外務委員会 第5号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/06/30
会議録
○委員長(佐藤尚武君) それでは只今より外務委員会を開きます。 後刻外務大臣が出席されることになつておりますが、その前に航空業務に関する日本とオランダ、スウエーデン、ノールウエー、デンマーク、タイ、これら各国との間の条約に関しまして政府委員から提案理由の説明をして頂きます。
○政府委員(下田武三君) 只今議題となりました航空業務に関する日本国とオランダ王国間、日本国とスウエーデン間、日本国とノールウエー間、日本国とデンマーク及び日本国とタイ間の協定、五つの協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府はかねてオランダ、スウエーデン、ノールウエー及びデンマークの各国との間に航空業務に関する協定締結り希望を有しておりましたが、昨年十二月に専門家をへーグ及びストツクホルムに派遣し、協定締結の予備交渉を行わしめましたところ、当事国関係者の意見がまとまりましたので、その結果に基きそれぞれの政府との間に正式交渉が行われまして本年二月十七日にオランダとの間の協定がヘーグにおいて同二月二十日にスウエーデンとの間の協定がストツクホルムにおいて、同二月二十三日にノールウエーとの間の協定がオスローにおいて、同二月二十六日にデンマークとの間の協定がコペンハーゲンにおいてそれぞれ署名されました。又タイとの航空業務に関する協定につきましては、本年五月以来バンコツクで予備交渉を行なつてまいりましたが、先に関係当事者間の意見がまとまりましたので、その結果に基き、タイ政府との間に正式交渉が行われまして、本年六月十九日にバンコツクにおいてこの協定が署名されました。 これらの五国のうち、スウエーデン、デンマーク、及びタイの航空機業に対する暫定的の免許期限も本年七月十四日に切れることになりますので、この際これらの五つの協定を一括して御審議をお願いいたしまして、成るべく速かに御承認下されんことをお願いいたす次第でございます。以上でございます。
○委員長(佐藤尚武君) 只今諸協定の提案理由の説明を聴取したわけでありまするが、丁度外務大臣が来られましたので、この協定の問題は後刻に譲ることにいたしまして、直ちに外務大臣に対する質疑に移りたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) それではそのようにいたします。
○委員長(佐藤尚武君) 佐多委員から発言を求められております。佐多委員。
○佐多忠隆君 MSA援助に関する取扱、特に閣議における取扱の問題でございますが、何か伝え聞くところによると、今日交渉の申入をされたというようなことを聞いておりますが、その点の経緯を先ず詳しくお願いいたします。
○国務大臣(岡崎勝男君) MSAの問題につきましては、二十六日の回答を検討しまして、こういう趣旨であれば協定を結ぶ目的を以て交渉することは差支ないという結論に達しましたので、本日アメリカ大使館に対しその趣旨の申入をしまして、つまり協定締結に関して会談を行いたいという提議をいたしました。
○佐多忠隆君 それは今日閣議の決定か何かに基いてそういう申入をされたのであるのか、閣議での取扱の方法はどういうことになつているか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 本問題は閣議の決定を要さないという結論に達しましたので、閣僚に報告をいたしまして、それで申入をいたしました。
○佐多忠隆君 閣議決定の必要としないというのはどういう理由からですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは行政官庁はおのおのその職権を持つておりまして、外務省の有する権限の範囲内の問題であるからして、一般的なうこの前の報告によつて閣僚が了承すれば差支えないということであります。
○佐多忠隆君 外務省単独でそういう了解に基いて申入をされたというお話ですが、二十六日の閣議では、我々が新聞を通じて知るところは交換公文についての意見の交換が行われて、受諾を前提に関係閣僚が具体的の条件などについて検討をするということにいたすという了解が成つたというふうにお聞きしているのですが、そういう関係閣僚の具体的な条件などについての検討はすでに済んで、それらをお話合の上に今日のような決定になつたのかどうか。
○国務大臣(岡崎勝男君) おつしやるようなことは閣議では話に出ておりません。併し関係閣僚に相談すべき事項は勿論相談いたしました。
○羽生三七君 只今の説明でちよつとお尋ねしたいのですが、先に伝えられた木村保安長官の五ケ年計画云々ということは別といたしまして政府がこのMSA援助を受けるについて、これが日本の軍事上、軍事上と言う言葉は政府側の言葉を引用するわけですが、或いは経済上、自立上日本の発展にとつて好ましいものであるという結論から若し本日三十日協定について申入をされるとするならば、明確な五カ年計画を持たないにしても、例えば軍事援助についてはどの程度、経済援助についてはどういう利益があるのか或いは技術士についてはどういう影響があるのか、そういう何らかの具体的なつまり政府が見て日本の発展向上に役立つと考えられる何らかの具体的な資料がなければ、ただ話をしてみたら好ましいというだけでは私たちは了解しにくいのです。従つて今申上げた点について若し好ましいものと推量される点があるならばどういう事実について好ましいとお考えになるのか、これを一つ御説明願いたいと思います。
○国務大臣(岡崎勝男君) 我々はMSAに関するプリンシプルを確める必要がありまして、一般的には法律及び各国との協定等を見ればわかる問題でありますが、これが日本に適用される場合にどうなるかということについて、プリンシプルをはつきりさせることによつて受諾が好ましいかどうかということはきまると考えております。 そこでまあ非常に妙な例をとりまするが、よくいわれるように保安隊の海外派遣というようなことはあるかないかとか、或いは日本の経済の安定ということが根本になつて、その安定を崩さない範囲において防衛力の漸増も考えるし、又各国との協調ということも考えるんだという趣旨、又は軍事的の義務というのは何であるか、これが安保条約ですでに日本が履行している義務の範囲を出でないものであれば差支えないが、新たなる義務を負わなきやならんとすれば考慮を要するというような点で、先般の質問書になつたわけであります。それによつて回答は我々の考えておるプリンシプルに相反しないと思いまするから、ともかく交渉を開始することは差支えないと思つて、受諾をするかしないかにつきましては今おつしやるような具体的ないろいろな問題がありましようからして、これを一々交渉をしてみなければ最後的の結論は出ないわけであります。 併し今まで日本が受けるかどうかという具体的の事実については、政府の態度をコミツトすることを欲せなかつたために、交渉等は予備的にもいたしておらないのは、しばしば申した通りであります。従つて日本に対して如何なる具体的条件があるかということは、我々が今後交渉してみなければわからないのであつて、今までのところはその点は触れておりません。
○羽生三七君 仮にMSA援助を事実上承認するというようなことになれば、当然米国からいわゆるカントリー・チームが日本に派遣されることになると思いますが、その場合に各国の例を見ると軍事援助それから経済、技術援助等、その性格の異なるに従つてその派遣されるチームの構成も全く異なるようですが、仮に日本がそういうものに該当する場合には、どういう性格のチームが日本に来ると予想されるのでありますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これも宙だ今ここでお話するほどに私は材料を持つておりません。このカントリー・チームなるものが日本において如何なる特殊の権限があるか、又如何なる種類の人が来るか、これも援助を受諾するかどうかの一つの判断の材料になるわけでありまして、一般的には諸外国の例を調べておりますが、日本に関する部分についてはまだ今後の交渉に待つ必要があると考えております。
○羽生三七君 もう一つ。これは外国の例を見てわかつておることだつたらお知らせを願いたいのですが、まあ一応そういうような原則上の問題でいろいろお話もあると思いますけれども、具体的な問題が進行しなければ何とも答えられないことだと推察いたしますが、仮に外国の例から見て、日本の軍事援助というような形でのこのチームが派遣されて来た場合には、それは日本の保安隊の例えば増強とか、まあ海外派兵というようなことは、この場合論議することは別といたしまして、保安隊の増強というようなことについても装備なり人員等について何らか勧告するような権限を持つなり或いは指示するなり、そういうことがあり得るとお考えになりますか、これは外国の例から見ての考えでよろしうございます。
○国務大臣(岡崎勝男君) これば全く外国の例でありますが、一般的に言つて外国に派遣されておる軍事援助顧問団の任務というものは、当該政府と協力して完成兵器援助計画の実施、海外調達に関してアメリカ陸海空三軍の調達官との連絡調整、軍事訓練計画の実施、この三つが主なるもののよろであります。
○佐多忠隆君 今日交渉の申入をされた、六月三十日にされたということなんですが、この問題についてはすでに早くからアメリカの会計年度予算の審議等の関連において、六月末までには何かそういう申入をしなければならない仕儀になつておるというようなことが、外務省の各局長から随所でお話があつて、それに対してそういうことがあるのだがそれをどう考えるかという質問を、総理大臣、外務大臣が受けられたときに、そんなことは全く知りません、存じません、それからそういうばかなことはないし、そういう問題は下僚が云々すべき問題じやないというようなふうにそれを打消しておられたのですが、にもかかわらず事実ははつきりとこういうふうに出て来たのですが、これらの点について外務大臣はその責任をどういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私は理窟から言つてまだ何も六月中に申入しなければならんというふうには考えておりません。全体申入れたつて受けるのか受けないのかわからないのですから、協定ができなければ実際に受ける意思はきまらないし、仮に協定ができても国会で承認されなければ受けられないのであるから、単に交渉を開始するということの申入が六月中にあつたところで、技術的には何の意味もないと思います。従つて今日でなくても、明日でも或いは一週間あとでも差支えないと思つております。ただ事実上そういう運びになつたので、丁度今日も閣議がありましたから報告して申入れたのでありますが、どうも私はまだそれは……佐多君はどうお考えになつておるか知りませんが、私の知つておる範囲では、そういうふうに六月中に少くとも申込まなければならんという理窟はどうも考えられないのです。
○佐多忠隆君 まあそういう理窟は考えられないにかかわらず、今日急遽発表されたので、事実は偶然かどうか知りませんが、非常に末日に処理されたということになつておるので、我々はやはりその点については外務省の局長その他上村公使もはつきり明言されていたのですから、そういう人たちの見通しがあつたにもかかわらず、それをひたすら否定をし隠して来られた政治的な責任は非常に重大だと思うのです。それは意見の相違になりますから、その点はそれではのちの問題に譲ります。 その前に私たちがすでに一、二カ月前から、この国会が始まつた頃からやかましく言つておるのですが、一九五四年の相互安全保障プログラム、それからそのプログラムの説明書が出ておると思うのです。それからそのプログラム説明書を基にしたダレスそれからスタツセンの説明、これは今日遅まきながら頂いたようですが、それ以外にウイルソン国防長官、ハンフリー財務長官がそれぞれ詳しい説明をしておると言つていたのですが、そういうものはいつお出しになるのか。もう資料を要求してから二カ月近くになると思うのですが、いつお出しになるのか。更にMSAの援助に関する聴聞会の議事録、千三百頁に亙るとかと言われておるその議事録は早急に出して欲しいということもお願いをしてあるのですが、これもいつ一体お出しになるのか。更に新木大使は相互安全保障法に関する非常に詳しい報告を出して来ておられると伝えられておりますが、それらも是非国会に御提出を願いたいとお願いをしてあるのですが、それもまだ出ておらない。いつ一体そういうものをお出しになるおつもりなのか、御答弁願います。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは主管局長から。
○政府委員(土屋隼君) 当委員会から御要求のありましたことを承知いたしまして私どももこういう材料の収集についてはできるだけ努力をして参りましたが、いかんせん、只今申されましたような材料はようやく最近手に入れまして、事務当局が見ておりますが、御覧のごとくここにありますようなこういう資料でありますが、これはアメリカのガヴアンメント・プリンチング・オフイスでも出しておるものですが、部数が少いので、私どもも一部若しくは二部しか持つていないのであります。従いまして御要求に応じまして全部出すということは到底困難な事情もございます。そうして私どもといたしましては、至急に内容を検討いたしまして、当委員会で必要だと思われる部分について出し得べくんば出したいと考えておりますが、先ほど申上げましたように、何せ多いものですから事務に追われますので、まだ御希望に副い得ないのを遺憾に存じます。新木大使からの報告は一応新聞にも報告された通りでございまして、それ以上の詳しいことは私の承知する限りにおいてはまだなかつたような気がいたしますが、これも至急取調べまして、若しございますれば御希望に副うように努力したいと考えております。
○佐多忠隆君 新木大使の資料のごときはすでに早くから私たちは要求しておるのですが、それのあるなしすらわからないというのは怠慢だと思うのですが、その辺の事情はどうなつておるのですか。
○政府委員(土屋隼君) 新木大使からの報告といたしまして、恐らく皆さんの注意を引きましたのは、新聞紙に発表せられましたいわゆる新木大使報告だろうと思うのでありますが、これは実は内容が非常に簡単なものでございまして、新聞に出たところより何にも出ないわけでありますが、それから又当時来まして直ぐ発表された関係上、非常に英文と日本文との間の食違いもございましたので、私どもの方で整理をいたしてございますから、これはお手許に差上げることはできると思います。
○羽生三七君 ちよつとこの質問は外務大臣にはどうか、むしろ大蔵大臣或いは通商産業大臣が適当かと思いますが、併し一応プリンシプルとしては好ましいかというお話が先ほどありましたので、それとの関連においてお尋ねしたいことは、例えば昨日の本会議でMSA援助に関する各議員の質問があつたわけですが、その際一部の議員のかたが、ヨーロツパその他若干の諸国を引例されて、却つてMSA援助によつてその国の経済的な諸条件が困難になつておるので、これを脱却することを希望するということを発言されたのでありますが、脱却することがいいかどうかわかりませんが、それを想像するに、MSA援助を受諾した国が、それに相当する自己負担というものを当然持たなければならん、その自己負担分がやはり予算化されて行く場合に、これが非生産的な消費財の生産でありますから、経済の自立と発展の上に余り役立たない、それが漸次増大して行つて、結局援助より貿易という工合に各国がなつて来たということは見逃すことのできない事実だと思います。すでに世界がそういう方向に向つておる時期に、日本が時期的にずれて逆にこれから貿易よりも援助とは、たしか日本では言はないと思いますが、援助より貿易をという世界的な情勢とは逆の方向に何か進んでおるような気がしますが、若干の援助を受けて、而もそれによつて日本の自己負担分、防衛関係諸経費が非常に増額して行くような場合に、果していうところの自立経済の発展向上というようなものにMSAが役立つものであるかどうか。これは外務大臣に言うのはどうかと思いますが、併し一応関係があることと思いますので御所見を承わりたいと思います。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは細かいことは私の所管ではありませんが、プリンシプルとして私どもは日本の経済の安定が先ず考えられるべき先決要件であるということをはつきり申しておきます。先方は同じ言葉は使つておりません、必須という字を使つておりますから多少ニユアンスは違うと思いますが、併し先方も原則的にはこれを認めたわけです。私は保安隊を必要としないという議論、或いは保安隊を増強することは必要としないという議論であれば、これは根本的に考えが違いますからいたし方ありませんが、保安隊も人員は増加しないにしても内容をできるだけ充実して行くということにするのは好ましいと我々は考えておるのであります。そのためには若し援助を受けられただけ国内の産業を圧迫するような非生産的な、といつてはちよつと語弊があるかも知れませんが、保安隊に必要な武器等を国内で調達しなければならない、それを若し援助を受けて行き得るならば、それだけ国内の産業に対する圧迫が減ずるのでありますから、私はその点では受けることが望ましいと考えております。 なおヨーロツパ諸国の例も事務当局としては十分研究しまして、向うはもうそろそろ変つた考えになつておるのに、日本はこれから援助を受けるのはおかしいじやないかと言いますが、実はそういう点も考えまして、各国の経験も参考にした上で援助を受けて交渉にも入るというつもりであります。
○佐多忠隆君 それでは今の諸外国における実施状況の調査もあるはずですから、これも前から詳しい調査なり資料をお出し願いたいといつておるのですから一つお出し願いたい、いつ頃出して頂けますか、急いで一つお願いいたします。
○政府委員(土屋隼君) 御希望の点は私ども承知しておりまして目下整理中でありますが、如何せんこれにつきましては各国で全部が発表になつたわけではありません関係上、お取上げのような点について、果して御希望のような書類が出せますかどうか甚だ心もとないのでありますが、整理して提出できるように努力いたします。
○佐多忠隆君 閣議で交渉を申入れられたというお話ですが、今後その交渉はどういう構成で、どういう手続でどれだけの期間に大体進めて行かれるお見通しか、その辺を大臣から御説明願いたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) まだ向うと話しておりませんのでこれは一方的にきめるわけには行きませんが、私の考えでは交渉を担当する人間はできるだけ簡単な少い人間でやりたいと思つております。いつ頃まとまるか、これはまだ実は全然日本に関する交渉というものはしておりませんから見当はつきませんが、ちよつと見ると早くまとまりそうに見えますが、いろいろの点を十分たしかめてとなると、やはり相当の時間がかかるのではないか、これは併し十分話してみないと今のところ見当がつきません。
○佐多忠隆君 今後の交渉はどういうものを交渉されるのか、相互安全保障法が日本に具体的に適用される場合にどういうふうになるか、どういうような問題なのか、更にはその他の相互協定のようなものでもおやりになるのか、更にその協定の実施細目、そういうものまで同時に併行的におやりになるのか、その辺はどういうふうなお見通しか、又準備しておられるか、詳しく御説明願いたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) 結局最後の話合のまとまつたときは、それは協定の形になるだろうと思つております。これは五百十一条にもそういう協定ということが書いてあります。各国でも協定を作つておるようでありますから協定になるだろうと思いますが、これもまあ私が今正確にそうするのだということではないのであります。それからそれに関連していろいろ問い質さなければならんこともありましようし、又議事録等に残さなければならんこともありましようし、いろいろな種類の問題があると思いますし。先方の意図するところも、プリンシプルはこの間の回答でわかつておりますが、今度具体的な問題になりますと、これを更に詳細にはつきりさせる必要がある、こう考えております。
○佐多忠隆君 大体結果においては協定になるだろうというようなお話ですが、その場合に協定というのは、内容的にどういうものを協定するようなことになるのか。これはまだやつてみなければわからないとおつしやるかも知らんが、すでに外務省のほうで詳しくお調べになつたから、各国の先例ははつきり出ておるわけでありましようし、今日あたりの新聞を見ると、ユーゴとの協定がひな型になるのじやないかという推測の記事も出ております。それらの点はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 大体私は想像で言うのでありますが、五百十一条の六項目を日本に当てはめた形において協定の内容にして、それの前後に協定としての必要な、例えばいつから発効するとか、どういう場合にこれはやめるかというようなものも付けるような形になるのじやないかと思います。
○佐多忠隆君 そうすると、協定は非常に簡単なものになるだろうと思うのですが、それと同時に実施細目等々のことは同時に協議し、同時にきめるというようなことになるのか、一応協定だけをおきめになつて、更に実施細目は後に残されるのか、その辺はどういうのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これも実はやつてみなければわかりませんが、私の考えでは協定だけ作つて、実施細目は全然あと廻しというわけには、ちよつと日本としては行きにくいのじやないかと思います。同時に全部済まないにしても、実施細目の大体の要点はこのくらいのところであるということは、はつきりわかる程度にはしなければ、協定を作り上げるわけに行かないと、こう思つております。
○佐多忠隆君 そうすると、それは大体どれくらいで上げられるというおつもりなんですか。ということは、一体この国会が七月一ぱいですがそれくらいで済まして、従つて国会におかけになるのか、それとも国会には間に合わないとしてあとに送つてしまわれるのか、その辺の見通しはどういうのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私はできれば国会にかけたいと思つていますが、七月一ばいで終るとすれば、例えばこれから交渉を始めるのですが、これが来月七月の幾日かに始めて七月の仮に二十日までに終つたとして、衆参両院に五日ずつしか審議の期間がないというようなことでは、なかなかむずかしいのじやないかと思つておりますが、全体その二十日というと、明日から始めるというわけにも行きますまいへ両方の準備もありましようから。そうすると、二十日も期間がないとすると、その間にまとまるかどうか、ちよつと甚だ疑問に思います。まあできるだけ努力して早くまとめる、交渉をやり出した以上は早くまとめるという、こう いうつもりにはしております。
○佐多忠隆君 そうすると今度の国会の審議にかかるかどうかわからないし、従つてそうなると、国会の審議にかけないできめてしまつて、あとから批准をさせられるというようなことにもなりかねないと思うのですが、やつばりこういう重要な協定なり実施細目にしても、一つ一つの細かい問題までは必要ないと思いますが、その協定なり実施細目の大綱なり方針なりというようなものは、すべからくそういうものをおきめになる前に国会にお示しになつて、十分に国民の意見も聞きながらおきめになる必要があると思うのですが、そういうことをされる用意があるかどうか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私の考えでは、法律論とこれは実際問題と二つあると思います。法律論としては、これは憲法学者が誰でも意見が一致しているところと信ずるのでありますが、要するに調印と同時に効力を発生する条約や協定は、調印の前にかけるというのが事前の承認であつて、調印のあとにかける、例えばこの間、平和条約発効後一年間のうちに、これこれの条約に加入するという平和条約の一部の宣言がありますが、その宣言を実行しようと思つて国会に条約をかけておつたところが解散になつてしまつた、四月の二十八日までに国会の承認を得られなかつた。そこで先ず加入しておいてあとから国会の承認を受けた、これは事後の承認です。併しこれは加入なり調印なりと同時に効力を発生する条約についての問題であつて、原則としては調印と同時に効力を発生する条約なり協定なりは、調印の前に国会の承認を求める。併し批准条項の入つておる条約は批准行為の前に国会の承認を得るのであつて、調印の前に国会の承認を得るのでない、調印をして初めて条約の形態が国会に提出せられるようにきまるのであつて、その前に国会の承認を得るという方法はない、調印してから国会に提出して、その承認を得て、そうして批准をして効力を発生する。これが私は憲法に言う事前事後の関係だと思います。 併し実際上の問題としては、国会の承認を得るのではありませんけれども、できるだけ国会にこういう問題を報告してその理解を深め、そうして延いては国民の間における理解を深めるために、できるだけ質問に対しても答え、又報告すべきことは報告して行くのが常道だと思います。 従つてそういう意味の国会との連繋は十分とるつもりでおりますが、国会の承認を求めるということになりますと、これは条約なり協定なりの形にもよりますが、いずれにしても効力発生前に、即ち国を拘束するような条約の締結という行為の前に国会の承認を求めるのが、法律論だろうと思います。
○佐多忠隆君 そうすると、この法律論は別として、事実的には交渉の進捗の状況なり、それからこちらから出されるものの大綱なり方針なりは、たびたび国会にも提示してもらい、国会の意見も十分聞いてもらうということは考えておられる、こう了承していいのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) その通りであります。勿論併しそれには一つの制約がありまして、交渉上相手国との間で決定までは秘密にしておきたいというような問題があれば、これは別であります。そうでない範囲においてはおつしやるようにいたしたいと思います。
○佐多忠隆君 内容の問題に入りますが、そうすると今度交渉をしようとされるこのMSAの援助が、日本に具体的に適用される場合の内容はどういうものになるのか。ということは軍事的な援助なのか、経済的な援助なのか。それから方式として、完成兵器でやられるのか、或いは資金で来るのか。それらの割合はどれくらいだというふうにお考えになつておるのか。その辺の内容を少し詳しく見当を御説明を願いたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私は形式としては、保安隊とか警備隊に対して、直接に米国で作つた品物が供給される、こういういわゆる現物式のものが直接には相当あると思います。それ以外に只今でも一部やつておるようでありますが、保安隊等の必要とする品物を日本の会社に注文してそして日本の会社からそれをアメリカが一旦買取つて、これを保安隊に渡すという、このやり方でございます。この二つが只今考えられるところでありますが、そのほかに例えば日本の防衛産業と言いますか、そういうようなものに対する援助があるかないか、これは今後の交渉によると思います。 それからいわゆる直接の援助じやありませんが、外貨の上から言えば日本の外貨取得の一つのアイテムになる、いわゆる域外買付と言いますか、こういうものについては、アメリカの二十六年の回答にも、その増加の可能性があるというようなことを言つておりますから、こういうものは間接的なものでありますが、そういうものも相当あるのじやないか。こういう点はいずれ交渉になりましたならば、できるだけ先方の考え方をはつきり確めたいと思つております。
○佐多忠隆君 そうすると、今はつきり言えることは、軍事援助だけははつきりしておる。而もその軍事援助のうちの大部分が完成兵器の形で来るだろう、そのことははつきりしておると、こういうふうに了承していいですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 軍事援助というと日本に軍隊がないのでちよつとおかしな響きをしますが、保安隊に対する援助であります。それは確かに来ると思います。
○佐多忠隆君 言葉のごまかしでなく、向うの対外援助プログラムには、ちやんと軍事援助いくら、経済援助いくら、技術経済援助いくらというように、項目がちやんと分れてある。そこは日本で都合が悪いとか何とかいう便宜の問題じやなくて、性格をはつきりするために一つはつきりお答え願いたいのですが、今おつしやつた完成兵器、或いはドル資金の形で来る援助は軍事援助であるかどうか、もう一遍はつきり御答弁願いたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) 軍事援助というのは、保安隊に来るような品物は、完成兵器であろうと何であろうと、そういうものをあなたがお指しになれは、これは言葉でありますので、どちらでもいいのでありますが、ただ私が言いたいのは、たびたび言うことでありますが、MSAの援助というのは、世界の各国を相手にやつております。世界の各国は極く少数の例外を除いては、日本のように軍隊を持つていないという国はないのであります。従つてMSAの法律を作るときに、相手国に軍隊があるという前提の下にこの法律ができておるのは当り前の話なのであります。従つてこの法律の適用の場合には、英米法で始終やりますように、日本のような特殊の国柄に対しましては、特殊の考慮を用いて例外的に措置をやるのは当り前でありますから、それが日本においての適用はどうなるかということは、外国を見ただけではわからないと私は始終言つておる点であります。従つて今おつしやるように、軍事援助というのは軍隊に対する援助だというふうに一般にとれやすいので、私は常に、軍隊は日本にないので保安隊に対する援助であると申上げておるのであります。
○佐多忠隆君 おかしなことを聞くのですが、援助プログラムの中で軍事援助だとか、経済援助だとか、技術経済援助だというようなカテゴリーははつきりしておると思うのです。受けるものが保安隊であろうと何であろうと、何をあのプログラムの中で軍事援助と言い、何を経済援助というかということははつきりしておると思うのです。例えば一九五四年度のプログラムの中でもはつきり説明の中に書いてあるように、軍事援助、即ち友好国及び連合国の防衛努力に対する武器供給及び直接援助、これを軍事援助という、こういうふうにはつきりカテゴリーはきまつておると思うのです。 更に経済援助については、いわゆる防衛資金援助、欧州及びアジアの国家財政が防衛増加により破局に入ることを防止する目的でやるのが防衛資金援助と、これが経済援助の一つなんだということははつきり言つておると思うのです。受ける方が何だかんだとかいう言葉の使い分けじやない。そういうカテゴリーとして日本が今受けようとしておるのはどの性格のものになるか、それをはつきりお示し願いたいのであります。
○国務大臣(岡崎勝男君) 我々はそういう意味でおつしやれば、今言つた両方を受けたいと思つております。
○佐多忠隆君 それは外務大臣は両方受けたいとおつしやるかも知れないけれども、だから私はプログラムをはつきり出して頂きたい、或いはダレスの説明をはつきり出して頂きたいと言つておるゆえんなんですが、ダレスが五月五日でしたか合同委員会で言つておる説明は、日本は極東における共産勢力の進出の最大目的の一つである、日本は、日米安全保障条約に基いて経済力の許す範囲で、みずから直接的乃至間接的侵略に対する防衛の責任を次第にとることになつておる、この安全保障計画には日本の国内治安維持と、国土防衛のための武器を賄う資金が含まれているのだ、そしてこれは更に説明をしたところによると、その性格的にカテゴリツシユにいつて軍事援助であるところのものの中から、その軍事援助の中に中国その他一般地域に十億ドルを割当てておる、この十億ドルから日本にやる資金をさくのだということまではつきり説明しておると思うのです。そうであれば、その大部分が軍事援助であると言わなければならないと思うのですが、ダレスがそういうふうに証言しておることをひつくり返して、ダレスはそう思つておるかも知れんが、私たちは今それでもらうのでなくてもつとほかの項目からもらうのだというようにお考えになつておるのかどうか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 我々は先ほども言いましたように、保安隊に対する直接の武器の援助と、保安隊の必要とする武器とを日本で注文して買つてそれを保安隊に渡す、これが援助の直接の部分であろうということは、前に申した通りであります。併しそれ以外にもあり得るからこれは交渉の題目になるのだ、こう考えております。
○佐多忠隆君 だからそれ以外に例えば経済援助のところで幾らでしたか、濠州及び国民政府向け三億九千五百万ドル、ここいらから或いは持つて来ようというお考えかも知れませんが、それは若干はあるかも知れないけれども、今お話のように大部分は今言つたカテゴリーの一軍事援助というところからさく以外にない。向うもそういうことで予算を組んでおると思うのですが、従つてこれは受けるものは軍事援助なんだ、範疇的に言つて軍事援助なんだと言わざるを得ないと思うのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) それが軍事援助とおつしやるなら、それで私ども結構です。
○佐多忠隆君 そういう意味で軍事援助だと言わざるを得ないと思うのですが、そうだとすると、その中において先ほどちよつとお話がありましたが、完成兵器と資金の部分と、それがどれくらいの割合になるお見通しなのか。これは各国の先例なり、或いはすでにダレス、或いはハンフリー財務長官が説明しておるので、大体のお見通しは付いておると思いますが、その辺はどういうようにお考えになるか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これはまあいろいろ言われておりますから実際まだわかりません。一億五千万ドルという人もおるし、一億一千何百万、一億二千何百万、いろいろ言われております。まだその内訳も、これが日本における発注がどのパーセンテージで、直接の完成兵器がどのパーセンテージか、これも実はよくわかりません。つまり交渉をいたす題目になるわけでありますからして、今のところは大体保安隊の現在の人員、それから今までの装備等から見まして大体一億乃至一億五千万という程度の範囲内だろうと思いますが、これは交渉してみなければわかりません。
○佐多忠隆君 それはだから一億一千万ドルなり或いは一億五千万ドルが軍事援助の中から割かれ、その中で完成兵器と資金の形で来るのとどういう割合になるのかということなんです。それは向うで証言その他でいろいろ話されておるところによると、向うで朝鮮に相当に武器を運んでおる、これか休戦で不心要になつて来た、あれをアメリカまで持つて帰るというのもなんだから、日本に持つて帰つてそこでそれをそのまま保安隊に援助として出すというようなことも伝えられておる。その辺をどういうふうにお考えになつておるか。こういう質問なんであります。
○国務大臣(岡崎勝男君) どうもそういう点はまだ資料も出しておりませんが、佐多さんの方が私よりかなり詳しく知つておられるようであります。私どもはそういう点についてまだアメリカ側の意向というものは何もサウンドしておりません。従つて今後の交渉に待つ以外にはお話する材料はないのです。
○佐多忠隆君 それが私たちは元来受けるべきじやないと思うのですが、仮に受けるという人でも、それが一番重要な問題でそれによつて受けるか受けんかがきまるのだということまで言われておるくらいなんです。ところが総理大臣も外務大臣も、大体検討してみた結果受けた感じからいえばプラスになると思うので受けるのだというような感じをお持ちになつておるのですから、その感じを持たれる前提には、その程度のことは、少くとも私どもが資料も何もなくて盲探しに探して調べたよりかもつと詳しく当局はお知りのはずなんですから、その辺はもう少しはつきりお示しになつてもいいのではないでしようか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私は額が多ければ受けるとか、額が少ければ受けないとかいう問題にこれを考えておらないのであつて、プリンシプルがはつきりしておつて、そうしてこれが世界の平和維持に大いに役立つと同時に、日本の防衛にも役立ち、且つ経済面にも寄与する点があるということであるならばその趣意に賛成なのであつて、従つて仮に額が思つたより少いという場合でも私は差支えないと思つております。従つて額が多いとか少いとかいうことは、これは多い方が今の日本の経済では恐らく望ましいと一応は考えますが、又逆には余りそういうものに頼るために自立経済の努力が薄れて行く心配もあるという議論もされておるくらいでありますから、必ずしも多くなければ受けないという議論にも私は賛成できないのでありまして、プリンシプルがはつきりしておつて、日本の独立なり或いは国内の治安なりに対して寄与するものであれば、プリンシプルとして受けて差支えない、こう考えるわけであります。
○佐多忠隆君 私は金額の総額の問題もさることながら、それより今一番問題にしておるのは、その軍事援助として受ける中で、完成兵器による援助と資金による援助とをどういうふうな按配になるとお考えになつておるか。これが日本の経済にどういう影響を及ぼすかということを判定する分れ道の一つになると思うのです。そういう意味でそれを聞いておるのですが、なかなか満足なお答えがないので、もう少し違つた角度からお尋ねをいたしますが、現在までに保安隊或いは警備隊が武器、艦艇を援助してもらつておる。それはどのくらいの種類のものか、どのくらいの量のものか、従つて金額にしてどのくらいになつておるか、そこからして検討すべきではなかろうかと思うのであります。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは私は保安庁に一つお確かめ願いたいのです。今までのところは外務省はタツチしておりません。
○佐多忠隆君 それではそれは保安庁に聞きますが、それでは従来そういう形で国防省の援助を受けていた武器援助その他と、今度MSAの援助を受ける場合に、それとの関連はどういうふうになりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) つまり今までのものをどういう形にするかということと、今後の援助をどういう形にするかという御質問だと思いますが、今までのものについては保安庁の方でいずれ相談をアメリカとするでありましよう。今後のものにつきましてはMSAの援助の形で来ると思います。
○佐多忠隆君 そうすると今までの艦艇、というと語弊があるのかしらんが、船或いは保安隊で援助されている武器、そういうものは全部今度はMSAの形に切り変つて、それの援助の形式になるというように考えていいのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) いや私の言うのは、今日まで受けている援助は何か保安庁とアメリカ側とで調整するでありましよう、こういうのです。今後MSAを受けるということにきまつてから来る援助はMSAという形で来るでありましよう。
○佐多忠隆君 そういう形で今後受けるものは、内容的にいつてどういうものが来るというふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これはもうたびたび同じことを繰り返すようですが、それがいろいろな証言から見れば、つまり直接交渉してないからはつきりしたことは言えないが、それが先ほどあなたもおつしやつたように、一億余りから一億五千万ドル程度の中で、完成したものと日本に注文するものに分れて来るでありましよう、こういうことであります。但しその内容等について何%がどつちということは、これから交渉してみなければわからないことであります。
○佐多忠隆君 現在まで保安隊で一年くらいの間に武器援助をしてもらつたものが、何か新聞あたりの報ずるところによると八千万ドル程度ある。そうすると、今後一億五千万ドルになるのか、一億一千五百万ドルになるのか、そのうちに従来の規模くらいの援助であれば、軍事援助の殆んど大部分は完成兵器による援助になつてしまう、ドル資金の援助というものは殆んどないという結論になると思うのですが、それらの点はどういうふうに見当をつけておられますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは保安隊にも、今の現状等から見て今後如何なる武器がどれだけ要るかというようなこともよく検討してもらわなければなりません。保安隊では恐らく検討していると思いますが、我々はまだそれを承知しておりません。又交渉してみなければわからぬわけでありますから、そのお答えはちよつと今私にはできません。
○佐多忠隆君 そうすると、その軍事援助の内容は、ダレスが証言したところによると、保安隊に完全装備をやるのだ、それから若干の小艦艇を供給するのだということを言つているようですが、そういうことから判断すると、軍事援助の大部分は完成兵器だということになると思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか、
○国務大臣(岡崎勝男君) それはもう今たびたび申しおるように、そのパーセンテージは私にはわからないのであります。わからないのであるが、海上警備隊等もまだ艦艇が足りない、必要であるということであり、且つ予算も要求しておるようであります。従つて、保安隊といわず、海上警備隊といわず、先ほど申したように、人員を増加しないにしてもその内容を更に整備するということは、国として必要であろうと私は考えるのです。従つてこれをアメリカの援助に待たなければ、国内の生産で賄う必要が出て来るものと思います。従つて守成兵器で来ようとも、その点では日本の経済には相当に寄与するものと考えております。で、そのパーセンテージはどうなるかはまだ今後の話合によるわけであります。
○佐多忠隆君 そうすると、今のような完成兵器の形で而も保安隊で完全装備をやるのだ、それから若干の小艦艇を供給するのだということになれば、当然に保安隊の増強という問題に結論付けられると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 只今のところは保安隊の増強というのは、これは厳重には言えません、五百人殖えたり、三百人激つたりする程度のことはこれは別ですが、何万人という増強は政府としては考えておりません。従つて現状において更に内容を整備するためなら、完成兵器等も必要なものは欲しい、こう考えております。
○羽生三七君 まだ時間があるのですか。大臣に時間があれば僕らにも廻して頂きたい。
○委員長(佐藤尚武君) いずれにしても時間が限られているでしようからして、どうぞ。そして又ほかの委員も大臣に質問があるでしようから。
○佐多忠隆君 もう少しほかの方面でそれじやお願いしますが、この間の交換公文によると、日本の防衛力の増大の基礎は経済安定、経済力の拡充に為るというような主張なり、質問をされていたように思うのですが、そうだとするとあそこから出て来る日本の要求としては、軍事援助でなくて経済援助をやれという要求になると思うのですが、その点はどういうふうなお気持なんですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私が質問しました趣旨は、防衛力の増強ということについては、経済の安定々先ず考えなければ、仮に武器が殖え人間が殖えたにしても、経済が不安定では実際上の意味の防衛力の全きを得られない。従つて先ず防衛力を殖やすとか何とかいうことでも、日本の経済に過重な負担を与えるような計画はやるべきものでない、こう考えて経済の安定ということが先ず第一の条件である、こう思うということを先方にいつて先方の意向を質したのであります。従つて経済援助をくれとか、軍事援助は余り要らないのだとかいう意味の経済の安定じやありません。
○佐多忠隆君 そうするとその場合に日本から出された質問は、先ず防衛力の増強の前提条件になるのは、日本の経済が安定をし発展することなんだ、それが先決条件なんだということをあの質問書では主張しておられるのですね。そうすると、その先決条件を解決することを要求されなければならないので、私は経済援助でなければならんという結論が出ると思うのですけれども、それはそうでないとおつしやるのだが、そうしたらこの質問の趣旨は違うのかどうか。ということは、日本ではこれが先決要件だと言つて主張されたのに、向うから来た答弁は先決条件とか何とかいう問題でなくて、考慮される必須の要件だ、従つてそれと並行的に勿論考えなければならないし、経済の安定を阻害してはいけない、併し経済の安定を阻害しない限りにおいては防衛力を増強すべきだということを主張し、要求をしておると思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは言葉を違えて訳したから非常に妙に響くかも知れませんが、先方の答えは「エツセンシヤル・エリメント・フオア・コンシダレーシヨン・イン・ザ・デヴエロツプメント・オブ・ジヤパンス・セルフ・デイフエンス・キヤパシテイーズ」こちらの方は「プリリクイジツト」と書いてある。向うは「エツセンシヤル・エリメント」と書いてある。これは何もいつもお疑いのような馴れ合いでやつたわけではないから、こちらの注文通りに向うがそうだと言つて答えなくてもこれは仕方がありません。併しこの言葉の意味からいいますとそうえらく違うような意味は出て来ないと思います。要するに経済の安定まで阻害して防衛力を漸増するというようなことではないという意味だと私は了解しております。
○佐多忠隆君 いやそういう返事をせられるのならば何も質問する必要はないのです。ちやんと安全保障法の中にはつきり謳つてあるのだから、これは改めて質問するほどのことじやないのじやないですか。改めてここに質問をされたのは、日本の特殊な状態から見て、しばしば外相が言われるように、日本は特殊な状態なんだからその特殊の状態から見て、日本に適用される場合には、あの安全保障法の考え方が特別に考えられなければならないから、そういうふうに特別に、特殊的に考えてくれということを内に蔵しながらこの質問を出されたのじやないか、こう思うのです。そうでなければ何にも意味をなさない。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私は決して意味がないとは思いません。これは一番大事な条件であるからいくらはつきりしておつても、日本にこの援助を適用する場合には、先ず確めておかなければならない最も重要な点だと思つております。
○羽生三七君 ちよつと今のに関連して。その場合に軍事援助だとか、経済援助だとか、技術援助だとかいうそれぞれの具体的な問題は、将来の問題としてそういうことを将来交渉される場合に、幾ばくのものを日本としては、例えば軍事援助のカテゴリーに入るもの、或いは経済援助のカテゴリーに入るものということを日本みずからアメリカに要請するなり交渉するそういう自主性というものは残されているのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) それは私は交渉に当つては当り前のことだと思つております。それを自主性といわれるのは不思議に思いますが、当然のことだと思います。
○羽生三七君 そういうことになれば、当然私は、先ほど来、佐多委員の言われている日本の自立経済の発展の過程からいつて、例えば具体的な経済援助、特にドル資金の関係と完成兵器との関係というものは、もう少し詳細になつておらなければ、どうも如何にプリンシプルだけが明らかだからそれで交渉の一応の返事をしたということだけでは、どうも納得できないと思うのです。 それからもう一つは、例えば完成兵器というようなもの、まあそれも自主性の問題になると思いますが、仮に交渉の結果相当な完成兵器が入つて来る。そうすると一応十一万の保安隊というものからだんだん近代的な装備をやつて行く。例えばジエツト戦闘機なんか入れるか入れぬかは別としまして、或いはそれにひとしいような性能を持つ飛行機とか、或いは更に高性能の各種兵器とか、そういうものがどんどん、まあアメリカとしては払下げものかも知れませんけれども、日本の今の保安隊としてはかなり近代化されたものにだんだんなつて行く。そういう場合に国内治安ということで説明されて来たようなそういう性格のものと遥かに異なつた、いわゆる近代的な、人員としては十一万に限定されておるけれども、かなり近代的な、今まで戦力論議等でしばしば問題になつた点に関連して非常な疑問を持てるような、そういう装備を持つ保安隊にならざるを得ない結果になつて来る。当然私はそういうことになると思うのです。これはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 保安隊の目的に必要な兵器を我々は考えておるのであつて、その内容について、これは保安庁で主管するものでありますから、外務省でとやこう言うべき筋合じやありません。併し政府としては、いわゆる憲法にいう戦力に及ばざるものということは頭にはつきりおいております。
○羽生三七君 これは少しお尋ねとしては変なお尋ねかも知れませんが、これを仮に日本が拒絶した場合に、必要でないという回答をされた場合に何か好ましからざる影響があるのでありますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私の考えでは、援助が来ないのと、それから援助ではありませんが域外買付というようなものが来なくなる。いわゆる特需みたいな形のものが来なくなる、こういうことだけだと思います。
○羽生三七君 従来の対日援助が債務であるかどうかという問題に関連して、問題がそういうところまで発展するようなことは予想されますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) そう私はアメリカは援助を押売しておるようには思いません。ただ援助をして各国が治安の維持なり世界の平和なりに役に立つように早くしたいと思つておるだけで、いやなのを無理に押付けるほどの熱心さもないようであります。いやなものを断つたからといつてこれでえらい反感を起すというような、そういうことは私はないと思います。
○佐多忠隆君 外務大臣のお話だと、いやなものを押付けるようなことはないというお話ですが、少くとも併しこの援助のいきさつを見ておると、これは日本からその援助を是非何とか考えてくれということを申入れられる、或いは希望を述べられたことはないわけですか、この点はどうですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) それはありません。
○佐多忠隆君 そうすると、日本の意思如何にかかわらず、向うではすでにこの三月だつたか五月頃からこういう計画をちやんと作つていて、而もかくかくの軍事援助の性格のものをかくかくの形式によつてこれぐらいの金額で日本にやるのだというようなことを、いろいろ計画もし説明もしおるのですが、そういう点からみるとむしろアメリカ側から非常に積極的にこれを、言葉は悪いが押売をして、そうして日本は受けたつてまあよさそうだからもらおうということになるようにしか、我々には感じられないのですが、その点はどうなのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 御承知のように日本は極く簡単に、数字は少し違うかも知れませんが、約年に八億ドルのドル不足を来しておるわけであります。外貨が足りないわけであります。それを埋めておるのはいわゆる特需であるとか或いは駐留軍が落す金であるとか、まあその他のもので受けておるわけであります。今までそれじや日本はアメリカとどういう関係にあるかというと、保安隊に対する援助、或いは警備隊に対する舟艇の援助というものをもらつておる。又国内において保安隊用の砲弾等もアメリカが注文して数千万ドルの額を支払つてこれを保安隊に引渡しておる。それから又域外買付に当るような特需というようなもの、或い新築といろいろなんままえがありますが、これもやつておる。こういう直接間接の援助によつて外貨の不足を相当大部分埋めて来たのが現状であります。従つて今までも受けておるようなものでありますが、それを昨年のMSAの場合には、まだ実は日本は独立する前で、向うは法律等作つて予算も編成しておるわけですが昨年は入らなかつた。今年は独立したので、今までの占領軍のいわゆる進駐軍を通じての援助じやなくて、アメリカの駐留軍がなくなつちやつたので今度はMSA一本の援助になる。内容については今までとそう変化があるものとは考えておらない。そこで我々は朝鮮休戦を前に考えて、アメリカの特需というものが一体減るものであるかどうかというようなことについても、アメリカ政府から余り減りそうもないような発表もあるわけであります。従つて我々としてはアメリカ側の立場から見れば、今までずつとやつておつた直接間接の援助、今度はこれが占領軍がなくなつた現在においてはMSAでやるのであつて、これがなければ日本側としても急に変化が来て困るだろう、こういう考えから今までのものをMSAに編入したものじやないかと私は考えております。従つてこちらからこうやつてくれということは言いませんでしたけれども、全体として日本の経済に急激なシヨツクが来るようなことはアメリカ側としても考えておらないでありましよう。これがMSAに日本を編入した一つの大きな理由じやないかと思つております。
○佐多忠隆君 そうすると今度のMSAの援助を若し受けるとすれば、この交換公文あたりでもはつきりしておるように、国内治安のためだけでなくて国土防衛のための自衛力、それを増強をするという義務を負うことになるのかどうか、義務としてそれを負うことになるのかどうか。
○国務大臣(岡崎勝男君) この回答書にはそういうことは一つもありませんん。ただ平和条約の五条の(C)項というものを引いております。(C)項は申すまでもなく自発的に日本に集団なり個別的なるところの安全保障に参加する固有の自衛権がある、こういうことをいつておるのでありまして、この自衛権を使う上に役に立つようにしたいというのが法の考え方であります。これをどういうふうに使うかというのは日本の自発的にきめることでありまして、従つて日本の政府が今までの考え方を変えない限りは従前通らに行く、こう私は思うのであります。
○佐多忠隆君 そうすると国土防衛に関しての義務は負つてないのだというふうに考えていいのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 国土防衛の義務というのは非常にむずかしいお言葉ですが、国民は皆私は国土防衛の義務は持つておると思います。ただ保安隊なり海上警備隊なんかが、直接侵略に対する防禦を目的としてできておるものでないということは明らかなことであります。併しながら直接侵略があつたときに国民は皆自分の国を自分で守る義務はあると私は思います。我々でもあると思います。併しそれとアメリカに対して義務を負つておるということとは別であります。アメリカに対しては義務は負つてない。
○佐多忠隆君 だから私は、防衛のためにアメリカの普通の安全保障法によれば、国土防衛のために個別的な防衛力を増強する義務を負わされることになると思うのだが、それは義務としては少しも負わされていないのだというふうにはつきり考えていいのかどうか。
○国務大臣(岡崎勝男君) それが私の言う日本においては特殊の事情であつて、軍隊はないのである。軍隊がない以上は直接の侵略に対する防禦を目的とするものはないものとして、これは安全保障条約によつてアメリカの軍隊がこれに当る、こういうふうにはつきりしております。
○佐多忠隆君 そうすると、今度新しく結ばれるであろう相互援助協定、防衛協定ですか、それにはそのことははつきり出されるつもりですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これはいつも自主的々々々と言われますが、私は日本の保安隊をどういうふうに使うかということは日本政府がきめることであつて、アメリカにそれに対する保障をもらうような条文をはつきり書くなんということはおかしいと思いますが、こういうことは勿論日本政府としては日本の態度をはつきりするべきであつて、条文に書くかどうかはこれは別であります。恰好としては私はおかしいと思います。併しはつきりさせることはさせるつもりでおります。
○佐多忠隆君 それからそれに関連して、それでは集団的な自衛権の行使の問題、集団的な自衛力を増強するという義務も従つてないというふうにお考えになりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 私は日米安全保障条約は、形は普通の集団的安全保障条約ではないけれども、併し一種の変態的ではあるけれども集団安全保障の一つの形式だと思つております。従つて日米安全保障条約にいうような、つまり直接の侵略に対してはアメリカ軍が当る、国内の防衛については日本の保安隊等が当る、この集団安全の形は当然日本としても引受けておることであり、又これをもつとよく運用するように努力することは当り前だと思います。
○佐多忠隆君 そうすると、交換公文のアメリカ側からの回答書の末尾のところで「自由世界の目的達成のために、合衆国から援助を受ける諸国が、自らを助けること及びそれぞれの間及び合衆国との間において最高度に協力する」とが或いは「援助を受ける諸国の努力を結合する目的のために」云々というような、ここの末尾で非常に強調をしていることは、何を意味しておるのかということをお聞きしたい。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは私などはこの前の外交演説で申した通り、日本政府の外交の基調は、自由主義諸国の提携強化にあると、こういうふうに言つております。その意味にはつきり当るものだと思います。我々は今までもそうでありますが、今後とも自由主義諸国との間の提携を強化するためにできるだけ寄与をする、日本も寄与をする、ほかの国も寄与をする、その趣旨においては我々の考えておることと同様であると考えております。
○佐多忠隆君 そういう抽象的な意味で言われておるならば問題はないのですが、併しダレスその他があのプログラムを説明したときに、非常に強調をしていることは、太平洋防衛同盟というようなものを結成をしなければならん、そういう意味での協力を、このMSAの援助を通じて日本に自衛力の増強をさせると、更には東南アジア諸国への援助を通じて諸国との緊密な関係を打立てる、そういうことによつて共同の防衛力を増加して行くのだということを主張しておる。それでダレスはその点をまだ若干ぼかしているようでありますが、議員諸君はそれを非常にはつきりあからさまに主張していると思う。今日の新聞あたりでも、二十九日の、新会計年度の相互安全保障法についての討論を開始した、その席上でスミス共和党議員は、アメリカ及び同盟国は団結をし共通の対アジア政策をとるべきだ、私は太平洋防衛条約の促進を要望する、アジアで我々は強力な日本の助力を必要とするというふうに非常に強調しておる。そういう意図を蔵したものというふうにしか我々は解釈できないのですが、その点はどういうふうにおとりになつておりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) 自衛力増強ということは私もやりたいと思つております。政府もそのつもりでおります。ただ国内の経済力その他の関係上、先ず経済の安定が必要であるから、今のところはかばかしいことはできないが、これは安全保障条約の前文にあるので、期待という字が書いてあるけれども、アメリカ側は期待するのだけれども、併し日本は期待にそむかないだけの努力を、経済的その他の条件が許すならばいたしたいと考えているのは、これは当然であります。従つてアメリカ側がその自衛力の漸増に役に立つような援助をしたいというなら、それは結構なことだと私は考えております。又東亜における諸国に対しては、例えば仏印で弾丸が要るとか或いはタイで武器が要るということもありましよう。これに対して日本としてはできるだけの寄与をするのは、これ又自由主義諸国の提携強化の土に当然のことであると考えております。ただそれが日本が損をしてまでやつては日本の経済が成り立たないので、損をしてまでやることは経済上から許さないけれども、一定の収益もありそうして国内の産業がそれらのために或る程度でも、動くということであつて、而も相下国に役に立つものならば最非いたしたいと、こう考えております。
○佐多忠隆君 そうすると自衛力の漸増ばやりたいというふうに返事されておりますが、そうすると、今度の援助の条件として、防衛計画というか、語弊があるならば自衛力漸増の計画は同時に提示をして交渉を進められなければならないのであるか。さつきの大臣の答弁によると、一般的な協定を結ぶのみならず、実施細目についてもいろいろ話合い、取極めをしなければならんだろうというふうに言つておられるが、実施細目をきめるとすれば金額にしてどのくらい、どういう種類のもの等々のことを話合いされなければならん。そうすると必ずその背後にはどういう防衛計画なり、どういう自衛力漸増の計画を持つておるかということを示さなければならないことは、これまでのMSAの実施状況から当然なことになるように私たちは思うのだが、その点は大臣はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これも話してみなければわかりませんが、私の想像では、アメリカとしてはそういう計画があれば至極好ましいと思つて希望するでありましよう。併し日本側としては只今のところは今申した通り、経済上その他の条件が許さないように思うので、保安隊の増員というようなことは今考えていないわけです。従つて現状の十一万ということで援助をどういうふうにもらうかという話を進めるつもりでおります。
○佐多忠隆君 増員になるかどうかわかりませんが、質的に増強するというようなことがなければ援助を受けるということは意味がないと思うのです。その点はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは先ほどから繰返して申しておる通り、質的の改善は是非やりたいと思つております。
○佐多忠隆君 それならばそれに関連して単に今年だけでなくて、相当長期に亙つてどういう増強計画を持つておるかということ、そうしてそのうちにどれだけ日本自身で賄い得るかというような問題がはつきりしなければ、借りるとかもらうとかいうような話は具体的にきまらないことになるのです。そういう意味ではすでに政府はちやんと準備をしておられるのじやないか。先ほど閣議ではそれに関連して実施のいろいろな条件を各省ごとに検討をしようというふうなことを準備しておられるということは、それを意味するのじやないかと思うのですが、その辺はどういうふうにお考えになつておりますか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これは先ほど申した通り、閣議ではそういう話は出ません。出ませんが、交渉の途中で以て必要があれば関係各省と相談することは当然であります。今のところは何も出ておりません。
○佐多忠隆君 そうすると、向うとの折衝の場合に、日本側の折衝の委員というようなものは外務省だけでおやりになるのか、各省から参加してもらつてそれでおやりになるのか、その辺はどうお考えですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) これはまだ話合の内容について向うと相談しておりませんからわかりませんが、各省の援助を求めるごとになろうかと思います。
○委員長(佐藤尚武君) あと十分くらいの間で外務大臣に対する質問は打切りたいと思います。
○佐多忠隆君 援助を受けるとすれば、向うから何か軍事顧問団なりカントリー・チームなり何なり、そういうものが来ることに当然なるのかどうか、それらのものがどういう権能を持つて日本の関係を話合をするのか、その辺はどうなるのですか。
○国務大臣(岡崎勝男君) この安全保障法によりまして、カントリー・チームというようなものが来るのであつて、そのカントリー・チームはその国の大使なり公使なりの下に置かれるもののようであります。そうして先ほど申した通り、いわゆる軍事援助顧問団の任務というものは完成兵器の援助計画の実施、海外調達に関してのアメリカの軍側の調達官との連絡調整、軍事訓練計画の実施、この三つが主なるもののようであります。併しこれは日本に対して実際にどういうふうにやるかは交渉によつてきまるわけであります。
○佐多忠隆君 保安庁長官は要求してありますが、見えるのでしようか。
○委員長(佐藤尚武君) 保安庁長官は本日は予算委員会の関係で出席できないそうであります。併し次回にできるだけ都合して出席する、こういうことであります。
○佐多忠隆君 成るべく早い機会にお呼び願いたいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) それでは外務大臣に対する質疑はこれで打切りましてよろしうございますか。
○梶原茂嘉君 近い機会に又外務大臣から説明を聞きたいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) それは外務委員会としては、できるだけ外務大臣に出席してもらいたいと思います。
○梶原茂嘉君 この問題について。
○委員長(佐藤尚武君) それじやあちかじめ外務大臣にそれをお願いしておきます。
○国務大臣(岡崎勝男君) それは外務委員会でありますから、外務大臣は時間が許せば常に参ります。
○委員長(佐藤尚武君) それでは本日は外務大臣に対する質疑はこれで打切りまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) どうも有難うございました。
○佐多忠隆君 さつきお願いしました資料はいつくらいまでに出ますかね。
○政府委員(土屋隼君) いつまでと申しますが、横文字を縦文字に直す必要がございましようし、これだけの関係のものを抜くことになりますので、とにかく最善の努力をいたしますということで御了承願いたいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) それでは先ほどの航空条約の問題についての趣旨の説明だけは先ほど伺つたわけでありまするが、そのほかにまだ二件提案理由の説明があるそうでございまするから、続けてそれをやつて頂きます。 第一は、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約の批准について承認を求めるの件であります。 第二は、国際小麦協定を修正更新する協定の受諾について承認を求めるの件。 どうぞそれじや下田局長お願いします。
○政府委員(下田武三君) 只今議題となりました国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約の批准について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約は、一九二九年十月十二日にワルソーで作成され、一九三三年二月十三日に効力を生じ幸した。この条約は、国際航空運送の条件を、その運送のために使用する証券及び運送人の責任に関し、統一的に規制することにより、国際航空運送の円滑な発展を促進し上うとするものであります。 戦後の我が国がいよいよ近く国際航空運送を開始しようとするときに当り、この条約に基く国際協力に参加いたしますことは、我が国航空運送の国際信用を高めるのみならず、我が国自身の利益と合致するゆえんであると存ずるのであります。 我が国は、日本国との平和条約の署名に際し、サンフランシスコで行なつた宣言において、同条約の最初の効力発生後一年以内にこの条約を批准する意思を明らかにしておりますので、政府は、第十五特別国会にこの条約の批准について承認を求めたのでありますが、審議半ばにして衆議院が解散されました。従つて、前記宣言に掲げた期間内に批准につき国会の承認を得ることができないこととなりましたので、政府は、その責任において本年三月二十四日付でこれを批准し、その批准書寄託のために必要な手続をとり、国会に対しましては、憲法第七十三条第三号但書の規定に従い、その御承認を求めることとした次第であります。 右の事情を了承せられ、御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを希望いたします。 次に同じく只今議題となりました国際小麦協定を修正更新する協定につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、現にわが国が当事国となつている一九四九年三月二十三日にワシントンで作成された国際小麦協定を修正更新するため、本年四月十三日にワシントンで作成されたもので、本年七月十五日までに一定の署名国によりその憲法上の手続に従つて受諾されることによつて効力を生ずることになつております。 この協定の目的は、公正な且つ安定した価格で、輸入国に小麦の供給を、輸出国に小麦の市場を確保することであります。我が国といたしましては、毎年百五十万トン以上の小麦を輸入しなければならない現状を顧みますと、この協定に参加して、今後三ヵ年間毎年百万トンの小麦の輸入を保証されること及び低廉な価格によりまして小麦の輸入により毎年数百万ドルの外貨の節約を期待できることは大きな利益であります。 政府におきましては、このような見地から、本年四月十三日にこの協定に署名いたしました。なお、この協定の署名国は四十五ヵ国に上つております。 以上の点を了察せられ、御審議の上速かに御承認あらんことを希望する次第であります。
○委員長(佐藤尚武君) 只今提案理由を聴取しました三件につきましては、質疑等は全部次回に譲りたいと思いますが。
○佐多忠隆君 国際小麦協定を修正更新する協定に関する件については、日本の背景になつておる事実を少し詳しく知りたいと思いますが、食糧庁ですか、農林省ですかあたりから一つ世界の食糧需給の状況、それから日本の最近の輸入状況について一応御説明願いたいと思います。
○羽生三七君 是非今の佐多さんの御提案は実行して頂きたいと思うのですが、これは恐らく農林委員会も同様なことを考えているのじやないかと思います。最近まあ一部の国では、小麦の下落から小麦協定について相当の新らしい角度から検討が起つておるようでありますので、是非今、佐多さんの御提案のようにお運び願いたいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) 次回、只今の御提案が実現できるように取計らいます。 この前の会でもつて委員会の決定としてはMSAについての内容の説明を事務当局から聞くということになつておりましたが、これは如何取計らいますか。今日は外務大臣に対する詳細なる質問が一時間半に亙つて行われたのでありますが、本日事務当局から説明を聞く、何か質疑がございますか。どうでございましようか。
○佐多忠隆君 一応先ほど要求した資料を整えてもらつて、一遍詳しく当局の説明を聞きたいと思います。特にあの本年度、といいますか来年度の援助プログラムの内容とそれからそれらの審議の現状、現在までどういう点までに審議が進んで、どこまで決定しているのか、それらの点、殊に数字の内容にまで亙つて詳しく御説明願いたいと思います。
○政府委員(下田武三君) 只今の点は、明年度の数字の内容の細かいところはまだまだ米国自身でもわからないんではないかと存じます。つまり五十四年のアクトは、アメリカ政府に対しましてどれどれの金額の援助を与える権限を授けることを目的とするものでございまして、結局その権限を授けられた金額の範囲内でどこの国に幾ら援助するかということは各国との話合いできまることになると思いますので、その点はアメリカにおきましても詳しいことはまだわかつていないと思います。
○委員長(佐藤尚武君) それでは本日は皆様がた御異議がなければ、これで散会いたしたいと思いますが。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) それでは外務委員会は本日はこれで散会いたします。 午後五時五十二分散会