水産委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1953/10/08
会議録
○委員長(森崎隆君) それでは只今から委員会を開会いたします。 若干御出席できない議員もおられますが、水害地の出身の方が多うございまして、現地のほうの視察のようでございます。今日の議題の第一といたしまして、先般法律になりました日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律の政令に関する件を議題に供します。 この政令は、その後政府においてすでにでき上つておるというような話もあるようでございますが、まだ具体的なことを聞いておりません。調達庁の山中不動産部長から、この政令について、若しこれができ上つておるものでありますれば、これまでの経過、その内容等御説明を願いたいと思います。
○説明員(山中一朗君) 只今から委員長のお話の、先般御審議可決になりました日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律の政令の経過を御説明いたしたいと存じます。 本法律が可決、通過されます際にも、貴院の附帯決議といたしまして、速かにこれが施行できるようにという御希望がございまして、我々といたしましても、勿論この問題はすでに相当審議期間も長くかかりまして、問題が山積している関係もございます。被害者の方々にも早くこれが補償の途を講じたいと思つて考えておつたわけでもございますし、できるだけ早く政令を作りまして、事務の進捗を図りたいという考えで、一応事前準備もやつておつたわけでございます。本法律が公布されますのは、大体一月以内に公布しなければならない都合上、政令も公布と同時に出したいというのが我々の肚づもりだつたわけであります。従いまして、各省とも寄りまして、或る程度の現在問題になつているものを抜書きいたしまして、大体この程度で政令案ができるのじやないかというので、八月の二十日、大体法律が公布される予定日が二十五日になつておりましたので、八月の二十日の次官会議にこれを出しまして、その次の閣議で通れば仕合せだというので、この提案の準備をいたして次官会議に出したわけでありまするが、遺憾ながら或る程度の了解を各省で得ておつたと思つておりましたところが、若干次官の中にも、この問題についてまだ自分としては見ておらんというような異議もございましたし、又学校教育法等につきまして、一体誰が損害を受ける人になるのか、こういうような問題になりまして、一応留保しようじやないか、我々としましては、これを留保された場合は、法律の公布で政令ができないと若干跛行的な状態で事務を実施しなくちやならんから、成るべく二十五日までに通してもらいたいというのが我々の希望であつたのでありまするが、そこでは留保になつたわけであります。併しながら文部省当局におきましても、私といたしましては、駐留軍の行為その他によりまして、航空法の関係によりまして学校あたりが或る程度の何らかの施設をしなければ教育上障害があるという場合には救済をしなければなん、ほかでできなければ本法律によりましてこの政令で規定するよりほかにないのじやないか、こういうふうな考え方で推し進めておるわけであります。文部省もほかで救済できれば勿論いいが、恐らく救済の途がないからこの政令に盛るよりほか手がないのじやないかというような意見であります。そこで次官会議に出しますにしましても、この問題が財務当局とか或いは文部当局、我々というものが完全な了解に到達しなければ、恐らく政令案の次官会議の通過が覚束ないのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。従いまして事務当局といたしましては、この具体的な事例案をそれぞれ持寄りまして、学校教育法によるととろの学校教育の事業というものをこの規定の中に入れたいと折角検討しております。それから農林省のほうにおきましても、いま少し項目として入れてもらいたいものがある。例えば水源涵養林などを含んだところの水源又は自然用排水路の除去、損壊、変更あたりも入れてもらわなくちやならん点だと、我々のほうとしましては、これは一応用水路の関係で救えるのじやないかという考えも持つておるのでありまするが、これを明示してもらいたいというような農林省の御意見もあるのでありまして、これらの問題につきましても、現在完全な了解点に達しておりません。大蔵省が現在考えておりますのは、非常に狭い範囲でありまして、特に法規課あたりは魚付林或いは漁巣にしても人工によるもののみをこの規定に入れたらいいんじやないかというような意見も係では持つておるようであります。併しながら我々といたしましては、成るほど人工的なものも損壊されて、更にその人工の附加価値分を補償するだけで一応事足りると考えることは、実際の面から言いましても、又事実損害判定の面から言いましても問題があるのじやないか、卑近な例でありまするが、私はよくその場合にも例を引いておるのでありまするが、例えば国立自然公園にしましても、決して植えた木が公園になつておるのじやなくて、自然林をそのまま切らないことにおいて自然美をなしておるのじやないか、魚付林にいたしましても、必ずしも植えたものが生えて魚付林になるのじやなくて、過去にあるものが切られないことにおいてもすでに人工的な一つの措置によつて魚付林としての価値を発生しておるものについては我々としては認めて然るべきじやないか、こういうような議論を繰返しておるわけであります。又この魚付林というのは、私もうつかりしておつたのでありまするが、一応森林法に指定されたものがいわゆる表向きの魚付林であるという議論もあるのでありまするが、この点につきましても、いわゆるその途の常識において相当の規定をされた魚付林としての森林であれば我々としてはいいんじやないか、こういうような点につきましてもいろいろ運営上の疑義がありまして、現在この政令をどの程度に規定するか、この事務当局の成案の終局を得ていないわけであります。併しながらこれを政令ができないからと言うて荏苒日を送るわけにも行きませんし、又過般御審議願い通過いたしました法律の中にも、相当具体的な施設なり行為が法律上規定されておりますので、我々は一応総理府令も施行規則も出しておりますし、又近くこれが出るものという確信の上において、具体的事例につきましてはこういう特損法ができ、政令が施行される際までには、或る程度まで事実上の解決に到達し得るものは到達し得るように予算的措置によりまして、できるだけ一つ一つ現在解決して行つておる事例は多々あるわけであります。こういうわけでありまして、この政令を早く出したいということは各省とも意見が一致しておるのでありまするが、個々の具体的な問題につきまして事実確認が十分できていない、或いはこの問題は必ず明記しなければいけない、他の条項によつて規定するようなことにしては漠然とするとかいうような具体的な事実問題の確認と形式上の問題等いろいろ疑義がございまして、この最終的結論には到達していない状態であります。 甚だ簡単ではありまするが、一応今までの経過を御説明いたしまして私のお答えといたします。
○委員長(森崎隆君) まだ政令ができていないということでございましたら、その内容その他についてはこれ以上御質問申上げることもできないと思いますが、この法律は水産委員会で取扱いました関係上、水産関係の損害だけではなくて、全般の問題について、特に政令で漏れなく一つきめてもらいたいと思います。今も何か魚巣のお話もあつたようでございますが、山中局長のおつしやる通りでございまして、自然の魚巣があるとすれば、これは人工でないと言いましても、これがあるから人工的にはしないわけで、なければ当然そこにやはりそういうものを我我は作るわけであります。自然だろうと人工だろうと、これはもう当然同じだし、それが破壊されることによつて魚撈の損害があるし、施設の損害という意味でも私は意義があると思いますので、十分その点お願いいたしたい。特に政令を作るにつきましては早くやつてもらいたいということが一つと、それからあの法律の中にはつきりと謳われておりました事項以外のあらゆる問題を漏れなく含むような政令を作つてもらいたいのが一つと、もう一つは、この政令自体は今後とも予期せざる種類の特損が私はできると思います。そのたびごとにいち早くその政令の中に盛込むような柔軟性のあるよい意味の、いつでもこの政令は補填、改正のできるような柔軟性を持つてもらいたい。この三点だけは政令を作るときに特に御考慮頂きたい。特にこの問題につきましては、一つ特調のほうでは主導性を握つて、一つ十二分に、当時この法律が通りましたときにも、本委員会の各委員から強く附帯的な意味で要望しましたああいう点も十分勘案されまして、一つ損害を受ける国民全体に不平の起らないように政令を作つて頂くようにお願いいたしたい。 それからこれに関連いたしまして、当時法律ができますまでの過程におきまして手続が非常に複雑であつた。或いは去年の補償すらまだ大部分未解決のままである。手続の問題、支払の問題等、随分あつたのでございますが、その後どんな状況でございますか。もう昨年度のは大体済みましたかどうか。それから手続は非常に簡素化してうまく今のところ運営されておりますかどうか。その点も併せてお願いしたいと思います。
○説明員(山中一朗君) 只今から委員長の御指摘になりました問題に対しまして御答弁を申上げたいのであります。先般の本法律のあの当時の御審議におきましても、事項なり施設を全部法律に盛つたらいいのじやないかという意見の際にも、その都度発生するものについては政令に譲つて弾力性ある運営が却つて法的効果を挙げるのじやなかろうかという御意見もございまして、政令に譲られたその御趣旨につきましては、十分我々も心して運用いたしたいと、こういうふうに考えております。法律に盛つていないものにつきましても、現在水道その他につきまして約三件ほど、まあ金額について若干の問題がありますが、やはり政令ができることを前提としまして、大高根の弾道下の農地の被害につきましても、現在計算をいたしまして資金を交付しておるような状態であります。その他長崎県の双子島の過去或いは講和発効後の損害につきましても、恐らく政令ができたらその中に入ると思いますが、魚巣、魚付林の問題も、これなども昨夜も大蔵省と話をしまして早く実施しようじやないかということで作業を進める段階になつております。その作業と申しますのは、大体資料は我々の手許にありますので、これを整理して予算折衝をする、こういう段階まで相成つております。 それから過去の手続規定につきまして、非常に複雑なものがあることが問題になつておつた、この問題についての検討は如何というお話でございまするが、主として先般当委員会におきまして問題になりました漁業補償の手続の簡易化につきまして、一応支払につきましては本年の三月三十一日、いわゆる過年度分につきましては我々といたしまして一応終りましたのです。今度本年分の四月から九月分の大体漁業被害につきまして、現在各局を通じて資料の調査を行なつている現状でございます。これが手続につきましてどういうふうにするか、大体一回の経験がありましたので、過去の提出書類より如何にしたら簡素化できるかということにつきまして、現在現地の各府県なり或いは調達局とこの四月分から九月分の問題につきまして、手続の簡素化と申しますか、正確にして清楚な形でどういうふうにとれるか、それにつきましては過去の経験に鑑みまして、或る程度の一定比率なり、一つの比率に基いてできやせんかというようないろいろ問題につきまして目下検討しております。ただ権利漁業につきましては、或る程度まで一つの組合代表者の御意見なり、或いは組合のそれぞれの事情精通者の御意見で問題が成る程度まで簡素化できるのでありますが、現在まで到達しましたところの我々の検討におきましては、自由漁業等につきましては、個人別権利義務の関係になりまして、個々の債権債務の確定につきまして、どの程度の資料でお互いが納得できるかという点に実施上の相当疑義があるようであります。勿論手続を簡素化することについては、我々も毛頭やぶさかではなく、むしろ積極的にやりたいと考えておりますが、この権利義務の債権債務の確定の要素を落したようなものができました場合には、将来の争いを解決する手段が資料の上からは出て来ないのではないかというような点につきまして若干疑義の点が出ますので、これをどういうふうに調和するかということについて折角検討中でございます。
○委員長(森崎隆君) 重ねてお尋ねといいますか、あとからこれは福岡県から駐留軍の演習被害補償に関する陳情書というのが昨日か参つております。これはあなたのほうにも多分参つておると思います。これは被害補償金の早期完全支払の要請ですが、その中の文句をちよつと読みますと、こういうようなことが書いてあります。 昭和二十七年度に支払わるべき補償金については先般免許漁業関係につき二千四十八万二千六百三十円(申請額七千七百二万千六百三十三円)を支払われたのでありますが、これは申請額の二六%に過ぎず、許可、自由漁業関係は現在未支払として残つておりますが、他面福岡調達局に対する枠の内示総額は一億三百万円と承わつていますので、これにより推察いたしますと今後支払を受ける許可、自由漁業関係を併せてもその額は申請総額一億五千九百七万千四百六十九円の三分の一程度に決定を見るのではないかと思われるのであります。若しこのような結果になるといたしますと、法律のいわゆる完全補償の趣旨を距ること甚だしく、これでは到底漁民の満足を得られないものと確信いたしますので、枠の大幅増額方特別の御配慮をわずらわしたく要望いたします。 こういうようなことが書いてあるのです。これは福岡県知事杉本勝次氏から来ております。これによりますと、過年度分は、過年度分でまだ支払われていない面があるのですが、大体決定になつたので、現在は支払われておるだろうと思いますが、二十七年度の予算の中で過年度分は大体決定を見たということになると、予算と実際の決定額はどんな見合いでございましようか。昨年はたしか九十二億予算があつたはずですね。その中で昨年度中に解決を見たもの並びに未解決の問題が二十八年度の今日までほぼ決定を見たという今のお話でございましたが、その総額と睨み合せてみると、残余があるとか或いは足らんとかいろいろ問題が出て来ると思う。残余があればこれは当然又紐付のものでございますから、本年度にそのまま同じ意味を以て繰込みされると思う。こういう点もはつきりしたいと思いますが、今その数字がおわかりにならなければ次の機会でもいいと思います。とにかくこの陳情書を見ても過年度分でまだ未支払のものが漁業関係でも相当あるということは、やはり現地の知事の報告の中にはございますので、決定した限りは、一つ早急に支払われるように、特にその中で不満のあるのは、遅いということと、非常に支払の額が請求額との間に隔りがある。この点はやはり損害を受けた人の主張というものは、そう私はむちやなことはないと思います。国に金がないとなれば、これは或る意味では仕方ないと思いますが、一応予算が余るというめどが付けば、これは私はやつてもいいじやないかと思う。予算が余つておるのに、それを又切つて、そしてお前の所にはこれしかやらないというのはおかしい。予算が足りないのでなく、あるのですから、あるものならあるもので、過年分のすべての損害の全体に対してこれを全部配分して、一応決定をみたものについて、二十億なら二十億余つたらこれは全体に按分比例してあとから追加補償するというようなところに持つて行くのが僕は親心だと思うのですがね。そういう点について大蔵省はどんなに考えているかわかりませんけれども、一つあなたのほうでお調べ頂きまして、次回の委員会にでも一つこの数字……。本当に決定したものは、完全支払がいついつまでに完了した、地元が納得した点、納得しない点、こういうような点について、一つ善処方と同時に御報告方を頂きたいと思います。この問題についてはこれで終りたいと思います。 ほかに委員の方々でこの問題について御意見ございませんか。それではちよつと速記をとめて下さい。 午前十一時二十三分速記中止 —————・————— 午後零時四十一分速記開始
○委員長(森崎隆君) 速記を始めて下さい。 本日の委員会はこれを以て散会いたします。 午後零時四十二分散会