労働委員会 第19号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/08/05
会議録
○赤松委員長 これより会議を開きます。 労働行政一般に関する件について調査を進めます。質疑を許します。山花秀雄君。
○山花委員 最近のことでありますが、八月三日に、小倉市のモーター・プールにおける争議で、せんだつて東京の赤羽日鋼に起きたような不祥事件が発生したと聞いておるのであります。またその以前に七月の二十八、九日に、横浜陸上輸送部隊労働組合における労働争議においても、不祥事件が発生したということを聞いておるのでありますが、これらのいきさつにつきまして、お調べになつたところを、ひとつこの委員会に報告を願つて、その報告に基いて順次質問をして行きたいと思います。
○斎藤(昇)政府委員 まず八月三日の小倉の事件につきまして、われわれの方で報告を受けましたことを御報告申し上げます。 八月の三日午前十一時ごろ、米軍のMP乗用車が小倉キヤンプに参りまして、徐行して入門をせんといたしましたところ、労組ピケ隊員約十五名が、これを停車をさせようとして取巻きましたために、MP側は交通妨害と直感をいたしまして、急にスピードを上げて進行し出しましたので、ピケ隊員二名がMP乗用車に触れまして、全治三日間の擦過傷を負つたのであります。同日午後一時ごろ、同裏門付近において、同様の事件によつてピケ隊員一名が軽傷を受けました。 次に、同日の午前十一時ごろ、小倉キヤンプの裏門付近におきまして、米軍専門の大型バス——これは米兵が運転をしておつたそうでありますが、日本人の女子従業員一名を乗せまして入門せんといたしましたところ、ピケ隊員がこれを停止せしめまして、下車をさせようといたしましたために、米兵運転手がピケ隊員一名の左手首を殴打いたしました。本問題は、負傷に至らなかつたために、他のピケ隊員の仲介によつて解決をしたそうであります。 さらに、米軍の発砲事件が二件起つて、一つは城野というキヤンプにおける事件でありました。八月四日午前九時四十分ごろに、小倉市城野キヤンプのさく外——さくは針金で結いまわしてありまして、土手になつておる。そこに労組のピケ隊員が二名立つておりましたところ、さくの中から米軍の中尉一名と兵隊四名が近づいて参りまして、さく外の前記二名に対して英語で話しかけました。二名は英語がわからないので、そのまま立つておりますと、米軍のうち一名が突然コカコラのあきびんを前記のピケ隊員の一名に投げまして、頭部に全治二週間の裂傷を受けました。そこで前記の二名のピケ隊員はその場から逃げましたところが、背後から拳銃が一発発射をされた。この拳銃は上空に向けて発射をされたのか、二名をねらつて発射をされたのか不明であります。 もう一件の事件は、北方キヤンプでありますが、八月四日の午前九時ごろ、小倉市の北方キヤンプの西門のMP詰所におきまして、MPが自動小銃を手入れ中に、誤つて暴発をいたしました。同西門前には、約百名のピケ隊員がいましたが、人畜には被害がありませんでした。この発砲事件を知りました全駐労小倉支部では、ただちに真相究明のために労組、それから労管、米軍の三者会談の開催を要求いたしました。きのう夕方報告を受けました際には、三者会談を今行つておるということでありました。 この発砲事件につきましては、おそらく前者は、英語がわからなかつたための誤解に基く事件であろうと考えております。後者の方は、不用意な爆発事件であつて、他意はなかつたのじやないかと思つております。おそらくこの三者会談で了解が得られたのではないだろうかと私は想像いたしておりますが、その結果については、まだ報告を受けておりません。 それから三日のピケラインにおける事件につきましては、小倉市の警察長は関係当事者に警告を発しまするとともに、米軍MP当局に対しましても、争議中は日本人を乗せてピケラインを通過しないように注意を喚起したのであります。 横浜の事件は、七月二十七日の午前九時四十分から五十分ごろまでの間におきまして、横浜の海岸通五丁目万国橋ビル前の道路において起つた事件であります。第二港湾労組においてここでピケラインを張つておりましたところ、先ほど申しました日時に、セダンの乗用自動車——日本人が運転をいたしまして、乗客の有無はよくわからなかつたそうでありますが、さしかかりました際に、ピケ隊員四、五名が車の通過をとどめまして、そのうち赤旗を持つた二名が車の前に立ちまして、運転手にしきりに何か話をしていたようであつたのであります。そのときに万国橋ビル前の鋪道上におりました四、五名のMPのうち一名が乗用車に近づきまして、車を通させようといたしましたが、ピケ員の阻止にあいまして、車の発進ができなかつたのであります。そこでごたごたしております際に、ピケラインからさらに四、五名の者が応援に出て参りまして——一人のMPが軍内に入つたようでありますが、その辺は判然といたしておりません。このときに他のMPの伍長が車のうしろをまわつて車の左側に来て、その車を出発させようといたしましたが、ピケ員が立つておりまするために出発ができなかつた。そこでそのMPは、車の横にいた一人のピケ員を手で横に押しのけたのであります。これを見たかたわらのピケ員の一人が、何をするんだといわんばかりにMPの前に進み出ましたので、MPその男をやにわに後方へ突き飛ばしました。その様子をピケライン及び控所から見ていた他のピケ員が、何をするんだとMPの前に集まつて来ましたために、紛争状態に相なりまして、MPは車の前から鋪道上に押し返されたのであります。そのときに、押し返されたMPのうちの一人が拳銃を取出しまして、ピケ員の方に銃口を向けて腰に構えたのであります。これを見たピケ員はいきり立ちまして、撃つなら撃てと言つてその前に立ちふさがつたのでありますが、警察官に制止されまして、ピケ員は一応後方に引下り、MPはすぐに拳銃をしまつたようであります。この紛争中に前記乗用車は出発をいたしまして、税関構内に入つて行つたようであります。またMPも紛争直後パトロール・カーに乗つて帰つて行つたようであります。紛争は時間にして二、三分間ぐらいであつたようでありますが、この際のMPの氏名及び乗用車のナンバー等は不明のようであります。MPに突き飛ばされたピケ員は、左耳下に軽い擦過傷程度の傷を受けました。 当時の状況につきまして、ピケ員の藤井某及び傷を受けました小畑某は、時間は午前九時四十分ごろと思うが、海軍の乗用車、日本人運転手がピケの前に来たので、われわれのストに協力してもらうつもりで、車をとめて話をしていると、MPが来て通そうとしたので、われわれと押し問答が始まつた。そのうちに一人のMPが来て、小畑を突き飛ばそうとしたので、そのMPと紛争になり、MPがピストルを突きつけたので、ピケ員の一人が撃てと言つて前に行つたところ、ピストルを納めたものである。労働争議にMPがピストルを突きつけるは不法である。乗用車に乗客があつたかどうかはわからなかつた、こうピケ員の人が言つているそうであります。警察の措置といたしましては、当時現場付近こおりました警察官は、警部補一名と巡査二名でありますが、この三名は、MPが車の前から鋪道上に押し返されたときに、これを阻止したけれども、その効果がなかつた。MPが拳銃を腰に構えて、労組員がその前に立ちふさがつたときには、これを制止して後方に引下らしめて紛争を収めたというふうに、現場にいた警察官が申しております。 関係MPの陳述を総合いたしますと、ちようどこのとき関係MPがパトロール中に、後方座席に海軍中佐を乗せて、日本人が運転をしておつたセダンが、二十名の赤旗を持つたピケ員によつて、第二運輸港湾部入口で停車せしめられているのを発見した。そこでリチャードソン軍曹とワトソンが道をあけようとしたら、逆にピケ員によつてリチャードソン軍曹は事の前から押しやられ、ワトソンはピケ員によつて取囲まれてしまつた。そこでその陳述するところによりますと、約五十名のピケ員に取囲まれてしまつて、逃げるに逃げられず、身の危険を感じて、正当防衛のために拳銃を取出してしまうたものであるが、この拳銃は他のMPによつて収納方を指示されたので、サツクに納めたものであるというように陳述をいたしているようであります。 この事件につきましては、警察側はMP側に対しまして、このピケ・ラインに対する態度というものを申入れ、将来かような不祥事件の起らないように申入れをいたして、了承を得たように聞いているのであります。 これを要しますのに、小倉の事件といい、横浜の事件といい、私はMP側におきまして、労働争議のいわゆるピケというものに対する理解が十分でないと考えております。現地においてはそれぞれそういうことを申し入れておりますが、私は憲兵司令部の方にこの点を申し入れまして、かような紛争の起らないように注意をしてもらうように申し入れたいと思つておるのであります。と同時に、かような場合に日本人に取巻かれますと、無用に身の危険を感じまして、すぐ拳銃に手をかけるというような傾向が見られるのであります。これは私はその心情はよくわかると思うのであります。おそらくわれわれの想像以上に、大勢の異民族にどやどやつと囲まれますと、自分の身に何か危害を受けるのじやないかという、われわれの想像の及ばないような心配をするのも、無理ないと思うのであります。この点につきましても、しかし日本人は、ことに労働運動に従事している人たちは、そういう場合に、わつとかけ寄つて来ても、決して身に危害を加えるという心配はない。これはわれわれ自信を持つてそういうことが言い得るから、そういう無用な心配を起さないように、そしてみだりに拳統に手をかけたり、あるいは暴力を振うということのないように、十分徹底させてもらいたいということを、私は帰し入れたいと思つておるのであります。同時に組合側の方におかれましても、米軍のMPだけが単に乗つて、その中を通る、あるいは横浜の場合には海軍少佐が乗つておつたと、こうMPの方では言つておりますが、労組の方では、人が乗つていたか乗つていなかつたかはわからなかつたということでありますが、運転手だけが運転している、あるいはその中に入つて争議破りに役立つような者でないということが明らかな場合には、これを無用に押しとめてトラブルを起さないように、そこのけじめをもつとはつきりしてほしいということを徹底させていただきたい。その措置も講じたいと私は考えておるのであります。 以上概況と、私のとりたいと思つております措置を申し上げまして、御報告といたします。
○山花委員 私の今お問いいたしましたのは、小倉における問題と、特に横浜では労働組合の名前まで言つて二十八日、二十九日の不祥事件をお問いしておるのでありますが、ただいまの御答弁は、二十七日における他の労働組合関係のことをるる御答弁なすつたのであります。そこで問題は、私のお問いしておることにお答え願えれば、事件の関係は三件になるわけであります。その点を御答弁願つてから、労働省の方の見解をお答え願いたいと思います。 労働組合は横浜陸上輸送部隊労働組合であります。事件は不当検挙という問題に関連する不祥事件としてお問いをしておるのであります。
○斎藤(昇)政府委員 その詳しい報告は、ただいま私は受けておりませんので、調査をいたしまして御報告をいたしたいと思います。二十八日の分は、まだ報告を受けておりません。ただいま申しました通り、これは市警内に起つた事件でありますので、私の方から特に聞きませんと報告のない場合が多いのでありますから、すぐ照会をいたしたいと思います。それで御了承いただきます。
○山花委員 これは市警関係で国警の方では詳しい報告を受けてないので、責任ある答弁ができないということでございますが、労働省の方には報告が入つておるだろうと思いますので、労働省当局からでも、一応小倉の事件、ただいま国警長官が述べられた二十七日の横浜の事件、二十八日、二十九日にわたる事件について、一応御説明願いたいと思います。
○山崎説明員 最初の山花さんの御質問を、私実は聞き漏らしたのでありまして、要点がどういうところにあるか存じませんが、小倉のモーター・プールの争議についてだろうと思いますので、まずその経過の概要を御説明いたします。 小倉のモーター・プールの争議は、全駐労小倉支部——従業員が五千名、組合員が三千八百名でありますが、この組合は従来から吉森、合田の二人のフオーマンの追放及び竹崎運転手の解雇予告の取消し、その他十六項目の要求のため、ストライキ権を確立しております。その後組合と県当局との間で交渉が行われたが解決に至りませんで、組合は七月十六日福岡県知事に対して、七月十九日以降随時ストライキを行う旨の予告を行いました。七月二十八日、重ねて七月三十一日午前八時から八月五日午前八時の間に四十八時間のストライキを行う旨の通告をいたしました。八月二日午後、組合は闘争委員会を開き、三日午前零時より四十八時間ストライキに入ることを決定、この旨労務管理事務所に通告しまして、八月三日、予定通りストライキに入りました。 八月三日午後、県労管は、組合に対して、両・フォーマン吉森、合田から処置を一任されておるから、ストライキを中止してもらいたいとの申入れをしたのでありますが、組合側は同日午後九時から闘争委員会を開いて協議した結果、不当解雇処分を受けた元組合員の復職を認めない限りストライキを続行するとの結論を出し、引続きストライキを継続したのであります。八月四日午後十二時をもつてストライキを終了いたしております。 以上が私の方の手元に入りました小倉のモーター・プールの争議でありまして、先ほど途中から入つたのでありますが、斎藤国警長官の御報告の、この争議に関するトラブルについては、詳細な報告は入つておりませんので、その点御了承を願います。 なお、今山花さんの御質問の横浜の駐留軍関係の労組争議の概要でありますが、横浜では、現在解決したもの、ごく最近争議のあつたものが数が相当多いのでありますが、そのおもなるものを述べてみますと、CYTS——米軍陸上輸送部隊の争議であります。CYTSの労組従業員は二千四百八十一名、組合員が八百名であります。これは昨年九月以来、労働条件の改善、悪質なフオーマンの追放、組合活動の自由保障、日米労務基本契約米軍案反対等の二十二項目を、軍及び県当局に要求しておりました。七月十八日、組合は軍及び県に対して、七月十八日以降ストライキに突入する旨の通告をいたしました。その後においても団体交渉が行われたのでありますが、解決に至つておりません。組合は二十七日に、七月二十八日午前六時より七十二時間のストライキに突入する旨の予告を行い、二十八日予定通りストライキに突入いたしました。七月二十九日、全駐労神奈川地区本部は、本部からの要請に従い、CYTSの争議を規約第六十三条、すなわち本部の統制に違反するものとして同労組を権利停止の処分に付しております。七月三十日、神奈川地区米軍司令官は、現地部隊長より県当局に対して、明日CYTS争議が停止された場合においても、これをめぐる諸問題が十分解決しない場合は、保安要員を除き、日本人一切の労務者の入場を拒否する旨の示達をいたしまして、三十一日午前六時より予定通りロック・アウトに入つております。従つて、組合もそれに対抗してストライキを続行したのであります。その後八月一日、三日、四日と三者会談を持ちましてこれを開催した結果、四日午後六時了解点に達しまして、組合は五日午前六時よりストライキを解除いたしました。以上がCYTSの争議の概要であります。 次に先ほどのMPとの紛争があつた第二港湾争議の概要でありますが、第二港湾労組——従業員は三千七百三十八名、組合員が八百十一名であります。これは六月十三日、米軍側から勤務制の変更が提示されました。第一勤務、第二勤務、第三勤務でありまして、これは結局第一勤務が現行実働六時間三十分を今回八時間に改めること、第二勤務が実働六時間を実働七時間三十一分に改めること、第三勤務が実働七時間三十分を八時間に改める等の内容を持つ変更の提案であります。六月十六日、組合は軍及び県当局に対して、七月二十一日午前六時を期してストライキに突入する旨の通告をいたして、次いで十八日には新勤務制度の反対に加えて、懲戒規定の全面的撤回、ま基地内労働組合活動の自由を認める等の要求を行つたのであります。七月二十日、県当局と労組は、団体交渉を行つたが進展いたしませんで、組合は二十一日よりのストライキを一日延期して、二十二日午前六時から無期限ストライキに突入したのであります。七月二十六日ピケ隊員対非組合員の間、七月二十七日、ピケ隊員対MP間で小ぜり合いが起りまして、前者の場合においては、ピケ隊員二名が暴行容疑で検挙され、後者の場合には、ピケ隊員一名が擦過傷を負つたとの報告があります。七月三十日午後から同じく三十一日早朝にかけての団交で、職場復帰を条件に、新勤務制については、米軍側の作業に支障のない範囲で、組合員個人の就労時間を考慮するということで話合いがつきまして、労働組合はただちにストライを中止して就業しております。 この第二港湾労組の今簡単に申し上げましたMSとのトラブルについてでありますが、この点を若干詳しく説明いたしますと、すなわち七月二十二日以降無期限ストライキに突入していたのでありますが、二十八日午前九時四十五分、万国橋のピケ現場において次のようなトラブルが発生した。トラブルの概要といたしまして、七月二十八日午前九時四十五分、万国橋のピケ・ラインに対して日本人の運転する海軍のトラックが来た。これに対しピケ隊は入構を拒否したので、そばにいたMP一名がピケ隊の一名をなぐりつけた。右手首に軽い負傷を受けたと言つておる。そのため他のピケ隊十数名がこれを取囲んだため、そのMPは拳銃にたまを装填し射撃の態勢をとつた。そこへ他のMPが来たので、問題のMPは囲みを脱した。以上がトラブルの概要であるが、組合はその現場を見ていた加賀町警察署員に、証人になつてくれということを申し入れた。同時に県会や国会に対しても、この事件を取上げていただいて、真相を明らかにしてもらいたいということを言つておる、こういうような報告を受けております。 以上が、大体私の方へ入つた状況でありますが、なお詳細につきましては、目下県労政課にお願いしまして、一応ストライキを中止するに至つた段階にありますけれども、前にさかのぼつてこの事件の詳細な報告を求めております。 以上が概要であります。
○赤松委員長 山花秀雄君の質問中、国警当局の未調査の分に限り、明日まで国警当局で調査の上、答弁のできるように資料を整えていただきたいと思います。 なお労働省当局も、さらにこの問題について詳細な調査をしていただきたい。 また駐留軍労働組合より参考人を呼んで聞きたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 ではさよう決定いたします。 山花秀雄君。
○山花委員 爾後ずつと質疑を続けて行きたいと思いましたが、完全な資料の提供が、ただいまの御答弁によつてもないわけであります。また駐留軍関係の労組から、参考人として呼ばれるという委員長のおはからいでございますから、それを聞いて、万全を期して問題の所在を明らかにしたいと思いますので、一応私はこの問題に関する質問は打切ります。
○赤松委員長 他にございませんか。——斎藤国警長官に対する質問はございませんか。 山花君のただいまの御発言のようにとりはからつてよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 ではさよう決定いたします。 多賀谷真稔君、専売当局が見えております。
○多賀谷委員 専売公社の関係にお尋ねいたしたいと思います。昭和二十七年十一月二十七日付の裁定のうち、第六項に掲げてあります業績賞与についてお尋ねしたいと思います。二十八年度の給与の支給に際して、二十七年度の決算における予定以上の利益を生じた場合の業績手当を幾ら考えておられ、どういう予算措置を講じておられるか、お尋ねしたいと思います。
○小川説明員 御承知のように裁定に書いていただきましたものですから、先日通過させていただきました予算総則を、政府側もこれを認めていただきまして、実行の段階に移つたわけでございますが、八条の規定によりまして給与総額の変更は大蔵大臣の承認を得てということになつておりますので、現段階におきましては、大蔵省と今内々に交渉を進めております。
○岸本政府委員 昨年末の専売裁定で、超過利益が出た場合には、業績賞与として支給するようにという裁定がございました。この裁定の趣旨は、できるだけ尊重して参りたいと思いますが、ただ、一方におきまして本年度三十二億ほど超過利益が出ておりますから、その利益がほんとうの意味の利益であるかどうかということの判定も必要でございます。技術的になおいろいろ検討いたしております。つまり裁定は裁定として尊重して参らなければならないのでありますが、他方で専売の資本と申しますか、これはすべて国庫出資でございまして、いわば国民の税金で成り立つておるものでございますから、ほんとうの意味の利益が出たということの判定も、反面においては必要でありまして、そうした点をかみ合せまして、なおどのような処置をとるか、検討いたしておるわけであります。
○多賀谷委員 公社にお尋ねいたしますが、大蔵省との折衝の段階において、公社としては幾らくらいの金額を折衝されておるか、お尋ねいたします。
○小川説明員 公社といたしましては、ただいま大蔵省の給与課長が言われましたように、三十二億も超過利益を出しおるのでございますが、全部が公社職員の努力とくふうによつて得たとは、必ずしも判定しがたい点もございます。そうかといつて、われわれの努力なしではこの三十二億も得られたのではないという点もありまして、非常にデリケートな要素を持つておりますが、とにかくわれわれといたしましては、出す以上は一箇月程度は出してもらいたい、たまたま裁定の説明書にも、基準賃金一箇月平均を限度としてとありますので、この程度を国庫当局に歳出を認めていただくことをお願いしても、そうむさぼつた要求ではないと思つて、内々交渉を進めております。ちなみに、組合側の要求は、たしか二箇月以上というようなことだと思つております。
○多賀谷委員 大蔵省にお尋ねいたしたいと思いますが、この裁定の理由書の中には、四分の一までということが書いてあるわけであります。もつとも一箇月分を限度とするという条件がついておりますが、大体四分の一と考えましても、三十二億の四分の一は八億でありまして、当然一箇月よりも上まわるのであります。こういう理由書の趣旨からいいましても、やはり最低一箇月は当然出してやるべきであると思いますけれども、大蔵当局としては、どういうようにお考えになつているか、お尋ねいたしたい。
○岸本政府委員 同じことをたびたび申し上げて恐縮でございますが、つまり公社としての資本が維持できるという点が一つ。もう一つは、職員の企業努力に合う——これはこまかいことを申し上げますと、原価計算まで入らなければできないわけでございますが、なかなか技術的にやつかいな問題もございまして、なお数字的には検討をいたしておる段階であります。
○多賀谷委員 三十二億という予定利益がはつきりわかつたのは、いつごろでしようか。
○岸本政府委員 公社の決算は大蔵大臣が承認をするということで確定をするわけでございます。これは七月三十一日でございます。
○多賀谷委員 給与関係というものは、あまり長引かすと、非常に効果が薄くなるわけであります。また労使関係を長い間不安定にするということは、労働問題の扱い上、遺憾に考えるわけであります。こういうものは、すみやかに確定すべきものであると考えるわけであります。そこで、少くとも裁定の一箇月分は当然支給されるべきものである。しかもこの裁定をのむにつきましても、期間的には非常なずれを生じているわけでございますので、この裁定をすみやかに実施されんことを切望するわけであります。 それから、続いてお尋ねいたしたいと思いますが、従来報償金として支出されておりました額を、今度は予算上で発見できないわけでありますが、この点はいかになつているか伺いたい。
○小川説明員 この点は今度成立しました予算を編成いたしますときに、大蔵当局といろいろ折衝をいたしまして、ぜひこれは残していただきたいということを、私の方は考えていたのでございますが、公共企業体全体並びに公務員との均衡などを考えまして、やはり手当は夏季手当、あるいは年末手当、形式的には期末手当と奨励手当ということになつておりますが、それに包含してくれ、特に専売公社は、今度はほんとうに業績に応じた業績賞与というものも予算総則で具体化するのだから、その他の従来の報償金的なものは、大体奨励手当あるいは期末手当に包含してくれという強い要求がありました。私どもといたしましても、いろいろ換算いたしまして、報償金では額にいたしまして、たしか二億六千万円であります。夏季手当と奨励手当の方は、もつとそれの数倍の額にも上つておりましたので、そろばん勘定からいたしましても、報償金はそれではあきらめるから、期末手当と奨励手当を盛つていただきたいということで予算案をつくつていただきまして、国会の御承認を得た次第でございます。
○多賀谷委員 裁定の実施について公社並びに大蔵省は、第六項にある業績賞与と第五項にある報償金との関連を、どういうふうにお考えになつているか。私は裁定の第五項並びに第六項は、当然報償金を支給することを前提にして業績賞与というものは認められたものであると考えるわけです。ですから、今度は業績賞与をやるのだから、当然報償金というものは包含すべきであるという考えは、裁定の精神に全然合つていない考えであると思うのですが、これについてどういうように考えておられるか、大蔵省と公社にお尋ねいたしたいと思います。
○小川説明員 これは十一月の裁定は、そのときの年度の予算にあつた報償金でございまして、それを出したほかに、来年度以後からこういう業績賞与を認めるというようなことに解釈いたしておりまして、第五項の、つまり二十七年度の予算までは報償金がございましたので、それは裁定通り、あるだけ全部出しまして、そうして六項は予算措置並びに法律措置ができておりませんでしたので、来年度以降、つまり今となりましては今年度以降出していただくというふうに解釈し、またそういうふうに実行しております。
○岸本説明員 大蔵省といたしましても、同様な考えを持つております。
○多賀谷委員 最初公社の方に私は報償金の予算措置はどうしたかということをお聞きしました際に、初めは報償金を要求したけれども、やはり業績賞与という方が額も多いし、その方がいい、こういうお話であつたわけであります。ところが、その話の前提は、やはり報償金を別個に要求したということでありますから、当然二本建の給与体系になると考えられるわけであります。なお、二十八年度の公社の予算案の予算総則につきまし七も、やはりこれは別個に考えておるようであります。それは「昭和二十七年度決算の結果、日本専売公社法第四十三条の十三第一項の規定による専売納付金の額が、予定の金額を超える場合におけるその超える金額の一部に相当する金額」これがすなわち第六項に当ると考えられるわけであります。その次に書いてあります「又は昭和二十八年度において職員の能率向上にもとづく企業経営の改善によつて収入が予定より増加し、若しくは経費を予定より節減した場合における、その収入の増加額又は経費の節減額の一部に相当する金額」これが当然五項に相当するものであると考えられるわけであります。そういうことを予定して予算総則も書いており、また今度の四十三条の二十一に次の一項を加えるという日本専売公社法一部改正に関する法律案についても、同様な趣旨がうかがわれると思うのであります。そういう点からいたしますと、二十七年度の決算の結果の業績賞与をやるから報償金はいらない、こういう建前になつていないように考えられるわけですが、その点について再度御説明を願いたいと思います。
○小川説明員 ただいまの御発言は、若干誤解があるのではないかと思います。と申しますのは、予算を組むときに、今年は報償金をやめるというのは、業績賞与にからんでではなくて、この前からいろいろ世間を騒がせました例の夏季手当〇・五、あるいは年末手当一・五箇月分くるめて、名前は奨励手当とかあるいは期末手当というふうになつておりますが、一・五箇月分は公務員系統並びに公共企業体職員にも入つているわけです。それとの交換条件になつたわけです。従いまして業績賞与とはその点は関係ないわけであります。政府もおそらくそういうふうに考えておるだろうと思います。 それからこの予算総則の八条の二項の前段と後段の関係は、今先生の方から御説明のありました点とは、ちよつと解釈が違いまして、前段の方は、三十七年度の成績がよかつたら出してやれ、出してよろしいということで、後段の方は、二十八年、今年の成績がよかつたら年度末くらいにかりに出してやれ、こういうようにわれわれは解釈しておりまして、報償金の問題は去年ですつぱり終つておりまして、何らこの業績賞与とは関係ございません。それから、この解釈は、そういうふうにはなはだ虫がいいというのですか、今年は公社としては二回出していただくかつこうになつております。業績賞与はそういうふうにわれわれは解釈しております。これはおそらく政府当局も御異存ないと思います。
○岸本説明員 ただいま総務部長からお話のあつた通りであります。
○多賀谷委員 この問題についてさらに研究いたしたいと思いますので、質問を留保したいと思いますが、今組合との交渉の経緯は、どういうふうになつておるか、お尋ねいたしたいと思います。
○小川説明員 組合は再度団体交渉をやりまして、一刻も早くこの予算が通つた以上業績賞与を出せ、場合によつては前払いでも一時してくれないかというような話さえ受けておりますが、私の方としては、ただいま決定されましたように、七月三十一日にまだきまつたばかりですから、もうちよつと待つてくれないか、あまり無理しないでわれわれにまかせておいてくれないかということで、話し合つております。
○多賀谷委員 報償金については、組合の方から何も交渉がありませんか、また要求がないでしようか。
○小川説明員 初めのうちは要求があつたようですが、私の解釈では、あきらめておられるのではないかと思つております。 —————————————
○赤松委員長 皆さんにお諮りいたします。明日大蔵省の主計局長それから仲裁委員及び労組側の参考人を呼びまして質疑を続行したいと思います。その仲裁委員及び参考人につきましては、先ほどの駐留軍労組側の参考人と同様委員長に御一任願えませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 ではさよう決定いたします。 —————————————
○中原委員 一言だけ。予算書の中に予備費十二億五千七百数十万円あるわけですが、これの内訳はどういうふうになつておりますか。
○小川説明員 予備金の内訳は、実際のところないのです。と申しますのは、八百億の歳出に対して二億近いものを予備金として置いておきたいなというのが主計局の予算編成当時の気持だつたようでございます。従いましてこれは何に使う、何に充てるというような内訳はないように承つております。
○中原委員 二億近いということですが、十二億ではないですか、十二億五千七百万円、そうするとこの金の使途の予想というものは、特に計算の基礎があつたというわけではないのですね。大体予備金の性格上、そのくらいの限度の金額があればという、そういう意味なんですか。
○小川説明員 たしかあのとき言つておりました歳出の二パーセントぐらいの予備金を持ちたいというようなことで、これはもちろん災害が起きましたり、あるいはタバコの増反が思つたより収穫があり、品質がよかつたんで、料金がきまつておりますので出さなければならぬ、そういうような予備金というものはいつも必要でございますので、二%程度は置こうということで、今八百億の歳出ですから、十六億ぐらい置きたかつたのだろうと思いますが、諸般の事情でこんなことになつたのだと思います。
○赤松委員長 特にこの際大蔵当局にお願いしておきますが、本委員会におきましては、先般来ストライキ規制法、議員提出法律案として公共企業体等労働関係法の改正案等が出ております。これはもちろんスト権の回復と例の十六条の裁定実施に関する問題が中心になつておりますが、この法案とからんで今度の専売の仲裁問題が非常に重要だと思いますので、特に先ほどの御発言がございましたが、計数上の問題でなくして、こういう問題はやはり政府の大きな政策の問題として考えていただきたい。お帰りになりましたら、大蔵大臣にも局長にも、その旨をよくお伝え願いまして、明日は大蔵当局の責任ある御答弁をお願いしたい。こういうように委員長から特に希望しておきます。 なお亀井基準局長には井堀繁雄君から最近頻発しておる基準法違反の問題について実例をあげて御質問があるかと思います。それから近江絹糸の問題について、先般亀井政府委員から非常に誠意のある御答弁がありまして、労働省から調査官を派遣するということになつておりましたので、その報告に基いて御質問をお願いし、それに関連して最近の基準法違反の問題を御質問願うようにしたいと思います。
○中原委員 明日の参考人を呼ぶ場合に、全駐労組関係の中で、横浜の第二港湾労組もひとつ呼んでいただきたいという希望を申し上げておきます。
○赤松委員長 承知いたしました。よく労組側と相談をいたしまして、できるだけ御意思に沿うようにしたいと思います。 暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかつた〕