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16回国会参議院1953/08/17

地方行政委員会 閉会後第1号

発言数
162
登壇者
10
会派数
3
開催日
1953/08/17

会議録

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今より地方行政委員会を開会いたします。  本日は、第一に、東京市政調査会の地方制度改革に関する意見を、その意見作成に携わりました東京大学教授杉村章三郎君より御説明を聞くことにいたしたいと存じます。同君を参考人として発言を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) では同君を参考人として発言を許可することといたします。  それから選挙関係における学生の住所の認定に関する件について、東京都荒川区選挙管理委員長宮島幸太郎君から御意見を聞くことといたしたいと存じます。同君を参考人として発言を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) では同君を参考人として発言を許可することといたします。  参考人のかたに申上げますが、御多忙中にもかかわらず、本日委員会に御出席を下さいまして、委員一同に代つて委員長より厚く御礼を申上げます。  では先ず東京市政調査会の地方制度改革に関する意見について、杉村章三郎君の御説明を聞くことといたします。杉村章三郎君。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) 私どもの関係いたしております地方制度研究会で、このたび地方制度改革意見なるものを発表いたしまして、国会はじめ関係方面へ御配付いたしましたところ、その意見につきまして説明をいたす機会を得ましたことを仕合せに存じます。  内容の説明に入ります前に、この研究会が作られるに至りました動機その他この立案の経過というようなものについて、御参考までに一言いたしたいと思います。私は、現行憲法の第八章、又終戦後になされました地方制度のいろいろな改革を以ちまして、大体の方向としては真の地方自治の在り方を示したものと考えます。又従来我が国では言うべくして絶対に行われなかつたようなものを実現したものと考える一人であります。それで、この方向における改革のいわば最後の仕上げとも申すべき事務再配分に関する神戸委員会の一員といたしまして、いささか努力をいたしたのでありますが、その後の政治情勢の変化その他の事情から、いわゆる神戸勧告も、その主要なる部分については棚上げになり、それで講和を迎えることになつたわけであります。政府は講和後の新らしい事態に処する地方制度の根本的な改革を図るために、地方制度調査会を設けております。そして、これに呼応しまして、全国知事会或いは全国市長会その他地方団体の連合体におきましても、それぞれの立場から改革案を作成いたしております。これらの地方団体側の改革案のうちには、その作成に有力な学者の関与せられたものもあるようでありますが、何といいましても、それぞれの利害関係にとらわれる面がありますし、又それぞれの基本的な主張を強調し過ぎるきらいがあるのであります。又地方制度調査会の答申も、当初の根本的な改革の方向から、差当り来年度予算に間に合う緊急のものを中心とするように変つたということも伺つておるのでありまして、こういう情勢のもとにありますので、地方制度に深い関心を持つておる学者たちが、全くとらわれない立場で基本的な改革意見を出してみたら、調査会の調査の上からも、又延いては国会の御審議の上にも何らかの参考になるのではないかと考えたわけであります。幸い東京市政調査会の絶大な後援を得まして、今年五月頃でありましたか、研究会が発足しまして、十数回の会合を経まして、一応の改革意見を作り上げまして皆様のお手許へ差上げてあるのであります。  なお研究会の委員は、ここにちよつと初めに書いてありますように、関口さんを除きましては、東京及び大阪の大学に職を奉ずる人たちであります。併し法律学者ばかりではなく、行政学者、財政学者を包含し、法律だけに偏しないように考慮しております。又これらの人たちのうちには、個人としましては府県制度に重心を置いておる考え方の人もありますし、又反対に府県制廃止論者もあるのであります。併し会議の討論におきまして、各個の理想案或いは絶対的極端な個人的な意見というものは成るべく抑えて頂きまして、いわば各人の意見の最大公約数というようなものが、この改革意見に織込んであるわけであります。で、私個人としましては、この研究会がいわゆる神戸委員会の、下世話でいえば死に水をとる、又神戸勧告というものを学問的、実際的な見地から批判しまして、これを乗越えて、今後における地方制度のあり方を示唆することに、この研究報告というものがなるのではなかろうかというふうに、ひそかに考えておる次第であります。  前置きがちよつと長くなりましたが、その内容に入りまして、第一に、基本方針といつておるところのものであります。およそ国家の基本制度に関する改革意見というものは、一つの理想を背後に持つて、その理想への前進を意味するものでなければならないのでありますが、他面、又現実的なものでなければならないわけであります。言い換えますと、個人の抱く理想案とか、或いは実現が到底現在の段階においては不可能なもの、或いは著しく困難な案であつてはならないわけでありまして、当局者に熱意と若干の政治力がありますれば実現できるようなものでなければならないわけであります。この改革意見の基本方針としてとるところのものは、地方制度の基礎が、これは月並みなことでありますが、憲法にいわゆる地方制度、地方自治の本旨を実現するということにあろうと思います。そのためには、自治事務の拡充を図り、且つこれに必要な財政上の措置を講じ、以て地方公共団体の自主性を確立するということがこの方針のうちに謳われております。併し同時に、現代の社会的、経済的な情勢の下における行政の中央集権化の傾向というものも否定できませんので、野放しの地方分権或いは個別的な地方団体のいわばばらばらな発展を排斥しまして、地方団体相互の間、及び国と地方公共団体の連帯協力関係の発展、又これによつて我が国行政の全体としての向上を強調しまして、この面から集権と分権との新たな調整方式を提案するというようなことが述べられておるわけであります。このような基本方針というものは、神戸勧告も決して否定するものではないのでありまして、何といいましても神戸勧告は占領中に作られたものでありまして、いわゆるシヤウプ三原則というものを実現する方向が強く現われており、全体として、より地方分権的な色彩が強いということは免れないと思うのであります。  次に、この改革意見が現実的なものであり、又地方自治の基本線というものを守りながら、而も国と府県と市町村、この三段階の団体の間の行政の協力態勢を確立するということを目標とする点は、現在最も問題となつておりますところの府県制度及び大都市制度というものを第一に取上げておる、そうして、その改革につきまして一応の解答を与えておるという点に現われておるかと思うのであります。この点、神戸勧告のほうは、むしろ事務の配分ということを先にやりまして、そうして、あとでその受入態勢としての地方団体の内容、機構等について取扱つておるわけでありますが、今度の改革案におきましては、むしろ現実的に最も問題となつておる点を取上げておるという点が違つておるところと思います。従つて、この点がこの改革意見における制度面のいわば圧巻とも言うべきものでありまして、神戸勧告でも実は十分尽し得なかつたことを明らかにした点であるのであります。  先ず改革意見では、市町村に基礎的地方団体たる地位を認めながら、他面におきまして、日本の全区域において自治体としての府県の存在を認める、そういう基本的立場をとつております。即ち自治体の二重構造というものを認める立場を一応とつておるわけであります。併しそれには二つの条件があるわけでありまして、一つは、府県の存立の必要というものが、「我が国地方自治の現状において」ということでありまして、必ずしもそれが理想であり、或いは憲法上絶対に必要であるというようなことはないということであります。第二には、府県というものが国の中間的な機関たることを本格としません。自治体としては、市町村に対する広域団体及び補完団体としてのみその自主的な存立を認められるということであります。即ち、こういう点で、府県というものが独自の立場を持つておるということを示しておるわけであります。従いまして、府県の自治体としての機能がどういうものであるかということが非常に問題となるわけでありまして、それには、ここにありますように広域行政、いわゆる補完行政でありますから、その内容を明らかにしておるわけであります。そうして、まあこれに連絡機能というものを附加しておるわけであります。なお各団体のいわゆる協力態勢というものを基礎付けるためには、一面、府県が従来のような市町村に対して命令するというような団体ではなくして、市町村の、いわば複合団体であるという性格を持つておるということを明らかにしまして、国の委任事務についての連絡調整の任務を明らかにし、併し府県がそういう連絡調整ということを理由にして独断で事を処理する、一方的に処理するという弊害を避けるために、市町村の関係者も委員に加わるところの地方財政審議会とか、或いは行政審議会というものを設けて、そこで調整機能を発揮するようにしたらどうか、こういう案をまあ考えておるわけであります。  府県制度につきましては、更にもう二つの問題があります。その一つは、府県の区域を越える広域行政、まあ総合開発でありますとか、或いは交通でありますとかいうような問題、或いは都市計画でありますとか、そういうような府県の区域を越える広域行政というものをどういうようにするかという問題、それからもう一つは大都市の問題であります。  第一の広域行政につきましては、いろいろ道州制などが非常に前々から問題となつておりますが、これもいろいろな点で利害得失があるのでありまして、少くとも、現段階におきましては道州制は時期尚早であろう、それよりむしろ各部の行政について府県相互間の協力方式というもので一応解決したらどうかという建前をとつております。これはいわば現状を維持する平凡な意見ということもできるかと思います。  それから次は大都市問題でありますが、これが実は非常に大きな問題でありまして、五大市の特別市制が多年の懸案となつておるということは御承知のことであります。地方行政についてのいろいろな法案が出るときには、この大都市所在の府県と大都市側との間に常に争いがあるということは御承知のごとくであります。この改革意見では一つの妥協案というものを出しておるわけでありまして、それはいわゆる特別市制を適用するということが、五大市の上に特別市制を適用して、その特別市の区域を府県の区域外に置くというのが現段階においては尚早であろう、併し一面におきまして大都市の特殊事情を考慮して、行政、財政の上に数個の特典を認めたらどうか、こういうことを提案しておるわけであります。その内容としましては、例えば国との間において大都市については直接みずから交渉に当る、平衡交付金、起債というような問題について直接大都市が国との交渉に当るということでありますとか、或いは府県というものは大都市のみを対象とする補完行政を行わない、もうすでに大都市というものは発達して、府県の世話にならなくても仕事ができる、一般の行政ができるという段階にあるわけですから、府県はそれの補完行政を行わないという例外を認める。又、税制におきましても、これはのちに財政のところでお話申上げますように、大都市に有利な税制を考慮しておるわけでありますが、その上に営業税、免許税、自動車税というようなものを大都市に限つて市税とするというような措置を考えておるわけであります。なお同じく大都市制度でありますが、東京の都制につきましては、これはちよつと問題が非常に複雑でありますので、今回の改革意見ではこれを次の機会に譲る、こういうことで、この改革意見からは、はずしておるわけであります。それが府県及び大都市という問題の極く大体のことであります。  次に一般の市町村制度につきましては、これは余り多く触れておりません。市町村がそれぞれ行財政の能率というものを発揮するために、規模の適正化を図る、或いは市町村、殊に都市というものがそれぞれの能力に応じて仕事ができるように、画一化を避けるために、大都市、中都市、一般都市、それから町村というように、四つの段階を設けるというようなことを提案しておるわけであります。  それから次は国と地方団体との関係に入るわけでありますが、国と地方団体との関係につきましての最大の問題は、事務配分とそれから国の地方団体に対する関与という問題でありましよう。併しこれらの点につきましては、実は神戸勧告において詳細に提案がなされておるのでありまして、この意見書の内容のそれに比して余り新らしいものを加えておるとも見えないのであります。ただ特色としましては、第一に、中央集権と地方分権というものの調和をさせるために、三つの段階の団体の連帯協力関係を発展せしめるということを強調しております点、それから義務教育と警察につきまして改革意見を出しておるという点、この義務教育と警察につきましては今の、この間あたりの政府案と方向がかなり違つておるのでありまして、これにありますように、義務教育は市町村の事務で、経費を全額市町村の負担とするというようなことを言つております。又警察につきましても、原則としては市町村の事務とするというようなことを言つておるわけであります。それから第三点は、中央の関与の方式としまして、国会による立法的な統制を余り行政の細目に亙つてなしますと、地方団体の自主性を過度に拘束するようなことになりますから、そういうことのないように警告しておる点、それから自治行政の中央機構としまして、地方団体の全国組織の代表者及び同じく全国組織の推薦する学識経験者を以て委員とする地方自治審議会を設ける。これは従来、昨年の改正までの地方財政委員会というようなものの弊害というものを避けるといいますか、そのためにこういう機関を提案してみておるわけであります。  それからなお、この国と地方公共団体の関係につきまして問題となります点は、国の行政整理、現在、国の行政整理と関連しまして、国の出先機関の整理ということが問題となつております。この問題は、地方団体に対する行政事務の機関委任或いは団体委任の制度とも関連しまして、地方制度につきましても非常に大きな問題であります。この点につきまして改革意見が必ずしも明確な結論を得ておりませんと私は考えます。即ち、一方において、国に留保さるる事務で地方的に執行されるものについては、出先機関によることを避ける、出先機関を避けるという方針、そうして機関委任の方式をとるとしておりますけれども、他方におきまして、この機関委任事務というものを極度に制限して、止むを得ないものだけを存続させる、そういうふうなことを言つておるわけであります。本来、国と地方団体の事務配分というものが正確に行われ、又その団体間の責任明確化の原則というものが文字通りに実行されれば、国におきまして、その事務を地方に執行するために必要があれば国のほうで出先機関を設ければよい。この原則からしますならば、理論的には、機関委任にするよりはむしろ出先機関を設くべきである。こういうことになるのであります。出先機関の整理が必要であれば、それは国の立場においてこれを削減すべきであつて、これを機関委任として地方団体に押付けてしまうと、そういうことであつてはならないと思うのであります。ところが実際問題としましては、従来の慣行から行きまして、地方団体のほうにおいては、機関委任も団体委任というものも、事務の取扱いにおいては同様に考えられており、国の出先機関よりはむしろ機関委任を歓迎する、そういう実情にありますので、まあ改革意見も、この点、理論的にはずつと一貫しておるわけではなく、むしろ行政事務を成るべく地方自治体事務に従属する、そういう方向をとりながら、その繋ぎとして、まあ機関委任事務というものを或る程度取入れよう、そういうふうな考えがここに現われておるというふうに私は考えておるのであります。  なお国の事務を今度機関委任事務より更に発展させて、団体委任事務の形式をとる、そういう形式による地方事務にするということにつきましても、国の立法によりまして、一方的に事務を押し付けるというふうなことが行われ、それによつて地方の行政事務、財政というものは破滅に導かれるという、そういう原因になつておりますので、この改革意見におきましても、地方自治審議会の議を経て、又、国が十分な財源措置をしなければならない、こういうように考えておるわけであります。まあ制度面の改革意見につきましては、極く大体私が今申しました点で尽きておるかと思います。  次は財政の項でありますが、この点につきましては、私その専門をはずれますので、委員長の御許可を得まして、市政調査会の堀家氏にお話して頂いたほうが実際的ではないかと思います。如何でございましようか。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。では続けて下さい。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) 要するに、この改革意見はまあ二カ月ほどで作り上げたものでありまして、全面的な地方制度の問題につきまして検討を重ねたわけではなく、多くの問題をここで残しておるのであります。例えば先ほど申しました都制の問題、或いは事務配分の問題、或いは自治機構、地方団体の機構の簡素化という問題、或いは地方制度の憲法問題、或いは出先機関の問題でありますとか、そういうふうないろいろな問題もまだ残つておるわけでありますが、併しここに重要な問題だけを取上げて、取りあえず皆さんの御参考に供した次第であります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは委員のかたにちよつとお諮りいたしますが、この際、財団法人の東京市政調査会嘱託堀家嘉郎氏に引続いての参考人として説明を聞くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは堀家嘉郎君。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 御指名によりまして、財政制度の部分の説明を申上げます。  実は先ほど杉村先生からお断わりがありましたように、この案の作成に当られましたのは、財政関係に主に当られましたのは、鈴木武雄教授、それから藤田武夫教授、柏井象雄教授、この三人のかたが主になつて当られたわけであります。私は事務のお手伝いといいますか、その審議の席に列しておりましたので、その意味におきまして、その審議の模様をお伝え申上げ、御了解を願いたいと思うのであります。  この「財政」のところでございますが、この目的は、申上げるまでもなく、地方財政の自主性の確立ということにございます。その財政の自主性の確立のために、以下三、四頁に亙りまして具体案が出ておるのでありますが、我々の考えましたこの自主性の確立と申すのは、二つの要素が必要であるという考えから出発をいたしております。その一つは、地方団体の自主的な財源ができるだけたくさんあることが望ましい。言い換えますれば、国庫に対する地方団体の財政の依存度の極力少いことを望むという点でございます。もう一つは、この財政の質的な自主性と申しますか、地方団体が自己の財政制度をその自由な意思によつて運営ができる、国の制約によつて自由な意思を妨げられないということでございます。この二つの目標を実現することを原則といたしまして、以下の財政制度の確立の案ができておるのでございます。  先ず最初の、この量の自主性でございますが、そのためには税源の拡充ということを極力主張したのでございます。その税源の拡充につきましては、十頁の(ニ)の「地方税制」というところにございますが、現在の地方税制を、府県税、市町村税というふうに変えたいというわけであります。現行制度に加えました改革といたしましては、府県税といたしましては、事業税を廃止いたしまして府県民税を創設するということでございます。で、この結果、実体的には、法人事業税がなくなるという代りに、個人の営業者に対する事業税は残る。それに代りまして農林業に対する府県民税というのが新しく加わるというわけでございます。それから、それに伴いまして府県民の税負担が現在よりも多少重くなりますので、その三行目にありますように、国税において多少の調整を加えてもらいたいということをはつきりさしたのでございます。  その次には営業免許税を創設するということでございます。この意見につきましては、余り言われていない意見でありますが、現在アメリカにおきまして、非常な勢いで都市の営業免許税というのが拡がつておる。その対象といたしましては、例えば飲食営業であるとか風俗営業というふうな特殊な営業で、その課税標準の把握が非常に困難である、逋脱が大いに行われやすいと予想されるような営業に対しまして、こういう営業免許税を課したらどうだろうかという意見でございます。  それから遊興飲食税と入場税を市町村に委譲するということでございます。  それから市町村といたしましては、酒税及びたばこ専売益金の軽減を国のほうでいたしまして、それを酒消費税及びたばこ消費税として創設をする。それから入場税及び遊興飲食税を市町村税とする。それから固定資産の課税範囲を拡大する。それから大都市の税制といたしましては、府県税のうちの営業免許税、自動車税を、大都市の市税として徴収するということになります。  この詳細な歳入の見積りと申しますのは、言うまでもなく、この前半の行政制度の改革、それから事務の再配分というものが確定をしなければ細かい計数の算定と系列の決定ということは困難でございますが、大体この程度改革を加えますならば、市町村が第一次的な地方公共団体となる。そうして自治事務を原則として行い、府県は広域行政、補完行政、連絡行政を行うというふうな、事務の再配分に適合ができるであろう。多少のアンバランスのところは、そのあとの地方財政平衡交付金制度で行いたいという考えでございます。  それから税制につきまして特に御注意をお願いしたいのはこの「改革方針」のところの3でございますが、この税率とか法定外の普通税の決定ということを地方団体の自由に任せたいということと、現在盛んにその傾向が見られますような、国の施策に伴います企業の優遇を地方税の減免税という形で行うことは、極力避けて頂きたいということでございます。御承知の通り現在の地方税の建前では、法定税率の定められておりますものと、標準税率の定められておるものがございまして、標準税率の定められております税目につきましては財政需要によつて自由に制限外課税ができる。それから税率も自由に下げてもいいということになつておりますけれども、片一方におきまして、地方債の発行条件といたしまして、標準税率又は法定税率による課税が強要されておる。その税制の運営の実態を見ますならば、例えば給与引上げとかその他の財源の新しい需要がございましても、標準税率以上に税率を引上げることは殆んど実際問題として行われていない。昭和二十七年度にも僅か一件しか標準税率超過課税をいたしておらないのであります。こういう状況は、即ち、地方税というのは、一定の税率で地方団体の財政需要によつて毎年度課せられる税であるということでございまして、自治の根本であります税負担と住民に対するサービスとのバランスという点におきまして、非常な欠陥があると考えるものであります。従いまして、税率は自由に決定をしてもらいたい。先にありますように行政事務の委任事務とか、国による強制というものが原則として撤廃になりますことによりまして、地方団体が、その事務分量、やり方というものを自由に決定ができるわけでありますが、これに対応いたしまして、税率も地方の議会で自由に決定をしてもらいたい。そうして住民の税負担、それから地方団体の仕事というものが、常にバランスして上下するならば、住民の自治に対する関心は期せずして深まるであろうということが、この3の狙いでございます。  それから平衡交付金制度のことにつきましては、いろいろ御意見がございましたが、結論といたしましては、政府の善意に期待をいたしまして平衡交付金の総額の確保を図りたい。それで、その運営を合理化したいという一言に尽きるわけであります。そうしてその方法といたしまして、先ほど御説明がありました地方自治審議会というのに、国会に対して勧告又は意見の申出をする権限を認めまして、直接国会におきまして地方財政平衡交付金の総額の御検討を願う制度を確立すると同時に、その配分の方法は、現在府県と市町村という二段階のグループに分けまして単位費用をきめる、それから補正係数を以て補正をきめるという方法をとつておりますが、それでは地方団体の規模に応じます特殊な行政に対する財政需要が見込まれないのじやないかということを考えまして、先ほどの地方団体の五つの段階に即応するように、測定単位とか、単位費用とか、それから測定行政項目というものをきめて頂きたいということでございます。  それから国庫補助金制度につきましては原則としては廃止をする。廃止をせられた部分は、この税源とか平衡交付金というように自立的な財源によつて措置をして頂く。残りました補助金につきましては、その算定及び交付の方法を合理化するという点に重点を置きまして、例えば法律を以て算定基準をきめる、単価をきめる。きめたものは必ず地方団体に交付するというような措置を講ずることにいたしまして、そのあとに掲げる三つのものに限つて残すということにしたわけであります。  それから地方団体の機関に委任をいたします選挙とか統計とか食糧管理とかいう事務につきましては、全額国庫で負担をして頂きたい。それから国の直轄工事に対する地方分担金制度は廃止をする。それから地方債制度につきましては、これを地方団体の任意にいたしまして、現在の許可制度は撤廃をしてもらいたい。それに伴いまして所要な措置をとりたいという点でございます。  以上が大体地方財政の部分に関する骨子でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 只今説明がすみましたが、委員のお方々から質疑がありましたら……。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 さつきの杉村さんの御説明の終りのところなんですが、この印刷物の九ページの(2)ですが、「国会による立法的統制の拡大が予想されるが、」、その点をもう少し御説明をして頂きたいと思います。九頁の(四)の(2)です。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これは最近いろいろな法律で、行政監督が少くなる代りに、立法で非常に細かい点を規定しておるのがあるわけなのでございます。建築基準法みたいな法律ですね。そういうことになりますと、地方団体で裁量の余地が少くなるものですから、まあそう余り細かい点まで法律で書くということはどうか、むしろ法律では大体のことを規定して、その細目の点は地方団体に任せるというほうが望ましいのではないか、こういうことを申しておるわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 そういう意見もわかりますが、過度にというよりも、むしろ誤まれる措置をとつては、これは勿論いかんのですが、そういう御意見だと、単に地方自治の趣旨だけを法制化するのはよいが、細目はいかんということになると、実際にそういうことがやれますか。国会としては単に趣旨だけを出すのだ、細目については地方団体に任せるのだ、実際の地方自治体の現状からいつてそういうことができるのですか。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これは、やり方によると思うのですが、これは具体的な個々の法令について見ないとわからないと思います。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 この考え方をもう少し……、建築基準法というものを例に挙げられたが、非常な改革の御意見をここに出すのですから、もう少し、そういう点を国会に望まれるなら、過去の実績はどうであつたというようなことから御説明を願いたいと思います。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) それでは、私、その点、詳しいことはわかりませんので、ただ抽象的に書いてありますので、御趣旨によりましてだんだん又研究を進めて行きたいと思います。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 堀家君の説明の中の、府県税の事業税を廃止するというのは、さつきの御説明で個人と法人と分けられたけれども、一切事業税を廃止するというのですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 一切の事業税を廃止するのでありますが、そのあとで府県民税が創設になりますので、結果といたしましては、法人事業税が廃止になり、個人事業税の負担は残るという説明を申上げたわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 特殊営業免許税というのは、これは内容はどういうようなことを考えられておるのか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) これはアメリカの例で見ますと、例えばキヤバレー、それから向うにはありませんが、料亭、待合、それから映画館、それから個人の商店にかけておるところもございますが、そういうものに対しまして、免許というのは非常に誤解を招くのでありますが、ライセンスと書いてございますが、毎年度、外形標準を以ちまして、その規模とか資本金、あつたところの場所とかいうことに応じまして課税をいたしておるのであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 そうすると、これは今の御説明だと、事業税に代る営業税ですね。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 営業税ではないのであります。事業税は勿論なくなるわけでありますが、全然性格の違つておるものであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 それでは説明が足りんからよく呑み込めないが、もつと具体的に、事業税に代る営業免許税の内容はどういうものかということを……。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 事業税に代るのではありませんが、たとえ事業税がありましても、アメリカでは営業免許税をとつておる州がございます。その考え方は、これは私の推測で、はつきりしておりませんが、恐らくこういうように、特殊な営業、例えばキヤバレーというものを例に挙げますと、非常に課税標準の捕捉が困難であるという意味で、補完的にとつておるのであろう。それとも、そういうのは一般感情からしまして、非常に莫大な儲けを、地方団体の施設を利用しておる中でも、ほかの営業に比べまして収益が多い。従いまして、附加価値税なんかと同じような考えで、地方団体のサービスに対する返礼としてやつておるのか。そういういろいろな理由があると思うのでありますが、そういう制度を日本でやつたらどうかということから出発しておると思うのであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 そうすると、あなたのほうで考えておる営業免許税というものは、内容は附加価値税ですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 附加価値税ではありませんが、その根拠といたしましては、附加価値税と同じように、地方団体に対する、応益に対する返礼と言いますか、そういう考えも一部入つてアメリカで施行されておるのではないかというふうに考えるということを申上げておるわけであります。附加価値税としてとるという意味ではありません。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 関連して……、今の営業免許税というのは、何か免許税というのですけれども、免許するときに税をとつて、それで、いつまでもそのままになつておるように聞こえますが、やはり毎年継続的にとる考え方ですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 大体毎年とる税であります。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 そうすると、毎年やはり事業税のように、非常に繁昌して収入が多くなるとか、或いは初めの考えよりもうまく行かなくて、経営がうまく行かないというようなときには安くするとかというような、そういうような考えが事業税のように織込まれるのですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) そこまで細かく考えたわけではありませんが、若し実施するといたしますると、アメリカでやつておりまするように、収益とは関係なく、営業に対する免許ということで、向うにライセンスというのがございます。それを普通免許々々と言いますから、営業免許と言うのでありますが、毎年とるのでありますから免許ではないのでありますが、収益に関係なくとつておる。従いまして、この税につきましてもそういうふうにして課税するようなことを考えておるわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今の質問に戻りますが、こういうことを説明するには、税なんだから、もう少し具体的に……、アメリカにある、ライセンスがどうとかいうことでは、聞いてもわらかん。もつと、税なんだから、実際にどういう税をやるのだということを言わなければわからんじやないですか。もう少し内容を説明してみたらどうですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 本日は突然説明を求められまして、詳細な資料を持つておりませんので、適当な機会に御説明をさせて頂く、それでは如何でございましようか。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今日は前から要望して議会の閉会中にやつておるので、そういうような不用意なことではよくわからん。ただ営業免許税という名前だけを聞いたのでは……。我々はもつと深くあなた方の多年の御研究の結果を聞きたいのだ。そういうふうな説明では、聞いているほうではわからん。ただ営業免許税だというだけでは……。もう少しそういう点は、市政調査会のほうで熱意を持つてやつてもらわなければわからんじやないですか。ただ税目の名前だけ挙げたのでは……、資料でも出したらいい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 堀家君のほうで先ほど資料として配られましたね。これはまあ数字的な検討でしようが、これを一応説明してもらつて、只今西郷委員から言われましたように、ただ数字だけでは本体がよくわかりませんから、いわゆる税種目に対するところの考え方を、又別な資料で詳しく極く最近に出して頂きたいと思います。この説明だけちよつとして下さい。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) これは非常に粗雑な数字でありまして恐縮でありますが、税制の改革案を見ますと、これでは府県が非常に貧弱になつて、市町村が好過ぎるじやないかというふうな感じがされると思うのでありますが、必ずしもそうではないという見当をつけるために作りました数字でありまして、初めお断わり申上げましたように、この地方税の税率を幾らにするとか、課税標準をどうするということは、これは行政のほうの責任がきまらなければ、それから同時に、起債の発行は幾ら、平衡交付金の額を幾らにするとか、国庫補助金の額が幾らになるということを同時に決定しなければ、きめにくいものでございます。従いまして、これは昭和二十七年度の数字を基準にいたしまして、若しこの案で実施すればどの程度になるだろうかということを考えてみたんですが、府県のほうで五百三十億、市町村のほうで二千六百六十億というふうに、数字は非常に拡がつておるのであります。それで、これに対しまして歳出のほうはどうだろうかということを考えてみますと、この行政事務の細かいことは全部まだ一々この細部までの案を作つたわけではないのでありまして、教育と、それから社会福祉という二つだけをとつてみます。それから県のほうにつきましては、この補助金のうちで、道路、港湾、河川、国家の保全に密接な関係を持つている事業に対する、いわゆる建設事業に対する公共補助金というのが残るわけでございます。そういうものを差引きまして、一般財源の面で以て措置をしなくてはいけないものがどれくらいあるかという財政規模を考えてみますと、県のほうでは千八百六十億、それから市町村のほうでは五千二百五十億という数字が大体見込まれております。上のほうに対しまして、府県が税収入が四分の一強、三分の一弱でありますが、府県のほうでは半分近くになるわけであります。市町村のほうでは半分くらいになるわけであります。これでは府県が非常にいいではないか、特に五大市では好過ぎるんではないかというのでございますが、この歳出の増減で考えましたのは、ほかのこの行政のほうの改革の原則によりますと、事務の再配分というのが具体的にわかりませんために、主なものを二つ三つ拾つただけでありますから、更に府県の行政規模というのは、広域行政と補完行政と連絡行政という三つに区分いたしますと、非常に縮小されるであろう。市町村のほうは、それが市町村の事務として市町村が引受けるということでございますから、非常に殖えるだろうということで、この税制の配分も、必らずしも箸にも棒にも引つかからないような市町村をいうのではないという大体の傾向を見て頂きたいのであります。それから二枚目の紙の五大都市の横浜、名古屋、京都、神戸、大阪というのがございますが、その真中から下のほうの差引額〔(ハ)—(ニ)〕というのがございますが、五大市のほうの横浜と京都が赤字で、名古屋、神戸、大阪は黒字になるということになります。併しながらこれは最初の紙と同じように、義務教育と社会福祉という二つの事業しか考えていない場合でありまして、更にたくさんの事業が府県から大都市に入つて来る。特に大都市のほうでは権限が一般の市町村に比較いたしまして増加するわけでございますから、必らずしも不合理なものではないという、大体の傾向を見て頂きたいというわけで出したわけでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それから杉村先生にちよつとお尋ねしますが、この改革意見のうちに、府県制度のうちの第二項の府県の機能ですね、この点に相当改革意見が出て、又、府県の占める行政運用の面ですね、この点が明確になつておるようですが、先ほどの御説明によりますると、大体その地方行財政の基礎というものがやはり市町村に基礎を置いて行く、それから国と府県との関連性や、それから又この府県の地位と申しますか、その範囲がこの中に規定されておりますが、これはやはり憲法九十三条の直接選挙の面ですね、そういつた府県の行政運用の面から来て、大体は現在の機能よりもやや縮小的な考え方もあるようでもございますが、九十三条の面というものは、これはどこまでも現存するものであるというような考え方の上にこれは立つておりますか、どうですが。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) それはお説の通りでございます。別にこの府県の機能というものを縮小するという意味ではなく、府県は府県として市町村にはやれない仕事をする、そうしてまあいわば府県が独自の自治体としての独自な立場を持つ、そういう考え方でこの案はできているわけであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それから三の事項の大都市制度ですね。先ほどの御説明では、特別都市制というものはまだ時期的に尚早である、だからして、そのまあ中間的お考えでありましようが、この大都市の市制ですね、これはまあ意見を述べておられますが、これは特別市制と大都市制の明確に区別をして違つている点ですね、大体は将来やはり特別市制というものは、これは自治法の範囲内において常に認めて行く前提の下の大都市制であるかどうか。その点はどういうふうにお考えですか。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これは初めに申しましたように、委員の考え方が必ずしもその究極に行きますと一致しているわけではないのでありまして、だから最終的に全体特別市制を認めるという前提の下に、取りあえずこういうような改革をしたらいいのだ、こういう考え方の人もありましようし、そうでない人もあるわけであります。そこを私が今ここで申すことはちよつとできない。ただ今までのことですと、一方において大都市を特殊扱にするということに対して、もうすぐに所在府県側から非常に圧力がある、それに反対する態度をとるというようなことでなくして、やはり協力して、大都市も府県も、所在府県も協力してやるということを、ここに現わしておくという段階でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ああそうですか。  それから堀家さんにちよつとお尋ねしたいことは、今回のこの地方税制の改革方針が大分出ておりますが、先ずこの市町村ですね、特に又町村々々の財政均衡と申しますか、均霑と申しますか、そういうような点については十分やはり考慮されてありますか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 均霑と申しますと均等……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ええ、均等。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) これはまあ考えたのでございます。最後に平衡交付金制度が理想的に活用されるということを期待いたしまして、それによりまして均霑ということを考えたわけでございますが、その前に、税制自体にありましても、例えばここにありますような酒とか、煙草消費税というものは、やはり割合に普遍性の強い税であります。遊興飲食税、入場税は勿論これは奢侈的な色彩の税でありまして、一般市町村には歳入は殆んど行かないと思うのでありまして、これは都市と一般の町村との間の行政の質といいますか、量といいますか、おのずから、例えば都市警察とかそれから、高等学校とか、保健衛生とか、いろいろな面で特殊な財政面があるということを考えまして、結局、特殊財政に対して特殊な税源とか、多少のところは財政平衡交付金で調整を図りたいという考えで作つたものであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 特に、この市町村税のうちに、先ほどあなたもちよつと説明されましたが、入場税及び遊興飲食税ですが、それから第三の項ですね、固定資産税関係、こういう国鉄関係、電々公社とそれから放送局、こういうような点は、或る町村関係におきましては非常に少い範囲に撒布されておらないかというような傾向がありますが、併し個々の財源が相当大きいようでありますから、あとはただ平衡交付金のみに依存すべきものか。その均等的な点、一の酒税及びたばこ専売、こういうような二つの特殊な問題が移譲されて、大体均霑の可能性があるのだという深い検討がなされておるかどうか。こういう点をお聴きしたいと思います。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) それは大体御説の通りでございまして、税額から申しましても、非常に二つの税が大きいのに、割合あとのほうは小さいということで一応考えたのでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) この点は又重要でございますし、又変つた改革意見でもございますから、先ほど西郷委員も言われましたように、資料を一つ出して下さいませんか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) はい。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 堀家さんにちよつと伺いますが、この第一の表で、税収入が府県のほうが五百三十億、市町村のほうが二千六百六十億、これに対して歳出が書かれておるのでありますが、歳出のほうは、これは歳出全部という意味じやなく、重要なものをただ書き出したというぐらいの意味ですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 経費のいろいろ異同のありますものは主要なものを考えたわけであります。初めの行政のほうの改革案によりましては事務の再配分を行い、そうして府県に残すものは、広域行政、連絡行政、補完行政、自治になつたものは原則として市町村のほうで負担をする、優先的に扱わせる、そういうものは入つていないわけでございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 新らしいこの制度でやつた場合の財政規模の歳出のほうは……。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) そこの計算はちよつと間に合いかねましたので、していないわけであります。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 そうすると、この新らしい改正意見に対する財政規模になつているわけじやないのですか、この歳出の千八百六十億というのは……。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) そうでございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 なつておるのですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) なつておらないわけであります。

館哲二緑風会

○館哲二君 杉村先生にちよつとお尋ねしたいのですが、この義務教育と警察の問題ですが、これは義務教育なり警察なりというものが、一体、市町村の仕事なのか、国家の仕事なのか、その問題と、ここでお述べになりました点について御意見を拝聴したいと思います。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これは非常に大きな問題でありまして、今政府当局者がとられておる考え方と少し恐らく違つておると思いますが、私どもとしては、地方制度、殊に地方団体の機能としては、その殊に教育のほうは市町村みずから担当するということが、実は自治の主要なる作用ではないかというふうに考えておるわけであります。  それから警察のほうは、まあそれほどではない。これは一応非常に何といいますか、大規模といいますか、国家的犯罪その他のことが起るわけでございますから、この点については必ずしも固執するわけではないのでありますが、これもやはり地方的な治安というものはその団体で保護して行くということが、やはり自治の建前ではないか。そういう考え方を大体とつているわけでございます。  併しまあそう行かない場合もありますので、中央の介入という点も当然やはり警察については認めなければならない。そういう考え方をとつておるわけなのであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今のに関連いたしますが、この警察の問題は、こういう点をお考えになる前に、国警との関連はどういうふうにお考えになりますか。自治体警察と国警との関係は……。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君)実は警察なり教育の問題につきましては詳細な点について、何しろ時間が短かかつたものでありますので、詳細に討論を重ねたわけではないのでありますが、やはり地方警察を廃して、その警察を設置しない市或いは町村の区域においては都道府県自治体警察を設け、その自治体警察に対して国家が緊急の場合においては指示したり或いは指揮命令したりすることができるような措置を講ずることができるようにしたほうがいいのではないか、そういう立場をこの意見書ではとつているわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 杉村さんに重ねて伺いますが、警察は御承知の通り、全国の町村が、地方財政が非常に苦しいために、非常に多数のものが返還して、国家警察が担当している現状なんですが、財政方面ともお考えになる場合に、そういう点を単にそういうことで除外して、単に理想論的にこれをお考えになつたのか。自治体警察の現状というようなところをよくお考えの上でこういう結論に達しているのか。その点を伺いたい。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これは実を申しますと、各委員の考えが、まあ恐らく私がそういうことを言つては少し言い過ぎることになることと思うのでありますが、無論、自治体警察、町村警察がだんだん維持しないで、国家に返還するというような傾向のあることは、承知いたしておるのでありますが、それはそれとしまして、原則的には、やはりそれをやつて行ける、警察を保持して行ける町村なり都市におきましては、やはりこれを維持させるのが、まあ自治法の立場としてはいいのではないか。このように考えておるわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 こういう際に、今のある国警の組織なり、あり方というものについてもお考えになつて、都道府県に自治体警察の設置というものを書き出したのでしようか。国警のほうは現状のままというお考えでおやりになつたのでしようか、その点を……。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これは、そういうところまで私ども、詳細に考えたわけではないのでありまして、私個人の考えでは、国警の現状というものから見まして、国警をそのまま廃止するということは、非常に困難であるということは、考えておるわけですが、まあ一応自治制の建前ということを考慮に入れまして、まあそれを最大公約数としてはその辺のところではないかというところが、ここに出ているわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 堀家さんのほうに戻つて御質問しますが、平衡交付金の方面のことですが、従来通り下から積み上げる方式なのですが、こういう行き方に対して、大蔵省側については非常に異論が御承知のごとく強いのですが、これは頭から、下から積み上げる方式を確保するという、そういう前提に立つておられるようだが、そういう点について、現在の下から積み上げている方式が、是非の論とかそういうことをお考えになつてのことか。又それと、一方では、地方債は自由起債にして、国の統制を全部はずすのがいいという考え方もあるが、そのためには地方債の金庫制度のごときものを設ける、金庫制度というようなもののその資金はどういうふうに考えられたのか。又さつきの、下から積み上げ方式というものは、今後それがいいのだということで考えられたのか、その点を伺いたい。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 平衡交付金のほうからお答え申上げますが、我々は、平衡交付金制度といいますものは、最も近代的な地方財政調整制度である。即ち国が一定の基準をきめまして、合理的な地方公共団体の行政運営のために必要な経費の不足額、これを面倒をみようというのが財政平衡交付金制度の本質だろうと思つております。従いまして、諸外国の制度を研究いたしました建前といたしましては、イギリスにおきましても、アメリカにおきましても、下からの積み上げ方式をとつておるのであります。先ほど御指摘がありましたように、大蔵省と自治庁との関係でありまするが、現在の政治情勢でこの総額確保が非常に困難であるということは十分考慮いたしたのでありますが、そのためにいろいろ例えば全額負担金制度を特定の経費について採用して、平衡交付金制度の持つ役割を縮小する。それからもう少し具体的に総額確保のもの、例えば法律では五年間に一回計算をし直しまして五年間は補給せよというのでありますが、それは現在のようなインフレ時代では困難でありますということ、いろいろなことを考えたのでありますが、結局この地方財政審議会に監督権を持たせて、国会へそのあるべき下からの積み上げた積み上げ方式による総額というものを原則として提出いたしまして、国会の公平な裁定によつて大蔵省と自治庁の間の対立を解決したいという考えでこの結論を出したのであります。  それから地方債の発行について国の統制を撤廃するということは、これは許可制度の廃止と、先ほど申上げました標準税率と地方債の許可条件のリンクということは実施の精神から見て好ましくない。特に全般において行政制度を通ずる考え方というものは、非常な地方団体の自主性の尊重ということを根本原則にいたしておるのであります。地方債だけについてこの許可を残すとか或いは税率で縛つて、或る地方団体の税率を上下さすことをチエツクすることは不適当だということを考えて廃止するということにいたしたのでありますが、それと同時に資金の確保を図る必要がある、地方債金庫の資金源をどうするかということでございますが、この地方債の資金の確保の責任はどこにあるかというのは、これは大体諸外国の学者の説を見ましても国にあるというのが一致した考えのようであります。この地方債金庫の性格につきましてもいろいろ意見があると思いますが、その資金源といたしましては、勿論現在地方債資金の対象になつております大蔵省とか郵政省資金は勿論でありますが、それと同時に一般金融市場の資金をこの地方債金庫の中に集める、現状といたしましては非常に困難でありますが、そういうあらゆる可能な資金を集めるということで、この地方債金庫の資金源を確保したいという考えで地方債金庫制度というものを考えたわけであります。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今の地方債制度ですが、それを考えられたときに、任意に地方公共団体が発行する地方債は、一般の公社債市場に一般の民間社債と一緒にやはり流通するものであるという前提に立たれたのか。これはもう地方債というものは特殊なものであつて、そういう市場には出ないという考え方なのか、それを伺いたいのと、それからもう一つは今の平衡交付金制度ですが、これは総額を確保するということになつておつて、その理窟だけは非常にいいと思うのだが、こういうものを考えるときに理窟は別として、実際国の財政はやはり地方の財政と共に限度があるので、殊にこういうふうに非常に膨脹した財政に対してどうするかということが最も重要な点なんですが、そういう点まで考えてこういうふうなことを予想されたのか。どうも伺つておるとそういうことが余り考えられてない。ただこの資金と地方財政は無限大に膨脹して行く方式のように取れる点があるのですが、そういう点は国の財政にも限度があることは申すに及ばず、そういう点をどういうふうに考えられたか、その点を伺いたいのです。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) この地方債が一般の債券市場に流通するかどうかということでございますが、この点につきましては、我々は勿論理想の形といたしましては社債とか株式と同様に一般の金融市場に流通性を持つたほうが望ましいということを考えたのであります。ただこの地方債金庫の性格でありますが、これは政府方面と言いますか一部で考えられておりますように、あらゆる地方債資金を地方債金庫に集中して、この金庫以外からは地方債資金を出さないというふうな考え方は我々の取らないところでございまして、自由に借りられるところは一般市場に乗込んで借りればいい。現在でも或る一部の地方団体はその能力があるというふうに考えておりますが、地方債金庫を作りまして勿論そういう一般市場に入れる団体に対しましても資金の供給を拒否するわけではないのでありますが、主といたしまして、財政力が貧弱でその発行する地方債が流通性を持たないようなものに対しまして国の責任で資金確保を図りたいという考えであります。  それから第二の平衡交付金と現在の国家財政の状況との関係でございますが、これは我々も勿論無限大に平衡交付金の総額を増額してよいということを考えたわけではないのでありまして、第一に行政事務のほうで国の統制をする事務、委任事務というのを極力減らすわけであります。そういたしまして、その事務を執行するとしないということは、若しくはどの程度に執行するということは地方議会で自由に決定する。それと同時に財源といたしましては税率を自由に上下いたしまして、住民の税負担とそれから地方団体の行政の量というものを均衡さすことによりまして、直接この住民の地方行政に対する批判と言いますか、関心と言いますか、そういうものを盛上げて行きたいというふうなそういう財政制度を作るべきであるという考え方に立つておるのであります。従いまして、この平衡交付金も或る程度増額して、只今御指摘のありましたような矛盾が起ることは勿論考えたのでございますが、現在よりも非常に緩和されるであろうということを考えて結論を出したのでございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今の問題についてもう少し伺いますが、その点に関して平衡交付金制度について、地方自治審議会は国会に勧告又は意見の申し出、これは堀家君御承知の通り、地方財政委員会制度の場合と同じですがそういう形式になつてなくても、予算の編成権なり修正権というようなことの現状から考えまして、従来でも地方財政委員会はこういうことをされたが、予算が出てしまつてから国会にこういうものを出されてもなかなか実際にはうまいことはできない現状です。そういうふうな予算編成の現状から、こういうものを再び財政委員会と同じように意見を出されたが、あの当時でも殆ど無意味に終つたのですが、そういう点を考えて今再び同じ意見を出して来られただ、それについては、前の財政委員会時代の勧告というふうなこととはこれは違うのかどうか、国の予算編成の問題とどういうふうに考えてこういう意見を出されたかということと、今の地方債のお話はわかりますが、理窟は、すべて地方債も公社債市場に出すのだと言われるが、現在では民間の公社債でも大会社以外はそんなものを作つたつてそんなものを取り上げもしませんが、地方の貧弱な特に財政基礎の弱い地方団体の現状から言うと、府県なり大都市ならいいけれども、小さい町村なんというものは望むべくして実際はそういうことは行えない現状です。そんなものが地方債の市場なんかへ出る余地なんかありもしない。そういう信用のないものは現状から言えば、まあそういう市場に出せば、他の一般社債と同様に非常に利廻のいいものでなければ、そんなものは人は相手にしないのです。それが現状ですが、そういうことをどういうように考えられたか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 最初の地方財政平衡交付金に対して地方財政委員会が予期したような実績を挙げなかつたという点でございますが、我々いろいろ考えましたあげく結局これがいいだろうということでありまして、現在の日本の予算の提出権とか修正権というものを考えますと、絶対に必要額を確保するという手段はないという結論に達したのでございます。絶対に確保することが困難であれば、その次は何がいいかという点でこの点を書いたのでございます。我々はこれによりましてすぐ総額確保ができるというふうには考えてないのでございます。まあこの程度以外には余りいい案がないというように御了承を願いたい。  それから地方債のほうはお説の通りでございまして、できるだけ理想といたしましてはそういうふうに一般の公債市場に出したいのでございますが、差当つて財政力の貧弱な所がたくさんございます。金利の問題もございますので、そういう所は地方債金庫でやりたい。若しこれを現在直ちに実施いたしたと仮定いたしましても、少くとも政府資金だけは地方債金庫、若しくはどういう形になるかわかりませんが地方債の資金源として確保されるだろう。それに例えば地方債金庫に金庫債の発券能力を与える、若しくはほかの業務を兼営さすと申しますかそういうことをしまして多少資金の獲得策を講ずる。こういう点でございまして、我々もこの点につきましては、理想と現在の日本の財政力、経済力のギヤツプに非常に困つたのでございますが、一応そういう結論に達した次第でございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 もう一点伺つておきますが、今のお話で、実際にはよくおわかりだと思うのですが、そういう起債市場に出ないようなものも、そういう金庫の資金に一般の資金をというお話がさつきあつたが、そういうものは実際に不可能なことです。実際に市場に出もしないような、そういう町村の起債などに一般の資金がこの金庫に入るわけがない。こういうことを考えるとき、あなた方は専門家だからもう少し日本の経済界の現状ということを頭において考えてもらわないと空理空論は困る。  それともう一点伺いますが、今のお話で行きますと、国の統制をはずしたほうがいいという考え方は一応わかりますが、今こういうような段階にして、国は何らタツチしないのだということになると、弱小の町村の起債というものは、今まではいろいろ弊害もあるけれども、そういうふうに審査をして割当てるから、或る程度の貧弱な町村でも必要な起債は取れるが、こういう自由自在だということになると、市場に出ないような弱小町村の起債というものは果して成立つでしようか。今よりもつと弱小の町村はそういう起債制度において殆んど何事もなし得ないという窮状に追込まれはしないか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 最初の点でございますが、我々は町村の債券がすぐ流通性を持つということは考えられませんが、むしろ地方債金庫というような一つの団体を作りまして、そこで信用力と流通力をつけておけば多少、個々の町村が一つ一つ地方債を発行するよりも全国の町村がまとまつて資金の獲得に努力するというほうが有利ではないか、という考だつたわけでございます。説明が非常に足りなかつたのでありますが。  それから只今御指摘の弱小町村は、国の統制をはずせば金が借りられないではないかという点は御尤もでございますが、この点は私どもは九ページの地方自治審議会というものが自治の中央機構としてできるわけであります。そこで資金計画その他の財政措置という点に含めまして、勿論地方債の許可と言いますか資金の斡旋方針とか何とかということを考える。それからこの案が非常に抽象案と言いますか、原則しか書いてないのでございますが、例えば、政府資金の割当におきましても、恐らく運用におきましては閣議でその起債許可方針を決定するとか、全然政府資金の配分に国の方針にマツチしないむちやな配分が行われるということは予想しなかつたわけであります。むしろ御指摘になりましたように一般の資金によることがむずかしくて、少くとも当分の間は政府資金に重点をおかざるを得ないだろう、その場合には、政府の施策によつて弱小町村の起債の許可を廃しましても確保ができるであろうということを期待したわけでございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 ちよつと伺いたいと思いますが、生活保護と失業対策事業、これはこの附表によりますと、市町村のほうに費用を計上してありますが、市町村に担当させようという考え方ですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 行政のほうではそういうふうであります。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 そういう考え方ですか、この全体の改革の意見が。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) そうです。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 それから消防のほうは何も触れておりませんが、これは現状でというお考えですか。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) 消防のことは別に問題にはなりませんで、又いずれ事務の再配分のことにつきましては、なおもう一遍前の勧告を考え直すところが相当あるんじやないかというふうに考えております。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 警察の問題で先ほどちよつとお触れになりましたが、首都警察ということについては特殊なお考えがありますか。普通の一般大都市の警察の一部としてお考えだつたのですか、この案は。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) 首都警察につきましては、やはり一つの都政と関連して問題を解決しなければならんと思いますので、都政につきましては逃げたわけではありませんで、もう少し問題が複雑でございますから研究して又更に結論を出そう、そういう考え方でございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 財政の一番初めに、地方財政が貧弱だから事務が多くなるし、歳入の欠陥に鑑みて地方財政の増強を期するということが基本の方針になつておるようですが、この地方財政の財源の増強をするということは基本は恐らく地方税だと思う。地方税というのは、恐らく税源を与えれば与えるほど大都市とそれから地方の貧弱町村というものが非常にますます差が大きくなるということをお考えでしようか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 御指摘の点は十分考えまして、第一点といたしましては、府県民税の中で最も偏在の大きいのは法人事業税である。従いまして、その法人事業税を結局廃止するということになるわけでありますが、廃止いたしましてもそれに伴いまして農村県におきましては、無論現在事業税のかかつていない農林業でございますが、それに対しまして府県民税を負担をさせるということでございまして、この点で多少府県につきましては現在よりも税源の偏在ということは緩和される。市町村につきましては入場税、遊興飲食税は非常に偏在が起りますが、酒、たばこというのは現在の税制の考えとしては非常に偏在度が少いものであります。御指摘の点は十分考えたわけであります。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 固定資産税が非常に偏在するということはお考えだと思いますが、やはり市町村税が適当だという結論ですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 固定資産税の偏在はこれも検討を加えたことでございますが、府県税にいたしましても、こういう特にこの(3)に書いてありますようなものとか、それから償却資産に対する固定資産税というのは相当な偏在度があるということが一点と、それから行政事務の負担でございますが、非常に府県のほうにウエートを置いておりまして、市町村の税源をむしろ必要があるということで、特に市町村の税を府県の税に引上げるということはいたさなかつたのでございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 杉村さんに、これはこの中に勿論出て来ない事柄ですがお伺いしたいのですが、知事公選ということがしばしば近頃その是非が論ぜられておる。それについてこの制度の改革意見のお話の間にどんな御意見が出たか、参考にお話願えればお願いしたいと思います。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) 知事公選につきましては、別に憲法問題をここで討議したわけではありませんですから殆んど問題は出なかつたのであります。従つて個人についていろいろ意見があると思います。私としては別にやはり公選がいいじやないかという意見は持つておりますけれども、それは個人的な意見でございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 地方債を任意とするという考え方ですが、これは勿論今の地方自治法自体が原則はそうなつておるのですが、当分の間認可制ということになつておるようですが、任意にして貧弱町村が負担に堪えないような起債を起したり、非常に不足でありながら町村の力が弱いために任意にされたのでは借りられないというような矛盾した問題が起りはしないかと思うのです。この点について何か救済方法を当然考えなくちやならんと思うのですがどういう御意見でしようか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) 一つ初めの御質問でございますが、野放しにすれば負担に堪えないような起債をするのではないかという点につきましては、一般財源による一定割当を超えないような最高発行限度を法律で規定いたしまして、それ以内で自由に認めるというわけでございまして、返済のできないような地方債まで発行を認めるという趣旨ではないのであります。この点はシヤウプ勧告にもございましてアメリカでも現在支持をいたしておるところでございますから大して問題はないと思います。  第二の御質問の一般の弱小町村が借入が困難になるのではないかという点は、我々は地方債金庫の運用によりまして解決したいということは先ほど申上げたような次第でございます。

伊能芳雄自由党

○伊能芳雄君 そういう地方債金庫に、その市町村の信用の限度は勿論でしようが、必要の程度まで審査させるようにするか、それとも何かほかの監督官庁がそういうことをやつてそこを通してから信用金庫に持つて行くようにするのですか。

堀家嘉郎財団法人東京市政調査会嘱託

○参考人(堀家嘉郎君) その点の詳細につきましては深く研究をいたす余裕はなかつたのでありますが、恐らく、地方債金庫を作りましてその中に政府資金が相当多量に入るということになりますと、或る程度政府なり地方団体の全国組織の代表者が入つて許可方針をきめる、若しくは政府資金が地方債金庫の外にあるということになりますと、これは所管官庁で貸付の際に或る標準をきめて優先的な貸付許可をするということを考えたのであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ほかにございませんか。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 速記を始めて。  選挙関係における学生の住所の認定に関する件につきまして東京都荒川区選挙管理委員長の宮島幸太郎君から御意見を聞くことにいたします。  市制調査会の杉村章三郎君、それから堀家嘉郎君いろいろ有難うございました。又資料の件につきましては、先ほどもお願いしましたが、是非最近の資料を一つ出して頂きたい。なお財政関係の資料を……。

杉村章三郎東京大学教授

○参考人(杉村章三郎君) これに対する説明を今書いておりますから、それができましたらお届けするようにいたします。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) どうも有難うございました。宮島幸太郎君。

宮島幸太郎荒川区選挙管理委員長

○参考人(宮島幸太郎君) 本日お招きを頂きまして、学生生徒の住所の認定という只今委員長から御命令がありましたので、認定の点につきましては、私どものほうが主宰いたしております全国市区選挙管理委員会の連合会の総会におきまして、六月十九日東京で総会を開きました節、自治庁へ住所をはつきりして頂きたいというお願いをいたしましたことは、お手許に六月二十日付を以て提出いたしております二通の要請書、この公職選挙法に関するお願いのほうに載つておるのです。一頁のニに載つておりますが、私ども管理委員会としましては、この認定がかようになることが当然ではないかというふうな考えを起しましたので、昨年の昭和二十七年六月十三日仙台高裁で判決されましたことに関連いたしまして、私どもの東北支部から提出になりましたものを採択いたしましてお願いしたのでございますが、御承知のごとく六月十八日付を以て通牒が出るように自治庁では返答されておつたように拝見いたします。従つてこの線に沿つて私どもは完全なる名簿を作るように努力いたしたいと、かように考えておる次第であります。それの事務に関連したことにつきまして、申上げさして頂く機会が頂けますならば、申上げることもございますが、ただ認定について感じたという点でございますとそれだけに尽きるのでありまして、なお附言いたしますれば、これにつきまして全国三百有余の会員から矛盾を指摘して来ております。又私どもがやはり会長をいたしておりまする東京特別区連合会の会合を二回開いて研究いたしましたが、まだこれの通牒について異議を差挾むものはないのでございます。  事務上のことを続けて申上げてよろしうございましようか。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 裁判所の判決問題ですね。これははつきりここであなたから附言して、そうしてあなたの御意見がありますれば……事務上の問題はいいだろうと思いますが。

宮島幸太郎荒川区選挙管理委員長

○参考人(宮島幸太郎君) ああそうですか。それでは申上げさして頂きますと、この通牒を受けることを予期しておつたのでございますが、東京の特別区の会長として困るということが新聞に載りましたものですから、それをちよつと申上げただけでございます。この判決も私はよく存じておるのではないのでありますが、資料として取寄せましたのは、原告の主張が、仙台市に住んでおるけれども、それは寄宿舎に行つておつて、本拠は青森県の五戸町に住まつておるものである。寄宿舎に長く行つておつても、これはそこに仙台の大学に入るために行つておるのだということで、これが、仙台高裁の判決がそうなつておるのでございます。かようになることが当然ではないかということで、私どものほうからはつきりしてもらいたいという要求を自治庁のほうへしたわけでございます。で、そういう通知を受けたものと考えております。これは私個人の考えばかりでなく、これについて異議を言つて来る管理委員会委員がございませんことを申添えておきます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 御質問ございませんでしようか。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 只今のお話によりますと、六月十八日の通牒は、管理委員会としてはかねて希望しておつたことであるから、この解釈をはつきりしたものとして全国の管理委員会の関係者は納得しておるとこう解釈していいんですか。

宮島幸太郎荒川区選挙管理委員長

○参考人(宮島幸太郎君) 私どもがかように解釈しておると申上げたので、なるのではないかというふうに考えておつたのでございまして、あいまいでありますと御承知のように相次ぐ争訟の種になりますので、はつきりした通牒を出して頂きたいということをお願いしたのでございます。かようになることが当然だということはお願いしてございません。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そうしますと、あの通牒によつて解釈ははつきりした、従つて疑義が従来あつたのが取去られた問題で、例えば本月の週刊朝日等に出ている論議は御覧になつたかどうか知りませんけれども、これらに対するあなたの御意見は、別に或いは反対論とか或いは各選挙の取扱上かくあるべしだというような積極的な御意見はないとこう解釈してよろしいですか。

宮島幸太郎荒川区選挙管理委員長

○参考人(宮島幸太郎君) 一選挙民としまして私どもが考えますときに、御承知の東京のあの清瀬村の病院の患者が村民より多いというような関係で議会の解散が成立したというようなときから、私どもはやはり住所というものは、まあこれは私個人でございますが、本当の生活の本拠と言いますか、住地にあることが本当である、これに関連しまして、これと関連してと申上げては如何かと存じますが、仙台高裁の判決を見まして、やはりそうあるべきかなということを感じておつたということを申上げるわけであります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは午前はこれで打切りまして暫時休憩に入りたいと思いますが、一時半頃まで休憩いたしまして、午後は自治庁長官にも出て頂きまして、この問題と、それから奄美大島の帰属問題、それから行政改革の地方移譲関係、この点を議題に供したいと思います。  それでは一時半まで暫時休憩をいたします。    午後零時三十四分休憩    —————・—————    午後二時七分開会

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 休憩前に引続きまして地方行政委員会を開きます。  選挙に関する学生生徒の住居に関する件でございます。先ずこれは最近の朝日新聞に発表いたしまして、実は委員会といたしましても公職選挙法に基いてこの学生の選挙権については勿論関連した問題でもございますし、大きく取上げられておりますが、この経緯について政府から先ず説明を聞きたいというようなことでこの議題を取上げたような次第であります。  先ず政府のほうから一つ説明を願います。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) それでは御説明申上げます。最初経緯を説明せよというお話でございますので、私どものほうでこの通牒を出しました次第を申上げておきたいと存じます。  公職選挙法におきます選挙人の住所、これは古くから衆議院議員選挙法におきます住所或いは府県制、市制、町村制の時代には選挙権のみならず、地方自治団体の構成員としての住民の関連を定めます上にも住所ということが盛られておつたのでございますが、これは殆んどすべての学者、裁判所その他の一致した見解といたしまして、私生活における住所即ち民法上にいう生活の本拠のある所を以て住居とするということで参つておつたのであります。従いまして戦前におきましては学生等でございますれば、親元に住所があるという一貫した扱いになつておつたのでございましたが、昭和二十一年に当時住所の不安定な状況もございましたり、終戦後の混乱をいたしておりましたような関係もございまして、修学のために寮、寄宿舎或いは下宿等に居住しております学生生徒の住所は原則として寮、寄宿舎或いは下宿等の所在地にある。それから加えまして癩或いは結核等の病気にかかりまして療養所、病院等に相当長期に亙つて入院加療中の者の住所は、原則としてその療養所病院等の所在地にあるものと推定する、こういう通牒を昭和二十一年の五月地方局長から地方長官宛に出しておつたのであります。ところが御承知のように、只今の通牒の第二点の病院等に住所があると推定するには必ずしも実際に即さないということで、御承知の通り公職選挙法の補則でございましたか、長期の療養のために療養所、病院等にいるからといつて、その病院や療養所等に住所があると推定いたしてはならない。これは第二百七十条の第二項及び第三項でございます。この趣旨は要するにこのような長期療養者の住所というのは、各人々々の生活の事実関係を調査して病院にあると認定するか、家族或いは妻子等のおる所にあると認定するかということをきめなければならない、こういう立法趣旨であろうかと存ずるのであります。その後私どものほうでは予備隊員の住所の関係、現在では保安隊員でございますが、この住所が隊にあると認定をするか、家族等がございますればやはり家族等のある所にあると認定すべきかという問題と併せまして、学生の住所の問題について以前から検討いたしておつたのでございますが、今日のように事情が落着いて参りますと、且つ住所というのが民法上のいわゆる生活の本拠ということでありますならば、やはり学生が修学のためによそへ出ておる、そして休み等には自分の家に帰るというような場合、私法上の関係における住所は従来の考え方から申しまして当然に親元にあるというべきであろうと存ずるのであります。従いまして前の通牒は現在の情勢から考えまして撤回をして、本来の考え方に服したほうがいいのではなかろうかということで、実はもう相当以前から検討いたしておりました。昨年からだんだんと通牒を出そうかという話はいたしておつたのでございますけれども、昨年は丁度選挙人名簿の調製時期に解散が行われましたり、又本年も引続き解散がございましたりいたしましたので見送つておつたのでございますが、丁度選挙も終りまして又選挙人名簿の調製の時期にも入つて参りましたので、去る六月御承知のように学生、生徒の住所の認定について通牒を出したのでございます。  以上がこの通牒を出すに至りました経緯でございまするが、私どものほうの通牒の趣旨といたしますところは、読上げてみますると、「修学のため寮、寄宿舎又は下宿等に居住している学生生徒の住所は、単に居住の事実のみをもつてその居住地に在るものとすべきではなく、個々の場合につき具体的に生活の本拠がどこにあるかを調査して認定すべきものである。」、即ち根本は従来は下宿等に住所があると一方的にそういう認定をしておつたものに対しまして、単にどこそこに住んでおるという事実だけで住所があるときめてはいけない。個々の場合に具体的に生活の本拠がどこにあるかを調査して認定しなければならない。その認定に当りましては、左記に書いてないそれ以外の場合におきましてはこれを参考として決定されたい、こういうようにいたしたのでございまして、その左記といたしましては、「一、寮、寄宿舎又は下宿等に居住している学生生徒で、その学資の大半を郷里から仕送りを受け、休暇等に帰省する者の住所は、郷里にあるものと認められる。二、寮、寄宿舎又は下宿等に居住している学生生徒でその居住地において主として自己の収入によつて生計を維持している者の住所は、他に生活の本拠があると認められる事情のない限り、寮、寄宿舎又は下宿等にあるものと認められる。」即ち新聞等によりますと、金を送つてもらつておれば住所が送つてくれておる人の所にある。そういうふうにいわれておりますけれども、ここに書いておきました趣旨はそうではございませんので、どちらのほうに生活の本拠があると認めるかを一つの判断の資料にいたしましてそのことを掲げたわけでございます。両親が住んでおるとか、或いは帰る回数が多いとか、或いはまあ財産が郷里にある、両親はおりませんけれども財産があつて、たとえば叔母さんが留守番をしてくれておる、そういうような場合には、たとえいわゆる単身孤児でありましても郷里に住所があると認める場合もあり得るわけでございます。その点が非常に私どもからみますれば誇大にいわれて誤解を招いておるように存ずるのでございます。このように学生、生徒につきましては原則として郷里から仕送りを受けておる、最近の学生の生活の実情を申しますと、相当数が自分のアルバイトによつて学資を稼ぎ、又自分の費用で郷里の往復もしておるというような者も多数あるのは事実でございます。従いましてそのような経済的な生活の関係も考慮いたしまして、このように或る場合には原則として郷里にあるものと認定することが適当であろう、そうでない場合には寄宿舎或いは寮等にあると認定するほうが適当であろうという認定の基準を示したものでございます。従いまして前の通牒に比べますと、具体的な実情に即して間違いなく住所関係を認定すべきであるというふうの趣旨にほかならんわけでございます。  それからなおそれが動機になつたわけでもございませんが、昨年の六月の十三日、仙台の高等裁判所で東北大学の寮に生活しております青森県出身の学生の選挙権に関する住所の認定の問題につきまして、寮生活はしておるけれども、やはり両親の所にあるのだ、両親と独立して生計を営んでおるとは認められないから、そういう学生の住所はやはり両親が住んでおる町にあるというふうな判決もいたされておるわけでございます。従いまして若干選挙権の行使に不便があるということも重々私どもも承知いたしておるのでございますけれども、選挙法に申します住所、これが民法にいう生活の本拠でございます限りは、只今申上げましたような趣旨で解釈をし、又そのような取扱をするのが正当ではなかろうか、かように考えておるような次第でございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今の御説明でちよつと伺いますが、学生、生徒で仕送を両親から受けておる者がアルバイトでやつておるような場合は、東京の寮なり下宿で選挙権を行使して差支えない、こういうことでございますか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) そのように住所を認定するのが妥当であろうというふうに考えておる次第でございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 学生、生徒はアルバイトをしようがしまいが、仕送を受けておるということは常識上当り前なんで、今のあなたのお考え方で、仕送を受けておる者は昔の法律上いろいろあつたと言われておるけれども、一番考えなくちやならないのは、そういう点も没却はできないが、選挙の際は投票の棄権防止ということで非常に国でも力を入れ、地方でも力を入れて選挙成績がいいように努力をせしむべきものなんで、若しあなたのほうの考え方で行くと、選挙は何も夏の休みに選挙があるわけではないのですから、そういうことになつておると、仕送を受けてやつておる者は、殆んどアルバイトをしていないやつは、あなたの考え方で行くと東京では選挙権を行使できない者が大部分であるという結果になるのじやないですか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 先ほど来申しますように、住所を民法上の住所ということに考えますと、選挙だけにつきまして、やはり選挙の便宜のために住所をそういうふうに認定することはいたしかねるのではないかと思います。と申しますのは住民税はやはり住所によつて賦課いたします。それから裁判所の管轄も、被告の住所地を管轄する裁判所というのが、いわゆる土地管轄では原則になつて参ります。又相続の関係では、たしか被相続人の住所地において相続が開始するということになつておつたのではないかと存じます。いろいろな私法上の関係、公法上の関係が住所によつて定まつて参るのでございまして、成るほど選挙権の行使という点から申しますと、現在住んでおる事実をつかまえて、そこを住所と認定して選挙権を行使させるようにしたほうがよろしいかもわかりませんけれども、やはりほかのいろいろな法律関係と総合して考えまして、住所が一つであるならばやはり最も妥当な所を住所と認定する以外にないのではないか。又今朝の朝日新聞では選挙権を行使するために一々郷里まで往復しなければならんように書いてございますけれども、これは不在者投票の制度の誤解でございまして、現在住んでおります土地において不在者投票ができますから、必ずしも郷里まで帰つて行く必要はございません。又不在者投票は参議院の場合でございますならば、選挙期日の告示のございました日から前日まで、即ち三十日間できますから、不在者投票の制度をよく周知徹底させますならば、その点の不便と申しましようか、相当に除去できるのではないかというふうに考えております。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今の不在者投票の例を挙げられたが、そうするとあなたのほうの考えでは、そういうふうなことで仕送を受けておる者は原則として郷里でやることになつておるけれども、不在者投票制度を活用すれば、そういう学生も東京で選挙権が行使できるわけだから不便はないじやないか、こういうことですか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) そうでございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 それは不在者投票というのは原則的じやないので、止むを得ずそういう制度を置いてそういうものの便宜を図つてやるのですが、今のあなたの法理上では一応わかりますが、選挙はやはり選挙権を行使しやすいように選挙法として考えてやるのが至当であつて、ほかの法律がそうであるから、選挙権の本来のものも、やはり仕送を受けておる者も両親の下にあるのだという考え方は、ほかの法律の場合とはちよつと違うのであつて、選挙権を行使しやすいようにしてやることが、今日の民主的な社会における最も必要な考え方だと思うが、あなたはほかの法律に単に歩調をとつてつじつまを合わすということに重きをおいておられるけれども、不在者投票制度があるじやないかと言われるけれども、これは投票の原則的な方法ではないので、これは丁度あなたのほうの考え方は、選挙部としてはやはり、一般大衆が、できるだけ学生でも東京で下宿先で選挙権が本来行使されるように考えてやるほうが、選挙法の趣旨はそういうところにあるのであつて、あなたのほうの考え方で行くと、余り形式論になるので、ほかの法律と歩調を合わすということに重きをおけば、そういうことになるけれども、選挙権を行使する者にとつて非常に不便ですね、そういうことをすると。不在者投票の制度というものも、なかなかそういうものは徹底しないので、選挙の成績を挙げる、選挙の際に、いつもそういう点に相当の費用をかけてやるのだが、そういうことをやるならば、一方には投票しにくいように直すということは、どうも今日の新らしい時代にはちよつと逆行しておるような感を与える、その点はどうですか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) かような感じは或いは免れないかもわかりませんが、先ほど申上げましたように、いろいろ新らしく起つて参りました予備隊、保安隊、そういうものの住所の認定とも関連をいたしまして、学生の住所の問題について検討を加えました結果、先ほど来申上げましたような結論に達して通牒を出したような次第でございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 どうもそういうことにしておくと、学生は夏休に選挙があるわけじやないから、大部分その学校に行つておるから、東京なら東京に行つておるのですが、そういうことがあるのにもかかわらず、やはり原則としてあなたのおつしやることを聞くと、自分の郷里に行つて行使しなければならん、それが原則だというように変えると、実情にそぐわないのではないかということを伺つておるのです。あなたのほうの法律論の形式論から言うと、そういうことに歩調を合せるのである、そういう考え方はわかりますけれども、国民の貴重な権利をできるだけ百パーセント行使するという考え方から言うならば、あなたのほうの考え方は、それと逆行しておりはせんかということをお聞きしておるのです。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) そういたしますと、選挙法に言われます住所というものの実質を或いは考え直さなければならないのかとも存ずるのでございますが、選挙法だけ独得の解釈を下して便宜を図るか、ほかの制度を総合して考えて、住所については単一の解釈或いは取扱をして行くかという問題に帰着するのではないかと存じます。御指摘のように、不便が或いは多くなるかとも存じますけれども、私どものほうといたしましては、以上申上げましたような事情で、住所については総合的に単一のものを住所として認定し取扱をして行くべきであろうというような考えから、そのような点も考慮しつつこのような住所の扱いを変更することにいたした次第でございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 二十一年の通牒の原文を読んで頂きたい。それからなおその当時に従来の府県制或いは選挙法等に通念的に、民法上の生活の本拠とはということがたくさんの判例として出ておつたにかかわらず、二十一年に通牒をなぜ出したか。この理由は終戦後で住所が安定していなかつたというような今説明でありましたけれども、然らば学生、生徒についてのみなぜそういうふうな通牒にしたか。だから通牒の全文によつて先ず判断をいたしたいと思いますが、その点一つ伺いたいと存じます。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) それでは朗読いたします。    修学のため寮、寄宿舎等に居住している学生、生徒及び病院に長期に亙つて入院加療中の者の住所   標記の件について左記の通り認定することに決定したから、今後選挙人名簿を調製する際遺漏のないように留意せられたい。  なお市町村の公民権の要件たる住所についても、この解釈によつて決定せられるよう念のため申添える。    記   一、修学のため寮、寄宿舎又は下宿等に居住している学生、生徒の居住は、原則として(これはちよつとおかしいようでございますが、居住という字句が使つてございます。——居住は、原則として)その寮、寄宿舎又は下宿等の所在地にあるものとする。   一、癩又は結核等の療養所、病院等に、相当長期に亙つて入院加療中の者の居住は原則としてその療養所、病院等の所在地にあるものと推定する。  こういうのでございます。私当時直接に選挙の関係に携わつておりませんでしたので、或いは正確な理由の御説明にはならないかもわかりませんが、聞いておりますところでは、当時ほうぼう戦災を受けまして、御承知のように昭和二十年、二十二、三年というのは、ほうぼう転々しているというような実情でございましたし、又交通事情も困難でございまして、一々郷里にあるというようなふうに認定をいたしましても投票の関係も困るだろうと、又新らしく学生、生徒、婦人に対して参政権が与えられました関係上、やはり投票の便宜を主としてこのような通牒を出すことになつたように承わつております。で特にどうして学生、生徒それから病院に入院加療中の者にこういう扱いをしたか、学生、生徒につきましては、やはり従来の考え方が親元にあるということが余りにもはつきりいたしておりまして、又病院に入院しております者の住所につきましても、その家族等のおります所にあるという考え方がはつきりいたしておりましたので、学生、生徒と同様にやはり投票の便宜を考えてこのような従来の解釈を変更した通牒を出すことになつたように承知いたしております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで只今の通牒を読んでみますと、修学者と病院にいる癩患者等についての通牒のようですが、居住という字が使つてあることに私は疑問を持つのです。それでたしか戦前の選挙法には住居という言葉を使つた時代があると思います。それが最近では住所ということになつたというその過程のいきさつがわかれば、その点も一つ聞かせて頂きたいと思います。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 只今ここに資料を持つておりませんので、正確にその通りであるかどうか、あらかじめ御了解を頂きたいと存じますが、大正十四年に普通選挙法ができました際に、衆議院議員選挙法の名簿登録の要件だけは、住所でなく住居ということになつておりました。それ以来ずつとそのままになつておりましたのが、たしか昭和二十一年の衆議院議員選挙法の改正で、一般地方制度の選挙権の要件の住所と、衆議院だけの名簿登載の要件の住所とを区別する理由がないではなかろうかということで、たしか昭和二十一年には地方制度の選挙権の要件と同じように住所に改められたように記憶いたしております。二十一年であつたかそこらあたりが私も正確に記憶いたしておりませんが、多分二十一年の改正ではなかつたかと存じます。それ以前は住居というのは単なる有形的な住いだというふうなことになつておりました。それはいわゆる浮浪者、そういう人が名簿に登載されて選挙権を行使しないようにしよう、そういう趣旨だといわれておりましたことは御承知の通りかと存じます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこで先ほど説明のありました二百何十条というお話がありましたが……。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 二百七十条です。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 それは公職選挙法ですか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) さようでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 私は選挙権を成るべく広く行使するということに対する只今の西郷氏の御意見は御尤もだと思うのでありますが、併し選挙権の行使に当つては法律上住所という言葉を使つている以上は、やはり従来の判例による住所の観念をどこまでも透徹するということが必要であり、且つ判例等にもそういうことがそういうふうに例外なく規定されておるのでありまするから、この問題はやはり民法上の生活の本拠ということに置くのが原則としてさようにすべきであつて、選挙権行使に対しては只今お話の不在者投票にこれは極めて簡単になし得る制度で、別に選挙権を制限するの規定にはならないという解釈をとり得ると思うのでありますが、自治庁のお考えも大体説明がさようであつたと思いますが、念のためにこの点を一つはつきり承わつておきたいと思います。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 私どもも別に選挙権の行使を制限するような制度ではないと存じております。これは事実上一般の投票所に行きます際、若干の疑念も伴うという事実は否定できないかと思いますけれども、別にそういう制度ではなく、いろいろな人のためのむしろ便宜を図つた制度であり、又私どもから申上げるのもおかしいのでありますが、外国の不在者投票の制度に比べましても非常に進んでおると申しましようか、相当に至れり尽せりの不在者投票の制度になつておるつもりでございます。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 二百七十条の規定について学生の選挙の認定に関する問題との間にどういう関連があるのですか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 二百七十条の第二項は昭和二十一年の地方局長の通牒を指定したものでございます。学生生徒につきましては二百七十条は指定をいたしておりませんが、昭和二十一年の通牒は依然学生の住所も病院に入院しております者の住所も、家族等があれば家族の所にあるという考えと反対に、寮或いは病院にあるといたしました通牒であります。その病院の関係を指定いたしまして、個々の場合について認定をせよというのが二百七十条の第二項でございます。だからこれは考えようでございますが、二百七十条の第二項の考えを用いますれば、学生、生徒の住所の認定につきましても戦前と同じような社会生活の状態に復帰したものであるならば、以前と同じような扱いにしていいではないかという一つの論拠にもなろうかと存じます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今のに関連して伺いますが、選挙部長は学生のために便宜を計つたつもりだというのですがどういう便宜ですか、あなたのほうの考え方を伺いたい。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 私は不在者投票の制度が一般的に投票の当日投票所に行けない選挙人の便宜を計つた制度だと、こう申上げたつもりでございます。

西郷吉之助自由党

○西郷吉之助君 今のあなたのほうの、出したそれが便宜を計つたというのではないのですね。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) そうです。

小林武治緑風会

○小林武治君 法理論というか、住所と書いてある住所の法律的解釈を文理的にすれば、或いは民法上の今のお話のようになると思いますが、非常に不便になつた、こういう印象ですね。又変な言葉で言えば恐らく棄権を非常に招来するだろう。そういうことになることはこれは必ず事実なると私ども考えまするが、それで選挙人名簿の調製が非常に面倒になる。今のお話のようになると、田舎で作らなければならない。親の住所において自然名簿を作るということになる。それが人名簿の今の登載漏れというようなものが相当出て来はせんか。即ち要するに選挙権があるべくして漏れるものが相当出て来るであろうということと同時に、選挙権のある者も行使が、無論不在投票はよく宣伝されても実際問題としてなかなかできない。だからして結果においては私は選挙権の行使に相当な欠陥が生じて来るであろうというふうに感じられるし、又そうなるというふうに思つておるのです。今の問題で、例えば住民登録といいますか、あれは今の選挙権には何も関係ないわけですか、去年の十月かも住民登録というものをやりました。あれの住民というものはあなたのほうはどういうふうに解釈されておるか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) やはり民法上という住所をその市町村の区域内に持つておる人を住民ということになつております。どういうものを住所というかということは私どものほうと法務省と打合せまして、住所の認定の基準については法務省から地方の法務局へ通牒を出しております。その点におきましては私どものほうと住民登録のほうにいう住所の観念には食い違いはないはずでございます。

小林武治緑風会

○小林武治君 恐らく昨年の住民登録では下宿もみんな住民登録されたと思いますが、それは御存じありませんか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 従来はそのような扱いになつておりましたのでそういうふうにいたしておりましたが、今回私どものほうの解釈を変更いたしましたので、法務省でもそのように措置するはずでございます。七月の十八日付によりまして、すでに民事局長から地方の法務局長宛に学生生徒の住所については住民登録票の取扱を変更するように通牒を出しております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 そこでこれは世間一般にやはり選挙権を制限したのじやないかというような誤解と申しますか、二十一年に当時扱つておつた同じ解釈で、而も通牒を出しておるものを、言葉の点は多少違つておる点があるようですが改めて出したということは、特殊な事情があつたというような問題は別としましても、やはり選挙権の住所と年令の制限を廃し、且つ昭和二十一年に全部の選挙法を通じて改正が行われた際に住所というふうに改められた、而して今日までそのままにしておいて、ここに新らしい通牒を出すということに対しては、もつと一般に対して親切であるべきではなかつたか。そんなことは必要ないというふうな説明或いは答弁があるかも知れませんが、どうもその点が更に例えば裁判所の関係、或いは選挙の管理委員会その他選挙を直接扱つておる人に通牒だけでなくして周知の方法を講ぜられるということ、並びに公職選挙法に関することは現在から申しますれば国会にも相当関係があるし、殊に本委員会等においても関係の深いことであつて、従つて通牒をお出しになつたことが正当だという解釈の前提の下に考える場合においても、なお且つ不在者投票制度は蛇足であつても、親切にもう少しよく一般へ知らせる必要があるのじやないかと、こういうふうに私は思いますが、何か特別なこれに対する措置でも講ぜられるようなお考えでもありますか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 只今島村委員からお話の通り、私ども非常にはつきりし過ぎておるように一人合点いたしたと申しましようか、ということで、一般の周知徹底やらこちらのほうに御相談をすることも考えませんでいたしましたことは、非常に遺憾に存じております。このようなふうになつて参りましたので、まだ具体的にどうということは結論を得ておりませんが、成るべく誤解のないように不在者投票の履行ができますように何らかの措置は講じたいということで相談をいたしておるところでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 関連しますが、島村委員からも言われましたように、この自治庁の選挙部長の名で出したのは六月の十八日である、最近まで国会が開いてありましたのですが、最近までこちらのほうは不明にして知らなかつた、最近の朝日新聞によつてこれは大変だ、恐らくこの問題というものは或いはあとで聞きますが、大体東京に集中して地方から上つて来ておるところの学生の人たち、いわゆる選挙の適齢者満二十才以上ですか、そういうようなかたがたが一体どれくらいおられるかという点も、あとであなたがたの調べられた数字も聞きたいと思いますが、この朝日新聞によつて実ははつきりしたわけです。相当これは各方面に衝動、影響があつておるのだろうと思う、勿論通牒は昭和二年の通牒、それから昭和二十一年ですか、先ほど言われたそういう通牒関係は、この住居の本拠についての通牒を出しておられるようですけれども、最近の事情としてはもう全くこれは新聞で見てびつくりしたというような状態です。恐らくやはり今後学生間におきましても相当世論が起きておるだろう。新聞によりましても又この文部省関係でも、もう少し一つ自治庁の選挙部長は事前連絡をして欲しかつたというようなことも書いてあるのですな。これはやはり国会あたりでも、一つこの選挙の問題につきましては、直接国民の権利としてそうして普遍的に公正な選挙をやつて行こう、棄権を防止して行こう、正しくやはり選挙をして行こうという点には、最近又民主主義として非常な重要さを増して来ておりますから、そのときあたりでも話を持出してもらいたかつた。又自治庁は自治庁としてやはり関係者又関係省あたりともよく連絡をしてもらいたかつた。こういうような気持がするのですが、先ほど選挙部長は率直にその点の不十分さを認めておられるようですが、この影響に対して、これはただ一片の通牒ばかりでも実際その生活の、何と申しますか資金を出しておるところの、即ち学生関係にどれくらいの学資金を出しておるか、或いは又生活の資金を出しておるかというようなことを、今後やはり各地方においては調べなくちやならないという煩雑さがあるでしよう。その点は選挙名簿を作る上において相当面倒な事態が生じやしないか。或いはこの生活資金を送つておるところの額によつて住居が又変つて来るというような状態になつて来ると、相当今後の選挙自体に対しましても選挙名簿の作成が完全に行つておるか行つておらないかというようなことも気ずかわれる点があると思うのですが、これに対しましての選挙の公正に又迅速に、適正に行われるような措置に対してはまあどういうお考え方を持つておられるか。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 それに関連して。第一に、今のと一緒に先ほど御説明になつた、左記として、寮、宿舎云々とこうあつて、第二に生計を営んでおる者で、例えばアルバイト等で逆に郷里へ送る、こういうことが書いてあつて、左記の第二項に説明があつたのですが、そこで只今委員長のお話のように、個々の具体的事実によつて判断するということは十分わかりますが、これは非常にややこしくて、夏の間学校の休み中はアルバイトをやる、おやじに送つてもらうのでは足りないからやるのだ、併しその状態が長く続くというとこの人は一体おやじから殆んど送らんでも、この頃はアルバイトで済むようになつたので、だからこの頃は送つておりません。一体生活の本拠として認定していいかという問題が起きて来て、学生の間に甲も乙も今までは送つてもらつた、併し途中から送らんでもいいようになつたというようなことの、それだけでは判定はできんでしよう。だからいろいろな条件が備わるということですけれども、そういう問題は二十一年の通牒が変つて出されただけやはりシヨツクが多いということになるのだから、余ほど啓蒙運動というかもつと判例なりいろいろな事実を持つて行つてよく選挙管理委員会に知らせると同時に、学生生徒にも十分知らせる措置を講ずる必要があるということを感じますが、今の委員長のお話のアルバイトとの境目の点はちよつと御解釈がありましたら一つ併せて……。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 委員長からのお話の地方の選挙管理委員会の指導の点でございますが、現実の問題として考えてみますと、住所の認定というものは名簿の調製といたしまして、学生のみならず海外に旅行しております人とか、或いは出稼ぎに行つております人、或いは会社工場等の寄宿舎に入つておる者の住所の認定をどうするかとか、実に種々雑多常に一番むずかしい問題としてあるのでございます。そのほかに学生の問題が今度新たに加わつたように見えるわけでございますけれども、その点は従来住所の認定につきましては実例或は判例等がたくさんございますので、それによつて積み重ねられて来ておりますのに従つて、市町村の選挙管理委員会の名簿の調製のもののところで扱つておると存じます。大多数の市町村におきましてはさほど心配をいたすほどのこともないと存ずるのでございまして、やはり一番学生の多い又調査の困難な大都市のほうに私どもといたしましても配慮いたさねばならない点が多いように存じます。併し又一面から考えますと大都市ほどそういうような事務能力も高いのでございますから、いろいろ連絡或いは指導等によりまして間違いのないようにいたし得るかというふうに考えております。この点はできるだけ至急にそのような措置を講ずるようにいたします。  それから第二の島村委員からのお尋ねの点でございますが、決して逃げるわけではございませんけれども、やはりその具体的な学生の生活の実態をつかまえて、どちらに住所があると認定をするほかないと存じますが、抽象的に或る期間は仕送を受け、或る期間は自分がアルバイトだけで生活をしておるというような場合には、私はやはり郷里のほうにあると言つていいのではないか。ずつと今までは両親から仕送を受けておりましたけれども、やはり経済情勢が悪くなつて、自分がアルバイトをやつて学資を稼いで行かなければならなくなつた、家庭から仕送を受ける可能性もないというような事態になつてしまいましたならば、これは或いは下宿先或いは寄宿舎等に住所があると認定をして差支えがないのではないか、かように考えます。

小林武治緑風会

○小林武治君 もう一つ伺いたいが、この二十一年の通牒には療養所、病院等のことが謳つてあつたが、今度はこれには触れないのですか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) それはもう公職選挙法の二百七十条の二項、三項で立法的に解決されておりますので通牒では触れませんでした。

小林武治緑風会

○小林武治君 それはそうすると病院で投票すると……。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) いえそうでございませんで、個人々々の個々の入院しておる者につきまして病院にあると認定をするか、或いは家族等のいるほかの市町村に住所があると認定をするかをきめなければならない。個々にきめるより仕方がない、こういうことでございます。

小林武治緑風会

○小林武治君 今直接この問題とは関連ありませんが、この際伺つておきたいのですが、例えば癩の療養所等におきましては住所が殆んど不判明である、いわゆる本来の住居ですね。従つて大部分はこの療養所内で投票をする。即ちそこに住所があるというふうに認定されておる者が殆んど大部分です。従つてまあ実際問題としてそこで投票区を認めて投票をされておる。不在投票でなく投票しておる。ところがこれは大変ここで言うのは申訳ありませんが、開票区を設置してもらえない、従つてそれは一般に役場に持つて行つて開票する。これは非常に大きな問題になつておると思うのですね。消毒その他の問題で実際に開票しないというふうな問題も起きているので、開票区を投票区と同時に設けてもらいたいということを非常に熱心に唱えておりますが、あなたのほうでは認めてくれない。こういう事情は御存じだろうと思います。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) そのような事情が私どものほうでもわかつておりましたので、今年の解散前の公職選挙法の改正案の中には、そのような場合に開票区をまあ分割して設け得るような案ができておつたのでございます。で御承知のように衆議院は通過して参議院に回付になつておりましたが、解散がございましたのでとうとう成立しないままになつたのでございます。で、私どものほうでもそのような特殊の事情のある場合には、やはり開票区を設け得るようにしたほうがよろしいのではないかというふうに考えております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 さつき公職選挙法の二百七十条の説明がありましたが、癩療養所は私の県、岡山あたりにありますが、従来はあそこは皆候補者が一斉に狙う所なんですな。狙うと言つちやおかしいがあそこにおる人はこの法文をそのまま解釈すると、その住所のあるものと推定してはならないと、こうあるのですけれども、あそこで寝起をして殆んどまあ国家施設でやつているので、自分の郷里の住所を離れておるというのが多いと思いますが、だからあれらのものはやはり具体的の事実によつてあそこにあるものだと、こう解釈するのが私いいと思うのですが、それでいいかどうかということと、それから保安隊のさつき説明がちよつとあつたと思いますが、もう一遍一つ御説明願いたい。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 二百七十条の第二項は「推定してはならない。」、おるというだけで住所がそこにあるのだと一方的に推定してはいけないというだけで、事実は療養所に住所があるかたが大部分でございますから、実際上そこで名簿に登録し、且つ投票所も設けて投票さしております。

島村軍次緑風会

○島村軍次君 よろしうございます。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) それから保安隊の住所について御説明を申上げますが、これは今年の六月の九日に地方に通牒を出しております。従来予備隊員の住所について通牒を出しておりましたが、保安隊に変りました関係上の通牒でございます。これは全体の趣旨、通牒の内容を御説明申上げますと、いわゆる一般隊員と幹部の隊員に分けまして、保安官即ち幹部の隊員は、完全に一般の者の職業と申しましようか、というような関係と同じでございますから、それは任務地にある。それから一般の隊員につきましては、学生と違いまして、昔の徴兵検査の時分には入隊いたしておりましても家族の所に住所があるということでございました。これは刑務所等に入つておりますのと、例が悪いのでありますが、同じように家族の所にあるということになつておりました。ところが現在の一般の保安隊員でございましても、これは志願兵でございます、学生と違いましてまあいわばそれによつて生活をいたしておるわけでございますから、学生の場合は郷里に原則として住所があるというふうに考えられますけれども、保安隊員の場合には隊のある所に住所がある、こういう考え方でございます。但しやはりその場合におきましても隊員で妻子がある、或いは父母兄弟等があるというような場合に、妻子等があれば当然にその隊員の人が扶養いたしておりますので、妻子のある所に住所があると考えるべきじやないか。又父母がおりますような場合に、それとの間に或いは財産の関係或いは両親の扶養の関係、そういうことが認められる場合には、やはり隊ではなくその父母等のいる所に住所がある、こういうふうに認定すべきじやないか、こういう趣旨の通牒でございます。

小林武治緑風会

○小林武治君 ついでで恐縮ですが、先ほどの療養所に、若し法律事項であれば、開票区を設けてもらいたい、こういうふうな法律の改正を最近の機会にして頂けるものと了解してよろしうございますか。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 私どももできるだけ早い機会にそのように改正をして頂きたいと考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 選挙部長の名で出された通牒ですが、これは当然自治庁長官や又上司には連絡をとつてあるわけですね。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) そうです。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) やはり環境から見てみますと、一方においては相当あなたのほうでは不在投票があるから棄権防止はそれで解消するのだ、こういうような考え方のようですけれども、これを実際に施行する場合においてはやはりその取扱その他についてこの学生の諸君たちはまあ相当これは戸迷うだろうと思うのですが、そういうことで棄権が相当多いというようなことは何としてもこれは国民としても堪え得ないことですが、やはりその選挙の掌に当つておるところの選挙部長あたり特に責任を感じなくちやならん問題だと思いますが、その点のやはり啓蒙その他をこれは徹底的にすべきだという感じがいたしますが、この点はやはり十分やつて頂くのでしような。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 極力そのようにいたします。

小林武治緑風会

○小林武治君 少しくどいのですが、どうも法律的にはおつしやる通りかも知れませんが、常識には非常に反するように私ども思うのです。殊にまあ大きな選挙は別といたしまして、地方選挙等におきましては事実上不可能なことなんです。村会議員や町会議員を東京から不在投票をするというようなこともどうかというふうにも思われるし、それからなお被選挙人に対する親しみなんか殆んどない、こういうふうに言うてもいいと思う。従つて、選挙に対する興味も非常に喪失するということも言えると思うのであります。いずれにしましても、結果的には非常な危険が生ずるであろうというふうに思われるので、飽くまでもそういう欠陥を補う手段を講じて頂きたいと思うが、併しそれでもなお非常な選挙権の行使に支障を生ずるであろうというふうに私どもは考えておるということだけ申上げておきたいと思います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) ほかにありませんか……、ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) 速記を始めて下さい。

金丸三郎自治庁選挙部長

○説明員(金丸三郎君) 先ほど申上げましたことで年を間違えて申上げましたので、御訂正申上げておきます。島村委員の住居を住所に変えたのはどういう経緯だつたかという際に、昭和二十一年の衆議院議員選挙の改正と申上げましたが、昭和二十二年法律第四十三号でございますので御訂正いたしておきます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは明十八日地方制度改革に関し次の者、即ち知事会代表、都道府県議長会代表、市長会代表、市議長会代表、町村長会代表、町村議長会代表から意見を聴取するため参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○委員長(内村清次君) それでは手続等につきましては委員長に御一任を願います。本日はこれにて散会いたします。    午後三時十五分散会

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