P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
16回国会参議院1953/07/30

外務委員会 第20号

発言数
88
登壇者
6
会派数
3
開催日
1953/07/30

会議録

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは只今より外務委員会を開きます。先ずけさほどの委員長及び理事打合会におきまして協議した結果を御報告申上げます。それは日米通商航海条約についての打台をしたわけでありまするが、すでに御承知の通りに、参議院の外務委員会としては、日米通商航海条約の本審査には少くとも二日間の日時を持たなければならんということを衆議院側に通知しまして、それを含んで衆議院側において善処してもらいたいということをあちらに通知しておいたわけでありましたが、昨日は遂に衆議院の委員会も通過するに至らず本日に持越しまして、そうして委員会においては先刻これを採決した趣きでありまして、本会議にかかるばかりになつております。そういたしまするとこの通商条約が参議院に回付されるのは今日の夕方になろうかと思うのでありまするが、我々が期待したことくまる二日この問題にかけることができなくなりました。そこで理事会としてはこれをどういうふうに取計らうか、つまり残つた一日でこの条約を右なり左なりに決定してしまうかどうかということについてお諮りしたのでありまするが、理事諸君も勿論それでいいとは責任を以て言われる方は一人もなかつたのでありまして、従つて明日この委員会を午前十時に開いてそしてその委員会で通商条約をとり上げてやつてみる。そして果して一日でできるかどうだがそれをやつてみないことには何ともわからないというような意味合でけさほどは理事との打合会を終つたわけであります。大体そういうようなことでありましたことをここに誠に結末のつかない、はつきりしない申分でありまするが、その程度のごときりしか申上げられないということを御報告申上げます。  なおいろいろ御相談申上げたいと思うのでありまするが、本委員会におきましては議長の承認を得て国際情勢等に関する調査をいたして参りましたが、まだこの調査は結了するに至つておりません。会期もあと僅かで終ることになつておりまするので本調査の未了の報告を議長に提出いたしたいと存じます。つきましては調査未了報告の提出につきまして委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めましてさよう取計ろうことにいたします。なおほかに報告書に附するため多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     杉原 荒太  高良 とみ     加藤シヅエ  小滝  彬     石原幹市郎  徳川 頼貞     鶴見 祐輔   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) なおこの調査は閉会中も引続き継続調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。つきましては本院規則第五十三条により議長に要求する文書につきましては委員長に御一任願います。   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 次に閉会中議員派遣を行うかどうかをお諮りいたします。若し議員派遣を行うとすれば本日は行うということだけを決定しておきまして、あとは各委員と御連絡申上げて調整して参りたいと存じます。右御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それではさよう決定いたします。   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 通商条約のことは先ほど御報告を申上げました通りでありまするので、又それ以上のことはどなたにも今御意見をお伺いするわけにも参らないと思いますので理事会で大体打合せました通りのことにいたしまして、若し本日中に参議院に回付がありまするならば、明日午前十時から通商条約を取上げたいと存じます。どうぞそれをお含みおき願います。   —————————————

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 次に本委員会に付託されておりまする請願及び陳情を議題といたします。  請願及び陳情の内容について専門員に説明をいたさせます。

神田襄太郎常任委員会専門員

○専門員(神田襄太郎君) 請願四十七件、陳情十五件、計六十二件につきましては、御審議の便宜上お手許にお配りいたしました刷物の通り件名別にとりまとめましたので、その順に従つて御説明申上げます。  請願第千九百二十五号、妙義山地域の米軍演習地化反対に関する請願でございます。請願者は群馬県碓氷郡坂本町長武井重二外十名、紹介議員、伊能芳雄君、趣旨、妙義地区における米軍演習地の設定は、関係住民の生命の源泉である原野、農地、山林にじん大な損害を与え、かつ環境悪化に伴い郷土社会は不浄化し、家庭生活は脅かされ、青少年の保護育成にも大なる支障をきたすことになるから、本地区の米軍演習地設定には反対であるとの請願でございます。  本件以下請願十九件、陳情一件は請願の目的と趣旨は、只今の請願第千九百二十五号と同一でありますので、次の十九件につきましては、趣旨の点を省略させて頂きたいと存じますが、御了承をお願いいたします。  請願第千九百四十三号、請願者は群馬県碓氷郡西横野村農業協同組合長、中山門外五名、紹介議員伊能芳雄君でございます。  請願千九百七十号、請願者は群馬県碓氷郡原市町長、小森谷市郎君外五名、紹介議員は最上英子君でございます。  請願二千九号、請願者は、群馬県碓氷郡西横野村小学校内横山覧外一名、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願二千二百六号、請願者は、群馬県碓氷郡西横野村議会議長、田島定盛外一名、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願三千二百七号、請願者は群馬県碓氷郡臼井町長、関宇之助外十六名、紹介議員は大和与一君でございます。  請願二千二百八十三号、請願者は群馬県碓氷郡東横野村消防団内、茂木伊太郎外五十四名、紹介議員は最上英子君でございます。  請願二千二百八十四号、請願者は群馬県西横野村福祉協議会内、桑原利太郎外六名、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千四百三十号、請願者は群馬県碓氷郡九十九村立九十九中学校内PTA内、潮信良外三者、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千四百七十六号、請願者は群馬県高崎市連雀町群馬婦人会連絡協議会内、山口百合子、紹介議員は最上英子君でございます。  請願第二千五百二号、請願者は群馬県甘楽郡妙義町教育委員会内中沢長男外七名、紹介議員は伊能芳雄君であります。  請願第三千五百三十三号、請願者は群馬県甘楽郡下仁田町農業協同組合長佐藤茂里外十五名、紹介議員は野本品吉君でございます。  請願第二千五百五十一号、請願者は群馬県碓氷郡純野村長金井牛三郎ほか四角、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千六百二号、請願者群馬県碓氷郡細野村協力婦人会内上原知江ほか四名、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千六百六十号、請願者は群馬県碓氷郡臼井町議会議長向井幸造ほか五名、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千七百七号、請願者は群馬県北群馬郡渋同時婦人会連絡協議会内山川千代子、紹介議員は最上英子君でございます。  請願第二千七百八号、請願者は群馬県碓氷郡安中町議会議長秋山友吉ほか五名、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千七百七十七号、請願者は群馬県甘楽郡妙義町農業委員会内石井松之助ほか四角、紹介議員は伊能芳雄君でございます。  請願第二千九百八十号、請願者は群馬県新田郡太田市太田太田中学校内中・小学校PTA連絡協議会富沢生寿、紹介議員は野本品吉君でございます。  陳情第二百九十三号、陳情者は群馬県前橋市岩神町一〇〇群馬県前橋市立第三中学校内泉野夘太郎ほか一名、  請願第一千九百三十四号、浅間山、妙義山地域の米軍演習地化反対に関する請願でありまして請願者は東京都千代田区神田神保町一ノ二七務台理作、紹介議員は棚橋小虎君であります。  日米行政協定に基いて浅間山、妙義山地域に米軍山岳戦学校演習地が設置されようとしているが、地震研究所、浅間火山観測所の観測に重大な障害を与え貴重な学問的記録を中斯し、火山爆発予想を不可能にする。鳥類や植物の繁殖と研究を阻害し、自然の動植物相を破壊する。浅間山一帯は特に文化人学生の休息と勉強の地であり、演習地設置により過去のよき国際的文化提携を破壊し、世界の文化人、知識人、宗教家、教育者等の信を失う。地元住民の生活が脅かされる等の理由により浅間山、妙義山地域における米軍演習地設置には反対であるとの請願でございます。  陳情第百四十八号、妙義、浅間両山ろくの米軍演習地化反対に関する陳情、陳情者は群馬県高崎市議会議長松浦福三郎、この陳情の趣旨は請願第一千九百三十四号と大体同じであります。  陳情第三百十九号、妙養、浅間両山ろくの米軍演習地化反対に関する陳情、陳情者は群馬県議会議長金子金八、この陳情の趣旨は請願第一千九百三十四号と大体同じであります。  請願第五百七十四号、浅間山地域の米軍満習地化反対に関する請願。請願者は長野県北佐久郡軽沢町長佐藤恒雄外一名、紹介議員は羽生三七君でございます。  趣旨は、日米行政協定合同委員会より勧告の在日米軍山岳冬期戦演習地を浅間山地域に設置することは軽井沢在住町民二万を始めとして浅間周辺十箇町村の経済生活の根底を破壊する。清純な風紀と教育的環境を破壊する。親米的な知識人及び文化人を失い、却つて日米協力の重大な阻害となる。軽井沢町の理想と歴史とその性格を全く変ずる。地震国日本の火山活動研究に重大な障害となる。稀覯動植物の繁殖と研究を阻害し、浅間の自然科学博物園を破壊する。上信越高原国立公園中最も秀麗特異な景観浅間を失うことにより、国立公園は事実上抹殺される。政府が法律第二百五十三号によつて表明した軽井沢国際親善文化都市建設は事実上終息する等の理由から反対であるとの請願でございます。  請願代千三十二号、浅間山ろくの米軍演習地化反対に関する請願。請願者は長野市長松橋久左衛門外六百九十七名。紹介議員は池田宇右衞門君外五角でございます。この請願の趣旨は請願第五百七十四号と大体同じであります。  請願二千二百五号、浅間山地域の米軍演習地化反対に関する請願。請願者は長野県北佐久間郡軽井沢町長佐藤恒雄外一名、請願議員は岡三郎君であります。この請願の趣旨は請願第五百七十四号と大体同じであります。  陳情第十四号、浅間山地域の米軍演習地化反対に関する陳情、陳情者は東京都文京区本宮士町一東京大学理学部内地震学会内和達清夫。  最近浅間火山を含む地域が米軍の演習地として接収される動きがあり、若しこれが実現される場合は永年続けて来た火山観測と重要なる成果をおさめつつある究研とは著るしい阻害を受けるか又は不可能となる虞れがあるから、浅間山地域演習地化が実現されないように時機を失せず有効適切なる処置を講ぜられたいとの陳情でございます。  陳情第百二十一号、浅間山地域の米軍演習地化反対に関する陳情、陳情者は長野県知事林虎雄外一名、この陳情趣旨は請求第駐百七十四号と大体同じであします。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 今お聞きの請願及び陳情について政府側の意見を求めます。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この妙義山及び浅間の両地域の演習地化反対の請願でございます。  浅間山地区につきましては今までいろいろ慎重に考慮いたしまして、地震研究所にも影響があるというのでこの方は使わないという決定に到達いたしております。妙義山地区につきましてはいろいろ直接にも外務省側へこの種の陳情か出ておりますので、十分こうした現地の意向も考慮に入れまして、目下いかにすべきか善処方について検討しておる次第でございます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 本件につきまして各委員方に御意見がございましたらここでお述べを願います。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 浅間山の方は地震の研究所その他の理由で取りやめられたように了承しますが、間違いはありませんか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) その通りでございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 引続きこの妙義山の方はまだ中止の可能性があるとすれば何パーセントぐらいとお見通しでしようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 山岳部隊の演習場として日本全国いろいろの所を調査いたしたのでありまするが、その中では比較的一般に与える弊害が少くて、而も又演習の見地から見ても最適地の場所は妙義山であるというようになつておりまするので、そのほかに適当な地域、これよりももつと現地の人に対する弊害も少く、且つ又演習地としての目的を達成し得る場所がない限り、はこれを中止をするということは非常に困難ではなかろうかという見通しであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 妙義山を山岳演習地として使おうとしておる部隊は、富士山麓を使つております部隊とは又違うのでありましようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 全然違うようでありまして、岩山を登る登山隊がやるのでありまして、而もここはそれを訓練する学校を設けてやるというので人数も非常に制限されたものでありまして、富士山麓のものとは全然性質が違うものであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 せつかくごの多数請願の趣旨が出ておることでありますから、浅間山の場合と連繋した地域でもありますし、すでに富士山麓、又あとで請願に出ると思われます北海道地区でも駒岳その他の山岳等が殆んど民生に関係がないという地元当局からの陳情なども来ておりますので、できるならば十分にこの陳情の趣旨を御研究になつて、日米行政協定が民生に及ぼす影響から起つて来る反米感情が非常に強くなつて来ることに対して、国際宥和のために一段の御尽力あらんことを外務省当局にお願いする次第であります。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) お説は御尤もでございます。十分請願の趣旨を体しまして善処いたしたいと思つております。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかに御意見ございませんか。妙義山は日本でもあれは名山の一つに数えられておりまするし、景勝の山地とうたわれておるので、ありまするが、この米軍の訓練に使われるということになつて山が荒される、山容が崩されるというようなそういう心配はないのでしようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この点はまあ現地のかたから随分承わつたところであります。精神的な非常な愛着を持つておる所で、ここに外国人が来るというのは面白くないという考え方であり、アメリカのほうではむしろロツククライミングなんかやつて、それが名所の一つになつて却つて一般の人が来て、その土地の景勝地である価値を高めるというようなことを言つておりまするが、私どもも何もアメリカ人がそう言うからそれを可とするわけではございませんけれども、そうした神聖な場所を害しないように十分向うとも詳細の取極めをして景勝の地、又は神聖の地としての価値を減退しないように十分向う側でも考えてもらつて、そうして使うようにしたらというように考えておるのでございまするが、先ほど申しますようにいろいろ請願もありまするし、陳情もございますのでそういう面も考え合わせまして未だにはつきり決定はいたしておりません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 委員長からもお話がありました通り妙義山は一種の神聖視されている伝統を持つている所でありますから、神社などの関係もあつて県下のあの界隈の人々にとつてはなかなか間単なことでそれがロツククライミングの対象になることは非常に辛いようであります。ロツククライミングが目的であるならばまだほかにも日本アルプスもあることでありますし、どこか気候等に遠慮されずに、なるべく民生に害さない、そういう一種の精神的伝統を害さない地区を特に御考慮になつて今次官からのお話があつたところでは、そういうことによつて軍が使つているからそこを更に名所にしようといような考えがあられるならば、軍と見物者とが一緒に歩くというような考えがあられるならば、これは民衆の心とは大分離れているのではないかと思うので、特に一層希望を申添えておく次第であります。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 私先ほども附け足して申上げたつもりでございますが、アメリカではそれが却つて名勝の価値を高めるような説明もあるけれども、私どもとしては必ずしもそういう議論に味方するわけではございませんので、まあ御趣旨のほどを十分体しまして善処いたします。かように考えます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 如何でございましよう。これらの請願陳情はこれを採択して議院の会議に付し、内閣に送付することにいたしては如何かと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それではさよう取計らいます。それでは次に。専門員。

神田襄太郎常任委員会専門員

○専門員(神田襄太郎君) 請願第百五十号、石川県内灘砂丘地永久接収反対に関する請願、請願者は東京都港区芝高輪関町三十、日本私鉄労働組合総連倉会内、藤田藤太郎、紹介議員は小酒井義男君でございます。石川県内灘砲弾試射場は、四月末日を以つて使用期限が終つたにもかかわらず改めて永久接収が強要されているが、永久接収がされないように措置せられると共に暫定接収の場合の条件が完全に履行されるよう措置せられたいとの請願でございます。  請願第百九十六号、石川県内灘米軍演習場返還に関する請願、請願者は石川県金沢市本多町大番丁十一、日本電気産業労働組合石川支部内、奥村弘、紹介議員は岡田宗司君でございます。石川県北郡内灘村に設定された在日米軍演習場は、すでに四月三十日を以て使用期限が過ぎたが、政府は最近に至つて永久的接収を決意して石川県当局に対し折衝を開始したが、これは地方自治の本義を忘れ、住民の平和的意図を無視し、政府みずから公約をみだすものであるから、速かに本演習場を返還せられたいとの請願でございます。  請願第四百四十九号、石川県内灘米軍演習地返還に関する請願、請願者石川県議会議長太田孝三、紹介議員は井村徳二でございます。石川県内灘米軍演習場は、一時使用の公約期間が過ぎたにもかかわらず、政府は今後更に継続使用の意向があるが、この使用は内灘村地内の漁場、農地、開拓予定地および隣接七塚、宇ノ気、高松各町村住民の生活権をおびやかすばかりでなく、関係地元民絶対反対の意思にもとるものであるから、在日米軍内灘演習場のすみやかな返還とその演習場を撤収せられたいとの請願でございます。  請願第千九百三十五号石川県内灘村米軍演習場返還に関する請願、請願者は石川県金沢市深川町一〇前田とめほか百六名、紹介議員は赤松常子君でございます。  大砲の音は、悪夢のような戦争を思わせるから、自由と平和を願う婦人および子供たちのためにも、是非とも内灘米軍演習場が返還されるよう取り計らわれたいとの請願でございます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) これらの請願及び陳情につきまして政府側の御意見を伺います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 内灘の問題につきましては、毎度各種委員会で御説明申上げておりまするが、私どもといたしましてはできるだけ円満にこの問題を解決いたしたく、現在もまだ県知事或いは関係の村長などと連絡しております。この永久接収反対、こうした声があるにもかかわらず、どうしても試射場が必要だというので、取りあえず今国有地を提供しておりまするが、それについても仮に暫く使う、必要があつたとしても、これに年限を付するということはできないかというような申出もあり、又試射を実際行なつていない際には海岸へ出て行つて漁業ができるようにしてくれないか。こういうような申出もありますので、そうしたことは米軍側と話合いまして、できるだけ現地の希望に副うように措置するつもりでございます。又学校の騒音などについてもいろいろ防音装置をするとか、或いは必要止むを得ない場合は移転費を出すというようなことも考えなければならないだろうという行き方で来ておりますけれども、ただこれを今提供してあります土地をすぐ返還するということは、実際上他に適地がないため非常に困難ではなかろうかと考えまして、できるだけ向うとも話し、現地の人とも話合つて個々の問題についていろいろ取計らいをして円満に話合を付けるという方向で進んでおるわけでございます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 委員のかたに何か御意見がありましたら、お願いいたします。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 只今御説明のあつた期限の問題ですが、どうして永久というような考えに到達したのですか。今は射撃の必要があつたにしても、これは永久ということになると全然世の中がどう変つても未来永劫というふうなことにするのですか。それは日本語の訳なんですか、英語の訳なんですか、どういう意味なんですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 私どものほうでは継続使用と言つておりまするけれども、これは丁度何月何日までという期限付でないものを俗に永久接収というように表現されたものと考えます。私どものほうでは継続使用というような言葉を使つております。なお国有地は別でありまするが、民有地につきましては、継続使用のときは契約は年々一年ごとにやり換えるという方法をとつておるわけであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 非常にそのいきさつが約束と違うとか、こういうような継続というようなことが永久というようなことに変つて来た点からいつても、感情のもつれがたくさんあるものと了承しますが、民有地などもどうしても使用する必要があつたならば、これを買上げるとか、ほかに代替地でも提供する、或いは目下農林関係で考えられておる干拓地等を提供して、この辺の貧しい民度に対して宥和の策を考えておられますかどうか伺いたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) その通り考えておる次第であります。今のところ民有地を使つておりませんけれども、併しあそこの民有地でも使うということになれば、畑地を作つて公共事業費でかんがいの施設もするというような考慮も十分いたしておる次第であります。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 今の御説明では国有地だけでは足りなくて、民有地も買上げるという計画なんですか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) このレインジが長くなりますと、どうしても国有地、浜だけでは足りないで、民有地が十数町歩くらいありますか、それをも使用したいという希望がありますけれども、現地の希望がありますので今のところは使つておりません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 更に保安隊が本来は使いたいかつたのに、土地の人の反対を恐れてこれをあえて国際協力局に持ち込んで来たということはあるのですか、実際に。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) そういうことはございません。これはアメリカの軍事費で買上げるのでありまして引渡すまではアメリカの駐留軍の責任でありますのでそこで米軍の任務の一つとしてやつておるわけで、決してそういう政治的の考慮でアメリカに使わしておるというわけではありません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうしますと、全然保安隊が使うということは事実上は違うのですか、巷聞そういうことを伝えるから誤解がある。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) そういう希望もありますし、或いは将来はそうなるかも知れませんが、現在は先ほど申上げましたように、米軍としてドルを支払つて買上げておるのであります。米軍の駐留軍の任務の一つとしてやつておりますが、将来は或いはそうなるかも知れません。その辺は私どもよく存じませんが、そういう話は聞いております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 今のお話にあつた通り、非常に初めから今日に至るまで、何かあの辺の土地の人にしてみるとはつきりしない、何か初めには一と言い、おしまいには二と言い、又駐留軍の必要と言い、そうでない保安隊が使うと言い、そういう点を一つ是非はつきりして頂きまして、いろいろこじつけもあるかも知れませんが、民有地、官有地の処置、或いはそれに対する干拓地の問題などもすり換えられたという感じを与えないで、そうして大局から見て国民が納得の行くように御処置になりますことが、これは非常に望ましいことだと思いますのでいま一段の御尽力を切望する次第であります。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 内灘の砂丘地を使うということは駐留軍の声望もあり、ほかによい場所もなかつたために、できれば継続使用したいという考えでありましたけれども、非常に現地の強い反対の声もありましたため、一月から四月の末までというようなことにいたしました。その後いろいろ調べてみると兵隊も二十人くらいしか行かない。それほど必要もない。ほかにいい所もないから是非継続使用をさせてくれということでいろいろ誤解を生じて取扱方が非常に拙劣だつたと思いますが、私も柴野県知事、又村長さんあたりと連絡してそうした将来又誤解を生むような食言をしたということのないように、十分注意をしてこの内灘の問題に善処いたしたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 この内灘や妙義山の陳情が採択されますと、政府はこれを日米合同委員会にもこういう陳情が採択されたということを御提案になりますでしようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) この現地の声とか或いは一般の世論というものにつきましては、常に米軍側べは機会あるごとに注意いたしておる次第であります。先ほど高良委員もおつしやいましたように、米軍自身の立場から申しましてもこういう問題で非常に反米的な感情か醸成せられるということはおもしろくないので、責任ある首脳部の連中はこれで非常に神経質になつている次第であります。でありまするから、こういう請願でも正式に出たものは勿論先方と話します際にこの点にも言及いたしまして、お互いに相談し合つてできるだけ弊害のないような方法で必要なる区域、施設を提供するようにという方針で進んでおります。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 今の次官の御答弁によりますと、日本で世論がややもすれば、反米的になるというようなことに対して向うが非常に神経質になつているというようなお言葉がございましたけれども、こういうような世論が反米的になるとか何とかいうようなことには駐留軍或いは日米合同委員会といつたようなものにも多少でも責任があるとお思いになりますのでしようか。それともそういうようなことはすべて日本政府の責任というように御解釈なさるのでございましようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) これは向うも十分認識いたしておりまして先般も御説明申上げたかと存じまするが、風紀などにつきましては現地で今後委員会のようなものを設けて十分向う側も協力して現地の人たちに迷惑をかけないように、又そうした風紀問題などを起さないようにしようとしておる次第でありまして、アメリカ側も十分責任を分ち合うという態度で来ておることはこれをもつてもおわかり下さるだろうと存じます。最初は例えば売春婦の問題でも、これは日本側が取締るべき問題だというようなことを言つておつた時代もありますけれども、現在ではこちらと協力いたしまして、或いはオフ・リミツトの区域を設けるとか、向うでもいろいろ日本の風習について教育するとかいうふうにいたしておりまするので、米軍のほうも十分そうした責任を分ち合うという気持になつておると思います。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○加藤シヅエ君 基地の売春婦の問題と接収地の問題とは少し性質が違うのじやないかと私は思うのでございますが、基地の売春婦の問題では日本側にもいろいろと関係のあることで、責任もあることだと思いますけれども、こういうような土地が接収されるかどうかということはこれは、駐留軍としては全部日本の政府を通じてしていることで、日本の政府が、この土地は土地の人々が反対するからこれはあなたのほうで御希望でも提供はできないということをはつきりおつしやればそれで話がつくことなんじやないか。それとも土地の人々が反対すると言つても是が非でも承知してくれというような態度で来るのでございましようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 日本といたしましては安保条約におきまして必要なる施設、区域を提供しなければならないという義務を負つておるわけであります。でありまするからして駐留軍の必要最小限度の施設、区域を提供しなければならない。併し或る特定の地域に関して面白くない意向があるとすれば、これに代替すべき場所を与えてそうして条約上の義務を果すことができるならば、それは我々として当然そういうように弊害も少い所を提供して義務を果し得るのでありまするが、現実の問題としてはどこでも演習地の指定など受けることを喜ぶ所はないので、外務省といたしましては特別調達庁あたりとも連絡し、又関係官庁と連絡して、軍の必要も満たし且つこちらから見て一番弊害の少い所を選択するというような行き方で来ておるわけであります。アメリカのほうもただ一がいにどの土地でなければならないということを固執するわけではなくして、そうした問題について合同委員会、又それに附属しておりまする小委員会で十分検討して成るべく円満に話合をつけてこうした接収地を決定するという方法をとつておる次第であります。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかに御意見はございませんか。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 この内灘問題なども、やはり公表しないような、地方自治体の長特に村長、或いは地元の選出された人たちとの間に何かそういう内約束があつて、そこの村の人などには発表されていないようなものがあることを村民はすぐ知るのでありますので、そういうことによつて非常に余計不明朗になつて来るのでございますが、今回は先ほど次官も率直に非常にまずかつた点を御了承でありますけれども、各地からこういう運動がどんどん予防的にも起つて来るところからしまして、どうか代りの適当な所について、全国小さな島の連続しておるような国でありますから十分調査なすつて、そうして納税者の納得の行く範囲の演習或いは演習地にしてもらうようなふうに、特に今後御尽力になることが希望したいのです。その点は日本のものの考え方と、朝鮮停戦後の米軍が引揚げて来又今後駐留いたします場合とは、よほど考え方に相違がありましようけれども、その調節を一つぜひ国際協力局を中心として外務省では特段の或いは政府として全体の農林、水産等も混ぜて、特段の御尽力をなさる目途がありますかどうか。それともどうにも急にこういう所が要ると言われると拙速にも出して行かなければならないというように感じておられるかどうか。その辺がもつとこれからはうまく行ける見通しがありましようかどうか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 行政協定にもありますように先方としても必要がなくなればできるだけ早く返すというやり方をしておりまするし、最近或いは洪電関係のもので新らしくとつたものもあるかもしれませんけれども、そう新らしい要求はたくさん出て来ておるのではなくして、今までずつともう一年も一年半も前から申出てあつたのに対して、日本側のほうで現地との折衝の関係とか或いは代替地を考慮するというような点からして、非常に提供が長引いておつて今も問題が残つておりまするけれども、新らしく要求して来るというようなものは、将来のことはわかりませんが、国際情勢が急変しない限りは、そういうことはないだろうと考えます。十分向うとも話合をいたしまして弊害の比較的少い所というので出先を持つておる大蔵省或いは、特別調達庁を通じて調査をした上で接収の決定をするようにいたしておるのでありますが、併しいよいよその土地に直接関係のある人となりますれば、大きな目から見ると比較的弊害も少いというような所でも、草を刈りに行くのにどうも固るとかいうような声が出ますので、而もそれがジヤーナリズムの対象になつて非常に大きく誇張せられるというような場合もある点を御了承いたいと思います。併し高良委員のおつしやいましたような趣旨によりまして、できるだけ皆様大勢の方の納得いくような方法によつて施設、役務を提供するようにしたいと考えております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうしますと外務省としては、朝鮮の停戦及びこの輸送の変化の間におきましてもすでに提供されておる建物施設以上に延びる見当はないという言明があつたと思うのですが、それは現在の基地としても七百三十二カ所と了承しますが、これ以上にふえる見当はないというふうに国民は了承して、そうして一種の恐怖病にかられておりますからこれはもう心配しないでもよろしいと、駐留軍がどういう移動があつても、これ以上施設は増さないし、基地も七百三十二の範囲内で打ちどめであるというふうに国民は了承してよろしうございますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) これは勿論情勢によりますので、はつきり絶対にないということを確言することはできませんけれども、朝鮮休戦が実施せられるようになつて、帰休兵が一時日本に来るというようなことがございましても、現在これまでにとつた所でそこはスペースの残つている所もあるし、又向うとしてもできるだけ今までにできた施設を利用するという方針で来ておりますので、先ず特別のことがない限り、これ以上例えばレクリエーシヨンのための、いわゆるRRというような施設をもつとふやすというようなことはないように了解しております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 確かにこれはアメリカのアイゼンハワーなどの方針だと思うのですが、日本の駐留軍の数も漸次減じていくという発表がどこかにありました。そうしますと、どのぐらい減していくか、これは向うの方針でありましようが、施設も多少余裕ができて来ると考えられますけれども、それと共に又駐留期間が非常に長く、何年ということになつて来ますと、だんだん学校、演習場等の必要もこれに対してできて来るのじやないか。そういう意味でこういう種類の演習場も要る、こういう種類の学校も要るというふうなことでふえる見当はないのか。  もう一つ、第三に伺いたいのは、木村長官がしきりに言われる、駐留軍は引揚げていく方針であるから、それに対して保安隊が直接侵略に対しても補充していく人間をとるものであるという言明がありましたが、この保安隊の任務については今ここで問いませんけれども、基地関係においてはだんだん引揚げていくものと国民は了承してよろしいかどうか。施設もこれよりふえていかない、何年に延びても余りこれ以上に大きくふえないと、こう了承してよろしうございましようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 非常にお答えすることが困難な問題でありますが、大きく言えば、今度の朝鮮の休戦のあと政治、外交などからどういうふうに動くか、本当にこれが平和の第一歩であるというふうになればだんだん減つていくだろうと考えます。ただ一時休戦のためにこちらに帰る者もあれば、勿論兵隊の数は一時的には増すかも知れませんが、大体の傾向としては今後アメリカの駐留軍の数は減つて行き、施設も新しく要求せられるというようなことはないのではなかろうか。そういう場合は特殊のことでもない限り起り得ないのではないかというふうに私どものほうでは考えております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 続いて伺いますが、ここには出ておりませんけれども、日本人が古い文化財の保護について特に関心を持つておりますことは御承知の通りで、そういう場合には専ら施設の中心が奈良のような所とかそういう古文化財の保護とかち合う所は、何かほかのほうを代行させてもこれを取返して、そうして文化財或いはその風紀、風土を守るという方針について何かお考えを持つておられますか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 奈良の問題につきましては、過般もいろいろお話が出ておりましたが、あそこに帰休兵のような兵隊が来て非常に文化財に対して悪い影響をもたらすようであれば、奈良方面からの声もありますので、真剣にこれをどこかへ持つていくということも考えななければならないだろうというように私は考えております。が併しあれを置きます際には、むしろ奈良側は相当な希望があつたように私は了解いたしております。相当な何十億かの消費もするし、そうして考え方によつては全部の兵隊が悪いわけじやないので、アメリカへ帰つて行けば奈良の文化というようなものも紹介する仲介の役目も果すであろうというような考え方もあつたようであります。最近はいろいろはたの声がひどくなつたので、市当局あたりも多少前とは変つたような態度をしておられるように見受けまするが、併しお説のように本当に文化財に対して悪い影響があるということになりますれば、私どもも考えなけれげならないが、併し現在のところはこの間の公聴会でもいろいろのお説はございましたが、真相は本当にどこまでであるかはもつとよく調べまして、又必要があれば軍側とも話合わなければならない、こういうふうな考えであります。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) ほかにございませんか。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 先ほどお話ありましたように、米軍が鉄砲を持つて戦車を動かして名所にしてやるから、それで有利になるというふうな考え方が向う側にあつて、奈良の件に関してもやはり地元にそういう考え方があつたかも知れませんが、が併しこれはやはり大局から政治の衝に当られるかたがやはり深甚な考慮を払われて、そういう一種のやはりパンパン主義だと思うのですが、そういうところによつて金をとりそうして自分の文化を費いものにして行こうとするような一種の宣伝主義というようなものは、これは国際観光等とは又種類が違うのでありますから、軍の施設としては娯楽場でありましても、よほど考え方を変えて御交渉になることを希望しまして、一応私の質問は打切つておきます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 今の文化財に関する問題は、内灘問題と直接に関係はないようなものでありまするが、内灘関係四件の請願は如何いたしましようか。やはりこれを採択して議院の会議に付し、内閣に送付することにいたしましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御異議がない模様でありまするから、さよう取計らいます。さような決定いたします。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) その次は北海道関係の請願陳情三件であります。

神田襄太郎常任委員会専門員

○専門員(神田襄太郎君) 請願第二三九六号、北海道門別町の駐留軍演習地拡大接収反対に関する請願、請願者は北海道沙流郡門別町長松本末吉ほか二名、紹介議員は高良とみ君ほか九谷であります。趣旨は、北海道門別町は、今回日米安全保障条約に基く行政協定により、上陸演習地として陸地三千五百町歩と膨大な海域の拡大使用を新たに要請されているが、予定区域は年額二億五千万円乃至三億円の生産力を有し、本地区において海陸空の総合演習が行われるならば、伝統的産業蔓盤は破壊され、安定しつつある農漁民の生活を根底から覆し、町経済に致命的打撃を与えるほか、学校教育等にも甚大な影響を及ぼすことになるから、本区域における駐留軍演習地の新たな拡大接収には反対であるとの請願でございます。  陳情第百九号、北海道大島の米軍演習地化反対に関する陳情、陳情者は北海道松前郡大島村長富江徳蔵、趣旨は、北海道大島を米軍演習場とすることは、漁礁、藻礁を破砕して海底に沈下させ、漁獲、藻類の絶滅を招来し、大島村漁民に経済的圧迫を加える結果となり、漁民の死活に関する重大問題であるから、大島の演習地化を極力避けるよう華処せられたいとの陳情でございます。  陳情第二百四十五号、北海道離島大島の米軍演習地化反対に関する陳情、陳情者は北海道函館市議会議長高木直行でありまして、趣旨は陳情第百九号と同じであります。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 以上北海道関係三件につきまして、政府側の御意見を伺いたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 北海道門別の演習地拡大接収に関する請願でありますが、この点は、この門別地方は駐留軍側へ提供することにきまつておりませんので、目下これを検討中だそうであります。その次の二件もまだどうするか決定していないので、懸案になつているのであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 これは、先般行政協定の実施状況視察の題目の下に、本委員会から出張するこ御決定になりまして、私が本会期の前に専門員室と共に行つて調査して来た所であります。  この陳情にあります通り、農地等三千五百町歩の農畜産地を海陸空の大演習に使われますと、この門別という日高の海岸村が殆んど三分の一を失つてしまうばかりでありませんで、いわゆる日高馬というこの地方独特の牧畜が全滅することから、この道全体の道会議員連合の決定によつて反対されて陳情されて来ているわけであります。又ここには謳われておりませんが、この接収地に軍艦で上陸いたしまするために、定置漁網が六哩沖までの地域に数十本、殆んど百本に近いものが定置されておるのでありまして、これらが全部取上げられるばかりでなく、月に一週間使うから一週間後には又いれたらよかろうという米軍側の話もあつたそうでありますが、定置網や漁業の実情に即せざること又甚だしいものでありまして、この寒村においてはそんなことをしておつたならばもう村の経済は成り立たない。更に説明としては、すでにある道路のみを使うからという話もありましたけれども、そういう演習に対しましては、到底この門別町を中心にした北海道南部が了承しないのであります。すでにもうこの村といたしましては、高射砲陣地として七十三町歩の演習地を提供いたしてそうして、海の沖にありました大きな島は爆撃のために姿を失つておるのでありまするから、この村としては、ほかのずつと大津その他の東海岸方面の代替地を使用されんことを希望しておる次第であります。又その陳情を聞きまと、従来北海道の実情から一旦苗、麦を荒されますと、再び植えることもできないために、尤もだと思われることが非常に多くあつたことを農林、水産両方面から私どもは了承したわけであります。  更に、これに続いてありまする二つの陳情の離島大島の漁場の状態は、その島を中心にいたしまして、曾つて総司令部からこの島に棲息いたしまする水鳥の保護を天然記念物として指定を受けましたときに、ひどく厳格な命令がありまして、日本人はかくのごとく鳥類を保護しないからという命令でそしてこれが指定地になつた関係があります。又魚族がたくさんこの島を中心にしていろいろな海流を経てここに来ておりまするので、ふかなども多く、又いわしの群とかいうものが、この島があればこそ来るのでありますが、これを爆撃、砲弾の的にいたしまするとこの島が姿を変えるばかりでなく、魚族が或いは魚田が破壊されてしまう。従つて、数百戸の漁民が生活の道を失うばかりでなく、遠く秋田や青森から漁業に出掛けまする者、及びこれから留萌にかけての魚群の移動のルートが破壊されるために、水産の方面でも私の聞いておりまするところでは、衆議院の水産委員なども反対しておることを聞いておるのであります。尤も大演習計画というのは、小樽を出た数隻の軍艦に乗つた軍がこの離島大島を爆撃し、そして室蘭から廼つてこの門別に行つて大上陸演習をするというのでありますが、こういう指定を受けておりまする北海道としましては、非常な人心の動揺を来たしておるわけであります。これは内灘などよりはるかに大きな土地でありまするし、又民生に影響するところが大きいので、私視察しました者としましては、外務省がこれに十分な理解を持つて行かれることを希望すると共に、水産、農林委員その他専門員の意見を十分採用されて、この地区を演習に使われることは中止を願いたいと紹介議員の代表者として陳情する次第であります。従つて、それについて外務省は国際協力等を尋ねましても、まだそういう水産や農林やその他の方面の実情が決定しないのできめないと言われますが、それらについてもなお十分な材料を御研究になつておられるかどうか伺いたいのです。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 関係各省とも連絡いたしまして、十分調査いたしたいと思います。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 どうぞこれが演習地になりませんように、殊に海陸空の小樽から大島を経て門別えの大演習が行われるということが、何らか方針が変えられますように、もつとずつと遥かな民家の少い地方へ移動されることを希望します。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) この北海道の問題に関しては、殊に門別の問題につきまして、私も請願の当局から説明を聞いたわけでありまするが、今高良委員が言われましたが、必ずしも門別でなければならんという理窟はどうも私にはよくわからないのです。殊に門別という地方はあの地方での最もよく開拓された地区であるらしいので、ここを上陸作戦の演習に使うということになれば、あれだけ開拓された土地がめちやくちやになるということで、陳情の趣旨が私にもよく理解されるのでありますが、殊に北海道は非常に領域が広いのでありまするから、特に今高良委員の言われたことくほかの地区を選定するということは決してむずかしくないと思われる。私どもの素人考えでありまするけれども、あの襟裳岬を廻つて東の方に人家のそれほど稠密でない所ないしまだ開拓の手のついていない所が随分あるだろうし、又陳情者もそう言つておりますし、つきましてはこれは私も陳情の趣旨に対しては同情せざるを得ないので、ほかの地区を選定するというように外務省側でも骨を折つて頂くということが至当じやなかろうかと思うのであります。それだけ私からも附言いたしておきます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 私が伺いましたところでは、何かこの演習に関連して青森県の北端の地域をもやはり基地として、或いは演習地として計算に入れているのでありますか、それはこの次に出ておる、それがやはり同じ演習計画の中にあるのでありましようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 全然関係ない別個の問題だそうであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 なおもう一つ伺つておきたいのは、これは門別とは直接関係ありませんが、門別につながつております駒内の北海道の非常に広い二万町歩の地域のことでありまして、これは調達庁の農地契約の方法が講和発効後変つたために、今までした調査や申請書が全部書き換えられて、そうして又そこの調達庁の中の組織の都合のために殊んど今未契約になつている土地が多い、こういう訴えを聞いたのでありますが、実際そういう調達庁の法令の変更による未契約地が多いのは事実でありますか。

安川壮外務省国際協力局第三課長

○説明員(安川壮君) お答え申上げます。調達庁の接収地の借上げ乃至は買上げの手続に関する法令が変つたかどうかということは私承知しておりません。但し法令が変る変らないにかかわりませず、現在の法律上から申しますと、民間の土地の所有者或いは賃借権者と政府との契約は財政法上だと了解しておりますが、一年以上の継続契約ということができないことになつておりますので、これは年度末になりますと、毎年土地の所有者との契約を必要とすることになつております。その意味で或いは年度末に土地の所有者が契約の更新に応じないために、実際問題として契約ができないというケースも考えられるわけでございます。直接は調達庁が個々の土地の関係者と契約しております。個々のケースについては外務省では承知しておりません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 国際協力局は承知しておられない点が多いと言うのでありますが、個々のケースでありませんでも、この北海道の中心地にありまする駒内、新駒内の第一騎兵兵団司令部が使つておりまする千歳周辺の月寒、豊平、恵庭島松等の演習地のまわりにありまする未接収地、未契約地について一応国際協力局として御調査になれる範囲の調達庁の処理の状況を一度細かくお調べになつて、私のほうは資料として今後の調査の材料として頂きたいのですが如何なものでしようか。

安川壮外務省国際協力局第三課長

○説明員(安川壮君) 早速調達庁のほうに連絡しまして調査を依頼することにいたしたいと思います。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは北海道関係の請願陳情は合せ三件、右はこれを採択して議院の会議に付し内閣に送付することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。  その次に青森県関係の請願陳情三件であります。

神田襄太郎常任委員会専門員

○専門員(神田襄太郎君) 請願第二千七百九号、青森県関根米軍演習地区拡張反対に関する請願、請願者は青森県議会議長中島清助、紹介議員は苫米地義三君と佐藤尚武君であります。  趣旨は青森県東通村田名部町にまたがる関根地区千七百七十二町歩と海面沖出五キロ幅五キロについては、昭和二十四年以来今日まで米軍演習地として強制接収され農業及び漁業は勿論地元民の物心両面に多大の影響を及ぼし甚大な犠牲を払つて来たのである。然るに昨年十二月十二日の閣議決定により海面は沖出十三キロ、幅九キロに及ぶ新区域を一方面に設定すると共に、それ又一方的に現演習場隣接地三千六百町を無期限使用の拡張区域とすることに閣議決定を見たのであるが、この拡張により地元村民は生業の方途を失うばかりでなく、本県産業、経済は勿論、民生上甚大なる影響を及ぼすから、速かにそれが調達解除に尽力せられたいとの請願であります。  請願第千六百四十四号、青森市合浦公園米軍借用地返還促進に関する請願、請願者は青森市長横山実ほか一名、紹介議員は佐藤尚武君であります。  趣旨は青森市合浦公園は終戦直後連台車の進駐によつてその全地域が接収され連台軍家族住宅となり、その後三回に亘りその半分余か返還されたか、なお現在一万一千八百五十三坪の公園としての主要部分が返還されず、全市民は本地域の返還を待望してやまぬ実情であるから速かに同公園の全面的な返還に対し善処せられたいとの請願でございます。  陳情二百八十五号、青森県岩木訓練場設置反対に関する陳情、陳情者は青森県西津軽郡森田村長鶴賀健次郎ほか八名、趣旨は青森県森田村地内は岩木訓練場の予定地として抱含されているが、すでに大正三年軍用地として陸軍省に強制買収されて以来三十数年、多大の不利不便を忍び、昭和二十年漸く開放されたのものであつて、今又岩木訓練場の設置により受ける有形、無形の損失は尽大なものがあり、ことに農家経済を脅かすものであるから、これが設置を極力回避せられたいとの陳情であります。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 以上三件について政府側の御意見を伺います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 最初に出ております関根の問題につきましては、先般も現地のかたが議会へ見えまして、いろいろ御説明を聴取いたしております。ただこれの問題につきましては、実は決定いたしますに当つて知事や村長ともよく話合いました。併し日本国としてはこういう施設、区域をどうしても提供しなければならない、ほかに廻すべき土地がないからこういう条件を入れてもらいたいというお話でありまして、現地にも人をやつて大体その条件をそのまま引受けて拡張をすることに決定をした次第であります。ところが併しその後現地の意向も硬化いたしまして現在反対運動が続けられておるために、現実の引渡も了していないということでありますが、この問題については今後更によく現地側と話合をしまして、できるだけ円満に解決いたしたいと考えております。  その次の青森市の問題は今ここで十分承知しておりませんので、十分調査いたして善処いたしたいと考えております。  その次の岩木訓練場の問題につきましては、まだはつきりどうしようということが決定しておるわけではございませんけれども、私どものほうではなるべくこれを拒絶したいという態度でアメリカ側へ諮ろうとしておる次第を御了承願いたいと存じます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) この青森県の第一の請願、関根地区の問題、第三番目の陳情、いわゆる岩木訓練場の問題、これは山甲野という場所でありますが、この二件に関しましては高良委員と同じくこの委員会から中田委員がわざわざ実地調査に行かれたのでありまして、その報告もまだこの委員会としては聞くに至つておりませんが、現地を見て来られました中田君がこの際この委員会に出られて、そうして説明をして頂けば一番よくわかつたわけでありまするが、不幸にして予算委員会のほうにとられて誠に残念でありますけれども、現地調査の実況を知ることができないのを遺憾といたします。そこで紹介議員になつております私から政地側に対して申上げたいのでありまするが、第一の関根地区は占領時代に、今お話がありました通り千七百何十町歩というものがすでに接収されて、そうして海面に向つての射撃の場所になつておる模様であります。これは占領当時のことであるから、やむを得ないとして、県民側も今以てそれに忍従しておるわけでありますが、然るにそれでは足りなくて今度三千六百町歩という隣接地区を拡張使用したい、こういう申出が来たわけでございます。今のお話によりまして知事側も又当該町村側も承諾した。但しそれを接収されるについては、やむを得ず接収されるというような場合には、条件はこれこれにしてもらいたいというようなはつきりした何か返答があつて、それに基いて閣議決定になつたというようなお話であります。最近陳情の人たちがこの地方からやつて参りました説明を聞きますと、必ずしもはつきりやむを得ませんからお使い下さいと申上げたわけでもないようでありまして、御承知の通り青森県は私の出身県でありますが、県民の習性として誠に物事をはつきり言わないくせがあります。そこで官憲から押付けられたりなんかしますと、昔からの因習でますますはつきりとした意思表示ができないというようなことで、そこに多分に政府当局で村民乃至は県民の意思をつごうのいいほうに解釈されたという傾きがあるように見受けられるのであります、それが一点。  それからもう一つ私どもが県から選出された者として、これは政府の処置としても困るというように強く感ずる点は、青森県はすでに合計十四カ所という広大な土地を連合軍側に提供しているのであります。ほかに海に面した地方が五カ所、それだけすでに米軍側に提供している。その上に今の問題の関根地区三千六百町歩、それから第三番目の陳情にあります岩木山の山田野地方、これも四千町歩に亘り、それを米軍側に接収したい。こういうのでありまして、この点は私といたしましても簡単には同意ができかねるのであります。というのはあまりにも負担が一つの県に対して重くかけられているという点にあります。すでに占領当時から十四カ所に亘つての演習地ないしは訓練所も提供し、それなのに今申上げたような二カ所に亘つて広大な地区を接収するということは、一つの県にとりましては非常に大きな出来事であります。穀倉地帯をとられる。例えば岩木山林、山田野を接収されるということになりましたならば、それは多くは牧草地帯でありますので、その牧草によつて岩木川の流域の、何百町歩になりますか、広大な又それは有名な米産地でありますが、そこの肥料がそれによつて非常に影響されるという大きな問題が起ろうと思います。直接にはそれらの農家が家畜を養う牧草に不足するということになる。関根地区という問題も同じことでありまして、あれは牧草地帯であり、又耕作地帯でもあるわけであります。地方の農民にとりましてはこれは非常に大きな死活問題であると言つても過言ではないと思うのであります。いわんや、広大な海面を占領されておりまするために漁業ができない。あの辺はこんぶの名産地であります、こんぶの採取もできないというようなことで、さなきだに貧弱な漁村がますます疲弊するというようなことになつております。そうして単に米軍にとつては青森県内でそういつた演習地を設けるというのが便宜であるということだけで、一つの県にそれだけ大きな負担をかけるというここは、私はそういう負担をする上に公平でなければならんという見地から見て、簡単に御同意はできないのであります。もち論安保条約により、或いは行政協定によつて日本が米軍の駐屯を受けておるのであるからして、その米軍が駐屯しておる以上、演習地がこれに必要であるということはよくわかることであり、日本側としても適当な演習地を提供しなければならんという義務のあることは、よく私も承知はしておる。が、併しながら一つの県にのみ大きな負担をさせるということ、これは甚だしく公平を欠く問題であり、他の諸県においてそういつたような負担をまるつきりしていない県がたくさんあるのでありますが故に、その負担の公半分担を政府としては期して頂きたい。こういうのが私の主張の主眼なのです。又この陳情を私自身も支持をするというゆえんがそこにあるわけであります。  私はほかの県に新たな負担を負わせてそして自分の県の負担を免かれるということに、結果としてはなるので、その点は誠に遺憾だとは思いまするけれども、併しそうかと言つて一つの県のみが大きな負担の大部分を引受けるということは、いずれの点から見ても公平を欠く問題であろうというふうに考えまするが故に、あえてこれは政府の本当にまじめなお考えを願いたいのです。関根地区拡張問題のごときもそういう観点からしてよく御検討をお願いしたいと思うのであります。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 佐藤委員長がおつしやいましたこと、誠に一応御尤もに考えまするが、併し一応、議論をするわけではございませんけれども、私どもの立場をこの際述べさして頂きたいと存じます。  青森県の人は素朴であつて思うことを言わない。政府のほうで言えば、自然強制されたような気持で十分なことを申立てないだろうというふうにおつしやいましたけれども、実は書き物の表題は陳情とはなつておりまするけれども、十分なる学識を持つた教養のある知事の書面にも、はつきりと関根演習場拡張がやむを得ない場合には左記配慮せられたいということで、拡張地区を成るべく縮小するようにとか、県道、村道の交通の許可であるとか、五項目かに掲げられまして、これを書き物で要望せられた次第であります。又村長も駐留軍の方針としてどうしても拡張の接収がとりやめができない場合は、十分部落民の立場も考えて悪い影響を受けないように、そして補償の点は十分考えてくれというような希望が出ましたので、よく話合をしましてそして農耕地を成るべく除外して、そして砂鉄の鉱区も除外し、又針道の建設工事はこれを許すことにいたしました。又地域内べの日本人の立入り、交通、及び放牧地は米軍の訓練を妨害しない限り、何らの制限を受けないというようなことで話合いましたので、ただ単に我々が都合のいい解釈をして向うが承知したのだというのでなしに、当時のいきさつから申しますると、私どものほうでは相当十分なる了解を遂げて御協力を賜わつたものと考えた次第であります。  その次の点、青森県において非常にたくさん土地がとられる。これは誠にその通りでありまして、私どももその点が全然わからないわけではなく、でありまするからして先ほども申しましたように岩木の訓練場は何としても撤回させようというように目下努力を続けておる次第でございます。幸いにして委員長のように国家的な大人物のかたであればおわかり下さるだろうと思いますが、関根の地区を拡張するということは成るほど遺憾ではありまするけれども、国家的な立場から考えまするならげ、これまで使つた所をやめて新らしい所で又演習場を設けるということになりますれば、それが日本のどの地区にしても国家全体の立場から見たら、更に大きな経済的影響が国家全体としては惹起されるということにもなる点を考えてみますと、勿論国家としては十分の補償をしなければならない。地方に対する補助金とか、そういう面で十分配慮をいたしましてでき得る限りどこでも公平にやらなければならない。その趣旨によつで措置しなければならないことは当然でありまするが、これはただ単に米軍の便利だけを考えてそのまま引受けたというのではなくて、国家全体の立場から見て、幸いにして現地のかたも或いは完全なる了解ではなかつたかも知れませんが、協力的に出て下すつたし、全体的に見てほかのこれまでの全部をなにして、占領中これだけ困つておつたというので全部御破算にして、新しい所を取れば本当に公平になるかも知れませんが、それが本当に国家的にいいことかわからない。こう考えられますので、こうした私どもの考えを十分おくみ取りを願いたいと存じます。併し先ほどの青森の特殊的な立場を決して軽視しておるわけではなく、その意味でこの岩木の訓練場につきましても現にこれを撤回させるように考慮しておる次第でございますので、その辺を御了承願いたいと思います。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 今の政務次官の御説明の中でれつきとした、青森県の知事が立派な文書を以て承諾書を出しておる。陳情の形でありますけれども承諾をしておるというお話でありますが、私もその文書を見ましたが、併しその文書の中で最も重きをおいておる点は何かと言うと冒頭の所であります。それを取られては困るのだということをしきりに陳情しておる。併しどうしても取られるというようなことであればやむを得ない、こういうことにしてもらいたいというわけである。併しながらその趣旨は、無論、自分たちはとにかくこれだけの犠牲を負担しておるのであるからそれ以上に取られたくない。負担をしたくない、免除してもらいたいというのが趣旨でございます。それを手取早く青森県が簡単に承諾して、心よく承諾しておるのだからというふうに政府がおとりになるということは、これは少し地方の実情を無視された形じやないかと、これは私の県を身びいきするようなことになるかも知れないけれども、事実地方の人たちから私の聞いたところではそうなんです。その点は政府のほうでもよく一つお考えをお願いしなければならないと思うのであります。そうして又青森県の人たちは先ほども申した通りに甚だしくぼくとつであるがために、内灘のような騒ぎは一回も起したこともない、又今後も起そうとはしておりません。この点ははつきらしていると思います。が併しああいつたようなむしろ旗を立てて騒がないが故に青森は簡単にとつちめてしまえというような気持でやるならこれは迷惑千万な話なんで、それならば青森の人たちだつて決起するだけの血は、反発心は持ち得ると思うので、この点も又政府としてはよくお考えを願わなければならない。どうしても接収しなければならないというようなことであるかどうか私は存じませんが、これから先政府はどういうふうな措置をとられるのか存じませんけれども、内灘に対しては今までにない莫大な補償金を出されるもようでありまするが、青森はおとなしいからというようなことのみで片付けられるとしたならば、これは県民としてもなかなかおさまらないだろうと思うのであります。それらの点、よくお考えを願いたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○政府委員(小滝彬君) 御趣旨よくわかりましてございますが、陳情書も勿論仰せの通りであります。どこでも取つてもらつていいという所はないのでありまするけれども、幸い、先ほどの私の言葉は間違つたかも知れませんが、まあやむを得ない場合は協力してやろうという言葉もありましたし、そういう新しく取るということになれば非常に経済的影響も大きいために、この地域の拡張ということになつたわけで、この点は青森県側に対しては誠に申訳ないと思いまするが、併しおとなしいからそれでそのほうはどんどんして行くというふうな考えで済むものではない。又今後も絶対そういうことはいたさないことを申上げておきたいと考えます。  なお内灘のほうがああいう補償を受けましたりして、更に今あんなにうまく行くならというような声も上つて、これまで殆んど問題なかつた所からどんどん問題を難されるというような現実も私承知しておりまするが、併し内灘を私は弁護するために申すわけではございませんけれども、あそこはほかの職業もない、本当に漁業だけに頼つておるような所なので、そのために先ほど高良委員が由されましたようにかんがい施設でもして畑でも作らせなければ本当に他に生きる道がないというような困難な事情があるということも御了承願いたいと存じます。本件につきましては先ほども申しましたように、十分御趣旨を体しまして岩木訓練所の問題のみならず、もう一つのほうもよく調べまして善処いたしたいと考えております。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) くどいようでありますが、繰返して申上げたいことは、犠牲の公平を期すということを政府としては眼目として頂きたいと思うのであります。その犠牲の公平を期すということはいろいろな方法でやれるだろうと思うのでありますが、そういう点もよく県民に対して温かい心を持つて、すでにこれだけの犠牲を払つておる県民であるということに対して、温かい気持を持つて取扱を願いたいと思うのであります。又内灘の人たちと比べてあの青森県の岩木地区の人たちが経済的にどれだけよりよく恵まれておるかといいますならば、私は内灘の実情は知りませんけれども、大体余り変りはないだろうと思うのです。あそこらは貧弱な土地であります。従いまして内灘に対する補償金のようにやはり相当の考えをもつて青森県に対しても対処して下さるということもいわゆる私の申上げまする犠牲の公半分担ということになりはしないかと思うのであります。それらの点よく一つ御研究をお願いしたいと思います。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 速記を始めて下さい。  それでは議事の都合によりまして暫時休憩いたします。適当な時間に又再びお集りをお願いいたします。  それではこれで休憩いたします。    午後四時八分休憩    —————・—————    午後七時開会

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは休憩前に引き続き会議を開きます。  残余の請願陳情日程のうち、請願第千二百四十四号山形県戸沢村米軍接収地の接収解除に関する請願、請願第千四百号滋賀県饗庭野の米軍演習地化反対に関する請願、請願第千三百三十九号福岡県福岡地方簡易保険局大濠庁舎接収解除に関する請願、請願第四百二十八号博多湾を米軍水上機発着場に使用反対の請願、請願第千六百四十九号国連軍および駐留軍の施設等に関する請願、請願第千六百五十号駐留軍関係の犯罪に関する請願、陳情第十五号島根県竹島の領土権確に保関する陳情、陳情第五十九号沖繩、奄美大島および小笠原諸島の日本復帰に関する陳情、陳情第百九十五号、奄美大島の日本復帰に関する陳情、陳情第二百五十五号旧鹿児島県大島郡の日本復帰に関する陳情、陳情第五十号沖繩同胞の日本復帰に関する陳情、請願第千八百七十一号ソ連地区残留同胞引揚促進に関する請願、請願第千八百七十二号ソ連、中共両地区残留同胞引揚促進に関する請願、請願第二千五百二十八号、ソ連、中共両地区残留同胞引揚促進に関する請願、請願第二千五百六十七号、ソ連、中共両地区残留同胞引揚促進に関する請願、陳情第三百三十号、ソ連、中共両地区残留同胞引揚促進に関する陳情、請願第二千五百十九号未帰還抑留同胞引揚促進に関する請願、請願第二千九百三十六号第三海洋丸だ捕事件に関する請願、陳情第三百二十九号第三海洋丸だ捕事件に関する陳情、請願第千六百四十三号、インドネシア共和国における英霊供養等の請願、請願第二千三百七十一号、オツトセイ保護条約締結等に関する請願、請願第四百八十五号中国人ふ虜遺骨送還に関する請願以上二十二件は何れも願意を尤もと認めてこれを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付するを要するものと決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないと請認めてさよう決定いたします。なお、願第千九百二十二号、日米通商航海条約反対に関する請願、及び請願第二千五百八十六号MSA受入れ反対に関する請願の二件は現在本委員会において審議中の問題に関連するものでありますので、これら二件につきましては採否を決定することは如何かと思いますので保留ということにいたしたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。    午後七時十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗