコネクター・グループだけでいいもの、或いはセレクター・グループも考慮の中に入つて来るような行き方、もつと端的に言えば、自動の百回線以下の場合、或いは百回線以上の場合、交換式或いは共電式の場合は単式、複式、或いは数で行つて、五十回線以内、五十回線以上という分け方も考えられるわけであります。それから磁石式は一種類と考えております。大体自動の大きなもの、小さなもの、共電式の大きなもの、小さなもの、磁石式と、この五種類が考えられるのでございます。この五種類の試験を全部別々にやるか、或いは共電式の資格を持つようた人は、当然これは技術的に考えまして磁石式のものも建設できるのだというような考え方で、共電を受けるようた人にはその試験の内容は多少磁石の問題も入れまして、同時に磁石も持てるようにするか、いわゆる組合せ方でございますが、今申上げました五種類を大体どういうふに組合せるかという、組合せによつては、それが五種類になるか、四種類になるか、或いは三種類くらいになるか、その点はそこまではきめておりませんが、観念としましては、この五つの種類に分けて試験をしたいと考えております。以上であります。
○久保等君 まだそのあたりがはつきりしないことには、これは具体的に試験をやると言つてみても、試験もやれないと思うのです。組合せが三種類になるか、五種類になるかという問題自体も、これはむしろいろいろ関係の間で打合せられて、試験規程というか、資格試験の認定規則といいますか、何かそういつたものを少くとも準備されておらなければ、私はこういつた資格認定の方法によつて、実は検定試験をやるのだと言つてみても、そういつた段階にあるのでは非常に心細いと思うのです。そういつた問題を考えて参りました場合に、少くとも直ちに八月一日から実施して行くということについては、相当困難だと思うのですが、如何ですか。
○政府委員(庄司新治君) 只今の五種類の組合せをどうするかということがまだきまつていないようでは実施に支障を来たすじやないかというお話でございますが、これは五種類を一応考えておるのでありますが、これをきめるとすれば、これはもう一日できまるのでございまして、それによつて支障を来たすということはないと思います。ただこういうことは言えるのです。八月一日からこれを試験するということに相成るわけでありますが、この法律が通る前に試験をするということは勿論考えられません。そうすると、この法律が通つて施行されてから試験をしなければならんという実情に追い込まれると思うのであります。と言つて、これも衆議院で話したのですが、八月一日の午前零時に試験をするというようなことは考えられないのでございまして、その間多少余裕をおいて試験をするということに相成ると思います。
○久保等君 まあそれは私ただ一つの例を取上げて申上げただけでありまして、直ちに八月一日午前零時に試験そのものをやると言つても、仮に試験規程というものが明確にできておつても、殆んど実際問題としてそんな馬鹿な試験なんかできつこないのです。だから問題は、試験期日を何月何日にするというようなことではなくて、少くとも八月一日から実は試験規程はこういつた試験規程によつてやるのだというような法案に対する裏付けというものがなければならん。これは法案を出しておるその法案の出し方そのものに問題があると思うのです。従つて私はそのこと自体を取上げて大きくどうこう申上げておるのではなくて、一例を挙げたに過ぎないのですが、更に例えば、先般御質問いたしまして、やはりそれに対して明確な答弁がなかつたのですが、これもやはり重大な問題だと思うのは、申請者がこの工事担任者という一名の形で申請された場合、或いは二名、三名の連署を以て申請せられた場合、それからまあ何名かの連名で出すことを期待しておるのか、一名でもよいというふうに考えておられるのか、それは知りませんが、まあいずれにしましても、実際の申請或いは工事の内容と、それから実際出されたもの申請者とが、どういう関係でその認可後において仕事が進められて行くか。言葉を換えて申上げると、まあ昨日もちよつと申上げたのですが、一名か二名かが極めて能力以上の仕事の内容についての申請をすると、そういつた場合に対する基準が何らないような御答弁だつたのですが、最悪の場合には数名の人間或いは一人の人間で非常にたくさんの、東京管内のほうに、或いは大阪の管内に、九州の管内にというような形で申請をするということも私考えられると思うのです。殆んど時を同じうしてです。ところが勿論一人の体で、或いは数人の体で全国各地に同時に工事をやり得ないことは当然だと思うのです。従つて、その工事をやる人間は全然別の人間がやる。而もその別の人間が技術基準とかそういつたものを殆んど無視していわば儲け本位の仕事をやつて行くというようなことになれば、その結果がどういうような結果になるかということは、申上げるまでもないと思うのです。特に事業の使命、或いは本質というものを考えてやるよりも、どうしても民間の業者がやるということになつて来れば、これは先ずそろばん片手に仕事をやるので、損をしても仕事をやるというような奇特な人は、これは恐らく、まあ善意に解釈しておられるようだけれども、そういうようなかたは余りおられないと思うのです。従つて非常にいわば間に合せ的な仕事をやる危険性が多分にあると思うのです。そういつたような点についても、はつきり目の届くように、これをそういう遺憾のないような形で、まあ取締ると言つては語弊があるのですが、少くとも能力に相応した仕事の内容について、これを認可して行くこいうことについて、一体どういう基準で以て、そういう申請があつた場合に認定をするのか。この認定の仕方の問題についても何ら具体的な基準というものはない。いわば有資格者が申請して来れば、それについてこれを断わるわけに行かないでしようという答弁であつたというふうに考えるのです。従つて有資格者が出して来られた場合については、一体どういうふうに、若しこれを却下する場合があるとするならば、どういう工合にこれを却下するかというようなことを、若し何でしたら具体的に例を挙げて御説明願いたいと思うのです。
○政府委員(庄司新治君) 只今の御質問の一番大切なポイントと考えられる点は、工事をする人がこういう人であるというふうに申出ておいてそうして実際は全然資格のない人が現場では工事をやつておるということは非常に遺憾ではないかという点でございますが、これは私どもも全く同感でございまして、むしろ私たちの基本的な考え方としては、工事の現場に行つて工事を実際やつておる人、その人が資格者でなければならんというふうに考えておるわけでございます。ただそのときに、工事の資格者が一名いて、そのかたわらに手伝うような意味において補助者がおつて、その補助者は資格がないというようなことは、これはあり得ると考えております。逆に、先ほども申しましたが、全然資格のない、いわゆる私の申しました補助者だけが単独に動いてそこで工事をやつておるというようなことは、これは絶対に排撃といいますか、やめるようにしなければならんと、こういうふうに考えております。従つて、一つの工事の、こういう人が工事に従事するという申請書の中に、その人が一人であるか、二人であるか、三人であるか、四人であるか、人数に制限をつけるということは、この前も申上げましたように、考えておらないのでありますが、同じ人が工事をたくさん受持つということは、これは実際問題としてでき得ないことだというふうに考えておりまして、申請が出ましたときに、建設工事であれば、恐らく何月から何月までかかるというふうな日にちが出るでしようから、同じ人が二つ三つの工事にダブつて出すということは一応考えておらないのであります。それから保守の場合は、これはこの前も少し申上げましたが、二十回線とか十回線とかいう小さな交換機に一人の人を釘づけにするということは、これは無理なことでありまして、そういうふうな小さな交換機に対しては一人の人が或る程度何件かかけ持ちできるというふうなことを考えております。公社で作つて来られた案によりますと、自動百回線以下の交換機、或いは手動五十回線以下の交換機のような交換機を受持つ場合には、四件まではよろしい。それからただ百回線と申しましても、全部百回線に内線電話機がついておるわけじやありませんから、内線電話機の数としては百五十個以内で抑えようというふうな案を持つて来ております。これに対しては我々も検討中でありまして、これはもういいということになればすぐにでもいいということに相成るわけであります。
○久保等君 今の特に建設工事といいますかね、設置工事の場合、前者の場合ですがね、まあそういつた資格のない者がやるというようなことは、絶対そういうことのないようにしたい、やめたいという話ですけれども、併し一体申請者が直接携わつて仕事をやつておるかどうか。これは少くとも何ら特別な措置も、具体的な対策も示されない限り、私の理解する範囲内においては、直接まあ現場へ行つて、検査員でも行つて見ていない限りにおいては、これはそういつたことについて、十分に本人がやつておるかどうかということをはつきり見ておることはできないと思うのですが、それ以外に一体方法がないじやですか。具体的に申請者が直接手を下して仕事をやつているかどうかこういうことを、どういう方法で以てそれを必ず申請者の人によつて仕事がやられているというふうに把握されようとしておるのか。
○政府委員(庄司新治君) これは構内電話の交換機を、これも加入電話の一種でございますが、そういう構内交換電話機をつけたいという加入電話の申請が最初に出ているわけでございます。或いは現在自分のうちに構内交換じやなくて普通の有線電話がある。これを構内交換に変更したいという場合に、これは加入電話の種類の変更でございましてやはり工事をやる前に公社に対して種類の変更、或いは加入申込があるわけでございます。そのときにPBXでございますれば公社につけてもらうというときには、これは問題ないわけです。これは自営でやりたいということの申込のあつたときに、当然はつきりしなけりやならないわけでございます。自営でやりたいというときには、当然どういう工事担任者がこれにかかるかということは、そこでわかるわけでございまして、そのときにこの工事担任者は、あつちでもこつちでもたくさんやつているということであれば、これは無理があるということはすぐ書類の上でわかるわけでございます。もう一つ、書類と実際違うじやないかということに対しては、これは現場へ行つて検査をするという方法をとらざるを得ないと思います。
○久保等君 そうなると工事中は相当頻繁に検査員が現場へ行つてやる、工事の途中の検査も相当厳格にやられるという意味ですか。
○政府委員(庄司新治君) それは必要があれば現場へ行つて検査をするということで、工事担任者が一人のところへ検査員が一人付きつきりで検査をやるというようなことはちよつと考えられないのでございますが、大体そういうことでずつとやつて行けば、しまいにはあの工事所ではもう検査をしなくてもいいだろうとか、或いは危ないというようなことも実際問題としては起つて来ると思うのですが、一応は必要のときに検査に行くということでやるのでございます。
○久保等君 まあそれはそうなつて来るとやはり現場へ行つて見ているのがこれが一番確かなんで、私の具体的な、何か例えば工事の内容といいますか、工事の幅に伴つて一定の基準を設けて置いて、それでこの仕事の場合については二名ならば二名程度の少くとも有資格者が直接工事に当らなければならないというような形で、具体的に申請を許可する場合に、そういう判断をやつて行くという具体的な対策を立てておるかどうかということを実はお聞きしたいと思つたのですが、そういつたことは別に考えておらないので、有資格者から申請されれば、一名でも出て来れば、この資格者である限りにおいては、これは認可して行くのだ。従つて仕事の内容そのものについて、どうのこうのということをきめる実は基準というものは別に設けておらないのだというようなお話だものだから、そういうふうになつて来れば、むしろ公然と一人で以て相当厖大な仕事について申請をやつて行くというようなことを半ば公認されたような形で、非常にブローカー的な、悪く言えばブローカー的に工事担任者がなつて行く危険性があるのじやないかということを実は心配してご質問をいたしておるわけです。従つてただ徒らにうんと取締つて検査員がしよつちゆう付ききりで検査することが好ましいのだというような考え方は毛頭持つておりません。自主的にやつておれば結構だけれども、併し何と言つても電気通信事業というのは公共事業であり、迷惑する者は、ただ単にその加入者だとか、或いは業者の若干の損得の問題でなくて、やはり全国的に関連のある、直接それがいいか悪いかは全国的な電気通信事業に大きな影響を及ぼすのだということを考えて行く場合においては、最小限度やはりそういつた方面に対する或る程度のこれは取締的なといいますか、監督といいますか、そういつたことが必要じやないか。ところがそういつた場合にただ民間業者の善意々々ということばかりが昨日来から説明せられる。そういうことはあり得ないだろうし、若しあつたとすれば、おのずから悪い業者は駆逐されるだろう。従つてそこにいい業者ばかりがあとに残つて来るので、結局自然淘汰されるだろうというような、非常に自然現象的に考えて超越しておられるような御答弁があるものですから、そういうことではなかなか日々の現実の電気通信事業の運営については非常に心許ないという気持がいたすので、私御質問をいたしておるのですけれども、只今の問題あたりにいたしましても、それはそういうことでは幾ら通信監理官がそういうことはありませんよと言われましても、私は残念ながらそれに対して確信を持つことはできないわけなんですけれどもね。まあそれ以上具体的な対策というか、態度というものは別にないということなんですか。
○政府委員(庄司新治君) PBXが民間で工事をなさるという問題につきまして、今ここでお話申上げているのは、そのうちの一部を申上げておるわけでありまして、PBXが民間でやられる場合の一番の関所といいますか、しめくくりの点は、これは工事の場合で言えば、工事をやつて、工事が終了しましていよいよ加入回線として生かす場合には、そのときには技術基準によりまして厳重な試験をするのであります。この試験に通らなければ加入回線として開通しない、接続しないという建前になつておるのであります。然らばその技術試験だけで全部やつてもいいじやないかという議論も一応あるのでございますが、併し何分にも大切な資材を使つて工事をやる場合に、何も知らない人がやつて、そうして試験した結果落第だ、駄目だと言われたのでは非常なロスになりますので、その工事をやる人は、工事担任者は認定を受けた工事担任者でなければならないという建前にしてあるのでございましてこれは第二番目の二番関所といいますか、そういう意味で工事担任者をきめてあるのでございます。従つて悪い工事をやつた人が自然淘汰されると、こう言いますが、これは悪い工事をやれば技術基準に適合しないから、結局それはものにならないということで、そこではつきりその工事担任者が腕がないということが加入者にもわかるわけでございます。従つて、こういうことを考えると、その工事担任者が、比較的自然現象的な自然淘汰をされる前に、もつと早くその能力のないということが加入者にもわかるということでございまして、これを要するに、技術基準で最後に縛るということで、その補助的な考え方として、工事担任者を指定して行くという建前で、今まで工事担任者だけを議論しておりますと、技術基準で最後に縛るということが抜けるという虞れがあるのじやないか、私はこう考えるのでございます。
○久保等君 勿論そのことは、最後の技術基準に合致していないものは、これを使用することができないというようなことで、開通する際に当然これは検査をすることは当り前だと思うのですよ。従つてそのことは問題にならんと思うのですがね。併し、仮に試験をやるとか、検査をやるといつても、これは、御存じのように、開通試験をやる場合に、実際の少くとも一月なり二月なりかかつた長い過程の期間、細かい一つ一つの過程というものまで検査できつこないので、少くとも、開通して使用に耐えるかどうか、而もいろいろデリケートな通信の回線状態というようなものを、電力その他で以てメーターで計つてみるというような試験をやるにいたしましても、これは十分な検査はやり得ないと思うのです、実際問題として。だから、そういう点で仮に開通試験にも合格しないというような工事をやれば、これはそのときにすぐ問題になつてしまうことははつきりしていると思う。ただ一時は開通した、ところがその後一月足らずでいわゆる工事の拙劣さから障害が頻繁に起きるということは、これは技術屋として腕がいいか悪いかによつて差のあることは常識からいつても普通あり得ることです。だから、そういう意味で、私の申上げておるのは、使いものにならんような工事が幾らでき上つてみたつて、その次に、その工事者が面子をなくすとか、これは問題にならんということがはつきりすることは当然だと思う。そこまで行かないにしても、これはどうも余り成績がよくないというようなことで、やつたあとが殆んど障害が頻発するというような場合等について、これはやはり相当私は、勿論結果的に、そういうことについて十分にそういうことの起らないようにと言つてもなかなかむずかしいと思うのです。併しながら、先ほど私が質問したのは、そういう問題より以上に、これは極めて極端な場合を例にとつて申上げておるわけでして、そういう極端な場合を例にとつて申上げて、殆んど直接仕事に携わる人間が正式の有資格者でないというような人たちが仕事をやるような場合について、どういうふうに工事をやる過程において取締つて行くか、そういうものについて監督をやつて行くかということについて、申請者があつた場合に、これについては、とにかく殆んど有資格者であれば認可して行く、それで仕事ができ上れば検査をやることは当然だと思う。工事ができ上ればこれを検査することは当然でしようし、又途中に行つて検査をやることも、先ほど言われたごとく、途中に行つて検査をやるのだと言われておるけれども、併し、そうなつて来ると、工事の過程を一番つぶさに見ておるのは、ずつと付きつきりで見ておれば一番いい。併しそういう検査は勿論できないだろうし、そういうところまで考えておらないだろうと思うのですが、併し、少くとも大体申請せられたものとPBXの自営の工事の内容というものと、それからこれに従事する工事担任者の数というもの、人員というものとの何らかそこらに見合わした基準というか、そういつたようなものについては考慮しておく必要があるのじやないかというように考えておるのですが、別にそういつたものについては何ら考慮しておらないというようにしか、先ほど来、或いは又先般来の御質問に対しても御答弁がないわけなんですけれども、別に考えておらないのだ、要するに、申請されれば有資格者であるならば許可をするのだ、それで、あとは工事中ならばときどき必要だと思えば検査に行く、更に又でき上ればこれの検査は勿論やる、あと自然淘汰に一つ任せて、業者の善意に期待するのだということに、総合的に答弁を要約するとなるのじやないかと思うのですが、その程度なんでしようか。
○政府委員(庄司新治君) お答え申上げます。実際問題といたしまして、例えば千回線くらいの自動のPBXを作るというような場合には、一人ではできないので、数人要るということは実際問題としてはわかるのでございます。併し、それが五人でなければならんか、六人でなければならんか、或いは三人か十人かということになりますと、これは工期の関係で、工期を長くすれば三人くらいでもやれるでしようが、工期を短かくすればたくさんの人が要るということは、これは前も申上げた通りでございます。それは実際問題として、そういう基準は作ろうと思えば作られるし、事実そういう基準があるわけでありますが、その基準に適合しなければこれは工事をやつちやいけないということまで強くこれを縛るのは行過ぎじやないかと思います。もつと端的に言えば、望ましい条件ではありますけれども、守らなければ左らん条件ではないであろうというふうに考えておるのでございます。それから工事担任者の申請には、工事担任者はこうだというふうに申しておきながら、実際やるのは無資格者がやる虞れがあるのじやないかということは、公社としてもときどき検査をいたしますが、本来これは加入者がPBXを工事するということでありまして、加入者が自分でそういう技術的な能力のない場合は、公社の認定を受けた工事担任者に公社が頼むということでありまして、加入者自身が工事担任者はどなたですかと聞いた場合、これこれの工事担任者が工事に従事しますということで、工事を受ける人と担任者との間の話合いになると思うのですが、ところが、その工事担任者は事実資格があるかないかということはすぐわかることでございます。そうしますと、加入者にしてみれば、工事の資格のある人が工事をやつてくれている間は安心だ、こう思つておりますが、ところが最初に工事担当者はこれこれでございますと言つておきながら、実際工事をやつている人を見ると、何か前に来たような人でない人が工事をやつている、これはちよつと少し安心ができないというふうに、加入者は大体の自分の眼の届く範囲内で工事をやつているということが考えられますので、実際問題として、公社がときどき検査に行く以上に、本当に電話をつけたいという加入者自身が、よくその替玉を使つているか、或いは工事の資格のある人がやつているかということはチェックできるだろう、こう考えております。
○久保等君 今の御答弁も、非常に甘い状況を前提にした話じやないかと思うのです。例えば、庭師を呼んで庭を造らせるということでしたら、これは確かに頼んだ庭師と違つた人が来てやつているということになれば、重大な関心を持つて、ひまに任せてよく見ておりますからすぐわかると思う。ところが大きなビルディング等で、而も個人といつても全くの個人でなくて、むしろ財団法人とか、株式会社とかといつたようなところでやるとすれば、これはなかなかそう簡単に、今言われるように、加入者そのものが干渉するのであろうと言われてみても、果して加入者そのものが電気的な問題についての知識がないとすれば、実は申請者はこの人だけれども、この人はこの人以上に腕がいいので呼んで来てやらせますからよろしくということになつて来れば、これは何ら知識のない人が見ておれば、関心があるだろうと言つてみても、これは電気的な問題についてのいわば検査員の代用でも勤まるのじやないかという見方は成り立たないのじやないかと思うのです。私の先ほど来申上げていることに対しての危惧は、実は解け得ないわけなんですが、なお工事を実施するに当つての資材等について、何か特別な一括して検査をするとか何とかというようなことは別にやらないで、そういつた工事担任者が適当に選んで工事をやるということになるのですか。その資材関係に対する点検といいますか、そういつたようなことは別に考えておらないのですか。
○政府委員(庄司新治君) 規則の建前からいたしますと、機械類、いわゆるとまつておる静止物といいますか、機械類は工事が竣工したときに、検査をする、而もその機械を実際ハンダ付けをしたり、繋いだりするということは、人間がやることでございますから、腕のない人がやれば、これはまずいというので、これを操作する人は認定を受けた工事担任者でなければならないということになつておるのでございます。ただそれでは機械をいよいよでき上つてしまつた後に検査をして、そこで不合格であれば、非常に不経済ではないかという問題が起きるのでございますが、これは機械の検査を事前にどうしても受けなければならないという、工事をする前に機械の検査を受けなければならないというふうに固く縛るかどうか。まあできればそういうことを勧奨したい、勧めたいといつたふうな考えで今進んでおります。
○久保等君 まあそのことについても資材の点検、検査ということについては、まだはつきりした考え方は持つておられないような御意向なんですか。先ほどちよつと申上げたように、工事担任者が途中でやつておる工事過程において、どうもこれはとんでもない工事をやつておる、或いはでき上つたものを検査してみた場合に、これも又途徹もない工事をやつておつたということになつても、工事担任者そのものに対する実は罰則といいますか、そういつたものはまあ全然ないわけでありますね。こういつたようなことについての特別な措置が必要だというふうにも考えておられないのですか。例えば東京で工事をやつた、本来ならばこれは資格でも剥脱されるような仕事をやつておつたのですが、東京で駄目になつたというので、今度大阪へ行つて同じような仕事をするというふうな場合についても、何ら加入者がそういう人には仕事を頼まなくなるだろうという程度で、担任者そのものに対する何らの掣肘も実はないわけでありまして、まあ一遍、だから資格試験の検定でも取つておけば、これは永久に剥奪されない資格を取つたということになるようになつていますが、それは確かにそういうようなことですか。
○政府委員(金光昭君) 只今のお尋ねでございますが、今の事例の場合におきます工事につきましては、加入者が工事業者と契約をいたしまして、その工事をいたしますわけでございますので、その工事のでき上りが悪くて検査に合格しないといつたような場合におきましては、加入者は当初の契約におきましては、当然検査に合格することを条件として契約をこれは締結することは当然のことでございますので、若しそういつたような場合におきましては、加入者はその工事が検査に合格するように工事の改修を命ずるということは当然のことと相成るわけでございまして、それによりまして加入者自身が不測の損害を起すというふうなことは先ずあり得ないことと存ずるのでございまして、それは飽くまでも、加入者と工事業者との関係でございまして、それに直ちにこれに監督官庁なり或いは公社が介入するということはどうかと存ずる次第でございます。ただ法律の上におきましては、第二点の久保委員のお尋ねでございますが、勿論この資格の認定につきましては、認定の取消及び工事に従事することを停止するということは、この法律の上でも規定されておるわけでございまして、それは百五条の八項によりまして準用されております。五十三条というものがございますが、この五十三条はPBXのオペレーターのことでございますが、工事担任者につきましてもそれと同様に、この法律の規定に違反したということが入つておるわけでございまして、若しこの法律にありますようなことで設置の基準に該当しない……失礼しました。そういうことで資格の認定の取消しはしないのでございますが、ただその工事の仕方が悪かつたというような程度で取消しをするということはないのでございまして、認定の取消しなり、或いは従事の停止は、この法律に規定されております条項に違反したときに限るわけでございます。
○久保等君 大臣がお見えになつておるので、大臣に一つお尋ねいたしたいと思うのですが、電話の料金の問題についてですが、御承知のように電気通信事業が昨年の八月一日から公社になりましたことによつて、二十八年度の本予算は公社に切換えられた後の初年度の実は本予算であるわけです。従いまして公社法に基く財務会社制度、或いは予算というようなものを全面的に適用が受けられるのも実は本年度からなんですが、そういう意味で公社に切換えられた理由、趣旨という問題も今後如何にこれが活かされて行くかということは非常に重大な実は試練に直面していると申しますか、非常にいわゆる慣行を作らなければならないという、これは当局としては責任があると思うのです。特に監督官庁としての郵政大臣の立場は、同時に電気通信事業の公社の予算という問題について調整権という、今まで実は前例のない新らしいめて重大な責任が郵政大臣には賦与せられておるわけです。従いましてとかく従来予算という問題、金という問題になつて来れば、これはもう大蔵省の一手販売だということで一般に観念付けられて来ておるわけですし、又事実その通りであつたと思うのですが、併し少くともただ電電公社の予算に関する限りは、飽くまでも郵政大臣というものが指導的な立場で予算の作成乃至は予算の調整権を発動して、適切なる予算孝編成して閣議にかけ、国会に提出するということになつておるわけですが、そういつたような、すべては実は本年度から初めての実施がなされておるだけに、私ども非常に重大な本年度の予算については関心を持つ。是非公社法のあの建前、それから考え方というものが十分に活かせるようにというふうに念願をいたしておるわけなんですが、特にそういう意味で電気通信委員会としても、これは重大な責任を私ども痛感せざるを得ないと思うのですが、ところで昭和二十八年度の本予算の内容は、先般もちよつと指摘されておりましたが、とにかく当初の流産予算の場合の立て方と、今度の本予算の立て方との内容で、細かい点は別といたしまして、大綱的な大きな問題として、少くも電気通信事業に対する政府当局の熱意の点が非常に疑問視されるような組立て方に実は変更されておる。それは大蔵省からの繰入じやなくて貸付の問題ですが、運用部資金の貸付の点にしましても、当初の流産予算では四十億程度のものが計上せられておつたのが、本年度零になつた。昨年の昭和二十七年度と比較対照してみた場合に、百三十五億から零になつたということについては、非常に大きな基本的な大蔵当局なり政府当局の電電公社に対する考え方が転換したのじやないかというふうに率直にこれは何人も実は認めざるを得ないと思うのです。ところが先ほどもちよつと申上げたように、昨年の八月一日を契機に公社に切換えられたものの、併し一朝にしてそれならばいろいろ具体的な施策は立てても、それが効果の面まで現われて来るということについては、あらゆる事業について同じことが言えると思うのですが、やはり電気通信の場合についても、長年の、従来電気通信事業に対する政策なり施策というものがどのようにとられて来たかということによつて、やつぱり相当な惰性というわけではないのですけれども、やはり若干そういつたものを払拭しきれない過渡的な段階というものは、これは普通あり得ることだと思うのです。少くとも電気通信事業というものが長い間社会的政府事業で以てやられて参つておりましただけに、過去におけるいろいろないい面悪い面が、そのまま公社になつても、過渡的な段階においてはこれが引継がれるということも止むを得ないと思うのです。そういう点で曾つて電気通信事業というものも、今日のように非常に足らん、何とか資金を得なければどうにもならんというような実情ばかりではなくて、むしろ非常に一般会計なりその他の特別会計に貢いでおつたという歴史もあるわけです。特に終戦直後の混乱状態或いはひどい戦災を受けた後の事情は、これ又普通の状態ではありませんので止むを得ないといたしましても、少くとも戦争直前まで、言葉を換えて言えば、実は非常にドル箱的な存在であつたとさえ言えると思うのでありますが、そういうような点を考えてみた場合に、ノーマルな順調なときには、電気通信事業という竜のは財政的に非常な大きな貢献をしておつた。僅々十年程度の間にでも十数億の、当時の貨幣価値で十数億ですから大変なものですが、とにかくそういう貢献をしておつた。ところが昨年の八月一日から公社になつたということで、大蔵当局そのものの態度にも急転直下したような非常な態度の変更があつたということは、主観的な考え方は別として、少くとも純客観的に見た予算編成の面では明らかに現われておると思うのです。そういう点について非常に心配されるわけですし、そういう点からいろいろな質問が出たわけですが、昨日或いは数回郵政大臣から言われる点については、今後の五カ年計画については、これは是非責任を持つてやりたいという御答弁はされておるわけですが、そういう点でいささか五カ年計画というものに対する熱意と決意のほどは了解できたわけなんですが、併しいずれにいたしましても、私特にここで五カ年計画という問題以上に重大視して考えることは、やはり過去のそういつた七十年間の電信電話事業というものが転換をした、企業形態を変えたという非常に大きなこの転換は、ただ単に数年の、五カ年計画だとか何だとかいう問題より以上に重大な企業経営の性格の変更でもあるし、従つてその変更したからには、非常に重大な決意と、それから又従来のようなしきたりで予算の問題なり経営の問題なり或いは又郵政大臣として経営に対する監督の問題を考えられては、実は非常に誤まつた公社というものの今後のいわば前例を作つて行くのじやないかというふうに考えるわけです。そこで郵政大臣がただ単なる郵政大臣ではなくて、電電公社に関する限りは大蔵大臣の立場が賦与せられたと言つてもいいのです。そういう点で、昨日も愛知政務次官から今後の五カ年計画等の問題についても協力するのだという意味で、非常にいわば従来の指導的な立場は明らかに郵政大臣に移つたという御発言があつたので、その点はまさに性格はさもあつてもらいたいのですが、今度は併し実施面になつて、これは郵政大臣のやることで、我々としてはそう余り積極的なことを申上げることもできないし、余りやる必要もないのだというふうにされる危険性もなしとしないと思うのです。そこで特に今度大幅な料金値上げの問題が出されて参つておることについても、少くとも私自体料金の大幅値上げという問題について、而も政府の出されたあの大幅値上げの方途にいたしましても、只今私の申上げるような危惧が非常に強く私の印象にはあるわけなんですが、要するにできれば、政府というか、大蔵当局そのものの肚と、余り苦労はかけないで、できるだけ一つ会社みずからの手腕によつて問題を解決して行つたらどうか。五カ年間に要する莫大な資金も一つそういう面で組み直したらどうかという考え方が、流産予算の場合と今度の本予算の場合とにも相当大きな転換になつて現われて来ているのじやないか。即ち政府は一銭も金を出さないで、この際それならば料金値上げという形でやつてもらつたほうがいいのではないかというふうに安易な途をとられたのではないか、こう考えるわけです。それが先ほど来申上げましたような時期が時期でありますだけに、私の考えることが誤解であり、或いは杞憂であるとするならば、これは非常に幸いだと思うのですが、併し残念ながら政府の出した二割五分という大幅の料金値上げを、やはり片や政府の一般会計からの貸付というようなことをゼロにし、昨年の百三十五億から本年はゼロにして出して来たということで、さしもの与党あたりにしましても、二割五分ではちとひど過ぎるというようなことで、衆議院では修正されて二割程度になつておりまするけれども、それにいたしましても、やはり残りまするのは、大蔵当局或いは政府当局が電気通信事業に対して本当にどの程度の熱意と、果して協力をする気持があるのかということについては、これは純客観的に見た場合には、何といつても私はこれは覆い切れない事実として現存していると思うのです。そこでいずれにしましても、やはり責任の帰一するところは、又郵政大臣にかかつて来るわけでして、それに対して郵政大臣としては、よほど重大な決意を以て今後の電気通信事業というものについてのいい意味での監督、指導という点を活かして行かなければならないと私考えますし、このことは他の公社においても未だ前例のないことでありまするだけに、郵政大臣がどのようにお考えになつておるか。特に本年度の予算にこういう政府原案となつて出て参つたことについては、如何に主観的に、或いは肚の中ではどう考えるにいたしましても、客観的な事実としては私の申上げるような事実であるわけでして、非常にこの点遺憾に堪えないわけです。その点郵政大臣としての考え方のほどを明確に出して頂きたいと思いますし、そのことで今後の電気通信に対する郵政大臣としての立場もより明確になつて来るのじやないかと私は考えますので、予算の問題、特に料金値上げの問題に関連した今度の政府の考えたところの予算編成について郵政大臣として私の先ほど来指摘しておるような点について、果してどのようにお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは今度の料金値上げ及びそれに伴う資金繰りの操作のいろいろ変つて参りましたいきさつというものを外から御覧になつて、今ここに御指摘のような疑問が大分あつちこつちにあるようなんですが、併し私のこの問題を扱つた気持は、全然違うのでありまして先ずこの予算に対して大蔵省に対する郵政省の独自の立場をどこまて、主張できたかということですが、御承知のように公社の案というものは、この前の不成立予算のときから相当大幅な値上げの案であつたはずなんです。昨日委員会でいろいろ愛知政務次官が、大蔵省は値上げに対しては公社案というものをそう拒否はしなかつたと言うておられるけれども、私が聞いた範囲では、この前に一割ということは、結局国鉄なども割だから、これを一割以上げるということになるとあちらに響くということで、むしろ強い反対があつたというように承知しておるのは、恐らく私はそれが真相じやなかつたかと思うのです。ですからして大蔵省の立場としましては、他の一般会計の予算があの通り殆んど変つたものでないので、今度は公社の案を郵政省が見て成るほどこれは日本の今日の電信電話事業として尤もだと思つたから私は大蔵省のそういう気持を強く反撥しつつ当初の政府案というものを持つて行つた。従つて郵政省が電信電話事業に対する予算というものについて大蔵省とどういう比重で以てこの問題を考え、そうしてどういう比重でどちらの考え方が強く今度の予算案に出て来たかということは御承知願えると思う。而も交渉のいきさつを申上げますならば、最後には大蔵省は二割くらいまでならば辛抱しよう、こういうことであつた。而も私はなおも公社側の意向をよく聞いて自分も考えた結果、できるだけ大幅にこの機会に値上げしておくべきであると考えたからして、最後まで頑張つて二割五分の政府案というものができたのです。従つてこの段階においては明らかに郵政省の考え方というものが大蔵省に容れられておるわけです。そこで問題は、私はこの五カ年計画に必要な二千七百億という資金をどこから得るかというときに、公社の経営の立場、それから日本の電信電話事業というものの本来の立場から行けば、問題になるのは、外部資金にどれだけよるかということと、内部資金にどれだけよるかということ、この比率はこれは重大な問題である。併し外部資金による場合に、それを政府資金によるか、公募社債によるかということは、そんなに私は重大な問題にならないと考える。金利の問題にいたしましても、せいぜい一分の違いである。ただ問題になるのはこの公募社債によるべき額が非常に大きくなつて、それが市中で消化が困難になるという場合にかなり問題になる。そこで私は七十五億の外部資金というものを考えたときに、公社側の意向も聞いてみて、この程度で公募が果して消化し切れるかということを重点に公社側の意向も聞き、又金融情勢も勘案して、遅れたけれども、年度内に七十五億程度なら十分である。大丈夫である。それならば他の資金運用部資金に対する需要も多い際であるからして、公社としては相当大幅な値上げも許されるならば、多少の不利は忍んでもこれは公募社債ということでやつて必ずしも強く政府資金によらないでもいいのじやないか。殊に預金部資金というのは全部外して若干の代償として三十二億、今まで二十億として国際電信電話株式会社の株の譲渡代金は三十二億にして入れてくれるということでございます。これでいいのじやないかというように判断をしましたのが、この七十五億を全部公募社債に持つて行つたいきさつなんでありまして、資金運用部資金が困難であるという事情はそれに対して大蔵省もそれは非常に結構だといつて賛成をした一つの考え方の動機になつておりますけれども、私が前に七十五億の公募社債というものが非常に困難な募集の見通しであるということであれば、それは絶対に資金運用部資金というのに若干に割込みを考えたが、私は今度の場合にはそうは考えなかつた。従つて資金運用部資金が少しも今度は得られなかつたということは、これは大蔵省の考え方でそうなつたのではなくて、郵政大臣である私の公社事業というものと、それからしてその他の日本の金融情勢というものの睨み合いで考えた結論なんで、まあこの考え方が先般来、当委員会においても山田委員、津島委員などの指摘を受けておるので、成るほどもう少し私も考えるべきであつたというように若干変更は来たしておることは事実でありますが、併し少くとも予算を組んだときの私の気持というものはそうであつたのである。その気持がそのまま予算に出たのであつて、従つてすべての面におきまして今度の公社予算というものは、郵政大臣の考え方が全面的に入れてもらえた。そうして他の予算は大体不成立予算を踏襲して行くという行き方であつたにかかわらず、この公社予算には相当大きな変動が起きたのであると、こういうように御了解を願いたい。
○久保等君 この二割五分の問題のいきさつ、経緯、そういつたものについては、まあ私も一応は了解いたしておるのであります。まあ委員会等における質問を通じて了解しているわけでありますが、ただ問題となるのは、少くとも料金値上げという問題も、これは成るほどあらゆる方面に対する影響という点から必ずしも大蔵当局が昨日愛知次官の言われたように、まあ比較的気楽な気持で実は認めたとは考えられないのでありますが、大蔵当局と郵政省或いは電電公社との間で言えば、そういう点はわかるのですが、ただまあ私ども料金値上げという問題は、併しながら又そのことによつてもたらされるいろいろな悪影響ということを考えて来た場合に、やはり相当考えなければならない問題があるし、而も電気通信事業というものが、いわば従来から、搾り取られておつたという態勢にあるとするならば、この貸付という問題以上に、むしろ政府自体が積極的な援助政策をとつても然るべきじやないか。このことはただ単なる今年度なり今年度予算の編成については昨年の年末項から、予算という問題にしても昨年の秋項から論議になつておるのですから、途中から郵政大臣というよりも塚田大臣が個人的な経過から言えば、やはり昔の問題をここへ持ち出しても始まらないと思うわけですが、そういう意味で本年度の予算については、いろいろな経過を辿つて来ておりますので、いろいろ問題があると思いますが、いずれにしても私どもの考えるのは、何とかもう少し電気通信事業に対して公募社債がいいか、それとも般会計からの繰入がいいかということになると思うのでございますが、公社から見れば、どつちにしても五十歩百歩だと思う。併しながら私の考えでは、もう少し前進した形の政府資金が、電気通信事業をただ単に独立独歩でやつて行けばいいということでなく、これは国家全体にとつて極めて重大なる公共事業であり、而も他の公社事業以上に世界のレベルから言つてもお話にならないほど劣位にある、電気通信事業が、今政府の直接的な政策によつて今日の状態になつておると言つてもいいくらい非常に財政的にこれを搾り上げて来ているという過去の経過からいつても、この際少くとも五カ年計画なり何とか、起死回生策を立てようという段階においては、積極的な対策が立てられないものかどうか。特にそういう政府の繰入ということから言えば、利子にしても相当高額なことになりまするし、そういつた面についても特別な措置を講ずるとか何らかの形をやる責任がむしろあるのじやないか。単なる形式的に政府借入によつたつて、公募社債によつてみたつて、大して利率の面からいつても違わないというような点で問題はあるし、議論は成り立つと思うのですが、もう少し根本的な対策、態度ということをこの機会に、而も時期的にいつても今強調することは決して私は当を得ないとは思わないわけですし、時期的にいつてもこの際新らしい気持で又新らしい組織の中に立つてやつて行こうとするこの最初の年度でもありますし、切換えられた直後でもあるだけに、この際郵政大臣としても特にそういつた方面に対する御考慮なり、今後の御尽力を願う必要があるのじやないかということで、たまたま本年の問題になつておりまする予算問題を取上げて、これを中心にしての御質問なり私の若干意見も入つておると思いまするが、申上げたわけなんですが、少くともそういう点を今後十分に留意して頂く必要があるのじやないか。従つて料金値上げというような形で、一般に直ちにはね返えるような形の方面から資金の調達を求めるというようなことは絶対避くべきだというふうにさえ私ども実は考えたのでございますが、そういう点で今回の政府の提案なり或いは又衆議院で通過いたしておりまする料金値上げの問題についても、そういう面から非常に私ども納得し得ない実は面が大蔵当局の予算編成に対する態度とも関連してあるわけなんですが、そういつた点は意見になりますから差控えますけれども、併しいずれにいたしましても、私の特に今回郵政大臣に強調して申上げておきたい点はそういう今質されておる時期的な電気通信事業の立場なり実情というものから、郵政大臣の特別な今後の御奮起を希望いたす意味で御質問申上げたのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) これはもうお考え方としては、私が郵政大臣としての考えは久保委員の御指摘と同じように考えておりますし、考えるべきだと思つておりますが、過去に相当国のために注ぎ込んでおるという事情を考えても、又できるならば成るべく早くこれを整備拡充したいという立場から考えましても、それから又最近値上げに余り大きく負担をかけて行くということが、業者にどういう負担をかけるかという点から考えても、同じ結論になると思います。併しそれではこの事業をどうしても整備拡充しなければならないという計画を立てたときに、それをどの程度に或いは国から直接予算で援助してもらうか、或いは資金運用部資金で援助してもらうか、或いは公募社債の形で面倒をみてもらうかということを考えるときには、その段階に問題がなつて参りますと、こういうことを、この電信電話事業だけを考えておるわけには行かないのでありまして、国全体の他の事業、又国民負担の立場からも考えて、そうして財政の枠の中にどれくらいゆとりがあるかということを考え、又資金運用部資金がどれだけあつて、どれくらい需要があるかということを考えて、大きく他の事業と総合勘案した上で郵政電信電話事業にどれくらいのものがどういう形で持つて来られるかというようにきめなければ、今日の段階としては、これは結論というものは出にくいものであり、そういう考え方がこの結論になつたというように御了解願いたいので、今度も従つて私が予算を組みます場合に、又大蔵省と折衝いたします場合にも、気持としては、久保委員の御指摘のような気持で以て当りますが、ただ、結果においては今申上げたような事情で、大蔵省との折衝の場合には郵政大臣として全然考慮に置かないで、ただ自説ばかりを突つぱるというわけには行かないものだ、こういうようにお考えを願いたいと思います。
○山田節男君 関連質問ですが、昨日も質問したのですが、今回の二割の値上げで、百億の公募社債、併し百億の公募社債は無理でもあるし、二十五億は政府のほうで何とかしましよう。これは政府で私は引受けるものと了解しておるのですが、それにしても、七十五億ほどある。それで、昨日愛知政務次官が言われたように、七十五億の電信電話債券を市場に出して、これはシンジケートが受入れるかどうか。たとえ受入れても、これは時期が二十八年度第一四半期を過ぎちやつて、而も最悪な年末にかけて消化し得るか。昨年度、二十七年度の電電公社の二十億の社債も、これは実際上におきましては、マーケットで募集しておるのではないですね。二十億の中で、十八億というものは加入申込者がこの債券を買つておる。あとの一億はこれは地元引受、それから残りの一億を専用線の加入申込者が引受ける。ですから、二十億すら、今年よりコンディシヨンのいい昨年において二十億の社債が消化し切れなかつた、相当無理をした。そうして今度七十五億、先ほど久保君も言われたように、もう政府からは、資金運用部の原資が枯渇した、だから国際電信電話を三十二億にしてくれ、それで何とかやつて行け、そこに今のような意見も出ると思うのですが、七十五億というものは、今のような大蔵省の態度で、それで昨年電電公社の電信電話債券の消化したいきさつを見ましても、殆んど不可能なことだと私は思う。それで今年は何とか地元引受けをもつと拡大して、それから一般の加入申込者に負担させるにしても、七十五億というものは、これは私は相当無理じやないかと思う。それに、第二年度から修正案によりまして二百六億、電電公社が最初立てた五カ年計画では、三十五億だと思いましたが、それに対して百七十億を公募債券を消化して辻褄を合わして行く、こうなりますと、電電公社の経営というものは、非常に公社自体の財政的基礎を薄弱にしてしまう。成るほど名義は政府に片寄らない、これは言葉は多少矛盾しますが、自己資金の料金の値上げはもう抑える。残るところは、要するに極度に経営を合理化する、合理化というと、今日の人員を少くとも一万や一万五千人くら、首を切らなければやつて行けなくなる。そこに政府としても私は折角一時立直しをしたものに対して、債券はカバーしてやるとしましても、客観情勢がどう見ましても不利な条件です。それですから、七十五億も債券を背負わせて来年度は二百六億の公募社債で行くということは、これは如何に見ても、公社自体の使命を政府がむしろ没却するようなことになる。この点を私は非常に憂える。のみならず、どうしても消化し切れない債券というものは、これは加入者が犠牲にならざるを得ない。そういたしますと、これは終戦後電話が終戦処理費であるとか或いは見返資金であるとか或いは資金運用部の資金をもらつて今日まで非常に復活しておるけれども、これほどの厖大な老朽施設を抱えて、五年計画を立てて、電話のサービスを改善すると申しましても、事実資金の面でにつちもさつちも行かんじやないか。これは私は極めて常識で考えても疑念を抱かざるを得ない。そこで私は電電公社としてこういう公募社債で加入者を犠牲にすることを多くするより、資金の方法がなくなつて来た場合に、郵政大臣として、公社がそうやらざるを得ない状態に追込んで置いて、そうして国民から非難が出る。昨日も申上げたように、地元の引受けにいたしましても、これは各地方として困つている。それには金を六千万円出す。そう上ますと、市から三千万円出して、あとの三千万円は加入者が負担しなければならんというので、これは市会の大問題になつておるような状況です。併し一応こういうような状況で参りますと、これは電電公社の経営者として止むを得んことになつておる。私はそうしたこれの及ぼす社会的、経済的弊害を非常に憂えるのですが、この七十五億という、今年度におきましての残りの七十五億は、電電公社が何とかしなければならん。公募公債はマーケットではこれは無理だということになれば、これはやはり昨年度においても、加入申込者の犠牲において資金を調達せざるを得んということも、これは監督当局としての郵政大臣も止むを得んという、これはもう戻をふるつて、私はそういう覚悟がなくてはこういう見え透いたことが私はできないと思う。参そうしますとさつきの久保君の質問にお答えになつたことと、それから私が言うたことと、多少そこに間隙があるような気がしまして不安に堪えない。これはもう私大臣の御答弁を求める点においても非常にむつかしいと思いますが、要は、こうなれば、これほどのハンデイキヤツプと不安なフアクターを持つて五カ年計画を遂行するといつて発足したものの、老朽な、陳腐な施設を以てしてはなかなかむつかしいではないか。この点はあえて御答弁は要求しませんが、この事態は、殊にあなたは商大を出たそういう方面の経理の専門家であると私は思いますから、やはり何とかカバーしてやらなければ、二割の値上げをしても、又この次にはむしろ国民の期待に反したようなことが起るのではないか、こういう点は、一つ大臣は、これは電電公社の当局者或いは監理官等からずつとお聞きになつておることで、私はこういう案を抱えてどうなるかぐらいのことは、どんなに私希望的観測を以ちましても不安に堪えない。この点は一、大臣として相当な覚悟を以て、これは政治的にカバーしなくてはこの案は画餅に帰することは火を見るよりも明らかだと思う。この点につきましては、覚悟のほどは昨日聞きました。あえて答弁は求めませんけれども、よほど褌を緊めて頂きませんと、折角の本法案なり、修正案によつて立てられた計画が十分実現されないということは、これは国民の要望に反することになる。これは一つここで郵政大臣は重大な決意を持つて頂いて、本国会に対しても、その点は一つ政治的責任を持つというくらいな一つの固い決意を以てやつて頂くように私は切にお願いいたします。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは私も相当異常な決意を持つてこの事業の拡充計画には当らなければならないということは確かに感じておるわけであります。ただ七十五億の今年のこの計画が果してうまく消化できるかどうだろうかということは、これは電電公社だけの問題で大蔵当局が資金計画をするときに考えたのではないようでありまして、御承知でもありましようが、不成立予算のときは、公募公社債の総額というものが二百二十億になつております。これが今度の改訂の予算になりまして、時期的にズレたので、とてもこれは募集ができないだろうというので、この総額百六十億に、六十億減らしておるわけであります。この百六十億というものは、私が承知するところでは、大蔵省は金融界とも相談をして見通しがついておる数字だと承知しておる。この百六十億、このうち国鉄が八十五億、電電が七十五億、こういうふうに割振つた。そのほかに地方債の公募が八十五億ばかりありますが、これはおのずから部面が違いますので、そう影響して来ないと思う。そこで非常に深刻な大問題になる。殊に明年度以降そうなると思うのでありますが、ただ、それでは、どういう工合にこの問題を解決するか、努力をするためにはどの方向へ努力をするかということになりますと、これは先ほど久保委員が御指摘になりましたけれども、私は国の予算で今後この拡充計画に資金を注ぎ込んでもらうということは、恐らく今日の国家財政の状態ではできない。予算を注ぎ込んでもらう方法がないとすれば、次に、次善の手としては、資金運用部資金で幾らかでも見てもらうということであると思う。私は自分の気持といたしましては、今度追加になりました二十五億は勿論でありますが、できるならば、それは七十五億も非常に募集が困難であるならば、今後資金運用部の原資が伸びるならば、その原資で引受けてもらうというように交渉すべきであるし、又交渉をしなければならないくらいに考えておるのであります。併しこれが伸びないということになると、電信電話事業がそつちに割込むということになるならば、おのずから他のどこかの事業にひびが入つて来る、欠陥が出て来るということになるのでありまして、結局国全体の財政計画では、一番公募のやりやすい事業に、その負担を背負つてもらうということにならざるを得ないということになるわけであります。幸い郵政大臣という立場は、一方に貯金業務を持つております。貯金に保険業務を持つております点から、こちらが伸びれば、自然とここがゆとりが出て参りますから、おのずから公募の枠を殖やして行くということはできることになるわけであります。そういう方向には極力努力したいと考えて、大蔵省にも、貯蓄増強計画というものを立てて見ようと思うが、協力してくれということは申入れておるわけでありますが、若しそれが、併し思うように伸びないということに表れば、なお且つ公募社債というものがうまく消化できないということになれば、又料金値上げもなかなか十分賛成が得られないとできないし、又そんなに大幅にやつちやならないということになれば、非常に残念な次第ですけれども、計画を若干変更しして先へ持つて行く以外にはしようがないという結果になる。それは一層好まないから、多少困難があつても、公募社債で以てできるだけ努力して資金の調達をして行きたい。だから今努力の焦点というものは、第一段には、そこを募集する努力といたしまして、資金運用部資金の原資を多くして、そこに持つて行く、こういうことで今努力しておるわけであります。
○山田節男君 非常に御心配になつておることは、昨日愛知大蔵政務次官と私は、二十八年度の予算が今回通りましたら相当インフレーシヨンの傾向が強くなるじやないか、又これを裏書するように裏打ちするように、一万田日本銀行総裁も、この四半期における金融というものは相当金利の引上げ、それから債券、公債、社債の増加ということについては、これは非常に今困つておる。これは御承知のように市中銀行というものはオーバー・ローンになつて来た。これ以上社債を出すということになれば、これはスペキユレーシヨンになつて来るし、一方においては、為替手形の問題が起きる。これはやはり部分的に景気というものが破産に瀕しておるわけです。そういう点を勘案いたしますと、これは素人考えかも知れませんが、社債を公募する。成るほどこれは公社でありますから信用はあるでしようが、やはり証券業者とすれば、もつと魅力のある、アトラクチヴな株を優先的に取ります。だからそれを政府が援助して、政府が引受けていたほうがいいわけです、金利も安いですから。その点は、これは大臣として見解の相違だとおつしやれば、これは止むを得ませんが、併し、たとえこれは見解の相違でありましても、政治的、計画的に考えまして、こういうような非常にスペキユレイテイヴな、投機的なファクターを以てそうして五カ年計画を立てることは、これは少くとも不堅実ななにを持つというふうに、一応診断する場合には判断せざるを得ない。そこで私が先ほど申上げましたように、それならばもうこれは経営合理化で人員をうんと減らせばいい。今十六万おれば、少くとも一割くらい減らしてしまう。さもなければ、大臣のおつしやるように、五カ年計画を多少削つてしまわなければなりませんよ。そうなりますと、これは従業員の首を切るということは大きな問題です。電話の建設も怠るということは、これほど我々が国会で関心を持つて、二度も三度も決議をしたものを、これは公社たりとも、政治的責任は避けられないということになれば、これは一応料金を今の二割五分でなくて、五割或いは十割上げても自己資金ということになればやらざるを得ないということになる。それは政府が許さない。ですから、経営者の建前から、三方面からがんじがらめにされた以上は、せめてこれに対する建設のための繰入金に使うべき社債というものについては、政府がやはり一つの責任を持つということくらいでなければ引合わん。これは経営者が困るのじやなくて国民が困るという、今の問題を私は認めて、そういうことを申上げておる。そういう点で、私はこれは大臣が異常な決意を持つて頂いておやりになりなければならん。これがすでに、昨年度の五カ年計画と、今回の五カ年計画はまるきり違つたと申してもいい。味に資金計画を見ても、外債を二百億見込むことと、今回の案ではゼロとしていることから見ても、資金計画については定見を全く欠いていると申さねばなりません。これは何と申しますか、朝三暮四とでも申しますか、それ以上の変化を来たす。その間の事情を我々憶測しましても、如何に電話事業というものが公募債を今度出しましてもこのファクターが、不安定で、又米国会には電電公社として郵政省がどうもいけませんといつて、又資金計画か何か変えなくちやならん。これは私はもうこの前国会に出した場合と、今回の資金計画というものと収支見積を見ましても、全く性格を一変しておる。これでは公社としての対外的信用というものは、金融的に見ましても信用がますますなくなる。従つて、公募社債を起すということは、ますますむずかしくなる。而も金融の情勢は不幸にして暗黒になるようなきざしが今見えておる。そこで私はそうなつた場合に、これは郵政大臣に言うてもしようがありませんが、従つて、今のうちに重大な一つ決意をして頂かなければ私は国民が困るのではないかということを申上げる。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは私は公募社債が非常に消化が困難であるかどうかということは、実は今度の値上げが国会において修正をされまして、七十五億が百億になつたということで大分情勢が変つて参つたので、いろいろ検討しておるのでありますけれども、ただ私はこの間もちよつと津島委員からの御質問のときにお答えしたのでありますが、今度の国会のあの修正の予算案の状態を見ておりますと、もともとの今年の政府の予算が大体そうであつたのに、プラスそういう傾向が又出て参りましたので、むしろ私は資金の状態がそんなに公募が困難な状態にこれから先なるというように実は私は思つておりませんので、恐らく資金運用部資金も直接郵政省が増強計画を立ててやればかなり予定よりも伸びるじやないか。又一般金融界もそう相当撒布超過が恐らく暮頃から先に出て来ると思うので、銀行預金などもかなり集まるのじやないかとむしろ考えておる。ただそれよりも心配されますのは、そういう状態が出て来ますときには、当然物価の上りというものが出て参りますから、この資金では既定の計画ができなくなるという面に困難が今年は私はあいいう財政計画では出るのじやないかという工合に心配をしておるわけであります。そうなると結果においては同じことなんでして資金百億で計画が行えないということになるので、ですからして山田委員のお考えになつておる点とその点で若干考え方が違つておるのでありますが、併し困難がある。従つて相当今後政府から面到を見てもらうのでなければ、この計画というものはできないから、郵政大臣も頑張れというようにお力付けを頂いておる点は、まさに同感でありますから、そのように極力一つ皆さんがたの御支援を頂きながら頑張りたいと、こういうふうに考えます。
○山田節男君 これは電電公社の総裁にお伺いするよりも、郵政大臣にお伺いする。これもまあ将来の見込ですが、先ほど申上げたように、七十五億の社債が公募できない。結局昨年度の二十億の電信電話債券を消化したと同じような工合に大半は、少くとも七割、八割というものは、加入申込者の負担にしなくちやならんという原則になつて来た場合、先ほど申上げましたように、地方財政の非常に逼迫しておる今日、私は例えば呉でございますが、呉に電話局が合せて六つありますが、それが皆市内通話なんだ。統合してくれという非常に強い要望があります。それには六千万円という金を出さなければ社債券を引受けることができない。そうすると三千万円を市で引受けてくれと、こういうことになる。市といたしましては今三千万円をということは非常に困るのです。先ほど申上げたような工合に、七十五億円というものが、大臣が言われたように案外うまく消化されはしないか。昨年度を見ても、二十億のうちで十八億が一般加入者が全部、地元引受にしましても或いは政府の加入申込者にしましても、これは全部加入者の負担である。七十五億はそれによつてどうしてもやらざるを得んということに巻き込まれた場合に、いわゆる電話行政と言つてはおかしいですが、そういう電気通信事業から見て貧弱な県、貧弱な都市、これが最も要求しておる。ところがそれは結局金を持つておる所は、融通の付くものは早く行くかも知れない。全額を消化すれば年内に付けてやる、そういうことになつた場合、電話に対する一般国民の一つの見方というものが余り変なことになりはしないか、私はそれを憂えておるのであります。ですから若し不幸にして七十五億の、例えば五十億というものをどうしても昨年度と同じような工合に、やはり一般加入者に負担させなければ消化できんということになつた場合の社会問題、政治問題というものを大臣はちやんとお鎮めになり、そういうことをさせないように、大蔵なり又政府全般に亙つてそういうことをさせないということをあなたは確言できるかどうか。これを非常に私は不安に思うのですが、将来のことについて今確答を求めるということは、これは無理かも知れませんが、昨年の事例から鑑みて、私はそういう結論を導く、論理を導くということは決して私はやぼな論理じやないと思うのです。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは七十五億、これは修正後に変更になつて全部公募をすれば百億になるのでありますが、この数字はこれは加入者には全然御迷惑をかけないものであります。山田委員の御指摘になりますものは、今の資金計画の中にある加入者債券の四十八億も、結局そういう結果負担をかけることになる…。これは私も素人でよく本当の状態は知らないのですけれども、ただ私が素人なりに判断をして、こういう工合に資金計画の中において、二十八年度に四十八億というものが、加入者債券の分があるということは、これは何にしても電話というものはみんなが早く引いてもらいたがつておるものですが、その中から取りわけ早くやつてもらえるという所は、若干地元負担というものは当り前なんだし、又御了解願えるという、そういうような見通しの筋というものを大体地域的に按配して、このくらいの額は加入者債券で行けるのじやないかと、こういうように恐らく御計画になつておるものだろうと、深くその点までは考え至らずに、その資金計画案というものを是認しておるわけでありますが、若しこの辺何でしたら、一つ公社総裁にこの四十八億というものはどういう見通しのものなのか、一応御説明願えれば私も聞かして頂きたいと思います。
○説明員(梶井剛君) これは昨年の二十億というものは、補正予算の際に加入者をたしか二万六千名維持するために、二万六千名に対しまして負担を願いました社債であります。今度の二十八年度になりますと、加入者の数も十八万と予定されておりますから、それによりまして、相当社債を負担してもらいます。加入者の数が著るしく殖えておるのであります。昨年の実績に鑑みて、我々は十分それは消化できるという考えでおります。これは今申しました二万六千名と申しますけれども、事実は加入者の開通が多少遅れておりましたから、一月以降三カ月間に開通した分ということになつておりますから、二万六千名よりは少し殖えております。そういう実情になります。
○山田節男君 今の総裁の御意見は、電話の加入者の殖えるということだけをお考えになつておるが、今私の問題にしておるのは、例えば都市の電話の局の統合ですね、これも私は電話のサービスで、建設と電話の加入をお殖やしになつておると同時に、困つておるのはこれも非常に困つておるのですから、電話加入者だけの目安からそういうことを……。それはまあ四十八億かかつても消化できるかも知れないし、今みたような小さい都市ですと、ちよつと外へ掛けるにしても市外電話でなかなかかからないという不便は、全然そういう方向に債券を引受けることをお考えにならんということは、結局そういうものは放つておかれるということになつて来ると思うのですが、現在地方の通信局かやつておることと多少その点が私はどうも合わんと思うのですが、だから余り政治的におつしやらなくても、四十八億というものは、結局やつぱり電話の、それは地元引受というのはパーセンテージは少いし、昨年度は二十億のうちで一億、今度は四十八億のうちで五億乃至六億というものを、どんなことをしても電話の統合をしてもらいたいという熱烈な希望があることは事実です。従つて貧困な都市では電話の統合ができなくて財政の余裕のある都市は年内に債券を全額引受けてやつてもらうということができますことは、これは社会的な面から見ましても、公社の公共性と……、数が殖えますと、そういう私は国民の非難が今日でもありますから、先ほど大臣に申しました、十八万の電話の加入申込で以てに十八億消化し切れるとおつしやつても、そういうこと自体が電話のサービス業というものの世界的に類のない特異性をますます性格付けるということになると思うのですが、公社が前垂れ式になられたということは、甚だそれとは遠いということになるから、私はあえて、これは意見の違うものをどうこうはせんですが、私国民を代表して御意見を一応お伺いしたい。
○説明員(梶井剛君) 只今加入者のことだけ申しまして、区域合併或いは方式変更等のことについて地方のかたがたに社債を負担してもらいますという方法についてのお答えをいたしませんでした。甚だ済みませんでしたが、公社の性格としましては、年々歳々方式変更の順位もきめております。又区域変更の順位もきめております。ところが地方によりましては、特に自分らが社債を負担するからして、方式変更を年度を繰上げてくれという御要望があります。又区域変更につきましても、区域編入につきましても、やはり年度を繰上げてやつてくれという御要望がありまして、そういう場合においてのみ社債の負担を願つておるのでありまして、計画内にあります方式変更或いは区域編入につきましては、そういう社債の負担を願わないようにしております。ところが現在同一市内において、市内通話しておる地域というものは非常に数多くございますから、各地域とも非常に不便を感じておられますために、今申しましたように急いでやつてくれという御要望の下にそういうところはやつておるわけでございます。
○山田節男君 これは今ちよつと総裁の言葉と実際と違うのですが、全額を引受ければお前は年内にやつてやる、半分引受けたらたしか二年か、三分の一の場合はと、ちやんと段階式にえらくやつて、無理やりでも金を出さなければならんようにおやりになつておつて、今の総裁のおつしやるような仏心じやないのですが……。これはちよつと私は総裁の言葉を何するのじやないが、ちよつと違いますから……。
○説明員(梶井剛君) 今余り大ざつぱに申上げたのでして……。
○山田節男君 大ざつぱと言つて、それは重要なことですよ。
○説明員(梶井剛君) 確かに今山田委員のおつしやられます通りに、全額引受ければ本年度においてやります、或いは半額ならば何年繰上げるというふうに、大体その繰上げるのにも、全額の場合におきましては極めてこれは容易に実行できますからして、本年にすぐやりますということを申しましたけれども、半分ということになりますと、そのあとの半分を公社が負担しなければなりません。そういうような関係で年度を本年度まで繰上げるということは困難でございまして、一年上げるとか、或いは二年繰上げるというふうに順序を作つておるわけであります。それによつて地方のほうの御要望に、相談に応じておるというわけであります。で決してこちらが強要しておるわけでもありません。地方のほうの御要望によつて、そんなに負担できんならばまあ一年や二年我慢しようということならばその通りしようというわけであります。
○山田節男君 結構なことでありますから、地方へよく一つあなたの気持が通りますように指令を発して下さい。
○久保等君 ちよつと只今の問題とも、只今の問題というのは資金計画の問題とも関連するのですが、大臣にお伺いしたい問題は、先ほど来言われておりますように非常に資金調達の問題はここのところ頭痛の種であり、四苦八苦してでも何とかとにかくやらなければならん状態にあるのですが、ところが政府自体のやつておりまする通信事業に対する施策というものは、私どもにも理解できかねるのですが、昨年の八月一日からの公社発足と同時に、御承知のように国際電電公社が、これはまあ株式会社になつてしまつたのですが、特にそういつた資金的な問題からというのじやなくて、通信事業の本来のあり方という面から考えて見ましても、むしろ国際と国内との分断ということが非常に、いわば不自然なんですね。実は作為的な経営のやり方だと思うのです。それでそういう点からも非常に問題があつたわけなんですが、これは資金の面から考えますと、実は国際の会社の事業というものはすでにまあ六億程度の利益を挙げておるようですが、年間二十億程度も儲かるところの電気通信事業にとつては、非常に資金面で助かつておつた部門があつたわけでありますが、これが実は切離されて、本年から正式に株式会社が発足しておりますが、更に又今度の法案でも、まあ私ども同じような考え方から発しておる面が多分にあると思うのですが、やはりPBXと申しますといわゆる構内交換機設備ですが、こういつたようなものも一つ今度何とか民間でやり得るようにしてもらえないかというよう動きもいろいろあつて、これも昨年の実は国際株式会社の問題が提案せられたと少くとも大体時期を同じうして国会に出て参つたのですが、この方針は今度も踏襲せられて出されて参つておるわけです。資金面、予算面から見れば、PBXの場合には国際の電信電話問題ほどそう大きな、厖大な金にはなりません。が併しいずれにいたしましても、少くともいわば採算のとれておる事業であることには間違いないし、利潤の挙つておる事業であることにも間違いないわけです。そうして見ると、先ほど来のような、非常に自分のやりくりでは勿論むずかしいし、更に外部から資金を求めるとしても、これも八方塞がりのような状態になつておるということで非常に四苦八苦されておる。一面こういつた採算のとれる部門は、昨年の株式会社法で国際を手放し、今度は又PBXも、これは決して荷厄介で困つておるというほどでもないのです。むしろ採算から申上げても実は若干カバーして行ける事業なんです。ところがこれを又あえて今度、いわば民間に開放して行くと、而もそれが果して電気通信事業の本来の性格からいつてどうなるか。ただ単に儲かるからという考え方じやなくて、事業の本来の性格からいつてどうなるかと申しますと、これはまあ私が先ほど御質問申上げたような点でもいろいろ実施上に問題があるわけなんです。ところが今度このPBXをやれば、そういう意味で資金面からいつてもそういうような実情にありながらことを民間に自営を許して行くという形、言葉はこれは極めて民主的な言葉で結構だと思うのですが、要するに加入者の自営を許すというのですから……。併しこれは飽くまでも実際加入者本人が工事をやるというような場合はこれは絶対ないと言つてもいいほど、まあ殆んどあり得ないわけです。そういうような実情で、結局民間業者がやるということになるわけですし、そのことがいろいろと悪影響を及ぼすいうことで、私どもも具体的な場合、予想される場合をいろいろお話申上げておるのですが、而もそれに対するいろいろ危惧される面に対する具体的な態度というものも実は余りまあお聞きできないような状態にあるわけなんですが、ところがこのPBXを今度の法案によりますると自営にいたすということになつておるわけなんですが、将来の資金面との関連性をも考えて、この問題を一体少くとも電気通信事業のあり方としては少しおかしいじやないかというふうにお考えになるかどうか。特に国際問題との関連性において、私は今日までとつて来ております通信行政という問題がどうも非常に相撞着しておるのじやないかということを指摘せざるを得ないのですが、大臣どんなふうにお考えですか。
○国務大臣(塚田十一郎君) この点は恐らく考え方の相違で、私の考え方を申上げても意見は合わないのだろうと思うのです。イデオロギーの相違と申しますか、私どものものの考え方は成るべく民間の手でできるものは民間に持つて行こう、又民間に仕事をやる人があるものは民間にやつてもらえばいいじやないか、こういう考え方であるわけであります。先ほどからまあ御承知のように総裁は専売などにも曾つて非常に民営を熱心に展開されたこともありましたが、当時私も衆議院の一人であつて、まだ時期には早いが考え方としては一応考えられる考え方であるということで、そのままになつておるのであります。それで国際電電が株式会社になりまして非常に利益を挙げたということも私も聞いておりますが、これも公社がうまくやつておつて、あれと同じように利益が挙るかどうか私もよくわからないし、少くともあれが株式会社になつて、余計利益が挙つたのじやないかとさえ思うわけです。更に私どもが考えておりますのは、ああいう儲かる事業を民間に移して、民間の人間に儲けさしたといろいろおつしやるけれども、そういう考えは持つておらないのでありまして、株は売買いたしますときにも、そのときの合理的な市中相場というもの、それから収益性というか又財産価値というものを勘案して、十分検討して、大蔵省が譲渡値段をきめて株の分割売買をしたようでもありますし、そういう工合にして民間の手に渡し、そして民間の手に移しましても、或る程度以上の株式会社というものは、我々の考え方では、今日株式会社は私企業であると言いながらも、昔の極く大ざつぱな感じで、私企業と公企業というように区別して考えておつた、そうして私企業というものは個人が儲かるのだというように考えておつたように、私どもは私企業、殊に或る規模以上の大きな国策的な仕事をしておる会社というものは私どもは考えておらんのでありまして、例えば株を持つておりましたつて、配当におのずから制限があることは御承知でもありましようし、従つて配当に制限があれば、市中相場だつてそう大きく変動は起らないし、従つて株の売買によつて利益を得るということはそうたんとはないだろう、そうして相当社内留保というものを予定いたしまして、そのうちの相当部分は税金で国が頂戴して来るという形になつておる。それで社内に留保されておれば、私企業でありましても当然その事業の将来の進歩発展のために使うという形にならざるを得ないわけであります。これは国際電電とそれから公社という二つの経営主体に分けて、その間の技術的な連絡がうまく行かないというような点、私も余り専門知識がありませんので自信を持つた御答弁を申上げられませんけれども、私どもが私企業と公企業というものに対する考え方は、そういうようなものの考え方をしておるのでありまして、従つて私企業に移して非常に能率が上つてよくなるという点を一〇〇%利用して、その面から出て来るその企業として好ましくない面はおのずから別の面でこれを規制して行くというふうに考えておるのが私どものそういう事業に対するものの考え方なんです。PBXの問題も、私が聞きましたところでは、今まで公社がやつておられたけれども、結局仕事を請負で以て相当他に下しておられるという形で、従つて民間には相当現在でもそういう仕事をやればやれる能力を持つており又やりたいという希望を持つておる人たちがたくさんあるというような場合には、私どものものの考え方としては、公社が引受けて下請に移すというよりは、やはり民間の人たちが直接そういう民間の人たちに適当な人を選んで仕事をお頼みになるということのほうがむしろ考え方としてはすつきりしておるのじやないかというふうに考えるのが、我々がPBXの問題を今度の形に直した考え方であります。恐らくはこれは最初に申上げましたようにお気持と相当違うであろうと思いますけれども、私どもは私どもなりにそういうものの考え方に立つてこういう措置をしておるのであり、従つて世間一般から、或いは一部の人から誤解をされておりますように自由党の吉田内閣のやり方が特殊な人たちを利益させるためにやるというような考え方に立つておるのだという点は、これは一つ誤解であるということに御了解を願いたいと考えるのであります。
○久保等君 大臣は冒頭に、この問題はイデオロギーの相違かも知れんと言つたのですが、私まあそれほどイデオロギーで考えるのじやなくて、事実を飽くまでも事実として考えてどうするかという問題になつて来ると、そう余り観念的に考えなくても実は一つの方法が見出せるのじやないか。即ち、まあ国際の問題なんかを考えて見ましても、少くとも国際を会社にするということについて、今までの経過は或いは詳細に御存じないかも知れませんけれども、いずれにしましても長い間電気通信事業を将来どうするかというようなことの研究機関なども、国会の衆参両院で持たれて研究したこともありましたのですが、審議会というようなのも作りまして、その過程で言われておつた中にも国際案というようなものも出て来なければ、政府も少くともそういつた面にタッチしておられる面におきましてもそういつた会社にしなければならんというような意見も出ておらんのです。それから昨年国際の問題の発端も、これは一部の人が誤解してというふうなことを言われますけれども、一部の人の誤解ではなくて、少くとも昨年の正月前後あたりの状況も、塚田大臣御存じかどうかは知りませんけれども、いずれにしても閣内でも前々から是非一つ電気通信事業はこの際、国際部門だけは会社にしなければならんというようなことはいわゆる理論的なものの中から出て来たことは私どもも承知しておらんし、大臣もこの点については御存じないと思います。そういう経過は一体どこから……、私どもは或いは吉田総理その者はイデオロギー的に割切つて判断しておられるのかも知れませんが、そういう考え方のイデオロギーで判断されるとすれば、これは私どもは非常に迷惑でもあるし、少くとも一国の国政というものを、或いは電気通信事業というものをいわば個人的の観念的のイデオロギーで割切られたのではこれは非常に国民全体として迷惑千万だし、電気通信事業としても非常に迷惑だと思います。それで国際の問題は昨年法律が七月末に通過しまして本年の四月一日から実施されたわけですが、別にイデオロギー的にどうこうというより一体技術的な面から、或いは経営の面でどうしても会社形態がいいのだという結論は、イデオロギーから言つても当然これは自由党内閣は国際はこれは会社にするのが最善だということは……。その点については大臣はいろいろ私企業の問題を取出されて言つておるが、私企業と電気通信事業は本質的に違うのでありまして又而も同じ公共事業の中でも、有機性の最も強い電気通信事業の場合に私どもは一般の私企業と混同して考えられては非常に迷惑千万だと考える。それで少くとも国際電電会社のあずかる国際通信というものもこれも又通信事業であり、而も電波が海外に飛び通信が海外に飛ぶからといつて見ても、これは国内通信との一体性において初めて通信の使命が達せられるのであつて、何もいわゆる領海を境にして、ここから向うは外国、ここから内は国内だというふうに区分けができるような正確なものではないということになつて参りますと、国際通信はこれはとにかく経営主体というものは当然切離すべきだ、而もこれは自由党政府としてイデオロギー的にいつてもそうあるべきだということには、仮にこれが資本主義を前提にして論議していつても、もうとにかく資本主義国家で国際電気通信事業というものはすべて株式会社だということはイデオロギーから割切れる問題でない。公共性の点は資本主義国家の中におかれようが、社会主義国家の中におかれようが、飽くまでも公共性ということが使命です。而も最低限のものを確保しなければならんということはこれは同じだと思います。とにかくそれが会社形態、いいのだという結論には残念ながらどういう名イデオロギーを以てしても私は割切れる問題じやないというふうに考えますし、更にそれが電気通信の実は本質から申上げた問題なのです。資金面の問題を言えばこれは幸いにといいますか、国際の面では非常に採算がとれ黒字があるという実態にありながら、あえてこれを生木を割くような形で国内通信と切離して行くということは、少くとも資金面という一面から見ただけでも非常に私は大きな矛盾ではないかと思う。若しこのことが先ほど言われたイデオロギーで割切られるとするならばこれこそまさにイデオロギーのために電気通信事業というものはこれは死活を制せられておるということにも実はなると思うのです。そういう点で非常に一方において資金面で四苦八苦しなければならん実情にありながら、一方の面においてはむしろ性格の本質にももとるような形で切離して行く。或いは又PBXの問題も只今お話がございましたが、勿論従来ともこれは或る一部のものについては、止むを得ない面については開放いたしておるわけです。自営を認めておる。だからこそむしろ私自体として申し上げたいのはなお更そういつた形に現在なつておるのに、それをより以上いわば枠を拡げてPBXの自営を大きく開放して行く必要がどこにあるかということを申上げておるわけなのです。だから現在の状況というものはPBXの自営というものは全然許しておらんという形でありません。自営を許しておる。公社がやることが適当でないというところ、或いは又困難と思われるところはこれはとにかくどんどんむしろ自営にしておるわけです。それだけに私どもはなぜこの際大幅にこれを自営という形に持つて行かなければならないのかということについて、資金面から考えてもその点は余り引合わない、採算のとれない事業でないだけに先ほどからの問題との関連性を考えて非常に大きな矛盾ではないかということを申上げておるわけなのです。而もこのことは飽くまでも事実に基いてお話を申上げておるので、イデオロギー論議を前提にした論議ではありませんので、一つそのあたりを事実に基いて矛盾をしないかどうかということの一つ御所見を承わりたいのであります。
○委員長(左藤義詮君) 大臣に申上げます。質疑の範囲で余りイデオロギーに関係しないように簡潔に御答弁を願います。
○国務大臣(塚田十一郎君) イデオロギーといいましても、而もイデオロギーで万事割切つて、それで電気通信事業の本来のあり方というものを我々が考えないかと言えば、それは大変間違いでありまして、我々は我々なりにどうするほうがこの事業本来の性格に合致し、又国民の利益に合致するかということを考えて我々はこうするほうが一番国民の利益に合致するというふうに考えておるのでありまして、それがそういうふうに同じく国民の利益に合致するものと考えながらも形が違うのは、それはものの考え方の違いから来るのではないかという意味で申上げたわけであります。 私どもはやはりものの改革制度を考える場合には絶えず国民の利益はどうであるか、又事業の本来はどうであるかということを私どもは私どもなりに考えておるということをはつきり申上げます。
○久保等君 そこで今の質問は、特にPBXの問題を十六特別国会に従来と同じ方針で提案せられたことについて公社になろうがなるまいが、電気通信省当時であろうが、或いは公社であろうがやはりPBXの問題については飽くまでもこれを民営に開放して行かなければならんのだという一貫した方針で国会に臨まれておるわけなので、その点については少くとも企業経営のあり方が相当大きく転換をしておるこの機会に政府事業であつた当時のものの考え方を一つ一遍考え直して見る必要があるのではないかというような意味でPBXの問題についても再検討せられるというような実は気持があつたのかなかつたのか、又再検討せられたのかどうなのか、そのあたりも大臣から一度一つ明確にお答え願つておきたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) いつも申上げますように余り専門的の知識がないものでありますから十分な検討はできたとは私は思わないのでありますが、今日新らしく私が郵政大臣の職に就きましてこの法案を再提出いたします場合には、私といたしましては従来のあり方、それから従来のものの考え方、そういうものをよく聞き、十分判断をした上でこういう結論をして、この法案を再提出したわけであります。
○久保等君 それで、更に極く最近料金問題も衆議院で修正せられるというようないわば新らしい事態がこれは出て参つておるわけです。従つて本国会の当初に再検討したかどうかという問題は、これはまあ只今の御答弁で、私自体には余りよくわからないし了解できないのですが、とにかく考えて見ないわけでもなかつたという程度の御答弁だと理解するのですが、とにかくそういう経過で国会へ出されて、最近料金値上げの問題で相当な修正が加えられたという事態になつて来て、この本国会の当初における事情以上に困難な資金面で問題が出て参つておるわけです。だからそれだけに私はこの点も先ほど申上げた資金問題として確かに大きな、これによつて財源が云々という問題ではございません。ございませんが、併しずつとどうやら採算のとれておる事業を殊更に引離すという理由は、私はよほどのことがなければ、どうしてもこれはやらなければ絶対駄目なんだということなら話は別ですが、まあまあとにかくどうやらやつておるし、まあ若干でも潤つておるのだ、事業の他の面にも潤つて来ておるということだつたら、この際強行するという必要も私ないのじやないかと考えるのです。そういう意味で新らしい情勢をも勘案してそういう面から再検討せられる一体大庭の御意思はおありになるかどうか、若し再検討しては行かないにしても、先ず先ず何か今の御答弁でも明確になつておらないような状態だとすれば、一つ十分に考えて見たほうがいいのじやないかというようにお考えなのか、やはり一つ全く揺ぎない確信を持つておる言われるのか、そのあたりを一つ御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) これは揺ぎない確信を持つておるかどうかというお尋ねであつたが、そこまで持つておるとは自信を以て申上げられないのでありますが、ただ私がこの問題を考えましたときに一番考えました点は、今度は相当大きな増設計画があるのだからこの仕事が非常にたくさんになるだろう、従つて公社が今までやつておつたことは確かであります。今までも請負に或る程度出しておつた、これをこのまま今までの形で以てやつて行くとすれば、仕事の量が非常に殖えるわけですから、仮に公社が自分でやるとすればその面で公社も技術者を殖やすなり何なりしなくちやならん。そういうことをするぐらいならば、民間に人がありやりたいと言つておる、やる能力がある人たちがおるのだから、それを利用して行くということのほうがいいのじやないか、かたがた検討して見ましたところが、こういう仕事で公社が幾らかでも利益を挙げるということも殆んど考えられないし、考えてないということであるならば、どちらの意味から見ても民間にある人を利用して、公社がそのために新らしく技術陣営を殖やすという非能率を避けるほうがいいのじやないか、従つて大幅な整備拡充計画というものが機会であつてこそ、私はこういう民間の人たちにやらせるという考え方が一緒に出て来たのだと私はそういうふうに了解しております。
○久保等君 只今非常に公社が手不足だという御発言でその点は非常に真を穿つての御発言かと思うのですが、確かに手不足の問題もあるかと思うのですが、同時に電気通信事業は年々、終戦後を考えて見ましても、これは電話にいたしましても、逐年非常にむしろ増設の電話機の個数などは殖えて参つておる、膨脹しておるのではないかと思うのですが、ところが一体これに順応したような、人の問題にしても一体殖やして来ておるかどうかというようなことになつて来ると、殖やすどころじやなくしてやはり今度も又塚田大臣は行政整理の総元締をやられるように実は伺つて、私どもは非常に何といいますか、安心するような不安なような気もいたすわけなんですが、とにかくこの前の一昨年も電通の場合は約一万人近い程度の定員の削減があつたわけです。その前に約二万人に近いこれは相当現業自体にもやめてもらつたという行政整理なんですが、そういうことがやられて来ておる。そうして見ますると人の足りないというどころじやなくして、むしろやめて行つてもらいたいという実は方法をとつて、電気通信事業の場合にも強引にやめさせて来ておるということもあるわけなのです。だからそういう点で或いは今度塚田大臣の今の言明から言えば、電通の場合にはこれは他は別として、相当今度の場合には天下に優秀な人材を採用するくらいの広告を出してもいいんじやないかという御発言のようにも受取れるんですが、そういう点から言つても時節柄としては私、非常に安心いたすわけであります。併し少くとも電通の場合には絶対に仕事は今の状態でどうにもならないという、実は建設面の仕事ですが、建設面の仕事においてもそういう面から検討せられてPBXの問題を自営にするという方針をきめられたのかどうか、この問題も一つ承わつておきたいと思うんです。只今の大臣の御発言でございますので……。
○国務大臣(塚田十一郎君) 私が行政整理を非常に熱心に考えておることは事実でありますが、ただ私がこの定員をどうするかという場合に企業体の定員というものと一般の公務員の定員というものと同じに考えてはいけないし、又考えない、こういうような考え方であります。なぜかと申しますと、私どもが強く公務員の人員の整理というものを考えますのは、それはそのまま国民の税によつて賄われるということを考え、そして国民負担というものが今日非常に重いということを考えますから、そういう結論になるのでありまして、従つて企業体の場合にはいわゆる税によつて負担されるという形にはなつておらんのでありますからして、そういう心配をしないのですが、併し税によつて負担されておらないにいたしましても、電信電話の場合はおのずから料金によつて又国民に負担をかけておるのでありますからして、それが非常に非能率に経営されるということであれば、形は違つても国民の負担を過重にしなければならんことと同じになりますから、そういうような意味において企業体の人員というものはむしろ、つまり非能率経営というものがないかどうか、従つて本当に仕事が殖え、整備拡充によつてあつちこつち電信電話がたくさんできて来るということであれば、当然必要なだけは人間をむしろ減らすどころじやない、殖やさなければならんという場合もあり得るし、そういう場合も行政整理をするというようなものの考え方で私は収めて行こうというようには考えておらんわけであります。
○久保等君 丁度いい機会でありますし、時宜を得た質問だと思いますので、一つもう少しこの問題について大臣の明確な御答弁を願つておけば、非常にこれは不安を、いわゆるよく大臣の言われる誤解を生じないで好ましいことだと思いますので、そういう点で、一言御質問いたしたいのですが、少くとも電通事業に関する定員の問題については、これは年々施設増に伴い定員の要求をいたしておるはずなのですが、それに対しての定員というものはなかなかやはり許されないというようなことが逐年累加されて来ておるんです。ところがそういう過去の経過の中にあつてやはり時の政府の吉田内閣の問題なんですが、吉田内閣としては何回か行政整理をやつておるわけなんです。それでそのときには常に画一的に実はやられておるわけです。右へならえ式の二割減或いは一割五分減と、現業幾ら非現幾らというような形でやられて来ておるわけです。これもイデオロギーの相違じやなくて、これはまさに事実なのです。そこで私電気通信事業の総元締である大臣が今度の場合には行政整理の非常に立役者という形で立案をされておるようでございますけれども、電気通信事業の現状というものは御承知のような状態で、只今申上げたような過去の経過の上に今日のような実情になつて参つておるわけですが、更にこれが今後大幅に重大な計画の下に五カ年計画というような形で将来を考えて参らなければならんということになつて参りますると、少くとも行政整理で整理をしなければならんという問題は、事電気通信に関する限りはもう夢想だにできないというふうに考えるわけなんですが、これはさつきの総裁に対する私の質問に対すると同じように、それは併し絶対にやめてもらわないというふうには行かないのだ、これはやはり或る年齢が来れば序めてもらわなければならんのだ、だから一人や二人はあるかも知れない、個々の自然状態でも普通あり得る状態を抜きにして、政府が考えておる行政整理に該当して、いわば一つの政策の面から来るやめてもらうという行政整理は電通の場合に考えられない。而もこれは事、ほかの問題なら別ですが、自分が直接あずかつて内容を知つておるだけに、自分のどのような尺度からしても行政整理をやらなければならんということはないだろうということで、ここらで一つ一つ片付けておいて頂くことが、大臣の今後の作業にも私は非常に役立つんじやないかと思いますので、ついでに私は一つお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(塚田十一郎君) 公務員の行政整理をするという同じ考え方で公共企業体の人員を扱うという考え方はいたしておりません。これは重ねて申上げます。そしてむしろこの点で私が今度の行政機構改革をいたしますときに、今までも問題が相当ここのところにあつた、こういう企業体に対しても、一応郵政省の郵政事業のほうへ移管するんだと、そういう形になつておりますが、国の公務員という形になつておる。そうすると役人が何人おる、国民一人に対して何人の割に役人がおるという非常にプリミテイヴの考え方で、人間が非常に多いのだという、そういう多いという勘定なんです。ここが私は一つの間違いであり、ここのところをはつきりと解いて行かなければならん。郵政事業は御承知のように国のほうから三十一億しか注ぎ込みをしてもらつておらない。併しこの三十一億というものも貯金の特別会計が集める、相当コストの高い金を他の目的からして非常に低い利子で以て資金運用部べ渡しておるということも出て来るので、私も郵政事業自体をもう少し厳格に検討して見れば、もう国の厄介になつておらんと考えておる。企業体というものは大体そうあるべきで、そうすると郵政事業に従事しておる人たちも現業に従事しておる人たちも、監督業務をやつておる人たちは又別でありますが、現業に従事しておる人たちは一般の公務員と別のものと考えなければならん。だから従つて一般公務員と同じような考え方で行政整理を考えておるわけではない。従つて一般公務員の場合の私の行政整理の考え方は、仕事があつて人間が出ておるから、その仕事を今の立場から、それから国民負担が非常にこう重くつて困つておる立場から考えて、今日の状態からこの程度のことは、過去のいきさつが、国がやるようになつているから、今は国がやる必要はないと思えるものは仕事をやめて人間を整理して、そうして国民負担を軽減するというように考えるのが私の行政整理の考え方、併し企業の場合にはこれは仕事はやるほうがむしろ国民のためなんですから、仕事があつて人間が要るというならばこれは減らすどころじやなくむしろ殖やすのが当り前。(笑声)そうはいうものの併し公社形態というものには私はほかの面から、ということはこれを能率経営をするという面から今のような状態で無駄がないかどうかという考え方から検討して見なければならん。国民に税金の負担はかからないが、料金という形で負担がかかるから、非能率経営が公社形態であるから許されるということは言えない。そうして今まで国の管理という形でやつていたから、やはり同じように政府企業という観念、従つて能率経営という観念がそういう公営企業の中に取入れられておりませんから、相当程度今郵政事業におきましても、又公社に移つたばかりの電通事業にいたしましても、そういう面からも今のこれだけの仕事をするのに、この機構でこれだけの人間が必要であるかということは国の行政整理とは別の観点ではあるが考え直してもらわなければならんのではないか。そういう点を十分検討して、成るほどこれだけは十分必要なんだということであれば勿論整理は行われませんし、更にそれで不足だということであれば殖えるということにはなるが、併し整理ということを考えないでいいということは公社経営の場合にも私は考えておりませんし、国が行政整理をする機会には、国がなおやつておる公営企業にも又公社にも同じような考え方で十分再検討して頂きたいということをお願いする強い決意を持つておるわけでございます。
○久保等君 ほかの委員会でこの部屋を使われるそうですから、余り時間がないようでございますから、私只今の問題だけ御質問いたしまして、なお若干の問題はあとに保留をいたしたいと思うのですが、今の質問だけを何とかけじめをつけておきたいのですが、大臣、能率的に果してやられておるかどうかという面で検討する必要があるというような御発言でございますけれども、少くとも先ほどのPBXの問題、この問題は若干範囲が違います。多少違つておると思いますが、併し私自体も勿論大企業となつた場合に、細かい一職場、一職場の配置までが、果して適当かどうかということについての問題は或いはあるかも知れません。併し少くとも総体としての人員を、まあ何割か或いは何分か知らんけれども、少くともこれを整理しなければならないというような、総体的な問題としてのいわゆる行政整理というものは考えられないのじやないか。というのは、先ほどのPBXの問題にしても、これを民間に開放するという一つの理由の中には、やはりこれが今大臣の言葉を借りて言えば、能率的にやればやり得るのだということになつて、やはりPBXというものは別にこの際あえて強行して民間に開放しなければならんのだというような実は状態にはないのだということになると思うのですが、とにかく先ほども人員の問題からも多少不自由なんであるというような御発言があつたわけなんですが、そういう点も行政整理の問題になると、いざ再検討という点で、少し人員の点に余裕があるかも知れないということになると、多少相前後するのじやないかというふうに考えるのですが、その点人員的な問題についてPBXの問題は全然問題がないのだが、他の面からこれを私営に開放するのだと言われるのか、その点一つ先ほどの問題と若干相撞着する面があると思いますが……。
○国務大臣(塚田十一郎君) この問題をPBXというように限る場合は、おのずからそれに必要な人員というものは、能力からも、技術からも限られた人間なんでありまして、私が行政整理と同じような考え方を公社においてやつてもらいたいということは、広い意味の公社経営上の全般についてでありますから、考え方としては少しも矛盾はしておらないと思うのであります。そうして必ずしもPBXの仕事をしませんでも、十分現在の人間が整理されずに能率を発揮して行くという意味においては、私は公社が今後いろいろな面において今後仕事が出て来ると思うのでありますが、そういう面の懸念が若しあつて人間を能率的に使えば、首を切らずにということであるならば、そういう方向において一つ今後ここで公社は電信電話事業というものが格段に今後相当短かい期間に拡張されるのですから、現実の整理というものは或いは行わずに済むかも知れないと考えておるのであります。
○久保等君 それでは行政整理の問題だけについてのけじめをつけておきたいのですが、勿論ここで行政整理をやるのかやらんのかという結論を端的に出すという段階には勿論ないと思いますし、そういうことで別にこれ以上余り突つこんだ御質問をしようとは思わないのですが、ただ併し少くとも概括的に言うならば、電気通信事業の場合には、少くとも大臣としての感じだけとしてでも、感覚だけにしても行政整理というものは電通の場合はあり得ないだろうという程度のことは、これは持つておられると思う。少くともそれをはつきりいわゆる確信を持つて言明できるかどうかということについては、時期的な問題としてもこれはまだそこの段階までは至つておらないのだという状況が只今の大臣の偽わらざる御心境だというふうに私は理解をいたすわけなんですが、そういうことでよろしうございますか。
○国務大臣(塚田十一郎君) 私は梶井総裁がきつとかように無駄な人間などを一人も置かないように恐らく経営なさつて頂いておるのだろうと確信はいたしておるのです。併し考え方としてはそうではありましようが、私もこういう工合に堪えがたきを忍んで大幅な整理をしようという機会だからもう一度一つ再検討して見て頂きたい、こういうふうにお願いするつもりでおります。
○委員長(左藤義詮君) 他に御質疑ございませんか。別に御質疑もないようでありますから、これにて三法案に対する質疑は終局したものと認め、三法案に対する質疑を打切ることに御異議ございませんか。
○久保等君 ちよつと、今の質問の点は、私は打切るというのは、この三法案全般の問題についてここで完全に質疑を打切つてしまうという意味の打切り方ではなく、今日のこの午前から引続いてやつております委員会は、部屋の関係その他の関係で、実はこれ以上質疑を続行することは困難なので、一応休憩にするなりいずれかにして結構ですから、それは別として、今日の質疑を打切るということにして頂きたい。朝から発言しておりますのは殆んど私一人で質問しておりますので、委員の各位も殆んど見えておらんという状態で、この席上で、本委員会で私は三法案についての質疑は全部終了いたしたということにはちよつと疑問があるのじやないかと思います。
○委員長(左藤義詮君) ちよつと速記をとめて下さい。 午後一時五十三分速記中止 —————・————— 午後二時十三分速記開始
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて下さい。 なお久保委員が若干の質疑を残しておられるようでございますので、本日の午後は三時から再開をいたしまして、三法案の取扱について御懇談をいたしたいと存じます。明日一時間程度で残余の質疑をして頂きまして、明日の午前中に討論、採決をするような日程にいたしたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(左藤義詮君) それではさように決しまして、三時まで休憩いたします。 午後二時十四分休憩 —————・————— 午後三時四十二分開会
○委員長(左藤義詮君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。 速記をとめて下さい。 午後三時四十三分速記中止 —————・————— 午後四時三十九分速記開始
○委員長(左藤義詮君) 速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十分散会