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16回国会参議院1953/07/18

水害地緊急対策特別委員会 第11号

発言数
40
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/07/18

会議録

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 本日の委員会を開会いたします。先日事務局を通じて中央本部に要請してありました点について、中央本部から報告を聴取いたします。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 只今委員長からのお話でございまするが、第三回目の配分につきましては、熊本と福岡におのおの三億、残りの四県に各一億ずつを増加いたすことにいたしました。なお従いまして繋ぎ資金の融資額は約三十億でございまするが、そのほかに政府がとりましたその他の融資と併せまして、おおよそ九十億を超える程度になつております。現地からも只今の公共土木を主体といたしておりまする三十億についてもつと増加してほしいという陳情が見えておりまするし、当委員会に対しても現地側からのそういうような要望が伝えられていると思うのでありますが、政府といたしましては先ほど申しました通りの政府の繋ぎ融資或いは災害救助そのほか一般の融資を併せまして九十億を上廻つている金の措置をとりました。おおよその差当つてのことにつきましては先ずこれが第一段階と申しますか、序の口と申しますかの手だてをしたわけであります。  それから先のことについての御要望が現地から出ているわけでございまして、これは十分研究検討をいたしまして、勿論必要な額につきましてはこれは融資その他の方法をしなければならんと思つております。必要な金につきましては決して出すことにやぶさかでないのであります。そこで一方折角行きました資金が現地で以て要望に応えて直ちにそれが貸付けられるようにその方法を考え十分にいたさなければならんのでありまして、目下のところはこの点に十分遺憾のないような措置をとりたい。折角できた金、今後流すべき金が十分に活用されるようにということを考えて方途を講じている次第であります。なお従いまして応急対策の問題といたしまして今残されておる問題は、いわゆる営農の関係でございます。それから又炭鉱をも含めた中小企業に対する対策であります。これらのことにつきましても出来得る範囲で速急に手を打ちたいというふうに考えておるのであります。併しこれは予算案等につきましても昨今の状態で殆んども予算案そのものがきまりかけているというふうなことにもなりますし、国会側と十分に連絡をとりましてこれら営農資金或いは中小企業に対する炭鉱も含めた資金或いは全くの繋ぎ的な融資ということに対しまする応急の措置をとりたいと思うのであります。ただ私どもとして只今もう一つ第二の点につきまして苦慮いたしておりまする点は、普通の災害と違いまして殆んどその農業なり或いは商業の根元から覆えされたという点につきまして、今までのような考え方、或いは少々それを上廻つた考え方でもなお且つこれは救済しにくいという点であります。これは而もその対象になりますものが非常に広範囲なものであるという点でありまして、この点につきましては、只今も水害対策中央本部の分科会の席上から私参つたのでありますが、これらの農家なり或いは商家なり或いは工業者なり、炭鉱業者なりが立上るのに要する資金というものにつきましては、十分衆知を集めて対策をたてたい、このように考えております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 只今の報告に対して質疑のあるかたの発言を求めます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 数字ですけれども、今田中副官房長官の九十億幾らになつているという数字ですね、額……。これは私の知つているのはまだ七十八億のときなんですが、これは農業関係のところではどういうところに融資したのですか。ちよつとお手許にありましたら、今の九十億何ぼの額を……。

永岡光治日本社会党(第四控室・左)

○永岡光治君 内訳をできれば……。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 今三浦委員のおつしやいました七十八億、それに今申上げました十億がつけ加えられまして、八十八億になるような状態であります。そしてそのほかに幾分出たものがあるのであります。丁度私いま分科会の席上から直ちにこちらへ参りまして、資料を何も手持ちしておりませんので、詳しく申上げかねるのでありますが、その七十八億八千万円でございましたか、その表は、その表以後の点につきましても追加いたしまして、新らしい表を差上げたいと思つております。只今のような実情で、七十八億の表につきましては差上げてあるわけであります。内訳があるものを差上げます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 今の私の七十八億というのは、例の大野現地本部長がお帰りになつて、十億を皆さんと御相談なすつて三十億に繋ぎをした、その三十億を入れて七十八億二千七百万円ということなんです。実はたしか農林中金とか、そういうものから出たやにも聞いておるのですが、あとで資料を、内訳けをつけてお届け願いたいと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) ほかに質疑のかたありませんか。なければ委員長から要望しますがね。只今報告はそういう抽象的なことを委員長は要望したのではないのです。大体政府委員のかたがたは、研究して次回に報告申上げますとか言つて、いつも委員会を一応逃げられる。そうしてこちらから要求しないと、なかなか報告しない。もう少し私は具体的な報告を聴取したかつたということは、先ほども私ちよつてここで申上げたように、大野国務相は中間報告のときに、要望事項というものをまとめて、当委員会に政府のほうから報告している。これを早急に幹事会で結論を出して、一日も早く福岡の現地に帰りたい。結論出さないで帰つても仕方がないから、一日も早く結論出して、それをみやげに帰りたい。だから、それをどの程度に検討されて、いつそれを持つて大野さんは現地にお帰りになるのか、そういう点を報告願いたい。それから又、都道府県知事から百億の繋ぎ資金の増額の要望ですが、これは十三日に大野国務相は初めて聞いた。至急に検討すると言つた。十四日の日に、本部長である緒方副総理を本委員会に喚んで、所見を質そうとしたが、本日その点について協議することになつているから、今日は本委員会に喚んでくれるな。協議するというお話、それでは協議が終つたら、できるだけ早く本委員会に報告してくれと言つたが、その後うんともすんとも言わない。その後すでに現地は再び雨が降つて、再災害が起つている。所によつては、栄養失調患者が出ておる状況です。ですから、本委員会として具体的にどれだけ、幹事会で追加して、現地の繋ぎ融資の額を、百億を知事会が要望した。その検討した結果は、どういうふうになつているか、その点抽象的でなく、具体的な、いつどれだけやつたという、いつこれをやる見込みだという点を、ここの審議の都合上報告を聴取いたしたいという意味で、本日の委員会を開き、事務局を通じてあなたのほうにそういうことを要求しておつたわけです。もう少しそれらの点について明確に御答弁願いたい。大野国務相の問題、それから緒方副総理の百億検討の経過並びに結果、現段階、そういう点について御答弁願いたい。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 百億の問題につきましては、先ほど申上げた通りでございまして、大野現地本部長もずつと中央本部の会議に出席をしておられます。我々を鞭撻しておられた。従いまして百億の問題につきましては、今申上げましたように、差当つての序の口の手段は応講じておるということでありますので、あと現地の要求につきまして十分検討をいたさなければならんと思つております。その点であと幾ら繋ぎ融資が実際に必要なのか、或いは現実にそれだけ出ているのか、直ちに活用されるものなのか、その点を只今検討いたしておる。それから例えば栄養失調の問題につきましては、これは連日対策と申しますか、処置はとつておりまするが、例えばほかの地区はこれほどでもないのでありますが、熊本におきましては収容患者が大体一万人おりますが、全般的の検診と言いましようか、一応調べました結果から見ますると、栄養を失いかけておる心配のある者が約二万人ぐらいと推定されると、こういうことであります。それでこれらも数日前でありまするけれども、日々報告を聞いております結果は、そういうふうなことが判明いたしましたので、これは直ちに救済物資等を熊本に即日手配するようにというので、東京からもケア物資を送りました。又現地に直ちにその手配をするように指令をいたしたのであります。話を伺つて見ますと、やはり現地におきましても折角参つた物資が十分に直ちに配給といいますか、分配を終えていないようであります。なかなか現地のほうでは、まあ現地で受けました救済物資をどういうような割合で行くかという割合を設けて、それを一々委員会にかけまして、何県は幾ら、何県は幾らというふうに手配をいたしておるようであります。従いまして折角送りました物資も右から左へすぐに実際の避難者のかたがたに届くというのにはやや日時を要しておるようなんであります。その点はもつと迅速にするように申しておるのであります。差当り東京から、そういうように手配をいたしました。なお又それだけでも十分でありませんので、直ちにアメリカのほうから送られましたビタミン剤を待ち受けまして、五十万人分百万錠を急送いたしたのであります。そういうような栄養失調の懸念のあるものにつきましては、殊に熊本が酷いようでありますので、この点については遺憾のないように、即刻手配をいたしたいというので、只今申上げましたような手段を講じたのであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 大野さんの中間報告として、緊急に処理しなければならんという要望事項があるわけですね、その幹事会の取扱いですね、どうなつているのか、それで大野さんはそれをみやげにいつ帰る見込みなのか、それらの点明確に答弁を願いたい。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 大野さんの現地報告の中間報告をしてもらいたいという点は、先ず第一に農業資金でございましたか、その次が中小企業でございます。これにつきましては、先ほどやや抽象的になりましたが、お話申上げた通りに、只今十分これの対策を樹立しなければならん、緊急に樹立しなければならんというので、関係当局で一応の目安を今、只今つけておるのでございます。どういうふうな運びになりますか、今後それを法制化するというふうな点につきましても、いろいろと考慮をめぐらしております。それからあと熊本の泥害、泥の問題でありますが、これについて現地の工作部隊、それから工作部隊でないほかの保安隊というものをあの熊本市附近のものを大体熊本市に集合いたしまして、只今鋭意これがとり片付けをやつております。極く記憶がはつきりいたしませんが、恐らく今あそこで泥害の作業をいたしておりまする保安隊は二千人前後じやないかと記憶するのであります。私どもといたしましては、或いはほかの地区に出動いたしておりまする保安隊を熊本の泥害に差し向けたいという考えもあるのでありますが、併し勿論機械を全然持つていないことでありまするから十分な作業はできないにいたしましても、いずれにしましても保安隊が出動してこのとり片付けを総動員でいたすということについて、果して士気を鼓舞して行く上からもよかろう、こう考えておるのでありますが、一方保安隊の訓練期間がそれで大分障害を受けておるし、それから又現地の収容施設というのは先ほど申しました通りに、一万人の罹災者を各学校その他に収容いたしておりまする関係上、収容施設が不十分で、殆んど而も出動いたしておりまする保安隊にはいわゆるテントその他を携行して作業に従事するというふうな設備も持つていないわけでありますのでその点でほかの地区に働いておりまする工作隊でない保安隊を現地に出動してとり片付けの協力をさす、工作隊に対して協力させるという点がどうもまだ十分な配慮ができておりません。併し只今これは現地の総本部と連絡をとつて、果してそういう世話ができるかどうかということについてたしかめておるところであります。あと十万円以下の工事につきましては、災害復旧の対象になつていない、これを対象にしたらどうかという点がありましたが、これは関係当局で只今検討を加えておりまするが、十万円以下の災害についてこれを災害の復旧の対象にするという点は実際問題として非常に困難を伴う点は、もう皆さん過去の災害で御承知の通りでありますが非常に広範囲に亘つておる災害でありまして、それの実質的の査定いうものはなかなか困難である、こういう点は今までも皆さん十分御承知の通りであります。そういう点からも而も一方財政の面と睨み合せまして、あの十万円の制限が、応数年前にできたのでありますが、併し今度の災害は普通の災害と違うという点を考えまして、目下関係当局で要望に応じられるかどうかという点の検討を加えております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 これは田中官房副長官に質問してみたところで、もう我々はそんなことはわかつておる話で、要点は、私の聞いたところでは、大野国務相は十九日、明日もう向うへ帰るということを言つておる。明日日曜です。それで私はこの間緊急質問で、一体このような特別立法措置、財政的にいえば予算措置もしなければならんような大きなものを抱えて、一体これは一人帰つて一人で仕事ができる自信があるかと、これは大野国務相は肚を叩いて、自信を持つておると言つておつたが、少くともこうして権威ある参議院の特別委員会が設けられて、過去十数回に亘つて熱心な各委員からの質疑応答があつて、そうしていろいろ案も御意見ももうまとまつておるだろうと思うのですね。少くともこういう特別委員会がある以上は、大野国務相が福岡へ帰る前に大野国務相が報告のときに要望しておる事項だけでも九項ある。重要な問題です。例えば災害救助費の分、国庫負担の拡大であるとか、或いは地方財政の救済措置として平衡交付金の問題、或いは起債の枠の増大とか現実に地方庁で困つておる問題です。体これをどうするんだ、これを我々に黙つて、我々が立法機関として、ここで特別委員会を設けておつて、そういうものを必要じやないかと心配しておる。それに若し明日このままで行くということになれば一体我々が今日までこうして皆さんと緒に非常に慎重に事態を憂いながらやつておることが何にもならん。而もこれは我我のやつておる仕事は、各委員が言われるように、そんなに暢気にしていられない事態です。ですから大野国務相と、それから緒方副総理くらいに来てもらつて、これはもう田中副官房長官から又聞きのようなことじや、権威がないことはないけれども、我々の欲するものは、立場はそんなものではない。どこに政府がやりたい、我々が措置すべき点があるのだということをもう我々が卒直に知らないと、事態は進まない。ですからもうこれはこんなことを長談議しておると、大野国務相が明日立つなら止めるべきだと思う、もう二日や三日のことではない、地方の県庁などでは皆困つておる。起債の枠の問題などでも大体の目途をつけなければ、大野君が幾ら政治力を以てしてもできるものではない、法律のなんがある。こういう根本的な問題を片付けないで、大野国務相が行つて、政治力とか何とか言つておるが……。私も今朝自由党の本部の前を通つて驚いた、とても大きな看板で、北九州水害対策本部なんていうことを書いておる。これは今後政治的にこんなものを使われて、選挙の道具にされては困る。向うでこれだけ餓死するような、悪疫流行して非常に実際に二百五十万の人が困つておるさ中において、そんな彌縫的な気分的な思いつきな施策であつて一体どうするか。二百五十万の罹災者にもつと真剣にやるように、一つ私たちはして差上げなければならない。若し国務相が明日帰られる予定であれば、むしろこの委員会に喚んで……、我々は月曜、火曜日は休まなくてもいいと思う。それほど真剣にやつてもらつておるのに政府のほうはおれはおれのほうで経過報告をしておるというようなそんな不真面目な態度はいかないと思う。  それから、これは皆さんの意見も伺つて頂きたいのですが、私はもう現場のこういう実に悲惨な状態にあるものを我々としてそんな中間報告を聞いておるようなことはいかない、何か卒直にもつと積極的にもつとアクチブなことを我々はしてやらなくちやいかない、その段階として大野国務相、緒方副総理、どちらでもよろしいので責任者をここへ喚んでもらわなければ私は事が進まないと思う。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 只今山田君から議事の進行についての動議が出されたわけでございますが、本委員会は能動的になすべきことについては今朝の委員長、理事懇談会で一応御報告申上げた段階にあるわけです。従つて一応その後の本部のとられた対策、並びにこれからの構想について具体的に本委員会が審議を進めて行く必要上、聴取する必要があると思つて昨日を通じて本部にその報告を要求しておつたが、只今の田中副官房長官の本委員会の報告は山田委員と全く委員長は同感で極めて不満でございます。  従つてお諮り申上げますが、只今の山田委員の議事進行に関する動議、即ち大野国務相を本委員会に出席要求して質疑をするということに御異議ございませんか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) さよう取計います。  ちよつと速記を止めて下さい。    午前十時三十九分速記中止。    —————・—————    午前十時五十八分速記開始

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 速記を起して下さい。  田中官房副長官が発言を求めていますので許可します。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 先ほどの三浦議員の御質問で私お答えしました政府の繋ぎ融資十億がそれに加わるというふうなお話を申上げましたが、記憶違いでございまして、商工中金への十億でございますがそれに加わるわけでございます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 商工にはかねて繋ぎのときに五億やりましたね、十億の中の五億やりましたね。商工中金にはそのほかに五億行つたのですか。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 商工中金が災害地に向けまする融資の別枠として十億手配いたしたわけでございます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 最近に……。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) その表ができました翌日でございます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そのほかに農林中金へもやつたように聞いているのですが、それがあるはずじやないですか。

田中不破三内閣官房副長官

○政府委員(田中不破三君) 数字はちよつと私記憶しておりませんので、改めてお答え申上げます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) ほかに田中官房副長官に質疑はございませんか……。田中官房副長官の報告聴取並びにこれに対する質疑は終ります。  引続いて先般本委員会に調査の結果を報告するよう求めてありました国鉄並びに文部省関係の政府委員が参つておりますので、その報告を聴取いたしたいと思います。異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

津田弘孝日本国有鉄道理事(営業局長)

○説明員(津田弘孝君) 国鉄の営業局長の津田でございます。先週の本委員会におきまして今回の九州の水害に件いまして罹災された父兄を持つ学生、罹災地から東京その他に遊学しておりまする学生のうちで、市に気の毒な事情のある者に対しまして国鉄の運賃を免除せよということにつきましてお話があつたのでございます。それにつきましてお答えを申上げたいと思います。  本件につきましては早速文部省当局とお打合せをいたしております。私のほうといたしましてはともかくそういつた共に気の毒な学生のかたがたが無賃で故郷に帰れればいいわけであります。ただ国鉄といたしましてはすでに学生一般に対しまして平常運賃五割引をいたしておりますので、更に残りの五割までも引きまして国鉄として全くの無賃で運ぶということにつきましてはどうかと思われまするので、文部省に対しましてそのあとの五割分だけ、つまり国鉄が半分持つているからそのあとの半分は文部省が予算をお取りになりまして、その上で文部省から国鉄が運賃をあと払いで頂くというような方法を大蔵省との間でお取りきめになるならば、今申上げましたように国鉄としては学生としては無賃で運ばれるというような手配をいたしたいということで文部省とお打合せをいたしております。つまり文部省から現段階におきましては、大蔵省に対しましてそういつた予算の要求をされているというふうに私は存ずるのでございます。なお申遅れましたが、こういつた扱いが先般来の引揚者の問題につきましてやはり厚生省から運賃後払いで引揚者の輸送をやつているという例がございますので、大体それになぞらえましてやつたらどうか、幸いに学生に対しましてはすでに五割引をいたす場合の証票といたしまして国鉄から文部省に対しまして五割引の証票を発行いたして文部省がそれぞれ管下の学校に分配しておられますので、それに学校長の証明によりましてこれこれの者に対しましては運賃を更に五割引すべきである。更に五割引と申しますか、あとの半分はあと払いというような表示をされるならばそれによつて無料で駅で扱つたらどうかというふうに考えておる次第であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 質疑のあるかた願います。

永岡光治日本社会党(第四控室・左)

○永岡光治君 只今のお話によつて文部省と大蔵省と折衝しておるように承わつたのでありますが、これはちよつと大蔵省、文部省にお聞きしたほうがいいと思うのですが、若し国鉄のほうでわかつておればお知らせ願いたいと思うのですが、その進捗状況がわかつておりますれば……。

津田弘孝日本国有鉄道理事(営業局長)

○説明員(津田弘孝君) 結局昨日文部省の責任局長である文部省の監理局長に電話で御連結いたしたのでありますが、要求されるというふうにだけ承わつておりました。大蔵省のほうで出すということになつておるかどうか、私といたしましては詳らかにいたしません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) ではここで文部省の政府委員が出席いたしておりますので、文部省にその後報告するよう要求しておきました今の学生の無賃乗車の件並びに授業料の取扱いその他について報告を聴取いたします。

田中徳治文部省管理局施設部長

○説明員(田中徳治君) 只今の罹災学生旅客運賃のあと払いの措置に関する経費でございますが、これは今のところ一人八百九十円、罹災学生の数が七千五百三十一人、これは推定でございますが、その経費といたしまして六百七十万三千円こういつた数字が出ておりますが、すでに現地におきましては学生の大部分がすでに帰郷しておるのではないかというふうに考えまするが、併し全国にやはり罹災地の学生が相当数おりまして、その平均一人当りの金額は八百九十円でありますが、帰郷の際に罹災学生の旅費を支給するということになりますと、多少この金額が減少するのではないかというふうに考えられます。なおこの数字につきましては目下大蔵省に折衝しておりますが、できますれば国鉄方面におきまして全額無賃乗車というふうな措置も一つ御考慮願いたいというふうにも伝えてありますが、先ほど営業局長からお話がありまして、その点は困難である、従いましてそれが困難ということになりますれば文部省といたしましてもこの金額を是非大蔵省に要求いたしまして、その実現に御協力願いたいというふうに申入れておりますが、なおこの数字は目下各学校に照会いたしまして帰る学生の実態を掴みたいというふうに考えております。

永岡光治日本社会党(第四控室・左)

○永岡光治君 御承知のように学生はもう夏休みで帰らなければならん段階になつておるのですが、未だに大蔵省との折衝で解決をみていないとすれば、実にこれは困つたことだと思うのですが、そうすると今の見通しはいつ頃までに大体結着をつけるつもりで交渉されておるのか、それから大蔵省の意向は大体どの程度に動いておるのか、それが第一点。もう一つは、もうすでに帰られた学生もあるし、これからも帰る学生があると思うのですが、どういう取扱いをするか、今帰つた人については上京して来る分についてだけ半額、つまり片道だけ見るというのか、それともまだ帰つていない人には往復を見ようとしているのか、その点も併せて第二点としてお伺いしたい。

田中徳治文部省管理局施設部長

○説明員(田中徳治君) 大蔵省との折衝の過程並びにその見込みでございますが、この点大蔵省といたしましてもこの予算の計上は余り望ましくないというような意向でございます。なお文部省といたしますれば是非実現したい。で、期日の点はまだはつきりしておりません。それから現在帰郷しております学生は第二学期分から無賃乗車、それから今まだ学校におります学生に対しましてはその帰郷分或いは上京分両方計上してもらうというふうに考えております。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 何だか聞かなければいいんですが、お聞きしなければどうも質問しないで済むものを、お聞きしたためにちよつと質問したくなつたんですがね、それはね、非常にやられたときには、いる人には往復、現在いる人に、帰れない人には往復、帰つた人には片道だとおつしやいますけれども、実際田畑を流され、家は全壊して流されて親たちもいないという人は随分無理な算段をして帰つているんですよ、その人たちがたまたま帰つたという事実があるから構わない、現在何かの理由があつて残つておる、金がないから帰れないという人もいるでしよう、いるでしようが、そうでなくて床上程度だからといつたような者もないとも限らない、だから線をきめるときにはいろいろとそこ議論のあることは当然ですけれども、何か実情によつて到底、何というか、帰つてはいるんだけれども、これはそこを何とかしなければならないというものは、その方式によれないんだとすれば、別の共済の関係ですね、何かそういうようなことで余り無理の線の出ないようにすべきだと私は思うんです。ただ今いる人は往復、帰つた人は片道だと簡単に御説明になるもんだから、私ちよつとお聞きしなければ、意見を申上げなければならなぐなつちやつた。

田中徳治文部省管理局施設部長

○説明員(田中徳治君) 今の御趣旨は御尤もでございますが、実は国鉄関係との申合せでは一応駅で以てやはり無賃乗車の発行をいたしますが、それに対しまして証明書を出しましてその不足部分の補填という形で実はこの予算を計上することになりまして、やはりすでに支払済みのものに対しては今度は別途の予算という形をとりませんとこの内容で以てそのままというわけにはちよつと困難とは思いますが、そういう意味におきましては或いは学生の生活の援護資金というようなことでカバーする手も一つ考えられるんじやないかと考えられます。

永岡光治日本社会党(第四控室・左)

○永岡光治君 それからこれに関連して……まあ運賃のことですからお尋ねしたいんですが、直接罹災地の学生でありませんけれども、学生の有志が罹災地の級友のために或る団体を結成して、そういう形でまあ応援に行こうという、ところがこれもなかなか旅費を払つてまでというところまでは至らない、せめて無賃扱いしてくれないかという意向の陳情を受けているんですが、そういうものについて文部当局はどういうふうにお考えになつているか。

田中徳治文部省管理局施設部長

○説明員(田中徳治君) 多分これは現地の罹災関係の復旧とか、整理とか、こういつた方面に相当にやはり学生が働いているのではないかと推量いたします。それにつきましてはやはり現地におきまして、多少その運賃の経費などを負担して頂いたならばよろしいのではないかというふうに考えております。

永岡光治日本社会党(第四控室・左)

○永岡光治君 それで考えているという程度でありますか、それともその考に従つて今計画を進めているのか、これはもうその時期は御承知の通り非常にかなり時間が過ぎているのでありますから、相当手を打つて頂かないと意味がないと思う。そういう希望があるならばすぐ手を打つて頂きたいと思うのですが、そういうことについて具体的にどういうふうに進めているかということをお聞きしたがつたのです。

田中徳治文部省管理局施設部長

○説明員(田中徳治君) 今の御指摘の点につきましては、文部省といたしまして今まで考えておりませんでしたので、非常に遺憾に考えておりますが、現地におきましては多少学校負担とか或いは現地の公共団体の負担において、やはり整理事業に学生が動員しているという実例は聞いて参つております。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 政府委員のかたに申上げますが、小委員会でも一応やられたと思うのです。それで今日出席を願つたのは、月眼目に木委員は大体小委員長報告をまとめて結論出すんですよ。従つてその後どういう交渉をしてどうなつたと、見通しはどうだということについて、先般本委員で研究した結果を報告するということになつておつた点を、最終段階において聴取したいというので、御出席願つた。それには授業料とか或いは育英資金の別枠、これらは交渉してみなければわからんから、その結果を報告すると言つてそのままになつている。それを本日現在の状況を聴取したいという意味で、私御出席願つたのですが、簡単にその要点だけを報告して頂きたい。

田中徳治文部省管理局施設部長

○説明員(田中徳治君) 授業料の免除の点でございますが、多少この数字は変りまして、現在国立関係におきまして三千十三人、公立が三百一人、私立関係が四千二百十七人になつております。総額が三千八百三十一万二千、国立関係におきましては従来こういつた先例がありまして、すでに大学がその学生数の実態を今調査しております。公立、私立におきましては、この前例がありません。従いましてこの点につきましては非常に困難ではないかという実は現状でございまして、その点が又懸案として残つているような状況でございます。  それから罹災学生の援護に要する経費の問題でございますが、この数字も多少前回と変つております。全壊流出、一人当り六千円、これはこの前報告が出たと思います。三百二十四人分となります。半壊流出、一人当り三千円としまして、七千二百七人、七カ月分といたしまして一億六千四百万円の数字となります。この考え方は、一般国民が罹災の場合におきましてもこれだけの経費を計上しているということはないのでありまして、学生がこれだけの援護経費というものを国の補助の下に受けるということは不均等ではないかというような声もあります。なおこれに対しまして育英資金でこれを見るという考え方も一方にはあります。併し育英資金の場合におきましては、従来の枠が非常に少ないということと、今一つは育英という建前からやはり成積優秀なものを優先、従いまして罹災という点につきましては多少従来の育英資金の流し方が乱れる、こういつた一つの考え方もありまして、できれば援護資金になつて学生を救済する、このことが望ましいというようなこともあるのでございます。併しながらこの援護資金の金額、そのことにつきましては大蔵省とも現在折衝いたしておりますが、非常に難点があるようでございます。なお育英資金においてこれをとり上げるという点につきましても、まだその後いろいろ折衝を重ねなくてはならん点が相当に残つておるというふうな現状であります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○委員長(矢嶋三義君) 質疑のかたはございませんか……。質疑はないものと認めて文部省関係の報告聴取をこれを以て終ります。  他に何か御発言ございませんか……。それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後零時二十一分散会

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