建設・大蔵連合委員会 第1号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/07/02
会議録
○委員長(石川清一君) それでは只今より道路整備費の財源等に関する臨時措置法案に関する建設、大蔵連合委員会を開きます。 慣例によりまして私が司会をさせて頂きます。先ず発議者より提案理由の御説明を願い、その後質疑を願うという順序で議事を進行いたしたいと存じます。それでは提案理由の御説明をお願いいたします。
○衆議院議員(田中角榮君) 只今議題となりました道路整備費の財源等に関する臨時措置法案につきまして簡単に提案理由の御説明を申上げます。 我が国の道路の現況を見まするに、国道、都道府県道を併せまして、その延長約十三万八千キロに達するのでありますが、このうち一応改良せられましたものはその約三〇%に過ぎないのでありまして、残る七〇%、即ち延長九万六千三百キロは未改良の道路であります。而もその中には約一万六千キロの自動車交通不能の区間を含んでおるのであります。又鋪装道の状況は簡易鋪装を含めて六千三百キロでありまして、改良済延長の一五%に過ぎない状態であります。 然るに最近目覚ましく発達しつつある自動車は、遂に戦前最高の三倍以上に達し、七十五万台を数えておる状況であります。而もこれらの車輌は大型化し、重量化し、高速度化しておるのでありまして、現状の道路ではとてもこれに耐えられぬ有様でありまして、道路の整備は緊急を要する問題と言わなければなりません。 他面道路整備の進捗状況を見まするに、昭和二十一年度より昭和二十七年度までの公共事業費、道路費によつて整備せられましたものは僅かに改良約三千キロ、鋪装道約七百キロにしか過ぎないのでありまして、昭和二十八年度予算案において漸く増額されまして百四十一億円となつたのでありますが、これによつても九百八十キロの改良と四百四十キロの鋪装新設が行われるに過ぎない状態であります。 かかる状態でありまして、道路の整備されるにはなお数十年を要することと考えられ、甚だ寒心に堪えないところであります。 このような道路の状況及び自動車の激増に鑑みまして、一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路につきまして、昭和二十九年度以降、鋪装、その他の改築及び修繕に関する五カ年計画を確立すると共に、ここに道路を利用する者がその殆んどを負担している揮発油税収入額と同相当額以上をこの道路整備計画の実施に要する道路法及び道路の修繕に関する法律に基く国の負担金又は補助金の財準に充てることにして、自動車交通の安全保持とその能率の増進とに寄与いたしたいことが此の法律を提案する理由であります。 なお、地方公共団体に対する負担金の割合又は補助率につきましては、道路法及び道路の修繕に関する法律の施行に関する政令の規定にかかわらず、政令によつて特別の定めをなすことができることとし、高率の国の負担及び補助をなし得る途を開きたいと存じております。 なお、本法律案は、衆議院建設委員会多年に亘る各党一致の研究になるものでありまして、前国会に衆議院建設委員会各党一致の提案と相成り、衆議院本会議におきましても、全会一致にて可決、引続き参議院送付となり、当建設委員会に付議せられ、大蔵、予算両委員会との連合審査会の議を経て、委員会におかれては原案通り可決すべきものと決し、本会議の日程に上程と相成つたのでありますが、時あたかも衆議院の解散に会い、不幸成立を見ざりしものであります。幸い各党各位の御支援により、今回再び本案が提案となり、衆議院におきまして慎重審議の結果、全会一致にて可決せられ、参議院の議に付されたわけであります。本法公布の暁は、我が国道路整備に画期的曙光を見出し得ることでありまして、皆様と共に御同慶に堪えないところであります。折角御審議の上御賛成あらんことを希い、提案理由の説明を終る次第であります。
○委員長(石川清一君) 現在政府側から出席しております政府委員は、建設省の事務次官稻浦君、道路局長富樫君、路政課長曾田君でございますが、大蔵省主税局長渡邊君はまだ見えておりませんが、出席の予定になつております。質問はできることであれば大蔵委員のほうから先にお願いをいたしたいと思います。
○小林政夫君 かねて大蔵委員長を通じて大蔵大臣、主計局長の出席を要求いたしておりましたが、本日出席ができないようであつて、質疑を展開して行くのに先ず予算等の点から聞いて行かないと進むに進めませんので、どうしても出席ができないということであれば、連合委員会は他日の機会にして頂いて、本日は我々のほうとしては質疑の展開がしにくいのです。
○委員長(石川清一君) 本日大蔵大臣は衆議院の予算委員会に出ております。政務次官は病気ということであり、主計局長も予算委員会に出ておりますし、次長は米国と折衝、関係官の多くは災害地に出張しておる状況でございます。
○木村禧八郎君 関連しまして。私は前に大蔵委員であつたのですが、大蔵関係で問題になる点は、この前向井大蔵大臣が、このガソリン税を道路費に充てるのは目的税になるという点が一番問題になつたのです。そのときに向井大蔵大臣の考え方が非常にあいまいで、自分はこういうものにはつきりと賛成したわけじやない。閣議の閣僚の意見が一致しておらなかつた点が非常に問題だつたのです。従つて今度小笠原大蔵大臣はどういう考えを持つているかということが非常に重要な点なんです。従つて大臣がお見えにならないと、主税局長だけでは、政治的な問題でございますので、十分質問する趣旨に対する答弁ができないと思うのです。ですからやはり私は大蔵大臣がおられないということは、これは建設委員会との合同委員会を開いても意味がないと思います。やはり私は小林君の言われたことが当然であろうと思うのです。そういうふうに私も取計つて頂きたいと思います。
○小林政夫君 是非今のようにお取計いを願いたいのですが、折角お集りでありますから、提案者から説明のあつた、解散前の前国会におけるこの法案に対する、衆議院側の提案者はよく御存じですが、参議院のほうは、今提案者の言われたような情勢のみではなかつたわけであります。当建設委員会においては衆議院送付の原案通り可決されたようでありますが、翌日の本会議へ上程する際には少くともこの程度の修正はしなければならんという修正案が出ておつたはずであります。而も当時の情勢から行くならば、その修正案が可決されると我々は数を読んでおつたわけで、その点はなお御研究を願いたい。
○委員長(石川清一君) 速記をやめて。 午後一時四十八分速記中止 —————・————— 午後二時二十三分速記開始
○委員長(石川清一君) じや速記をつけて下さい。大蔵大臣が見えましたが、衆議院の予算総会が開会されておるので、質問は簡潔に要領よくお願いします。
○小林政夫君 それでは最初にこの法案についての大蔵大臣の御見解を承わりたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この法律案につきましては、ガソリン税を目的税とする趣旨ではないと存じまするが、何分にも今後の予算編成を拘束する筋合いとも相成りまするので、その程度を最小限度にとどめて頂きまするよう御協力を願えれば幸いに存じます。
○小林政夫君 その程度を最小限度にとどめるということは、具体的に申しますとどういう御趣旨ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 予算編成を拘束する程度をつまり最小限度にとどめて頂きたい、こういう趣旨でございます。(笑声)
○小林政夫君 私は具体的にこの法案について大蔵大臣の見解をお尋ねしておるであつて、この法案の第三條をお読みになると、大体大蔵大臣はお読みになつたでしようが、お読みになると、「当該年度の税収入額に相当する金額を、」ということになつております。これは拘束する程度を最小限度と申しましても、この書き方によると、「当該年度の税収入額に……」これは前回の際に我々研究したのでありますが、法律用語としてもぴちやつと合つた金額をこの道路整備費に注ぎ込まなければならん、こういう趣旨なんですが、これがいいか悪いかということを聞いているのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) そういう趣旨で作られてはいないように私ども解しておるのでございますが、私の申上げまする趣意は、少くとも道路は地方負担に属するものまでも入れてもらえれば結構なんです。こういう意味なんです。そこまで拡げて頂くと結構です。こういう意味なんです。
○小林政夫君 そうすると道路建設費、或いは整備、建設というものを全部ガソリン税収相当額で賄つて欲しい、こういう意味に取れるのですが、一応そういうふうな趣意であつても、はつきりガソリン税収相当額、こういうものを目的税ではないと言うことであるが、併し目的税的ではあるわけなんです。すると大蔵大臣として、一体国の財政を総合的に切り盛りをしなければならん財政責任者として、こういうふうに特定の税収入を特定の用途に縛りつけるということが望ましいことであるかどうかということについての御見解はどうですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私が承知しておりますところでは、御承知の通りガソリン税のうちには道路以外に使用しておる分も相当ございますので、従つて私どもとしては税率その他の関係は大蔵省のほうで漸次きめ得ることであるから、そこで今申上げたような点でこの予算組成を拘束する程度を最小限度にとどめて頂くように御協力が願えるなら結構である、こういう意味を申上げておる次第であります。
○小林政夫君 具体的に大蔵大臣の言われたことを掘り下げると、現在ガソリン税はキロ・リツター一万一千円ということになつておりますが、それを場合によつて半分にして五千円にして、そうして道路整備費を少くする、或いは場合によつてはそのガソリン税の税率を一万一千円を二万円にする、こういうことによつて道路の建設及び整備に必要な財源は全部ガソリン税の税率を上げ下げすることによつて入用なだけ出して行こう、こういうお考えですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) そうではございませんですが、そういう意味ではなくて、私どもの意味は、この税率の上げ下げはそのときの実情によることでもあるし、又他の税率との関係等もあることなので、その点大蔵省のほうできめ得るようになつておりまするから、この点を実は申上げておる次第であります。この上げ下げすることに上つて、それを全部その額だけを……目的税ではございません、目的を道路だけのものに持つて行く、こういう趣意ではございません。
○小林政夫君 どうもはつきりしませんが、そうすると大臣の御見解では、ガソリン税収相当額は如何なる税率になろうとも、要するにそれだけのものは道路建設及び整備の最低限度として、それ以上の国費を他の税収から注ぎ込むことがある、こういう意味の弾力性でございますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 政府委員より答弁いたします。
○政府委員(河野一之君) 揮発油税の持つ、相当する金額をという意味でございます。私どもは金には、一応歳入に入りましたものは、どういう金が入つたか区別はないのでございますが、我々の財政を扱つております者の立場といたしましては、そのガソリン税の中には相当部分が工業用にも使われるものもございますので、道路等の直接関連を持つようなものについてそういうことをするのであるならば、弊害は割合に少いのではないかというふうに第一に考えるわけであります。 それから第二には、国で出します道路の範囲と申しましてもいろいろございます。例えて申しますれば、特定道路もそうでありますし、又道路の災害復旧も道路の費用でございまするが、このガソリン税を使つて、目的税ではございませんが、そこを一応の目安にしてやるということになりますると、それと非常にマッチしたような経費を考えるのが相当ではないか。そういうような意味におきまして、この法案は目的税という建前でお作りになつたものではないというふうに我々は考えられるのであります。又そういう点におきまして実際上予算的な拘束を受ける点もございますので、そういう点につきまして御協力を願えれば甚だ幸いだと、こういう意味で大臣は申上げておるわけであります。
○小林政夫君 そういうことでありますと、この第三條の書き方というものは、「税収入額程度の金額と」、こう書くならあなたの言う御希望通りになるが、「税収入額に相当する金額」ということなら一銭一厘も違つてはいけない。それが大蔵大臣として望ましいかということなんです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 小林さんの言われる通りに見えますので、そういう点もあるから、今申上げたような御協力を願つておる次第なのでございます。
○小林政夫君 そうしますと、提案者田中角榮氏は自由党員であります。大蔵大臣も自由党内閣の大蔵大臣、先般のときもそういうことで問題になつたのでありますが、大蔵大臣の今の御希望通りにしようと思えば、税収入額程度の金額ということにしなければならない。党内で一つもう一遍相談し直すということをおやりになりませんか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 党内の問題は田中さんにお答え願つたほうがいいと思うのですが、大蔵大臣として申しますと、まあ運用よろしきを得て頂けばいいんじやないかと実は思うのでございますがね。
○小林政夫君 運用よろしきを得ると言つても、この法案通りだつたらそうは行かないのですよ。
○衆議院議員(田中角榮君) ちよつとお答え申上げますが、この問題につきましては、前に法律案を提出しました前国会におきましても論議をせられた点でありますが、自由党ばかりではなく、衆議院におきましては各党提案でありますし、自由党内部におきましても相当の論議を尽したわけでありますが、多数意見としてこの原案を採択いたしておる次第であります。なおこの問題につきまして最後に調整をするとすれば、議員提案でありますので、議院で修正をする以外に手はないと思うのでありますが、衆議院におきましては各党一致で、この第三條は修正をしないで、現在提案しておりまする條文通りのほうがよろしいという認定をしておるわけであります。
○小林政夫君 君僕は提案者の御意向を聞いているわけではないのです。大蔵大臣がもう一遍……。今私の質疑応答の過程において、余り大蔵大臣はこの法案の内容というものについて正確な知識を持つておられんと思う。だから今ここで気付かれたのだから、もう一遍帰つて党で相談し直してみる気持があるかないかということを大蔵大臣に聞いておるのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ大蔵大臣としては先ほど申上げた通りでございまするけれども、併し国会のほうで御修正その他の事柄について私ども何も申上げる考えを持つておりません。そういう皆様の御権限に対してかれこれ申上げる意向は持つておりません。
○小林政夫君 大蔵大臣が言つたから次々が変えるとか変えんとかいうことを聞いておるのじやなくて、我々が変えるということは、皆の意見がまとまればお説の通り多数によつて法案の修正は可能です。併し、あなが今ここで初めてこれではなかなか御希望のように弾力性のある運用はできないということがおわかりになつたのだから、もう一遍……、国会で然るべくやつてくれということでなしに、もう一遍党で練り直してみるというお気持はあるかないか。それは党議決定だから仕方がない、あとは然るべく国会でやつてくれと、こういう御意思なのかどうかということです。私の希望は、もう一遍練り直してもらいたいということです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私の大蔵大臣としての意見は先ほど申上げた通りでありまするが、併し、国会のほうの議員の方の御提案でございまするので、そのほうの御決定によることにいたしたいと思います。
○小林政夫君 そうすると議員提案だと言つても、一応今提案者代表田中角榮氏が言われたごとく、これを自由党は党議として云々ということで、まあ自由党は、自由党の代表として、おおむね見ると建設常任委員の方のようでありますが、提案者になつております。そういうことだから、議員提案だから、大蔵省が出したのではないのだから云々というようなことでなしに、今は自由党員小笠原三九郎氏が大蔵大臣だと、こういうことで、もう一遍党のほうで再考の余地……、再考しようしやないか、もう一遍考えてくれということを持ち出してみる御意思はないかということを聞いておるのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) どうも大蔵大臣としては、議会でやつて頂く以外に……、私の意向は先ほどから申上げておる通りでございまするから、さよう御了承願いたいと存じます。
○小林政夫君 それで大蔵大臣の気持はわかりました。それでは小笠原大蔵大臣は、道路整備にこの法案が所期する金額、まあ本年度のガソリン税収は百八十六億と承知いたしておりまするが、この程度のものをこの法案の所期するところでは道路整備費に使うと、こういうことなんです。それで新設等はこの五カ年計画を見てみてもないわけです。おおむね補修整備という費用に使うということですが、二十九年度ですから、今提案されておる二十八年度予算には関係ありませんが、これだけの費用を道路整備費に使うことが妥当であるとお考えになつておるかどうか、又、先の大蔵大臣である向井大蔵大臣が本案の審議の際に、おおむねきちつとこの税収相当額というわけには行かないけれども、日本の道路の不十分な点から考えて、この整備費にはこの程度の予算は、特別なこういう法律を以てしなくても、大蔵大臣としては毎年予算には計上するつもりだと、こういう発言があつたわけですが、新大蔵大臣はこの道路整備費についてどういうふうにお考えになるか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私としては先ほど申上げましたように、大体この新設その他まで拡げて頂きたいということを希望として、この地方負担の分までやつて頂くことに御協力頂きたいということを申上げておりますので、これを全額そのまま今仰せになつたような道路の整備補修だけに使うのでは、全くいわゆる予算編成を拘束する筋合いとなるので、これは望ましくない。そこでもう少し拡げた意味で、この程度を最小限度にとどめて頂くように御協力を願いたいというように申上げておるのでございます。 それからなお、これは一つの考え方でございますけれども、例えば工業用に使うようなガソリンというものを全部別途に除いてしまうということになりますれば、これは又別の考え方も出て来るのではないかというように、これはちよつと思い付いたことで甚だ相済まんのですが、そういうふうにも感じます。
○小林政夫君 まあ細かい数字的なことは事務当局から聞きますが、大体大蔵大臣の、ここで思い付かれたということですが、今の財政支出九千六百億、この一般会計の財政の規模が現在程度である場合において、この百五十億乃至百六、七十億の道路整備費を続けてこれはまあ五年間出してくれということなんですが、五年ぐらいは、まあそこに十億や五億の出入りはあつても、財政規模が同じであるならばこの程度の整備費は組むべきだというお考えかどうかということをお尋ねしたいのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) その点につきましては、私ども大体今年度程度のものは組みたいと思つておりまするが、それ以上は、国の財政状況もあることで、実は如何かと考えております。
○小林政夫君 今年度程度のものは毎年これから五年間ぐらいは組める、別にこういう法律がなくても組めると、こういう御意思と承わつてよろしうございますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 大体さようでございます。
○小林政夫君 そうするともう一遍念のために聞きますが、そういう大蔵大臣がお腹であるならば、今のこういう法案を作つて、はつきりと法律的に予算に五年間に亘つての道路整備費というものを組むというようなことをしなくても、閣議において大蔵大臣の今のお気持に賛成を得て、そうして予算編成のときに盛りさえすれば足りるのであつて、この法律案はなくとも、大蔵大臣としては提案者の希望するような道路整備費は出すのだと、こういうことは言えると思うのですが、如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この法案は実は国会がお出しになつておるので、その点についてはどうも申上げかねるのでありますが、私どもとしては、本年度程度、或いは又財政上許せばもう少し余計でも出したいくらいに考えてはおります。この法案は国会でお出しになつておるので、これについて私どもかれこれ申上げかねることは、小林さんにも御了承を得られることと思います。
○小林政夫君 それはもう国会が出しておるので、政府が出しておるのではないから、それで今度は大蔵大臣に聞いておる。別にこの儀に及びませんと断言できるであろうと思つてお尋ねしておるわけです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 国会がお出しになつたものをその儀に及ばんなどということを申したら、卒直に言つて大きなお叱りを受けるだろうと思いますから、これはちよつと避けさして頂きたいと思います。
○小林政夫君 私は、この法律案を作つてくれとか何とかということでなしに、誠心誠意今のような予算を組むのだから、まあ自分の卒直な心持としては、強いてこういうふうな作られ方をしなくても済むじやないかというような、卒直な意見としてはお聞かせ願つても、別に叱るとか叱らんという問題ではないと思う。それが最初から申上げておるように、大蔵大臣のこの法案についての意見はどうですかということは、結局そこへ落付くんじやないかと思つてお聞きしておつたわけです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) この法律につきましては、最初申上げました通りの御返事になるのでありまして、私は実は卒直に申上げましても、これは数カ年間何することですし、私が大蔵大臣をしておるのは一体何年間かわかりませんので、そういう点についての問題もかれこれございましよう。従いまして私としては今申上げた通り、私が任にある間につきましては、まあ予算編成権を拘束する程度について最小限度にとどめておくならば、そういう点に御協力さえ願えば差支えない、かように考えておる次第でございます。
○小林政夫君 それでは大蔵大臣に対する質問は私一応やめます。
○木村禧八郎君 ちよつと大蔵大臣に伺いたいのですが、今度揮発油税は改正案によつて百八十六億あるわけですね。それでこの法律案が通ると、揮発油税を大体そちらに向けますと、そこに、揮発油税ばかりじやないです、これはまあ全体の税収と一緒になつて運営されるのですが、ほかに予定された経費を削るか何かしなければならないことが出て来ませんですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これはまあ、これが二十九年度予算になりまするので、従つて二十九年度予算編成のときにこの問題については篤と考えてみたいと思つております。
○木村禧八郎君 大蔵大臣は二十九年度の財政というものがどういうものであるかということは大体おわかりであるはずだと思うのです。殊に二十九年度は、財政投融資の関係において、これは非常な困難に陥ることは御承知の通りだと思うのです。二十八年度予算で殆んど蓄積資金を全部食つちやつておるわけですから、あと残りはもうインベントリー・ファイナンスにおける蓄積しかないんです。見返資金も、それから政府の二十六年度の剰余金も、それから資金運用部の手持国債も、余裕金も、全部二十八年度で食つてしまうのです。御承知の通りですね。従つて二十九年度の財政計画は、投融資関係から非常な困難に陥るのですね。そういう見通しに立つた場合、こういう財源を拘束するような法律に対して大蔵大臣は一体どういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) その点から、さつき申した通りに、その程度を最小限度にとどめて頂きたい、それに御協力して頂きたいと申上げておるわけなんです。
○委員長(石川清一君) ちよつと申上げますが、衆議院の予算委員会から大蔵大臣の出席を強く要望しておりますので、簡潔に一つお願いいたします。
○木村禧八郎君 そこで大蔵大臣は、こういう法律案が出て来れば都合がいいのですか、これは好ましいとお考えですか、これは財政当局としては、大蔵大臣は一応の識見がなければならんはずです。又我々としても、国会議員の立場からいつて、これは他の会派の議員諸君が出されたのですけれども、労農党は賛成しておりません。議員から予算編成権を拘束されるような議案を出すべきでないと、私はこういう見地に立つております、従つてこの法案を出された人とは私は意見は違うのです。勿論道路計画自体の必要性については私は賛成しているのです。併し財源の捻出方法については意見が違うので、大蔵大臣として、財政当局として、目的税的な性格を有するそういうものに対して基本的にどういうお考えを持つておるか、この点承わつておきたいのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ止むを得んことと私どもは承知いたしております。
○木村禧八郎君 止むを得んということは、好ましくないけれども、国会で通つてしまえば止むを得ないと、こういうことなんですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) それほどの意味でなくて、非常に好ましいとは思わんが、先ず止むを得んと、こういう意味です。
○木村禧八郎君 私は、小笠原先生は財政家としてこれから相当に評価しようと思つておつたところなんです。併し財政当局として、若しそういう好ましくない、日本の将来にとつてですよ、これは自由党内閣であろうとほかの内閣になつたときも、こういう目的税的なものを、こういうものを作るべきではない、この財源は全体的に総合的に運用しなければならんものですよ。道路計画だけにこういう財源の紐付きのようなものを私は作るべきではないと思う。従つて大蔵大臣が一つの見識をお持ちになるならば、こういう法案を阻止されるように努力されるべきですよ。殊に自由党の方々が中心になつておられるのですから、その方向に一応大蔵大臣は努力される御意思はないのですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私も税が目的税になるということは望ましくないと思います。併しこれは目的税になるということではございませんので、税率その他はやはり大蔵省できめ得るということにもなつておる。そこで実際面を申しまして成るべく、これが多少とも予算を拘束するようにもなりますから、そこでこの制度を最小限度にとどめて頂くように御協力願えればよろしいと、こう実は考えておる次第です。
○木村禧八郎君 ところが道路整備五カ年計画を見ますと、ガソリン税充額として、二十九年度は二百二十億、三十年度は二百四十億、三十一年度は二百六十億、三十二年度は二百七十五億、三十三年度は二百八十五億というように予想しておるのです。従つて先ほどの大蔵大臣の御答弁と違うのです。その点大蔵大臣は如何です。大体今年度程度ならいい、余り殖えることは望ましくないと言われながら、この道路整備五カ年計画では相当に増加することが予想されておるのです。この点は大蔵大臣如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) それはたしか運輸省か何かで作つた原案かと思いますが、私は実はその数字を的確にみておりませんし、又閣議でこれに対して決定も実はいたしておりません。閣議で決定します場合には……、ちよつと今ここで指摘を受けたのは、第二條で、閣議の決定を受けなければならないとなつておりますから、その数字については、その点がありますから、さつきから最小限度にとどめて頂くように御協力願いたいと、強く申上げておるのでございます。
○木村禧八郎君 併しこれが基礎になつているのです。これは法律案にも五カ年計画を作らなければならないことになつていて、この五カ年計画を見れば、こういうように税収を予想しながら……、こういうガソリン税の増収が予定されなければこれはできないのです。それが前提になつておるのですよ。大蔵大臣はこの法律案が通つてしまえば、最小限度にとどめたいと言つても、若し最小限度にとどめたのなら、この法律案の趣旨が没却されてしまつてその通りにならないのです。ここに非常に矛盾があるのですよ。その点を伺つておるのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) まあ言葉はちよつと適切でないかも知れませんが、私はそれは試案に過ぎない。従つてこれを正式にどういうふうにやるかということは、閣議に上したときに決定をすべきであるから、試案がそうなつておつても、これに私は拘束される理由は毛頭ないものと、かように考えておるのであります。
○木村禧八郎君 試案と仰せられますが、実は試案でも、我々はこの五カ年計画というものを見なければ、どういう計画であるかということを見なければこの法案には我々は賛否を表することはできないのです。これは議員提出法案ですから、我々の立場としてはそうなんです。そこであとで小林君に関連質問して頂きますその前に、最後に一つ伺つておきたいのです。ガソリン税を若し下げた場合です。ガソリン税を下げた場合はこれは計画が狂つてしまうのですよ。税収が予定されないのですから……。そうするとこの法律案が通ると、ガソリン税を下げることが困難になつて来るのですよ。実際問題としてですよ。従つて我々はこのガソリン税は転嫁税であるから、大衆課税……、成るべくこういうものは下げなければいけないといううちに入る、そうするとそのガソリン税の税率改正ということが拘束されて来るのです。そういう危険があるのです。この点は如何ですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) それは実は私はそういう点も考えられんでもございませんけれども、それはガソリン税の収入というものは、ガソリンの消費量にもよることだし、従つてそれが直ちにこれに影響して来るとは考えておりません。
○木村禧八郎君 いや、その税率改正ということが拘束されるでしよう、実際問題としてそうなるのですよ。そうでなければこの計画は実行できないのですよ。大体今の税率を改正しないという前提に立たなければ……。それならこのガソリン税の収入予定というのは何から出て来たのですか。何を基準にしてこの収入というものは出て来たのですか。
○小林政夫君 大蔵大臣が今の木村さんの質問の内容をはつきり呑込むために関連的に質問をしますと、大蔵大臣はその弾力性……、成るべく最小限度に拘束しようとするということで言つておられますが、今木村さんの言われるように、ガソリン税というものを下げずにそのままで行けば、恐らく今の五カ年計画というものは、今後のガソリンの消費増量を見込んでこういう鰻上りの計画になつておる。あなたが最小限度に拘束してもらいたい、今の本年度予算程度のものでとどめてもらいたいと、こういうことであれば、若しガソリンの消費が殖えて、この五カ年計画、試案かどうか知りませんが、この提案されている五カ年計画通りに税収があるものとすれば、二十九年度においては、二十八年度よりもガソリン税を下げ、三十年度は更に又下げると、同じ程度になるように下げる。併し国の財政収入全体としてはちつともプラスとマイナスは影響ない。これだけのものはもう通年度道路整備計画に持つて行かれて、最小限度が百五十億なら百五十億としましても、ガソリン税収が余分にあればそれを別に使うというような弾力性のある運用をするしかこれではできないのですから、その点を御理解になつていますか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 今お話を伺つているうちに、実は率直に申しますと、私十分にこの問題についてよく知らなかつたが、今伺つているうちに非常によくわかつて参りました。それで私どもとしては、今のような点につきましては、いわゆる一級国道とか二級国道とか、こういうふうにきめた鋪装の改修、修繕ばかりでなくて、新築のほう、新らしく新設する道路とか、その他地方においてやることについてもこれをやつて頂くならばよいのじやないか、こういうので、その点で先刻来御協力をお願いしているのはその点なんでございますがね。
○木村禧八郎君 これはそうなつておらないのですよ。大蔵大臣、そうじやないのです。大蔵大臣の御趣旨のようになつていないのです。
○小林政夫君 それでは具体的に、数字的に明らかにするために、大蔵大臣のおられるところで、主計局長に聞くと、二十八年度の予算は、大蔵大臣の希望通りということに……、今の新規新設、全部含めてこの道路計画の費用というものはなんぼに見積られていますか、この予算を……。
○政府委員(河野一之君) 大蔵大臣にいろいろ申上げたのでありますが、今年度の百八十六億のガソリン税収入のそのうち、自動車……、工業用を除きまして自動車だけで参りますと百六十三億程度に相成る予定でございます。で今年の予算は、道路の災害復旧を入れまして二百三十億程度でございますか、このうちまあ災害を除くということに相成りまして、又地方の負担を入れるということにいたしまして、又新規新設も入れる、こういうことにいたしますと、大体百五十億程度になるかと思います。
○小林政夫君 もう一遍はつきり項目別に……。
○政府委員(河野一之君) 昭和二十八年度の道路の経費では、いわゆる道路事業という項に載つておりますが、その百六十七億あるそのうち、直轄が六十八億、補助が七十三億、持定道路の分が二十五億、そのほかに都市計画の関係で十二億ばかりございます。街路事業費、道路の災害復旧費は五十億、合計して二百三十億程度が、現在その後提出申上げておる道路費の総額であります。そのうちこの法律の規定によりますと、この法律案の通りに行きますと、先ほど申上げましたように直轄、例えば国が直轄で道路を改修いたしますと、その三分の一は地方が負担いたしますから、その分は入らないということにいたします。それから第二は、特定道路の分は除かれると、こうございますが、百六十七億から百二十四、五億というものを引きまして、それから街路事業は入りますが、特別の災害復旧は入らないという関係で、そういたしますと百三十七、八億ということに、この法律のままで行きますとなるかと思います。
○小林政夫君 今主計局長から説明した事実通りのことに大蔵大臣、なつているわけですが、全くあなたの御意思は、自分の意思を忖度して国会で適当に意思に合うように改正して欲しいという意味だろうと思うのですが、それはまあよく了解しているのだが、そういうことであれば、とても大蔵大臣の今考えておられるものと、この法律案の所期している点とは非常な開きがある、数字的に。だからそれであれば最初に言つているように、又木村委員からも言われたように、自由党議員の人さえ何とか引込めればこの案は引込むのだから、自由党の大蔵大臣としてはもうちよつと党内において一つ意見の調整をされる考えに積極的になつてもらえないかと、こういうのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) どうもさつき申上げたことを繰返して、御協力をお願いするという以外に、私どもとしてはお答えすることはできません。
○木村禧八郎君 では最後に簡単に一点だけ。大蔵大臣は目的税というものについてどうお考えですか、それだけ伺つておきます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 私は税の目的税という名前は望ましいものとは考えておりません。
○木村禧八郎君 結構です。
○赤木正雄君 この法案が参議院を通過した場合には相当の金が道路につきます。道路のよくなることは私は無論喜びます。併し御承知の通りに九州地方にも大変水害がありましたが、いわゆるそういう莫大な金が要る場合に、この法案に掣肘されまして、或る一定の金がそこに行く関係上、治水方面における公共事業費が万一減らされるということは大変なことなんです。それに対して大蔵大臣は、この法案の義務とは別個に、治水事業には今まで以上の関心を持つて予算をつけられるつもりでありますか、これに関連しますからお伺いしたいのです。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 赤木さんの仰せになつた治山治水の肝要のことは私特に認めております。特に今度の水害等まだ原因はわかりませんが、見ましても、やはりそれが欠けておる点で一時的な出水が多くなつておるというふうに考えられますので、この費用につきましては、十分私ども考えたい、かように考えております。
○江田三郎君 さつきから大蔵大臣の答弁を聞いておりますと、木村委員なり小林委員から指摘されたように、この法案を文字通り解釈したものと相当違う。例えばこれにははつきりと鋪装その他の改築及び修繕と書いてあるけれども、大蔵大臣のは新設も入れてもらいたい、或いは地方負担のものまで入れてもらいたい、こういうことがありますし、税収入額に相当する金額というものを文字通り解釈されては困る、その点は運用よろしきを得なければならない、そういう点で、実際この通りは来年度の予算では執行できんということをはつきり言われておるわけですが、若しそうはつきり言われておつて、この法律案が通過した場合には、これは法を適当に運用すると言つたところで、はつきり書いてあることなんですから、そこに矛盾が起きるわけですが、その点は一体今言わました大蔵大臣の気持が、この法案が通過したときには、法がなんぼ通過しても、法律を無視されておやりになるということになるのか、どうなるのか、どうなのか、その点のお気持をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(小笠原三九郎君) その点につきましては、つまり私どもはこの予算編成を拘束する程度を最小限度にとどめるように一つ御協力をお願いいたしたい、かように実は考えておる次第でございます。
○江田三郎君 そう言われることは、小林君が重ねて聞かれたように、この法案をどこか修正しなければ困るということなんですか、この法案はこの法案で通つて、それで又修正案を政府のほうで出されるということなのか、或いは法律が通つても法律を無視して行かれることになるのか、その点どちらなんですか。
○国務大臣(小笠原三九郎君) これは議員のほうの御提案でもございますので、これも極めて率直な言葉で相済みませんが、適当に一つ御協力をお願いいたしたいと存じ上げます。(笑声)
○堀木鎌三君 私はこの法律については前の国会のときに相当論議を尽したのです。併し又その法律の内容及び財政収入との関係等につきまして疑点になることを相当聞いたのですが、それはここで繰返したくないと思いますが、実は甚だ意外な感を受けるのです。戸塚建設大臣と、そのときの大蔵大臣は向井さん、向井大蔵大臣とか、それから提案の説明者で、今日も御臨席になつておる田中さんと、お三人にさんざん私が問い詰めた。そうしたところが、お互いにですね、もう少し話し合う余地のある事柄であるということがわかつて、建設大臣も大蔵大臣も委員会の席上、よく相談してみます、これはどういうことを相談するのかおわかりになるだろうと思います。余り露骨に申上げるのは差し控えますが、率直に言えば、政府間の、内部間のことを我々に調節させるという一つの底意を持つた法案だとも言える。もう一つは、自由党内でもすでに調節できる問題でもある。いろいろなことが考えられるわけです。で、実は大蔵大臣と建設大臣はよく相談した上で考えるということを言われながら、大蔵大臣が変ると、一体この法案がどこを向いているのかも御承知ない、これは甚だけしからん話です。大臣が変つても、吉田内閣の延長だということは明らかです。こういう問題については、率直に言いますれば、大蔵大臣はよろしくもう一遍御勉強なさつた上で委員会に出て来て頂きたい。そうでないと私ども質問する甲斐がない。それだけを特に御注文申上げます。
○国務大臣(小笠原三九郎君) 一応実は私も話は建設大臣とも打合せたのでありますが、併し十分でない点が私にありましたことは誠に申訳なく存じております。ただこの前のときと今とどういうふうに変つたのかと、そう仰せられれば、これは堀木さんに、これも私の率直な言葉でございますけれども、その後政治情勢も大分変りましたからと、こういうお言葉で申上げるよりほかはないんじやないかと、こう思います。
○堀木鎌三君 今度はもう一度建設大臣と大蔵大臣と両方呼んで頂きたい。これは殊に大蔵大臣は何とかおいでになれるはずですが、おいでになれる余地がある。戸塚建設大臣は少くとも私に対して、若しも国会が出した法律だからといつて尊重されるなら、同時に国会議員の言説に対しても御責任を感じて頂かなければ、それでなければ私は何のために議会へ来ているのかわけがわからなくなつてしまう。甚だ申訳ないが、建設大臣もも一度呼びつけてそうして出て頂いて、その上で合同委員会をして頂ければ、私は速記録を以て対決する用意があります。それだけを申上げておきます。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○江田三郎君 まあ大蔵大臣にまだ質問があるんですけれど、帰られれば仕方ないんですが、今堀木さんが言われるようにもう一遍呼んで頂きたいと思うんです。そこで大蔵省の主税局長が見えておりますから、私後学のために一応主税局長の考え方を教えて頂きたいと思うんですが、目的税とはいかなるものをいうのかという点です。
○政府委員(渡邊喜久造君) 税法上の厳格な定義というものを今ここで御披露申上げることはできないと思いますが、やはり目的税という限りにおきましては、一定の目的のために税が作られるということが一つの大きな要点だと思います。従いましてその税率、或いはそれによつて期待する税収等におきましても、その目的に使われる必要な財源、それがやはりおのずからその目的税の課税の対象或いは課税の税率、そういうものを規制して来るんじやないかというふうに思います。若しこの場合の例をすぐそういうふうに引いていいかどうか多少疑問でありますが、わかりやすくするために、例えば今ここで以て議論になつておりますガソリン税の問題とこの道路の問題というものを目的税というふうにはつきり規定したというふうに考えてみますと、結局ガソリン税の税率は道路の建設に必要な額というものにおのずから規制されて来ると思います。勿論その場合におきましても、まあ考え方は幾らもございますから、目的税の税収だけで以て道路をするということも考えられますし、或いは更にそのほかに一般財源を相当加えてその何分かの幾つかをガソリン税で徴収するということも考えられます。同時に又道路の建設目的が大体達成するとすれば、その目的税というものは当然消滅するものと、こういうふうな関係が当然考えられるわけであります。同時に目的税として作ります場合におきましては、例えば特別会計にしまして他と区分するとか、まあそういつたようなことがおのずから、これは技術的な問題でございますが、出て来る問題じやないかと思います。各国の事例といたしましては、アメリカのステートで行なつておりまするガソリン税は、これは一応目的税ということをはつきりしているようでございます。他国におきましては相当ガソリン税を徴収しておりますが、目的税という姿として徴収している例は我々の研究するところではなつていないようでございます。
○江田三郎君 この場合には五カ年計画を立てて、そうして第三條によつて当該年度の税収入額に相当する金額を五カ年計画の実施に要する道路の整備に充てるということになるんですが、この文字を文字の通りに解釈をした場合には、目的税とはお考えになれませんか。
○政府委員(渡邊喜久造君) その点につきましては提案者の田中さんの御意見もいろいろ伺つてみたのでございますが、一応ガソリン税をどういふうに、例えば現在の税率が高過ぎるとか、或いはもう少し上げてもいいのじやないかとか、そういつたような考え方でものを考える場合におきまして、道路の整備計画自身と結びつけてそういう判断をすることには考えられておりませんで、結局税制といたしましては、他の全体の観点におきまして判断して、同時にこれは立案すべきものである。収入自身は一応この法律が通りますと、特別に規定してありますような目的に使う、そういう意味におきまして厳格な意味の目的ではないといいますか、まあ簡単に言えば目的税ではない、これは一応財源が拘束されている意味におきまして、目的税がしばしば持つ目的と似たような一応の筋がついているということは、これは言えると思うのです。一応税自体を道路計画のために徴収することがあるものという、そうした特殊なはつきりした性格を打出しておりませんでございますから、これは一応目的税という必要はなかろうと、かように考えております。
○江田三郎君 一つ主税局長、政治的にでなしに……、事務的に、或いはあなた学問的に……そこで私は最初に後学のために教えて頂きたいということを言つているのでして、政治的にはいろいろごまかし方はあるのです。(笑声)税収入額に相当する金額というようにはつきり書かれて、それをこの道路の整備に使わなくちやならんというときに、これが目的税ではないということを、事務的に或いは学問的に言い切れますか。
○政府委員(渡邊喜久造君) 私も事務当局でございますから、余り政治的にお答え申すつもりはないのでありますが、そういうふうに取られましては恐縮でございますが、一応私の信ずるところによれば、目的税であるということがはつきすれば、一応やはりその道路計画といいますか、そういうものと税率なり課税の対象とか、そういうものと税収というものは相当関連を持ち、おのずからそこにガソリン税というものの構成について拘束がなければならん、で現在拝見しています案では、その点についての一応の連繋はございませんで、ただありますのは結局ガソリン税によつて上つて来た歳入はこれはその目的に使う、従いましてそこに出て来る問題は、先ほど来御議論になつておりまする予算編成権についての相当の拘束という問題に対する一つの議論は私はあろうと思います。併し税の面におきましてはそこに別に繋りもございませんし、従いましてこれは衆議院の委員会でもいろいろ御議論があつたのでありますが、ガソリン税を将来続けるか続けないか、或いはもつと税率を下げるか、そういつたような問題は税制一般の問題として、その一環として考えられるべきものである。こういうふうな御議論で、提案者もさようにおつしやつたと思います。そういう意味におきまして私はそれは目的税と考える必要はなかろう、かように考えます。
○江田三郎君 先ほどあなたの言われた中にも、アメリカでやつていることの制度はガソリン税は目的税である、こういうことを言われて、大体何かそのくらいのところが元になつて出て来るやつですから、私はこれはもうはつきり目的税だと、こう思うのですが、余り嫌がらせをしちやいかんと思いますからやめておきますけれども、まあよろしいようにお願いします。
○小林政夫君 今の江田さんの質問で、目的税ではないということを言われるけれども、これは税の発生の契機から考えて、あなたはそういうことの理窟が立つかも知れないが、もともとガソリン税というものは、前からこういうふうに使う目的を立てて、道路を整備するためにこれこれの税を取る、こういうふうにして始まつた税ではない。併しこの書き方で見ると、ぴちつとガソリン税収相当額を道路整備に使う、その整備計画は五年間立ててそうしてやつて行くのですから、五年間というものは一応立てられた計画は動かさないはずなんです。それを動かしてもよろしい、税率を勝手に国会の決議によつて逐次変えて行つて、変えたならば五カ年計画の内容は動くのだ、こういうことであると五カ年計画じやないのですね。一応立てられた計画は、そのときの税収、五年間の税収見込によつて立てて行くわけだから、一応五カ年間の計画が立てばこの税率を任意に変更するということは困難だと思います。少くとも計画の修正をしなければ困難でしよう。そうするとこれもはつきり五カ年間は固定するということになるので、これは明らかに目的税と言い切れると思いますが、どうでしようか。
○政府委員(渡邊喜久造君) 今の計画は私どもまだ拝見しておりませんですが、我々の了解しておるところによりますれば、結局この法案の意図しますところは、ガソリン税の収入は道路の補修とかそういつた一定の目的に充てる、その意味において縛られておりますが、同時に又道路の経費がこれによつて縛られておる数字はいわば最低限でございまして、まあ他の経費との関連においてこれ以上において計上されるということは、これは拘束がないわけでございます。従いまして、これはまあ税金全般の関係と結びつくと思いますが、例えば税率を下げる、そうして収入が減る、併し道路の費用としては従来と同じ程度の計上をしなければならんというような場合におきましては、おのずからそこに別途他の経費を廻すということも考えられるわけでございまして、法案の趣旨としまして、その目的のためにガソリン税の収入を充てるということはありますが、ガソリン税そのものについての拘束はないというところにおきまして、私はまあいささか言葉の上の話になつて恐縮と思いますが、これが正確な意味における目的税とは言えないのじやないか、かように考えております。
○木村禧八郎君 今渡邊局長のお話を承わると、ガソリン税収入を特別の目的に使うという意味で財政源というものは拘束せられるという点は一応お認めになつた。但しこれは税制というものは拘束してない、ところがガソリン税を廃止するという問題が起つたときにどうするのですかね。これは五カ年間は廃止できないのですよ、一応この法律によれば……。若し廃止してしまつたら道路計画は駄目になる。そういう意味で少くとも税率を上げる下げるという問題、更に進んでガソリン税を廃止するという問題が起きたら、そうするとやはり税制は法律が通ると拘束されて廃止できない、こういうことになつて来るのじやないですか、拘束されるのじやないですか。
○政府委員(渡邊喜久造君) 言葉の上のことでちよつと恐縮でございますが、私はこの法律案自身としましてはガソリン税を廃止することをしてはいけないという意味はないのではないかというふうに思つております。従いまして全体的な観点、税制の全般的な観点からしまして、ガソリン税の廃止をすることが適当であるということになれば、国会の御賛成を得てその法案が成立する場合におきましては、この法案の基礎になる収入がなくなつてしまうということはございます、結果にはなりますが、ガソリン税を廃止してはいかん、こういう拘束はこの法律からは出て来ないのじやないか、かように考えております。
○木村禧八郎君 まあ議論になりますからやめますが、そうすると国会でも何でも法律案が通ればそれはできる。それは今のおかしい議論で、一応税制はやはり拘束されると思うのです。これが通ればガソリン税はちよつと廃止は困難である、そう思いませんか。
○政府委員(渡邊喜久造君) その点につきましては、提案者の田中さんの御意見を承わりましても、これは税制は拘束しないというお話でございますし、私もこの法文を見たところでは、別に税制が拘束されるような規定はどこにも見当らないように思いますので、それじや実際問題としてどうかという御意見になりますと、これはいろいろな問題が私はそこにあろうと思いますけれども、併し一応法律の構成から説明しろと言つておつしやられれば、私はそれは拘束されないというふうに思います。
○衆議院議員(田中角榮君) 先ほどの主計局長に対する御質問は、小林さんの質問と同じ質問でありますが、前回にもこの問題が非常に論争の焦点になつたわけでありまして、衆議院の建設、大蔵連合委員会の場合におきましての焦点もここにあつたわけであります。私はこの法律案をちよつとよく読んで頂くと了解する問題じやないかということを率直に申上げたのでありますが、いわゆるこの法律案そのものは目的税法案であるけれども、それではどうもいろいろな議論があるし、目的税そのものに対する定義にもいろいろな議論があるから、実質的に通りのいいような表現に変えたのじやないかというようなどうも見方が非常に強いから、そういうふうなお気持があるのじやないか、こういうふうに考えるのです。私たちは全然逆であります。この法律案の本当の提案の目的は第二條にあるわけであります。いわゆる二兆数千億もかかる日本の道路が、世界の道路の改修状況を見ますと、いわゆる敗戦日本がこのような道路の状況であつてはもう産業の復興はできない、いわゆる産業の動脈であるところの道路復興をやらなければもう何もできないのだというところに道路整備の急を考えておるわけでありますが、その具体的な処置の一つとして道路法の改正を行い、有料道路法等の非常立法的な措置をした。第二の手段として、道路整備五カ年計画を建設大臣は作つて、閣議の了承を経なければならないということがこの法律案で大きく打出しておる主目的であります。その五カ年計画というものを二兆から一兆前後にしぼり、七千五百億、五千億にしぼつて、そうして最後にどうしてもやらなければならない眼前の部面だけを取上げても三千億の巨費を要するわけであります。その五カ年整備の計画事業費の財源の一部を、世界各国で以て、もうすでに先進国はガソリン税を道路整備の目的税としております。そればかりではなく、又その他の部品の輸入税とか、そういうものさえも道路整備の目的税としておる国さえあるのでありますから、道路が遅れておる日本として目的税にしてもいいではないかという考えもあつたのでありますが、それよりも一歩後退して、その三千億を五カ年間で割つたもの、いわゆる年間六百億近い費用をどうしても捻出しなければならない財源の一部としてガソリン税収入額と同じ額以上なものを盛らなければならない。こういうふうに規定したのがこの法律案であります。だから私は理窟を申上げるのではなく、目的税は特定の使用目的のために課税せられるものが目的税と言うというような意味を逆に考えますと、実際においてガソリン税収入額は道路整備の費用にそのまま行くのじやないかということを言われておるのでありますがいわゆるガソリン税収入額、それ以上のものを盛らなければならないという一つの目標額を指示した法案であつて、私はその道路整備五カ年計画の費用というものイコール・ガソリン税収入額相当額だということを考えて、これを以て目的税という理論に押し付けて行くことは、これは少し理論倒れじやないかと、こういうふうに私たちも建設委員会で相当な論争をしたわけでありますが、私たちが考えるのは、大蔵当局が余りにも終戦前の日本の予算を考えて見てもわかる通りに、なお又諸外国の道路費を見てもわかる通りに、僅少に過ぎる道路費を盛るために道路の整備ができないという、その具体的な道路整備の処置として、財源として、その一部にガソリン税収入額と同相当額以上のものを盛れという一つの数字的の目標を政府に強要する、要求すると、こういうのでありますから、厳密な意味で目的税とか、税を縛るということは全然考えて頂かないのが至当じやないか。もう一つはガソリン税が、五カ年計画を作つた場合には当然廃止ができなくなるじやないか、若し大蔵当局がガソリン税を軽減したり廃止をした場合、この計画はどうなるということに論及をせられておるのでありますが、ガソリン税がなくなつても、我我は五カ年計画というものが閣議了承事項として決定せられるべきものでありますから、他に財源を求めても政府はかかる措置をなすべしということが、この法律案の主目的でありますので、そういうことも万々ないとは思いますが、いわゆるガソリン税の税法上の問題とこの五カ年計画だけを不可分のものと考えないことが至当じやないかと考えております。
○小林政夫君 田中さんとは先般何遍も御議論したので尽きておるのですけれども、一応新らしいこともあるので、今のそういう目的の、第二條でしようけれども、少くともガソリン税に関する限りにおいては、これがあなたの言われる最低の道路整備費、それでその税率を安くしようとゼロにしようと、ゼロの場合はないけれども、いわゆるガソリン税として入つたものは、増収関係のみじやない、全部ガソリン税というものは最低の道路整備費、それに願わくばプラスよそから持つて来て加えてくれ、ガソリン税は少くとも道路整備に使われる、そういう意味においては道路整備という目的に使うということで釘付けしておることは確かですか。
○衆議院議員(田中角榮君) 私は御高説をずつと前から拝聴しておるわけでありますが、私はそこは余り学者ではありませんので、厳密な理論闘争をやろうとも思つておりませんし、又できないのでありますが、私はこの法律案を作つておりまして、実際審議の対象になるものは、ガソリン税の目的税ではないということは、私ははつきり考えております。併しあなたのお考えでは、目的税の変形だということを言つておられます。だから私は自分の意見を百歩譲つて、いわゆる百歩譲つたとして考えた場合には、ガソリン税を目的税にしたようなものであるし、又目的税でもないというところまで考えて行つてもいいと思いますが、私の問題は、いわゆる予算編成権を拘束するという理論的な御質疑を重ねておられたようでありますが、特にこの法律を出しましたゆえんのものは、現在の日本の状態で九千六百億の予算を組みながら、百四十一億に上げて、昨年度の倍になつたのじやないかという考え自体がおかしいじやないかということを先ず考えたわけであります。もう一つは、ガソリン税の税収入額と同相当額以上のものを盛らなければならないという、一つの予算編成権及び審議権を拘束しておるという考えでありますが、これは政府に対して予算編成上、この法律を作るために非常に重大なる支障があつて、もつと大きな目的にも使われなければならない国家支出があるにもかかわらず、この法律があるので、非常に迷惑をこうむるという場合にこの議論が起るのであつて、私の考えでは、少くとも現在の状態においては、この法律で以つて予算編成権を拘束しても、これはもう政府が当然拘束せらるべきことをやつておるから、拘束するに過ぎないのだという考えをつておるわけであります。それは余りにも道路費が少いというのは、日本におきまして陸海軍の軍隊の費用を計上しておつた当時であつてさえも、総国家予算の三%乃至四%は道路の費用に盛つておつたわけであります。然るに現在いろいろの議論がありますが、防衛分担金をしか計上しておらない九千六百億に上つておる二十八年度予算案を審議しておる現在においても、百四十一億でありますが、昨年度は驚くなかれ八十六億五千万円であります。だからこういう道路に対する観念そのものを是正するためにこういうものが必要であるので、私はこの法律ができることによつて、よしんば拘束せられるであろう政府の予算編成権に対しても、当然拘束せられて結構であるし、私はもう拘束しなければならないとさえ考えておるのが、この法律案を提案した主なる理由でありますから、一つそこを御了承願いたい。
○小林政夫君 よくわかりましたが、それだつたら端的に最低百五十億の予算を道路整備費に当てるべし、こう言つたほうがむしろ端的ですね、それでいいじやないか。
○衆議院議員(田中角榮君) それよりも道路目的税の法律を作ろうといたしておつたことは、五、六年間各党一致で研究して参つたわけであります。然るに大蔵委員会の方々と、税制の堪能な方々が御注意を下すつたその御意見を入れまして、こういうふうに変態なものを作つて来たわけでありますが、而も私たちが前の議会に提案をした原案は、ガソリン税収入額と同相当額以上のものを盛らなければならないというのが原案でありましたが、これも大蔵委員会及び予算委員会、特に主計局の強い希望がありましたので、この程度まで御変更願うならば、そうして当時の論争の焦点は、二十八年度予算案を丁度審議しておつた際でありましたから、いわゆる法律義務が生じた場合には、この通過した二十八年度予算案に対して政府は法律義務が生じて、補正予算を組まなければならないということが当然起きて来るから、二十九年度以降に実施を延してもらえば、一向お出しになつて結構でありますというような、いろいろな慫慂や勧告がありましたので、その意味で不本意ながらこのようにいたしたわけであります。
○木村禧八郎君 もう何回も議論いたしましたが、併し重要ですから簡単に……。私これだけで今日は最後の質問にいたしますが、田中さんの御熱意は非常によくわかつております。それは私も非常に了承しておるのですよ。ただこの問題は道路計画だけを御覧になるから……我々は予算全体のバランスの上からいつて、例えば保安庁費を削つて、そうして道路整備費のほうに向ける、こういうことにすれば、そんな法律を作らなくてもいいのです。併し保安庁費を確保し、而も防衛分担金も確保し、乏しい財源の中から無理に道路だけを縛つてやるということは、全体の予算のバランスから考えて如何かと思います。だからこれは全体の予算編成のバランスを考えてやらなければならないのであつて、田中さんが防衛費の削減に努力をしつつ、而もこういう御努力されるなら非常に了承するのですが、片方ではこの防衛費とか或いは保安費に賛成されておつて、大きな支出を……、そうしてあとの乏しい財準の中から道路費だけ法律で縛つてそうして計上しよう、そこに問題がある。ですからこれは単に道路計画だけとお考えになると、成るほど田中さんの御熱意のようにそうもしたくなるのです。これはもう御無理もないと思います。非常に御熱心であるから……。決して私はこれは皮肉に言つておるのじやない。私もこの道路計画はこのようにしなければならないと思うのです。だからほかの予算を削つて廻すという努力をすべきであつて、ガソリン税をこういうふうに固定して廻すという考え方は、そういう点から反対である。そういう点から言つて、これは議論になりますが、そういう点も考慮されるべきじやないかと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) ちよつと申上げますが、この法律案がただ道路の整備費をぶん取りたいというような意図に建設委員会が作つたようにどうも言われがちでありまして、私も甚だどうも不本意の考えを持つておるのでありますが、前にも私は当委員会で申上げました通り、この法律がどうしてできたかということは、ただ道路の整備だけというのでできたのでなく、いろいろな諸般の情勢を勘案しまして、道路整備の具体的措置としてこの種の法律案を出すことが最上である、こういうふうな観点によつて提出をいたしたものだということを申上げておるのですが、その一つは奢侈税に次ぐところの非常に高い税であります。二万二千円のうち一万一千円という非常に高い、而も庫出し前に税がかかつておるという税でありますから、非常に掠奪徴税式な揮発油税法でありますが、そういう意味におきまして、殆んどの大衆の足にかかるというふうな、一面から言えば大衆課税じやないかという場合に、当然この税の軽減、全廃という問題が起きて来ておるわけであります。勿論私たちのところにもガソリン税の軽減、廃止の陳情もあるわけでありますが、政府として考えた場合、これを今までこのように取つておつた税法を全廃しようという気持はないであろう。そういうことを考えるのと、広く世界に目を転ずるときに、先進国は大体ガソリン税を目的税にしておるし、アメリカも日本に匹敵するような高率のガソリン税を食わせておるというような状態である場合に、私たちは業者が軽減、撤廃の運動を続けておる現在において、これが撤廃できないということを前提にして考えた場合には、より効果的にこの税法を続けて行くためにはどうすればいいかという一つの措置として各界の意見を徴したところ、こういうことを言つて来たわけであります。皆様のお手許にもある通り、運輸交通費の過重な負担に悩む我らは、当然のこととしてガソリン税の全面撤廃をはつきりと要請いたします。そうして改めてここに道路目的税としてガソリン税を納めたいと存じます。道路改良によるより日本の経済を真の軌道に乗せる手はほかにないと信ずるからであります。いわゆる最も高い掠奪徴税式な税に甘んじておるこの業者が、一年間に十万台の新車を入れて、九百億の金を払いながら、而も道路が悪いために一年間に莫大な損耗をこうむつておる現状から考えて見た場合に、この高い税を五年間、十年間をやる場合に、あえて軽減、撤廃の運動をやめても、この道路費に入れてもらいたいという熾烈な全国の業者の希望がありまして、その希望にも副い、而も国家目的が達成せしめられるならば、我々はあえてかかる立法措置を講ずることは当然であるという結論によつてこの法律案を出したのであります。諸般の事情はいろいろ御考慮頂きたいと考えております。
○江田三郎君 田中さん、道路費が非常に少いというお説なんですけれども、これは我々も少いと思います。併し今木村さんが言われたように全体の均衡ということが出て来るわけで、赤木さんのごときさつきも、そういうことになると治山治水の経費を食われるのじやないか、こういう心配を当然されるわけです。そこで折角この五カ年計画を作つて、これはあなたのほうでお作りになつたのだろうと思うのですが、二十九年度に二百八十億という計画ができましても、ガソリン税だけだとさつきの話ではどうでもそういうようなものには足らない。それじやほかの財源から何か道路費のほうへ持つて来るかといつたところで、一応揮発油税というものがある以上、なかなかほかから財源を持つて来るということは困難になるのであつて、私は却つてそのために折角の大きな目標というものが中途半端なことになつて、実現できんことになるのじやないかと思うのです。若しそうでなしに、どうしてもこの初年度二百八十億、五カ年間で合計千七百億というようなことをやられるなら、これは結局今後の過程においてガソリン税を値上げをして行く以外に困難だろうと思うのです。防衛分担金や何かを削るのなら別ですよ。そうでない限りなかなか今の日本の財政から見て、ガソリン税の値上げでもしない限りは、ここに書いておるような五カ年計画を実行しようということは困難になると思うのですが、そういうガソリン税の値上げということも考えてこの案をお作りになつているのかどうかということ、それからなお主税局のほうでは、現在のガソリン税というものをなお値上げをする余地があるというようにお考えになつているのか、現在のガソリン税の税率というものをどういうようにお考えになつているのか、これを聞いておきたい。
○衆議院議員(田中角榮君) ガソリン税の税率を値上げするような考えは全然持つておりません。それは私も先ほどから申上げております通り、いわゆる道路整備五箇年計画事業費のうちの一部としてガソリン税収入額と相当額以上のものを盛らなければならん、いわゆる全く一部に考えておりまして当然これ以上に一般財源からも整備五カ年計画費用を政府は計上すべしということを考えておるのでありますから、ガソリン税のこの法律案ができましたために、五カ年計画の費用が大蔵当局、いわゆる予算編成の衝に当つておる主計局当局が意地になつて、この法律ができたのだから道路費はガソリン税収入額と相当額以上はもらわんというような非国民的な考えを持つ大蔵当局が生れない限り、私はそういうことは断じてないということを考えております。もう一つは、私は卒直に申上げたいのでありますが、この法律案を出しましたのは、我々自由党が二百八十名の多数を持つておつたときでさえもなかなか道路費というものは取れなくて、百八十何億しか計上せられなかつたわけであります。私は法体系からいつても、形式からいつても申されると思うのでありますが、よしんばこれが目的税であつても、世界先進国でやつておるのだからやつてもいいじやないかというくらい突き詰めた考えも持つております。 もう一つは大体において道路に対する観念が、余りにも予算編成の衝に当つておられる政府当局としては、歴代内閣でありますが、これはなさ過ぎるから、憲法による最高権威であるところの国会の意思によつてこういう拘束をしなければ道路の整備は一体できない、こういうふうに考えております。 なおこの法律を作つて、一部予算編成権を拘束することによりまして、私は予算の中に大きく道路費を取ることもできるし、なお且つ保安庁の経費等ももう財源がないから止むを得ないということになれば、優先順位によつて、法律義務があるのでありますからこのほうから取つて来る、この法律の成立公布の結果、保安庁経費が減つて来るのじやないかということも当然起きて来ると私は考えるのであります。現在は私は衆議院でも言われたのでありますが、非常に皮肉なようなものであつたけれども、私は自分ではまじめに答弁をいたしたつもりでありますが、現在は二百余名しか持たない自由党内閣が提出している法律案を直して道路費を増して下さるということは簡単にできるじやありませんか。私はそれでも道路費が大きくできるとは思わないのだから、衆参両院のいわゆる一致の議決によつてそういうことを、編成権を拘束して、少くとも二十九年度以降五カ年間くらいはこのように重点的に予算が組まれることは非常にいいことだ、而も私は一切予算編成権や審議権を拘束するものではないとさえはつきり考えておるわけであります。
○江田三郎君 道路を立派にするということに何も反対じやないのです。国敗れて進駐軍道道路あり(笑声)それでもいいのです。いいですけれども、ただあなたが、ガソリン税は値上げをする意思はないと、こう言われました。ところでここで五カ年計画が出て、この中でガソリン税というものを二百二十億見ておられるわけです。さつきの主計局長の説明では、ガソリン税が本年度百八十億で、そのうち自動車関係が百六十二億ある、こうなつておるのですが、それでは今の二十八年度の只今言つた数字が自然増収だけで二百二十億になるということでお考えになつておるわけなんですか。
○衆議院議員(田中角榮君) ガソリン税は一部においては減るのじやないかというような議論もありますが、それは日本の現在の自動車交通やガソリンの消費ということを考えてみますと、そういう議論は先ず常識的には成り立ないということを申上げられるわけであります。
○江田三郎君 自然増収でこれは行きますか。
○衆議院議員(田中角榮君) 自然増収で参ります。それは半年前に本院にも提出せられておりました二十八年度予算案に対しては、大蔵当局はガソリン税を百六十億しか計上しておらなかつた。それが僅か六カ月間に百八十六億も殖えております。このように財源が殖えておる、税収入が殖えるようなものはガソリン税だけしかありません。それはちよつとの間に、僅か一年の間に二十万台も自動車が殖えておるという状況から見ますと、現在百八十六億の目標額を予算に計上しておりますが実際の私たちが調査しましたのは、二百十万リットル以上の使用目標でありますから、二百十億以上に現在の税率でも二十八年度の税収入は上る。勿論それから三〇%くらいずつ年間に現行税率で殖えて行くであろうということは、目標としては常識的に立てられるのではないかというふうに考えております。
○江田三郎君 さつきの質問と今の質問とに主税局長から答えて頂きたい。
○政府委員(渡邊喜久造君) ガソリン税の税率を現在上げるということは我我考えておりません。将来の問題におきましては、私主観当局としましては、ひとりガソリン税に限りませんで、税全体がまだまだ負担が重いのが、現状だと思つております。勿論歳出の面、それから歳入の面のグルンドになります国民経済の発展の進度というようなものがどんなふうになるかということできまるわけでございますが、でき得れば更に税負担は軽減して行きたい。これは一般的な問題でございますが、考えておるのであります。その場合におきましてはガソリン税につきましても、他の税と勘案しまして、できればこれを軽減して行く方向に持つて行きたい、かように考えております。なおガソリン税の税収の見積につきましては、前回予算を提案いたしましたときに、百五十六億でしたか、今度提案しております数字は、最近の数字によりまして百八十六億であるということは、田中委員の御説明になつた通りであります。将来の問題につきましては、実は我々のほうはまだそうした五カ年先の見通しというものは……。
○江田三郎君 来年の見通しです。
○政府委員(渡邊喜久造君) 来年の見通しも実は私のほうはまだやつておりませんので、それだけの数字が自然増収として確保できるかということを自信を持つてお答えすることのできないことを遺憾と存じます。
○堀木鎌三君 田中さんが今の御答弁をなすつたのは田中さんもあちこちでもまれて来られたから御答弁が非常にお上手になられたという感じは、この前の国会のときより受けます。併し前のときのほうが御正直であつた。というのは、田中さん自身ははつきりおつしやつた。何とおつしやつたか、さつきの前段の分の、要するに政府が道路の鋪装修理に対して非常に不熱心である。実はこの法案を出しただけでも八十数億から百何十億になつたのだと、で、私がよほど馬鹿なら忘れていますが、一遍聞いたことだから大抵覚えている。だからこの法案はそれだけでも役に立つたのだと。事実大体百八十億くらい毎年あれば、確保してくれればこんな法案を出すはずもなかつたのだということを言われた記憶があります。もつと遠大なる目的を以て今お説きになつたけれども、これが一番正直なお話だと思う。それが百八十億が二百億になるか、それは別として、又私ども自身も率直に言つて現在の道路舗装なり修理が非常に悪いことは認めておる。そうしてもつと国家予算の中に占める割合が多くなくちやいけない。その点で問題になりましたことは、この前建設大臣と大蔵大臣と両方併せて言つたことも、建設大臣の政治的な力が足りなくて大蔵省に圧迫されるものだから、田中さんの力を借りてこれを出して来ただけじやないか、これは私は極言したことを覚えております。ですからまあ全体から言えば、それが真相であることだけはお認めになるだろうと思います。今のお話を聞いてその一点を、余り長く申上げるといろいろたくさんありますけれども、その一点だけ特に申上げておきたいと思います。
○衆議院議員(田中角榮君) 堀木さんから非常に御親切な御意見を拝聴して有難いのであります。私自身も率直に申上げられるとしたならば、歴代内閣が道路整備の急を説いております。吉田内閣は五次に亘つておりますが、常に施政方針演説の中で道路整備の急を説いておりますが、なかなか二百八十名あつた当時でさえも道路の優位性を認めながらも財源これを許さずということで片付けられておつたわけでありますし、現在百四十一億に、倍額近い額を計上されておると言われておりますときであり、現在の与党の数が少いのでありますから、野党の皆さんから非常にお力添えを頂ければこれも修正になるのでありますが、なかなかそれもむずかしいというのでありますから、私は憲法上のいわゆる予算の増額を含む修正権を持つところの国会の意思によつて、この道路費の財源確保に対する措置をとることは、これは万止むを得ない措置ではないか、こういうふうに考えております。建設大臣が力がないからということは、まさに私は歴代、どの内閣でも大蔵大臣と建設大臣と比べれば、当然大蔵大臣が権限を持つておるのが実情でありますので、建設大臣が力がないから私の力を借りるというのではなくて、私はこの法律案を提案することによつて、憲法上の最も大きな権限のある衆参両院の議決という大きな力を借りて、もつと大きな道路整備を行いたいというのでありますから、是非ともこの法律案をお通し願えるようにお願い申上げる次第であります。
○赤木正雄君 議事進行で。先ほど大蔵委員の方から建設大臣の御出席を要望しておられますから、もう一度委員会をやつて……。
○委員長(石川清一君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(石川清一君) 速記をつけて下さい。
○大矢半次郎君 大蔵委員会といたしまして、今後なお連合審査をお願いするかどうかということは、一度帰つて相談してみてからこちらに申上げたいと存じます。それから連合審査をしないということになりましても、私どものほうのできるだけ議をまとめて、その結果をこちらのほうに申出る段取りになるのではないかと思われますからして、これも成るべく取急いでいたすつもりでありますからして、建設委員会で本案の採決は、私どもの申出を待つての後にして頂くことをお願いしておきます
○委員長(石川清一君) 建設委員会においても十分大蔵委員会の御意向を汲みたいとは存じておりますが、前回からたしか審議されておつた法案であり、本日それぞれ御質疑によつて明らかになつた点もございますので、十分諸般の情勢を御斟酌の上、適当なる最も早い機会に今までの経過が活きて行くような一つ御連絡が願いたいと存じます。 それでは連合委員会をこれにて散会いたします。 午後四時六分散会