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16回国会参議院1953/07/30

建設委員会 第20号

発言数
33
登壇者
9
会派数
5
開催日
1953/07/30

会議録

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 只今から建設委員会を開会いたします。  先ず建設業法の一部を改正する法律案を議題に供します。質疑は前回来引続いて行われまして、先ほども御懇談申上げまして、石川委員から質疑打切りの動議が出ました。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見がございましたら、修正案文及び修正理由を討論中にお述べを願います。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 私は今般提案された本法案につきましては賛成をいたします。併しながらこの法律の制定以来監督されるばかりで、何らその業の主体が守られなかつたところのこの業種に対しまして、施行以来幾多の体験を経て、ここに一部改正という形でよくしようという点の改正が行われたことは大変結構と存じますが、この法律の制定の趣旨並びにこれに関連しますところの前々国会で我々が、本委員会で可決されましたところの前払金の三割だけ契約と同時に支払うという保証会社などの制定によりまして、業の健全化は図られて参つたのでありますが、一部の業者の中には金融又は国会における予算の成立の遅延等の理由によつて、未だダンピングを行うというような業者のあることは遺憾に堪えません。又或る場合におきましては、その前払金保証会社の制度を悪用いたしまして、自分の経営自体の中に金融的な含みを持つ落札というようなことが往々にして行われておる事実を通じましても遺憾と考えますが、政府はこの今回の改正法案提出と同時に、私が只今修正をしたいという事項につきましてもその含みを持つておられることは、審議の過程における大臣の答弁の中にも見受けられるのであります。提案されました全文に対しては賛成はいたしますが、画竜点睛を欠く憾みがございます。  本当にこの業界を守り、この業界を育成し、正しい業種であらしめるためには、十分に建築学会その他あらゆる研究機関において研究され尽したところのローア・リミツト制をとることを希望するものであります。  お手許に差上げてあります私の修正案を一応読み上げます。    建設業法の一部を改正する法律    案に対する修正案   建設業法の一部を改正する法律案  の一部を次のように修正する。   第三条の改正規定中「第二十二条」を「第二十条の二、第二十二条」に改める。   第十六条の改正規定の次に次のように加える。   第二十条の次に次の一条を加える。   (公共工事の競争入札)第二十条の二 公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和二十七年法律第百八十四号)第二条第一項に規定する公共工事の注文者が公共工事の請負契約をなす場合において入札の方法により競争に付するときは、その注文者が定める予定価格の十分の八に満たない価格をもつてなした入札は、無効とする。但し、入札価格が明らかに正当な根拠に基いて算出されたものである場合は、この限りでない。  2 前項の規定は、政令で定める軽微な公共工事については、適用しない。   第二十一条第一項の改正規定中「(昭和二十七年法律第百八十四号)」を削る。   附則第一項但書中「並びに」を「、第二十条の二並びに」に改める  9 附則第三項中「第十八条から第二十四条まで」を「第十八条から第二十条まで、第二十一条から第二十四条まで」に改める。  以上のような修正案を提案いたしますが、この提案の理由は先ほど申上げました通り、このような条文を入れることによりまする利点を申しますと、今回のように予算がその年の半ば近くなつてやつと成立されるような場合、おおむね公共事業収入に依存しておりますところの業者が、この発注されます入札に殺到いたします。その場合一面において前払金保証制度を持つておるためにダンピングを行い、無謀なる競争を行う傾向がしばしばあります。そうして金融上そのよい制度を悪用する傾きがないではございません。建設業協会におきましても、この問題につきましては長い間論議を尽して参つております。同時に全国の各業者の団体からも種々の意見が開陳せられ、政府においても当然かかる希望が全国の中小業者の間に澎湃として起つている事実は御承知であると信じております。併しながらこの程度は大業者、殊に特命工事等々を受ける業者には余り芳しくない修正でございます。それは現在の請合業界はおおむね合法的な談合をいたしております。これは決して司法上の罪ではないそうでありますが、お互いに謙譲の美徳を発揮して、その仕事を譲つたり或いは入札権を放棄したりというような美風が行われるようにも聞いております。併しながらこの審議の過程において申上げたように、地方の中小業者は三十回に一遍或いは四十回の入札に一度その工事を落札するというような実態が現状であります。この点につきましては、建設大臣は先ほども地方の各公共事業こそこのような法律の制定を必要とするのではなかろうか、この思いやりから建設業審議会の答申に答えまして、建設省は地方都道府県に対しましては大体このような十分の八程度のものを以て線を引くような措置をとられたのであります。私はこの際建設大臣の意図せられるものを具現するためにあえてこの修正案を提案するわけでございます。  どうか各同僚委員の方々もよくこの実態は御承知のはずでございます。従つて建設大臣が近い将来にやるということだけでこの問題を政府に同調なさることは、あなた方自身のお心持と違う点がありはしないか。言い過ぎたら謝りますが、ありはしないかという気持を持つので、あえて私の修正案に同調して頂きたい、賛成して頂きたいと考える次第でございます。

近藤信一日本社会党(第四控室・左)

○近藤信一君 私は只今の田中君の修正案に対して賛成するものであります。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 私は田中委員のおつしやつたことは立派に理由があると思います。併し先ほど建設大臣が諸般の関係を考えて、政府として近い将来にその意味の修正をするということを明言されているので、私は政府の意図するところを信頼いたしまして、今直ちに修正案には賛成いたしかねます。

石川榮一自由党

○石川榮一君 私は只今赤木委員の趣旨と大体同じでありますが、この本案の狙いといたしまするところは、建設業者の適正なる発展を企図しつつ、そうして合理的な請負の価格を規定しなければならんものであると思うのです。ただ今田中委員の修正案に出ましたところの十分の八、これ自体につきましては我々はまだ十分な検討をしておりません。今日は建設大臣から責任ある答弁といたしまして、大臣におかれましてもこの修正案の考え方と同じ考え方を持つて研究をされておる。近き将来できるならば次の国会において、成るべく早い機会において妥当な最低価格の検討を加えましたものを次の機会に修正案として出して頂くということを期待し得るのであります。そういう点から考えまして、この際会期も迫つておるときに、本院によつてこの修正を仮にいたしましても、両院協議会等の関係もあり、今予算案等も非常にデリケートな問題になつておりますから、この際は折角の田中君の修正案でありますが、私はこの修正案には同意いたしかねます。大臣の責任ある答弁に信頼いたしまして、この修正案に賛意を表しかねるのであります。

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) ほかに御意見もないようでございますから討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  建設業法の一部を改正する法律案について採決をいたします。先ず討論中にありました田中一君の修正案を議題に供します。田中君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 少数でございます。よつて田中君提出の修正案は否決されました。  次に只今採決されました田中君の修正にかかる部分を除いて内閣提出にかかる建設業法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て議決されました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容と爾後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とせられました方は例により順次御署名を願います。    多数意見者署名     田中  一 近藤信一     石井  桂  小沢久太郎     石川 榮一  高木 正夫     赤木 正雄  石坂 豊一     鹿島守之助

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 大臣から発言があります。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(戸塚九一郎君) 改めて私からも申上げておきたいと思いますが、先ほど来もだんだんお話がございましたが、本案についての修正意見ホありましたし、また御審議の中に皆様の御意見も十分拝聴いたしております。又当局として考えておつたところも申述べたつもりでございますが、修正意見の御趣旨等については十分尊重いたしまして、今後折角検討して、成るべく早い機会に御期待に副うようにいたしたい、かように存じておりますので、改めて申上げたいと思います。   —————————————

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 次に建築士法の一部を改正する法律案を議題に供します。提案者瀬戸山三男君。

瀬戸山三男自由党

○衆議院議員(瀬戸山三男君) それでは只今議題になりました建築士法の一部を改正する法律案について御説明申上げます。  改正の第一点は、一級建築士の受験資格に関するものであります。建築士法第十四条によりますと、一級建築士の受験資格としては、学校教育法による大学の卒業者に対しては、建築に関する実務の経験二年以上が必要であり、短期大学の卒業者に対しましては建築に関する実務の経験四年以上が必要になつております。併し短期大学には修業年限が二年のものと三年のものがありますので、三年制の短期大学卒業者については、四年制の大学卒業者との均衡上、実務の経験年数を一年短縮いたしまして三年とすることとした次第であります。但し夜間に授業を行う短期大学では、授業内容は二年制短期大学と同等のものであり零すので、除外いたした次第であります。  改正の第二点は、引揚者等に対する免許の特例に関するものであります。建築士法施行当初の経過措置といたしまして、御承知の通り相当の実務経験のある者に対しましては、同法附則の定めるところによつて昭和二十六年の四月三十日までに申請することによつて、試験によることなく、選考により建築士の免許が与えられていたのでありますが、それ以後に国内に引揚げた者及び戦争犯罪者で釈放された者はその特典を受けることができないのであります。本改正はこれらの引揚者等で、前回の選考の当時これを受ける資格のあつた者に対しまして、試験によることなく、選考により建築主の免許を受ける機会を与えようとするものであります。  以上の通りでありますが、本法案は昭和二十八年八月十五日から施行いたしたいそして特にこういう資格のある人たちに対する救済の制度といたしたいと考えておりますので、何とぞ慎重に御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 質疑のある方は逐次発言を願います。

石川桂

○石川桂君 只今上程されましたこの建築士法の一部を改正する法律案は、いずれも選考の機会を逸したもの或いは法律の不備を補う非常に時宜を得た改正と存じますので、速かに御賛成あらんことを希望しますと同時に、私は大賛成であります。  それからこの機会にこれにバランスのとれた行政を望むものでありますので、一言希望を申上げまして、提案者のお考えも聞ければ結構だと思います。建築士法ば画期的な法律で、建築基準法が物によるところの基準を示したと同時に、人的の方面の、人のほうによるところの制度を確立して、物と人聞の両方から建設業界を改善して行くという意図に基いてなされた画期的な法律だと思います。で、新らしい制度が突然できますときの経過規定として選考制度が作られたんでありまして、その選考の機会を逸した、満洲から引揚げて来る人の機会を、選考の制度があつた当時の制度に遡つて救済してやるというようなことは非常に結構なんですが、これと同時に、今度は新らしく学校を出る方の試験制度について私は意見があるのでありまして、最近試験の内容を見ますと、試験委員がいずれも優秀な学者でありまして、非常に手ぐすね引いて問題を作る傾向があるのです。御承知のように建築でも土木でもそうでありましようが、非常に仕事が分業化されおる、そうしてその先生が手ぐすね引いてこしらえる問題でありますから、或る専門の大学の教授が他の専門の大学の教授が出した問題はとても正式な回答ができないようなむずかしい問題ばかりが出るという傾向にある。従いまして大学を出てこの改められた制度による試験を受けるときには非常にむずかし過ぎちやつて、なかなかごう各ができないような内容だと私は思います。果してそういうむずかしい試験を課してやる必要があるかどうかというのは、私どもも非常に疑問とするところでありまして、私心この制度が生まれる当初、建設省から選考委員或いは試験委員を委嘱されて問題を出した者の一人ですが、その当時からそうい傾向があるのですが、近頃は学者のみが試験委員になつておるようでありまして、出て来る問題が実にむずかしい、これでは当初考えられた水準よりもつと上のほうの水準を狙つているような傾向にあると私は思います。でここで選考に漏れた人を救済するこの法の精神の建前にバランスをとりまして、試験の内容ももうちつとこう役に立つような、余りむずかしいことで、試験官が一人でその結果を見てほくそ笑むようなむずかしいふうに出さないように、一つこれはむしろ提案者にお願いするよりは、建設省御当局にこの制度を運用する面においてどういうお考えがあるか、これをお確めして、私はこの改正案に賛成なんですが。

石破二朗建設大臣官房長

○政府委員(石破二朗君) 只今の石井委員の御意見識に御尤もでありまして、建築士法ができますゆえんのものも、恐らく学者を養成したり学者の資格を選考するというのが目的ではないので、実際の建築業界に役に立つ優秀な技術者を出す制度を確立しようということに狙いがあるだろうと、かように考えますので、只今の御意見の通り、実際に合う試験問題を選ぶというようなことは、先ず手近に実行でき、而も効果が非常に挙がる問題だろうと考えますので、御意見の通り処置いたしたい、かように考えております。

石川桂

○石川桂君 只今の御方針を承わりまして、非常に安心をいたしましたから、この案には私は賛成をいたします。

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。  それでは御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。建築士法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定しました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容と爾後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされました方は例により順次御署名を願います。    多数意見者署名     田中  一 近藤 信一     鹿島守之助  石井  桂     小沢久太郎  石川 榮一     高木 正夫  赤木 正雄

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 御署名漏れはございませんか……。   —————————————

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) この際お諮りいたします。本委員会として調査を進めて参りました建設行政に関する調査は、その内容が広汎多岐に亘り、未だ調査を完了するに至つておりませんが、慣例によりまして未了報告書を提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) それではさよう一、驚いたします。報告書の内容については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 異議ないと認めます。それではさよう決定いたしました。  それから委員長の提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますので、御署名を願います。   多数意見者署名    石井  桂  小沢久太郎    石川 榮一  鹿島守之助     田中  一 近藤信一    赤木正雄   —————————————

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 次いでお諮りいたしますが、本調査については会期中に調査を未だ完了するに至りませんので、本院規則第五十三条によりまして継続調査要求書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の案文等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

石川清一改進党

○委員長(石川清一君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会をいたします。    午後一時二十三分散会

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