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16回国会参議院1953/06/23

大蔵委員会 第5号

発言数
18
登壇者
8
会派数
3
開催日
1953/06/23

会議録

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) これより第五回の大蔵委員会を開会いたします。  一、国有財産法等の一部を改正する法律案、二、金管理法案、三、証券取引法の一部を改正する法律案、四、証券投資信託法の一部を改正する法律案、右いずれも本審査、五、一般会計の歳出の財源に充てるための緊要物資輸入基金からする一般会計への繰入金に関する法律案、六、昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案、七、木船再保険特別会計法案、以上三案予備審査、以上七案について政府より提案理由の説明を聴取いたします。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○政府委員(愛知揆一君) 御説明に先立ちまして、ちよつと念のために申上げておきますが、本日議題となりました七つの法律案は、いずれも第十五回国会におきまして相当御審議も進んでおり、或る分につきましては委員会或いは本会議でも議了せられたのでありますが、その後解散の結果流れましたものを改めて提案いたすものでございまして、内容は前回の分と殆んど同様のものが多いのでございますが、念のため全部につきまして詳細に御説明させて頂きます。  先ず第一が国有財産法等の一部を改正する法律案でございます。  国有財産の管理及び処分に関する事務は、主として国有財産法及び国有財産特別措置法に基きまして運営せられているのでありますが、これらの法律に若干の改正を加え国有財産制度を整備し、関係事務の適切な運営を期するため、ここにこの法律案を提出することといたしたのであります。この法律案は、国有財産法の一部改正と国有財産特別措置法の一部改正との二つに分れておりますが、以下その概要を申し上げますと、  先ず国有財産法の一部改正における主な点は、第一に、国において直接公共の用に供する財産の管理を適正にするため、国有財産の分類及び種類に変更を加え、公共福祉用財産と公共物を統合して、行政財産の中に新たに公共用財産という種類を設けることとしたのであります。  第二に、公共福祉用財産及び皇室用財産の取得、用途廃止等につきましてその手続を緩和し、すべて国会の議決を経るごととなつております現行規定を改めまして、皇室用財産の取得について、一件の価額が三百万円に満たないもので、一年間にその合計額が三千万円に達するまでの場合には国会の議決を要しないことといたしたのであります。  次に国有財産特別措置法の一部改正におきましては、国立大学の施設を効率的に運営するため、国立大学の施設を集合整備する必要があります場合に、文部大臣は、当該国立大学の施設と地方公共団体その他の者の所有する施設と交換することができることといたしたのであります。  以上が、この法律案の提案の理由並びにその概要であります。  次に金管理法案につきまして、提案の理由を御説明いたします。  金管理法の一部改正につきましては、去る第十五回国会で審議未了となりましたので、今回改めて提案いたし御審議を願う次第であります。  この法案の内容は、前回審議未了となりましたものと同様でありまして、その主な点を御説明いたします。  従来政府は、金につきまして全面的に価格及び需給の統制を行い、新産金等はすべて強制的に買上げるとともに、国内の産業、工芸、歯科用等に必要な加工用金は、政府保有金のうちから割当売却することとし、また政府の買入価格、売渡価格及び業者の販売価格は、すべて政府が公定していたのであります。  しかしながら、最近金に対する実需も増加して参ります一方、生産も漸増して参りましたので、政府といたしましては、新産金の一部のみを買い上げることといたし、それ以外の金につきましては、一切の統制を廃止いたしまして価格及び取引ともに自由とし、以つて金に対する需要の増加に応ずると共に、併せてわが国金鉱業の育成に資することが適当であると考えられるのであります。  以上の趣旨によりましてこの法律案におきましては、政府が強制買上げをする金は、新産金のうち政令で定める割合のもののみとし、これに伴い割当制度、加工用金売さばき業者等の監督の制度を廃止し、金の取引を自由といたしました。ただ自由取引実施に伴い国内及び国際的な事情を考慮して金の取引の実態把握に必要な報告を徴することができることとしております。  次に、証券取引法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明申上げます。  現行証券取引法は、施行以来すでに五年を経過いたし、その間経済の進展に応じ数回にわたり改正が行われて来たのでありますが、独立後のわが国の経済、特に最近の証券市場の実情にかんがみ、有価証券の募集又は売出に関する届出の制度を簡素化すると共に、証券業者に対する監督規定を整備し、併せて証券取引所の機能の公共性にかんがみその設立に免許を要するものとする等の必要があると考えられますので、前国会に証券取引法の一部を改正する法律案を提出したのでありますが、衆議院解散のため審議未了となりましたので、その後の検討に基き同法律案に若干の改正を加え、再びこの法律案を提出した次第であります。  その内容について申上げますと、第一は、投資者の保護に支障のない限りにおいて有価証券の発行者の負担を軽減するため、有価証券の募集又は売出に関する届出の制度を簡素化したことであります。即ち担保附社債券等は、当分の間、募集又は売出の届出を要しないものといたしますほか、大蔵省令で届出を免除することができる有価証券が現在その額面又は発行価額の総額において千万円までのものに限られておりましたのを、その額を引上げ、五千万円といたしたのであります。  第二は、弱体業者の濫立を防ぎ、もつて投資者の保護に資するため、証券業者の登録の拒否原因となるべき事項として、新たに登録申請者が株式会社でない場合及び登録申請者の純財産額が政令で定める資本の額の九割に満たない場合を追加し、又証券業者に対する監督を強化し、資力薄弱な証券業者が顧客から過当な数量の有価証券を借入れ又は預託を受けている場合には、これらの有価証券を顧客に返還することを命ずる等の措置をとり得ることとしたのであります。なお現行の証券業者の信用の供与に関する規定につきましても、これを我が国の実情に即せしめ、弾力性のある運用を図る余地を開いたのであります。  第三は、証券取引所の機能の公共性に顧みまして、証券取引所の設立を登録制度から免許制度に改め、又証券取引所が定款等を変更するときは、大蔵大臣の認可を受けなければならないこととし、取引所の監督規定を整備いたしております。  第四に、証券投資信託法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説申上げます。  証券投資信託につきましては、一昨年実施以来相当の好成績をおさめて来ておりますが、その間の実施状況にかんがみまして、今後一段と公益及び投資者の保護のため積極的な措置を講ずることが必要であると存ぜられますので、証券投資信託の委託会社の監督を強化する等のため、先に証券投資信託法の一部を改正する法律案を第十五国会に提出しましたが、審議未了となりましたので今回若干の調整を加えて改めて提出した次第であります。  その内容について申上げますと、先ず委託会社の免許制を採用したことであります。従来の登録制度におきましては、実質的に委託者として適格かどうかを審査し得ない憾みがありますので、免許制度を採用し、真に委託者として適格と考えられる者に限り免許をすることとしたのであります。なお現在登録済みの委託会社につきましては、いずれも委託会社として適格と考えられますので、免許を受けたものとみなすことにしております。  又委託会社の免許制度を採用しましたことに伴い委託会社の監督を整備強化し、委託会社の取締役が、他の会社の常務に従事し、又は事業を営もうとする場合には、大蔵大臣の承認を受けなければならないものとするほか、委託会社の業務の廃止等は、大蔵大臣の認可を受けなければならないこととしたのであります。委託会社が信託財産に重大な損失を生じせしめた場合等におきましては、大蔵大臣は、新たな信託契約の締結又は元本の追加信託をしてはならない旨を命じ又は免許の取消をすることができることとしております。  なお委託会社又は受託会社が免許を取り消された場合に、既存の信託契約を直ちに解約することが受益者に不利となるときは、当該信託契約に関する業務を他の委託会社等に引き継ぐことを命じ、又は当該委託会社が暫定的に当該信託契約を存続することを承認することができることとしたのであります。  次に委託会社は信託財産として有する金銭をコールローンに指図し得るものとして、有価証券の差換等の間における金銭の運用方法の拡大を図つております。  第五に、一般会計の歳出の財源に充てるための緊要物資輸入基金からする一般会計への繰入金に関する法律案の理由を御説明申上げます。  緊要物資輸入基金特別会計におきましては、一般会計から繰り入れられた二十五億円の緊要物資輸入基金を以つて国際的取極によつて日本国に割り当てられた稀少物資等の取得及び売払を行なつて来たのでありますが、その運用の実情に顧み、昭和二十八年度におきましては一般会計の財源に充てるため基金から十五億円を一般会計へ繰り入れることとしようとするものであります。  なお、将来情勢が変化いたしまして、政府輸入に待たなければならない事態が増大いたしました場合の基金運用に支障なからしめるため一時借入金をなし得る制度をあわせて設けようとするものであります。  第六に、昭和二十一年度における一般会計、帝国鉄道会計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の延期に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。  政府が昭和二十一年度において昭和二十一年法律第五十五号及び昭和二十一年法律第十号に基き借り入れました借入金の現在高は、一般会計において百五十一億七千八十六万円、郵政事業特別会計において五億六千三百七十四万円でありまして、その償還期限は昭和二十五年法律第六号により昭和二十八年八月一日まで延期せられておりますが、同期限までに償還いたしますことは困離でありますので、償還期限を更に昭和三十一年三月三十一日まで延長することとし、その間において必要な場合には、公債に借り換えることができることとしようとするものであります。  第七に、木船再保険特別会計法案の提案理由を申上げます。  今回、政府は船主相互保険組合法に基き木船相互保険組合が経営しております木船保険につきまして、その普及発達を図るために木船再保険法案を提出して御審議を願つているのでありますが、この木船再保険法を実施することとなる場合には、政府の、再保険関係の経理を明確にするため、一般会計と区分して新たに木船再保険特別会計を設けることが適当と考えこの法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の概略について申し上げますと、この会計におきましては、再保険料、木船再保険法第十三条の規定による納付金、同法第十六条による一般会計からの繰入金、借入金その他をもつて歳入とし、再保険金、再保険料の払いもどし金、借入金の償還金及びその利子、一時借入金の利子その他をもつて歳出とするほか、この会計の予算及び決算に関し必要な事項を規定しております。  以上が、この法律案の提出の理由であります。  何とぞ、御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 議事進行と言うか、只今提案の理由の説明のあつた中で、第一、第二及び第五、第六は前国会において相当の審議をしましたが、三、四は一応内容説明を聞き、又は参考人を呼んで、参考人との間の質疑応答を重ねる程度で、当委員会として三、四の法案については、実質的なと言いますか、前回審議したんだから十分だという情勢ではないと思います。この点については相当に慎重に審議するように委員長において取計らつて頂きたいと思います。それから第七は勿論今度新らしく提出せられたので当然であります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 承知いたしました。  次に国有財産法等の一部を改正する法律案について内容の説明を聴取いたします。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) 国有財産法等の一部を改正する法律案につきましてその内容を御説明申上げます。  国有財産の管理、処分等につきましては、国有財産法、それから昨年制定されました国有財産特別措置法等の規定がございまして、その規定を整備をいたしておるわけであります。従来の規定におきましていろいろ、細かい点でありますが、不便な点、不適当な点もございますので、今回これを改正をいたそうとするものであります。改正の点はいろいろございますが主なる点だけを申上げますと、第一に国有財産の分類及び種類ということにつきまして、現行規定はやや不適当な点がありますので、これを改正しようとするのでありますが、現在の規定によりますと、国有財産は大体行政の目的に供しておる行政財産、それからそれ以外の行政上の用途のない普通財産、その二つに大きく分類されまして、更にそのうちで行政財産を公用財産、それから公共福祉用財産、皇室用財産、企業用財産というような四つの種類に分けておるわけであります。ところがこの行政財産のうちの公共福祉用財産でありますが、これがいずれもいろいろ実際のところを申上げますと、占領中にできた法令でありまして、余り適当な観念にできていないわけでありまして、公共福祉用財産と申します中には、公園とか、広場とかというような、国が直接公共の用に供しておるものが含まれておるわけであります。ところが一方におきまして、同じ国が直接公共の用に供しておるものでありましても、道路でありますとか、河川、港湾、堤塘、溜池、こういつたような施設は、実は公共物という観念の下に普通財産、即ち行政財産以外の行政目的のない普通財産という分類の中に現在は包含されておるわけであります。実際の分類の考え方からいたしますと、同じような性質のものが公共福祉用財産と普通財産中の公共物というものに分かれて入つておるというような矛盾があるわけであります。更に、公共福祉用財産の中には公共のために保存する記念物若しくは国宝、その他の重要文化財、こういつたものが含まれておつたわけでありますが、これらのものは、例えば国宝、重要文化財といたしますると、そういうものに指定されますることによつて、こういうものになるわけでありまして、その他の行政用財産の分類の基準が違うわけでございます。他の行政用に使つておる財産でありましても、指定されればやはり重要文化財になるというようなことで、分類の基準が違つておりますので、その間に矛盾を生じておるわけであります。重要文化財関係の法律の規定ともよくつき合せてみますると、齟齬する面があるわけであります。その辺のところを検討いたしまして、今回は国が直接公共の用に供しておる財産を公共用財産という分類といたしまして、従来の公共福祉用財産という観念をやめることにいたしまして、そういうふうにまあ分類を変えることによりまして、国有財産の整備が適正に行われるというふうに考えました次第であります。  それから、その次に現行の法律では公共福祉用財産、今回まあこの分類を変えたわけでありますが、公共福祉用財産と、それから皇室用財産の取得するとき、或いはその用途を廃止するときには、すべて国会の議決を一件々々経なくてはならないことになつておりましたわけであります、ところがまあこの中には非常に重要なものもございますが、非常にまあ軽微なものもありまして、例えば皇室用財産として極く小さな、まあ納屋みたいなものを一棟建てるというような場合でも、一々国会の御議決を経なければならないということで、実はそういうような関係で時々又国会の議決を経べきものを経ないでついそういう小さなものは建ててしまうというような不都合もございましたのであります。それでいろいろ国会の方面の御意見もありましたし、検査院方面からの御意見もございまして、今回は軽微なものにつきましては、国会の議決を要しないということに改正いたしたいというわけでございます。大体法律に、条文に出ておりまするように、皇室用財産につきまして一件三百万円以下、それから毎年の四月一日から翌年の三月三十一日まで一年間を通じて累計三千万円以下の範囲内であれば、一々国会の議決を要しない、こういうふうに改正いたしたいというわけでございます。まあこのような改正、そのほか他のいろいろの法律制度の改正に伴いまして、いろいろの個々の条文につきまして調整を要する点を直しましたのが国有財産法の改正の主な点でございます。  それから国有財産特別措置法につきましては、新たに条文を追加いたしまして国立大学の施設の整備のために必要があるときには、国立大学の施設と地方公共団体その他のものの持つております施設と交換することができる、こういう規定を新たに入れましたわけでございます。これは国立大学は御承知のように、各県に設立されましたわけでございますが、その施設が方々に分散しているところがたくさんありまして、これをできるだけまとめて、統合整備するということが必要になつて参つておるわけでありますが、そのためにはたまたま便宜な施設を地方公共団体或いはその他のものが持つておるという場合には、施設のその散在しておりまする国立大学の施設と交換して一カ所にまとめて置くということが非常に便利なわけでありますが、現在の国有財産の交換の規定によりまするといろいろ制限がございまして、なかなかその規定にはまりにくい場合が多いので、なかなか交換も実際問題として運び難い、こういつたことでございましたので、今回こういう規定を追加いたしまして、国立大学の整備の促進に資したいということでございます。その他これらの規定の改正に伴いまして、関係の文化財保護法、港湾法、土地改良法、農地法等につきましても一部規定の改正をいたすわけでございます。大体今回の改正の主なる点を御説明申上げますと以上の通りであります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 本案に対する質疑はあと廻しにいたしまして、次に金管理法案について内容の説明を聴取いたします。

吉田信邦大蔵省理財局総務課長

○説明員(吉田信邦君) 金管理法の改正法案の内容を御説明申上げます。  金管理法のこの度の改正は、従来金につきまして、一応全部政府が買上げて、それをいろいろな加工用等のためには割当配給をするというような態勢をとつておりましたのを改めまして、一応政府の買上げるものだけは一定の価格で買上げるが、それ以外の部分についてはすべての取引等を自由にする、配給その他の統制を全廃するというところに主眼がございます。で今回こういう改正をいたしましたのは、一方には金の生産も順次伸びて参りまして例えば終戦直後の二十一年には年間一、二トンしか生産がございませんでしたが、毎年一トンが二トンになり、二トンが三トンになるという程度の増加を続けて参りましたが、二十七年には約八トンの、七トン余りの生産が行われております。更に今後も若干増加して参るようになつて参りまして、一方国民生活の安定に伴いまして、従来金は全く医療用或いは輸出用以外には原則として使用させないというような統制を続けておつたのでございますが、国民生活の安定等に伴つて、それほどのことをするまでもないのではなかろうかというようなことになつて参りまして、こういつた生産の状況、又需要方面の変化に伴いまして、政府の必要とする対外決済の準備用の金といたしましては必要量を政府が買上げる。同時にそれ以外の部分については自由に生産し、自由に販売して、統制はやめるということにいたしたわけでございます。  第一条はその目的を規定いたしましたので、この法律は、対外決済の準備に充てるための政府の金買上げを目的とすると同時に、その他の金につきましては、一応自由にするが、ただ取引の実態を調査するに必要な規定を設けることにとどめるということにいたした次第でございます。第二条におきましては、この金鉱物、金粗金、金地金という言葉につきましての概念規定をいたしておるわけでございます。一応金の生産の段階を考えてみますと、金の鉱物という形で出て参りますが、この鉱物の形におきましては一応何らの統制をしないで自由にする。それからこの金の鉱物が製錬過程におきまして金を含有する、ここでは粗金と申しておりますが、一応金を含んだ塊りになるという段階にまで製錬いたされますならば、こういつた粗金を取得したものはその取得した粗金に応じた部分を金の地金にして政府に納入するということになつて参ります。金の地金といたしましては、金の延棒というような形になつて参るわけでございます。九九%、九百九十九割殆んど金そのものとなるところまで製錬いたしましたものを政府に納入するという形にいたしておるわけでございます。第三条がその実態を規定しておりまして、金鉱物の製錬又は採取によつて新らしく粗金を取得した者は、その取得の日の属する月の末日後三ヶ月以内に、その粗金を金の地金に製錬して政府に売却するということにいたしております。そのどの程度政府に納入するかということは一応省令で定めるごとにいたしておりますが、これは現行通り生産量の三分の一を政府に納入するということにいたすわけでございます。なおこれらの粗金を取得しましたが、みずから金地金にする設備を持たない者は、これは造幣局に委託いたしましてこれを金地金にして、そうして政府に金を納入するということにいたしております。この三カ月の期限は、災害等が起つた場合には六カ月に延長し得るというような例外も設けております。この金の買入れ価格でございますが、これは現在政府が国際通貨基金協定に加入いたしております関係上、国際通貨基金協定によつて通貨の、日本の通貨の平価を定めております。これは一ドル三百六十円の割から算出されたものでございますが、そういう通貨の平価をきめておりますので、これに基いて金の買上げ価格をきめるということになつております。通貨基金協定でも一定の或る極く小数の幅を認めてはおりますが、一応現在としては直接三百六十円に合致いたします一グラム四百五円という価格を現在やつておりますが、この法律に変りましてからも同じく四百五円の価格を続けて行く所存であります。  それから、第五条は報告及び検査の規定でございます。これは、これらの金の買入れにつきまして正確に一定の割合が政府に売却されるように必要な報告を求めると共に、必要がある場合には職員をして検査をせしめることができる旨を規定いたしております。第六条は、更にこれらの金納入者から金を売買いたします者につきまして、これは一応取引は自由でございますが、金につきましては今後ともいろいろな問題が起つて来ることもあり、又好ましからざる流れをしないとも限りませんので、そういつたような状況が起るか起らないかというようなこともはつきりさせたほうがいいという意味で、これらの使用状況について一定の報告を徴するような途を開いております。第七条は主務大臣の規定でございます。これは原則として大蔵大臣、金鉱業者につきましては通産大臣も、同時に又この金の取引業者の報告等については大蔵大臣、通産大臣のほかに厚生大臣、これは主として歯科用の金でございますが、厚生大臣に主務大臣としての権限を附与する規定でございます。又それに応じて省令もそれぞれの各省に省令をきめる。八、九、十条は罰則の規定でございます。  なお、この法律は附則におきまして八月一日から施行いたすようにいたしたいという考えでございます。この法律へ乗り替わる際に、従来の規定に基きまして政府に売却しなければならなかつたものについては、この改正後もその分については納入しなければならないということにしております。又附則の四項、この前の法案におきまして少し不備がございましたので訂正いたしたわけでございますが、附則の四項はこれは輸入税の免除に関する規定でございますが、従来金管理法に金関係の機械等の輸入については、関税の免除の規定をこの法律に置いておりましたが、関税定率法が全面的に各部面に亘つての免税等の規定を拘束しておりますので、技術的に申しましても、定率法に合せて規定するほうが至当であると考えられますので、今回は金に関する輸入税の免税につきましては関税定率法に譲りまして、従つて法律がこの法律から国税定率法へ移つたわけでございますが、その間の経過規定を四項で規定しております。なお、これに伴いまして大蔵省設置法、厚生省設置法等について各般の改正をいたしております。大体以上がこの法律の内容であります。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 質疑はあと廻しにして、次に証券取引法の一部を改正する法律案の内容の説明を聴取いたします。

飯田良一大蔵省理財局証券第一課長

○説明員(飯田良一君) 証券取引法の改正法律でございますが、逐条的に説明するようにということでございますので、新旧対照表について逐条的に御説明申上げます。  先ず第一ページの第二条の改正でございますが、これは簡単な改正でございまして、従来証券取引法で言う有価証券の種類を列挙してございますが、投資信託の受益証券というものが有価証券に指定されておつたわけでありますが、その後貸付信託の受益証券等も出て参りましたし、又単に投資信託というだけでは証券投資信託を意味するのかどうか不明確な点もございますので、それをはつきりさせる意味におきまして、第二条第一項の第七号、証券投資信託又は貸付信託の受益証券というものを掲げることにいたしまして改正いたしたのでございます。  それから第五ページでございますが、第五ページの第九号でございます。この法律において証券業者とはということで証券業者の定義をしております。これは後ほど出て参ります条文の改正、即ち第二十八条の改正によりまして、今後証券業者は株式会社に限られるということになりました関係で、それを受けまして、その定義のところにおきましても証券業者とはかような株式会社をいうということに、はつきり明記いたしたものでございます。以下第四条までは条文整理の程度の改正でございます。  第四条に参りまして、これは七ページでございますが、第四条は今回の届出制度簡素化の主要な条文になる部分でございまして、従来旧法によりますと有価証券の募集又は売出に関しましては政府に対する届出が要るのでございます。その届出を必要としない有価証券としまして、額が一千万円以下のものについてはこの届出を免除しておつたのであります。一千万円という免除の限度は、その額が非常に小額に過ぎる嫌いもありますので、今回一千万円を五千万円まで引上げました。五千万円の範囲内で大蔵省令で定めるものは届出を不要とするということにいたしたのであります。これが第四条の但書の規定となつて現われているのであります。その他条文全体に亘りまして表現を簡単にいたしております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 ちよつと、大蔵省令で定めるもの云々という場合は、省令の内容として予想される点を一緒に話して下さい。

飯田良一大蔵省理財局証券第一課長

○説明員(飯田良一君) 法律といたしましては五千万円以下のものについて大蔵省令で具体的にきめて参るのでございます。目下、従来の届出の件数、それから今後の増資の件数の見込等を参照いたしまして、どの限度に具体的にきめるか研究中でございまして、ちよつとまだ結論が出ておりませんが、少くとも三千万円以下のものについては免除いたしたい、なお情勢によりましてややもう少しその限度を高めてもよろしいかと思つております。もう少し実績等を斟酌いたしまして決定して参りたいと存じております。なお、この限度をその程度に上げますことによつて、現在の届出の対象となつておりますものが、この条文だけの改正で半数以下に減ることになると思います。  なお、第四条には直接現われておらないのでありますが、ちよつと飛びまして百五十五ページ、附則の第七号というのがございますが、先ほど申上げたのは額の如何によつて免除限度をきめる問題でございますが、ここに現わされておりますように、担保附社債券及び「法令により優先弁済を受ける権利を保証されている社債券」、これは主として電力債等を指すのでございますが、これらにつきましてはその性質上又は現在の発行或いは消化の状況等に顧みまして、当分の間届出を額の如何を問わず不要とすることが適当と認められますので、附則におきましてそのことを規定いたしたのでございます。従いましてここに書いてございます社債券につきましては、その額が仮に五千万円を超えておりましても全然額は問題でなしに届出は不要とされるということで、これは従来の実績によりますと、年間約四百億円程度の社債券の届出は不要となつて参るのであります。これは具体的に発行会社の負担の軽減という意味において非常に大きな意義を有するものと存じております。  次は、十ページの第五条でございます。第五条は届出の記載内容及びその添附書類についての規定でございます。従来は、下の欄にございますように、非常にその規定が法律上厳格に規定しておりますために、届出の内容に関する簡素化が簡単に行われない憾みがあつたのでございます。第五条を新条文のように改めて、具体的な場合に即応いたしまして、弾力性を持たして簡素化ができる途を開いたのでございます。第二項にあります添附書類についても同様でございます。この旧条文の第五条というのは非常に長うございまして、下にずつとございますが、かように第五条の条文を改正いたしますことによりまして、十六ページにございます旧条文の第二項及び第四項以下につきましてもこれが自然に削除されることになるわけでありまして、旧条文の第二項と言いますのは、届出に当りまして会社の発起人又は役員の全員の署名又は記名捺印が要るというふうなことで、簡単な規定でございますが、これが具体的な届出に当つては非常な負担になつておつたのでございますが、これは後に出て参ります連帯賠償責任の規定の削除と照応しまして今後削られることになるのでございます。以下旧条文の第四項、第五項、第六項というものが全部不要になるのでございます。  それから第六条でございます。第六条は、届出書類の写を、有価証券を上場しておる証券取引所へ提出することを規定したものでございます。なおその前に、旧第六条と申しますのは、届出の手数料を定めておる条文でございまして、この模範となりましたアメリカの証券取引法等の例にならいまして、届出の場合に手数料、具体的には万分の一の手数料を取つておりますが、その義務を規定しておつたのでございますが、今回旧条文における第六条は消滅いたすことになりました。従つて、今後手数料は不要ということになるのでございます。直接条文に現われておりませんが、一つのやはり簡素化の一環ともなろうかと思つております。  それから新六条は、先ほど申上げましたように、届出書類の写を取引所に提出するというのでございまして、大蔵省のみならず取引所におきましても届出書類を備えまして、それを、後に出て来る条文にございますが、一般の公衆の閲覧に供するということによりまして、投資者保護の機会を幾分なりとも増すことにいたしたいという趣旨のものでございます。第七条は、訂正届出書に関することでございます。これは条文の整備程度の改正でございます。  第八条につきましても同様、他の条文が改められたために伴う字句の整備でございます。第九条、第十一条も同様でございます。  それから第十二条でございますが、先ほど申上げましたように、届出書類の写を取引所へ提出するのでございますが、届出の後におきまして、その届出が訂正された場合に、その訂正の写を同様な趣旨から取引所に出すという規定でございます。第十三条は、先ほどの届出の範囲の縮小と、それから内容の縮小というのに即応いたしまして、目論見書の簡素化に関する相当重要な条文でございます。従来届出書に記載された事項と同様の内容を有する目論見書を作成して募集をいたすわけなのでございます。目論見書は、その性質上届出書そのものを要約或いは省略して、極く見やすいものにして作成するのがよろしいかと思うわけでございます。従来条文の不備その他によりまして、ややもすれば非常に詳しい目論見書がそのまま使用されるということで、案外役に立つておらなかつた面等もあるのでございます。その他に会社側の負担軽減等を図りまして、新十三条におきましては目論見書が相当利用価値を増す、即ち簡単になるがために却つてわかりよくなる、又作成の負担も減るという効果を狙つて改正を図つたわけでございます。その主な点は、改正としては簡単でありますが、二十五ページの第三項でございますが、従来の「目論見書に記載すべき事項」とありますのを「内容」と改めます。表現としては簡単でございますが、「内容」と改めることによりまして、省略可能の範囲が非常に増すことになるのでございます。これによりまして非常にわかりやすい目論見書、而も手数としても極めて簡単なものを作ることができるようになるということが狙いでございます。第十四条は大した改正ではございませんが、目論見書作成後一年を経た後の目論見書に関して規定している条文でございますが、これについて成るべく最近の状況を書かせるという意味から、従来の「一年以内」というのを「六カ月以内」と改めた次第でございます。  次に、二十八ページの第十五条の改正でございます。これは意義としては余り変りませんが、非常に従来の条文がわかりにくかつたのを、わかりやすく字句整備を行つた程度のものでございます。それから三十一ページの十八条の規定でございます。十八条の規定は、連帯賠償責任を規定しているものでありまして、届出に虚偽の記載その他があつた場合に、そのために損害を被つたものが、届出者その他の関係者に賠償を請求する場合に、その関係者が連帯して責を負うという趣旨の規定でございます。従来は、旧条文にございますように、有価証券の届出書の届出者のみならず、それに関する関係者……三十二ページ、三十三ページの下段にございますが、届出書に判を押した者とか、或いは役員の候補者或いは技術者、鑑定人というふうなものが皆連帯して責を負うということになつているのでございますが、非常に厳密な、又極めて適用のしにくい規定でありまして、我が国の現状におきましては、届出者にその義務を負わせることによつて十分であろうという趣旨から、十八条を改正いたしまして、当該有価証券の届出書の届出者のみに賠償責任を負わせるということにいたしたのでございます。従いまして、十八条はその趣旨から極めて簡単になりましたし、三十四ページにあります十九条も、同趣旨から不要になりまして削除となつたわけであります。二十条までは大体今申しました趣旨の改正に伴う字句整備的なものでございます。第二十二条を削除いたします理由も、同じく同様の趣旨でございます。  四十二ページの第二十四条の改正でございます。これは、一旦政府に対しまして有価証券の募集又は売出の届出書の提出をいたしました者が、その後事業年度毎に新たな経理内容その他の事実を報告する、言わばその報告書によりまして、常に最近の経理状態その他が明かになることが望ましいという意味から規定されている、有価証券報告書の提出に関する規定でございます。従来の規定はやや不備がございますので、報告書の記載事項を例示して字句を整備いたしましたことと、先ほど届出書のところで申上げましたように、その写を証券取引所に出すのと同じ趣旨から報告書の写をやはり取引所に提出するということを規定したものでございます。その第三項に書いてありますことは、訂正があつた場合に訂正の写の提出でございまして、届出書の場合と趣旨は同様でございます。  次は、四十四ページの第二十五条の規定でございます。第二十五条は届出書及び前条にありました報告書の公衆に対する縦覧の規定でございます。届出書及び報告書は、従来は大蔵省におきましてこれを随時公衆の縦覧に供するということによつて、正確な投資資料を投資者に提供しておつたわけでございます。今回は大蔵省のみならず有価証券の発行者、それから第三項におきまして先ほど申上げました取引所等にもそれをさせる趣旨のことを規定したものでございます。先ず第一番に第一項の大蔵省の場合でございますが、これはその閲覧に供することにつきましては従来通りでございますが、従来の法律ではこれらの書類を永久に備え置いて、公衆の縦覧に供しなければならないように、つまり備え置くことと縦覧に供することとの期間というものを設けておらなかつたのでありますが、今回但書を付けまして、五年間に限つて備え置いて縦覧に供する。五年以上たつたものに関しては、備え置くことと縦覧に供することは要らないものとして、その備え置きと縦覧に供することの期間を定めたのでございます。第二項は有価証券の発行者はその本店又は主要な支店において、その届出書等の写を備え置いて縦覧に供する。第三項は、先ほどありました規定によりまして、写が取引所に提出された場合、取引所においてこれを縦覧に供するという趣旨の規定でございます。それから新第五項は、従来届出書等の内容にはかなり常業上の機密等を規定しておるものがございまして、これは会社の申出によつて大蔵大臣が承認をいたしまして、公衆の縦覧に供しないことができる規定がございます。それと同趣旨から写を出す場合も、その部分については秘密保持の立場から削除してもよろしいという規定でございます。次の第二十七条は条文の整理でございます。  二十八条以降八十ページの七十三条のところまでは証券業者に関する規定でございますが、説明の便宜上あと廻しにいたしまして、八十条、八十一ページにございます証券取引所に関する改正の部分について申上げます。  八十条の改正は、従来条文が不備でございまして証券取引所の名称の使用につきまして規定が十分でなかつた憾みがありますので、名称の使用及びその使用禁止に関する規定を第三項、第四項に追加したものでございます。  それから八十一条第二項の改正は重要な改正でございますが、従来証券取引所の設立は、大蔵省に備える証券取引所の登録原簿に登録をするということで、全く証券業者と同様な扱いによつて律せられておつたものでございます。証券取引所の公共性、その機能が非常に一般国民に及ぶところが広いという意味から、今度その設立を公益の立場から検討するという意味で、免許制を採用するということにいたしたので、設立免許制でございます、二項にその趣旨のことが規定されておるわけでございます。八十二条はその免許申請の手続に関する規定でございます。八十三条は免許申請があつた場合の審査の基準を規定したものでございます。八十四ページに大体審査の基準が掲げてあるのでございますが、従来の八十五条にありました趣旨と大体同様の趣旨を盛つたものでございます。それからその第二項は免許の資格がない、いわば免許を受ける資格がない、免許の欠格原因とでも申しますか、その原因について列挙的に規定したものでございます。  それから八十四条に参りまして、八十四条は免許又は不免許の場合の手続的な規定でございます。それから九十ページの八十五条でございます。これは免許取消の事由を規定したものでありまして、前に列挙してありますような免許すべからざる事由が後に発見された場合にこれを取り消す趣旨の規定でございます。  それから九十二ページの八十五条の二という条文でございますが、これは新設されて条文でありまして、取引所の根本的な、いわば憲法と言うべき定款、それから取引所が如何なる取引方法により如何なる手続で有価証券の売買をするか等の根本的な規定を盛つたところの業務規程、それから、証券業者が一般投資者から如何なる手続或は方法で売買の契約の委託を受けるかという問題を規定した受託契約準則等、いわば基本的な、公益に関係のある規定でありますが、これらの規定に関しましては、その規定の変更について大蔵大臣の認可を必要とするということにいたしたのでございます。従来はこれらの重要規定は単なる届出でよろしいことになつておりました。その点やや不備があるかと思うのでありまして、それを認可に改めるわけでございます。  それから九十六ページの九十七条の改正でございますが、これは余り重要な改正でございませんが、その第二項におきまして特別な法律により法人の発行する債券を会員信認金に充てることができる証券として規定いたしたのでございます。その内容は鉄道債券或いは電信電話債券等の、今回新たに発行されるようになつた種類の債券を追加いたす意味での改正でございます。  それから次のページにあります第百条の改正、これは非常に重要な改正かと存ずるのでございます。取引所の理事機関の選任方法に関して規定を改めたのでございます。従来の役員の選任方法は、九十七ページの下欄にございますように、理事長、理事、監事すべて会員が選挙するということになつておりまして、即ち直接選挙であつたのでございます。新条文におきましては、「理事及び監事は、第三項の規定により選任される理事を除き、」、第三項はのちほど申上げますが、これは選挙なのであります。ただ理事長は従来は役員というのに含めますので、当然直接選挙になつておつたわけでございますが、新条文においては、定款の定めるところにより理事がこれを選挙する。即ち会員から直接選挙された理事が、今度は間接的に理事長を選挙するという体制をとつたのでございまして、その趣旨は会員からの直接選挙にいたしますと、広く取引所の代表者としての理事長と広い範囲から求めるということが、従来の経緯から言つてやや困難があるのでございます。それを、一般会員から選ばれました理事が取引所という立場をいわば離れて広い視野から適任者を選ぶということが可能になつたと思うのであります。そういう意味から理事長は理事の選挙ということに変更いたしたのでございます。  それから第三項にあります理事でありますが、これは俗に公益代表理事と言つておりますが、役員は会員の直接選挙にいたす場合には、ややもすれば先ほど申上げたように狭い範囲から選ばれるということで、広く学識経験者その他公益の立場から業務を執行する役員の選任がとかく疎かになるのでございまして、この際理事長を、先ほど申上げましたように、その選任を改めると同時に、「定款に特別の定がある場合には、理事の過半数の同意を得て、定款で定める数の理事を選任する。」ということにいたしまして、理事長が理事長として広い視野から最も適任者を選任する。併しこれも勝手にしてはならないのでありまして、先に選ばれた理事の過半数の同意を必要とするということにいたしまして、単に証券業者という、会員という狭い視野から選ぶということでなく、広い意味から最も公益的に運営にふさわしい理事を得るというための途を開いた規定でございます。  以下条文整理的なものが多いのでございまして、百十条の改正以下はちよつと改正としては大きい改正でございます。先ず百十条でございますが、これは有価証券の上場に関する規定でございます。以下数条上場に関する規定でございますが、従来の上場制度について申上げますと、従来は有価証券を取引所に上場する場合に二通りの方法があつたわけでございまして、一つは旧法の百十条、百一ページの下欄にこれはございますが、有価証券の発行者の申請によりまして、証券取引所に登録をした有価証券、これを上場するというのが一つの方法であります。それからもう一つは従来の百十三条にありますのでありますが、上場登録を必要としないで、大蔵大臣の承認を受けて上場する二通りの途があつたのでございます。これはアメリカの法律に従いましてかような構成をとつて参つたものと思うのでございます。我が国の実情はややこれと異るのでありまして、二つに分けて規定する必要はないのでございます。のみならず発行者の申請によつて登録をしなければならないということから、非常にその登録が遅延いたしまして場外において場合によつて好ましからざる事態が起る場合が間々実例としてもあつたわけでございます。このために上場を今後円滑にして行くということと、それから上場申請に当りまして発行者に相当な手数負担がかかる、その手数負担をこの際軽減するという趣旨から、これらの上場登録に関する複雑な規定は法律からは削除いたしまして、取引所と発行者との上場契約の問題、即ち内部的な問題にいたしまして、法律上の問題といたしましては単に大蔵大臣の承認を受ければいいということにいたしまして、いわばその上場制度の円滑な運用に資することが望ましいという趣旨から、新第百十条は先ほど申上げた二つの場合を区別しないで、大蔵大臣の承認を受けて上場するということにいたしたのでございます。  それから第百十一条は、これは全く新らしい規定でございますが、新株の発行された場合の上場命令の規定でございます。従来場外において好ましからざる取引が行われた事例は、主としてこの新株の取引にあつたのでございます。そもそも新株の上場がいいか悪いかという問題は、すでに旧株が発行されて上場されている場合に、新株自体が上場が不適格かどうかということは、実は前に旧株が上場されておれば新株は当然上場されなければならないはずでございますが、それが先ほど申上げましたように、いろいろ手続の複雑性その他によりまして遅延することがある、場合によりましては発行者或いは証券業者の都合によりまして上場が遅れる、即ち場外において取引が繁盛になるというふうなことがあつたわけであります。百十一条の規定は、すでに取引所に上場されておる株式の発行者が新たに発行する株式、即ち増資新株につきまして場合によりましては上場命令を出し得る途を開いたのでございます。これが一般の株式全部について上場命令を出すということになりますと、種々弊害が生ずるかと思うのでありますが、ここで増資新株だげに限つたのでございまして、これによりましてこの命令の濫用は行われないことは勿論でありますが、当然上場すべきであるのにかかわらず、種々の事態によりまして遅延いたしまして、場外において不測の事態が生ずることを防止するためにかような規定を置いたのでございます。  百六ページの百十二条の規定でございますが、これは上場廃止をする場合に大蔵大臣の承認を要する規定でございます。これは現行の百十四条と同趣旨の規定でございます。それから百八ページの百十三条の規定も現行の百十四条と同趣旨の規定でございます。以下百十四条から百十六条までは削除されました。百十三ページの百十八条の規定でありますが、百十八条の規定は取引所に上場されている有価証券に関する報告書の提出の問題でございます。これは従来からも規定がありましたが、条文をわかりやすく整理いたしたことが主なる趣旨でございます。  百十八ページまでは字句整理でございますから飛ばしまして、百十八ページの百三十四条の規定でございます。百三十四条の証券取引所の解散に関する規定でございます。従来の証券取引所の設立の登録制に代りまして免許制を採用したことに関連いたしまして、百三十四条の第二項におきまして、今度は解散につきましても大蔵大臣の認可を受けなければその効力を生じない、これは免許制をとりました当然の結果でありまして、勝手に解散はできないという趣旨の規定でございます。百三十八条以下は登記に関する規定でありまして、これは関係条文の改正に伴いまして字句整理をいたした程度のものでございます。  それから百二十一ページの百五十五条でございますが、これも大体字句整理でございます。百二十二ページの上欄にございますが、その第一項は証券取引所が法令、定款その他に違反した場合の処置に関して規定しているのでございます。従来の規定も大体同趣旨の規定が盛られておりますが、従来は法令又は定款の違反についてのみ処置がとられることになつておりましたが、定款のみならず業務規程或いは受託契約準則と言いますものも、殆んど定款の一部をなすほどの重要な規定でありますので、これらの違反に関しても必要な措置が政府といたしましてはとれるようにすることが必要であると思いまして改正を行なつたものでございます。  それから百二十四ページの百六十六条の改正は、証券取引審議会に関する規定でございます。現在審議会の委員の定数は九名となつておりますが、証券取引がその及ぶ範囲が非常に広い、従いまして利害と申しますか、各方面に影響を持つところの法律でございます。それがためには現在九名では各分野の知識を網羅するためには定数がやや不足でございますので、この際四名を増員いたしまして十三人にいたす趣旨の改正でございます。  以下罰則の規定につきましては、必要関係条文の改正に伴なつて、それを受けましての字句整理が主な点でありますが、それと同時に、従来の罰金の規定が他の経済法令に比べてやや低きに過ぎましたのを、他の経済法令との均衡を図りまして引上げたという趣旨の改正でございます。  それから次に附則に参ります。附則は百五十二ページ以下でございます。附則の第一項では政令で施行日をきめることになつておりますが、法案が成立いたしましたらなるべく早い機会に準備を整えまして施行をいたして参りたいというふうに考えるのであります。  第二項の規定は先ほどもちよつと申上げましたが、今後証券業者は株式会社のみに限られることになるわけであります。現在証券業者には有限会社が十五、その他合名会社が一つ、合資会社が二つというふうに株式会社以外のものがございますために、一年を限つて経過規定をおいたものでございます。第三項も同趣旨の規定でございます。第四項に参りまして証券取引所の設立が免許制をとられるに伴いまして、現在登録されておる証券取引所は免許を受けて設立された取引所とみなすという規定でございます。又第五項は現在上場しておる有価証券は一月を限つて承認を受けて上場されている有価証券とみなし、その一カ月間に切替えの必要な手続をとるという趣旨の規定でございます。それから第六項は証券取引審議会の委員の増員に関係いたしまして経過的な任期の規定をおいたのでございます。第七項は先ほども申上げましたが担保附社債券等の届出の免除の規定でございます。それから第八項、第九項は届出の範囲が縮小されましたに伴いまして、従来届出の結果に基いて提出されております有価証券報告書の提出義務も、同様な趣旨から免除することを規定したものでございます。第十項、第十一項は罰則の規定と、設置法の改正の規定でございます。  あと第三章にあります証券業者の関係の改正につきまして、第二課長から御説明を申上げます。

小林鎮夫大蔵省理財局証券第二課長

○説明員(小林鎮夫君) 証券業者の章に関して申上げます。  四十九ページの第二十八条からでございます。第二十八条は先ほどもお話のございました証券業者の組織を株式会社のみに限るということに改正をいたした規定でございます。監督上の措置等を強化いたしまして、証券業者を株式会社のみにいたしたわけでございます。第二十八条第三項、次のページでございますが、これは証券業者の登録申請書に添附いたします書類に関する規定でございまして、「大蔵省令で定めるもの」とありますのは、役員の履歴書、戸籍抄本、それから会社の資産内容に関する調書等を予定いたしておるものでございます。次に第二十九条は、これは株式会社組織に限りましたに伴いまして、登録事項の変更の規定でございます。第三十条の二もこれは条文整理の規定でございます。  それから次に五十四ページでございますが、第三十一条は証券業者の登録申請がございましたときに、どういうものを登録拒否いたすかという登録の拒否の理由を列挙いたしておるものでございます。そのうちに第一号では、株式会社組織に限りました関係上、当然株式会社の者に限られるのでございます。次に第二号にあります資本の額が「政令で定めるものに満たない会社」、これは現行規定もその通りでございますが、ただ条文の号の移動でございます。第三号は、これは新らしい規定でございまして、証券業の開業前に資産を充実する必要があると考えられるわけでございまして、資本の額につきましては、政令で定めました金額を以て登録の申請がございますが、従来の例を見ますると、中には既存の会社でありまして、多大の損失を計上いたしておりまするもの等を買収いたしまして証券業者になろうとする場合、或いは既存の会社であつて他の業を営んでおります会社であつて、証券会社に業務の転換をいたす申請があるといつた場合におきまして、資本の額は成るほど登記簿上は政令で定めました金額を持つておりましても、これが不良資産、損失を多額に持つておりまする場合等におきまして、証券業を営むに適当な資本に、資産内容に限るわけでございまして、開業の際におきまして、資産内容の充実したものでありませんでしたら、その後におきまして事故が起きるということを考えまして、特にここでその開業資産の内容といたしまして、資産の合計金額から負債の合計金額を控除した額、つまり純資産額が政令できめました資本の額の九割に相当する額を少くとも持つておることを必要とする、こういうことにいたしたわけでございます。次の四号、五号から八号までの登録拒否、これは現在ある規定そのままでございまして、号の移動でございます。次に、五十七ページの第九号でございます。これは証券会社の役員はどういうものにつきましてこれを不適と認めて拒否をするかということにつきましての規定でございまして、現在役員として不適格として拒否をする、こういうことになつておりまするものは、次のイ号以下ホまででございまして、そのうちに九号の改正点といたしましたのは、現在は取締役、法律上の取締役として登記せられておりまする役員に限りましてこの規定の適用がございますが、今後相談役、顧問とか、取締役ではございませんでも、そういつた名称を持つ持たぬにかかわらず、取締役と同等の支配力を会社に対して持つておるものと認められるものにつきましても、取締役と同様に会社の経営に参加いたしますることが不適当と認められまするものでありますれば、それを特にそういつた取締役に準ずるような人を取締役と認めまして、不適当と認める原因とする、こういうふうに改正いたしたわけでございます。  五十八ページの次の第三十一条二項は、これは先にお話申しました開業の際には純資産を所有することを要することに関係いたしまして、その金額の計算方法を政令で定めることといたしたわけでございます。政令の内容は、資産といたしましては流動資産、固定資産、負債といたしましては短期負債、長期負債といたしております。  次に、第三十二条でございますが、これは証券業の登録事項につきまして変更のありましたときに届出をいたしまする規定について、大蔵省令によつてその添附書類を定めることといたしたわけでございまして、大体変更事項を証する書面とか、或いは役員につきまして変更のありました場合は、役員の履歴書等を予定をいたしておるわけでございます。次の第三十三条の二項は、これは条文の整理に関係するものでございます。三十六条も同じく条文整理の関係でございます。次に第三十七条、これは証券業者が営業を開始いたしますときは、大蔵大臣に届出をするという規定に現在なつておるのでございますが、それを単に「証券業者は、」とする、現行の規定のいたし方を見ますると、本店の場合だけに限られるごとく思われる虞れがございまして、特にここの条文におきまして各営業所、代理店等と、各店舗ごとに営業開始の届出をするように改正したわけでございます。第三十八条、これは各店舗におきまして営業開始を届出をしてから三カ月以内にいたしませんと、又三カ月以上営業の休止をいたしまする場合について、これを審問の上取消をするという規定がございまするが、この規定につきましても、前条文と同じく各営業所、代理店ごとに登録の取消をするというように改めたわけでございます。第三十九条は、これは条文整理の関係の規定でございます。  次のページの第三十九条二項でございますが、これもやはり前条文と同様でございまして、営業所ごとに登録の取消をするという意味におきまして分けて規定をいたしたわけでございます。次に第四十条でございます。第四十条の規定は、これは証券業者が持つていなければならないものと要求されまする営業用純資本額というものと、それから証券業者の負債をいたす場合、その負債の額の純資本額に対する大蔵省から指示された率、つまり二十倍でございますが、二十倍を超えた場合には営業の停止をしなければならないという規定が現在あるのでございます。これは証券業者の即時の支弁能力を確保いたしまするための規定でございまするが、この規定は現行によりますると、そういう状態になりました場合は直ちに営業停止を命じなければならないごとく規定されておるのでございますが、この証券業者の営業用の純資本額の内容と申しまするものは、主として所有有価証券でございまするので、有価証券の変動によりまして毎日その内容が変つておるという状態でございますので、必ずしも一定の時点を捉えまして、この法律の規定に該当いたしましても、直ちに営業停止を命ずる必要のない場合もございますので、そういう場合を考えまして、現在の規定の営業停止を「命ずることができる。」というふうに改めたわけでございます。二項、三項は右の改正に伴いまする規定の改正でございます。次に第四十一条でございますが、第四十一条の二項でございます。これは証券業者が、営業の保証のために、営業保証金を供託いたすことになつておりますが、その営業保証金は、金銭の代りに有価証券を以てこれに充当することができることになつておる、その充当することのできまする証券の範囲を、現在の規定では、国債、地方債及び特別の法律によつて発行する債券又は社債券とあるわけでございますが、これを、特別の法律によつて発行する債券にいたしましても社債券にいたしましても、ともに営業保証金の代りに納めるにふさわしいという債券乃至社債券に限りまして、大蔵省令で定めるものといたしておるわけでございます。債券につきましては日銀の優遇社債に限り予定いたしております。特別の法律によつて発行する債券につきましては、それぞれ具体的に定めるというふうに考えておるわけでございます。  次に第四十八条でございます。これは証券業者が売買をいたしました場合に顧客に交付いたしますところの売買報告書に関する規定でございますが、現在その報告書は大蔵省令で様式を定めておりますが、様式まで定める必要はない、単に報告書に記載する事項を定めることにとどめて差支えないと考えますので、様式を削除いたしまして大蔵省令で定めるということに改正いたしたのであります。  次に第四十九条の改正でございます。第四十九条は証券業者が顧客に有価証券の売買をいたします場合に、顧客に信用の供与をいたしますが、これは買付株の代金の貸付をし、売付の場合につきましてはその売付けた証券の貸付をする、こういう場合につきまして一定の制限を設けているわけでございまして、現在の規定はそういう立替えない貸付をいたします場合の額は、取引をいたしました証券の時価の大蔵大臣が定めた率を超えてはならないとございまして、現在その率は百分の五十五の範囲において大蔵大臣が承認しているわけであります。現行は百分の五十五になつております。従いまして現在では百分の五十五、即ち五割五分以上の信用の供与はできない。この規定につきまして取引の実情に応じますように、弾力的な運営ができますように今回四十九条の規定の改正を考えたわけでありまして、その改正の規定は現在は信用の供与の額の制限というふうに規定いたしているわけでございまするが、これを現在の取引の実情に合いますように、信用の額、貸付をいたしまする額の制限ということでなく、反対に取引いたします、いろいろの預託いたしますところの金銭の額を抑制するというふうに規定を改めたわけであります。これは規定の趣旨も信用の量の抑制ということよりも、我が国の証券市場の実情に応じまして過当投機の抑制、取引の健全化という点から運営を見るべき性質の規定でございますので、その意味におきまして取引をいたします場合には、預託いたします金銭の額の制限というふうに規定を変えているわけでございます。預託いたします金銭の額につきましては、現在は百分の五十五以上の信用の供与はできませんので、従いまして百分の四十五以上の金銭の額の預託をいたしているわけでありますが、これを証券市場の状況によりまして百分の三十まで下げまして信用ができますように改正をいたしてございます。

森下政一日本社会党(第二控室・右)

○森下政一君 ちよつとそこのところは実際問題としてどういうことですか、もう少しわかりやすく御説明を願います。

小林鎮夫大蔵省理財局証券第二課長

○説明員(小林鎮夫君) 現在証券の売買をいたしまする場合に、普通の現金取引をいたしますると、約定の代金の百円の株を買いますときは百円の金を渡して株を引取る、或いは或る株を売りますると、その株を証券業者に提供して、そうして売付の代金を受取る、こういうのが現物現金の取引でございまするが、そういう現物現金の取引とは別に、現金のうちの、例えば現在現金が入手しておりませんでも、数日後において入手し得る予定の現金を当てることにいたしまして、現在株を取引する、或いは数日後において入手いたします例えば名義書換中の株となつておりますような、現在手許に株がなくても、数日後入手の上その株を渡すといつた場合には、現在株を売りまする場合に、その株を一旦証券業者から借りて売買をいたすわけでございます。そういう取引は、現物現金を以てすぐに引換えに取引をする取引と異りまして、一旦証券業者から約定の代金の一部を借り、又は売付けました株を借りまして、一旦決済をし、後日自分が金なり株なりを入手いたしました際に、それを証券業者に渡しまして決済をする。こういう取引が証券業者から信用を受けて行うところの取引でございます。そういう取引をいたしまする場合に、金がなく又株もないといつたものが取引を無制限にいたしまするということは、これは過当の投機になるわけでございまするので、その場合に証券業者に対しまして現在は約定代金の百分の四十五の金銭を証拠金として提供させる、売付けの場合におきましては、売付けた株の時価の百分の四十五の金銭を証拠金として提供をいたさせておるわけでございます。そういう意味の取引、これを現在信用取引と呼んでおりまするが、その信用取引をやりまする場合につきまして、証券市場の状況によりましては、必ずしも百分の四十五というような金額を提供を求めることなく、証券の値幅の動きと申しますものは一割、二割というような場合もございまして、四割五分もこの価格が一ぺんに変動するということも少い場合もあるわけでございまするので、必ずしも四割五分の金銭の提供を求める必要もないという場合もございまするので、そこに百分の三十といつた、三割といつた程度に、条件によりましては下げ得る途をも開いたわけでございます。  次は五十条でございまするが、この五十条の規定は、これは信用供与に関しまする報告書の規定でございますが、これは削除いたします。必要があれば他の規定によりまして調査ができるわけでございます。次に五十一条でございます。この五十一条の規定は証券業者が顧客から預りました有価証券を担保に入れましたり、他に貸付けをいたします場合についての制限に関する規定でございまするが、これは現行規定通りでございますが、条文を項を分つて規定してありますものを、まとめて規定いたしたわけでございます。次の五十四条は条文整備に関する規定でございます。第五十五条の二でございます。これは証券業者が顧客から有価証券を預る場合が多いわけでございますが、特に財産経理の内容に照らしましてこれを返還し得る見込の少いにもかかわらず、これを預託を受けるといつたような場合は非常に危険な場合も想像せられるのでありますので、証券業者が顧客から有価証券を預る場合につきましての制限の規定を設けたわけでございます。有価証券の借入をし、過当な数量の有価証券の借入若しくは預託を受けるというのは、今申しました財産経理の状況等からいたしまして、不当な数量の借入なり或いは預託を受ける、こういつた場合につきましては新らしく今後将来においてかような会社に対して有価証券の借入をしてはならない、或いは有価証券を現に借入又は預つておる部分について、その全部なり一部なりを返還をすることを命令をする、こういう規定でございます。  次に、第五十六条でございますが、これは外務員の届出に関する規定でございまして、現在大蔵省に外務員の届出をするようになつておりまするが、そのうち特に外務員について所属する営業所名を届けさせるようにしたわけでございます。現在それが欠けておりましたのですが、監督の必要があると思いまして、その所属営業所名の届出をさせるようにしたわけでございます。次に第五十九条でございますが、これは証券業者が法令に違反いたしました等の場合におきまして、営業の停止、登録の取消等の行政処分をやります場合の規定でございます。これは現在の規定で参りますと、この証券業者そのものの登録を取消したり営業停止を命ずることができるだけでございますが、場合によりましてその証券業者の支店、出張所を限り、支店、出張所等の店舗につきましてだけ登録の取消をする、本店は登録を取消しないけれども、違反のありました支店の取消をする。或いは営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができるといたしましたのは、現在営業の全部を停止し、取消を命じますと証券業者は売買業務のほかに、引受けその他いろいろ多方面の営業をしております。売買業者でありましても多種類に及んでおりますので、特に違反のありました一部の営業の停止、その業務のみの停止を命ずることも必要のある場合があると思いまして、営業の全部若しくは一部の停止を命ずることができるというふうに規定の改正をいたしたわけでございます。  次に、第六十二条の三号は、これは証券業者を株式会社組織に限ることにしました改正に伴う規定の改正でございます。次に第七十九ページの七十三条でございます。七十三条の規定は、これは証券業協会がその会員であります証券業者に対しまして除名その他会員権の停止等の制裁を加えるといつた場合におきまして、その制裁について大蔵大臣が再審査をするという規定が現在あるわけでございますが、証券業協会の処分と申しましても、これは会員に対しまする影響も軽微でございますので、これを大蔵大臣が再審査をしてその取消をするといつたような必要はないと存じます。現在証券取引所につきましては、証券業協会よりも更に関係の深い会員にとりまして影響のある証券取引所についても、その規定もないものでございますので、特にこの規定を削除することにいたしました。  以上が証券業者に関する規定の改正の要点でございました。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 次に証券投資信託法の一部改正法案について、内容の説明を聴取いたします。

小林鎮夫大蔵省理財局証券第二課長

○説明員(小林鎮夫君) 証券投資信託法の一部改正法規につきまして、新旧対照表によりまして御説明を申上げます。  新旧対照表の三ページでございます。第二条の三項の改正でございます。証券投資信託の委託会社は現在登録制度でございまして、登録によりまして自由に開業ができるとなつておるのでございますが、今回この法律の改正によりまして、免許制度を採用いたしたいと、こういうふうに考えました規定を設けておるのでございます。第二条の三項は、それに関係いたしまして、委託会社の定義を明らかにいたしたわけでございます。第四条は、証券投資信託契約を何人が結ぶことができるかという契約の締結者に関する規定でございますが、これを委託者、現在は登録原簿に登録されたものとなつておるのでありますが、これを委託会社が登録することもできるとなつておりまして、あとの委託会社の免許制度の規定の前提を書いておるわけでございます。第四条の二項の資本の額は、これは商法にあります資本の額に合わした改正であります。第五条は、受益証券に関する規定の改正でございます。六ぺ一ジの第七項でございます。現在投資信託の形といたしましては、契約に当りまして、信託契約によりまして、投資信託をいたしておるわけでございまして、その契約型の投資信託のうちに、元本があらかじめ定められまして、その元本を追加することができないという形と、それから元本がその後追加することができる。例えば、最初十億円といたしましても、その後におきまして更に十億を追加いたしまして二十億とし、一つの信託財産としてこれをまとめまして運用することができる形とあるわけでございます。で、この第七項に置きましたのは、その後者の信託元本の追加をすることができる投資信託、普通これはオープン型と申しておりますが、この投資信託につきまして、その投資信託の受益証券には、次の二つの事項を更に規定をさせることといたしたわけでございます。第一は追加信託をすることができる元本の限度額、これは追加信託をいたしまする場合におきましても、その限度をどこに置くかということを、あらかじめ定めさせておきまして、その定めました限度の額を受益証券上に明記して置くわけでございます。その二は、受益証券は、この追加信託による場合でありまする場合は、今までに発行されました、追加信託した信託元本の額、受益権の口数を記載する。こういうふうになつておるわけでございます。これは追加信託のできる証券の投資信託につきまして、従来規定がございませんでしたので、特にこの際これを規定をすることといたしたわけでございます。  第二章、委託会社の免許の件、第二章は委託会社につきまして、免許制度を採用いたしましたのに伴いまする規定の改正でございます。現在の委託会社は七社でございますが、この登録によりまして、現行制度では一定の登録拒否の要件に該当いたさない限り、如何なる会社でもこれは登録を受けることができるわけでございまして、実質的にその内容を審査するということに欠けるわけでございますので、特に委託会社の公共性に鑑みまして、免許制度の採用をいたしておるわけでございます。  第六条は、委託会社は免許を受けなければならないこととし、二項三項におきまして免許の際に届け出まする免許申請上これに添付いたしまする書類についての規定でございます。  次に、十ページの第七条でございますが、これは委託会社を免許いたしまする場合の免許の基準につきまして規定をいたしたものでございます。第一項は、免許の場合の積極的な基準と申しまするか、こういう要件に該当したものは免許を受けることができるという積極的な要件を記載したものでございまして、第一は、「免許申請者の人的構成及び有価証券への投資の経験及び能力並びに証券市場の状況等に照らし、当該免許申請者が証券投資信託の委託者としての業務を行うにつき十分な適格性を有するものであること。」二は、「証券投資信託の委託者としての業務の収支見込が良好であること。」この二つの事項を積極的なる要件として規定いたしたわけでございます。  第二項は、消極的な基準と申しまするか、こういうような第二項に書きましたような場合は、これは免許をいたさない、免許を拒否する場合の条件でございます。これは、一が、資本金が五千万円に満たない会社。二は、法律で刑罰に処せられた会社。三は、これは証券取引法なり、証券投資信託法によりまして免許又は登録取消処分を受けた会社でございます。次のページの四号は、これは役員について不適当なものがある場合に、これを拒否いたしまする場合の規定でございまして、先ほど述べました証券業者の役員の不適当なりといたします要件と同じような要件が書いてございます。十五ページの第八条は、免許を与えない場合におきまして、審問をいたします場合の規定でございます。免許をいたさないという場合におきましては、特に免許申請者に面接し、その事情を調べ、内容を聞いてからその処分を行うというための規定でございます。第九条は、これは免許申請書に記載いたしましたその変更事項に関する規定でございます。第十条及び第十一条は、これは登録制度を廃止いたしましたに伴いまして削除をいたしました。  第三章、委託会社の業務に関する規定でございますが、このうち改正になりましたのは、二十八ページの十六条でございます。委託会社は、現在金銭の貸付をいたすということを禁止されているわけでございます。信託財産として持つております金銭は、これを貸付をすることを禁止しているわけでございますが、不良貸付とか焦付き等によりまして、信託財産に不測の損失を与えることを恐れまして、金銭の貸付は、これを禁じているわけでございますけれども、今回の改正によりましては、コールローンに運用する場合に、これを除くようにいたしたのでございます。証券の信託財産におきまして、持つております金銭は、これは証券市場の状況によりまして、株式を貸付をする。高い場合は見送つて、証券が値下りしている場合にこれを買付をする。或いは証券と証券との乗替えをするといつたように、一時の期間、極く短期間におきまして、証券投資のために、待機する意味におきまして、一部の資金が金銭となつているわけでございます。これをコールローンにいたしますることは、別に危険等もなく、投資信託が金銭の貸付を禁じました趣旨にも反しないわけでございますから、特にそういつた待機資金の運用に弾力性を与える意味におきまして、コールローンに運用することを認めることといたしたわけでございます。  次に第四章、監督規定でございます。三十四ページにございます。第二十条の二でございます。これは役員の兼職の制限につきまして、規定を新たに設けたわけであります。免許制度といたします委託会社の公共性に伴いまして、一般金融機関におきまして、常勤役員につきまして兼職の制限を設けていると同じ趣旨を以ちましてその業務に専念をせしめるために、委託会社の役員につきまして兼職制限の規定を設けたわけでございます。第二十条の三は、免許利度採用に伴いまして、委託会社が勝手に廃業し、解散する等のことを避けるために、特に廃業、解散につきまして認可を受けることを要するといたしたわけでございます。第二十条の四でございますが、これは委託会社の合併、第一項委託会社の合併の場合におきまして、債権者の異議申立期間を、これを一般商法の第四条第一項に規定する一定の期間は、同項但書の見定にかかわらず一月まで短縮することができるという規定でございます。第二項は株式併合の場合におきまする規定でございまして、いずれもそういつた場合に委託会社の地位を速かに安定せしめるという意味におきまして、商法の除外例を設けたわけでございます。次に第二十一条、これは委託会社、受託会社等から報告を徴収し、その業務を検査する意味の規定でございます。現在報告の徴収につきましては、委託会社、受託会社両方につきまして報告が徴収し得ることになつておりますが、検査につきましては委託会社に限られているわけでありますが、受託会社、実際に信託財産を保管をしておりまするところの信託会社でございますが、この受託会社につきましてその業務の検査をすることも、必要のある場合もありますと思いますので、受託会社につきましても検査をし得るように改正をいたしました。なお併せて委託会社、受託会社ともに現在その地位になくても、曾つてその地位にあつたものにつきまして検査をし得ることといたしたわけでございます。次に第二十二条でございまするが、これは委託会社の免許の取消に関する規定でございます。委託会社が積極的に免許を受けまする際に、免許拒否原因を七条に書いているわけでございまするが、その原因に後におきまして該当いたしました場合に免許を取消します。或いは第二項は法令違反等によりまする不正な手段によりまして免許を得まして後に、そのことがわかつた場合においてこれを取消す、こういう場合が出て来るのです。二項はその場合における単なる手続の規定でございます。次に、第二十三条でございますが、二十三条は委託会社が法律に違反したりその他不適当なる行為をやりました場合に、監督上必要な行政処分をいたしまするについての規定でございます。免許制度を採用いたしましたに伴いまして、現にあります監督上の処分につきまして、これを強化をいたしました規定を設けておるわけでございます。特に二十三条一項一号のイで書きましたのは、信託契約を新たに締結し又は現に存しまする信託契約についての元本の追加信託をすることを認めないということを新らしく規定をいたしたのでございます。  ハはこれは免許の取消の規定でありまして、免許制度の採用に伴いまして、そういつた違法又は不適当と認められる場合におきまして、免許取消の規定を設けたわけでございます。二十三条の一項二号、これは役員につきましての解任の命令に関する規定でございます。第二項はこれは行政処分をいたしました場合の手続に関する規定でございます。三項も同じく手続に関する規定でございます。次に二十三条の二でございます。これは委託会社なり受託会社が免許を取消されましたり、又受託会社でありますると、更にその業務の認可の取消を受けました場合につきまして、現にありまするところの信託契約につきまして、これが直ちに解約をいたしまする場合は、証券市場に対する影響又受益証券を持つておりまするところの受益者に対する保護等に欠ける虞れがございますので、その場合につきまして他の委託会社、受託会社に業務の引継ぎを命ずることといたした規定でございます。二項以下はその場合の手続に関する規定でございまして、二項はこれは信託契約につきまして他の会社に引継ぎをいたしまする場合に、他の会社の同意を得られない場合におきましては止むを得ませんので、その会社、現にやつておりまする会社につきまして特に承認を与えまして、暫定的に信託契約の業務を遂行させることを認めた規定でございます。三項、四項はその規定でございます。次に第二十五条の二でございますが、これは免許制度といたしましたに伴いまして、免許及び認可をいたしました事項を直ちに実行しない場合に、その効力を失効せしめるための規定でございます。第二十六条は、これは信託契約の業務に関する規定でございますが、免許の取消をいたしました場合に、この解約をせしめる場合の規定でございます。二項は解約の場合におきまして、前に申しました通りに引継ぎの命令が出ましたときには、引継ぎをいたしまするから、解約の必要はないということであります。  第六章は罰則、これは免許制度を採用いたしましたに伴いまする関係、或いは条文の移動の関係に伴いまして、罰則規定を改正をいたしましたものでございます。  以上がこの法律の改正の本文でございますが、なお附則におきまして現に登録をされておりまする投資信託会社七社につきましては、これはいずれも適格であると認められますので、免許を受けたものとみなす意味の規定を設けてございます。以上でございます。

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕

大矢半次郎自由党

○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。  本日はこれを以て散会いたします。    午後三時四十七分散会

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