水産委員会 第19号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/08/06
会議録
○委員長(森崎隆君) それではこれから委員会を開会いたします。 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題に供します。只今本法律案の提出者、衆議院の水産委員長でございますが、田中委員長の代理として衆議院議員赤路友藏君が見えられております。なお水産庁のほうからは岡井次長が見えております。これより質疑がございましたならば逐次御発言を願います。
○秋山俊一郎君 私は先ほどの合同委員会に出席しておりませんので、或いはその際に質疑があつて、すでに質疑に対して御回答になつたかと思いますが、本水産委員会において一、二お尋ねをして、一、二というより、むしろ一点お伺いしたいのです。これは大変結構な改正でありまして、我々としても非常に歓迎しておりますが、ただ資金の問題、これが現在のところでは初め百億円の資金が本年度の計画によつて二百四十億円になり、更にこの間の凍霜害等によつて九千三百万円が食つ付けられまして、現在ではたしか二百四十億九千三百万円という資金になつておると承知しております。ところで今回新たに漁船の改造、建造又は取得に必要な資金といものを金融公庫から貸出しになつたとき、その資金はどういうふうになつておりましようか、その点を一点お伺いいたしたい。
○委員長(森崎隆君) 赤路さんにお願いいたしますが、午前中松浦委員から御質疑があつたと思いまするが、その御答弁を一つ先に願いまして、引続いて今の秋山委員の御質疑にお答えを頂きたいと思います。
○衆議院議員(赤路友藏君) 午前中農林との合同審議の場合、松浦委員から出ましたのは二十八年度におきますところの開発銀行の全体の融資の枠が一体どれだけあるのか、その中で開発銀行の中小事業部へどれだけ行つておるのか、その中小事業部の中から水産関係に融資さるべき枠が一体どれだけあるのか、こういうようなことであつたのでございます。これに対しまして調査して参りました範囲では、二十八年度の開発銀行のトータルは大体八百八十億というのが大枠になつておるようでありますが、この八百八十億の中でいろいろ、大体これで見てみますと、殆んど今度の開発銀行の融資の重点というものは電力と海運に置かれておる。電力で四百億、海運で二百二十億、こういうことでございまして、水産関係はその他四十五億の中に入つておるわけであります。従つてこれの内部的な区分は未だできておりません。先般来衆議院の金融小委員会におきましても係のかたがたに出て頂きまして、その点を明確にしてもらいたいということを申上げたのでありますが、予算が通過していないので、まだ最終決定には至つていないということで、遂にこれは聞き出し得なかつたのでございます。そこで午前中のこの委員会で、私今秋山先生のほうの御質問のありました二十八年度のこの農林漁業金融公庫の二百四十億何がしの枠のほかに、それでは新らしいこの改正による漁船建造及び改造、つ取得を入れた場合、資金枠が来るのかどうかという問題だと思いますが、私たち当初これを立案いたしましたとき相当その点も考えて見たのでございますが、とにかく差当り急速にやらなければならんということを考えましたのは、今度中小企業金融公庫ができましたことに伴つて、開発銀行の在来ありました中小事業部が解消されまして、その事業体がやつておつたものは、中小企業金融公庫のほうと農林漁業の金融公庫のほうへ分割されて行くことになるわけでございます。その場合開発銀行の中小事業部が在来やつておりました漁船に対する貸出というこのものが迷い子になつて行くところがなくなつてしまう、と申しますことは、中小企業金融公庫のほうでは全然この漁業関係のものは扱つておりませんので、主として販売と製造に金融の対象が置かれておりますし、農林漁業金融公庫のほうへ当然来なければならんわけなんですが、それを持つて参りましても、在来の、この現行の農林漁業の金融公庫法によりますと、漁船に対する貸出の線が出ておりません。勿論漁協自営の分がございますが、在来扱つておりました開発銀行関係のものは全然宙に浮いてしもうというようなことになつておるわけなんであります。従つて非常に急いで法律の立案と、これを一日も早く成文化することを急いだわけなんでございます。私どもの考え方といたしましては、この現在ある農林漁業金融公庫の二百四十億何がしの枠そのものにこれが食い込むということがあつてはならんということを勿論考えておりまして、現在までの開発銀行中小事業部が持つておるその漁船貸出枠を、それだけを一つ本年度は維持してもらいたいということが一点であります。もう一つの点は、当然第六章の補則により第三十二条によつて示されておる復興金融公庫のものと見返資金の債権の継承がなされなければなりません。それによつて先ず一応二十八年度のものは賄つて行つて、二十九年度に改めて一つこの枠に、この条文に対する枠の設定をして頂きたい、こういうことでございます。そうなつて参りますと、それでは開発銀行の中小事業部の漁船建造枠というのは、それじやどれだけあるのかと申しますと、これは本年度の分でははつきりいたしておりませんが、昨年度の実績から参りました場合、大体昨年度はこの中小事業部の貸出の何は大体大約三十三億になつておりまして、この貸出の項目別を大別いたしますと、生活必需産業というのと、それから重要産業、関連産業というほうと輸出産業と大体三つに区別をしておるようでございまして、それでは水産業は一体どこに入るのかと申しますと、開発銀行のほうでは大体これは生活必需品、従つて第一の生活必需品産業の中にこれが入る。昨年の実績で行きますと、十三億八千六百五十六万五千円になつておるようでございまして、その中で漁業及び水産養殖業として一億九百七十二万円出ておるようでございます。で、実質的にそれでは、水産養殖業というものに、例えばこれはのり」とか、貝とかいうことだと思いますが、それに出ておるかというと、昨年度一件も出ておりません。それから漁業と、こう言われておりますが、一体何に出ておるのか。漁具は出ておるかと申しますと、漁具にも出ておりません。漁具は一応運転資金というふうに開発銀行のほうでは見ておりますので、この一億九百七十二万円というもうは漁船建造に出ておるわけです。従つて昨年の実績で行きますと、一億円内外のものは当然本年度、二十八年度にこの法改正によつてこれのほうへ加えるべきものであると、こういうふうに考えておる次第でございます。
○秋山俊一郎君 昨年の開発銀行の水産業への貸出の実績を見ますというと、探鯨船だとか、或いは「かつお」、「まぐろ」漁船、鮭鱒母船、製氷冷凍業というようなものに出ておりまして「かつお」、「まぐろ」漁船の十艘に対しては三億ほど出ておるわけですね。そうすると本年も、まあ先ほど水産庁に伺いました場合に、本年は過般制定せられました「かつお」、「まぐろ」及び以西底引網のトン数増加、即ち大型化ということによつて更に従来よりも船数が新らしくできるもの、或いは改造取得のものが殖えて来るのであつて、それに対する資金は今のところ特別には措置されていなかつたはずです。そうしますというと、まあ本年二十八年度において二十七年度と同じような実績を持つたといたしましても、ここのその他四十五億というものを絶対に出ないのじやないか。そうすると、このうちで金融公庫に入つて来るべきものが大体今お話の一億九百何がし、大体一億、こういうふうに見られるというわけですか。
○衆議院議員(赤路友藏君) ええ。
○秋山俊一郎君 そういたしますと、大体復金或いは見返資金からの償還によるものはどれくらい増を見ておられますか。そこはまだわかりませんか。
○衆議院議員(赤路友藏君) その点はまだわかつておりませんです。トータルは大体復興金庫関係で七億五千万くらい、財源が……。
○秋山俊一郎君 只今の七億何がしというのは水産面だけですね。
○衆議院議員(赤路友藏君) ええ、水産だけでございます。七億五千九百八十四万七千円、これが水産関係の継承……。
○秋山俊一郎君 継承、計画されねばならないあれですね。
○衆議院議員(赤路友藏君) そうです。
○秋山俊一郎君 そうすると、これが幾ら欠けるかということは今のところまだ目度が付かんというわけですね。
○衆議院議員(赤路友藏君) さようでございます。
○秋山俊一郎君 そうしますというと、先ず二十八年度といたしましては、まあ最大限一億、こう抑えて、そうしてもうすぐに二十九年度の予算編成になると思いますが、その際にはこれに相当の額を加えなければならん、こういうわけですね。
○衆議院議員(赤路友藏君) その通りでございます。
○秋山俊一郎君 それでは私は水産庁にちよつと伺いたいと思います。
○委員長(森崎隆君) 水産庁は岡井次長、中里協同組合課長、お二人見えております。
○秋山俊一郎君 そういたしますと、二十九年度においては水産庁はこの資金としてどれくらいを要求するおつもりでありますか。
○説明員(中里久夫君) 今鋭意研究中でございますが、私の腹ずもりは、公庫については五十億乃至六十億くらいな要求になるのじやないかと思います。
○秋山俊一郎君 いや、それは只今公庫に対してはとおつしやつたが、私の伺いたいのは、この改正によつて来たるところの漁船建造又は取得に必要な資金、この意味なんです。今公庫に持つて行きますというと、いろいろなものがありますね。漁港もあれば、その他の水産施設もありますね。それも含めての五十億乃至六十億ですか。
○説明員(中里久夫君) 漁船だけでございます。
○秋山俊一郎君 そうすると、大体漁船の建造その他を見込んでおるところはどれくらいの隻数を見込んでおられますか。これは勿論この前の法律で通つたものも見込んでおるでありましようが。
○衆議院議員(赤路友藏君) 建造の大体見込ですか。
○秋山俊一郎君 いや、この五十億乃至六十億という額の基本です。これは水産庁に……。
○説明員(中里久夫君) これはなかなか算定の基礎がむずかしいのでございますが、大体例年の建造量の二倍近くになるのじやないかと私は思つております。併しこれはまだ決定したことではございませんので、水産庁の漁船の全体の建造計画と、それから水産庁の政策のほうと一致させなぐちやなりませんので、今成案ができているということではございません。
○秋山俊一郎君 そうすると、この五十億乃至六十億というものも、ただあなたの腹ずもりというだけであつて、別段これだけの船ができるから、どうしてもこれだけのものは貸出を要するといつたところまではまだ行つていないわけですね。
○説明員(中里久夫君) まだ行つておりません。
○秋山俊一郎君 それからもう一つ、私はこの親法を持つて来ておりませんのですが、償還期間十五年とありますですね。これは赤路さんにお伺いしますが、これは木船、鉄船を皆突つ込みの十五年ということになりましようか。これは十五年以内じやなくて、たしか十五年でございますね。
○衆議院議員(赤路友藏君) それは十五年以内なんでございます。ところが法律の条文面では、すべて他のものもそういうふうになつておるわけなんです、十五年と……。そうして方法書の中に十五年以内と、こういうふうに出ております。私どものほうのこれを立案いたしました当時の考え方といたしましては、大体のところ十年、それから据置期間を一年ということに大体見ております。
○委員長(森崎隆君) 他に御質疑ございませんか……。それでは質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のあられるかたがたは逐次賛否を明らかにして御発言願いたいと思います。
○秋山俊一郎君 今回の改正は提案者の御趣旨にもあります通り、大きな業者及び組合組織を持つている小漁業者に対しましては、従来それぞれ金融の措置が、或いは開発銀行、或いは農林漁業金融公庫等によつて講ぜられて参つたのでありますが、その中間にあるいわゆる中小企業に属するところの中堅漁業に対して何ら金融の途が講ぜられていなかつたのでありまして、ここにその途を開こうとすることは大変結構なことでありまして、私は満腔の賛意を表するものでありますが、先ほどからお伺いしておりますように、折角法律ができましても、これの裏付けとなるところの資金が貧弱であつては何ら効果を見ることができないのであります。大体本年度、二十八年度におきましては、御説明によりまして、せいぜい一億円くらいのものしか見込まれておらんようでありますが、本年、過般通りましたところの以西底曳漁船及び「かつお」、「まぐろ」の漁船の増トン、改造に必要な資金はかなり需要が増大して来ると思われるのでありまして、当局といたしましては、二十九年度の予算編成に当りまして、この点を十分考慮されまして、これだけのものは是非とも必要であるという資金を算出せられましたならば、強力にこれを大蔵省当局との折衝によつて獲得するということに是非とも努力をして頂きたいと思います。なお先に貸付けてあつたところの復金及び見返資金等からの返済金がありますならば、更に一億追加いたし、加えましてこの資金とすることは勿論でありますけれども、これは多くを期待することができないといたしますならば、ここに浮上つて来るものは僅かに一億、その他昨年の実績によつて開発銀行に持つておる金も四十五億のうちから或る程度あめると思いますが、これはすでに従来の貸出計画によるものである、この法律によつて新たに加えるものが相当多いと思いますから、その点計算の上でしつかりした予算の編成をお願いすることを希望いたしまして本案に賛成いたします。
○委員長(森崎隆君) 他に御発言はございませんか……。それでは討論はこれを以て終結したものと認めます。 それでは農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の採決を行います。本法律案に賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(森崎隆君) 有難うございました。全会一致を以て本法律案は衆議院送付の通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本会議における本法案についての口頭報告は、先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森崎隆君) 御異議ないと認めましてさように決します。 なお例によりまして賛成のおかたは逐次多数意見者の御署名をお願いいたしたいと思います。 多数意見者署名 秋山俊一郎 千田 正 青山 正一 野田 俊作
○委員長(森崎隆君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。 午後二時五十六分散会