外務委員会 第17号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/07/27
会議録
○委員長(佐藤尚武君) それでは外務委員会を開会いたします。 先ず国際民間航空条約への加入について承認を求めるの件、国際航空業務通過協定の受諾について承認を求めるの件、国際電気通信条約の批准について承認を求めるの件並びに日華平和条約附属議定書第二項の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。政府より提案理由について御説明を求めます。
○政府委員(小滝彬君) 只今議題となりました国際民間航空条約への加入について承認を求めるの件につきまして、提案理由の御説明をいたします。 この条約は、第二次大戦中における航空技術の発達に鑑がみて、一九四四年十一月一日から同年十二月七日までシカゴで開催された国際民間航空会議において作成されたものでありまして、一九四七年四月四日に効力を生じ、その当事国は現在六十カ国に上つております。 この条約の目的は、安全且つ秩序のある国際民間航空の発達と、機会均等主義に基く健全且つ経済的な国際航空業務の運営とを図ることにありまして、このため、この条約は、国際民間航空及び国際航空運送の一般的原則を定めるほか、国際民間航空機關(ICAO)を設立することを規定しております。 我が国がこの条約に加入するためには、条約への加入に先立つて加入承認の申請を行い、その申請が国際連合総会により承認され、国際民間航空機関総会の五分の四の賛成投票及び今次大戦中我が国によつて「侵略され、又は攻撃された国」の同意により承認されることが条件とされております。我が国は、日本国との平和条約に関する宣言に基いて昨年八月に加入承認の申請を行いましたところ、国連総会及びICAO総会によつてこれが承認され、又、すべての「被侵略国」の同意が得られましたので、この条約に加入しようとするものであります。 我が国がいよいよ国際民間航空を再開する日の近い現在、この条約に加入し、且つ、国際民間航空機関の加盟国となることによりまして、この種の国際的規律に積極的に参加協力することは極めて重要な意義を有するものと思われます。 以上の点を了察せられ、御審議の上速やかに御承認あらんことを希望する次第であります。 次に国際航空業務通過協定の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由の御説明をいたします。 この協定は、国際民間航空条約と共に、一九四四年十二月七日にシカゴで作成されたものでありまして、一九四五年一月三十日に効力を生じ、その当事国は現在四十一カ国に上つております。 この協定の目的は、国際民間航空条約と相待つて国際民間航空の運営を円滑にするため、国際航空における原則の一つであるいわゆる「空の自由」、即ち、(1)他国の領域における無着陸横断権及び(2)他国の領域での運輸以外の目的での着陸権を相互に保障することであります。 我が国は、日本国との平和条約に関して行なつた宣言において国際民間航空条約の当事国となつた後、成るべく速かにこの協定を受諾する旨の意思を明らかにしました。 我が国の国際民間航空条約への加入承認申請は、先般ICAO総会で承認されたので、国会の御承認を得た上近く同条約に加入いたしたい所存でありますが、右加入と同時に、この協定を受諾することにより、この分野における国際協調に寄与すると共に、我が国の国際民間航空の発展に資せんとするものであります。 以上の点を了察せられ、御審議の上、速かに御承認あらんことを希望する次第であります。 更に只今議題となりました国際電気通信条約の批准について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、現行の国際電気通信条約を改正するため昨年十月からアルゼンチンのブエノス・アイレスで開催された会議において作成されたもので、我が国は、全権を派遣して改正の審議に参加せしめ、諸国の代表と共に昨年十二月二十二日にこの条約に署名いたさせました。 この条約は、現行の条約と同様、国際電気通信連合の構成及び組織を定め、又電気通信に関する一般規定及び無線通信に関する特別規定等を掲げており、現行の条約の実施の経験に鑑がみ、今日の事態に適応した改善が加えられております。 この条約は、明年一月一日から実施されることとなつておりますので、我が国としてもこの条約を批准し、諸国との間の国際電気通信業務の円滑化を図り、又、この分野において国際協力の実を挙げることは、甚だ有意義であると認められます。 よつて、この条約の批准につき御承認を求める次第であります。右の事情を了承せられ、御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを希望いたします。 更に只今議題となりました、日華平和条約附属議定書第二項の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 我が国と中華民国との間の通商及び航海に関する事項は、昨年八月日華平和条約が効力を生じまして以来、同条約附属議定書第二項の通商及び航海に関する取極によつて律せられて参りましたが、この取極は、元来日華両国の間に通商航海条約が締結されるまでの暫定取極でありまして、その存続期間も一箇年と定められてあり、来る八月四日を以ちまして効力を失うことになつております。一方、我が国と中華民国との間にはまだ通商航海条約が締結される段階に至つておりませんので、このたび現行取極の存続期間の延長につきまして中華民国政府と交渉いたしました結果、現行取極を更に二年間又は通商航海条約が締結されますまでのいずれか早い方の時期まで延長することに意見が一致いたしました。よつて七月十八日、外務大臣と在本邦中華民国大使との間において、その旨の議定書に署名を了した次第であります。 この議定書を締結いたしますれば、日華両国は、過去一年間におきまして実施いたしましたと同様、それぞれ相手国の国民、産品及び船舶に対して関税、課金等に関する最恵国待遇を、又海運、航海及び輸入貨物について並びに自然人、法人及びその利益について最恵国待遇を与えることになるわけでありまして、このことは両国間の通商貿易関係の増進に資し、相互の利益に合致するゆえんと信じます。 よつて、ここにこの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(佐藤尚武君) 以上の四件に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(佐藤尚武君) 次に日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約の批准について承認を求めるの件を議題といたします。先ず黄田経済局長に御発言を願います。
○政府委員(黄田多喜夫君) 日米通商航海条約は是非とも本国会で御審議を賜わつて御承認を得たいという希望で、只今国会で御審議を願つておるのでございますが、アメリカ側におきましては、七月二十一日上院で八十六対一という多数で本件を通過させたのでございます。ただアメリカにおきましては、州によりまして或る種の職業は公共的性質を有していること、或いは公共の保健に非常に関係があるという理由から、州法、或いは州憲法等によりましてこれを排他的、絶対的にアメリカの市民のみに留保しているという状況がございます。従いましてこれらの或る種の職業に関しましては、八条の二項の規定にもかかわらず、アメリカ市民のみに留保いたしたいという希望がございまして、そういうことをアメリカから言つて参つたのであります。従いまして只今まで我々が考えておりました日米通商航海条約の案文、これは八条二項に関しまする限りそれだけ一つ内容に変化ができて来るというわけでございます。日本側におきましては水先案内人、公証人、こういうものに関しましては法律がございまして日本国民に限るということになつておりますけれども、その他のものに関しましてはそういう制限はございませんので、従いまして向うでそういう制限を付けるということになりますると、日本でも同様な立場に立つて同様の留保を行わざるを得ないということに相成ると考えるのでございます。従いまして本条約が発効いたしますにつきましては、アメリカ側が留保したと同様の内容を有する留保を日本側も付けたいと考えまして、その形式に関しましてはどれが最も妥当であるかということを至急決定いたしたいと考えておりますけれども、内容に関しましては、つまり向う側と同様の留保をするという方向で進みたいと考えておりますので、この点御了承をお願いいたしまして御審議をお願いしたいと考えておるのであります。 只今この条約が早く発効いたしませんと、日本人にしてアメリカに入つて行く者については無条約国でございますために非常に制限がございます。例えば向うで向うの法律による法人を設立いたしまして、現にそういう活動をしている者が日本人にもいるのでございますけれども、滞在期間が非常に短期間に限られておりますために、活動の円満さを欠くというふうな状況でございまして、非常に実業界等におきましても不便を感じておるようでございますので、でき得れば早く本条約を発効せしめてこれらの活動に支障がないようにいたしたいと考えておりますので、どうぞお含みの上御審議をお願いしたいと考えておる次第でございます。
○委員長(佐藤尚武君) 追加的にちよつと御説明を願いたいと思いますのは、今の御説明によると、通商条約の調印が遅れれば日本は無条約国である、従つてアメリカに日本人が滞在する場合にも無条約国の国民として滞在期間が非常に短いという今のお話でございましたが、滞在期間としてはおよそ何年くらいでありますか。
○政府委員(黄田多喜夫君) 只今のところ大体三カ月を限りまして、それでテンパラリー・ヴイジター、仮の旅行者ということで参つております。それが更に延期される場合にも大体三カ月を一単位としてやつておりますので六カ月ということになりまして、而もその滞在期間の延長というものも第一回だけでもなかなか簡単にはできない、第二回というものは原則として許可されないというふうなことになつておりますので、うまく支障なく活動を継続しようと思えば、新たなる人を又三カ月の期間で派遣しなければならないというふうなことになりまして、非常な不便を感じておるわけでございます。
○委員長(佐藤尚武君) もう一つ付加えてお尋ねしておきたいと思うのは、只今の御説明によると、条約第八条の第二項に関するアメリカの留保について日本側にも水先案内とかもう一つ何でしたか。
○政府委員(黄田多喜夫君) 公証人でございます。
○委員長(佐藤尚武君) それは外国人には許可しないことになつておるというお話でありましたが、してみればアメリカの留保の申出がなくても日本側自体でも留保しなければならなかつた問題ではなかつたのでありましようか。
○政府委員(黄田多喜夫君) その点は議定書によりましてすでに留保してございます。
○委員長(佐藤尚武君) 議定書のどこですか。
○政府委員(黄田多喜夫君) 議定書の五項でございます。
○委員長(佐藤尚武君) 質疑のある方はどうぞ御発言を願います。
○羽生三七君 只今のことでちよつとお尋ねしたいのですが、日米両国の間の国と国との条約ですから、例えば日本に国内における各都道府県の条例なんというものがあつても、これは国の決定なり本条約に優先する性質のものでは全然ない。だからこちらには問題ないが、向うで州と州との間にそれぞれ異なる慣行があつた場合に、国全体を対象として問題を考えられるのか、各州ごとの州の決定に基いて何かそれに対応する案をお考えになつておるのか、どういうことでありますか、ちよつとその間の事情を……。
○政府委員(黄田多喜夫君) 日本国とアメリカ合衆国との条約でございますので、そういう条約ができますとその条約の内容に抵触する限り各州の州法というふうなものはオーバー・ルールされる。それだけ抵触する部分は無効になつて条約のほうが優先するという恰好になるのが原則でございます。一旦条約が条約として成立いたしますと、その条約に抵触するような州法或いは国内法というふうなものは、それによつてオーバー・ルールされるということなのであります。そこでそういうことを防ぎ、各州において今申上げましたような或る種の職業というものは、公共的の性質或いは公衆衛生というふうなことから各州の州法によつて自国民にのみ許すということをやつておるわけで、それは而も相当理由のあることであつて、今後継続いたしたいという希望がありますが故にそれを留保いたしまして、この条約ができることによつてそれを無効にさせたくないということから、向うがそれを留保をしたいということを言つて来ておるわけであります。
○政府委員(小滝彬君) 今羽生委員のおつしやつたのは、これに対応して日本側ではどういうことを考えるかという点であつたと思います。そこでもう少し正確に……。
○羽生三七君 ちよつとその前に、もう一つ付加えて申上げて御返事を得たいと思いますが、仮にそうなつた場合に、今審議最中にあるので而も賛成反対は別として、近く成立するだろうという場合に、法的な取扱方を衆議院の外務委員会等との関係もあるでしようが、政府自体ではどういうふうにお取扱になるのか、それも合せてお返事をお願いしたい。
○政府委員(小滝彬君) アメリカ側がつけようとする留保は、更に正確に申しますと、第八条二は、自由職業で法的資格における任務の遂行、又は公衆の健康及び安全の利益に関する任務の遂行を包含するため、州による許可を要し、且つ法令又は憲法によつて専ら当該国の市民にのみ留保される者には適用されないとし、又前記の条約中の如何なる最恵国待遇に関する条項もそれらの自由職業には適用されないものとする、こういう留保を向うとしては付けたいということを申して来たわけであります。そこでこちら側の詳細な案文はできておりませんけれども、一両日中に確定させたいと考えております。が、大体のラインは次のようにいたしたらと考えております。「日本国の政府は一九五三年四月二日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の友好通商航海条約を批准するに際し、日本国国民が同条約第八条二に規定する職業に従事することを禁止し、又は制限するアメリカ合衆国の州、準州、又は属地に住所を有するアメリカ合衆国国民に対し、日本国においで当該職業に従事する、ことを同様に禁止し、又は制限する権利を留保する。」こういうふうな趣旨を向うへ通達したい考えであります。日本には今のところ、そういうその住所がアメリカのように州を異にするためにそれに対応して取扱を異にするというふうな法令もございませんので、これを実施するということになれば新らしく法規を要するかと存じまするが、いずれにしても相互的に日本の国民がそういう制限を受けるならば、この通商航海条約の原則にも鑑がみて、同様な対抗措置を日本でとり得るというふうにいたしたい考えであります。 そこでそれではどういう形式で、その点を明らかにして相互の話合を付けるかということについては、明日頃はつきりこの委員会に御報告申上げ得ると存じまするが、大体の取扱の方法といたしましては、このような留保というのは条約の内容に関することでありまするから、向うからの留保及び日本側の附せんとする留保をこの条約案と一体として参考資料と申しまするか、承認を求める件に附帯した文書としてここへ提出いたしまして、皆様の御承認を得たいとかように考えておる次第であります。
○羽生三七君 何か細かいことになるのですが、そういう場合にはここへ出されたこの案文を修正するという形になるのか、政府が考えられた新らしいつまり最終的に出される案文ですね、それがこの委員会に付託案件になるのか、それはどういう取扱になりますか。
○政府委員(下田武三君) 只今御承認を仰いでおります客体といたしましては、この条約のテキストが客体でございまするが、御審議を願つております過程におきまして、アメリカの上院で附帯決議をいたしまして、アメリカでも条約の批准というのは大統領の権限になつておりまするが、大統領が批准するに当つてはその点を留保しなくちやいかんという附帯決議をいたしております。従つて日本側でも同様の留保をいたしたいと思いますならば、やはりこの条約の内容を実質的に変更することになりまするので、これはやはり追つかけて一つの案件といたしまして、国会の御承認を受くべきのが本筋だと思うのでありまするが、ただ先ほど政務次官からも言われましたように、この際ただ権利を留保するということにとどめまするならば、或いはその事実のみを国会に御報告いたしまして、後日留保された権利に対しまして具体的の法案を作成する際に、その内容を国会に提出いたしまして御承認を受けることを以て足りるかとも存じます。只今のところその形式等が最後的に確定いたしませんので、そのいずれになるかは申上げられないわけであります。
○委員長(佐藤尚武君) 通商航海条約に関しまする質疑はほかにございませんか。
○羽生三七君 私のほうでは佐多君、中田君が予算委員会で非常に制約されてこちらへ来られないのですが、相当質問の準備をしておるのじやないかと思います。だからそういう機会を留保して頂きたいと思います。なおいつまでということは言いません。常識的なあれでちよつと一、二お尋ねしたいことがあるのです。よろしいですか。
○委員長(佐藤尚武君) どうぞ。
○羽生三七君 先日お尋ねしたことで、まあアメリカ人が日本へ来て日本の土地の使用等を行う場合と同様に、こちらの日本人が向うへ行つてアメリカの土地を取得は別として、使用権等に関する場合に、相互関係ですから同様であるとおつしやいましたが、アメリカにおいては州によつて違うという話ですが、市民権なんか全然なくても単なる渡航者にもそういうことが可能なんですか、そこのところがどうも私はわからないのですが。
○政府委員(下田武三君) 土地の所有につきましては、米国市民或いは市民となる資格のあるものという制限がございますが、日本の会社があちらに支店を設けて支店の事務所用の敷地を賃借するということはこの条約で保障されております。ただ所有権だけが持てないという制限でございます。
○羽生三七君 現在アメリカ側で日本へ来て土地の賃借関係にある者は現にあるようであります。どうでしようか、その辺ちよつと……。現在の状態であります。
○政府委員(黄田多喜夫君) アメリカの市民が日本へやつて参りまして土地とか家を使用しておる者がたくさんあるかという御質問でございますか。
○羽生三七君 ええ。
○政府委員(黄田多喜夫君) これはたくさんございます。
○羽生三七君 家については相当あるということは承知しておるのですが、土地なんかも相当あると思うのですね。
○政府委員(黄田多喜夫君) どのくらいたくさんあるということはこれは調べなければわかりませんがございます。
○委員長(佐藤尚武君) では通商条約に関しまする質疑は本日はこの程度でとどめておきたいと思います。 —————————————
○委員長(佐藤尚武君) 次に世界気象機関条約への加入について承認を求めるの件を議題といたします。 質疑のある方の御発言を願います。政府より説明員として中央気象台長、同総務部長が出席されております。 それでは質疑に移ります。質疑のある方はどうぞ願います。
○羽生三七君 只今の世界気象機関については国連加盟国の全部が共通した問題として成り立つているのか。まあこれで見ると、各国の署名した国が出ておりますが、例えばソ連圏というような国はどうなんですか。
○政府委員(下田武三君) 只今のところソ連と中共側、北鮮側はこの機関に加入しておりません。従いまして、日本側としては、近隣のそういう国から気象情報が参りませんので……失礼いたしました、ソ連自体は入つております、ただ、中共、北鮮が入つておりませんので、我が国としては多大の不便をこうむつておるわけです。
○委員長(佐藤尚武君) 非常に幼稚な質問か知れませんが、ソ連からは定期的に毎日気象の通報があり、こちらからも向うに通報している、こういうことなんでしようか。
○説明員(和達清夫君) 気象の情報は毎日何回となく無線で以てその国の状況を放送しております。これは、自国のためでもあり、又それを傍受して他国の気象資料にもなる。それは又場所によつてその近隣のものを集めてそして総合的に放送するということをいたす所もございます。ソ連はそれを規定通りやつております。我が国もやつておりまして相互にそれは利用されています。
○委員長(佐藤尚武君) そうすると、それは電報でなくて放送でやるわけですか。
○説明員(和達清夫君) そうです。
○羽生三七君 中共や北鮮が入らないというのは、何か国連に加盟していないという政治的なことで、純粋な気象関係の問題ではないのですね。
○説明員(和達清夫君) 政治的のことは私よく存じませんが、こういう仕事をしておるということは事実のようでありまして、一度前には気象のことを発表しておつたそうでありますが、その後そういうことをやめました。なお香港の気象台では、それを利用しておるように聞いております。
○委員長(佐藤尚武君) これは、又この条約に加盟するという問題とはかけ離れた問題でありまするけれども、ソヴイエトの気象通報というものは、例えばソヴイエト連邦の北方とか南方地区とか、或いは東部シベリア地区といつたような気象通報で、非常に広範囲の地区の通報を発しておるに過ぎないように私はモスコーにおりました時分に聞いておつたのですが、ところが、日本の気象通報というものは各県に分れて通報しておる。そういうのは一体やり方の違いなんですか。若しくは気象通報としては、日本のほうが細かく分けておるだけにそれだけ正確を期し得るというのでありましようか。どうも日本のように細かく分けて通報しておる所は、ちよつとヨーロツパ諸国には見受けないような気がするのですが、そういう点は如何ですかついでにお尋ね申上げます。
○説明員(和達清夫君) 只今のお話は、観測資料を放送することと、それを整理しまして天気予報にしたり、天気概況を作つたりして放送することに分れると思います。ソ連は国が非常に広うございましてたくさんの観測所がございますが、それらはかなり北から南まで、東から西に亘つてよく観測してそれを放送いたしております。そうして今度はそれから資料を得まして、各地における天気予報とか気象の概況を知らせるわけでありますが、我が国におきましては国の位置が大陸と大洋の間にあつて気象の変化がはげしい、而も山地が多くて局所的の気象の変化がはげしいというところから非常に細かくいろいろな気象通報をいたしております。併し広い国で地勢がそう変らないというような場所では、広い範囲のそういう気象通報をいたす上において余り細かくしないということも考えられます。
○委員長(佐藤尚武君) そうしますと、外国に対して、日本から気象の通報をやるという場合には、各県の気象通報ということはあり得ないので、やはり区域を限つて東北地方とか中部地方とかいうことにやつておいでなんですか。
○説明員(和達清夫君) 日本で放送いたします場合に、外国が聞いて世界の天気図を作るのに必要だというような場所を選定して放送するのもありますし、日本のうちとか或いは附近を航行する船舶にとりまして有用であるというような放送もあります。それによつて細かい範囲を放送することもあり、代表地点だけを放送するのもあります。
○佐多忠隆君 この機関に加盟すると分担金というようなものはどうなるのですか。
○政府委員(下田武三君) 二十四条に分担金のことをきめておりますが、実際におきましては日本は三十二単位、と申しますことは米ドルの約九千ドルの分担金を負担することになる次第であります。
○佐多忠隆君 これはWMOは国連の未開発国技術援助計画に参加することを決定したということになつているのですが、そういう技術水準からいつて、日本の気象の技術というようなのはどこいらの水準にあるのですか、世界的に言うと。
○説明員(和達清夫君) 私の口から申上げるのも何でございますが、日本の気象事業の機構、それからそこに働いておるところの人の素質、こういうものにつきましては私は世界において日本の気象事業は決して恥かしからんものだと思います。但しその施設、まあ機械力とかいうようなものにおきましては先進国に比べて多少遅れておることは止むを得ないと思います。
○佐多忠隆君 その先進国というのはアメリカとか、どこかそういう第一級のものに比べてという意味ですか。
○説明員(和達清夫君) そうです。
○佐多忠隆君 もつと二級、三級というものと比べてはどうなんですか、施設としては。
○説明員(和達清夫君) 不幸にして私はアメリカしか存じませんのでありますが、アメリカは確かに非常に機械力が進んでおりまして、能率増進をしております。カナダへ参りましたがやはり多少遅れておるようでありますが、気象通信の機関などは共通しておりますから、アメリカ同様進んでおつたようであります。それから察しますと、大陸方面におきましては機械力はアメリカほどではないと思いますけれども日本よりは進んでおると思います。
○佐多忠隆君 その技術援助の問題、ここにイスラエルとか、ユーゴ、リベリヤ、ドミニカ、イラン等々が考えられておるのですが、もつと日本がこう直接に関連のあるいわゆる東南アジア諸国、インドだとか、パキスタンだとか、インドネシアだとか、フィリピン、ビルマ等々にはそういう技術援助は問題になつてないものかどうか。それから問題になつた場合には日本からも、例えば専門家を派遣するとか何とかいうようなことは技術者として能力的にはそういう能力がありと見ていいのかどうか。その辺はどうなのか。
○説明員(和達清夫君) 技術援助はその国の要請によつて行うことになつておりますので、そういう東洋の諸国は未だに要請がなかつたのではないかと思つております。なお日本からはイスラエルの気象技術の援助について二名の候補者を推選いたしまして、若しもそれがWMOの事務局で選考されますならば、私どもの役所から送りたいと思つております。
○佐多忠隆君 その東南アジア諸国、特にビルマとかインドの諸国が技術的に非常に遅れておる、技術的な協力の問題で日本からも援助をほしいというようなことを言つておるのですよ。私去年行つたときもそういう話を聞いたのです。それでお医者さんとかその他はやれるのだという話をしたのですが、そういう問題で若し向うが希望すればこつちからそういう専門家を派遣し得るものなのかどうか。それからそういう援助をするような資格の人なり何なりというものが、世界的な水準の資格があるのかどうか、その辺はどうですか。
○説明員(和達清夫君) 私どもは詳しく極東の国々の事情を知らないものでございますから、口はばつたく申すわけではございませんが、日本の技術者がそこへ技術援助に参る資格は十分あると考えております。又役所といたしましてもほかならんそういうことのためには、事務に支障ない限り出したいというふうに考えております。
○委員長(佐藤尚武君) ほかに御質疑はございませんか……別に御発言もないようでありますからして、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) では質疑は終了したものと認めます。 次いでこれより討論に入ります。御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを頂きます。別に御発言はございませんか。
○佐多忠隆君 私は加入についての承認に賛成をいたします。ただ今質疑応答の場面においてもちよつと問題になりましたが、中国だとか朝鮮、そういう所がまだ入つていない所もあると思いますが、これらはいろいろ政治的な理由もあるかも知れませんが、幸いに昨日今日に休戦も成立をし、更に最高政治会議では中共の国連加盟というような問題も発展をして参ると思いますので、私たちとしてはそういうことも更に日本の立場から促進しなければならないと思つておるのですが、そういう問題に調子を合せてそれぞれの国々もこういう条約にこそ入つて来て、世界平和、世界は一つという形の姿が打出されるように努力されることを特に希望を附して、更に東南アジア諸国において、技術援助等々の問題について、単にヨーロッパ諸国或いはアメリカから、そういう気象の問題について技術的な援助が東南アジア諸国になされるのみならず、日本からもそういう場合には積極的に援助の形で技術家専門家の方々が多数出かけて行つて協力をし、以て東南アジア諸国との協力関係を更に広範なものにする、そういうよすがにもするように努力をされるよう希望をつけて本件に賛成いたしたいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) 別にほかに御発言はございませんか……別に御発言もないようでありますから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより採決に入ります。世界気象機関条約への加入について承認を求めるの件、本件について採決いたします。本件を原案通り承認することに賛成の方々の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件は原案通り承認すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本件の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりまするから、本件を可とされた方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 徳川 頼貞 加藤シヅエ 草葉 隆圓 小瀧 彬 中田 吉雄 羽生 三七 佐多 忠隆 —————————————
○委員長(佐藤尚武君) 次に戦争犠牲者の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジユネーヴ諸条約への加入について承認を求めるの件を議題といたします。質疑のある方は順次御発言をお願いします。……別に御質疑はありませんか。……別に御質疑もないようでありますので、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) それでは質疑は終了したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言はございませんか。……別に御発言もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。 それではこれより採決に入ります。戦争犠牲者の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約への加入について承認を求めるの件を案件といたします。本案件について採決いたします。本件を原案通り承認することに賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤尚武君) 全会一致であります。よつて本件は原案通り承認すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは前例通り委員長に御一任願います。 それから本院規則第七十二条によりまして委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますから、本件を可とされた方々は順次御署名をお願いします。 多数意見者署名 徳川 頼貞 加藤シヅエ 草葉 隆圓 小瀧 彬 中田 吉雄 羽生 三七 佐多 忠隆 杉原 荒太
○委員長(佐藤尚武君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤尚武君) 速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十一分散会