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16回国会参議院1953/10/21

地方行政委員会 閉会後第9号

発言数
111
登壇者
10
会派数
4
開催日
1953/10/21

会議録

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 地方行政委員会を開会いたします。  近頃凶作地地帯におきまして悪質金融機関のために不幸を招いておる農民が少くないといわれておりまして、本件につきましては一昨日の委員会におきまして質問もございましたので、本日は国警本部の宮地防犯課長、大蔵省の大月総務課長の出席を求めまして、監督取締の面から政府側の見解を承わりたいと思います。又闇米の取締につきましても国警側から当局の方針を説明してもらいたいと思います。そのように議題を取進めて行きたいと思います。では先ず国警本部の宮地防犯課長から……。

宮地直邦国家地方警察本部刑事部防犯課長

○説明員(宮地直邦君) 国警本部の防犯課長であります。  先ず最初に金融関係の事犯の取締の状況について御説明申上げます。多分お手許に私のほうから差上げた今年の一月から九月までに亘ります取締の結果の資料がございますが、これを中心として御説明いたしたいと思います。なお最初に申したいと思いますが、この資料は私のほうに個々の違反事件として報告がございましたもののみを取上げてございますので、年度が終りまして統計報告として件数のみを調べて見ましたときには、大よそこれは実際の検挙件数の六割程度の数字だと思います。統計数字だけで申しますと、違犯内容がわかりませんので、便宜報告のありましたもののみを以て御説明をいたしたいと思います。  先ず貸金業者以外のものと申しますものの中で、無届で貸金業をいたしておりますのは、いつの時代におきましても一番多いのでございます。無届で営業をいたしまするといいますというと、金利の面において不当に高いものを取る、或いは貸金業法の禁止条項に触れているような業態をしているものが非常に多い状態でございますが、これは最近の状態の特異な状態というのでは、ございません。  次に無免許営業でありまして、相互銀行法違反の形態をとつておりますものが曾て非常に多うございました。これが農村方面におきましては特に東北方面におきましては相当ございました。相当取締を行いました結果、最近に至りましては減少の傾向をとつております。この無免許で相互銀行業務を行いますというのは、物品無尽の形をとる、自転車を買う、或いはミシンを買うために無尽をする、そういうふうなミシン或いはその他物品を無尽でいたしますことは、無尽業法の免許さえ受けていればよろしうございますが、そういう物品でなくて金を貸すというような形になりますと、これは相互銀行法の免許を受けた業者でなければならない。従つて相当厳格なる資格条件が要るのであります。併しながらそういうことを脱法する目的を以て、表面は自転車或いはミシン、特に農村方面におきまして相当需要のあるものを販売する形をとりまして、実は金を貸付けて行く、そのうちにその金融業者がいなくなつてしまつたり、或いは内部において不正なことが行われて行くというのが、数年前、丁度昭和二十四年前後におきましては著しく多うございました。これを先ず私のほうでは全国的に取締をいたしました結果、今ではこの業態というものは比較的少くなつて参りましたが、一部に一欄をおいて次の株主相互金融の形の違反形態というものが生れ出て来たのでございます。この欄の次の形に無免許銀行業というのがございますが、これは多くの場合一般預金者から銀行の免許を受けずして金を集めるという違反でございます。これは現在では非常に幼稚な手口でございますから、比較的少いものでございます。  今一般に問題になつておりますのは、次に述べます株主相互金融の形態の金融でございます。勿論株主相互金融の形態それ自体をすべて違反と申すことはできないと思います。又判決例におきましてもそういうふうになつておりますが、株主相互金融の形態をとつておりますものの中には相当いかがわしいものがございます。明瞭に我々のほうで注意を払つておりますのは、株主ということを名目的にいたしまして、それらから金を集める、つまり預り金行為をする、貸金業法第七条違反のごとき状態を出すのが往々にしてございます。これにつきましては、先般大蔵省のほうにおきまして四社については警告を発せられたような事例もございますし、そのうち一社につきましては、警視庁におきまして司法事件としての捜査を開始しているような事例もございます。やはりそういうふうな形態もございますから、全国的に国警並びに自治体におきましては注意を払いまして、相互に緊密な連絡をとる。即ち多くの場合株主相互金融におきましても、いかがわしいものというものは、無知に乗じまして農村方面の人から金を捲上げましてそうして都会に持つて来る、まあ東京、大阪という方面にこれらの業態の本店というものがございまして、そういう方面に捲上げて参ります傾向がございますから、都市警察並びに国警とが連絡をとりまして漸次取締を強化いたしております。その数字が只今までに報告がございましたもの五十九件を示しておりまして、次第にこの数字というものは上つて来ております。  次に、不当金利等というのが書いてございます。これは非常に僅かな数字を示しておりますが、一般に大蔵省方面におきましては日歩五十銭までは届出は受理されておりますが、それ以上のものを取つたものをここに掲げてございます。或いは日歩三十銭という届出がございました場合において四十銭を取る。或いは四十五銭の金利を取るというような場合におきましては、これはこの統計数字では無届貸金業という方面にはいつておりまして、ここにあります不当金利というのは実質的に非常に高いいわゆる高利をむさぼつておるものを掲げておるのでございます。  それから最後の欄の業務上の横領、これは刑法犯でございます。それから浮貸し等の違反、浮貸しは貸金業法の第十五条の違反で、その会社の職員が地位を利用して金貸しをする、こういう場合を挙げておりますが、これも特に大きな状態になつておりませんが、今取上げられましたようないわゆる闇金融の形として最も我々のほうで注意をいたしておりますのは、株主相互金融の形態のいわゆる闇金融でございます。ただすべて株主相互金融が闇だということになりましたら、取締りのほうも非常に簡単ではございますが、正当なる業者もいることでございますので、而も又金融業者と申しますものは信用が中心でございますので、我々のこの方面の取締につきましては非常な慎重な態度を以て臨んでおります。我我のほうの捜査の手がのびたというだけで信用を落す場合もございます。又我々のほうの捜査技術がつたないために、違反があつた場合におきましてもその核心が突けなかつたような場合におきましては、警察が手を入れながら違反がなかつたということによりまして、却つて箔をつけるというような形になつてしまいます。それから又違反がありといたしましても、多くの場合その預金者というものは無知な者でございますために、損害を多くの場合かけて参ります。最小限度の被害において取締の目的を達するような時期、方法というものにつきまして非常な慎重な態度をとつておりますが、金融引締というような声がかかりますというと、こういうような闇金融が活溌になつておりますので、我々のほうといたしましては大体警察取締は昭和二十四年以来はこの闇金融取締につきましては格段の注意を払つているところでございます。  金融の状態につきましては以上概略御説明を申上げたところでございますが、なお御質問の闇米の取締の状態について申し添えます。例年供出完了までの時期と供出完了後の取締と二つに分けまして米穀事犯の取締を実施しております。供出期におきます取締は、供出の完了の側面的協力と一面治安確保の点から各地の実情に即した取締をいたしております。本年は全国的に不作でございますので、特にこの問題につきましては国警本部におきましても自治体警察と連絡をとりまして、先ず第一に実態把握に重点をおいております。その理由は、不作と申しましても北海道方面におきまして特にこの凶作は激しく、東北、関東の一部それから水害をこうむりました関西におきましても特に被害が激しいとみなされます三重県というような所がございます一方、比較的豊作な地帯がございますので、この取締につきましては全国一律にはちよつと困難であろう。特にその凶作地の中にある闇米を消費する面の取締というものにつきましては相当変化が出て来るのじやないかと思つております。ただ全国共通に行われますことは、悪質ブローカーの取締りとか、或いは未供出農家の悪質な横流しというものは、例年同じようにいたしておりますが、今年は特に実質的な実態の把握を正確にいたしまして、真に悪質なものの取締りに重点を置いて全国的にいたしたい。と同時に、一般消費地におきましては、特に知事、或いは市長さんがたの方面と連絡をとりまして、それらのかたがたの闇米の消費の規制に対する行政指導の面と併せまして警察取締りもいたしたいと思つております。特に最近の指導におきまして注意いたしておりますのは、米の取締りをいたしますというと、勿論違反ではございますが、一般家庭の僅かな消費のための闇買い買出しというようなものがひつかかつて、いわゆる大口がかからないという常に御非難を受けておるのでございますが、こういう方面の御非難を受けることのないように、特に大口の方面に重点を置く一方、比較的こういう行政指導面につきましては日本人の面は協力的でございますが、第三国人の方面におきましては、警察に対しまして常に反抗的な態度をとる例がございますので、取締る結果が平等に参りますように、格段の注意を払つておるところでございます。昨日もこの問題に関しまして、管区の刑事部長、並びに大阪警視庁と連絡をとりまして、本年の凶作の状況に応ずる未の取締り、並びに米の取締りをするために善良なる国民に負担がかかつて行くことのないよう注意を払うように、お互いに申合せをいたしたような次第でございます。  以上簡単に金融状況、米穀事犯の取締りにつきまして御説明申上げた次第でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは大月総務課長から……。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) いわゆる闇金融と言われておりますものの取締りにつきまして、大蔵省として金融行政上どういう考え方を持つておるかということにつきまして簡単に御説明申上げます。  大体金融機関として私どもが分類いたしておりますのは、大別いたしまして三つに分けられるかと存ずるのでありますが、第一の分類としましては、法律で明かに預金を取ることを認めておりますもの、一般に正規の金融機関というように言つておりますが、例えば普通の銀行であるとか、相互銀行であるとか、信用金庫であるとか、或いは農村におきましては農業協同組合或いは農林中央金庫、こういうようなものは第一種類のものでありまして、預金を取つて、その預金を資金源といたしまして貸出を行なつているわけでございます。  それから第二の分類としましては、政府金融機関といたしまして、例えば開発銀行であるとか、輸出入銀行であるとか、或いは住宅金融公庫或いは国民金融公庫、こういうように政府から資金を出しまして、一般からは預金は取りませんで、緊要な方面に貸出をやつておる、こういう金融機関であります。  第三の機関は、一般に金融機関と言つておりますけれども、一般の公衆からは預金を取ることを禁じておりまして、みずからの金を貸す、こういうことを認めておる機関でございまして、只今国警の方面から御説明のございました例えば貸金業者というようなものは、この種類であります。この闇金融と言われておりますものは、第三の分類のうち、又その一部に属するかと存じますやそれに対しまして大蔵省といたしましては、取締りの重点を二つに置いております。  第一点は、法律で預金を取ることを認めるのは、限定されたいわゆる第一種類の金融機関になりますので、その他のものが一般の公衆から預金として金を集めまして、それが不測の損害を及ぼす、預金者に不測の損害が及ぶということがないように、預金を取ることを認めておらない金融機関に対しては、絶対に預金を取らないように、こういう検査なり指導をやつているわけであります。  それから第二の点は、貸出の面でありまして、高金利の貸出をやらないように、こういう指導をやつているわけであります。貸金業者につきましては、業務報告書を届出の際にとりまして、その際受理いたします金額の最高限度を今日歩五十銭と抑えております。五十銭以上の金利を以て貸出すことを禁止している、こういう指導をやつているわけであります。最初の、預金を取つてはいけない機関につきまして、果して預金を取つているかどうかという認定は、経済的には非常にむずかしい問題でございまして、その境界が非常にはつきりしない面が多いわけであります。一般に例えば株主相互金融と言われておりますものは、貸金業者の一種でありますが、株主に対してのみ貸出をする。それから株主相互金融と言われている、その会社の株式を一般に売出しまして、その際に融資をする、その融資を受持て株を持つた人は、その金を、借りた金を逐次月賦なり年賦で返して行く。そういう恰好で以て金融の役割を事実上やつておるわけでありますが、その場合に、現在の法制下におきまして株式会社というものは商法で正規に認めている制度であります。従つて当然株主になるということは禁じられておらない、適法な行為でございます。で、株主であるという名目、仮装の下に、実質上預金に相当するものを取る、こういうことが禁止の条項に触れるわけでございますので、具体的な事例によつて判断する以外にはない。そういう観点において先般来地方の財務局を通じまして貸金業者の検査を実行いたしたわけでございます。その結果、違法の預金を取つておりますものにつきましては、警告を発し、その後情勢を見ているわけでありますが、その他財務局におきましては業務報告書を取つております。毎期の決算の状況を取つておりますので、その中に預金と見られるようなものがあるかないかということを精査いたしまして、預金と認められるものを取つている業者につきましては、一々呼び出しまして、これを調査をし、爾後の処置をとつている、こういう対策を講じているわけであります。ただ一概に株主相互金融であるからいけない、或いは株主相互金融はいい、こういうことを断定し得ないところに非常にむずかしい問題があるわけでございますが、その点はまじめな業者に対して不測の損害を与えないように、悪い業者が網の目をくぐらないように、この点は先ほどのお話と歩調を併せまして慎重に対処しておる次第でございます。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 ちよつと私、大蔵省の総務課長にお聞きしたいのですが、相互金融というやつ、いわゆる株主相互金融ですね、これは法制的にどうなるのですか。普通は三分乃至五分程度のものを毎月利子を保証するというような広告を出しまして、そうして株式を売出すわけですね。ところが会社自体がそういう株式をそういう形で売出す。それから三分乃至五分といつたようなものを保証して毎月配当をやるということ自体が法制的にはどうなるのでしようかな。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) 今の相互金融の形態といたしまして、株式であるかないかということが具体的に判定の基準になるかと思います。従つて株式でございますれば、毎期決算をいたしまして、株主総会を開いて配当を年幾らということをきめて配当する。その配当の資源は一般の経費ということでなくして、その半期に稼いだ利益のうちから出す、こういう建前になつております。これは完全に商法の規定に基いてやらなくてはいけないわけでございまして、総会を省略するとか、その他例えば赤字がございますのに配当するということは、いわゆるたこ配当ということで罰則の規定がある。こういうことでございまして、従いまして仮に株主相互金融と言われておるものが月二分なら二分ということをきめて配当する。その場合に仮にそれが赤字の会社であつたということになりますと、これはそういう点で違法になるわけでございます。而もその赤字であるにかかわらず、損益にかかわらず、仮に月二分ずつ必ず配当をする、而も仮に会社が欠損になりましても、例えば十万円を預けた人には必ず十万円返す、こういうことになりますと、預金の本質は要するに元本が保証されておるということと、利息の観念、この二つの要素がございますので、そういう約束の下に株主総会の手続等を省略して、株式の配当の手続によらないでやつておる、こういうことがございますれば、これは完全に違法になる預り金ということに断定せざるを得ない。具体的のやり方によつて、それぞれ違うのじやないかと思います。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 ところが私は東北なんですが、東北の田舎で時に私は奇異に感ずるのですが、例えば国営鉄道の電車の中に立派に、例えば千代田殖産なら千代田殖産というので、千代田殖産金庫というような名前で月三分乃至五分、或いはもう五分なら五分というものを仮に月一万円なら一万円を三カ月間の場合は三分、或いは六カ月の場合には月々五分なら五分を配当する、こういう形で広告を出して、現にそういうのでやつておるのですがね。そうするとまあ我々から見るというと鉄道の、国営の電車にそういう広告がある。そうするとそういう国営の電車であるから、より以上そういうものへの信頼性がある。そこでそこの中の広告ですから、何か、而も大蔵省認可とか或いは大蔵省届出とかこう書かれているわけです。そうして明かに今言う通り三カ月乃至六カ月の預り金に対して三分乃至五分で、而も実際はやはり預かるほうの観念からすれば、その預り金に対して月々三分乃至五分の配当があるということを考える。同時に株式を預かる場合もあるわけですね。株式を預かつた場合には月に二分とか三分とかいうようなんで、我々から見るというと、明らかに何と申しますか脱法行為一つの預金行為をやつているというふうに考えられるのですが、その形式の問題でなく、何か実体的にもう少しああいうものの取締りに、そういう法制上の欠陥か何かあるのでしようか。或いは大蔵省のほうではあれを取締れば、もう今の段階では、どうも経済撹乱を生ずるからということなんでしようか。それから同時にあれは次々と大蔵省認可、或いは大蔵省届出というものがだんだん殖えて行くのですね。そういうものについての大蔵省の御見解はどうなのですか。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) 只今具体的なお話がございましたが、先ほど申上げましたような一般原則に照らしまして違法かどうかということを判断するには、相当検査をしてみるたり、中に立入つてみないと最終的な判断はできないと思いますが、原則は株式の配当の恰好で事実上、手続上やつて実体もそういうものであるか、或いは形式は株式になつておるけれども、それは単なる仮装であつて、実質は預金であるかという最後の断定を下さざるを得ないと思います。それで先般来貸金業者でそういうあいまいな恰好をとつておりますものが、よく大蔵省の認可とか大蔵省公認という看板を掲げましていろいろな広告をしておりましたが、貸金業者は大蔵省で免許も認可もいたしておるものではございません。具体的には財務局に届出をいたしておるだけでございます。従つてそういう一般の大衆に対して間違つた観念を与えるような表現の方法は先般来禁止してございますので、或いは大蔵省公認というような言葉を使つておるのがございましたら、それは取締りの網から抜けておるものだと考えまして、厳重なる取締りをすることにいたしております。それから具体的に果して預金であるか、或いは返してもらえるものであると一般の人が考えておるのに、実際は株式相当のものであるかということにつきましては、これは法律的に取締ることは非常にむずかしいわけでございまして、むしろ一般の方々に、例えば株主相互金融というもので株を持つということは一般の会社の株を持つのと同じだ、これは会社の内容が悪くなれば返つて来ないことがあるということをよく認識して頂くのが根本であろうと思います。そういう方法でやつております。  具体的にそれじやそういうあいまいなものを禁止する立法をしたらどうかという問題でございますが、御存じのように株式会社の制度というものは、今の我が国の経済組織の根本をなしておるわけでございます。仮に株式会社組織を持ちまして、十億なら十億の金を集めて、それで貸金業をやろうということは、例えば個人で十億の資産を持つておる人がそれで自分が貸金業をやろうとするのとどこが違うかと申しますと、これは自分の資金、株式で集めましても、会社としては自己資金でございますので、自己資金で金を貸すということは何ら妨げのあることではないし、これを禁止するということは、基本的な経済の何と申しますか、本質的なものを禁止するということになるので、手を触れにくいという判断を下しております。そういう意味におきまして、一方は世間の認識を求めますと同時に、具体的な事例はつきまして違法行為をやつております不正な業者を取締つて行く。こういう二本建より現在のところは手はないのじやないかという判断を下しております。これを悪いということはわかつてはおるけれども、金融上の影響があるので取締れないのかということにつきましては、さようなことは全然考えておりませんので、もつぱら違法のものは厳重に取締り、適法なものはこれを健全な、いよいよ健全なものとして育成して行く。こういう方法をとつております。金融的にこれを違法であるけれども手を下せない、こういうことは全然ございません。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 ところが実際の広告に例えば金を十万円なら十万円納めると、三カ月なら三カ月預ければ毎月三分なら三分というものは配当するのだ、こういう広告を出し、そういうことで皆勧誘しているわけですね。而も今言う鉄道の、こういう公けの場所、而も信頼し得べきようなところにまで広告を出しておるわけであります。ところが実際問題といたしましてはこれは月に三分とか五分とかいうものの配当はなかなかむずかしいのですね。ところがそういうことは一体何と申しますかね、実際上やり得ないだろうというときに、それを予防的に取締り、若しくはそれを実際実行しないときだけこれは犯罪行為として挙げ得るよりほかないということになるのですか。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) 法律的な見地から申上げますと、そういう約束で一般の大衆を、悪い言葉で申しますと釣つておいて、それを実行しないというようなところに法律上は問題があるというふうに承知いたしております。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 防犯課長にお聞きしますが、そういうときにはやはり犯罪行為として挙げているわけでしようか。そこらの取締りはどうですか。

宮地直邦国家地方警察本部刑事部防犯課長

○説明員(宮地直邦君) 二分乃至三分という約束をしたという実証が非常に困難であります。一応のそういうような段階では二分乃至三分というような利息を与え得られる見込みという場合が非常に多いと思います。従つてそれだけで違反となることは少いのじやないか。警察が取締りをする段階になりますのは、第一次には大蔵省方面の行政指導面によりましてそれで矯正できない面、実体犯が内部に伏在するというようなものに重点を置いているわけであります。第一の御質問に対しましてはその広告自体だけでなくて、それと業務内容その他を見ておりますと、必ずそれだけではひつかからないように書いてございます。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 どうも私は大蔵省の答弁を聞いて何ですが、どうもまだ実態についてお調べが非常に少いと思うのですが、割合に都会の人ならそういうのが相互金融で株式相当だということがわかるのですが、田舎に行きますと例えば現大臣誰々の顧問とか、或いは大蔵省届、認可というようなことだと、そうして実際は支店長というものをしよつちゆう変えているのです。ですから約束した支店長というものが、行きますと、まあ一年か半年くらいで変つていて、いや、それはそういう約束をしたわけじやないとか、いろいろ言つているのですね。ところがこの頃はああいう金融業というものは非常に殖えているのですね。だからこれに対してどうも今のような態度で放置しておくということになれば、皆実態をお調べになればおわかりと思いますが、特に東北地方なんかでは、相当の農民の金というものがこういう金融業に流れていると思うのです。従つて非常なパニツクと、いいますか、そういうものが来ると思いますが、そういう実体的なお調べというものがあるのでしようか。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) これは貸金業の問題はこの二、三年来の問題でございますので、大蔵省といたしましても各種の検査なり、調査を通じまして、相当正確に実情を把握しております。従いまして今のような、例えば約束があるかないかというような問題につきましても、これも具体的な問題になりますと、それぞれその具体的な認定に待たなくちやいかんわけでございまして、汽車の例えば広告だけで判断するというようなことはできない。そういう、つまり考え方は非常にはつきりいたしておりましても、具体的な事例が、非常にあいまいな現象が非常に多く出る、こういうことでございますので、例えば法律でほかにいろいろ、例えば株主相互金融的なものを仮に禁止するというような立法を作りましても、それの又今度解釈の問題としてあいまいな問題がたくさん出て来るということになりますれば、むしろ法制のほうに穴があるという面よりも、やはり具体的に、株主相互金融というものはこういうものであるということを一般に認識して頂くのが先決であろうかと思います。併し検査の結果はつきり違法であるというものは厳重に取締るという二本立よりまあ仕方がないのであろうかと、こういうように考えております。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 今の規定では、そういうものに対して検査権限はあるのですか。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) 法律によりまして貸金業者に対する検査権は大蔵大臣が持つております。それで現に検査はいたしております。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 どうも私は今の態度だとまあ実際にそういうものがぼろを出して、会社がぼろを出すというときに初めて大蔵省としては乗り出すのだというのですけれども、我々常識から考えて、三月なり六カ月なり、月に三分乃至五分程度の利息を払つて行けるというような、そういうことは、これはあり得ないことであり、仮にあり得たとすれば、一方においては貸出の金利というものは非常にこれは高利になり得ることなので何かもう少し、常識的に、何と言いますか、納得し得るような指導というものが必要じやないかと僕は思いますが、これはまあ私の意見ですから……。  なお大体ああいう金融業者が一体汎濫するという半面においては、現在の金融というものは漸次金融を通じて、例えば一県一行主義というような工合に、非常に金融機関が専横になつて、そうして金を一般の普通銀行から借出すということが一般庶民には非常に困難であるというような金融上の欠陥があるのじやないか。その点については見解はどうなんでしよう。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) こういう現象が金融業のまあ欠陥から来ているのではなかろうかという御質問でございますが、これはいろいろ見方があると思うのでございまして、広い意味におきましてはやはり全体としての、戦後、資本の蓄積が不足であつたというところに根本の問題はあるかと思います。併し金融行政自体といたしましては一県一行主義もそういう方針を修正いたしまして、現在では新らしい銀行も健全なものは認めるという方針で、二十四年の末から現に実行いたしております。普通銀行もその後十一行増加いたしております。それから一般の信用金庫であるとか或いは相互銀行という制度も整備いたしまして、一般庶民が金を預け、そこから借り得る金融機関の制度も逐次整備いたしておりますので、制度といたしましては逐次整つて来ておる。  それからこの面は二つ面があると思います。一つは庶民が、一般の大衆が有利な利殖機関を求めておるという面と一つは金が借りられないという面とこの両方に分けて考えなければならん。それで今そもそも問題になります面は、高利の利殖機関を求めておるという面が弊害のもとでございまして、これはむしろ預けるほうといたしましては有利、安全、確実と三拍子揃つた投資なり、融資というものは世の中にはないものだということは、先ず常識として考えて頂かなくちやいかん。非常に高利であつて月三分なり、四分はもらえる、而も元本は確実に返つて来るというようなものが経済的にあるならば、それは非常に結構でありますが、高利であれば必ず危険性は伴うのだということは、これは一つの経済原則であろうかと思います。そういう点をよく考えて利殖をやつて頂くのが我々の希望でございます。それから安い金を十分に借りたいという問題は、全体として資金が不足しておる段階でございますので、なかなか要望は満たしにくいと思いますが、先ほど申上げたような金融の制度につきまして庶民の金融機関を相当拡げて来ておるというほかに、政府の金融機関として財政資金を出して中小企業金融公庫もこの間できましたし、国民金融公庫を通ずる、或いは商工中金に対しまして資金運用部の資金を流すというようにいろいろ具体的な方策を講じましてできる限りの努力をいたしております。こういう段階であります。御了承を願います。

高橋進太郎自由党

○高橋進太郎君 どうも大蔵省の株主相互金融ですか、これに対する態度については、私は非常に不満ですが、これは事務当局にお聞きしてもわからないでしようから、これは別な機会に伺うとして、今の要求だけいたしておきます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今大蔵、国警両当局から御説明を得ましたが、私非常に遺憾に思うのは、只今国警当局のほうから資料に基いての御説明がありましたが、かねがね関係当局に伺いたいと思つたのは、今のそういう御説明以外に、治安当局が一番考えるべきは、銀行、信託銀行、これは正規の金融機関ですから、これは別個として、例えば届出で正規にできたいわゆる今日の闇金融機関ですが、それに対して警察が最も重点を置いて取締るべきであるが、その点今の御説明になかつたが、非常に遺憾に思うのは、今まで国民がそういうもので例えば金を借りて困るのは、今の御説明以外に、そういう闇金融機関が大衆から金を集めておきながら、或いは手形を預かる。併しそれを返してもらう、又それで金融をつけるべく行くと、いわゆるごろつき、悪党といいますか、愚連隊といいますか、そういうものが必ず用心棒的にそういうものに附属しております。そういうことが今の御説明になかつたのは非常に遺憾である。あなたがたに私が要求するのは、そういう今の御説明以外に、いわゆる街のだにというか、暴力団ですか、あなたがたがそういうものの実態をお調べになれば、必ず紐付きがそういう金融業者についておつて、善良な国民がお金を借りるために手形を預ける。取りに行くと、そういう暴力団に脅かされて近寄れない。受取つたが最後、何ら一銭の金融もしないで、相当な会社並びに個人が困つておる例は、今の御説明になかつたが、それが今あなたがたに一番考えて頂きたい問題だと私は思う。これは国警だけではございませんが、東京のまんまん中のお膝下でもそういうものが横行しておる。ところがそういうものについて何らの取締をやつていないと言つても私は過言でないのじやないか。特に第一線の警察官等が殊にああいう街の愚連隊、悪いことをする者は、何も用心棒でなくても、必ず第一線の警察官がこわいものだから、そういうものに何らかの連絡をつけております。最近のいろいろな実際の例を見ても、どうしてこれを取締らないのかと思うが、警察は決して手を出さない。そういう実態が田舎といわず、東京のまん中でもうんとある。そういうことが今御説明の中になくちやならん。一番遺憾であるという点は、そういう最も国民が迷惑しておる点はあなたがたの御説明の中にはない。実態を御存じないとは思わないけれども、一番あなたがたに、そういう金融機関であるならば取締つて頂きたいのは、迷惑するのは暴力団です。それが紐つきである。東京のまん中を御覧になつてもわかります。そういう事態を私最近も聞きまして非常に驚いたのですが、お膝下の東京においてさえそれがある。過般大阪の警視総監がお見えになりましたから、大阪にもこういつた実態が必ずあるから、取締べて御覧なさいということを申上げておきましたが、東京のまんまん中でも、こういう大蔵省が許した中にも暴力団が必ずついております。そうして預けた金が取れない。のみならず、そういうものがそれでおどかされる。そういう実態がはつきりしておる。それをこういうような表の中にはそれが載つていない。それが一番こういう機関に関する問題としてはあなたがたが研究なさるべき問題だと私は思う。これはもうお膝下の東京のまんまん中ですぐわかります。少し大きいところを目をつけて御覧なさい、必ずそれに相当街の中で名のある暴力団がついています。余り調べないでもすぐわかる。それをあなたがたが見逃しておくということは僕は非常な欠陥だと思う。殊に第一線の警官等は生活が苦しいので、警察官も暴力団のお先棒を担ぐというようなことが多々ある。それが国民が最も迷惑する、それをあなたがたの御説明になかつたのは私は一番いかんと思つて、それ以外は問題は大したことはない。それよりもそういうまじめなやつが必ず困つて金を借りたものが取られつ放しで、あげくのはて、暴力団におどかされたりなんかする。そのことを国警当局も、これは全国的な問題だと思う。それは暴力団狩りと同様に、その金融機関と密接に連絡をとつておる者を、これを一刻も早くあなたがたが征伐なさる必要が目下の急務だと私は思う。そういう点の今御説明がなかつたが、こういう金融機関の御説明で一番聞きたいのはそのことです。そのことの御説明はなかつたが、宮地君は非常にまじめなかただから、そういう点を知つておるかどうか知らんが、私は第一に国警も全国的に悪金融機関と紐つきにやつておる暴力団狩りを即刻開始する必要があると思う。そういう点について御所見を承わりたい。

宮地直邦国家地方警察本部刑事部防犯課長

○説明員(宮地直邦君) 只今の御説明の中には、暴力団等の関係ま申上げませんでしたが、私のほうでも悪質業者と暴力団との関係を無視すると申しますか、そういうものを全然度外視、今御注意を受けましたように無視しておるわけではございません。むしろ悪質業者になればなるほどこういうような暴力団的なものとの結びつきが密接になつて参る。従つて我々のほうにおきまして手をつける最悪の状態におきましては、こういうものが現われて来ますというと、直ちに暴力団だけで取締ることなく、内部に不正があればこそこういうものが出て来るというので、こういう事件を端緒といたしましてその実態と申しますか、闇金融会社を挙げて参ります。こういう場合が極めて多いのです。暴力団を暴力団として解決して参ります場合のほかに、こういう暴力団によつて金の返還を拒むというような事例は、この闇金融自体の検挙の非常に大きないとぐちになつておりますことを併せて御報告申上げておきます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 私は今の防犯課長の説明は非常にまだ実態をつかんでないから、そういう呑気なことを言つておられるけれども、東京のまん中ですよ。あなたがたが自身でもやつて御覧なさい。すぐわかる。名のある金融機関でも……。それを大蔵省の説明にも何にもない、そういうことが……。我我一般大衆が一番困ることはそういう金融機関に、困る者が金を借りるのですから、それと結付いた暴力団を、それを取締るべきのに、どうも我々が見ておると、治安当局はそういう力の強い、悪辣な者に対しては非常に弱い。そういう感じが最近非常にするのです。そういう者を取締らなければ、警官は何のためにあるかということになる、国民から言うと……。であるから一般の国民には手の出ないような、而も一般の大衆にとつては最も癌である街の暴力団と而もこういう生活の苦しいときに、最も生活の脅威を受けているようなときに、金融機関と暴力団とが組んでいる。それをあなたがたが、警察機関が黙つて放任しておくという状態が今日あるのです。今大蔵省の説明を聞いても、極めて杜撰な、表面的な説明であつて、一つも実態をつかんでない。大蔵省の説明を聞いても高利で釣るものがあるがというようなさつきの高橋君のお話があつたが、一般にそういうような釣られるやつが悪いのだというような説明があつたが、それはとんでもない話です。監督官庁としてはそういうことは言うべきでない。そういうような、釣られるような広告を出すようなやつを、そういう監督官庁は取締るべきじやないですか。それを許しておいて、それに引つかかるやつが悪いのだというようなことは甚だ不見識極まるものだと私は思う。それは大蔵省のみならず国警当局も両方関連した問題ですから、両方が実態をつかまなければ、そういう問題は帳簿を調べてもなかなか警察官なんかにはわかりにくいと思うのです。そういうときには大蔵省の堪能な人の力を借りなければ、ああいう金融機関にあなたがたが非常に消極的なのでは、調べることが困難なのです。私ども銀行におりましたからわかります。一般の警官にはなかなかわからんのです。そういうときには大蔵省と協力して、暴力団と手を握つた金融機関は即刻征伐する必要がある。それをやりませんと、私は治安上にもゆゆしき問題を生じて来ると思う。そういうところに或いは共産党のフラクが入つたりするということも聞いています。下手をすると、そういう闇金融の中で大きなものが共産党のフラクの活動によつて、又資金網になつているというようなことも聞く。併し依然としてそういうものに手を出すようなことは聞かない。だから私は今のこういう問題について大蔵当局並びに治安当局から聞くけれども、最も国民の癌である問題を取上げて、もつと深く突込んだ御説明がなければ、こういう説明を聞いても、こんなものは雑誌でも何でも出ておつて、特に休会中国会で我々が聞くようなものでない。もつと実態に即した、深く突込んだあなたがたの所見を今後も聞きたいと思うのです。そういうところが一つもなくて、大蔵省の説明を聞いても、非常にああいうものがはびこつておるのは、極言すれば殆んど無秩序、無制限にああいうものがのさばつている。併し今の総務課長の話はそれはまるで監督官庁の言としては実態と遠く離れたものであつて、そういうことが起きてなければ今の大月総務課長の説明でもいいが、もうどこを見ても菓子屋と食い物屋と同じように今日はああいう貸金業者が軒を並べておつて、そうして良民の血をすするがごとき行為を堂堂とやつているのに、今のような御説明では無秩序、放任状態です。それではいかん。さつきの説明にあつたように、こんなものに引つかかるほうが悪いのだというような考えはとんでもない間違いで、そういう考えであるならば、即刻そういうものを許さないように監督官庁はすべきであつて、釣られるやつが悪いのだ、そういうふうに考えたらとんでもない間違いだと私は思う。殊に地方の農民等はそういうことに非常にうといのですから、ああいうことをもう少し貸出条件なりをもつと簡単明瞭に一つの方式を作り出したらどうですか。ああいうものを見ると、裏に細かいことが書いてあつて、こんなものは殆んど金を借りるときには読まない。ところが裏を返して見ると、あらゆる面から縛るようになつている。そういう借りてしまつてからうしろを見て、気がついたら遅いというようなことでなしに、貸出条件を誰にもわかるように方式をお作りになつたらどうですか。  それから大蔵当局にもう一点伺いたいのは、今の両方の説明ですと、日歩五十銭まではいい。国警当局の御説明にもあつたが、日歩五十銭というと十五割以上じやないですか。そういうものは正規の金融機関とは言えないじやないですか。百円借りたものが百五十円以上返すときには返さなければならんというようなものを、のんべんだらりとして大蔵当局がそういうものを黙認しておくべきじやないと思うのです。そういう点についてももう少し現状の把握が極めて疎くて、今の御説明では我々が聞かんとするところを一つも御説明がない。もう少し実態を把握して、もう一度次の機会あたりに御説明を伺いたいと思う。今のような説明では殆んど我々は聞く必要はありません。そういう方面について両当局からの重ねての御意見を承わりたい。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) 先ほど私の御説明申上げました点について、一つはまあ暴力団の関係でございますが、大蔵省の考え方といたしましては、金融的な面から取締つておるわけでございまして、具体的に或る会社に金を持つて行く、或いはそのところから金を借りると、そういうときに、暴力団が介在しておるかどうかというような面になりますと、警視庁なり或いは国警のほうにお頼みして取締つて頂くよりほか所轄としてはしようがないのじやなかろうか。勿論今の貸金業者の悪質なものと結付いてそういうものがあるということになりますれば、勿論金融の面から警察のほうに御協力申上げるということについては、勿論万全の注意を払いたいと存じます。この貸金業者の問題につきましても法律的な見解、或いはどういうように取締るかということにつきましては、かねてから警察のほうと御連絡をしながら歩調を合せて取締つて来ておるわけでございまして、それぞれの分野において適正な取締をやつて参りたいと存じております。  それから貸出の方式をきめるというお考えもございますが、できるだけそういうことができれば研究してみたいと存じます。ただ具体的に届出業務につきまして貸す方式までも統一してしまうかどうかということは、相当具体的な問題としては問題があろうかと思います。今後研究いたしてみたいと思つております。  それから貸金業者の最高の金利五十銭という問題でございますが、現在最高五十銭で抑えておりますが、大体一般のまじめな貸金業者の金利は三十銭乃至三十五銭くらいのところで動いておるかと具体的には承知いたしております。この最高の金利を抑えようということはかねがねまあ研究はいたしておるわけでございますが、これも一般の金利と釣合いをとつて下げて行くという必要がございますので、現に例えば質屋の金利で申しますれば月一割になつております。そういう睨み合せも考えまして、現在は五十銭という最高の金額を置いておる次第でございますが、一般の金利政策とも並行いたしましてできるだけ下げて行くように、具体的には下げて行くように努力をいたしておる次第でございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 ちよつと関連しますが、防犯課長に伺いますが、こういういわゆる闇金融の資金をいろいろの点で集めているようですが、私はその中に全部とは申しませんが、どう睨らんでも極めて悪質なことで自分の資金を稼いでいるものがあるように思う。例えば麻薬を入れてそれで巨利を貪る、或いは時計を密輸入してそれが資金になつておるというふうなものがかなりあるように聞くのです。殊にああいうふうな風来坊からいきなり金融機関などを始める者があります。そういうものは甚だ私は資金の根拠に疑惑を持たざるを得ないと思うのです。そういうものがかなりあります。そういう点についてあなたがた当局としてはもう少し捜査の手を進めてみる必要があると私は思うのです。その資金の根源そのものに非常に疑惑なものがあります。そういう点をあなたがたが御承知なければ、もう少し実態について御研究に相成るべきだと思いますが、そういう点について今まで、或いはこの貸金業者の中に麻薬の密輸入によつて資金を作つたというものがあつたのかどうか、それをそういうことを実際にお調べになつたことがあるかどうか、そういう点についても伺いたい。

宮地直邦国家地方警察本部刑事部防犯課長

○説明員(宮地直邦君) 先ほどの御注意、第一点の暴力団の問題につきましては、勿論我々としましても何ら異存はないと申しますか、御尤もな点でございますので、近くこういう取締官の会合もございますので、一層注意を喚起いたし、我々としても御趣旨に副うよう直ちに努力するつもりでございます。  それから取締の機関の問題でございますが、単に金融機関の取締は今申された暴力団というような関係ばかりでなくて、法律的にも極めてむずかしい問題がございます。一般の警察官ではこの取締には不適当な、する能力を欠く場合もございますので、我々のほうとしてはこれらの金融機関の取締に当ります者には、専門的な知識を与えるべく教育を施すと共に、今御指摘の大蔵省と我々のみならず、法務省、それから最高検等も入れまして、従来とも定期的に会合を持ちまして情報を持ち寄り、且つ専門的な法律的な研究を加えて来ておるところでございます。  それから最後に、今までの金融業者の中に相当いかがわしい行いをしておる者があるという御指摘でございますが、只今具体的に名前を挙げますことは差控えたいと思いますが、御指摘のような業者があり、且つ一般に公開された文書等におきましても、そういうようなことの事実を連ねまして、一般公開文書にも出ておる事例を承知いたしております。併しながらその事実の一部と申しますか、犯罪になるかならないかは別といたしまして、この点におきましてそういうような事実の一部を我々の調査においても承知しておるところがありますが、まだこういう事実をすべて確信を持つて申上げる事態には立至つていないのでございます。一層今後とも深く内情を調査いたしたいと存じております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ちよつと関連しますが、防犯課長に伺いますが、防犯課長はやはり犯罪が起る前にこういうような悪質的な或いは暴力的な関連性のある者に対しては取締つて行く、これが主体的なあなたの務めであろうと思うのですが、先ほどの答弁の中に具体的な刑事犯罪が介在しないと取締りの対象にやつて行かれないというお話があつた。そういう事態が起きたときには実際例えば掛金をしたところの加入者のうちは全く被害がもう現実に現われておるのです。最近熊本にも起きた事件ですが、これは熊本の支店関係、出張所関係で本拠は鹿児島にある。ところが出張店関係のほうではやはり加入者を求めて月に掛けて行く、そうして二カ年間で三万円の払戻しをやる。こういうようなことでやつておつたのが満期になつて払戻しがないそうして出張店関係はやはり確実に加入者からは金を取つてしまつておる。そうして発覚の動機というのは、その出張店関係の給与を払わない給与を本店関係から払わない、こういうような事態で出張店関係の者が騒ぎ立てて、結局それに加入者も騒ぎ出して、はつきり本拠をまあ調べに行つて、こういうふうな事態で発見されておるから、そうなると皆何年か零細な金を楽しみに掛けた人たちがもう被害者になつてしまつておる。泣いても泣ききれないという談話を新聞にも発表しておるわけです。こういう事態は我々は大蔵省もやはりその過程において監査をすべきではなかつたか。或いは大蔵省関係と国警側としよつちゆう連絡会議というようなものを持つておるかどうか。この点は一つあなたのほうで答えてもらいたいと思うのですがね。それで事犯が起らないと警察は動けないというと、防犯にはならんと思うのですが、こういうふうな連絡関係のことも考えてもらわなければならん。もう一点は警視総監と非公式な場所で会つたことがありますが、やはり先ほどの質問の中にもあつたように、国電の中に金融会社の広告がしてある、それには何々代議士だとか何々前代議士だとか、こういうような広告をしてあつた。だからこれは少し怪しいな思つた。幸いにしてその代議士が自分と懇意であつたから、注意を喚起しておつた。ところが現実その金融会社というものは全くでたらめな金融会社であつて、そのために或る代議士は検挙されておる。こういう問題は、ただ個人だけの注意でなくして、やはり警察は警察として、或いは大蔵省は大蔵省として、先ほど言われたように、ただ広告だけはいたし方ないじやないかとか、そういう程度でやつておるならば、法律の範囲内であるからいたし方ないじやないかというようなことでなくして、何か、やはり被害者は大衆でありますから、それを取締るような、これはまあ干与になるかどうか知りませんが、善意的な干与をやつてみて、そうして確実性があるかどうかということは、やはりこれはあなたがたにおいてしよつ中防犯的に考えなくちやならん責任がありやせんかと私たちは思うのですが、こういう点に対しまして連絡会議あたりをやつておられるかどうか、この点について防犯課長から一つ………。

宮地直邦国家地方警察本部刑事部防犯課長

○説明員(宮地直邦君) 先ほど西郷委員のお答えにも一部触れて参りましたが、具体的にお答えを申しますが、大蔵省の特殊金融課のほうと私のほうとは事実上しよつ中連絡いたしておりますと共に、先ほど申しましたように、高度の専門的技術の問題、法律上非常に疑義のある面がまだこの方面には多多ありますので。検察庁、最高検を含めまして定期的な会合を持ちまして研究をしておる状態でございます。  それから私の説明がちよつと誤解を招くような言動がございましたが、その点貸金業法におきまして形式犯で検挙しておるのであります。例えば無届だとか或いは相互銀行法の違反というようなもので形式犯で検挙しておる面は、それ自体が或る程度防犯的になつており、まあできるだけ我々のほうといたしましては、その形式犯で検挙しまして、調べてみたところが実体犯が起つていないというのが先ず事前の策で、最悪の状態は、検挙してみたらその中に背任があつたり、横領があつたり、そうして結果的には預金者に多大な不測の損害をかけるというのが、これが最悪の状態で、ややもすれば今までの警察検挙というものは、そういう最悪の状態に至つた場合の検挙が多かつたことは、御指摘のように事実だろうと思つております。ところが金融には非常に事前の形式犯で検挙するということが困難な面もありますが、我々の気持と申しますものは、大体警察取締りといたしましては、形式犯の間に是非挙げたい。それからなお行政指導面におきまして、大蔵省の方面とも連絡をとりまして、今大蔵省の総務課長も御発言がありましたように、そう高金利というものがあるわけはございませんから、一般の啓蒙運動等にも積極的に努力いたしたいと、我々もその積極的な啓蒙運動に出たこともございますが、まだその啓蒙運動が足りないというふうな感じは我々も率直に持つております。今の一般啓蒙運動等は私は大蔵省方面と連絡をいたしまして、そういう行政指導方面の官庁の方々と我々は即応しつつ、先ず警察としましては形式犯のうちで検挙をいたしまして、実体犯の発生しないように努力する方針を立てておることは事実でございます。どうかお含みおきを願いたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ほかに御質問ございませんか。

小林武治緑風会

○小林武治君 先ほど高橋さんからお話があつたのですが、全く農村地方では今の新らしい金融機関なんかが流行病みたいになつておりまして、私も信州の田舎ですが、村中がそれに入る。これはさつきのお話のように、欲が深い、なんとかして高い利息を取ろうとする。そこにうまい網を張つておるものですから、皆ひつかかつてしまう。そこで、先ほどのような啓蒙運動も必要でありますが、何しろ啓蒙運動だけではいけない。それだから、どうしても元を取締らなければならん。私は大蔵省当局の先ほどお話のような程度では困ると思う。これは入る者が悪いなんということは、これは以てのほかの話でありまして、ああいうものが特に東北、或いは北海道、北陸、長野県というような農村地帯にはひどいはびこり方をしておりまして、あなたがたはこういうことはわからんだろうと思いますが、全く村中が正規の金融機関には預金をしないということで、銀行が相当悲鳴をあげておるところがあります。こういうところは、相当困難はあるが、農村の善良な欲の深い人たちがひつかかつて、そうして悲惨な目にあわないように、何か予防的な手段を講じで欲しいと思うので、この点を是非一つ御注意願いたいと思います。

大月高大蔵省銀行局総務課長

○説明員(大月高君) 只今のお話、実情を調査いたしまして考えてみたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは午前中はこれくらいにいたしまして、午後は副知事の問題と行政改革の問題、午後は塚田長官も閣議関係で出席ができるということを言つておりましたから、一時から開会いたすことにいたしまして、休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩    —————・—————    午後一時四十九分開会

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 休憩前に引続いて地方行政委員会を開会いたします。  地方行政の改革に関する継続調査案件中、副知事制度に関する件でございます。過般の愛媛県に起りました県条例によつて副知事を置かないという事件に対しましてのいきさつについて、先ず政府からそのいきさつを聞きたいと存じます。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 実は愛媛県の副知事問題につきまして、私のほうから特別に調査をしたわけでもなし、又正式に向うからまとまつた報告が来たわけではありませんが、いろいろな質疑、その他の関係で私たちの耳に入つていることだけを御披露申上げたいと思います。  期日はいつでありましたか、ちよつと忘れましたが、副知事問題は、議会側が、副知事在職中に、副知事を置かない条例を制定することができるか、こういう問題が起りまして、その問題の起つた実際の経緯につきましては、詳しく且つ正確なことは存じておりませんが、そういう問題が起りまして、自治庁のほうに質疑が参つたのであります。そもそもこの組織に関する問題の条例の発案権が議会にあるのかどうか。特に副知事が任期中に、途中でこれを廃止するという条例を出せるのかどうか、そういうことを中心にしまして、仮にその条例が議会に発案権があつて通つた場合においては、これを再議に付することができるかどうか。或いは更に再議の結果、採決されても訴訟を起せるかどうかとか、或いは再議決の結果再び通つたとしても、これと公布の関係をどうすべきか、そういうふうな問題を知事側及び県の議会側から我々のほうに質疑が参りまして、これはお手許に資料として配つておきましたが、私たちのほうといたしましての見解をお配りしました通りの内容で、実は回答をいたしたのでございます。その回答ののちに、議会のほうにおかれて、副知事を廃止する条例を多数で制定せられまして、ただその施行期日が一月後になるような条例の内容になつておるものを制定に相成つたはずでございます。併しながら知事側といたしましては、この取扱につきまして、今日まだ公布になつていないように聞いておるのでありまして、事実上これを再議に付されたというふうな情報までは、我々の耳には入つておらないのであります。その後どういうふうな進み工合になつておりますか、我々自身も実は知りたいと思つておるのでありますが、今日までのところは、そういう状況でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 御質疑ございませんか。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 ちよつと伺いますが、そういたしますと、今の御説明で私考えてみますと、結局向うのほうの議会で以て提案したことについては、一応自治庁のほうの見解を質した上で提案したということになりますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) その見解を質すという意味は、議会側に発案権があるかどうか、こういう点についてあらかじめ我々の見解を質されたことは事実であります。それで、あるという見解を披露したことは事実でございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 その他の内容につきましては別段見解を聞かれたようなことはないのですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 個々の問答、お配りいたしておきました内容につきましてだけ正式に質疑がありまして、正式に回答を与えた。これだけでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 そうすると、まあ向うで自治庁の見解を質した後に、一つの自信を得て、これが提案をしたというふうに、私は解するのでありますが、そうしますと、この回答については自治庁としては相当の責任あるものであるというふうに考えられますが、この点についての御所見を伺います。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) この回答そのものにつきましては、勿論我々責任を持つて回答いたしたわけでございますから責任があると思います。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 この回答の際に、再議はできるかできないかというふうな向うのほうの照会に対して、再議ができるとお答えしたか、これは私はまだ十分読んでいないのですが、あなたは再議が不可能という御見解ですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 再議の問題は実は質疑の問題もありますが、自治法の百七十六条に、知事の再議権が実は書いてあるのでありますが、再議を無条件にやれる場合が一つと、知事が条例か予算に関する議決については如何なる場合においても、当該普通地方公共団体の長は、無条件に再議に付するという規定が一つある。それといま一つは、その議決が違法か越権の場合にやり得るという規定と両方あるのでございまして、無条件の場合は、これは如何なる場合でも認めているのでございますが、私どもは違法又は越権を理由として、再議に付するかどうか。その違法、越権は議員側の発案権が、議員が発案したということを理由にして、それを違法か越権かそういうことを理由にして再議をすることができるかどうかという意味の質問があつたので、その意味ではそれはできない。こういうことを答えたのでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 そうしますと、更に条例の提案権についてお伺いしたいのですが、これはこの場合におけるところの提案の内容を考えて、できると考えて回答したのであるか。一般的にこういうものに対しては条例の提案は議会からできる。こういう回答であつたかのかどちらか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 内容を考えて、と申しますのは、今のように副知事を置かない条例について発案権があるかないかということで、副知事を置かない条例は、自治法の百六十一条の第一項に規定がございますが、その条例ならば議会に発案権がある、こういうふうに解釈するのでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 副知事を置かないというふうな場合に発案権がある。そうすると、置かないという場合の議会の動機というようなことについてどうお考えになりますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 私のほうといたしましては、動機とか適、不適とかいう問題は別に質問があつたわけではありませんので、ただ法律上の解釈として、それが可能かどうかという自治庁の見解を尋ねられましたので、その限度でお答えしたのでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 これについて弁護士の沢田竹次郎という人の意見書がここに出ているのですが、これはどこに出した意見書か知らないが、資料を読んでみた。読んでみると、この意見書は私は通りが悪いように考えられますが、問題は結局副知事を置かないとするところの条例を提案するというようなことについては、相当これはそのときの理由については、自治庁としても考えなければならないように思うのです。ところがこれはどこまで信じられるかどうかわからないけれども、これはいわゆる副知事を置かないとすることの動機については、むしろ副知事個人の適材でないというふうな理由から、この条例が出されるように意見書が述べられておる。これが非常に不都合であるというふうなことを相当法的に見解を述べてあるようですが、これをお読みになりましたか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 実は沢田先生の意見書というのは、よく拝見いたしておりません。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 この意見書で私は非常に重要だと思う点は、副知事の解任については結局知事に解職権がある、選挙民からの要求権がある、そういうふうなことがあるということは、特に議会で以てそういう条例を出して副知事を置かないというふうなことの必要を認めない、こういうふうな意見が出ておる。これに対する御意見はどういうふうにお考えですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 沢田先生の御意見は正確なことは存じませんが、副知事の解職権は知事にあるし、それから又一般の解職請求権のような規定もあることは、よく存じておりますが、その問題と、そうした副知事を置かないという県の組織に関する条例を県会が発案できるかできないかという問題とは、私は直接関係はないのではないかと思います。組織そのものをどうするかという問題と、それから個々の職員を解職するかしないかという問題とは、法律の精神から言つても全然別の問題であつて、個人の問題と制度の問題でありますから、それで制度としては、議会にもこれは当然発案権があるものと考えるわけでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 どういうふうな場合に、そういうふうな副知事を置かないとする一つの条例の提案権が、あなたとしては考えられるか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) これは実は百六十一条に、「都道府県に副知事一人を置く。但し、条例でこれを置かないことができる」とこういう規定がございまして、副知事を置く必要を認めるか認めんかは、それぞれの地方公共団体の自主的な判断に待つべきものだと思うのでございます。それで御承知の通り地方自治法が作られた当時は、副知事一名を置くということで、但し書の規定がなかつたわけでございます。それが最近条例で置かないことができるという改正があつたのでございまして、副知事を置くか置かないかは、その県の規模なり組織の大きい小さいなり、議員数の多少なり、そうしたいろいろな事情を勘案されて、それぞれの自治団体の実情に応じてきめて然るべきで、法律上当然劃一的におく必要はないのではないかということで、そういうことで、それぞれの団体が自主的に判断して、必要がないと認めれば、やめることができる途が開かれたのが、この規定でございます。それでありますから、如何なる場合かを具体的に申されても困りますが、それぞれの府県で……、現にほかの県でもこの条例を出して、副知事を置いておらない県もあるのでございます。県の規模が小さくてそして特に副知事を置かないでも県政が十分にやつて行けるという程度の組織機構のものであるならば、置かなくても差支えない。まあ具体的にどういう場合かということは、県会が民主的に判断せられると、こういうことを考えております。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 この意見書によるというと、京都あたりにおいては、副知事は適材がないとして置いておらない。ところが適材がないとは、現在適材がみつかるまで置かないことになると思うのですが、だけどこれを条例によつて副知事を置かないという規定はしておらない。それはちやんとやつておるけれども、適材がない。ところが副知事は現にこの愛媛県のほうにですな、不適当であると、適材でないと、こういうふうな理由の下に、現にあるところの副知事を条例によつて排除してしまうと、こういうふうなところが他に例がありますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 私の今まで聞いておりますところでは、副知事を置かない条例が作られておるのは、一つ群馬県があるのでございます。群馬県はありますが、そのほかには岐阜県はどうでしたか、ちよつと記憶ありませんが、副知事のおらないことだけは事実でございます。それで今おつしやいましたように、副知事が適材でないから置かないというようには、群馬県の場合は勿論聞いておりません。県の組織機構として必要がないという、こういう御判断だろうと思います。それから愛媛県の場合はどういうことが本当に動機であつたのかどうか、そこのところは、私は正確なところはよく存じておりません。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 そこでですね、若しこの場合に適材でないから現にあるところの副知事を排除するために、他の一つの理由を以て条例を発案したというふうなことがあつた場合に、自治庁としてどういうふうにお考えになつておりますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) これはまあその条例をきめるかきめんかは、自治団体の問題でありまするから、その自治団体が自主的に決定せられることの当否を我々のほうでかれこれ言うのは差し控えるべきであります。単にそういう仮定を前提にして、全然個人が適当でないから、或いは個人がその職にとどまるべきものでないからと言つて、組織をとやかくするのは適当か不適当かということになり、これは相当議論があり得ることだと、私は考えております。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 私はこういうふうな条例は、若し議会から提案できるものであるとすれば、これは現副知事なら副知事の一応任期の終つたときに、そういう場合に、この全体を考えて、そして副知事を置くことが必要であるかないかということを十分検討の上に、そういうふうなものは提案さるべきだと思うのであるが、こういう任期の途中に提案されるということについては、どうも私は不当のように考えられる。この点如何でございますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 副知事の任期中にすぽつと条例を出すことの、まあ当か不当かという問題と、適法か不適法かという問題と両方あり得るわけでございますが、法律上の解釈といたしましては、組織が適当でないと認めれば、例えば役所の組織だつていつ廃止する法律をお作りになつても、これは自由であると思うのであります。その点ただまあここの法律が適当かどうかということは、それぞれ意見は分かれるところだと思うのであります。副知事の問題にいたしましても、県の組織として、誰がどう考えても、もはやこの県としては副知事は要らないということで、多数のかたが、そういうふうに御判断になれば、これも止むを得ないことだと考えるのでございます。御本人にとつて適当か不適当かということになれば、これはそれぞれ意見はあり得ると思うのでありますが。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 知事が解職権を持つて、而も知事の補助として四年なら四年の任期のあるものを、而も初めの議会においてそれを認めて副知事ができているものを、途中において、この県の組織から、行政組織から考えて、そういうふうなものは不要だというふうなことが常識としても、我々全然考えられないのですが、あなたはどういうふうに考えますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) まあこの事件の動機とか真相とか、いろいろそういうことをよく承知しなければ、実際のやり方の当否というものについて意見を吐くのは、これは行き過ぎであろうと存ずるのであります。ただ任期中だから絶対にやるのはおかしいかということになれば、例えば県の部制もまあ条例できめることになつております。これは部長や課長は勿論おりましても、部制を整理する、この部を整理するということは、当然に考えられ得ることでありまして、その一点で当然に不当だということまで言うのは、少し行き過ぎじやないだろうかと、そういうまあ考えがいたします。だから具体的の問題は、どういう理由で、どういう動機で、どういう事情でということがわからなければ、あの事件の当否ということを言うのは差し控えたいと思つているわけでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 ここでこれだけの一つの新らしい問題が起つているに対して、これがどういう動機で以てこの条例が提案されているかということを、末だあなたのほうで知らないということは、これは監督の官庁としておかしいではないかと思うのですが、その点どうですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) まあ監督官庁というお話が出ましたが、この頃自治庁は余り監督官庁でない、(笑声)監督官庁の恰好になつておりませんので、我々といたしましては、県政が自主的に円満に行くことは常に念願をいたしておりまして、それはいろいろな情報は入つて来ますし、又入るように努めてはおりますが、全然知らんわけでもありませんが、これは各人各様、いろいろな意見が入つて来ておるのを聞いております。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 若木さんの質問を重複する場合もございますが、自治庁の愛媛県総務部長宛に出しました回答に、議員が条例を発案したことを理由とする限りにおいては合法だという御回答があるのでございますが、この条例を発案したことを理由とする限りにおいてという内容におきましては、条例の発案或いは条例の性格ということが当然まだ問題として残るだろうと思うのです。で、議会のその条例が権限内のことであつたかどうかということ、それから条例の内容が合法的であつたかどうかということ、こういうことが立証されなければ、この問題のまだ解決は完全にできておらないと思うのです。そういう点で伺いたいのでありますが、副知事の法的な性格でありますが、地方自治法の第百六十一条は、御承知のように「都道府県に副知事一名を置く。但し、条例でこれを置かないことができる」。百六十三条には副知事の解職権を知事のみに認めております。この二つの条文から類推いたしますときに、都道府県の組織上副知事を置くことが原則だ、副知事は置くべきである、置くことを必要としない余ほどの理由があるときのみ条例でこれを例外的に認める、副知事は知事の執行最高補助機関として他のことに比し議会よりも知事の権限を遥かに重視していると、こういうふうに認められるのではないかと思われるのであります。で、こういうことを前提といたしまするならば、但書の適用の場合における条例内容といたしましては、都道府県行政上の当然必要である副知事をやめさせることになりまするから、副知事をやめさせることが、より執行機能を向上させるという顕著なる理由がなけりやならないと思います。それらが又何らの違法性を含まないという理由も、少くもこの二つは具備されなければならないと思うのであります。この点、愛媛県の今度の条例に対しまして、自治庁は如何なる点で議会の権限内であるということ、違法性を含まないということを御立証なさつておるか、先ず第一にその点を伺います。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) この違法か越権かと申しますことにつきましては、今仰せになりました通りいろんな条件を考慮しなければ、実はその具体の事件そのものをとらまえての判断はできないと思うのでございます。そこで自治庁の見解もその点は非常に用心をして書いてあるのでございまして、議員が条例を発案したことを理由とする限りにおいては違法ではない、越権ではない、こう言つたのでございまして、条例そのものはどういう条例か、実は審議しておるわけでもなし、それから条例の例えば議決の手続にどういう違法があつたかもわかつたことでなし、その他それ以外の違法とか越権の理由というものは、十分にどれだけでもあり得ると思うのであります。それ以外で若し違法又は越権という事実がありますれば、その事実を基礎にして再議に付することは、これは勿論法の許すところだと存ずるのであります。それからあとの百六十一条の読み方の問題でありますが、これは今仰せになりました通り、建前は副知事を一人を置くということになつておりまして、但し書で条例で置かないことができるということになつておるのでございます。併しながらまあ但し書で書いてあるから、条例で置かないのは何か特別の事由がなくちやいかんか、こういうほどの読み方をする必要があるかないかということは、私は多少まあ疑問があると思うのでありまして、県として副知事は要らない、組織上そんなものまで置かなくてもやつて行ける、行政の成るべく簡素な能率的な仕方で十分にやつて行き得るという見通しがあるのならば、置かなくても結構でありまして、そう何も特別な、えらい特別な特殊な事情がなければというほどのことがこの但し書からは出て来ないのじやないだろうか、こういうふうに考えておるのでございます。でありますから、現に群馬県でもそう何も特別な深い、深い理由はきつとあつたと思いますけれども、特殊な事情があつたというふうには我々は聞いておらんのでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 法の解釈としては、部長さんの解釈おかしいと思う。群馬県でどうであつたとか、愛媛県でどうであつたとかという事実があつたからといつて、それが合法であるという理由には一つもならない。地方自治法の第百六十一条、百六十三条を併せて見るときに、少くも都道府県の組織上、副知事を置くことが原則であるということは、これは認めざるを得ない。又副知事の身分なり地位なりというものに対しては、議会よりも知事のほうに権限を重く見ているということも、一応見てよろしいのじやないかと思う。そうなつて参りまするときに、地方自治法の法の上では、副知事の地位なり或いは組織上の機能なりというものを相当重視しておるというふうに見なきやならない。そうであるならば、その組織上地方行政の上で大切な地位にある副知事を客観的に或いは合理的に条例内容として当然廃止すべき理由があるかないかを検討しないで、ただ議会だけが副知事を要らないという気持が起つたからといつて、そのまま条例に出すということは、条例の性格からいつて正しい適格性を持つた条例であるというふうには解釈できないと思う。というのは、今部長さんの御説明の中にも、行政上の見通しから副知事を必要としないときにはおかなくてもいいということなんです。行政上の見通しということで、行政機能が副知事をおかないことによつて非常にマイナスにならないという見通しということであろうと思う。そうなつて参りまするときに、愛媛県の具体的な場合を抑えてみますときに、愛媛県という地方行政の上で、副知事を廃止することが地方行政の機能を更に円滑にして行くんだという事例は一つも出ておらない。むしろ逆に知事は副知事を廃止されては困ると言つておることは、行政機能上愛媛県では副知事を必要とするという客観情勢がある、こういうふうな見方が成り立つと思う。そういつた内容を検討しないで、この条例が適格であるという判断を下すということは、少し早計だと思うのですが、その点如何ですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 問題はつまりその条例の適法性の問題と当不当の問題と、これは両方あり得るのでございます。そこで我々は法律上適法なりや違法なりやという判断を実は下したのでございます。それで今仰せの通り副知事の任免権或いは解職権、特にまあ解職権は百六十三条で知事にあるのでございまして、その意味におきまして知事のほうが、まあ知事側の意見のほうがというか、少し歩が強いのじやないかというふうなことは、これは副知事個人の任免黜陟の問題につきましては、当然長である知事が責任を持つという体制を維持しておることは明瞭でございます。併しながら組織そのものをどうするかということになつて来ますというと、国家行政組織をどうするかという問題と個々の次官や局長を誰か任免するかという問題とは別でございまして、組織をどうこうするかという問題は、それぞれの団体の最高の意思決定機関である議会が条例できめるということは、毫もおかしくないのでございまして、条例というものの性質上、当然これは議会が自主的にきめらるべきものだと思うのでございます。それできまつた条例に基く個々の人事の問題は、これは知事が自分の女房役として使う人の問題でありますから、これは長が指導的な地位に立つということは、これは当然だと考えるのでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 部長さんは、条例をきめる権限は議会にあるし、その条例をきめる権限内のことを議会がやつたのだから、条例そのものについては問題がないとおつしやるのですけれども、条例であるわけでありますから、それが議会の権限内であるということが明確にならなければならない。それから違法性を含んでいないということが明確にならなければならない。私が前から質問をいたしておりますのは、これが議会の権限内のことと言い得るかどうか。もう一つは違法性がないかどうかという点を質問しているのです。で、百六十三条の知事の副知事に対する解職権というのは、副知事の身分上のことだと言いますけれども、今度愛媛県の県会できめた条例は、組織を変えることと言いますけれども、地方行政の組織上の副知事の地位というものを、百六十一条、百六十三条は、はつきりと保護をしている内容だと見ることができると思う。例えば副知事を置くということは置くことが常則であるということで、副知事は当然廃止さるべき理由がない限りにおいては置かなければならないというふうに解釈しなければならない。そうすれば副知事というものは簡単に置いたり置かなかつたりあげつらいすべきものじやないという、副知事の重要性というものを認めていると考えられないわけはないと思います。それから議会の権限を抑えて副知事の身分というものを知事に主として持たせましたのは、法が副知事の身分というものを保護することによつて、副知事の組織上の地位を保護しているという見方も成立つと思う。そう考えますときに、副知事の身分、地位に対して解職権のないものが、法によつて保護をされております副知事の意思に背反して逆な決定をするということが、権限内であろうかという争点も当然成立つと思う。この条例、この条例と申しますのは、愛媛県できめました副知事廃止の条例が、そういう点から違法性が全然ないということに果して言い切れるかどうか。この点自治庁の御説明を承わりたいのです。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) ともかくも条例はこれはまあ議会の権限であるということは、これは申上げるまでもないことだと思うのでございます。議会が議決機関として憲法の定めるところによつて自治法に基いて置いておるわけでございますから、議決機関が条例という一団体の最高の立法行為をやるのがその本体でありますから、当然これは議会の権限にあることは一点の間違いのない問題でございます。ただ問題は、ここで問題になるのは、それなら条例は当然に発案権がどちら側にあるかということが従来議論になつておるものでございまして、この発案権の問題は、我々はともかくも知事というか長に発案権が専属されるというふうに法律上の規定上限定されない限りは、当然議決機関である議会が発案権をもつのが当り前だ、こういうふうに考えておるのでございます。これは国会のことを類推するのは全く余計なことだし、判断が違うかも知れませんが、当然そうみるべきだと思います。出した条例が長にだけ発案権が与えられておるという形を明らかにしているものは、それは法がそういうふうに限定をしておるわけでありまして、それ以外の場合には条例は当然議決機関である議会が、どういう内容であろうと、如何なる時期であろうと提案していいものだ、こういうふうに解釈すべきだと思うのであります。ただ併し条例といえども、国の法律に違反してはならないことは当然のことでありまして、そこでその条例の内容が法律に違反するかしないかという判断問題が一つ出て来るのでございます。今の場合におきましては、副知事を廃止するということを提案した条例が、条例の中味として法律に違反しておるかと申しますと、単に副知事をおかないということを条例できめることはもとより百六十一条が認めていることでありますから、それは違反でも何でもないのであります。ただ副知事の任期中に副知事をおかないという条例を出すことが、然らば副知事というものの任期を法律が保障しておる精神に反しやしないかと、こういうところが唯一の問題になり得るのじやないかと思うのであります。それはそもそもその条例を出す動機が適当か不適当か、その趣旨がいいか悪いかという問題でありますが、これはその条例の中味が適当か不適当か、その当該県にとつてよかつたか悪かつたかという判断の問題でありまして、これは専ら当該団体が自主的に決定すべき問題であつて、法律上の当不当の問題が介入すべき余地のないところだと考えるのでございます。そこで現に任期が保障されている副知事が、今任期中にもかかわらず、やめる条例を出して急に施行するということが、果して然らば法律に違反しているかと、こういうことに相成るのでございますが、私どもはそれにつきましては、それは副知事個人の問題とそれから団体の組織そのものの問題とは、これは別個に考えるべき問題でありまして、そもそも副知事のこと条例でどうこうということを書きましたのは、副知事を置くか置かんかということは、当該団体にとつては組織上の最大の重要問題でありますから、そういう重要問題は条例できめるべきだということにしただけでありまして、当該団体でもはやいらないという判断に到達すれば、これはいつでも法律上やめることができる。その点は先ほど申しました各部局が法律で、自治法にどういう部を置くということは一応原則が書いてありますが、あとは県でどういう局部でも自由に置き得るようなことに実はなつております。それでそれぞれ各県で多く置いたり少く置いたりいたしているわけでありますが、その局部がある限りは、それぞれの身分を保障された地方の公務員がおるはずでありますが、おるからと言つて、それじやその局部を廃止することはできないかということでありますが、そういうことはないわけでありまして、自由に廃止することができる。而も局部を廃止すれば、公務員法上その身分も必ずしも一〇〇%保障されておらないというふうになつているのでございまして、組織の権限はこれは別問題だと考えるのが筋じやないかと思うのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 行政部長だけでなく、自治庁の法的解釈というものは、実に大きな誤謬を犯していると思うのです。それはお説の通り議会は条例を策定する権限があるのですから、議会が条例を作つたのだから、どこが悪い——その通りであります。百六十一条には副知事を置かなくてもいいということがきまつているのだから、おかなくていいということをきめるのは当然だ——それもその通り。併し法律解釈というものは条例なら条例というものだけ、或いは百六十一条なら、百六十一条の但書なら但書というものだけを抑えて解釈するということは非常に危険がある。そうではなくして、その条例は本法できめられたいろいろな条項に違反しないように、本法そのものを、例えば地方自治法なら地方自治法の法の基本精神というものに背反しないように解釈して行かなければ、法の解釈というものは誤る。そこで地方自治法というものの基本精神というものから考えたときに、議会の権限であろう条例にしたところで、行政機能に非常に支障を来すようなことを権限内のものとして認めるということであつては、地方自治法が許した条例ということにはならない。そこで確かに百六十一条は副知事を置かないことができるということを書いてあるけれども、置かないことができるということは、置かなくても行政機能上支障がないという事実が熱したときにのみ、この条例というものは法的に効力を生ずるというふうに解釈しなければ、私は間違いだと思う。そこで愛媛県の場合は、先ほども申しましたが、副知事をやめられては困るというふうに、行政機能上支障を来すということを知事がはつきり言つているのに、議会だけがこれを一方的に判断をしてやめさせるということは、行政機能上支障がないという客観情勢が熟したとは見られない。又先ほども言つたんですけれども、百六十一条、百六十三条で組織上の副知事の地位というのが議会よりは邊かに知事によつて保護されているような立場をとられておるのに、この知事の発言権というものを一切放棄した姿において、議会だけが副知事廃止の条例をきめるということは、理想的な形であるとは考えられない。若しもこれを条例上違法でないからと許すならば、議会の多数党は勝手なときに副知事を作つて、勝手なときに副知事を廃するということも、又許さなければならんことなんです。そういうことをやることを、若し自治庁が正しいと解釈するならば、一体この自治法の条例の策定の権限というものは、地方自治を向上させることになるか、停滞させることになるか。本法を損うこと甚だしいということになる。そういう将来の運用上の虞れのある事項についての解釈が、非常に形式的じやないかと思われる。その点具体的に伺います。愛媛県の条例策定は合法であるかということを、明確にお答えを頂きたい。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) この知事側が副知事というものの必要を主張し、これがなければ行政運営上困ると、こういう判断にもかかわらず、議会側において権能組織或いは行政組織の簡素化とか能率化とかいろいろな見地より考えて必要がないとこういう判断をした。こういうことが恐らくは結論になると思うのでございます。そこで問題はまあ県政が円満に運行するためには、県会側の意向と知事側の意向とが一致することが一番望ましいことは、それはその通りでございまして、万事円満に行つたほうが私は一番いいと思うのでございますが、これは併しそれぞれ独立の機関でありますので意見が食違うこともあり得ることは止むを得んことだと思うのでございます。それは国会と政府との関係でも同様な問題だろうと思うのでございます。それで議会側といたしましては、それは、当然県の最高の議決機関としてあらゆる点から総合的に考えて 少くとも愛媛県においては必要があるまいという判断を下したものと見るべきでございまして、私のほうからそのこと自体をとやかく言うのは、これは我々としては少し出過ぎた措置だろうと考えるのでございます。ただ個人的に任期が一年かそこらあるにもかかわらず、もう暫くおいたつていいじやないかという議論は、これはあると思います。それから当該愛媛県においては、置いたほうが県のためにもなるのじやないかという意見もあり得ると思うのでありますが、それは常にいろいろな意見があり得るというだけでありまして、それ以上法律的にそれを捉えて、これは違法だとか或いは適法だとかという問題には、ならないと考えるべきじやないかと思うのでございます。それでありますから、我々は勿論何も形式的に必ずしも論ずるわけじやないのでありまして、自治法全体の精神から見ましても、このことを以て直ちに違法なりとそういうふうな判断を下すのは行き過ぎであろうと、適、不適ということになれば勿論意見があり得る、こういうふうに考えておるのでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 百六十一条但書の解釈だと思うのですけれども、「但し、条例でこれを置かないことができる」と、この条例というものの合法性を部長さんが、当然発案権のある議会が出したものでそれが正式な機関によつて決定されたものだから、形式的に正しい順序を踏んでいる、だから合法だ、こういうふうに解釈されておると思う。法律で許されている条例によつて議会がきめたものを、第三者があれこれ言うことはおかしいという御見解のようですけれども、この条例はこれを置かないことができるというものの内容を、そういうふうな形式だけで解釈していいか。条例でこれを置かないことができるというのは、副知事を廃しても、執行機能に支障がないという客観情勢が熟さなければ、この条例の法的な効力というものが生じないというふうに解釈したほうが、この法の解釈としては正しいかということは、相当議論をしなければならない問題だと思う。何故かと申しますと、あなたのおつしやるように若し解釈するならば、私は先ほども指摘したのでありますが、多数党によりまして、執行機能を麻痺させる意図からも、副知事を置いたり置かなかつたり、政争の具に副知事の地位がいくらでも使えるという、これが一つの判例になると思う。あなたはこの前群馬県では廃止したと言うが、群馬県で廃止したときには、執行機関も議決機関も恐らく同じ意思で廃止が運ばれたと思う。今度は執行機関と議決機関は意思が違う。そこで議決機関だけの意思でこれを正しいとするならば、これがさつき言つたような政争のために条例を弄び、条例によつて副知事の地位というものを材料にするということになりましたら、これは地方自治の運営上由々しい問題じやないか。そこで但し云々という内容は、執行機能に支障なしという条件が熟さない限りにおいては、その条例の適格性は生じないと解釈するならば、今度の場合の問題というのはなくなるわけです。そう解釈するほうが、私は本法の精神からいつて妥当でないかと思うのですが、この点御見解を承わりたいと思います。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 条例の中味が果して県政の運行上適当であるかどうか、結局そういう判断の問題だろうと思うのでございます。そこでそういう判断が一体誰が最終的にきめ得るかという問題でありまして、昔なら条例の認可を一々自治庁が仮に内務大臣がやつておつたとするならば、内務大臣の認可によつて、それは最終的にきまるかも知れない。併しながら今日におきましては、新憲法の精神に則りまして、自治立法というものは自法団体が最も自主的に決定すべきものでありますので、自治団体の自主的な意思によつてやることが、これは基本の精神とされておるわけであります。そこで自治立法権を具体的に行使する自治団体の機関が、これがあらゆる面を総合的に考え、而も自分の県政について全責任を持つておる機関でありまして、全県民に対し石県民を代表し県民に責任を負うておる機関が多数を以てそういうふうにきめるとすれば、その判断に従う以外にこれはないのでありまして、その判断そのものの当否は、個人的には勿論いろいろ意見もあると思いますが、団体の意思としては、その団体の正当な権限のある機関が、正当な手続を以て決定したものによつてきめるということが、まあ一応の建前になつておると思うのでございます。ただそれで知事側と意見が食違つたということは、これは我々としても遺憾と申さねばならないことかもわかりませんが、これも知事の意見と県会の意見は常に一致しなければならんということは、これは又県会というものが、これはあつてなきがごときものになるものでありまして、これは県会は県会としての自主的な意見を持ち、知事は知事としての自主的な意見を持つということになり、その意見が一致した場合には円満に行くが、一致しない場合がこれはあつても万止むを得ない、こういうことに相成ると思うのであります。それでありますから、その判断を結局誰がするかということが、法律上の解釈の仕方の問題になつて来るのでありまして、我々が個人としてすることは余り意味が実はないと思うのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 部長さんの考えは条例というものを非常に強くとつている。私の質問は、条例が違法性を含んでおつても、条例と言われるかどうかというこを言つている。そこで私は条例が正しいか正しくないかということではなくて、この愛媛県できめた条例は、百六十三条の本法に違反しはしないかということを言つているんです。個人がどうこうじやなくて、この百六十三条の但書の解釈というものをどう解釈するかということは、少くとも自治庁においては、我我から見れば、遥かに正しい他のものよりも客観的な判断を下す機関だというふうに見ておるんです。そこで自治庁の百六十三条の解釈の仕方によつては、今度の問題も直ちに解決するわけで、そこで私のような解釈の仕方というものは成り立たないかということを伺つておるんです。これに対しまして、あなたは条例の権限というものを非常に強く御主張なさるんでありますが、知事には知事に発案権があり、議会には議会に発案権があるが、その発案権はいつも知事に相談しなければできないということは不合理である。その通りであります。併し地方自治の機能というものを円滑にして行くためには、どちらから発案がされたところで、どちらに反対があつたところで、一応のものは両者の妥協というものは付くはずなんです。今度のように、議会は議会、知事は知事と、職を賭してというような激しい対立があるということは、これはよほどのことなんです。こういう問題というものは、よほど条例そのもので解決しようと言つたつて、条例の一つの欠陥が出たわけなんです。そこで条例を縛るところの本法の解釈というものに、自治庁が真剣になつて頂かなくては、同じような問題が、条例という名の下に幾らでも出て来ると思う。それは非常に地方自治法上危険なことでありますので、私のような解釈をとり得ないものか、こういうふうに伺うんです。とり得ないものかというのは、個人的にとつたほうがいいということではなくて、百六十一条なり、百六十三条なりというものを解釈して行くときには、二つの法は私のような立場をも裏付けているということにならないかということを言つているんです。この点ですね。あなたがたの、今自治庁がとつておられるような解釈をとつておれば、政争の具に副知事の地位なり、条例なりというものを頻繁に使つて来るというふうな形になりましたときに、自治庁はそれらの地方紛争というものに対して、どういう解決の方法をとられるか。あなたの解釈に従えば、条例できめられたことだから仕方がないということになれば、地方自治の円滑ということをどうして図つて行くことができるか。地方自治法の精神というものは、全然そういう御解釈、お立場をとつて行かれる場合に、台なしになつてしまうということも憂えられる。それらの大きな立場から御判断を頂かなければならない問題じやないかと思いまして重ねて伺います。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 今のお尋ねはすこぶる御尤もでございますが、実は我々はこの愛媛の知事側と県会側との問題をめぐつていろいろ論議を重ねておる。而も今後又どういうふうに論議が展開して行くかわからん、そのめどが必ずしもついておるか、ついておらんかもわからんというようなことは、すこぶる遺憾でありまして、それは速かにそうした状態が解消されて、理事者側と県会側とがお亙いに相協力して、県政のために働くという状態になることを望んでおるわけでございます。ただ併しながら、そうした問題は結局県の政治の問題であり、行政の問題でありまして、これはそもそも県の行政整理そのものの問題として解決されなければならないのでありまして、この法律の解釈によつて、右にも左にも途端に引繰り返るというべき問題じやなしに、政治行政の実態の問題として、円満に、自主的に事が動くように運ばれなければならない。又そういうふうに各方面におかれましても、御努力をお願いいたしたいと我々は熱願いたしておる次第でございます。そこで今の問題は、法律の解釈の問題になれば、百六十三条、それから百六十一条の規定を総合的に考えてみましても、この条例は違法であるということは、言うわけには参らない、それが自治法の精神であろう。ただその法律の運用の結果いろいろな問題か捲き起こつたとすればこの運用については、やはり我我といたしましては深い関心と懸念を抱いておりますけれども、法律の解釈といたしましては、そう考えるほかないというふうに存じておるのでございます。法律の解釈の問題以上の、もつとその奥にある政治の問題、行政の問題として、事柄が円満に話が進まなければ、これはうまく行かない、そういうふうになることを我々としては念願しておるわけでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 政治の問題として解決がつくことであるならば、これは何もここで法文の解釈をいろいろやらなくていい。で、重ねて伺いますが、そうすると、自治庁としては、百六十一条但し書、条例で議会がきめるならば、内容の如何にかかわらず、これは効力を生ずるものだこう御解釈なさるのですか。もう一つは、組織上副知事の地位というものを、百六十三条は保護していると我々は認めるのでありますが、そうではないと、それはただ身分保護だけであつて、組織上の改変はそんな問題にかかわらず、議会の自由な権限だ、こういうふうに御解釈なさつておられるのでありますか。この二点……。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 先ほどから申しました通り、それは条例の中身によつては、中身が違法な場合が勿論あり得るのであります。だから条例が県会の権限だからと言つて、常にその条例が適法である、こういうことにはならないことは、これは極めて明瞭でございます。併しながら単に副知事を置ないものとする、こういう中身の条例ならば、その条例を以て違法なりと言うことはできない、こういうふうに考えておるのでございます。仮りに愛媛県に永久に副知事を置かないものとする、こういうふうな仮りに条例だとすれば、永久的にとかいうふうなことは、これはおかしいということは認められ得ると思いますが、単に条例に副知事を置かないとすれば、これを以て違法なりというふうなことは判断はできないと思います。あとはその条例のきめ方が実情に照らして当を得ておるかどうか。適当か、不適当か賛成か、不賛成か、こういうところにあるものと考えざるを得ないというふうに見ておるのでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 部長さんのお話は、さつきから伺つておりますと、条例が主で、法が条例に従つてできて来るというふうな、どうも錯覚を我々持つのです。私どもの伺つているのは、条例が本法に違反しておるのじやないかということを聞いておるのです。そこで条例できめたならばいいという御解釈でありますると、一体この百六十一条の法の解釈というものは、何らの執行機能に異常がないという、そういう事情がなければ、副知事を置かないことが当然であるという理由は明示されないので、副知事を置かないという条例をきめさえすれば、それが百六十一条に対して合法だということになるとは、我我解釈できないのです。この点をもう少し御説明願いたい。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) どうも説明が下手なもので申訳ないのでありますが、私は条例の中身の如何によつては違法な場合も勿論あると思うのであります。但書の条例だからと言つて、常に適法であるとは毫も考えておりません。それでありますから、具体的の条例を見て、この条例の中身が適法か違法かという、こうまで議論しなければならないと思うのであります。そこでここに今具体的の条例がありませんから、前提を単に副知事を置かないものとするという中身の条例ならば、この条例は違法か適法かと言えば、これは違法だとは言えまいと、こういうふうに申上げたのでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 形式的には御判断の通りだと思うのです。併しそういう形式的な判断をして及ぼすところの影響というものを考えましたときに、この百六十一条の解釈というものを、そう簡単に解釈していいかという問題があとに残ると思います。私どもの心配しておりますのは、そういう自治庁が御解釈なさるならば結構だ、併しそれによつて今愛媛県にどういう問題が起つているか、今後どういう問題が続いて起るかということを考えますときに、又愛媛県の副知事廃止という一つの事例を、何と申しましようか、いい政争の材料の見本みたいにして次々に同じような問題が起りましたときに、条例策定の権限というものを、簡単にそういうふうに形式的にばかり解釈して許して行つていいのか、私はよくはないと思う。野放図に少くとも副知事廃止の条例を残すべきじやない。本法に違反しないように縛るべきだという見解が、自治庁として当然成り立たなければ嘘だと思う。部長さんは政治的とおつしやいましたが、将来の政治的な措置というものを一つも今度の解釈ではとつておらないと思うのでありますが、如何でございましようか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) これはその条例を議会の議決の結果が、まあいろんな影響を及ぼすということで必ずしも適当でないから、直ちにその条例を以て違法なりとするかしないか、それを如何に自治庁として関係して行くか、こういう問題になるのでございますが、その影響の有無と申しましても、先ほど申しました通り、仮に衛生部なら衛生部というものを廃止すると、こういう条例を作れば、衛生部がなくなるのでありますから、これもまあ頗る大問題に違いないと思うのであります。副知事一人の問題よりも衛生部全体の問題或いは衛生関係全体の行政の問題になりますから、これは頗る大問題が起ることは想像されるのであります。さりながら仮にそういうものができたから、影響があるからいかんかということは当然にはならないと思うのでありまして、全体としての県の行政機構を簡素化し、合理化し、能率化するためには、それでよろしいという総合的な判断ならば、それは大きな立場で、それで結構だと言わざるを得ないと思います。そこで自治庁としては条例の中身について、一々中身に立入つて、お前の県ではこれでいいとか悪いとか、とやかく申すことは、今の自治法の精神でもないし、自治庁の権限でもないのでありまして、これはとるべき態度でないと思います。ただ条例がそういう形で、議会にあるがために無理だ、自治団体の行政というものは混乱して収拾がつかん、それで置いといていいかどうかということになれば、これは又国会のほうで、それはそれでどうするかという立法の問題として御判断せらるべき問題であるのでありまして、今日の段階におきましては、直ちにそれをどうこうすべき筋合のものではない。条例のごときものは任しておいてよろしい。殊に組織のような条例こそ自治団体が自主的に決定さるべきものであると思います。ただまあその議会の内部において、いろいろな意見があるということは、これは止むを得ないことでありまして、先ほど申しました通り、成るべく円満に行つたほうが一番いいのでありまして、それを希望しておるのでありますが、議会の中で意見が分れる、意見が分れれば、それだけで以て全部がけしからんということは、これは明白に行過ぎだと思います。意見が共に県政のために分れ、共に県政のために論ずるならば、それも止むを得ざることだと我々としては言わざるを得ないと思います。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 部長さんが例を以て申しましたから、それならば、あなたのおつしやる通り条例によつて、冗費節約のために、或いは行政整理のために、衛生事務は一切やらないということを条例できめたら、それも合法か、それを合法とは認められないでしよう。同じようなことが副知事の問題でも言える。副知事という地位が、一方的な条例できめられるというふうに簡単に見ていいか、それとも行政機能の上に相当重要に法的にも保護されておるのだから、これは衛生部をやめるとか、民生の仕事を全部放擲すると同じように重視して考えなければならない。本法に違反することなんだと解釈する考え方も又成立つと思う。如何ですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 衛生行政をストップすると、こういう条例はこれは誰が考えてもできないのでありまして、衛生行政はそれぞれ衛生の法規できまつておるのでありますから、当然県なり市町村なりは、その法律の定むるところによつて行政を執行すべきものだと思います。ただ行政を執行する組織機構が何であるかということと、衛生行政を執行することとはこれは関係がないのでありまして、衛生部でなければ衛生行政ができないか、厚生部ではできないかという、そういう理窟はないのでありまして、法律の執行が最も能率的に、合理的に、簡素にできることが、最もこれはいい組織だと言わざるを得ないのであります。それでありますから、その問題とこの問題とは全然違うのでございます。だから副知事がなければ県政というものが動かんかと、こういうことになりまして、もともと副知事というものは知事の補佐役でありまして、その下に各部長がおり、それでそれぞれ練達の部長がおつて、何も副知事がいなくても、知事一人で十分に統括ができるのじやないか、こういうことになれば、その県としては必ずしも置かなくちやならないということはないのでありまして、それでありますから、こういう組織の問題をとりまして、副知事を置かないから県の行政が途端にどうこうなるということは、私は少し言い過ぎになりはしないか。又仕事が非常に多くて知事一人でどうしても手が廻らん、補佐役の部長も非常にたくさんおつて何ともまとまりがつかん、こういうふうな場合には、総合的な補佐役も要るということがありましようが、そうでないという場合は要らないということがあるのでありまして、自治庁は正にそれを予想しして、或る場合は置かなくてもいいぞと、そういうことを書いたのであろうと思うのでございます。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 結局同じことなんですよ。あなたのようなお立場をおとりになつても、本法を条例の上にどこまで及ぼして行くかという考えだと思う。そこで法律の執行が能率的になるためであれば、そういう意味の条例にどういうことをきめられようとも、それは合法である。今度の問題はあなたの今の言葉を借りていうならば、法律の執行が能率的になることを、それを予想されて、副知事の廃止という条例が出ただろうとおつしやるのですけれども、それを予想されてとおつしやるけれども、法律の執行が能率的になつたという、その予想の事実がはつきりと出て来ない限りにおいては、この条例というものは、やはりそういうあなたの御説明の意味において的確に処したとは言われない。ところが法律の執行が能率的になるというふうな客観情勢というものは愛媛県においてはない。ないからいろいろ紛争があるわけです。そこで非常にあなたは副知事というものを軽く見ているけれども、百六十一条というものを非常に蔑視している考えだと思う。都道府県に副知事一名を置くとはつきり書いてある。部長がおれば、副知事は要らないであろうとか、或いは知事が練達堪能であるならば、副知事は置かなくてもいいのだ。そういうふうに自治法は書いていない。自治法に書いている精神を解釈するのが正しい解釈だと思う。あなたの個人の見解をここで承りたいとは思つておらない。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 私一つ所見を伺いたいと思うのですが、それは今度の問題は結局議会側と知事側との間に意見が合わなかつた。これはよくよくのところは、先ほど加瀬委員からのお話があつた通り、問題の生じておる次第であろうと思う。そこで結局議会側から、諸点についてあなたのほうに質問を寄越しておる。その質問の結果に基いて、私はこの条例が提案されておるのだと思う。その場合においては、ただ単なる一体形式的なことを私は議会として聞いておるのじやないだろうと思う。自治庁の見解を、法の解釈というような方面についても、多分にそれは見解というものを伺いたいと、そういう点があるだろうと思う。ところがあなたのほうの答えはですね、読んで見ますと、条件が、必ず付いて、前提がある。議員が条例を発案したことを理由とする限りにおいては、そういうふうな前提をおいて、そうして答弁をしている。これは甚だずるい考え方なんだ。僕から言わせれば、少しも自治体の育成とか発展とかいうようなことに対して、自治庁が積極的に貢献しようという考え方がない。ただその場逃れの形式的な答弁をやつている。これはいわゆる財政権とかそういうふうなことになると、如何にも監督官庁的な考え、そういう自治庁の考えだ。こういう問題になると、しつぼを掴まれないように、責任がないように逃げてしまう。こういうところが窺われる。なぜ一体これだけの問題が生じて来たということになれば、これはただ単に行政組織上だけの問題じやないと思う。いろいろのトラブルがあるというようなことが考えられる。そういうふうな場合において、もつと切り込んだところの親切な答弁がなければならないと思う。法律の解釈だと言つたつて、先ほど私も言つたように、これは知事の解職権もあれば、選挙民のいわゆる解職の請求権もある。その上に更に一体条例によつて発案して、これをやるというようなことはよくよくのときだ。或いは悪く解釈したら、ほかに意図があるというふうにも考えられる。そういうふうな場合を予想して、自治庁としては、自治体の健全な発達ということを念願するならば、もつとそういうふうな場合においての答弁のしようが私はあると思う。そうでなければ、先ほど加瀬君からの質問があつたように、多数の力によつて、どんどんどんどんいかさま条例でも作つて、そうして自分たちの考えをぶつ通す、こういうことが出て来る。そういうふうなことのないように念願して行くのが、自治庁の立場ではないか。それを一片の形式的な答弁によつて、そうしてその場逃れをしているというのは、甚だ自治庁として不都合千万だと考えている。自治体の完全な発達ということを自治庁はどういうふうに考えているか。あなたは今後もこういうふうな質問に対して、こういう答弁をやられるのか。その点を伺いたい。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 自治庁としては、自治体の健全な発達を勿論念願いたしておるのでありまして、自治が円満に運行されることは一番希望しておることでございます。それでまあこの答弁がえらい形式的だということでございますが、これは問題の提起のし方が、こうであつたせいもあるのでありまして、我々といたしましては、現に起りつつある事態を、今後続くであろう事態というものは、必ずしもほめた話ではないと思つております。速やかに収束することを望んでもおるし、又そういう方向にできることがあれば、いたしたいとも勿論思つておりますが、この質問はここに書いてあります通り、法律問題として提起されましたので、我々が自治法全体の精神から考えて、かく解すべきものとしたのであります。そこで責任逃れというふうなお話でございますが、今申しました通り、違法とか越権とかいう問題は、具体的な条例とその具体的なきめ方を見なければわからんのでありまして、事前にいろいろなことを抽象的に仮想して質問せられれば、我々も或る条件を加えて解答しなければ、どういうものをどういうふうに作られるかわかりませんので、そこでこの場合には、単に議員が発案をしたという理由では、それは違法とは言えないぞと、こういうことを申しただけなのであります。こういう条例を作ることがどうだとか、こういう一切合切、議事手続きであるからどうかというふうな御意見があれば、勿論そういうものについて我々としての見解を申述べることは勿論いたすつもりなのでございます。それで私は常に申しておるのでありますが、最近実はそういうたぐいの法律上の質問が非常にたくさん、正直に言つて参つております。たくさん参つております。参つておる場合において、単に事務的な、技術的な問題の場合もあれば、その背後にいろいろな事情が伏在しておる場合も、実は両方これはあるのが事実でございます。我々といたしましては、そういう問題を法律の解釈によつて、そういう紛争に火を注ぐとか、更にひどくなるとか、収拾つかなくなるということは、それは決して望んでおるわけではないのでありまして、常にそれが円満に収まるように考えておることは申上げるまでもないのであります。併しながら我々の力としては限度もこれはあるのでありまして、法律上の解釈については、その限度にとどまらねばならないし、それ以上の、場合によつては差出がましいことをどれだけやり得るかということになれば、これ又いつもいろいろな批判が当然にあり得るわけなのでありまして、今回のは法律上の解釈についての疑義に対する我々の回答としては、これは私は決して間違つてもいなければ、それほど的も外れていない、こういうふうに考えておるのでございます。ただこういうことを、条例を勝手に作れば何をやるかわからんじやないか、こういうふうな御意見になりますが、それはそもそも自治団体というもの或いは県会というものが、町村会というものが、放つておけば何をきめるかわからんという、そういう前提をとれば格別でありますが、私はそうじやなしに、自治団体というものはそれぞれだんだんに、それぞれの行きつ戻りつの行き道はあろうけれども、皆やつぱり常識的に、総合的に考えられる態勢に乗つて、本当に自主的な発展を遂げられる方向にあると見るのが至当でありまして、その間にいろいろなコースがあるということは非常に遺憾でありますが、そういう点は又皆さんがたの十分な御指導と御協力を借りて、うまく事が運ぶようにして行かなければならない。我々としてもそういう方向に行くようにできるだけの勧告なり、助言なりという許された程度のことはとらなければならない、そういうふうに考えておるのでございます。

若木勝藏日本社会党(第四控室・左)

○若木勝藏君 先ほどの答弁で以て、今度のこの問題は条例を提案するということは法的には間違いがない、併し時期的に見て適当であるか、不適当であるかということについては、又考え方がある、こういうふうな御答弁があつたように思うのでありますが、そこでこの問題について今後自治庁としては、これは見つ放しになりますか、或いは又地方自治の健全な発達ということから、何らかの自治庁としての考え方がありますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) この解釈を出しましてから、その後の最近の実情も、我々としては詳しく聞いておりませんので、今直ちにどうこうと、こういう考えは今のところは持つておりません。その後の事態の推移によつて、我々が出なければならん、出るべきだ、そういつた場合があり得るとすれば、こつちも考えなければなりません。併しながら先ほど来、いろいろ申しました通り、今の自治庁というものと自治団体の関係というものも、これはそれぞれ節度、分度があるのでありまして、その分度内において、我々としては遺憾のない措置を講じなければならないと考えておるのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 副知事廃止の条例は、廃止理由の内容調査をしなくてもよろしいと御解釈なさいますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 廃止理由の……、今の御質問よくわからないのでありますが、その廃止理由の内容を我々としてわかれば、勿論承知いたしたいと思いますが、今のこの解釈の場合とはこれは関係がないだろうと思うのであります。現実にどういう条例をどうしてお作りになつたかということは、勿論そういう事情はわかれば結構だと思います。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 逆に考えますが、副知事を不信任したい、併し議会における副知事に対する不信任決議権というものがないから、抜本的に不信任をするために副知事廃止という条例を作つたということであつても、その条例は合法だとお考えになるのですか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) これは仮定と申しますか、そういう立法の動機をどう考えるか、こういう問題になるのでありますが、立法の動機がはつきりしておらんのに、その動機を前提にして立法の当否を論ずることはどうかと思いますけれども、いずれにしろ、作られた立法自体の中身、作り方が法律的には問題になるのでありまして、あとは私はやつぱり立法論、つまり立法の適否、当否、こういう問題に私はなるのじやないかと思うのであります。動機が全然別でも、いい法律もできることも勿論ありましようし、ですから、それとでき上つた法律そのものとは、直ちに結び付けて右か左かときめることは少し行過ぎじやないかと考えております。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 そうすると、どういう立法条件であろうとも、仮定をするならば、副知事不信任という形の副知事廃止の条例であつても合法だと、こういうふうにお考えなのですね。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 副知事を不信任するために廃止の条例を出すということは、これは勿論それだけの理由ならば、自治法の精神から、これはかなうとは申すことはできんと思います。こういうことで百六十一条が参つておるのでありまして、副知事個人の問題とはこれは関係のない問題であるのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 だからさきから申上げるのですよ。あなたのお説によれば、今私が言つたような場合でも、条例として正しければ、それは立法の適否ということがなお問題になるかも知らんけれども、条例の適、不適ということにはならない。それは合法だというお立場をとつておる。ところがそういうお考えをお持になるならば、どういう立法の条件であろうとも、全部条例としてはそれを呑まなければならないという結論が出る。それではお説のように自治法の精神に甚だ外れるという結果も出て来るのではないか。そこで問題は、副知事の廃止の条例においては、廃止理由の内容というものが副知事を廃止することが当然であるという百六十一条の但書に合致するような条件というものを検討して、大丈夫だという結論を出さない限りにおいてやるということは危険があるというふうに解釈しなければならん問題じやないかと思う。愛媛県において起つた事実というものを自治庁は篤と御存じだろうと思いますけれども、愛媛県においては、事実において副知事不信任という結論を副知事廃止という条例に持つて行つておるのではございませんか。それは合法だと自治庁は太鼓判を捺し、それが条例として効力を生ずるということになると、あなたが御心配になつておることを、あなたがた自治庁がそれを裏付けておるということになつて、非常に私は聞いておつて矛盾を感ずるのであります。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 副知事を不信任するために条例を廃止していいか、こういう仮に質問が来れば、我々としてはこれは勿論違つた答え方はあるかも知れません。併しながら我々は必ずしもそういうことで、この照会に回答したわけではないのでありまして、議会として副知事というものは今のような愛媛県のような県では要らない、もう少し行政を能率的にやりたい、こういう趣旨で、こういうものを置かないことを考えておるが、それで議会に発案権があるか、こういうような言い方も実はあつたのでありまして、具体的の個々の行為の動機を詮索してとやかく私のほうで申上げるのは、これは少し行き過ぎた行為になるだろうと存ずるのであります。仮に東京都が現に副知事が二人も三人もおるのに、これを置かぬ条例を作る、こういうふうになるとちよつと奇妙だ。現にさつきおつしやいましたように、原則として副知事を置くことを自治庁は建前にしておるのであつて、例外的にいわゆる小さな府県等で置かないでもいいということになつておるのでありまして、それなれば、愛媛県はどつちに入るかということになれば、これは愛媛県の考え方の問題で、どちらでも入り得るというふうに考えて、そう間違いでないとも考えられるのでございます。それでありますから、その立ち入つた動機というものは、我々がそう今度の事実の問題として正確に承知して、どうこうしたというわけの問題ではございません。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 そういうふうに東京都は副知事を全部廃止するということになると、それはおかしい。愛媛県のような小さな県であれば廃止するというふうに県会で考えるならば、それも又適当であろう。問題は愛媛県の考え方の問題だということになるのですが、愛媛県の考え方の問題ではなくて、自治庁の百六十一条の但書の考え方の問題だと思う。そこで私の解釈するように解釈すれば、愛媛県の問題も起らないで済む。又あなたの解釈のようにいたしましても、愛媛県の考え方の問題だということになれば愛媛県はどういう考え方でこの副知事廃止の条例を作つたかという廃止理由の内容というものを十分調査しなければ、この条例が適か不適かということについての判断は下せないはずである。ところが今までのあなたの御説明では、ただ形式的に条例は合法だということだけを言つておつて、その廃止理由の内容というものを検討しなければならないであろうということには、一言も触れておらない。これはどういうことになるのですか、前の御説明と今の御説明と。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 今仰せの通りでありまして、我々は適か不適かという愛媛県に回答をしたのではなしに、適法か違法か、発案権があるかないかという質問でありますから、あるかないかだけを判断したのであります。具体的の場合に具体的の条例が適当かどうか、こういうことについては我々は判断をしておりません。そういう質問もなかつたのでありますから、又そこまで言うのは必ずしも適当かどうかという問題もありまして、聞いて来たことについてその範囲内においてだけ回答をいたしたのであります。そこで先ほど申上げました通り、適、不適ということになれば、適法と言わざるを得ない。併しながらその中身についてはこれはいろいろ意見もあり得る、だからこういうふうに申したのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 わかりました。そうすると新らしい事態の判断を自治庁にお願いをするのでありますが、副知事を廃止するという理由の下に副知事廃止の条例が作られたといたしまするならば、それに対しては自治庁はその条例は合法ではないという御判断をお下しになるのでしようか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 今の合法ではないという判断は、これは自治庁としては下せないと思います。だから先ほど申しました通り、条例の発案権がある、条例は、まあその条例そのものがどういう形でできておるか知りませんが、単に置かないというその条例について、提案者の側においていろいろな理由が伏在しておつたと仮にいたしましても、その一事をもつてその条例は適法ではない、こういうことは自治庁としては言い得ない、これはまあ法律上の解釈としては言つてはならない、こういうふうに考えております。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 それは裁判所が決定することでありますから、あなたに結論を言えと申上げるのでないのでありますが、例えば副知事が適任でないから、これは併し不信任するわけにいかんから、副知事廃止という条例を作つて不信任の実を挙げようと思うのだがどうだろうと、あなたに問われた場合に、あなたはなんとお答えになりますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) そういうことを言うて聞いて来る人は恐らくいないだろうとは思いますが、まあそういうことを仮想して答弁をするということは、如何にも私としてはこれは辛いことでございまして、これは私の個人的な意見を言えとおつしやるのなら、それは言つてもかまいませんけれども、余り実際ない例を無理に想定して、そういう理由で廃止するのがどうかということについでは、お答しないほうがいいのじやないかと思うのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 問を変えます。副知事廃止の条例が出された、併し条例の条件というものを検討してみると、副知事を排斥しておつたが、排斥の実が上らないので、廃止という方法で排斥を一挙に結論を出したのだという事実が、明瞭になりました事件につきまして、この条例に対して自治庁はどういうお立場をおとりになりますか。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) 今のも、これは我々といたしましては仮定のお尋ねと言わざるを得ないのでありまして、そういう事実が客観的に証明されて我々の前に出て参つたわけでもないのでありまして、非常に答弁に困るのでありますが、現にそうして決定してしまつた、しまつたものについてどう考えるか、こう言われましても、実は決定してしまつたものは、そう簡単に取返すよすがもないのでありまして、それがよかつたとか悪かつたとかと言つても、それは実は始らないのじやないかと思うのでございます。そういう程度で答弁を御勘弁を願いたいと思うのであります。

加瀬完無所属クラブ

○加瀬完君 それはおかしい。地方自治法の解釈からどういうふうに判断を下すかということは、自治庁としては当然成立つと思う。法律の解釈というのは、たびたび仮定をおいて、その仮定に対して解釈をし判断を下すことは、これは常識でありますから、又あえて言うならば、只今言つたことは仮定ではなくて、日本のどこかの県において行われておることなんです。自治庁も当然知つておることなんだ。仮定の問題じやない。事実の問題となつて我々に覆いかぶさつておるから、ここで問題になる、少くも私の申上げたことに近い問題が。それに対してどういうふうに百六十一条を解釈するかという解釈を、先ほどから僕は聞いておる。答えられないということはあり得ない。

小林与三次自治庁行政部長

○説明員(小林与三次君) いや、私は法律上の解釈は、先ほどからもう何度でも答えました通り、それは直ちにそれを以ては違法だとは言い得ない、こういうふうに言わざるを得ないと思うのであります。まさか議員の条例の提案理由にもそう書いてあるわけでもありませんでしようし、それからそういう趣旨で終始一貫必ずしも論議されてきまつたわけでも、私はないだろうと思うのであります。ただまあそれまでに至つた経緯については、いろいろなそれぞれの理由があつたかも知れません、あり得るかも知れませんが、それだけの問題だと思うのであります。そこで問題はだから法律上の解釈として、それはいいか悪いかと言えば、あくまでもそれは立法論として適当か不適当か、そのことならばですね、そういうふうに答えざるを得ないのじやないか、あとはだから適当か不適当かと言えば、これはいろいろ意見があり得るだろう、こういうふうに先ほどから申上げておるのであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) この件につきましては、委員会に取上げたことも、愛媛県の現実の実態ですね、これが又この条例関係によつて、副知事の身分その他に非常に不安定性ができて来るというような影響性を考えて、委員会で自治庁の考え方を聞いたわけですが、そこで先ほどの御答弁を聞いてみますると、これはやはり自治庁のほうでも、最後に加瀬君の答弁に対しまして、これが一つの何か不信任的な問題をはらんで、それを条例に一気に持つて来たというようなことに対しては、これは自治庁としても、そういうような百六十一条の解釈はどうもいかないというようなあなたの答弁もあつたわけです。ところがまあ小林部長の話を聞けば、その条例はやはり議員の発案権であつて、その又決定が正当な事由によつてなされたとすれば、これはもう当然そこの条例の法的問題は、これによつて正当性があるということであつて、その反響というものは、その地方自治体自体において起る問題であるからというようなことですね。これではやつぱりまだ自治庁としては地方公法団体の条例関係から来るところの正常な発展という問題に対しての考え方は、余りに責任的な、或いは又、監督ということは強くは申されませんけれども、やはりこれはまあ指導の責任はあるわけですから、そういう責任関係からは、どうも余り地方団体に、反響に委せ過ぎるような答弁のようであつて、この点はまあ私といたしましても、まだもの足らない点もあるわけですが、ただあとのお説のように事実関係というものの事態をよくまだ把握しておらないというようなことも言つていらつしやる。これはまあ本当にその事実関係を把握しておられないかどうかということは、ああいう大きな問題が現地に起つておる問題に対して把握しておらないということは、少しこれは迂闊過ぎるとは思いますけれども、又委員会といたしましても、これを採上げました動機としては、将来の各県に対するところの影響性あたりを考えた問題でありますからして、あとにまあ委員の方々が希望がありますれば、希望の点を採上げまして、やはりこの問題はただこれだけでは打切られないというような感じもしたわけでございますが、どうでありましようかね、その点は、だから又あとの機会に事実関係あたりも調査するかどうかという問本題も併ぜて委員の方々から御意見がおりますれば、それを採上げて更に審議をするというようなことで、今日はまあこの程度でよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) じやそういうふうにいたします。    —————————————

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 十月の十九日に神戸市におきまして開催せられました都市問題会議員派遣の報告の件でございますが、先般委員会を代表されまして派遣されました伊能委員から報告をしたいという御提案がありますが、これを聞くことにいたします。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 去る十四日の院議によりまして、地方自治に関する参考に資するための実情の調査の目的を以ちまして、私と秋山長造委員とが出席を命ぜられたのでありますが、秋山長造委員は病気のため欠席いたしましたので、私一人出席して参りました。十九日から神戸商工会議所で全国市長会、及び東京市政調査会共催の下に行われました第十五回全国都市問題会議に本委員会を代表いたしまして出席いたした次第であります。出張期間の関係上、会議の第一日に出席いたしましたのみでありますので、当日の会議の模様を概略御報告申上げます。  開会当日は予定の日程通り午前十時に開会、全国市長会長中井光次氏、及び東京市政調査会長前田多門氏、御両氏から開会の挨拶があり、次いで衆参両院の地方行政委員長よりそれぞれ祝辞を述べられました。これに引続いて会議に入りまして、議長の選任、会議運営についての協議など済ませましたのち、主報告に移り、午前は都立大学教授磯村英一氏、及び芦屋市長内海清両氏から、市民組織の問題、午後は会議に先立つて、前田地方制度調査会長から、過般同会からの政府に対する答申案の決定に至るまでの経過の報告があり、同時にその会といたしましての将来の対策、希望等に関し説明がありました。そののち人事院職員局能率課長京極重次郎及び神戸市助役石原次郎両氏から、公務能率の向上の題の下にそれぞれかねてからの研究の結果の報告がありした。引続いて第二回の部会長の決定を終りまして、暫時休憩後神戸市提供の映画の鑑賞がありまして第一日を終りました。会議は全国各都市から参集しました市長、助役、部課長、議長、副議長等で堂に溢れるようなものでありまして、平素研究せられた結果に関しまして、会議を通じまして熱心な研究発表が展開されまして、非常な盛会でありました。  主報告者の研究の内容の概略に関しましては、別の印刷物により、その他挨拶、祝辞及び報告者の説明の詳細に関しましては、後日主催者から配付せられる予定の会議報告に譲ることにいたしまして、ここには取りあえず以上簡単に会議の状況を報告いたします。申し遅れましたが、地元からの参加者としまして松澤兼人委員が御出席になりましたことを付言いたします。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 御苦労でございました。何か御質問ございますか……。それではちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 速記付けて下さい。  それでは本日はこれにて委員会を閉じます。    午後三時四十一分散会

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