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16回国会参議院1953/08/10

厚生委員会 第32号

発言数
46
登壇者
9
会派数
4
開催日
1953/08/10

会議録

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 只今から厚生委員会を開会いたします。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 私はこの際質疑を打切り、討論を省略して、直あえに採決せられんことの動議を提出いたします。(「賛成」「無茶です」「委員長」「委員長」「余計なことを言わないで下さい」と呼ぶ者あり)    〔藤原道子君「私のほうが早いです。」と述ぶ〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 藤原さん、何の御発言で、こぎいますか。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 過日、まだ質疑は継続中でございましたが、それはすでに中山委員も御承知の通りであります。私どもはこの重大なる法案を、多数で押切つて質疑を打切ろうとするようなことに対しては、了承するわけに参りません。大事な法案であるが故に、もつと審議を尽されんことを要望いたします。

高野一夫自由党

○高野一夫君 私は只今の中山委員の動議に賛成いたしております。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私の質問に対する答弁はまだ尽されていないのです。いろいろ質問した中で質問に対する一つの誤解がありましたので、その誤解はこうだと言つて一部分のことについての答弁しかなかつたわけです。その答弁がこんがらがつてああいうふうになつて発展しましたけれども、他の面に対する答弁は残つておる、こういう状態で質疑の打切ができるかどうか、委員長どうお考えになりますか。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 只今湯山委員からの御発言でありますが、中山委員からの質疑打切の動議が出ておりまして、この処理を如何いたそうかと、こういうふうに私考えておるわけですが、質疑はまあこれで両二回、二日間に亙つてやられておりますので、一つ何か話合いで、これで質疑が打切れるものなら打切る、或いはどうするということができればいいのじやないかと、こういうふうに考えております。ちよつと速記をとめて下さい。    午前十時四十五分速記中止    ―――――・―――――    午前十一時八分速記開始

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 速記を始めて。  五分間休憩いたします。    午前十一時九分休憩    ―――――・―――――    午前十一時三十三分開会

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 今いろいろお話があつたのですけれども、結局あの動議が成立しておるというような御見解が強くて、結局質疑、討論打切りというようなことがなされそうな情勢にあるわけです。そこで私はそのことを決定するに当つて、こういう点を考慮して頂きたいということを含めて議事進行の意見を述べたいと思います。  この厚生委員会が随分長い間審議を尽したということを与党の皆さんおつしやいますけれども、実は本法律案は、この印刷物について御覧頂きましても、これだけ大部のものです。こういう大部のものでありながら、これに要した審議の時間というものは実際は非常に少くて、非常に多くの時間を費やしたのはあのらい予防法案なんです。で、このらい予防法案の審議がなぜあのように長引いたかということを簡単に申上げますと、全く厚生省当局の、大臣を含めて、やり方が悪かつたためなんです。このことは事務次官はおりませんが、政務次官はよく御承知と思いますが、例えば大臣がらい患者に対して飯を出すなという命令を下したということを事務次官ははつきり申しておる。ところが厚生大臣はそのような命令は下していないということを本会議ではつきり御答弁になつているんです。この責任は私はなお追究するつもりでおります。なお、又本案の審議に当りましても、次官も局長も三者構成その他のことに関しては運営によつてやつて行く、運営によつてやるということをおつしやつておりますけれども、併しながらその運営をどうして行くかという内容についてはまだ質問していないのです。而もその運営について、それでは厚生省当局へ責任を持たすことができるかどうかということを検討いたしますと、全く責任が持てないと私は思う。と申しますのは、例えば政務次官は、私が政府委員室へ行つて、親父が、親父という言葉は悪いかも知れませんが、父親が飯を食わすなといつたときに、母親が食わすというようなこともあるじやないかということを申したら、宮崎次官は、そういうことはしない、こう言つた。私は普通の家庭ではそういうことをするということを言つたら、政務次官は、あなたの家庭では夫婦が一致していないのだという非難をされた、非難という言葉は悪いかも知れませんが、ひやかされた。政務次官がぞう言われたことが現実に事務次官によつてなされているのです。というのは、あの翌日に事務次官は、大臣がそう仮に命令したとしても、その命令に反して飯を与えるということを約束した、そうしてその手配を藤楓会を通じてやつたわけです。そのことが更にあの問題をこじらせる一つの要素になつたわけです。政務次官が若しあのときにお考えを変えていないとなされば、事務次官はやはり一つの背信行為をやつている。で、その間そういう問題がたびたびありまして、私は厚生省当局がこの法案の不備な点は運営によつてやつて行くとおつしやいますけれども、一体どのように運営して行くかというような点は全然質疑はなされていないわけです。而もその質疑がなされなかつた理由は、私がそういう問題について質問しようとしているときに、そういう問題は堂々めぐりをするから一つお前の持つている腹案をここで述べて見ないか、そういう腹案が述べられればそれを中心にして質疑を展開して行けばもつと問題は展開して行くのじやないか、こういうようなお話がありましたので、私は、それではその申出に従つて具体的な問題について進めて参りましようということで引受けまして、で、一昨日の委員会におきましては、午後はそういう問題について質問することに移つたわけです。だから運営面等についての質問は全く殆んどといつてもいいくらいに検討されていないのです。更に又この問題について残されておるのは、現在いろいろな審査会で三者構成をなしておるものが随分たくさんございます。その三者構成をしている委員会にはそれぞれ意味がありまして、成るほど能率を上げるというような点から言えば、その三者構成が不自由なものもたくさんあるわけです。併しその三者構成をただ運営に不便だからということで変えていいかどうか、こういうことでその構成を崩すということは、他の三者構成の機関にどういう影響を与えるかというような問題につきましては、労働委員会或いはその他厚生省の統轄しておるものにもそういうものがありますが、そういう他の委員会との関連も多分にあると思います。併しそういうことについての質問も全然なされていないから、そのことが他の委員会にどう関連を持つかというような点についての検討は、これは局長も御判断になつていいと思いますが、全然なされていないのです。更に又こういう大きい機関を政府が設置するということになれば、当然内閣委員会との関係もございます。単に一事務官を雇入れるとか、そういつた問題ではなくて、少くとも大臣級の人を持つて来てそういう機構を作つて行こうという段階において、一厚生委員会が十分な、そういう点について検討をしないことは勿論だが、それに関する他の機関との、つまり内閣委員会との合同審査というような面は全くなされていないのです。こういうことを全く無視いたしまして、而も委員会自体の運営から考えましても、局長やその他のかたはすでに質問は終了した、あとは見解の相違だとおつしやいますけれども、若しそう御判断になるのであれば、当然一昨日の二時三十分、まだ早いですから、昼飯も食わないでそこまでやつた委員会ですから、その時にそういうことを納得するように御説明になつて御決定になれば問題はない。併しその時には質問が残つておるという状態において散会したはずです。それを今そのような状態を無視して、そういう過去の一切の行きがかり、どういう点についての質問が残されているか、そしてこの法案がどのように大きい法案であるか、量的にも質的にも大きい問題を含んだ法案であるかというようなことを無視して、そして政府の怠慢、厚生省当局の怠慢、無責任、そういうことのしわ寄せがこの委員会に来ている、そういうことを無視して厚生当局も極めて誠意のない答弁をし、そしてそれによつてともかくも質疑を打切つて、而も討論までもそれによつてやらないようにしようというようなことは、私は余りにもこれはやり方がひど過ぎるのではないか。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 湯山委員に御注意申上げます。議事進行についての御発言でございますから、そのような線でお願い申上げます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私は今の議事進行の動議に対して意見を述べて、そしてそれに対してなお議事進行に関する意見を述べたいと思いますので、これは簡単に反対とか賛成とかいう問題ではなくて、特に今日あの問題を主張された委員のかたはお二人とも新らしい方です。そして他の党派から出ておられる委員のかたも四人まで新らしいかただけです。ですからそういうかたに慎重にこの採決に加わつて頂くためには、私は経過をかなり詳細に申上げて御判断願う必要があると思います。(「詳細に一つ願います」と呼ぶ者あり)そのことをただ簡単にこれはああだとかこうだとか言うのではなくて、判断を正確にして頂くための資料を提供するということが議事進行のこの際の最も重要な役目だと思いますので、一つ御了承願いたいと思います。  そういう段階を通つて参つております。そういうことをお考え頂いたならば、この問題に対して成るほど質疑については或いは私と見解の相違だと言い、そして局長がなおあのような過程であるにもかかわらずそういうふうに一方的におつしやるのならば、これについては委員長が速記録を調べるということを御確約願わない限り、この場の口だけでは結局水掛論になりますから、質疑の打切りということにつきましてはこれは或いは止むを得ないと思います。併しながら討論をもこれに併せて打切るということについては(「そんなことは承知していないよ、私は聞いていないよ」と呼ぶ者あり)動議としてはそうだつたですね。(「そうです」と呼ぶ者あり)そういう動議をお出しになるということについては、私は非常に大きな問題があると思うのです。それは恐らくこの問題に関しては予算が組まれていない関係もありますから、全国の医師会のかたがたもこれについて非常に疑問を持つておられます。私は正式な機関についてお聞きしたことはありませんけれども、政府がこういうふうなことで予算の少いことで審査を厳重にするということによるしわ寄せをして来た場合には、点数単価を上げるとかその他のことをやつても、結局これは医師の生活への圧迫になつて来るのだというような観点に立つてこれに反対しておられることを知つておるのです。このことを詳しく申上げますれば、恐らくすべての医師のかたは反対をなさると思います。なお又社会保障制度審議会の答申につきましても局長はああいうふうにこれは三者構成をこわすから考慮せよということについては、これは考慮せいということは認めておることだと未だ曾つてない独自な解釈をしておられる。こういうことをもつと突き進んで討論をしなければ、一体初めて来られたかたは何をもとにして採決に参加することがおできになるでしようか。社会党第二控室の加藤委員も阿具根委員も、中山委員も、それから自由党のお二人の委員のかたも、つまり五人の新らしい委員のかたを加えて、その新らしい委員のかたが現在までの審議の経過を御存じにならないで、ただ採決だけに参加する、こういうことが果して委員会の民主的な運営になるかどうか、委員長はこういう事態を、委員長はこれだけの構成の委員の中で、本委員会に初めて出られたかたが五名ある、その五名のかたが少くとも恐らく十分にこの法案は見られたこともないと思うのです失礼な言い方ですが。而も現在までの短い時間の質疑でどこが問題点なのか、或いはこれについてどういうことが質疑応答されたか、そういうことを御存じないでどうして採決に参加することができるか、これは委員長の責任において、委員会の構成がこうなつたということは委員長の責任においてそれに対処する新たな方法をお考えになる責任が私は厚生委員会としてあると思うのです。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これをしも強引に討論を省いて採決に持ち込もうとするような動議が出た場合には、私は委員長はその職を賭してでもかような不合理な採決はできないということを断乎としてやるだけの決意が国会の委員長としてやる責任がある。やることが義務である、言い過ぎかも知れませんけれども、私はそう思います。にもかかわらず委員長は只今の動議は動議として成立しておるというようなことを一応懇談会ではあるけれどもおつしやつた。このことは私は委員長が余りにも形式的な運営に囚われて委員会の実質的な審議、そういうものを無視しておられるのではないかと思うのです。若上私の言うことに誤りありとお考えになるならば、委員長みずから五人の新らしい委員のかたに問題点になつておるところ並びにそれについてどのような見解が下されるということを当つて質して頂きたい、そして成るほど形式的には五人のかたは正式な手続をして出られた委員でありますけれども、実質的にこの採決に参加できる資格を持つておるかどうか、そういう点についての検討を委員長はなされる必要があると思うのです。今私が申上げましたように一々当つて聞くというようなことはできないにしても、直感的にもそういうことは御判断できると思います。私は若し只今のような動議が、或いは只今のようなことについての採決が自由党も大谷、榊原の両委員がおいでになつておられるし、或いは改進党その他の党派におきましても、今日までこの法案と取組んだかたがもつとたくさん出られ、新らしい人が一、二名、そういう段階ならば、これが大勢を支配するに至りますれば、何をか言わんやであります。然るによくわかつていないかたが五人もおるという状態で、而もその人達の向背が一切を決定するというような採決が、討論を抜きにしてなされるということは、私はどうしても納得が行かない、若しこのこと自体を公表したならば、現在厚生委員会の決定に従つていろいろなことをしておる例えば援護の関係とか、或いは療養の関係とか、或いは現在すでに問題を起しておりますらいの諸君とかが、今のような運営を厚生委員会でなされておるということを聞いたら、一体どう思うでしようか。そういうことを対象者に思わせることはこの委員会がどうあるとかこうあるとかいうのではなくて、国民に対する厚生行政、我々委員が国民に対して持つている責任が果してそれで果せると委員長はお考えになりますか。こういうことを考えて行つた場合に、今のような動議が仮に出されて、仮にそれに対する賛成者があつたとしても、それは委員長が持つている全国民に対する責任、そういうことから考えてよくよくこの辺の点は御検討願わなければならない問題ではないかと思うのです。同時に又只今の動議に対して賛否の意見を発表せられる委員の各位におかれましても、ただむやみにこの法案に賛否の態度を表明すればいい、こういうことではなくて、委員としてお出になられる以上は、わからないところは一応お質しになり、或いは又現在までの審議の経過、そういうものを御存じになつて頂きたい。恐らく私は私の党から出た阿具根委員にいたしましても、或いはお隣りにいらつしやる加藤委員にされましても、或いは中山委員にいたされましても、やはり御質疑の点が残つていると思うのです。それらの点をも、新らしい委員のかたがたの意向をも無視して、ここへ出て来た以上は、何か御意見もおありかも知れない、こういう点を明らかにしておきたいということがおありになるかも知れない。或いは前の委員との引継ぎにおいてこういうところだけは質してもらいたい、質疑はまだ打切になつていないのだからということをお聞になつていらつしやるかも知れない。殊に第二控室等におきましては、ただ一人の委員が、そのただ一人の委員が交代された、百%の交代です。そういうかたの意見をも無視して、果してこれを、討論をも省略して採決をするというようなことがあつていいかどうか。私は委員会自体としてもこれらの問題を検討する必要があると思います。更に私は厚生省自体にもこれを強引に持込むことをいろいろ画策されておりましたけれども、あなたがたのおとりになつたこと、今日までの言動は殆んど信頼できるものを持つていないのです。今中山政務次官に私は申しましたけれども、中山政務次官が私に言つたこととそして宮崎次官が言つたこととやつたことと、そのこと自体に早すでに食い違いがあります。中山政務次官が私におつしやつたことをそのままの気持で現在もいらつしやるのでしたら、お隣りに坐つている宮崎次官にどう一体おつしやいますか。こういうことも一応お考えになつて頂きたいし、又大臣がここでおつしやつたことと宮崎事務次官の言つたことは全く矛盾しておるのです。らい予防法においては強制収容ということを言つておりながら、そのおる患者に対して退所命令を出したというような、全く道理に反した行いをやつておる。こういう事務当局が一体運営によつてやつて行くということを言つておるのですけれども、その運営という言葉だけでこのことを納得するということが皆さんおできになるかどうか。これも問題なんです。こういうことをも考えて、運営とは一体どういう内容を持つてどのようにして行くかということの質疑の討論もなされておらない。附帯決議を出すにいたしましても私どもは民主的なルールに従つて多数で破れた場合にはなお附帯決議等を用意しなくてはならないと思います。併し附帯決議を付するにいたしましても、その運営に当つて厚生省或いは厚生大臣がどのような運営をして行こうということを聞かない限りは、それさえもできない状態にあるわけです。こういうことについて厚生省当局はどのようにお考えになつておられるか、こういうことの質問はまだ少しもなされていない。これらを考えますときに、私は委員長が一つの議会のルールを守つて行くということも委員長にとつては極めて重要でありますけれども、そういう議会のルールを単に形式的に守つて行くことが、全国民のためにどんなに不幸になるか、そうして又今一時的にそのルールを守つて行くことが、この厚生委員会の将来の権威をどのように失墜させることになるか、そういうことを十分御判断になつて、委員長はただ単にこの委員会だけの委員長ではなくて、全国民の要望を担つている委員長であるという認識に立つて、この取扱いに対する態度をおきめ願いたいと思うのです。こういう点について若し委員長が只今までにお考えになつたことを更に御検討なされる御用意がおありになるのでしたら、今暫く休憩して頂いて、そうしてもう一度各党の御意見を、そういう見地に立つて御検討頂いて、最終的な御決議を頂きたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 私は今日私のほうの会派の唯一の委員でございます山下さんの代理として新らしくここに出ましたものでございまして、只今御審議中のこの問題につきましては、誠に乏しい知識しか持つておらないものであるということは、誠に恐縮だと思います。併し只今湯山委員からこの最後の重大なる機会に対して五人の新らしい委員が交代していて、そのためにこの新らしい委員たちはこの問題について十分に知らないから、なおこの採決に当つて知らないままで投票したというようなことがあつたのでは誠に面白くないのでありますから、十分に知らせるような機会を与えてほしいという御発言があつたのでございますが、私はそれは必ずしも新らしい委員が交替したから、又その新しい委員にいろはのいの字から教えてやらなければならないということでございましたのでは、誠にほかの委員のかたがたにとつては御迷惑でございまして、私は必ずしそういう意味で私にも、もう一度わかるような時間を与えて下さいということは申上げられないのでございます。ただ私が外部から参りましてここで一言発言させて頂きたいことは、私が厚生委員会におりませんでも、この厚生委員会で取上げられまするところの問題は多くこれは政党政派を超越いたしておりまするところの、大衆の福祉ということに直接関連の深い事柄ばかりをここでお取扱いになつていらつしやるのでございます。従いまして厚生委員会でいやしくも何か事柄が審議されましたときには、飽くまでも自分の党派というようなものは先ず超越いたしまして、そうして超党派的な考え方、発言というようなものがここでなされなくてはならないと思うのであります。こういうような意味におきましてややもすれば皆様がたが余りにもお忙しくて、余りにも御熱心であつた余りに、ややもすればその発言の中に感情的なものが含まれているようなこともあつたのではないかというようなことも、私ちよつと察知いたしまして、これは大変残念なことだと思うのでございます。それでこういうようなことをもう一度取上げて、この大事な法案でございますから、もう一度ここで新らしく御審議をなさつて頂きたいということを私はお願いいたします。そうして更に私がもう一度お願いをいたしたいのは、この法案は大変に重要な法案でございまして、本来ならもう会期がすでに済んでおりまして、この三日間の延長というものがなければ、これは今回は採決にまで至らないという運命にあつたものが、たまたま三日間の延長ということで、殊に今日の一日というのは、これは全く偶然の付け足しの一日なのでございます。この一日に皆様がたも、もう長い間のお疲れが出ておりまして、もう帰心矢のごときものがおありになるということはお互い十分承知いたしておりますが、そういう勢いで以て急いでこれを上げてしまう、殊に討論をしないで上げてしまうというやり方は、これは必ずしも皆様がたの賛成にしても反対にしても、これは心の中に悔を残すことであろうかと私は考えますので、こういうような採決の仕方というものを、もう一度お考え直しになつて頂くことができないか、私はこれを心よりお願いを申上げます。又更に厚生当局といたしましては、こういうような法案の出た以上は、これは事務の処理上も成るべく早く一つ一つ出た以上のものが、これが成立して行くということは、お役所としては望ましいことであろうと私は考えます。併しお役所が事務上好ましいとお思いになつたからと言つて、その気持を察知して、それの便宜のために委員会がいつでも行動するということがあつては、これは委員会の生命を失つてしまうことになるのでありますから、これは与党のおかたにおきましても、ただお役所本位、お役所を助けて行けばいいというような考え方ではなくして、この法案の本質について十分にお考えになつて頂きたいと思うのでございます。殊に承わりますと、新らしく問題になつておりますこの法案の予算措置は、まだなされておらないそうでございますけれども、若し法案が通過をいたしますれば、二十九年度の予算においては、やはり予算の措置ということが当然考えられるであろうと存じますが、こういうような予算措置が、これ又全体の金額からいつたら大して大きな金額でないかも知れませんが、今国家の予算は、全体において成るべく費用を少くして行こう、その方針に向つて、これは与党であると野党であるとを問わず、今どんどん予算は膨脹して行く傾向を飽くまで阻止するということが国民から期待されておる問題でございますから、そのことをもお考えになりまして、いろいろのまだ問題が含まれておるのではないか、私は参つたばかりで大変失礼でございますが、こういうような点に気がつくのでございます。それで私が特に与党の委員のかたにお願い申上げたいことは、どうかこの法案が、今日一日という運命的に延ばされた日で、ここで以て今あわただしく御採決をなさるというようなことではなくして、継続審議というような形をおとりになつて頂いて、一応皆さんの長い間お闘いになつたお疲れをお休めになつて、ここで一服なさつてから、新らしい気分で継続的に審議して、民間代表の意見なりをお聞きとり頂いて、皆が納得した上で、むしろ党派の利害を超えたというような気持でこれが採決になる、こういうようなことであつたら、これは誰も異存のないことであろうと思いますので、私は参りたてで甚だ僭越でございますけれども、篤とこれだけのことを与党の委員のかたにお願い申上げる次第であります。

高野一夫自由党

○高野一夫君 先ほどの湯山委員のお話も御無理のないような点も感じないでもない点でありますが、率直に申上げて、一応この間も藤原委員なり湯山委員にしても、十分私はこの法案そのものに対する直接的な御質疑は十分お出しになつたのじやないかと思つておる。それであとから引つかかつて参る、引つかかつておるとおつしやる問題は、湯山委員の私案、こういう考え方を以て、これに対してどう思うか、こういうふうないわば討論に亙るような御質疑でありまして、直接間接関係がないとは申しませんけれども、直接的にこの法案に対する質疑は一応あのときにおやめになつて、そうして御自分の私案についてお述べになつた、これに対して厚生省はどう思うか、こういうふうに我々は拝聴いたしておつたのでありまして、一昨日の三時頃ここを散会いたしたと思いますが、そのときの厚生省側の御答弁によつてあなたは御満足なさらなかつたかも知れませんけれども、それは見解の相違であるかも知れませんが、一応ここで厚生省側の御答弁が済んだと私どもは心よく了解しておるような次第であります。それでなお先ほど来新らしい委員の差替えということもございましたが、これは今加藤さんからもお話がございました通りでございまして、一応党派からいろいろお互いに委員の差替えは常に行われるのであつて、併し我々のほうにおきましては、新らしい委員に代つて頂くについては、少くとも今朝一時間に亙つてこの法案についての審議の経過を十分説明をしまして、そうしてこれに対するいろいろな難点のあるところ、或いは各党派から質疑のあつたところを一つ御理解願つて出て来たつもりでございます。併しながらここでお互いに新らしい本日お出になつた委員に対して、それはどういう方法を講じておるかということは論議のほかでございますが、一応私は加藤委員にいたしましても、阿具根委員にいたしましても、中山委員にいたしましても、我々のほうの二人の委員にいたしましても、差替つてお出でになつた以上は、本法案の本筋をお掴みになつて、採決といいますか、賛否の態度を明瞭にして出ておいで願つておると私は各議員の人格を尊重してさように確信いたします。それで先ほど動議を出されて成立しておるわけでございますが、どうか一つ湯山さんにお願い申上げたいのでございますが、そういうような段階にあると私どもは了解いたしておるのでございますから、あなたの運営に対するいろいろな不安、そういう気持は十分お互いが国会の権威において厚生省を督促して、そうしてこの審査が決して利益代表の審査でなくして、偏頗な審査が行なわれないように、これは我々が要望することによつて十分私は趣旨が徹底されようかと思いますが、どうか一つその辺で御了解を給わつて、委員長において適当に議事の進行をお計らいを願いたいと私は思うのです。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 只今加藤さんからこの法案に対する予算措置ができていないじやないか、こういうようなお話がありましたが、予算措置はできておりますから、その点については御心配なく、御了解を願いたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 二十八年度の予算に……。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 できております。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 それはどういうわけなんでございましようか。法案が成立していないうちに予算措置ができておるということはどういうわけでしようか。

久下勝次厚生省保険局長

○政府委員(久下勝次君) 予算は成立いたしております。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 この法律が成立するかしないかということがわかつていないうちに、どうして予算措置ができるのでございますか。

田中啓一自由党

○田中啓一君 私から……。大体予算は法律案と併行審議でやるわけでございます。予算案は、まだ未成立の法案でも予定したものは、この件だけでなくて、ほかのものもたくさんございます。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 私が先刻提案いたしました動議の御採決を願います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私は、先ほど来の中山さんの御発言の中に、厚生当局は質疑は済んだものと思う、こういうような重大な発言をしておるのです。私は質疑は保留してある点が多々あるということは、これ又速記録を見て頂けばわかることなんです。私ども議員といたしましては、国民に責任を果せるだけの質疑をいたしますことは当然の権利だと思います。而も、厚生省の而も関係局長が質疑は済んだものと思う、こういうことはどこを以て言われるのか、こういう点が私の納得の行かない点なんです。(「答弁は済んだというのだ」と呼ぶ者あり)答弁は済んだ……、あなたたちは厚生省のことに口出しをしてはいけない。私は委員としての一個の資格を以て申上げておる。質疑はもう済んだ、答弁は済んだと思う、質疑はもうすでに終つたものと思いますということを言つた。若しも間違つておれば速記録を見ればわかるのです。(「答弁は済んだという……」と呼ぶ者あり)答弁は済んだと言いながら、法案の審議を打切つたのち……(「それは我々は動議を出しておる」と呼ぶ者あり)厚生省に同調するがごとき言辞を弄しております。従いまして私はこの問題等において、将来若し問題が起きたならば、これを言明なさいました厚生当局はこの責任をお負いになるのでございますか。議員としての責任がどれだけあるかということをどういうふうにお考えになりますか。私たちは殊に大事な法案の直接の問題を取上げて来た。この三者構成、この問題を中心に質疑をいたしております。又今後如何なる方法に持つて行くかについては運営の面でいたしたいということでございますから、まだまだ大事な質問は残つております。たつた一日や一日半の質疑でこの厖大なる法案の審議が済んだのでしようか。あなたがたは良心を以て国民に質疑は十分に済んだと、こう言い切れる自信があると思いますか。(「ありますよ」と呼ぶ者あり)ありますか、大したものです。私はこういう点におきましてなお良心的に言えるかどうかということを言つたのです。(「取消せ」と呼ぶ者あり)私は取消しません。(「良心があるとは何だ」と呼ぶ者あり)私の発言中に……。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 静粛に願います。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 発言が済んでからにして頂きたい。従いまして私はこうした大事な法案について、今も申上げましたように、理事会においてもお話を申上げましたように、私は労働者も納得をしていない、資本家も納得していない、お医者さんの方面からも我々のところには相当反対の意見が来ておる。事業主も余り納得していない、こういう法案でございますから、この際行きがかりや面子を捨てて、もつと今作らなければ忽ち人が死ぬという問題じやないのです。従いまして私はこの法案は是非とも合同審査、或いは又公聴会等をやつて、すべての人が納得の上でなおこれがよろしいということになれば、多数の原理に従つて私たちも皆様の御意見に従いますけれども、大事な法律でございますから、意を尽してあとで遺憾のないようにしたら如何でございましようか。私はこれが委員といたしましてとるべき途じやないか。もつともつと簡単な法律ですら、私たちは合同審査を当委員会においてはやつて来ております。参考人も呼んでおります。公聴会も開いております。而もこの厖大な大臣級を三名も置こうとするような新らしい制度を持つ法案なるが故に、私はこの際どうぞしてあらゆる者が納得の行く審議の方向へ与党の皆様もお考え直しを願いたい。私はそうでなければ、厚生委員といたしまして、社会の人に申訳がない、こういうふうに考えるのです。これは私が何も、しやにむにこれを潰そうというのじやない、審議が尽せない、あらゆる方面から反対の声が高い法律でございますから、私はそういうような方向へ持つて行つてやりたいということを私は提案して、皆様がたの御一考をお願いしたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 私がさつきお願いいたしました、只今質疑及び討論打切りの動議が出ておりますように伺いましたのでございますけれども、どうも私今日初めてこちらへ伺いまして、何かここで以て一種の興奮状態のような空気がかもし出されて、そういうようなことを数で押し切るということは、本当の民主主義のもののきめ方じやないように思うのでございますから、もう一度、大変にあとから来て潜越でございますけれども、ここで継続審議にして頂くというようにお願いができないものか、委員長からその点をお諮り願うというわけには参らないのでございましようか、これをお願いするわけでございます。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 速記を始めて。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 私は先刻質疑打切、討論を省略して直ちに採決の動議を提出いたしましたが、この動議を修正をいたしまして、質疑を終了し、討論は二人、左右両派の人を一人ずつ、討論の時間は二分という制限のもとに私の動議を修正いたしますから、これをお諮りを願います。(「何を言うておる」「常識を持て、そんなでたらめな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 只今中山委員より質疑打切、討論省略の動議を提出せられ、只今質疑打切、但し討論は二分を限つて二人が行う、このような動議に修正されました。先に湯山委員より質疑続行の動議が提出されました。この両動議は先決問題として競合する動議でありますので、委員長は先ず湯山委員の質疑継続の動議を議題に供します。質疑を継続することに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 少数でございます。よつて質疑続行の動議は否決せられました。  次に中山委員の質疑打切の動議を問題に供します。質疑打切に賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 多数でございます。よつて質疑打切の動議は可決されました。  それではこれより討論に入りたいと存じますが、二人以内、二分以内ということになつておりますが、如何でございましようか。    〔「原案賛成」と呼ぶ者あり〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 賛成のかたは挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 多数でございます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 私は只今お許しを頂きました二分の中で、只今議題になつております社会保険審査官及び社会保険審査会法案、これに反対をいたすものでございます。  私はこの法案がまだ十分に外部の輿論を参酌いたしまして、もつともつとこれに審議に審議を重ねました上で、満場一致のような形で採決されることを希望いたしておつたものでざいますが、たまたま会期が延期されましたこの最後の日をとりまして、これがまだ十分に審議が尽されていないというふうな心持をあとに残しつつ只今採決をされるというようになつたそのことを甚だ遺憾に思つて、私は只今のこの法案に賛成することができないという立場をとるものでございます。

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 事ここに至りましてはフエアで参りたいと思います。私は本法案に反対をいたします。以上であります。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 他に御発言はございませんか。他に御発言もないようでございますが、討論は終結したものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。社会保険審査官及び社会保険審査会法案を衆議院送付案の通り可決することに賛成のかたは御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 多数でございます。よつて本案は衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました。

林了緑風会

○林了君 只今可決されました本法案に対し、別紙附帯決議案を付せられんことの動議を提出いたします。    附帯決議案  社会保険審査会においては、事業主及び被保険者の権利救済の万全を期するため、所謂三者構成の実を挙げることができるよう民主的運営を行い、審査能率の向上を図ることを要望する。  以上であります。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 林君提出の通り附帯決議を付することに御賛成のかたは挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 多数でございます。林君提出の通り附帯決議を付することに決定いたします。先ほど可決になりました法案の委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。    〔多数意見者署名〕    田中 啓一    剱木 亨弘    高野 一夫    中山 壽彦    西岡 ハル    横山 フク    林   了    中山 福藏    有馬 英二

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 署名漏れはございませんか。署名漏れはないと認めます。なお本会議における委員長の口頭報告の内容については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 御異議ないと認めます。   ―――――――――――――

湯山勇日本社会党(第四控室・左)

○湯山勇君 私、緊急に質問いたしたいことがありますから、お許し願いたいと思います。なおその質問に当りましては参考人としてつ事務次官をお呼び願いたいと思います。なお政務次官も御出席願います。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 今連絡いたします。本会議が開かれましたので、暫次休憩いたします。    午後零時三十八分休憩    〔休憩後開会に至らなかつた。〕

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