P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
16回国会衆議院1953/09/03

労働委員会 第22号

発言数
109
登壇者
10
会派数
4
開催日
1953/09/03

会議録

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ただいまより労働委員会を開きます。  駐留軍労務者の争議問題について調査を進めます。  この際お諮りいたしますが、本件につきまして市川誠君を参考人といたしまして意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議がなければさよう決します。  なおこの際委員長より一言申し上げておきます。先般来当委員会におきまして、日米労務基本契約の問題につきまして、いろいろ政府当局に本委員会より要望等ございました。その後、政府の異常なる努力によりまして、また組合のきわめて弾力性のある態度によりまして、九月一日円満調印に至つらということは、まことに喜びにたえません。この機会を通じまして、当事者それぞれに対しまして、深くその労を多としたいと思うのでございます。  なおこの問題につきまして概要でけつこうでございますから、労働大臣よりその調印に至つた経緯及びその結果につきましてこの際御発言をしていただきたいと思います。労働大臣小坂善太郎君。

小坂善太郎自由党労働大臣

○小坂国務大臣 ただいま議題と相なりました日米労務基本契約の問題につきまして、当委員会におきましても種種御心配に相なりました。私ども政府当路者といたしまして、できる限りこの問題を円満に、しかも駐留軍労務に従事される方々の御納得を得る線において解決したいということに努力して参りましたところ、ただいま委員長のお話のありましたごとくに、九月一日におきまして、主文また附属書の要網を含めたものを円満に妥結を見るに至つたのであります。  この問題は、御承知のように、昨年の六月改訂を考えられまして以来の懸案でございまして、それ以来、日米当事者並びに組合側におきまして、いわゆる三者会談をもつて、あるいは二者会談において進行して参りましたのでありますが、本年の三月以降この交渉もとだえるに至りましたのであります。組合側におきましても、はなはだこのことを不満とされておるという状況も聞きました。私も、労働大臣拝命以来、鋭意この問題の解決に努めて参りましたつもりでございますが、なかなかはつきりした解決点に至らず苦慮して参りました。去る六月初旬におきまして、アメリカ軍当局より、労務基本契約の米軍案なるものの提出を見たのでございますが、どういう関係か、これを私どもが知りましたのは六月の末日になりましたころで。ございました。私といたしましては、駐留軍労務というものは、非常に一時的性質を持つもののようにも考えられる、すなわち日本の敗戦に伴う、また占領解除後の行政協定の結果の所産ともいうべきものでございまして、それなればこそ、よけいこの駐留軍労務に従事せられる方々に対しては、深き愛情をもつて臨むべきであろう、こういうようなことも考えましてできる限り組合側の御意見も伺い、この問題の解決に当ろうと決意いたしたのでございます。六月の二十四日になりまして、ここにおります福島調達庁長官に新たに調達庁長官として来てもらうことになりましたのでございますが、それより先、二十二日に全駐労の側におきましてスト権を委譲するという御決議があつたようでございます。その後福島長官も鋭意この問題の解決に努力せられまして、あるいは三者会談に、あるいは二考会談にと努力せられたのでございますが、その間組合におきましては、八月の十二、十三両目ストライキを決行せられたのであります。私どもはこの労働組合がストライキをされるということにつきまして別にとやかく言うことはないのでありますけれども、ただこの対象がアメリカ軍であり、双方の慣習の相違あるいは言葉の行き違い等によりまして不測の事態の発生も考慮せられるので、もしそういうことになつては非常に困ることになりはしないかと思いまして、非常に事態を重大視しておりましたのでありますが、組合側においても非常に努力せられまして、よく統制をとられて、円満裡に第一波スト、四十八時間ストを終られたのでありました。その後に至りまして、非常に長官も御苦労せられまして、先方の当事者も、サリバンという参謀次長少将から、ハンロン少将が参謀次長にかわられましたので、ハンロン少将との間に昼となく夜となく、非常に緊密な連繋のもとに交渉を進められました。問題となつておりました人員整理あるいは保安解雇の問題、あるいは団体交渉の問題、そうしてまた組合活動の問題あるいは新職階制と現給保障の問題、そういう点につきまして、大体組合側の御納得の行き得る線において問題の結実を見たのでございます。  私どもといたしましては、行政協定第十二条にございまする労働三法の適用、このことをはつきりとうたい込ませることが、一つの大きな目標であろうと思いまして、この二との話はいち早くつけたのであります。なお消防警備要員のストライキの禁止というような条項を基本契約に表面化されることは、はなはだ疑義のあることでございまするから、これもひつ込めてもらうようにいたしたのであります。さらに日米共同管理の原則を貫く、こういう点につきましても努力をいたし、このような結果が生れておると考えておる次第でございます。その経過の一々について申し上げることは非常に長時間を要しまするし、またこの問題についてきわめて御熱心な各位におかれましては、すでに御承知のことと存じまするから、これを省略さしていただきますが、そうした種々の経緯を経まして、九月一日、無事に三者間において満足の行くべき結論に到達した次第でございます。今後とも、われわれといえども、この実施にあたりまして、十分この趣旨に沿いまするようにでき得る限り努力をいたして参りたいと思つております。もし補足することがございますれば、調達庁長官の福島君から、さらに言つてもらうことが適当であろうかと思います。  なお、この際蛇足でございますが、この委員会において先般来問題になつておりました極東海軍の解雇予告手当の問題、これもあわせて先方とよく話し合つた結果、この問題も妥結を見まして先方より支払いを受けることになりました。これも長年の懸案でございましたので、あわせて御報告をいたします。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 市川参考人の発言を許します。市川参考人、

市川誠全駐留軍労働組合中央執行委員長

○市川参考人 全駐労の執行委員長市川誠でございます。参考人といたしまして、駐留軍の労働争議関係に関して公述をいたしたいと思います。  今回の駐留軍関係の労働争議は、ただいま小坂労相からも御説明がありましたが、日米労務基本契約の改訂に関するところの懸案につきまして、組合側の修正要求の貫徹という目標でありました。契約改訂の交渉の経緯につきましては、大臣が概要今申し述べられましたので省略をいたします。  私どもの組合の全駐労と全日駐との共同闘争によりまして、今度の契約改訂に対しまして共同の修正要求をいたしたのであります。八月の五日に久しくとざされておりました三者会議が開催されたのでありますが、当日の席上におきましては、組合側がしぼつて要求いたしました八項目に対しましては、まことに組合側が遺憾とせざるを得ないような軍側並びに政府側の態度であつた。そのために組合側といたしましては、それぞれ協約に基くところのストライキ通告を行いまして八月の十二、十三の両日にわたりまして四十八時間のストライキを決行いたしたのであります。この間におきましていろいろな事件が起つておりますが、これにつきましては後に述べたいと存じます。  第一波のスト終了後、われわれといたしましては、平和的な交渉によつてのこの問題解決の誠意を持つておりましたので、政府側にも強く申入れをいたしまして軍との交渉を要求いたしたのであります。かなり時間がずれましたが、八月の二十一日にまた三者会議が持たれたのでありまして、そこにおきまして若干の事項について進展を見ました。それらの情勢を、組合側といたしましては十分に検討いたしました結果、この際政府並びに軍側に、組合の具体的な要求案に対するところの検討の時間を与えるという態度をとりましてストライキ通告を行つたのでありますが、その後の情勢等も勘案いたしまして第二波を予定しておりました二十八日、二十九日の四十八時間のストライキを一時中止をいたしたのであります。その後政府側でも軍側と交渉し、また組合側の代表を入れての三者の交渉が二十九日、三十一日に持たれまして、その結果といたしまして、重要事項についての了解点が得られたので、九月一日に正式な三者会議を開きまして、契約の主文関係におきましては、人員整理の条項並びに保安に関する条項ないし団体交渉に関する条項等につきまして大体組合側の要求がいれられるというような状態になつたのであります。  もちろんごの労務基本契約は、契約主文のほかに、かなり厖大な附属書がついております。この附属書は給与表並びに職務分類表といいまして、三百五十ほどの職種の詳細な職務分類が書き加えられておりまして、それぞれの職階グレードがきめられたのであります。それらの点につきましても、原則的に新しい契約に切りかえる場合におきましては、現在もらつている給与を保障するというような原則事項、さらにまた労働政策指令の中におきまして、組合活動にかなり苛酷な制限が加えられておつたのでありますが、その中の条項につきましても、組合の修正要求の点につきましては、若干の要求をいれるというような状態にありましたので、一応九月一日の三者会議におきましてこれらの主文関係並びに附属の原則事項、労働政策の中の原則事項につきまして、組合側も同意をいたしまして、そして確認書をかわす段階になつたのであります。  しかし、附属の中におきましては、給与関係におきまして、原則的に現在までもらつている給与を保障するというこの原則が、三者によつて確認されたのでありますが、それらの理解の仕方あるいは現給保障の内容によりまして、私どもの考えておる点では、組合側の現給保障の内容と軍側の現給保障の内容におきましては、かなりな開きがあるように感ぜられております。九月一日の確認に基きまして附属及び労働政策につきましては、九月一ぱい中にこれを作成するという交渉が持たれたわけでありますが、この点から考えてみますと、附属の中で特に給与関係の問題が、この九月中の交渉の中において、かなり大きな難関として予想される次第であります。組合側といたしましては、現在もなおストライキ態勢を堅持しつつ、平和的な交渉で解決する方針をもつて臨んでおります。このような附属あるいは労働政策は、全部作成、一致することになりますれば、日米労務基本契約に関しましては、十月一日に効力発生ということが一応三者間において確認をせられておる次第であります。  この闘争の経過を通じまして、ただいま大臣からも述べられましたが、一応駐留軍の労務者に対しまして労働三法の適用、尊重ということが、かなり明瞭になつて来ております。しかし、私どもが次に申し上げますようないろいろな現在起つております事件が、なかなか解決せられない、こういう実情を考え合せてみますれば、新しい契約におきまして主文あるいは附属ないしは労働政策というものが、ここにできたといたしましても、今後駐留軍労務の管理にあたりましてアメリカ政府と日本政府との共同管理の中におきまして、特に日本政府側が相当はつきりした態度をもつて自主的な労務管理を実施いたさない限り、新しい契約下におきましても、駐留軍労務者の権利というか、生活がはつきり守れるかどうかということは、かなりの疑問を残していると、かように危惧いたしておるのであります。それらの点につきましては、われわれといたしましても、十分政府側の努力に期待をいたしておるのでありますが、過去の例から考えまして、新しい契約下においても、なおかつそのようなことを危惧せざるを得ないような実情にあるのであります。  以上が大体契約改訂闘争の状況並びに九月中に予想される問題点でありますが、この際第一波のストライキの中におきまして起りました事件、並びにその後軍側がこの争議に対するところの報復的な行為とわれわれの立場から考えられるよ長いろいろな事例が起つておりますので、それらについて申し上げまして、十分なる御配慮を願いたいと思うのであります。  八月十二、十三日のストライキの決行に際しましては、東京地区のQM支部におきましては、大型の軍用トラックが高速度でピヶツト・ラインを通過いたしましたために、その際QM支部の組合員中台良平君が全治二箇月ほどの足首の骨折重傷を負つております。これにつきましては、その後、都庁あるいは軍側とも交渉を持つておるのでありますが、八月二十五日現在におきましても、軍側の陸軍部隊代表は、ストライキそのものも非合法と断定するような発言をいたしまして、具体的なこの傷害事件に対する責任の糾明の問題、ないしは具体的な補償の問題について、何ら解決を見ておらない実情であります。  さらに八月十二日、東京地区の横田支部におきましては、当日総蹶起大会を持つたのでありますが、この総蹶起大会後デモ行進を行いました際に、たまたま基地の外側の道路を行進しております際に、基地の内部から猟銃様の発砲によりまして、支部の組合員四名が――これは泰楽好一、鈴木照夫、川口利一、宮下芳助の四君でありますが、それぞれ負傷したのであります。この点につきましては、八月の十三日に軍側あるいは労管側と交渉いたしたのでありますが、当日の軍側の回答では、責任者を糾明いたしまして処分をするというようなことを言われておつたのですが、その後付ら具体的に知り得ない状況であります。従いましてこれらの傷害の補償に対する問題も、そのままになつておるという状況であります。  さらにまた、その他若干軽微な事件が群馬の尾島支部あるいは埼玉地区の大宮支部、神奈川地区の池子支部、奈良地区、大分地区等に発生いたしましたが、これらは組合側と現地部隊との交渉によりまして、一応の解決を見ておる次第であります。  さらにまた、このストライキ中におきまして、山形県の神町、宮城県の矢本におきまして、施設内の宿舎に掛住しております労働者に対するところの宿舎の立ちのきの事件が起つたのであります。矢本と神町におきましては、いろいろ県庁を通じ現地軍とも折衝いたしたのでありますが、解決つかない  ために、ストライキ参加者は、やむを得ず宿舎を立ちのきまして、荷物を背負つてピヶツト・ラインに加わつたような実情であつたのであります。この二地区におきましては、その後、ストラィキ終了後元にもどつております。  いま一件宿舎間遺で非常に危機をはらみました問題は、広島県の江田島であります。ここにおきましては、家族を含んで七百五十九名のへたちが施設内の宿舎に局住をしておつたのでありますが、八月十二日――これは昼間からずつと県、労組、軍側と折衝してお  つたのでありますが、立ちのき問題について解決がつかないまま、当日の深夜に至りまして、軍側が兵力を動員し、軍用トラックを動員いたしまして強制力をもつて立ちのきを強行するというような事態になつたのであります。私どもの中央本部に対しましても、現地軍から直接電話で連絡等がありましたが、江田島支部といたしましては、実力をもつて強行するならば、こちらも実力をもつて防衛するというような態度が決定されておりまして、そのままに推移する場合には、流血の惨事を避けることができないというような切迫した状況にあつたのであります。七百五十九名のうち、三百名ほどしのものが労務者でありまして、四百名以上の者が年老いた家族あるいは子供たちでありましたので、深夜十一時過ぎにあの江田島の島の中へ立ちのきをさせられますと、どこ一行つても住まうところもないような状況でありました。従つてこの点につきましては、われわれといたしましては、ストライキが終了後において根本的な解決をはかるというような見地から、涙をのんで江田島の宿舎居住者に対しまして就労の指令を出して、一応労働組合の涙をのんでの譲歩によつて、この立ちのきの問題においての惨事を回避いたしたのであります。  宿舎問題につきましては、第一波において、このように山形の神町あるいは宮城の矢本、江田島等において事件がありましたほか、なおその他の基地においてもいろいろ事件が起つたのでありますが、今日までこの問題についていろいろと解決策を政府にも要求しておりますが、いまだ何らの解決を見ておらないという情勢にあります。  次に、争議行為中における報復的な行為の事例であります。これはストライキが終りましてから、私どもの組合は全部それぞれ齊整と就労いたしたのでありますが、若干の地区における事例を申し上げたいと存じます。  兵庫地区におきましては、キャンプ神戸の甲子園のフィールド・メンテナンス所属のドライバー丹山昭三君が、八月十四日に同じショップのサージャン・プーンから、ストライキ中に赤旗を振つて活躍しておつたという理由で、ドライバーよりレーバーに職種変更を申し渡された。職種変更をしたのみならず、連日兵隊の監視つきで炎天下の苛酷な作業を強行されたために、同人は八月二十四日遂に作業中卒倒いたしました。翌二十五日に県立尼ケ崎病院の診断を受けまして、過労のために四日間の休養を要すと診断をなされたのでありますが、軍側は一日しか休暇を認めないというような事例が起つております。  さらにまた同じ甲子園のショップの検査工緒方勝君、棚橋友之君は、全然本への責任でない検査上のミスを理由に解雇の予告を受けた。もちろん本人は解雇される理由がないので、この予告に対するサインを拒否しております。  また八月二十八日には、同じ甲子園のショップの自動車修理工高井茂一君、竹内芳三君が仕事をなまけているという理由で解雇の予告を受けたのであります。もちろん本人は理由がないので、サインを拒否しております。  兵庫地区におきましては、このように甲子園の支部におきまして事例が起つております。  広島地区の事例を申し上げますと、八月十四日に、これは呉の広弾薬庫でありますが、荷扱夫の中村弘君、先村久信君、島村和一君、水切勝君の四名が、通常の作業を終りましたのでもう帰る予定でおつたところ、急に残業をせよと言われたのでありますが、すでにストライキ後でありまして、仕事が重なつておるのを無理にされましたために、かなり疲れておるので、残業ができないと言うたところ、軍側はすぐに、他の者を扇動した、思想が悪いという理由でこれを解雇いたしております。  福岡の地区におきましては、八月二十一日にキャンプ・博多のR・P・Eで、水道の配管工でありまする小崎忠君――これは分会の役員であります。この者に対して部隊の利益のためという理由で解雇いたしております。  同じキャンプ・博多におきましては、日本への宿舎の各個室に住んでおりました大野俊一君外十名を、突然大部屋の合宿の局住に変更を強要したというような事例も起つております。  さらにまた小倉のモーター・プールのドライバーの益氷恒雄君――分会の委員長でありますが、この岩に対しましては、司令官の命令に従わず、車両の手入れをしていなかつたという理由で、即日の解雇がなされております。こういうような事例が起つております。  長崎の地区におきましては、佐世保の海軍基地でやはりドライバーの大久保金之助君を解雇し、パブリック・ワークの通訳田島喜三郎君は解雇予告を受けております。これらはいずれもその理由が明らかでないのであります。  さらにまた佐世保の海軍のオーデナンス関係では、八月十五日付で一方的な厳重な制裁規定を発しまして、金従業員にこれを適用するということを指示しておるのであります。  千葉の木更津におきましては、やはりメンテナンス・テーク・サプライにおります渡辺義一君に対しまして――これはストライキ中にピケット・ラインに渡辺義一君が入つておりましたので、その写真を軍側がとりまして、同人の写真の上にマル印をつけてそうして施設の中に数日間掲示してあつたので、本人も非常に残念に思つて下士官に写真の撤去を要望したのですが聞き入れられなかつたので、事件を組合に報告するために一博その写真を借用して組合役員に報告した後、元の位置にもどしたのでありますが、軍側は許可なくして米軍の物資を持ち出したという理由で解雇しておる、こういう事例があります。  さらにまた千葉の木更津において、八月十四日に基地のメンテナンス中隊では、罰則的に中隊勤務者に対して過重労働を行わせた、こういうような事例が起つております。  神奈川の横須賀の海軍基地でありますが、J・B・グループーこれは一般兵の食堂でありますが、八月十八日、二十日の二阿にわたつてストライキの賛否の記名投票をさせたのであります。八月二十四日には山下弘次君外十名のフォーマンを、何らの理由なく、新しい空気をつくるためと称して降格をいたしまして、かわりにストライキに参加しないという投票を行つた者をフォーマンにつけておる、こういうような事例が起つております。  埼玉の例を申し上げますと、キャンプ・東京の朝霞におきましては、倉庫関係のフォーマンの末武泰君を、スト参加の意思表示をしたとの理由でやはり格下げせしめ、そのかわりにストライキ不参加を表明した者を班長に昇格させておるのであります。  同じキャンプ・東京の朝霞でありますが、八〇一三モーター・プールにおきましては、八月十四日に、ドライバーの関口利平君は、ストの当日ピケ隊長をしていたという理由でフォーマンから格下げをされた。同じ日に朝霞のR&Rのフォーマン高橋軍治君ー高橋君は朝霞支部の副支部長でありますが、語学力が不十分という理由で職場変更を申し渡された。この場合におきましては、高橋君は職場変更は一応不満足でありましたが、円満な解決をするために認めたのでありますけれども、職場変更をした上に、その勤務時間を午後五時から午前の二時まで、しかも交代者がなく、永続的な勤務であるというような苛酷な条件のところに位置をかえているという事例が起つております。  八月二十二日には、同じ朝霞の八一七〇オーデナンス、サプライ・ポイントの事務員佐伯利男君が、何ら原因がわからないままに解雇を申し渡されているのであります。  以上は各地区に起りました事例のほんの一部を申し上げたのでありますが、これらの事件につきましては、われわれといたしましては極力現地部隊並びに労管あるいは県庁のレベルにおきまして、早急に解決をしたいというふうにいろいろと交渉を進めておるのですが、具体的に少しも解決をいたさないのであります。こういう状況を考えてみますと、これらの問題につきましては、中央におきまして政府並びに軍首脳部に対しまして第一波ストライキを行つたときに、いろいろ軍側がとつた不当行為に対しまして、一切これを撤回するというようなはつきりした解決方法をとらない限り、地方の問題は長くくすぶり続けまして、非常な悪い空気をそのまま持ち続けて行く。そこからまた新しい紛議の問題が発生して来る可能性というものはかなり濃いのであります。特に現在駐留軍の労務者においては、空軍関係において相当広汎な人整の問題が起つておりますので、それらとからみ合つてこれらの事件について早急な解決がなされない限り、どのような事態になるかということも予測できないので、きわめて危惧されるのであります。  以上がそれらの事例について申し上げたのでありますが、これらの事件あるいはまた第二波ストライキに対しまして、軍側がいろいろと組合内部のストライキ態勢を切りくずすためにとつた措置がいろいろございます。たとえば、これは相当な地区において行われておりますが、軍側の下士官兵、あるいはまた日本政府が雇用しておりますところの労働者のうちで、監督級に属する岩が職場の労働者を集めて、君はストライキに参加するかしないかというようなことを記名投票で迫つて来る。そしてまたストライキに参加しない者に対しましては中に宿泊せしめて、そうして給与を行うというようないろいろな勧誘を、行つておつたのであります。これらの事例につきましても、組合といたしましては政府側に申し入れまして、政府から単側に対して、そのような刺激的な事柄を一切やめるように申し入れたのでありますが、具体的には解決がついておらない状況であります。ただ労働省の労政局から外務省にあてまして私どもが申し入れました事項に対しまして、次のようなメモが送られております。それを読んでみますと――これは八月の二十六日に労働省の労政局から外務省あてに出されたのであります。   次の如き事項は極めて望ましくないか又は労働組合の正当な活動に対する支配介入若しくは不利益取扱となる恐れがある。   1、事前に労務者に対して個別的にストに同調するや否やを調査すること。   2、軍人等に「ストに参加する者は解雇する」等の威嚇的言動を行わしめること。   3、争議に参加する者を軍の宿舎から排除すること。   4、告示その他文書により争議に参加する者を不利益取扱する等の旨を示唆すること。  こういうような文書が労働省から外務省に出されております。しかし、これらが外務省を通じて軍側に申し入れられ、軍側がそのように措置したというような結果は、残念ではありますがまだわれわれは見ておらないのであります。  以上、若干の事例を申し上げたのでありますが、特にストライキを行つたことに対しますところの報復的な措置の問題につきましては、これは労働法によつて禁ぜられておるところであります。私どもは正当な争議行為を行つたことによつて何らの差別待遇を受くるというようなことは、全然容認し得ないのであります。これらの事例については、現在政府が早急な解決をするように申し入れをいたしておるのでありますが、かなりの期間を経過したまま、現在まだそのままになつておるという状況であります。これらの点については、先ほど申し上げましたように、たとい新しい基本契約の中において、日本の労働法を尊重する、適用するということが、かりに文書によつて書かれましても、ただいま申し上げましたような事例が具体的に撤回され、または修正されない限り、私どもは新しい契約のもとにおいても、確実な実行が期待できるかどうか疑問とせざるを得ないのであります。もちろん組合側も、早急な解決のために全力を尽しておりますが、そういうようなことを思い合せまして、この際せつかく新しい基本契約において円満な労使関係を期待しておる段階におきまして、争議中あるいは争議後にいろいろ発生した事件に対しまして、補償の問題なりあるいは不当行為の撤回につきまして、早急な措置がとられるように、ぜひとも国会におきまして十分御配慮を願いたいということをお願い申し上げまして、一応の陳述を終る次第であります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 これより質疑を許します。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はこの機会に駐留軍の労務基本契約に関係した者の一人として、政府当局、ことに労働大臣は、からだの悪いにもかかわらず、非常に熱心に御協力を願いまして、さらにその他の調達庁の長官初め関係各位の熱心な努力によつて、問題が一応解決することを見ましたことは、この機会を通じて感謝の意を表するものでございます。同時に、私は聞いておきたいと思いますことは、この問題の根本的の解決は、何といつても、やはり今政府が行おうといたしておりますいわゆる安保条約あるいは行政協定等の改訂にまたなければ、根本的の解決は私はなし得ないと思う。これを私聞きまするのは、労働組合に所属しております者は、今回の基本契約を中心といたしまして、今全駐労の市川委員長からも申されましたように、幾多の問題は内包いたしておりますが、しかし一応解決することができ、ある程度の身分の保障もできるのでありますが、このほかに、なお日本の数万の労働者が多くの米人に使われておる者があるのであります。これらの問題に対しましては、一々軍当局でございませんことのために、この基本契約がただちに効力を発生しようとは考えられない。従いましで、現行のこれらに働いております多くの労務者というものは、首を切られでも、その行為がかりに不当であるといたしましても、これらに対して日本の裁判権の及ばないという一つの大幸な欠陥がございますので、最後のきめ手がないのであります。向うが忠実に日本の監督署の指令あるいは注意等を遵奉すればよいのでありますが、これをがえんじない場合は、いかんともしがたいのであります。こういうことがまだ数万の労働者に実際的の問題として行われている。従つてこれらを含めまして、日本の全部の駐留軍に働いておりまする労働者の基本的の人権を確保して行こうといたしますには、あげてこの条約の改訂がきわめて大きな役割を演ずる、われわれはこう考えておるのでありまするが、この条約の改訂について、政府の一員としての労働大臣が何かお考えになり、あるいはこれらの問題がどういうふうに進行しつつあるかということの御説明がこの機会に願えれば、非常に幸いだと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○小坂国務大臣 この労務基本契約にうきまして私どものいたしました措置について、過分なお言葉をいただきまして、感謝いたします。ただいまお話のございました安保条約並びに行政協定の問題でございますが、お聞き及びのこととも存じますけれども、行政協定におきまする裁判管轄権の問題につきましては、わが国の外務省といたしましても、種々先方とも話合いはいたしておりましたが、NATOの発効以前においでこの裁判管轄権の問題に触れますることは、ちよつと他にも例のないことであつてどうにもいたしがたいということでありましたが、御承知のごとくNATOの発効も見るようでございまするから、それの発効後におきましては、当然裁判管轄権の問題も、わが外務省におきまして強硬に折衝してこの問題も解決をするものと私は考えております。ただいまのところ私の所管外でございますので、その程度のお答えをいたすことによりまして御了承を願いたいと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ちよつと御相談したいことがあるのでございますが、ただいま議題にしております駐留軍労務の問題に関しましては、なおいろいろ御意見があろうかと思いますが、通産大臣が実は出席なされておりまして昨日乗引続き議題になつておりまする石炭鉱業の争議問題についてちよつと大臣の都合もございますので、はなはだ恐縮ですが、これを先議をして、そうして質問を留保しておいていただきたいと思うのでございますが、いかがでございましよう。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 けつこうです。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは前会に引続いて石炭鉱業の争議問題について調査を進めます。この際政府側の所管大臣でございまする通産大臣の所見を求めます。岡野通産大臣。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 委員長からの御質問に対してお答え申し上げます。先般来、炭鉱におきまして、いろいろ希望退職の形におきまして人員整理が行われておるのでございます。われわれといたしましては、この方面についていろいろな観点から考えなければならぬこともございます。しかし、ただいまの段階といたしましては、少くとも合理化を促進し、また炭価の引下げをやつて行き、また今まで出ましたところの石炭は、出方が相当よかつたのでございますが、それが出ることがよくなりつつあるときに、実は石炭の需要というものが少し後退して来たというようなことで、業者といたしましても、この際最も能率的に石炭を掘り、同時に価格も整備して行きたい、こういうような考えでやつておるのでございます。われわれといたしましては、私企業の経営におきまして、最も合理的に炭価が下つて行くということは、これは日本の対外貿易上、コストの高いというようなことが一番の原因でございまして、もしコストが下るような方法を私企業においてとつてくださる、ことに石炭というような基幹産業におきましてそういうことがあり得るということは、私どもとしては、経済自立の建前から言うと、いいことだと思います。ただ問題は、今後いかに石炭政策をやつて行くかにつきましては、相当われわれも考えなければならぬ点がたくさんございます。この点につきましては、事務当局をして至急いろいろの観点から研究をさせておる次第でございます。

小坂善太郎自由党労働大臣

○小坂国務大臣 ただいま通産大臣からお話がありましたような概況であることを、私どもも承知をいたしております。問題は、日本経済が発展し興隆するために、基本物資中の基本物資、基幹産業中の基幹産業であるところの石炭におきまして、できる限りその態勢を整備し、能率化を促進して行くところにねらいがなければならぬと考えております。石炭業界は、最近不況といわれておりますが、炭鉱におきましての大量の人員整理というものも、ただいまにおいて非常な問題となつておることは、お聞き及びの通りでございます。本年七月以降三井、三菱、北炭、雄別、明治、古河、麻生、日鉱等、各所において相次いで希望退職の線におきましての人員整理の問題が発生いたしております。その整理人員は、総数一万八千名に達しております。一方炭労を中心といたしまする組合側におきましては、以上の企業整備に対しまして、労働者の犠牲において資本を擁護するものであるということで、強く反対をいたしておりますために、ただいまのところ三菱九州、麻生、日鉱が妥協したのみでございまして、他の各社の交渉におきましては、進展を見ざる状況にあるのでございます。  この問題につきまして、労働省といたしましてどう考えるかということでございましようが、労働省といたしましては、労使間の紛議に介入することはなるべく避ける、労使間の自主的な交渉にまつという態度を持しておるのでありますが、全体といたしまして、日本の産業が伸びるために、日本の経済が自立するためにどうすればいいかという通産省側のお考えも当然でございますが、やはり全体として必要な石炭である。そこでその石炭がどういうふうに使われる、そうしたような見通し、他の重油であるとかあるいは輸入炭であるとか、そうしたものの見通しとの関連において、通産省においても十分にお考えになつておることと考えておる次第であります。この整理と申しましても、希望退職の線ということでございますから、その後の就職、転戦等につきましては、われわれの方といたしましても、できる限り会社側とも、あるいは組合側とも話合いをする機会があればお話合いをし、その間の円滑な進展をはかりたい、こう考えておる次第であります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 これより質疑を許します。多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 通産大臣にお尋ねいたします。  まず政府の石炭政策の根本的な対策についてお尋ねいたしたいと思います。石炭がちよつと余つて参りますと、国家管理制度というものを廃止いたし、さらに不足な告げると、舞台もひつくり返るような騒ぎを演ずる。ストをすれば、日本経済の運行がとまるというわけで緊急調整をやる。また少し貯炭ができると人員整理をして首を切る、こういつた政策がとられておる。これではまことに弾力性のない、見通しのきかない、計画性のない石炭以策といわざるを得ないのであります。一体政府は石炭産業に対してどういうお考えを持つておられるか、また二十八年度以降の需給関係並びにその計画はどういうふうであるか、お尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。石炭行政に対して政府はどういうような信念を持つておるか、こういうような御質問に伺いました。御承知の通りに、終戦後、石炭を掘り出すについては、非常な苦心をわれわれはいたして来たのでございます。幸いにしいろいろ、な合理化とか、もしくは増産とかいうものにつきまして努力が払われた結果、今日に至つたのでございますが、しかし御承知の通りに、内外の経済情勢は変転きわまりがございませんので、こういうふうにやつて行つたらこのくらいの需要があるだろう、この需要にはこのくらい生産しなければならぬということを見てみましても、やはり景気の変動もしくは経済界の変動、それも内地ばかりの経済情勢ではなくて、外国の経済情勢にも支配されまして、われわれといたしましては、お説の通りに一貫した計画をもつて、いかにして行くかという見通しが、おそらく今まではつかなかつたのだろうと思います。しかし、われわれといたしましては、少くとも五千万トンくらいな目標において石炭を生産して行けば、大体において日本の正常な経済の発展にミートして行く、こういうような方法で実は来たのでございますが、御承知の通りにただいまのところでは、あまりにもたくさんな小さいところまでも無理をして、掘りましてそして出たところのものが約五千万トンに達しつつある次第でございますが、朝鮮休戦のうわさも出ましたし、いろいろ世界の景気がスロー・ダウンするというようなことで心理的なものもございましようし、実際上の内地の需要が減りまして、ただいまのところでは生産過剰というようなことになつております。そしてただいまこういりような合理化の一歩が進められたように感じますけれども、しかしわれわれといたしましては、今後動力源といたしまして、やはり日本の石炭というものにまたこれを依存して、あまり外国のものに依存しないで日本の経済が運行されて行くというような自立経済の大きな建前から見ますれば、やはり石炭というものにつきましては、少くとも五千万トン程度のものは出て行き、またそれが十分消化されるように事業を興して行き、また景気を反映さして行くという総合的な見地から、単に石炭行政だけでなくて一般の日本の経済をいかにして行くかということに対して、われわれは十分なる計画を立てて、そしてこれを始末して行きたい、こう考えておる次第でございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 まことにはつきりしない、信念のないお話でありましたが、自立経済を唱えておられれば、もう少しはつきりとした政府の需給計画があるべきであると思う。それがはつきりしないからして、今昔を切られている。先ほど今の解雇はコストの引下げである、合理化であつて、そういう状態は経済企業家としてはやむを得ないだろう。むしろ炭価が安くなるということは、国においては歓迎すべきだと、そこまでは言われませんでしたが、そういう表現がございました。しからば、私はお尋ねいたしたいと思うのですが、今度の解雇というものは、政府は価格政策上妥当である、こういうように考えられておるような向きがあるわけでありますが、私はコストが下るということは言い得ないと思う。むしろ需給関係において炭が減るわけでありますから、当然コストが普通の状態では上つて来るわけであります。上らないにしても、現在のコストが維持される。むしろ資本家は、現在の高いコストを維持するための政策であるやにわれわれには考えられるわけであります。それが証拠には、私はどこどこで会議をしたということは知りませんけれども、少くとも一〇ないし一五%の抑制をするということをお互いに申し合せて行つておるようにしか考えられません。そうすると、現在のコストは決して下らないと考えるのでありますが、政府は確信を持つてこの解雇によつてコストが下ると、こういう見通しであるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。政府の見解といたしましてこの整理によりましてコストが下るという見通しを持つておるかどうかということのような御質問でございましたが、しかしこれは私企業といたしまして向うでは、いわゆる業者の方面では、コストを下げて行きたいという意味でやつているのでございまして、われわれといたしましては、そのコストの下ることは望ましきことである、こういうような見解でございまして一応この点は、いろいろな観点から研究をしなければならぬと思いますけれども、しかしまず第一に採算をとつてやつている業者が、コストが下る、こう思つているならば、われわれとしましても、一応それを認めてしかるべきじやないか、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 しからばお尋ねいたしたいと思いますが、では何箇月後に幾らコストが下るか、これをお尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 そういうようなことがわかれば、もう首切りとか社会の経済状態に対して、心配はいらないのでございますが、しかし、物事がぺ一パー・プランとか、想像通りに行かない点において、世の中が苦しいのでございます。今、業者が非常に苦しんでいるのも、そういうことが多分こうなるだろうと思つてやつておるという意味におきまして、私は是認いたしますけれども、こうやつたら何箇月先に何割減るといつたようなことは、私は言い得ないと思います。私、経済審議庁の長官といたしまして縦坑の開鑿をいたしまして五箇年間にこういうふうに炭鉱の若返りをする。そうすれば五年後には約三割ぐらいは下るだろうというようなことを計算には入れますけれども、しかしこれはいわゆるぺ一パー・プランでございまして、その意味におきましてわれわれは三割ぐらい下ると思えば、五割ぐらい下るくらいな見込みをもつた計画をして、初めて二割か三割か下るように思いますが、その点は神様でない以上は、先のことはあまりはつきり申し上げられないと考えます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 では見通しでけつこうでございますが、幾らぐらい下るか、お尋ねいたしたいと思います。通産省では、かなり詳しいデータを持つておられ、原価計算についても、どういう状態であるか知つておられるはずである。また、たとえば炭労がこの前十二月に要求いたしましたあのときでも、炭労の要求をいれればこのくらいになる、こういうデータを持つておられたと私は聞いている。また私はこの数字も見ている。さらに高炭価問題にいたしましても、昭和二十三年になると、たとえば三三%から三五%縦坑対象の炭鉱はコストが下るだというようなことを発表されている。そういう基礎があつて石炭行政をおやりになつていると私は思つておつたわけであります。しからば、今度の解雇で一体どのくらい下るか、当然政府としては見通しがあるはずである。その見通しをお尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 御承知の通りに、今の経済は自由経済でございまして、政府が国営でやつている、また値段を統制してきめている、また将来こういうふうにして行きたい、こういう意欲を国家が持つてやつて来ている経済じやございませんので、通産省がいくら見通しを立てましても、その通り業者並びに社会経済情勢が動くか動かぬか、わからぬ次第であります。また同時に、今回の整理につきまして業者も、これでどれくらいのコストが引下げになるということを申し出ておるわけでもございません。おそらく何とかしてコストを切り下げて行きたいという意欲のもとにやつておると思います。ただ、先ほど仰せのように、通産省に何かデータがあるから、それで見通しがつくだろうという御質問でありますが、私よくそのデータを知りませんから、事務当局から、そのデータがあれば説明をいたさせます。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 今度の整理の問題につきましては、各会社個々についての生産原価その他の資料がまだそろつておりません。この前、縦坑開鑿、それから中小企業の合理化という問題につきましては、これは全炭鉱の問題でありますので、一応計画としてはデータがつくつてあつたわけでございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 これだけ大きな社会問題を惹起しており、また国家といえども、自由企業でもこれだけ大量解雇が出れば、失業の面においても大きな国費を投入しなければならぬ、こういう問題になつて来ているわけである。それを十分な見通しがないということでは、私は政府としてはなはだ相済まないと考えるわけである。ことに、今自由企業であるということを盛んに言われておりますが、自由企業であれば、どうしていろいろな施策をされるのか。今度の問題にいたしましても、私はあとから質問をいたしますが、縦坑開発の問題にいたしましてもそうであります。これらはきわめて重要な物資である、しかもコストが下る、こういうように業者は言つておると言われますけれども、私は衆議院の労働委員といたしまして各炭鉱その他をまわりまして、どの業者に聞きましても、コストが下るということを、これつぽちも言わないのであります。私はここに非常に危惧を持つものでありますが、政府としては、ほんとうに業者はコストを下げるということをはつきり言明をとられたかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 そういうことを、通告も受けておりませんし、われわれは追究もいたしておりません。ただ一般に炭鉱業者がごうして私企業を健全にやつて行く、そのやり方は労使協調でやつて行くんだ、こういうことだけ聞いております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 それははなはだ無責任な話であると思います。いやしくも政府が国家資金を投入して縦坑開発でもやろうという時代になつて来ておる。そういう時代に、言明していない、通告も受けていない、そういう話だ。これは石炭行政に携わる大臣として、私は怠慢のような気がするわけです。はたして今度の解雇は、政府としてはコストを下げるためにやつておる解雇である。こういうふうに盲信を持つて考えられておるかどうか、再度お尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 ただいまの実業界の一般の風潮といたしましては、みな自分自身の経営を合現化しまして、そうしてコストを引下げて国際貿易の優勝者になろう、こういう大きな意欲のもとに合理化をやつておる次第であります。その点においては、私はこれを追究して、向うから申し出るとか、こちらから聞くとかいうことは、何もしなくてもいいことじやないか、こう考えております。

藤田義光改進党

○藤田委員 多賀谷君の質問に関連しましてきわめて簡単に数点お伺いいたたします。岡野さんは吉田自由党内閣のチャンピオンでありますから、自由経済を計画されるのは当然でありますが、石炭局長は事務当局であります。政党政派を超越して石炭行政を運営されておりますから、この際石炭局長の答弁を願います。  先ほど資料をつくられたということを言われましたが、どういう方面からいかにしてこの資料をつくられたかをお伺いします。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 これは主として石炭協会が集めた資料をもとにしてつくつたものでございます。石炭協会の方は、各会社の方から資料をとつておると思います。

藤田義光改進党

○藤田委員 多賀谷君は、主として首切り問題を中心に質問を展開いたしておりましたが、事はきわめて重大で、国家の基幹産業に関連する問題であります。私は従来政府の増産目標等に対する施策が朝令暮改である、一貫した方針がない。言葉をかえれば、計画的な経済が運営されていないがために、こういう状態が起きて来ているのじやないかというふうに考えている一員であります。従いまして、この資料はおそらく石炭協会がつくつて出したものに対しまして、石炭局としては事務当局の立場から是正されておると思いますが、印刷物になつておるものは協会の資料をそのまま発表されたものでありますか、どうですか、お伺いしたいと思います。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 もちろん石炭協会の資料と申しましても、協会自身がつくつた資料ばかりではございませんで、たとえば経済の問題につきますと、日銀の資料を使いましたり、あるいは経済研究所の資料を使つたり、あるいは安本の資料を使つたり、いろいろな資料を使つております。それで、その資料の内容の検討はもちろんやつておるのでありまして、誤りのあるものは是正はいたしております。

藤田義光改進党

○藤田委員 そこで、この資料は、各方面の資料に基いて是正されておるということでございますが、石炭の生産目標というものは、石炭局として立案して各業界等に指示されたことはございませんか、生産に対しましては、まつたくの自由放任でございますか。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 これは統制時代には、もちろん生産計画というものははつきりきめまして各会社ごとの生産計画というものを指示しております。統制がはずれた後におきましては、一応年間の需給バランスを見る関係から、石炭の生産見通しという数字をつくりまして、各地方の通産局ごとにわけて、その数字を通産局に指示はいたしておりますが、各会社には指示はいたしておりません。

藤田義光改進党

○藤田委員 そうすると、通産局に指示されるということは、通産省の機構内だけの指示でございますか。一般の生産業者に対する指示ではございませんか。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 各生産業者に対しては、指示はいたしておりません、通産局に対する指示でございます。各山の方は、通産局の会合がございまして、その会合で山ごとにどのくらいの生産が見通ぜるかという数字は、とつてはおります。指示はいたしておりません。

藤田義光改進党

○藤田委員 国家行政組織法を見るまでもなく、通産省設置法を見るまでもなく、特に基幹産業に対しましては、相当強力な権限を通産省は持つておるわけであります。従いまして石炭の生産業者に対しまして生産目標――再建途上にあります国家的要請である石炭の生産ということに対しまして、石炭局が指示もしておらぬということになりますと、われわれはこの行政の運営上非常な怠慢があるのじやないかということをいわざるを得ないのでありますが、石炭業者に対しまして、生産目標その他に対して何ら指示されたことはございませんでしようか、お伺いいたしたいと思います。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 昨年からは指示は全然やつておりません。統制時代には、先ほど申しましたようにやつておつたのであります。

藤田義光改進党

○藤田委員 いずれこれは私が実例をあげましてー局長は就任早々でありまして、何かの誤解があろうと思いますので、指示された例をあげたいと思いますが、本日は労働大臣を中心とした労働委員会でありますので、長談議は省略いたします。  この際、最後にお伺いしておきますのは、石炭局長は、電源その他のいわゆる国家の基幹産業の重要な一翼を担当される行政の最高責任者であります。現在のごとく自由放任のままで石炭行政を運営してよろしいかどうか。少くとも基幹産業に関しましては、ある程度の計画性を持たせるべきだと考えます。特に敗戦から再建途上におきましては、そういうことが国家的な要請である。ましてMSAの受入れその他に関しまして、石炭行政というものが今後重大化することは必至であります。この際におきまして、大臣の意見は、自由党内閣の大臣であるからお伺いする必要はございません。石炭局長としては、どういう心構えで行政を運営される方針であるか、この際率直にお伺いしておきます。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 統制経済と申しますのも、過去においていろいろと経験しましたように、利益の点もありますし、弊害の現われた点もあります。私ども現在やつておりますのは、自由主義経済のもとで、一行政官としての仕事を担当させられておるのでありましてどうもこの席でどういう計画経済がいいのだというようなことを申し述べるのは、ちよつとはばかりたいと思います。

藤田義光改進党

○藤田委員 自由経済のもとで石炭行政をやつているから、こういう席上で計画経済に対する意見を言うことは差控えるということでありますと、石炭局長は、計画経済というものに対して何らか考えは持つておられるという意味でありますか、どうですか。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 どうもさように詰め寄られると、ちよつと困りますが、自由に御判断をお願いしたいと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ちよつと通産大臣にお尋ねしますが、二十七年度、二十八年度における石炭業界に対する融資というものはありましようか。もしあつたとすれば、どのくらいの融資をされたのでございましようか。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 局長から……。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 この融資は、財政投資と市中銀行の投資と二十七年度は三十五億でございます。二十八年度は、先般きまりました予算の説明書の中には四十億であります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 そうしますと、七十何億というものが出ておるわけですけれども、全然増産の計画というものなしに出されておるのでございましようか。通産大臣、どうでございましようか、どういう根拠でお出しになつたか。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。はつきりしたことは私よく記憶しておりませんけれども、縦坑を七十九、これを五箇年間にやるということで、それに対する二十二本分だと思つております。それがやはり五年先にはペーパー・プランとして三〇%ぐらいなコストの引下げになるだろう、こういう見込みのもとに融資しておるわけであります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 そういたしますと、先ほど来多賀谷委員から尋ねておりました点につきまして通産大臣は、私企業であり、自由主義経済だからタッチしていないとおつしやいましたけれども、国家財政の面からそういう重大な七十数億の金が出ておる。出ておる以場上は、今おつしやたように、縦坑はどれだけという計画によつてお出しになつておるように思うのですが――けつこうです。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これはきのう聞かれたかと思いますが、この機会にちよつと通産大臣に聞いておきたいと思いますのは、私せんだつて通産省に参つて、大臣がちようどおいでにならなかつたものでありますから、わが党の河野さんもここにおいでになりますが、みんなで行つて、今度の炭鉱の首切りがいかにも挑戦的である。いわゆるスト規制法が通ると、すぐ、待つてましたというようなことで首を切るということは、はなはだけしからぬ、このことは、一体通産大臣としては知らなかつたわけではなかろう。というのは、今まで日経連その他との連絡は密接にとつておる。これはわかつておることであります。ことに、先ほども言われておりますように、五箇年計画か何かわからぬが、とにかく政府の施策として一応相当な金をお出しになつておる。密接な関係を持つておられます炭鉱業者との間で、通産省は何も知らなかつたということはなかろうと私は思うのだが、当時大臣はおいでになりませんでしたが、その他の諸君に聞くと、いや今度だけは何も知らなかつたと言う。あとのことは知らなかつたどうかわからぬが、首切りだけは相談がなかつた、こう言うのだが、このことはそれはそれでよいとして、今度の炭鉱業者のとつた態度は、政治的に見て妥当であると通産省はお考えになつておるかどうか。われわれは非常に遺憾なことだとして、一応通産大臣に抗議するつもりで参りましたが、そのときちよどあなたはおいでなかつたからごご聞いておきます。どうお考えになつおりますか。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 私実は病気で休んでおりまして、お目にかからぬで失礼いたしました。今度の整理の問題、これはまつたく私たちに対しても抜打ち的でありまして存じませんでした。ことにわれわれとしては、業界に対してはなはだ迷惑――という言葉は少しきつ過ぎるかとも思いますけれども、スト規制法が通過したその日に、どこかの会社で発表したということは、政府としてははなはだ残念な感じがしている。私自身そう感じております。とにかく今度のことにつきましては、何ら事前に通告を受けたわけでもなんでもありません、知つておりませんでした。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 知つておられなかつたと言いますが、知つているとも言えないから、そう言われるのだと思う。これは少しひがみかもしれませんが、先ほども申し上げました日経連その他と政府との今までの関連性からいつて、政府の考えておる産業上の施策等については、大体私は相談がかわされておつたと思う。このことだけが相談をされなかつたと言うけれども、この問題は、単に首切りだけではございませんで、先ほどからいろいろ多賀谷君その他から聞かれておりますように、日本の基幹産業中の基幹産業であつて、このことのいかんは、非常な大きな影響を産業上に持つております。その産業上の影響を持つておりますものが、こういうことを突如として行われるということを、大臣が何ら知らなかつたという答弁に対しては、私はそのまま承認するわけには行きません。ただ、今政府として、実は迷惑なことであつたというようなことを述べられたのでありますが、それは一応それとして、今度は労働大臣に一応聞いておきたいと思います。  今の通産大臣の御答弁では、非常に政府が迷惑をしたというようなことでありますが、労働大臣としては、ああいうスト規制法が通過した直後にこういう問題が起つたということについては、私は多少責任をお感じになつていると思う。スト規制法があれだけ大きな問題として取上げられて議論されました際に、いろいろ大臣としては答弁をされている。その答弁の中には、いろいろな問題がございますが、しかし、これは限られたものであつて、これによつて労働者を刺激したりあるいは労働者を直接どうするというようなことは大体考えられておらない。言いかえるならば、一応の伏線的なものであるというような感じを私は受けたのでありますが、もし私のこの感じが一応正しいとするならば、今度の炭鉱業者の処置というものは、大臣の意思とは非常に違つた行為である、こう見るわけであります。従つて大臣としてのこれに対する所感をこの際承ることができればけつこうだと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○小坂国務大臣 スト規制法を御審議願います際にいろいろお答え申し上げました中に、炭鉱における保安要員の引揚げは、争議行為としても妥当でない、だから法律でもつて明確化するのだということを申し上げまして、炭鉱のストライキがどうというようなことではなく、保安要員の引揚げは、中に人がいる場合には人命に被害が及ぶから、労調法三十六条もありますし、これはいかぬ。また争議行為は、結局雇用の継続を前提とするから、帰るべき職場を失わせるような保安要員引揚げによる争議は妥当でないのだ、こういうことを申し上げたのでありまして門司さんの言われる通りであります。従つてこれが公布の日に三井鉱山におきましてああいう計画を出されましたことは、はなはだ迷惑をいたしております。従いまして、八月十四日に労政局長、安定局長をして会社側を招致せしめて、一体どういうことだと聞かせましたところが――私は間接に聞いた話でありますが、事務上の都合でああいうことになつたのだ、他意はない、こういうような話であつたそうであります。政府としては、何らその間に関連はありませんで、迷惑をいたしております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それでは今度は岡野さんにお聞きしておきたいと思います。先ほどの岡野さんの答弁を聞いておりますと、何かコストを引下げてそうして国外関係との競争というようなことについても必要だ、あるいはそういうことが考えられてやられたのであろうというような御答弁でございますが、府としての見通しとしては、現在七百万トン以上の貯炭があるということが言われておりますが、これらのものがあつて、そうしてこれらのものを大体資本家といいますか、炭鉱の業者がさばくことによつて、自分たちの利益だけは確保しておきたい。そうしてその犠牲を単に労働者に負わせるのだ――これは労働者に負わせるといつおりますが、事実上の問題は、先ほど多賀谷君も言われましたように、失業者として出て来れば、国家的措置をしなければなりません。従つて単に労働者だけが責任を背負うわけではないのであつて、全部の国民が何らかの形で責任といいますか、この問題の解決をしなければならぬことになつておる。従つて、これは非常に国家的にも重要な問題でありまして、私はこの際率直に大臣に聞いておきたいと思います。今度の炭鉱業者の処置は、自分たちの利益を擁護することのために首切りを行つて、そうして理論づけの一つの結論として、コストの引下げが対外的の外国炭との、あるいは外国製品との競争を有利にするのだというように、大臣の答弁は聞えるのでありますが、われわれからいうと、先ほど申しましたように、どうもそういうことを口実にして炭鉱業者の利潤だけを擁護するのだというように見るわけでありますが、これに対して大臣はどちらを主として見られますか。どうしてもこういうことを行わなければ、日本の生産コストが下らないで、外国との競争ができないというようにごらんになつておるのかどうか。これは産業上の見地から、この首切りが妥当であるかどうかということの御説明ができれば、願いたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 私の先ほど申し上げました対外競争上コストを下げなければならぬということは、これは私就任以来の希望であり理想でありまして、そうして、できるだけそういう方向にすべての産業を持つて行かなければならぬ。ことに、基幹産業であるところの石炭とか鉄鋼とかいうもののコストが下らなければ、ほかの産業も世界との太刀打ちができないことは事実であります。その面において、各業種の方がいろいろ計画され、そうして自分自身のところの経営の合理化というものに没頭しておるのでございますから、肝あれを業者が声明しておりますように、いろいろな合理化ということになれば、おそらく値段も下ることを目標としてやつておるだろう、そうすれば私どもが考えておりますところの国際貿易上コストを引下げて、国際競争力を増すのに合致するだろう、こう私は想像しただけのことであります。そういう意味におきまして私は先ほどの御答弁を多賀谷君に対して申し上げたわけであります。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 いろいろ関連質問がありましたが、どうも価格が下るというのが、単なる臆測であつて、自信のないうような話です。コストが下るから、縦坑に対しても財政投資をするということが考えられるわけでありますが、そういう自信のないことでは、われわれは投資をするわけには行かないのであります。ことに、私は次のようなことを聞いておるわけです。今貿易が不振である、不振の理由は鉄鋼が高いからだ、そこで鉄鋼に補給金をやろう。鉄鋼の方は、いや炭鉱にやつてもらいたい、それは石炭が高いからだ。こういうことで、炭鉱に行つたら、いや補給金は困る、それはカーブされるから困るのだ、こういう話を聞いておるのでありますが――これは新聞にも載つております。これは一体事実であるかどうかお尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 新聞にはいろいろそういうことが出ておるようでございますが、われわれといたしましては、この補給金を出すか出さぬかということについて、まだ自分自身の意思決定をしておりません。従つて、そういうことを鉄鋼業者に話すと、石炭の方にまわしてくれという。また石炭の方に話したら、鉄鋼の方にまわしてくれといつたというようなことは出て来ないはずであります。もし補給金を出すということをきめまして、そうしてきまつたことを鉄鋼業者に交渉するとか、石炭業者に交渉した場合に、初めて新聞に出ておるようななすりあいということがあるかもしれませんが、われわれとしては、補給金を出すか出さぬかということはまだきめておらぬのでありますから、相談のしようもありませんし、またなすりあいがあつたということもないはずであります。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 政府と鉄鋼業界あるいは石炭業界との間は、今おつしやられるような状態ではないと思います。も少し緊密に両方がはつきりしておると思う。そこで、補給金を決定するという状態に至らない前に、鉄鋼の方からは、いや困るから炭鉱にやつてくれ、炭鉱の方がそれを聞くと、いやなお困る、こういう話があつたのだろうと思うわけですが、私はさらにお尋ねいたしたい。  今日の潮目新聞でありますが、縦坑開発に対する政府資金の投資の問題が出ておる。これを読みますと、「当初これらの施策は政府出資の特殊会社(地下資源開発調査機関、縦坑開発公社)により実施する構想をもつていたが、特殊会社を緊急に必要とする理由が薄かつたために、これを民間べの補助金」云々と書いてある。私がこれをさりに正確に聞いたところによりますと、いや、開発公社で行けば、これは当然監査がある、監査があると非常に困るので、これは民間会社でやつてもらいたい、こういうことがあつて、事務当局の案は握りつぶされたやに聞いておる。その結果ここに発表されておりますものも、当然民間会社を設立して縦坑開発のための機械の貸与や技術者の世話をする、資本金は四億から五億の予定、そうして民間会社にすりかわつておるわけでありますが、この事実は一体あつたかなかつたか、再度お尋ねいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 私も通産大臣をいたしておりまして、ときどき新聞で、そういうことがあるのかなあというようなことを発見するのであります。ただいまのお話もその一つでありまして、いろいろ事務当局の研究することは、広汎な事務でありますから、ございましようが、しかし、私どもといたしましてはまつたく知らないことでありまして、縦坑のそんなものがあるのですか1何もないはずです。ただそういうことを事務当局の方で、もし二十九年度の予算を組むときにはどうしたらいいだろうかという思想1というたらはなはだ何でありますけれども、そういうことを考えてみておつたことが、つい新聞に漏れて、いかにも通産省で取上げて、そしてそういうようなことができかけて、しかもそれが何かの故障でやまつた、こういうふうに伝わつたのではないかと思います。毎日、新聞を見ておりまして、私のまつたく知らない通産行政のことが、まことしやかに伝えられることがたくさんあるのでありますが、私はただいまはつきり申し上げますが、そういうことは事務当局でも知らぬと申しますし、私も聞いておりません。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 開発公社で行くべきであるという事務当局の案が、これが業界の力によつて民間会社にかわつたという事実はないわけですね。再度お尋ねいたします。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 そういうことは絶対にないそうでございます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 大臣は、まだ事務当局の案ではつきりしないと言われます。しからばお尋ねいたしたいと思いますが、縦坑開発として、ことに高炭価問題の解決として、政府は将来の縦坑において五箇年間の利潤をトン当り四百五十円に見ておる。そうすると、われわれは経理内容ば十分知りませんけれども、少くとも現在の会社は、四百五丁円なんてとうていないだろうと、こういうことを言うにきまつておると思う。そうすると、四百五十円のトン当りの利潤がないとすれば、一体縦坑開先はおやめになるのかどうか、それをお尋ねいたしたい。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 最初縦坑開発の計画をたてましたときには、将来の炭価というものははつきり見通しがつきませんので、その当時の利潤というものを基準にして計算をいたしたわけであります。今日となれば、その後の環境の悪化によりましてもちろん利潤というものは大分減つておりますから、自己資金の資金繰りというものはそれだけ苦しくなる。従つて、昨年秋に発表いたしました縦坑開発計画というものは、資金の面ではそのまま実行できない、こういうことになるわけであります。それで事務的にいろいろ検討いたしておるのでありますが、急速に縦坑開発をどうしてもやりたいということであれば、ここで考えられるのは、財政投資の問題が出て来るわけであります。その財政投資がどのくらいの金額になるかということは、もちろんこれは今後の炭価の傾向を見なくちやいけませんが、本年度だけについて見ましても、おそらく開銀融資として予定されました四十億の二倍くらいがいるのではないかという一応の計算になつております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 石炭の問題で、今国家として最も大きな問題は、やはり価格の問題であろうと思います。高炭価の問題にしてもしかりでありますが、価格政策が最も重要な問題であろうと思います。政府は、この価格政策について、なぜ自由放任の価格にしておるのか。米とかあるいは肥料についても、そういう法案が出ておることを承知しておるが、これだけの基礎物資である石炭、しかも財政投資をやろうという石炭に対して、なぜ価格を放任しておられるのか、お尋ねいたしたい。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 価格統制をいたしますというと、結局これは統制経済にすつかりもどつて来なければならぬと思います。それで、われわれといたしましては、やはりできるだけ自由経済でやつて行きたい。国民経済上、どうしても何とかこれを規制して行かなければならぬというものにつきまして、また国民の利益のためにどうしてもやつて行かなければならぬという場合に、多少の規制とか統制とかいうことをするという立場に立つておりますので、われわれは助成とか、しり押しはいたしますけれども、政府が先に立つて価格を統制して行くとか、これをきめて行くとかいう方向は、イデオロギー上、できますならば、とりたくないと考えております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 いやしくもコストを引下げるために財政投資をするのに、こういう状態によつて会社の経理が把握」できていない、こういうことはきわめて不合理であると私は思うわけです。会社の経理が十分把握ができて財政投資をされる、これならわかるわけでありますが、会社の経理もよくわからない。今度の解雇でも、下るかどうかはつきりしない。しかし、下るだろうということは考えておる。こういうことでは、われわれは財政投資をするわけには行かない。政府としては、なぜもう少し十分監査をしてそうして経理を調査されないか。たとえば、いつも問題になつております炭鉱の長者番付にいたしましても、また三井のごときも、三十五億から退職金の引当金を計上しておる。ことに退職金が税金の対象にならなくなつてから、各社の退職金の引当ては実に厖大なものであります。全員首を切つてもなお余裕があるというような退職金の引当てをしておる。こういう事実に対して、一体、どうしてもやれないから財政投資をされるのかどうか、もう一度お尋ねいたしたい。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。私の考えから申しますと、財政投資は実はせぬ方がいいだろうと、こう思います。しかしながら、この敗戦後の経済におきまして、何が一番困難かと申しますれば、復旧とか、また設備の近代化、合理化するためには、やはり資金がいるわけでございます。ところが、その資金がもし昔のままでございましたら、市中の金でそれがまかなえるわけでありますが、市中に資金がまつたく枯渇してしまつておる現在、しかも国家国民の要請といたしましては、荒廃したところの国土を復旧しなければならぬしまた古くなつたところの設備も近代化しなければならぬ。これはやはり国民全体が共同責任でそういうふうに経済界の発展を期するためにおいて、また民生の安定を期する意味におきまして、共同に責任を持つてやらなければならぬ、こう考えております。そこで、御承知の通りに昭和八、九年ごろにおきまして、市中における資本、これをもう一つこまかく見ますと、ただ銀行の預金だけで考えてみましても、その時一〇〇%あつたといたします。当時は、こういうふうに敗戦で国が荒廃していなかつた、また設備もこわれていなかつた。そういう場合におきましてとにかく銀行の預金が、ある程度市場の経済界に潤つておつたのでございます。ところが、今日国土は荒廃してしまつた、また設備もこわれてしまつた。国土の復旧もしなければならぬし、設備もやつて行かなければ、われわれ八千万国民が食つて行けない。こういう場合に、資金はどんな立場かと申しますと、その当時の資金のたつた四割にしか当らぬところの市場の資金でございます。これではとしても各財界の企義家が自分自身の経営をやつて行く資金が足りないから、そこで国家投資でもやつて、そうして財界の設備を直してそうして八千万国民の民生を安定するように経済を建て直して行かなければならぬという意味で財政投資をしているわけでありますから、国が経営して行こうと思つてやつている、いわゆる国営会社に金を出しているのとは違いまして、市場において求めなければならぬ金を、市場でよう求められないから、国民がお互いに一致して国家資金をごの方にわけてやつて、そうしてやらせて行こう。しかし、建前はどこまでも自由経済でやつた方が、創意くふうをたつとんで十分な活躍ができる、こういう意味でやらせておるのでございますから、財政投資と仰せになりますれば、いかにも国が干渉してやらなければならぬというようなことが出て来るかもしれませんが、なるべく干渉をしないで、しかも創意くふうによつて自由にやつて行く、それには市中の金融が足りないから、国家資金で補助して行こう、こういうのが財政投資の出て来るゆえんでございますから、その辺のところでひとつ御了承願います。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 そういう事情でありますれば、お尋ねいたしたいと思いますが、一体炭鉱の配当をどういうようにお考えになつておるか、お尋ねいたしたい。少くとも今まで二十七年度におきましては、上期において三〇%から三五%、多いところで四〇%配当しておる。あの炭労ストが起り、一日に三億円損をする、こういわれましたストました二十七年度の下期の決算期において、その配当は大体どこでも五分しか下げておりません。すなわち二割から三割の配当をしておる。この配当をどういうようにお考えになつておるか、お尋ねいたしたい。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 私企業でございますから、配当がまつたくなくなつては企業がやつて行けないことは、事実であります。それからまた、先ほどもお触れになりましたが、炭鉱業者が長者番付の何番まで行つて、金持らしくおつしやられますが、これは炭鉱の性質そのものから出て来るものでございまして、いい山に当れば、個人の経営であつても、非常な率のいい利益が上る。こういうことになりまして、私は石炭業というものと、ほかの企業というものとは、少し性質が違うのじやないかと思います。それから資本金が、やはりまだ今までの持つている財産に比べまして小さいと申しますか、その意味におきましてパーセンテージが多い配当はしておりますけれども、しかし私はただいまのところでは、そうバランスを失つた、むちやな経営をして、労働者を首切つて、その余裕を配当にまわすかというところまでは行つていない、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 なるほど配当は、総財産から見れば非常に少い。しかしこれは資本金が過小であるからだ、こういうお話でありますが、それならば、資本が足りないならば、資本金を増資すればいい。今の炭鉱の株で、市中が消化し切れないという状態にはないと思う。でありますから、当然資本金を増資すればいいのです。一体資本金も増資しないで、配当はかなりとつおる、こういうところに財政投資をする。そういう点を一体どういうようにお考えになつておりますか、再度お尋ねいたします。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 昔から、金山世帯ということがございまして、山というものは山師とかいう言葉が使われております。今の業者に、そういうものはないと思いますけれども、しかしながら、一体ああいう山というものは、先のわからないものでございまして、その点におきまして、今炭鉱の株をうんと売り出したらいいだろうとかなんとかいうことを仰せになりますが、しかしただいま資金が非常に枯渇しておるときに、炭鉱の株を売り出して、これがどんどん売れて行くかというと、経済事情は私はそうではないと思います。でございますから、炭鉱あたりに投資する人は、よほど山をかけて投資しておるのでございますから、配当が相当に多く出るのも当然じやないか、こう考えております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 山肺というお話がありましたが、今大きな炭鉱で、そういう山師のような自然条件にあるようなところはございません、ほとんど堅実なる企業の上に立つております。  その問題は一応別にいたしまして、私は再度重油転換と輸入炭の問題についてお尋ねいたしたい。――労働大臣お帰りですか。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 例の日米基本契約の問題があるので、調達庁長官と一緒に……。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 重油転換の問題でありますが、きのうも吉武委員から指摘がありました。二十六年度においては三十八万キロリツダー、二十七年度においては百六十四万キロリッター、二十八年度におきましては二百四十四万キロリッターが重油転換になつておる。そこでこれらは大体一キロリッターをニトンといたしますと、四百万トンからの石炭が転換されておるわけであります。この重油問題に対して、通産大臣はどういうようにお考えになつておるかお尋ねいたしたい。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 お答え申し上げます。重油転換につきましては、私も最近相当考慮検討を要するものと思つております。と申しますことは、少くとも日本で石炭ができるのでございます。今の比較で行きますと、重油でやる方が非常に経済的であり、能率的であるということは事実でございます。しかし九〇%外国から輸入して来るところの重油に依存して、日本の産業がこれにたより切つてしまうということは、大局的見地から見まして、考うべきことだと思います。今お示しの通り、年々重油転換はふえておりますが、しかしこれについては、私はすでに検討もさせておりますし、今後考えなければならぬと思つて研究中であります。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 輸入炭につきまして、原料炭が入つて来るという理由はわかりますが、無煙炭や一般炭まで人づて来て国内炭を圧迫しておるのは、一体どういうようにお考えでありますか。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 一般炭は入れていないと思います。しかし今局長がおりますから、お答えいたさせます。無煙炭は幾分入れております。これはやはり農林省あたりの主張が多うございまして、豆炭とか、れんたんとかいうものをつくりますには、外国の無煙炭が非常に効果的で能率的であるという意味から入れようという話でございますが、しかし、日本にも無煙炭は相当出ておりますので、それを使いましても、まだ需要があるということで、わずかばかりの数量を無煙炭としては入れております。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 ただいまの御質問の点について、補足説明を申し上げますが、一般炭につきましては、昨年のストライキのときに、国鉄出炭と一部ガス、電力会社のものとして入れました。その後は、一般炭は全然入れておりません。無煙炭につきましては、今大臣から話がありましたが、れん、豆炭用として使います農林省方面の要求は、かなり過大な要求でございまして、れん、豆炭の本年度の計画を百二十万トンといたしまして、これの八割が無煙炭になる。その八割のうちの三割を輸入してほしい――これは二十八万トンほどになるのであります。農林省と再三、折衝いたしまして、この二十八万トンという要求を一応八万トンというところで妥結いたしました。ところがその後に自動承認制で相当大量に入りましたので、自動承認制度を停止いたしました現在は、すべて割当制度になつておりますから、こういう無制限な入り方はいたしておりません。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 大臣に最後に根本的な石炭対策についてお尋ねいたしたいと思います。日本における熱原料の資源であります石炭は、国際価格の点において、自然条件の劣悪によつて、非常に無理のある問題である。この問題を一体政府としてはどういうようにお考えであり、国内資源をどういうように保護されるか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 石炭はなるほど昔満洲方面でわれわれが出し得た場合と違いまして、この四つの島の中でごく限られたところの炭鉱から出すのであります。しかしながら、われわれといたしましては、先ほども申し上げましたように、重油は非常に能率がよくて、また安上りであるという意味で、転換するようなこともありましようけれども、しかし、できるだけ国内の資源によつて生きて行くのが本筋でありますから、石炭山を大事に確保して、そして石炭というものを掘つて、われわれはいろいろ産業も興し、また対外的に輸出品をつくるということにいたしたいと思いますから、石炭は最も重要なる基幹産業として、政府もできるだけの保護助成をして行きたい、こう考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の多賀谷君の質問に対して、もう一つ資料の要求をしておきます。すなわち、外国炭の輸入状況の最近のものを、ぜひひとつ出していただきたいと思いますが、できますか。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 ただいまの外国炭の資料と申しますと、その時期とかあるいは積出地別とか、そういうようにわけた方がよろしゆうございますか。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私の知りたいと思いますのは、大体どのくらいの輸入状況になつておるかということが知りたいのです。それの資料になればけつこうであります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ちよつと皆さんに御相談申し上げたいのですが、実は外務省は会議中で、明日にしてもらいたい。それから井堀君が御要求の労働金庫の問題ですが、大蔵省も明日にしてもらいたい、それから労働大臣の方も四時から日米労務基本契約の附属書の問題について会議があるので、明日必ず出て来るからということでございます。それで解をしておいたわけですが、自由党の方から会期は三日間の招集であつたということで異議が出ております。実は私としては今日中に終りたいという考えでありましたが、もつぱら政府の都合によりまして、やむを得ず委員長としては承認したわけです。どうしても委員諸君と相談してだめだとおつしやれば、今晩どんなに遅くなつても、今日中に政府の全部に出席を願つて終りたいと思うのですが、議事進行について、ちよつと一応の経過だけを御報告しておきます。

藤田義光改進党

○藤田委員 議事進行について発言いたします。小坂労働大臣がおられない以上は、日産の問題をここで徹底的な論議はできないと思う。渉外事務がいまだに続いておるらしいのでございますけれども、できますならば、ひとつ機会を改めるか、暫時休憩をするなりして、四時からの会見でございましたならば、会見が終つたあとで労働大臣の出席を求めるなり、あるいは自由党の了解を得れば、明日さらに一日延期してやつていただきたい。担当大臣がいないところで委員会を続けるということは、不見識だと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 藤田君の御趣旨はよくわかりますから、今から理事の人たちにちよつと話合いをしていただきたいと思います。ただ、その間時間が惜しいですから、なお大臣もお急ぎのようですから、門司君からの御要求の炭労の問題かできるだけ焦点を合せて質問をしていただいて、それが終つて、あと日産の問題に移りたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それでは日産の今度の争議に関連して、労働問題その他は、いずれ労働大臣がおいでになつてからでいいと思いますから、譲りまして、私は現在の日本の自動車の増加の状況から見て参りまして、現在政府は本年度の予算面から見ますと、自動車の数を大体五十万台くらいに見ておりますが、実際は七十万台を越えておるといわれております。さらに本年度中には百万台になるであろうといわれております。このように自動車がふえておるのでありますが、この自動車のふえておるのは、私は主として外国からの輸入が多いからではないかと考えます。そこで通産大臣にお聞きしたいと思いますことは、政府の方針は国内産の自動車をできるだけ国内で使用し、あるいは外国にこれを輸出するという御方針であるのかどうか、これを先に聞いておきたい。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 できますならば、われわれは国産の自動車を日本で走らせたいと考えております。しかし、それが急激に間に合いませんから、それを助成しながら、足りない部分は外国の分を少しずつでも入れて行きたいと思つております。今日外貨予算の審議会をやりまして、十――三月に対する外貨の割当について、根本方針をいろいろ検討いたしましたが、ただいまのところでは、東京、大阪がおもでございますけれども、しかし、見ますと、ニューヨークにほぼ匹敵するほどの自動車の数が、しかも高級の自動車が走つておる。これは日本の現実の経済力から見ましては、あまりにぜいたく過ぎるのではないかという意見でございました。この際この十1三月の外貨割当については、自動車への割当は、できるだけ輸入をとめるような方向に進んでみたらどうかということにつきまして、ただいまあなたの仰せのような国産の自動車のできぐあいとかなんとかいうことを事務当・局に研究させまして、具体的な数字を出させて、最近にそういう方向をきめてみたい、こう考えております。御説のように、私どもといたしましては、今後輸出がなかなかむずかしくなりますから、外貨の獲得はできない。そうすれば、外貨の面から申しましても、外国の自動車をどんどん入れるということは至難になつて来る、こう考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 方針だけは、非常におそまきながらやや立てたわけでありますが、話があつたということだけに承つておきたいと思います。現実の日本の国内における自動車行政という言葉が当るかどうかわかりませんが、これを見てみますと、国内産のものが非常に圧迫されておつて、ほとんど今のお話のような外国にもあまり見ないような高級車が、敗戦国日本のしかも道の悪い狭いところにたくさん使われておる。これは政府の施策がはなはだよろしくなかつたので、今からでもお気づきになつて改めようとされるならば、それを責めるわけではありませんが、問題は今度の日産の問題にいたしましても、やはりこういう国の一つの施策の誤りが、ここにしわ寄せされておると思う。これはやはり争議の実態というものをながめてみると、政府の責任に帰属するものがたくさんあると思う。これは先ほど通産大臣は、自由企業であるからと言われておりますが、しかし、この事業は、単に国内だけの問題ではございませんで。十分外国との関連性を持つておりますので、そういうことがいえると思います。そこでもう一つ聞いておきたいと思いますことは、そうなつて参りますと、日本の今日の自動車産業というものでありますが、これに対する規模あるいは将来の見通し等について、通産省としては何らかの自信がおありになるかどうか。この点を、もし聞けるなら、この際明らかにしていただきたいと思います。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 自動車企業につきましては、いろいろなことがございまして、しかも技術提携をして、外国の技術をとつて日本でつくつて行こうという会社がございますが、私どもといたしましては、純日本のものだけでは、技術はうんと遅れておりますから、よく市場、また世間でいわれておりますように、国産の自動車は半年でガタが来てしまう、しかし外国のものなら相当に使える。そこで、やはり外貨を使つても入れてもらいたいという要望があるようであります。しかしながら、これはさまつたわけではございませんが、先ほど仰せのように、日本に最高級の自動車が、東京、大阪に氾濫しておるということは、これはわれわれの経済力からいつてほめたことではないと思いますし、また外貨を節約する意味におきまして、これは阻止すべきだと思います。ただ問題といたしましては、それでは、半年たつたらもうすぐこわれてしまうような、技術未熟のようなものの生産を奨励するかと申しますと、私はそれはよくないと思いまして、その意味におきまして、ただいま三種類ほど向うの技術を取入れて、そうして日本でつくろうというような会社がありますから、そういう方面に重点を置いて行つたらいいのではないかと考えております。しかし、今回自動車工業につきましては、徹底的にひとつ考えてみたいと思つております。これはぜいたくといえば、むろんぜいたくでございますが、また一面からいいますと、非常に経済活動が盛んになつておりますときには、やはり自動車も交通機関として重要なる経済の一つの流通ございますから、これはできるだけたくさんの自動車があつてほしいと思います。その辺のところを両方調整して、ある一定の方針をきめて、それに邁進して行きたい、こう考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これは石炭関係でありますが、さつき私は石炭の輸入状況だけをお聞きいたしたのでありますが、これと密接不可分の関係を持つております重油の輸入状況等がおわかりでございますならば、これはひとつあわせて資料を明日でもよろしゆうございますから、御提示を願いたいと思います。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 多賀谷真稔君。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 参考人にお聞きしたいと思いますが、その前に一言だけ石炭局長にお尋ねしたいと思います。  これは炭鉱解雇の問題と非常に関連があるのですが、水害により炭鉱が閉鎖されている事実があるわけでございます。これはいろいろございますが、大きなのは千三百名から従業員を持つておりました佐賀県の岩屋炭鉱がこのたび事業継続不可能という基準監督署の認定によりまして、千名からの従業員が解雇されているわけであります。もちろん予告手当ももらつておりません。監督署が認定をいたしました一つの要素といたしまして、通産局の石炭部に照会を出している。ところがそれに対して回答がございまして、少くとも復旧の見通しがつかない。どんなに早くやつても、六箇月は復旧しないだろうという文書を回答しております。そこで監督署といたしましては、それに基いたかどうかはわかりませんけれども、一応予告手当あるいは予告期間を置かなくても即時解雇ができるということで、解雇をしている事実があるわけであります。  そこでお尋ねいたしたいのですが、通産局の石炭部の係官がどの程度調査したかということを調べて参りましたが、水害が起りまして二日ほどたつて、水害の状況を現地に視察しに行つた係官が、水害でまだ大わらわなときに行きまして、そうしてちよつと見て、坑内にも入らないで帰つて来ている。そは、労使双方が対立をして、おのおの確信を持つて争つている。そういうふうに、たつた一度水害直後行つた係官が、非常に不見識にもそういう回答を出している。このようにして千名からなる従業員が解雇され、その家族を合せますと五千名であります。でありますから、そこの厳木町という町がなくなるだろうということまで言われているのでありますが、一体石炭局長としてはこの事件を承知しておられるかどうか、またその際出した回答を御存じであるかどうか。また岩屋炭鉱というのは、現在の可採炭量だけでも、百五十万トンの可採炭量を持つております。ですから、一箇月一万トンを掘りましても、少くとも十箇年はある。これは中炭鉱としては非常に有利な炭鉱である。しかも貝島炭鉱が持つておりました当時に、ボーリングしたところによりますと、五、六百万トンの埋蔵量があるといわれている。これは私が経営者から直接聞きましたので、はつきりしていると思います。そういう状態の中で、継続不可能であるという回答をやつておりますが、これはどういう事情であるか、お尋ねいたしたい。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 岩屋炭鉱が先般の水害で、たしか金鉱水没と記憶しておりますが、ひどい被害を受けて、私、正確に覚えておりませんが、これの復旧にたしか三箇月を要するというように記載されておつたように思います。しかし、その後に復旧の価値なしというような通産局の石炭部から通達を出したということは、全然聞いておりません。それからまた、こういう報告を出したということの連絡も、おそらく石炭局にないものと思つております。これはいずれ調査いたします。それからなお岩屋炭鉱は、その地区としては相当大きな炭鉱であります。それが行き詰まつた問題として考えられるのは、復旧資金が手に入らないというような問題ではないかと、私ここでかりに想像するのでありますが、なお至急に事情は調査いたしたい、さように考えております。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 回答はいりませんが、価値なしということでなく、見通しがない、こういうことであります。少くとも六箇月はかかる、こういう回答を出しておる、こういう点と、融資の問題であります。私が新聞で知つております情報によりますと、中小炭鉱の部類に入らないので、高倉鉱業その他は別個に融資をするということであります。でありますから、その融資の状態がどういうふうになつておるのか、これはあとの機会でよろしゆうございますから、お聞かせ願いたいと思います。  次に参考人にお尋ねいたしたいと思います。三井におきましては、昭和二十五年十一月に一万一千名の希望退職が出ておる。その後充員が若干あつたかもしれませんが、また自然退職もあつたわけでありまして私はそれ以上に人がふえていないと思います。むしろ自然退職の数が多くて、実際はそれから減員になつておると考えております。機械化と申しましても、機械化と併行しての今度の解雇ではないので、その間相当の労働強化になつておると私たちは考えるわけであります。一体この点について組合側はどういうようにお考えになるか、お尋ねいたしたいと思います。

畠山義之助全国三井炭鉱労働組合連合会組合長

○畠山参考人 きのう一応の答弁はいたしたつもりでありますが、きようはさらに担当の部長が来ておりますから、その方から詳細に御答弁申し上げます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この際お諮りいたしますが、本問題につきまして若松不二男君を参考人として、意見を聴取致したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは御異議なしと認めまして、さよう決します。  若松参考人の発言を許します。

若松不二男全国三井炭鉱労働組合連合会労働部長

○若松参考人 ただいまの質問ですが、三井鉱山の場合は、昭和二十四年の下期に約六万人の従業員が在籍しておりまして、二十五年の十二月に一万二千名の首切りが行われたわけであります。その後自然減耗あるいは五千六百名の充足等がありまして、現在人員は四万七千、従業員の場合、こういうふうになつているわけであります。出炭は、昭和二十四年の実績に比較いたしまして約一割程度増加しております。さらに採炭夫の場合には、昭和二十四年の下期と現在とを比較いたしますと、三五%増加している、こういうふうになつております。もちろんこの間、機械化その他合理化等によつていわゆる会社側の施策によつて能率が上昇している面も多々ありますけれども、おもにわれわれ労働者の労働強化によつて能率が上昇しているということが、具体的に人員あるいは出炭の面から指摘できるのではないかというふうに判断しているのであります。  以上であります。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 三井における坑内災害がどういうような状況になつているか、お尋ねいたしたいと思います。私が全般的に炭鉱の事情を調査したところによりますると、なるほど最近軽傷は減つております。しかしながら重傷、死亡というものは減つていない。この軽傷の減つたというのは、私はけがが少くなつたのではないと考えております。メリット制になりまして、料金がかわつたわけであります。そこで今まで軽傷であると認めてくれたものが、係員のところに行きますと、いや、そのくらいはあたりまえじやないかというので、なかなか軽傷と認めてくれないという事実を私は目で見て来ております。でありますから、軽傷が少くなつたということは、決して災害が少くなつたということにはならない。やはり重傷と死亡が多くなつている、あるいは減つていないから、ここに大きな問題があると思いますが、三井においてはどういうような坑内災害率になつているか。また保安法規というのは遵守されているかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

若松不二男全国三井炭鉱労働組合連合会労働部長

○若松参考人 ただいま手元に持つておりますのは、昭和二十六年度の資料でありますが、三井鉱山の場合は、昭和二十六年度に六十七名の公傷死亡者が出ております。さらに重傷のものが四千六百六十八名、軽傷のものが二千八百二十三名、合計いたしますと七千五百五十八名災害で負傷あるいは死亡している。こういうふうな数字が出ているわけでありまして、これを出炭トン当りに換算いたしますと、一万トン当り二・三人負傷あるいは死亡、こういうことになるわけであります。さらに労日一日当りで出しますならば、一日二十五人の人間が死亡あるいは負傷している、こういう状態であります。ただいま指摘されました軽傷が減つているという問題でありますが、お説の通りであります。さらに、私は昨年支部の現場の支部長として在籍しておりましてこれらの問題を取扱つたわけでありますけれども、内容を申し上げますと、たとえば指をもぐとか、あるいはちよつとしたけがをするというような場合には、全然公傷取扱いにしないで、会社側で、とにかく遊んでおつても賃金を払うから会社に出て来てくれ、こういうことで、統計上数字を減らしておるというだけでありまして、それらのものを合せますと、相当の数字になるのではないかというふうに判断しております。  なお坑内保安法の問題でありますが、この首切りが発表されましてから、首切りの基準の中に、公傷した者あるいは職業病で療養しておる者等を解雇するというふうなことがいわれておりますので、こういうようなことであつては、今までわれわれとして比較的黙認して来た鉱山保安法を完全遵法させる必要があるということから、鉱山保安法の完全実施ということを指令いたしまして、保安法を遵法させておるわけであります。その結果、概算四〇%から五〇%の生産減があるということから判断いたしますならば、鉱山保安法については、守られていない面が相当たくさんあるということが判断されるのではないかと思われます。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 通産省にお尋ねいたしますが、鉱山保安局長がお見えでありませんから、石炭局長にお尋ねいたします。  鉱山保安法規を遵守すれば四〇%ぐらい出炭が減る、こういうことを耳にしたわけでありますが、これはきわめて重大なことであると思います。現在請負給でありますから、労働者自身が鉱山保安法を守らなくて炭をどんどん掘ろう、こういうような状態にあることも、私は考え得ると思うのです。しかし保安法規を遵守すれば四〇%程度出炭が減ずる、こういうことになりますと、私は現在の人員でも、保安法規を全うするならば、現在の出炭を維持できない、かように考えるわけでありますが、一体この点に対してどういうようにお考えであるか、遵守されているとお考えになるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

佐久洋通商産業事務官(石炭局長)

○佐久説明員 ただいまの御質問に対して、私がお答え申し上げるだけの資格は実はないのでございます。正確なお答えを保安局長からすべきだと思いますが、従来保安法が、先ほどの参考人のお話で、ある程度ゆるく施行されておるということでございますが、厳密に保安法そのものを遵守すると四〇%の減産になるというようなことは、実は私もここで初めて伺つたわけでありまして、これはよほど研究しなければ、明確なお答えはちよつといたしかねると思います。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 責任者がおられませんので、別の機会にお尋ねいたしたいと思います。今度の三井の退職状態を見ますと、最初は希望退職、その次は退職勧告ということで来ておる。しかも、退職基準というのがここに発表されておりますが、私はこの中で不当労働行為が行われはしないかということを憂慮するものであります。ことに、第二のレッド・パージが行われるのではないかということを憂慮するものであります。たとえば、この基準の「業務に対する協力性乏しき者」こういう宅いろいろ書いてありますが、「その他前各号に準ずる者」という用語が使つてある。あるいはまた「素質乃至素行不良の者」という中に(ホ)といたしまして「その他醇風美俗を害し又は集団生活の秩序を棄す者」こういう言葉が書いてあるわけでありますが、今度の退職勧告の中で、これに該当するようなもの、組合から考えられて、今まで労働組合運動をしたがゆえをもつて首を切られておるのじやなかろうか、こういう危惧のあるものがあつたかなかつたか、お尋ねいたしいたと思います。

若松不二男全国三井炭鉱労働組合連合会労働部長

○若松参考人 ただいままでまだ正確な数字をつかんでおりませんけれども、昨晩までの情報によりますと、約三千数名の指名勧告が行われたわけでありますが、その中に特にわれわれといたしまして、専門家でありませんけれども、不当労働行為のにおいのする部分があるわけです。具体的に申し上げますならば、現在の中央あるいは山元等の執行機関におります幹部は、ごく少数しか解雇指名されておりませんが、内容を見ますと、決議機関いわゆる中央委員会とか大会等で活躍しておりますわれわれの兄弟たちが、たくさん指名解雇されているというふうな状況にあるわけです。具体的に例をあげますならば、三池の場合には、千二百名ばかり指名されておりますが、その中で約七十名の決議機関の人たちが解雇されておる。この七十名の人たちは、約三百五十名の中央委員会構成でありますので、七十名ということになると、割合にして相当数のいわゆる組合運動に携わつている人たちが、何らかの理由のもとに解雇されているというふうな状況にあるわけです。なお執行部を除きますと、三池の場合は社会党員が壊滅するような状態で解雇されているというような状況にあるわけです。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 次に、今度の争議で官憲の介入はなかつたかどうか、これをお尋ねいたしたいと思います。私聞くところによりますと、三井美唄では、すでに国警が入り込んで来ておる、こういう情報に接したわけでありますが、こういう事実があつたかなかつたか、お尋ねいたしたいと思います。

若松不二男全国三井炭鉱労働組合連合会労働部長

○若松参考人 昨晩の九時ごろの北海道からの電話情報によりますと、実は北海道の場合、昨日三井美唄では六百八名の解雇通告を受けた者の通告書を一括会社側に返上するために、デモ行進が行われたわけでありますが、それを会社側で受取る、受取らないということのいわゆる交渉が、デモ行進を通じた大衆行動の中で行われた際、たまたま武装警官が六十名ないし七十名ほど介入して来た、こういう事実があつたわけであります。

多賀谷真稔日本社会党(左)

○多賀谷委員 この問題も、きわめて重大な問題であろうと思います。ことに三池の場合あるいは田川の場合、あるいはその他の場合において、退職勧告がいよいよ実施される、こういう状態になつて来ますと、いろいろな問題が惹起すると思うのであります。私はこの際十分事情を調査いたしまして、明日には国警長官の出席を求めたいと思います。     ―――――――――――――

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 次に、日産自動車株式会社の争議関係について調査を進めます。  この際お諮りいたしますが、本件につきまして益田哲夫君、川崎弥美君、小林正基君を参考人といたしまして意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  それでは本日決定いたしました駐留軍労務者の争議問題及び日産自動車株式会社の争議関係及び労働金庫法等に関する質疑、その他労働関係に関する質疑等も残つておりますので、参考人は御足労ながら明日の委員会にも御出席願いたいと存じます。  次会は明四日午後一時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗