予算委員会第二分科会 第2号
- 発言数
- 288 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/07/13
会議録
○本間主査 これより第二分科会を開きます。 まず厚生省、労働省より昭和二十八年度一般会会計予算及び特別会計予算の説明を聴取いたしまして、それから質疑に移りたいと思います。山縣厚生大臣。
○山縣国務大臣 ただいま議題となりました昭和二十八年度厚生省所管予定経費要求額の概要につきまして御説明申し上げたいと存じます。 昭和二十八年度厚生省所管一般会計予算の要求額は七百五億三千四百三万八千円でありまして、これを昭和三十七年度予算額七百二十一億七千九百六十七万六千円に比較いたしますると、十六億四千五百六十三万八千円の減少と相なるのであります。今右予算のうち、特に重要なる事項についてその概要を申し述べたいと存じます。 まず第一は国民医療の整備改善に伴う経費でありまして、施策の概要といたしましては社会保険の充実、医療機関の整備及び疾病予防対策の強化等であります。 まず社会保険財政の強化確立をはかりますため健康保険その他社会保険につきまして、前年度に引続き保険者の事務費の全額を国庫で負担することとしたほか、特に国民健康保険については、その健全な運営を助成する目的をもつて、療養給付費の一割五分に相当する金額を各保険に対して療養、給付額、財政力及び保険料の徴収成績等を考慮して算定交付することとし、これに必要な経費二十九億六十四十三万余円を計上するとともに、前年度に引続き赤字保険者に対する再建整備資金の貸付に必要な経費四位六千八百九十万余円を計上いたしました。 また、全国で九十万人を越えるといわれる日雇い労働者は、その大部分の者が社会保険の保護を受けておらないため、一般労働者に比してはなはだしく脆弱な生活基盤に立つているので、この際何らかの形において健康保険制度をこれに場実施してその生活の安定をはかることは、民生安定上きわめて緊要であると考えまして、昭和二十九年一月より実施することとし、その保険事業運営のため必要な事務費、保険施設費及び福祉施設費の全額を国庫において負担するに必要な経費一億八千三百六十七万余円を計上することといたしました。 次に医療機関の整備については、従来とも努力して参つたのでありますが、本年度も引続き施策の充実をはかるため、結核病床国立一千床、公立四千床、法人立二千床及び社会保険立三千床、計一万床を増床するほか、国立病院の中より三千床を結核療養所に転換することとし、これらの増床の整備に必要な経費十億八千八百二十九万余円と、新たに結核回復者に対する後保訳施設を設けることとし、その設置費補助に必要な経費二千百八十万円を計上いたし、癩についても国立癩療養所に一千床の増床を行うこととし、これに必要な経費一億九千九百六十万余田を計上し、また、精神病については国立二百床、公立一千床、計一千二百床の増床を行うこととし、これに必要な経費一億八千七十二万余円を計上いたし、さらに公立一般病院の建設費を補助するために必要な経費六千万円と、国民健康保険の直営診療所の整備費を補助するために必要な経費四億円を計上いたしました。 なお、公立以外の一般病院、診療所の建物、設備等を整備改善するため長期かつ低利の資金の融通を要望する声はなはだ熾烈なものがありますので、今回国民金融公庫及び中小企業金融公庫等を通じて融資するの途を講ずることとし、新たに五億円のわくを設定いたしたのであります。予算上は厚生省所管経費として現われておりませんので念のため申し上げる次第であります。 国民医療の整備改善のための経費として次に申し上げたいのは、疾病予防に関する経費であります。結核、癩その他の伝染病の予防については、積年の努力が着々とその効果を収めて参り、中にも結核のごとく死亡率が半減するという顕著な成果を見るに至りましたことは、まことに喜ばしき限りでありますが、なお、赤痢のごとく過去数年逆に増加の一途をたどつているものがありますので、この際力をゆるめずに引続き施策を推進することとし、結核予防については前述しました増床分を含め所要経費百二十六億九千三百十九万余円を、同じく癩予防については前述しました増床分を含めて所要経費十六億六十七百八万余円を計上いたし、他の伝染病予防についてもそれぞれ所要額を計上いたしたのであります。またわが国死因順位の第二位を占めながら、今日いまだ予防、治療の方策の確立されていない癌の研究を推進するため、財団法人癌研究会附属研究所の戦災建物の再建を促進することとし、その補助に必要な経費五百万円を計上いたしました。 以上のほか伝染病予防の第一線実施機関であるところの保健所についても従来以上に整備に力をいたすこととし、C級保健所二十箇所の新設とC級からA級への格上げ十箇所の整備拡充、その他各種設備の充実に要する経費等に対し補助するため必要な経費十五億五千五百八十万余円を計上するとともに、国民保健の重要なる基盤をなし、また伝染病予防の基本対策たる上下水道及び清掃施設の整備費を補助するための経費として十一億二百九十一万余円を計上いたしました。 以上は国民医療の整備改善をはかるための経費であります。 次に第二は、母子福祉対策に必要な経費であります。母子福祉の増進については、従来より母子寮及び保育所の整備に努力して参りましたが、本年度においては引続きその拡充に力を注ぎ、保育所百三十五箇所、母子寮七十七箇所の新設と既存施設の拡充の費用を補助するため必要な経費四億六千十九万円を計上するほか、さきに制定されました母子福祉資金の貸付等に関する法律に基き、都道府県が母子家庭に対して生業資金等の貸付を行う場合、その二分の一額を国よりその都道府県に対し貸し付けることとし、これに必要な経費七億四十七百六十三万余円と、かかる母子家庭の身上相談に応じその自立に必要な指導を行うために、都道府県の設置する母子相談員に要する経費に対し補助するために必要な経費四千七百九十九万金円を計上いたしました。 次に第三は、戦傷病者戦歿者遺家族及び未帰還者留守家族の援護の強化に必要な経費であります。 軍人恩給の復活に伴い、従来の戦傷病者戦没者遺家族等援護法の対象者の大部分が新たに恩給法により措置されることとなり、ごく一部の者がなお当援護法の対象として残るのでありますが、今回対象範囲をC船員にまで拡大するとともに、軍人恩給との均衡をはかり、当援護法による障害年金及び遺族年金の額の引上げを行うこととしたのであります。こうして予算面では本年度より大幅に百四十四億余円を減少して、二十八億四千二百三十七万余円を計上いたしました。また未帰還者留守家族の援護についてでありますが、ソ連及び中共地区にある未帰還者及びその留守家族のうち、現在援護の対象とされているものは未復員者給与法及び特別未帰還者給与法にもとづく者に限られ、一般邦人中なお多くの者が援護のらち外に置かれているのでありますが、今日これらの地区にある未帰還者の間において処遇を異にする理由はもはやないと考えられますので、新たに未帰還者留守家族等援護法を制定して、従前と同趣旨の諸給与を全部の未帰還者及びその留守家族に均霑せしめるとともに基本給の引上げを行うこととし、これに必要な経費二十億九千七百六十二万余円を計上いたしました。 なおこの機会に同胞の引揚援護について一言いたしたいと思います。中共地区より三万人の残留同胞の引揚げが本年三月より行われることとなりましたので、政府としてはこれが援護の万全を期して、前年度中に引揚げを完了した約五千人に引続き、本年度においても残りの二万五千余人の引揚げに対し各種の援護措置を講ずるとともに、地方公共団体が引揚者の住宅及び一時収容所を建設するために必要な経費を補助するための経費等七億六千二百七十一万余円を計上いたしました。 次に第四は、生活保護及び児童保護に必要な経費であります。生活保護に関しては、地方公共団体が生活困窮者の保護のために支弁する経費に対する補助、及び地方公共団体の経営する保護施設の整備費に対し補助するために必要な経費二百五十三億七千二百七十万円を計上いたしました。扶助の種類は従来と同様、生活扶助、住宅扶助、医療扶助第七種類でありまして、七月一日よりそれぞれ扶助の基準を若干引上げることといたしました。また、児童保護に関する経費としては、児童措置費すなわち、児童福祉施設に収容しあるいは里親に委託している孤児、浮浪児等の生活を保障するに必要な経費について、従来は地方財政平衡交付金に編入されておつたものが、本年度から児童福祉法に基く補助金として復活するとともに、生活保護費同様に七月一日より措置基準を若干引上げることとして、新たにこれが経費四十二億七千百二十八万余円を計上いたしましたほか、前述いたしました母子寮、保育所を初め、各種児童福祉施設の整備費に対して補助するために必要な経費六億七千万円と、児童相談所及び一時保護所の運営に対する補助等を合せて五十二億八千六百九十八万余円を計上いたしました。 次に第五は、地方改善事業に必要な経費であります。いわゆる部落問題については、政府はつとに同和対策として、その解決に努力を傾けて来たのでありますが、終戦後はこれを一般行政に吸収して、個々にその改善をはかつて参りました。しかしながら今日においても、なお相当数の人々がいまだに社会的にも経済的にも一般の人々よりも遅れた生活を営んでおり、単に保健衛生、社会福祉の面のみでなく、広く教育、住宅、労働、産業の各面においても、国の何らかの施策を必要とする状況にありますので、今回新たに関係機関の連絡協議のために必要な経費、部落の実態を把握するために必要な調査費、及び部落の生活改善のための総合福祉施設として隣保館を設置するための補助金等合せて一千五百十三万余円を計上いたしました。 次に第六は、人口政策に関する調査、審議に必要な経費でありまして、わが国が当面している最も大きな難題の一つである人口問題についこ、すみやかに確固たる政策の樹立が要請されているのにかんがみ、広く各界の学識経験者を集めて、人口問題の基本方策を樹立するため、人口問題審議会を設置することとし、これに必要な経費七十二万余円を新たに計上するとともに、人口問題研究所をして前年度に引続き人口問題に関する基礎的な調査研究を行わしめるために必要な経費一千六百七十九万余円を計上いたしました。 以上昭和二十八年度厚生省所管一般会計予算のうち重要な施策の若干について申し述べたのでありますが、このほか保健衛生、社会福祉の各費目に関しては、前年度に引続き所要の経費を計上いたしておるのであります。 次に厚生省所管の特別会計の大要について申し上げます。 まず第一は厚生保険特別会計でありまして、本年度においては適用範囲の拡張、療養給付期間の延長等の措置を講ずるのほか、前述いたしましたごとく、日雇労働者の健康保険制度を創設することといたしました。右に要する経費として、健康勘定においては歳入歳出とも三百五十三億七千八百五十一万円、新たに設けます日雇健康勘定においては、歳入歳出とも三億九千五百六十三万円、年金勘定においては、歳入二百三十八億一千四百共十九万四千円、歳出五十九億五千二百四十五万八千円、業務勘定においては、歳入歳出とも三十八億九百四十八万三千円と相なつております。 次に第二は、船員保険特別会計でありますが、歳入三十四億三千六百三万五千円、歳出二十七億八千四百三十九万七千円と相なつております。 次に第三は、国立病院特別会計でありますが、本年度においては国立病院七十七箇所の経営費のほか、すでに地方移譲確定のもの五箇所の移譲に伴う経費及び移譲に至るまでの経営費等を計上することとして、これに必要な経費は歳入歳出とも六十二億八千三百六十三万二千円と相なつております。 以上、昭和二十八年度厚生省所管一般会計及び特別会計の予算について概略御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算の成立につきましては、格別のお力添えを御願い申し上げる次第でございます。
○本間主査 小坂労働大臣。
○小坂国務大臣 今回提案されました昭和二十八年度一般会計及び特別会計の予算中、労働省所管分につきましては、さきの国会で不成立に終つた予算案に対し、財政緊縮の建前からする旅費、物件費の節約と、民生安定をはかるためにする失業対策費において、最近における矢本情勢に照して、増額いたしたものでありまして、以下その概要について御説明申し上げます。 まず第一に、一般会計におきましては、歳入において総額二億四百三十二万四千円で、前年度の一億二千五百三十一万九千円に比較して二千九十九万五千円の減となつておりますが、これは歳入の主たる特別会計等の失業者退職手当負担金の受入額の減少その他によるものであります。一方歳出におきましては、総額二百三十八億二千八百五十三万一千円で、前年度の百九十二億五百三十八万七千円に比較して四十六億二千三百十四万四千円の増となつておりまして、なお、このほかに建設省所管の官庁営繕費に七千五百六十五万円を労働省関係分として計上いたしております。 今、この歳出の内容について概略を申上げますと、労働経済に関する統計を迅速かつ適確に収集整備して、さらにこれを分析し、労働行政施策の基礎資料たらしむるとともに、これを労使その他関係方面に提供し、紛争議の合理的解決、生産の増強等に寄与するため、従来から実施して参りました毎月勤労統計、職業別賃金調査、毎月労働災害統計等の統計調査の整備充実をはかりたいと存じまして、これに必要な経費として一億六千七百七万九千円を計上いたしました。 次に国際労働会議の分担金その他、国際協力に必要な経費並びに、わが国の労働事情に関し海外広報活動を実施するために必要な経費として九千十八万二千円を計上いたした。 民主的な労働組合を育成し、健全な労使関係の発展を助長するため、労働教育の刷新強化並びに労働組合の福祉厚生活動の助長等の施策に重点をおいて、これを推進するに必要な経費として六千五百三十五万五千円を計上し、なお労使関係の合理的かつ円滑なる調整を期し、産業平和の維持をはかるために、中央労働委員会並びに参共企業体等労働関係調整委員会に必要な経費として一席七百九十四万円を計上いたしました。 労働者の福祉の向上と、労働能率の増進をはかるために、労働基準行政を一段と刷新し、産業災害の減少と職業病の発生防止等に努めるとともに、特に中小企業における労働者の技術水準の向上をはかることの急務なるにかんがみ、技能養成の普及助成を行うことと、これらに必要な経費として十一億八千十二万六千円を計上いたしまた。 婦人及び年少労働者の保護並びに婦人の地位向上をはかるための諸施策を講ずるに必要な経費として六千七百二十万九千円を計上いたしました。 労務の需給の状況について現段階において今後の情勢を判断しまするに、なお楽観を許さないものがあるように存ぜられますので、公共職業安定所の機能を強化して、これが効率的運営をはかるとともに職業補導事業を拡大し、さらに失業対策事業を充実して失業者に就労機会の増加をはかり、あわせて身体障害者の職業更生援護の道を講ずるために必要な経費として失業対策事業補助金九十七億円、政府職員等失業退職手当三億円、失業保険特別会計への繰入れ九十一億六千九百五十七万円、職業補導施設費二億八千九百四十六万三千円、身体障害者職業史生援護費六千八百九十万四千円、その他就職あつせんに必要な経費二十三億四千五百十七万九千円、計、三百十八億七千三百十一万六千円を計上いたしました。 その他一般の事務に必要な経費として二億七十七百五十二万四千円をそれぞれ計上いたしておるのでございます。 第二に、労働者災補償保険特別会計につきまして申上げます。この会計の歳入、歳出はいずれも二百十一億八千六十一万六千円で前年度の百七十九億二百三十七万六千円に比較して三十二億七千八百二十四万円の増となつておりまして、歳入の主たるものは保険料収入の百五十九億八十九百万円と、支払い端金の受入れの四十八億一千五百八十二万七千円で、また歳出の主たるものは保険金給付の百二十八億四千万円と、被保険者の福祉増進並びに保険経済の安定確立をはかるためにする保険施設の拡充整備に必要な経費として六億九千八十九万八千円を計上いたしております。 第三に、失業保険特別会計につきまして申上げます。この会計の歳入、歳出はいずれも二百九十五億四千五百五十一万一千円でありまして、前年度の三百三十二億一千三百八十二万二千円に比較して六十三億三千百六十八万八千円の増となつておりまして、歳入の主たるものは保険料収入の百七十二億円と、一般会計より受入れの九十一億六千九百五十七万円で、また歳出の主たるものは保険金給付の二百六十二億四千四百万円と、新たに失業者の就職促進その他労働者の福祉をはかるため職業補導所、宿泊施設等の保険施設を設けることとし、これに必要な経費として一億六千八百六十円万一千円を計上いたしております。 以上をもちまして、労働省所管関係予算の大要の説明を終りますが、本予算の成立につきまして慎重御審議の上、何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
○本間主査 続いて厚生、労働両省所管の質疑に入ります。通告順に従つて質疑を許します。八木一男君。
○八木(一男)委員 厚生大臣に御質問申し上げます。日雇労働者健康保険法が第十五特別国会において政府から提出されまして、社会保険の上におきして一歩前進を見ましたことは、非常な厚生省の御努力のたまものと存ずるわけでございますが、この内容は方々の委員会で申し上げました通り非常に乏しいものであるわけでございます。第十五特別国会並びに本国会の予算委員会、五月の予算委員会におきまして、これは非常に給付内容が乏しいものでありますので、この内容を高めるように御努力を願いたいということを十五特別国会の予算委員会で申し上げ、また十五特別国会の厚生委員会の最後の討論において、与党の委員からも可及的すみやかにその内容を高めるようにという御意見があつたわけでございますが、今度の案の内容にその御努力の納果が一つも現われておらないわけでございますが、どのように御努力いただけますか御説明を願いたいと思います。
○山縣国務大臣 日雇い労働者の健康保険につきましては、廃案になりました予算案では今お説のようなこと。ありました。ただいま御審議を願つております予算案においては日雇い労働者の健康保険は本年末から実施することに予定をしておるのであります。大体今回の予算案の基礎になりました財政上の考慮その他におきましてそう変化はありませんで、いろいろ考慮をいたしましたが、今回は一応廃案になりました予算案において考慮いたしました内容によつてこの法律案をまずもつて実施をして、そしてなおこの法律案につきましてはその際にも申し上げましたが、一つの保険の形態から見ましてもなお今後考慮する点もありますし、一応発足をいたして、そして今後この保険そのものの完全を期したい、かような意味合いで今回はいろいろ考慮もいたしましたが、一応従来の内容で発足いたしたい、まずもつてかような分野における保険の創設をはかつて、そしてその他いろいろ研究も重ねつつ先般努力いたしております。かような意味で出した次第であります。
○八木(一男)委員 厚生大臣の御答弁で、この問題に対する御熱意もあるけれども、財政上その他でいろいうことしはうまく行かなかつたというような御立場であろうかと存じますが、それでよろしゆうございますか。
○山縣国務大臣 当初この日雇い労働者の健康保険を考慮いたします際にはたとえば給付内容にいたしましてもいろいろ省の案としては考慮いたしていることは御承知の通りであります。しかしその間財政上の事情もあり、なおまた被保険者の範囲の問題についてもま、今後とも一定の正数その保険の運営をいたして、そうしてその経験等もありますればその確固とした基礎の上の考慮もいたされまするけれども、何分にもこの日雇い労働者健康保険の創設にあたりましては、学問的にもまた実際的にもいろいろ論議もあつたのでありますから、ことに本年は予算も遅れたことでありまするから、まずもつてこれを創設して、そうして給付内容においても三箇月なら三箇月の期間内に一応疾病に対して給付をいたす、大体短期間の疾病でありますれば三箇月間の治療もいたすことができますから、さような意味で単に財政上の問題もありまするけれども、その他の問題も勘案して、本年はまずもつて創設するということが第一義であろうという意味で、いたした次第であります。
○八木(一男)委員 国民健康保険で一割五分の国庫負担を政府の方でしようといたされておりますが、これは非常にけつこうなことで、私ども大賛成なの、ありますが、ただ国庫負担の率が少いと思つております。この国民健康保険の適用者より以上に非常に保険の必要があつて、しかも保険料の負担にたえない状況にある日雇い労働者に対しましては、少くとも国庫負担が必要であるというお考えに立つて、ただそのいろいろの財政上の理由、あるいはその他いろいろ事務の関係上給付の国庫負担をしておらないものも、将来においては国庫負担をしようという考えで進んでいるというふうに考えてよろしゆうございますか。
○山縣国務大臣 この点はただいま私といたしましては、やはり日雇い労働者健康保険というものは、いわゆる国民健康保険の点から、いろいろこういう分野において政府が適当な考慮をいたすことが適当と考えて、この法律案を出したのであります。この法律によつてこれらの分野の健康保険が実施されますが、その実施された以後も、一応この法律によつて運営いたして、今後その保険の運営の状況に基きまして、政府としては適当な考慮をいたしたい、かように考えております。
○八木(一男)委員 ちよつと問題はそれますが、労働大臣のこの日雇い労働者の健康保険に関する御考察をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいま厚生大臣がお答えになつたことで大体尽きておるかと思うのであります。日雇い労働者に関しまする諸般の考え方というものは、非常に一応的な応急失業対策であるということから出発したものでありまするけれども、非常に遺憾なことでありまするが、日本の経済の実態が、こうした失業者をやや長期的なものにしている傾向がある、そこでこれについては新たな措置を講ぜねばならぬ、こういうふうに思つております。労働省の所管でございますると、御承知の失対事業費というものを計上いたしておるわけでございますが、これは昨年の予算では八十億円でありましたのを、本年ではこれを九十七億円にいたしましたし、就労者も十五万人でありましたのを十六万八千人にし、しかも月の就労日数は二十日までありましたのを、本年の今御審議を願つておりまする予算では、月就労日数を二十六日ということにして、それぞれ日数、就労人員ともに増加をいたしておるのでございます。しかし問題は何といたしましても応急失業対策として出発しておる考え方で、現在もそれでやつておるのでありますが、そうした失業群なかなか減りませんで、ややそういうふうな状態が固定化しておると考えております。これに対する対策といたしましては、ここに議題になつておりますところの八木さん御指摘の点は非常に意義のあることだと思つておりまして、何とか打開したい、こう考えております。
○八木(一男)委員 今の労働大臣のお答えでは、労働大臣もこの厚生省の方で御提案になつた案に積極的に御賛成のようでございますが、まあ政府部内のことを申し上げるようですが、大蔵省のなたが非常に強くて通りにくい状態にありますので、どうか労働省の方も厚生省と力を合せて、この問題が内容がよくなるように御協力をお願いしたいといます。 日雇い労働者健康保険の問題で厚生大臣になお伺いたいのでありますが、いろいろと技術的な面も考慮されておられるようでありますが、技術的な面と同時に、財政的な面がこの内容をよくし得ない大きな問題になつておると患われるわけでございます。ところがこの御提出になつた案は来年の一月十五日から施行になつておりますので給付の始まりますのは来年の三月十五日で、本年度会計においてはわずか十五日しか負担しなくていいという案になつておるわけでございます。ですから、これはある程度の国庫負担をしましても、たとえば両社会党案の内容になつております五割とか、あるいは二割とか三割とかの負担をいたしましても、本年度に頭を出して来る金額というものはごくわずかで、一億を切れる金額だと思うわけでございます。しかもこの事務費の方は、年間を通じての予算を十五特別国会で組んでおられたのに、今度はこの施行が遅れるということで一億八千万円に減らしておられるわけでございます。財政的な理由だけでは、今年度からも国庫負担が頭を出し得る立場にあるわけでございますが、それに対して、おそらくは技術的ないろいろな点でまだ未研究であるというお答えをいただくであろうと私は想像いたすわけでございますが、よいことでございますし、国庫負担をしなければならないということは厚生大臣も十分おわかりと存じます。ただ、その金額いかんが問題であるという点より、技術いかんが問題であるというので、これは技術的な問題であろうと思うわけでありますが、少くとも国庫負担というものは、両社会党案の五割は政府としてむずかしくても、政府の原案の三分の一、その三分の一が大蔵省でなたを振われるとしても、少くとも一割とか二割とかいう頭を本年度において出すべきである。またその程度であれば、大蔵省との折衝においても、総額はふえないわけですから、なたを振るわれなくても済むと思つたわけでございますが、その点御努力が少し欠けておつたように思うのでありますが、いかがでありますか。
○山縣国務大臣 これは私が努力するとかせぬとかいう問題じやないのであります。それから今お話のような論理で参りますと、保険給付及び保険料に関する規定は来年の一月十五日から施行で、給付開始は来年の三月十五日からであるということでありますから、この健康保険が昭和二十八年度だけで終るものでありましたら、それはそのくらいのことは、あるいは事業費も減ることでございますから、財政上の問題として大したことじやないのですが、これは八木先生もおわかりのように、やはり一年で終つてもいいというのでなくて、今後は日雇い労働者のこういうふうな健康保険、こういうふうな医療社会給付は必要だと考えておりますので、今後長い間のことを見通してやらなければいかぬことでありますから、財政問題としては、ただ一月か二月の問題だから簡単にやつたらいいということにはならない。やはりこういうふうな問題は十分に考慮して、そうしてその基礎も、そう一時的なものとして考えない万が、日雇い労働者のためにもなることでありますから、やはり慎重に審議して確固としたものにするような考え方で進んだ方がいいのじやないか、かようなことで、本年は短時日であるから金はどうでもいいというふうなお考えではどうもいけないと思います。
○八木(一男)委員 今の厚生大臣の御答弁ははなはだ不満でございます。国庫負担が必要なことは、厚生大臣初め厚生省の方々は全部、原案の三分の一の国庫負担の計画を立てたように、十分にそういうお考えを持つておられると思うのであります。それで、技術的な点ということでこの国庫負担が本年度実現できなかつたことに対する御答弁の理由とされておられますが、私どもは、技術的な理由よりも財政的な理由の方が多いのではないかと考えております。それで今年の政府案とされましては、こういう案がもう出てしまつたのだからいたし方ないわけでございまするが、そこをひとつ勇敢に——国庫負担が必要であることはもう明らかに認めている。ただそれは何割にするか何分の一にするかという問題が将来の問題として残るという場合に、少くとも、ちよつとでも国庫負担の頭を出さしておき、大蔵省に対しては、本年度は金額は少いからできるじやないか、と言うくらいの強い態度がほしかつたのであります。しかし政府部内のことでございまするし、いろいろと御苦労もあつたことと思いますが、どうか来年度以後におきましては、大蔵省に対して強腰で出て、この給付の国庫負担を高めていただくように御努力をお願いしたいと思うのであります。 さて案の内容に入りますが、案の中に第一級と第二級の二種類がございまして、第一級の方は事業主が八円で、被保険者も八円となつておりますが、第二級の方は事業主が八円、被保険者が五円と二つにわかれております。八円と五円の三つにわけたということは、今までの健康保険の体系をくずしたものでございます。くずして悪いというのではなく、日雇い労働者の実情に適したように、給付内容を少しでもよくしようということのために八円と五円とにしたのであつて、勇敢に今までのわくを打ち破られた勇気に対しては賛意を表するのでありますが、しかしその場合に、わずか四%にしか当らないものに対してそういう勇気を奮わないで、全部の百パーセントに対して勇気を奮われ、国庫負担が本年度できないならば、被保険者の負担を八円とし、事業主の負担を同じ額でなしに、十円とか十二円にするということによつて、この内容をもつと高めることができただろうと思うのでありますが、ここにはその体系が一部分しか出ておらないことを遺憾に思うのでございます。この点に対する厚生大臣のお考えを承りたいと思います。
○山縣国務大臣 これは御説としては拝承いたしますが、現在の経営者としての、いわゆる被用者としてではなぐて使用者としての経済上の問題もあるのであります。しかし今回は主として被用者の立場を考えて、百六十円以下の人に対しては少しでも負担を軽くしたいということで、今仰せになつたように、初めてといいますか、今までの型を破つて、その負担を軽減した次第であります。もちろん、使用者の方の負担を多くして、むしろ被用者の方の負担を軽くしてやつて行つたらどうかという御意見も一つの案でございますが、一つの保険でございますから、こういうような社会保険の形態としては、そう一挙にそういうふうにも参りません。まあ、一応被用者の負担をできるだけ軽くしたい、特に低額賃金者の負担を軽くしたいという意味で、さようにいたした次第であります。
○八木(一男)委員 御答弁に十分満足はいたしませんが、どうか私どもの考えているところも御参考にしていただきまして、今後、来年度以後に処していただきたいと思います。 次にこの保険料の計算の基礎が、保険としての安全率を十分に見込まれ過ぎて、そのために保険給付の内容が悪くなつているのじやないかというふうに私は考えるのでありますが、どうかその計算の基礎を大まかなところでけつこうでありますから御説明願いたい。
○山縣国務大臣 この点は、実は御承知の通り日雇い労働者の健康保険は、技術的に見ますとデイーヴイアスな点が多いのであります。たとえば就労円数にいたしましても、労働者の把握にいたしましても、いろいろな点において、現在のその他の健康保険あるいは国民健康保険と同じようなデータがまだはつきりしていない。従つて保険料の算定、給付の内容等コレスポンドした保険料の算定ということがなかなかむずかしい点があるのであります。しかし一応考えられるデータによつて出して、それで大体御承知の通りの結集になつてあります。詳しいことは局長からお話申し上げますが、就労日数がどの程度あるかということとも考え、また現在の給付内容である短期疾病の給付内容も考え、また宗族に対する療養給付の問題等も考えて、まずこの辺がよかろうということでやつたのであります。しかしこれには御説のようにいろいろやつていますと、デ—タの上において考え違いもあるかもしれません。あるいはあるのじやないかと思います。あればこそ今回日雇い労働者の健康保険というものをまずもつて創始して、そしてそのデータをつかんで、しかる後にできるだけ完全な一つの社会保険として発展せしめるという意図でありますから、いろいろ私は報告を受けましたが、現在把握し得るデータについてはこれくらいではないかと思います。巨細な数字は局長から申し上げます。
○久下政府委員 大臣の申し上げたことで大体尽きておるのでありますが、私どもがこの計画をいたしました際に考えましたことは、結局は大臣が申し上げた通り日雇い労働者について、その傷病率等のデータがないということであります。そこで現在とりました考え方は、まず健康保険の給付に関しますデータは、私どもの方に長年の記録がございますので、これをとりまして、一方におきまして日雇い労働者の失業保険が、ちよう受給条件が日雇い健康保険と同じになつております。日雇い失業保険では一般の労働者に比較して、給付率八割という数字をとつております。そこで健康保険の受診率あるいは一件あたりの金額等をとりまして、それに〇・八を掛けまして、さらに逆に完全率一割を加えたのであります。安全率一割というのは、これも別に確かなデータがあつたわけではないのでありますけれども、日雇い労働者の皆さんがたびたび私どもの方に来られましてのお話では、日雇い労働者は非常に傷病の率が高いということであります。そこで見込みによつて予算を立てます関係上、そのくらいの安全率があつてもいいと思いまして、八割を掛けまして、二割減を見ますとともに、逆に全体として安全率を一割加えたというのが計算の基礎であります。これは実施をいたしました上で、大臣が申しました通り是正をして行くべき点は是正して参ります。
○八木(一男)委員 この保険を創始されますのに慎重な態度をなさるのは当然だと思いますが、安全率一別ということは、一円、二円の保険料を出せるか出せないかという日雇い労働者に対しては非常に痛いところでございますので、どうかこの安全率でやられた点については、急速に実態に即して次に直していただきたいと思うのであります。その点で非常に遺憾なのは、政府案の施行が一月十五日である、それで三月からしかできませんので、日雇い労働者保険法の実際のデータが来年の予算案を組むときまでに間に合わないのが非常に遺憾であります。三月か品でもどうかひとつ——そういう点が遺憾なために技術的にこのデータができるのが遅くなると思いますが、至急にされまして、来年度の本予算のときに間に合わなくても、補正予算の基準をなさるとかその他いろいろな基準をされまして、この問題の実態に即して早く活動できるように、なお御努力願いたいと思うわけでございます。 それからもう一つは、適用者が八割という御計算をなさつたわけでございますが、この点について大臣にお伺いしたいわけでございます。現在日雇い労働者の失業保険の方で二十八日の給付要件のために、保険料を払いながら実際の保険事故が起つたときにそれがもらえないという気の毒な人が非常に出ている現状でございます。それで失業保険に対しては、これは労働省の所管でございますが、非常に不満が出ておるということは、労働大臣も厚生大臣もお聞きになつておられると思う。新しい法律をつくられるときにこの不満を解消されまして、不満が起らないようにされるのが当然じやないかと思うわけでございます。同じように二月間に二十八日という要件を定められて、現に施行中の失業保険で非常に状況が悪い場合には、少くとも新しい健康保険にはその要件について十分にお答えになる必要があるのじやないかと思うのでありますが、その点について伺います。
○山縣国務大臣 この点は実に相当技術的に検討してみたのでありますが、今の各府県における日雇い労働者の稼働日数を勘案いたしますれば、大体この程度は必要ではないか、またこの程度のものがもしも否定されるならば、おそらく一つの保険経済として日雇い労働者をいわゆる社会保険の対象とすることは、むしろまずくなつて来るのじやないかと考えられるのであります。そうなつて来ると、むしろ保険にあらずして、国としての別個の労働対策を立てるべきであつて、保険である以上は一つのテクニツクが必要である。そこに一つの最小限度のデータが必要である今仰せられるようなことで、もしそれができないということになりますれば、再考しなければならないのじやないかと思われるのであります。しかし現実のデータから見まして、今の日数くらいはそう酷ではない、むしろあるいは今後それが改善されるのじやないかということすら考えたのでありますが、一応その程度をデータとしてやろうというのであります。しかしそれがどうしてもいかぬ、実情に即しないということでありますれば、むしろこれは日雇い労働者の健康保険を根本的に考え直して、労働対策として別個に考えるべきだと私は思つております。
○八木(一男)委員 労働大臣にお伺いしたいのですが、今の全国の就労日数の平均と、それから一番最低の地方の状況はどのくらいですか、お尋ねいたします。
○小坂国務大臣 全国では今までのところ二十日、最低は京都府の十七日前後と思います。なお政府委員から補足させます。
○澁谷(直)政府委員 補足して御説明申し上げます。ただいま大臣から御説明がありましたように、安定所に登録しております日雇い労働者の全国の平均稼動日数は二十日を越えております。ただ京都府のごとき極端に地方自治体の財政負担が困難なために、やむを得ず就労日数が悪いというようなところがございますが、いずれにいたしましても京都の十七日程度が最低となつております。それで先ほど大臣が申しましたように、今年の七月から全国の就労日数を一日増加いたしまして、二十一日になりますので、おそらく七月以降におきましてはこれはまた格段に就労状態が改善されると思います。大体そういう状況であります。
○八木(一男)委員 保険の要件を定めるにあたりましては、保険に対する逆選択がなくて、ほんとうに保険に入りたいという希望の人は全部入れる、全部給付が受けられるという状況で給付要件をきめるべきだと思います。日雇労働者健康保険法の政府案によりますと、二月間に二十八日、一月十四日ということになつておるわけであります。それで今厚生省の御説明だと、京都府の平均で十七日というところがある。その場合これは平均でございますから、一人々々の場合でしたら、なまけるつもりはなくても、また保険に入りたくないという気持もなくて、ちやんと働いておりながら、保険給付が受けられなくなる人ができるのではないかと思うわけでございます。十七日平均だと、人によつては十四、五日という人も出て来ます。そういうふうにやつておりましても、ちよつと腹痛ができたとか、子供が、死んだとかそういうようなことで、自分は健康でありながらそのとき就労ができないという状況もありますので、ちやんとまじめに働く意欲を持つておつて、保険料もちやんと払つており、保険給付を受けたいという気持を持ちながら、偶然に自分の保険事故が発生した前二箇月にそういう状態が続いたために、今まで苦しい中から納めた保険料がむだになる。たまに事故が起きたとき保険給付が受けられないという状況のできる人もあると思う。そういう状況のできた人を救つても、全部が全部不まじめなわけではない。ごくわずかの人がそれで救われるだけです。全部の人はやはり就労意欲を持つておりますから、全体の平均は下らない、やはり一月二十一日以上の保険料が納められ、保険経済にはほとんど影響がないと思う。それで今の失業保険の方で二十八日という非常に気の毒な要件があつて、二割の人が保険料を納めながら、事故が発生したときにとれない状態にあることを勘案いたしますと、少くとも二十八日以上という、失業保険と同じだつたらよいだろうという御念でなしに、二日でも、一日でも下げる。そのことによつてほんとうに気の毒な人が、保険給付が受けられないという状況がなくなると思う。そこで同じようにやるということでなしに、保険経済の許す範囲で、二日でも三日でも、ちよつと小刻みにでも下げるというお考えがほしかつたと思うわけでございますが、これは法律案を御提案されましたから、今後においてそういう意味で状況を勘案されました上で、受給要件をお下げになる場意思があるかどうか伺いたい。
○山縣国務大臣 先ほどこの問題について私がお答えしたことを繰返すようなことに相なりますが、これはやはり社会保険でありますから、付合会保険の一番必要な要件は、保険料を一走の基礎において払い込むということであります。慈善事業ではないのであります。でありますから、やはりこれは最少限度の稼働日数ということも予定して、そうして二箇月間に二十八日、その程度はどうしても必要だと私は思います。その間にもしも病気だとか何とかで稼働できないために、保険料が払い込めないというときには、法案に適用除外の規定を設けておるのであります。だから適用除外の規定によつてはずす。それでもなおかついかぬというならば、それは別個の問題です。その場合には保険の形体をくずしてまでこれをやるということでなしに、やはり保険の形体としては最少限度、一定のものを保持して、そうしてあと払い込めない者に対してどうするかということは別個の問題だと思います。むしろ今後は就労日数の減るということよりも、ふやすべく労働省においても推進されるであろうし、二箇月二十八日というものを下げるというお説がありましたが、これを下げて、二十四日とか二十五日にするという気持は、ただいまのところは持つておりません。適用除外の規定によつてやるか、あるいは今おつしやることは別の形において、労働者に対する施策の面においてやるべきだ、そう私は思います。
○八木(一男)委員 ただいまの適応除外の規定というのは、今法律を持つておりませんけれども、結局保険料を払えない人は、保険からはずれることを許すという、あの条項でありますか。
○山縣国務大臣 そうであります。
○八木(一男)委員 私は今の厚生大臣の御意見にはなはだ不満でありまして、これが保険料を自分で任意に納める場合ですと、平均一月十四日以下、二月二十八日以下ということになれば、それは保険経済が破壊されるかもしれません。しかしながら強制保険でありまして、安定所の人は働いた日はそれだけ八円差引かれますので、逆選択のおそれはそのときにはほとんどないと思います。ただ労働省の方の失業対策のために偶然京都のように下つている。だれしも個人的事情がありますから、個人的に非常に不幸なる事情で、保険事故の発生する直前において、そういうことが起つたために、保険料を納めることを急げる意思は一つもなくて、健康保険はどうしても受けたいという強力な意思がありながら、保険事故の起つた直前に、そういう不幸なる事故が起つたために、保険給付が受けられないというような場合もある。そういう場合がないように考慮するのが厚生省のお気持としては当然であろうと思うのであります。強制保険でありますから、下げたために全部が二十八日以下に落ちるということは決してないのであります。それを下げたために落ちるということはほとんど皆無だと甘えると思う。保障経済を破壊しないでそういう気の毒な人を救うという意味で、もう少し保険要件を下げるということをどうかお考え願いたいと思います。これは厚生大臣の攻撃ではありませんで、そういうことでお願いしておるのでありますから、もう一回お気持を伺いたい。
○山縣国務大臣 お気持はわかるようにも思いますけれども、やはり使用者も払い込み、被用者も払い込むというのが社会保険でありますから、社会保険の一番重要な要件である保険料の払込みということに関しましては、大体の程度が現在の日雇い労働者の稼動日数等を勘案いたし、また保険経済の点から見ましても妥当ではないか。なおこれは今後運営いたしてみないとわかりませんから、どれだけ実際において——たとえば今二箇月に二十八日となつておりますが、あるいは二十七日ぐらいまで払い込んで、つまり一日不足で、多くの人がいわゆる被保険者になつても給付が受けられないという現象が起つて来るかもしれません。そのときはまたそのときで考える、一応現在出ておるデータでは、社会保険として運営いたします以上は、やはりこれくらいが妥当ではないかと考えております。しかしこれはもちろん今後の現実に即してやらなければわからないので、りくつだけではできませんから、その意味で私はこの程度でがまん願いたいと申し上げておるのであります。
○八木(一男)委員 十分今後の御配慮をお願いいたしまして、ほかの問題に移ります。 日雇労働者健康保険法で適用される方が非常に少いわけでありまして、それにつきましては技術的な困難があつたというお答えをいただくだろうと私は想像しているわけでありますが、技術的に困難のある人こそ健康保険の必要の多い者が多いと思うのであります。この技術的の困難を克服して来年度、再来年度にこの法案の内容の適用者をふやすというお考えをお持ちであるかどうか。
○山縣国務大臣 これは要するにこれらの労働者の実態の把握がどうなるかという問題になると思いますが、これはそういうような実態把握が容易になつて来れば、自然にそれに即応した保険の内容にすべきであると思います。でありますから一応ただいまのところは六十万人とか言つておりますけれども、日本の日雇い労働者が相当ふえて、その実態把握が相当な数になつて来れば、これは現実に即してその点の運営をやつて行かなければならぬと思います。初めから数を予定してやるわけではありませんから、失態に即してやつて行きたいと存じます。
○八木(一男)委員 この実態把握が厚生省側で困難な場合に、両社会党案にありますように、認可によつて労働組合をつくつてそれにおいておるということも一つの考え方ではないかと思います。政府内でいろいろこの点について御議論があると思いますが、こういう点も今後解決せられまして、こういう問題の適用者の範囲を拡大するということをお考えになつていただきたいと思います。 次に労働大臣にお伺いいたします。日雇い労働者の就労のわくを二十一日に延ばすことについてお考えいただきましたが、まだそれでは不十分だと存じます。それについて一応お答えをいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 失業対策の対象になる数がどのくらいであるか、内閣の統計局等でいろいろ計算をしてもらつておるのでございますが、六十一万人という数が三月に出ておりました。その後また五十三万人ということに四月にはなつて来ておりまして、その後の情勢もそうふえるというふうなところは今のところないのでございます。ただ今後の経済情勢の変化がどのように参りますか、その点を慎重に私どもとしてはながめておるわけでございまして、現在のところ就労日数三十一日にいたしましたので、先ほど厚生大臣との間にいろいろ質疑がかわされておりましたが、就労日数二十一日でありますし、対象人員が十五万人から十六万八千人、このくらい一日にふえておりますから、十七日の非常に低い線が出ておりますが、これは幾分改善されるのではないかというふうに期待をいたしておるのであります。ただいまのところ程度に行くことは、国家の財政上から見ても、実態的に見ましてもまずまずというところではないかというふうに私ども見ております。
○八木(一男)委員 大臣の御誠意、御努力は私ども十分認めるわけでございます。今の数字で言われました通り、現在失業者に対しましてあまりに低い額である、総額が少いということは労働者自体としてもお考えと存じますが、今後とも額の増額に御努力をお願いしたいと思います。 さらに厚生大臣にお願いいたしますが、日雇い労働者健康保険の内容が悪いために、三箇月の給付が切れた場合に非常に困る問題が多いと存じまするが、それにつきまして、もし療養期間が結核その他で切れましたときに、生活保護法の適用を受けて医療給付を受けるということになる場合が多いと思うわけでございます。その際手続が長いために、三箇月にたつてから生活保護法の適用を受けるという場合に、聞に間隔があく場合があると思います。その間隔をあけないようにひとつ労働省の方で、もし三箇月の療養給付が切れましたら、この法を適用する資格のある者は、すぐ医療保護が受けられるように御処置を願いたいと思います。 もう一つは、この日雇い労働者の健康保険の適用にあたりまして、安定所関係はいいといたしましても、ほかの方で雇い主が理解が少くて、保険料を納入することをなまけたり、保険を要求するやつは首を切るということでおどかして、ほつたらかす危険性がありますが、これについてそういうことのないように、厚生省の方で十分御注意を願いたいと思うわけでございます。 さらに一番最後に結論として、適用範囲が非常に少いこと、給付内容が少いこと、給付要件が非常にきびしいこと、そういうことについて不十分であると存じます。しかし今までない保険をつくられた厚生省の御努力に対しては敬意を払うわけでありますが、どうか今私どもが申し上げたことを御参考にしていただきまして、今後ともこの内容を高めていただくように、一段と厚生省の御努力をお願いしたいと存じます。またその他について労働省の方の厚生省に対する強い御協力をお願いしたいと思うわけであります。
○小坂国務大臣 ただいまの御要望確かに承ります次第でございますが、先ほど申し上げました五十八万という数字は、内閣統計局の数字でありますが、実態的に安定所の窓口に参つております登録労働者の数字は、二十七年の一月三十七万二千人。これは大体一月、二月、三月とほぼ同様な数字でございます。それが年末になるに従いまして漸減の傾向をたどつております。十月三十三万二千人、十一月三十三万人、十二月三十四万三千人、本年に至りましてこの傾向は大体似たような数字をたどつておりますが、一番最近の四月には三十三万四千人となつております。昨年の就労日数二十日、一日十五万人というのは二十七年の三十七万人を対象としたときでございまして、本年の十六万八千人、就労日数二十一日というのは三十三万四千人を対象としておるときであります。その率から就労の機会はふえているというふうに判断しております。こういうふうな変態的就労関係でございまして、本質的には、公共事業、私企業なりの就職あつせんという機会をできるだけつくることでございますから、そういう機関をできるだけ活発化して、就労のあつせんに努めております。 なお日雇い労働者の健康保険につきましては、厚生大臣も努力されておるのでございますが、これは申し上げるまでもなく世界にまだ類のない制度でございまして、こういう社会保険を率先してやるという政府の熱意を御了承願、いたいと思います。
○八木(一男)委員 厚生大臣にお教えいただきたいと思うのでございますが、日雇い労働者健康保険をやるという理由で、生活保護法関係の予算の一部を減らしたというように伺つておりますが、この点について……。
○山縣国務大臣 数字的なことですから、局長から御説明いたします。
○安田政府委員 明年の三月から実施されるものといたしまして一箇月分、すなわち三千三百万円が生活保証法の医療給付から減額されるわけであります。
○八木(一男)委員 生活保護法の方に保護の内容、金額が少いという点、また生活保護法の適用を受けたい、また受けなければならない人に対しての適用が全部できていない現状から見まして、これを減らすのはどうも私ども賛成ではない。日雇労働心健康保険法ができたから、医療給付の点については減らしても妥当だというりくつも成り立つわけでありますが、一方日雇い労働者の方には給付内容について国庫負担をしないで、自己負担をさして、生活保護法の方の予算を減ずるということは、結局すりかえてそういう人たちに出す予算が減つて来るということになる、これは非常に遺憾なことである。この点については生活保証法は、日雇労働者健康保険法のそういう適用があつても、その金額だけは残して、今まで適用を受けたくても受けられなかつた、また受けなければならなくても、予算の関係上受けられなかつた人の適用をふやして、生活保護法の給付内容をよくするというふうにお考えになるべきだと私どもは考えるわけでございます。これも総体の財政に関係すると考えますが、その点についてもう一回厚生大臣、厚生省所管のどちらでもけつこうですが、お答え願います。
○安田政府委員 日雇い労働者の健康保険の方で医療の給付を受けますならば、この人はその方で受けますから、生活保護法の医療が決ることは、これは当然なりくつでございます。それから生活保護法における医療扶助というものは、その人の資産なんかを調査いたしまして、どうしても医療が受けられないという人でありますならば、これは当然医療の扶助を受けられる。予算は見積りでございますから、そういうふうに日雇い労働者保険の方でかかる人がどれだけあるということならば、減らすことは当然であります。同時にまたそのほかに医療給付の適用者がふえればふやすという建前で行きたいと思います。
○八木(一男)委員 最後にもう一問だけ厚生大臣にお伺いいたします。当然御説明申し上げなくてもわかつておるわけでございますが、日雇労働者健康保険法の中で一番問題になりますのは傷病手当金でございます。傷病手当金を置くということになれば、保険料が非常に高くなるかあるいは国庫負担をしなければならない。一番保険料の影響の大きい料目であることは私ども存じております。しかしながらそういう該当者の方が医者にかかつて注射あるいは薬をもらつても、いかにそういう注射とか薬とかいうような処置をしても、病気にとつて安静ということが一審大事だということはお医者さん方が言つておることでございまして、薬を飲まなくても、また注射をしなくても、安静にしていればなおる病気が大部分でございます。安静ということが一番大事だ、ところが傷病手当金がないため、家計を維持するために医者にかかつていながら労働に従事する、しかもその労働が重労働であるということで、仏つくつて魂を入れずということにならないかということを私どもは心配するわけでございます。この点を解決するには、どうしても国庫負担をしなければ、今保険料の値上げが不可能である現状にあつてはむずかしいわけでございます。どうか傷病手当金を入れるということを中軸に考えていただきまして、そのために国庫負担を実現するという意気で邁進していただきたいということをお願いいたしまして、この問題について質問を終りたいと思います。
○本間主査 福田昌子君。
○福田(昌)委員 九州に非常な、六十数年来の水害という大きな水害が起こりもした、これに対しまして医療行政の面から十分な予防対策をとつていただいておりことを、私ども非常に感謝いたしておるところでございますが、今日の厚生省の医療対策、伝染病予防対策を見ますと、災審判に対しましても伝染病対策が主眼になつておりまして、厚生省として当然の担当である健康に対する対策というものが抜けておる、と申し上げてははなはだ失礼ですが、そこまで行き届いていないんじやないかという気が私どもするのであります。この点につきまして厚生大臣はどういうお考えであるか承りたい。
○山縣国務大臣 私も九州に参つて、今回の水害に対しての措置をとつて参りましたが、今回の水門に対して今の御質問は、平素いわゆる公衆衛生の面から、国民保健の面をもつと拡充すベきでないかという御質問でございます。か、御質問の要点がちよつと聞きとれないの上ですが……。
○福田(昌)委員 私の賛同の言葉が足りなかつたと思いますが、たとえば赤痢とかあるいは破傷風、そういつた伝染病を対象としての厚生大臣のおとりになりました措置というものは、私どもとして非常に感謝いたしておるわけであります。従いまして四日本の大きな永存を控えまして、罹災地におきましても、赤痢などというような心配しておりました伝染病が、平年とあまり大差ない傾向であるということは感謝にたえないところでありますが、これにあわせて考えますことは、さらに進みまして健康保持に対する対策に対して、厚生省としてはどういうお考えであるかという点でございます。健康保持に対する対策でございます。
○山縣国務大臣 いわゆる今後の国民保健の点から見て、病気が起つてからの治療にあらずして、起るまでのというか、病気を起さないようにする保健上の措置が必要だということはまつたく同感であります。ただ従来、率直に申し上げますと、厚生省といいますか、政府としては、たとえば公立あるいは私立の病院の整備あるいはまた公衆衛生の見地からの伝染病予防法に基くいわゆる予防対策、あるいはその基盤をなす上下水道、あるいは清掃事業に対するいろいろな措置、こういうふうなことに重点を置いておりまして、いわゆる保健といいますか、健康を保持するという積極的な面におきましては、あるいはレクリエーシヨンの面におきましては、国立公園等を中心とした施策をいたしておりますが、ほんとうは施策がまだ十分でないので、病気が起つてからの病院、あるいは起らんとするときの予防対策ということに対しまして、いろいろ施策を講じておりますが、今仰せのような健全な間において病気の起らぬようにする、それに対しましては伝染病予防制度等において検診制度をいたすとか、あるいは接種等も行うことになつておりますから、その意味においてはいわゆる保健上適当な措置は従来に比してとつて来ておりますが、しかしそれ以上、さらに前進した国民保健の点につきましては、まだ予算上そう大したことをいたしておりません。今後はそういうことは非常に大事であると思いますので、それに対して努力をいたしたいと思います。現実において予算上今日におきましては大した措置をとれぬのははなはだ遺憾であります。
○福田(昌)委員 厚生行政に非常に御熱心だと思つて私ども尊敬しております厚生大臣も、被害地の罹災民の健康保持に対しては明らかにまだ手落ちであるということをお認めになりました。この点私は非常に遺憾だと思つております。たとえば伝染病予防にいたしましても、クロロマイセチンとかあるいはぺニシリンとかいうものがたくさん出て参つておりますが、罹災地の大衆の健康状態というのは、病気にはかかつていない、明らかに赤痢じやないし、感冒でもない、しかしながらいつでも赤痢や感冒にかかる一歩手前のところにあるという状態が明らかに見てとれるのでございます。ビタミンBの欠乏症も多いし、栄養失調の患者が相当たくさんある。こういうような点に対しまして、まず医薬品の点として私ども栄養補給の医薬品を相当に現地に送つていただきたいということを第一点として御要望申し上げます。これはちよつと気温が下るとか、あるいはまたこれは追加いたしましてまたどういう災害が起るとも限りませんが、そういうことが起つたといたしますと、この地は非常な勢いで、たとえば肺炎とかその他の伝染病が起つて来るという下地ができておる状態にある。そういう意味におきまして、事伝染病とか赤痢、破傷風のみにかまけずに、一般の栄養状態に対する薬を送つてもらいたいということが一つであります。 次にお願い申し上げたいのは、たとえばこういつた災任地に対しまして災害救助法という法律がございます。従いまして、今日ではこういう罹災民に対しまして、食糧にいたしましても災害救助法によつて援助がされております。その援助の実態は、厚生大臣御承知のように、たとえば食費にいたしましても一日三十四円という食費が出されております。これではことに農繁期を控えてのお百姓さんに、一日三十四円の食費で何があがなえるかということを御想像いただけたら答えが十分だろうと思いますが、毎田の食事はおむすび一つにたくあんづけ、このおむすび一つを三回全部もらつても一日三つのおむすびで一日過しておるという状態でございます。これではいかに健康の人でも間もなく栄養失調にならざるを得ないのは理の当然と言わなければなりません。従いまして私どもは罹災地に対する厚生当局の御配慮を非常に感謝いたしておりますが、今日のたとえば災害救助法の一つの問題をとらえてみましても、非常に現実にそぐわないということを御勘案いただきまして、早急に改正していただきたいと思います。衣料の点におきましても足らざる点が多々もるし、そういつた生活の当面の援助の形において足らざる点が多々あるということをお考えをいただきまして、早急に災害救助法を改正していただくよう要望いたします。 次に今度の罹災地について一番考えさせられますことは、先租伝来のたんぽを一瞬にして海岸のような砂地と化され、そうして失つてしまい、しかもまた家も流出されたという避難民が数千を数えておるわけでございますが、こういう人たちに一刻も早く住宅というものを考えなければならぬわけでございます。そういう住宅に対しまして、もちろんこれは災害対策本部においてその大綱はおきめになるでございましようが、厚生大臣としてはどういう御意見を持つておられるかこの点をひとつお伺いいたします。
○山縣国務大臣 ただいま災害救助法についての問題を中心にお尋ねがございましたが、災害地は私もつぶさに視察をいたして参りました。災害が起りますれば、まず第一に災害救助法によつて緊急の災害救助をいたす、その際、これが非常に大事でありますが、たとえばたき出しにいたしましても、あるいは衣料年、あるいは医薬品等の給与にいたしましても、いろいろ問題がありまするが、今回は御承知の通り、対策本部を現地に置いておりまして、今、一日三十四円という仰せでございましたが、これはすぐに上げまして、三十四円ではいけませんから、この額を引上げて実施をいたしております。なおまた、たき出しにいたしましても、これは六日間ということに相なつておりましたが、今回たとえば熊本地区にいたしましても、あるいは佐賀県にいたしても、あるいはまた大分県の日田地区その他におきましても、いわゆる緊急の避難が六日間ではとうてい終えませんので、熊本等におきましても、あの泥害では家はこわれなくても入れない。その他におきましても、六日では済まないというので、とりあえず十日に延ばしましたが、しかし十日でも済まないところもありましよう。今のその三十四円というのは、当初、災害救助法においては、一応ああいう緊急避難というものは、六日以内で終るだろうということで、六日間あれば、今御指摘のように、握り飯に塩をつけてやつても、一週間足らずはしのげるだろうということになりますが、それが十日になり、あるいは十日を超過いたしますと、お話のように、いわゆる栄養の補填の方から見て問題がありますから、この三十四円は引上げました。なおまた、たき出しの期間あるいは衣料等の賑給の期間も延ばしたい。いろいろ現地において大野大臣とも相談をいたして、これは引上げたのであります。でありますが、災害救助法に基く緊急対策は、これは福田先生も現地を御視察になつて、大体御承知だと思いますが、これは緊急の措置としてはよかろう。今後これらの改正につきましては、ただいま大蔵大臣等とも交渉をいたしておりますので、栄養の点、あるいはその他、ことに今後は防疫対策が必要でありますから、そういうものに対しても十分努力をいたしたいと思つております。 それから、赤痢のお話がございましたから申し添えたいと思うのでありますが、現地においては、さようなことを申しますと、いかにも防疫対策に安心をいたしておるようでありますので、申しておりませんけれども、お話のように、各府県とも、大体赤痢等は、県によつては昨年よりは減つております。これは、先ほどお話がありましたから触れておきまするが、大体何か下痢でもして懸念がありますれば、厚生物資を先に与えて、しかる後に検便をするというようにいたしております。従来は検便をいたして、しかる後に厚生物資を与えておりましたが、今回は、多少は費用がかかりますけれども、さような措置をとつております。この災害救助に対しましては、いろいろの面において相当努力いたしておりますが、なおいろいろ具体的の問題についてお教えをいただく点がありますればお教えを請うて、この点は十分遺憾なきを期したいと思つております。
○福田(昌)委員 厚生大臣の災害対策に対する厚生行政面からいたします対策には、私どもも感謝いたしておりますが、なお今日の法律のもとにおいて不足の点があるから、それをやつていただきたいというので、お願いをいたしておるわけであります。 今、災害救助法のたき出し、食物の給与の点につきましても、三十四円ではあまりにもひどいから、当引然上げるべきだと思つて増加したというお話でありますが、これは大体どれくらいが妥当だと厚生大臣はお考えになつておるかという点。もう一点私は住宅対策に対してお伺いをしたのですが、お答えがありませんでした。
○山縣国務大臣 三十四円は、一応四十円に上げました。私どもとしては、もう少し上げたらどうかというのですが、御承知のように三十四円とか、四十円とか申しましても、これはその通り三十四円のものをやるというのではあらずして、これは災害救助法によつて、一応府県等がいたします場合には、あるいはそれ以上のものをやつておりましよう。ただこれは国が補助する一つの基準でありますから、村によつては、その状況において、あるいはもつと出しておるところもありましよう。なお、そのほかに今回は食糧、たとえばカン詰にいたしましても、衣料にいたしましても、災害救助決に基くものだけを支給するにあらずして、地方から相当送つておりますし、ケア物資、あるいはアメリカのCAC等からも送つておりますし、また政府の備蓄等からも送つておりますし、そのほかに出しておりますから、今申したような災害救助法に基く国庫負担の基準となる数字でありまして、必ずしも従来三十四円のものを出しておつたわけではありません。なおまた四十円に上げましたが、それだけでは、これは十日になり、十五日になると足らぬと思いますから、そのほかにやはりいろいろな救援物資を加えて行きたい。それが三十四円でいいか、四十円でいいかにつきましては、これはその算定がなかなかむずかしいのであつて、これは、やはり栄養学上、カロリー等を算定してやればすぐ出ることでありますが、なかなかそんなものでありませんから、これは一応地方の財政と国庫の補助等のこともありますが、それはそれとして、可能な範囲において引上げて、その他できるだけ救援物資等も出して行きたい。 それから、住宅問題は、これは実は、恒久住宅は厚生省の所管でありません。私は、所管違いのことを申し上けることは大きらいでありますから、さような意味の答弁はいたさぬのでありますが、厚生省所管といたしましては、災害救助法に基づく応急仮設住宅をつくることになつております。これが大体五坪で、坪一万円でありますが、これもいろいろな点から見て足らぬであろうから、一応一万二千円に引上げたのであります。そういたしましても、現地で民生部長に聞いたり県知事等と話合いをいたしますと、どうも、なかなかそれでは仮設住宅としても追いつかぬ点もあつて、たとえば農家等が——今回は今お話のように、農家の流失、あるいは全壊等が多いのでありますが、農家等においては、五坪で、坪当り一万二千円の家を建ててもらつても何にももならない。牛も入れられない、あるいはいろいろな農具も入れられないというようなお話がありましたが、災害救助法に基く仮設住宅は、どこまでも緊急避難に伴う仮設住宅でありまして、いわゆる恒久的な住宅につきましては、これは建設省との関係もありましよう。いろいろな関係を考慮して、これらの住宅問題は、政府としても考慮しなければならぬということを閣議でも申しております。なおまた、大野さんとも話し合つておることであります。それらの住宅問題は、私の所管外でございますが、緊急必要なる仮設住宅以外のものは、これは政府においても、御説明申し上げる適当な機会があると思つております。
○福田(昌)委員 ただいまの災害救助の問題に関する食費の三十四円を四十円にとりあえず引上げられたというその御好意に対しては、私どもも感謝いたしますが、御承知のように、ケア物言その他のいろいろな形で援助物資が地方から流れ出て、その援助物資によつて足らざる栄養を補完しようとされましても、三十四円や四十円で、大体の生活に必要な栄養が保てるとは、大臣もお考えになつておらないと思うのであります。私どもといたしましては、こういう災害地の場合におきましては、肉体的のみならず、精神的にも大きな負担がかかつておるわけでございますから、より一層栄養の問題というものは考えなければならない、食糧の問題を考えなければならないという立場からいたしまして、この食糧の問題は、ただちに一日当り百円くらいに当る措置をとるように、厚生大臣の御英断をお願いする次第であります。 住宅の問題も、ただいまの御説明で、厚生大臣の御担当としてはやむを得ないかと存じます。従いまして、私どもは、この住宅対策に対しまする私の考えは、この際厚生大臣に申し上げても御迷惑と思いますから控えさせていただきますが、大臣のお考えの仮設住宅でも、私どもといたしましては早急に望んでおる次第でございます。と申しますのは、御承知のように、大臣もごらんになつたと思いますが、たんぽを一瞬にして奪われ、家を一瞬にして流失した大衆が、今日、公民館や小学校の各教室で何世帯も、当座をおふとんや衣料品をもらつてその日の暮しをいたしておりますが、これをこれ以上、一月も二月も続けさせるということになりますと、これはひとり栄養の問題に限りませず、精神的にも非常な困つた影響が出て来ると思うのでございます。従いまして、この一戸当り五坪の住宅にいたしましても、当然早急に、仮設住宅の建設ということが急がれなければならないと思います。それから先の対策はまたそれといたしまして、早急にこの住宅対策はお考えをいただきたいと思います。仮設住宅にいたしましても、五坪の住宅をどういうふうな形で貸し付けるか。これはただで罹災者各位に考えるものか、あるいは支払いはどういう形にするのか、そういう点をお知せ願いたいと思います。
○山縣国務大臣 災害救助法というのは、福田委員も御承知だと思いますが、これは各府県が災害救助法に基いていろいろな施策いたしまして、それに基いて現在税収八百分の一を超過するものについて五割ないし八割の国庫負担をいたす法律でありますから、これは府県がそういうものをいたすわけでございます。府県がいたすのでございまして、国がいたすのではございません。
○福田(昌)委員 それは存じておりますが、地元に参りますと、厚生省で何とかこれに対する一貫した政策を示してくれたらやりいいんだがというようなことでございまして、地元では何とか早急に住宅問題を片づけなければならないのだが、どうにもやれないというような、動きがとれないような状態にあるのでございます。従いましてあなたのお考えを聞かしていただきたいと思います。
○山縣国務大臣 私は仮及住宅に関しては民生部長会議も開きましたし、また現地において各府以知事にも会いましたが、さようなことはあまり聞いていないので、問題は仮設住宅はその府県において必要があつて——要するに府県が言つておりますのは、そういうものは府県がその状況によつていたすのであつて、そのあといわゆる国庫の補助をできるだけほしいということを府県が申しておるのであります。国庫の補助は五万円とかあるいは一万二千円というようなこともございましようが、さにあらずして、問題は災害救助法の基準をなしますいわゆる税収入の百分の一を超過するものについて、五制ないし八割では足りないので、百分の一をあるいは千分の一、あるいは少くとも五百分の一にしてほしいというのが各都道府県の主たる問題であります。でありますからその具体的の問題はむしろ地方の問題であつて、それに対するつなぎ資金の問題であるとか、あるいは国庫補助のわくを上げるとかいうことが国との関係があるのでありまして、具体的の件数につきましてはあまり話は聞いておりません。
○福田(昌)委員 それは地元におきましても、民生部長とか、ことに知事とかいうことになりますと、相当お高いところでございますから、ほんとうに罹災された個々の大衆の気持というものはわからないと思います。また三日や四日ぐらいではいち早く住宅問題というものが頭に浮んで来ない。それほど当面の掛買を要する大きな問題がたくさんあるわけでございます。しかし罹災した大衆の一人々々の声というのは、何よりも住まいだということを申しておるのであります。私はそういう意味で申し上げたのでありまして、それに対しての災出救助法に対する国庫負担の基準というものが高過ぎる、これを下げるということが地方の要望であることはお聞きの通りでございますから、この点御配慮をいただきたいと思うのでありますが、重ねて私がお心ねしておるのは、その住宅対策に対しましても、地元では民生部貸やあるいは知事級の人たちはまだそこまで個々の人の声を聞いていないかと思うのでありますが、しかし罹災者が住まいの問題をあせつているということから勘案いたしましての大臣のお考えをお伺いしたかつたわけであります。
○山縣国務大臣 重ねて申し上げますが、われわれといたしては災害救助法に基いて緊急の仮設住宅を建てるということは、府県が府県知事の権限において、そのいわゆる県民の声を聞いておるのでありまして、われわれといたしてはその趣旨を通すようにできるだけ地方においてそういうものが建てられて、そうして財政負担があつて、そのためにそういう仮設住宅が遅れるとか、少いというようなことではいかぬから——結局各府県と国が措置にいろいろ計画をつくるとか、国が直接建てるのであればこちらがいたすのでありますが、こちらは府県のうしろにあつて、府県ができるだけそういうものを早く、十分に建て得るような財政的措置の裏づけを国としてやるという建前であります。だかうこちらとしては災害救助法に基いて、できるだけ府県に対して国が補助し得るような拒置をとつてやればいいのでありまして、あとは府県がその県民の声を聞いてやる。要は地方の財政に対して国がどれだけ寄与し得るかという問題であろうと思いますから、県民の声を直接われわれが聞く、聞かぬの問題ではなくして、府県ができるだけそういうものを建てやすいように、かつ多く建てられるように国が補助してやる、あとをみてやるということでありますから、結局ただいまの災害救助法の基準の問題に主として帰するであろうと私は思うのであります。
○福田(昌)委員 大臣のお気持は非常によくわかりまして、私ども感謝しておるところであります。従いまして大臣とされては、災害救助法の国庫負担の分は当然これは高過ぎる基準を置いた方がいいというお考えを持つておられるやに伺われますが、従つてそれに対する対策もお考えでございましようし、地方自治体から要求して参りました災害救助法によつての費用の国庫負担の分も相当御配慮いただけると思うのでありますが、そういう点からいたして相当積極的に国庫負担の分も考えてから、まず地元の行政当局としてできるだけ被害民の生活を考えて、仮設住宅でも早く建てるようにということを、積極的に通達としてお出しになる御意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。
○山縣国務大臣 御承知の通り災害救助に関します応急対策は、災害救助法によつておりますので、法律の改正を要するわけであります。その法律の改正に関しましては、今われわれも考慮をいたしておりますが、何分にもこの国会に対してそれが提出できますかどうかという問題もあります。しかし結論としてはこの地方財政のいろいろな点から見ましても、災害救助法の国庫補助の点につきましては考慮を要するものと私は考えております。それに対してどういう方向をとるかということは、これは法律の改正を伴いますから、国会の関係等もございますし、また各方面においてもいろいろ考慮されておる問題でありますから、それらの状況をまつてわれわれも善処いたしたいと考えております。
○福田(昌)委員 お気持は私ども十分賛意を表するところでございますが、どうかそのお気持で、もう少し積極的に御対策をおとりいただくことをお願い申し上げましてこの点に関する質問を終ります。 次に、別の問題についてお尋ねいたしたいのでございますが、人口問題審議会をおつくりいただきましたことは、これは時宜を得た対策と考えるのでございますが、この人口問題審議会はどういうことをなさろうというお考えでございますか。
○山縣国務大臣 人口問題審議会につきましては、たびたび申し上げておりますので、同じようなことを申し上げることに相なりますが、前に人口問題審議会がたしか昭和二十四年に政府に置かれましたことは御承知の通りであります。それで人口問題審議会としては当時主として人口収容力あるいは人口の調整という面に関して答申をいたしたのであります。この答申は現在から見ますと、いろいろな分野から見て広汎な開口の広い、奥行きの深い人口問題を解決するには、これではとうていいけませんが、しかし人口の収容力あるいは人口の前歴といつた面に対して、相当権威のある答申をいたしておるのであります。しかし昭和二十五年にこれがいろいろな委員会の整理によつてなくなりました。しかしその後人口問題というものはわが国の基本をなす非常に重大な問題でありますし、これに対して何らかの総合的な対策を立てる審議会がありませんので、ことにまた終戦後における日本の特殊な経済的あるいは政治的あるいは社会的のいろいろな環境の変化に基いて、この人口問題をさらに基本的に総合的に検討する必要を生じましたので、審議会を設けました次第であります。しかしこの審議会の予算は御承知の通り大体七十万円でございます。それでは足らぬとも思いますが、一応この人口問題といたしましてまず取上げたいと考えておりますのは、日本のいわゆる産業構造との関係においての人口の増加、それがどういうふうになるか、この点を考えてみたい。あるいは人口のいわゆる適度という点から見て、生活水準との関係を考慮してみたい。また日本の資源との関係において——日本はある意味においては相当貧弱でありますが、しかも一方においては資源の活用が足りないと思われます。これを人口の問題と関連して考えてみたい。なおまたいわゆる人口の調整といいます。か、あるいは将来は移民計画の問題も起つて参りましよう。そういう意味において産業構造等からする人口の収容力との関係と対比される人口の調整、その面から受胎調節の面を考えてみたい。しかしさようなことをいたしましても、いわゆる逆淘汰等が起りましてもいけませんので、いわゆる国民の資質というような点と人口の問題も考えてみたい。こういうように主として五つぐらいの部門にわけてこの人日問題を審議してもらう。そのためには大体四十人くらいの学識経経験者等によつてこの審議会を構成して、できるだけ早く基本的政策を審議してもらつて、その線に基いて政府が強力に施策できまするものは施策するというふうに持つて行きたいと考えておるのであります。しかしもちろんこれは予算も足りませんし、とにかく昭和二十五年に審議会も廃止されたことでありますから、もう一度復活してこの重要な問題を討議いたしたい。なおこれと関連いたしまして人口問題研究所がございます。それに対しても従来の研究を継続してもらう、両々相まつて人口問題を解決いたしたい、かように考えておる次第であります。
○福田(昌)委員 人口問題審議会をおつくりいただきましたことは私ども非常にけつこうだと思うのですが、大臣の今の御答弁の中にありましたように、人口問題審議会というのはすでに一回つくられてもうすでに廃止されたような機関であるわけであります。人口問題が日本の敗戦国としての再建に当面の重大な問題であるということは、私があえて今日ここで申し上げるまでもなく、前から行われていることでありますが、その壮大な問題を取上げて人口問題審議会が、御承知のように昭和二十四年に一つの答申案を出し欲したが、その答申案に対しましても非常に広汎であり過ぎるから、あるいは抽象的であり過ぎるからということからいたしまして、付ら政策の面に盛られることがなかつたと思うのであります。今回もまたこういうわずか七十二万と仰せられるかもしれませんが、いずれにいたしましても、七十二万の予算をとりまして、こういう委員会をつくりましても、今お話を伺いましたような点につきましての御審議があるかと思いますが、その問題を中心にして一つの案が出されたとしても政府自体がこれに対して何ら取上げることがないということならば、全然意味をなさないと思うのでつります。ただいかにもやつておるということの国民に対する一つのゼスチユアとしてはきき員があるかもしれませんが、実質的な問題として意味をなさないと思います。その実質的な問題として意味をなさない一つの例には、たとえば社会保障制度審議会というものがつくられておりますが、これなどもいくら勧告案を出しましても、政府は全然これに対して考慮するでもございませんし、社会保「制度審議会というもの自体が別個にひとりでからまわりしておるという状態であります。こういうような審議会であれば、この際いまさらあらためておつくりになる必要もないではないかという気さえするのでございます。 繰返して申し上げますが、私どもは審議会というものをおつくりになることには非常に賛成しておるのであります。ただその内容のいかんと、その勧告案なるものを政府ははたして尊重する意思があるかどうかということを、この際あわせてお尋ねしておきたいのでございます。そういう意味でお尋ねしたのでございます。大臣は新たな決意を持つて今度人口問題審議会をおつくりになつたわけですから、山縣厚生大臣においてはその勧告案を十分尊重なさる、そうしてまた政府の施策の中にも十分予算的に考えなさるお気持があると思うので当然のことですが、言伺つておきたいと思う次第であります。
○山縣国務大臣 人口問題の解決は、わが国といたして最も重要な問題であろうと私は思う。あまりに問題が大き過ぎて、かえつて等閑に付せられておるきらいがあるのではないかと思う。この問題の解決をまたずして日本の将来の人口問題の解決はないと思つております。従つてこの審議会において答申せられますものについては、政府はできるだけこの答申案を尊重して、そうして今後これを政治の面に強力に生かすという決意は十分持つております。なおただいま社会保障制度審議会の問題について仰せられましたが、私はさように考えておりません。現在社会保障制度審議会の答申をそのまま全部即時に、また完全に実施するということは、社会保障制度審議会の勧告にもないのであつて、これはやはり財政の関係もあります。しかし御承知の通り社会保障制度審議会が勧告いたしておりまするが、そのうちの多くのものはもう実施をいたしております。たとえば結核の対策についてももう実施しておる。また公衆衛生、それから保健所の設置にいたしましても、あるいは社会福祉事務所の設置にいたしましても、大体勧告の線に近くなつておるのであります。ことに社会保障制度審議会の一番中核をなすものとして、自民健康保険については今給付費の国庫負担を開始せんとしておりますから、社会保障制度審議会が設置せられ、かつ、勧告いたしましたことについては、政府は相当な熱意を打つて実施せんといたしておるのであります。また見方によりましては出合とないということがいわれるかもしれませんが、それゆえに社会保障制度審議会の存在が不必要であり、またその勧告が不必要であるとは申せないのでありますから、余談でありまするが、政府といたしても今後人口問題審議会を設けましても、いわゆるその勧告に対しましてはできるだけそれを尊重して、これを必要な範囲において政治面に生かしたい、かように考えております。
○福田(昌)委員 より一層こうした審議会の勧告を尊重なさるようにお願いいたします。重ねてちよつと横道になりますがお尋ねしておきたいのは、ただいま厚生大臣も仰せられましたように、日本の人口増加の趨勢に対して、特に日本の産業構造とのつり合いにおいて、稼働人口の増加というものに対する対策というものが、人日対策として非常に大きな問題になるであろうというようなことをちよつぴりお触れになりましたが、日本の産業構造、稼働人口の急激な増加ということに対しては、労働大臣としてどういうお考えがあるか承らしていただきたい。
○小坂国務大臣 これは一労働省のみによつてできない問題でございますが、非常に重要な問題であります。今内閣といたしまして経済審議庁を中心に、いかにわが国の産業構造を持つて行くかということを研究いたしております。私の承知いたしておりまするところが、三十二年の場合においての稼働人口の調査というのが審議庁にあるのでありますが、ただいまちよつと数字を持ち合せませんので、御必要があれば取寄せてもよろしゆうございます。
○福田(昌)委員 先に移ります。人口問題に関連するかと思いますが、このいただきました資料の八番目の優生保証に関する内容でございますが、優生手術交付金の内容について詳しくお話しいただきたい。
○山口(正)政府委員 優生手術交付金、これは優生保護法によりまして、強制優生手術をいたします者に対しまして、公費をもつて手術をしてやるわけでございますが、それに要します費用でございまして、一応昭和二十八年度のおきましては、男が四百五十人、女九百人という数字を見込んで計上しております。
○福田(昌)委員 処置料は大体どのくらいですか。
○山口(正)政府委員 男は一人七千五百六十五円、女が一万三千八百六十円であります。
○福田(昌)委員 次に厚生大臣にお尋ねいたしたいのでございますが、今日の医療機関は、私どもから見ますと、厚生当局の御配慮というものが、今日無計画な、整理されてない形に受取れるのでございますが、医療機関に対しまして、厚生大臣は大臣自身として——公的医療機関と私的医療機関とありますけれども、今後ともこの両方が末長く必要だとお考えになりますか。
○山縣国務大臣 医療機関の整備については従来とも政府は年々予算を考慮して参りましたが、まだ十分ではございません。公的医療機関並びに私的医療機関の廃止の問題、あるいはその間の調整の問題等もいろいろございます。現に今問題になつておりまする公立病院等の地方移譲もまたいろいろな問題を蔵しております。しかしその範囲において公的の医療機関も私的の医療機関も両々相まつて行くべきものである。これは他の社会福祉の面においても、昨日も質問がありまして御答弁申し上げたのでありますが、やはり公立病院として果すべき任務の分野あるいはまた私立の医療機関として果すべき分野とありまして、ただその間の配置及び調整が問題でございまして、現実にはいろいろ遺憾な点がありますが、今後はこれらに遺憾なきを期して行きたい。なおこれらの公立病院等に対するベットの増床等に対しても適当な予算を組んでおりますが、まだ十分ではございません。私が特に痛感いたしますのは、日本の医療機関の一つの医療網といいますか、そういうものの整備が、地方に参つてみますとなかなか不完全でありまして、今後やはりこのメデイカル・センターを中心とした品本の医療機関の中央地方を通ずる整備ということは非常に大事だと思いますので、現在いろいろ欠陥がありますか、今後は大いにこれに対して私も相当注意を払つて、一ぺんには参りませんが、漸次完全を期して行きたい、かように考えております。
○八木(一男)委員 ただいまの福田委員の質問に関連して、ちよつと厚生大臣に付いたいのですが、健康保険医の一般の開業医の方で、施設をよくしようという考えを非常に持つているらしいのでございますが、その施設をよくする金がなくて、ほかから借りて来ても、たとえばレントゲンの施設をしたり、そういうことをして健康保険のいろいろな点に役立たせようという考えを持ちながら、そういう施設をするとそれだけもうかつた分として税金がかかつて来るということで、手が出ないという実情があるように思つているわけですが、そういう点について厚生大臣のお考えをお聞きしたい。
○山縣国務大臣 多少事務的な具体的な問題になりますが、間違うといけませんから政府委員の方から……。
○高田(浩)政府委員 ただいまお話の税の問題でございますが、これは私どもの考え方といたしましては、そういうものにただちに税金を課するということは一応ないように了解いたしているのでありますが、なお税務当局ともよく連絡をとりましてやつて行きたいと思います。
○八木(一男)委員 ただいまの御答弁でいいわけでございますが、これは大蔵省にお伺いしなければならぬことでございますけれども、一般に開業医の声を聞きますと、営業成績が上つていなくても、そういう施設をしたらもうかつているのだろうということで、税金がかかつて来るためにその施設ができない。いろいろの治療がうまく行かないという状況があるように聞いておりますので、こういう問題は厚生省側から大蔵省側に抗議を申し込んでいただきたいと思う。
○山縣国務大臣 その点私も二、三前に聞いたことがございまして、やはりそういうことは大蔵省と十分に話し合つて行かなければならぬと思つておりますから、私からもよく話をしてみましよう。
○福田(昌)委員 今八木委員から個人開業医、保険医の課税問題が出ましたが、これは私のお尋ね申し上げたい点でもあつたわけです。先ほどの大臣の御答弁では、一般医療機関としては当然公的医療機関と私的医療機関と有無相通じたそれぞれの特質を生かした機関というものは今後とも必要であるという御答弁でございました。これは私は当然の御答弁として、私もそう考えておつたわけでありますが、さて開業医が今後とも必要であるというお考え方でありますならば、今日の開業医に対する対策について、政府はこれに対する恩恵的な政策を抜きにしている形におきましては、開業医というものは生活しにくい状態になるわけでございます。従つて政府自体開業医というものも必要だということをお認めでございましたら、これに対する何らかの対象をおとりいただかなければならないわけでございます。今八木委員からの質問もありました開業医の財政のいかんにかかわらず、今日新しい医学を完全に普及するために必要な施設というものを、借金をしてでも買入れているのを見て、課税の面では収入がふえたからだといいまして課税している。こういう間違つた課税のやり方というものはぜひ厚生当局としては考えていただかなければならぬ点でございます。 それと同時にもう一つ私たちが大臣のお考えとして承つておきたいのは、今日医者は、銀行関係からいたしますると、中小企業者ほどにも待遇されていないのでありまして、医者がお金を借りようと思うと、どの銀行も窓口を狭く閉してなかなか貸してくれない。そういう意味において、零細な個人開業医に対する特殊な金融対策というものを厚生当局としては考えておられるかどうかということを、承らせていただきたいと思います。
○山縣国務大臣 この一般の医療機関といいますか、すなわちお医者さん、この人たちに対して仰せのように今なかなか困難な事情にあられることもよく承知いたしておりますが、それに対しては御承知の通り、たとえば保険診療報酬に対しては、単価問題とも関連いたしまして、いわゆる税収の基準点において特別な措置を講ずるようにしたり、その他いろいろやつておりますが、今お話の金融の問題については従来ともその要望のみ多くして、それに対する対策が伴わなかつたのでありますが、今回御承知の通り一応これも、額は非常に少ないのでありますけれども、いわゆる医療金融の道を開いて、ぜひともこれらの問題を解決して行きたい、かように考えているのであります。なおいろいろな問題がありますが、結局はこれらの医者の負担といいますか、そういうものを軽減する面からこれらの私的医療機関というものの整備をして行きたい。その他いろいろ問題がありますが、主としてそういうものに重点を入れて行きたいと考えております。
○福田(昌)委員 私的医療機関の金融対策について特別の御配慮をいただくということを確約していただきましたけれども、私どもとしては非常にけつこうに存じて、大臣のそのお気持がすみやかに法律の上においても生れるようお願いをいたしておくわけであります。 今大臣のお話の中におきまして、今日の保険診療に対してもある程度の減税対策をとり、これに伴い開業医に対しても、よりよい対策を考えて行きたいという御答弁をいただいて、この点もありがたいと思うのでありますが、重ねてお伺いしたいのは、今日の会保険の点数及び値価の問題に関してであります、大臣は今日の保険診療の単価、医療単価というものが現状において安いとお考えでしようか、あるいはまた妥当だとお考えでしようか。
○山縣国務大臣 この問題につきましては、厚生委員会においても相当いろいろ各委員からの御質問がございまして、詳細に御答弁申し上げた次第でありますが、この診療報酬の問題はなかなか一概に言えないのでありまして、たとえば医師の技術をどういうふうな程度まで、またどの範囲までこれをいわゆる単価の改訂に織り込むかという問題、あるいはその他地域差の問題もありますし、いろいろな問題がございまして、これはさらに実は厚生省においても検討を進めておりますが、なおいろいろなデ—タをもつとはつきりさせまして、その間には随時医療審議金等もありますから、その機関の答申を打ち、さらに調査研究を進めまして適当なる線を見出したいと考えている次第であります。
○福田(昌)委員 御承知のように今日の医療単価は、たしか昭和二十六年十二月に、翌二十七年三月までの暫定的な単価としてきめられたものだと思います。厚生省は、二十七年三月までの暫定的な単価であつて、その後は早急にこれに対する措置をとられるということをお約束しておるにもかかわらず、今日までこれに対する改訂の誠意が示されていないのであります。すでに一般地方公務員及び国家公務員の給与ベースの面におきましても、昭和二十六年十二月と今日では、平均におきましても一、四十円の開きがあるわけでありますが、このように物価も上つておりますし、一般公務員の給与、べースも引上げられているにもかかわらず、保険医療庁価というものが極端に捨て置かれて、低きにくぎづけられているということは、どう考えても不当だと言わなければならないのであります。大臣におきましても、これを早急に引上げるお考えがあるかどうか、またどの程度が妥当であるとお考えになつておられるかどうか承りたい。
○山縣国務大臣 単価の問題は、単にスライドだけで解決する問題でありますれば、きわめて簡単でありますがこれには複雑、多岐広汎にわたるデータがあるのであります。それをせつかく検討中でありますが、まだ臨時診療報酬調査会においても答申が出ておりません。なお先ほど暫定的なものと言われましたが、これはもちろん当時はさような気持で、一応税収入のいわゆるアジヤストメントで解決をいたしておるのであります。しかしあのときの閣議了解を見ましても、そういう趣旨でできるだけ早く各般の兄地から検討いたすという態度はとりましたが、法律的な意味から、別に暫定的になつているのではないし、あるいはそのために設けました調査会の答申も出ておらぬことでもありますし、なおまた単にスライドだけで解決できない問題でありますから、もちろん政府といたしましては、できるだけ早く検討して、公正妥当な結論を早く見出したいという熱意は持つております。
○福田(昌)委員 今日の社会保険、医療の点数の問題、また単価の問題というものは、大臣におかれては、これを算定するには複雑な要素を加味しなければならぬ問題であつて、非常に困難だというお話でございまして、この点自然のことでございますが、それに関連してのお尋ねでありますが、大臣におかれては、たとえば床屋の処置と医者のやる処置とは、どつちが学問的に技術を要するとお考えになりますか。
○山縣国務大臣 なかなかむずかしいお尋ねでありますが、私は常識的に考えれば、やはり医者の診療には相当学問的な基礎もいりましようし、臨床的な経験もいりましよう。といつて床屋の方でも、芸術的に刈ろうとすれば技術もいりますから、これは観念の相違であつて、抽象論になりますが、そういうことは全然別にして、お医者さんの診療には、相当学問的な、あるいは実際臨床的な経験もいることですから、十分考慮いたしたいと思います。
○福田(昌)委員 比べるのが妥当でない一例を出したかとも思いますが、と申しますのは、たとえば具体的に申しますと、皆さんも御承知のように、床屋に参りますと、男の方の床屋さんの料金は、詳しく存じませんが、百五十円ぐらいとられると思います。どこへ行つてもそれくらいの料金になつておりますが、御承知のように医者に参りますと、医者の初診療または相当の処置をいたしましても、今日の健康保険に対しては、せいせい百円ぐらいのものでございます。特殊の注射をするとか、あるいはまた特殊の高級薬を施薬するというようなことになれば、少しは床屋さんの料金を上まわるような収入があるかと思いますが、大体むずかしい病気でない限りにおいては、床屋さんの一人当り百五十円の料金よりも、はるかに少い治療費しかとれないというような状態にあるのでございます。私は何も医者の技術は、特別上等であるというようなことを申し上げたいとは思わないのでありますが、たとえば床屋さんに比べても、はなはだ失礼な申分かもしれませんが、医者の方が一本立ちになるには年期を入れておると思います。そういたしますと、学問的な立場においても、医者のやる治療費というものに対してのある程度の配慮というものは、当然相当勘案してしかるべきことと思うのであります。しかるにもかかわらず、現実の単価の問題におきましても、点数の問題においても、あまりに今日の医学というものを無視した態度をとられているということを、非常に遺憾に思います。このことは、しいて申し上げますと、今日の厚生当局の首脳部の方々が、みずからの人命を預かる医者の処置というものを軽くするということは、みずからの生命を軽く扱つているということにもなるわけでありまして、大臣も今後この社会保険医療の単価の問題または点数の問題についての、十分なる御配慮をお願いしたいと思うのであります。従いまして大臣におかれても、何らかの具体案というものをお持ちだろうと思いますが、そういう意味において。今日このままの社会保険の支払いの形式をとるならば、大体今日の社会保険の単価というものは、どのくらいが妥当であるかというくらいのお考えはあると思います。厚生大臣として、当然これくらいのお考えがなければお勤まりにならないと思いますが、厚生大臣としてのお考えを承りたい。
○山縣国務大臣 いろいろお尋ねがありましたが、これは、ただいまいろいろな点を検討いたしてみましても、私自体まだ納得の行かないデータがたくさんございまして、厚生大臣として幾らと申し上げることは、私一個人として申し上げることではありませんので、重大な問題でありますから、今後慎重に検討いたしたいと思つております。
○福田(昌)委員 具体的な御答弁がございませんから、非常に遺憾ですが、ただ先ほどもちよつと申し上げましたように、現実の単価というものが二十六年十二月にきまつたもので、その後は物価も二割から三割方六上昇しているということは、大臣もお認めのところでありますから、かような意味におきましても、単価の引上げ、点数の改訂も、早急に御決定いただくよう要望いたしておきます。 次に労働大臣にお伺いしたいのですが、日本の新しい憲法のもとにおきましては、職場における男女差というものは一応解消されたようにとられておるのでございますが、現実のもとにおきましては、御承知のように女子勤労者に対しましては、給与の点において男子とははなはだ差がつけられております。また行政整理というようなことにでもなりますと、一番先に女子がやり玉に上げられます。さらにまた、たとえば官庁に勤めております女子職員におきましては、御承知の今日の任用試験に及第いたしておりましても、女子従業員は、女子であるがゆえに任用されることがほとんどあとまわしになつているという現状であります。これでは憲法に保障されているような男女平等の原則にはずれていると思うのでありますが、労働大臣はこれに対してどういうお考えであるか承つておきたい。
○小坂国務大臣 これは少し古い調査になるのでありますが、二十六年の十月に京浜地区で、新制高校卒業者十八歳から十九歳の年齢層の、一般事務員において比較して見たのでありますが、男が三十八円七十一銭、女が三十五円四十一銭で、九一・五%というように男女の差がなつております。これは、ただいま御指摘のような、憲法上男女同権の原則に反して、女子の方が低いということの数字的の裏づけになるかと思いますが、これはやはりそれぞれの場合におきまして、まつたく同一の内容の勤務をさせるということは、それぞれの肉体的なあるいはまた精神的な関係からして、全然性別を無視して就労させるということは困難な事情にございますので、現状においては、どうもこういう傾向は一般的に是認せざるをえないじやないか、このように考えております。もちろん精神的に、男性は女性を尊敬し、女性また男性を尊敬して、それぞれの立場においてやるということは、もちろん考えておりまする
○福田(昌)委員 ただいま古い御統計で、その当時はごく年少の新制高等中校卒業直後の男女の勤労者の俸給の差異をお示しいただきましたが、そういう若い方ですと、あるいは女性が男性の九一・五%くらいになるかもしれませんが、御承知のように、三十代、四十代にもなりますると、まさに男子の給料の三分の一程度の低いところに女性の給与はくぎづけされてしまつているのであります。これはただいま大臣のお話にもございましたように、女子と男子とはその体力においても多少異なつておるから、同じ職種が与えられないというようなお話でございましたが、これはある程度私どもとしては了解いたします。しかしその御配慮というものは、行き過ぎた御配慮が多分にあるのでございます。肉体労働以外の労働でありましたならば、男女差というものは少いのでございまして、今日、日本の各職場において考えられているような、女子であるから与えられないというような御配慮というものは、きわめて封建的な配慮といわなければならないのであります。官庁などに参ります。女子であるから出張はさせられないというようなこと、これはもちろん同僚の連中が、女の人と一緒に出張するとうるさいから、なるべく男をやつてくれというような男性のわがままというものがありますが、こういうようなことはまことに封建的な考え方でありまして、当然私は女子でも出張も可能であるし、男子よりも、頭脳的な職業においては、十分女子は進出し得ると考えております。その証拠には、御承知のように、ドイツなどは一九一九年以来のワイマール憲法の時代から男女同権でありまして、ほとんどの職種が男女同一の立場において与えられておりますし、技術がまた大体女子であつてもさほど劣つておりませんし、俸給は当然男女同一の賃金が与えられておるのでございます。もちろんドイツでも職種によつては多少の差がありますが、こういうように男女の職種というものがほとんどあまり隔てがない、しかも給料も同一であるというのであります。これは何もドイツだけが、女の人が特別りこうに上等に生れついておつて、日本の女性だけがつまらなく、ばかに生れついているわけではないのでありまして、これは当然制度のよしあしによつて生れて来るわけであります。大臣におかれましては、ことに民主的な大臣であられますから、十分御配慮いただきたいと思うわけであります。現実に私が先ほど申し上げましたような例が多々あるのでありますが、大臣としてはこういう点を、女子の勤労者というものは非常に蔑視されておるという点を知つておられるだろうかどうかという点を承つておきたいと思います。
○小坂国務大臣 先ほど申し上げました例は、二十六年でございますが、その後におきまして、この状態は非常に改善されて参りまして、現在初任級におきましてはほぼ男女同額となつております。その後職場の職種等によりまして、多少の格差が出ていることはいなめない事実でございますが、今申し上げましたように、できる限り女性という性別によつて特別な職称、しかもこれが賃金の低い職種にならざるように、適当なる職種を与えるべく労働省としては配慮、指導いたしておる次第でございます。現にわが労働省におきましても、婦人少年局というのがございまして、ここの局長は、御所知のごとくりつぱな婦人であるのであります。婦人も堂々と男子局長に伍して一歩も遜色なく、りつぱに職務を遂行しておられますから、私といたしましては、今後そうした婦人の地位の向上、また能力ある婦人はいよいよその能力を伸ばしていただくような機会を与えたいと思つております。
○福田(昌)委員 ただいま大臣のお話によりますと、男女差の問題はだんだん解消されているというお話でございましたが、これは私どもといたしましてもさようにありたいと希望いたしておりますけれども、現実はなかなかさにあらずであります。なるほど初任級の問題におきましては、これは目立つ問題でありますから、そういう点は解消されつつあるかと思いますが、たとえばその後の昇給の問題、任用の問題ということになりますと、明らかに差がつけられておるのであります。そのときにいつでも、女子は男子と同じように使えないからとか、能力が劣つておるからというようなことを、はつきりとした資料による批判でもなくして、漠然とした批判を持ち出されて、女子の任用の問題においても、昇給の問題においても、あとまわしにされておるのでございます。この点は至るところで見受けられるのでございまして、大臣もちよつと御調査になれば、至るところにその例がころがつております。こういう事態に対しまして労働大臣としてはこういう女子蔑視、女子を軽視するような職場の扱いがないようにひとつ警告を発していただきたいと思うのであります。これは一々例をあげておつたら、具体的な例は際限がありませんが、大体考え方におきまして、今日の行政当局の枢要な地位にある人は、おい立ちからいたしましてすでに男尊女卑の時代に育たれた方でありますから、女性蔑視の思想は抜け切れないのはいなめないところでありますが、口では男女平等に取扱う、こう言われておりますが、いろいろお尋ねいたしておりますと、結局語るに落ちる点が多いのであります。たとえば女子はどうせお嫁に行くんだから、お嫁に行けば、そんなに働かなくともいいんだから、職場においても男子優先の立場を女性が譲歩するのはうるわしいことであつて、当然じやないかということをぬけぬけとおつしやる封建的な考え方の人が地方におきましても、国家の枢要な機関にすわつておられるのであります。こういうことは私どもとしてはきわめて遺憾であります。もちろん婦人少年局をつくつていただき、局長には優秀な婦人局長をお迎えしていることは非常に喜ばしい点でありますが、婦人局長だけの力をもつてしては、このがんじがらめの封建性を打破することは困難であります。従つて大臣においてはこの点——時間がございませんから、あまり詳しいことは申し上げませんが、婦人勤労者を蔑視している考え方を大いに改めるよう警告を発していただきたいと思います。 このことは私ひとり女子の立場のみに限つて申し上げるのではないのであります。こういう考え方、女子を蔑視しているということは、とりもなおさず日本の文化を低きにくぎづけにし、日本の発展を阻害すると思うのであります。今日ドイツのあのすばらしい復興ぶり、またドイツ民族の国を愛する意欲というものを考えてみました場合に、これは一つには女子の立場が日本と違つて非常に高いというところに、こういう国民的な愛国心が生まれて来ているということを考えざるを得ないのでございます。日本でパンパンが多い、女子はけしからぬということを言いますが、日本の今日のように女子の職場が狭く、閉め出され、勧めておつても俸給が低いということになれば、また勧めている人でも、行政整理ということになれば一番先に女子が首切られるということになれば、働かなければ食べられない生活であれば、勢いパンパンにもなろうということにもなつて来る。来てはならないのでありますが、そういうことを考えざるを得ないのでありまして、そういう意味合いにおいて私は女子に対する職場の待遇は十分御配慮いただきたいと思います。
○八木(一男)委員 ただいま福田委員の言われましたことにちよつと関連があるのでございますが、安定所の関係、自由労働者の関係でございます。女子の問題に対して性別並びに年齢によつて差がないということになつておりますのにかかわらず、実際上は女子であるから、また老齢であるからということで、十分な労働力を持ちながら、就労できない口があるということを伺つております。その点について本省から十分安定所関係に御注意になるようにお願いしたいと思います。
○小坂国務大臣 ただいまのお話は、私ども承知いたしておりますところでは、そういう事実はないと聞いております。安定所の関係を通じて雇用する人は、御承知のように、一般の職種別賃金をおべまして、これをPW——プリヴエイリング・ウエツジと称しておりますが、その一割方低く定めることに法律できまつております。それによつて定められた賃金は男女別年齢別の差なく支給することになつておりまして、そのような話は承つておらないのですが、なお調査をいたします。
○福田(昌)委員 自由労働君の話でありますが、大臣は、職種によつては差はあるけれども、性別の差はないという話でありますが、きわめて男女別の差が多い。男女別の差のない職業安定所の取扱いというものはきわめて僅少でありまして、これはお調べになればすぐわかることでございます。こういうことを大臣が御存じないということははなはだ残念に思うのでございます。至急お調べいただきまして、御善処願いたいと思います。
○小坂国務大臣 詳しいことは政府委員からお答え申し上げます。
○澁谷(直)政府委員 ただいまの点でございますが、安定所において、女子なるがゆえに不当な待遇をするということはもちろんないと存じております。また先日全日土建一般労働組合の代表が全国から集まりまして、私どもと折衝を持ちました際にも、その点について種々質問があつたのでありますが、労働省としてそういつた指導をしたことはもちろんございません。万一地方の現場においてそういうような事実がありました場合には、私どもの方で至急調査いたしまして、是正の措置をとるようにしている次第であります。 それから男子労働者と女子労働者の賃金について若干の格差があるというただいまの福田委員の御質問でございますが、これは御承知かと存じますが、現在失業対策事業におきましては、重労働と軽労働というぐあいに、労働の内容に応じて数段階の段階を設けて実施をしてあります。それで普通の場合におきましては、女子労働者の場合は何と申しましても、その身体的な条件におきまして、重労働よりも軽労働に従事する場合が圧倒的に多いわけでございます。女子なるがゆえに低い賃金をつけるというのではなくして、その従事している労働の内容が、重労働よりも軽労働の方が多い、こういうことで若干の格差をつけているものでございますので、御了承を願いたいと存じます。
○八木(一男)委員 今政府委員からお話になつたことは、私十分に存じているわけでございますが、女子なるがゆえに、また年齢が高いゆえに重労働にはつけないと称して、つける人を就労からはずす、そういう場合が地方では実際に起つているわけです。そこで十分労働省のお気持はわかつていますけれども、そういうことがそのお気持通りに地方で行つていないということを把握していただいて、そういうことにならないように厳重に監督をしていただきたいと思います。
○福田(昌)委員 今八木さんのお話があつたことは、まつたくその通りなんでございます。男女の差がつけられてないと思うという御答弁でしたが、思うという御答弁しかおできにならないほどに現実は迷うのでございます。その点よくお考えいただきまして、たとえばあぶれる場合においても、女子の日雇い労働者の方が数多くあぶれるのでございます。こういう点にも個々の末梢の機関の調査を十分にしていただきまして、女子のあぶれるパーセンテージの多くなるような現状がこのまま続くことがないように、御配慮いただきたいと思います。
○本間主査 池正之輔君。
○池田(正)委員 この際厚生大臣にちよつとお尋ねしたいのでありますが、日本の薬の製造は、製品が少し余つて来ているのじやないか、これはどういう状態になつておりますか、この点をお尋ねいたします。
○山縣国務大臣 詳細な数字は私ただいま手元にありませんし、今局長が九州に出張しておりまして、ここにおりませんので、数字上の問題でなくて、大臣として答えられる範囲の御質問を願いたいと思います。
○池田(正)委員 薬の製造企業が終戦後急速に進歩して、余つているのじやないか。——そこで私お尋ねしたいのは、これは大臣がお答えできるかどうか知りませんが、今東南アジア方面との賠償の関係で、厚生省はこの余つた薬を賠償に振り向けるという御調査をなすつているのじやないかという感じがするのですが、何かそういつたことがありますか
○山縣国務大臣 この問題は、実は前にインドのネール首相から、御承知のようにインドは癩患者が非常に多いものですから、こちらからたまたまインドに行かれた人に、何か癩患者に対する特効薬がないかということずてがあつて、たしかプロミンでしたか、二百人分ほど狩つて参つて非常に喜ばれたのです。そういうこともあり、それから東南アジアの方面でも同様な話も起つておりまして、先方から医師なり看護婦あるいは薬品等をという話がございます。しかし医師等の滞在費とか、あるいはその他も非常に安いということでありまして、こちからたとえば一般の医師とかあるいは何かをやるについてはいろいろな条件がととのいません。しかし、実は私前にも閣議で話したことがあるのですが、東南アジアの開発と申しても、いわゆる従来のような形で、東南アジアの開発をしてもなかなか成功しない。医は仁術と申しまするから、そういうような希望があり、また技術なりあるいは製薬等が日本は発達しているので、この方面からまず民意を得て、その後においていわゆる開発によつて経済陣が提携するということが、平和をつくるという意味においても、いい意味においてよいのじやないか。なおまた御承知の通り東南アジア方面は特にそうでありますが、ドイツの薬がそういう方面に相当まわつている。これは従来からドイツは製薬国でありますから当然でありますが、イタリアなり米国なり——ことにイタリアが相当安い薬を東南アジアあるいはその他に販路を広げております。私も終戦直後にイタリアへ参つたときに驚いたことは、イタリアが輸出振興ということに対して国をあげて相当の努力を払つておる、——イタリアは戦前から製薬国でもなんでもない、日本は製薬国である。そのイタリアがむしろ薬においてアメリカと拮抗して、あるいはドイツと拮抗して、イタリアの製薬会社が相当進出しておる。そういう点も児、この間私は大阪のある製薬会社に参りまして、そこの専務がたしか東南アジアを視察に行つて帰つたときの話で外国の製造薬品が——ことにイタリア等の薬品が相当進出しておるという話を聞いて参りましたが、政府においても調査するが、むしろそういう現実の問題は、皆さんの方で調査した現実に基いてわれわれも政策を考えたいと思うから、至急にそういう問題を教えてくれということを頼んだこともあるのです。そういう関係で、私どもいろいろな意味から、日本の製薬は日本の工業の中でも重要な地位を占める工業でありますから、そういうような意味でいろいろ調査をしてみたらどうかと申しておる次第であります。詳細の数字等は今持つておりませんが、そういうような次第でございます。
○池田(正)委員 今大臣から賠償に関してのお答えがなかつたようでございますけれども……。
○山縣国務大臣 賠償問題は、実はかつて閣議でも、その他の機会にも話したことがあるのですが、むしろこれを賠償に含めてやつたらどうか、たとえば医者が行く場合に、役務賠償という話がございましたが、賠償の問題は御承知のようになかなかデリケートな問題でございますので、そういうこともやはり頭に赴きつつ今後もひとつ考えて行きたいというふうな雑談的な話はいたしておりますが、まだ閣議でも決定したわけではありません。ただ私は、ことに東南アジアなんかにおきましては、これは役務賠償あるいはその他に関連して一つの考えるべき問題ではないか、かように考えております。
○池田(正)委員 やはり山縣国務大臣は、さすがに今までの厚生大臣と違つて視野が広いということについて敬意を表します。というとは、今私が薬の話をしましたところが、ただちに貿易の問題に結びつけた。私のねらいは実はそこなんです。つまり役務賠償について、私ども実は厚生省の資料でどのくらいの薬が出せるかということをちよつと見たのです。そこでこれは外交問題になつて来ますが、つまり役務賠償という建前で日本は今進んでおるわけなんです。しかし薬がうんと余つておるとすれば、必ずしも役務賠償ばかりに拘泥する必要はないのではないか、払うべきものは払つて——えびたい、こういうせりふを言うことはどうかと思いますけれども、えびたいということもありますから、払うべきものは払つて、そうして得るものは得るという建前が、私は今後の外交の上において非常に考えなければならぬ問題ではないかと思う。今ドイツ、イタリアの例を引かれましてお話がありましたが、そこで日本の製薬が東南地方にこれから進出しなければならないことは申すまでもないのでありまして、これはほかの商品とも関連して来ますれども、今厚生大臣が百われたように、つまり医者の役務賠償にからんでおつしやいましたが、それと切り離した場合も考えられるし、同時にそれをやつて行くのには、いい薬を安く売り込むということは、商取引としてだけ考えないで、やはり相当遠大な計画を立てて行かないといかぬのではないか。そこで、聞くところによれば、ドイツはインドネシアその他から国費をもつて医学の留学生を招致してやつておる。そのねらいは貿易の一環としてやつておるのだろうと思う。日本でも多少そういつたような計画があるように囲いておりますが、何か御計画はありますか。
○山縣国務大臣 そういうような計画はただいまのところありません。主として東南アジアから医師、看護婦等をよこしてくれという話を聞いておりまして、先ほど申した通りであります。ただ日本の製薬品が東南アジア初めその他に輸出されるについては、私は今一つの疑問を持つておるのであります。従来、日本の薬はイタリアあるいはその他に比して安くできるから、日本の外交関係が是正されれば相当出るだろうという見通しを実は持つておつたが、最近私が調査したところによれば、日本の製薬品のコストは決して安くない。ことにイタリアなどは、薬だけでありませんが、戦後における輸出というか、イタリアの対外商取引は研究すべきいいテーマだと思う。日本と同じような経済状態で、同じような領土を持ち、同じような人口を持つており、しかもイタリアの経済的な海外発展は非常にすばらしいものである。私は少くとも薬においては対抗できるものと思つておりましたが、私の今の悩み、また疑問は、コストは決して安くない。これでは日本の薬品をどうして外国に持つて行けるか。たとえばイタリアやドイツが東南アジアその他において現在薬品の販路を持つに至つたことについては、広告その他において相当の経費を払つておる、相当の下地工作をやつておる。そういうふうなことで、口に言えばやすいことであるけれども、製薬品を外国に出すについての経済的ないろいろな要件というものはまだ整つていない。そのためにはやはりコストを安くすることが一番じやないか。お話のように賠償の問題もありますけれども、やはり今後日本の製薬品が堂々と外国に輸出される、しかも短期にあらずして長期にわたつて行くということになれば、どうしてもコストの安い、しかも内容のいいものでなければならない。その意味において、これは実は委員会で御質問がありまして、日本の製薬会社のコストの大部分は広告費になつておるのではないか、アメリカに至つても、日本ほど新聞、雑誌等に薬品広告が出ていない、世界において日本が一番そのような費用を払つておる、その面から日本の製薬品のコストを下げて、そうしてもつと廉価で内容のいいものを提供することがいいのではないか、こういうことでありましたが、そういうようないろいろな合理化をはかつて日本の製薬品のコストの引下げをしなければならない。これは日本のインダストリーにおいても、現在三番目か四番目ではないかと考えるのですが、開通つておるかもしれませんが、それほど重大な一つの工業品でありますから、相当研究すべき問題ではないか、かように考えております。
○池田(正)委員 今生産のコストの問題も出ましたが、そうなつて来ると、これはひとり薬品だけでなしに、日本の全生産面に及ぶ問題でありますから、今論議することはやめます。それは私もよくわかる。ただそれとからんで、つまりドイツがやつておるように、ドイツがインドネシアの学生を、百六十人でしたか二百六十人でしたか忘れましたが、医者の学校へ国費で留学させておる。そういつたような手を日本でも当然打つていいのではないか。今の役務賠償でお医右さんをそのままやるよりも、学生を連れて来て日本の学校に入れてやるというようなこともあわせて考えなければならぬ。生産コストの面になつて来ると、全体の問題としては吉田内閣に大いに文句を言いたいことがあるのですが、この問題は今ここで論じたつてしようがありません。ことに山縣国務大臣は経済の専門家でありますから、私より伸詳しいはずなので、その問題は避けますが、要するに日本の製薬はこれ以上このままでは持続できない、何とかしなければならぬ。さらに貿易の面から見ても、日本の製薬というものは大臣が指摘されたように重大な役割を果す、そういう意味からいつて、これを伸ばすために、また国民外交というか、そういつた面からいつても、東南アジア方面からの留学生を日本に特別に政府の費用で招致して、これを日本の学校を出して送り帰す、これも一つの大きな方法じやなかろうか、将来これが根を張つて行けば、あらゆる画に寄与するのではないかというわけで、実はお尋ねしたのです。
○山縣国務大臣 私はまつたく同感に考えます。私の先ほどお答えしたのは、ただいまそういう計画を現実に持つてないということを申し上げたので、確かに今後研究すべき問題だと思つております。たとえばインドにたしか癩の薬を持つて参りましたが、当時英国は錠剤のものを持つて参つている。しかしこちらのものは相当良心的な、複雑な治療を伴う薬を持つて参つた。そのときどうしても医者あるいは看護婦が必要である、東南アジア等においても日本の薬を持つて行くためには、日本の医学あるいは日本の治療方法と関連がありますから、物的の点はまず人的の点から入つて行くことも必要である。日本でもそうでありまして、たとえば胃潰瘍の場合にしても、東京大学と大阪大学とは治療法が違うし注射薬も違うということでありますから、それと同じように、仰せのようなつながりから日本の製薬品の販路を考える。これは悪い意味でなくよい意味で考えるなら私はよいのじやないかと思う。そういう点をひとつ検討してみたいと思つております。
○池田(正)委員 そこで、今これを予算面に盛つて急にやられるということはあるいはどうかと思いますが、これは厚生大臣、十分お考え願つて、場合によれば薬剤師協会なりいろいろの民間団体もあるはずですから、そういう面からそれくらいの金は支出できると思う。今あなたか指摘されたように、雑誌、新聞の広告費が非常にかさんでいる、これも事実でございます。そういう面から考えるならば、宣伝費の一部をさいてもそういうことはでき得るはずです。それをひとつ厚生大臣として十分お考えになつて、民間団体と連繋されながら、これを指導、奨励してやつて行かれることがよいのじやないかという気もいたしますが、その点いかがでしよう。
○山縣国務大臣 私も回想に考えまして、先ほど申し上げた通り今後十分そういう点を考えてできるものならばやつて参りたいと思つております。
○福田(昌)委員 ちよつと関連してのお尋ねでございますが、東南アジアの賠償問題とからんで医療関係者の役務賠償の形での問題でございますが、これはどの程度具体的に進んでおるのか、この点承りたい。
○山縣国務大臣 外務省等においても話がありまして、私の方にも話がありましたが、まだ具体的にどうこうということはありません。まだ詳細な数字は手元にありませんが、医者一人当りの給与というか日当が非常に低いのです。それでは政府としては給与をとるとか日当をもらつて出すよりも、役務賠償等と関連して考えてもよいのじやないかという話も出ております。その程度でありまして、まだ共体的にどうということはありません。
○福田(昌)委員 医療関係者の役務賠償の点で、給料が低過ぎるから話が進まないというようなお話を承りましたが、これは考えてみれば当然のことでありまして、日本の医療関係者が、今自国内的にも技術者として非常に低い待遇においてくぎづけされているということは、一般に認められているところでございます。大体日本の行政機構というものは技術者を尊重しない、科学を尊重しないということが言われておりますが、待遇の点においても、まさに科学を尊重しない点が端的に出ているのでございます。日本で働いている医者の給料というものはきわめて低い。従つてそれにならつて、たとえば東南アジアの国々にしても、役務賠償の形で医者を懇望するときは、日本の低い給料を基準にして考えるであろうことは当然といわなければなりません。これを直すためには、やはり日本の技術者の国内における待遇をかえて行くということを考えなければならぬのでありまして、この点御配慮を願いたいと思うのであります。私どもが昨年ビルマに参りましたときも、ビルマの閣僚が、日本の医療技術は優秀であるから、日本の医療技術者を招聘してビルマの因の予防及び治療医学に当つてもらいたいと思つているが、幸いにも、日本行つていろいろ調査したところが、日本の医療技術者に対する待遇はきわめて低い、この点はビルマとしては非常に好都合であるというようなことを当時すでに申しておられたのでありまして、向うから見れば好都合でありましようが、こちらから見ればはなはだ不都合でございます。こういうことま、なぜかと申しますと、国内機構がそういうふうになつているからでございまして、この点、役務賠償として医療担当者を東南アジアに出そうと思うならば、国内的な科学技術尊重及び待遇の問題も相当勘案すべきものであるということな御配慮いただきたいのであります。 それにあわせて、医薬品の東南アジアに対する進出ということに関しては、これは貿易一般にも関連することでございますが、コスト高でその門戸がはばまれておるということを考えた場合、日本の国内態勢の警備ということが、医療関係においても非常に焦眉の急を要する問題であるということを御配慮いただきたいと思います。
○本間主査 午後は二時半から再開することにいたしまして、これにて休憩いたします。 午後一時二十三分休憩 ————◇————— 午後二時三十三分開議
○本間主査 午前に引続き、予算第二分科会を開会いたします。 質疑の通告がありますから、通告順に従つてこれを許します。中川源一郎君。
○中川(源)委員 私は勤労青少年教育に関しまして、いささか大臣にお伺い申し上げたいと存じます。 申すまでもなく、祖国の再建、日本の興隆は、何と申しましても、文化の普及、徹底にあり、文教ほど大切なものはないと私は固く信ずるのでございます。ただ、今日本の国家財政が不如意な関係から、必要欠くべからざるものでありましても、すべてが予算化されるということはとうてい至難なことでありますけれども、私どもは、義務教育を終えた者が、それで社会に立つて間に合うかどうかということを考えますと、どうしても高専教育を受けなければ、十分な技術家として、あるいはまた実業に従事する、社会に出るということは、無理であると考える。あるいはイギリスのように、フランスのように、ドイツのように、六・三・三まで義務教育制をとるということにいたしますればこれはともかくも、日本の六・三、中学だけでは、実際の社会人としては十分に間に合わない面が多いのでございます。どうしても高等教育をやらなければならない。中学を卒業しました者の九割以上は、なおさらに、高等学校に進みたいという意欲を強く持つておるのでございます。ほとんど九九%まで、進学の希望があると私は確信するのでございます。今日就学いたしております軒の平均は四〇%くらいに過ぎないのでございまして、たとえば東京都のごときは、八〇%までは高等学校に進学いたしております。また地方によりましては、三十二、三パーセントぐらいしか進学いたしてないというものもございます。けれども、教育の機会均等という基本的御念から見まするならば、進学の希望を持つ者には、あらゆる方法をもちまして、進学せしめなければならぬ。この趣旨によりまして、勉強したくても財政上許されないという者に対しては、働きながら学ぶことのできる定時制教育、あるいは通信教育というものが、教育基本法、並びに学校教育法に定められておるのであります。定められておるのではございますけれども、政府がすべて指導、監督、助言を十分にできる立場にあるかどうかということを考えてみますると、まことに不徹底なものもあり、また地方といたしましても、財政上その他の関係から不如意な向きが多いのでございます。私は祖国の再建、日本の興隆には、どうしても、働きながら学ぶことのできる定時制教育を一日も早く普及徹底することこそ、祖国の再建のかぎである、かように考えるのでございます。日本にはもうすでに金持というものはいないはずでございます。金持はみな税金になつてしまうはずであります。全日制の教育に学んでおる者でも、どうか働いて勉強してくれればよいのにと思つておる親たちは多いのであります。今日百万余りの全日制の教育を受けておる者もそうであると思いますが、また、五十三万人の定時制教育を受けておる者は真に、自分が働いて、そうして、その働いて得ましたところの賃金は家計に充てる、そうしてさらに学ぶという熱心な意欲を持つておる者が多うございまして、足が地についております。たとえば農業教育などについて見ましても、総合制の高等学校が至るところにあります。京都などはほとんど総合制をとつておる。東京は総合制は少いのでございますが、総合制の農業教育を見ますときに、総合制の生徒は、ほとんど足が地についていない。たとえば普通科の生徒が音楽をやつたり、ダンスをやつておる間に、農業教育を受けておる者は肥えたごをかついで肥しをやりに行かなければならぬ。ばかくさくてやつていられぬというような考えから、農業教育が、だんだん親に無断で普通教育にかわつてしまうということが非常に多くなつて、ほんとうに嘆かわしい状態にあります。それにひきかえまして定時制の農業教育は農繁期は一生懸命に働き、農閑期に勉強する。そうして決して全日制に負けない教育を自分が修める。単位をとりまして、そうして資格を得るということによりまして、文部省でも御調査になつております通りに、全日制の生徒と定時制の生徒と比較いたしまして、定時制は優秀であるという結果が現われて、決して負けていないということだけははつきりいたしておるのであります。日本を再建するのには、青年が働いてさらに学ぶという、人一倍の仕事をやり抜くということこそ今日の祖国を再建する唯一のかぎであると私は信ずるものでございますが、文部大臣はこれにつきまして強く御理解をいただいておるようでございます。六月二十九日の朝日新聞にも基本方針を御説明になつております。その末尾に、定時制教育の内容の充実ということについて力説をいたしておられまするので、私はまことに心強く感じておるのでございます。大臣のお考えになつおりますこの定時制教育に対する御方針、御計画ということを、私はこの際要点だけでもけつこうでございますから、承ることができるならばたいへんありがたいと思うのでございます。 今日は国家の輿論が、もうすでに大多数の者が働きながら学ぶことのできる勤労者の教育の普及徹底というものに対して、よほど力を入れておられまして、新聞もたびたび論説に書いておられまするし、また先般からも国会議員の各位に、定時制教育、通信教育というものに対してどういう御理解があるか、御支援をいただくことができますか、あるいは私どもは、勤労青少年教育振興法というものをつくつてもらわなければならぬ、こういう単独法をつくることこそ今日の急務中の急務である、かように考えまして、その賛否を伺いましたところ、面会のできた議員の方々はほとんどただちに賛成をされて、ただいま私どもの手元に三百名を越える議員の方が賛成である、これに対してどこまでも支援をしようと言われる署名が三百何遍というものが集まつておりまして、これはもう政党政派を超越いたしまして、働きながら学ぶということについて、非常に力を入れていただくという状態であることをながめまして、私は非常に心強く考える次第でございます。しかしながら予算の関係とかいろいろな関係で、まだ政府提案ということにまで至つておらぬということにつきましては、いささか私どもは心もとない考えをいたすのでございますが、これは来年度において御計画をされるというような、毎年引延ばすということでなしに、もうすでにこの教育は始まりましてから五年になりまして、卒業者も二回出しておるのでございまするし、文部省の御調査が、これは成績が良好である、優秀なものである、どうしてもこれに力を入れなければならぬのであるというふうに、見解が非常にはつきりといたしております今日におきましては、早くこの問題を立法化させまして、振興させなければならない、かように存じまするが、大臣のこの定時制並びに通信教育に対する御見解を、簡単でけつこうでございますから承りまして、その上で私はさらにお伺いいたしたいと思います。
○大達国務大臣 お話の通りに、わが国のすぐ次の世代をになうべき十五才以上二十五才以下の青少年、これは約千六百万人と承知しておりますが、これらの人々に対する教育が適切に充実徹底されるということは、これは非常に重大な問題であると思つておるのであります。しかるに義務教育を終えて、さらに高等学校に進学する者はわずかにそのうち三百万そこそこでありまして、大部分の千三百万人に及ぶこれらの青少年は、家計の不如意その他の理由によりまして進学して教育を受けることができない。これらの人々は働きながら教育を受けなければならぬ、かような実情にあるのであります。御指摘の通り定時制教育は、これらの人人のその向学の意欲にこたえるためにつくられた制度でありますが、これが御指摘の通りわずかにそれらは十三百万人のうちで現状五十三万人程度にしか達しておりません。お話の通りこれらの青少年は、働きながらしかも勉学の意欲に燃えておるのでありますから、まことに優秀な成績を収めておるのであります。この定時制の教育施設設備、この教育そのものを振興するということは、まことに重大なことでありますが、ただ予算の面から見ますと、従来これを担当する教職員の給与に関するものが、二十八億円程度のものが平衡交付金のうちで見ておる。施設、設備そういうものに対する補助に至りましてはわずかに本年度予算において一千万円、それからモデル建築補助費というものが百五十万円、通信教育の方が六百五十万円ですか、合計して千八百万円というまことにちよつと申し上げるのもはずかしいほどのきわめて弱貧な予算であつて、しかもこれが二十八年度初めて計上されたという状態であります。文部省といたしましては、この定時制教育の非常に重大であることを考えまして、この定時制教育を振興いたしますために一定の案を練つております。これがなかなか実は国の財政の関係もありまして、思うように参つておらぬというのが現在の実情であります。定時制教育振興に関して法律的な基礎をつくつて、この振興をはかつて参るということも文部省としてはもちろん考えておるのでありますが、ただ今日までのところ予算の裏づけ等に不十分の点がありますので、これが提案の運びになつておらぬのでありますが、今後これらの点につきましては鋭意努力を進めて参りまして、ぜひとも定時制教育の振興をはかつて参りたい。これがために必要であれば定時制教育の振興に関する立法を国会に提案をいたしまして、御協力をいただきたい、かように考えております。
○中川(源)委員 大臣の御答弁を承りましてまことに感謝にたえません。実にりつぱな抱負なりお考えを持つていただいておるということを聞きまして、まことに私どもは心強く思う次第でございます。 御承知の通り日本の国はただいま青少年の犯罪が非常に多くなつておる、今日は老人は犯罪を犯さない、しかしながら青少年は相当な犯罪を、二十七人に対し一人犯しており、軽犯罪は川名に一人の犯罪を犯す、軍隊のある時分には兵隊に行つて犯罪を犯すような余地もなかつたのでございますが、だんだん恐ろしい殺人、強盗窃盗、強姦、というような罪を犯す者が二十五才から以下十三才までというように、年齢がますます低下して行く、そうしてますます犯罪者がふえて行く、こういうまことに難かしい日本になつてしまつておるのでありますが、その原因を調べてみますると、教育の普及徹底を怠つておるという向きも多うございまして、先日も刑務所の方に行つて、非常に優秀な通信教育を受けて、まじめに勉強しておる者というのを調べてみましたら、涙ながらに若い青年が語りました。その前に私は京都から奈良までの間自動車で走りましたところが、若いほんとうに自分の孫のような子供が刑務所の犯人として土木事業に従事しておる、たくさんの者が事業をやつておる、何という犯罪者がこんな子供ばかりになつてしまつたのだろうと申しておつたのでありますが、刑務所に尋ねまして、私どもはなぜこんな恐ろしい罪を起したかということを考えてみましたときに、まつたくこれは教育をなおざりにしておつたからであろうということをいまさらに悟りまして、刑務所に入りながら一生懸命勉強をいたしております。すなわち国民は教育の機会均等を与えられて、われわれも学ぶことができることはまことにありがたい、私は今度出獄いたしましたならば、絶対に犯罪は犯しませんからというような模範生がございました。ですから中産階級程度の者の犯罪が非常に多いのです。これは警察を充実するということよりも、まず教育に力を入れるということが大切じやないか。定時制の教育に今五億とかあるいは十億のわずかな金しか行きません。警察の充実に対しては佃百億とかいうような金を出しますが、それよりもまず教育に力を入れまして、犯罪のない国にしなければならぬ、これが大切なのです。今人口調節と何とかいろいろなことを申して八千五百万の人間が小さな四つの島でひしめき合つて暮さなければならぬ、日本に食糧が足りない、人口の多いことを嘆く人がありますが、私はこの八千五百万の日本の国民は世界の宝にならなければいけない、日本のすべての青少年に対しまして教育を普及徹底せしめまして、専門家、技術家をたくさん出す、頭の力において決して外国人に負けない日本人である、アメリカでも日本人は頭が優秀である、東洋の民族で一番優秀である、アメリカ人も日本人の頭には負けるかもしれない、かように申しておる、日本人は頭の力によつて世界を指導するに足るところのりつぱな技術あるいは専門家をつくることによつて、私は日本の再建をし、世界に君臨しなければならない、かように考えましたときに、実際自分が働いて学びたいという意欲を持つている者こそ優先的に扱うべきである。準義務教育として定時制教育、通信教育を払つていただいておると思いますが、さらに一般の教育者が準義務教育として優先的に勤労青少年教育をすべきであると考えておるかというに、今日遺憾ながら全日制の教育と定時制の教育と比較いたしまするならば、全日制の教育の方が大切であるかのことく考えている教育者も多数おるわけです。今日では差別待遇をされております。たとえば教職員の配置等につきましても、全日制の七割あるいは人前くらい、しかも專任教師が足りない、わずかの専任教師しかいないというような状態でありますが、それに対してすでに平衡交付金の中で四割の国庫補助をしておられるのです。これは平衡交付金に入りますまでは単独に補助を出しておられたのでございますが、ただいまでは平衡交付金の中に入つております。平衡交付金の中に入つておりますと、文部省の指導あるいは助言あるいは方針がどうも地方に徹底しにくい、それではいけない。どうしても直接に地方自治庁の手を離れてを出すようにしなければならぬ。先ほど大臣が仰せになりましたような二十八億の金は文部省の指導、助言によつて使わるべき性質の補助金にしなければならない、かように存ずる次第でございます。これに対しましてわれわれも一致協力いたしまして、一日もすみやかにひもつきのわくの中に入れられた補助金にするように協力いたしたいと思うのでございます。 さらにまたただいま仰せになりました施設の補助金としてすべてで一千八百万円、わずかでまことに心もとない次第でございますけれども、かりに単独法をつくりまして、本年はわずかしか支出はできないけれども、将来はこれに付倍かふやして内容の充実をはかるのであるというような方針を定めていただきませんと、ただいま全国に三千二百も定時制の学校がありますが、その中で中学校の校舎を使つておるものが千ほどあり、二千二百ほどの中でどうも内容の充実していない、これでも高等学校の教育が。きるかというような、設置基準というようなものではなく、非常に貧弱な設備しかないというものが大部分でございまして、このままで参りますならば、おそらく定時制に魅力がなくなる、あるいは一段低い教育である、内容の充実していない教育である、こういうふうな解釈を一般の人がするようになつて参りますので、せつかくこういうりつぱな教育制度をつくつていただいたのでありますから、幾分かでも誘い水のために補助金を出して、そうして内容の充実をはからしめるというようなことをしてもらいたいと思うのでございますが、この設備に対する大臣のお考えを伺いたいと思うのでございます。 また分校の校舎建築につきましては、地方財政が今日非常にきゆうくつな折柄、それでもまず分校でも建てようという意欲が非常に強い市町村におきましては、熱心にこの分校の建設に努力いたしておりますが、ぜひとも建てなければならない、またまさに危険状態にある危険校舎を改築しなければならない、どこに参りましてもこれでもほんとうに学校かと言われるような建物の中で、定時制教育の行われているのが多くありますが、それらに対して改築をする、あるいはまた新設をするというようなものに対して、たといわずかでも三分の一の補助金でももらえることができますれば、その地方地方の発展策になりまして——定時制教育があまねく普及徹底しておるところと徹底していないところ、たとえば滋賀県のごときはわずかしか定時制教育はありません。しかし全額県費をもつていたしております。県費はけつこうでありますが、それではなかなか容易に建たないという状態でございますので、政府から三分の一でも補助金を分校建設に対して出してもらえるということでございましたならば、もつともつとふえまして、ただいま中学を卒業した者が三分の一しか入れないものが、あるいは半分、あるいは六割も七割も入るようになるのではなかろうか、こう考えまして、分校建設につきましては早く補助金を出すように、また補助金を出せないという状態でございますならば、せめて起債だけでも認可することができるように、起債も今日まだ認可しいない、——今回は少しの予算を組んでいただいたようでございますけれども、これではとうてい足りませんので、もう少しこの起債の認可をする、あるいは補助金を出すという、分校建設に対する奨励の対策を講じていただく考えがないかどうかということを伺いたいのであります。 それから育英資金でございますが、大体日本育英会の資金は生徒数に割当てて各県に配当されております。それによつて各県の育英会の支部長は学校の人数によつて割当てていうものが多いのです。しかしその育英会の条件は、御承知の通り貧しいということが第一条件であり、第二は勉強もよくできるという、この二つの条件がそろつている岩に対して育英資金を流用せしむるというわけでございますが、全日制の生徒と定時制の生徒を比べまするならば、これは比べものにならない。全日制の生徒は大体においてゆたかである。それを数によつて割出てることは無理である。定時制の子供は、たとえば父が戦死いたしまして、母や年寄りを自分の力で養いながらさらに学ぶ、工場に勤めて得ました収入は母や年寄りに向ける、自分は五時に工場を終つて、公事をとらずに学校に行つて、夜の十時になつてようやく食事をするというようにして勉強している者が大多数であります。こういうようにいたしております間に病気になつたり、いろんな無理が重なるために定時制教育を受けることができなくなる。これはどうしても通信教育によつてさらに学ばなければならぬと思うのでございますが、通信教育に対しましては国で定められた、あるいは推薦された書物に対して補助金を出すということにし、また途中で挫折する者のないように、育英資金をまず貧しいという点から参りましすならば、優先的にこの定時制の教育を受けている者に多数これを利用せしむることが必要ではないか、全日制よりも、痛切に感じるのは定時制でございます。ほつておきますこ、入りましたときから卒業するまで半分くらいに減つております。全日制はさよなことはありません。ほとんど八割、九割の者が卒業いたしますが、定時制の方はそういう財政経済の面からどうしても行けなくなつて参りまして、経済的に詰まつている者が多うございますので、これに対して育英資金を流用せしむることこそ今日の急務である、これは優先的に流用せしむる必要があると私は考えまして、地方々々の教育長なりあるいは学校長なりに、このことは参りますたびことは印すのでございますけれども、まだはつきりとそれを考えている者が少うございます。文部省の方からもその点を日本育英会とお打合せをいただきまして、さらに教育長あてに、ほんとうに貧しい者から優先すべきだ、そしてよく勉強のできる者に流用せしむるように、生徒の数によつて割当てるということよりも、貧しい、途中で挫折しなければならない者を食いとめるために、この育英資金を流用せしめたらどうかというような通牒を発していただく必要が、私は今日はあると思いますが、いかがでございますか。 また私はこの産業教育振興法のできました精神は、第十六条にもある、定時制のごとき働きながら学ぶことのできる、設備のないところに設備をせしめるというのが振興法をつくるときの最初の動機であつたろうと思います。にもかかわらず、昨年は大蔵省の査定の誤りであると私は思いますが、文部省の意向に反して五〇%以上理科設備のできているものに、さらに補助を出すというようなことがきめられたものでありますから、定時制は五〇%できておるのはほとんどないので、潤わないということで、今度は一五%以上七〇%以下のところに流用せしめるということになりましたので、大分定時制に潤うのではないかと思うのでございますけれども、これも文部省の指導方針がその点はつきりとしまして、主としてこの産振法の予算は定時制に流用すべきである、定時制に優先すべきであるということの通牒を出してもらう必要がある、私はかように考えるのでございますが、いかがでございますか。 また高等学校を卒業いたしましてをさらに進学をいたしたいという希望持つておる者に対して、大学局はどの府県にも一つずつ大半をつくることは必要であると認めておられる。一般昼間の大半は多過ぎて、これは私は整理すべきであると思いますが、夜間の大学は、私立の大学はありますが、公立の大学は少い。私立の大学は授業料も高いし、荷い金額の寄付金も出さなければならぬようなこともありまして、貧乏な働きながら学んでおる者はなかなか行けないという状態でございますので、どうしても公立の大学を開放してもらわなければならぬ。まず東京大学を先に開放して、そうして学びたいという意欲を持つ者が学ぶことのできるようにしてもらわなければならない。大学の先生たちが相かわらず象牙の塔にこもつて、優秀なる者を少数よリ出さない、夜間に教えるのをきらうというようなことがあつては、教育の機会均等の精神に反するものである。早くこの東京大学をまず開放して、そうしてどこの大学も貧乏な者が、授業料をほとんどなしに、あるいは安い授業料で、昼間は勤務しながら夜間に勉強できるようにしてもらいたい。たとえばオハイオ州立大学のごとき、オハイオ州立大学は朝の五時から夜の十時までレクチユアをやつております。いつでも自分の都合のよい時間に勉強することができる、これほど便利なものはないのです。そういうふうに学びたい者はいつでも講義を受けることができるという進歩的な大学にしなければならない。旧体制な東京大学であつてはならない。多くの者を学ばす、希望者は皆利用せよ、開放するということこそ今日の急務中の急務であると存じます。いつまでも象牙の塔にこもつて、これを捨てておくということは国策上特によくないことであると思いますが、大臣のお考えはいかがでございますか。 これに対して、各公立の大学に対して警告を発していただきまして、昔のような考え方をやめにしよう、教育の機会均等という精神を普及徹底せしめ、あまねく教育を徹底をせるために開放せよという通牒を発していただく必要があると思うのでございます。地方ではもしも開放されたならば、もう入り切れないほどたくさんな入学志願者があふれることを私ははつきり保証することができると思うのでございます。 これらにつきまして一括して大臣か御答弁をいただくことができますならばたいへんありがたいと存じます。
○大達国務大臣 ただいま勤労青少年の教育に関してるるお述べになりました御意見に対しましては、私もことごとく同感であります。御指摘の通り、今日は非常に青少年の犯罪が多い。これは終戦後の社会的な混乱、この社会環境が非常にかわつて来たということが感受性の特に強い青少年にとつて相当影響しておる関係と、さらに、御指摘の通り、青少年に対する教育が不徹底であつて、学校におきましても昔のような整然たる教育が見られなくなつて来たこと、また家庭におきましても、家庭の経済上の関係がありまして、父母が勤めをしたり内職をする方に追われて、子供のめんどうを見て家庭教育に身を入れてやることが少くなつりたこと、こういうような事情が非常に影響しておると思うのであります。お話になりましたように、刑務所に入つて初めて気がついて本性をとりもどして勉学をしておるというような青少年も一向に珍しくないのでありまして、最近、通信教育を受けて非常に優秀な成績を上げた学生——というても年寄りもおりますが、その何十人かの表彰を文部省でいたしたのでありますが、そのうちに、相当の重罪を犯して刑務所のうちにおいて通信教育を受けて、熱心な勉学の結果きわめて優秀な成績を上げた人がございます。これをことし表彰者の中に加え得たということは、これは初めてのことでありますが、私は非常に喜ばしく思つたのであります。さようなわけでありまして、今日の青少年にはどうしてももう少し教育を徹底させなければならぬし、またまじめな青少年はこれに飢えておるというのが実情でありまして、一般の経済的な面の低下のために、先ほど、申し上げましたように義務教育を終えて上の学校へ行けないという青少年が大部分である。それで、働きながらしかも勉学の意欲に燃えている青少年のためのいわゆる定時制教育、また通信教育、これらが御指摘の通り現状きわめて不十分であります。また、定時制の学校に入るだけの時間的の余裕もないまままだ残されている多数の勤労青少年というものは、勉学の意欲が旺盛であるにもかかわらずそのまま放置せられておるのが現状であります。青年学級振興法というものが政府提案で今回の国会に提案になつておるのでありますが、これもむしろ青少年側から自発的に、自然発生的に起きて、定時制教育も受けられないところの、きわめて時間的の余裕の少い地方の青年が、公民館等に自発的に集まつて講習を受ける、短期間の勉強をするということが一般に地方全体に広がりまして、それで政府としてもこれに対して補助をして、それを助けて行きたいという趣旨でできたのであります。私は、今日勤労青少年が、一面この社会的な激動の影響を受けておつて、われわれのような前の時代の年をとつた者から見ますと、非常ににがにがしい面が見受けられますると同時に、また他面において非常に勉学の意欲に燃えておることをたいへんたのもしいことと思うのであります。これはぜひとも教育の面においてできるだけ徹底した施策を講じて、これらの青少年の勉学意欲にこたえたい、かように強く私は感じておるのであります。 この定時制の教育に対する施設の補助等の問題でありますが、これも、何分働きながら学校に行く青少年でありますから、どうしてもいなかの山間僻地等の分教場におるということに自然になるのであります。これもきわめて不売全な施設でありますが、青少年の熱意に動かされて逐次分校ができております。文部省といたしましては、さしあたり定時制教育の振興に関する一定の財政的な計画は持つておるのでありまして、総計五十四億ですか、その中には、現在二十八億が平御交付金の中に含まれておりますが、ベース・アツプその他の教職員の充実ということも考えて、それを三十七億、あと残りの十七伍というものを施設その他の拡充に充てる、実はこういう一定の方寸と申しますか、振興に関する案を立てて、従来大蔵省とも折価して参つたのでありますが、先ほど申し上げましたように、この点がまことに微力でありまして思うように参つておりませんが、今後ともその努力を続けて参りたいと思つております。 それから、定時制教育を受ける青少年学徒に対する育英資金の問題についてのお尋ねでありますが、これもまことにごもつともであります。これらの勤労青少年に対して大学教育を開放するということは、この事情はよくつまびらかにせぬのでありますが、いろいろの点で、事務的に考えましても相当困難な点がありはせぬかと思いますけれども、しかしこれもできれば非常にけつこうなことであります。これらについて通牒その他の措置によつて指導すると申しますか、そういう道を開くことが適当でありますならば、その点十分に研究をいたしまして、そういう措置をじて参りたいと存じております。 なお詳しいことにつきましては、御必要がありますれば関係の局長の方からお答えをいたします。
○中川(源)委員 懇切な御答弁を感謝いたします。ただ夜間大学につきましては、先ほど私が申しましたように、どうも大学の教授連中が古くさい頭を持つておられまして、教育の機会均等の実を上げるというような考えを持たれる人が少い、私はかように観察しておるのであります。これを開放してもらわなければ、定時制のために新設するというようなことはとうていできないことでございます。またこの教育基本法によつて教育の機会均等を得せしめるべきであり、何人といえども希望者は入学できるものであるということに当然しなければならないのでありまして、早く開放いたしまして、先生たちが古くさい頭を持たないように、多くの者を学ばす日本にしなければならないというような考えを狩つていただくように、文部省から慫慂してもらわなければならぬ。そのまま捨てておいてはとうていそれがおぼつかないのでございまして、入学志願考はあふれるほどあるということはだれしもよく観察するところでございますから、ひとつこの点をよく御調査くださいまして、なぜ大学が開放しないのか、開放しないでそんなようにつつぱつておつてよいものかどうかというようなことについて、どうしても教育の機会均等の実を上げなければならないという原則にのつとつて開放せしめるということの御交渉を、ひとつ文部省にやつてもらいたいと思うのであります。 それから今回青年学級の予算が出ましたことは、私はこれはけつこうなことであると思いますが、青年学級は御承知の通り社会教育であつて、まず軌道に乗つておる定時制、通信教育を普及徹底せしめまして、これが完成しましたあかつきには、さらに社会教育にまで手を伸ばすということならばけつこうであります。肝心の定時制教育を中途半端にしておきながら、またさらに青年学級をやるというようなことは——青年学級は単位をとつて資格を得るというようなものではありません。一般の中学を卒業いたしました者は、さらにかわつた高等学校の先生に教えてもらいたい、そうして学んだ以上資格もとりたいというのが一般の子供の考え方でございます。青年学級は資格もとれないし、またときどき頼んで定時制の先生に教えてもらうようなことがありましても、大体は中学校の先生に教えてもらうのである。それでは少し勉強したらば必ずいやになつてしまう。資格をとりたい、かわつた上の先生に教えてもらいたいという考えを起すに相違ないのでありますから、まず定時制や通信教育を充実した上において青年学級をやるべきである、私はかように考えておるのでございますが、どうかこの点もよく御検討いただきまして、いかに定時制が今日恵まれていないか、通信教育が恵まれていないかということをよくお考えくださいまして、どうしても教育によつて日本の再建をはからなければならないし、また働いてさらに学ぶ、これこそがほんとうの力でございますから、一刻もすみやかにこれを充実下ることをやつてもらわなければならぬと思うのでございます。 私が頭の下るのは定時制教育の教職員たちでございます。これらの方々は赤旗を振つたり俸給を上げてくれというようなりくつを言う時間がないのでございます。先ほど申しましたように、ほとんど定員が少いのと乙号基準の六掛、七掛ぐらいの教員しか持つていないので、ほかのことをやつている余裕がない。中学校でこういう学校が多いのです。校長、副校長、主席、これだけの先生が遊んでいる。何ら教育はいたしません。われわれの子供の時分には校長まで教えたものです。校長、副校長、主席は遊んでいる。次席の人が十時間受け持つている。それらの人は組合活動に熱中している。こういうようなことが多いのであります。ところが定時制を考えてみますときに、主席が相当な時間を受持つておる。そうして一時間も休む間がない。これらの人は自分の待遇とかあるいは昇格というようなものを忘れてしまつて、一生懸命に勉強して子供を教えておる。卒業式に参りましてもこれがよくわかるのです。非常にまじめな、元の日本人らしい生徒であり、先生である。 この一般の義務教育の先生方で、私どもがまことに寒心にたえないのは、俸給を値上げしろ、俸給を上げなければストもやろうじやないかといつて、教育を放棄する。あるいはPTAの方々に、こういうことにひとつ賛成してくれと署名を求めて、PTAを使つて俸給値上げの運動をしておる。私、地方に参りましても、廊下にへたり込んで何日でも動かないというようなことが、今日はやつておるのでございますが、そんなことで日本の国が再建できますでしようか。私は日本の今日までの教育というものは実にりつぱなものであつて、先生の言われることを親の言われることよりも大切であり、神様のような気持で先生を奉つて来たのであります。それが今日、ある一方の政党だけを攻撃して、自由境はけしからぬと自由党のみを攻撃する。そして一方の政党だけを支持して政治に狂奔する。俸給の値上げのみに走つておる。そういうようなものが多いのでございますが、しかし定時制の教職員だけはそれはありません。そうしてとうに自分の待遇を忘れてしまつて、一生懸命に努力しております。これらの黙つて一生懸命にやつておる人をほつておくということは、私は国策上よくないと思うのでございますが、これらの教職員の定員につきましては、これを確保することができるように、各都道府県が定員の七掛ぐらいなものはどうしても確保せよということを奨励してもらう必要があると思うのであります。 それから特殊勤務のことです。夜間に教えてまた昼間にも教える。人の倍の教え方を先生方がやつておられるという状態を私どもは眼のあたり見ておるのでございますが、この夜間に教えるというのはよほど労力の消耗もありますし、家庭の事情もいろいろ困難なことがありますので、これらに対しては北海道がやつておりますように条例を出して、——北海道では本俸の一割を特殊勤務地手当として出しておるわけでありますが、そういうふうに全国的にもう少し眼をあけて、よくまじめに働いておる先生方をもう少し優遇しなければ、りつぱな人がいつまでもこんなことをしておつて、自分の家が、自分のからだがもたないということになつて来るのではなかろうか、こう思いますので、こういうりつぱな方々の特殊勤務を認めて、それぞれの待遇をすベきである。先生方は要求をいたしませんが、われわれがほつておけないという気持になつておるわけでございます。早くこの日本を再建するためにはこの勤労者の教育を普及徹底せしめまして、そうして教育振興法案を通過せしめる、これは政党政派を超越いたしまして、全会一致で賛成するものであると私は確信いたすものでございます。幸いに大臣が定時制教育、通信教育というように勤労者の教育に対しましては非常に御熱心で、力説していただいておりますので、大臣を先頭に立ててわれわれが一致団結いたしまして、そして早く日本全体あまねくこの教育の普及徹底をいたしますように、ますます振興いたしますように努力いたしたいと存じますので、どうぞこういう点を御了察くださいまして、私は一々大臣の御答弁をいただかなくても、要望というようなことで、お聞きくださいましてもけつこうでございますが、よろしくお願い申し上げます。答弁をいただくことがございましたならば、承りましてけつこうでございます。
○大達国務大臣 お話のこと、一々同感でございます。御趣意の点につきましてはよく考慮いたしたいと存じます。
○福田(昌)委員 文部大臣にお伺いしたいのでございますが、この間の北九州を中心にしての水害の現地を見ますと、小学校も中学校も高等学校も被害が多いのでございます。また流失家屋が相当にございまして、教科書も一緒に流された家庭が相当あります。流されないまでも水浸しになつたというような家庭も相当数ありまして、小学校の本から中学校、高等学校の本などが道にほしてあるというような、きわめて気の毒な惨状でございまして、こういう水害地に対しまして、当局としてはどういう特別な御配慮をなさるおつもりか、承りたいと思います。また学校の校舎にいたしましても相当な被害が出ております。被害のこまかな数字は、私いまだつまびらかにいたしておりませんが、わかつておりましたらお答えいただき、これに対する応急対策についてお答え願いたいと思います。
○大達国務大臣 このたびの四日本水害は、非常に珍しいほとんど未曽有の災害であつたと思いますが、学校方面と申しますか、教育関係におきましても相当大きな被害をもたらしたのであります。それに対しまして文部省当局といたしましては、一面ただちに関係の事務官を現地に派遣をいたしまして、現地における対策部に加わりまして、被害の実情の調査並びに現地における救済の方法、手段等について調査をいたしました。また東京におきましもて災害対策について文部省だけの内輪の組織をつくりまして、そうしてすみやかに応急の措置が講ぜられるように、措置を講じてただいままで参つておるわけであります。 まず第一は教科書の問題でありますが、これは水害があつたということを聞きますると同時に、できるだけ教科書あるいは教材、文房具、こうようなものを東京で集めまして、現地の情勢に応じて急送ができるように手配をして参つたのであります。そこでただいま。までにも従来の教科書の供給の残本がございますので、これを各発行会社の在芦品と合せまして、災害地に急送する手配をして参りました。それからなお災害県として熊本県を除きましては教科書の総括所というものが罹災をしておりませんので、これはほんとうに幸いであつたのでありますが、その在庫品を罹災者に対してとりあえず供給するように手配をいたしました。なお十三日に災害各県の教育委員会の教科書事務担当官、そうして九州各県の教科書供給業者、それから御承知の社団法人教科書協会、これは教科害発行者の団体でありますが、これらのものを福岡現地に招集いたしまして、おのおの具体的な資料を持ち寄りまして、この協議会にかけて、なおこの上手配に万全を期するようにしておるのであります。それから高等学校の生徒に対しましては、教科書を無償で給与するということについて災害救助法に規定がありませんので、これにつきましては給与方について別個に方薬を講じて参るつもりであります。 それから災害救助法に基く救助の基準単価というものは御承知の通りきまつておるのであります。現行法では小学生が五十五円、中学生については二百七十五円、こういうふうに金額において定められております。これは教育用品、つまり教科書を含む教育用品等でありますが、これを小学校については五百円、中学生については一人当り千百円ということに増額をいたしまして、そうして今度の水害は非常に長期にわたることでありますし、できるだけ遺憾のないような方策を講じて行きたいと思つております。
○福田(昌)委員 非常な御配慮をいただいて感謝いたしておりますが、重ねてお伺いさせていただきたいのは、校舎が相当やられております。また流失した校舎があるかにも聞きましたし、あるいは半壊の校舎も相当あるのでありますが、こういう校舎に対する具体的な措置を承りたい。
○大達国務大臣 大体今回の災の復旧に関しましては、必要の経費を、応急対策に関する経費、そうして恒久対策と申しますか、今後日数をかけていたさなければなならないもの、この二つにわけて立案をして、関係省に折衝をいたしておるのでありますが、応急対策といたしましては、ただいまちよつと申し上げました罹災学生の援護に関する経費、これを一億円ばかり見ております。それから高等学校の生徒の救助に要する経費をただいま二千二百万円ばかり見ております。それから学習指導要領と指導手引書を無償で配付をするための経費、それから学校給食物資が流出をいたしましたので、これをとりあえず補填する経費、これらのものを合せて一億七千八百万円程度の応急経費を見ております。それから恒久対策、これは相当金を食うわけでありますが、国立学校の施設復旧に要する経費を四億円、それから公立学校の施設復旧に要する経費が二十四億六千万円、公立学校の教具、いわゆる机、腰かけ、そういう類のものもみな流れてしまつておるのでありまして、こういうものの整備に要する経費一億四千万円、それから私立学校の方の施設を復旧するための経費が八千六百万円、社会教育施設の復旧に要するものが四億四千万円、その他文化財保証、これは文部省直接の管理でありまして一億一千万円、合せてこれらの経費三十六億六千万円、応急対策の経費と恒久対策の経費を合計して三十八億円ばかりでありますが、まず一応かような計画を立てまして、所要の災害対策としてただいま関係当局にも折御しておるのであります。
○福田(昌)委員 いろいろ御配慮いただいて非常にけつこうに存じますが、たとえば高等学校とか大学に行つている学生なんかもちろん相当罹災しております。こういう学生に対する育英資金のために、育英関係の問題におきましては、優先的に、告別に御配慮いただけるのでありましようか。
○大達国務大臣 ただいまのところでは援護、救護という経費は、育英資金を特にそこへまわすというところまで行つておりませんので、御了承を願います。
○福田(昌)委員 これについては、ただいまいろいろこまかいところまで御配慮いただいた御施策を承つておりますので、非常にけつこうと存じますが、罹災地の子供で大学に行つていらつしやる方が相当あると思うのであります。こういう方々の家は、大学にやれるくらいの相当の家であつたのが、一挙にして流されたというのが相当あると思いますが、そうした家庭の子弟に対して、育英制度の優先的恩典ということをぜひ考えていただきたいと思います。 今お話の義務教育概則の水害に対します教科書その他学校用品の援助というものはよくわかりました。また高等学校に対してもいろいろ御配慮いただいておるわけでありますが、災害救助法からいたしますと、高等学校には何らの援助がないわけでございます。しかしながら現先には高等学校の生徒にも相当の援助を必要とするということになりますが、これに対しては今お考え中とのことで、現実には考えておられない問題ですが、どういう具体的な立場で御援助いただいておるか、いま少し伺いたいと思います。
○田中(義)政府委員 実はお話のように、災害救助法は義務教育に関するものだけしか予定はいたしておりません。それで高等学校の学生について、この援助が受けられませんことは、今回のような場合、ことに事態に即さないということを考えまして、とりあえずは予算措置として何とかその欠陥を補いたいと思いまして、ただいま大臣から御説明になりました数字の予算をもつて、ただいま折衝をいたしておるのであります。従つて根本的な問題として、将来の問題としては、私どもかような実例にぶつかりましたところをもつて検討を続けて参りたいと思つておるわけであります。
○福田(昌)委員 そういたしますと、六・三までが義務で、あと三・四は義務教育でないのでありますが、しかし教育の立場から考えますと、すでに高等学校に行つておる生徒に対しても、ある程度の対策を考えるのが当然であります。従つて高等学校くらいまでの学生に対しては、災害救助法で援助をするというふうに、ある程度災害救助法の内容に関する修正をお考えになりますかどうか。
○田中(義)政府委員 当面の問題としては、法律にはつきりさようになつておりますので、法律改正をまちませんとその実現が期しがたいのでございます。従つて私どもも先ほど申しましたように、とりあえずの措置として、予算処置によつてその欠陥を補いたいと思いまして折衝中でございます。法律の問題につきましては、将来の問題として検討いたしたいと考えております。
○福田(昌)委員 進んで積極的に災害救助法のその方面の改正を要望なさる御意思はございませんか。
○田中(義)政府委員 法律の建前になりますと、これは厚生省関係等でそれぞれ事情もおありと考えますので、ただいま私の方でそれをどうするということは申し上げかねますけれども、しかしともかく実際に即するような方向に持つて行きたいというのが、文部当局としての希望でございます。
○福田(昌)委員 ぜひ積極的にそういう対策を立てていただきたいと思います。 次にお尋ね申し上げたいと存じますが、青少年教育に対しまして、非常に予算的に増額していただいたことは、たいへんけつこうだと思いますが、青少年教育の今日の教育機関及びその教育内容について、少し詳しく聞かしていただきたいと思います。
○田中(義)政府委員 青少年教育とただいまおつしやつたのでございますが、つまり勤労青少年教育に関する事柄と一応拝承いたしまして、私そのうち定時制教育並びに通信教育について関係いたしておりますので、その所管事項について申し上げます。 定時制教育につきましては、学校教育法の定めるところによりまして、普通高名学校で三年要します修学年限を四年といたしまして、その間全日制の高等学校と同様に八十五単位をもつてこれを卒業する、こういうことになつているのであります。ただそれに対します特別な国としての補助と協力をなす必要がございますので、そのために従来とも文部省といたしましても努力をいたして参つているのでありますが、その重点といたしますところは、教員の優遇の点と施設設備の充実という点であります。教員の優遇という点につきましてはただいま平衡交付金におきましてその教員費の需要額を見ているわけでありまして、これに対しましては教育の立場から申しますとはなはだあき足らない不十分な点もございますので、これを国庫補助の方に打つて行きたいという考え方を一応抱いております。なお施設設備につきましては、独立学校よりも特に山間僻地にございます分校についていろいろ問題がございますので、その分校に関する施設設備の充実を特にはかつて行きたい、かように考えているのであります。二十八年度におきましては、はなはだいささかではありますけれども、その分校の設備の補助として一千万円の予算の計上をいたしております。なおモデル・スクールの補助のために百五十万円、その他定時制教育の中に含めまして御承知の通信教五もやつているのでありまして、その通信教育に関します各種の運営費のために二十八年において六百五十万円の補助を計上いたしておりまして、合せまして千八百万円の補助になるのでありますか、これはとうていわれわれの期待いたしているほどではありません。ともかく本年度一応これらの項百が認められたわけでありますので、将来なお一層その充実を期しまして、勤労青少年の教育のためにその拡充をはかりたいと考えているのであります。
○福田(昌)委員 今後ともますますそういう定時制及び通信教育の整備、またその機関で教鞭をとられている先生方の待遇等につきまして十分御配慮いただきたいと思います。 続いて関連してお尋ねさせていただきたいのでありますが、地方にたくさんできております青年学級の現状とその教育の内容について付いて伺たいと思います。
○寺中政府委員 この地方におります勤労青少年の数は非常に多数に上るのでありますが、生活の実情から見まして、それらの青少年を全部定時制高等学校に就学させ、あるいは通信教育を実行させるというわけに行かない、そういう生活状況にある者が相当あるのでありまして、そういう意味で地方において自然発生的に共同学習施設といたしまして、青年みずから青年学級をつくりまして、それが漸次全国に普及し、現在一万一千学級、約百万人の者が青年学級において勉強をするという形におるのであります。大体その青年学級の運営は一年間百時間ないし百五十時間ぐらい、これが勤労青年として勉強のためにさき得る時間数であると思うのでありますが、その応酬を活用いたしまして、明日の生活に必要な教養、知識をみずから持ちたいと熱願し、また自分らで講師等をいろいろ都合をしまして勉強をしておるというのが青年学級の実態でございます。しかし実際上経費の点あるいは指導者の点で非常に困つておりますので、これに対して国家といたしましてもある程度助成をいたし、青年学級の振興をはかりたいという意味をもつて本年度七十二百万円ばかりの補助金を計上いたすことになつておりまして、その助成の根拠といたしまして青年学級振興法の上程をいたしておるような次第でございます。 なお青少年教育の問題といたしましては、青少年団体の育成ということが非常に重要な問題でありまして、青少年団体も名市町村地域を小心に約四百万ぐらいが青少年団を組織しておるということになつておるのでありますが、これに対しましても青少年指導員というものを各地方に配置することをいたしておるのであります。現在百四十四名、すなわち各府県三名、北海道においては九名の青少年指指導を、国費でその給与に対して三分の一を補助いたしまして、これらの者に青少年団体のいろいろの世話あるいは計画その他の施設についての指導あつせんということをやらせ、また講演会や研究集会等を開く際に、指導者としてその相談に乗るというようなこともいたしておりますので、これによりまして青少年の指導育成に多少の貢献をいたしたいというふうに考えております。
○福田(昌)委員 少しこまかになり過ぎるかと思いますが、その授業の内容、課目の内容と申しますか、それをもう少し詳しくお述べ願いたいと思います。
○寺中政府委員 青年学級の課目でございますが、これは定時制高等学校の場合のように、国語とか社会とか数学とかいうふうな単位を何時間ということは全然ないのでありまして、大体そのやり方は、青年学級運営委員会をつくりまして、これに講師の者あるいは学級生の者その他が寄りまして、お互いにこういう勉強をしようという計画を立てて、それに基いて適出なる教育計画を立てて勉強するという形になつておりますが、実際におきましては農業の問題に関して、たとえば土壌の試験をする、あるいは施肥法あるいは播種法というようなものを実際について学ぶというような職業教育にわたる面、また一般教育の問題といたしましては、中学校を卒業した者でも字をよく知らない者もありますので、字を教えるというような程度の、低いものから、一般の時事問題あるいは社会問題というようなものについて講義を聞く、あるいはその他科学方面、保健体育の面、万般にわたりまして、実際生活と直結をいたしました教養課程について勉強をしておるというのが青年学級の実態でございます。
○福田(昌)委員 こういう働きながら学校に行く、そういつたいわゆる定時制教育や通信教育を利用し得る人にも必要ですが、さらにまたそういう定時制教育や通信教育も利用し得ないような勤労青少年に対して、青年学級を増設していただくことは非常にけつこうだと思つておるわけでございますが、今回のこの七十三百万の予算で大体どれくらいの学級が増設できるのでしようか。
○寺中政府委員 ただいま申しましたように、大体一万一千学級百万人でありまして、これを特に増設するといいますよりは、むしろ現在あるものをできるだけ充実するという方向に考えておる次第であります。実際の実情を申し上げますと、一学級平均百時間以上勉強しておるものにつきましては一学級六万五千円ぐらい市町村費をかけておる、それに青少年自身がポケツト・マネーを出し合つているというような失行でございますが、今回の七千三百万円につきましては、これはいわゆる基準経費といたしまして一学級経費を二万四千円と見ておるのでありまして、それに対する三分の一補助すなわち一学級八千円というものを助成いたすことによりまして、実際現に使つております市町村の経費をそれだけむしろ充実の方向に使うこともできますし、あるいは節約に使うこともできるわけでありまして、これによりまして青年学級の経費の面における充実は多少でもはかれるものであると考えております。
○福田(昌)委員 時間がございませんので、この予算細目の中に琉球教員留日研究旅費というものがありますが、これらの内容について詳しく承りたいのです。
○田中政府委員 これは内地の教育事情をみずから見、なお研究して行くということで昨年から始まつたのでございまして、ただいまでは半年ずつの期間にいたしまして、約四十名の先生方が内地へ派遣されて参つておるのでございます。それらの人が内地においてそれぞれ各地カの学校に参りまして、半年間内地の先生方と一緒に研究して帰るのでございますが、その間の滞在費その他の費用の一部になるわけでございますが、その補填のためにこれだけの経費を計上して、その研究を助けておる、こういうことでございます。
○福田(昌)委員 琉球の学生の給与というものがございますが、その内訳をちよつとお知らせ願いたい。
○小林政府委員 琉球の教員を、現在向うで教員をやつておつた者をこちらへ派遣されました。そうしてそれが大学で研究するのでありますが、それに関しまして一人当り月七千百円の費用を給する、従つて年にいたしますと八万五千二百円でございますが、その経費と、あと現職教員のその制度を実施するための事務的な経費ということでございます。
○福田(昌)委員 琉球人留日学生給与というのがその中に入るわけですか。
○小林政府委員 そうでございます。
○福田(昌)委員 私どもは琉球のかつての同胞に対してこういう措置をおとりになることは非常にけつこうだと思います。さらにあわせてお願いいたしたいことは、琉球の教育機関が相当荒廃しておりまして、写真を見せていただくにいたしましても、あるいは開くにたえないような非常な惨状を呈しておるのでございますが、こういう事情に対しまして文部当局としては琉球の義務教育学校に対して何らかの御援助をなさる御意思と具体的な方法があるかないか伺つておきたい。
○小林政府委員 御承知のように現在琉球はわが国の行政下にございませんので、これをただちに国内の義務教育学校と同じように施設を利用するということは品非常に困難なことだと思いますが、いろいろな点を考えますと、そういつたことも将来の関係上里ましいことと存じますので、今後十分研究して努力して参りたいと思います。
○福田(昌)委員 琉球は日本の行政管轄下にないことは非常に悲しむべきことでございますが、それゆえにいろいろな形で非公式なりともぜひ琉球のこういつた、また当然今後同胞にならなければならない青少年の教育の援助のために、厚生省もいろいろな機会をとらえて積極的に御援助していただきたいと思います。 次にこの明細書の中の項目に国際会議その他諸費の国際冷凍協会分担金というのがございますが、国際冷凍協会というのはどういう協会でございますか。
○小林政府委員 これはボンベイに事務局があります世男的な学会の一つでございまして、わが国も各国と同様に加盟いたしておりまして、それに対する分担金を一定の比率をもつて分担するという形になつておりますので、この予算を計上してあるわけであります。
○福田(昌)委員 学問の一つの機関と思うのですが、一体どういう内容のものかお聞かせ願いたい。
○田中(義)政府委員 せつかくのお尋ねでございますが、ちようど所管の局長がおりませんので、はなはだ失礼でございますけれども、またあらためてお答えいたすことに御了承願います。
○本間主査 それでは文書にでもして出してください。
○田中(義)政府委員 承知いたしました。書きましたもので後刻お届けいたします。
○福田(昌)委員 こういう機関に入るのが決して悪いというのじやありません日本が文化国家として教育水準の高い国家になるためにはいろいろな国際的の学問の機関にお入りいただくことは賛成いたしますが、どうもどういう内容か、この文面からいたしますと、それほど必要であるかどうか、私どもには解せない感じがございまして、お尋ねしたのでございます。内容のいかんによつてはこれより重要性のある国際機関にお入りいただく必要があるかと存じますので、お尋ねいたすのでありますから、あとで文書でお知らせいただければけつこうです。 次に法務関係についてお尋ねさせていただきたいと存じますが、法務関係の内容を見ますと、公安調査庁の経費は非常に増額されておりますが、どういう意味で増額の必要があるのでございましようか。
○高橋(一)政府委員 公安調査庁の予算が増額になつております点につきまして、その理由を申し上げたいと思います。 人件費が相当に増額になつておりますけれども、これは主として一般の公務員のベースアツプの関係でこのような増額になつておるように了解しております。それからそのほかに増額になつております著しいものといたしましては、報償費と調査旅費がございます。この二つは両方とも公安調査庁の実際のいわゆる破壊的団体の調査のための経費でございまして、公安調査庁は昨年の七月二十一日に破防法施行と同時に発足したのでありますが、それまでの前身の法務省の特別審査局当時は定員が全国で千二百名でありまして、それが発足と同時に千七百二名ということになつたのでございます。その人員の充足が非常に採用に慎重を期しましたものですから、大体において年末に充足を終つたという状態であります。それまでは従つて各府県などは普通一県に二、三人という人員でやつておつたのを逐次増員しまして、現在は普通の県は十人であります。昨年度中はほとんど従来からやつておりました三、三人の人が中核になつて新しく充足しました職員などの研修その他に非常に力こぶを入れたのでありまして、要するに訓練教養期間ということが申せたのであります、そういうわけで昨年度に比べまして本年度は非常に調査の方がはかどりまして、従つてそれに伴つて非常に経費の方も多額を要するようになつたわけでございます。それに対しましては決して十分ではございませんけれども、まずこの程度で調査をやらせていただきたいということで、原案のような形になつておる次第でございます。
○福田(昌)委員 給与のベースはどういうことになつておりますか。
○天野政府委員 給与のベースと申しましても、公安調安査庁に限つて特別のベースというものはございませんで、一般公務員の給与と同一のベースでございます。ただ公安調査官というものが定員一千七百二名のうち千六十六名ございます。これが一般の公務員に比べますと、平均二号だけ高い額の俸給をもらつております。
○福田(昌)委員 先ほど報償や調査費で年額せられたと申されましたが、報償とはどういう場合ですか、その内容をお知らせ願いたい。
○高橋(一)政府委員 報償費の内容はいろいろございますけれども、大別しまして民間の情報提供者と直接交付いたします報償、それから民間情報提供者との関係をつくり、あるいは維持して参るところの経費、それから民間のいろいろ独自に情報活動をやつておる個人、あるいは団体から協力を受けますような場合の報償費というものが、大体において報償費のおもなる内容でございます。
○福田(昌)委員 そういう民間で個人または団体でやつておる情報網と申しますと、相当たくさんあるのでございますか。
○高橋(一)政府委員 これは、数はちよつと今私どもも正確につかんでおりませんけれども、相当多数あるようでございます。しかし私どもの方はこういう方々のすべてとか、あるいは大部分とかいうのじやなくして、私どもの方でこれは相当度重すべき情報であるというような確度の判定でありますとか、いろいろそういつた点の検討をいたしまして、そしてそれに的確の向きからいろいろ情報を得ております。
○福田(昌)委員 そういたしますと、そういつたたくさんな民間の個人または団体の情報機関から情報を提供された場合、その情報に対しての礼金でございますか。
○高橋(一)政府委員 私の御説明が足りませんで、非常に特殊なものとお考えかもしれませんが、いろいろ国外の放送を聞いて、その結果を印刷物にして配つたり、あるいは特殊の情報につきまして、ごく簡単な印刷物で、限られた範囲に配付いたしましたりというような団体なんかもそれに含まれておるわけであります。そういうものに対する経費であります。
○福田(昌)委員 と申しますと、その団体を具体的に名前をあげてお知らせいただきたいのですが。
○高橋(一)政府委員 いろいろございますけれども、たとえば日刊ラジオ・ブレスとか、日刊労働通信というようなものもございます。
○福田(昌)委員 お願いでございますが、二十七年度にお使いになりました報償費の使途、これを受けた個人または団体をお知らせいただきたいと思うのです。これは印刷にしてでもお知らせいただければ……。
○高橋(一)政府委員 これは私どもとして、ただいま申し上げたような公然と申し上げることができるものも中には含まれておりますけれども、大部分は、その名前が出た場合の生命やその他の危険といつたようなことも賭しまして、私どもの方に協力いたしておる人が大部分であります。そういう意味でごもつともな御質問ではありますけれども、ただいまのようなすべてその氏名等を明らかにするというようなことは差控えさしていただきたいというふうに考えます。
○福田(昌)委員 いろいろ御配慮もあるようですから、これは後日に個人的に教えていただきたいと思います。ただお尋ねしておきたいのは、この報償の単価でございますが、単価は大体どれくらいですか。
○高橋(一)政府委員 ただいまの点も、いろいろ協力者の関係につきまして困難な問題を生じますものでございますから、お答えを差控えさせていただきたいと思います。
○福田(昌)委員 それじやこれもまた後日に譲りますが、では、昨年度お調べになつた破壊活動防止法に該当するような団体として、こういういろいろな情報網の活動を必要とする団体といたしましては、どういうものがあるのですか。
○高橋(一)政府委員 いわゆる破防法に該当する難いのある暴力主義的破壊団体といたしましては、非常にこれは数は少いのでございます。しかしその組織は、非常に全国的な組織を持ちまして、かつ複雑になつておるというふうに考えるのであります。この団体が日本共産党と非常に深い関係があるということは申し上げることができると思うのであります。
○福田(昌)委員 これもいろいろ問題があるように伺いますので、あとでまた個人的に伺わせていただきたいと思うのです。それで一応やめさせていただきますが、これをさらにいろいろな予算的な増額をなさつたわけでありますが、これはどういう意味で増額なさつたのでありましようか。
○高橋(一)政府委員 最初に申し上げましたように、従来たとえば各府県をとつてみますと、二、三人の人で非常に不十分な活動をやつておりまして、その当時の予算が、つまり前年度の予算でございます。ところが仕事の方が、人員も充足され、それからいろいろ研修や訓練なども経ましてだんだん定員一ぱいの仕事をやつて参るようになつて参つたのであります。仕事の分量がそれだけふえて参りましたものですから、それに対する経費が自然増額を要するということでありまして、仕事の進んで参りましたことは、単に的ばかりではなくて、質的にもだんだん高くなつて参つておるというふうに考えておる次第であります。
○福田(昌)委員 と申しますのは、調査の対象が、日共を中心として、それに関係ある団体がおもだというお話でございましたが、そしてしかも仕事がふえて参つて、そのことが量的にも質的にもふえて来たということであれば端的に考えますと、破壊活動をするような嫌疑のある団体がふえて参つたということに解釈していいのですか。
○高橋(一)政府委員 ただいまのような問題からすぐそうは印せないと思います。今まで私どもの方の調査を要する対象につきまして、ごく一部分しか調べておりません。それがだんだんに調査が進んで参つて、だんだん相当のところまでわかるようになつて参つたということでありまして、だからただちに破壊活動をする一体がふえたとか、はげしくなつたということではございません。
○福田(昌)委員 これはまた非常にいろいろさしさわりがおありになるようでございますから、いずれまた機会をあらためてお尋ねさせていただくことにしまして、時間がありませんのでほかの点をお尋ねいたしたいと思います。 刑務所の中の犯罪人の優生学的な立場における処置でございますが、たとえば外国などにおきますと、犯罪人の中には、遺伝的な変質傾向を持ちました犯罪を犯している。遺伝的傾向をたずねますと、その片親あるいは両親が犯罪者だつたり、あるいは和父母とか兄弟に犯罪者があつたりというような傾向的な犯罪者の家系というものがあるのでございますが、外国では遺伝的傾向のある犯罪者に対しては優生保護法を適用しまして、病的素質の者に対しましては強制断種をやつているのでございますが、日本の法務省ではどの程度この点をおとり上げになつていらしやいますか伺いたい。
○天野政府委員 ただいまお尋ねの点につきましては、所管の政府委員がおりませんので、細かい事項はわかりませんが、法務省全体として問題にしているということはまだないようでございます。
○福田(昌)委員 実際におきましては法務省では全然お取上げになつておらない。私どもといたしましては、今日の刑務所関係における処罰のあり方というものは、これは一つの教育刑であつて、それに対する懲罰的なものでないという立場をとつておられることはよく了解できるのであります。それはそれとしてけつこうでありますが、日本の治安及び民族的優生学的立場を点えました場合に、こういつた遺伝的傾向を打つている犯罪者に対しましては、当然今日ある優生保護法を適用していただくことを要望しているのでございます。少し文献をお調べいただけば、諸外国にはすべて適用されているわけでありまして、たとえばアメリカなどにおいては全部の州というわけに行きませんが、相当の州におきまして、強制断種の適用を犯罪者、ことに遺伝的病的変質の傾向を持つている者に適用しているのであります。ところが日本では優生保護法が昭和二十三年に生れまして、その後二回その内容が多少修正されましたが、ともかくも生れましてからすでに三、四年になりますが、いくう法務当局に、ことに刑務所関係に督促いたしましても、そういう優生保護法の適用をそういつた遺伝的な変質者に対して適用しようという誠意がないのでございます。このことはきわめて私ども遺憾しごくに考えるのであります。そういつた犯罪者は刑を了えて世間に出て参りますと、同じような素質を植えつけて子孫をつくつて参ります。さよういたしますと、またその子供に犯罪者が生れて刑務所のごやつかいになる、いわゆる治安を乱すということになつて参るのでありまして、この点よく御配慮をいただきまして、早急にこれら該当者に対しての優生保護法の強制断種の適用を御配慮願いたいと思うのであります。このことは何回申し上げても法務当局はお考えになつておられない。きようは特に大臣の御出席を願つてこの点に対する御態度の決定を願いたいと思つておつたのでありますが、御出席になりませんが、私はこのことは何も犯罪者が憎いから申しているのではなくして、日本民族の優生の前途ということを考えた場合ぜひ必要である、これは諸外国、文明国では、すでにやつているということも十分御配慮願いたいと思うのであります。大臣がいらしつてからまたお尋ねさしていただきたいと思いますからこれだけにいたします。
○八木(一男)委員 文部大臣にお伺いしたいのですが、義務教育費国庫負担法の教職員の給与の実支出額はどのくらいになつておりますか。
○田中(義)政府委員 二十八年度における義務教育学校職員の給与費の実支出額は千百七十億と予定いたしております。
○八木(一男)委員 その半額でございますと、五百八十五億計上しなければならないのに、政令によつてそれを減らすという処置をとつておられるのは非常に不当であると思いますが、それについて。
○大達国務大臣 法律による実際支出額の二分の一という建前は原則としてそれを維持する。従つて大部分の県につきましては法律の規定通り二分の一を支出負担することなにつております。ただ法律の但書の規定にあります特別の場合においては、各府県ごとの最高限度を政令で定められるという規定がありますので、この規定に裁きまして政令が出ております。この政令の趣旨といたしますところは、この実際支出額の二分の一負担という線をこわさない範囲において、ただ特に府県が御承知の通り、非常に財政的に不均衡でございますので、特に特別な富裕府県におきましては、他の府県に比べまして著しく教職員の給与の額が上まわつている。でありますからこれを一定の標準によりまして、その標準以上に上まわつている部分だけについては二分の一負担をいたさない、こういうふうにいたすわけであります。これは御承知でもありますが、各府県の教職員の給与につきまして、政府においてこれを一定の基準で押えることになつておりませんので、各府県々々の財政と事情によりまして府県限りにおいて支給している。従つて府県相互間におきまして不均衡が当然生ずるのであります。もちろんある種の府県におきましてはいろいろな財政事情の関係でなしに相当上まわつた給与をしているところがある。教職員を得がたいところ、特に貧弱な県であつても教育に重きを置いている、さような事情があるところもありますが、さようなところにつきましてはやはり二分の一の負担をいたしまして、比較的富裕な府県であつて、いわば財政的にも幾らか他の府県よりは恵まれているという府県に限りまして、特に給与の額がほかの県に比して著しいもので、基準以上のものについては負担額の二分の一負担をしない。こういう趣旨で政令が出ているのでありまして、法律の趣旨にそむかない範囲において、その但書の趣旨に適合する範囲においてかような線をしいた。これが政令の趣旨であります。
○八木(一男)委員 政令で最高額を押えられるという規定は、その府県の給与が全国平均あるいは他府県に比し非常に多い場合に抑えられるという趣旨であると解するわけでありますが、それにしても十六億円というのは削減する金額として多過ぎるように感じますが、どうですか。
○田中(義)政府委員 最高限を定めましたその最高額でございますが、これは昨年の十二月における国立学校の先生方の給与の実態をもとにいたしまして、そうして二十八年度における昇給分等も見ました最高限でございます。これは他の府県にこれを適用いたしましても、数府県を除きましては、全然該当しない程度の高さなのでございまして、従つてその限度におきまして差引きまして、一応十六億というのが出たのでございまして、これは決してそう酷な最高限ではないはずであります。
○八木(一男)委員 但書で最高限をきめられるということになつております。るが、義務教育費についても、国庫負担というものは全国について一応平均にやるという建前があつて、その除外例であると思いますけれども、その除外例をいきなり使つたとしては非常に高額であると私は思います。しかしその問題はそれといたしまして、今度立法によりまして、八月以降さらに四十八億を引こうというようなことを考えておいでになるようでありますが、このようなことは、義務教育費を国庫で平等に負担するというあの教育法の根本の精神とかけ離れておるように思いますが、これについての文部大臣の御所見を承りたいと思います。
○大達国務大臣 お話の通り、義務教育費を国庫で二分の一負担するということが法律できめられておりますので、その趣旨から申しますと、特例法をつくつて、ある種の府県につきまして交付しない、もしくは減額をして交付するという規定は、この法律の趣旨に抵触するところがあると思います。従つて、いわゆる但書の規定による政令の範囲では、そういうことをきめるわけに行かないので、特別に立法いたしましてそれをきめる。従つてその限度において国庫負担法を一部改正するような実質になるかと思います。
○八木(一男)委員 義務教育費というものは、国庫負担をするという筋を通すべきであつて、富裕府県だからこれを適用しないということは、地方財政平衡交付金の場合にはそういう考え方も成り立つわけです。しかしこの国庫負担を、富裕府県だから支給しないというのは、両方の法律の精神に合わないと思うのですが……。
○大達国務大臣 両方の法律というのがちよつとわからないのですが……。この負担法の趣旨からいえば沿わない点があるのであります。従つて特別な立法をしなければさような措置はできない。そこで法律案として提案しておるわけであります。
○八木(一男)委員 あくまでも義務教育費は国庫で半額負担すべきであつて、新しい立法を出される考え方がどうも談つていると思うのでございまして、もし富裕府県等のことだつたら、地方財政平衡交付金の方で考えるべきであると私は考えておるわけでございます。しかしそれは一応それだけにいたします。 次に、全国で危険校舎は何万坪くらいおありでありましようか。
○大達国務大臣 全国の危険校舎は、文部省の調べたところによりますと、概算百六十五万坪、そのうちで危険であるとして使用を制限ないし禁止しておりますものが四十八万坪、こういうことであります。
○八木(一男)委員 これについて現在何万坪分の予算を組んでおりますか。
○大達国務大臣 現在の予算は十二億円でありまして、これは三分の一補助いたしますから、大体コンクリート造りとそれから木造合せまして、一坪三万円と見ますと、ちようど一万円で一坪、こういうことになりますから、十二億円ということになりますと、十二万坪になります。四箇年に四十八万坪ということになりますが、この危険校舎のうちで、特に現在すでに使用を制限ないし禁止されており、しかるにもかかわらず、これをやむを得ず使つておるという状態でありますから、この方からまず直して行きたいと考えております。
○八木(一男)委員 危険校舎の問題はほんとうに慎重に真剣に考えなければならない問題だと思います。もしこのままに放置して校舎が倒壊して、児童や先生が死ぬとか負傷するというようなことが起りましたときには、とりかえしのつかない問題でございますので、今使用制限しているようなところは、即時今年度において、残りもごく一、二年の間に全部危険でない状態にしなければいけないと思うわけでございますが、文部省の方では最初大蔵省に対しまして、どのくらいの予算を要求されたのでありますか。
○大達国務大臣 これは内輪話でありますが、三十五億円を要求したのであります。しかしこの危険校舎に対する補助の道は、今度初めてようやく大蔵省で認めてくれたわけでございまして、前年までは全然補助の道がなかつたので、これに対しては起債によるよりほかなく、しかもその起債も全額十分満たすに足りなかつたのであります。さような財政上の関係もありまして、さしあたり十二億というものが大蔵省の同意を得まして、二十八年度から三分の一補助、残余は起債のわくでやる、こういうことで発足しようというわけであります。
○八木(一男)委員 この非常に大事な問題を、今まで文部省でほつたらかすという意味ではないにしても、大蔵省を完全に理解させる努力が少かつたことは非常に遺憾でございます。今度大達さんが文部大臣になられてから、この問題が少しでも頭を出したことは非常によいことだと思いますが、なお努力を続けられまして、早く危険校舎が一掃されて、そういう危険な状態がなくなるようにお願いしたいと思います。特に従来文部、厚生関係その他は、大蔵省の方から冷飯を食わされているような感じがいたしますので、今後はあつたかい飯を食われるようにお願いしたいと思います。 次に、危険校舎のほかに、戦災校舎の復旧についてはどのような状態になつておりますか。
○大達国務大臣 戦災校舎につきましては、二分の一補助ということで、従来からの補助の道が開かれており、本年度におきまして九億円出ております。
○八木(一男)委員 戦災の校合におきましては、いまだに二部教授その他午後から授業を受けるというような状態が続いておりまして、まだ純真な小さい子供に、ほかの学校はもつといいのに……という感じを与えたり、また朝早く起きて、昼から運動するという習慣が、午後からの授業で崩れるというようなことは、非常に児童の教育上よろしくないと思いますので、急速にこの問題が解決するように、なお一段の御努力をお願いしたいと思います。 続いて、文部省直轄の学校における教授、助教授また助手、そういう方々の研究費については、今回どのくらい、またどのくらいの基礎において予算を組んでおいでになりますか。
○小林政府委員 文部省の国立学校の予算に、御承知の通り講座の研究費あるいは教官の研究費というものがございます。従来大体旧制大学におきましては、講座を単位といたしまして講座の研究費、それから新制大学につきましては、学科目制でございますので、教官一人当り幾らというようなきめ方をいたしておるわけでございます。今年度予算の単価を申しますと、講座研究費につきましては、非実験講座につきましては二十七万四千円、それから実験講座につきましては、八十万三千円、それから臨床講座につきましては八十七万円というのが単価になつております。また新制大学の方につきましては、これは教官研究費につきましては、教授一人当り七万四千円、それから助教授一人当り四万一千円、助手一人当り二万二千円、実験の科目につきましては教授一人当り二十万八千円、助教授一人当り十二万五千円、助手一人当り三万四千円ということでございまして、これを総計いたしますと、教官研究費といたしまして二十二億六千四百万円程度の研究費が計上されておるわけでございます。
○八木(一男)委員 学校をふやして、たくさんの経費をかけて施設をして大学生を入れましても、その教える内容が十分なものでなければ、ほんとうにほかの経費がもつたいないことになろうと思うのであります。その意味で研究費は非常に少きにすぎると思うわけでございます。それで研究費の増額についてなお一段の御配属を願いたいわけでございまするが、それと同時に研究費として渡される金額が、その学校の施設その他にまわされているような事実がないか、実際にその教授、助教授、助手の研究費総額そつくりまわされているというような事実があるのではないかと考えます。その点について伺いたいと思います。
○小林政府委員 国立の学校の予算につきましては、従来学校管理費のほかに教官の研究費あるいは学生経費というのが非常に大きな項目になつておりまして、ただ終戦後学校経費全体が少くなりました関係上、これらに含まれない特殊の経費が順次組まれておつたのでございますけれども、従来からの予算の建前はやはり学校管理費と教官研究費とか、学生経費的なものが三本の大きな柱に実はなつておつたわけでございます。従来からの予算の建前からいたしますと、この教官研究費なり学生経費というものは、必ずしも教官の研究のためだけ、あるいは学生の教育のためだけに使われるというふうな仕組みに実はなつておらないのでございます。教官の研究にも学生の教育にも使われるし、それ以外の実験的な経費あるいは施設的な経費にも従来使われておつたものでございます。ただ費品の名称が教官研究費といいあるいは学生経費といつておりますために、これは研究費だけあるいは学生の教育だけに使われるものというふうに解釈されやすいのでございますけれども、従来からこれらはそういつた沿革で、そのもののためのみに細まれたものではないわけでございます。ただ全般の問題といたしまして、教官研究費なり学生経費が非常に少いということのために、従つて講座なりあるいは教室なりに配当される額が、予算に計上された額が行かないということで、研究なりございます。将来これらの額をできるだけ増額して参りますとともに、こうした予算の立て方についてもまた、何来研究して参りたい、こういうふうに思つております。
○八木(一男)委員 今の研究費の中に学校の管理費とかいろいろな施設費、そういうものをくるめて使うような仕組みになつておるというお話でございまして、その御説明によりまして、なおさら研究費の少いのに私どもびつくりするわけでございます。今の御答弁で今後そういうことの解決に大いに努力されるお気持がおありになるようでたいへんけつこうでございまするが、現在項目がわかれておらないときに、学校の管理やなんかの勢いが強くて、いわゆる研究ばかりでそういう金のぶんどりなどに非常に力の弱い先生が不知な目にあつて、当然使うべき研究費を施設費とかにさかれておる実情がありますので、項目がわかれておりませんでも、そういうように金がむだなとろに流れないように、ひとつ御指導をお願いしたいと思うわけであります。 次に、私学教職員共済組合法の制定についてでございます。これはよいことだと思うわけでございますが、この内容につきましても、やはり国庫の補助だとか、それからまた府県においてその一部分を分担するということが、大いに私学方面から要望されておるわけ。ございますが、これについて文部大臣はどうお考えになりますか。
○大達国務大臣 実際私学の方は、特に経済的な基礎の固い、たとえば早稲田とか慶応とかいうようなところを除きますと、戦後いろいろな事情から経営が非常に困難な実情にあります。たとえば総経費に対する授業料から来る収入の割合を見ますと、戦前と戦後とは非常に違つておるのでありまして、それに、戦災で校舎が焼けたとかいろいろ事情がありまして、私学の経営ははなはだ困難でありました。そこで厚生年金とか健康保険の制度に加入するといたしましても、大部分の私学におきましては、そういう経費の負担には相当困難を生じておるというのが実情であると思います。そこで文部省といたしましては、私学も従来の沿革から見ましても、わが国の教育における重要な機関でありますから、これをでるだけ助長と申しますか、助成、育成といいますか、そういう意味で国の負担もできるだけ多くし、あるいは府県も出すというような方法でできるだけ私学を助成して、援助して行くということはまことに望ましいと実は考えておるのであります。ただこれらにつきましては、その意味で今度の私学の共済組合法案につきましても、できるだけそれをはつきり盛り込みたいと実は考えておつたのでありますが、これはなかなか日数も制限されますし、また大蔵省との交渉も、それがまとまるのを待つておりましては、法律案もなかなか提出ができないという実情でございます。そこに今度厚生省で保険組合強制加入ということになつたそうでございまして、そうしますと従来の私学恩給財団でありますとか、あるいは私学の共済組合というものは、厚生省の方に強制加入ということになりますと、自然に団体の存在の理由がなくなつてしまう。そこでどうしても特別な立法をいたしまして、私学の共済組合いうことにしなければならぬという実情があるし、日が足らぬのと、大蔵省の折衝がなかなかはかどらぬものですから、勢いその程度の負担なり助成という程度で法律案を提出したわけでございます。将来でき得ますれば、ただいま申し上げましたような趣旨によつて、できるだけ私学の援助に努めて参りたい、かように考えております。
○八木(一男)委員 今問題になりました点は、文部省の方の御努力をお願い申し上げまして、最後に給食費の問題をお伺いしたいと存ずるわけでございます。現在給食費はどのくらいほど出ておりますか。
○大達国務大臣 学校給食というのは、私の承知しておりますところでは、二十七年度におきましては二十五億程度のものを大体見込んでおつたそうでありますが、実情はそれだけの金が使い尽せない、実績が十四億程度の支出にとどまつた模様であります。そこで本年度におきましては、昨年の実績にかんがみまして十六億五千万円ですか、その程度の経費を予定しております。
○八木(一男)委員 厚生大臣のこの問題に対する御認識と、私どもの考え方と大分食い違つておるわけでありますが、実は給食費の補助が足りないために、貧困な家庭で、特に給食を必要とする家庭でこれが受けられない。一人について平均三百五十円くらい必要だ。それで三人子供がある非常に貧困な家庭では、子供の給食に千円くらいかかるというので、特に給食の必要な家庭がそれを受けないで、よその子供が食べておるときに運動場のすみでそれをながめておるという実情、そういう問題をお聞き及びございませんか。
○小林政府委員 御承知のように生活保護法という法律がございまして、この法律に該当する保護児童については、生活保護法の方の扶助で、学校給食関係の経費を一応見込んでおるわけでございます。しかし生活保護法には該当しない、従つて給食の関係で扶助はもらえないけれども、学校給食関係で給食費を負担する力が十分でないというような児童も、お尋ねのように現実にはございます。こういうものに対しまして、やはり学校給食の建前からは何とかこれに対する施策を講じたいということで、実は予算の折衝もいたしたのでございますが、本年度は財政の関係上うまく計上されなかつたのでございます。これは厚生省の方の関係も、たしか生活保護施策の問題とも関連いたしまして、文部省としては今後もさらにこの問題を取上げて検討してできるだけ努力して参りたい、こういうふうに考えております。
○八木(一男)委員 特にそういう給食を喜ぶような人が給食を受けることができないというのは非常に気の毒な状態であると思います。この問題のみならず、すべてこういう問題について、大蔵省の認識が非常に足りないという点は非常に遺憾でございますが、特に文部当局といたしましても、今申し上げたような諸点につきまして、財政当局にもつと強腰でねばり強くがんばつて頂きまして、以上の問題をいい方向に持つて行つていただくことを御要望いたしまして、文部省関係の質問は一応終了しておきます。文部省関係の方は古井先生もお待ちになつておられるようでありますので、一応打切りまして後ほど…。
○古井委員 一言だけお伺いしておきたいのでありますが、それは先ごろお伺いしたときに少し落してしまつたというか、締めくくりを落してしまつた問題なんですが、簡単なことであります。屋内体操場の補助の問題でございます。補助の対象となる屋内体操場の規模と申しますか、坪数がたしか生徒数で計算されておると思いますが、その生徒数が多分昭和二十七年の四月一日か五月一日の生徒数、これを元にしてその坪数を計算して、それに対して補助を与えられる扱いになるものと承知しております。そうしますと本年度つくりますのは、結局二十七年度から使うのでしようから、二年前の生徒数が基準になる。そのときには生徒数はふえることはわかつておるから、そういうところは、その補助対象となる坪数よりも大きなものをつくらざるを得ず、つくります。そうしますと普通の都市でありますれば、四月早々でも予算を地方に配分されてしまうでしようから、日数の点でも困難な点もあるかと思いますが、今年の問題になりますと、少くとも今年度の初めの生徒数はわかり得るはずですから、これを対象にして計算した坪数に対して補助されることも可能だろうと思います。あるいは当然に来年度になればふえると思われる生徒数も算定がつくかもしれぬと思うのですが、やはり二十七年度初めの生徒数を基準にしてやられることになりましようか、今年になれば二十八年度の初め、あるいは二十九年度の想像のつく生徒数を元にして出た坪数に対して補助されるのでありましようか、この点をお伺いいたしたいと思います。新しい生徒数を元にされると、結局地方では必要の大きさのものをつくらなければならぬのですから中央のかかえ込みになり、実情に合わないと思うのです。この点もどうお考えになりますか、はつきりお伺いいたしたいことと、なおまた本年の予算案に計上された金額は、あるいは従前の古い生徒数というものが基礎になつて出ているということもあり得ると思うのです。しかし予算の修正ということが起る場合もあるかもしれぬと思うのです。そうすればますます本年度ではそういう場合にゆとりが起る場合もあると思うのです。その辺もあわせ考えて、特にあとの問題などは十分御考慮の余地があろうと思うのでありますが、どういう御見解でありますかお伺いしたいと思うのです。
○大達国務大臣 お話の点はまつたく事理明白でございまして、できる時分には生徒数が二年も前のものであるということはりくつに合わぬように思います。従来予算も非常に少い点もございまして、しやくし定規と申しますか、そういうけちなわけ方をしておつ、た点もあるかといますが、この点はできるだけ実情に合うように改めて行きたいと思います。
○古井委員 お答えの問題については、御趣旨はわかりましたが、危険校舎の関係はどういうようにお考えでありましようか。これをあわせてお伺いします。
○大達国務大臣 このままでは予算が足りない、できるだけ少しでも多数の府県学校に配分をしたいという関係があつてのことと思いますが、どうせ子供の数が多ければ、そこに継ぎ足してつくらなければならぬと思いますが、この点も同様の趣旨によつてできるだけ改善して行きたいと思います。
○本間主査 委員外の発言の希望者がありますからこれを許します。河野金昇君。
○河野(金)委員 他の同僚から質問が出たと思いますが、まだはつきりしないようでありますから、重ねてお伺いしたいのですが、義務教育費の半額国庫負担の問題であります。政府は今国会に提出されて、すでに参議院の方では審議されておるということでありますが、何だか日がたつにつれて、いろいろこの内容がかわつて来るようであります。たとえば最初は富裕以として六大府県とか七大府県とか育つておつたのが、だんだん切り落して来て、今では四つくらいになつたようであります。きようあたりは自由党の幹部の方からの、情報でありますから、真相はわかりませんが、むずかしくなつて来ましたから、また四つの中から二つか一つ落すのだというふうな情報が流れております。一体あの法律をお出しになつた基礎といいますか基準といいますか、一旦お出しになつて、その途中においてまだ議員の修正も何も出ておらないのに、地方からの陳情等によつて富裕県のうちで小さいような県を落して行かれるということでは、これは審議しておる意味がなくなつてしまうような心配があるのでありますが、一体お出しになつたほんとうの気持、またどこまでがんばられるおつもりであるか、まず伺いたい。
○大達国務大臣 私ども初めにああいう趣旨の法律をつくろうとして、あの法律に示されておる標準に従いまして計算いたしましたときは、いわゆる富裕県というもののうちで東京、大阪、愛知、神奈川、それから京都、福岡、こういうふうに数字が出ておつたのであります。これは私の方の数字でもありますし、また自治庁あたりで計算した数字であります。その数字がどういう関係でありますか、初めに三千万円といつたのが千二百万円になつた。これはまだ法案を出す前でありますが、多少計数が動いたのであります。最後にその六府県に該当するということになりました当時では、京都が年間——これは八月以降で千二百万円。最後に出した当時の数字では、私どもの承知しておるところはそういうことになつております。兵庫の方はそれよりちよつと下まわるというきわめてボーダーラインで、どつちかはつきりわからぬというところまで来ておつたのです。しかし数字はそういう数字でありますから、私どもはそういうふうに承知をし、また説明もしておつた。たとえば閣議等においてもそういう説明をしたのです。ところがその後また間もないときの計算でありますが、その計算によつて——結局これは自治庁で計算したらしいのですが、結局京都と兵庫だけは減額しなくてもいいという数字になつたようです。これはもともとその境の数字だつたのです。そこで今のところは東京、大阪、愛知、福岡、この四つにまたなつたわけです。これは法律案を出しまして間もなくそういう数字になつておつたわけであります。東京、大阪はもちろんでありますが、福岡名古屋はそれぞれ数億に達しておるのであります。これは幾らか勘定違いが多少あつて、そろばんをはじき直して見ても、それが消えてなくなるということにはならぬと私どもは考えております。これは特にそれには渡すことにする、こういう方針を立てれば別でありますが、あの当時あの法律案の趣旨に従つて計算をすれば、四つの府県だけはどうしても減額交付もしくは不交付、こういうことになつたと私どもは承知しておりまして、文部省といたしましては、法律案はともかく文部省だけの所管法律ではありませんが、提案をしております以上、原案通過を期待しておるわけであります。
○河野(金)委員 今参議院で審議されておりまして、参議院の空気のことはよくわかりませんが、一体衆議院の各党の空気というものを大臣はお知りになつておりますか。
○大達国務大臣 どうも私どもにはよくわからないのでありまして、実は党の方に聞いてみたいと思つておりましたが、各党とも賛成の人もあれば、反対したいという人もあると聞いております。文部省としては、とにかく出した以上は原案を通していただきたい。
○河野(金)委員 私は、地方行政を担当しておる大臣としては、通したいとおつしやるのはもちろんだと思うが、文部大臣としてはそれじや少しおかしいじやないかと思う。義務教育費半額国庫負担法という法律をつくつているその教育の機会均等の建前からいえば、あなたとしては公平に全府県にやりたいのだ、けれども財政上の関係なんかから地方行政の方面からむずかしいのだから困つておるというあなたに悩みがあるならいいけれども、少しも悩みも何もお持ちにならないで、出たのだから通したいというようなお考えでは、文部大臣としては文部行政に対して少し不公平な考え方ではないかと思うが、そういうふうにお感じになりませんか。
○大達国務大臣 お言葉の通り文部省の立場から申しますと、あの法律案が通過しても、一両文部省としては望ましい結果ではないのであります。しかしこれは政府部内の話は別といたしまして、とにかく政府の方針としてこれを提案するということになり、それが教育費の関係であるために、文部省が主としてこれを担当して国会で説明しなければならぬ、こういうことになつたのでありますが、文部省も政府も一つの部面でありますから、政府でさような方針がきまれば、文部省としてもそのような方針に従う、こういう考えでございます。私の心持を申し上げますと、比較的富裕な県であつて、他の県に比べれば財政的な余裕があるといつては誤弊があるけれども、多少楽な県がある。相当な金額でありますから、文部省の立場からいえば、あの法律を通してもらつて、そしてそれに相当するものを別に文部省にもらえて、全国の各県に公平にわけることができれば一番いいと思つております。
○河野(金)委員 あまり虫のいい話で、それでは富裕県は踏んだりけつたりでありまして、国税なんか取上げて行つて、平衡交付金も返つて来ない、そしてあの法律が通つて、それに匹敵する金額を文部省はもらつて、また余つたものはよそにまわす、そんな甘い考えをもつておつてま、スムーズにこの議会が乗り切れるものではないと思います。特にあなたは参議院議員であり、ああいう貧乏な県でありますから御関係はありませんけれども、あなたの下におる政務次官は愛知県の人であります。文部委員長も愛知県の人であります。実は私たちは話合いをしまして、あの法律は審議未了にすることにもうきめておるのであります。社会党両派、鳩山自由党もそれには大体賛成のようであります。私の方も今日自由党との予算折衝の過程等から含みを持たせてはおりますが、この法律は私の方も委員会やら国会対策委員会で審議未了にするという考えを持つておるのでありますから、あなたが通したいとお思いになつても、たぶん通らないだろうと思います。もしも通すようなことがあつたら、あなたを助けておる政務次官と文部委員長とは国へ帰れません。今度の選挙をやめれば別でありますが、帰れない。そういう事態に追い込まれておることを御認識の上、あの法律が握りつぶされても困らないようなことを今から考えておかないとたいへんなことになろうと思いますから、老婆心ながら現状を御報告して、あなたの心構えをきめておいていただきたいと思うのであります。あなたの部下がそういう情勢にあるが、それでもあなたはやはり押し切るつもりでございますか。
○大達国務大臣 ちよつと私いらぬことを申し上げたのでありますが、さつき私の気持として申し上げたのは、そういう方針であの法律を通して行く、これは文部省がみずからそういう方針でやつて行くつもりではないのであります。さような虫のいいことを国会に打ち出して、方としてそういうふうにしようという意味ではないのでありまして、そういうことになれば一番ありがたいということを言つたのではありますから、その点はその意味でお聞き取りを願います。 それから今の法律案でありますが、これもお話の通り、何も文部省自身の立場からいつて好ましいものであるというわけではもちろんありません。しかしながらただいま申し述べましたように、現に五百四十億の予算が編成されておるが、国会に提案されました当時はすでにこの政令の公布、そうして暫定立法でありますが、特別法律案を国会に提案する、こういう二つが前提になつておるのでありまして、いまさら私が態度をかえることはできないのでありますから、どうぞまたいろいろの点で考慮していただきたいと思います。
○河野(金)委員 考慮の余地はございません。これはいずれ法案を否決するか、審議未了にしまして、大臣の善処を促しますから、どうぞそちらの方で善処方をお願いして、私の質問を終ります。
○本間主査 八木君。
○八木(一男)委員 法務省関係でお伺いします。政務次官がお見えになつておられるようでありますから、政務次官にお尋ねします。今法務省関係で人権擁護の仕事をしておいでになるのでございますが、それについて予算はどのくらいでございますか。
○天野政府委員 お答え申し上げます。人権擁護の予算と申しますと、法務省本省に人権擁護局がございます。それから地方には——地方に八つの法務局がございます。その法務局には人権擁護部というものがございます。それからその八つ以外の各府県に地方法務局がございまして、そこに人権擁護課がございまして、本省の予算と地方に配られておる予算と両方ございますが、全部で千三百五十六万九千円でございます。
○八木(一男)委員 全国で人権擁護委員というのは同名ぐらいでありますか。
○天野政府委員 現在は町以上のところに配置してございまして、予算的に認められております委員の数は三千九百二十三名であります。
○八木(一男)委員 これは、国庫のほかに都道府県からもこの人権擁護に対する費用は出るのですか。
○天野政府委員 都道府県のところでは制度としてはございません。私どもの方では各都道府県がどういうようになさつているか、的確につかんでおりません。
○八木(一男)委員 一人当り国費で出している金額が、全部人権擁護委員に渡つておらないで、法務局の方に使われておると思いますが、それを抜きにいたしましても、年間にしてごくわずかの三千円、月二百五十円というくらいのものでございますが、こんなことで人権擁護委員が動けるとお考えになつておられるかどうですか。
○天野政府委員 お尋ねの通りまことに少額でございまして、人権擁護委員の方に非常な犠牲を払つていただいておるわけでございます。かようなことではなりませんので、いろいろ予算面では苦労しておりますが、なかなかこちらの思う通りには予算がとれない状況でございます。
○八木(一男)委員 人権を擁護するということは、憲法の精神からいつて最も大事なことでございますが、人権を擁護するためにできている人権擁護委員その他が、予算面でほんとうに動けない現状にございます。このような乏しい予算を組まれて、それを消費されるという点について、法務省としてこの問題については非常に軽視しておられるのではないかと考えるのでありますが、その点に関して政務次官から答弁を承りたいと思います。
○三浦政府委員 人権を擁護するということが重大であることは御意見の通りでございまして、いまさら申し上げるまでもないことでございます。実は衆議院の法務委員会でも、ただいまのような、人権擁護委員に対する待遇が悪い、あるいは予算がないので人権擁護の実があがらないではないかという御意見が種々あつたのであります。まことにその通りであります。そういうような問題につきまして、実はただいまのところ予算上非常にきゆうくつというよりは困るのでありますが、法務省において人権擁護の重要性にかんがみ、この予算的処置につきましてもできるだけ努力するという立場に立つておりますから、どうか御了解願いたいと思います。
○八木(一男)委員 国家財政の総わくがありますので、この問題が思つた通りにできないというお立場はわかるのでございますが、一方人権擁護とは逆な立場にある思想的な点を取締るとか、押えるとかいう方には、相当金を使つておられる。しかしこういう方面には実に乏しい金しか使つておられないという点について、人権擁護ということを、言葉では育つておられるが、ほとんど無視しておられるのではないかという感じを受けるのであります。その点についてもう一回お答えを願います。
○三浦政府委員 決して人権擁護を無視しておるということはないのであります。むしろ憲法の精神からいつて、基本的人権を尊重するという立場に立つて、法務省におきましても全力を尽して努力しつつあるのでありますが、ただただいま申し上げましたように、予算上の面において御期待に沿うようなことができなかつたということだけは率直に認めるのであります。つきましてはそういう面につきましても、法務省におきましてできるだけの努力を払つて、人権擁護局の活動なり、人権擁護のために全力を尽して努力したいつもりでおりますから、御了解いただきたいと思います。
○八木(一男)委員 最後に、もし来年度において予算化をせられたり、もつと予算を増額せられたりすることができない場合には、現在の思想警察の方の費用を削減してもこれをふやすという覚悟を持つていただきたいと思いますが、それについてもう一回……。
○三浦政府委員 そういう大きな政策上の問題でございますと、これは政府の方針になりますし、私の立場からはそういうことに対するお答えはできないと思います。御指示の点は十分にお聞きしておきますから、この程度で御了承願いたいと思います。
○八木(一男)委員 この問題は、法務大臣に対してさらに別の機会に付いたいと思いますが、政務次官の方から、今申し述べましたような趣旨で、なお御努力をお願いしたいわけであります。 次に政務次官にお伺いしておきたいのであります。駐留軍により方々で日本の国民が被害を受けておりますが、その被害に対する補償その他はどういうことになつておりますか。
○岡原政府委員 ただいまの被害の補償でございますが、これは例の見事特別法によつて処理することに相なつておるのでございます。
○八木(一男)委員 その一つ一つの例で、たとえば殺された場合、その他の場合については、どのくらいの補償が今行われておりますか。
○岡原政府委員 これはたしか特別調述庁の所管でございまして、私共体的な数字はちよつと存じておりません。ことに私実は刑事局百長でございまして、民事の賠償の関係は不得手でございますが、一応知つている限りはお答えいたしたいと思います。
○八木(一男)委員 その問題についてはちよつと保留いたしまして、次に選挙違反の関係でございますが、各官庁組織を悪用して、選挙違反をした例があるわけでございます。それはどの省の管轄にそういう嫌疑が濃厚だという点について御答弁を願います。
○岡原政府委員 疑いが濃厚と申しますか、いろいろ事件として調べておりますのは、運輸省の関係、農林省の関係、それから国税庁の関係等でございます。ちよつと手元に詳しい資料がありませんけれども、大体覚えているのはそのくらいであります。
○八木(一男)委員 各省関係を除いて、選挙違反の関係についてはまだ結論が出ていない。出ている例をほとんど耳にしないわけでございますが、法務省としてはいつごろまでに結論をつけようというふうなお考えでございますか。
○岡原政府委員 事件によりましてもうすでに、大体疑いというよりは、いわば官庁組織を利用したというふうなことがはつきりしているのがございます。ただこれは御承知の通り、官庁組織を利用したということ自体が、犯罪云々ということではないのでございまして、たとえば選挙の金をまくときに、そういうふうな系統を使つたという、いわば起訴状の中には直接出て来ないようなことでありますので、ちよつと外部にはおわかりにならぬかと思うのでございますが、一つ一つそういう事件ごとに判断はいたしておるわけでございます。
○八木(一男)委員 昨年の十月一日の選挙のときに非常にたくさんの選挙違反が出まして、そうしていろいろと疑いが濃厚で、外部から見ればほとんど選挙違反の事実が上つているというふうに思われる事件が多々ありながら、それが未処理のまま今度の解散になつたということがあるわけでございますが、そういう問題について処理の仕方が非常におそいために、その問題が確定しないで次の選挙になるということは、非常に遺憾だと思うのでありますが、どのくらいの時間でいつも処理しておられるのですか。
○岡原政府委員 その処理という関係が、起訴前の起訴に至るまでの関係でございますと、大体これはもうすでに前回の選挙の事件は、起訴、不起訴を決定して、いわゆる検察庁の処理としては決定しております。ただ逃亡して、逮捕状が出たままで本人が出て来ないで未処理になつておるというものはやむを得ませんが、起訴した者については、裁判所でそれぞれ審理しておるわけでありますが、これは御承知の通り、相当複雑して事件が入つた関係もありまして、なかなか思うように参りませんし、また中には弁護人あるいは被告人の都合等によつて、なかなか公判時日の指定ができない、あるいは延期されるという事件もございまして、いわゆるめぼしい事件というのがまだ終局的な判断が下らないというのも若干ございます。しかしこまかい事件等あるいは略式等は相当すでに処理せられているように思います。
○八木(一男)委員 この問題は、もし選挙違反をした人が、次の選挙でそれが明らかにされないために、世の中の指弾を受けないで当選した。実際の事実を選挙民が知らないで選挙するということは、非常にいけないことでありまして、また逆にその方が調べた結果全然違反がなかつたということになり得るところを、遅れたためにそういう疑いを残して、選挙上非常に不利をこうむりながら選挙をするという点も、非常に気の毒だと思いますので、錯綜いたす事実はわかりますけれども、極力急速に処置をなさるように、今後お考えをいただきたいと思うのでございます。
○岡原政府委員 ただいまの点は、まことにごもつともな御質問でございますし、私どももさようにいたしたいと思つておりますが、事は裁判所の問題でもございますので、私どもの方からもその点をお伝えいたして、迅速処理に協力いたすことにいたしたいと思います。
○八木(一男)委員 これはうわさでございまして、私ども事実はつかんでおらないのでございますが、検察庁関係の、たとえば官舎、公舎、そういうものをお建てになるときに、地方公共団体その他から寄付をとる、そういうような事実があるのではないかと思うでございますけれども、その点について伺いたい。
○岡原政府委員 地方公共団体等から寄附を仰ぐというふうな実例は、仰ぐという意味ではなくて、向うの方から好意的に持つて来たということは聞いております。たとえば区検察庁の庁舎新築等を促進する意味において、なるべく早く検事にもその場所に駐在しておつてもらいたい。そのためには町でその分の官舎を負担するからといつたような好意的なもの、あるいは支部に昇格させるために、たとえば判事は何人、検事は付人この町に駐在することになる。そうするとその官舎の問題がすぐ出て来るが、それくらいは町の方でめんどうを見ましようというような例も、若干あるやに聞いております。
○八木(一男)委員 この問題はゆゆしき問題でございまして、たとい先方から育つて来たことでも、その骨付を受けることはよくない。そして自治団体から見たときに、自治団体の麦価者は町長とか村長とかいうことになりますが、町長、村一長が犯罪を犯したときに、やはり手心を加えるという危険性があるし、そういうわさを私は聞いております。それでそういうことは検察当局としてはとんでもないことでございますので、十分注意をされる必要がある。ほかのところでも、私はこういうことはおもしろくないと思うのでございますけれども、検察当局の公舎ができないために、県の方々や何か非常に不便をなさるという点は御同情申し上げるわけでありますが、特に検察当局の性質上、そういうことを言つて来ても、地方公共団体その他の寄付は一切とらないのだという建前で、大蔵省に対する公舎や何かの建築の要求をしてもらいたい。ほかにはそういうことがあり得ても、特に法を遵守する立場にある検察庁においては、絶対にそういうことはできない——ほかでもいけないわけでありますが、特に法務省関係においては、そういう君が持つて来ても、びた一文もとらないという態度になさいませんと、ほんとうに法律を干る立場がとれないわけであります。現にそういううわさを耳にしておりますので、そういう点について厳重に法務省でこれから監督し、そういうことのないようにしていただきたいと思います。
○岡原政府委員 お尋ねの点まことにごもつともでございましてたとえばその町の、あるいは市の理事者等が、そういう下心でうまい話を持つて来るというようなことになりましては、事検察権の公正にも影響を及ぼし、たとい当事者間にそういうふうな意思がなくても、外部的にはそういうふうに見られても、これはやむを得ないというような場合もあり得るわけでありまして、本来のルートで、たとえば金を歳入に入れるということでしたら、これはもちろんよろしいものと思いますが、あるいは歳入から今度正式な歳出のルートで来る、これまた当然でありますが、中には現物でお貸しするというような場合もよくあるようでございます。これもお話の点われわれ十分わかつておりますので、そういう点の実際の運用につきましては、慎重の上にも慎重の態度をとるようにはいたしております。ただ御承知のように、ここ数年間非常に住宅事情が困窮いたしまして、これに伴う予算的措置が非常に困難であつたわけでございます。その関係上のどから手が出たというようなことでございましようか、そういう経過になりまして、今後は十分戒心するつもりであります。
○八木(一男)委員 今後御注意くださるとのことで、これは安心いたしました。しかし前にそういうことがあつて、検察当局がもし手心を加えたという事実があつたとしたら、これはゆゆしき問題です。どうか御調査の上、もしそういう問題があつたら断固たる処置をおとりになるようお願いいたします。
○本間主査 委員外の発言の希望がありますからこれを許します。今澄君。
○今澄委員 簡単にお伺いをしますが、私は中小企業金融の建前から、先般大蔵大臣にお伺いしたところが、大蔵大臣は、匿名組合の法律の盲点をついて現在行われておる貸金策に類似の業務については、これを取締まるという明確な御答弁が予算委員会でありました。そこで私はこの予算委員会の大蔵大臣の答弁に基いて、ちよつとお伺いをしておきたいのは、この匿名、組合法というものは、かような匿名組合法の盲点をついて業者が現われることを予想してつくられたわけではいので、これには多くの問題があると私は思います。 まず第一番に、五百三十六条「匿名組合員ノ出資ハ営業者ノ行為ニ帰ス」「匿名組合員ハ営業者ノ行為ニ付キ第三者二対シナ権利義務ヲ有セス」しかして同法五百三十八条は、「出資カ損失ニ因リテ減シタルトキハ共補填ノ後ニ非サレバ匿名組合員ハ利益ノ配当ヲ請求スルコトヲ得ス」この規定から行くと、いわゆる匿名組合をもつて組合員から金を集めたその金でとつた財産は、全部営業者の個人の財産に帰し、この匿名組合員は営業者がやつた行為に対しては、第三者に対しては権利を持つておらない、しかも損失をした際はその損失を補填しなければ、匿名組合員はその利益の配当を求めることができないというのであるから、このことは匿名組合法のまことに大きな盲点であると申さなければならぬと思うのであります。現在御承知のように、この匿名組合法で十幾つの金融団体ができて、それが不動産の値上り、あるいは株式の値上り等の間はいいけれども、今日株式においては四割の下落、もし不動産が下落した場合においては、この匿名組合という法律をあまり詳しく知らない無事の大衆が、これによつて受ける損失は大きなものであると思うが、これはこの匿名組合法の不備だと私は思います。競輪で損をしたのも、この匿名組合法を知らずに掛をしたのも同じであるという立場に立つて物事は解決できないから、一応民事、刑事と二つの問題にわかれますが、まず政務次官にこの匿名組合法改正をなさる意思があるかどうか。この匿名組合法が今日のいわゆる金融関係を大きく不明朗にしておる点が多々あるのであるから、大蔵大臣の先般の言明に伴い、法務政務次官のこれに対する御見解をまず私は伺つておきたいと思います。
○三浦政府委員 匿名組合の問題につきましては、大いに研究すべき余地もあろうかと思つておりますが、ただ従来事業をなす場合において、便宜なためにそういう措置がとられ、運用されておるのだと思うのであります。ただあまりそういう匿名組合の問題で大した問題も起きずに、むしろ便宜な方法でこの商行為が行われておつたように承知しておつたのでありますが、最近のいろいろな問題もあり、またそういうような盲点をついて問題が起きると思われる節もあるのでありまして、それらの点は十分にこれから研究してみて善処して行きたいと思います。
○今澄委員 そこで私は刑事の担当者に承りますが、この匿名組合法を利用して行われておる現在の金貸業が、その持つている個人の財産をアメリカの外国銀行その他に投資せしめる、そうしてそれが最後に瓦壊をするというようなときに、いわゆる組合員は迷惑を受けておるけれども、その匿名組合の責任者は財産が表面上ないという形になつて来れば、これは合法的な行為であるというように認められるべきものですか、それともその他刑法上類推観念からこれが処罰されるものであるかどうか、その御見解を聞いておきたいと思います。
○岡原政府委員 その匿名組合の理事者が外国の方に預金する、投資するというような場合はあり得るわけでございます。そのやり方が非常にまずいというよりは、むしろ背任的であるという場合の方が実際は多いのかもしれませんが、その他内容的に何か格別のこともない限り、現行法のわく内ではちよつと思い当らぬわけでございます。なお何か具体的にこういう点ということでございますれば、一応研究してみたいと思つております。
○今澄委員 私はきよう特にあまり対外的な影響を避けて、まじめに研究してみたいと思うので、この分科会に来たのでありまして、いずれ後ほど私はこの問題を取上げたいと思つておりますが、たとえば匿名組合で三十億なり五十億なりの金を集めた一つの金融団体が、繰りまわし繰りまわし新しく集めた金を古いものの利子にまわしておる。今どきそう高率な利子でやつて行けるわけはないので、結局そのうちに波瀾があり、株式の値下り、不動産の値下りもあつて大きな穴があくだろう、そのときは検察庁の、も入るし、いろいろあるでしようが、そのとき責任者が持つておる財産は組合に還付しなければならぬが、これを名品をつけて他人の財産にしても国内の捜査を受けるので、さらに国外のアメリカ人並びに外国人の名義にかえて、表面上法律の網をくぐつて検察庁から捜査されるというようらことが考えられる、こういうことを放任しておくなら、日本の中小企業金融の上に一大弊害を生ずるのであるが、もしこういうことを予想しておられるとすれば、どういう態度をおとりになるか。
○岡原政府委員 大体ただいまのようなお話でございますと、その犯罪の態様によつて若干違つておると思いますが、ある場合には業務上横領、ある場合には背任、それから詐欺の成立する余地もあろうかと思います。またやり方によつて一つずつ違つて来るわけでございます。
○今澄委員 私はこの匿名組合法をながめてみて、匿名組合員の数に制限がないということが、金融機関としてこれが悪用せられた一番の大きな原因であるから、匿名組合員というものは、組合員の数に制限を付するならば、私は今の金融機関のごときものになりようはずはないと思うのでありまして、この匿名組合員数に制限を付することはいろいろの点から見て、民事的に何か弊害があるか、それともこれは制限を付した方が商行為の上にプラスであるか等の根拠について、お伺いしておきたい。
○岡原政府委員 匿名組合の悪用された面だけを見ますと、ただいま御質問のような点が出て来るわけでございます。そういうふうに数の点でこれを制限すれば、おのずからそういう面に悪用されるということはなくなるかもしらぬと思います。ただ匿名組合がさような方面に悪用されるということだけで、数の制限をただちにやつて行くかどうかという問題になると、私案は民事の方の専門家でございませんので、詳細はわかりませんけれども、今度はかなり逆な問題が出て出るのじやないだろうか、むしろそういう匿名組合の形をとつて、いわば貸金業的な、あるいは銀行預金を預かるような、そういう点に着目して何か取締り法規なんかを考える、かような方が、これはちよつと今思いつきでございますが、いいのではないかと存ずるのでございます。
○今澄委員 そこで法務省としては、株式相互金融その他いろいろの問題がありますが、これは現在また法律的に取締る一つの根拠があるけれども、この匿名組合法にそのまま基準して、そうして寛大な資金を集めてこれを営業者が運用して、その利益配当という形において高率の配当をするということは、これは少くとも法律から見る限りは罰することができないのだが、これをそのまま放置しておいてしかるべきと考えられるか、いかなる対策がこれにあるのかということについてちよつとお伺いしておきたいと思います。
○岡原政府委員 御質疑の点まことにごもつともでございまして、実は最近の金融方式に、先ほど御指摘の株主相互金融というふうなものとか、匿名組合方式によるものとかいろいろあるわけでございます。しかしその実態を見ますと、必ずしも商法の匿名組合にのとつていないにもかかわらず、実態は全然違うのにかかわらず、匿名組合と称して法網をくぐるものもかなり多いようでございます。さような点からいたしまして、私どもは大蔵省とも連絡いたしまして、はたして株主相互金融といい、あるいは匿名組合といい、その実態はどういうところにあるのだろうかということでやつておりまして、その実態を見て、それが法律に違反すれば、もちろんすぐにも検挙する、かような態度をとつております。実は現に相当多数の組合について内偵中でございます。
○今澄委員 そこで今あなたの言われた取締りの対象として調査しておるのは、数は幾つくらいあるか、はつきり即し上げて保全経済会はその取締りの対象となりつつあるか、しかもその営業のあり方についてはいろいろな疑点があると推定せられるかどうか、あるいは疑点があるということが今あなたの手元で明確にかかつておるかどうかということについて、御答弁願いたい。
○岡原政府委員 どうも問題がだんだんめんどうくさくなりましたが、保全経済会の問題についてはいろいろな投書その他も参つております。ただこれを今どの程度に調べておるかということは実はちよつと申し上げにくいのでぜひごかんべん願いたいと思うのでございます。
○今澄委員 私は少くとも現在の中小企業金融並びに中小企業をいかにして育成するかという責任を担当しておる政党人として、この問題を見のがすことはできない。であるから、ここであなたにこういつた一つの疑点のあるものを明らかにしておいていただかぬと、今後これらの中小企業者の育成、救済、これらの金融業等守に対するわれわれの基本的態度をきめることができない。これが法律上認められるということであれば、われわれは全国に督励してこういうものを無数につくる考えです。一ぺん御答弁願いたいと思います。
○岡原政府委員 先ほども申し上げました通り匿名組合の形をとるからただちにいいというのではないのでございまして、その実質がどうであるか、営業ぶりがとうであるかというのが結局問題になるのでございます。従つて個々の組合組織そのものが商法にぴつたり合うかどうか、また商法に合つても、ほかの法規に違反しないかどうかという点を各方面から研究いたしまして、それがかなりの程度において疑いがある、相当な証拠もぼつぼつ出て来たという場合に初めて正式の検挙になるわけでございまして、その組合のどれどれを今やつておるということを、実は私どもとしては今の段階では申し上げにくい、かようなことに御了承願いたいのでございます。
○今澄委員 そのどれどれをやつておるかということは、あなたの方としては言いにくいであろうが、私の方から指定をして、保全経済は一体そのおそれはないのかという質問に対しては、そのおそれがあるとかないとかいうくらいな答弁はできなくちやならぬ。大蔵大臣は、保全経済会のあり方については、法の盲点をくぐるもので、これはまことにけしからぬものである、何らかの法律的措置をとりたいとの答弁を予算委員会でしておるのであるから、あなたの方が言いにくいという話はない。これについてもひとつ答弁を願いたい。私の求めた一つの事例については答弁をお願いしたいと思います。
○岡原政府委員 大蔵大臣が何と申されたか私存じませんが、私どもといたしましては、事の性質上疑いがあるとかないとかいうことを事前の段階において申し上げると、もしその組織が何ら違法のない、合法的なものであつた場合に、あとでそれがわかりましても、一応ここでとにかく内偵しておるということを申し上げれば、これは相当のシヨツクを各組合員、預金者ですか出資者ですか、そういうものに与えるわけでございます。そこで私どもといたしましては、相当程度事が慎重に運ばれて後、もう大体これは違いない、あるいにこれは完全に合法である、少くとも合法の色がかなり濃いという段階に至つて始めてお答えができるのではないか。これは訴訟法全体の建前からいいまして、事前の発表はなるべく差控える、それで御了承願いたいのでございます。
○今澄委員 それで私は了承しましよう。なおこの匿名組合法というものは今世間の大きな疑惑となつている。一個人が四十億なり五十億なりといわれている財産を握つて、あらゆる不動産なりその他のものを買いつけて、これが匿名組合法で認められるということになれば大問題だと思う。それらが大きな財力を持てば、いろいろな方面にいろいろな運動もございましよう。しかし私は国会の一良心として、この問題についてはぜひ法務省と対決をしたいと考えておるのであつて、どうかひとつこの匿名組合法全般を通ずる精神、あるいはそういう一つの組合の問題等について、今後十分御検討を願いたいと思う。私は遠からざる機会にあなた方にその調査の結果を十分追究するということを申し上げ、さらに厳重な御監視を願いたい、かように望んで一応終ります。
○岡原政府委員 たいへんごもつともな御質問でございます。私どもとしても、決して国会と対決する必要はないのでございまして、さような問題の起きた際は、私どもの立場においても当然これは摘発して事を明らかにしなければいかぬ問題だと思つております。従つて具体的な資料その他についてもしおわかりの点がございましたら——私の方でも自分の立場でできるだけのことはいたしておるつもりでございますが、何分にもこの形式だけでも全国に相当多数あつて、こまかいものまで入れますと百以上百できておるのではないかと思います。これはちよつとわかりませんが、株主相互金融の方ですと千以上越しておるというような状況でございます。そういう関係から、私どもとしてはもうすでに新聞でも御承知の通り、株主相互金融については手を着けたのもございますし、順次その内容だけははつきりさせて行く、そして、法の盲点をつくというか、脱法行為として違法の程度に達するものは、これはもちろん検挙いたします。ただほんとうに形式だけはうまくなつていて、実質もどうやらごまかしがきくようなもので、どうにもこうにもしようがないものも中には出て来るかと思います。こういう組合には法律家も相当人つておりまして、それぞれ研究の上の組織でございますから、そういうことも想像されますが、その多くはことに中小企業者がこれを利用し、あるいはわずかばかりの出資をする人が、これによつて何とか老後を楽しむとか、あるいは金を少しでもふやそうというのを、次第によつてはそれを全部くつがえす、根本的にだめにしてしまうということをわれわれ一番心配しておるのでございまして、さような点から十分厳重にやりたいと考えております。
○今澄委員 もう一つ言つておかなければならぬのは、伝えられるところによると、匿名組合法をある程度改正する意向が大蔵省にあるけれども、国会における大多数の意見が現在のこれらの営業者を守つておるのであるから、やむを得ないのだというようなうわさを流布される者もあり、私どもは国会の名誉にかけてもこういう無辜の大衆に大きく損害を与えるというような法律は、やはり根本的な命付と改正を加える必要がある。だから対象的なこれらの組合の中の法律に違反しておるものの実態を調べるとともに、担当者はこの匿名組合法というものの根本的な考え方をこの際もう一ぺん時流に適したように改めるということを、ぜひ私は御忠告申し上げておきたい。なおこれらの匿名組合をなぜ私が今問題にしておるかというと、これまでは日本の株式、不動産等、大体ずつと値上りの傾向をたどつて、生命保険であれ何であれ、そういう不動産並びに株式等を持つて運営するものは、常に利潤を保障せられておるという経済情勢のもとであつたから、私どもは一応これは問題ではあるが事件も起らなかつたから黙認して来たが、今や朝鮮事変の解決を中心として、経済界はこれからデフレとインフレの交互現象が起るのであつて、おそらく五割以上の暴騰、暴落というものが、今後予想せられるということになれば、こういう組織による一つの運営がますます行き詰まるということは、火を見るよりも明らかなのであるから、もし処断するとすれば、事は一日も早きを要するということを私はここで申し上げておきます。ぜひひとつ国民経済全体の立場から、勇猛果敢な処置を要りします。
○岡原政府委員 了承いたしました。十分御趣旨を体していたします。
○本間主査 八木委員。
○八木(一男)委員 これは刑事局長に教えていただきたいのでありますけれども、ある地点におきまして本人が悪いことをしておる。それで告訴なり何か受けた人間が、非常に法律に通暁して悪賢く、事実無根の反対告訴をすかしておる。ひどいのは全然その例がないのにどろぼうという告訴をするというので、新聞記事に載つて相手が非常に困る、そういうことで泣寝入りするという事例がある。そういう問題は、刑法上反対の事実無根の告訴をされた場合に、名誉毀損その他の告訴をする以外に、そういう告訴権の悪用を防ぐような何か項目があるのですか。
○岡原政府委員 名誉毀損のほかに百七十二条の誣告があるわけでございますが、なおさような悪いやつに対しては、民事上の責任も追求してしかるべきだ、かように考えております。
○八木(一男)委員 これは告訴とかそういう民事上のことで、被害を受けた人間が勇気を出さないと、これは処置はつかぬ。ところがそういう人間が暴力、金力、権力を持つほかに法律を悪用しまして、そういう事実無根の反対告訴をあくまでもやる。このために相手としては新聞に載つて信用を害してたまらぬから、しやくにさわつてもそのまま泣寝入りするという事例がありますので、告訴権はあくまでも完全に尊重しなければならないけれども、事実無根の告訴をした人間に対して、何か制裁を加えるというようなことを刑法上でお考えになる必要があるんじやないかと思いますが、それについてお伺いいたします。
○岡原政府委員 刑法上と申しますと、ただいまの誣告で大体事が足りるのではないか、かように存ずるわけでございます。と申しますのは、誣告罪の構成要件が、事実のないことをあると言つて告訴をした場合、つまりただいまの例で申しますと、反対告訴の場合、これが百七十二条によりまして「人ヲシテ刑事又ハ懲戒ノ処分ヲ受ケシムル目的ヲ以テ虚偽ノ申告ヲ為シタル者ハ」三月以上十年以下の懲役に処せられる、かようなことになるわけでございます。
○八木(一男)委員 被害を受けた当人が告訴しなくても、検察当局自体として取上げられる問題でありますが、事実そういうことがありながら取上げられておらない例がある。そういうことがさつきのそういう調査に対して寄付してもらうという事柄と関連しているような事例が多い。これは私証拠はありませんけれども、うわさがあるのであります。それで大体想像がつくというようなうわさがございますので、そういう寄付ができるというような人間は、金力も権力も暴力も持ち、またそういう者と結托した悪弁護士と結托して法の裏をくぐるというような能力を持つておるのですから、そういうことに対しては当該の検事は断固たる処置をとらなければだめですけれども、そういう末端においてボスとつながりを持つたとしたらゆゆしき大事なんですけれども、そういう例が私は方々にあると思うのです。中央ではおわかりにならないと思いますけれども、方々にあると思いますので、もし地方からそういうような陳情が一つでも来ました場合には、それの十倍も二十倍もそういう事例があるのではないかと思いますので、そういう場合には厳重に調べてそういうことをなくするように御努力をお願いしたいと思うわけであります。 次に政務次官にお伺いいたしまして終りにいたします。実は駐留軍関係の被害につきましては、民事特例法によつていろいろきられてあるわけでございますが、それに対しての申出とかそういうことが非常に少いということを伺つております。ところがこの被害は方々にたくさんございまして、なぐられて一週間ほど頭が痛かつたというような被害は、至るところ非常にたくさんあると思います。この泣寝入りをしている原因の一つとして、進駐軍当時からの敗戦意識がしみ込んで、相手が毛唐だからしようがないというような気持からまだ脱却し切れないという点もあるのでありますが、もう一つはそういう手続をするのが非常にうるさくてむずかしくて、それで自分の職業上また生活上、そういう時間がさけない、または聞きに行つてもすぐにわかるところがないので、やはりこれはだめなのかといつてあきらめてしまうというような事例があるのではないかと思いますので、民事特例法においてこの手続が非常にめんどうだとか、また民事特例法の内容を知らせるために——たとえばそういう人たちとしては、どこがどこだかわからないで、そばの警察に聞きに行くとか駐在所の巡査に聞くとかいう程度しか聞けないと思う。それでわからないな、だめでしようということであきらめてしまうというようなことがあるのではないかと思います。その手続が非常に複雑でありますから、できるだけ簡素化する。それからそういうことの知識を末競のすべての機関に通達して、そういうなぐられた人または被害を受けた人がちよつと駐在所に来ても、それはここへ届け出てこうやればいいんだというようなことがわかるようにしていただく必要があると思いますが、それについてひとつ…。
○三浦政府委員 御趣旨の点はごもつともだと思うのであります。ことに今あなたがおつしやるように、暴力を加えられても泣寝入りをしあるいはやむを得ないとか、あるいは交渉しても、損害を請求してもだめだというような考え方、そういう観念を持つて泣寝入りをした多くの方もあるでしようし、また交渉しても非常な時日を要し、手数が煩雑なために思うように行かなかつたというような事例もあると思います。御趣旨はもつともだと思います。しかしそういうような問題については実はもちろん警察や何かに相談に行つてわかるようになつておると思いますし、ことにこれは地元の弁護士会等において、そういう人権擁護の立場から無料法律相談所の担任者をきめて、そういうような場合に相談に行くと親切に教えるようなことにもなつておるわけであります。あるいはまた弁護士等において、そういう無料相談に応ずることを知らないために泣寝入る方もあると思うのでありますが、しかし実際問題となると、私の知つている範囲において申しますと、弁護士会等においては、無料法律相談をやるということを、大々的に新聞なんかに掲げた例もありますし、広告した例もあります。また実際にやつておるところもあるのでありますが、そういうことも今後、弁護士会等にお願いを申し上げて、そういう方には、できるだけ相談に応じて、これからは十分に交渉なり、あるいはそれに対する適当な賠償をとるようなことにしたいと思います。
○八木(一男)委員 御要望を申し上げて質問を終りたいと思います。今の御答弁で、大体は満足でございますけれども、弁護士会でそうなさいましても、庶民にとりましては、弁護士というものは何だか偉そうなもので近づきにくい。またそこに何か弁護料をとられるのではないかというような懸念を持つております。また人権擁護委員は、先ほど申し上げましたように実動しにくい立場にあるというので、現在は末端の駐在所、その他にしか言つて行かない。特にいなかの場合は、弁護士もそばにいないし、また人権擁護委員も近くにいないという場合に、駐在さんに聞きに行くという人が多いと思います。それでありますから、この駐留軍による被害はもちろんでございますが、その他、反対告訴をされたり、またなぐられても、あいつにはどうにもならない、このくらいのことでは訴えてもどうにもならぬのだと、すべての刑事犯罪について泣寝入りをする人が、世の中にはずいぶんあると思いますので、そういう場合に、駐在所の巡査の人に、法律を全部覚えろということは無理でございますが、大体のことがわかるように、また、その人が、弁護士の無料相談所はここである、ここに行けば教えてくれる、また人権擁護委員のだれのところに行けばすぐ教えてくれるということが、すぐ敏感に働いて、敏活に行くように、ひとつ国民の人権を保つという意味で、法務省の方で今後とも御努力を願いたいということを御要望申し上げまして、私の質問を終ります。
○本間主査 質疑はこれで終了いたしました。討論採決は、慣例もありますので、総会に譲ることにいたしたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本間主査 御異議ないようでございますから、さように決定いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後六時三分散会