大蔵委員会 第29号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/07/30
会議録
○理事(西川甚五郎君) それでは只今より第二十八回大蔵委員会を開会いたします。 先ず特別減税国債法案並びに産業投資特別会計法案、両案について御質議を願います。
○小林政夫君 最近の借換国債ですね。これは一体金利は幾らなんです。
○説明員(藤田茂君) 借換国債については、最近の分は現金償還いたしまして、お話の借換国債と申しますのは九月一日に期限が切れると存じますが、これについてはまだ未定でございまして、只今若干の案がある程度でございます。御承知のように只今ございます案は、表面利率を五分五厘にいたしまして、九十六円で発行するという案がございます。まだ案の段階でございます。
○小林政夫君 計算して見ればわかりますが、それで一体何分の利廻りになります。今のあなたのほうの案で。
○説明員(藤田茂君) 六分二厘一毛になります。
○小林政夫君 特別減税国債は政府提案の理由といいますか、趣旨の説明によると、二十八年度限りということですか。
○説明員(藤田茂君) 現在のところお話のように今年度限りという予定になつております。
○小林政夫君 産業投資特別会計法はこれは二十八年度限りというわけには行かないので、今後ずつと当分置かなければなりませんね。
○政府委員(白石正雄君) 産業投資特別会計法は只今のところ恒久法として考えられております。
○小林政夫君 その中に特別減税国債による歳入という字が使つてありますね。そうすると、特別減税国債というものは二十八年度限りで打切るならば、その産業投資特別会計における新規資金源としては二十八年度二百億だけだと、あとはこの投資によつて回収金が廻つて来る、今まで投資した回収金、或いは利子収入というものが新規投資財源になるのであつて、二十九年度以降においてはその回収金及び収入利息以外のものは資金源としてはないと考つてよろしうございますか。
○政府委員(白石正雄君) 特別減税国債が二十八年度で取りやめになる、二十八年度限りで取りやめになるということになりますれば、お説の通り当会計といたしましての新規の資金は一応ないということになるわけでございます。
○小林政夫君 そこで私は、一応政府は特別減税国債というものは二十八年度だけだと、こう言つておられるわけです。産業投資特別会計を設け、今までの財政資金投資、財政資金による投資を一本化した、一本化して経理しようと、こういう産業投資特別会計を設けることは、財政資金による投融資を一本化するという意味においては意義があるが、特に設けてやる場合においては二十九年度以降は回収金以外には新規調達資金はないのであるということであると、それは整理という、一本化するという意味だけであつて、投資特別会計を設けた意義がかなり薄らぐのであつて、従つて一応特別減税国債というものの発行は二十八年度限りだということを今は言つておられるが、政府の肚としては二十九年度以降においても発行する意思があるんじやないか。その点はどうもこれは事務当局に聞いたんではよくわからないので、少くとも政務次官又は大臣にお尋ねしたい。
○理事(西川甚五郎君) 今政務次官は本会議に入つておりますので、追つて参ります。それでよろしうございますか。
○小林政夫君 それだけでございます。
○森下政一君 昨日菊川さんの質問に対して、大体個人の場合は一割二分ぐらいの減税国債は利廻りになるというお話がありましたけれども、一つ例を挙げて解説して下さい。
○説明員(藤田茂君) この特別減税国債は標準利率は年四分でございますが、これを個人が買いますと、四年で償還を受けるものとして一割二分六毛二糸になります。それから法人の場合にはこの国債を若干余分に買いませんと同じ額の減税が受けられませんので、そういう意味で算出しました利廻りが若干悪くなりまして、一割五厘七毛四糸という利廻りになります。その利廻りは四年で償還を受けるものと仮定しました場合のものでございまして、この減税国債は三年目に三分の一、四年目に三分の一、五年目に三分の一を償還するという計画になつておりますので、若し三年目に抽籤償還を受けますと、これより若干よくなりまして、法人では一割二分六厘二毛五糸、個人では一割四分五厘八毛五糸というように利廻りはよくなります。一方五年目に償還を受けますと、法人では九分三厘五毛四糸、個人では一割五厘六毛四糸という計算になるわけでございます。
○森下政一君 あとの質問は政務次官が見えてからお伺いしたいと思います。
○理事(西川甚五郎君) それではこの一案は一時延ばしまして、今日参つた租税特別措置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正するという、これを一つ政府当局より御説明を願います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院で一部の修正がございましたので、便宜私から御説明申上げたいと思います。これ一点について申上げます。御手許に御配付してありますものにつきまして順次御説明して参ります。 第一条に修正がございますのは、あとで申上げますように、通行税につきまして一定期間の減税がございますので、この総則的な第一条におきまして通行税の規定を入れようと、これはまあいわば一種の字句修正でございます。 第二条の二として附加えられました規定は、現在行なつております預貯金等の利子の課税方法、これは御承知のように一面において他の所得との総合課税が行われますと同時に源泉課税が行われ、その場合いにおきまして百分の二十の税率で課税される、それから源泉選択の制度というのがございまして、今度の措置法の改正におきましては現行の百分の五十の税率を百分の四十の税率に下げると、こういうような建前になつているのでありますが、これがこの修正案によりますと、総合課税は当分の間やらない、これが第一点、同時にその課税は利子の支払いの際の源泉課税だけに限定しまして、その税率は百分の十に引下げる、総合課税をやめますので、源泉選択の制度もおのずから、あれもまあ臨時的な措置でございますが、あれは一応条文の上からは姿を消してしまう。この一連の関係が第二条の二でございます。これは期間は、総合課税をしないのは二十八年分と二十九年分に一応限られております。なお源泉徴収の場合の税率につきましては、これは将来の税制改正のことも、これの期限の切れたときのことも考えたんだろうと思いますが、百分の十でやりますのは三十年の三月三十一日、年度末まで百分の十で、なおこれに関連を持つた規定が、十八頁を御覧願いたいと思いますが、割増金附貯蓄の取扱に関する法律の一部改正、これが附則で改正されております。これは現在割増金附貯蓄、割増金附定期という制度が行われているのでございますが、同時にこの割増金につきましては一応税金は課税しないということがなされているのでございますが、そういうことの上に現在におきましては末等までと言いますか、全部はずれ籖なしの割増金、こういう制度が行われておりまして、いささか割増金附の貯蓄の割増金についても課税しないという、そういう規定が多少範囲が拡げられて非課税になつているというような扱いになつているように思いますので、それをこの機会に変えようと、即ち割増金の範囲というものについて一応限定いたしまして、いわば一種の利子に相当するものを全部割増金の形で以て分配するということはしないように、どこまでも割増金の額は利子額のやはり一部に相当する程度にとどめるということの上に、一つはその配当の割合を、その割増金の割合を利子又は配当の総額の七分の三に限定する、これが一つと、それから割増金を受け得る人の当籤の数、現在は全部が割増金を受けるという制度がなされておりますが、その数を抽籤の数の三分の一に限定しよう、こういうのを併せて行おうという規定が改正されております。これが預貯金課税に対する一連の改正規定でございます。一それから次に第七条の六、それから第七条の七、相当長文の規定が入つております。これは輸出奨励のために輸出した人、輸出業者或いは輸出業者に製品を販売した人等に対しまして輸出奨励の意味の下に一定の減税を行おうと、こういう趣旨の一連の規定でございます。即ち個人にありましては第七条の六に規定してございますが、二十八年から三十一年までの三年間、この間におきまして輸出業者が輸出した場合、この場合にはその輸出金額の百分の一、それから自分の製造したもの等を輸出した場合においては百分の三、それから輸出業者に対しましてその製造したものを販売した場合におきましては、その販売した製造業者に対しまして百分の三、輸出業者の委託を受けて加工した場合にはその加工賃に対しまして百分の三、それから外貨を対価として輸送、修理、加工を行なつた場合においてはその加工賃、運賃等に対しても百分の三という減税を行おうとする規定であります。但しそれはこの輸出等によつて得た所得の百分の五十を越えないという制限が付けられております。なお規定の一連の関係から申しますと、一応輸出業者が輸出した場合、或いは自分の製造したものを輸出の目的のために輸出業者に販売をしました場合におきましては減税の措置がなされますが、後においてその船積みされたことの証明を必要とすることになつております。その証明が一定期間においてできなかつた場合におきましては、この免税がいわば取消されると言いますか、その年において益金として課税される。証明できなかつたとき、期限の切れたときに課税される、こういうような規定ができております。七条の六は個人の関係でございますが、同じことが七条の七、法人の関係におきまして同じような趣旨の下に減税措置がなされております。 それから十一頁に八条の三につきまして修正がございます。これは今度の政府の提案してございます改正案に新しく開墾、干拓等によりまして耕地を造成しまして、そして農産物等を植付けした場合におきましては五年を限度としまして、その開拓した土地から生ずる所得に免税する措置を講ずることを改正案として御提出申上げているのでございますが、それにつきまして、いわゆる農耕地だけでなくて、塩田についての開墾の場合におきましても、同じような免税措置を講ずるという趣旨の改正がなされているわけでございます。 それから八条の四、これは新しく入つた規定でございますが、八条の三におきましては、開墾、干拓等で新しく耕地が造成された場合における所得税の免除の規定でございますが、すでに一応耕地になつておりまして、表作はすでにもう作られているというこうした農地、併し一毛作の土地でありまして裏作はできていないという土地につきまして、新しく土地改良法によりまして土地改良をして裏作を始めたという場合におきましては、その裏作の分につきまして三年間免税措置をしよう、所得税の課税を免除しよう、こういう趣旨の下にできておりますのが八条の四の規定でございます。 それから次に八条の五の規定でございますが、八条の五の規定は、これは農業協同組合等、現在再建整備ということが盛んにやかましく言われ、進行しております。その組合の特質性に鑑みまして、ここに掲げてございまするような組合だけにつきまして、第一にはそれが非出資の組合である場合におきましては法人税を課税しない。出資組合である場合におきましては、積立金が期首におきまして四分の一に達しないときは、その期において積立てた金額については課税しない、配当した分については課税する、そういう趣旨で改正がなされております。 次に九条につきまして一応の修正がなされておりますが、これは字句整理たけでございます。先ほど言いましたように塩田も入つたものでございますので、その関係でこの字句整理がなされております。 それから九条の六の規定でございますが、これは二年ほど前であつたと思いますが、曽つて宗教法人令というものがありまして、宗教法人令によつて宗教法人ができていたのであります。これはポツダム勅令による法令であつたのですが、それは宗教法人法というものに変りまして、曽つて宗教法人令による宗教法人であつたものが宗教法人法による法人になつたわけでありまして、実質的にはまあ大体人格がそのまま引続いていると認められていいと思うのでございますが、一応法令の上から言いますと、宗教法人令という根拠法規であつたものが宗教法人法に変つたものですから、形式的には別の法人である。こういうふうに解釈せざるを得ないわけでありまして、その場合に宗教法人令による法人の持つていた財産を宗教法人法の宗教法人に移つた場合におきましては、これは権利の移転としての登録税が課税されることになるのでありますが、どうも法律の本来の建前から言いますと、それは本来の趣旨ではないようでありますので、この機会にそれによる権利の移転登記につきましては税金を免除しよう、これが九条の六の修正であります。 それから二十条の三の修正規定でございますが、これは現在国有財産特別措置法という法律がございまして、国が持つております旧軍事工廠等の工作機械等を民間の人の持つている古い機械と交換することがその国有財産特別措置法でなされているわけであります。大体時価に両方とも見積り替えをいたしまして、そして交換するわけでございますが、何らかの規定がありませんと、その交換の機会に、個人におきましては譲渡所得が課税になるような、或いは法人におきましては、そこで一つの評価益が出るようなことになるわけでございます。それは交換による機械の取引で、それが新しいものを、古い機械というのは相当老朽している機械、国の持つておりますものは古いものでありますが、民間の持つているものに比べますれば、よほどましだというので、そこで取替えるわけでございますが、そうした仕事が税の故に阻止されるということも面白くないという観点から、この場合におきましては、すでに例えば農地の交換の場合において行なつておりましたり、或いは国有林野と民有林野との交換の場合において行なつておりますように、個人についてはその財産譲渡所得は課税しない、法人についてはいわゆる圧縮記帳を認めよう、こういう趣旨の一連の規定であります。 それからなおその場合における財産評価の問題、これがどういうふうになるかという問題がございますので、大体従来から引続いて持つていたと同じように見て行こうというので二十条の四の改正規定があります。これは今申しました国有財産特別措置法にあります機械の交換の場合の規定取扱の一連の関係の修正でございます。 それから二十七条の修正でございますが、これはそこに書いてあるように簡単でございまするが、航空機の乗客に対する通行税を、現在百分の二十でございますが、来年の七月三十一日まで百分の十に引下げよう、こういう趣旨でございます。 附則につきましては、一応条文整理関係が大部分でありまして、二項の関係、それから八項の関係、同じでございまして、九項につきましては、最初御説明申上げました通りで、この九項の取扱はすでに相当募集を開始している点もございますので、大体その辺などを考え合せまして、十項にありますように、九月一日以後取扱を開始する割増金附貯蓄について適用しよう、こういう趣旨で改正がなされております。 以上簡単でございますが、特別措置法の修正の点について御説明申上げました。
○小林政夫君 至急資料を要求したいのですが、至急に出してもらう必要がある。通産省側に行けば出はせんかと思うのでありますが、百分の三、百分の一ですね、それと所得の五〇%、こういうものがいずれか低きほうだと、こういうことになるのですが、その現在の状態で業種別にどうなつておるかという計算はつかないのですかね。例えば百分の三といつても所得のほうが非常に低いと、むしろ百分の三のほうはうんと高くて、所得の五〇%というほうが基準になつて来る。百分の三のほうはあつても有名無実だというようなことになりませんか。
○政府委員(渡辺喜久造君) お説の通りにいずれか低いほうになつておりますから、従つて業種におきましては、所得の五割というほうが大体働くと言つてよいと思いますが、何分多数のものでございますし、それからまあ国会による修正の関係でにわかに出て来た問題でございますので、私のほうで今お話のような資料を早急に御提供する自信はございませんので、ちよつとお引受けしかねると思います。
○小林政夫君 通産省側と相談して見て下さい。
○政府委員(渡辺喜久造君) 通産省の側でもむずかしいと思いますけれども、併し通産省の意向を聞かないで私がむずかしいと申上げてしまうのも如何かと思いますので、御趣旨の点は通産省のほうへ伝えて見ます。 ―――――――――――――
○理事(西川甚五郎君) それでは所得税法の一部を改正する法律案に対する修正案がありまするが、これを局長より御説明願います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 所得税法の一部を改正する法律案につきましての衆議院における修正を御説明申します。 規定は四十六条の三の改正規定に関するものでございます。この規定につきましては、本委員会におきましてもいろいろ御質問も言いまして、お答えいたしたと思いますが、企業組合等について、時にその本質的なものを備えていない企業組合があるようでありまして、課税上いろいろトラブルが多いので、推定の規定を置いて頂きたいというので、一応政府として提案としたのでございますが、その条文の中で、原案によりますと、「法人に五以上の営業所がある場合において、」とございますが、この五以上の営業所という点につきまして、十五以上の営業所と、営業所の数が殖えることによりまして、推定規定を適用する範囲が狭まつている修正ができております。修正の趣旨といたしましては、営業所の数が少い場合におきましては、あえてどういう推定規定を使わないで調査ができるのじやないかというのが、この修正の御主張のようでございます。それで「法人に五以上の営業所がある場合において、その営業所の三分の二以上に当る営業所につき、当該営業所の所長、主任その他これらに類する地位を有する者(以下所長等という。)又は所長等の親族その他の当該所長等と命令で定める特殊の関係のある個人が前に当該営業所において個人として事業を営んでいた事実があり、」その個人として事業を営んでいた事実がありという場合におきまして、そこが事業を営んでいた事実というのを、「同一事業を営んでいた事実、」これが修正の第二点であります。即ちその趣旨といたしますところは、前に八百屋さんであつた人がその場所で同じように八百屋さんをやつていた、或いは魚屋さんであつた人が同じように魚屋さんであつた、こういうふうに限定していいのじやないか。八百屋さんであつた人が同じ場所で事業をしていましても、今度は新らしく魚屋さんをやつておるという場合は、これは問題として取上げるべきものでもあるまい、こういう意味の修正でございます。「個人として事業を営んでいた事実があり、且つ、当該所長等が現に当該営業所に係る事業を主宰していると認められる事実があるときは、それらの営業所における資金の預入及び借入、商品の仕入及び販売その他の取引のすべてが当該法人の名においてなされている場合を除き、」この場合というふうに原案がなつておりますが、「その他の取引のすべてが」というのを、「その他の取引が」というふうに「すべて」が消されております。この修正の趣旨は、伺つてみますると、別に「すべて」という字が消えたことによつて意味は大して変らない。その他の取引が当該法人の名においてなされている場合を除き、ということで、意味は変らないが、表現をこれによつて余りきつい表現を柔かくしようという程度の意味だというふうに一応伺つております。四十六条の三につきましては、そうした三つの点が修正されております。 それから附則の三項でございますが、「この附則において特別の定めあるものを除く外、新法の規定(新法第三条の二の規定を除く。)は、昭和二十八年分以後の所得税について適用し、昭和二十七年分以前の所得税については、なお従前の例による。)こう規定されております。新法三条の二というのは、これもすでに当委員会で御説明申上げ、御質疑のあつた規定でありますが、我々いわゆる実質課税ということを現在でも行なつておるわけでございますが、それを明文化したいという規定であります。原案におきましては、これは実質的な課税を現在でも行なつているのだから、従つて特に二十八年分所得税について適用して行く必要はないので、昭和二十八年八月一日から施行するこれにそのまま入れていいのではないかということで括弧が入つていたと思うのでありますが、若しそうなら何も現在もこういう規定を実質課税を行なつている、今度それを明文化するというなら、特にこの括弧の中のものだけを八月一日から施行し、その他は二十八年分から施行するといつたようなふうに細かく区別する必要もあるまい。もう少しおおらかに考えて行つてよいのではないかという御趣旨と伺つておりますが、この括弧の中を削ろうと、こういう修正がなされております。 以上申上げましたのが、所得税法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正の内容でございます。
○小林政夫君 今修正の内容を説明してもらつたわけでありますけれども、主税当局としてはこれで動くと思つて積極的に了承されておるわけですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 所得税法の関係でございましようか。
○小林政夫君 両方です。
○政府委員(渡辺喜久造君) 所得税法につきましては、一応衆議院におきましても随分御議論のあつたところでございまして、我々もいろいろ御説明申上げまして、我々の主張もいろいろ聞いて頂き、同時に関係の納税者のかたの意見も参酌された修正だ、従いまして、我々といたしましては、この修正案によつて最善を尽して行きたいと、かように考えております。 それから措置法の問題につきましては、これはいろいろ意見はございますが、それはどちらかと言えばむしろ方針の問題の意見でありまして、施行の点につきましては、この法律によつて法律が施行できないような法律であるというふうには思つておりません。
○小林政夫君 これから主として修正部分に対して質疑をしようと思うのでありますけれども、これは衆議院において修正されたもので、主税当局としては十分責任が持てないというような答弁をなさらないで、十分あなたのほうで応答ができるものかどうか。
○政府委員(渡辺喜久造君) それは御質問によりまして、私のほうも十分答弁できる部分と、それから何と申しましても国会のほうの修正でございますので、その点になりますと、我々としてはちよつと何とも申上げかねますという答弁と二色出ざるを得ないと思つておるのでございまして、一から十まで私のほうで責任を持つて答弁し得るということを抽象的にお答えするだけの自信はございませんが、我々のほうで答弁できる限りにおきましては、御質問に対してお答えいたしたいと思います。
○小林政夫君 衆議院のこの修正を一つ説明のできる人を呼んでおいて頂きたいと思います。
○理事(西川甚五郎君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(西川甚五郎君) それでは午前中はこれにて休憩いたしまして、午後一時半より再開いたします。 午後零時十七分休憩 ―――――・――――― 午後二時四十二分開会
○委員長(大矢半次郎君) 午前に引続きまして会議を開きます。 特別減税国債法案及び産業投資特別会計法案を議題といたしまして、質疑を行います。
○小林政夫君 愛知政務次官にお尋ねしますが、特別減税国債は二十八年度限りで打切るように今までは説明されておるんですが、それで間違いございませんか。
○政府委員(愛知揆一君) 昨日もお答えいたしましたように、只今のところでは二十八年度における特殊の措置として法案を出したものでございます。
○小林政夫君 産業投資特別会計法案は、これは相当恒久的な特別会計として置いておくと、こういうことであろうと思うのですが、その資金源として将来予定降れておるものとしては、特別減税国債が二十八年度限りであるならば、二十九年度以降は回収金及び運用利子収入以外には新規原資はなくなつて来ると思う。それでいいですか、どうですか。
○政府委員(愛知揆一君) これは誠に御尤もなお尋ねでありまして、産業投資特別会計は、我々の気持としては恒久的な制度として考えておるわけでございます。ところで特別減税国債が二十九年度以降は考えないということにするならば、その間矛盾があるのではないかというお尋ねで、これは誠に御尤もだと思います。併し産業投資特別会計は我々の気持では、いわゆる税の負担によつてかくのごとく長期に亘り産業投資をやるということに充てるのは、将来に亘つて不適当であろう、何らかほかの財源により産業投資特別会計は組立てて行きたいという考え方を持つておるわけであります。これも昨日も申上げました通り、二十九年度以降の財政計画については、今確たる自信を持つてお答えするだけのところまで行つておらないのでありまするが、いずれにしても二十九年度以降におきましては、特別減税国債に代るもの、或いはそのほかの方法によつて、この財源に繰入れることが適当であると考えられるものも二、三あるわけでございまして、これは一つ早急に二十九年度予算の編成に当りまして、新らしい構想を考えようと思つておるわけでございます。
○小林政夫君 最近の借換国債と言われておるこの借換国債の利廻りは、事務当局の説明によると、まだ確定はしておらないが、おおむね表面利率五分五厘で実利廻りは六分二厘一毛、こういうことでありますが、その際にこういつた特別減税国債を出さなければ、二百億の国債が引受けられないということも、私としては考えられないと思うんですけれども、その点なおこういつた二百億に対する四十五億というような減税の犠牲を払つて減税国債を発行しなければ、どうしても二百億の調達ができないということの、その辺のお見通しは如何ですか。
○政府委員(愛知揆一君) この点は実は大体二十八年度中の起債市場の状況を勘考いたしました場合に、昨日も申上げましたが、今政府として計画いたしておりますところの公社債券とそれから減税国債、これが利率の点、或いは消化先の見通しというようなことを考え合せ、又民間の起債の希望等を大体取りまとめて見て、二十八年度中に消化可能の限界というのが、私どもとしては減税国債については二百億というふうに算定をしているわけでございまして、それから借換国債のお話でございますが、事務当局から申上げました通り、いろいろの意見あつたのでありますが、私どもといたしましては、表面利率は五分五厘、実際利廻りが六分二厘一毛でありますが、その程度で大体これば借換えをやりたい。大体今の見込みとしてはこれで借換えが関係方面に協力を求めて実行できるというように考えておりますが、ただこれは従前からの借換えの分についてでございまして、昨日も申上げましたように、今仮に例えば生産公債というようものの論議の出ていることは御承知の通りでございます。例えば改進党はむしろそういう公債のほうがいいのではないかという御提案もあつたのでありますが、いろいろ御相談の結果、昨日も申上げました通り、今の時期におきまして新たなる公債の条件ということを考えるということはちよつとまだ早計に失するのじやなかろうかというふうな議論に落着いたわけでありまして、これらの点も先ほど申しましたように、産業投資会計を将来どういうふうなところからその原資を求めるかということを考えます場合には、勿論生産公債というような考え方もその一つでございましようし、或いは又過去の蓄積の若干を充当するということも考えられましようが、これらは挙げて今後急速に新コースを求めたい、現在におきましては、借換公債の利率の決定というところだけにとどめておきたい、こういうふうに考えているわけであります。 なおその借換公債の条件であるならば、新たに二百億の消化ができるのではなかろうかという御質疑でございますが、この点については私どもは現在のところ正直に申しまして自信がないのであります。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言は……。
○森下政一君 特別減税国債については昨日からいろいろ質疑が行われて、政府の御答弁も聞いたのであります炉、これはどうですか、二百億の中で大体百二十億ぐらいは金融機関で引受けさせる、あとは個人、こういうようなお話だつたのですが、むしろ金融機関に全額これを引受けせしめる。そういうことのほうがどうしてもこれを発行しなければならんということならば、まだ国民の受ける感じというものはそのほうがいいんじやないかというような気持がしますが、政府はそれに努力して金融機関限りにおいてこれを消化するというようなことはできないでしようか。
○政府委員(愛知揆一君) 昨日もお答え申上げました通り、私どもの基本的な気持としては、むしろ反対なのでございまして、若し個人の納税者、或いは法人等におきまして、資金繰りの比較的ゆとりのあるようなところで消化をしてもらえば、その額が多ければ多いほどいいのではないかと一面において考えているのでありまして、金融機関のほうにつきましては、別に他の法人よりも持ち方を少くしてもらいたいという気持はないのでありますけれども、現在の見通しとしては、大体金融機関に百二十億持たせれば、ほかのところで残りの分は消化ができるのではなかろうか、かように考えているわけであります。
○森下政一君 それは一体どういうわけなんですか。若し今のお話をだんだん進めて行くならば、できることなら個人で仮に全額消化することができるというのが一番望しい、政府の思うところだというふうに聞えますが、それはどういうお考えでそういうことをお考えになるのですか。
○政府委員(愛知揆一君) これは御承知の通り率直に申しまして、金融機関が現在のようないわゆるオーバー・ローンのような、弱体でないような場合におきましては、金融機関に全額負わせて一向差支えないとは思いますが、これに持たせると同時に、昨日も菊川さんからたしか御指摘があつたと思いますが、これを持つために他に対する融資を窮屈にしてはいけない。併しそうかというて現在の金融機関の状況から申しますと、それを抑えまい、従来の貸出を拘束させまいとすれば、やはり或る程度オーバー・ローンを是認して行かなければならない、こういうような客観的な状況下にありまするから、金融機関の引受分というものもそう大きくこれを割当てるということは、全体の政策からいつて必ずしも適当ではないのではないか、こういうふうに考えるわけなんでありまして、これも更にざつくばらんに申上げますると、或いは一般で今見通しておりますように、これが消化できないということであれば、勢い金融機関に持たせるものが現在の計画の百二十億より多くならざるを得ない結果になる、こういうことが起り得るかというふうに考えているわけであります。
○森下政一君 昨日菊川さんの質問に愛知政務次官がお答えになつた通り、この二百億に関する限りは、考えようによつては、この国民の負担において利子補給がなされている、こういう理屈が一応つくのだと、こういうふうに考えるわけですね。これは産業資金として投下されるというときにはこの二百億だけでなく、それがプールされて、これはどこへ行くかということはわからんけれども、それは少くともこの二百億に関する限りにおいては四分の公債が一割二分にも利廻りが実質的にもなる、或いは一割五分にもなるというのですから、その差額というものはやはり利子補給のようなことになつて望ましくないのだが、それでこれだけの資金を集める、こういうことになると私は考えなければならんと思うのです。それでこういう点はどうでしようか。税の重いということはもう一般的に考えられているところである。これは政府も決して安いとはおつしやらない。税は高いのだ、重いのだ。だから機会さえあれば、又可能であれば減税をしなければならんと大蔵大臣も口ぐせのようにおつしやる。今度の一連の減税政策を見て、減税は確かに行われるということになるが、併しこれはやはり国の一政府のいろいろな政策と睨み合せて、例えば資本蓄積が必要だというので、蓄積が可能だというところに減税を行うという措置が講ぜられる、まあこれは止むを得ないと思いますけれども、今度の一連の減税措置の中で一番いけないのは減税国債だと思うのです。というのは、税の負担が重いから軽くなりたいというのが皆の望むところなんです。皆の望むところなのに、減税国債を買うだけの、引受けるだけの力のある者だけが、いわゆる力の多い者に限つて自分の負担の軽減を図ることができるという途を開いておいて、最も軽減を希つている経済力の乏しい、引受けることのできない国民、引受けたくても引受けられない者は指をくわえて見ておらなければならんということは、これは自由党政府のやることが、引受ける能力のない大衆というものからは非常な怨嗟の声で見られることになるのではないか。というのは、私は思想的にも今のような政府のやり方というものは、大衆の受ける感じは決してよくないということを考えると、これは自由党政府のために非常に惜しむべきところの、私は誤つた方策ではないかと考えるのですが、これは思想的にも決していい影響を大衆に及ぼさんと考えるのですが、政務次官どうでしよう、そういうふうにお考えにならないでしようか、このことに関する限り……、
○政府委員(愛知揆一君) 私の考え方は実はこうなんでありまして、その議論に入ります前に、産業投資をいわゆる政府の財政資金でやらなければならない、いわゆる普通一般の金融のべースには乗らないようなことが今日非常に経済自立上重大な要素になつておるので、これを打開するためには何としても財政資金を調達しなければならない。而もその財政資金というものを仮にドツジ・ライン流の考え方で行けば、その分だけを更に税で増して取るか、或いは他の歳出を減さなければならん。要するに一般会計がこういうものまで負担しなければならないという考え方にならざるを得ないと思うのでありますが、これは今日の日本の実情に副わない。そこでその財政資金で以て長期に亘る投資をやりまするその資金源をどうやつて調達するか。ここで先ほどの問題になるわけでありますが、新たに公債を出すか、或いは過去の蓄積を食うかということが考えられ参ると思うのでありますが、いずれにしてもどうもまだこの程度の段階ではそこに一つのふん切りが政府としてつかない。そういう場合ご増税をせずに、一般大衆に対する負担をこれ以上増加することなしに、何とかして財政資金を公債に似たような形で調達しようとすると、これはおつしやるように税金を払い得る人だけしか対象になりませんが、そういうところからこの公債を買つてもらつて、そうして一面においてはその必要からいつて増税を起さないということが現在の段階としては止むを得ないところではなかろうかというような考え方から、先ほど来申しておりますように、原則的に二十八年度限りのこととして考える。決してこれが百パーセント名案だというふうに私は思いませんが、いろいろの要素を考え合せました場合において、その帰結点としてはまあこういう程度のことをやらして見て頂きたい、こういうような考え方なのであります。
○森下政一君 先頃衆議院で予算を通過せしめると、修正して通過せしめるということのために改進党と自由党との間でいろいろ折衝が行われ、行政整理によつて百億以上の金が生み出されるという協定が成立した、この一つの事実を取上げて見ても、一体政府の今度の予算というものは、党と党との話合いで予算を成立せしめるためには立ちどころにそういう大きな金が浮いて来る。これを遂行することのためには困難を伴うであろうと思うけれども、立ちどころに話合いでそんな金が浮いて来るようなものであるならば、恐らく国民の受ける印象というものは、予算というものは非常に杜撰なものだという印象を受ける。二百億もつまり二百億の資金を獲得することのために、恐らくその税を納める者の中でも特に私は富裕な階層の者に限つて買取ることのできるようなものになると結果において私思うのですが、そういうふうなものだけは税の上で非常に優遇されるというふうなことであると、政府の肚一つによつてはもつと財源を節約によつてでも捻出することができるのじやないか。これは国民としては事情がわからなければわからないほど余計にそういう印象を持つということは、私は延いては減税国債が思想的に悪影響を及ぼすということを非常に懸念するわけなんです。若しこのことだけをとらえて巧みに大衆に向つて宣伝するということになれば、これは自由党というものは大衆の敵だというふうな印象をこれだけによつて与えるということは言い得るだろうと思うのでありますが、そういう意味からも私は決してとるべき策ではない。これは万止むを得ないとお考えになつてのことだと思いますけれども、私は大蔵政務次官、大蔵大臣にこれは質したがつたのですが、愛知さんは私の非常に尊敬するまじめなかたなんで、全くその通りだ、こういう国民に与える印象としては思想的によくないという点を憂うる点においては恐らく御回感じやないかと思うので、この点を更に一遍念を押して伺いたいと思います。
○政府委員(愛知揆一君) その御意見に対しましては、私も非常に傾聴するものでありますが、実はそういうことまで申しては恐縮なんでありますが、この減税国債というものについてはまあ丁度一年前になりますが、何とかしていわゆるドツジ政策の展開といいますか、日本の現状に即したように財政政策に幅を持たせようということから、いろいろと考えた末に辿りつきました一つの結論でございまして、例えば私どもの立場からいえば、これを受取る国民大衆はどういうふうに批判をするかということは別問題であります。例えば昨日申しましたように、開発銀行に相当の金がこれによつてできるわけでございますが、開発銀行からの融資という面をとつてみれば、この中には中小企業の分もございますし、又基本的な電源の開発についても、電力会社に対する融資その他にいたしましても、結局その大きな動脈のところが動き出すことによつて、延いてこれが一般の国民大衆に対しても非常な利益になることが多いのでありますので、そういう必要な金を税を納め得るところの会社なり個人なりからの協力を得て持つてもらう、そうしてそういうところの必要な金を調達するということは、これは大局的に、或いは我々の窮余の考え方という謗りを免れないかも知れませんが、大体の我々の考えましたところをいろいろと説明に努めれば、私は国民大衆からも納得してもらえるのだというふうに考えているわけでございまして、その点は御意見と違うかも知れませんが、私どもとしてはこのように信じているわけであります。
○森下政一君 そうすると、若しこの法律を流せば、あなたがたの税金を高くするよりほかに途がないのだが、あなたがたの税の負担をこれ以上かけることは気の毒だから、こういう方法によつて一部富裕階級に税を優遇しながら、あなたがたの税の負担を高くすることなしにこういう措置によつて資金を獲得した、而もその投下される資金は廻り廻つてあなたがたの利益になるのだから、有難いことだというふうに考えてもらわなければならんと、こういうふうに説明して納得することと思いますか。
○政府委員(愛知揆一君) 有難いことだというふうに納得してもらえるかどうか知りませんが、私も自信ございませんが、要するに森下さんが分析しておつしやつたようなふうに私どもは考えているわけであります。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑を終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。 これより特別減税国債法案について討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○菊川孝夫君 私は、この特別減税国債法案に対して反対をいたします。と申しますのは、第一点といたしまして、昨日の質疑応答を通じて明らかになつたごとく、これは何と申しましても赤字公債を形を変えて、うまくカムフラージをして、私は出して来ているものと断定せざるを得ないのであります。大蔵大臣が私のこの主張に対して反論をしておられますけれども、実質的にはそう言われても弁解の余地はないと思うのであります。第一点として、赤字公債の変形であるという点からして、どうしてもインフレーシヨンを助長するという観点から反対をいたします。 第二点といたしまして、大衆の負担におきまして、特別なる会社に対しまして利子補給をする結果になるということは、この減税国債は成るほど年利四分でございますけれども、減税をするものと合せましたときには一割以上の利率になるわけでございますから、これを開発銀行に六分五厘で貸し、その借り受けた開発銀行は七分五厘ぐらいで電源会社、或いは船会社等に貸すということになりますと、結局廻り廻つて何回か手を通じておりますために、よくはつきりはしないけれども、実質的には大衆の負担において特殊会社に利子補給をするという結果になると思います。特に電源開発会社に対しましては、麻生九州電力の社長、或いは白洲東北電力の社長の関係から見ましても、どうしても電力会社とは切つても切れない深い関係ができてしまつている。これに対しまして大衆の犠牲において特別なる融資をするという途を開くことに対しまして、我々は納得できない。それから電源を大いに開発いたしまして、電気料金をどんどん下げるということであつたら納得できるのでありますが、電気料金が一向に下らずに上る方向ばかりを辿つている。これでは何ら国民生活に潤いを持たせるための政治とは言えないのであります。この点からいたしましても反対せざるを得ません。 第三点といたしましては、質疑応答の際に明らかになりましたごとく、税金が高い、何とかして負けてもらいたい、もう少し下げてもらいたい、減税してもらいたいというのは、どの国民の階層を問わずこれは要望しているところでございますが、この国民の強い要望をうまく利用すると申しますか、餌を投げ付けて減税国債を買わせようという政府のずるいやり方だと言わなければならんと思います。はつきり公債でやるなら公債でやるというふうにするのがむしろすつきりしてよろしいのではないか、減税国債だと言つてこれを売り付けて、そうして特殊会社に融資をしようということは、税金苦に悩む国民に対しまして一つの欺瞞政策だと、こう言われても弁解の余地はないのじやないか、かように考えるわけであります。この点からも国民の弱点に政府が権力を利用して付け込むというような政治のやり方は誠に感心したものと言えないと思います。従いまして、この点からも反対するものであります。又この減税国債を主として金融機関に持たせる、これは一流銀行、或いは信託会社等に持たせようということだと思いますが、その裏には二百億のうちで大体百二十億くらいは金融機関に持たせて行こう、大体こういうお話でございますが、その裏には金融機関がドツジ・ライン以来非常に儲かつているということは、我々はどこの町へ行きましても、素人目にこれは国民の誰が見ましても、町が立派になつたと言つておる。その町の様相を眺めました際に、何が一番立派になつておるかというと、戦後銀行の建物が一番立派になつている。これは銀行が儲かつているということを雄弁に物語つている。儲かつているけれども、配当を或る程度で抑えて固定資産に或る程度注込んでいる。従つて銀行が余裕資産があることは政府自身が知つている。銀行から吸上げて一つこれを使つてやろう、併しこれをやつた場合には、それをやらなくてさえも銀行へ行つても金を貸してくれないという一般の中小企業家の批判が強いのでありますが、二百億だけそのほうに吸上げられるということになると、より窮屈になる。それはどこへしわ寄せされるか。それは中小企業の金融にしわ寄せをされるということははつきりしておると思うのであります。そういう点からも、この政策は吉田内閣にとつては最近の悪政の一つだと言われても私は弁解の余地はないのじやないか。かようないろいろの点から考えまして、この特別減税国債に対しましてはどうしても賛成できない。こういう点から我我は断固反対いたすものであります。
○森下政一君 私もこの法案に反対いたします。 反対する理由は、只今菊川君が細かく申上げられましたが、特に私はこれを自由党のために惜しむ。現政府のためにも惜しむと考えますことは、およそ政治のあり方としてとるべき施策じやないということを強く感じるからであります。今日税の負担が重いということは国民各階層を通じての声でありまして、特に経済力に恵まれていない大衆というむのがその負担に堪えかねておるということは、これは言うまでもないのであります。自由党が画策された一連の減税措置の中で甚だしく欠けておると思いますることは、大衆に対する負担の軽減ということが欠けておる。自由党の政策を実現するために資金が必要であるというので、資本蓄積を可能な限りにおいて十分に潤沢ならしめたいという考え方から、税の上に相呼応したいろいろな施策が行われておるということを考えるのでありますが、ところが大衆の生活上の負担の軽減を図つて、生活に多少ともゆとりと潤いを持たせるという点においては頗る私は欠けておる。減税と言いながらその点の措置というものが全く見失われているというのが今度の一連の減税措置だというふうな印象を強く受けているのでありますが、そのさなかに特に経済力の潤沢な、減税国債を引受けるということができるという階層だけが税の負担を免かれることができるというような措置を講ずることは、これは政治のあり方として決して好ましい姿だとは思わない。全く私は自由党のために惜しまざるを得ない。国会が済んだら各党のいろいろな遊説が行われるだろうと思うが、試みにこの問題だけを捉えて自由党は国民の敵だという印象を私をして与えしむることは易易たることだと思う。これだけを取上げても優に一時間を費し、或いは二時間を費して、自由党は諸君の支持すべき政党じやない、これでも諸君は有難いと思うことができるかということを露骨に私は国民に説いて聞かせることができると思うのであります。かようなことは決してなすべきことではないと思います。こんなことをして二百億の財源を確保するということは最も拙劣な方策であつて、これに代ることを、肚のきめ方によつては如何ようとも私は僅か二百億の財源の捻出方法二いうものはないわけじやなかろうということを考えざるを得ないのでありまして、さような意味から私は強くこの法案に反対するものであります。
○小林政夫君 菊川委員、森下委員から縷々述べられたので、私は同様の趣旨において反対であるということだけ申上げておきます。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 これにより、採決に入ります。特別減税国債法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 多数と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は前例により委員長に御一任を願いたいと思います。 それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 山本 米治 西川甚五郎 安井 謙 藤野 繁雄 横川 信夫 青柳 秀夫 岡崎 眞一 木内 四郎 ―――――――――――――
○委員長(大矢半次郎君) 次に、産業投資特別会計法案につきまして、討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小林政夫君 私は、只今特別減税国債に反対をいたしましたので、私の趣旨から言えば、この産業投資特別会計を作ることは賛成だけれども、特別減税国債がなくなつた場合に、今度の予算で予定されている二百億という歳入がこの特別会計に入らなくなるので、それの歳入は確保する必要があろう。こういう意味において、この産業投資特別会計法の一部を次のように修正する修正案を提案いたします。 第一条第二項中「特別減税国債」を「第三壇の国債」に改め、同項の次に次の一項を加える。 3 政府は、この会計の歳出の財源に充てるため、昭和二十八年度において、二百億円を限り、この会計の負担において、利率を年四分、償還期限を五年以内とする国債(以下「投資国債」という。)を発行することができる。 第四条中「特別減税国債」を「投資国債」に改める。 第十四条中「特別減税国債」を「投資国債」に改める。 以上であります。
○菊川孝夫君 私は産業投資特別会計法案に対しまして、反対をいたします。なお又、小林君から御提案になりました修正案についても遺憾ながら反対いたします。 私はこの産業投資特別会計法案につきましては、その趣旨につきましては一応了解できるのでありますが、併しながら今までの運用の面から考えましても、特に最近におきまして一番大事なことは、中小企業の金融ということはもう何回も言つているところであります。従いまして、これが国民金融公庫の資金を増額するほうにうんと向けるとか、或いは農林中金に向けるとか、こういつた中小企業の金融機関、特に先ほど国民金融公庫法案の審議に当りましては、金融公庫はどこへ行つても喜ばれている、誠に皆からの評判がいい、全会一致で評判がいいが、こういう方面の資金をもつと殖やすべきだ、こういうところへ私は見返資金の金なんかはここへ出すように私はすべきであると思うのでありますが、そのほうは極めて微々たるものであつて、大企業の長期の、而も低利の資金を、なお又国民の零細なる負担においてなされる、見返資金だと申しましても、これは結局は私は国民の懐から搾り上げた金だと思うのであります。アメリカから援助物資を送つてもらつて、それを配給という恰好で配給して、配給代金として召上げた金なのであります。零細な金であります。それを積上げたのが見返資金だと言つてもちつとも差支えない。こうつた金はできるだけ小さいところへ、今金融で困つているところへ……、而も愛知さんここに出席されておりまするけれども、御案内の通りに今中小企業におきましては、金融難のためにいろいろの闇金融の問題がやかましく新聞の議論になつております。併しそれは政府の施策が悪いから存在しているので、誰だつて……、正規の金融機関ということを銀行局長は言つておりますが、正規の金融機関へ借りに行つて借りられるようであつたならば、そんな所へ行かない。安い利息で安心して借りられるというところがあつたら、そんな所へは行かないのでありますが、それは政府の施策が悪いからその盲点を突いてこういうことが繁昌するのであります。従いましてそういう問題を解決する方法は、ただ金庫という名前を使つちやいかんというようなことで決してこれは納まるものではないのであります。そういう点から考えまして、今産業投資特別会計法でこういうふうな運営をされるというよりも、中小企業のほうへ資金を廻すという方向に私は政治の切替えをされなければならん。こうう点から我々としては今は先ずそのほうへ廻さなければならん。やはりそのほうへ重点的に廻す。そのほうばかりと言つてもこれは無理だと思いますが、併しそのほうへこれを重点的に廻すと、こういうふうな運営をされるのであつたならば、私たちも一応納得できるのでありますが、この産業投資特別会計の金は殆んど八百六十億に及ぶ金が開発銀行に出て行くのでありますが、開発銀行では、今開発銀行の総裁は第二の郷誠之助、昭和の郷誠之助だと言われるくらいの……、開銀は大衆から集めた金で以て大企業に対し融資して、その融資を受けた企業に対して大きな発言力を持つて、今や昭和の郷誠之助だと言われるくらいの隠然たる勢力を持出して来て、政治に対しても大きな発言力を持つておると言われておるのでありますが、我々この間開銀の融資先の残高をお出し願つたのでありますが、その融資先の残高表と過般行われました総選挙における自由党に対する献金率を比較いたしましたときに、どうも非常に率が低いのであります。こういう点から考えましても、これは政治献金のごときはただ氷山の一角であつて、隠れたところはまだ相当あると思うのでありますが、この点から考えましても、開銀の今日の行き方に対しましてはどうしても納得できないところがある。この開銀に更に大逆な効率的な資金ルートを与えようとする産業投資特別会計法案に対しましては、断固反対するものであります。
○森下政一君 私はこの法律案に反対いたします。 特別減税国債に反対したのでありますから、その国債によつて得られました資金を経理する特別会計であるこの産業投資特別会計法案には勢い賛成することができない。もとよりその金だけではないというお話もありますけれども、減税国債に反対しましたと同様の趣旨によりまして、この法律案に反対いたします。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれにより採決に入ります。先ず討論中にありました小林委員の修正案を議題といたします。小林委員の修正案に賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 少数であります。よつて小林委員の修正案は否決せられました。 次に原案について採決をいたします。産業投資特別会計法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと存じます。 それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 木内 四郎 岡崎 眞一 青柳 秀夫 横川 信夫 藤野 繁雄 安井 謙 西川甚五郎 山本 米治 ―――――――――――――
○委員長(大矢半次郎君) 次に、資産再評価法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小林政夫君 私は本法案に反対いたします。 第三次再評価を実施することには積極的に賛成するものでありますが、再評価税の徴収に反対するからであります。その所有が何人に属そうとも、絶えず社会的に生産資本の維持を図る必要がある。いわば公共性を持つものであり、戦争と戦災により貧窮した我が国においてかかる生産資本の維持蓄積が焦眉の急であることは多言を要しない。再評価税は負担の公平とか、過大評価の抑制とか、他の如何なる名目的な理由を付けようとも、それが実質的に一種の資本課税になることは明らかであるから、この際そのような資本の蓄積を阻害するようなことを是認することは我々にはできないのであります。再評価差額の会計学的本質は資本剰余金に属すべきものであつて、税法の建前から見てもこの種の資本剰余金は、例えば株式額面超過金、減資差益等に対してはすでに非課税の扱いをしておる。負担の公平論の内容は相当複雑でありますが、第一次資産再評価と第三次資産再評価の場合とは次のごとく根本的に考えを変える必要がある。第一次再評価のときには企業再建整備措置に基いて打切られた金銭表示の債権者の損失、或いは又金銭表示の財産所有者がインフレの経過中に蒙つた損害等に対して若干の考慮を払わざるを得ない事情がある。理論的に言えばこれについてもいろいろ議論がありますが、いずれにしても事実問題としてそういう取扱いが一方において行われておつたのであるから、その点を考慮することは止むを得ない事情があつたと思いますが、併し現在においてはかかる事情を考慮する必要はもはや考えられないと思う。第一次、第二次再評価を通じてすでに六%の課税負担をしたものと不均衡になるという説もありますが、すでに再評価を実施し得た企業は他の企業に比較してその収益力に恵まれた環境にあつたからこそ再評価を実施することができたのである。その限りにおいて減価償却高の増加、それに応ずる法人税の軽減という実質的な恩恵と利益を蒙つておるはずであります。税制の合理化のために改正を行おうとすれば、如何なる場合においても過去の納税者と新納税者との間に負担の変化を来すのは当然で、その変化がいけないということでは如何なる税制改正もできないはずであります。無税にすれば過大評価を行う者ができて、その審査監督に非常な手数がかかるという説も一応尤ものように聞えますけれども、実際をよく研究してみると、その必要はないわけでありまして、経営者の常識として固定資産の評価はできるだけ低目に押えようと望みこそすれ、これを徒らに水膨れさせようというような不まじめな経営者はすでに経営者としての資格のないものであつて、これはいつのときか経営に破綻を来たすものであります。なお又この過大評価を抑制する点においては、償却資産に対する固定資産税の作用もあつて、過大評価という心配は実際上はないと我々は考えるわけであります。 以上の理由によつて、私は再評価税を取るこの資産再評価には反対をせざるを得ない。再評価税を徴収しない再評価は、日本の現状において是非必要であり、又今後も、一応物価水準等が落着く見通しのつくまではやるべきである。むしろ我々の考えでは強制的な再評価をやるべきではないかと考えるのであります。いろいろ資本蓄積の政策を現内閣は強調しておられますが、法人税等における個々の特別軽減措置というものは、その蓄積し得るものの間において非常なアンバランスがある。この再評価による資本蓄積のほうがより普遍的であるということを考えるならば、これは税を徴収せずして、再評価をやらせるべきである、積極的に再評価をやらせるべきである、このように考える次第であります。以上の理由によつて、私は本案に反対いたします。
○菊川孝夫君 私は本案に賛成をいたします。 その理由は非常にちよつと苦しいのでありますが、本当はこれには反対をいたしたい。というのは、もう少し再評価税を取つてもいいんじやないかというのが私の主張でありますが、ところで我々がここで反対するということになるとちよつとむずかしいのでありまして、この際私は我々の主張が大巾に通るというとは、なかなか容れられないと思います。なぜそういうことを申上げるかというと、私はかねがねから申上げておるように、どうしても源泉徴収を受けるところの所得税納入者は百パーセントの捕捉率によつて納税をしておる。この半面におきまして、何と申しましても規模が大きくなればなるほど、やはりそこには私は裕りはあると思うのであります。その点から考えても、今成るべく税金を少くするという原則にはこれは賛成でありまして、これは対象を問わず少くすべきでありますが、減税をするというのならば、先ず小さいところへ向けて先に減税をする。そうして裕りができるに従つて上のほうへ減税を進めて行くという、こういう減税の仕方が一番いいんじやないかと思いますが、この最近の政府のやり方はどうしても上のほうにも相当……、大衆に減税をすると同時にそのチヤンスを逃さずに、上のほうへもちやんと然るべく減税の利益を受けさせるように仕組をしているというところについて、私は賛成できないのでありますが、この際再評価については、いろいろ再評価税を取ることにつきましては多少の疑問がございますが、それは中小企業に対しては若干問題はあると思いまするが、併し半面においてこれを若しも評価税を取らないでおくということになりましたならば、再評価を過大にやる、そうしてそのあとには明年度からは必ず減価償却積立金で以て大巾に積立の増額をやりまして、成るほどそれは資本蓄積はできるが、できるからいいじやないかということになりましようけれども、それによつて法人税を逃れるために再評価をやつて、減価償却積立をたくさん損金に認めさせようと、こういう手が必ず打たれて来るであろうと私は思うのであります。従いまして、そういう点から考えて、今の再評価法の一部を改正する法律案、この程度については、中小企業については若干酷なところもありましようけれども、我々としては中小企業は、この程度、或いは若干緩めて、大企業についてはもう少し上げる、こういう構想を持つておりますけれども、併しそれは多数によつて決定せられることでありますので、見通しから考えて、政府の原案にそういう趣旨から私たちは賛成をいたします。
○森下政一君 私も原案に賛成します。 小林さんの御趣旨は、私正しい、筋の通つた御趣旨だということを思うのです。ところで本来ならばこの第一次、第二次の資産再評価の行われたときには、これはすべて無税で然るべきであつたのじやないかということを考えるのですが、再評価税を納めて、なお且つ再評価をしたという者は、それだけの収益力のある者だけがやつたのだということを考えると、今日なお再評価をしていない者は一体どうなるか。恐らく税を納めることのできぬという者が大部分じやないかということを考えるのであります。そういう意味においては無税にすべきなのが正しいのじやないかということを考える。又第一次、第二次の再評価に洩れたもので、而もなお大会社と言われるものが相当数残つているということを聞かされる。で恐らくは今度の第三次の再評価をやつて、この法律によつて再評価を実施しますものは、第一次、第二次に洩れた、十分収益力のあるというものが再評価をすることになるのであろうと考えるので、小林さんの言われるような筋の通つた、無税とする扱いをすべきものが、第三次再評価のあとに第四次の再評価ということが考えられて、そのときにはすべて無税である代りに強制される、再評価が強制されるというような段階を迎えるのじやないかということを私は考えるので、小林さんの言う扱いを今がすべきときであるかどうかということに一抹の疑惑を持つわけなのであります。そういう意味において、第三次の再評価をして再評価税をとる、ここで十分の収益力のあるものは、全部再評価を完了して、なお且つ洩れるというものは、今度は第四次の無税で強制される再評価が来ていいのじやないか、こういうふうに考えまするので、この際としては原案に賛成いたします。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。資産再評価法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたは挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと存じます。 それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 森下 政一 山本 米治 西川甚五郎 菊川 孝夫 安井 謙 藤野 繁雄 横川 信夫 青柳 秀夫 岡崎 眞一 木内 四郎 ―――――――――――――
○委員長(大矢半次郎君) 次に、揮発油税法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
○小林政夫君 私は、提案されておる原案には賛成するのです。が、この際、揮発油税法の一部を改正する機会に、問題になつておる揮発油税率それ自体の若干引下げを提案する次第であります。 当委員会においても、数次に亘つて揮発油税の引下げについての請願を採択し、その請願採択の際においては全会一致を以て議決されておる。又本会議においてもこの請願は採択されておるのであります。でそういう意味において、私は当委員会においてもそう異論はないはずだと思うのでありますが、特に廃案になつた、前国会に提案された予算において見積られておつた税収は百五十八億であつて、今度の新らしく只今国会に上程されておる二十八年度予算における揮発油税収は百八十六億になつております。僅か三カ月の間においてそれだけの増収が持たれておるというような点から言つても、前回廃案になつた二十八年度予算に見積られた税収と、今回提案されておる二十八年度予算において見積られておる税収との差額分程度のものをこの際軽減したら如何かと思うのであります。他の物品税等についても相当の調整が行われ、その物品税の最も賛沢品と思われておるものの税率等から考えましても、揮発油税は少し高いんではないか、諸外国と比較して日本の税率は必ずしも高くないという議論もありますが、一応これらの税の公正という点から考えて、私はこの際多少の引下げをやるべきである。こういう意味において今まで一キロ、一万一千円のものを九千五百円に引下げることの提案をいたします。 で、お手許に配付してある修正案は、この通り朗読したことにして速記に入れてもらつて……。 以上のような趣旨で修正案を提案いたします。
○森下政一君 修正案の発議者に質疑をすることは、この機会によろしいですか。
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。先ず討論中にありました小林委員の修正案を議題といたします。小林委員の修正案に賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 少数であります。よつて小林委員の修正案は否決せられました。 次に、原案について採決いたします。揮発油税法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。 なお、諸般の手続は先例により委員長に御一任願いたいと存じます。 それから多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 森下 政一 安井 謙 三木與吉郎 山本 米治 西川甚五郎 菊川 孝夫 藤野 繁雄 横川 信夫 青柳 秀夫 岡崎 眞一 木内 四郎 小林 政夫 前田 久吉 土田國太郎 ―――――――――――――
○委員長(大矢半次郎君) 次に、関税定率法等の一部を改正する等の法律案を議題といたしまして、討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○前田久吉君 私は反対をいたします。 その理由の第一は、言論の自由はもう何人も認めておる点であります。それから文化国家としてどうしても進んで行かなくてはならん日本において、新聞紙の輸入税がかかつておるということは、これはもう英、米、仏、各国の文化の高い国には税はかかつておりません。それから戦争以前は日本におきましても無税であつたのであります。そういうわけで、大体新聞紙の全数量の一割や一割五分は、国際的にも交流をしなくては本当の文化国家として発達して行けないのであります。第一はそういう点で反対をいたします。 第二は、これが経済的に考えてみまして、日本の国内メーカーの営業に及ぼす点はどうかという点に対しましては、これは全然ありません。それから新聞紙が僅か一週間しか冬場に入つても余裕がないというような不安定では、新聞社全体として非常な困難に直面をするわけであります。尤も通産省からの説明によりますると、原木で入れるべきだという、それから又もう一つは関税部長の話によると、スエーデンその他から百三十五ドルで入つて来るというような数字は上つておりまするが、一つもこれは当つておりません。原木でも無論入りません。欧洲物も入りません。そういうわけでありまするから、決して国内的に影響を与えるという点も経済的にはありません。又山林資源を保護する見地から見ましても、これ以上原木を増大することは考えられません。又増大してはいかんのであります。そういう点からしまして、もう一つは新聞紙が今日の情勢で関税をかけるというようなことになつて参りますと、延いては新聞定価の引上げということになつて来まして、インフレを助長さすというようなことにもなつて来るのであります。経済的に見ましても、私はこれは無税にすべきものである。若しくは免税にすべきものであることをここに強調いたしまして、私は反対をいたす次第であります。
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。関税定率法等の一部を改正する等の法律案を、衆議院送付案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大矢半次郎君) 多数であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと思います。 それから多数意見者の署名を願います。 多数意見者署名 木内 四郎 岡崎 眞一 青柳 秀夫 横川 信夫 藤野 繁雄 森下 政一 山本 米治 西川甚五郎 菊川 孝夫 ―――――――――――――
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて下さ。 〔速記中止〕
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。 この際租税、金融制度及び専売事業等に関する調査についてお諮りいたします。 本件は、去る二十七日の本委員会において要求書を提出することを決定いたし、昨二十九日議長の承認を得たものでありまして、まだ調査に着手いたしておらないのでありますが、一応会期終了に当りまして、報告書を提出しなければならないことになつておりますので、まだ調査が終らないということで報告書を提出することとし、その内容等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。なお本報告書につきましても多数意見者の署名を附することとなつておりますので、順次御署名を願います。 多数意見者署名 森下 政一 三木與吉郎 前田 久吉 小林 政夫 山本 米治 土田國太郎 藤野 繁雄 横川 信夫 青柳 秀夫 岡崎 眞一 ―――――――――――――
○委員長(大矢半次郎君) 次に、請願及び陳情に関する小委員長の報告を求めます。
○西川甚五郎君 請願及び陳情につきまして、小委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。 本日午前、第二回の小委員会を開きまして、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしまして、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。 請願第九十四号は、協同組合の社会的重要性と資本蓄積が本質的に困難なる事情を考慮し、法人税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第二百四十一号ほか四十九件は、石油関税を昭和二十七年度実施された減免措置を本年も引続いて実施せられたいとの趣旨であり、請願第千九百九十九号は、請願第九十四号と同様、農業協同組合の法人税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第二千五百五十号は、昨年十月より三割の物品税が課せられたため、彦根刺繍業界は危殆に瀕しているが、このような工芸技術を衰微せしめることは国家の損失であるから、物品税を免除せられたいとの趣旨であり、請願第二千六百十一号は濁酒密造防止のため、酒税の極限的減税による酒価の低減、徹底的取締り等により、集団密造の根絶を図られたいとの趣旨であり、請願第二千六百七十五号は、我が国自転車産業を振興し、輸出拡大のため子供自転車の物品税を撤廃せられたいとの趣旨であり、請願第二千九百七十一号は、東京五県たばこ耕作者のため、宮城県秋保村に国立たばこ試験場を設置せられたいとの趣旨であり、請願第三千二十三号は固定資産の登録申請に当り、その評価額が登記所の一方的認定により登記せしめられているが、評価審査委員会の設置意義を失わせるから、登録税法を改正せられたいとの趣旨であり、請願第三千二十四号は、電源開発により犠牲となる農民の唯一の生産資本たる土地の強制収用補償金に対する課税措置は、それ自体論理上矛盾があり、条理上不当であるから課税を免除せられたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。よつて以上請願五十八件は、いずれも採択すべきものと決定いたしました。 陳情第百六十六号は、我が国産業の高度化のために、工場の新設、拡張が緊要事であるが、再評価税と譲渡所得税が課せられるために、工場用土地の獲得が困難となつているから、両税を免除又は軽減せられたいとの趣旨であり、陳情第百七十二号外一件は請願第二百四十一号と同じく、石油関税減免措置延期の趣旨であり、陳情第二百九十四号は、請願第二千六百十一号と同じく濁酒密造防止の趣旨であり、陳情第三百二十五号は、我が国経済の安定期に達するまで、特に産業の基礎たる電源開発資金に対しては年三分程度の低金利を以てその促進を図られたいとの趣旨であり、妥当と考えられます。よつて以上陳情五件はいずれも採択すべきものと決定いたした次第であります。 なお本国会において本委員会に付託された請願及び陳情のうち、貴石、貴金属の物品税に関する請願、揮発油軽減に関する請願第二百四十号ほか五十一件、陳情第百五十四号ほか四件、スキー木部等の物品税撤廃に関する請願、所得税改悪反対に関する請願、在外資産の補償に関する請願、物品税撤廃に関する請願、元南西諸島の特定郵便局長等に国家公務員共済組合法等準用の請願、公益事業の独立採算制改善に関する請願、相続税法第十二条第七号等改正に関する請願、所得税法中一部改正に関する請願、所得税法の一部を改正する法律案中一部修正に関する陳情、以上請願六十二件、陳情六件は、いずれも現状においてはなお検討を要するもの、又は今国会提出法案により措置済のものである等の理由で留保するものと決定いたしました。 右御報告申上げます。
○委員長(大矢半次郎君) 只今報告のありました請願、陳情につきましては、いずれも小委員長報告の通り決定することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
○委員長(大矢半次郎君) 次に、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を行います。
○森下政一君 主税局長にちよつとお尋ねしますが、今度の所得税法の改正で、これまで納税しておつたもので全く税の負担を免除されるということになつているものが、この間の話では三百万と言われましたが、そうでございますか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 一応我々のほうでその数字を見積りますと、現行税法のままでございましたら、源泉徴収による納税義務者、申告納税による納税義務者を合せまして、所得税の納税義務者は千三百万ほどでありますが、それが今度の改正によつて約一千万になる、こういう見込でございます。
○森下政一君 そうすると、この三百万が免税されることになるというのは、一番所得の少い階層で、新らしい段階のものでございますね、そこで減つて来るわけですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 今回の措置によりまして、基礎控除が御承知のように五万円から六万に上るというのが一点、それから扶養控除におきまして、最初の一人が従来は二万円であつたのですが、それが三万五千円になるという点が一点、その二点によりまして、そういうふうな変化が生じて来るものと推定しております。
○森下政一君 それからもう一つお伺いしたいのは、扶養控除の最初の一人が重い、これはこの間からの質疑応答で、例えば配偶者に対する給与とか何とかいうものを考えて、扶養控除の分は最初の一人というのを重く見る、そういう考慮から最初の一人というのは重くなつているのですか。 〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕
○政府委員(渡辺喜久造君) 最初の一人につきまして、特に扶養控除の額を上げる、これはいろいろな理由が考えられると思つております。各国の税制の事例を見て参りましても、イギリスやドイツにおきましても最初の一人と申しますか、それが大体頭においているのは配偶者だと思いますが、配偶者の分の控除額というものは割合に多くしているという事例がございます。それからこの間御説明した控除の問題にからみまして、そういう各国の事例もございますし、又そういつた意味もございますので、最初の一人についての扶養控除額を多くする、こういうことは相当考慮していい問題じやないだろうか、こういう結論に達しております。
○森下政一君 それからどなたかの質疑で主税局長答えられたのですが、戦前の免税点といつたようなものが今度は基礎控除になつたと思います。免税点の場合、例えば戦前千二百円まで免税であつた。ところが千二百円を超したとたんに全体に対して税がかかつて来るということになつて来ると、免税されるものとされないものと非常に差ができるのじやないかというようなお話があつたが、免税点という言葉が仮に悪いのなら、まあ基礎控除として千二百円まで基礎控除を行う、基礎控除なら千二百円を超えたとたんに全額に対してかかるのではない、基礎控除というのならば、この間指摘されたような矛盾はなくなるわけですね。
○政府委員(渡辺喜久造君) 結局我々のほうで便宜使つている言葉か存じませんが、同時に或る程度財政学的にも一般的にも私はそういうふうに使い分けされていると思いますが、免税点というふうに言います場合は、例えば千二百円なら千二百円が免税点と言いますときは、千二百円未満であれば税金はかからない。その場合に千二百円を超えていれば、千二百円のその下のほうからも全部税率を適用して課税して行く、こういう場合を我々は称して免税点と呼んでおりまして、今御承知のように千二百円を控除してそれから頭を出している分にだけ税率を適用すれば、免税点として我々が御説明したように下のほうから全部かかることはないのじやないか、これはお説の通りでありまして、我々のほうではそういう場合の制度はこれは基礎控除という制度だというふうに、実は制度自身がそこで違うわけでございます。両方呼び分けているのでございます。その基礎控除を免税点と言つていいのじやないかというふうなことになれば、これはまあ名前の付け方でございますから、決してそれがそれで工合が悪いとも思いませんが、ただ今言つたように税制の立て方としてはそういう二つの税制の立て方がございますものですから、我々は戦前と言いますか、大体昭和十五年の税制改正前に行われておりました、終いには千二百円が千円に下つたことがありましたが、そういう千円未満であれば全部かけない、千円を超えればその下の千円から税率を適用して行く、そういつた場合の制度は免税点と呼びまして、そうして現在のように六万円は控除する、そうして六万一千円ならばその一千円についてだけ税率を適用する、そういう場合基礎控除と呼んでいるわけでございまして、そこは名前の付け方でございますが、併し一応は観念的に実体が異つておりますから少なくとも一応の約束かも知れませんが、こういう制度は免税点という制度である、こういう制度は基礎控除であるというふうに一応名前を分けたほうが便宜じやないかというふうに思います。併し大体それは世間にも一応これは専門用語であるかも知れませんが、通用した用語として使われている、こういうふうに思います。
○森下政一君 よくわかつたのですが、そこで戦前千二百円までは免税されておつた、免税点というものが設定されておつたのでございますが、まあ最低の生活費というものは人々によつていろいろ違いがあつて、一概にどうということは言えないけれども、社会通念で当時千二百円という年収は、一応最低の生活費をカバーするものとまあ大体考えられていたと私は思うのです。それもいろいろ説があるかもしれませんが、仮にそれが最低の生活費をカバーしている、仮にこう考えられるとするならば、この免税点と言つたときには、最低生活は少くとも税の対象にせんという考え方が並び行われておつたと解釈していいですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 千二百円当時の時代ですね、これはまあ私は千二百円というのが最低生活だということは、当時の事情から言いますと、ちよつと、実態に合わないのじやないかというふうに実は思います。当時は御承知だと思いますが、役人にしましても、判任官の平均俸給というのは確か平均で月額七十五円といつた時代でございます。所得税を納めます人は、例えば我々の身近な例を引いて恐縮でございますが、税務署においてもまあ署長が一人あるかなし、それも或る程度の家族を持つています。これは扶養控除のほうで別途差引かれてしまう。そういつたようなところであります。農村におきましても、それこそ地主さん以外は何人、その当時の納税人員が……
○森下政一君 人口百人について二人くらいでしよう。
○政府委員(渡辺喜久造君) 百万くらい。従いまして、そういうように所帯数の比率をとつてみましてもその程度のものであつたわけでございますので、結局最低生活というのはこれは単に物理的にきまるものじやなくて、社会的、経済的にきまるものだと思つております。その国の文化の程度とか、或いは経済の状況、これがおのずから最低生活をやはり上げもし下げもして来ると思つておりますし、最低生活というのは、物理的に生きてさえいればいいんだいうのが最低生活とは思つておりませんけれども、それにしましても当時の社会の状況、文化の状況から考えてみまして、最低生活費以上で以て一応生活していた者が日本国中においてまあ百万世帯でしたか、それだけしかなくて、あとの者は皆最低生活費以下だつたということは、私は当時の実情から見まして、それはちよつとそうであるという結論は出しにくいのじやないだろうか、我々役人にしましても、税務署において最低生活費以上をもらつていた者は署長一人であとの者は全部最低生活費以下だつた、現状に比べますれば、その当時のほうがよし判任官の人でありましても、生活は楽であつても苦しくはなかつたわけでございますから、私は千二百円のものが最低生活というものを狙つての線だつたという結論はちよつと出て来ないんじやないかと思います。
○森下政一君 そうすると、今のお話だと、当時の免税点というものは最低生活をカバーしてなお余裕のあるくらいのものが免税されておつたということになるわけですな。
○政府委員(渡辺喜久造君) 私はそういう姿であつたと思つております。
○森下政一君 それでどうでしようね。基礎控除というものはやや観念的に違う、これはもうよくわかりました、あなたのおつしやることは納得できるのです。ところで、これはつまり今の政治の実態が、事情が許さんということならこれは別問題ですよ。だけれども一応の理窟としては、最低生活費というものは税の対象から除外するということが、理窟の上でですよ、理窟の上ではそういう考え方というものはまともでないかと思うのですが、どうでしよう。
○政府委員(渡辺喜久造君) 一応税制のあり方としては最低生活以下のものを所得税の対象としてできるだけ除外すべきじやないかという税のあり方ですね、できるだけそういうふうに努めて行くべきじやないかとか、そういう考え方は私はそれは考えていい問題だと思つております。ただまあ結局最低生活とは何ぞやということも一つには問題になりまして、決してそれが物理的に生きてさえいればいいというものじやございませんし、子孫といいますか、あと自分の子供、孫というものがやはりおのずから後継ができ、それも相当の教育も受け、そして次のゼネレイシヨンを引受けて行くだけのやはり教養も持つた人も養つて行かなければならんといつたような問題も出て来るわけでして、教育の程度をそれじやどの程度が最低のものかという問題も出ておりまするので、最低生活とは何ぞやということも随分議論のあることだと思つておりますが、所得税の課税におきましては、できればできるだけそうした小さな所得者は直接所得税の対象にしないようにまあ持つて行けるなら持つて行くべきじやないか、これは政府としても考えるべき線だと思つております。
○森下政一君 今の実情から扶養控除される人数ですね、一世帯平均幾らくらいになつておりますか。
○政府委員(渡辺喜久造君) その点につきましては、一応過般御配付申上げました「租税及び印紙収入予算の説明」の中に相当詳細に実は書いたつもりでございますが、御質問がございますのでお答えいたしますと、改正後の状況によりましては、十頁に申告所得の分がございます。そこにずつと上から参りまして、基礎控除額、それから扶養控除額というのがございまして、一人当控除人員と書いてございますが、営業の場合は三・八一人、農業の場合には五・一八人、その他事業の場合には三・七一人、その他の場合には三・八四人、その他というのは配当収入とかそういうものであります。平均いたしまして四・二五になつております。それから源泉課税を受けておるかたがたの場合につきましては、六頁のまん中からちよつと上辺にありますが、平均扶養親族の数一・六人、こういう数字になつております。
○森下政一君 そうすると、源泉のほうと申告のほうとで非常な違いがあるわけですね。
○政府委員(渡辺喜久造君) これは統計的にこういう数字が出ておるのでございますが、恐らくこういうことだろうということで、我々は一応こういう数字がそう実態と違わないだろうという結論を出しているのですが、御承知のように源泉所得の場合におきましては、一人々々月給をとつている人が大部分でございます。従つてそこに独身者が相当いるということが当然考えられます。或いは夫婦共稼ぎであるという場合が考えられます。その場合には御主人のほうも一応所得を得る本人であり、奥さんのほうも所得を得る本人である。そうすれば、奥さんがあつても基礎控除をそれぞれのかたが受けられますから、扶養控除という問題はなくなつて来る。或いは娘さんが一緒に働いているとすれば、その場合においては、そのお嬢さんに対してはやはり基礎控除があつて、扶養控除という問題はそこには出て来ない。こういうことがいろいろでございますものですから、相当の家族持ちのかたがおられましても、全体の数で以て平均してみますと、こういうふうな数字になることが当然考えられる。これに引きかえまして農家の場合におきましては、家全体のかたが一緒に住んでいられ働いていられるといつたような関係からしまして、おのずから扶養家族も控除数が多くなる。これはこの数字を離れて現実の姿を見ましたときも、そういうこともさもあるべしだ、統計の上にもこういう数字が出て来るから、これはそう間違つた事実を示しているものではない、我々はこう見ております。
○森下政一君 今のお話よくわかりました、両方の間に懸隔があるように見えるのは。併し実態は只今の御説明で必ずしも納得が行かん、こう思います。そうなると、税を簡素化するという意味において、給与所得の別に頂いております資料によつて最低限に対する調がありますな。そこで扶養親族が二人までであるならば、改正案によると十四万ですか、というくらいまでが免税になるということになりますね。税を負担せんでもいいということになる。同様に今度は事業所得のほうでも、扶養親族が四人ということであれば最低限が幾らということははつきりわかつておる。そこまでの金額のものは一切税の対象の外に置くというようなことにすれば、おおむね平均したそういうところが押えられるということになれば、それならもう扶養親族があつてもなくても給与所得者の場合においては年額十四万円までは無税にする、こうすれば非常に税が簡素化されるのじやないか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 簡素化されるという観点からしますと、確かに森下委員のおつしやつた方向にすれば簡素化はされると思つております。ただそこに負担の公平という面から見まして、それでいいか悪いかという議論は、これはもう森下委員も別途お考えだろうと思いますから、別に蛇足を附加えませんが、簡素化という点から言えば、それは森下委員のおつしやる通りだと思つております。
○森下政一君 それから、これはどうも事務当局にそういうことを質問しましても無駄だとは思いますが、所得税というものは、まあ今の財政事情がよんどころないから、もつと負担を軽減してもいいはずだけれども、財政事情がこれを許さんからというような事情があつてやむなくこういうふうにするということは、これはあり得ることだろうと私は思うのですが、併しそういう他の事情がなければ税というのはどのくらいまで軽減しなきやならんものだとお考えになるでしようか。これはまあ今の政治の実態とは別なんだから、あなた方が自由党の何も政治の立場に立つて云々される必要はないので、私は理窟の点だけを聞いておきたいのですがね、事務当局としての考え方を。
○政府委員(渡辺喜久造君) その点につきましては、我々はこういう観点に立つていろいろな作業を実はしてみたことはあるのです。実は更にその作業をもつとしてみたいと思つているのですが、結局税というのは御承知のように歳出と見合つておりますから、結局経費のほうが小さくなれば税は少くて済むわけですし、経費が大きくなればインフレでもやらない限りはどうしても税は大きくならざるを得ない。そこで税のほうにおきましては経費のほうの関係といいますか、歳出のほうの関係においておのずから、よし税という観点から見ますると、もつと負担について何とか考えなきやならんけれども、まあこの程度はやむを得ないじやないだろうかといつた結論が出るわけでございますが、そういう観点を離れまして、まあ我々がこうありたいというのもどうかと思うのですが、皆さん方の御議論をよく伺つていまして、例えば月額二万円までは所得税をかけないほうにしたらいいじやないかというふうな御議論がいろいろございますものですから、それじやそういうような姿になつた場合は、一体所得税なら所得税の歳入にどれだけ響くだろう。尤も二万円なら二万円までかからんという姿においてもこれ又実はいろいろな姿があるわけでございます。現在は御承知のように勤労所得控除を行なつている。従つて月給取りで二万円と言つた場合と、それから営業所得者で勤労所得といいますか給与所得の控除のない二万円と言つた場合とは、これは給与所得の控除の制度がある限りにおいては相当又程度が違うわけでございます。従いまして、程度が違えばおのずから税収も違うわけでございますが、この間一遍ちよつと試算してみましたのは、一応それがいいか悪いかは別としまして、理窟抜きで、皆さん方からよくお話を伺つているものですから、それじやせめて給与所得者で以て二万円というところで、同時にこれもまあどの程度の家族持ちを以てそれに当てるかどうか、これで又違うわけです。独身者で以て給与所得で二万円までの者には税金がかからんことにするか、中年のかたで普通の世帯と考えられる夫婦もので同時に子供が三人、それくらいのところの方なら月給二万円ならまあかからんというところを一つの軸にしまして、そうしてあとは大体それにバランスをとつたところで以て一応数字を弾いてみたことがありましたが、そのとき弾いた数字では、基礎控除の引上、扶養控除の引上、給与所得控除の限度の引上、この三つだけで九百六十億くらいの減収を覚悟せざるを得ない。その場合に基礎にとりましたデータは、今度の予算のベースになつた数字ではございませんで、不成立予算のときの数字が一応ございましたので、あの階級区分等によりまして計算してみた数字が大体そういう数字が一応出ました。それからそうした場合においてすぐ当然考えられますのは、一つには現在の税率の刻み方なんです。非常にいわば足早にこう上つている。扶養控除、基礎控除をそういうふうに引上げるとすれば、やはり中以上の所得者の負担のことも考えて、税率の刻みももう少し間延びしたような刻みにしなければバランスがとれないというので、これをまあ多少直したのですが、これは細かく御説明しないとわかりませんが、これも極めてテイミツドな程度の直し方でございましたが、税率をちよつと変えるだけで百六十億くらいの減収になる。まあ従つて両者を合せますと、所得税だけで千百億くらいの減収を覚悟しなければ、一応二万円の給与所得者で所得税がかからんといつたような姿はとれない。まあこういう数字になるようでありまして、我々といたしましては、今度の税制調査会におきましてはいろいろなモデルを作りまして、こういうふうな姿にしたらこういう税収の婆になるぞ、こういうふうな姿にしたらこういう税収の姿になるぞといういろいろなモデルの姿を実は出してみようと思つております。ただ歳出というものに縛られて物を考えますと、考え方が非常に小さな範囲しか動けませんから、それは一応棚上げにしておきまして、別にいろいろ減税についての御意見がありますものですから、そういう御意見というものに一応乗つかつてみて弾いてみたらどうなるかといつて試算してみた数字が、大体今申上げたような数字でございます。
○森下政一君 それはほかの人は余り要求されないかも知れませんが、そういうような試算されたものがあつたら参考に一つ下さいませんか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 非常に不完全なものかも知れませんが、大体の大掴みな大勢はそれで間違いないと思いますので、別にございますから、差上げます。
○森下政一君 それから午前中に局長から伺つたので、まだ衆議院の本会議でどうなるかわからんですけれども、委員会では所得税法について一部の修正が行なわれた、それから附帯決議が附いておる。その附帯条件は例の生活協同組合の関係とかいうことであつたのですが、ここの速記録にも残しておきたいと思うのですが、どういうことだつたのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 附帯決議は二つございまして、一つは所得税法、の今度の改正案に対する附帯決議でございまして、これはいろいろこちらでも議論があつたと思いますが、企業組合などを中心にした問題の分でございます。ちよつと読まして頂きます。 附帯決議 第三条ノ二、第四十六条ノ三の施行は中小企業法人の組織と発達とに重大なる影響を及ぼすものであるから政府はその実施に当り十分慎重を期せられたい。 よつて、法第四十六条の三の適用に当つては当該地方における所轄官公庁、当該法人の所属する団体の代表者並びに学識経験者よりなる諮問機関の意見を徴したる上、当該地方国税局長がこれを決定することとし、以つて中小企業法人の発達を阻害するがごときことのないよう厳重留意されたい。 これが附帯決議でございます。 なお附加えて申上げさして頂きますが、当該法人の所属する団体の代表者というのは、これは企業組合にいろいろ県連、県の連合団体とか、そういうものがございますので、そういうような人の意見を聞いてくれ、諮問機関でございますが、これは政令でその諮問機関を作るとか何とか、そういうやかましいことは強いて要求しない、事実上の諮問機関であればよろしいということがこの附帯決議をお作りになるときのお互いの了解事項であつたということを附加えさして頂きます。 それからもう一つの附帯決議は、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案に関しての附帯決議、これが今お話になりました協同組合関係のものでございます。これを朗読さして頂きます。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案に関する附帯決議 一、協同組合の分配金のうちの事業分量に応ずる分配金と出資に対する分配金の計算方法については、法人税法第九条第六項の規定の趣旨に背反するような取扱いは速かにこれを廃止するよう政府に強く要望する。 二、消費生活協同組合に対する課税については、その非常利法人としての性格にかえりみ最も近い機会において改正すべきことを要望する。 附加えてちよつと説明さして頂きます。法人税法第九条第六項といいますのは、これはいわゆる特別な協同組合でございますが、それが事業分量に応じて剰余金を分配した場合におきましては、法人税の収益といいますか、剰余金としての課税は、所得としての課税はしない、こういう明文がございます。現在の国税庁の取扱いにおきまして、多少あいまいな点がございますが、収益の分配ということを、事業の分量に応じた収益の分配につきましても、出資金の五分に相当するような程度のものは、これはそれがはつきりしない限りにおいてはこれは事業分量の収益と見ないで、出資による配当と見るという扱いをしているようでございまして、これは法律の解釈から言いましても無理があるようでございますので、すぐさまやめよう、国税庁のほうもその気でおります。至急措置はするつもりでおりますが、その意味においてこの附帯決議が附いておると承知しております。
○森下政一君 只今の朗読された租税特別措置法の附帯決議の後段のほうは、政府はどう考えておられるのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 後段の問題につきましては、今度税制調査会をやりますので、その機会によく調査会の議題といたしまして、とくとこの協同組合の問題につきましても、いろいろ各方面の御意見を伺つた上で適正なる結論を出したいと、かように考えております。
○森下政一君 その後段の附帯決議が附くということは大変結構なことだと思うのですが、願わくはこれは相当熾烈な要求もあつてのことだし、営利的な団体ではないわけです。附帯決議の趣旨が具体化されるように政府は措置されることを強く私は希望しておきたいと思います。
○菊川孝夫君 こんな定足数で委員会をやるのはちよつと余り不見識だと思うので、休憩して頂きたい。
○理事(西川甚五郎君) それでは休憩いたします。午後七時より再開いたします。 午後四時三十五分休憩 ―――――・――――― 午後七時五十九分開会
○委員長(大矢半次郎君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を行います。
○土田國太郎君 中小企業の問題でありますが、所得税法の改正ですが、企業組合の問題でありまするが、四十六条の三を見ますというと、今度の場合は税務署の役人が企業組合へ出張いたしまして、勝手に、一方的にこれを企業組合にあらずとすることができろという法律になつておりまするので、これらは中小企業者の最も脅威を感じているところであるのであります。先般国税庁長官並びに主税局長の説明に、九州の三千何百名のあの問題があつたんでありまするが、あれらは特別な大きな問題でありまして、全部がああいうようなものでなく、真実にこの企業組合を構成しておる場合、その企業者が些少なる過誤のために、誤まりのために、出張されたる税務官吏がこれは完全なる企業組合ではないんだということを、この四十六条の三で言い得るのでありまして、それがためにこの業者はこれに対しましていろいろの反証を上げなければならんような、非常な面倒な問題になります。まるでこれでは税務署が業者を斬捨御免にしても差支えないというこれは四十六条の三であるので、非常にこれは業者は脅威を感じているような現状でありまするが、まあ悪いことをする者はこれでも当然いいのであるが、今申上げましたような些少な過誤のために、税務官吏が感情の行違いでもありますというと、すぐに推断できる、推定し得るというこれは法律なのでありますが、そういうことのないよう方法を国税庁におきましては末端の税務署までに徹底さして、まじめな徴税をやつて頂く、大なる不正行為ならこれは勿論よろしいのであるが、誤まりのために間違いを起した場合にもそういうようなことがあると、誠にこれは気の毒な問題になつて来るんだが、その点主税局長どうお考えになりますか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 四十六条の三の規定によりまして、税務署の役人が企業組合を斬捨御免にするというようなお話でございますが、我々は決してそういうような意味のことは考えておりません。ここで規定してございますことは、すでにたびたび御説明いたしましたように、いろいろな事案にふつかつておりますので、どうしてもまあ真実の企業組合でなくて、形だけの意味の企業組合というものにつきまして、或る程度の推定規定を入れることによりまして、挙証の責任を先方に持つて頂きたいということを考えている次第でございます。ただ今のお話になりましたように、そのことによつて税務官吏が行過ぎた措置をするんじやないだろうかという点につきましては、本委員会におきましても、衆議院におきましても、いろいろ御議論のあつたところでございまして、同時に我々といたしまして、又国税庁長官もお話いたしたと思いますが、その点については十分慎重に取扱うことによりまして、決して御迷惑をかけないようにするというふうに御答弁申上げているのであります。而して衆議院におきましては、更にいろいろ御論議になりました結果、先ほど御説明いたしましたように修正をなさいまして、一応原案に比べますと、営業所の数も殖えておりますとか、それから或いは事業にしましても同一の事業である場合に限定するとか、いろいろ絞つた意味の規定に修正してございます。更にはこれも先ほどお話があつて附帯決議を読上げましたが、この適用に当りましては、所轄官公庁、或いは当該法人の所属する団体の代表者、それから学識経験者から成る諮問機関の意見を聴した上で、国税庁長官がこれを決定するようにと、こういう非常にまあ慎重なる措置によつてやるべきであるという附帯決議が附いているわけでありまして、政府におきましても、この御趣旨は十分尊重しまして実施に当るつもりでございますので、万御心配をかけるようなことはないと思つております。
○土田國太郎君 今の局長のお話は誠にそうでなくちやならんと私も思うのでございますが、実際においての問題は、なかなか局長の考えておられるようなわけに行かんので、実例といたしましてはですね、私どものほうの団体が試験的に実績を調べろ、立会いをしろ言うたら、そのことを末端税務署が利用して、濫用して、今でも業者を苦しめているような実態になつておりまするので、私も又この斬捨御免の法律で我々業界が非常な苦痛をなめるようなことに相成つてはいかんと、こう考えましたので、御注意かたがた政府のその点に対する注意を喚起したわけでありまするから、どうぞその点は抜かりなく、斬捨御免のないようにやつて頂きたいと思います。 なお租税特別措置法の一部改正に関する例の同族会社の積立金の問題でありまするが、これは従前の五十万円より百万円に緩和されたのでありまするが、この資本の百分の二十五と百万円というものは、大体こう見合いになるような意味でありまするか、どこに基本がありますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 前段にお話になりました点につきましては、我我も十分御意見を導車いたしまして、慎重に実施いたしたいと思つております。 その次に御質問になりましたその百万円と資本の四分の一の関係でございますが、資本の小さい会社という場合におきましては、その四分の二が百万円に満たない場合もございますので、そういう小さな法人に対しましては百万円というものが適用されるわけでありまして、例えば資本金が百万円であれば資本金と同額までの積立金はよろしいということになるわけでございます。而して丁度四百万円の資本金の場合におきましては、資本金の四分の一と百万円が同額になる、或いは四百万円より超えたもつと大きな会社、例えば千万円であれば四分の一は二百五十万円、その場合には百万円と二百五十万円のいずれか大きいほうということになりますから、二百五十万円というものが生きて来るわけです。考え方といたしましては、法定積立金としてどうしても積立なければならん額が丁度資本金の四分の一になつておりますので、その程度積立てる場合におきましては、それは積立金課税はやるまい、併し小さな会社においては、これはやはり単に四分の一ではまだ不十分だろうという場合も考えますので、それは百万円まで積立ててよろしい、こういうつもりでそういう規定を作つたわけであります。
○土田國太郎君 これの課税問題につきましては、いろいろ意見あるんだが、我々はこの同族会社の大体は中小企業が非常に多いのでございまして、私の調査する範囲で見まするというと、全国の法人組織、会社組織というものは二十数万、二十五、六万もあるというように承つておりまするし、そのうちに同族会社が又二十一、二万もあるというように承つているのですが、それが非常な二重課税を受けるようなわけで、非常に困つているようなわけで、我々の精神としますれば、一遍法人税を支払つてあるんだから、二重課税は御免を蒙りたいというのが、これが業者の希望でありまするが、政府におきましてもその点をお考えになりました結果、こういうふうに免税を御提案になつたことは諒とするのでありまするが、多数の中小企業には実に政府の援助というものは稀少でありまして、大きな企業にはたくさんの、今年はあらゆる面からの援助が御承知の通り税法の措置その他多様でありまするが、もう少し私は中小企業に対しましても、温情を以てこの育成を図つてやらなければ、今の中小企業の状態というものは全く税金のために稼いでいるようなものでありまして、実に惨憺たる状態を呈しておることは大蔵当局も御承知であるのだから、私はこういう案を出すついでに、もう一つ寛大の態度を要望したいのでありまするが、今の御説明におきましても、百万円までというまあ垣が一つできて、以前より多少緩和されたことは結構でありまするが、一層もう少し二重課税の全廃というような意見は政府はお持ちにならないのでありますか。それを承わりたいと思います。
○政府委員(酒井俊彦君) 結局同族会社の積立金課税の問題は、会社に所得を全額留保しまして、配当をしないという極端な事例が片方に考えられるわけですが、そのことによりまして所得税の累進税率の課税を免れるという場合も予想されますので、それとの見合いにおきましてこういう規定があつたわけでございまして、いろいろ検討を要するものでございますので、今回の場合におきましても相当検討を加えまして、御承知のように現在におきましては五十万円に達しない額だけが積立金課税をしていないというのを一面では百万円に引上げるということと、それから同時に資本金の四分の一、そのいずれか大きな額までやらないということで改正したわけでございまして、確かに現在二十数万ありますが、その中の二十万までくらいは恐らく資本金の額は百万未満だと思いますが、そういうところでしたら資本金と同額までは積立をしてもよいということになりますので、今回の改正によりまして、その点につきましては相当の緩和が行われるものだというふうに考えております。
○藤野繁雄君 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対して、衆議院の委員会で修正されたという修正案が参つておるのでありますが、それの第八条の五の第二項の「当該法人の各事業年度開始の日におけるこれらの積立金の金額の合計額が同日における出資総額の四分の一に達しないときは、当該法人の各事業年度の所得のうち積み立てた金額に対しては、当該事業年度の所得に対する法人税は、これを課さない。」、こういうふうになつているのでありますが、ちよつと解釈がややこしいのでありますから、お尋ねしたいと思うのでありますが、これは簡単に申しましたならば、内部に保留しているところのものに対しては課税をしない。外部に出すところの例えば出資金に対する配当であるとか、役員に対するところの報酬であるとかいうようなものを出したらば、それには課税するけれども、組合内部に保留しているところのものには課税上ない。こういうふうな意味に解していいのであるか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(渡辺喜久造君) 今お話になつたように御解釈下すつて結構でございます。
○藤野繁雄君 次には、衆議院のほうで附帯決議をやつておられるのでありますが、即ち事業分量に応ずる特別配当金の点で、廃止するようにというようなことになつているようでありますが、廃止をされる期日が大体いつ頃であるか、その予定がついておつたらばお知らせを願いたいと思うのであります。
○政府委員(渡辺喜久造君) できるだけ早い機会に廃止したいと思つております。御承知のように大体こういう組合の事業年度の終了の時期というのは、まだちよつと時間がございますので、今日、明日のうちに行わなければすぐ影響があるという問題でもございませんが、この規定はできるだけ早い機会、早い機会と言いますか、手続を終了次第廃止するつもりでおります。
○森下政一君 先刻来も土田委員が御指摘になつて、非常に前途を懸念しておられた例の企業組合の問題ですね。これは先日国税庁長官から具体的な実例を承わつた共栄企業組合ですか、言語道断だと思うのですが、そういうなものは、これは一体企業組合として認めることに間違いがある。根本はそこにあるのじやないですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 根本はそこにあるとおつしやれば、我々も根本はそこにあると言い得ると思つております。ただ現在の企業組合法の規定がその点について特別に例えば地域を制限するとか、或いは組合の数を制限するとか、或いは組合の営む業種について制限するとかいうようなことは一切もつておりませんし、又届出によつて任意に設立できるという建前になつておりますし、又それが実態がどうであろうと、例えば解散命令とか何とかいうようなことを命ずる規定もございませんし、従いまして一応そういう姿でありましても、形式的には企業組合ということにならざるを得ないわけであります。そこで衆議院におきましてのいろいろ御議論の、御質問の中にも、企業組合法を変えるほうがむしろ本筋じやないかという御質問もございましたのですが、中小企業庁ともいろいろ打合せもしてみたのでございますが、何分中小企業等協同組合全体の構成が、今申しましたような届出主義とか、或いは取消命令もない。こういつたような建前になつておりまして、なかなか中小企業等協同組合法の改正によりまして問題を解決するということにつきましては非常に時間もかかる。いろいろ困難もありまして、中小企業庁としてこれの改正案を出すとか出さんとかの決意でもなかなか行きかねているようでございまして、税務の上におきまして、工合が悪いものでございますから、それで中小企業庁のほうと我々のほうと十分打合した結論といたしまして、どうもやはりそういう形式だけの組合につきましては、課税の上でこういう推定規定を作られても止むを得ないじやないだろうか、こういう結論になりましたのですが、ただ併しその取扱いにつきましてはいろいろ懸念される点もございますので、中小企業庁ともいろいろな申合せをいたしまして、この規定が濫用に流れないように執行については十分打合せもするし、注意もする、こういう申合せをしている次第でございます。
○森下政一君 結局只今の御説明で了解もできるのですが、企業協同組合法というものの不備に乗じて共栄企業組合のごとき場合を考えてみると、いわば脱税を目的として法の不備に乗じて企業組合の名を使つて脱税を目的とした一つの組織に過ぎないということが考えられる。そうなれば今間に合うことじやないけれども、法の根本を是正して、そういうふうなものは認められないということになつて来れば、税法の上においてこの脱税阻止のための今度のような新らしい条文を加えるというようなことが不必要になつて来るのじやないか、こういう条文を作つておけば、あなた方の御趣旨はよくわかるけれども、ややもすれば不必要な摩擦が起るのではないかということが懸念される。土田委員の指摘されるところもそこだと思う。全然不必要な摩擦を起こすということはこれは誠に憂うべきことだと思うので、将来企業組合というもののあり方というものを法が確つかり一つの枠をきめて、こうあるべきだ、そうなければ解散を命ずるぞというような、仮に法の整備ができたときは、今度設けているような全く不心得な脱税防止のための法律だと思えるような条項はこれは撤去されることにやぶさかではないと、こう了承してよろしいですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 我々も中小企業等協同組合法の改正によりまして、こういう条文が不必要になることを実は希望しておるわけでございまして、こういう条文が要らなくなるような改正が行われれば非常に幸いだと考えております。
○森下政一君 それではもう一つお伺いしたいのですがね、今度の改正法によつて法人税の収入が、只今頂いた参考資料によると、千七百億あるわけですね。これは資本金百万円に達しない、百万円未満の法人の負担する分と、さにあらざるものとの大体の振割りというものはおわかりでしようか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 百万円という線で実は調査した統計がございませんので、ちよつと申上げかねますが、これは御参考になるかどうかわかりませんが、現在資本金が五百万円以上のものだけは調査課の所管にしておりまして、それに満たないものを税務署の所管にしておりますので、五百万円というところの境でございますと一応の見当がつくわけでございます。それはそこに御配付してございますものにも一応調査課所管、税務署所管と分けてございますが、一番最初の統計数字、基礎数字ですが、ごく大ざつぱに申しますと、七割が大会社の分、三割が五百万円未満、大体そういうふうに申上げてそう間違つた数字ではないと思います。
○森下政一君 それから、こういうことはそちらではわかりませんか。今度の改正によつて租税特別措置法その他すべて総合して、例えば特別償却の範囲の拡張、その他いろいろ頂いている資料によつても五つばかり項目が上つておるのですね、それで相当額の法人税の減収が今度の改正によつて見込まれておるわけですが、これも今のような工合に、つまり中小の法人と大法人との振合いというものはわかりませんか。
○政府委員(渡辺喜久造君) その点は遺憾ながら私のほうとしてはデータがちよつとございませんので、数字を申上げることができませんことをお許し願いたいと思います。
○森下政一君 極く常識的な考え方としてですね、こういうふうな恩典に浴するものは概して大法人だということは言えませんか。それは間違いですか、そういう判断は。
○政府委員(渡辺喜久造君) 先ほども申しましたように、税金自身がまあ五百万円を境にいたしまして大法人が七割、中小法人が数はぐつと多いのでございますが三割、まあそういう分け前になつておるのでございます。従つてまあ全部平均的に利益が行くとしましても、大きなほうへ七割、小さいほうへ三割というわけでございますが、併し恐らくそういう割合よりは、この目的がこういうふうないろいろ狙いとしましては、大法人保護という意味ではないのですけれども、併し一応第一義的にこれによつて減税を受けるということになれば、恐らく大きな法人に対してその割合はもつと大きいということはこれは言えると思います。
○小林政夫君 今度改正された租税特別措置法の七条の六及び七条の七でございますか、輸出所得の件ですが、損金算入の件ですが、この措置による減税額十六億六千六百万円というのですが、先ほどの資料要求で輸出所得の五〇%と、それから輸出額の三%と、どちらがどうかという資料を要求しましたが、これはちよつと出しにくい、そうすると、この十六億六千六百万円というのはどういう根拠で出しておられるのか。 〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕
○説明員(泉美之松君) 今回衆議院のほうにおいて改正されました輸出の所得控除の制度に基く減収額の計算につきましては、一応次のようなことで計算した結果十六億六千六百万円になつているものと考えるのでございます。即ち先ず輸出額といたしましては十二億ドル、そのほかに貿易外の受取りとしまして一億ドル、これは大体過去の実績を基礎といたしまして、二十八年度予想される数字でございますので、これを基礎にいたしまして、この十二億ドルのうち、貿易商社を通じて輸出されますものが十一億四千万ドル、それから商社を通じないで生産会社その他から直接直輸出されますものが六千万ドル、その十一億四千万ドルの商社を通じて輸出されますものにつきましては、御承知のように今回の改正案によりますと、一%という限度と、それから輸出の所得の五割という限度と両方あるわけでございますが、最近の商社の売上げに対する純益率のほうから参りますと、一%というほうでなしに、所得のほうの限度から頭打ちになるように認められますので、所得のほうの推定千分の五という、売上に対する千分の五という利益率を基礎にいたしまして推計いたしますと、商社のほうで減税になる額が所得控除される額として八億円出て参る、その八億円に四二%の税率をかけ、それから商社の時期的なズレその他も考えまして計算いたしますと、これが一億九百万円になつて参るのでございます。それからそれに製造業者の場合は、先ほど申上げました直輸出の六千万ドルの分と、それから貿易商社を通じて輸出されることになりまして製造業者から供給されるもの、この両方の合計につきまして計算いたしますと十七億九千七百万円になります。それからすでに小林委員の御承知の通りに政府の提案におきまして、輸出損失準備金のほうの制度がございまして、輸出のほうの所得控除と輸出損失準備金とでは、先ず輸出損失準備金のほうを差引いた残りの所得の半分を限度とするというふうな規定になつておりますので、計算上輸出損失準備金のほうと通算して計算しなければなりませんので、両方足した場合の限度というものを見ますと、それは今申上げました商社の一億九百万円に更に一億百万円加えましてそれに先ほど申上げました製造業者などの十七億九千七百万円を合計いたしました二十億七百万円というものが限度になつて参るのでございます。勿論これは二十八年度におきまして八月一日以後輸出され或いは八月一日以後輸出の目的で商社に売られるというものから適用されることによつて計算した金額が二十億円になるのでございまして、これを平年度にいたしまするともつと大きな金額になりますことは申すまでもないのでありますが、一応本年度の収入に影響するものとしましては二十億七千万円、それに先ほど申上げましたすでに輸出損失準備金のほうにおきまして三億四千百万円の減収を見ておりますので、その二十億七百万円から三億四千百万、円の減収を差引きますと、十六億六千六百万円というものが今度の新らしい措置によつて殖える減収額になるということになつておるのでございます。
○小林政夫君 今の貿易商社のほうは一律に所得の五〇%というほうが最低であつて、それがいわゆる百分の一の半分だと千分の五ということだからそういう勘定になるが、メーカーのほうの百分の三については非常に業種によつて違うだろうと思うけれども、百分の五十がどこでリミツトになるかということは、百分の五十とそれから百分の三とが、取引額の百分の三と所得の百分の五十とがイコールの業種もあろうし、又それ以下の百分の五十がうんと取引額の百分の三よりも低い、おおむね低かろうと僕は思う。そういう点はどういうふうな計算をされておるか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 何分新らしい制度でございまして、この目的のために作られているデータが実はないようでございまして、ともかくこれは委員修正であつて委員のほうでいろいろ御計算になつたことと思いますが、我々もまあ多少御相談に預かつたので、実は今言つたような内訳を申上げておる次第でありますが、結局いろいろな業種がありまして、確かに或る程度頭打ちをする場合もあるのではないかというふうに思いますが。何分データがございませんので、やはり減収額としては一応こういうふうな見積りをしておるということをお答えせざるを得ないと思います。
○小林政夫君 まあ衆議院の内藤さんが御出席のようですからその問題はあと引続いて質疑するとして、一点だけ発議者の内藤さんにお尋ねしておきたいのですが、これによると、輸出業者から委託を受けた加工業者というものは今の取引額の百分の三、こういうものが経費に算入される。ところが直接メーカーから委託を受けた加工業者はその百分の三の経費算入の恩典に浴さない。同じ加工業者であつて、而も同じ輸出品の加工をしたものがその取扱いを異にするということは発議者の趣旨としてはどうなんですか、同じようにお考えになつたのじやないですか。
○衆議院議員(内藤友明君) 実は小林先生からの今のお話でありますが、そのほうの計算がなかなかむずかしいのであります。随分大蔵省のほうにもお聞きしたり、又私どものほうでこれを立案いたしましたものの意見を聞きましたけれども、どうも最後のそこに来ますと、はつきりしませんので、結局まあこういうことになつているのでありまして、実は私どもの同僚早稲田君からもこれにつきまして強い意見がありまして、いろいろとそれを考えてみたのでありますけれども、いつも最後になると掴めないこういうふうなんでありますが、誠にその点は未熟のような気がいたすのでありますが、その点は悪しからず一つ御了承頂きたいと思います。
○小林政夫君 発議者の趣旨は一視同仁にやりたい、こういう意思であつたのだが、徴税技術の面から考えてなかなかむずかしいのでこういうことになつた、こういうことでありますと、何も法定事項としてそういうものを分けなくても、法律事項としては大体同じよらな扱いができて、ただ執行面においてそのお話のごとく徴税上、執行技術上どうもなかなかむずかしいというようなものをオミツトしてというか、やれるものはできるだけ拾い上げて行くというような立法が望ましいのじないでしようか。
○衆議院議員(内藤友明君) 成るほどおつしやる通りなんでございますが、その区別がわからないのでございます。それで実は困つたのでございます。
○小林政夫君 区別は政令等によつて区別するという方法があるわけです。例えば重要輸出品については加工業といえども国営検査等も行われておつて、成るほど国営検査を受けたものは必ず輸出するということではありませんけれども、併し輸出するものは必ずその検査を経るというような点から線を引く方法はあろうと思う。だからそれは執行面で行うということになれば、政令で以ていろいろ区別をつけることとして、法律面においては、この立法措置としてはどれでも輸出のための加工ということであれば、メーカーの委託であろうと貿易商社の委託であろうと同様に扱い得る途を開いておいて、政令において執行面でその取扱上困るといものについて何か工夫をお考えになるとか、こういうことが望ましいのじやないですか。で折角の立案でありますから、只今あなたをここで何するという別に意味もないのですが、次回は是非そういう点を頭に置いて御検討、再研究願いたいと思いますが如何ですか。
○衆議院議員(内藤友明君) 承知いたしました。
○小林政夫君 只今のメーカーの輸出所得、事業所得の百分の五十というものが、主税局長の説明だと、取引額の三%よりも多い場合が考えられるような発言であるかと思うのですが、殆んど私の見るところでは五十のほうが低かろうと思う。五十がブレーキであつて、ブレーキでこそあれ、事業所得の百分の五十が取引額の三%よりも多いなどということは全然ない。そういう点について今の計算だと、かなり或る程度の基礎がなくてはそういう計算ができないと思うのですが、大体のところでいいですけれども、どういうふうにそれを……
○政府委員(渡辺喜久造君) 普通の製造の、国内が多いと思いますが、国内、輸出を含めての普通の製造の利益率というやつは百分の八くらいの数字は実はあるわけであります。それでまあいろいろのことは私どももあろうと思つております。例えばプラント輸出であるとか、物によりましてはかなり採算が困難だと言つているものもございますから、そういうようなものについては、利益率というものについては相当問題もあろうと思つておりますが、併し額的に見まして、普通に輸出されている例えば繊維のものでありますとか、こういうようなものについては国内の場合とそう大きく違わない利益率も予想されるのじやないだろうか、そういうふうに考えて見ますと、必ずしも百分の三が極めて例外でありまして、頭打ちする場合が極めて普通であるというふうに考えるのも如何かというふうに思つております。
○小林政夫君 それだからあなたのほうで、そういうことであれば資料を拝見したい。それほどに計算ができるならば資料を出せないはずはないと思う。 それから輸出による所得の計算というものはどういうふうにやられるつもりなのか。相当これは原価計算というとむずかしいし、やりようによつては税務署との間に相当のトラブルが起る可能性がある。こういう点はどういうふうにやられるつもりでありますか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 先ほど申しましたのは一般的な数字でございますので、輸出の分の云々というお話でございますので、私はちよつとそういう数字は出せないと申上げたのです。ただまあ併しそういう極めで一般的な数字でございますので、今申したようなお答えを申上げた次第でございます。 それからその次に輸出の金額、輸出による所得の金額をどういうふうに計算するか。これはやかましく言えば、その分についてのコスト計算という問題まで入つていると思つております。物によつてはそういうことも考えられないではありませんが、併しそのために余りに煩雑にし、手数をかけることも如何かというふうに思つておりますので、一応輸出の所得というそうした法律にきめられている範囲を逸脱しない限度におきまして簡略な計算ができるならば、それを採用するということを考えて見たいと思いまして、目下通産省のほうといろいろこの法案が通過した場合におきましては、どう考えようかということを目下話合いを続けております。
○小林政夫君 こういうような場合はどういうような気持をもつて扱われますか。非常に輸出は諸からない。内需のほうはあるというようなときに、とことんまでその輸出取引を洗つて見て、一体輸出の所得は幾らだ、内需はどうだ、こういうようなところでやつて行こうとすると今の相当のトラブルが起る。或る意味においてこれは輸出振興なんで、輸出振興対策の一環としてやられたものであつて、所得が零のところへ幾らこういうことをやつても何にもなならないのですが、そのそういう気持をもつて輸出振興ということを頭において税務当同等においてその所得の査定を考えるということであるか。
○政府委員(渡辺喜久造君) この規定は輸出振興の規定だと思つております。併し法律に書いてありますのは輸出による所得と書いてあるのですから、我々は輸出振興のための云々というのは目的であつて、併しこれを執行する面になれば輸出の所得と書いてあるのですから、従いまして我々は輸出の所得というものを中心に考えて行くべきものじやないか。従いまして、今お話のようにはつきり輸出は損しているものだということがわかつた場合に、輸出の所得を算定する、それは算定いたしましてもマイナスの所得しか出ないということにならざるを得ないと思つております。ただ要するに輸出についても或る程度の利益があり、国内においても或る程度の利益があり、それを細かく一々計算して、或いは輸出の場合の利益率と国内の場合の利益らん。併し大勢において違いがないということになれば、簡略な計算をしてもいいのじやないかというふうに思つております。
○小林政夫君 私は今損失のある場合を言つたのではなくて、今の場合は或る程度のそこに内需と輸出と収益百率が違う場という場合に、とことんまで原価を洗つてはつきり輸出所得は幾ら、こういうことを積み上げて行つて計算をするのか、これは輸出所得と書いてあるのだから、その通りやれば間違いないのだというようなことで、とことんまで採算関係を洗うということであるか、そこに或る程度の輸出振興策だということを頭に置いて、多少内需と輸出の収益の違う場合に含みを持たせるという意味があるかないかということ。
○政府委員(渡辺喜久造君) 委員会で質問されれば、私としては輸出の所得金額と書いてあるのですから、輸出の所得金額を計算しますと申上げる以外に申上げようはないと思います。結局内需の場合と輸出の場合と利益率が違う、違うと言つてもどれくらい利益率が違うか、案は利益率が違うということがわかればおのずから計算はできてしまうわけじやないかと思つております。ただ余りそのために細かい計算をすることは、これだけの故に余りに大きな手数をかけるのは如何か。そういり場合におきましては、そう大勢を誤らない範囲において簡略な計算をすることは恐らく許されていい範囲のものじやないかと、かように考えております。
○小林政夫君 だから委員会で言えば、厳重に言わなければならないということは、それは字句的にはその通りだけれども、今の答弁で大体自分としては了承できるけれども、速記へ残す答弁としては少し含みが狭過ぎると思うので、それはあなたのほうがそういうふうになると、下のほうはよほど、出先は字句によつてやらなければしようがないので、これの扱いというか、通牒等が行く場合において、その辺のあなたの今の気持、言外に含まれた気持が反映できるような措置がとられるかどうか、とつてもらいたい、こういうことなんです。
○政府委員(渡辺喜久造君) 言外と言われてもちよつと困りますけれども、我々といたしましては、先ほど来申しているように、このために余りにいろいろな煩雑な手数をかけるべきじやない。従つてこういう場合にはこういう簡略な計算でよろしいということにつきましては、一つの統一的な意味において、国税庁とよく相談した上で、全国の扱いを統一する意味における通牒は出したいと思つております。
○森下政一君 法人税、或いは事業所得税の申告の場合、交際費について成るべく寛容な態度をとれとか、規制すべきじやないかとか、いろいろ議論が行われていると思いますが、今実際の取扱はどうなつておるのですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) 交際費の取扱いでございますが、まあ法人の場合と個人の場合、或いは分けてお話ししたほうがいいかと思いますが、法人参の場合におきましては、よく給与を交際費の名前で出したり、或いは賞与に当たる金を交際費の名前で出したりすることが間々ございます。従いましてその点につきましては、はつきりした領収書があるかないかということが、一応のまあ判定の基礎になります。領収書もなく交際費で出してあるという場合には、或いはそれが給与である場合、或いはそれが役員に対するものである場合には賞与ではないかという議論が出て来るわけでございまして、その点について会社のほうからそうでないという説明を実は求めておるわけでございまして、そういう点がよく了解できれば交際費に入れる。或いはそうでなければ賞与に認めると、こういうような扱いだと思います。個人の場合におきましては、そういうような意味の問題は余りないのですけれども、今度は逆に営業に関連のある意味の交際費であろうか、或いはそのかたの表と奥と言いますか、表のほうの経費であるのか奥のほうの経費であるのか、この点がよく問題になります。そのかたの、例えば我々月給取りのようなものでも、一応或る意味におきましては交際費が要るわけでございまして、そういう生活に結び付いた交際費、営業に結び付いた交際費、この点でいろいろ議論があるわけでございますが、大体その費途等を見まして、これは商売に関係のある人と会食したとか、そういう場合にはこれは交際費に見るとか、或いは親戚の人と会食したという場合には、これはむしろ所得から支払わるべき交際費であると、そういうようなことです。まあ一つは、今言いましたように、要約いたしますと、その支払い等について受取りがあるかないかというようなことが問題になりますし、それから個人の場合におきましては、それがどういうために費われていたかということによりまして、必要経費に属する場合もあるし、そうでない場合もあると、かように考えております。
○森下政一君 そうすると、今のことはこう了解してよろしいのですか。個人の場合営業に繋るものということになれば、これは或いは必要な経費として算入できる。法人の場合だとすれば、これは勿論資与或いは給与というものでないということがはつきりしておれば、いわゆる社用族の飲み食いということは天下御免ということになるわけですか。
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ営業に関連のあるというのも多少いろいろな含みがありますんで、まあ私は簡単に営業に関連があると言えば、そうだと申上げていいと思いますけれども、そこに或る程度のボーダー・ラインの点がないとも限らんものですから、具体的な事実なりますと、まあいろいろまだ問題が残つておると思いますけれども、一口に言えば営業のために使つた交際費はこれは経費に見る、こういうふうに申上げていいと思います。 それからその次の問題といたしまして、もう一つ、或いはさつきの御質問に関連して補足しておいたほうがいいと思いますけれども、給与に見られる場合と、そのほかにもう一つ……まあその点はちよつと取消しますが、いわゆる社用族関係のものは飲み食い御免だという点につきましては、現在といたしましては、一応それが会社のまあ大体使つている金は何かしらにおいて会社の常業のために使つておる金だろうと、一応推定せざるを得ないものですから、従つてそれが現実に払われておれば交際費と見る。それが別の角度から道義的に見れば、或いはそれは多分に奢侈的な使い方じやないかとか、いろんな非難がなし得るものもあると思つておりますが、そういうものも現在のところでは一応交際費として経費に落している。ただ我々としましては、過般の国会にはその点についてまあ制限しようというような案も出して見だこともあるわけでございまして、今回はいろいろまだ検討すべき問題もあるものですから、提出はいたしませんでしたが、そういうことができるだけなからんことは勿論希望しておりますが、併し一応の現在の法規におきましては、そういう意味で使われたものは交際費である、こう申上げていいと思います。
○森下政一君 今日はもう非常に遅いのですが、丁度比較的暇なときだからお伺いするのですが、これは全然違う問題なんです。私はしばそれ税務署から呼出されるのですね。先般も呼出しを受けて、何事かしらんと思つて、私みずから出頭してみると、確定申告をしておらんというわけなんです。ところが私は出しているんです。これをだんだんせんさくをして見ると、私の住んでいる町が、同じ町の同じ番地の同じ所に住んでいるんだが、たまたま市が町名の改称をやつて町名が変つたわけなんです。そうすると、その取扱つている係りが違うことになつたらしいのですね。そういうことの行き違いのために、出しているものが出しておらんと、こういうことになつて呼出しを受けた、こういう事実があるのですね。又、それに限らずいろんなことで私は呼出しを受けています。更に東京では、私は渋谷の税務事務所に何遍も呼出しを受けて行つたのですが、私は税金は一切滞納しておらんつもりなんです。ちやんと納めている。ところが九十二円とかの税金を納めておらんというので、何遍も差押えをすると言つて来るのです。私はなぜそういうものがかかるかわからんので、私の税を納めた領収書もちやんと見せて、これこれだ、全部完納しているじやないか、あなたのほうには受取りがあるんじやないか、ところが今度九十二円滞納していると言うが、これは何の税金だと、だんだんせんさくをしたのです。私にここでかかつて来るものと言えば、小さな家、屋敷を持つているという以外に何もないはずなんです。ところが驚いたことには、私は千駄ヶ谷の二丁目に住んでいるが、四丁目に十五坪の土地を持つているというのです。持つている事実はない、持つていたら売り飛ばしちやうがないのです。もう一遍調べてくれというわけで物別れになつたのです。私は大阪のほうで呼び出されて行つたときには幾日仕事で、ちよつとまごまごしたら一日過しちやう。これは向うの怠慢なんですね。町名が改称になつたときに係りが変つた。そんなのは明らかに向うさんの間違いで、向うさんの怠慢です。そういうことが頻繁に、私のみならず納税義務者に行われている。これは税務署からちよつと来いだから、穏やかじやないと思うからあわてて飛んで行く。そういうことが一切ならずあるのじやないかと思うが、向うの怠慢だということがわかつても、帰つてもよろしいくらいのことだ、こういうような先方の怠慢とか誤りによつて人を呼び出して一日むだ働きさせたというときには日当を払つて、損害賠償をするとか何とかいうふうにすれば、少し向うさんも慎重になるのじやないか、又国民感情もよくなるのじやないかと思うが、どうでしようかな。
○政府委員(渡辺喜久造君) まあ今の日当を出すとか何とかいうことは、一つの御意見だと思いますが、私たちとしては、そういう話の原因になりますそういうむだな呼び出しが大体いけない、そこで今のお話を伺つてみますと、問題が二つに分れるようでございますが、その東京のほうのお話では、税務事務所、恐らく土地の問題でございましたら固定資産税の問題だろうと思います。税務事務所の問題だと思いますが、実はこのほうは東京都の関係でございますので、我々も友達付合いでございますから、よく注意はしておきますが、我々の、或いは国税庁の直接の監督下というものでございませんで、それがどんなふうに現在監督が行われており、又そういう不始末についてどういうことをしているかというようなことについて、ちよつと御説明申上げることはできかねると思いますので、この点は御了承願いたいと思います。大阪のほうは、これは国税庁の直接管轄でありますから、これは国税庁としましては、当然責任を負うべきものであると考えますが、我々もとかくちよつとした問題に葉書などを差上げて、すぐ税務署へおいで願うというような措置は、これはお忙しいかたが、これはどういう商売をしているかたにしましても同じことでございまして、むだな足を踏んで頂く、これは絶対にいけないことでありますので、書面で話が済むことなら、当然先ず第一に書面で済ますべきである、或いは電話番号などもわかつておるかたがたくさんありますので、電話で話が済むならば、電話で済ますべきであり、そしておいで願う場合におきましては、少くとも要件などを、こういう件についてお越し願いたいというふうなことは書いてお出しすべきじやないか、おいで願うのは、どうしてもおいで願わなければならんかた、つまりそうしたこみ入つた場合だけおいで願うことにして、それ以外は書面とか電話で以て済ますべきじやないか、又おいで願う場合におきましては、少くとも何のため呼び出しが来たかわからんということはいけないのですから、要件がこういう件であるということははつきり書いて出すべきじやないか、こういうような指導をしてはおるのでありますが、必ずしも今お話を伺いますと、そうした趣旨が徹底していないようでございますので、更に国税庁にもよく話しまして、その点の趣旨が徹底するように措置したい、かように考えます。
○理事(西川甚五郎君) それじや本日はこれで散会いたします。明日は十時から開会いたします。 午後九時三分散会