中共地域からの帰還者援護に関する特別委員会 第1号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/05/29
会議録
○仮委員長(大谷瑩潤君) 只今より参議院規則第八十条に基き、年長者の故を以て私が選挙管理者となり、中共地域からの帰還者援護に関する特別委員会の委員長の互選を行います。
○千田正君 委員長の互選は成規の手続を省略して、その指名を選挙管理者に一任することの動議を提出いたします。
○仮委員長(大谷瑩潤君) 只今の御動議の通り行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮委員長(大谷瑩潤君) 御異議ないものと存じます。ではさよう決定いたします。よつて選挙管理者は、第十六回国会中共地域からの帰還者援護に関する特別委員会の委員長に、常岡一郎君を指名いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮委員長(大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。よつて委員長は常岡一郎君と決定せられました。これで特別委員会の委員長の選挙は終りました。これより常岡委員長によつて議事を進行して頂くことといたします。 ――――――――――――― 〔仮委員長退席、委員長着席〕
○委員長(常岡一郎君) 御挨拶申上げます。このたび図らずも皆様の御支援を受けまして委員長の任に就くことになりました。誠に不束かなものでございますから、いろいろ皆様方に御世話になることと存じます。この委員会は微妙な国際情勢の下にいろいろな問題を処理しなければならないことが多々あると存じますので、突発的ないろいろな問題が起る虞れも将来にあると考えますが、そういう際に行届きませんので、その任をよく全うすることができるかどうかということを恐れる次第でございます。幸いに経験深い皆様方の御指導と御援助を頂きまして、その職を全うすることができますことを偏えにお願い申上げまして、誠に簡単でございますが御挨拶に代える次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○委員長(常岡一郎君) 次に理事の互選をいたしたいと存じます。これより本特別委員会の理事の互選に当りまして、理事の数は五名でございますが、その方法は如何いたしましようか。
○千田正君 理事の互選は成規の手続を省略いたしまして、その指名を委員長に一任することの動議を提出いたします。
○委員長(常岡一郎君) 只今の動議の通りに行うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常岡一郎君) 御異議ないものと認めます。よつて委員長は自由党から西岡委員、緑風会から飯島委員、社会党第四控室から三橋委員、社会党第二控室から山下委員、改進党、無所属クラブ、純無所属クラブとを代表いたしまして千田委員、以上五名の方を理事に指名いたしたいと存じますが異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常岡一郎君) 御異議ないと認めます。よつて以上の五名の方に理事になつて頂くことに決定いたしました。速記をやめて下さい。 午前十一時五十三分速記中止 ―――――・――――― 午後零時六分速記開始
○委員長(常岡一郎君) 速記を始めて下さい。一応これで休憩いたします。 午後零時七分休憩 ―――――・――――― 午後二時四十分開会
○委員長(常岡一郎君) 只今より委員会を再開いたします。 午前の委員会の決定に基きまして、これより中共地域からの帰還者の生活援護に関する六月分の暫定予算を議題といたします。 先ず本件につきまして木村引揚援護庁長官から説明を聴取することにいたします。
○政府委員(木村忠二郎君) 中共地域からの引揚受入に必要なる経費といたしましては、昭和二十七年度分として一億四千二百三十万七千円、それから四、五月の暫定予算といたしまして六億二千五百五十五万七千円というふうに組んであつたのであります。六月分といたしましては一応一億五千八百十万七千円という予算を組みまして案を出しておるわけでございます。大体の考え方を申しますと、昭和二十七年度分は五千人分を計上いたしました。これが一億四千二百三十万七千円でございます。それから四、五月分といたしまして二万人分を計上いたしまして六億二千五百五十五万七千円ということになりました。それから六月分は残りの五千人分というので一億五千八百十万七千円、合計いたしまして三万人、これが中共側がこちらに帰すといつております数字三万人というものに合せてあるわけでございます。 帰還いたしまする順序を申しますと、大体一船団三千乃至五千人、現在までに三船団終つておりまして、三船団合せまして一万四千五百人はかりの者が帰還いたしております。残余が約一万五千人、これに対しまする予算は四、五、六月分の暫定予算でもつて一応できる計算に相成つております。現在までに三月に一回、四月に一回、それから本月一回と、三回三船団帰つて参つております。予定によりますれば六月、七月、八月各月に一回ずつ三船団、合せまして六船団三万人ということに相成るわけでありまして、四、五、六の三月分の予算で以て一応八月までが賄えることになります。この内容につきましてはお手許に配付してありまする援護等の大要というものと合せまして、これによりまして御説明申上げたいと思います。 第一、帰還輸送船内、これは先方の港から日本の港まで入ります。日本の港は舞鶴港を引揚の受入港にいたしておりまするが、ここまで帰つて参ります船の中の諸経費でございまして、給養はここに書いてありまするように船内の寝具、これは援護局から船に渡します。それから航海中の食事につきましては一人一日単価百七十円七銭、三千カロリーを確保することにいたしまして、主食六〇〇グラム、副食八四〇グラム、調味料若干を内容とする給食を行う。これは六日分だけ予算としましては組んでございます。実際には六日の必要はないのでございまして、従来の実績を見ますと大体四日あればいいということに相成つております。 それから次は医療でございますが、帰還輸送船の大型船と小型船でございます。大型船は大体千七百名乃至二千名乗せる船でございます。興安丸と高砂丸、これには医師を三名、看護婦十五名、それから小型船は五百人乗ります、白山丸と白龍丸でこれは医師一名、看護婦六名、大型船は先ほど申しましたように約二千名、小型船は五百名でございますので大体この比率で一応いいのじやないかと考えられます。これは当初もう少し少かつたのでありまするけれども、第一次輸送船の実際の実情によりましてこれを改めまして医療は殖やしました。これは予想外に病人が多いという実情によりましてこの医師、看護婦を入れることにいたしました。なお船の側からはもう少し増してもらいたいという意向があるようであります。これにつきましては検討いたしてみたいと思つておりまするが、船の側ではそういう意向があるということを噂に聞いておる程度でありまして正式に聞いておりません。そういう話があるということをほかを通しましてちよつと聞いております。普通のソ連あたりの引揚の場合と違いまして非常にこの方に手が余計かかりまするのは、家族を持つておりまする関係上病人が割合に多いのじやないかというふうにも考えられまするし、どういう事情でありますか、普通のお客よりは病人が非常に多いし、更に医者にみてもらいたがる人が非常に多いようでございます。 それから引揚につきましていろいろ上陸いたしましてからあとの手続等のために必要なる指導、世話をいたしまするために、特別にそういう事務をとりまする船員を乗せてもらうように船にお願いいたしますので、その方に必要なる経費をその他に若干組んでございます。なお船に積みまする医薬品、石炭、水の経費といつたようなものを若干組んでおりまして、これを海上輸送援護費といたしまして合計で四千百万円、今度の六月分といたしましては千二百五十九万三千円出して組んでおります。 次に舞鶴引揚援護局内におきまする援護、これは上陸いたしまして入国の諸手続をいたしまして、そうしてこれを汽車に乗せましてそれぞれの落着く先に行く、その汽車に乗るまでの仕事を全部舞鶴引揚援護局におきまして行なつております。そのための費用といたしましては、この中に入つておりまする間におきまする食糧、大体三泊四日向うに滞在しております。船が着きまして上陸する日、それから寮におります日が二日、それから送り出す日、丁度三泊四日になります。この間の食糧費は船の中と同様でございます。それから予算といたしましては五日分組んでございますが、今申しましたように実際には三泊四日でございます。必要によりまして、船が非常に遅く入つたというようなときにはもう一日延びるようなことがございまするけれどもできるだけ三泊四日にいたしまして、一日も早く落着く先に落着くようにして頂きたいというふうに考えております。 それからこの文書にありまする検疫、入国査証、税関検査、これはそれぞれ検疫は厚生省の検疫所のほうでやります。入国査証は法務省の入国管理局でいたします。それから税関検査は大蔵省で所管いたしております。ここに持帰金の点が税関検査等に書いてございます。香港ドルを持つて帰りました者につきまして特別の措置を今回講じまして、従来こちらに持帰りを認めておりませんでした香港ドルにつきまして特に香港政庁と連絡をとりまして、これを現金に引換えるようにいたしております。即座に引換えますのが二万円の限度であります。その他の超過分は香港でこれを成規の手続きを経まして外貨に替えまして、そうしてこれをこちらでもつて円に替えておるのであります。次の給養と書いてありまするのは先ほど申しました三泊四日の食費でございます。なおこの間に電報を一回打つことができるようにいたしております。それから入浴をここでするということにいたしております。この入浴は大体一回でございます。 それから次の身上相談等は係官を厚生省、労働省、文部省といつたようなもののほかに、戸籍の相談或いは南方の帰国相談といつたものができまするようにそれぞれの関係庁の係官を派遣いたしております。それから引揚証明書の交付は定着地にありまして食糧の配給を受けたり、援護物資の交付を受けるという場合に、その人が引揚げて来たものであるということの証拠になりますものでありますので、ここで以てこれを交付いたしております。それから元の軍人、軍属につきましての復員業務もここで行う。 それから援護物資の交付、これにつきましては大体男子に対しましては、手持の物資を、元の軍関係のものと同じような物資を交付いたしております。女子に対しましては被服の材料をこちらで買入れましてこれを渡しております。現在は原反で渡しております。それから次には応急援護費の支給、これは帰郷旅費と帰郷雑費ということになりますが、元の軍人とそれから元の軍人でなかつた者とが名前が違うだけでありまして金額は同じであります。距離に応じまして一人当り大人が千円乃至三千円、子供がその半額という帰郷雑費を支給いたしております。次の帰還手当は今回の中共引揚から初めて交付するものとなつたものでございまして、これは帰りまして当座の生活資金、或いは就業のための繋ぎ資金といつたような就業準備金というような意味を以ちまして帰還者全員に対しまして大人は一人当り一万円、子供が一人当り五千円の帰還手当を一律に支給することといたしました。第一次帰還船まではこれを持帰金から差引をいたしたのでありまするけれども、これは手続上も非常に問題もございますし、実際問題といたしまして物を持つて帰つた人と金を持つて帰つた人との間の不均衡という点もございまするので、これは第一次に遡りまして全部一律に支給することにいたしたのであります。 それから病人はここで応急医療と書いてありまするように、軽い者は援護庁の医務室に入れましてそこで静養、治療を加えるわけであります。重い者はすべて国立病院に直送して入院させて療養させております。これらにつきましては従来は未復員については全額国費で以てやつておりまして、一般邦人は国では全然見なかつたのでありまするけれども、この中共引揚以降二十五日間を国費で以て治療することにいたしました。なお応急医療の局内におきます医務室の整備をいたしまするために医師一名、薬剤師一名、看護婦十各をここに特派いたしまして治療に当らせるようにいたしております。それから郷土室の設置、これは各府県の経費で以て作らせております。それから次の托児施設の設置、これは今回の引揚が幼児をたくされ連れております者がありまするので、引揚の業務をいたしまするために子供の面倒をみる必要がございますので、保姆十名をここに入れまして托児業務を行わせるようにいたしてございます。 これらの経費が併せまして合計で三億八千九百八十一万五千五百円、このうちの六月の暫定予算は一億三千四百四十九万三千円でございます。この今申しました経費の中には援護局の人件費等は入つておりません。これは援護に必要なる諸経費でございます。 それから次に三泊三日援護局におきまして業務を終えまして定着地まで帰りまする間の陸上の輸送が、これは途中の汽船等まで含むわけでありますが、そこまで行きます輸送につきましては、東舞鶴駅から帰郷地までの鉄道輸送、これは荷物すべてを含めまして援護庁が負担することにいたしまして、引揚者に対しましては無料で行うようにいたしております。それから東は舞鶴から東京まで、西は舞鶴から鳥栖まで、特別の臨時列車を出しております。その他の国鉄の幹線の間はできるだけ計画輸送によるようにいたしております。それから発駅から帰郷地までの車中の食糧といたしましては、引揚者弁当を支給することといたしまして、これはたしか交通公社がやつておると思いますが、これに対しまして途中の適当なる駅におきまして弁当が全部に交付されるようにいたしてございます。その車中食糧費は一人一日二百二十二円二十八銭ということに相成つております。それから途中の主要の駅におきましては湯茶、味噌汁等の接待をしたり、或いは途中で休養相談もできまするように主要駅におきまするそういう施設を府県をして行わしめております。又汽車の中には治療ができまするように医療関係者を乗車させるように措置いたしてございます。これは無論国鉄幹線だけでございます。それから患者の輸送につきましては引揚患者の病院間の転送を必要とするような、つまり担送を要するような患者のためには東京舞鶴間と、それから鳥栖との間には患者専用車、寝台車を特設いたしまして、これで輸送するようにいたしております。その他につきましてもできる限り担荷を以ちまして寝たまま輸送ができるようにいたしておるのでございます。これらに要しまする諸経費が併せまして五千八百九十四万五千八百円、合計でございましてそのうち六月分として組んでございますのは千十五万八千円でございます。 今申しましたのは直接の援護庁の経費でございまして、そのほかに主要駅におきます地方に対する補助金といたしまして、合計二百六十万円ばかりが組まれております。補助率は八割といたしておりますけれども、実際には府県が相当多額に出しておりますので八割というのは名目でありまして、実際はこの金額は五割見当のようになつているのじやないかというふうに考えられます。 それから最後の定着地におきます援護でございまするが、定着地に着きまして一応落着く先のございまする者につきましては、それぞれの縁故者の所に落着いてもらうというのが建前になつております。併し参ります先の縁故者がいない、或いは縁故者がおりましてもそこに今落着けないという状況の人に対しましては、引揚者の住宅を提供するように相成つておりまするが、その住宅ができまするまでの応急収容施設といたしまして主要都市に一時収容所を設置することになつております。これは東京におきましては九カ所、その他におきましては二カ所乃至一カ所というのが各県に設けられてございます。それから引揚者住宅でございますが、これはおおむね三千五百戸建造されております。正確に申しますと三千四百四十七戸でございます。そのうち二十七年度分として四百三十七戸をすでに建築いたしてございます。二十八年度分は三千戸作るのでございますが、差当り一千戸各県に割当をいたしまして現在建築中でございまして残りの二千戸につきましては、これから引揚者の定着の状況によりましてこれを配付いたすつもりでおります。何を申しましても引揚者がどこに定着するかということがわかりません。又その定着した場所におきまする住居の不足状況というものがわかりませんと、住居をそこに作りましても一方で不足を生じ一方で無駄を生ずるという虞れがございますので、一応定着の見込がはつきりついた時にこれを定着するようにいたしたいと考えまして、先ず一千戸本年度割当をいたしております。次の一千戸は近く従来の定着状況というものによりまして配付いたしまして、県におきまする計画を立てたいと思つております。最後の一千戸でもつて最後の補正をするというようにいたしたいと考えておるのであります。その次に書いてありまする応急家財の支給、これは帰りました人々の持つておりまするものの状況等によりまして、非常に家財に困りまする人々に対しましては、救護用品等の生活必需の資材を世話しなければなりませんので、これを都道府県で斡旋させるようにいたしております。この経費は一千四百八十万円全額で組んでおります。この経費は全部すでに五月分までの予算でもつて全額組んであるわけでございます。従つて六月分としましてはこの予算は組んでない。つまり四、五月分までに大体三万人に相当するものについて組んであるわけでございます。 それから医療費の点につきましては、先ほど申しましたように二十五日分ということになつております。これは舞鶴の病院に入りましてそこからそれぞれの郷里に近い病院に転送する、その転送の期間を除きまして二十五日分平均といたしております。従つて大体一カ月間は国庫でもつてその負担をされるという結論に相成るわけであります。 次の更生資金は、従来国民金融公庫で引揚者のための生業資金の特別貸付を行なつておつたのでありますが、これが従来一口三万円でございましたものを五万円に引上げることにいたします。限度を五万円に引上げました。それから利率もこれを引下げるということにいたしました。それから次の引揚援護、愛の運動、これはやはり各県に対しまして五割の補助で、非常に少いのでありまするが総額百八十万円を組んであるわけであります。それから最後の職業の斡旋、就職等につきましては、これは厚生省の予算といたしましては組まれておりませんが、労働省におきましてこの就職の斡旋について特別なる措置を講ずることにいたしておりますることは、本日厚生大臣が仰せになつた通りであります。これにつきましては特別の予算は厚生省としては組んではございません。それから引揚者子弟の教育、戸籍に関する事項、これは応急援護の措置はいたしますが、これらにつきましてはそれぞれ担当の省について所管いたすことになつております。厚生省では組んでないのであります。 以上申上げました件を合せまして合計して予算が九億二千五百九十七万一千百円というのが、今度の三万人の中共地域からの引揚者の受入に必要な総経費になつております。ただこれには先ほど申しましたように、厚生省関係つまり引揚援護庁関係の予算だけでありまして、このほかに運輸省その他の各省の経費の必要なものがほかのところにあるわけであります。大部分は運輸省の船の雇い上げをいたしまする経費がこのほかにあるわけでございます。
○千田正君 そこで長官にお伺いしたいのはこの経費が一応六月の暫定予算、六月は含むんですね。
○政府委員(木村忠二郎君) 六月も含んでおります。
○千田正君 含んでおりますね。それであなた方のお考えからすればこの予算で十分にやつていけるという考えでありますか。
○政府委員(木村忠二郎君) 十分というのはどの程度が十分かということになりますると、まあ手厚ければ手厚いほどいいものだろうと思つております。従来ソ連その他から引揚げて帰られました方々と比べますと雲泥の相違というくらいの処遇である。従来から取扱つたものといたしましてはそう考えられます。船内の食事或いは援護局内の食事等につきましては、引揚者の方々の中にはこれは少し賛沢すぎるというくらいに言われておるわけでありまして、一応応急援護といたしましては私はこれがまあ精一杯のところじやないかというふうに考えます。定着地におきまする援護につきましてはなおいろいろな問題もあろうと思つております。
○千田正君 私の聞く理由というのは不十分だからどうというわけじやないのです。これは本当にスムースにやつて行ける予算であればそれで結構なのであつて、今暫定予算を組まれつつある。間もなくこの予算を組まなければならないという立場にあるので、できれば我々はあなた方を一つ応援してあげようという意味の我々としての考え方なんでありますから、暫定予算期間中における引揚の体制はこれで一応整えられると、こういうわけでありますね。
○政府委員(木村忠二郎君) 一応私はよかろうと思つております。大体六月分までとしても八月分まで程度のものがみな組んでございますので、一応臨時のようなことがございましてもこれだけのものがあれば何とかやつて行けると思つております。
○千田正君 定着後の問題については別に又一応ほかの皆さんからもこの問題について御質問があろうと思いますから、あとに譲ります。
○山下義信君 私はすでに前三回で帰国された人たちの新聞では断片的に見ておるのですけれども、ここにはまとまつた資料は私持つておらないので資料をあとで政府から頂戴したいと思うのですが、一万四千五百人ですか、その方々の家族の今も御説明がありましたが、今回の帰国者の特殊な点は家族連れが多いという、殊に子供などが多いというその家族構成といいますか、妻帯者が何人、子供を持つておる者が何人、その一世帯何人の家族を持つておつた者が何組といつたような帰国者の家族状況が一目瞭然にわかるような資料を頂戴したいと思うのです。 それからすでに援護の当面の措置を了しておられるわけなんですから、今おつしやつた定着の見込の、どう言いますか、私はこの引揚関係に十分な経験がないので用語が或いは間違うかわかりませんが、まだ定着地のきまつていない、この援護要綱でいいますと一時収容所にいる人が何人いるか、或いはつまりそういつたようなその援護要綱に即して措置の済んだと言つてよろしいか、或いは措置が済んでいないというようなその援護状況です。すでに今日までとられた援護状況の大略がわかるものを資料として頂戴したい。それが第二の資料。 それから第三はこの前三回で帰国されたそれらの人たちが、内地に到着せられてからいろいろな要望をされたはずです。それで政府がこういうような当方でお世話いたしますと説明をする、或いはその援護の措置をされる、それに対してそれでは足りないとか、もつとこうしてくれとかいろいろな要望が出ていると思う。それは当局でわかつていると思う。例えば金については生活費がこれだけ就職まで上げます。とこう言う。それじや足りないから二千円くれと、二千五百円くれと言つた。或いは生業資金は一口何ぼを貸すことになつておりますと、あなた方のほうでは一つの基準を示される。それじや足りないから私はこうしたいから私には十万円貸してもらいたいという、いろいろな各般に亘つての要望が帰国者から出ているんじやないかと思う。当局はその要望の声を十分承知しておられると思うんです。これは資料がむずかしければ大体の状況をここで一つ答弁で以て説明して頂いてもよろしいのです。わかつておればそういうふうな帰国者の要望の一覧表、これがあるとこの全体の一万四千五百人の人たちの全体の大体の要望の大略が我々としてもつかめる。この帰国者の人たちの一人一人に面接するわけに行かない。そうかといつて、極く一部の少数のグループの人が、これは足りないからああもしてくれ、こうもしてくれということを以て直ちに全般の声であるということもこれは即断に過ぎるきらいがある。当局はこの全部の人たちに一応上陸地では会つておられるのであります。又援護の措置を実際に取扱つておられるのでありますから、金額その他において不足があれば不足、その他において要望があれば要望、いろいろとすでにそういう状況がおわかりだろうと思いますから、これは資料として頂戴ができるか、或いはここで御答弁が頂ければ御答弁を願いたい。それによつて私どもは一つの物質或いは金銭等によるところの援護のそれらの金額等が不足であるか十分であるかということの判定の資料にもいたしたいと思うんです。以上は資料として私がお願い、若しくは御答弁としてお願いをすることなんです。 いま一つここでお尋ねすることは、この六月の暫定予算、四、五の緊急予算に続いて今国会で審議しておる六月の暫定予算に関連してお尋ねするのは、今回援護要綱に定められました種種なる支給に関しまする金額ですが、これは一体今長官の御説明では、例えば船内の食事等については従来から見ると雲泥の差がある、実にいい待遇であつて特別の処遇であるということであります。又この援護全体も従来の引揚から比べると行届いておる、程度がよろしいということであると、そうであろうと思うのでありますが、これらの金額を支給する何か基準がありますか。又その基準は何かの根拠によつていたされておるのか。つまり本員が知りたいと思うことは、何かこの引揚に関し帰国者に対する援護のこれらの施策をするのには一定の根拠があつてするのか、或いは当局の一つの行政措置として手心ができるのか。足りないと思えば増すことができる、不平があれば抑える、まあ殖やして上げることもできる、つまり要望があればそれに応じて弾力のある運用ができるかどうかということを一応聞いておきたいと思うんです。資料の要求は資料の要求、御説明で足りんところは承わりますから、右の諸点について御答弁をお願いいたします。
○千田正君 今の山下委員のお尋ねは非常に重大な問題であると思います。それでそのうち特に山下委員の御質問にお答えすると同時に一括してお答え願いたい点の一つは、ここに更生資金というのがありますが、ここに引揚者のうち生業のための資金を必要とする者に対してはこれは二億円を限り国民金融公庫をして更生資金の貸付を行わしむると、これも今の山下委員から質問がありました通り、一体一人当り幾らまで貸付けておるのか、或いは一世帯なのか、こういう面につきましてただ漠としていて、こういうことでは私どもよく了承しかねるのでありまして、その点を今のような山下委員の御質問にお答えのとき併せてお答えして頂きたいと思います
○政府委員(木村忠二郎君) 数字は第一次から第三次までの船団のものにつきまして、資料をこしらえまして差上げるようにいたします。 それから実施状況につきまして一般帰還者が気にいたしておりまするのは、職と住の問題でございます。この職と住の問題につきましては、当局といたしましても、これも非常に重大視いたしております。職の問題はそのために労働省と連絡をとりまして、その方面の資料を現在とつておるのでありまするが、第一船団から第三船団までの間に帰りました人の中で就職の希望をいたしておりまする者が三千余名ありまして、そのうちで千名ちよつと約三分の一強の人が就職が決定いたしております。残りの中で千七百名ばかり、これが目下就職斡旋中というふうに労働省では申しております。これら以外の者で縁故就職いたした者も相当あるようでございます。この数字をまとめまして、差上げたいと思います。 それから住宅の問題につきましては、先ほど申上げましたように落着き先が一応きまつたその上で全般的な措置がとられまするので、現在までは引揚者が集団的に相当入つて来ると思われる大都市に住宅を建設する方針をとつて参つております。つまり無駄のない場所に一応建てるようにいたしております。今後帰ります人々が落着きました先におきまして住宅の足りないというものにつきまして、できるだけ早く割当をいたしたいと考えておるわけであります。その他の諸経費等の支給は割合に円滑に行つているのでありまして、持帰り金の兌換等も当初の大蔵省の話では順調に行つて三カ月乃至六カ月くらい兌換にかかるというような話でありましたけれども、これを電報その他飛行便等を使いまして措置をいたしました結果、二十五日で大体手続が全部終り支給の事務が開始されるということに相成つております。この点も割合によく行つておるようでございます。 それから帰還者からの要望でございまするが、これは画一的な要望がなされておるようでございます。内容は第一船団以来、船団が殖えまするたびに逐次要求項目が殖えて参つてだんだん具体的になつております。非常に国内におきまする援護の状況をよく知つておつてその大体二倍くらいの要求をされるというのが要求の形式のようでございます。別に理由があつてでなしに二倍を要求するという形をとつておるんじやなかろうかと邪推されるような要求の仕方をされておるようであります。あらゆる船から参ります要求が全部殆んど同じでございます。これも各船団ごとに誰かが指導しているんじやなかろうかと思われるような出し方でございます。これにつきましても資料は御希望によりまして差上げたいと思つております。それから最後にお話がありました更生資金の面でございまするが、これは更生資金の貸付要項を資料として差上げたいと思います。
○山下義信君 援護の基準が何か法的根拠がないと、要求に従つてその都度に容れるか容れないか、応ずるか、応じないかということもしよつちゆう繰返えされておるわけなんです。これは例えば職業に就くまでの生活の保障、これは生活保護法を適用するということになれば引揚の特別援護にはならんわけです。やはり就職するまでのつまり特別の援護をするのでしよう。ここには今御説明の中にはなかつたようです。なかつたようでありますが要望にはあるように聞いておる。そういうことも内地のものの一般の国民に適用するという基準ではないのだろうと思う。そういうふうな就職するまでの生活の援護ということを一つ取上げてみるとそれはどうするか。やはり厳然として一般の国民と同じように適用するのだということになれば帰国者の特別の援護にはならぬ。それで特別の援護という上で就職までの生活の援護をするのだということになれば、その程度については生活保護法の規定を以て答弁するということばかりでもいけない。巾があるだろうと言われたならばないということも言えないことになつて来る。そういうことは何か一定の基準によつてやるか、又は極く素朴な言い方で言えば法的根拠が何かあるか。ただ単に行政措置でやるのかという点をさつき聞いたのですが、その点どうでしようか。
○政府委員(木村忠二郎君) この基準と申しましても別に法律の根拠は全然ございません。現在やつております引揚者に対しまする援護はすべてこれは行政措置としての援護をやつておるのでございます。従いまして予算で以てきめられました範囲内におきましてその仕事をやつておるということになりますので、これを変更いたしまするということにつきましては、それに必要なる予算的なる措置を講ずるということに相成るのじやないかと思います。 ただ船中及び局内におきまする食費につきましては、食事の内容を船員の食事と同等にするということにいたしております。従来は大体政府のいたしておりまする他の施設におきまする食費というものよりも若干いいという程度にいたしておつたのであります。これを船で労働に従事いたしておりまするところの船員と同じ内容の鼻つまり副食物の量或いは質をそれと同じものにするという計算で以て只今の単価が出ております。その他のものにつきましてはどの程度なものにしたらよろしいかということにつきましては、一応予算で以て単価をきめました。その単価によつておるのであります。従いましてこれに法律上或いはその他の基準があるというものではないのであります。 なお帰還手当は新らしく今回設置いたしたものでございまするが、これも別に何という根拠があるわけではないのでありまして、一応この程度のものが繋ぎの金として必要だろうということでございます。これと生活困難の場合の生活費の問題というものも又あると思いますが、これらにつきましては生活保護法の一般原則に従うということになるのであります。特別の援護としてなされますものは一律に病人に対しまする二十五日間の医療とそれからいろいろな援護金等の帰還手当というものが特別にされる。或いは住宅の特別のものを建てるというようなものが資金の面におきまするところの特別な援護ということに相成るわけであります。
○山下義信君 行政措置でやつておる、つまり結局は予算を決定すればそれで予算によつてやつておると、こういうことになる。この更生資金の財源ですが、これは暫定予算に四、五、六、みな計上されてありましようか。
○政府委員(木村忠二郎君) 更生資金は国民金融公庫に政府が出資いたしまする金の中から二億円をそのほうに特別の枠を作つておるわけであります。従つてこれが全部そのほうに行つておるわけであります。
○山下義信君 それは二十七年度予算で出資したのでもう十分なんでしようか。二十八年度予算には関係ないんでしようか。
○政府委員(木村忠二郎君) 二十八年度予算として出資いたしたものの中にその枠が設けてございます。
○山下義信君 二十八年度予算で政府出資は結局四、五、六の予算の中にあるんでしようか。
○政府委員(木村忠二郎君) これは入つているはずだと思います。すでに各県に対しましては割当を出しておりますから入つていなければできないのです。
○山下義信君 あなた方のほうには関係がないわけですね。
○政府委員(木村忠二郎君) 関係ないわけです。
○山下義信君 そうするとこの住宅費はあなたの援護庁の予算になつておるのですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 住宅につきましては二十七年度と二十八年度は四、五二カ月で以て全部を入れてございます。
○山下義信君 四、五でみんな二十八年度に建てようという予定の予算を取つてあるか……
○政府委員(木村忠二郎君) さようでございます。
○山下義信君 差当つてその予算の使用の中で一番急を要する……、逆に聞くのですよ。これは教えて貰うことになるのですが、私の質問は一番急を要する予算支出は何ですか。
○政府委員(木村忠二郎君) やはり一番急を要しますのは、応急援護の関係の経費でございます。船の中、それから援護局内及び陸上輸送、この関係はその場で金を払わなければなりませんからこれは一番急を要するわけであります。定着いたしましてからのあとの問題につきましては、これも早い方がいいことは間違いないことでございますけれども、これはそのあとの措置ということになると存じます。
○山下義信君 いま一つ最後に聞きますが、生活を保障してあげなければならんというような人たちはおよそどの程度ございましようか。又その生活の保障ぶりというものはどういう程度に行われておりましようか。
○政府委員(木村忠二郎君) 生活の保障の問題につきましては、大体帰還手当を他の方に使う、つまり帰還手当が就職準備となるというような使い方をする人につきましては、直ちに生活保護法をかけてその間の繋ぎを生活をさせるということが建前になつておりまして、帰還手当を生活費には成るべく充てないようにいたしたいと思つております。ただそうでない生活能力のない人々になりますとなかなかそういうわけには参らんのであります。一応これで以て生活に必要なる資材を買入れまして、そうしてできるだけ早い機会に生活保護を適用するということになつてくるんじやないかと考えております。 それから医療等につきましては、この経費がありまするからこの経費を先ず医療費に充てて、生活保護をあとから適用することのないようにいたしたいと考えます。大体そういう扱いに相成つております。
○山下義信君 今そういうふうな援護の必要のある人が約一万五千、すでに帰還者の中で生活に相当心配されると思われる人たちがどの程度ありましようか。
○政府委員(木村忠二郎君) 現在までの統計をはつきりした数字でちよつと申上げるわけにはいかないと思います。現在まだ帰りまして落着いたばかりのことでございますし、それから今回の引揚者は非常に大多数の方々が持帰り金を持つておられますし、家財等も相当持つて帰つておられる人がおられるようでございますから、今の状態で以て先のことはなかなか見通しはつかんと思います。差当りの予定といたしましては、一時収容所に入つておられる方の中で就職のきまつていない人というのは大体生活には困つておられるというふうに考えております。
○山下義信君 大体わかりましたが、今回帰還手当というものが新たに出されたのです。これで以ていろいろ準備のこともできるわけである。就職の未決定の人が千七百ほどおる。この人たちは相当困つておられるのではないかということも予想されるのでありますが、今回の帰還者の特殊な事情から鑑みて、私は帰還手当はあつても、家財道具はあつても言い換えれば、従来の引揚者に比べると、相当裕福な人々が多くあつても、併しながら一部分でも困る人があると仮に想定するならば、その困り方は急速に来るんじやないかと思います。つまり言い換えれば、独身者は或る程度僅少な金額でも自給して行くが、家族が子供を二人、三人持つておつて五、六人の世帯になつて来ると、三万円や五万円の現金があつてもこれはすぐに困る。それで私は帰還手当があるから、何があるからといつて悠長にみることはできない。又生活の保障もこれは生活状況も変つて来る、特殊な事情も勘案して、これは家族連れであるという特殊の帰還者の状況から鑑みて、私は生活の保障状況は余ほど当局も援護に注意をしないといけないのではないかという気持がいたします。なお検討いたしたいと思います。
○千田正君 特に私はお尋ねしたいのは、四番目の医療費の国庫負担、これには引揚者が上陸後直ちに入院した場合、又は帰郷途中において発病して入院した場合には、入院費が二十五日分を国庫において負担する。恐らく私から考えれば、その上陸した場合、或いは汽車に乗つて、或いは船に乗つて、自分の故郷なり、定着地に行つてから更に何日か経つて一週間か或いは三日後に発病するような場合があるでしようから、そういう場合には国としては、全然見ないということですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 現在医療に実際に困るという場合におきましては、御承知の通りに生活保護法による医療をやるのが建前になつております。他に医療費を出す途がない場合には、従いまして普通ならば生活保護法による医療をすぐに適用するのが、一番まあ何と申しまするか、国の制度としましては法律の根拠があつて正しいのじやないかと考えられます。医療内容につきましては、如何なる医療でありましても、みな現在は同様でございまするので、それが一番いいのじやないかと思うのでありまするけれども、帰国の上陸の際に、すでに病気で入院したという場合におきましては、そういう手続をいたしまするいとまがございません。又これが全部京都府なり、舞鶴市なりというところに来る。従いましてこれが適当でないわけでございまするので、それにつきましてはこれは国で以てこれを医療をするということで以て、医療に遺憾のないようにする必要があるのではないかと考える次第でございます。従いましてそれが継続して、大体途中の輸送を入れまして一カ月間くらいの間続けばその間に諸般の手続も済むだろうということが考えられますので、一応輸送途上とそれから上陸した際、この間におきまする病人だけを国で以て見る。その他につきましては一応落ち着きまして、生活問題等につきましてもその土地と一応連繋がつきますので、そこで生活保護法によるようにしたらどうかということにいたした次第であります。
○千田正君 実際から言えば、法律の適用が全部そうであるとしても、一応今までも毎回出て来るのでありますが、長官なり或いは局長なり、本省におられるかたがたのおえらいかたがそういう親心を持つておられても、末端ではそうは行かない。例えばそういうことが出て来るというと、今朝駅に着いた、晩に発病したという場合には、これは適用できないのだ。だから生活保護法か何か、そこの町村にお願いするよりほかない。ところが又それがまたなかなか容易でありませんので、本当から言えば親心を以て考えた場合は、引揚げて来て、そして定着地に着いて一月以内に発病した場合というように考えられたほうが最もいいんじやないかと私は考えるのであります。先ほども藤原委員が本会議で質問した場合のお答えも、今山下委員からの御質問に対してもお答えになつた三千名くらいの就職希望者のうち、僅か三分の一くらいしか今就職しておりません。あと残つておる人たちが、やはり就職希望ということは生活条件というものを常に考えての希望なんであつて、そういうところへいつまでも持ち帰つた金があるわけじやないんだから、不測の病気や何かというようなことが必ず起きて来る。そういうことまで考えた場合、やはり定着後一カ月ぐらいの間は国の負担によつて見るというのが親心であろうし、私はこの際私の意見としては、この問題は定着後一カ月くらいの間で発病した場合は国の負担において見てやるというふうに直して欲しいという意見なんです。こういう点につきましては長官はどういうふうにお考えになつておりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) まあ末端の行政のやり方等について、中央からの指示が徹底しないという点につきましては、これは是正しなければならんものじやなかろうかと思いますが、一応土地に落ち着きまして、町村の人も、府県の八も受入れをいたしております。そういうようなことで一応のこれらのかたがたにつきましては、一般の地方におる住民よりは、そういう問題については手が届くはずじやなかろうか。例えば手が届かなければ援護いたしておりまする係官において相当怠慢があるのじやないかと思つております。これは勿論何らかの方法で以てその道を開いておかなければならんということはいうまでもないことでありまするが、その道が開かれておつて地方が怠慢でいるということになりますると、そのほうが問題じやなかろうかと思います。特に援護局の手をすでに離れまして地方庁の手に移りました場合、これは全額国費で以てやるという方法が果して行政上妥当であるかどうかということは若干問題があると思いますので、これにつきましてはもう少し研究さして頂きます。
○林了君 今千田委員から言われた医療の問題に関しまして、長官の御答弁だと、生活保護法というものは一定のものだと言われておりまするが、私は生活保護法の医療の内容で、現在施行している生活保護法の医療のあの限度において引揚者を扱うということは私は反対をしたい。ということは、もう生活水準なりその他において引揚者は一定しておりませんので、私は現在のあの限定されたる医療の内容をそれに当てはめるということに対しては、何か特別の方法を考えてやらなければならんじやないかというふうに考えております。殊に私の場合の専門におけるこの歯科疾患の点においては、何ら生活保護法あたりでは非常に、生活保護法自身の医療内容を変えて行かなければならんという問題がある。これは又別に論議しなければならん、そういう点も特に一つ考慮してやつて行かなければならん、こう考えております。
○政府委員(木村忠二郎君) 生活保護法の医療が特に悪いということは私は言えないのじやないか。若し悪ければ現在の生活保護法のほうが悪いんじやないかと思います。と申しますのは、生活保護法の現在の医療は健康保険の医療によることになつております。従いまして国民の勤労者の大部分がこの内容の医療を受けるということになつております。それより以上のものを国で以て特別に保障するということは相当困難じやなかろうか。現在二十五日間国でやりましても、これは生活保護法のほうと同じ内容のものでございます。健康保険と同じ内容のものでございます。従いまして内容につきましてはこの間に差があるということは、国が費用を持ちましてもどちらでも同じじやなかろうか。若しそのやり方が悪いといたしますれば、これは生活保護法の現在の基準が悪い。健康保険法の現在の基準が悪いということになるのじやながろうかと思います。
○林了君 それは私は専門家として気が付いたので話したので、生活保護法の医療内容そのものを変えて行かなければならんということは、別の機会にそれは取上げなければならんということを附言してお話いたしましたので、現在では決して今この国民全体が受けている社会保険の内容は、生活保護法の中に入れられているものとは違うのです。これは一般の医療におきましては違わんかも知れませんが、少くとも引揚者の受けておるものは違うということを私は附言いたしまして申上げた次第なんであります。それは今長官が言われた通り、そのほうが悪いところがあればその問題から取上げて行かなければならんというふうになりますけれども、一応そういう現状で、生活保護法の医療内容で推して行きたいということについて御答弁がありましたから、私はその点をもう少し考えてやつたらどうかということを申上げたに過ぎなかつたのであります。
○千田正君 私はそこで今の問題に対して長官からのお答えは、やはり援護庁のやる分はここからここまでなんだ、あとはもう地方庁だから、そこからそつちは地方庁だというような、今までのお役人気質のやり方では、本当の援護はできないのであつて、できれば弾力性のある姿の下に、手が痒いところまで届くのが援護庁の仕事だと思う。そういうことで、ここからここは援護庁、ここからここは地方庁だから俺は知らんよというのでなく、研究して弾力性のある、本当に国民の要望するようにして頂きたいと思います。
○政府委員(木村忠二郎君) 私の答え方が或いは悪かつたのかと思いますが、決して援護庁は知らんというつもりで申したのじやありません。やはり身近にあるところでやつたほうが手が痒いところへ届くのじやなかろうか。これは地方でやるのだから放つておくというのじやないのです。経費はどこで持とうとも、うまく指導するのは我我のやることであつて、決して放つておくということを申したわけでないのであります。
○千田正君 そこであなたがそういうふうな気持でおつても、末端におけるところのいわゆる官僚諸君はそうは行かないのです。我々は長い間そういうことを研究して来ておるんだが、厚生省なり、援護庁なりは、こうこうこういうことをしてくれということを地方に指導してやつても、受入れる役人の諸君、或いは末端の諸君は、あなたがたの気持をよく汲んでやつているかというと、汲んでやつてないのが多いのです。だから我々はそういう問題をこれはあなたがたに言いたい。つまりやるならば徹底するように、あなたがたの趣旨が徹底するようにやつて頂きたい。これを特にお願いします。
○藤原道子君 千田さんの先ほど来の御質問に対して、全く同感なんです。で仮にこれを定着後一カ月と枠を拡げたとしても、ほかの問題と違つて病気ですから、病気でないのに入院する馬鹿はないんです。従つて私はそのくらいの親心は持つべきだと思う。そうして地方で生活保護法の手続をいたしましても、御承知のようになかなかそうすぐには行かないのです。ところがそれを遡つてはやつてくれない。手続が済まなければそれが恩恵に浴せないというような実情等もお考え下さいまして、これはもう当然弾力を持たすべきであると思う。私もそう思いますので、この点特に考えて頂きたい。
○榊原亨君 只今医療の問題でいろいろ御議論があるようでございまするけれども、これは定着後一カ月と申しましても、一カ月経つて手続が行かなかつたら同じ問題が起つて来るわけなんでありますから、そこでこれは例えば地方に帰つて、そうして生活保護法にかける。かけるまでの手続がうまく行かない間はこうだという暫定的なお話ではつきりさして頂いたほうがいいと思う。一月とか何とか切りましても、その間の、一月経つてさて手続をして見たら今藤原さんの言われるようにうまく行かないということがあるのですから、生活保護法がかからない。或いは手続が済まない間はこうだというふうな、何か長官のほうでそういう暫定的なお取りきめということはできないのでしようか。
○政府委員(木村忠二郎君) 役人がもう少し頭がやわらかくて、そういう手加減が非常にできるような役人ばかりおりますと、そういうような措置がとれるんじやなかろうかと思うのでありますが、そうなりますと、或る限度を設けておきませんと、いつまでもずるずるといたしまして、生活保護法をやらないという可能性が非常に多いのじやなかろうか。いずれにいたしましても、いずれかの時期におきましてはこれは切らなければならんということは止むを得ないじやないか。いつ切るかというような問題でございますが、切れた場合に繋りがなくなつて困るようなことがあつてはならん。そこへこの予算ができましたときには十日間、十日間ではどうもなりません。大体一カ月くらいの余裕がありますれば、諸般の手続は、移転の場合等についてもできるというふうに考えられますので、それで大体一カ月ということにいたしましたのでございます。途中で発病いたしました場合、つまり定着いたしました後一カ月の期間内に発病したらどうなるかということでございますが、これは今千田委員の御意見がございましたように、地方のほうで親切心がないということになりますれば、これは非常な問題でございますが、我々の気持といたしましては、地方といたしましては舞鶴まで出迎えに行きます。帰えりましたらこれらの人々のいろんな相談もしなければならんと思いますが、地方庁と申しましても、我々と全然別のものと考えておりませんので、我々の出先と考えております。これらのかたがたがそういう御面倒を見ておられるのでございまするからして、そこに一応お任せするほうがいいじやないか。無論任したと言つたつて、任せきりにするのじやないのでありまして、そこに何と申しますか、監督等はこれは十分やらなければならん。従来の日本の情勢というものは、どうも監督が非常に悪いという定評があるのでございますけれども、これらの点はやはり最後の末の末までちやんとよく見守つて行かなければならんことは勿論のことであります。我々といたしましては、特に厚生省の行政部のものは末端まで面倒を見て行くということにしなければならんというふうに考えております。何と申しますか、手抜かりがないように、繋りは付けておく。それでうまく行くようにだんだんやつて行くというようにしなければならんと思います。これにつきましては今お話がございましたように、末端がどうもそれじやうまく動かんじやないか。末端の動かんものは如何なる方法を講じましても末端というものがなかなか動かないと思います。或る程度やはり末端の責任というのをはつきりさしておきまして、それを尻を叩いて行くというのが行政といたしましてはうまく行くゆえんじやなかろうかと私は考えております。
○山下義信君 さつき質問済ましたんですが、ちよつと考えて見ると足りないので、住宅のことをちよつと聞きたいのです。これは一戸当りは幾らくらいの建築の単価になつておりますかね。或いは二間、三間ですか、この間映画で見たんですが、都内に建つているのを見たんですが、一戸当り幾らの単価になつておりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) 一戸当り七坪になつているかと思います。そうして単価は二万二千円だつたと存じます。ただ実際には現在二万二千円で建ちませんから、恐らく地方の負担が非常に高くなつていると思います。大蔵省は従来そういう単価で以てやつておりますので、そういうことになつておりますが、実際には地方がそれだけ多く負担していることになつていると思います。
○山下義信君 それで聞き落したかと思いますが、この住宅の過不足の状況は、結局まあ四百三十七戸ができておつて、そうしてこれからの、まだ建つてないのですが、この住宅の需要は高いのですか、そうまでもないのですか。どういうふうな状態なんですか。
○政府委員(木村忠二郎君) これは住宅は皆さん方御承知の通りに、国全体として非常に不足いたしております。従つて住宅の不足がないということは申せないというふうに思つております。全体といたしまして足りないところに又新らしく入つて来られる分がありまして、不足状況は依然としてあるわけであります。ただ一般の人が辛棒いたしている点につきましては、やはり若干辛棒願わなければならんというわけであります。どうしても辛棒できないということについては、やはり何とかしなければなりませんが、現在のところ東京都下におきましては、たしか百何十戸ですか、百数十戸建つております。全部満員でございます。更に二百二十戸六月中くらいに建つかと思います。その上の増設につきましては現在一万戸となつておりますが、土地の問題でありまして、土地がなかなか得られない。予算の単価は土地一坪六百円であります。六百円の土地は、今東京あたりではどこを探してもないわけであります。現在東京都あたりで建てておりますのが、府中でありますとか、保谷でありますとか、或いは赤羽のほうでありますとか、非常に辺鄙なところでございまして、だんだんその辺まで土地が得られないという状況でありまして、これに対しましては非常に苦慮いたしております。その上に引揚者の人が非常に多数縁故のないかたが東京に集まられる傾向がありまして、現在では東京に入つて来られますかたがたのうちで、半分以上六割までは縁故がないということになつております。つまり無縁故者といたしまして一時収容所に入られるかたが六割程度ということになつております。従いまして、今後住宅問題等につきましては、東京都におきまして相当いろいろな問題が起つて来るのではなかろうかと思いまして、これについてこの間から東京並びに近県の諸君と相談いたしまして措置を講じたいと考えておるわけであります。大阪等におきましては、一般の公営住宅、これを引揚者のほうに提供いたしておられるところもあるようでございまして、まあできればこういう七坪という小さい所よりは、もう少し規模の大きいしつかりした公営住宅のほうが、利用できれば利用して頂くように、特に優先的に扱つて頂くように、我々としてはお願いいたしたい、地方庁のほうにはお願いいたしております。それでも足りない分についてはこれでやるということにいたしたならば、引揚者のかたがたは、何とか御満足行くのではないかと思つております。
○山下義信君 それでわかつたのです。実は二十八年度に一千戸の分も、四―六の暫定予算の中で二十八年度の千戸が織込んであると、こういうことなんです。結局二十八年度においての一千戸という意味は、二十七年度の四百三十七戸と一緒にして、結局三万人の引揚者に対しての、全体に対しての住宅供給の予算なんですね。而も二十八年度の一千戸というのは、まだ予算の多い少いは別として、これは明日明後日の間に通る。仮に通つてみてもこの家はこれからであつて、而もその建て方は先ほどの長官の説明によると、帰国者がどこへ定着するかということを睨み合せつつこの配分をやらなければならんということをおつしやつたので、その御説明を聞いておる私の印象としては、住宅問題が今非常に急迫しておるにかかわらず、私どもの予想としては、殊に帰国者の住宅問題は、非常に深刻なものであろうと予想するにかかわらず、その住宅対策の運び方というものを聞いておるというと、さほどに急迫していないような印象を受けたのです。それで今お尋ねしたのですが、やはり帰国者は一般の住宅難以上に私は急迫しているのだろうと思う。やはりそれに近いような御答弁があつたのですが、そこで私は思うのに、この二十八年度予算の一千戸というのは、非常に私は予算としては戸数も少いように思うのですが、どうしてこういうような少い戸数、これで足りると思われたのでしようか、この三千戸ぐらい、これは腰だめで言うのですが、三千戸ぐらい要望されてもいいのじやなかろうか、それは一割なんですね。三千戸ということは、頭に割つてざつと一割の人に住宅を供給すると見て、三千戸、それくらいの予算を組まれて然るべきだと思う。而も予算が通つたら大体六大都市に集合することは、今長官の御説明のように、定着のできない人が六割は東京都に流れ込む、その他恐らく全体の……これも私の勘ですが、恐らく七、八割は六大都市に集中する、全国四十二、三県にこれがばらばらになるのを睨み合せるようなことを言つておつたらいつのことになるかわからんですが、取りあえず六大都市に集中して、どんどん建てさせればいい。どんどん建てさせればいいので、すぐ予算もでき、私は或る程度やらせたら……やらせることが住宅の需要に応ずるわけですが、ともかくも戸数が少いように私は思うのですが、三千戸ぐらい要るのじやないかと素人考えで思つたのですが、どうですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 予算は三千戸でございます。一千戸ではないのであります。一千戸は予算の第一次配賦を一千戸にいたしましたということを先ほど申上げたのであります。予算は二十七年度、二十八年度合せて三千四百三十七戸でございます。
○山下義信君 要綱の説明の中のどこに三千戸ということは……。
○政府委員(木村忠二郎君) 一番終りの紙をめくつたところの引揚者住宅の申請のところに約三千五百戸と書いてございます。これは四百三十七戸が竣工で、そのあとの千戸が近く竣工を見る予定のもので、そのあと二千戸がこれからのものであります。予算として四、五月の二カ月分として三千戸の予算を全部取つてあります。
○山下義信君 私の言つたことになりますな。
○政府委員(木村忠二郎君) そうなります。
○山下義信君 結局一千戸が近く竣工を見るというのは、これはどういうふうに………。
○政府委員(木村忠二郎君) 最初の四百三十七戸というのは、京都府を除いた五大府県及び福岡県に最初割振りました。そのうちの百五十戸が東京になつております。それから次の千戸は各府県全部に分けまして、各府県の中の大きな都市、大体県庁の所在地、その他市にこれを設置するようにというふうに指導いたしております。あと二千戸は大体これから人が定着して行く必要な所に出すようにしたいというふうに考えております。併しながら先ほど申しました通り東京あたりは従来よりは比率を大きくしないといかんのじやなかろうかという気持がいたしております。京都のごときは同じ都市ではありますが、現在までのところ建築の希望がございません。困つていないことはないと私は思うのでありますが、京都府は建築の希望が出ておりません。
○山下義信君 この住宅には単身者を入れますか。実族持ちだけですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 住宅でありますから家族を持つておる者だけであります。単身者につきましてはできる限りアパート等に住つてもらいたいという希望を持つております。
○林下君 長官は先ほど東京の附近に住宅を求める引揚者が非常に多くなるだろうと言われましたが、これは当然だろうと思いますが、地価が坪六百円ということでありますが、この予算の単価は大体どれくらいについておりますか、現状は……。
○政府委員(木村忠二郎君) 大体各県とも六百円でやるつもりはないようでありますが、相当探しておるようでございます。できるだけ県の予算の可能な範囲内で以て探しておるようです。東京あたりでも今建つておるものでも坪六百円の所はどこを探してもないようであります。そういう単価を出しましても、なかなか公有地を持つておらないらしいのでありまして、非常に困つておるということをこないだから申しております。実はこれは市への配分を東京あたりを早くいたしたいと思つておりますが、東京都のほうでちよつと待つてくれといつたような状況でありまして、我々としては東京と近県のほうと一緒に力を入れて何とかしたいという考えを持ちましてこれらの調整をとることを努力いたしております。
○飯島連次郎君 さつき資料のところで要求がありましたが、今ここでおわかりだつたらちよつとお聞かせを願いたいことは、第三船団まで引揚げて来た引揚者の中で単身者は何名ぐらいおりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) 今こちらに持つて来ております資料にはそれがありませんので、帰りまして…。
○飯島連次郎君 それではこの次で結構です。 その次に伺いたいことは、就職の斡旋について、この資料によると、就職希望票を配付して、そうして定着地の公共職業安定所がその斡旋の労をとるということになつておりますが、その就職の状況と、それから援護庁との連絡というか事後の報告というか、そういうことについては具体的にはどういう連絡がとられておりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) これは我我のほうとしましては労働省にそういうことを要求いたしておりまするけれども、設置法の上から申しますと、これは引揚援護庁は何ら関係ないことになつております。引揚援護庁としましては労働省を通じましていろいろな資料を取りましたり、労働省にいろいろなことをお願いしたり、或いは他の経済団体にお願いいたしましたら、或いは今国鉄のほうにお願いしていろいろなことはいたしておりますけれども、何と申しまするか、権限、責任というような面から見ますると、これは援護庁には何ら法律上は関係がないことになつております。従いまして我々としましては当然の権限としまして、そういうものを取るということはできないのでありまして、労働省には始終連絡をとりまして、事実上そういうような資料をもらつており、又やり方等につきましても相談いたしましたり、お願いいたしましたりしているというような状況でございます。
○飯島連次郎君 そうすると就職した状況は大体どのくらい経つたら援護庁のほうでは、その結果がおわかりになりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) 毎月あれはたしか十日毎に労働省で資料を取つているはずでございます。その資料をできまするたびにもらいに行つてもらつております。従いまして若し正確なものを御希望でしたら、労働省の者を呼びましてお聞きになるほうが詳しく、又一番新らしいものが得られるというふうに考えております。
○飯島連次郎君 次に引揚者の子弟の教育のことについて伺いたいのですが、この要綱の八によりますと、引揚者子弟の就学、進学等については所要の措置を講ずる、括弧して文部省、こういうことになつておりますが、私ども引揚の迎えに出まして、又その後の状況を見て、特に帰還者の子弟の教育については極めて大きな関心を持ち、又国においては非常に大きな関心と同時に措置を講ずる必要がある問題だと考えるわけでありますが、これは所要の措置というのはどういうことですか。
○政府委員(木村忠二郎君) これにつきましても文部省の係官をお呼び下さいましてお聞きになるのが一番正確なことが聞けるのじやなかろうかと思いますが、私のほうにも資料をもらいまして、こういう措置をとつておるということは知つておりまするけれども、私が申しますると却つて間違つたことを申上げるといけませんので、文部省の係官をお呼びになつてお聞きになるといいのじやないかと思います。現在までのところ義務教育等につきましては大体全部学校に収容しまして、特に国語の練習のために特別な指導をするようなふうなことをいたしているように聞いております。又上級学校への進学等につきましても向うの教育制度等についての詳細なものを取りまして、それと睨み合せましてどうするかというような方針を作つて指導いたしておるようでございますが、これらにつきましては、やはり文部省のほうの当該責任者をお呼びになつたほうがいいのではないかと思います。
○林了君 引揚者の中で就職の斡旋をする場合に、例えば資格の問題が出て来るということがあります。日本政府の資格がなければできない。ところが中共の政府で与えた資格と日本の資格、例えて言えば我々の医師の問題の場合に、中共で医師の開業免許証をもらつたかたが日本に帰つて来たというふうな場合に、これをどういうふうにするか、或いは調査をどういうふうに進められているか、中共においての教育はどの程度に受けているかというようなことについてはどういうふうになつておりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) これも私たちといたしましては一番関心を持つた点でありまして、向うから帰りました人のこちらにおきます免許を要する場合の資格の問題でございますが、医師、医療関係者或いは機械技術等の関係者、火薬とかそういうものの取扱いの関係とか、いろいろなものでそれぞれ日本で資格が必要なものがあるのでありますが、これについてどういうふうに扱うかという点でございます。我我といたしましては関係の部局に対しまして、その資格についてどういうふうに措置するかということについて至急に具体案をきめてもらうように現在要求中でございますけれども、ただ実際問題といたしまして、そういう抽象的な話はそれぞれのかたがたから伺うのでございまするけれども、実際問題として日本の医療関係者、特に医師として適当なる資格がある人であつて、そうしてこちらの免状が現在もらえないで困つているという具体的な事例にまだ接しておりません。話を聞きまするのは、大抵こちらではとても医者にはなれないような人が、向うで衛生兵程度の技術を持つておりまして、その後の単なる何と申しまするか、見覚え聞き覚えで以つてやりました人々が向うでそういう関係をさせられておつて、それをこつちでやりたいというような者が若干あるように聞いておりますが、これはちよつとやはり日本の医療制度の下においてそれをそのまま認めることは困難じやなかろうかと考えます。向うで学校を特に出まして、こちらと同じ程度の学校を出て、そうしてこちらの試験を受けるかどうかという点の問題があるのでございますが、これは具体的に向うでそういう学校を出たというような事例があつて、どうだろうというような相談はまだ出ておりません。又そういう事例があるかどうかということについても早急に調査いたしたいと考えております。
○飯島連次郎君 ここの、引揚げして来た直後の身の上相談のところに、やはり今度の帰還者の一つの大きな特色は、向うで長い期間別れておつたために二重結婚というか、図らずもそういう人たちが少からず含まれておるので、この人たちが上陸直後に、非常に、直面しておる苦悩に対しては今度の帰還者のこれは一つの大きな悲劇と申しますか、同情すべき点だと考えます。ですからここに書いてあるような一般的な、こういう就職の相談であるとか、或いは戸籍の相談云々ということだけでなしに、そういうことに対する特別の相談に応ずる配慮が必要かと考えますが、すでに第三船団まで経験を経たわけですから、今後の第四船団等に対しての、この点についての政府の準備はどうなんでございましようか。
○政府委員(木村忠二郎君) そういう問題でいろいろと悩みのあられるかたがたがおられることは聞いておるのでございまするけれども、そういうことで以て役所に相談をするという気持にはなかなかなれないのじやないか。特に又帰還して、あすこで以て何と申しますか、こちらに今後どういうように処して行くかという相談をせざるを得んというかたがたは余りおられないようでございます。ただその場合にいろんな法律上の諸問題、或いはその他の問題等について御相談もあろうかというので家庭裁判所のかたがたに来てもらうようにいたしておるのでございますけれども、あそこで以て問題をすべて解決するというところまではなかなか行かないのでございます。この点につきましてどういう人をそこに置いておけばこの相談がうまくできるかということでございますが、これはなかなかそういう責任者を得ることも困難でありますし、これは本当に何と申しまするか切実なる問題でありまして、ちよつと簡単に普通の人が行きまして相談に応ずるということで以て解決されるものでもない。相当心理的にも非常に複雑なむずかしい関係がありますので、これを解決するということをどうも我々のところでやることは困難じやないかと考えます。それらに伴う諸問題というものについて相談ができるように用意をいたしたいと考えまして、その方面の専門の人に来てもらうようにいたしております。
○曾祢益君 先ほど山下委員からの御質問に関連するのですが、帰還手当というものは別にはつきりした法的な根拠はないようなんですが、どうも私は、勿論引揚げて来られるかたがたに手厚くしてあげることに賛成で、その見地から申上げたいのですが、この大人一人一万円、子供一人五千円というような一律のやり方は何だか大体手当の意味はどういう意味かはつきりしないと思うのです。どうもこういう総花式に、初めに悪く言えば、つかみ金を与えて肝心なことはやはり就職の斡旋なり、給付なり、本当に困窮している人には生活保護法の適用なり、或いは住宅問題等、いろいろありましようが、何だかこう、非常にイージー・ゴーイングのようなやり方のような感じがするのです。何だかこういうものが、例えば復員軍人のときなど手当があつたのですが、何かそういう先例なり基準なりがあるかどうかということと、こういうことをやつて、却つて大切な受入れの方に怠るようなことがあつてはならないという意味から、この手当の問題をもう少し伺いたいのです。
○政府委員(木村忠二郎君) この帰還手当の問題は、大蔵省あたりでは相当そういう意味で問題にされたのであります。それは日本に帰つて、却つて生活に困る、生活に困る人には生活保護法で当然やる、それから就職関係で、就職の世話なり、労働省の関係の就職手当、就職資金等もある。それから生活保護法におきましても、そういう生業資金の貸付、就業資金の貸付というものもございますし、そういういろいろな制度があるなら普通の制度を使つたらいいじやないか、これが大蔵省あたりの意見であります。それは誠に尤もなことであります。ただ、先ほど申しましたように、帰りました当座の間、すぐに何にもないというのでは、すぐ生活保護法を受けるようにいたしましたところで、いろいろ困ることもある。又生活保護法でやつておりますと、起ち上りは非常に困難だということもございましようしということを考えまして、帰還手当を出すということを援護庁としましては考えておるのでございます。特に、これは従来の引揚者でございますと、大抵、帰りまして落着先が一応ある。従来のソ連から帰りました者は、元軍人でございましたから、こちらから出かけておるというので、大体落着先がある。併しながら今度帰る人は大体こつちの落着先がない人が多いのじやないか。落着先があつても、縁故の割合薄い人が多いのじやないか、こういうふうに考えまして、何らかその間に手厚い方法を講じておかなければならんということが一つ、もう一つは、未復員者給与法、特別未帰還者給与法等によりまして、従来家族が手当をもらつておつたかたがございます。それらの手当がここで打切りになるという関係もございます。その際、打切られる際の手当を出す必要もあるのじやなかろうかということを考えまして、最初は未復員者給与法の中に法律措置として一つ入れたらどうかということを考えたのでありますが、そうすると、帰つた人の実情を見ますると、元軍人であつた人、或いは特別未帰還者として扱われていた人、それらの人との差は実際において余りないのでございます。無論向うにおいて抑留されていなかつた、自由に残つておつた人たちもあつたと思いすまが、そういう差があるが、併しとにかく帰つたときの状況というのは同じやないか。そうすると、やはりみんな一律に出すほうがいいのじやないかということで、大体やります限度はどのくらい趣というと、今の貨幣価値から言いますと、一万円くらいのところがまあ最低限ではなかろうかというので、我々が考えたものでここに要求してあるのであります。大蔵省は、一万円は高いから半分の五千円ではどうかということを言つたが、五千円では話にならない、一万円にしてくれと言つて、私ども一万円にしてもらつた。条件は、帰りました人の中で金を持つておる人にはやらんでもよいじやないかというのが大蔵省の話でありました。そのときに、一応、それでは二万円以上持つておる人にはやらない、二万円以下の人に、それに達するまで、一万円の限度でやるということで話を通そうというので、やつてみたのでございますが、帰つて来たときに見ますると、金を全部物に換えた人がありまして、金を全部物に換えて持つて来た人はもらえて、金で持つて帰つた人はもらえんということになつては不公平であるのでこういうことになつた。それからもう一点、手続が非常に面倒でございます。現在非常に職員が逼迫いたしております時期でございますし、その間やつぱりほかの援護業務もできなくなるので、援護が手薄になることもございましたので、大蔵省のほうと相談いたしまして、全部一律にやるということになつたのであります。一万円というのに何か基準があるかと言いますと、基準はない。ただ少くとも一万円は出さなければ帰還手当とは言えないというのが我々の気持だつたのです。
○曾祢益君 折角やつておられるのですから、私は何も大蔵省ではありませんから、やめろという意味じやありませんが、そういう言わば、腰だめ的な、いろいろな突つ込み的なもので糊塗をすることなく、こんなものが主じやないのだという感覚で本当の援護対策をやつてもらいたいという意味で申上げたのです。 それからもう一つ、伺いたいのですが、先ほどの御説明の中に、引揚者世話人というものが、これは何だか船員の中から特別に指定でもするというような話でありましたが、これはどういう種類の人、これは政府から金を出してやるというのですか、どうなんです
○政府委員(木村忠二郎君) 従来引揚船にはは引揚指導官という、これは、政府の役人を乗せておつたのでありますが、これが船の中で国内の情勢であるとか、或いは援護局に入りましたあとの手続でありまするとか、つまり入国の手続の一切について、こういうふうに書類を書いてもらいたい、或いはその後の手続はこういうふうにしてもらいたいということを詳細に説明する者もついておりましたが、今度は御承知のように政府の役人は一人も乗つてはいけないということでありますので、大体そういう仕事は船の中ではしないという方針を立てたのであります。ただ併しながら船が着きましてから汽車が出ますまでの期間を短くしようとすると、そういういろいろな汽車の切符を買いましたり、それから船の中で、援護局の中でいろいろな手続、準備を進めて行く上におきまして一定の書類だけは早く作つておいたほうが仕事が早くできる場合がありますので……。
○曾祢益君 その乗船というのは、船が着いたとき乗せる、こういう意味ですか。
○政府委員(木村忠二郎君) そうではございません。そういういろいろな事務をやるには船の中で一応やつておいたほうがいいのでそういう仕事を船に委託した。私たちの仕事を船長に委託いたしましてその仕事をするためには人が要るだろうというので船の中にその人の経費を出して船の上で船員の適当な人を余計乗せてやつてもらうことにした。従いましてそれの経費をここで持つたというわけでありまして、人の種類、資格等については制限していない、全部船会社のほうで事務員をそのほうに当てておる、増員してやつております。
○曾祢益君 もう一点、私はもつといろいろな広汎な観点から御質問しようと思いますが、今日は予算関係についてお伺いいたします。援護庁長官だけでは質問になりませんので、集約いたしますが、このいわゆる三団体の諸君が乗つておる、これはやはり引揚援護の費用のほうから出しておりますか。
○政府委員(木村忠二郎君) これは私のほうといたしましては何ら経費を持つておりません。ただ船の中で食事は、食べた食費は恐らくうちのほうで払つておることになつておるかも知れませんが、別に私のほうで何ら経費を持つておるわけではございません。
○曾祢益君 それはそういう不明確なお答えは甚だ不謹慎なことである。国で引揚の仕事をやつておる以上は、その経費の中から払つておるのか、払つていないのか。その点は明確にしなければいけません。
○政府委員(木村忠二郎君) 船の中で食事は食べさせるということにいたしておりまするから、恐らく私のほうで経費を負担しておることになつておるのだろうと思います。人数が一回三人でございますので、金額は少いのでございますので、どうかはつきり私は覚えておりませんが、私ははつきり覚えておらないというだけでありまして、船の食事は食べさせようということにいたしておりますから、恐らく出しておるのではなかろうかと思いますが、私は今正確に覚えていないということを申上げたのであります。
○曾祢益君 これはその金額の問題ではなくて、プリンシプルの問題ですからはつきりしてもらいたい。あとでお話願いたいと思います。
○横山フク君 住宅の問題ですけれども、先ほど二万円と申されましたが、あれはどういう金ですか。坪当り二万円でございますか。
○政府委員(木村忠二郎君) 坪当り二万二千円でございます。
○横山フク君 坪当り……、そうすると、それらは総額引揚援護庁から出すのですか、都道府県で出すのですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 二万二千円の七割は援護庁で、あと足らない三割は都道府県で出すのであります。
○横山フク君 都道府県がその負担に堪えない、堪えないということはないけれども、そういつた意味で住宅を割当てたが向うで引受けない、或いはちよつと待つてくれという先ほどお話がございましたね。それはそういう予算関係なんかでなくて、ほかの建てる必要があつて待つてくれというお話だつたんですか。
○政府委員(木村忠二郎君) 先ほど待つてくれと言つておると申しましたのは東京都の話でございますが、これは土地の敷地の関係でございます。敷地の適当なところがまだ見付からないから少し待つてくれということを言つておるのでございます。これはできるだけ早く見付けるようにいたしまして、すぐやらないと次の入船の場合に困ることになりますので、我々としましてはそういうふうに指導いたしております。それからもう一つ建てないでおりまするのは、京都府が建てずにおりますが、これは京都府にある従来の引揚者の収容施設で以て間に合うからということでございます。困つております場合には必ず建てさせなければならないが、県としても建てざるを得ないのじやないかと思います。
○横山フク君 それから都道府県において、厨房用具等……、これは都道府県の予算で負担するのでございますか。
○政府委員(木村忠二郎君) それは、そうじやございません。こちらから金は出ております。
○山下義信君 今の曾祢君の御質疑の、船中の世話人ですね。これは今曾祢君の言われたように、援護庁長官のみと質疑応答するわけに行かないので、又他日に問題を譲らなければなりませんが、実情は、船長に世話人を雇うことを頼むわけで、任してあるわけですが、実際は三団体のかたが世話人になつているらしい。そうすると船中の世話は皆三団体で牛耳られておるという実情なんですか。
○政府委員(木村忠二郎君) この点は若干私は見解を異にいたしておるのでございますが、あらゆる業務はやはり船長中心でやつておるようでございます。ただ中に乗られたかたも若干の人がいろいろな宣伝をしておられたことは事実でございますが、船内業務が向うに牛耳られておることはございません。
○山下義信君 本日は取りあえず当面の六月の暫定予算に現れたる引揚関係の予算について検討を加える、こういうことになつておつたんですが、今質疑応答をして大略わかりましたが、果して暫定予算の計上のあの予算でいいかどうかということは、予算委員の諸君が御審議下さると思うのですが、委員会としてはどういう見解をとるかということは、今後援護の実情もよく調査し、或いは帰国関係者等から実情を聴取し、いろいろ又委員会としても皆さんでお考えもあろうかと思う。本日はこの程度にして頂いて予算関係の取扱いと、又この援護の実情の調査等のプログラムにつきましては理事会に私はその御立案といいますか、どうぞ今後の運営について一応御検討を願つて、問題は次回に一つ持ち越して頂きたい。そうして次回は曾祢委員から提議せられました当面の問題もありましようが、本日議題になりました援護の、援護対策の状況につきまして関連してやはり職業の問題は労働省だと言われるし、子弟の教育は文部省だと言われるのは御尤もでありますから、次回は職業の斡旋状況について労働省関係者、又子弟の教育関係、教育援護関係について文部省、是非これをお呼び願わなければ、援護対策の全貌を一応ざつとでも検討したというわけに行きませんので、そういうふうに一つお取計らいを願つて本日はこの程度で御散会を願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(常岡一郎君) では今日はこれで散会いたします。 午後四時二十四分散会