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16回国会参議院1953/06/24

厚生委員会 第3号

発言数
28
登壇者
8
会派数
4
開催日
1953/06/24

会議録

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 只今から開会いたします。本日は昨日に引続きまして社会保障制度に関する調査の一環として厚生省関係昭和二十八年度予算について厚生省公衆衛生局、医務局、薬務局関係を議題といたします。先ず衛生局長の説明を願います。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○政府委員(山口正義君) 公衆衛生局関係の予算につきまして主なる事項を御説明申上げたいと存じます。お手許に差上げてございます資料、昭和二十八年度一般会計歳出予算要求額という書類を御覧頂きたいと存じますが、それの二ページのところに七番、精神衛生対策費というのがございますが、そのうちで第一の精神病院療養所の整備費でございますが、精神病院は予算的には国立のものと公立のものと両方ございます。国立のほうは医務局が所管いたしておりますので医務局からあとで御説明申上げることと存じますが、公衆衛生局関係は公立の精神病院に対します補助を計上いたしております。二十七年度は五百床でございましたが、二十八年度は一千床計上いたしてございまして、これは二分の一の補助率でございます。  次は精神病院療養所の経常費でございますが、これも国立と公立と両方ございますが、公立のほうにつきましては公立病院の補助、これは公立の精神病院の経常費につきまして赤字を補助するということになつておりまして、一応実費徴収率を八五%程度に計上いたしまして、二千五百八床に対しまして二分の一の補助率で補助をいたしたいと存じておりまして、その額約三千八百二十七万四千円を計上いたしております。  次は措置入院費の補助でございますが、これは精神衛生法第二十九条によりまして、強制措置によりまして入院させましたものにつきましての費用の徴収できないものに対しまして、都道府県が費用を払い、それに対しまして国が二分の一補助するという予算でございます。これは実費徴収率を約二五%というふうに考えております。これに要します経費を二億六千八百五十万一千円計上いたしてございます。  次は精神衛生相談所の補助でございますが、それに対します経常費補助でございまして、これもやはり二分の一でございまして、約一千万円計上してございます。  次が八番の優生保護関係の予算でございますが、これにつきましては、中央優生保護審議会或いは優生保護特別事務打合会等がございますが、主なものはそこに摘要のところに書いてございます。優生手術に対します交付金でございまして、これは一応法に基きまして強制手術をいたしますものに対しましての費用でございますが、男四百五十人、女九百人、合計千三百五十人に対します優生手術に必要な額を計上しておるのでございます。男は一人手術代として七千五百六十五円、女のほうは一万三千八百六十円というふうな金額を計上いたしてございます。これは二十七年度は九百人分計上いたしておりましたが、二十八年度は一千三百五十人分計上いたしてございます。  次は受胎調節関係、九番目の予算でございますが、これについて受胎調節に関しまする講習会、或いは都道府県で実施しております認定講習の指針を作成するというような費用も含まれておりますが、主なものはそこに書いてございます優生保護相談所に対しまする補助でございます。これは二十七年度において三百二十九カ所、優生保護相談所を整備して頂いたわけでございますが、二十八年度におきましては、全国の保健所七百五十二カ所のうちで三百二十九ヵ所を引きました四百二十三カ所につきまして、優生保護相談所の施設整備費、一カ所五万五千円、その二分の一の補助をするということを計画いたしております。それから施設整備費のほかの事業費といたしまして一カ所十万円、これは七百五十二カ所全部に対しまして計上いたしました補助率を事業費のほうは三分の一計上いたしてございます。  次が受胎調節の普及事業補助費、これは府県に対しまして、府県におきまして受胎調節実地指導をいたします指導者に対しまして、指導の資料を作成して配付する、それに要します経費の二分の一補助というわけでございます。  次が十番目の栄養改善に関しまする経費でございますが、第一はそこに書いてございます栄養改善法の施行に伴うものでございまして、その内訳はその摘要に書いてございますように、第一が栄養審議会、これは委員三十名として年三回開催をする予定をいたしております。それからその次が栄養調査委託費、これは国民の栄養状態の現状を把握いたしますために、昭和二十一年以来継続して実施いたしております栄養調査に要します費用でございまして、全国で百七十八地区を選びまして一万七千六十世帯、人数にいたしまして八万五千三百人の人について任意抽出法によつて対象を選び出しまして調査をいたしておるのでございます。それが府県に実施いたしてもらつておりますので、それを府県に委託いたします費用でございます。  第三番目の集団給食指導補助、これは集団給食施設の栄養指導をいたしますための、その指導者に対しましていろいろ指導をいたす、講習をいたしますために全国を四ブロックにわけまして、年一同ずつ実施をいたしたい、そういうふうに考えておるわけでございます。なおそのほかの栄養改善法の施行に伴うものといたしましては、特種栄養食品の試験費約二十万円を計上してございます。栄養関係といたしましては、この栄養改善法に伴いますもののほかに栄養士法施行に必要な経費、すなわち年一回八ヵ所で栄養士の国家試験を実施いたしておりますが、それに要します経費を約四十九万二千円計上いたしてございます。それに要します経費でございます。  次が結核対策でございますが、結核対策につきまして細かい数字につきまして御説明申上げたいと存じます。結核対策の(1)のところは結核療養所の整備費でございますが、只今結核療養所は国立とそれから公立、法人立、それから社会保健関係、厚生省におきましては医務局、公衆衛生局、保健局、その三局に分れて所管いたしておるのでございますが、公衆衛生局関係は公立の療養所、法人立の療養所、その両方を所管いたしておるのでございまして、二十八年度には六千床増床の予定で、予算を計上いたしてございます。お手許に差上げてございます資料にございますように、公立が四千床、法人立が二千床の予定でございます。  それから(2)は社会局関係でございます。(3)の結核療養所経常費のうちのやはり公立、法人と書いてございますが、これは公立の結核療養所に対しまして、その経常費の赤字補助を出す予算を計上いたしているわけでございます。五千万円計上さして頂いております。  次は(4)結核予防費でございますが、そのうち医療費、これは結核予防法の第三十四条、第三十五条に基きまして、結核患者医療に対しまして公費負担をするわけでございますが、それの費用を大体前年度の実績を基にいたしまして予算を計上してございます。たとえばストマイは十六万人分、パスは同じく十六万人分、ヒドラヂツドは一万四千人分、テイビョンが一万四千人分、人工気胸気腹が十六万人分、胸部手術が五万四千人分、肺外手術が二万人分というようなことで、大体前年度の実績を墓にいたしまして、人数を計算いたしまして、予算を計上してございます。  次は健康診断に要します費用でございますが、これは前年度におきます健康診断の実績を基にいたしまして、二十八年度においては約二千二百万人実施する予定で予算を計上いたしてございます。予防接種も同じく前年度に実施いたしました実績を基にいたしまして、約一千四百万人予防接種をする予定で予算を計上いたしてございます。  その他の項目のところでございますが、保健所費の補助金のうちで、結核関係の費用、これはあとの保健所のところにも出て参りますが、保健所別の講習会費、これは一カ所、額はわずかで五千八百円しか計上いたしてございませんが、これを全国の保健所で実施するという費用、或いは保健所の保健婦が訪問いたします、患家を訪問いたしますその訪問指導に要します経費、それを一カ所約十九万円計上いたしてございますわけでございます。そういうふうな保健所関係の費用、それからその次の結核実態調査費、これは新しい仕事でございますが、御承知のように最近結核の診断技術或いは治療技術が非常に進歩して参りました。結核の死亡率が非常に減少して参りました。数では大体年間の死亡者数が十五万人、人口十万対の死亡率が二百前後というところでございましたが、御承知のようにだんだん結核の死亡者数が減つて参りました。従いまして人口単位の死亡率も減少して参りまして、昨年は死亡者数が七万余り、それから人口十万対の比率が八二・一というふうに減少して参つたのであります、併し結核患者の数はまだ減つているというふうには私ども考えられないのでございまして、従いましてこの際全国の結核の患者の実際の姿をつかんで、そうして将来結核対策を又考え直さなければならない部面も出るのではないかというふうに考えましたので、本年度の仕事といたしまして、厚生行政基礎調査統計調査部で実施いたします統計調査、基礎調査と関連いたしまして、全国で二百十一地区に割振りまして、人数にいたしまして、約五万人でございますが、これを選びまして同じ手で同じようなやりかたで、結核の集団検診を実施いたしまして、現在結核の様相がどういうふうにあるかということを調べたいという費用でございまして、その費用といたしまして二百五十七万円計上させて頂いておるわけでございます。  その次のBCG実態調査、これは数年来続けて実施させて頂いております仕事でございます。BCGの接種によりまして、どういうふうに陽性転化して行くがということを調べます費用でございまして、八十一万三千円計上いたしてございます。それからその次の従事者研修委託費、これは結核の仕事に従事いたします医師保健婦、エックス線技師の三者を、結核予防会の研修所に委託いたしまして、研修いたしてもらう。講習いたしてもらう費用でございまして、九百四十六万七千円計上いたしてございます。  それからその次は結核予防会に対しまする補助でございます。これは九百五十万円計上してございます。そのほか結核予防法に基きます結核予防審議会の費用といたしまして、四十一万五千円、地区別講習用として四十一万六千円計上いたしてございます。以上が公衆衛生局関係の結核対策費の概略でございます。  その次が癩対策費でございますが、(1)の癩療養所、これは国立の癩療養所と私立の癩療養所とがございますが、国立の癩療養所につきましては事務局のほうから御説明申上げたいと存じます。それから次は癩の一時救護所の整備費でございますが、これは現在全国に六カ所一時救護所がございますが、二十八年度において更にもう一カ所設置いたしたいという費用でございます。第三番目の癩療養所の経常費、これは国立のほうは医務局関係でございます。私立は全国に三カ所ございまして、ベッドの総数二百八十床、これは全部国がその経常費を負担しておりまするんで、それに要します費用でございます。それからその次の(4)は癩予防府県補助、これは癩予防の見地から健康診断或いは癩患者の収容ということを府県の仕事といたしましてやつておりますので、これに対して国が二分の一補助する規定でございます。  次が密入国者の収容に要します経費。それから藤楓協会、もとの癩予府協会。それに対しまして、思想普及、その他の仕事を委託いたします費用百万円を計上してございます。  次が、十二番目、保健所関係の費用でございますが、保健所は、二十八年度におきまして、新設二十ヵ所。それからC級からA級に格上げいたしますのが十ヵ所予定いたしておりますので、それに要します費用でございます。それから(2)保健所運営費。これは二十八年度におきましては、Aクラスが百九十、Bクラスが六十、Cクラスが五百二十三となるわけでございます。Aクラスは、御承知のように建物として三百坪、定員が五十七名。Bクラス承二百二十五坪、定員が四十七人。Cクラスが建物百五十坪、定員三十名でございます。Aクラスに対します経常費、年間八百五十一万四千円、Bクラスが七百十八万一千円、Cクラスが四百六十九万六千円でございます。そのおのおのに対しまして、経常費でございますので、三分の一ずつ国が補助するという費用、それの合計をそこに計上させて頂いております。  次が、十四番目の伝染病予防でございますが、(1)の伝染病院隔離病舎、これは二十六年度から新らしい構想の下に、伝染病院隔離病舎の整備を実施いたしております。つまり以前のような隔離病舎でなくて、数カ町村合同して、できれば一般病院に敷設する。公立の一般病院に敷設するというような恰好をとりたいというので、そういう方針の下に毎年予算を計上して頂いて整備をいたしているわけでございますが、二十八年度におきましては、二千四百病床、増床いたしたいと存じておりまして、それに対しまして三分の一、即ち市町村が三分の一、府県が三分の一、国が三分の一という割合いで国庫が補助をするという予算を計上させて頂いております。次が、法定伝染病予防費。これは伝染病が発生いたしましたときの患者の収容、或いは消毒その他に要します費用でございまして、県が実施いたしますものに対しましては二分の一、市町村が実施いたします費用に対しましては、市町村が三分の一、県が三分の一、国が三分の一という割合いで補助をすることになつておりまして、その予算を七億一千六百万円を計上させて頂いております。次は、赤痢対策費でございますが、これは本年度新らしくお願いしているものでございますが、伝染病は全般として減少して来ておりますが、赤痢だけが昭和二十四年以来漸増の傾向にございまして、本年度は、五月中旬におきましては、昨年に比べまして約一三%減少いたしておりますけれども、併しなお依然として相当数発生いたしておりますので、赤痢の発生の状況が以前に比べまして、非常に最近変つて来ておりますので、その実際を調べる、そして新らしい対策を必要とすれば、それを立てて行かなければならないというので、実態を調査いたします費用を計上させて頂いているわけでございます。次が(4)の寄生虫予防費。これは住血吸虫予防対策でございまして、患者の健康診断、或いは予防、薬剤の撒布というような費用でございまして、県が実施いたします費用に対して二分の一、市町村が実施いたします費用に対して三分の一補助を計上いたしてございます。次が(5)の地方病予防施設、これは同じく日本住血吸虫病の対策でございますが、宮入貝の棲息を防止いたしますために灌漑用の小さな溝をコンクリート化するという措置でございまして、それによりまして、宮入貝の棲息を防止するということが今まで試験的に実施いたしました成績によりまして非常にいい結果を得ておりますので、二十八年度におきましては三万間、これは全国で実施いたさなければならない間数は数十万間に上るのでございますけれども、差当り三万間だけ実施いたしたい。主として山梨、広島、福岡、佐賀の各県で実施いたしたいとそういうふうに考えておるわけでございます。  それから臨時予防接種費、これは伝染病が発生いたしましたときに臨時的に予防接種法に基いて予防接種いたします際の国の補助でございます。  その次の予防接種事故処理補助、これは岡山県でジフテリヤ、百日咳の予防接種を実施いたしまして結核患者が発生したのでございますが、その原因は、調査いたしておりますが、まだ判然といたしません。患者に対しましてそれを治療は勿論実施いたしておりますが、それに対して患者の患家でいろいろな費用がかかつておりますので、これに対します費用を県が出す、それに対して国が二分の一受持つという費用でございます。  その次の八番目の防疫業務委託職員費、これは全国で国が府県に五百八十二名の職員を配置して防疫業務を実施いたしておりますので、それの費用でございます。  次が性病予防でございますが、これは第一が性病診療所の経営費、これは保健所の併設診療所七百六カ所、単独診療所四十八カ所、性病病院ベツド数といたしまして二千五百床、そこで性病の治療を実施いたします際に、実費を徴収できない人たちに対しましてそれを県が負担し、それに対して国が二分の一を補助するという費用でございます。  二番目が強制健康診断、これは性病予防法の第十条、第十一条、第十二条に基きまして性病の健康診断を実施いたします。それを府県が費用を負担いたしますので、それに対しまして国が二分の一補助するという費用でございます。  三番目が委託入院、これは性病患者を、性病病院を持つていない所におきまして一般の病院に委託入院をいたします際の費用を計上しておるのでございます。  十六番目が水道施設整備でございますが、これは上下水道関係の予算は、お手許の資料にございますように、数項目に分かれておりまして、第一が上水道の施設、これは普通人口一万以上の大きな水道に対します予算でございます。補助は四分の一補助でございます。大部分は起債で賄つておりますので、補助額は極めて僅かでございますが、これだけの補助を以ちまして一応私どものほうで計画いたしておりますのは五十七カ町村、そのうち新規が二十カ所、継続が三十七カ所というようなことを考えております。  二番目が下水道施設でございますが、これは水道は四分の一でございますが、下水は三分の一でございまして、現在考えておりますのは九十一カ所、新規が十カ所、継続が七十三カ所、そのうちに屎尿消化槽、これは新らしい事柄でございまするが、屎尿処理が現在各都市において非常に行詰つて参つておりますので、その屎尿を処理いたします消化槽を、下水が整備して水洗便所ができれば一番いいのでございますが、それができないような所におきまして屎尿の消化槽を建設し、そして将来は下水が完備いたしますればそれを下水の終末処分場に切換えられるというような施設を作りたいというわけでございまして、それに対します補助費を五千万円、この下水道の施設のうちで割いて認めて頂きたいというわけでございます。  それから第三番目の地盤変動対策事業、これは南海震災によりまして地盤が変動いたしまして水が出なくなつた、それに対して水道を敷設するという費用でございまして、一応考えておりますのは百十八カ所考えております。これは数年来継続して実施いたしておる費用でございます。  それから一般鉱害対策事業、これは炭鉱を掘りましたためにやはり同じく地盤にいろいろ変動を来たしまして水が出なくなつたという所に対しまして水道を敷設する、或いは下水を整備する、排水が悪くなつた下水を整備するというようなことに対しまする補助でございまして、上水道が二十カ所、下水道が五カ所というふうに考えております。  その次の特別鉱害対策事業、これは戦時中の鉱山の濫掘によりまして地盤変動を来たしまして水が出なくなつたものに対して水道或いは下水を整備するというための費用で、これもずつと今まで継続で実施いたして来ておる仕事でございます。一応四十四カ所、そのうち上水道が三十七カ所、下水が七カ所というふうに考えております。  それから簡易水道、これは農村の比較的人口の少い所に水道を敷設するという費用でございまして、これは農村の財政力が非常に貧困でございますので、余り起債を大きく期待することができませんので、大体それに対しまして国が四分の一の補助を考え、それからあとは起債で行くというような考え方でおります。これは非常に全国から要望が多うございます。一応私どものほうでは二十八年度は二百七十カ所計画いたしております。  それから最後は水道施設災害復旧、これはいろいろの災害によりまして水道が壊れましたのを復旧する費用でございます。上水道が四十一カ所、下水道がニカ所計画いたしております。  その次が十七番目の公衆衛生関係施設整備でございます。一番目が癌研究所施設整備、これは財団法人癌研究会の研究所が戦災によりまして破壊されておりますのを、我が国の癌研究を促進いたします目的を以つて癌研究所を復興してもらいたい、それに対しまして三カ年計画で毎年五百万円ずつその復興に要します費用を補助したいという予算でございます。  二番目が地方衛生研究所施設整備、これは全国各府県に地方衛生研究所がございますが、それの内容、施設の整備のために四百六十万円計上さして頂いております。  以上公衆衛生局関係の予算につきまして、極く概略でございますが、御説明申上げました。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 次に医務局長。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 医務局関係の本年度予算を御説明申上げます。  先ず最初に七番目の精神衛生対策でございます。このうち、国立といたしましては新たに二百床を増床するという計画を立てておりまして、それに要する経費が四千四百五十二万三千円ということになつております。それからこの増床分だけではございませんで、既存の千三百床というものをも含めまして、精神療養所の一般整備費といたしまして六百二十六万二千円というものを組んでおります。昨年は増床分がございませんでしたので、増床分だけが今年は殖えておるわけでございます。  それから次に結核対策といたしましては、十一番目でございますが、このうち国立の結核療養所の増床分を計上いたしましたのが一千床ございます。これに要する経費が一億七千四百六十三万二千円、又それに対しましてその整備及び従来からございました五万九千五十床、それに昨年末本年度に変ります際に国立病院から療養所に転換いたしました三千床というものを加えまして六万二千五十床ございます。それに只今の千床を加えて、総合計いたしますれば六万三千五十床になるわけであります。それの一般整備費を三億四千百十六万八千円というふうに組んであるわけであります。  それから癩対策といたしましては、癩の療養所の整備費といたしまして国立癩療養所の病床を一千床増加するという計画を立てまして、従来からございました既存の一万二千五百床というものと加えて一万三千五百床の整備費がその下の一般整備費という項といたしまして九千六百三十万円というものを計上してある次第であります。  只今御説明申上げました精神対策、結核対策、癩対策に上げられました医務局関係の経費は、これはいずれも整備費でありまして、この運営の経費というものは後に療養所の経費として計上してございますので、その折に御説明申上げます。  それからその次に医務局関係の予算として出て参りますのは、十八番の医療機関整備費というのでございます。これはすでに医療機関整備審議会等の答申に基きまして逐次公立病院の整備に当つておるわけでありまして、その整備のためには極めて多額の費用を要するのでありますけれども、一時にその目的を達することができませんので、可なり多額のものを私ども要求もいたしたのでありますけれども、いろいろ国家財政の現状からいたしまして、不満足ながらこの六千万円程度というもので本年は満足せざるを得ないような状況になつたのであります。この六千万円はおおむね十一カ所、二百二十床分の整備、それに対する二分の一の補助というふうに予定いたしておるわけでございます。昨年度は五千万円でございまして、これは八カ所、二百床の整備補助というふうに考えておりましたが、それに比べまして極めて僅かに増加したという程度でございます。  それからその次は国家試験関係であります。この項の中には医務局関係以外のものも入つておりますが、最初の医師試験、歯科医師試験、これもおおむね昨年と同様な計画で予算が計上してあるのであります。幾分受験者の予定数というようなものが変つて参りますので、そういうような関係で幾分減じております。勿論今年はいわゆる中共からの引揚というような人たちもございますので、この人たちの試験というものも予定のうちに考えてはおるわけでありますが、いずれこれにつきましては特別に試験資格を認めるというようなことにつきまして法的の措置が必要になるものと思われますが、これはいずれ改めて御審議をお願いするということになると思うのであります。それから診療X線技師試験、それから五番目の保健婦助産婦看護婦試験、これもおおむね前年と同様な計画によつて試験を実施いたす経費を計上いたしております。  それからその次に二十番でございますが、保健婦助産婦看護婦の指導費、そのうち摘要のところにも書いてございますが、保健婦看護婦養成所建設の補助金というものをその経費の三分の一の補助をいたすという経費が計上してございますが、これは全く前年と同額のものが組んでございます。保健婦の養成所が六カ所、看護婦の養成所を四カ所、この個所数も前年と同様に計画をいたしておる次第であります。それからそのほかに二番目に保健婦等に対する講習会の補助金というものを五百十五万円計上してあるわけであります。これはすでに資格を持つておりますものの再教育というようなことに充て、或いは又その指導に当るべき者の講習会というようなものに必要な経費でございます。  それから二十一番目は国立病院特別会計の繰入でございます。後ほど国立病院の特別会計予算につきましては続いて御説明申上げますが、その際に一般会計から特別会計のほうに繰入れます額を十一億五千七百八十五万三千円見積つたわけでございまして、前年に比べますというと僅かに殖えておるということになつております。その内訳といたしましては、一般経費の繰入が十億九千五十七万三千円、そのほかに看護婦養成費として繰入れますのが六千七百二十八万円というとに相成つております。  それから次はずつと飛んで参りまして、三十五番、児童保護費のうちでございます。その児童保護費のうちの九番目、母子衛生、その母子衛生のうち更に摘要欄を御覧願いまして、そこの母子歯科保健指導補助というのでございますが、その額が一千百二十三万五千円というものを計上してございまして、これは昨年もこの項目が予算にも入つておつたのでありますが、幾分この額を殖やして頂きまして、これは妊産婦及び乳幼児の歯科衛生というもののために、その指導に要する経費のうち十分の八を府県に補助いたすということになつておるわけであります。大体保健所を通じ、或いは学校のほうとも連絡をとりましていろいろ歯科の検診或いは弗素を塗りまして予防を図るというようなこと、或いはそのほかいろいろ歯科衛生知識の普及、宣伝というようなものに充てる経費としておるわけでございます。  それからずつと飛んで参りまして五十三番目の国立療養所でございます。一先ず第一に結核療養所の経費でございます。これは九十五億一千八十四万六千円というものを本年度は計上いたしております。昨年に比べますと十六億七千九百四十七万九千円だけ殖えておるわけでございます。この療養所といたしましては先ほども申上げましたように二十七年度当初にございました個所及び病床に比べて年度末に国立病院から十五カ所、三千床を増床いたしました。それから又本年度において千床増床を見込んでおります。その本年度の千床は三カ月分の経営費が含まれているわけでありますが、そのほかの病休に対しましては一年間通算いたしました経費が組んでございます。その経常費としましてここにございますように八十九億九千五百一万二千円、それから整備費といたしましては、これは前に結核対策の所に出ておりましたものが再びここに載つておるのでありまして、御説明を省略さして頂きたいのであります。なおこの経営費につきまして若干本年度予算で昨年に比べまして多少単価を変えました点がございますので、その点を少し申上げてみたいと思います。それは先ず第一は食費でございますが、食費が昨年度当初におきましては一人一日八十二円というものを組んでおりましたのが、いろいろ米価の改訂というようなことに伴いましてどうしても今まで通りでは行かないというので、本年の一月から年度半ばにおきまして九十三円に上げて頂いたのでありまして、本年度予算としましてはその九十三円を踏襲して予算を組んでいるのであります。入院費は前年度は四十円でございましたが、本年度はいろいろ新らしい化学治療というようなもの或いは外科的な療法というようなものが普及して参りましたので、平均単価といたしましてはそれを五円だけ上げまし西十五円として組んでおります。又それと同じような理由によりまして、併し入院患者ほどではないのでありますので、外来患者の医療費としましては三十七円でございましたのを本年度は四十円に上げております。又これはごく僅かで申上げるほどのこともないと思うのでありますが、薪炭質等についても若干上つております。勿論そのほかに人件費等がベース・アップいたしましたことは申すまでもないことであります。  次に癩療養所につきましてはここで先ほど申上げましたように一万二千五百床というのが前年の病床でございましたが、今年は更に一千床を加えますので、この分も三カ月分加えてある次第でございます。この経常費のうち、結核療養所の場合に御説明申上げましたように、単価で幾分上つたものについて御説明申上げますれば、この食費が前年当初におきましては八十円でございましたものが本年の一月から九十一円に上げられましたので、本年度もこの九十一円を踏襲いたしております。治療費等につきましては昨年と当年におきまして事態が大きく変つたというようなことは考えられませんので、医療費は大体昨年の単価をそのまま用いております。薪炭費等については若干の増額を、単価を一円ばかり上げております。三十三円昨年は組んでおりましたものを今度は三十四円、一円上げたというような状況になつております。それから癩についてはこの医療費の中に本年度は癩に関する特別の研究費一千万円というものを組んでございますですが、これは御承知のように最近新らしい癩の治療薬というようなものができてます。そうしてこれの広汎な治療というようなことによつて患者の経過というものも従来とは全く趣きを異にするというような状況にもなつて来ております。その適正な使用法或いはより効果的な治療薬の発見或いはその使用法の研究というような問題、或いはそのほかこの癩に関しましての細菌学的或いは血清学的或いは病理解剖学的な基礎的な研究が今後の癩対策の新展開の上に極めて必要であるということが考えられます。それから又これはかようなことを申してはどうかと思いますけれども、今日の医学の進んでおります国々においては癩の患者というようなものも可なり少くなつて、いわば癩問題についての学問的な研究というようなことをいたしますには非常に不便な状況になつておるわけであります。併しそれは喜ばしい状況ではございません。不幸にして日本にはだんだんと癩の患者が減少して来ておると言いながらもまだ一万数千のものがおりまして、そうして日本の医学は世界の他国に比べてそれほど劣つておるとも考えられませんので、こういう特殊な事情に置かれております日本といたしまして、この癩に対する十分に踏み込みました詳細な研究をいたすということがただ単に日本の癩対策のみならず、世界的にもこの方面に力を入れる義務と権利を持つておるというふうに言つてもよいのではないかと思います。癩の研究所を設けたいという構想も強く出たのでございますけれども、余りに徒らに経費をかさばらすというようなこともどうかというので研究費だけを今年は組んで頂いたような次第であります。若しもこれがお認め願えますれば一つ十分この経費を活用して参りたいものというふうに考えて予算を編成した次第であります。  それから次の精神頭部療養所でございます。これは従来三ヵ所で千三百床ございましたのでありますが、これも先ほど御説明申上げましたように、二百床増床いたしまして、その増床分だけは三カ月組みまして、他は一年分経費を計上した次第でございます。これも本年度に採用いたしたいと考えております。単価の変更というものを申上げますれば、入院費が三十五円から四十円に改訂いたしたい、それから食費はこれはもうすでに本年の一月に八十円から九十一円に改訂されましたので、それを踏襲して参りたい。薪炭費も三十五円から三十六円に一円上げるということにしております。  それからなお被服費でございますが、何しろこういう精神病患者というよな者を収容してや6関係から、いろいろ被服の損耗というものも激しいのでございます。昨年度は八百二十二円というものを組んでおりましたのですが、本年度は千二百七円に増額いたしたいというふうに考えておるわけでございます。一人一年間でございます。それからその次に脊髄療養所でございます。これは百二十床ございまして、本年度は増床がございません。昨年は十床増床して頂いたのであります。従つてこれを百二十床だけ一年間の経常費が計上してございます。  それから整備費は百二十床に対する整備費でございますが、昨年は新病床の増加がございましたために三百十七万七千円というものを組んでおりましたのが、本年は増床がございませんために、百五十九万八千円というふうに整備費は減少いたしております。脊髄療養所につきましては、単価を変えました点は、これも入院費を三十五円から四十円に上げた、薪炭をやはり一円だけ増額いたしております。それから食費は、結核の場合だけが他の療養所の患者と違いまして、病気の性質上幾分二円ばかり高くなつておるのであります。他の療養所におきましては、皆なべて共通に昨年度の当初においては八十円、そうして昨年の一月から九十一円に変えて頂きました。本年も脊髄療養所においてもこれを踏襲して参る、それから脊髄療養所はこれも御承知のように非常に肢体の不自由な人たちがおります。いろいろと被服を汚しましたり、汚染いたしましたりすることが多いのであります。そういうような関係から、脊髄療養所においても、被服の単価を幾分改訂いたしたい、これば前年度が八百二十二円でございましたのが千百四十一円に上げて頂きたいというふうに考えておる次第であります。勿論各種の療養所において、人件費の増というものがございますことは申すまでもないことでございます。  その次は五十九番の医務出張所の経費でございます。これは厚生省で経営いたしております各種の療養所及び国立病院というようなものに対しましてもいろいろな指導監督をいたしますために全国八ブロックに医務出張所を設けております。その指導監督或いは連絡の仲介をするというような経費がここに計上してございます。極く僅か前年度よりも五百万円ばかり殖えております。大体さような趣旨で計上されておる経費であります。  最後に特別会計のほうでございます。一番後から二枚目のところにございます。国立病院の歳入といたしましては、五十億六千四百五十七万二千円というので、前年度よりも幾分多額に見積つておるわけであります。この点につきましては前年度当初におきまして九十九ヵ所国立病院がございました。そうして本年はこの数が移譲のために幾分減じておるわけでございます。その事情を御覧願いますためには、もう一枚まくつて頂きまして、一番最後の紙の表に書いてございますのですが、国立病院八十二カ所というふうに書いてございます。この八十二ヵ所と申しますのは、九十九カ所のうち前年度中に府県に移譲を済ませました秋田、山県の二病院、それから年度末に結核療養所に転換いたしました十五病院というもの、合計十七病院が本年度当初におきましてはなくなつておるわけでございます。その九十九から十七を減じました八十二カ所がここに載つておるわけであります。その八十二カ所のうち更に若松、飯坂という二病院がこの五月の末と申しますか、六月一日と申しますか、二ヵ月だけで地方に移譲されました。今日においてはすでに移譲されておるのでありますが、そういうような意味でこの分は二カ月分の経費を計上しております。それから本月一ぱい、六月末までには大体徳島、岐阜、下呂という三病院がその当該県に移譲される予定になつております。これは先ず間違いはないと考えられるわけであります。この分は四、五、六、七の四カ月分を計上してございます。それ以外の病院七十七カ所につきましては今府県への移譲につきまして話の進んでおる箇所が数ヵ所ございます。私どもとしてはこれをすでに立てられております方針に基きましてできるだけこれを促進いたしたいというふうに考えておるのではございますけれども、これが本年度のいつその移譲を完了できるかという見込が十分確実に立ちませんので、本予算におきましては年度末まで即ち通年予算を組んで頂くということにいたしましてここに計上してある次第であります。従つてこの歳入につきましてもそういうこの考え方に基きまし三カ所は四カ月、二カ所は二カ月、それでそれ以外の七十七カ所は通年ということで予算を計上してある次第であります。前年度よりも病院が減つて収入が殖えているということはいささか奇異に感じられるのでありますが、昨年のこの歳入予算を立てますときには、この九十九カ所のうち、かなり多くのものが府県に移譲されるということを見積つておりましたために、この予算が、料金収入の予算が過大に、過大と申しますか過小にその減少を過大に見積りました。従つて額としては過小に見積られておつたというような事情がございます。決して根拠のない増額見込みではないというふうに考えております。  それからそのほかのものは額としては小さくなるのでありますが、この義肢の販売及び修理の収入、それから一般会計からの受入れというのは、先ほど一般会計予算の御説明のところで申上げた額がここに計上してございます。  それから雑収入といたしましては、いろいろなこの検査料ですとか或いは不用品を処分いたしました経費とか、こういうようないろいろな細かい雑収入を若干見込んでおるわけであります。なお積立金からの受入れという項目につきましては、今年度は全然積立金がございませんので、前年とは幾分違つております。  それからそれで総計いたしまして、歳入は六十二億八千三百六十三万二千円というところで、前年よりもこの積立金からの受入れがないという意味で幾分減少しております。  それからあとはこの特別会計の病院予算としましては、いろいろな項目が六、七、八、九と出てございますが、余り細かいこともどうかと思われますので、主要なものだけを申上げますれば、肝腎な問題はこの十番目の経営費でございます。この経営費は先ほど申上げましたような基礎に立ちまして、八十二カ所を三つのグループに分けて経費を計上いたしております。単価の問題につきましては賄費を昨年は当初におきまして七十七円でございましたものを、今度は九十一円にいたしました。これは本年一月からさようになつておりますのをそのまま踏襲いたした次第であります。  それから十四番目、十五番目がこの看護婦の養成所に必要な経費ということになつておるわけであります。甲種は、本年度におきましては新たに設けられる養成所はございません。従来の養成所を続けて参ることになつておりますが、乙種看護婦養成所は生徒の募集を停止いたしましたので、幾分経費は、約半分に減少しておるわけであります。  それから十六番目の看護婦教育というのは、これは主としてすでに資格を持つております看護婦の再教育に充てられるわけでございます。  それから十八番目は、これは従来特別会計から預金部資金を借入れておりましたその利子を前年度は組入れておつたのでありますが、今年は借入金がございませんので、この点は不用になつたわけでございます。  それから最後に共済組合の給付の不足を補助するために必要な経費と申しますのは、とかく病院のようなところでは勤務も激しくございますし、又その療養、診療の便宜もすぐ手許にございますために、いろいろこの病院関係議員の共済組合員が診療を受けております。その経費が非常に嵩ばりまして、いつも組合だけの経費では賄い切れないというようなことが起り、それが又病院のほうにも間接にいろいろな不都合を与えておりますので、今回はそれを補助するための経費を若干ではございますけれども組んで頂いたわけでございます。  大体以上少し細かいことを申上げ過ぎたかと存ずるのでありますが、一通り医務局関係の予算を大綱御説明申上げた次第であります。なお重要なものでこれに組んでおりませんもの、例えば医療金融の問題というようなものがございますが、これはまあ大体構想は大臣からもお話がございましたので、特に私からは御説明申上げません。御質問でもありますれば更に申上げることにいたしたいと思います。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 次に薬務局長の説明を願います。

高田正己厚生省薬務局長

○政府委員(高田正己君) 薬務局関係の予算につきまして簡潔に御説明申上げます。一頁の三番目の科学試験研究費の中で摘要欄にございますが、括孤の二番目、薬業合理化研究補助六百万円、これは新規の経費でございまするが、医薬品製造業関係の企業合理化に役立ちまする新技術の工業化試験に対する補助金でございます。  それからその裏をめくつて頂きまして摘要の一番上に書いてありますが、4という数字で括孤の四番、国際阿片委員会分担金、これは同委員会に対する日本政府の分担金でございます。  それから少しめくつて頂きまして七頁十九番、国家試験の中に、括孤三番目薬剤師試験三百二十一万八千円というのがございます。これは御承知の薬剤師の国家試験を実施いたしまする経費でございまして、やり方は大体前年と同じでございます。受験予定へ員の増、若干の項目の単価増から増額に相成つております。  それから一枚めくつて頂きまして、八頁の二十二番、医薬分業調査費八十五万一千円、これは新規の経費でございまして、医療機関の分布状況を調査いたしまする経費でございます。わかりよく申上げますると病院、診療所と薬局との距離等を主として調査をいたす経費でございます。二十六年に成立いたしましたいわゆる分業法案の中に予定されておりますることを実施いたしまするための前提になる調査でございます。  それからその次の二十三番、麻薬取締八千六百八十四万三千円、この経費は摘要欄に(1)、(2)と書いてございまするように前年と若干やり方が変つております。先般の国会で麻薬取締法を全面的に改正をお願いいたしまして、今までこの仕事は全部中央がやつておつたのでございまするが、権限の一部を府県に移譲いたしまして、従つて人も一部府県に移譲いたしました。従いまして府県に移譲いたしました人並びにその権限の実施に伴いまする経費を委託費として三千百十八万円ほど計上してございます。これは今申上げましたように新らしく地方に移譲いたしましたので、委託費としましては前年はゼロということになつております。  それからその下の麻薬取締官事務所経費五千五百六十六万三千円、これは前年は七千三百万円余でございまして、減額になつておりまするが、それは今申上げましたように、一部を府県に移譲いたしましたので、中央の経費といたしましては減額に相成つておる、かような関係になるわけでございます。  それから次の二十四番の薬用植物栽培助成六十三万二千円、僅かな経費でございますが、新規でございます。これは御承知のように今日サントニンを取りまする植物といたしまして「みぶよもぎ」から取つておるのでございますが、アフガニスタンの原産でありまするアルテメシヤ・クラメンデイス、クラブ「よもぎ」と呼んでおりますが、この植物は「みぶよもぎ」の含有量が約十倍ぐらいあるということで、三年越し衛生試験所の粗壁分場で試験栽培をいたしております。これが試験栽培に成功をいたしましたので、この品種の種を採取の目的とそれから府県のどこが適地であるかという、この適地発見の目的を以ちまして十三府県に栽培をやらしてみようと、大体この反別としましては十町歩を予定いたしておりますが、十三府県にやつてもらいまして、町当り約六万円ぐらい、大体二分の一でございますが、二分の一の経費をその府県に補助をいたしまして、府県で栽培をやつてもらおうと、こういう経費でございます。  それからその次の二十五番の特殊医薬品買上費三千七百余万円、前年より若干殖えております。摘要欄に発疹チフス以下いろいろな病気の名前が書いてございまするが、これらの疾病に対しまするワクチン、血清類等を政府が需要見込みの最小限度を買上げておきまして、緊急の場合に間に合せよう、こういう経費でございます。そこの摘要欄に書いてありまする痘苗までは前年も買上げの対象になつておりましたが、そのあとの瓦斯壊疽、ワイル病、破傷風、黄熱、これはいずれも本年度の新規の買上げ対象であります。  それから、大体それで終つたのでございますが、少し飛びまして、十九頁の五十四番国立衛生試験所に要する経費九千二百余万円、特にこれは国立衛生試験所の運営に要する経費でございまして、特別御説明を申上げる必要もございませんが、ただ一つ新規の仕事といたしまして、種ヶ島に分場を設けて、主として薬用植物の試験栽培をいたしたいという経費が百万円ほど入つております。  それからその裏の六十番の麻薬取締官事務所五千五百六十余万円と計上してございまするが、これは先ほど麻薬取締に要する経費のところで御説明申上げましたところで、ダブつております。  以上薬務局関係の御説明を簡単に御説明申上げました。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 只今で三局長の説明を終りました。速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 速記を始めて。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 公衆衛生局長にちよつとお尋ねいたしておきますが、私どもが前年、栄養政善法を提案をいたしましたときに、大蔵当局との話合は、今年度の補正予算に、経費の増額は困るが、次年度には法案の実施に要する費用は、相当計上してもよろしい、こういうような約束をなすつた覚えがある。二十八年度の予算を今見ますというと、集団給食の指導補助費というものが、新らしい、極く僅かな費用ですが、今年度は私はこれはいたしかたがないといたしましても、二十九年度の予算には相当法案の運用に必要な費用だけは、大蔵当局との先般の話合もあり、相当に私は要求をして頂きたいということを特に申上げておきたいと思います。  それから寄生虫のところでございますが、地方に行きますと、学童の糞便検査によりますと、殆んど一〇〇%蛔虫卵が陽性です。だんだん聞いてみましても、府県の補助費がなくてどうにもならんということを、保健所で申しております。無論この問題は私根本的な対策をしなければならんと思いますけれども、やはり一応私は薬剤における所置をしなければならん、これに対する中央の御意向を一つ承わつておきたい。  それからこれは予算には関係がないようでございますけれども、最近癩患者から殆んど毎日私どもに手紙が来ております。この問題について承わりますと、一昨日山口局長は医務局の次長と全的園へ行かれたそうでありますが、患者の代表と会われました交渉の経過を、極く簡単に一つお話を願いたい。又同時にこの癩予防法の改正法案をこの国会にお出しになる予定かどうか、これも併せて一つ承わつておきます。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○政府委員(山口正義君) 寄生虫対策につきましての中山先生の御注意でございますが、御指摘のように、寄生虫の卵の保有率は、地方によりましては非常に高いところが多いのでございます。終戦後二、三年の状況に比べますと、その後集団駆虫を熱心にやつておりますところにおきましては、漸次虫卵の保有率が減少しておるところもございますが、併しなお全国平均して見ますと、非常に高い率でございます。これを国が補助金を出して、助長しないというと、なかなかこの仕事が伸びて行かないという御注意でございます。現在この寄生虫の予防費は、以前は補助金になつておつたのでございますが、現在平衡交付金の中に含められておりますので、実際に府県当局の熱意如何によつて、これがうまく行なえたり、行なえなかつたりしておるのでございます。私どもはたとえ平衡交付金の中に含まれておつても、寄生虫予防対策を強力に実施するようにという通牒を出して、集団駆虫の実施要領などを出しまして、指導実施いたしておるのでございますが、併し府県によりまして十分やつていないところもある実情でございます。私どもといたしましては、若しできれば、これを補助金でも組替えれば、もつと強力にこれを指導できるのではないかというような声も出ておりますので、私どものほうで、十分この点を検討して参りたいと存じております。  それから癩の問題につきましての御質問でございますが、現在の癩予防法は御承知のように明治四十年に制定されまして、その後数回の改正がございまして、現在この現行法の癩予防法に基いて獺予防行政を実施いたしておるのでございますが、数年来患者は現在の法律が非常に形が古い、而もその第四条第一項に規定してございます患者の収容という言葉が、即時強制を意味するものであり、強制収容であるから困る。それから第四条の二に規定してございます、所長に与えてございます。所内の秩序維持のためからでございますが、療養所長に懲戒検束の権限を与えてございますが、それが憲法に違反するのではないかというようなことなどを申しております。又患者並びに家族の秘密を保持するという建前からいたしまして、都道府県知事、或いは市町村にいろいろ患者の検診、或いは収容というような仕事をしてもらうのは困る、癩療養所長に直接やつて欲しいというような希望があつたのでございます。併しまあいろいろ検討いたしまして、私どものほうといたしましては、現行法の表現がやや簡素に過ぎる嫌いがあるということも認められるのでございます。又法の中に患者の福祉という面について表現が十分できていないというような点も勘案いたしまして、前国会に一応私どものほうで改正案を作りまして、御審議を願うように提出したのでございますが、衆議院の厚生委員会の審議が終つたところで国会が解散になりまして廃案になつたのでございます。その後患者のほうといたしましては、この前私どもが国会に御審議をお願いしますために提出いたしました案の内容につきまして、やはり強制収容という文字が残つている。つまり収容につきましては、現行法におきましては極めて簡単に入所せしむべしという言葉でございますが、それもこの前に提出いたしました改正案では、勧奨によつて、そしてそれでもどうしても入らないときは命令を出す。それでもどうしても入所しないときに強制収容するというような、三段構えにいたしまして、又所内の秩序維持という項目で、検束というような事項を省きまして、又患者の福祉という事項につきましても法文に明記するというようなことをいたしましたのでございますが、やはり強制収容という文句が残つている、或いは所長に或る程度の処分の権限を与えてあるということが困る、或いは検束の規定を省きました代りに、入所している患者が繁りに外出するということは公衆衛生上よくないという建前から、この前の改正案では、入所患者に在所の義務を課してあるわけでございますが、そしてそれを拒否した場合には罰則というようなことがございますので、そういうことが怪しからんというようなことで、私どものほうにもしばしば陳情もございます。先生がたのほうにもいろいろ陳情申上げているということを承わつているのでございます。先般来私どものほうで係官、或いは担当の課長などが参りまして、いろいろよく事情を話して、又向うの意見も聞いておつたのでございますが、なかなか納得いたしません。それで先月末から数カ所の癩療養所におきまして、患者が作業拒否、これは医務局の所管になりますので、或いは医務局長から申上げるのがいいことかと存じますが、患者が療養所の中で軽作業に従事しておりますが、そういう作業は絶対に一切やらない。或いは療養所によりましては、草津の栗生楽泉園でございますが、患者がハンガー・ストライキをやるというようなことを始めたのでございまして、現在数カ所の療養所において作業拒否が行われております。ただハンガー・ストライキのほうは、これは生命の危険もございますし、相当重症患者もおりましたので全部病院に収容し、現在はそういう状態はないのでございます。それで私も書面では患者の言分はよく聞いておつたのでございますが、この問題が起りましてから私療養所に行つておりませんが、一昨日、只今中山先生がおつしやいましたように、国立療養所は医務局の所管でございますので、そのほうの所管の医務局の次長と私と二人で多摩全生園へ参りまして、初めは患者の代表者と会うつもりで、懇談するつもりで行つたのでありますが、三百人ばかりの患者が集まりまして、それといろいろ話をしたのでございます。患者は只今まで書面で言つて参つておりますように、強制健康診断廃止、強制収容廃止、或いは入退者に対して、所長から都道府県知事に通知をするということを廃止してくれ、或いは伝染力もそう強くないから患家の消毒をやめてくれ、或いは在所の義務を外してくれ、所長に処分権を与えていることをそれをやめてくれというようなことを繰返して私に話しておりました。私どもといたしましては、患者に対しまして、患者の希望ということは今までの書面でも十分私もわかつているつもりであるし、又本日、君たちからいろいろ話を聞いたりで、十分わかつている。ただ癩という疾患は伝染性疾患である。伝染病であるからして、やはり公共の福祉という公衆衛生ということを考えなければならないので、患者の希望、それから公衆衛生、公共の福祉、両方勘案して、妥当な線を出さなければならないと思うと、そういうふうに答えておいたのでございます。私どもといたしましては、この前の国会にも提案いたしましたときに申上げたのでございますが、現在の法律が、表現が非常に簡便に過ぎております。又福祉の面も法律の中に余り明記してございませんので、そういう点を入れ、又最近の患者の希望なんか等もよく勘案いたしまして、併しこれは公衆衛生立法でございますので、その点十分勘案いたしまして、妥当な原案を作つて、国会で御審議をお願い申上げたい、そういうふうに考えているわけでございます。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 曾田局長にちよつとお尋ねしておきたいのですが、最近、インターンの問題が非常に大きな問題になりまして、近く全国的な大会を開くというような噂も聞いております。この問題の解決如何によつては、財的な措置を要することにもなるのではなかろうかと、こういうふうに考えられますが、当局はどういうお考えをお持ちになつておりますか、この機会に承わりたいと思います。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) インターンの問題につきましては、前国会の折からいろいろ御心配に与つておるわけでございますが、そのときにも一応申上げておきましたのですが、私ども学生のいろいろな意向というものを聞いて、率直に聞いて見ておるのですが、又それと同時に、いろいろ医師会、或いはそれ以外のインターン病院の関係のかたがた、こういうようなかたがたの御意見も伺い、又それと同時に、その外国の事情と申しますか、インターンという制度がアメリカの制度をそのまま直輸入したのじやないかというようにお考えになる向きもございますが、勿論これは前にも御説明申上げましたように全然外国の意見とは別個に、日本におきまして前にこの医療制度の審議が国内の委員会において意見として論議されました場合にも、このインターンに類する制度が必要であるというようなことが主張されたこともあつたのでありまして、決して必ずしもそういうものでもないというように申上げておりましたですが、一応アメリカ以外の国においても、如何ような事情にあるかというようなこと等もいろいろ若干資料を集めまして、いろいろ検討をいたしておつた次第でございます。今日の私どもの考えを一応申上げますれば、やはりインターンという制度は、医師の自覚というものを低下させない、又次第に向上して参ります国民生活の水準というようなものから考えて参りますと、やはり戦前になかつたからと言つて、今日一応布かれましたこのインターンの制度というものをかるがるしく廃止するわけには行かないのじやないかというふうに考えておりまして、ただ今日のインターンの教育の実信を見ますと、インターンの諸君がいろいろ訴えて参りますうちに、真に同情すべきと申しますか十分理解のできる点も多々ございます。このインターンのやり方の改正、例えばインターンをそもそも各インターン病院に配置いたします場合の配置計画、数等においても、無理と思われます多数のものを、必ずしもいろいろな条件が満たされておりません病院にお預り願うというようなことから来る結果、或いは又その病院におきましても、如何ようにインターンというものを指導して参るかというような方針等が、必ずしも個々のインターン病院に徹底しておらないというようなこと等、幾つかこのやり方においてまだ不利が多いと考えられます。こういうような点を改めて行かなければならないと考えております。又それと同時に、インターンが非常に訴えて、痛切に訴えておりますのは、彼らの経済的な窮状というものにつきましても、その事情をいろいろ考えてみますならば、このまま放置しておくということは正しくないと考えられます。これに対しても何かの措置を講じなければならんというふうに考えられますが、本年度予算の中には、私ども最初にはこのインターンに対して全面的に経済的な援助を与えるような構想で予算を立ててもみたのでございますけれども、こういうようにインターンなるものが将来いろいろ公共性の高い医業というものに従事するというだけの理由で、インターンにこの経済的な援助を与えるということは必ずしも正しくないというような意見が出まして、その意見を私どもとしては十分突破るだけの根拠を見出しかねて、遂に本年度予算にはそういう意味のものが組入れられなかつたのであります。私どもそのほかに、その理由は別といたしましても、インターンが自分でいろいろと勉強をいたしてはおりますけれども、自分が勉強するということだけでなしに、その勉強の過程においてその患者の診療を見習うことが、その病院の診療の業務に相当な寄与をしているものというふうに考えられますので、むしろこれはそのインターンをお預り願つております病院にいろいろの御迷惑もかけておりますが、そうしてそれに対する謝礼は謝礼で国が考えなければならんのでありますが、それと同時にインターンに対する或る程度の謝礼と申しますか、或いはその協力に対する或る程度の代償といたしまして、何らかの収入の道を計つてやるということが筋ではなかろうか。そうなりますと、かなり多数のインターンをお預りになつております国立病院というようなところでは、将来その予算を組んで行かなければならん、そうしてその方針に基きまして、他の病院でもおおむね同じような措置を講じて頂きたいというふうに考えておるわけでございますが、これは本年度予算には間に合いかねますので、これを更にいろいろと検討し、又御検討願つて明年度予算には組入れて参りたい、ただ本年度予算としましては、いろいろすでにここに提出されております予算の内部において、その運営の上で、できるだけの便宜を計れるだけは計つて参りたいというふうに考えておるわけでございます。これもこんなところで申上げるのは非常にどうかと思うのでありますけれども、予算が正式にとつてございませんと、十分満足を与えることはなかなかむずかしいのではないか。結局これはまあ将来の問題でございまして、一つ何とか明年度にははつきりとした形で以て予算の計上をいたしたいと思います。又そういうふうにいたして参りますれば、又そういたして参りますに対してもいろいろな問題があるのでございますが、今日においてはインターンの、病院がインターンに来てもらいましても、それがそれほどに役に立たなくて、却つて手足まといになるだけだというような意見も若干ございます。それで私今申上げましたようなことが必ずしも円滑には行かんだろうという心配もあるのでございますが、その点について結局学校内におきましての教育というようなものに、更に文部省のほうとも連絡を取り力を入れて頂きまして、インターンとしてインターン病院に参りました上は、インターンとして相当役に立ち得るものを学校時代に作つて頂くということが一つの条件となつて来ると思うのでありまして、その一部に、インターンが現在インターン病院で習つているような程度のことならば学校時代に覚えられるのじやなかろうかというような意見もございます。結局はその点が、二つの問題がこんがらがつて来ておると思うのでありまして、今日のインターン病院でやつておりますことは、本来の医学教育及びインターン制度というものの理想といたしております決して夢のような理想ではございませんけれども、そのあるべき姿と考えておりますものから比べると、学校時代に組入れられるということは、それだけのことを学校時代にやつておかなければ、今度インターンとして本当にインターンらしい、ずつと病院へ参りまして患者と、或いは外来にいたしましても、その同一の患者についてずつと引続き経過を見て行くとか、こういうような、学校ではなかなか得られない経験というものをインターン時代に得ることができなくなりまするので、そういう点を両方睨み合せて参らなければならんかと思います。余り細かいことを申上げ過ぎましたですが、そういうような点を考えております。

中山壽彦自由党

○中山壽彦君 今日はこの程度でよろしうございます。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私ちよつと時間がございませんから簡単に申上げますが、先ほど中山先生から御質問の癩の問題でございますが、先ほど来のお話で経過はわかつたのです。併し作業放棄をしたことに対してどういうような手を打つておいでになるか、聞くところによると看護婦等で過労のために倒れる者がぞくぞく出ておる。それからこういうものは放置して置けばいつか片付くというふうにお考えになつておいでになるかどうか、非常に私たちは重大な問題だと思つておりますので、これに対する厚生省のお考えを簡単に而も明確にお伺いをしたい。  いま一つは先日局長、次長等がおいでになつたときん患者が満足を得られなかつたというので、聞くところによると明日癩患者が国会に陳情に来るということを聞いております。これは大分抑えておるようですが、もう抑えきれない段階に来ておる。だからできるならば厚生省からいま少し親心ある責任者をもつて、その来院を要望するというようなことを言われておるようでございますが、それに対してどういうふうにお考えになるか。それから、すでに今ハンストがおさまつた。私の聞き違いかわかりませんが、ハンストはおさまつたというふうに聞いたのですけれども、今十八名ハンストをやつておるうちの六名は非常に重態に陥つている。あと五名ぐらいがハンストに入ると言つておるのを患者代表が厚生省からいま少し誠意のある答弁を聞くまで待てと言つて抑えておるというのでございますが、厚生省はどういうお考えをもつてこれに臨もうとしておられるかということを伺いたい。簡単に明瞭に伺います。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 簡単に願います。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 最初にお尋ねになりました点につきましては、この作業拒否或いはハンストというような事態によりまして職員が非常に異常な苦労を払われておるということは事実でございます。それでただ職員の超過勤務というようなことだけでは解決できませんので、新たに臨時の職員を雇いあげまして、そうして必要最小限度の院務というものは継続いたしております。又これが更に拡大するというようなことに対しましても、その際には、この臨時職員の雇い上げということでもつて重大な支障の起らないように努めております。  それから第二段のものは、公衆衛生局長からお答え申上げます。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○政府委員(山口正義君) 只今お尋ねの、私どもが一昨日参りましたのに対しまして、患者のほうで満足しないということでございますが、私どもといたしましては、現在まだ法律の原案ができておりませんし、国会にも提案してございません。先ほど申上げましたように患者の意向は十分私どものほうでも希望はわかつております。ただ御承知のように癩が伝染病でございますので、患者の意向、希望を全部聞き入れるということは公衆衛生上支障があるように考えております。従いまして私はその席で、私は責任の地位にあるこの法の所管局長であるし、医学ということは十分わかつているつもりです、患者の希望もよくわかつている、誠意を以て妥当な線を出したいと思つて努力しているということを申したのでございますが、それでも満足しないというのでは、どうもそれ以上の線は私ども言えない。私どもとしては、それで現段階は満足してもらうより仕方がない、そういうふうに考えておるのでございます。外へ出るというようなことにつきましては、極力そういうことの起らないように私たちも事務局のほうと相談をして努力いたしております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 私はこういう問題はやはり一つは愛情の問題も含まれていると思うのです。いろいろな点で申上げたいことはたくさんあるのですけれども、時間がございませんので省略いたしますけれども、厚生省はあの法案を強行するのだというふうなことが伝つているのですね。私はあの点についてもやはり改正すべき点であると思うのです。当然改正してやりたい。とにかく患者はこのハンストに今度突入しようとするのは、我々はこれだけの血の滲むような叫びも聞いてもらえないのだ、どうせ死んだつていいのだ、世の中から捨てられたのだという非常に突きつめた気持になつているということも考えられるのです。先ほど、消毒はあなたのお話ではやめてくれと言つているというけれども、彼らはやめてくれとは言つていない。今の方法を変えてくれ、強制的にやらなくてもほかに方法があると思うので、私は患者の言うこと尤もだと思うのです。今日、癩だと言われることが患者の家族にとつては致命的なんですよ。ですからこれに対しては、広報活動によつて、癩は今日癒るのだ、そしてどんどん退院もできるようになつているのだということをもつと一般国民に周知徹底させるというような運動は少しもなされていない。少しはなされているかも知れませんが、殆んどなされていないのですよ。そういう点に重点を置くとか、それから消毒の方法も考え直すとか、或いは強制収容にいたしましても、あなたたちのような偉い人の頭で考えたことが下部末端まで滲透していない。強制収容がどれだけの悲劇を起しているかということを考えるとき、患者の言うことも一応尤もだという上に立つてのお考えでなさらなければ、私はこの争議は相当拡大して行くと思う。今度の法案の準備は、今期国会に急遽上程される意思であるか。そして又患者の要望も或る程度はお入れになるお考えであるかどうかということを、ちよつとそれだけ聞かせて頂きたい。患者が明日国会に陳情に来るということに対して、山口局長はどういうふうにお考えになるか。又これに対してどういうふうに手を尽されるか。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○政府委員(山口正義君) 只今藤原先生からの御注意の点は、消毒或いは広報活動というような点も十分考えに入れ、そういう御注意を拝聽いたしましたので、そういう点も先般来お願いしたいと思つております。法案の中に織込んで行きたいと、そういうふうに考えているのです。それで私どもといたしましては、今国会に只今の御注意のような点は十分盛らせて頂きまして、そして法案を提出させて頂きたいというつもりで現在準備をいたしております。  それから明日出て来るというようなお話につきまして、私ども先ほども申しましたように、医務局のほうと御相談いたしまして、そういうことの起らないように、できるだけの手を打ちたいと思つております。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 一点だけ。今あなたのおつしやつたような、十分取入れた法案を準備しているというようなことで、なお上から出かけるのを抑えるというのではなくて、納得させるような意味で、どなたか責任者がいま一度私は全生園へ行つて頂きたいと思うのです。どうでしよう。

山口正義厚生省公衆衛生局長

○政府委員(山口正義君) 帰りまして、省内でよく相談をいたして善処するようにいたしたいと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 今の問題ですね。私は前提としては患者の要望に対しては素人でわかりませんから、一応まあ非常に同情を以て、而も全面的に賛意を表するわけです。できるだけあの人たちの言い分が通るように希望しておる。今当局は十分要望を聞いて、政府案を提出するについては善処するということでありましたから、どういうふうに御考慮になつて、どういう政府案が出るかということをまあ待つておるわけです。その案が出てから審議をさせて頂きます。私も三月に全生園に行つて親しく殆んど全部の諸君に会つて、いろいろ意見も聞いて、私も意見を言つた。ただ徒らに同情だけではいけませんから、今局長の言つた或る程度の限界ということはそれは当然のことで、常識でわかつておることですから、そういうことも僕は媚び諾う必要はありませんから遺憾なく言つたのですが、私は今日は別のことで局長に一つ相談したいのですが、先だつても新聞に出ておつたのですが、列車の中で一人の患者が乗つておつて、調べて見たら真性の患者であつて、大変まあ騒いだということなんだ。私は情は情ですよ、理は理だと思うのです。筋を通さなくちやいかん。それで恐らくあの患者の諸君が癩予防の改正法案を希望してそうして諸君みずから一日も早く改正案の出ることを非常に希望しておるのです。そうして又その中の一部分の人は当局の方針にも賛意を表しておる者もあつて運動をやつておるというが、この運動は昨日今日始つておるのではない、これは当局も知つておることです。それで私はまあそれに対しての当局の熱意はどうであるかということはさておいてですよ、あの状況を見るというと、癩療養に対する、癩対策に対する果して行政が実際に行われておるかということに対して多大の疑問を感ずる。予算なんかの僅少な、十三億とか十五億とかいつたような僅少なことは私は別にして、金のことは別にして、療養所の管理状況というか、諸般の状態を見て、私はその一つを見て、まあ他を推すのですが、余り盲評はできませんけれども、実に憂慮に堪えない管理状況である。その著しい具体的な事実は、今金全園に集つておる、運動しておる患者は一体どこから来た、これは当局はわかつておるはずだと思う。即ち半ばは公然として全国の患者がその一カ所に集中して、そうしてこの運動をいたしておる。先ほど在所の義務があるとか、或いは法規によれば所長はこの患者を懇切丁寧に、親切に、又そのいろいろなことについて責任がある。たくさ人の患者が集まつておる、誰があすこに集めて、誰がそういうふうな自由に集合することを許してあの状態を黙認しておるか。あれでいいのか。私はこの点について一体政府がどう考えておるか。ですから法律の上でこう厳しくしなければならん、ああ厳しくしなければならん公衆の衛生の見地から、公衆衛生の福祉からと言つて見たところで、現実は全国の癩患者の代表が、多数の者が集合して、而も一日や十日でなく、殆んど一カ年往復しておる。公然と往復している。或いは公然と一カ所に集まつておる。調べて見て、若し国会が今全生園に集つておるあの患者は、あれは一体どこの療養所におる患者であるか、いつ出てきたものかという調査を要求をいたしたら誰が責任をとるか、法律より何より現状がすでにルーズじやありませんか。これは患者諸君にはやかましく言うわけにいかん、君はなぜ出てきたか、なぜ勝手に集まつたかと言うわけにはいかん、あの人たちは死にもの狂いだ、而も悲しい運命を前にして必死の叫びを上げておるものだからあの人たちを責めるわけにはいかんが、一事を以て万事を推すべしでありますが、私は全土園を見て実に燦然と感じた、と同時に、政府の対策の実にルーズなお座なりなことも痛感いたしたのでありますが、これは法案のときに審議さして頂きたいと思いますが、只今私が承わりたいと思うのは、全国の癩収容所から紊りに出てきて、そうして多日に亘つて集合しておるというような事実があるかないか、それに対して当局はどう考えておるかということだけ承わりたいと思います。

曾田長宗厚生省医務局長

○政府委員(曾田長宗君) 只今御指摘になりましたことにつきまして、非常に私どもも遺憾と存じ、又責任を感じておるわけなんであります。私今言われましたような事態が、今回に限らず以前にもあつたと思うのであります。この事態をなぜ押えきれないかということにつきまして恐らく今度来ております患者の大部分は一応療養所の職員、責任者としては所長でございますが、所長が止むを得ず許可した者が大部分であろう、中には所長が飽くまでも許可しないのに出てきておる者も若干はあろうかと思いますが、恐らくは形の上としましては、許可を一応与えたというような形になつておる者が少くともかなりはあると思うのであります。なお又一部分には、これは草津の療養所等でありますが、これは療養所のバスを出しまして、そうしてそれに乗せて全生園まで送つてきておるところもございます。こういうようなところは療養所といたしましては、私のほうからも申してありますし、そういうような特別な、必要な事情のない者を外に出すというようなことがないようにと言うことを申してもおり、又所長もそのように努めておると思うのでありますけれども、なかなか彼らがそれでは満足いたしませんし、又中には二千人に余る患者を収容しておるところもございます。そこで比較的少数の職員がおつて、そうしていろいろなだめたり、勿論療養が主でございますけれども、慰撫したりしておるわけでありますが、なかなかそれが十分に行きかねまして、そうして所長が心ならずも許可を与えざるを得ないのではないかというような事情もございますので、御承知かと思うのでありますけれども、今日の癩予防法によりますというと、外に出ました場合でも、法的に処罰する方法はございません、ただ園内におきまして、所長がいわゆる懲戒検束を行なうことができるということになつておるわけなんであります。これは今日の事態として到底所長がそういうような事項がありましても実行のできないような事態になつているので、これを今のようではとても所長の力でこれを押えきるというようなことはできない、勿論これを押えきるというようなことではなくて、正しい行きかたは飽くまでもよく話合いまして、よく患者の納得を得て患者に止つてもらうということが先なんでございますけれども、これが続けてはおりますけれども、なかなか十分に行きかねるというところも、この所長の苦労もあるかと考えますが、勿論患者に対して十分な同情もなければなりませんし、あれでございますが、療養所に働いております職員の身も考えてやらなければならないかと思われまして、そういうようなところに今日の予防法のままでは無理があるのではないか、これを一遍根本的に御検討願つて、新らしい方針を立てる必要があるのではないかと考えておる次第であります。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は言訳を聞いているのじやない、言訳を聞いて見てもしようがない。それからなぜ抑圧をしないか、なぜ処罰をしないかということを聞いているのじやないのであります。そういうことを言つていると時間もありませんですし、そういうことをいつから責任者は知つているかというようなことを承わるというと、あなたがたを責めなければなりませんから今日は責めません。責めませんけれども、そういうことはわかつている筈である、結局は私は最高責任者の怠慢であると言わざるを得ぬ、療養所の所長を責めてみたつてしようがない、そういう顕著な事実があるのであります。厚生当局はよく知つておる、言い換えて見るというと、対策を確立することが怠慢であつたと説明せざるを得ない。それで私は、この問題は保留しておきますけれども、何人集まつておる、どこから集まつておるか、どういう状態か、いつからどうなつておるか、その人たちの所遇はどうなつておるか、その療養はどうなつておるか、給与はどうなつておるか、細かいことを責めるとそこに責任者が出て来ますから、そこは問い質しませんが、これは当局は、そういうような状態ではいけない、法律は法律、法律の案文を工夫することは勉強願わなければなりませんけれども、現実の事態を一日も速やかに解決するというのが政府の責任である、行政当局の責任である、半年も一年もそういうことが続いておる、そこをわかつていて、それに何らの手を下さないということは無為無能と言わざるを得ない。私は細かいことは問いませんから、よろしくそういうことについて御反省を願いたい。  関係しまして私は委員長にお願いするのですが、今中山委員から提唱され、藤原委員からも発言があつて、かねて当委員会においては、癩に関する小委員会が前国会まではあつたのですが、今はない、癩の諸君から我々にも毎日数通の手紙が来るのであります。私どもはそれらに対して、責任義務でありますからいちいち目を通す、会いに来るといえば会いに来るのもいいでしよう、でありますけれども、ああいう特殊の人たちのことでありますから、国会がそういうようなあの人たちの要望を聞くということについては考慮しなければならん、普通の人たちとは違う特段の考え方を持たなければならんと、私どもはさように信じます。従いましてあの人たちの要望等につきまして、当委員会がどういうふうに対処するか、どういうふうな方法をとるかというようなこと等につきましては、是非委員長、理事で以て御考究下さいまして、然るべく御善処を願いたいと希望いたしておきます。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) 承知いたしました。

藤原道子日本社会党(第四控室・左)

○藤原道子君 今山下先生のお話でございますが、できましたならば私は理事、委員長の相談で、皆様方全委員にも御相談申上げて、向うが来るということはなかなか困難なことでございますから、できましたならば、委員会として向うへ調査に行くとかというような方向へ、私は皆様の御賛同を得たいように思います。  いま一つは、当局に対して怠慢を責めたつてしようがないのですが、私は一ヵ月ぐらい前に、作業放棄が最初一ヵ所起つたときにすぐ厚生省へ電話をかけた、こういう事態がどうも拡大するようだから、何とか手を打たなければならないのじやないか、一体法案は改正しないのだという厚生省の頑とした態度がこう刺激して来たことも申上げるまでもないことでございます。そのとき電話をかけたら、いやもう手を打ちました、もう絶対に拡大することはございませんから御安心下さい、手は打つておりますという電話でお返事を聞いたのです。そうは言うけれども私は不安だ、若しあなた方がそう言い切つても、これが拡大したときには責任は厚生省にありますよということを私が申上げたにもかかわらず、今日まで遷延された、愛情をもつて、山下さんの言われたように、法律は作文を作つているのじやないのですから、法律は適切に運営するというふうに御努力を願いたい、私も詳しいことは又委員会の審議のときに譲りますけれども。

有馬英二改進党

○有馬英二君 先ほどの問題につきまして、当局から説明がありましたけれども、甚だ不完全な、又非常に簡単な説明で、私は納得ができませんし、十分又局長もお考えになつておられると私は思うのです。この問題は昨年から起つておる。今日まだ確かな解決の方法を得ていないように思います。衆議院のほうでも非常に重大視しておるように私聞いております。昨年の厚生委員会でももつとこの問題を十分研究して、そして彼らに不安を与えないように、これは非常な大きい問題でありますから当局のもつと突き詰めた御研究があつたら、それを承わるし、なおどういうふうにして我々は研究したほうがいいかということであれば、それを一つこの委員会で研究して行かなければならんのじやないかと私は思うのですが、これは委員長に私は申すのですが、参考人を喚ぶなり或いは証人を喚ぶなりして、もつと広く知識を求めるということも必要じやないかと思うのですが、そういうことも一つ是非お考えを願いたいと私考えます。時間がありませんから、多く申しませんが。

堂森芳夫日本社会党(第二控室・右)

○委員長(堂森芳夫君) それではこれで散会いたします。    午後零時四十二分散会

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