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16回国会参議院1953/06/19

外務委員会 第3号

発言数
39
登壇者
6
会派数
2
開催日
1953/06/19

会議録

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) それでは只今より外務委員会を開きます。  本日の議題は千九百五十二年七月十一日にブラツセルで締結された万国郵便条約及び関係諸約定の批准について承認を求めるの件でございます。先ず最初に政府の提案理由の説明をして頂きます。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 只今議題となりました、万国郵便条約及び関係諸約定の批准について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  我が国は、一八七七年即ち明治十年以来万国郵便連合の加盟国となつておりますが、現行の万国郵便条約及び関係諸約定を改正するため、昨年五月からブラツセルで開かれました万国郵便連合の大会議にも代表者を参加せしめ、同会議で採択されたこの万国郵便条約及び関係諸約定に署名いたさせました。  この条約は、現行条約と同様万国郵便連合の組織及び構成を規定すると共に通常郵便の業務を規律し、又、関係約定はその他の特殊業務を規律したものでありますが、五年前のパリ会議で採択された現行条約及び約定の実施の経験に鑑み、今日の事態に適応した改善を加えております。  この条約及び関係約定は本年七月一日から実施されることになつておりますが、我が国の国際社会復帰以来海外との郵便物の交換が毎日増加の跡をたどりつつある現在、これら条約及び約定を批准し郵便連合を通じての国際協力を維持、増進することは、我が国にとり極めて有意義な措置と認められます。  よつてこの条約及び関係諸約定の批准につき御承認を求める次第であります。右の事情を了承せられ、御審議の上本件につき速かに御承認あらんことを希望いたします。  提案理由は只今申上げました通りでございますが、簡単に新条約の御説明を申上げたいと存じまするが、只今申上げましたように、ずつと日本は明治十年から入つておりますので、新条約でどういう点が変つたかという主な改正の主要点だけを拾い上げまして御説明申上げたいと思います。なお私より外務省関係の点だけを御説明申しまして、松井郵務局長から郵便自体の観点からの主な改正点を御説明申上げることにさして頂きたいと思います。  郵便条約自体の主な改正点というのは極めて少うございます。第一は万国郵便連合及びその常設機関の所在地、これは従来からスイスのベルンにあつたのでございますが、ベルンに置くという規定が実はなかつたのでございます。これを新条約の第二条に、郵便連合及びその常設機関の所在地をベルンに置くという規定を設けましたのが改正の第一点でございます。  もう一つは、従来郵便連合の公用語はフランス語に限定されておりました。今回フランス語だけでは会議を開く際にも非常に不便でございますので、英語、スペイン語、ロシア語の三つの言葉を郵便連合の公用語といたしました。ただその英語、スペイン語、ロシヤ語を会議で使う場合には通訳施設を附するという条件で公用語として追加された次第でございます。  第三の改正点は、万国郵便連合に実施連絡委員会という常設機構がございます。これは郵便連合の大会議は五年ごとに開かれるのでございますが、その五年のギヤツプにおきまして、郵便連合の重要事項につきいろいろ審議するというために実施連絡委員会というのがございます。この委員会の構成員が今までは十九国の代表から構成されておりましたのを、一名増加いたしまして二十人にいたしましたのでございます。なお我が国は終戦直後、前のパリ条約に復帰いたしましてそれ以来参加しておるのでありますが、昨年のブラツセルの会議には、ここにおられます松井郵務局長も代表の一人として、日本から代表を派遣いたしまして、この条約には当初から署名しておるわけでございます。なお日本もこの実施委員会のメンバーに選ばれておるわけでございます。大体外務省的見地から申上げますと、主な改正点はその三点でございます。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) それでは私からこのブラツセルにおいて審議された郵便条約について、郵便の内容にどのような点が変つて来たかということについて御説明申上げたいと思いますが、大体この郵便関係の条約は全文改正という形をとつておりますが、すでにブラツセルにおける会議は第十三回の会議であります。五年目に一度開きまして条約の全文についてお互いにもつとよくしようというような形でだんだんと変つて来ております。そこで大体、従来とも長年に亘つて実施せられて来た関係上、そう著しい改正点というようなものは余りないのであります。ただいろいろな編纂上の技術、或いは各国の郵便交換の実務から来る一つの技術的な観点からする改正点が大部分を占めておるのであります。  ただその中でやはりお互いに非常に大きな問題、各郵政庁相互の間の事務的な取扱を規定するもののほかに、やはり利用者たる方々に影響を持つて来るようなもの、と申しますと、結局一つの料金というもの並びに各国がお互いに支払をする、まあこれは陸路料とか海路料とか言つております、つまり他国へ頼んだ場合に、その国が運送費として支払わなければならん金をどうするかといつたような問題が、お互いの各国の利害というものが必ずしも一致しないというような点からして、非常に大きな問題となつたのであります。細かな技術的な点について一々ここで御説明申上げますのは非常に繁雑だと思いますので、その主要な点に限つて特に御説明申上けたいと思います。  料金につきましては、外国郵便の基本料金というものをお互いに一定しようというのがこれが先ず外国郵便の第一の理想点であります。ところでどういうふうなきめ方をしておりますかと申しますと、金フランという貨幣単位を使つております。これは現実にある通貨ではなくして、或る金何匁というものを想定した抽象的な貨幣単位であります。それを現実にある為替に換算しておるわけでありまして、今日の一金フランというものはドル貨を通じて日本金に換算いたしますと、大体百二十円ということになつております。まあこういう一つの抽象的な貨幣単位を置いておきますれば、各国の内国料金を換算するにおいて常に公平である。そうして或る偶然の事情のために、これを変える必要はないのでありますが、ただ後承知のごとく最近の世界というものは自由な為替交換というものを許しておりません。各国はそれぞれの自分の立場から為替統制を実施しておる。その関係上貨幣の持つておる対外価値というものと対内価値というものとの間には必ずしも一致しない部面ができておる。そこで従来の金フランのみで以てやれば、各国の対内的の料金の問に相当無理を来たす場合があるというので、従来はパリ会議におきましては、この金フランで定めた料金を基準に上下の幅四〇%までは上げ下げをすることば各加盟国の自由であるというふうにしてあつたのでありますが、最近今度の会議においては特にイタリアから強い要望か出まして、四〇%の幅では自分の方ではどうしてもやつて行けないから、もつとこれを拡げてくれというようなことが出ました。結局これはブラツセル条約では基準料金は変えない、だが上下の幅は六〇%まで拡げるということになつたのであります。これが今度の料金関係における一つの大きな問題であります。  それから次には先ほど申上げました陸路とか海路とかの支払のやり方でありますが、これは従来長年の間に亘りまして、いわゆるLCと申しておりますが、書状、葉書といつたようなものと、そのほかのものとは、同じような目方の物を運びましても料金は違つておつたのであのます。どうしても書状とかLCというものは高い料金を取る、併しこれも郵便というものと運送というものの伝統的な結びつきというようなものからして出てきたのでありますが、今日において見ると、同じ一キロなら一キロのものを運んだ場合に、内容に何があるかによつてそれほど区別するというのも変じやないかというような関係で、今回の会議におきましてはこういうものについては両方一本にしようということになりました。その結果、従来よりもLCについては値下げになつたのでありますが、その他のものについては若干の値上りになつております。この点が第一点であります。併しこれは実際の料金換算には大した影響を持つものではありません。ところが他方今日御承知のように外国郵便物の中のLCについては七〇%までは皆航空路によつて輸送されております。ところで航空郵便料というものは非常に高くつくものであります。これがどうなるかということは、又航空郵便料金がどうなるかということに現実的に結びついて来る問題である。従来のと申しますか、パリ条約のときには、ヨーロツパ地域というものについてはLCについて一キログラムという換算率を取りますが、これは金フランの三フラン、その他の地域についてはこれは六フランというふうなきめ方をしておつたのであります。併しいろいろと国際航空機構から出して頂いた資料を検討して見ますると、最近において各国の航空会社のコストと申しますか、コストというものはだんだんと下りつつある。そういう現象から見てこの六フランというものはどうしても高いという声があります。そこでパリ条約以後中間におきましても、便宜各航空機会社と我々は相談をいたしまして、我々と申しますか、UPUのほうと相談いたしまして、三フランと六フランを結合する場合においては五フランという料金を暫定的に取つたことすらあるのであります。そこでまあこの点については非常に大国とそうでない国との利害が対立するのでありまして、日本のように自分の国の国際航空を直接持つておらないという場合においては殆んど外国べ支払わなければならん立場にあります。ところがアメリカとかイギリスとか世界の大きな航空路を持つておる国は、各国から航空料金を取るという立場になつておる。そこでそういう大国としては成るべく高い料金に据置きたいという希望があります。小国側として見ましては成るべくこれは安くしたいというので非常に議論が沸騰したのでありますが、併し最後は結局一応原則は三フランにするが、六フランを三フランに切下げるということは余りにも現実の各国に与える影響が大きいので、ともかく従来三フランを越えるつまり五フランなり六フランなりの地域では四フランまで下げようということに相成つたのであります。その結果、私どもといたしましては航空料金として外国べ支払うものだけを取つて見ますると、約二割近いものが節減されるということに日本の立場としてなるのであります。そこで現在私どもは外国航空郵便の料金は、基本料金と附加料金と結合した料金制度をとつておりますので、全体を合せて、大体においてこの条約が御承認願えますれば、七月一日以後は外国郵便については一割の値下げができるという見通しになつております。これが今度のブラツセル会議が一般の利用者の方々に与える最も大きな点であろうと思われます。  それからもう一点は、皆様も御承知の従来いわゆる航空書簡、エヤー・レターと称されまして均一料金をとつた封緘葉書のようなものがあるわけであります。これはどこの国へ出すにも同じ料金で航空郵便で出すといつたようなものであります。これは従来実は条約上には何ら正式な根拠のない、いわば慣習的に便利だからというので出て来たものであります。これがだんだんと各国において採用される結果、今度の条約においてこれを正式に認めよう、その大きさ、その形、その名称といつたものを今度のブラツセル条約において初めてまあ認知したわけであります。従つてこの名称につきましてもいろいろ検討しました結果、これはつまりテレグラム、電信グラムというのは通信を意味する言葉でしようが、そこでフランス語のアエル、空と申しますか飛行するというまあ通信、アエルグラムという言葉を使つております。そこでまあ私たちも七月以後この条約に基き従来のエヤー・レターというものについては全部アエルグラムという表示をして行くことになります。これにつきましても従来は五十円という金額でありましたが、七月一日から四十五円に切下げまして、四十五円のアエルグラムで以て世界のどこまででも全部航空路で輸送するということに相成るのであります。これが大体利用される方方に対しては直接的な影響を及ぼす最も大きな点でなかろうかと思います。  あとにつきましてはいろいろ技術的な編纂的な問題が大部分を占めております。又何か御質問がございましたら御説明申上げます。

佐藤尚武緑風会

○委員長(佐藤尚武君) 御質問等がおありでございましようか、只今詳細の御説明を伺いましたが。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 航空小包について少し御説明願えますか。料金の差又は目方の限度みたいなものを。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) お尋ねの点は、航空小包の何でございましうか。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 航空小包は従来通りでありますか。それとも今度価格、目方に限度がありますか。どのくらいまでのもの。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) 航空料金につきましては、先ほど申上げましたようにだんだんとコストが下つて行く傾向があります。ただこれはまあ各取扱い地域というものをいろいろ地帯別に分けておりますので、地域的にそれをどう按分するかということについてはまだ最終の案ができておりません。目下計算中でございますが、従来より高くなるようなことはいたしたくないと思つております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 更に今度の条約によりまして、今まで行かなかつた地域にも普通小包なり航空小包が行くようになつたという変化はありませんか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) 私どもは今まで行かなかつた地域についても、この七月一日以後は新らしくこの航空小包の開始をしたいと思つて今各国と協定中であります。現在までは大体十六ヵ国と航空小包の取引をしておりますが、今度は更に追加して七十二ヵ国に航空小包を取入れるようにいたしたいと思います。    〔委員長退席、理事佐多忠隆君委員長席に着く〕

高良とみ緑風会

○高良とみ君 更にお伺いしておきたいのは、今度のベルンにお集りになつたのですか、そのときに来なかつた国もございますか。出席しない国又は今度の万国郵便条約に入らなかつた国があるでありましようか。特にこの沖繩、大島等がそれに入つているかどうかということを伺いたいのです。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 沖繩につきましては、実は平和条約によりまして、日本が領土主権は潜在的にやはり保持しておりますので、あれはどこの領土かといえば日本の領土ということであります。併し現実にはアメリカが立法、司法、行政の三権を行使しておりますので、郵便の関係においてはやはりアメリカの郵便の支配地域だと見る必要がございます。併し、沖繩はこの独立した郵便連合の単位としては認められておりませんので、ブラツセルの会議に代表は出していない次第でございます。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 奄美大島はどういうことになつていますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 奄美大島につきましても、沖繩と全く同じ関係になつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうしますと、この間の万国郵便条約に参加しない国というものは独立国としてはないわけなんですか。それとも何かそのほかの国の領土として決定しないために、それはほかの国が代行しているというような地域もたくさんあるのですか。出席した国の七十二カ国のほかにもあるかないかお伺いしたいのです。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 万国郵便条約にこういう規定がございます。普通条約でございましたら、条約の当事国となり得るのは主権国家だけでございまするが、宣言をいたしますことによつて、あたかも植民地なり、或いは保護領なりを郵便に関する限りは、一つの単位として扱うという宣言をなすことができます。曾つて日本は、朝鮮とか台湾とか、郵便に関する限りは一つの単位として宣言しておつたわけであります。そういう領地もございます。  又郵便条約にこういう規定もございます。それは、万国郵便連合の領域というものは、加盟国の全領域を以て領域とするでございますから、国際郵便については、この郵便連合の加盟国の領域すべてに行渡るべきだ、郵便はどこまでも行くという考え方でございます。従いまして、沖繩、南西諸島に現在アメリカが行政権を行使いたしておりまするとすると、アメリカを通じて、そのアメリカが現実に支配をしておる全領域に及ぶと、そういう関係になつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 ついでに伺つておきたいのは、同じ植民地でも、例えばボンジチエリー、ああいうフランス領域としては非常にかけ離れた所は、そのボンジチエリーだけの郵便切手を持ち、その一単位として独立したものを持つているのですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) ボンジチエリーはよく存じませんが、例えば仏領で申しますと、南アフリカのモロツコ、アルジエリイ、ああいう所はやはり郵便の上では、独立の単位として地位を持つておると思います。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) ちよつと補足的に御説明申上げますが、戦争前におきましても、日本は日本本土と朝鮮とその他を除く属領という三つの単位を以てこの郵便連合に入つておつたのでございます。従つて、郵便連合におきましてもすべての議決権というものは、すべて三票を行使したわけです。そして条約の署名におきましてもおのおの別の署名をしておる。そういう形でありまして、郵便につきましては、大国につきましては、成る一定の地域を限つたものを独立した郵政庁として対等な権利を認めておるというような状態になつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 なお常にこう不思議に思つていることがあるのですが、例えば一つの国の中によその国が或る一定期間駐留しておるというような場合に、その領域の郵便がその占領しておる国の郵便範囲に入るだろうと思いますが、具体的に言えば、例えば日本の中におきましても、駐留軍の人の使う郵便が日本の郵便局の手を通るけれども、その料金はドル払いであり、又そのコストも違うのではないかということを考えておるのですが、如何ですか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) アメリカの軍が日本におりまして、従つて、これには軍事郵便局というものを使うということが取極められております。従つて、この軍事郵便局を利用できる方は勿論これは限定されております、資格が、何も一般のアメリカの人だから、と言つてできるわけではない。軍の直接の方に限られております。そうして、この通信は本来軍相互の間に限られるものであります。アメリカの切手をはつたものを日本の郵便局へ差出されるということは、この軍事郵便局のほうにはあり得ないことです。それはやはり直接向うでやつてもらう。ただまあアメリカの部隊あてに日本人から出すと申しまするのは、向うは軍人さんの住所というものは、A・P・〇というようなものは、ちよつと日本人にはわかりませんですから、そういうものについては、日本の郵便局から一括して向うへ渡しておるというような交換措置は便宜やつておりますが、本来向うの郵便局の人が向うの切手をはつたものを日本の郵便局に持つて来るというような性質のものではありません。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 なお国全体としての傾向としてのことを知つておきたいと思いますのは、例えば特定飛行機会社の飛行機の上で書いたエアー・レターというようなものは、これはパン・アメリカンならパン・アメリカンのスタンプで以てどこへ落してもそれで行くようになつておるように了承しますし、或いはスカンジナビヤ・エアー・ラインのものならば、その飛行機の上のポストへ投函したのならば、インドの切手がはつてあつても、どこの切手がはつてあつても通用しておるのではないかと考える根拠があるわけなんです。そうして来ると万国郵便というものは世界一本化になつて来つつあるのではないかということを常に思いますが、如何ですか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) 勿論アメリカの飛行機であるからといつてどこでもアメリカの切手をはるというわけではございませんで、それの着陸した所の国の切手をはつて差出してもらうことになつております。ただ通常郵便物というものの基本的な考え方というものは、一方から差出せば必ず大体向うから返事が来るという一つの対数的な観点に立つておりますから、例えば、日本からアメリカへ出す手紙を日本の郵政省で料金をとります。アメリカへ送つてアメリカが配達しますが、アメリカはそれについて何らの請求権を持つておりません。無料奉仕です。逆にアメリカから来たものを日本が配達するには無料奉仕、お互いにそういう郵便というものは対数的に見る、片寄るものではない、普通郵便というものは、そういう意味合において、お互いに差出した権限を尊重して行こうというような立場に立つておりますから、如何にも自由になつているようでありますが、それは大きな目から見ればお互いに損得はないだろうというような形でやつているわけであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 なおついでに伺つておきたいのは、従来モスクワとか或いは北京のような所へ小包を出すのには、日本が郵便条約を持つておるジユネーブか何かに廻して、ジユネーブのスイスがソビエトと連絡があるからそこへ渡して、そして廻して行くということが普通郵便更に小包等においてあつたわけですが、これを若し万国郵便条約にソビエトも来ているとするならば、或いは中国はどうか知りませんが、その場合は、そんな遠い廻り道をしないでも、香港へ渡せば、香港のエヤー・ポートというものからそちらに渡るようになつているのかどうか、その点をはつきり願います。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) この郵便関係におきましてちよと性格の違うのが二つあるわけであります。普通の手紙の場合と小包の場合というものはちよつと取扱いが違つております。この内部でもそういうふうに分れておるのでありますが、手紙の場合は御指摘のように、又私が先ほど説明申上げましたように、非常に料金の取り方が簡単になつております。又この万国郵便条約においては、少くとも加盟国は手紙の交換については強制的にこれをやらなければならん義務を負つているわけであります。そこで、現在でも手紙につきましては香港経由で渡しておるということも現実に行われております。ただ小包郵便につきましては、これは小包郵便というものは必ずしも相互的に本質的に流れるものじやない、大きな目からいえば、輸出国から輸入国に向つて一方的に流れる可能性があるものである。一方だけが料金を取つて片一方にやらなければこちらの方は何もならない。そこで小包郵便のやり方というものは、お互いの取り分をきめまして、そうして相互において成る約束をした上でなければ動かない、こういう形になつております。ソビエトはこの万国郵便条約においては、小包約定に対しては署名しておりません、従来とも。そこでソビエトと小包を交換するためには、特別にソビエトと約定をこれと別なものを作らなければならない。日本も戦争前から日ソ小包約定というものを別に作つて、それに基いてやつておつたのであります。ずつとそれが続行して交戦状態に今日なつておりますので、ソビエトに小包を送るということは正式の郵便の道としては開かれてない。そこで止むを得ずソビエトがスイスとの間における取引があるというのでスイスを通じて送る、こういう形をとらざるを得ないという現状になつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 もう一つ伺いたいのは、こういう万国郵便条約というものは、その国の間に交戦状態が起つて来たときには、全部スクラツプになると了承してよろしいのか。郵便だけは回復しておるけれども、小包の約定はできていないということが、例えば中国などの場合でも行くがごとく行かないがごとくおかしいのでありますが、どうなのでありましようか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) 通常郵便につきましては、大体相互に利益関係があるので、従来とも交戦状態にある場合においても第三国を通じてお互いに交換をし合つておる。併しそういうルートがなくなつた場合、これは事実問題として止むを得ません。併し小包にいたしますと、一々の分収計算とか相互の取引関係が起きて来るわけであります。当然交戦状況になればお互いに相手国に金を送つたりすることは事実上できなくなつてしまうという意味合いにおいて、小包の場合においては交戦状態に限り断絶するということはこれは止むを得ないわけであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 最後にもう一つ。そうしますと普通のLCのような種類の郵便物と、それから小包と、それからもう一つは電報というようなものと為替というようなものと、いろいろな段階があるように了解します。そうすると、それらのものは、今度の郵便条約では航空郵便と普通の書状郵便とのみについてお取りきめになつたのですか。それとも小包も入つているのですか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○政府委員(松井一郎君) 全部に亘つて将来のものを全面的にいろいろ技術的に検討して、よりよきものにしようというようになりつつあるわけでありまして、大体基本条約のほかに、六つばかりの特別の約定が入つておるわけであります。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 それならばあとで逐条審議のときにおいてよく伺いまして、電報その他についての御説明はそのときに承わりましよう。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 加盟国の関係ですけれども、北京政府、国民政府、北鮮、南鮮の関係、それはそれぞれ別個に加盟をしておるのでしよか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 昨年のブラツセル会議には、南鮮と申しますか、韓国の代表と台湾の国民政府の代表が参加いたしました。それに対しまして、ソ連初めソ連圏諸国は、国民政府の代表或いは南鮮政府の代表は正当に朝鮮或いは中国を代表するものとは認められないという異議を唱えまして、そしていろいろもんだ論争があつたのでございますが、結局会議としては南鮮代表及び台湾の代表を中国、朝鮮の代表と認めようということで多数決できまりました。併しながら、条約に署名する段取りになりまして、ソ連及びソ連圏諸国は、自分の国は南鮮の代表を朝鮮の代表と認めることはできない、又国民政府の代表を中国の代表と認めることはできないという留保の宣言をいたしました。そういうことになつております。

高良とみ緑風会

○高良とみ君 そうしますと、今の話に戻るようですが、北鮮は北鮮で又別に署名をし又大陸中国のほうも又別の署名をしたわけなんですか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 北鮮並に大陸中国の代表はそういうわけで会議に出て参らなかつたわけでございます。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○理事(佐多忠隆君) これは、この条約締結の規定その他何かあるのでございますか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 実はこの条約の批准、つまり会議に参加して条約に署名した国は、拘束を受ける前に批准をいたさなければなりませんが、規定が七月一日前ということになつておるのでございます。そういたしますと、日本では両院の御承認を得ました後、再び閣議をやりまして、更に天皇の認証を批准書に得なければならないわけでございまして、やはり両院の御承認後数日の御余裕を頂きたいと思いまするので、できましたならば来週一ぱいに参議院の本会議の御承認を得ますと、誠に好都合と存じておるわけでございます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂君 加盟国の批准の状況はどうですか。殆んど皆終りましたか。

下田武三外務事務官(条約局長)

○政府委員(下田武三君) 加盟国は従来の例によりましても、署名した国は全部この期日前に批准することになつておりますが、今日まで調べましたところによりますと、まだ半分以下の国しか批准しておりません。併し先例によりますと批准期日前にばたばたと通告して参りますので、恐らく今度もそのようになるのではないかと思います。

佐多忠隆日本社会党(第四控室・左)

○理事(佐多忠隆君) それでは本日は予備審査でもありますので、本件についてはこの程度にしておきたいと思います。なおこの条約は、今の御説明にもありますように、七月一日数日前くらいまでに議決をした方がいいんじやないかと思いますので、大体二十三日の委員会で本審査に入りまして採決の上、二十六日の本会議に上程するという目途で運んだらどうかと思うのですが、そうしますと、二十六日本会議を通過ということになれば、今の御報告にも支障なく大体決定いたされると思いますが、大体そういう目途で進めたらどうかということをお含みおき願いたいと思います。  それでは本日はこれで散会いたします。    午前十一時五十二分散会

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