人事委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/09/21
会議録
○委員長(村尾重雄君) 只今より人事委員会を開会いたします。 本日の議題は公報掲載の通りでありますが、先ず派遣議員の報告をお願いいたします。二班岡三郎君。
○岡三郎君 では簡略に地域給の視察の報告をしたいと思うわけであります。 当初私と後藤先生とそれから指宿主事と三名参るはずでありましたが、後藤先生が所用がありまして、私と指宿主事の二名が、新潟、長野、山梨三県の地域給並びに寒冷地の調査をして参つたのであります。八月の三十一日正午上野発で出発いたしまして、夕刻新潟市に到着いたしました。直ちに現地に設けられておりました懇談会の席上で、岡田知事以下県役員並びに人事委員会の担当係、更に地域給、寒冷地に関心の深い労働組合関係と懇談をいたしたのであります。 それから翌一日午前中には県庁内において更に懇談会を持ち、県庁を出発して、三条市を中心としたその周辺の市町村の状態、それから燕町を中心とした周辺の市町村の地域給の状態、更に直江津において同様の懇談会を持つて、一日の夜は赤倉に一泊したわけであります。この新潟における地域給、寒冷地の懇談会を通して強く要望され、且つ意見を述べられた点は、地域給の根本的な性格について非常に疑義を持つているという点であります。それは終戦後のインフレーシヨンの厳しかつた時代から、やや生活が安定して来たかのごとき現状において、物価差その他で地域の区分を指定して来たことに対する不満であります。その事柄から、結論として、人事院並びに衆議院が新聞その他で伝えているように、一級地、二級地の廃止をめぐつて、今後一体どういうふうに地域給を措置するのかというふうな詳細な点の質疑も行われたのでありますが、結論としては、新発田とか直江津とか、或いは柏崎等の市、町が新津市等と比較して、非常に置いて行かれて来ている。つまり誰が見ても新津と比較して新発田のほうが、物価の面から見ても、その他の面から見ても上であると同様なことが、柏崎なり直江津においても見られるというふうな点から、一級地、二級地の廃止は廃止として、暫定的にこれらの緊急善処しなければならない点について、一体、政府なり国会における人事委員会なり或いは人事院当局がどういうふうに見ておられるのかというふうな非常な苦情があつたわけであります。それは、結論として、暫定的にせよ、急速にこれらの矛盾点を解消するととを棚上げして、抜本的なその他をやられるということは非常に不満である、こういう意見が強かつたと思うのであります。 更に地域給の問題をめぐつて、本俸に繰入れるというふうな場合に、一体どういうふうな措置をとるのかというふうな細かい質問が多かつたのでありまするが、全般的におしなべてみたところ、基本的な地域給の性格を論ずるということと同時に、現在のアンバランスを解消する手も蚕急に打つてもらわなくてはならないという要請は大きく印象付けられたのであります。 更に直江津の懇談会においては、寒用地給の問題が非常に強く要望されたのでありまするが、今回の寒冷地給の勧告というものに対してやはり不満を吐露しております。それは浅井人事院総裁が語つたところの今回の寒冷地給の勧告が大体完璧なものであるというふうな新聞発表に対する不満でありまして、現地における実際の状態から言うと、更に寒冷地給をもう一段詳細に検討して、附加すべき点は附加してもらいたい。つまり今まで例を見なかりたかもわからないけれども、寒冷地相の追加勧告というふうな面について労力をしてもらえないかというふうな点が強調されていたのであります。で、これらの問題を考えて来たときに、非常に地域給なり寒冷地給なりの勧告自体というものも、人事院当局では相当苦しまれ、公正にやられるというふうな処理について非常に悩まれたと思う跡も窺われるのでありますけれども、実際の問題としては、やはり更に整備するように、この人事委員会として、人事院と話合いの上に進まなければ、現状ではいけないのではないかというふうに、抽象的でありまするが、とつて参つたのであります。 それから長野県におけるところの話合いでありまするが、二日の正午に長円県庁において、副知事並びに県の人事課、更に長野県人事委員会と懇談をしたのでありまするが、この席においては、長野が非常に地域給に荒いて差洲待遇を与えられているという点がそれぞれの関係から強く申されたのであります。それは関東地区を一例としても、県庁の所在地である長野、これと匹敵する松本市が二級地であるということに対する不満と、全国的な計数から考えて、山形に次ぐ劣悪なる地域給の指定を受けているというふうな点から、今地域給の助成の問題を打切られるということになるならば、長野県自体としても非常に盆懸を覚えておる。そういうふうな観点から、何とか助成方式というものを、衆議院と十分話合つて、参議院の主導的な立場におて善処してもらえないか、こういうふうな要望であります。 で、この点につきましては、新潟県において話しましたと同様に、いずれ参議院においては人事委員会を開いて検討することになつておるのであるが、衆議院におけるところのあのような審議並びに人事院の発表というものも、決定的なものではないので、従つて我々がここに出張して来たこと自体も、なおその点について十分検討する余地を我々は持つているという立場で視察しておるのであるというふうなことから、県全体の地域給の状況を詳細に地図の上において聞き取つて参つたわけであります。で、二日は上田郊外の別所で一泊をいたしまして同様に懇談を遂げ、三日の朝、上田を経由し、諏訪を通つて甲府に汽車で出ました。甲府で県庁並びに人事委員会更に県の労働組合の幹部の方々と全県に亙る地域給の懇談会を持つたのでありまするが、同様なことがやはりこの会席でも言われたのであります。 従つて私は視察を通して強く感じたことは、地域給を抜本的に検討することは正しいことであるし、又我々の努力してやらなくてはならない大きな問題であるけれども、この問題をのみどうするこうするというだけでなく、この抜本的な案に対する裏付けの予算が急速に組まれ得る見込みがあるのかどうかという点と、仮にこの裏付けの予算が早急に見通しが立たないとするならば、やはりこれらの具体的な矛盾点というものを、政治的顧慮で押し拡げるということではなくして、各都道府県の実態に即して救済して行く方途というものが至急講じられなければならないのではないか、こういうふうな結論を持つて帰つたのであります。従いましてそのような観点から本人事委員会の開催を要望し、本日開かれることになつたのでありまするが、私としては以上の点から、本参議院人事委員会が十分この問題を検討すると共に、早急に態度を決定してこれらの要望に応えるべき点は応えなくてはならないというふうな職責を感じて帰つたのであります。 以上三日間に亙るところの本当に概略の報告でありまするが、以上の観点において私は地域給、寒冷地の問題を真剣に取組んで解決したい、こういうふうに思つております。以上です。
○委員長(村尾重雄君) では第三班報告願います。
○千葉信君 第三班として議員派遣の調査報告を申上げたいと思います。第三班といたしましては、同僚議員の宮田君と打合せいたしまして、かなり詳細な調査報告書を作成いたしましたので、文書を以て報告を申上げたいと思いますが、ただこの際概略について私どもの行いました調査の報告を申上げたいと思います。 第三班は宮田重文君と私とそれから調査員の岡田君と、三人で現地に出張いたしまして、八月十七日から二十日まで四日間、山形県と秋田県と青森県とを調査し、更に秋田県の一部の現地、これは大館市でありますが、それから青森県と宮城県等に対しては特に宮田重文君が出かけられまして、各地域において相当調査をされまして、その報告書も併せて提出することになつておる次第でございます。今回の調査に当りまして、依然として各地域における理事者の諸君並びに或いは労働組合関係の諸君が実に熱心に御協力頂きましたことを、この際、特に御報告申上げたいと思う次第でございます。今回の調査に当つては公務員の給与問題、特に勤務地手当或いは寒冷地手当等の問題を中心にしたわけでありますが、たまたま新聞等の報道によつても、国会の一部において勤務地手当の根本的な制度の検討が行われているという報道がありましたことから、かなり地方においてはこの問題を中心にして混迷の状態にあり、而も異常な関心を持つているということが著しく私どもには感銘された次第であります。そうして、その地方の諸君が非常に関心を持つておりますこと、特に不安動揺を持つておりますことは、先ず第一にはこれらの諸君は、勤務地手当制度つまり地域給の問題について、現行制度に対する理論的な不満とか或いは反撥をいささかも持つていない。そうして今取上げられている取上げられ方なるものは、全国的にかなり混乱が激しいからという理由に基いて、而も実施上実際の制度に対応するような、合致するようなやり方がいろいろな事情から困難であるというその結論に従つて、政治的な解決の方向を取ろうとしているその態度に対して、これに対してはあえて正面から反対の意向を持つている諸君はありませんでしたが、併しそのやり方なり解決の方法が一歩を誤まると、却つてむしろ大きな混乱や不平不満を生ずる虞れがありはしないか。これは特に各地域の諸君は、直接に自分たちの利害に結付くということから、この点については実に不安と動揺を持つて問題の動向を注視しているということは見逃せない事実でございました。特に一番心配をしておりますことは、現在のこの地域給の根本的な解決の方法という問題の取上げ方についてであります心第一は、その取上げ方が、当面急速に行われなければならなかつたはずの現在露呈しつつある不均衡の是正の措置が、この問題の取上げ方若しくは取上げられた時期のために著るしく遷延し若しくは不利益を招来するような結果に陥つて来ていはしないか。このことについて只今人事院のほうから国会に提出されております資料の点から言いましても、参考資料の八として出されている民間賃金府県別較差表、これを見ましても、実際上、人事院の調査によつても指数が六%以上変つた地域として十七府県が挙げられております。こういう条件というものは、例えば去年なり一昨年なり地域給の改訂が行われたとしても、こういう変動に対応するためには、少くとも今年度においてもかなり早急にこの不均衡に対応する是正が行われなければならなかつたはずであります。ところが、それが、その後の情勢によつてもそうでありますように、例えば人事院としても、何か国会におけるこの問題の一応の結論が出ることなしには、この問題の作業の進捗はできないような印象を与える、そういう新聞の報道さえも行われているところでありまして、そういう点からも一般の不安というものは当然巻き起つていると考えなければならないと思います。従つてその結論においては、飽くまでも根本的な解決の方向なり方針を決定することには反対ではないけれども、取りあえず現在の表面化しつつある不均衡の是正は早期に行われなければならないはずであるという期待は、著しく、この問題の取上げられ方、取上げられた時期の関係から遷延しつつあるということに対する不満がかなり強かつたのであります。 それからもう一つは、人事院から給与改訂の勧告が出されておりますが、その給与改訂の勧告に対する政府の能度を注視している諸君のこれに対する考え方の中に、若しも地域給の根本的は解決という問題について、その問題の動向如何が給与改訂の問題に障碍を与えはしないかということ、これは勿論時期的にも予算的にも考慮しているわけでありますが、まあ時期の問題についても遷延する虞れもあるし、それから予算上微妙左影響若しくは直接の影響を給与改訂の問題に与える虞れがないかということ。その次は、これは私ども国会の閉会直後に入手したのでありますし、又新聞でも報道されたのでありますが、八月十日における衆議院の人事委員会の小委員会で作られました一応の試案のようなものを拝見いんしますと、これは本俸に一制加俸をして、そうして一、二級地声地たらしする、この方法が非常に不用意に報道これたのか、若しくは又実情がそうでめつたのか、あの試案だけで見ますと、家族手当の分はどうするかというような点については一言も触れていない。一体これはどうなのか。この点で不利益を生ずるものがあるのかないのか。そういう点について非常に不安を持つているということ。 それから三段階残すといいながら、その三段階の残し方は客観性のある基準を今度は条件とするようにしたい。これはやり方としては非常に素朴で、而も原始的で、若しきめ方さえ上手にきのられれば、誰も文句のつけようのない頗る簡単ないい方法だとは思うけれども、併しそれならばそれで、一体そういう基準にあてはめることなしに、現在三級地、四級地、五級地という地域給を支給されている地域の既得権は、これは取るのか取らないのか、若しこれを取らないということになつたならば、その地域と同等の条件にあると思われる客観性のある基準に該当しないものはどうなるのか。こういう点なんかもかなり地方の諸君にとつては心配の種であるということは、懇談の席上からかなり明確に私どももこれを察知したわけでございます。 従つて大体の結論としては、理論的には現在の制度を否定し若しくは反対しておる者がないということ、その解決の方法としての現在も考慮されておる方法については、若しも妥当なりと思われるような方法がとられるとすれば、これに対してはあえて反対ではないということ、ただ併しそのためにとられる措置が、現在の不均衡、不利益な状態を鵜呑みにした形において解決の方向へ一挙に押しやられるということについては、かなりそれぞれの地方においては深い関心を持つて注視しておるということ、まあ大体以上のような条件というものが地域給に対する地方の諸君の不安と動揺の原因でもあり、又その実情でもありますが、更に東北地方としては、山形県と秋田県と青森県だけでありますが、これは恐らく岩手県、宮城県等においても同様と考えられますけれども、薪炭手当制度、寒冷地給制度と同時に、北海道の諸君に対して給与されておる石炭手当に準ずる薪炭手当制度が一体いつになつたら取上げられるのか。この問題については相当両三年来当該地方としては可なり真剣に考えて要望を続けて参つた問題でありますので、この問題についてできるだけ速かに国会としてもこの問題に対して結論を出してもらいたい。この要望が非常に熾烈で、ございましたが、この点についてもそれぞれの内容等については詳細に文書を以て報告することにしたいと思います。 まあ大体今回の視察の概略については以上の通りでございます。
○委員長(村尾重雄君) 宮田さん何か御発言ございますか。
○宮田重文君 私は第三班の一員として千葉君と一緒に山形、秋田、岩手と廻つたのですが、丁度今御報告がありましたように、山形、秋田までは千葉君と御一緒でありましたから、大体先ほどお話のありましたように、詳細に亙つては報告書によつて御報告をいたすことを考えておりますが、秋田から別れまして今、千葉君は私が宮城も廻つたようにお話がありましたが、これは与えられた日程の時間に入りませんでしたので割愛いたしまして、岩手だけで帰つて参つたわけであります。大体八月の十九日に秋田市を御一緒にしまして、大館に私どもは岡田調査員と一緒に参りまして、大館市において北秋田地方の関係者の御参集を願つていろいろ意見を聞き、更に同日大湯にあの地方の関係者の人に集まつてもらつて、懇談会を開いて、現地のいろいろな状況を聞いて参つたのであります。翌日岩手に行きまして、盛岡市において県庁で関係者の御参集を願つて、やはり同様懇談会を開いて、現地の詳細の状況について調査して参つたわけであります。大館市においては、非常に秋田県全体としても、秋田市の場合に述べられたように、あの地帯がどうも従来の地域給の改訂その他においても少し認められ方が薄いように思う。なお寒冷地手当、或いは薪炭手当等の問題についても、これは十分認識をしてもらう必要があるので、今後これらの問題について、中央においても十分なる御調査を、人事院その他関係官署においても、国会においてもして頂いて、早い機会にあの地帯の救済を図つてもらいたい、こういう要望がありました。又岩手県においても、これは山形、秋田でも主張されましたように、東北地区が、非常に地域給の市町村数のつけ方においても、全国的な平均数から見れば、非常に下廻つておつて誠に不利な状況にある。とういうようなことでなしに、もつと何とか考慮をしてもらわなければ、非常に不均衡な状況になつておるのではないかというような主張があり、なお且つ北海道その他と比較して、寒さの度合いにおいてもそう懸隔のない地方が多いのであるから、これらの地方に対しても考慮を十分払つてもらうことが必要である。寒冷地手当等の先頃の勧告に当つても、どうも、もう少し考慮をしてもらう必要があつたのではなかろ、りか。これで大体寒冷地に対する勧告においては均衡を得たように思うという当局のお話等についても、納得しかねる点があるというような意見等も出ておりました。なお薪炭手当等の問題については、先ほど千葉君からもお話がありましたように、至急一つ考慮のうちに入れて解決をしてもらいたいという要望が熾烈に行われたわけであります。で、地域給の問題については、先ほど千葉君からもいろいろと御意見が出ておりましたが、原則的には現行のものに対して不平がないというような千葉君の御意見でありましたが、勿論そういう形であつたとは思いますけれども、東北の我々の廻つて参りました地域においては、現在のアンバランスになつておる状況そのものについては、やはり地域給の制度そのものについて多少の疑いなきを得ないというような考え方もあるのではないかというふうに私は察したのでありまして、 〔委員長退席、理事千葉信君着席〕 ただ我々が調査に出て参つておりますうちに、新聞等に現れた衆議院における小委員会の案というものが発表されて、それが如何にももう実施の段階にあるというふうな感じを受けて、いろいろとそれに対する意見が出、誤解を招いておつたことは事実でありまして、私どもはそういう面については、今後衆、参両院においても十分検討をしてゆくようなことに粗成つておるのであるということで、これに対する現地の意見を十分に聞いて参つたわけでありますが、勿論地域給の将来については如何ようた行き方にするかということについても、現地においてはそれぞれの意見がありました。併し何分にも、先ほど来、千葉君の申されたことく、現在のアンバランスを先ず取上げてもらいたいというような意向を持つておる神域がかたりあることは、先ほどもお話の通りでありまして、併しそういうアンバランスを生ずるような制度をいつまで存続しておくかということについては、やはりそういうアンバランスを生じ得ないようた何らかの措置を考えてもらいたいという希望を相当持つておるように私どもは感知したのでありまして、これについては現地等の意向においても、或いはできるだけ早い機会に公平なる制度を確立して、そして特に寒冷地或いは僻地、そういう方面に対する他の面から給与の適正な方法を考えてもらうようなことのほうがよろしいというような意見等も現われておつたわけであります。これらについては重大関心を持つておることは事実であります。我々も、そういうことからいたしましても、この問題についてはできるだけ衆議院の小委員会の案、その他問題になつている地方の該当者に対して心配のたねになつておるような諸問題を十分できるだけ早く解決をいたしまして、最も納得の行く給与の体系を早く確立して参らねばならない、こういう感を強くして帰つた、わけであります。 現地の各地における詳細な点については、非常に長くかかりますから、別途報告書を以て報告いたすことにいたしまして、以上簡単ではありますが報告に代える次第であります。
○理事(千葉信君) それでは次に第一班の視察報告をお願いいたします。
○松岡平市君 第一班は、村尾委員長と私が榊山調査主事を伴つて、八月十七日から二十日まで四日間、愛知、玉重、滋賀の各県を調査いたしました。詳細につきましては別途文書で報告いたします。極く概略だけを、特にただ調査の状況だけを報告いたします。 三県のうちいずれも従来未だ本委員会で調査をしておらない地方、即ち愛州県の三河方面、三重県の中部並びに伊賀地方、滋賀県の西北部を選んで調宣いたしました。調査の方法といたしましては、短時日のうちに広汎な地域と調査いたします関係上それぞれの中心地に附近関係市町村の関係者の参集を求めて実情を聴取するという方法を講じました。愛知県について特に御報告すべき点は、愛知県のうちいわゆる出張地方という方面は、比較的地域給はよく指定されておる。ただ僅かに三ヵ村非指定地があるだけだという実情でありまするが、これに隣接しておるいわゆる三河地方は、同じ県内でありながら目立つて非指定恥が多いということで、三河地方全体において非常な地域給の引上げ若しくは非支給地の新指定の要望があつたわけであります。のみならずこの方面におきましても、例えば岡崎市、豊橋市、刈谷市或いは挙母市、そのほか三級或いは二級という都市が散在しておりまして、三級指定地のすぐ隣の村が無級地と、こういうようなところがあつて、非常に目立つて不公平を感ずるという地方があるように考えられました。それら無級地或いは隣接しておつて一方が三級地であるにかかわらず、一級地のままであるというようなところの級地指定若しく級地引上げの要望が特に強かつた。こういうことでありまして、それらの要望についてはいずれも尤もであると考えられるもののみでありました。 三重県は、一方に愛知県、京都、こういう比較的地域給指定の行き渡り、特に相当高級の地域給指定をされておる県に隣接しております。それらに対比して、名古屋或いは大阪、京都等の経済圏内にあるにもかかわらず、全県下が非常に全体として低い級の指定を受けておるということで、全般的な引上げの要望が強かつたのであります。伊賀地方におきましては、上野市を中心といたしまして、京都、奈良に接続しておる方面で、京都或いは奈良県の指定と比較して甚だ全体的に低いという不平の声が熾烈でありました。 滋賀県におきましては先ほど申しましたように、特に東北方面を視察いたしましたが、ここは琵琶湖に沿つて、一方、京都並びに福井県境の高い山との間にずつと町村等が一列に並んでおる。そうしてその唯一の交通機関は江若鉄道のみでありますが、この鉄道の運賃というものは全国で最主高額である、こういうことであつて、各町村において生活費が非常に高いにもかかわらず、この殆んど全部が非指定地であるということから、どの町もどの村も強烈な指定地の要望があり、中に一、二の一級地の指定をされておる町等におきましては是非更に引上げを要望いたしました。三県を通じてのこれらの要望するものの主張は、今日においては物価はむしろ都会地よりも地方のほうが高い。主食等において僅かな相違はあつても、一般の衣料その他むしろ地方のほうが遥かに高くて、生活は困難である。今日都会地と比較して地方が地域指定において非常に低い立場におかれ、若しくは全然指定されないということは、そういう面から甚だ不合理であるという出張でありました。 先ほど来、他の調査班からお話になりました、衆議院の人事委員会の案として発表されて新聞に掲載された事柄につきましては、いずれの場合におきましても、先ずこれについての質問があつたわけでありまするが、それに対しては特に委員長から、それらは単なる衆議の小委員会の試案たるに過ぎないという説明をされて、これがどういうふうに扱われるかは未定であるというふうに説明をされましたので、これらの地方においては専ら現在の地域給について公正な是正をしてもらいたいという要望に終始いたしました。 〔理事千葉信君退席、委員長着席〕 その他いろいろと報告すべき事柄がたくさんあるのでありますけれども、それらはすべて文書によつて報告いたします。簡略に御報告申上げました。
○委員長(村尾重雄君) 只今の派遣議員報告についてなお文書による報告書がありましたら、これを本日の会議録の末尾に添付することにして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(村尾重雄君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。 以上で派遣議員の報告が終つたわけでありますが、人事院のほうから入江誠一郎さん、滝本忠男さんが出席されておりますので、質議を行う前に、地域給に関する人事院当局のその後の研究調査の進展、或いは衆議院における模様等について、御説明を願いたいと存じます。
○千葉信君 ちよつとその前に衆議院のほうの地域給に関する小委員会のほうから何かの申入れがこちらのほうへあつたということを聞いたのですが、それが事実か。 それからその事実があるとすれば、どの程度の向うの考えが固まつているものか、若しくはその内容等がわかつておりましたら、専門員のほうから説明願いたい。
○委員長(村尾重雄君) のちほどお諮りしようと思つておつたのですが、それでは先に報告いたします。何か専門員のほうからお話がありましたら一つ……。
○専門員(川島孝彦君) もう御承知と思いますが、この前の国会の終り方、八月六日に、衆議院では地域給小委員会の第一回が開会され、それから十日に第二回の小委員会が開会されたのでありますが、その後九月の十日に地域給の小委員会が開会されまして、お手許へ差上げましたようないろいろな議論がありまして、その結末を持ちまして、同委員会の専門員お二人同道で参られました。そうして「今日の会議では大体各小委員のお考えがこういうところに落着いた。まだ小委員会の決定というまでには至つておりませんが、大よそ意見が同じ方向に落着きましたのでお知らせします。なお小委員会の委員長は今赤城先生でありますが、赤城先生の御希望として、この地域給の改訂の問題について、参議院の村尾委員長とお話合いをしたいので、その取計いをしてもらいたい」ということでございました。なお翌日九月十一日も地域給小委員会を開催するということでございましたので、早速村尾委員長にお話申上げましたところ、村尾委員長も赤城小委員長と会見をできるだけ早い機会にしたいということで、丁度そのときに村尾委員長が上京されておりましたので、翌日、即ち九月十一日に村尾委員長と会見をされたのであります。そうしてお話合いがありましたのちに、その日の夕刻でしたが、又阿倍専門員が私のところへ参りまして、「先ほど赤城小委員長と村尾参議院人事委員長とお話合いが済んだことと思いまするが、なお少し申し忘れたととがある。それは小委員長の希望といいますか、そういうことととして二点あります。一点は、参議院のほうで委員会が開かれましたあとで、成るべく早い機会に参議院の委員の方々と衆議院の委員の方々とお集りを願つてお話合いをしたい。そうしてそれはできれば九月二十八日頃に願えれば非常に結構だ。いま一点のほうは、実は衆議院のほうの小委員会としても、委員会の決定というところまでは行つておりません。いわんや人事委員会としてはまだこれという話もきまつておりませんのでありますから、その会合は小委員会と人車委員会との合同委員会とか或いは衆議院の人事委員会との合同委員会とかいう固苦しいものではなくて、との問題について衆参両院の議員の関係の方々が寄り集つて、まあ意見を交換するというような非公式のものにして頂ければ非常に結構だ、こういうことを付け加えて申入れると言つて参りました次第であります。
○委員長(村尾重雄君) なお私から申し添えたいと思います。只今川島専門員からお話がありましたごとく、一度衆議院の小委員長赤城君からおいで頂きたいということでありましたので、私が出向いてお目にかかつたのであります。話の内容は、実は衆議院のほうでは決定とまで行かないが、小委員会で一つのとりまとめを行いたいと思つているから、その結論を出す前に、一つ参議院といろいろと打合せたいということで、それは協議会になるか懇談会になるか、一つ形を持つて承らえないだろうかという申出がありましたので、それは結構だ、ともかくそれは二十一日に参議院の委員会を開きたいと思つているので、寄り集つて相談した上で一つ御返事しましようと、こうゆうととになつておるが、話合いというのはそれだけですが、御承知願いたい。
○千葉信君 それから私の知つている限りでは、衆議院の人事委員会の神域給に関する小委員会に、人事院のほうから入江人事官、或いは瀧本給与局長が出席されておるようですが、勿論この公式の地域給の小委員会に出席されて発言されておる以上は、公式の発言と考えなければならないし、その意味ではこれが人事院を代表した御答弁をされておられると思うのですが、その内容については実は重要な発言をしておるのであつて、私どもとしてはかなり問題にしなければならない内容を持つておるのです。今ここでお尋ねしておきたいことは、入江さんは人事官として人事院の意見を代表して、この委員会に意見を述べられたのか、それとも個人としての立場から意見を述べられたのか、あらかじめ承わつておきたいと思います。
○説明員(入江誠一郎君) 先般九月十日及び十一日の衆議院の地域給小委員会におきましては、もとより私が述べましたところは私個人の見解ではございませんので、人事院の意見として申述べたのであります。
○委員長(村尾重雄君) よろしいですか……では御説明願つてよろしうございますね。
○説明員(入江誠一郎君) 只今川島専門員からお述べになりましたように、去る九月十日及び十一日の衆議院における地域給小委員会に出席の御要求がございましたときに当りまして、それに先立つ八月の十日の衆議院の小委員会における、大体地域給の二段階を整理いたしまして、三級以上を新らしい地域給にする一つの案に関連いたしまして、人事院の事務的な研究の結果を述べよというお話がございまして、その節、御説明しようとして提出いたしましたのが、只今お手許に差上げておりますところの「現行勤務地手当の合理化に関する諸案の検討」という案でございます。これにつきまして、概要似説明申上げようと思いますが、大体この地域給につきましては、御存じの廻り一応この現在の二段階、二級地までを本俸に繰入れまして、残つたものを新らしい地域給にするという案に関連いたしまして、お手許にございますように、一、二、三、四ということを考えておるわけであります。 その第一は、一応一〇%を俸給に繰入れまして、その新しい三、四、五級に五%、一〇%、一五%という地域給を付ける案でございますが、これによりますると、大体現行のベース及び現行の地域給区分につきまして大体百七十四億くらいの予算を要する。勿論これは地方公務員並びに公務員関係を含めてでございますが、という予定でございます。これにつきましては、ここに記述してございます通り、比較的簡単に参るのでございますけれども、現行の三、四、五級につきましては現在よりもむしろ職員の手取額が増加いたしまして、相当予算が嵩むという一つの事実がございます。 次の第二案はその欠点を是正いたしますために一〇%を本俸に繰入れることは同じでございますけれども、新しい三、四、五級を、ここにございますが、端数をつけて申しますると、四・五%、九・一%、十三・六%でございますが、こういうふうに新しい地域給にするという一つの案でございますが、これによりますと、各級とも現行の手取額よりも多くなるという欠陥はございませんけれども、非常に地域給といたしましては、余り細かくなり過ぎまして、地域給として非常に複雑になるという欠陥があるように存じます。これの大体の所要額は百六十億見当でないかと存じます。 次はその予算の増大を避けまするために考えられる案でございますが、俸給の八・七%、勿論これは只今申しました俸給と申しまするのは、本俸及び扶養手当を含んでおるのでございますが、この八・七%と申しますのが、本俸だけで申しますと九・一%になるのでございますが、残りの三、四、五級につきましてはり大体五%、一〇%、一五%とする案でございます。この所要額は約百十四億でございますが、これによりますると、標準生計費の基準になつておりますところの東京の手取額では増減ございませんけれども、二級、三級、四級のところにおきまして本俸の繰入れ方が少うございますので、若干手取額が減少するという結果になります。 それから更に第四案は大体現在の予算の範囲内でやるという案でございますが、これは非常に予算は要りませんけれども、手取額が非常に減少するという欠陥がございます。 次の第五案は地域給を、御存じの通り、現在は本俸及び扶養手当の何割という定率制になつておりますけれども、これを定額制にいたしまして、今後の増加を抑えて行くという案でございますが、これにつきまして「イ」「ロ」両案ございますが、これはどちらも非常に案としては不徹底でございまして、なかなか実際問題といたしましては現在の地域給の現行のままこれを実施して行くについての欠陥が是正いたされませんのみならず、定額制にいたします場合に整理が非常に困難であるというふうな欠陥があるのじやないかと存じます。 それから最後に、現行の勤務地手当を全廃いたしまして、これを現給保障と申しますか、現給の定額の特別調整額、恩給その他の基礎になりません特別調整額という方法にいたしまして、現給を一面保障しながら、異動の際に各任命権者或いは各地方庁においてこれ調整するという案でございますが、これもなかなか、一応どうしても地域給を全廃いたすという場合に考えられる案でございますけれども、新規採用のときにどうするかという問題もございまするし、又各地方において非常に困難な問題が起るようで、ございまして、実施上については相当困難がある案じやないかと思います。大体以上の案につきまして御説明いたしました次第であります。
○委員長(村尾重雄君) 御質疑がありたら御発言願います。……ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(村尾重雄君) 速記を始めて下さい。ほかに御発言もなければ、明二十二日午後一時より開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十八分散会