運輸委員会 第2号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/06/19
会議録
○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。 議事に入りまするに先立つて運輸大臣、運輸政務次官及び国有鉄道の総裁からそれぞれ発言を求められておりますので、順次発言を許可いたします。
○国務大臣(石井光次郎君) 運輸大臣の石井光次郎でございます。私このたび留任いたしましたので又何分ともよろしくお願いいたします。これまで皆さんがたのなみなみならん御指導、御鞭撻を頂いて参りましたのでありまして、この機会に厚くお礼を申上げる次第であります。 自立経済の達成は我が国目下の急務でありまするが、海陸空の運輸行政を総合担当いたしております運輸省といたしましては、その一環としての経済基盤の拡充発展に資すべく種々の重要施策を策定し、これを推進して来たのでありまするが新内閣におきましても、これら諸施策を新情勢に即応しつつ更に強力に推進して行きたいと思つております。即ち外航船舶の拡充、港湾の整備、鉄道新線の建設、老朽鉄道施設の更新、鉄道電化の促進、国際並びに国内航空路の拡充等に関する施策にして、早急に実現を迫られている数多くのものがありますのでありまして、その詳細につきましては、各局長から順次御説明を申し上げまするが、その解決は一にかかつて皆様がたの深い御理解と御協力によるものと存じます。私ども運輸行政を掌る者といたしましては、我が国の運輸、交通が健全な発達を遂げるよう努力いたしておりまするが、何とぞ皆様がたの一層の御指導と御援助をお願いする次第でございます。 これを以て御挨拶といたします。
○政府委員(西村英一君) 一言御挨拶申上げます。 私このたび運輸政務次官になりました西村でございます。運輸行政のことにつきましては、只今大臣から詳しくお述べになりましたが、私も前にちよつと運輸省におつたことがあるのですが、極めて一部分の仕事しかしていなかつたのであります。甚だ不馴れな者でございまするが、皆様がたの御指導によりまして、交通、運輸の行政に対して円満なる発達を期したい次第でございます。どうぞ今後ともよろしく御指導のほどをお願い申上げます。ちよつと御挨拶申上げます。
○説明員(長崎惣之助君) 私長崎でございます。国有鉄道のことにつきましては、当委員会の委員のおかた、新らしく委員になられたかたもございますが、大方のかたがたには従来とも非常に御厄介になつて、我々微力ながら運営の衝に当つておる次第であります。 今国会に当りましては、予算案を初め、日本国有鉄道法の一部改正というようなことを又お願い申上げなければならないのでありますが、それらのことを何分にもよろしく一つ慎重に御審議の上、御協賛を賜りたいと存じております。 —————————————
○委員長(前田穰君) 先ず木船再保険法案を議題に供します。政府から提案理由の御説明願います。
○国務大臣(石井光次郎君) 只今上程されました木船再保険法案について説明申上げます。 木船は、いわゆる機帆船、はしけ、曳船等を合せまして総計約二万八千隻、約百十万総トンを擁しております。機帆船についてみても、その輸送車は、内航汽船の一・五倍以上であつれ国内輸送上極めて重要な地位を占めているのでありますが、木船海運業は、概して零細企業でありまして、そり大部分がいわゆる一杯船主で、みずから家族と共に乗組んでおり、木船は、木船船主にとつてその全財産というても過言でなく、又唯一の生活手段でもあるのであります。従つて木船の減失は、一方において国内輸送の円滑は運営を阻害すると共に、他方において、木船船主を生活の困窮に陥れ、社会問題化する虞れがあるのであります。 然るに木船は、鋼船に比べまして危険率が高く、従つて保険料も高く、又木船船主側にも保険思想の普及が遅れておりまするため、木船保険は、営利保険の対象としては不適当な弱体保険であります。このため、昭和二十五年、船主相互保険組合法が制定されまして、木船船主が相互に相集つて結成する木船相互保険組合によつて相互保険を行い得ることとなつたのでありますが、この木船相互保険組合の保険事業には再保険を引受ける機関がないのでありまして、これは保険事業として危険極まりないものであります。又現在の木船相互保険組合は、発足後未だ一年を経過したばかりで、その基礎も弱く、信用度も微弱であり、附保隻数も全機帆船の一割にも満たない状態でめりますので、これらの弱点を是正補強するため、新たに木船再保険特別会計を設けまして、政府が木船相互保険組合の負う保険責任を再保険いたしまして、以て木船相互保険組合の健全な経営を確保するのが、この法律案を提出する理由であります。 次にこの法律案の概要は、木船相互保険組合とその組合員との間に保険関係が成立したときは、同時に、且つ強剛的にその保険金額の百分の七十を政府に比例再保険することといたしまして、政府がこの再保険事業を行うために要する木船再保険特別会計の事務費は、一般会計から繰入れて国庫で負担することといたしますと共に、政府が木船相互保険組合の保険責任を再保険することとなつたために、弱小な木船相互保険組合が濫立することを防止いたしまして木船相互保険組合及び政府の木船再保険事業の健全な経営を確保するため、附則において船主相互保険組合法を改正し、従来附保隻数百隻以上となつていた木船相互保険組合の設立要件を附保隻数三百隻以上に改正するものであります。 なお、木船再保険制度実施に要する経費及び木船再保険特別会計予算は、昭和二十八年八月一日から木船再保険制度が実施できるように昭和二十八年度政府本予算案に計上せられております。 何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことを希望いたします。
○委員長(前田穰君) 質問はこれを次回に譲りたいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田穰君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(前田穰君) 次に、臨時船舶建造調整法案を議題といたします。政府から提案理由の説明を願います。
○国務大臣(石井光次郎君) 臨時船舶建造調整法案の提案理由について御説明申上げます。 戦後我が国商船隊の再建につきましては、臨時船舶管理法によりまして建造の許可制度が行われておりましたが、同法は去る四月二十八日限りその効力を失いました。併しながら、新船の建造に関する諸般の情勢に鑑みまして、次に申述べますような理由に基きまして、右の許可制度を向う四年間に限り国際航海に従事いたします船舶について実施したいというのがこの法律案を提出いたすゆえんであります。 さて、我が国海運界の現状を見まするに、戦争によつて崩壊した商船隊の再建のために、戦後巨額な財政資金及び市中資金が投下され、更に最近、世界海運市況の悪化による船主の建治資金調達の困難化に伴い、政府は建治資金の造成を容易にするために、財政融資の増率、利子補給或いは損失補償制度の確立等に肝胆を砕いておりまして、これらの諸制度につきましても今国会で御審議をお願いする予定になつております。 このように海運の再建につきまして国家がいろいろ助成の方途を講じますことは、海外依存度の高い我が国経済にとりまして商船隊の再興が経済の自立化達成のための欠くべからざる要件であるからであります。殊に最近国際情勢の変転によりまして憂慮されております国際収支の均衡のためにも、戦争によつて壊滅した我が外航商船隊の急速且つ適切なる再建と整備とに努めなければならないことは言うまでもないところであります。 さて、かくのごとく国家が商船隊の再建につき深い関心を持つております以上、今後建造されます船舶は真に国民経済の要請に適合するものでなければならないのでありまして、このためには新船の建造につきまして政府が何らかの調整権能を留保することが適当と思料されるのであります。そしてこれは同時に又貴重な資金の有効且つ合理的使用という見地から申しましても、開銀を初め金融機関の建造融資に対する政府の助言と協力の体制として十分有効な機能を発揮し得るものと存ずるのであります。 さて、政府が新船の建造につきどのような判断を加えるかと申しますと、緊急に整備を要しまする航路の判定とか、当該航路におきましての適正な船腹量及び船賃の決定とか、商船隊再建の方向と航海条約や運賃同盟等に関連する複雑な対外関係とか、或いは海運業者なり造船業者なりに対しまする一般的な政策面の考慮等でありますが、このような点を考えれば、おのずから建造されます船舶の選択について一定の順序が存在するのでありまして、ここに船舶の建造許可制を通じて、かかる問題の調整を行い、以て新造船計画を誤りなく遂行し、商船隊再建と整備の目標を最もよく達成させようといたしたいのであります。 以上が、本法を制定いたします主な理由でありますが、次に、本法案の主な内容について簡単に申述べますれば、先ず、造船事業者が、国際航海に従事し得る五百総トン以上の鋼製船舶を建造又は重要な改造をいたします場合には、運輸大臣の許可を必要とすること、又、運輸大臣が右の許可をいたします場合には、一定の基準に従つてこれをなすことを要し、その場合許可の判断の基礎となります重要な事項につきましては、あらかじめ海運造船合理化審議会に諮つてこれを決定しなければならないこと等を規定しているのであります。又、本許可制度は、それが企業の活動に対する制約となる点より、商船隊の再建が一応目標に到達すると考えられる時期即ち四カ年間の臨時立法であることを規定いたし、許可の対象につきましても、臨時船舶管理法では鋼船の全部と、木船の二十総トン以上でありましたのを、本法案では単に五百総トン以上の、而も国際航海に従事し得る鋼製船舶に限定しておるのであります。 ここに許可対象となる船舶の建造を五百総トン以上といたしておりますのは、本法は、先にも申述べましたように、建造許可制度を通じまして我が国外航商船隊の再建と整備に資するということを目的としておるのでありまして、この場合外航とは日本、外国間及び外国相互間に就航することを意味し、従いまして、朝鮮、台湾等を含めた近海一区以遠の国際航海にはおおむね五百総トン以上の船舶がこれに従事し得るからなのであり、又、一九四八年の海上における人命の安全のための国際条約におきましても、国際航海に従事する船舶として五百総トン以上の船舶を取上げておるからなのであります。現在のところ、財政資金融資の対象となつておりますのは専ら遠洋区域の航海に従事し得る大型船の建造に限られておりますが、前述のように、本法は広く我が国外航商船隊の再建、整備に資せしめるという趣旨から申しまして、五百総トン以上の外航船舶について建造許可制をとることとしたのであります。 なお、最後に、漁船法との関係でありますが、臨時船舶管理法では、漁船のうち母船、魚獲物運搬船、トロール船、捕鯨船の四種についてのみ、同法第八条によりまして、建造許可の適用を受けることになつておりましたが、本法案では、一般商船に準ずるような機能を有する前二者についてのみ適用することとし、特に漁船としての建造許可は行わないことといたしておるのであります。 以上を以ちまして、提案理由の説明を終りたいと存じますが、何とぞ慎重御審議の上速かに可決あらんことを御願い申上げます。
○委員長(前田穰君) 本件の質疑も次回に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田穰君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(前田穰君) それでは引続きまして、運輸一般事情に関する調査のうちで、日本国有鉄道の運営及び予算に関する件を議題といたします。
○大和与一君 運輸大臣にちよつとお尋ねしたいことがあるのですが、夏季手当について、官公労の代表が十二日に首相官邸で官戸副長官とお会いをしたときに、多少考序する、こういうふうな意思表示がおありになつたと聞いておりますが、その根拠はどういうところにあるか、こういうことを一つお尋ねしたい。 第二は、衆議院の人事委員会で、人事委員会としては考慮すべきである、こういうふうに意思表示がなされたと聞いておりますが、この取扱について具体的にはどのような努力がその後なされておるか、お尋ねいたします。 それから第三には、夏季手当一ヵ月分を出すべきである、こういうふうに人事院の浅井総裁が官公労代表に言明をいたしました。その後食言問題も起りておりまするけれども、今日の生活状態から言つて一ヵ月程度は出すのが常識ではなかろうか、こういうふうに考えまするが、これに対してもどのような御見解を持つておられるか、以上三点をお尋ねいたします。
○国務大臣(石井光次郎君) その件につきまして一括して申上げておきたいと思うのですが、まだ政府のほうでははつきりした線が出ておりませんので、含もいろいろ話をいたしておりましたが、併しまだどの点まで行つておると申上げるという点まで行つておりません。折衝をいたしております。大蔵省を中心として話を進めております。
○大和与一君 進んでおりますか。
○国務大臣(石井光次郎君) 大蔵省のほうではなかなか無い袖は振れないという線でいろいろまだ話をいたしております。
○重盛壽治君 ちよつと一点大臣に。今のようなことでもあろうかと思うのですが、実際の情勢としては何がしか増額しなければならないようなところに来ているのではないかと考えます。そこで政府のほうとしても努力して頂くということで運輸大臣も一緒にやつて頂きたいということが一つのお願い。そうなつた場合に仮にどういう数字が出るかわかりませんが、その場合には当然なことでありますけれども、一応政府の線たけで、運輸省のほうの関係従業員が公共企業体ということになつている建前上、強いて切離せば切離すこともできる建前になつているので、そういう場合には運輸大臣は政府と同じ感覚でやつて頂けるかどうか、これが一点。若しやるとすればどういう操作、操作まではお答えして頂けるかどうか……、まあその点だけ一つ。
○国務大臣(石井光次郎君) これは昨年の期末の問題のときからいろいろ問題があつた線でありますが、そのときは政府の公務員の線に国鉄の職員の線を合せることが、あのときは有利な状態にあつたと思います。大体同じ歩調をとることになりましたが、今度の場誓いろいろな情勢から見まして、ほかの官公労等いろいろな関係がありまして恐らく政府の公務員と同じような歩調になるだろうと存じております。
○委員長(前田穰君) それでは日本国有鉄道の運営及び予算に関する点につきまして御説明をお願いいたします。
○政府委員(植田純一君) 私運輸省の鉄道監督局長の植田でございます。お手許に配付申上げております日本国有鉄道予算参考資料、この横の資料と、それから縦の予算説明資料、この二つの説明資料を基本にいたしまして概略二十八年度の国有鉄道の予算を御説明申上げたいと思います。 先ず資料の第二表、昭和二十八年度資金計画という第二表でございますが、この表で全体の姿を御覧願いたいと思うのでありますが、事業の運営に当る損益勘定、御承知の通り損益勘定と出資金及び工事勘定とに大別してございますが、この損益勘定におきましては、旅客、貨物等の運輸収入二千三百九十一億円、そのほか雑収入が約四十億円、合計二千四百三十一億円が損益勘定における収入でございます。これを財源といたしまして、支出の関係でありますが、経営費が千九百八十八億円、そのほか利子、減価償却費、特別補充取替費、予備費等を見込んでおりまして、このうち減価償却費と特別補充取替費、この二つを合わせました合計三百二十五億というものは、これは工事勘定の資金として損益勘定より工事勘定に繰入れる、つまり工事勘定の自己資金として損益勘定から繰入れられるものでございます。このほかに工事勘定の資金といたしましては、資金運用部の借入金百四十五億円並びに鉄道債券発行による八十五億円、その他不用設備及物品売却収入が一億円でございまして、この工事勘定の資金は五百五十六億円、これが資金であり、又工事費及び出資の財源に充てているようなわけでございます。 以上のような大体の予算の姿でございますが、これを款項別に歳入歳出予算として表示したものが第一表でございます。歳入歳出ともに総額二千九百八十八億円となつております。このうちには損益勘定から工事勘定の財源としまして受入れた三百二十五億円というものがダブつておりますので、これを差引きますと、純粋の予算額は二千六百六十三億円、かように相成つておる次第でございます。 次にそれぞれの項目につきまして御説明申上げますると、先ず収入でございます。収入はこの基礎になつております輸送計画におきましては、旅客輸送人員三十四億九千百万人というものを基礎にいたしております。これは二十七年度に比べまして丁二%の増加を見込んでいる次第でございます。それから貨物の輸送トン数は一億六千二百万トン、これは前年度に比べまして一・三%増ということで計上いたしているわけであります。このほかに自動車につきましては、旅客の輸送人員一億一千八百万人、貨物輸送トン数八十二万トン、船舶におきましては、旅客輸送人員一千万人・貨物輸送トン数六百六十七万トンになつておりまして、これらの輸送数量に基きまして運輸収入を見込んでいるのでございます。(「表に載つてないぞ」と呼ぶ者あり)自動車は実はこちらの説明だけで表には載つておりませんが、縦の資料に基きまして横の表を御説明申上げているつもりでございますが……。
○仁田竹一君 縦の表は何頁でしようか。
○政府委員(植田純一君) 二頁の収入という所へ参つておりますが、同じものが二つございまして、説明というのと説明資料というのがございますが、説明資料というので言つているのです。甚だ資料の連絡が悪うございまして失礼いたしましたが、改めましてこの事業計画、予算説明の事業計画、こちらの資料で御説明申上げます。 一頁の事業計画というところから、この事業計画の基礎になりまする輸送計画につきましては大体御説明申上げましたが、この輸送量、輸送人員は三十四億九千百万人、対前年一・二%の増でございます。又貨物輸送トン数におきましては一億六千二百万トン、対前年一・三%増、自動車、船舶の輸送数量につきましては省略申上げまするが、その運輸収入、この横の表の第二表の右側にございますように、鉄道、自動車、船舶、旅客、貨物、雑収、それぞれ計算いたしまして、運輸収入全体におきまして二千三百九十一億という収入を見込んだわけでございます。 次に工事計画でございますが、工事計画は、施設の維持及び取替補充に留意すると共に、国土の開発並びに必要な輸送力の強化に力を注いでおります。その主なものは、国民の熾烈な要望に応えまして、国土の開発、産業の振興等に資するため新線建設の促進を計画しております。又電化につきましては、現在施工中の浜松、姫路間電化を促進し、本年秋頃には、八月には名古屋まで完成する予定であります。貨物の稲沢はそれから二、三カ月遅れる予定でありますが、又山手貨物線の電化を計画いたしております。車両関係といたしましては電気機関車、内燃動車、客車、電車及び貨車等の新造のほか、客貨車の改造等でありまして、二十八年度の輸送力確保に重点を置いたのであります。特に内燃動車につきましては、地方交通の便益に供するため二百両余の購入を計画いたしておるのでございます。 次に要員計画でありますが、以上の計画を実施に移すために必要な職員数は四十四万七千二百四十九人でありましてこれは二十七年度の定員に、新線開業に伴い新らしく増員を要する三百三十人を加えたものであります。その他休職者一万三千二百五十一人については別に予算上の措置がとられております。給与の総額といたしましては、合計九百六十四億円というものが計上されておるのでございます。 以上の国鉄の事業計画に基きましてこの予算が組んであるのでございますが、実は先ほど別の資料で申上げておりましたので、若干重複する部分が又あるかと思いますが、その総額は先ほど申上げましたように二千九百八十八億円、純計におきましては、先ほど申しましたように三百二十五億がダブつておりますので二千六百六十三億、かように相成つておる次第でございます。 損益勘定におきまして、運輸収入は先ほど申上げました通りでございますが、経営費について見ますると、これは横の資料の第三表でございますが、人件費の関係では一万三千四百円べースに二十八年度の昇給を見込みまして算出いたしおりますが、そのほか期末手当一ヵ月分、奨励手当半ヵ月分といものを予算に組んでおるわけであります。そのほか休職者給与と合せまして、給与の額といたしましては八百二億、いわゆる損益勘定におきまするところの給与の額といたしましては八百二億円と相成つているわけであります。物件費の関係におきましては、動力費の大宗でありますところの石炭費として三百五十五億、電力が三十八億、その他が五億ございまするが、又修繕費といたしまして五百六十六億円、その他業務費、合せまして経営費の総額が一千九百八十八億円でございます。このほかに、先ほどもちよつと申上げましたが、減価償却費が四十九億円、それから特別補充取替費が二百七十六億円ございます。この国鉄の帳簿価格によりますところの減価償却が四十九億、更に昭和二十六年におきますところの複成価格によりまして必要な償却費が二百七十六億円でございましてこの合計の三百二十五億というものが実質的に国鉄の減価償却に必要な額、かように計算している次第でございます。四十九億と二百七十六億円とプラスしたものが。
○仁田竹一君 表のどこにございますか。
○政府委員(植田純一君) この第三表の利子、減価償却費、特別補充取替費、予備費、この減価償却費と特別補充取替費、この四十九億と二百七十六億とを併せたものが三百二十五億でございますね。これが実質的な国鉄の減価償却といたしまして、工事経費に繰入れる額でございます。そのほかに借入金の返還三十億が計上されまして、合せまして二千四百三十一億、これが損益勘定の経費の総額でございます。 次に工事勘定でございますが、その計画のあらましは前に述べましたが、その内容といたしましては、これも横の資料の第四頁にございますが、新線建設費が九十億円、電化設備費が七十八億円、車両費が百三十七億円、諸設備費が二百十二億円、かようになつております。このほか出資金といたしまして九千六百万円、これは第二表の資金計画の所にもございましたが、この工事勘定の出資九千六百万円、これは瀞都高速度交通営団の増資に伴う国鉄の出資分でありまして、神田・池袋間の建設に充てられるものでございます。これら工事勘定の財源といたしまして、資金運用部からの借入金百四十五億円、鉄道債券の発行によるものが八十五億円、不用品等売却収入一億円、いわゆる損益勘定よりの受入れが三百二十五億円、総計五百五十六億円となつておるのであります。さきに不成立になりました予算におきましては、御承知の通り借入金が百十億円、鉄道債券の発行が百二十億円というふうに予定されておつたのでありまするが、時日の経過によりまして、この借入金が三十五億円殖えまして、鉄道債券の発行が三十五億円減つた予算になつております。全体におきましては変更ございません。 以上大体国有鉄道の予算を御説明申上げたのでありますが、昨年御承認を得ました運賃改正によりまして漸く国鉄財政は不満足ながらも健全な姿を維持し得ることになりますので、日本経済の安定に資するため公共企業体としてより一層の能率向上を図り、サービスの改善に努めますと共に経営の合理化を行い、経費節減に努力いたすよう指導監督いたしたいと、かように考えておる次第でございます。 以上甚だとびとびになりましてお聞き苦しかつたと思いますが、御説明を概略終りたいと思います。 なおちよつと補足して申上げますが、あとでお配りしたようでありますが、この説明資料という冊子、大体同じでございますが、若干この説明資料というほうが詳しく記述してございますので、参考に供して頂きたい、かように存じておる次第であります。
○委員長(前田穰君) ちよつとお諮りいたしますが、只今の予算の説明の次に、国有鉄道の営業局長から一般の説明がありますが、予算の内容をなす事柄が主だと思います。それで只今の説明に対する質問がおありでありましようが、先ず以て国有鉄道の一般の説明を伺つてから、あとで質問したほうが便宜ではないかと思うのでありますが、如何でございましようか。御異議ございませんね。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田穰君) 御異議ないと認めます。
○説明員(津田弘孝君) 最近の国鉄の運輸状況等につきまして簡単に御説明申上げたいと思います。細かい数字につきまして一々申上げるよりも、大体の傾向を只今お配りいたしました簡単なグラフによりまして、国鉄の最近の営業状況がどうであるかという点を見て頂いたほうがよいかと思うのであります。資料といたしましては只今お配りいたしましたもの以外に、先に最近の運輸状況といたしまして、という資料がお配りしてあると思いますが、先ず第一に国鉄の旅客の輸送状況がどうであるかという点から申上げたいと思うのであります。 このお手許に差上げましたグラフの丁度真中の所に、乗車人員という項目がございますが、それの単位は万人単位でございます。それからその一番下の所に昨年十二月から一月、二月、三月、四月、五月、六月と月別に表わしております。月ことの波動を表わしております。乗車人員を御説明申上げますと、大体現在の国鉄の乗車人員のこれは各月の一日平均でございますが、毎日大体国鉄の乗車人員は定期と定期外、一枚々々切符をお買いになるお客さん、その両方とも合せまして大体平常毎日でございますと九百万人くらいがあるのであります。十二月に丁度炭労ストがあつたのでありますが、約九百万人、それから一月には若干上りまして毎日平均九百二十万人、前国会におきまして御承認を頂きました旅客運賃の改正をこの一月十五日からいたしたのであります。従つて、運賃改正の際には常に起る現象でございますが、直後は乗車人員が非常に減りましてこの二月の平均が八百九十万というふうなことになつております。勿論減りますのは定期以外の一枚々々の切荷をお買いになるお客さんの頭数でありまして定期のお客さんは殆んど減りないのであります。それが三月、四月は、これは気候も非常によくなつておりまして、旅客の非常に出盛る時期でございます。四月の一日平均のごときは九百五十万、六十万というような状況でございまして、日によりましては一日の旅客が一千万人を超えるというような日もあつたのであります。五月におきましては若干それが減つております。勿論修学旅行等、団体旅行が最盛期ではありまするが、四月に比べては落ちております。ところでこの実線が今年でありまして、その下の点線が去年でございます。去年に比べまして、四月も五月もお客さんの頭数は多かつたのでありますが、六月に入りまして、やはり毎年のことでありまするが、農繁期に入るのであります。同時にやはり今日の経済の不況を反映いたしまして、族客の数も若干減つて参るというようなことで、乗車人員におきまして、六月におきましては昨年より下廻つております。やはりそれでも一日九百十万くらいのお客さんが毎日国鉄に乗つておると、こういうような状況でございます。 それでは旅客の収入関係がどうかと申しますると、今御覧頂いておりますグラフの一番上段の所を見て頂きます。左のほうの単位は一億、三億、四億と、その間に千万円単位でやつております。で、これも本年が実線で、昨年が点線になつておりますが、昨年に比べまして本年は相当上廻つております。勿論先ほども申上げましたように、一月の十五日以後運賃の改正がありましたので、この運賃改正一割に伴いまして、昨年に比べまして増収になりておりまするのは勿論でございまするが、それ以上に最近の傾向といたしまして、只今御覧頂いておりまする表の一番下段の所に平均乗車キロという項目がございます。これは一人のお客さんが大体どれくらいの距離を運送されるであろうか。国鉄では旅客の足と言つておりますが、これは定期外の一枚々々切符をお買いになるお客さんと定期のお客さんと両方足した平均でございまするが、それが昨年に比べましてやはり伸びている。例えば最近わかつておりまする三月、丁度真中の所を見て頂きましても、これは左の方の指標はキロでございます。従いまして、昨年は二十三キロ六分くらいあつたのが、今年は二十四キロ五分と、こういつたようにお客の一人々々の乗られる距離が伸びております。従いまして、今年の一月十五日の運賃値上げに、更にこの旅客の足が伸びているというような関係からいたしまして、収入状態は一番上にありまするような線を描いております。四月のピークのごときは、一日約三億八千万円の収入を上げておる。それが五月、六月に入りますると、五月は先ほど申上げましたように乗車人員も相当年間で多い月でありますが、六月に入りまするとやはり農繁期に入りまする関係等からいいまして、毎年のように旅客の乗車人員は減つております。約一日の収入が三億足らずというようなことでございます。 旅客関係は大体それで終りまして、次には貨物関係に移りたいと思つております。 貨物関係はその次の表でございますが、これも真中の発送トン数という所で見て頂きたいと思います。単位は千トン単位でございまして、三十二万トン、三十三万トンというように指標を見て頂ければいいのでありますが、十二月は毎年年末で、ございまして鉄道の輸送も非常に高調を呈する時でございます。一日平均三十八万数千トンの輸送をしておつたのでございます。一月に入りますると、一月の十日頃までは大体貨物というものは非常に低調を極めるわけでございます。生産もないわけであります。従いまして、一月の一日平均は三十二万トンをちよつと超えております。それから二月に入りますると三十七万トン、三月が三十七万二、三千トン、四月になりまして三十八万トンを超えておる、こういつたような状況でありまするが、これも五月に入りますると、やはり一般の経済界の不況を反映いたしまして、三十七万トン台に落ちております。六月に入りますると、やはりこれ又農繁期の関係もございますし、それからやはり天候が六月になりますると、毎年のことでございますが、梅雨で荷役の関係等にも悪い、又一般の経済状況を反映するというような関係で、六月に入りましてからは一日平均三十五万トン程度でございます。 収入の状況はどうかと申しますると、これは今の表の上の段に取扱収入、これは左の指標は億円単位でとつておりますが、実線が本年、点線が昨年でございます。この二月の所を御覧頂きますると、二月の一日から先般の国会で御承認を得ました運賃の値上げを約一割実施をいたしたのでございます。従いまして二月が一日平均二億六千万円、三月もちよつと上廻つております。四月が三億円足らず、五月、六月になりますると、これが若干やはり発送トン数を反映いたしまして少し低調になつて来ておるということであります。このトン数と運賃の関係が、トン数の割合に運賃の値上りのほうが著しいではないかというような御疑問を或いはお持ちになるかとも思うのでありまするが、その点は今御覧頂いておりまする表の一番下の段の所に一トン平均輸送キロというのがございます。これは先ほど旅客について申上げましたと同様な考え方でございまするが、鉄道の貨物が、一トンの貨物がどの程度の距離を輸送されるであろうか、一トン当りの貨物の足でございまするが、これが昨年がやはり点線、今年が実線で表わしておりまするが、一トン当りの輸送キロ、足が昨年に比べまして相当伸びておる。例えば三月の例で御覧になりますると、一トン当りの平均輸送キロが、昨年は二百五十二キロくらいであつたのであります。そしれが三月の所を御覧になりましても、二百六十六、七キロというようなふうに、相当トン当りの足が伸びておる。それと運賃値上げの一割とが両方からみ合いまして、収入関係におきましては一割以上の昨年に対しての増収になつておるというようなのが貨物の状況でございます。 貨物の関係につきましてもう一つ御参考になりますることは、鉄道の発送を待つておりまする貨物、我々はこれを在貨と申しておるのでありまするが、その在貨の状況が、三枚目の表を御覧頂きますると、これも本年が実、線、昨年が点線で表わしておるのでありまするが、二十八年、本年の一月におきましては百三十万トンと百四十万トンの間、百三十五万トンくらいの貨物が一日平均鉄道の輸送を待つておつたのであります。これが我々のほうでは輸送にかかるストックでございますが、従いまして、先ほど申上げましたように、一日四十万トンくらいの輸送をいたしておりまするから、百三十万トンと申しますと約三日半くらいのストックがあつたのでありまするが、それが月を経るに従いまして、二月、三月、四月とどんどん減つて参つおります。そうして最近の六月におきましては、遂に八十万トンそこそこ日によりましては八十万トンを切りまして七十万トンというような状況に相成つております。これでも御覧になりまするように、昨年の同期と比較いたしましても更に在貨が減つておる。一時鉄道の在貨が二百数十万トンを超える、全国的に見まして……。全国到る所に滞貨が山積しておるというような状況から申しますると、今日七十万トン、八十万トンそこそこの在貨の場合には殆んど鉄道の貨物輸送の面におきましては余り御不便を、御迷惑をおかけしていない。ただ一部、山陰でございまするとか、或いは四国の一部とか、或いは九州の南のほうとか、若干問題はございまするが、これも輸送の配車を円滑にするごとによつて事なく解決を見る、むしろ場合によりましては、このような低一調な出貨の下におきましては、一部の貨物列車を取消さざるを得ないというような状況が現在の状況でございます。 以上簡単でございますが、最近の鉄道の旅客、貨物の輸送の状況を御説明申上げました。
○委員長(前田穰君) それでは只今の説明に対して御質疑がおありのかたは、どうぞ御質疑を願います。
○一松政二君 ちよつと伺いますが、今貨物輸送が非常に各駅で滞貨が減つたことは結構なんですが、それは輸送が円滑になつたとかサービスがよくなつたということもあるでしようが、主として貨物が減つたということが原因だろうと思うのですが、如何ですか
○説明員(津田弘孝君) 鉄道の貨物輸送の改善につきましては、国鉄を挙げましていろいろと努力をいたしておるのであります。只今一松委員から御発言ございましたように、最近貨物輸送につきまして、一部の地域を除きまして特段に支障を与えている所がないと申しまするのは、やはり只今御指摘になりましたように、鉄道に対する貨物の押掛けが比較的低調であるというようなことが非常な原因をなしていると思うのであります。我々としましては、こういう機会に鉄道の貨物輸送の質的改善というような面につきまして更にもつと掘下げて推進して参らなければならんというふうに考えまして早いろいろと計画をいたしおります。
○一松政二君 もう一点伺います。そうなればなるほど自動車と貨物競争が私は始まると思うのです。両方ともサービスを改善してそうして自動車が低運賃で輸送しようとするのでありますから、或る程度国鉄を圧迫する、その面に限つて圧迫すると思うのですが、それに対してはやはり相当のお考えを持つているだろうと思いますが、その点は如何ですか。
○説明員(津田弘孝君) 只今一松委員からお話のございましたように、鉄道の貨物のうちで近距離の貨物、なかんずく小口の貨物こつきましては非常な影響をすでに現在受けておるのであります。で、鉄道の貨物輸送の面におきましては、殊に急送の小口の貨物に対する輸送サービスというような面におきましては、一畳のところまだまだ改善をしなければならない余地が非常にあるのでありまして、今後の問題といたしましては、只今自動車との競争というようなお言葉もございましたが、更に我々といたしましては、この鉄道の長距離の輸送と、それから非常に機動性を持つたスピーディーな自動車の輸送とを如何にして結び付けて協力いたして輸送の改善を図つて行くかという問題、実は真剣に取組んでおりまして、最近部内にもそういう関係の調査研究、或いは実施の拍迫をいたしまする調査会というようなものでも作つてやつてみたらどうかというようなふうに考えてやつておる次第であります。
○大和与一君 今グラフを頂きまして、この中で自動車のほうのグラフは出ておりませんが、この中で自動車はどういう形になつておるかという……。
○説明員(津田弘孝君) 只今の御質問でございますが、これは鉄道貨物でございまして、自動車関係は一切含んでおりません。今のお話は国鉄自動車の分でございますか。
○大和与一君 ええ。
○説明員(津田弘孝君) その分は一切含んでおりません。併上こういつたようなグラフで同じようにできるわけでございます。御必要であれば作成いたします。
○大和与一君 国鉄全体の収入が上つたというけれども、そのうちで自動車のほうもこれと同じようにうまく行つているのか、これは随分ちぐはぐだけれども、全体としてまとめればこういうふうになるのか、これをちよつと知りたいのです。今この一松さんのお話もありましたが、私のほうも聞きたかつたのですが、八十万トンの在貨があるからどうやら行くのじやないかというようなことだと、国鉄全体の問題としてうまく行かないと思うのです。むしろ貨物誘致の積極策はどうか。それが又ひいてはお答えがあつたような内容に関連して来ると思うのですが、その点をちよつとこの次でもいいですから教えてもらいたいと思います。
○仁田竹一君 鉄道収入、特に旅客ですが、乗車人員は二十六年と七年とでは、二十六年には五、六が少くなつておる。二十七年は逆を行つておるわけでございまして、結局乗車人員には大した増減はない。こういうふうに考えておりますけれども、そうすると増収になりました原因が、一月十五日ですか、一割運賃政正をいたしましたものが収入増になるというふうに考えられるわけであります。ところが一面その一番下の平均乗車キロから申しますると、一人当りの乗車キロというものは伸びておる。そこで収入増になつた原因ですが、一割運賃を値上げをしたことによつて増収入になつたその率といいますか、金額とそれから乗客の乗車キロが伸びて、いわゆる足が伸びたということによる増収とを比較して見なければならんと思いますが、この乗車キロの伸びたということは恒久性があるかないか。何か特殊な事情によつてこれか伸びておつたものだとするならば、或いはこれは又減るかも知れない。若しこれの平均が従来の平年通りの乗客のキロにした場合に果して乗車運賃が増収になつておるかどうかということに、どうも私ども余り金額が大きいので見当もつきませんが、お考えはどうでございますか。足が伸びておるから増収になつておるということは一応考えられるわけでありますが、この足の分は下ることもあるわけですが、そうすると一体その収入増になつた原因は足が伸びたからなつたのか、或いは一割運賃を改正したためになつたのかということの見当がつかんのですがどうですか。
○説明員(津田弘孝君) 鉄道の収入増の原因といたしまして、先ほどもお語いたしましたし、又只今仁田委員からのお話もございましたように、足の伸びておりまする面と、それからまあ六月はこれば例外になつておりまするが、それまでは乗車人員が殖えておるというような関係、人員とその運ばれる乗車キロ、それの相乗積が、つまり、我々部内では人キロと、輸送の量を表わすのに人キロ、貨物の場合にはトンキロと申しておりますが、それが殖えることによりまして収入関係がよくなるわけです。只今足の点につきましてお話がございましたが、実は定期旅客と定期外の旅客とに分けて考えますというと定期旅客のほうは戦争中並びに戦後住宅事情が非常に不便であつた、従つて遠くから通勤、通学をしなければならないというような状況下におきましては、足が伸びるのでありますが、住宅事情が漸次ではありまするが改善をして参りましたので、定期におきましては若干足が短くなつて来た。併しそれほどの影響は、ございませんが、併し傾向といたしましては定期の足は短くなつた。それに対しまして定期外の旅客の足のほうはこれは長くなつております。その原因につきましてはいういろいろ考えられるのでありますが、一つの原因、而も非常に大きな要素をなしていると思いますることは、近距離の旅客というものがバスに相当取られているというようなことも、つまり足の短いお客さんが相当バスに取られて、足の長いお客さんが残つているというような原因も相当の要因をなしているのではないかというふうに考えております。 それから先ほど申上げませんでしたが、先般の運賃値上げは平均いたしまして一割の値上げということでございまするが、近距離におきましては若干値上率が高くなつております。最初の一キロから百五十キロまでの範囲におきましては、あれが一円八十五銭から二円十銭でございましたが約一割二、三分ほどの値上りになつております。遠距離におきましてはそれがずつと低くなつておるというような関係、而も鉄道の旅客は五〇キロ以内のお客というものが、近距離のお客というものが、非常に圧倒的に数が多い。そこの所で一割にあらずして一割二、三分というようなことも非常に大きくききまして、全体といたしまして乗車人員の割合には収入が上つているではないかというような御疑問を或いは起されたのではないかというふうに考えるのであります。理由といたしましては、只今申上げましたように人員の関係、その足の関係、それから値上げの近距離における率というような問題がからみ合いまして、このような結果を生じているのだろうというふうに考える次第であります。
○仁田竹一君 これは今ここで計算すると厄介ですからお尋ねするのですが、そうしますと輸送人員も殖えておる。それから足も伸びておる。そうして一月からは平均一割乃至一割三分の通貨の値上げになつておる。これが増収の主な原因になつておるのでありますが、数字を調べるのは厄介ですから……、実際の増収はそうしますと二十六年度に比べて運賃の値上げをした二十七年度は従来の収入に対して何割ぐらいの増収になつておりますか、調べればわかりましよう。
○説明員(津田弘孝君) 只今おつしやいましたのは、二十六年とおつしやいましたけれども、恐らく二十七年と二十八年の対比ではないかと思うのであります。国鉄といたしましては、大体乗車人員、従いまして貨物で申しますれば発送トン数が月ごとにやはり違うわけでございます。旅客で申しますと四月、五月が多い、六月にうんと少くなり、夏少し出る。又九月になると下る。秋の十月、十一月非常に多くなり、ちよつと又下つて年末に出る。こういつたような波動を描いております。貨物においても同様の波動があるのであります。従いまして一年間の収入を月別にその波動をもとにいたしまして四月の予定収入はどうなつている、或は五月の予定収入はどういうふうに割付けるというふうに予定収入を立てるのであります。大体四月、五月の予定収入というのはあるわけであります。それに対しまして詳しいことはまだ経理局のほうで精算をいたさなければわからないのでありますが、まあ大体十億前後の予定収入に対する増があるのではないかというふうに考えられております。
○仁田竹一君 そうするとそれは何割ぐらいになりますか、十億という金額は……。
○説明員(津田弘孝君) 予定収入は……。
○仁田竹一君 予定でなくして二十七年度、二十八年度の増収率がどのくらい、月によつて違いましようけれども、大よそのところが大体どのくらいになりますか。
○説明員(津田弘孝君) 今ちよつと手許に五月分だげの旅客収入の対前年比がございます。二十七年度と二十八年と比べますと御承知のように一月の十五日からの運賃改正でさいますから、二十七年の五月というものは運賃改正前でございます。その改正前に比べまして昨年は五月の旅客収入は百九十億、本年は二百十九億ということでございますから、率にいたしまして一割五分一厘の増、対前年度ということになつております。これが一割の値上げに対して一割五分一厘の増率になつておるということは変じやないかということが考えられるわけであります。これは先ほど来申上げましたようないろいろな原因、足の関係、なかんずく足の関係等が相当影響しているのではないかというふうに考える次第でございます。
○大倉精一君 ちよつと先の一松委員の御質問に関連してお伺いしたいのですが、最近トラック輸送の関係ですが、この鉄道輸送を圧迫するという面よりも、むしろトラック輸送に対する方針といいますか、そういうものが最近濫立のような恰好になつておると私は思うわけなんです。特に私はこの免許制度というものにつきましても、最近の傾向では無制限に免許するというような方針がとられているようですが、こういうようなことから交通の無秩序、無統制な状態が出て来ているのではないか。殊に最近著しい傾向は自家用車が闇輸送を盛んにやつておる。これに対するところの取締方法その他について殆んど手が打たれていない。こういうような点も非常に顕著になつたように見受けられますが、こういう点について将来、或いは近い将来に陸上輸送、貨物輸送についての何らかの一つの構想でいいです、そういうものがおありになるのか、おありにならないのか。
○委員長(前田穰君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(前田穰君) 速記を始めて。
○森田義衞君 国鉄の経営の基礎になる収入の見込でございますが収入は大体対前年と違いはございませんが、一ポツちよつとの増を見込んでおる。最近の在貨を見ますと、これが極めて低調である、又石炭の売れ行その他を見ても余りよくない、この点の今後の傾向でございますが、特に朝鮮の特需が或いは減るんではないか、或いは又それに関連します米軍輸送が減るんではないか、これらも国鉄のこれまでは相当大きな収入の基礎になつておつたような要素である。そうなりますと、本年度の収入は、こういつたような見込通り、当初立てました見込通わ果して行くようなお見込を持つておるかどうかといつた点に少し疑問を持つわけです。そうなりますと、今後の経営について相当やはり人件費も要りましようし、或いは相当経費も要ると思いますし、なかなか運営書しくなつて来るんではないかといつたようなことを恐れますが、そういつたお見通しにつきまして見通しを聞きたい。
○説明員(津田弘孝君) 只今森田委員からお話のございました点でありますが、今お示しがありましたように、朝鮮の休戦に伴いまして、今後の日本の産業がどのように推移して参りますかというような点につきまして、なかなか予想が立ちにくいだろう、鉄道の貨物輸送の面に現在すでに現われて参りました面から申しましても、先ほど鉄道監督局長から、本年の貨物輸送一億六千二百万トンを予定しているということで予算は組まれておるのであります。何とか国鉄としては全能力を挙げて、それだけの輸送を完遂いたしたいというふうに考えておりますが、何と申しましても、その輸送に先立つところの生産の状況が或いは低調になるというふうなことになりますると、なかなか予定しておりましたような収入を挙げ切れないというようなことになる虞れが相当にあるというふうに考えております。まあそんなようなときに、一体国鉄の経理をどういうふうに賄つて行くかというようなことにつきましては、鋭意又部内で相談をいたして参りたいと思つております。
○大倉精一君 ちよつと要員関係についてお伺いするんですけれども、この昇給を見込んでおるというようなことになつておるんですが、これは一般のベース・アップのことを意味するんですか、そうではないんですか。
○説明員(高井軍一君) お答えいたします。国鉄の経理局長でございます。ペース・アップというものにつきましては、この予算には全然盛つてございません。在来のベースにおきまして見ております。
○大倉精一君 では続いて第二は、昇給が一般職員に行われた場合には、休職者にもそのように適用されるということなんですか。このように見込んであるんですか、この予算措置としてあるのは。
○説明員(高井軍一君) お答えいたします。休職者にも在来と同じく、公傷者につきましては全額支給することに相成つております。そうして、そういう場合に休職者につきましても所定の、在来と同じように給与を規定されております期間は支給することに相成つております。
○大倉精一君 そうすると、大体一般の昇給があれば、休職者にも在来はそれに準じて上げておるわけでございますね。
○説明員(高井軍一君) 定期昇給のことじやないかと思いますが、定期昇給については見ておりません。休職者につきましては見ておりません。
○仁田竹一君 今のは一割何分でしたか、二十七年度と八年度の乗客の収入増は。
○説明員(津田弘孝君) 五月の場合ですか。
○仁田竹一君 そうです。
○説明員(津田弘孝君) 一割五分一厘でございます、五月の分が。
○仁田竹一君 運賃値上げは大体一割三分ぐらいになつているのですか。
○説明員(津田弘孝君) そうです。最初の百五十キロまでは一割三分ぐらいになつております。
○仁田竹一君 それを平均すると……
○説明員(津田弘孝君) 平均いたしますと一割……。
○仁田竹一君 それ以外は足を見込んだりして大体においていいのですね。
○委員長(前田穰君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(前田穰君) 速記を始めて。
○大和与一君 夏季手当の問題について組合と団体交渉をおやりになつておられると思うのでありますが、それがまだ妥結しないのに、二十三日に当局は一方的に出してしまうというおきめが何かあるようなことを聞いておりますが、それは団体交渉でまとまつたら、きまつたら出すというようにできないものですか、それが一つ。 それからさつき運輸大臣のお話もあつたように、〇・五プラス・アルフアというものが何か出そうだということは大体想像がつくだろうと思うのであります。その場合に国鉄自体として、公共企業体として何とか割増しができるのじやないか。例えば石炭の単価の値下りとかいろいろ問題がありますが、若しも全般的に〇・五にプラス相当のものが入るということにきまれば一番いいことでありますが、国鉄自体として賄えることをお考えになつているかどうか、それが第二点。 それから第三は、新賃金の問題が今裁定にかかつておりますがこれが近く裁定案が出ると思います。どのくらい出るかわかりませんが、例えば一割とか一割五分というちよつと噂もありますが、今回の裁定案が出ました場合には、当局としてはそれを実施する決意というか、腹がまえがあるのか、そういうことをお尋ねしたいと思います。
○説明員(長崎惣之助君) 夏期手当の問題は、御存じのように予算には〇・五ヵ月分しか盛つていないのです。今日のところそれ以上何ともお答えできません。 それから支払の期日でございますが、すでに公務員は十五日に払つてしまつた。我々のほうも所定の二十三日に払いたいと思います。お受取りにならないかたはいたし方がありません。 それから新賃金ベースのことでありますが、これはまだ裁定が何ともわからないのでございますからどういう措置をとるかということもちよつとお答えいたしかねます。裁定が出ればこれは私どもとしてはその裁定に従わなければならないということは法律上明らかでありますから、これもよく御了承を願いたいと思うのであります。
○大和与一君 もう一つ。〇・五がきまつた、これは当り前な話しですが、それ以外に全然出ないということはないと思うのでありますが、国鉄としてはちやんと団体交渉をやることができるのですから、それでやつて何とかまとまれば出ても差支えないと思うが、それが初めから全然出す気がなくて〇・五だけだと言い切つてしまわないでもう少し馬力をかけて頂きたい。
○説明員(長崎惣之助君) 今出した暫定予算では〇・五しか盛つておりません。 —————————————
○委員長(前田穰君) それでは御質疑もないようでありますから、次に航空事業の現況に関する件を議題といたします。航空局監理部長粟沢一男君が出席いたしておりますので説明を願います。
○政府委員(粟沢一男君) お手許にお配りしてございます「民間航空の現状」というものがございます。これに基いて御説明申上げたいと思います。 御承知のように戦争までは相当の技術基準で発達しておりました日本の航空も、敗戦と同時に一切の航空活動を停止、禁止されまして、航空機の生産或いは運航、研究、所有、一切のことを禁止されたわけであります。爾来約七年に近くいわゆる航空の空白時代があつたわけであります。昨年平和条約が発効と同時にその制限が解除されまして、今日は御承知のように航空活動は一切自由である、こういう状況になつておるのであります。その間に、ここにも書いてございますように、一昨年の十月から非常に変則的な、日本航空のノース・ウエストの飛行機による国内航空の運航というものが開始されて、爾来引続いて現在に至つております。この日本航空は御承知かと思いますが、昨年からノース・ウエストによるチャーター飛行をやめまして、一切自分で飛行機を所有して運行いたしております。ただ併し遺憾ながらまだ操縦士が日本人になつておりません、現在アメリカ人による運航をいたしておるのは甚だ残念に思つております。 順序としまして、国際航空の状況を御説明申上げます。只今日本に乗り入れております外国の航空会社はここに書いてございますように十一社ございます。アメリカが二社、イギリスが一社、カナダ、豪州、フィリピン、タィ、中国、これは台湾中国でございます。オランダ、エール・フランス、それにノールウエー、スエーデン、デンマークの共営いたしておりますSASの合計十一社が現在日本に乗り入れております。国際航空は御承知のように今日非常に発展しておりまして外貨の節約、或いは国際交通の促進の面から、すでに実用機関になつておりますので、日本といたしましてもできるだけ速かにこれを開始したいと思いまして本国会にも国際航空を実施するための航空会社を一社設立する、それに対しまして政府が千億の出資をする、現在の日本航空会社はこれに対して営業の全部を出資をするという形の法律を提案いたしております。後ほど御審議を頂くことになると思いますが、よろしくお願いいたしたいと存ずる次第であります。なお、その国際航空をいたしますにつきましても、或いは現在の日航のルートを実施いたしますについても相当の航空機が必要なんでございまして、概算いたしまして今年度だけでも航空機の資金として二十億に達する金額が必要なのであります。これらの資金獲得ためにも航空機を抵当に入れる動産抵当の方法が非常に要望されておりまして、現在の売渡し、譲渡の担保形式では非常に不備でありまして是非航空機を動産であるけれども抵当に入れる途を開いて欲しいという要望があつたのでありまして、航空機抵当法案を同じくこの国会に提案いたしております。この点につきましても同じく御審議を頂きたいと存ずる次第であります。 次に国内航空の事業概略でございます。先ほど申上げましたように日航は現在自分の所有する飛行機、これはDC四型であります、六機持ちまして、現在御承知のように福岡、東京、札幌間というものを毎日二回往復いたしております。これの最近の実績は、お手許にございます資料にも書いてございますが、大体六〇%乃至六五%の旅客利用率を見ております。国際的に申しまして六一%を超えた程度の利用率があれば運送事業も大体ペイする標準になつております。日航といたしましても、過去において創業以来現在まで相当の、一億を超える赤字を出しております。現在ではこの状況で進めば大体国内線としては黒字を出し得るという状況でございます。なお、営業関係につきましてやや詳しく書いてございますので御覧頂けばわかると思います。 次に、日航以外の会社のいわゆる航空事業の免許状況でございますが、これは別表、お手許にございますが、別表にも載せております通り定期航空会社として現在日航だけ、そのほかに不定期と申しておりますが、これは旅客等を積みまして、いわゆる遊覧飛行その他エア・タクシーのごときものを呼んでおります。これは現在ここにございますように四社免許をいたしております。 それからその次の紙にございます航空機使用事業と申しますのは、下の欄の事業内容に書いてございますように非常に多くの、いわゆる産業航空と申しております空中測量、写真撮影、宣伝その他の事業をいたすものでございます。定期、不定期以外の航空機を使用して行います事業は一切これに全部入つております。これは現在十六社免許になつております。民間航空の現状と申しますプリントは、先月のものでございますので十五社と書いてございますが、現在は十六社になつております。 次に飛行場の現状を若干申上げたいと存じます。御承知のように戦争中日本は相当数の飛行場を作つておりました。現在いわゆる飛行場と通常称せられるものが約九十ほどございます。そのうちに五十を超える飛行場が現在アメリカの空軍その他で使つてございます。勿論日本でも定期航空、或いは先ほど申上げました産業航空、或いは新聞社の自家用の飛行機等がそれらのうち相当の部分を共用いたしております。それらの細かい個所別のことにつきましては省略いたします。 なお現在の数の飛行場でも将来ローカル線等を開始いたしますためには、 滑走路の状況、或いは航空通信その他の保安施設につきまして若干欠けるところがございまして、それらにつきましては、なお予算要求等をいたして飛行場の整備をいたさなければなりません。そういうものが若干ございます。それらを整備いたしまして、成るべく早く現在の日航のやつております以外のローカル線も開始いたしたいと私どもは考えておるのでございます。 次に航空保安施設でございますが、これは御承知でもございましようが、航空燈台或いは航空無線、ラジオ・ビーコンといつたようなものが相当数使われております。なお現在東京で御覧になります高い建物、或いはアンテナ等にあります赤い電気、あの明滅いたしております赤い電気も、航空障害燈と申しております。これも保安施設の一種でございます。これらのものはここに書いてございますように、ラジオ・ビーコンが現在二十二ヵ所、航空燈台は大体東京以西でございますが、二十九カ所ございまして、只今航空局の職員の手によりまして運営いたしております。なお、そのうちでアメリカ空軍のみが使用いたすものがございます。先方の要請で作りましてアメリカ空軍の専用いたしておりますものは航空局の職員が運営いたしております。防衛分担金から出しまする先方の資金を日本の予算に入れまして、それによつて歳入を立てまして運営いたしている次第でございます。 次に、航空通信でございますが、そのうち特に羽田にございます国際航空通信というものが、ちよつと特別のものでございます。御承知の通り、国際民間機が田本に入つて参りますのに、羽田の一つ前の飛行場と羽田との間の基地連絡、或いはその飛んで参ります飛行機との無線連絡というものが航空保安上絶対に必要でございますが、これは戦争中にアメリカの施設ができておつたのでございます。こういうものは、日本に外国法人の施設を許すことができないという建前によりまして、只今日本で買収いたしまして、航空局の手で運営いたしております。なお、このほか航空通信といたしましては、御承知のように札幌或いは三沢、東京、福岡、名古屋、大阪といつたような民間定期航空をいたしております所には、全部無線の航空通信施設が備えてございまして定期航空の安全を確保するために日夜業務に従事しております。 次に、航空交通管制の状況でございますが、これは多少御説明を要する点があると思うのでございますが、大体只今の航空はすべて計器飛行によるのが原則でございまして、夜間でも或いは非常に曇つておりますときでも定期航空は出発しなければならんということになります。そういう場合に必ず通らなければならない航空路というものを指定してございます。ここにその地図を持つて参りましたが、この幅をとつて線を引いてございますのが航空路でございます。相当な幅、十マイルでございます。この幅だけに航空を限定いたしまして、而もその交叉点或いは屈曲いたします要所々々にすべてラジオ・ビーコンその他の施設をつけておりまして、この航空路を飛べば大体飛行機は現在安全に飛べるという建前になつております。但し、今御覧になりましたように、一定の幅をとつております。現在日本の空に相当の軍用機と民間機が無数に飛んでおります。それらにこの航空路を秩序立つて安全に飛ばすためには、やはり空におきましても道路にありますような交通統制というものが必要でございます。例えば上り便は必ず千フィート、二千フィートという偶数の高さを飛び、下り便は千五百フィート、二千五百フィートという奇数の高さを飛ばなければならない。スピードについても、雲の中で追越して追突するようなことは避けなければならない。こういうような関係がございますので、すべて日本の空間を或る範囲に分割いたしまして、その範囲内の航空機の情勢は、地上のレーダー、或いは無線によりまして全部一ヵ所でコントロールいたしております。なお飛行場等につきましては、非常に頻繁に発着がございますので、これにつきましても、待機中の航空機の動静、或いは発着の順位その他につきまして、飛行場の係官が管制いたしております。それらの事務を航空交通管制と称しております。現在は、その管制業務によりまして、この日本の空間全部がコントロールされているわけでざいます。それが只今、戦争以後、米軍の軍用機が飛んで参りましてアメリカの管制に上つて航空交通管制が行われているわけでございます。日米間の協定によりまして、成るべく早く日本の空は日本人の管制官で交通管制を行うという建前にするということになりまして、只今この交通管制官の要員を訓練中でございまして、早ければ来年くらいには日本人の手によつて交通管制が行われるという見込を持つて只今進めております。今年度予算にもこれが訓練要員の要求を提出いたしてございます。現在のごとくアメリカ人によりまして交通管制をいたしている状況では、緊急の場合にもパイロットは英語を話せなければ非常に危険であるといつたような不便がございますので、速かに日本人による交通管制に移したいと念願いたしている次第でございます。 次に、航空機のパイロット、その他乗組員の現状でございます。現在は、定期運送用の操縦士が三十二名、上級事業用操縦士が一名、事業用及び自家用操縦士が百五十五名、航空士、通信士等の資格をとつた者が百七十八名という現状になつております。すべてこれは航空法によりまして試験を通つた者でなければこの業務に従事できないという規定になつております。 次に、登録航空機の現状でございます。現在はここに書いてございますように、飛行機で単発機が四十四機、双発機が八機、四発機が六機、回転翼航空機とございますのはヘリコプターでございます。これが十機、それからグライダーが五十四機、これだけのものが登録した飛行機でございまして、そのうち、次に書いてある飛行機九機、ヘリコプターが二機、グライダー十七機、計二十八機はまだ耐空証明を受けておりません。これは実施中の航空機でございます。 次に、国際航空関係でございますが、これは御承知の通り、国際民間航空条約というものがございまして、各国とも相互に乗入れをする場合には、航空協定を締結して相互に許可を得て乗入れるということになつてございまして、只今の航空協定の状況を申上げますと、アメリカとイギリスはすでに航空協定を締結いたしまして、国会の御承認を得て現在実施いたしております。それからスエーデン、デンマーク、ノルウエー、オランダ、タイ、この五カ国は、協定の案文は、相互に同意をいたしまして調印いたしましたが、本国会に御承認を得べく提出準備中でございます。なおそのほかにもフランス或いはカナダ、台湾、フィリピン、南米というような、日本がこれから乗入れいたしたいと希望している国々とは、それぞれ今後航空双務協定を結いたさなければならんということになつているわけでございます。 大体以上で、非常に概略でございますが、我が国の民間航空の現状を御説明申上げました。なお資料には、そのあとに世界の航空事情というのが書いてございます。大体各国とも特に国際航空には政府が百%出資、或いは相当の補助金を以ちましてこれをバツク・アップしているという状況が書いてございます。これは御参考にいたして頂ければ結構と存じます。非常に概略でございますが説明を終ります。
○委員長(前田穰君) 御質問がありますれば。
○大倉精一君 航空交通管制要員を訓練中ということですが、これは今までの日本のでは間に合わぬわけですか。特に訓練を用する理由というのはどういうことですか。
○政府委員(粟沢一男君) ちよつと御説明を落しましたが実は日本では戦前は航空交通管制というものはやつておらなかつた、それで仕事としましても新らしい仕事でありますが、相当無線機械等を使つて行うのでございまして、すべて要するに、ラジオを使つてやる、或いは航空の知識もなければいけませんし、気象状況の知識もなければいけませんというような関係で、やはり従前のパイロット、その他をそのまま使えないというために訓練をいたすわけであります。
○大倉精一君 軍関係でもやつていなかつたわけですか。
○政府委員(粟沢一男君) やつていません。
○委員長(前田穰君) 他に御質問ございませんか。他に御質問がなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十二分散会