外務委員会 第1号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/05/22
会議録
○委員長(佐藤尚武君) これから委員会を開催することにいたします。 私、計らずもこの外務委員会の委員長に就任することになりました。随分長い間私は委員会の仕事をしておらなかつたのでありますので、いろいろ不行届の点があるかと存じますが、皆様方の御協力をお願い申上げまして、何とか職責を全うさせて頂くことを切にお願いいたす次第でございます。而して申すまでもございませんけれども、外務委員会は終戦以来委員会の中でも重要な職責を持つ委員会となつております。殊に独立回復後は国際関係におきましてもいろいろと重要な条約の審議、批准をしなければならない立場にありますので、皆様方の真摯な御審議乃至は御協力をお願いしなければならないことは申すまでもございません。幸いにして今回この委員会にお加わり下さいました各派の代表者諸君は、国際関係乃至は外交方面に深い御理解と知識をお持ちになつている著名な先生方も多数おいでになることに承つております。これは参議院の外務委員会といたしまして誠に慶賀すべきことであると存じます。願わくば皆様方と共にまじめに委員会の仕事に従事いたしまして、そうして参議院の外務委員会にふさわしい業績を挙げたいことであるということを切に念願している次第でございます。この点は委員諸君におかれましても御同感のことと存じますので、皆さん方の御協力を重ねてお願い申上げます。どうぞよろしくお願い申上げます。 —————————————
○委員長(佐藤尚武君) 本日の議題は理事の互選でございます。互選の方法は前例によりまして委員長から指名いたしたいと存じますが、それでよろしうございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては委員長から徳川頼貞君、佐多忠隆君、曾祢益君を理事に御指名申上げます。 —————————————
○委員長(佐藤尚武君) 次に議案といたしましてはすでに八件提出されております。これは公報にも列記してございます。すべて平和条約関係の条約の批准若しくは承認問題であります。それが八件、その上に今後相当数の条約が提出される模様でありまして、先般他の用で外務大臣に会いましたときにたしか五十数件の条約の審議をお願いをしなければならんと言つておられました。又只今この委員会が始まる前に下田条約局長がちよつとこちらにおいでになりまして、そうして条約の中でも日米通商条約の審議並びに批准を至急お願いいたしたい。それでその条約は不日衆議院に提出する、参議院にも提出する、こういうことでございました。衆議院が先議になる模様であります。参議院は従つて予備審査でありますが、条約の性質上できるだけ急いで批准をするということでありますならば、この通商条約は予備審査中に詳細の条項につきましての御審議をお願いしなければならんと思うのであります。そういうような案件が予想されているわけでございます。つきましては委員会の開会日を前以て予定するということにしましてはどうかと考えるのでありますが、この点お諮りをいたします。これまでの実例では火曜日と木曜日を一応定例日にしておつたということでありまするが、これを継続いたしますか。どういたしますか。皆さん方の御意見を拝聴いたしたいと思います。
○曾祢益君 一応今までと同様に火曜日と木曜日を定例日にして頂きたいと思います。それ以後の問題については状況を見まして理事会を招集して頂いて、理事のほうで委員長をお助けして案を作つてから、又本委員会にお諮りした方がいいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) 只今曾祢さんからの御提案がありましたが、皆さん方御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) それでは一応火曜日と木曜日を定例日といたしましてこれは午前中と予定しておいて、併し本会議その他の模様も勘案いたしましてそのときそのときできめて行くと、こういうことでございます。
○徳川頼貞君 大体午前中。
○委員長(佐藤尚武君) 大体午前中……。それじやそういうことにお願い申上げます。
○佐多忠隆君 資料の要求でございますが、相互安全保障法、一九五一年ですか、と二年の改正法が出ていると思いますが、それらの原文と日本の訳と、それから各国の間に結ばれておる保障協定の原文と訳と、これを至急に御提出願いたいと思います。
○委員長(佐藤尚武君) 只今佐多君からの御請求の書類等は事務局のほうでその筋に請求いたしまして、できるだけ早く取揃えて皆さん方に御配付申上げる。こういうことにいたしたいと思います。 高良先生は今おいでになりましたが理事の互選だけを済ませましたところでございます。それから開会の日取りを従前と同じように火曜日と木曜日の午前中と一応きめたということになつております。
○高良とみ君 失礼いたしました。この外務の仕事ではございませんけれども、多少外務に連関のあることだと存じますが、伺いますところによりますと、在華同胞の帰国特別委員会ができるように伺いますので、一つ外務におかれましてもこういう国際性を帯びた問題に対して一つ御考慮と御支援頂きましたならば、このことがもう少しで完遂するところだと存じますので希望を申上げて、各委員方と委員長の御声援を特別に希望したいと思うのであります。この特別委員会というものは必ずできるものと思いますけれども、併し問題は外務関係のものもあることと存じまするので、一ついろいろな問題もありましようが、困難を克服して行くように希望する次第でございます。如何なものでございましようか。
○委員長(佐藤尚武君) 只今高良さんからの御発言でございますが、今お話のありました通りにこれは特別委員会がたしかできることと思いまするし、特別委員会がこれを管掌することになるわけでありまするからして、外務委員会として直接に関与するわけではないと思いまするが、問題によりまして外務委員会の協力を必要とするというようなことが起きますならば、これは外務委員会としても勿論在華同胞引揚帰還の促進を念願するものでありましようからして、この委員会としても適当なる方法で以て協力するということは、これは勿論のことだと思うのです。そのときどきに又御相談申上げることといたしたいと思います。
○高良とみ君 お願いいたします。
○曾祢益君 ちよつと簡単でございますけれども、これは委員長に申上げる希望でもありますし、それから委員会としても考えて行かなければならないと思うが、従来も委員長からお話がございましたように、外務委員会の権威を維持し或いはこれを更に揚げるために、各委員長以下委員努力されて参つたと思うのです。私も三年殆んど外務委員だけをやつておりましたが、併しまあまだまだやるべき点が多いのではないかと思うのです。と申しますのはどうしても外務委員会がややもすれば条約の審議に当る、まあいわば消極的といいますか、の機能に終始してもう一つ大切な国政の監督ということについて、もう一歩やつて行かなければならんと思いますし、又この外務委員会という一つの機関を積極的に立法府としても利用し、政府も又その意味で協力して、この外務委員会の質疑応答を通じて、まあ外交の民主化といいますか国民外交の実を挙げるべきだ、そういう点に対する委員会としての仕事は皆さんおやりになつたと思うのですがなおまだ決して十分ではなかつた。従いましてこのたび特に外交界の最長老であられる又議長をおやりになつた委員長をお迎えしたことを契機といたしまして、委員長のプレステイジも特に発揮願いまして私たちもその驥尾に附してそういつた国政監督上、外務委員会における外交に関する質疑も十分に権威あるものにして行きたい。この点につきまして特に政府に対しましても十分なる督励と協力の要請を、委員長からも是非お願い申上げたいと思うのでございます。只今佐多君からもう資料の御要求がありましたけれども、もう政府がやつてしまつたことに対する国会としての是々非々の議論もありますけれども、起り得る国際情勢に対する見方或いは相互安全の問題とか、こういう国民監視の的であり日本の運命を左右する大きな問題については、常にこの委員会におきまして委員長の御指導の下に、常に研究とそれに関連する政府の意見のはつきりとした何と申しまするか突止めというようなことを、相当重視してこの委員会をやつて頂きたいと思います。それらの点につきまして一つ特にこの際委員長の御指導をお願い申上げると共に、委員会としてそういう方向を別に固苦しい申合せとか御決定を求めているわけではございませんが、そういうことを私は希望する意味において一言発言いたします。
○委員長(佐藤尚武君) 今曾祢君から大変重要な御発言がありまして、私はこの委員会のために非常に慶賀に堪えないのであります。ただ私に関することをお話の中にお漏らしになりましたが、これは私といたしまして誠に恐縮且又お言葉に対してあえて当らずと申上げるほかはございませんが、ただ折角委員長の席を汚すことになりました今日、私といたしましても微力の最善を尽したいと存じております。ただその御提案につきまして私いささか不馴れのためにはつきりしかねておる点がありますので、これを丁度いい機会でありまするからして皆様方にお諮りもし、且つお教えを願いたいと思うのであります。私は初代の外務委員長をいたしました。併しその当時は占領下の日本でありましたが故に、いわゆる外交というものもまだなかつた時代であり、従つて外務委員会というものはおのずから制約されて活動らしい活動は見なかつたのでありますが、独立回復後の今日におきましては外務委員会の性質も全く違つて参つたと思うのでありまするが、ただ各種の委員会の性質として、政府から提案があつた場合につまり付議事項があつた場合に初めてこの委員会において審議が開始され、且つ又それに関連してのいろいろな政府当局に対する質問等が行われて参つたのだろうと、私はそういうふうに思つておつたのでありますが、今のお話の中で重要な国際問題若しくは国際関係等に関してこの委員会が政府の付議事項がないにかかわらず自発的に問題を提起して、そして委員会内での研究討議を進めることは勿論政府を招致してここで政府に意見を質す、質問をするというようなことが果してできるのかどうかというようなことについて、これは皆様方に一つお諮りをして、そして委員会の権限を逸脱をしない範囲でもつてできるだけのことをやつて行かなければならんかと思うのでありますが、その点どういうものでございましようか。
○草葉隆圓君 これは調査承認要求をいたして、この外務委員会が例えば国際情勢の調査という承認要求をなして議長の許可を得ておつたらできる。それはほかの委員会にもあることだと思います。従いまして休会中はそれの継続審査の許可さえ貰つておきましたら、今曾祢君のお話のような……。
○委員長(佐藤尚武君) 今のそうすると草葉先生のお話では、特別に調査を要求しなければならんと、こういうことになりますか。
○草葉隆圓君 そうだと思います。
○委員長(佐藤尚武君) 今までもすでに外務委員会としても例があるそうでございます。ありがとうございました。それじやそういうようなことにしてこの委員会の権威を高めると同時に、権威ある調査なり若しくは政府との折衝なりを試みるということ、そういうわけでございますね。
○曾祢益君 その通りでございます。まあややもすれば、今まで私は法規的なことはよく知らなかつたのですが、慣例的には平和条約の調印の前にも研究をしておりましたし、それから現実には委員会を開くたびに事実外務大臣或いは外務省の政務次官その他の政府の人にその場の質問でいろいろ時事問題、トピックの問題をとらえて質疑応答したのですがね。それが何といいますか散発的にならんように、むしろそういうものは平素から国政を監督するのだというくらいなつもりでちやんとプログラムを組んでやつて行つた方がかえつて権威を高めるのじやないか。新聞目当のただ発言というようなことになつてはならん、今までそうだつたという意味じやありませんが、より権威をつけたいということが根拠でございます。 それからそれに関連いたしまして、例えばやはり事と次第によつては総理自身に出席をしてもらつて十分に隔意なく質疑応答したい場合もあろうと思いますが、まあややもすると議会の運営は本会議におけるいわゆる緊急質問、それから予算総会における質問ということで、存外外務委員会でそういう重要な問題を外交の見地からの態度をもつてやる機会が余りないということが往々にしてあつた。そういう点も一つ真に外務委員会の権威を高める上には是が非でも何でもかんでも一々首相の出席を求めるという意味ではありませんけれども、そういう点についても是非特に委員長の取計らいをお願いいたしたい、こういうことも含んでいるわけでございます。
○佐多忠隆君 同じような趣旨ですが今のことに関連しまして、先ほど議長がこの委員会で積極的に提案をし審議をする権能があるかというような御質問になつて、私率直に申上げまして非常に消極的な感じを受けたのですが、むしろやはりそうでなくて曾祢君の発言にもありますように、法律なり或いは外交方針なり等々はこちらでも発案権がある。それから外交方針等々はむしろ私たちの希望としては国会において大綱方針はきめるというような方法まで推し進めて行くことの方が然るべきなんじやないか。従つて今後安全保障法、その他の相互安全保障協定等々の問題が現実の問題になると思いますが、これまでは慣例によると政府が殆んど一切きめてしまつてからようやく事後報告的に報告されるに過ぎなかつたと思うのですがこれもやつぱり当方で大綱方針を協議決定をして、外務大臣はその方針を体しながら、或いはその方針を少くとも参考にしながら協定の締結その他は進めて行くというような点にまでぜひこの委員会の地位を高めて頂きたい。そのことは更に先ほど曾祢君も触れられましたが、総理大臣が殆んど当委員会に顔を見せられないために、曾つて委員会制度が確立していなかつた戦前の国会に準じて、予算委員会にだけ総理がお出になる。結果、外交方針その他に関しても殆んど予算委員会で議論が終始してしまうというようなことになつているうらみがあると思います。委員会制度の趣旨を体してむしろ外交方針に関する限りは総理その他も当委員会に出て来て頂いてここで十分に論議をするという一つ新しい方式を確立をして頂きたい、これをお願いをいたしておきたいと思います。
○高良とみ君 それにやはり関連してでありますが、仰せのごとくこの前の占領中の外務委員会の惰性を早く脱却いたしまして、国民生活に直接に関係し、それが又日々殖えて来つつある外交問題が随分多いのであります。申すまでもなく漁業協定が各国との間がうまく行つておりませんし、その結果拿捕されたり或いは船舶が船だけ帰されたり人だけ帰したり、又その他海外におつて帰れないというようなことなんかも、曾つての占領中の状態とは違う状態でありますけれども、国内でもいわゆる行政協定に従つて国際上の問題として各地に基地その他又演習地などもふえて来ておりますので、民間は非常にこういうことに対して日本の外交と民意とが直結しないことをあせつておると思いますのでどうかこの国会が国の最高の権威でありまするから、苦しみつつある大衆の声をこの外務委員も直接に聞くようにして頂きまして、それに関して日本にいろいろ関係のある条約或いは協定、通商貿易協定というようなものなんかについても、やはり常設的な研究、その題目は例えば国際問題の一般調査ということでも結構だと思いますが、その中は通商貿易、航海条約とか或いは貿易協定とか、各地から随分多くの問題があると思いまするので、是非そんなふうに部門別にいたしましても常に研究して行つて、又それに民意が反映して行くようにして行くことが大事じやないかと思います。先ほど曾祢さんからも御発言がありましたことのほかに、あえて附け加えますならば貿易方面のことが随分国民生活に影響いたしておりまして、これは通産関係の仕事だとは申しますものの外務省にも経済局があるのでありまするから、そこにやはり国民の各国との貿易協定まで開いて行く、又貿易の実情についても外務委員会としてもこれに常置的な研究をして行く必要があると考えます。そんな点でどうかこの外務委員会がただに政府の提案した法案だけを審議したりするのでなく、又一般外交方針を呼んで聞くだけでなく、こちら側から積極的な調査態度を以て行つたならば国民の期待に副うことにもなりはしないかと、こう考えるわけで、特に委員長の御経歴に顧みましても是非一つ御考慮願いたい。発足に当りまして希望いたします次第であります。
○委員長(佐藤尚武君) いろいろな重要な御意見を拝聴いたしました。つきましては政府側から付議される案件のほかに、どういう問題を取上げてこの委員会としては研究乃至は政府との意見交換をすべきであるかということにつきまして、先ず以て委員会としての腹案をきめなければならんかと思うのであります。つきまして、私は本日午後からちよつと九州方面に参りまして二十七日の朝帰つて参ります。帰りましたらば直ぐ理事の方々にお集まりを願つてそうして御相談申上げその結果を委員会に報告しましてそれできめて頂く、こういうことにいたしたいと思いますが。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤尚武君) それではそういうことにお願いを申上げます。その間ここに列記されている案件の条約、これだけはすでに文書も参つているようでございますから御研究をお願い申上げます。 それでは本日はこれで散会いたします。 午前十一時二十三分散会 —————・—————