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第16回国会衆議院1953/06/22

労働委員会 第2号

発言数
7 件
登壇者
2 名
会派数
2
開催日
1953/06/22

会議録

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 ただいまより会議を開きます。  お諮りいたしますが、去る六月五日理事山花秀雄君が一旦委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になつております。そこで理事の補欠選任を行わなければなりませんが、これは前例によりまして、委員長より指名いたすことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 御異議なしと認めます。それでは山花秀雄君を理事に指名いたします。     —————————————

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 それでは電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案及び一般労働行政に関する件を一括議題といたします。  初めての委員会でありますから、本日御出席になつておられます政府委員の御紹介を申し上げておきます。本日は労働省から小坂労働大臣、安井政務次官、斎藤次官、労政局長の中西政府委員、基準局長亀井政府委員、婦人少年局長藤田政府委員、失業対策課長渋谷政府委員、総務課長堀説明員、労働法規課長松永説明員、労働組合課長山崎説明員、以上が政府側委員の出席であります。  それでは本案について小坂労働大臣より、政府側提案理由の説明を聴取いたします。

小坂善太郎自由党労働大臣

○小坂国務大臣 ただいま議題となりました電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案につきまして、その提案理由及び大体の構成を御説明申し上げます。  昨冬行われました電気事業及び石炭鉱業の両ストライキは、非常に大規模のものでありまして、幸いにして最後の段階におきまして収拾されましたが、この両ストライキが国民経済と国民の日常生活に与えた脅威と損害とは、実に甚大なものがあつたのであります。労使関係につきましては、法をもつてこれを抑制規律することは、できる限り最小限とし、労使の良識と健全な慣行の成熟にゆだねることが望ましいことは言うまでもないことであります。しかしながら政府としては、かかる基本原則のみを固執し、いたずらに手をこまぬいて当面の緊急の問題に対して必要な施策を怠ることは許されないと考えるのであります。  よつて政府としましては、電気事業及び石炭鉱業の特殊性及び重要性並びに労使関係の現状にかんがみまして、争議権と公益の調和をはかり、もつて公共の福祉を擁護するために、両産業における争議行為の方法について必要な規制をなす必要があると考え、本法案を立案するに至つたのであります。  公共的性質を有する産業は、ひとり電気事業及び石炭鉱業に限るものでないことは申すまでもないところでありますが、種々検討の結果、今回はいわゆる基礎産業中最も基幹的な重要産業であり、しかも昨年現実に問題となつた電気事業及び石炭鉱業につきまして、必要な限度の規定を設けることとした次第であります。  また、労使関係の調整につきましては、昨年第十三国会において一応の改正を了しており、かつ本法案は労使関係の調整とは別個に、もつぱら公益擁護の見地から争議行為の正当性の範囲を、必要な限度で明らかにするものでありますので、今回の措置は既存法律の改正をもつてせず、単独法の形をとつたものであります。  以上と同一の見地より前国会に電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案を提出いたし、衆議院におきまして改進党提案により脇町立法とする旨の一部修正がなされた上可決されたのでありますが、参議院におきまして審議中、衆議院の解散によつて審議未了となりましたので、君の改進党修正を含め、前回衆議院におきまして可決された法律案と同一内容の法律案を、ここに提案いたした次第であります。  以下本法律案の大要について御説明申し上げます。  本法案は三箇条からなるものでありますが、まず第一条におきましては、以上申し上げたごとく、電気事業及び石炭鉱業の自然的、経済的、社会的な特殊性及びその国民経済及び国民の日常生活に対する重要性にかんがみまして、争議行為と公益との調和をはかり、もつて公共の福祉を擁護するため、争議行為の方法について当面必要とせられる措置を定めるという本法律案の趣旨を明らかにしたものであります。従いまして本法案は、争議権そのものを否定する趣旨のものではなく、もつぱら争議権に基く争議行為の一部方法のみを規制の対象とするものであります。  次に第二条につきましては、電気事業についていわゆる停電スト、電源ストその他電気の正常な供給の停止ないし直接の障害を生ぜしめる争議行為の方法は禁ぜられるものであることを明らかにいたしたのであります。スイツチ・オフ等ほしいままに装置を操作する積極的行為は、従来から政府として正当ならざる行為と考えていたのでありますが、さらにこれと同様に電気を停止したり、電圧、サイクルを狂わせたりする行為であつて、昨年のストライキの経験にかんがみ、社会通念上非とされるものについても、この際その正当ならざることを明らかにしたものであります。けだし停電スト、電源スト等は、これに携わる人員は全電気産業労働者中、少数に過ぎず、他の大多数の労働者の争議行為は、何ら制約せられるものでないと同時に、労働者の失う賃金及び使用者のこうむる損害は、これによつて無事の需要者が不可避的にこうむる物質的、精神的損失に比較いたしますと、きわめてわずかなものであります。この点他の争議行為の方法とまつたくその趣を異にし、電気事業の公共性に矛盾することはなはだしき争議方法といわなければならないのであります。しかも電気産業労働者には、この他にも労使対等の立場を維持するに十分な争議手段があるのでありまして、本条の規制は当然やむを得ざるものと考えられるのであります。なお、使用者が変電所、発電所等の停廃を来すロツクアウトを行い得ざることは、もちろんであります。  次に第三条につきましては、石炭鉱業について、鉱山保安法に規定する保安業務の正常な運営を停廃する争議行為のうち、溢水、落盤、自然発火、有害ガス充満等を防止する業務を怠り、その結果、人命に危害を及ぼしたり、石炭資源を滅失しないし炭鉱の破壊を招いたり、第三者に鉱害を与えるごとき保安放棄の行為は、争議行為として正当性を逸脱するものであることを規定いたしたのであります。けだしかかる争議行為は、法益の均衡を著しく失し、また労働者をして復帰すべき職場を失わしめるものでありまして、争議行為の目的を逸脱し、とうてい正当な行為と認め得ないのであります。このことは昨年の炭労ストに対する政府声明におきましても明らかにいたしたところであり、きわめて明白の事柄でありますが、昨年の経験及び現状にかんがみましてこの際特にこの旨を法律の明文をもつて定めたものであります。  最後に附則第二項につきましては、本法律案は、その施行後三年の期間満了の際、その期間経過後二十日以内に、もし三年の期間経過後二十日を経過した日に国会が閉会中の場合は、国会召集後十日以内に、引続き存続させるかいなかについて国会の議決を求めなければならないこととし、国会におきまして存続させない旨の議決があつたとき、または、会期中に存続させる旨の議決がなかつたときは、その日の経過した日から効力を失うこととしたのであり、さきの国会における衆議院の議決を尊重いたしまして政府の原案にこれを加え、冒頭に申し上げました趣旨を明らかにいたしたものであります。  以上本法律案の提案理由と大体の構成を御説明申し上げたのでありますが、これによつても明らかなごとく、本法律案は決して不当に労働者の権利を抑圧いたすものではなく、電気事業及び石炭鉱業の特殊性並びに国民経済及び国民生活に対する重要性に基き、両産業における争議行為の方法について必要やむを得ざる制約を明らかにし、公共の福祉を擁護せんといたすものであります。何とぞ御審議の上すみやかに可決せられんことをお願いいたします。  電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律案の提案理由につきましては、ただいま御説明を申し上げた通りでありまするが、この機会に所管行政につきまして私の所信の一端を申し述べたいと存じます。  昨年四月国民待望の独立を回復いたしまして日なお浅い今日、複雑な国際情勢と困難な経済諸条件のうちに処しまして、経済の自立を達成し、産業の興隆をはかり、真に独立の実をあげまするためには、労働関係の面におきましても、解決を要すべき多くの問題があると存じます。  まず第一に重要な問題は、労使関係の安定をはかるということであります。労働組合が健全な労働組合活動を通じて労働者の労働条件の維持向上をはかることは、もとよりきわめて望ましいことでありまするが、同時に工場、事業場におきましても、公正な安定を労使関係が確立されるのでなければ、生産の増強は望み得ないのみならず、ひいては労働条件の維持向上も労働者の生活の安定も困難になると考えるのであります。労使関係の安定のためには、まず労使間におきまして問題の早期かつ平和的な解決をはかることが望ましいのであります。すなわち労使双方が、経営の内部における自己の職分と責任を常に念頭に置きまして、互いに協力して労働関係から生ずる諸問題を自主的に解決するという一致した努力がなければ、労使関係の安定はとうてい期せられないと思うのであります。そして双方の主張が不幸にして調整点を見出すことが困難な場合におきましても、国民経済の現状を認識した広い視野と、国民の公正な世論に対する良識の上に立ちまして、いま一度紛争の調整をはかるという努力が望ましいのであります。従つて労使双方に対して、このような良識を持つて問題の解決をはかるよき慣行を確立されんごとを強く期待するものであります。  私は、労働省の一つの重要な使命は、労使並びに国民一般に対しまして、わが国の社会、経済の現状を客観的に分析した諸資料を常に提供いたしまして、問題の合理的な解決に資することにあると考えますので、今後この方面の行政を強化して参りたいと考えております。  次に労働基準法の改正につきましては、各方面からいろいろ意見が出ておるのでありまするが、私といたしましては労働条件の国際的水準をも考慮の上、今後研究を続けたいと考えております。しかし改正の法律案を本特別国会に提案するという意図は今のところなく、当面の問題としては、法律規則の円滑な運用に特段の留意をいたしますとともに、労働者の福祉と労働能率の向上をはかる積極面に行政の重点を指向したいと考えておるのであります。  さらに失業問題について一言申し上げたいと存じます。朝鮮動乱後一時活況を呈しました雇用情勢は、近時経済情勢の停滞と相まつて、必ずしも楽観を許さない情勢にありまして、失業問題は経済、社会問題全般に対しましても、各種の影響を及ぼすものと思われますので、私といたしましては、この問題に対して深甚の注意を払つておる次第であります。まず失業問題は、根本的には産業の振興と雇用量の増大をはかることによつて解決しなければならないと思うのでありますが、関係省と緊密な連絡を保ち、総合的な経済施策発展のために努力するとともに、失業保険制度の円滑な運営を期したいと考えております。また失業対策事業につきましても、年間稼働日数の増加と、予算の充実をはかる一方、失業者福祉施設の新設等の施策をも考慮して参りたいと考えておるのであります。  なお、身体傷害者の雇用促進と引揚者の就職あつせんにつきましても、職業安定機関の活動によりまして万遺憾なきを期したいと存じております。  以上所管行政につきまして所見を申し述べたのでありますが、私は労働問題は国民経済的な視野から、またわが国の経済自立との関連におきまして取上げることが必要であると考えておるのでありまして、その見地からいたしまして、国民多数の納得と協力を得られる労働政策を樹立し、推進するために、労使はもとより、広く国民各層の有識者からなるところの労働問題協議会を設置する考えであります。これによりまして、政府とこれらの有識者が隔意ない話合いを行う機会を得られることになりますので、国民的立場から、労働問題が適正に処理されて行く態勢の確立を期拝するものであります。  私ははなはだ微力でありますが、以上のような観点に立ちまして、今後労使、公益等の各関係者の御意見を十分に反映いたしまして、労働行政を展開するためにまじめにあらゆる努力を一傾けて行きたい所存でございまするので、どうぞ皆さんにおかれましても、何分の御協力御指導を願いたいと存じます。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 この際、委員長より労働大臣に要望いたしまするが、新聞の報道によりますと、本日、ただいまの御説明の労働問題協議会の第一回の発起人会があるように報道されておりますが、その点につきまして、いま少しく御説明をお願いしたいと思います。

小坂善太郎自由党労働大臣

○小坂国務大臣 労働問題協議会に対しましては、私の考えは今申し上げた通りでありまするが、これは、私といたしましては、政府からの発意による機関としないで、でき得れば民間から盛り上る機構にしたい、こう考えておるのでございます。しかし、たたそう言つてだけおつても話が進みませんので、さしあたり有識者と一般に認識せられておる方々の八、九名の方にお集まりをいただきまして、そうして私自身の抱懐するところの考えを申し上げて御批判を請い、その御批判の次第によりましては、これを内閣のものとして閣議等にも諮つて審議会の設立を進めて参りたいというふうに思つております。  ただいま私の考えておりますところによりますと、大体三十人程度の委員の方に御出席を願つて、そうして、問題は常に双方から出し合うのでございまするが、政府といたしましては、その間に資料を提供いたしまして、その資料に基いて十分御懇談をいただく機会を持ちたい。その懇談の結果何らかの結論が出れば、それをまた政府の施策として取上げて行く、また政府の施策中において特に問題となる問題があれば、これは協議会自体においてそれを討論して何らかの結論に出していただきたい、こんなふうに考えておるのであります。

赤松勇日本社会党(左)

○赤松委員長 暫時休憩いたします。     午前十一時二十四分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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