予算委員会第一分科会 第2号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1953/07/13
会議録
○庄司主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 昭和二十八年度一般会計予算、同じく特別会計予算、政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済審議庁関係を除く総理府及び大蔵省所管を一括議題として、その質疑を進めたいと思います。質疑は通告順により順次これを許しよす。中川源一郎君。
○中川(源)委員 私は今回提案されておりまする恩給法の一部改正に関する法律案に関しまして、いささかお伺い申し上げたいと存ずる次第でございます。 今回の戦争は、長期にわたり、しかもその範囲並びに規模か非常に広大でありましたために、戦争犠牲者も相当莫大なものでありました。わが国の戦没者は二百万に達しておると思われるのでございますが、長い間放擲されておりました恩給法が改正になりまして、軍人並びにその遺族に対しまして恩給を支給するということになつたわけでございまするが、この恩給があたかも再軍備に関係のあるかのごとく誤解をされておる向きもありまするので、私は遺族の声を代表いたしまして、再軍備とは何ら関係のないものである、また遺族ほど戦争に懲り懲りいたしました者はおそらく他にない、戦争は絶対反対するものである、これが遺族の心情でございます。再軍備に何ら関係のないということを、副総理から再び言明をいただきますならば、誤解を解くことになると私は考えまして、この点御明答にあずかりたいと思うのでございます。また戦没者は、申すまでもなく国家公務のために死没いたしました者でございまするので、当然国家がこれを補償せねばならない、公務死亡としての取扱いをなすべきであると思うのでございまするが、一般文官の本俸並びに恩給の支給について検討いたしますると、はるかに低いものである。昨年の六月から十一月にかけまして、恩給特例審議会において審議され、その答申案を出されたのでございますが、その答申案すらも、まことに不満足なものでありましたが、さらに政府は、その答申案より低いものを予算に計上いたされまして、そうして非常に低い待遇によつて軍人、遺族に対する恩給の支給をなさんとしておられるのでございます。これはまことに私どもは不可解でございまして、あるいは国家財政が不十分であると言われることによつて、恩給を支給する総額が、あるいは四百五十億というような低いものになるのかもしれまんが、戦争の犠牲、あるいは国家財政の不如意という点につきましては、ひとり戦争犠牲者のみが犠牲を払うべきものでなくして、恩給は一般に恩給を受ける者を公平に、平等にいたしまして、国家財政が不如意であるという点につきましては、一般に少い恩給によつてでもわれわれは甘んじなければならないと思うのでありますが、戦後者の遺族のみに低くするということは、まことに不公平であるという声を免れることができないと私は思うのでございます。近き将来において、これを是正せしめるところのお考えかおありかどうかということを伺いたいのでございます。ことに本法の倍率におきましても、非常に低うございますので、当然四倍程度支給すべきである。また下級者は、相当優遇しなければあまりにも低い状態でございます。恩給の額が生活保護法の適用よりもはるかに下であるというよりた国は、他になかろうと私は思うのでございます。ドイツの例を見ましても、非常に思い切つた年金扶助料が支給されておるのでございまして、昨年までは西ドイツの国費の三分の一の予算、三千八百億という大きな予算をさいて戦長者遺族、傷演者に支給しておるのでございます。本年度の予算は四千五百億というような大きな予算を組まれておるのでございますが、そうして一家族に平均月々二万円の年金を支給し、中産階級以上の生活を保持させておる。遺族で病気になつた者はすべて国費をもつて入院し、死破いたしました者は葬式料まで出す。また子供の教育につきましては、満二十四歳、大学を卒業をするまでは全額国費をもつて遺児の教育をやつておるというような状態でございます。未亡人の結婚を奨励いたしまして、結婚をいたした者に対しましては、日本の金に直しまして十万円を損害賠償金と唱えて支給しておる。家が焼かれてない者に対しましては、最低二十万円から、家族の数によつて六十万円まで先に優先的に建築せしめろというような、国家公務に倒れました者はすべて優先的に取扱つておるという状態でございますが、何ゆえに日本だけが、特に戦没者の遺族だけを虐待しなければならないか、虐待と申す言葉は当らないかもしれませんが、恩給においても、また待遇においても一番犠牲を払わしておる。過去七年間、何一つ国家並びに地方が遺族に対して支給すらしなかつた。また昨年初めて慰霊祭を行つたのでありますが、その間何らの慰霊祭も行わない、捨てておいた状態でございました。もつとも、これは連合国の方から、旧軍人関係を援護してはならないという通牒が参つておつたのでございますけれども、西ドイツでは、アデナウアー首相は、国のために命をささげた者に対しましては、当然国で守るべきものである。いかに占領政策を強化されようといたし方がない、軍人家族を守れというので、年金、弔慰金は一町も怠つたことがない。しかも先ほど申しましたように、国費の三分の一をさいて中産階級の生活を保持させて参つたのであります。それに比較いたしますと、日本は生活保護法の適用よりもはるかに下まわるところの恩給を支給する、しかも戦前は、一般文官恩給よりもはるかに上まわつておりました軍人並びに戦没者遺族の恩給が、文官よりもさらにさらに低いという状態でいつまでも置くというようなお考えは、私はなかろうと存じますが、この点につきまして、近き将来においてこれを是正せしめて、少くとも文官同様の扱いをすベきであるという根本方針をお立てになるお考えがあるかどうかということを、お伺いする次第でございます。 次に、この恩給法によりますと、内地で死亡した者、あるいは外地におりましても、満州とか朝鮮という方面で死亡した者、こういう者に対しましては、軍務に服務中なくなりました者に対しましても支給なされていない。昨年実施されましたこの援護法によりましても、適用されていないという状態でございました。軍人か長い間あちらこちらの戦場に戦い、転戦いたしまして、そうして非常に極寒の地域に振り向けられました結果凍死した、こういうものは当てはまつていない。病気の極数によつて、二十四種類というような病気の種類を書かれておるのでございますが、マラリアとか、あるいはコレラ、ペストとかいうような伝染病にかかつた者は該当するのでございますけれども、たとえば肺結核というような者につきましては当てはまらないというので、今遺族からは、当然この年金、弔慰金を支給されるべきであるという考えをもちまして、厚生省へ申請請求書が出ておるのでございますが、その書類が山積みにされて、支給すべきやいなやということさえもいまだに決定されていないという向きが多うございます。今回のこの恩給法によりましても、病気の種類二十四種目以外は支給しない、あるいはまた朝鮮、満州でなくなつた人には支給しない、内地で死没した軍属も、服務中に死没したものは支給しないということでございましたならば、国家公務死とでありましても、それは該当しないという考えをお持ちになるのであろうかどうか。当然国家公務死亡には相違ないと存じますので、その解釈の範囲を拡大する必要がある。ただいまの役人さんの考え方をかえてもらいまして、また内規をかえてもらいまして、二十四種目の病種によらず、また内地外地を問わず、いやしくも軍務に服しながら軍務のために死没いたしました者は、当然該当すべきものである、かように私どもは考えるのでございますが、これによつてその恩典に浴することのできる者とできない当とができ、非常に多数の者が等差を加えられることになりますので、将来もしも今回の法案がいろいろの町において限定されましても、軍務に服しながら死没いたしました者、あるいは軍務服務中に病気になりましたことを原因といたしまして、自分の家に帰つてからなくなつた者、これらにつきましては、当然恩給を支給すべきものであると考えるのでございますが、こういう点について、将来是正せしむるというようなお考えがあるかどうか。 いま一つは、七年間捨ておかれましたところの慰霊祭が、昨年初めて国家の手によつて盛大に催された。今後毎年少くとも一回は慰霊祭を行う必要かあると私は思うのでございます。ただ物質的にだけでなしに、精神的にも遺族の方々や英霊を慰めるために、国家が慰霊祭を行う。どうしても国家ができない場合には、地方に行わしめるということが一番必要ではなかろうか。精神的な慰安に対しまして私はさように考えるわけでございますが、この点、今後慰霊祭を行われるかどうかということの御答弁をいただくならば、けつこうであります。
○緒方国務大臣 お答えをいたします。今回の元軍人恩給の復活は、再軍備の問題と関係があるのではないかという御質問のように承りましたが、これは全然関係ございません。政府といたしましては、軍人恩給が、占領中連合軍の指示に基くポツダム政令によつて廃止または制限されたことに対しては、初めから賛成ではなかつたのであります。昨年平和条約が効力を発生いたしまして、独立を回復いたしました以上、戦争責任を元軍人にのみしわ寄せしておるかのごとき観ある軍人恩給の停止というものは、いわゆる占領政策是正の意味におきましても、また一種の社会正義の意味におきましても、これは財政の許す限りにおいて復活すべきものであるという考えから、特に国会の御承認を得て、恩給特例に関する審議会をつくりまして、その審議会の審議に基いて、再軍備年の考えとは全然別に、恩給復活のことを立案するに至つた次第であります。その点は、どうぞ一般社会におきましても誤解のないようにお願いしたいと考えるのであります。 次に、従来軍人恩給の方かむしろ文官恩給よりもよかつた、それにもかかわらず、軍人恩給の復活といいながら、文武の間に均衡がとれていないような感じがあるのはどういうわけであるか、さらに将来、均衡がとれるようにする考えはないかという御査問のようであります。審議会における審議は、これは政府とは独立した審議でございまするが、この審議会におきましても、全体の意向として、軍人恩給の復活というものは、文字通りに軍人恩給の復活である、社会保障の意味とは別に考えておるということと、それから文武の均衡をとろということか大体審議会の構想の二つの骨子をなしておるように考えられるのでありますが、この文官と武官との恩給の間に均衡をとることはもちろん最も望ましいことではありますけれども、しかしながら今日の財政事情が何としても許しません。それともう一つは、占領十ではあるにしても、一時軍人恩給が廃止されておつたような事情もありまして、今日の場合としては、この敗戦後の底の浅い日本の財政におきましてまかない得る程度をまかなうよりいたし方かない。将来においても、できるだけ均衡をとりたいという心持はありますけれども、財政の方とにらみ合せますと、あるいはこれは不可能ではないかというふうに考えております。ただ、文武両恩給の間の均衡をはかりたいという気持から、若年停止を文官の方を五年繰下げまして、その点におきましては、武官との間の均衡をとつたつもりでございます。 それから三番目に、病気の種類によつて扶助料が給されない場合があるという御質問でありましたが、これは公務に関する限りにおきましては、差別はないと思いますが、病気につきましては、後に政府委員からお答えを申しげ上ます。 それから第四番目に、戦没者の慰霊祭を年々繰返すつもりはないかということでありますが、このことにつきましては、まだ研究いたしておりませんので、十分に研究いたしてみます。以上お答えといたします。
○庄司主査 ただいま副総理にかわつて、総理府事務官の城谷審査課長より御答弁がございます。
○城谷説明員 ただいま、病気の種類によつて扶助料がもらえたりもらえなかつたりするのではないかという御質問のように伺つたのでございますが、恩給法では、病気の種類によつて扶助料を給したり給さなかつたりする措置は講じておりません。あるいはまた、外地と内地とによりまして扱い方をかえておるじやないかという御質問もあつたように思うのでございますが、これについても、さような措置はいたしておりません。要するに公務と傷病との間に因果関係と申しますか、つまり密接な関連があれば、それによつて公務関係と認定して恩給を給することにいたしております。きよう御承知いただきたいと思います。
○庄司主査 ちよつと中川委員に申し上げますが、緒方副総理は内閣、厚生並びに引揚の連合審査会に出なければなりませんので、御質問がありましたらもう一問程度にしていただいて、あとの方にお譲り願いたいと思います。
○中川(源)委員 なるべく簡単にお伺いいたします。国家財政の都合で、一般文官同様の支給か困難であるということでございますが、どうしてもこの公平を期するためには、いつまでも遺族、軍人関係の者のみがさらに犠牲を払うということは、まことに不平等であるという考え方が私どもにはのきませんので、一般公務で倒れた者は、一日もすみやかに公務死亡としての取扱いをなされるようにどうか御考慮にあずかりたいと思うのでございます。 次に、それでは簡単に二、三お尋ねいたします。日本の未亡人は、留守宅を守つて、帰らない主人を待つというわけではないのでございますけれども、自分の子供を育てたり、あるいは年寄りを守るために、非常によく働いて努力しておることは、私はおそらく世界一であろうと思います。ドイツの未亡人にも負けない確信を私は持つものでございますが、しかしどうしても生活上やむを得ず再婚しなければ、子供を養えない、また自分が生活して行けないというような者も中にはありまして、結婚してみますと、思うように行かない、ただちに破談をして、自分の家にもどつておるというような者がございますが、これら一旦結婚届を出しました者は、すべて恩給の恩典にあずかれない、また子供を連れまして養子縁組をいたしました者は、恩給の恩典にあずかれないということでありましたならば、さらに生活に対して苦しみを持つものでございます。中には非常に乱れて、あるいはパンパンとか、あるいはだれかれなしに浮気をしておるような者があるが、これらが恩給の恩典に浴しておるという状態でございます。結婚を解消した者、あるいは養子縁組を解消いたしました何ら罪のない遺児、こういう籍をもどした者に対しましては、当然恩給を支給すベきである、かように考えますが、この点いかがでございますか、お伺いいたします。 またその親が家を守つて行くためには、女の手がないので非常に困るということで、茶飲み相手などをもらい、そして家を守つて行くという者は、恩給法の恩典に浴せないという状態でございますが、これは老いたりといえども再婚を認むべきであつて、そしてその場合は当然恩給は支給すべきである、受給権は保有せしむべきである、かように考えますが、この点はいかがでございますか。 次は、公務扶助料を受取つておる者は、生活保護法の収入から差引され、そしてそれが全国でまちまちになつております。たとえば昨年の年金をもらつた者に対しましては、もう生活保護法の適用を打切つてしまつておるという向きが相当あります。これは地方地方によつて異なつております。東京などでは、一箇月分だけを差引しておつて、あとはざらに生活保護法の適用をするという状態であります。地方によつては、年金をもらつたために生活保護法の適用をとめられまして、非常に苦しんで暮しておる者があるが、かえつて年金をもらつたために国家を恨むというようなことがあつてはならない。かえつて年金をもらつたために、マイナスになつておるという実例があるのでございます。せつかく恩給をもらいますならば、それだけの恩典を受けることのできますように、生活保護法の適用から差引をしないように、通牒を地方に出されることが必要であると私は思うのでございます。これは、あるいま厚生省の所管に属する事柄かもしれませんが、私はこれを痛切に感じますので、この機会に申し上げさせていただいた次第でございます。 さらに、また育児の育英につきまして伺いたいと思います。つえ柱と頼みにいたしておりました働き手を戦場に失いました者の遺児につきましては、か弱い未亡人や年寄りの手で育てることは、なかなか困難な状態でございます。何とか遺児を育てるために、国が守つてやらなければならない。ドイツのように、義務教育から大学を卒業するまで、満二十四歳までは国費をもつて育英をするということでありましたならば、これに越したことはございませんけれども、ただいまの育英資金では、わずかな一般の育英資金と同じ金額では、たとえば、高等学校は本年から月々七百円ということでは、とうてい教育費の大部分をまかなうというわけには参りません。もう少し遺児の育英に対しましては、心をいたしてもらいたいと思うのでございますが、この点はいかかでございますか。 次は、遺児並びに未亡人の就職についてであります。学校を卒業いたしましても、これは大部分かもしれませんが、銀行や会社、百貨店とか役所におきましては、子供に試験をしてみて、たいへんよくできても、お父さんか戦死して片親しかいないという場合には、私の会社では、両親のそろつた者でないと採用しない規定になつておるというので、よく勉強のできるしつかりした子供でありましても、一般に採用しないというような向きが非常に多いのです。ドイツでは、会社の従業員のうち、何パーセント以上戦没者の遺児、あるいは未亡人、傷演者を採用しない場合には、罰金を幾ら幾ら科すというような法規かありますが、日本の今日の会社のように、利己主義で、自分の会社がもうけて行くことのみを考えて、いろいろな規定を設けて、人間の余つておる今日でありますから、戦没者の遺族の子供なんかを採用しないということでございましたならば、ますます生活に苦しむわけでございます。これらは優先的に私は採用すべきであると思うのでございますが、これに対して政府は、両親のそろつた者よりも先に採用すべきではないかというような勧告をするなり、何らかの方法を講じなければならぬわけで、せつかく学校を卒業いたしましても、就職の口がない、未亡人は雇われないというようなことがあつてはならないと思うのであります。この点について、国家は、そういう者を強制的に採用きせるというような法律をつくるところまでお考えくださるかどうかということをお伺いいたします。 それから今では外国人といわれておる台湾、あるいは朝鮮、沖縄の方々の中には、戦争中非常に手柄を立てて、戦争に参加して戦没された方も相当あるのでございます。これらに対しましては、日本から恩給を出すわけには参らぬのであるかどうか。ドイツの方では、外国人でも戦争に参加して戦没いたした者には、それぞれ年金を支給いたしておるのであります。台湾なんかの状態を調べましても、いまだに日本語をしやべつており、日本語で用事か足り、また日本に帰属することに非常なあこがれを持つておるのでありますが、これら日本のために命をささげ尽された者に対して、それを捨て置くということはよろしくないと私は思うのでございますが、この戦没された方々に対して、ひとつ明確な何らかの対策をお考えになるお気持があるかどうかということをお伺いいたします。 それから最後にお尋ね申し上げたいのは、戦争処刑者、あるいは獄死者の問題です。獄死者、処刑者の中には憎むべき者もあります。しかし中には、非常に気の毒な処刑者もあるのでございまして、罪を一身に引受けていよいよ戦争に負けたのであるから、すべての罪悪は自分が引受けて死刑を志願するというので、死刑になつた人もおります。中には気の毒な、涙のこぼれるような者かあります。私はいろいろ調査をいたしました。ここにも一例がありますが、これは一々申し上げません。大臣のお手元にこれを差上げますから、余暇にごらん願いましたらけつこうでございますが、人の罪を一身に引受けて自分が処刑になつた者、これらを捨てておくことはどうか。逃げ歩いて、自分の罪を否認して、うそ八百を唱えて無罪になつて、命が助かつて帰つておられる人が恩給を受ける。そうして、人の罪を一身に引受けて処刑された者が、何らの恩給にも浴しない。あのサイパン島の最後のとき、いよいよ最後である、お互いに刺し違えて自殺した者、これらは自殺として一向恩給に浴しない。責任感の強い、負けたのでしかたがないというので、最後に腹を切つて死んだ者には、自殺として何らの恩給の恩典に浴しないというようなことでは、英霊になつた人にあまりにも気の毒である。ドイツは、これらの人に対してはすべて年金、恩給の恩典に浴さしておるのでございます。これらにつきまして、大臣から御意見を承りましたならばけつこうでございます。
○緒方国務大臣 未亡人が再婚した場合に、扶助料かなくなるのは妥当でないという御意見でありますが、それは、今の法案といたしましては、再婚した場合には扶助料を失うことに左つております。
○中川(源)委員 再婚を取消した場合です。
○緒方国務大臣 その場合にも、扶助料が復活しないことになつております。それは先ほどお話の、いわゆる老人の茶飲み友だちの場合も、やはり未亡人と同じように扱われることになつております。 それから公務扶助料と生活保護法の関係であります。これは、生活保護法によつて支給されるべき額が公務扶助料に及ばない場合には、その差額と申しますか、それが支給されておると思います。なおあとで主計局長が関連してお答え申し上げます。 それから遺児の育英につきましては、今日の場合、普通の家庭におきましても子第の教育がなかなか困難であります。遺児につきましては、恩給法としては措置ができておりませんが、これは厚生省関係等におきまして、あるいは大日本育英会というようなもので、それぞれの育英の道が戦後において考慮せらておると存じます。 それから片親を失つた者が就職の場合に非常な差別待遇を受けることは、私は事実を存じておりませんが、片親がないということが、常識的に考えまして会社等の採用、不採用をする理由になるのはおかしいと思うのです。ただ軍人の遺家族を先に採用するということにつきましては、これはその本人の成績等にもよりますので、政府から勧告まではいたしかねるのではないかと考えます。 それから沖縄、台湾の出身者で軍人であつた者に対して、恩給か支給されていないのははなはだよくないではないか。これはごもつともな次第でありますが、日本国籍を持つておる者に対しましては、恩給法の対象になつておるのです。ただ今日沖縄、台湾等に日本の行政かしかれておりませんので、その点、恩給が渡つていないという事実はあろうかと考えます。 それから刑死者、獄死者に対しましては、今御指摘のような事実がありまして、私らも全然同じような感じを持つのであります。これはきわめて機微な関係がありますので、今日特別立法といたしまして、刑死者、獄死者に恩給、あるいは扶助料をやるということはすぐにはいたしかねますけれども、将来の問題として、ぜひ措置をすべきものであると考えております。それから自殺者が戦死者として扱われていないというお話でありますが、これは戦死者として扱つているのが事実ではないかと存じます。
○世耕委員 関連して二、三点はかりお尋ねいたしたいと思います。たとえば八十近くの老人が、せつかく恩給法の恩典を受けて公債を持つておりましても、実はかりにそれを担保として金を借りると、半分以上は高利貸しにとられてしまう。銀行に持つて行つても貸してくれぬ。このように余命少くして、せつかくの国家の恩典か効果を得られないと嘆いている者が相当あるようであります。かような特殊な事情にある者に、生活の状態、年齢、その他の関係を勘案して、市町村長の証明かあれば、特別の取扱いをする方法を講じてやるのが国家の恩典に浴させる真意が徹するのではないか。実はこの案ができる当時、これが問題になつておつたようでありますが、最近この点について、国家の恩典がしみ込んでいないという非難が起きているのでありますが、いかがでございましようか。
○河野(一)政府委員 遺族の公債につきましては、御承知のような事情もございまして、国民金融公庫でこれを引受けて、担保にして貸出しをいたしております。しかし国民金融公庫の資金も、必ずしも十分でございませんので、前年度において二十億ほど出したのでございますが、この金額は、別途国債の償還の形でやる方が適当なのではないかという考え方をいたしまして、そういう方に、優先的に国債を繰上げて償還するような措置を講じたいと考えております。
○世耕委員 そういう先例があるそうですけれども、たとえば和歌山県なら和歌山県には、一人とか二人くらいしかその抽籤、割当にならないということになると、せつかくの好意は、好意に違いないけれども、一向に実を結んでいないということになる。そういう観点から問題か起るんだと思いますか、さような場合に市町村長が証明をして、特にこの者に対してはこういう特別な取扱いをしてやるべしという信用すべき証明があれば、むしろ地方銀行なり、あるいは信用組合なりが、それを貸し出させるような方法を講じてやる方か親切じやないか、こういうふうに考えてこの処置をお願いいたしたい。大体恩給法の制定、あるいは援護法の制定ができておりますけれども、どうもしやくし定規な扱いで、ほんとうの人情味が加わつていないというのが非難の小心であります。ここはひとつよく遺家族の心中、生活状態を調査して、人情にぴつたり合うように処置をされることが、今度の場合に必要じやないかと思う。えてして険悪な気分が流れる今日の実情から考えて、金高よりもむしろ扱いの親切さに欠けたところが非常に多い。現に手続を出しても、一年も二年もたつても一向にうんともすんとも返事してくれない、催促してみると、まだ順番が来ないというよつな不親切な扱い方がある。もしそのようなことがありとするならば、むしろ人をふやすなり、あるいは簡易な方法によつてその希望をつながせるような方法をすることか善政じやないか、かように私は思う。 それから、関連質問ですから簡単にさせていただきますために、続いて申し上げておきますが、赤紙一枚もらつて召集されて行つたのだ、それが挺身隊であり、義勇軍であり、あるいは徴用工である、こういうような実情のもとに国家に協力して行つた。ところが死に場所とところによつて扱いが違うということに、非常に不満を持つて来ておる。徴用工であろうが、軍人であろうが、赤紙をもらつて戦争に行つて、しかも死んだんだから当然ところと場所によつて区別すべきではないということは一言うまでもない。ところが、赤紙もらつて召集されて行つたときには互い病気にならなかつたが、帰つて来てから病気になつて死んでしまつた。しかもそれは肺病だから援護金はもらえない、恩給はもらえない、お前は流行性寒冒だから、これはだめたというような区別もありましようけれども、これも私は温情味のある取扱いをしていいんじやないかと思う。だんだんふえて来るならともかく、だんだん減つて行く問題のものだ、こういう点について、何かあたたかい処置が考えられてしかるべきじやないか、かように思う。副総理なり、あるいは事務当局から御答弁が願えればけつこうだと思います。
○緒方国務大臣 お答えをいたしますが、法に所定の年限に達しました者に対しては、恩給が支給されることになつておるのでありまして、審議会の案を大体政府で採用いたしたのでありますが、その所定の年限の端境になつているところに、多少の問題がありはしないかと思いますが、年限に入りました者には、不公平なく処置がとられておると考えております。ただ今御指摘になりました、直接受給者と接触する面において、いろいろな問題が起つておるということも、これまた想像されますが、そういう点については、できるだけ考慮をいたさせることにしたいと考えております。
○庄司主査 中川君、ごく簡単にお願いします。
○中川(源)委員 先ほど大臣からもるる御答弁をいただしたのでございますか、私は、今度の恩給法の改正はまことに不徹底なものであつて、不満足でございます。当然一般国家公務員法による公務死亡としての取扱いをすべきである。文官と差別があるということが第一不満足でございまして、一日もすみやかにこれが是正されるように要望してやまないのでございはす。何分年寄りが多うございますので、だんだん死没をいたしまして、すでに五十万に近い四十九万八千人以上のものが、過去七年間において死没をいたしておりまして、おそらくもう五年、七年かの間に、ほとんど大応分の戦没者の遺族の年寄りはなくなつてしまうと思うのでとざいますが、一日もすみやかにこの恩給法の改正をいたされまして、ただいまお声のあるように、金額の少い多いという問題よりも、公平に、一般文官同様に、国家公務に倒れました者は国家公務員と同じ扱いをするというように、ひとつ基本的の原則を考え直していただきたいと思うのでございまして、これを強く要望する次第でございます。 先ほど自殺した者は、これは該当者として恩給を受けることもできるように承つたのでありますが、この点、ひとつぜひ自分が責任を感じて刺し違えて死んだ、腹を切つて死んだというような麦作観の強い人には、当然支給さるべきものであると思うので、どうぞ、ひとつ間違いなく自殺者にも出していただきたいと思うのであります。先ほど世耕先生から質問がありました弔慰金でございますが、昨年は二十億本年は三十億でございますので、これをせめて八十億—八百八十二億の公債でございますので、十年間かかるといたしましても八十億くらいのものは支給すべきである。八十億出してもらいますと、非常に困つている人がだんだん助かつて行くのじやないか、高利貸上の手に渡るようなことのないようになる、私はかように存じております。 また弔慰金、年金、恩給の支給を受けることによりまして、今まで平穏無事であつた家庭が不和になりまして、この受けるべき者が、今度の恩給法は主として未亡人が受けるというようなことが第一条件であつて、そうして両親というものはあとまわしになつております。その未亡人がどうも身持の悪い、年寄りを一切かまわない、どこに暮しているかわからないような者が恩給を受けて、そうして年寄りで苦しんで泣いて暮している者が恩給が受けられないというようなことがありまして、そうして同じ家庭でも不和を生するというような場合があります。そんな場合には、民生委員とか、そういう人でなしに、遺族会長というものが各村にも至るところに全部ございますので、それらの人が一番事情をよく承知いたしておりますから、調停の役をするのに一々厚生省とか役所の手を経ずして、その土地の事情をよく知つている者が調停いたしまして、そういう恩給を受ける場合には半分わけをするとか、あるいは円満に納めて行くというような何かひとつ嘱託のようなものを出していただきまして、それによつていろいろの紛争をなくするように努めていただきたいと思うのでございますが、これも御答弁はいただかなくても、私の要望といたしまして申し上げ でおく次第でございます。 時間の関係で、いろいろお伺いしたいこともございますが、私はこれをもつて打切ることにいたします。
○横路委員 齋藤国警長官にお尋ねいたしますが、国家地方警察の定員の点ですが、警察法の第二章の国家地方警察、第一節国家公安委員会第四条の点の、「内閣総理大臣の所轄の下に、国家公安委員会及び警察官の定員三万人を超えない国家地方警察隊を置く。その経費は、国庫の負担とする。」こうなつているわけですが、この点と今度予算に出されました国家地方警察の七万一千幾ら、これとの関連はどういうようになつておるものでしようか。これはたとえば保安庁でありますと、現に定員が増になつた場合には、御承知のように内閣委員会に保安庁法の一部改正法案というので出て来ておるわけですが、国家地方警察の場合には、警察法第四条で明記されておるのに、次から次へと増加して来ておるのです。この点の関連はどうなりましようか。
○斎藤(昇)政府委員 ただいまお読み上げになりましたのは、国家地方警察の基本定員でございまして、そのほかに町村警察が廃止をされて、その責任を国家地方警察で負うというようになりました場合には、警察法の第六十七条の三によつて、ただいまお読み上げになりました第四条第一項の定員外の国家地方警察の警察官として置くことができるということに相なつております。この定員は政令で定めることに相なつておるのであります。それからいま一つは、第十九条の末項に「管区警察学校及び警察大学に在校する警察官は、五千人を限り、これを第四条第一項の定員の外に置くことができる。」というので、五千人以内において先ほどお読みになつた三万人の定員外ということに相なつております。従いまして、予算としては三万名よりも越えた数を見ておる次第でございます。
○横路委員 重ねて国警長官にお尋ねしますが、そうすると、警察法の第四条で定められた国家公安委員会及び警察官の定員三万人のほかに、いわゆる町村自治体警察の国警に移されたのは、何人になりましようか。
○斎藤(昇)政府委員 予算に要求しておる定員は四万八千百六十四人でございます。それは先ほど申し上げた五千人というものかあります。あとの一万三千百六十四人、これか自治体警察か廃止になりまして、国家地方警察に移つたために、国家地方警察の職員として増員いたした数字でございます。
○横路委員 昭和二十七年度におきましては、自治体警察から国家地方警察に移されたものは千二百三十九人となつておりますが、国家地方警察の場合に、警察官一人当りは、給与費その他を入れて一体幾らくらいというふうに算定をされておりますか。
○斎藤(昇)政府委員 警察官の給与、被服、あるいは面接の活動費というようなものを入れて、大体二十五、六万円くらいであろうと考えております。通常一人当り三十万円と言われますのは、警察の費用全体を定員で割つた数を言われておりますが、その小にはあるいは通信費、教養費、いろいろなものも入つておりますので、ただ人員を増すこと自体によつて増す賞用は、二十五、六万円でございます。
○横路委員 河野主計局長にお尋ねしたいのですが、私たちに配付されました昭和二十八年度予算の説明となつております説明千、これは公の文書ではないのだろうと思うのですが、この中にどうもちよつとふに落ちませんのは、十九ページの二十三の地方財政平衡交付金を算定した場合にわける自治体警察廃止等による不用額が三十二億となつている。これは間違いだろうと思つているのです。国家警察の方のいわゆる千二百三十九人の編入をされた増加額は二億四千万円となつておりまして、もちろんこれは誤ちだろうと思うのですが、あまりにどうも大きい数字なものですから、何か主計局の方で別にお考えでもあつたのか、地方財政平衡交付金を算定する場合には、つじつまだけはうまく合つているのですが、その点どうなつているのか。
○河野(一)政府委員 十九ページの方は、自治体警察廃止等による不用額ということで、行政整理と申しますか、昨年やりました欠員不補充、その他同様な措置をとりまして減少した分が合さつております。
○横路委員 自治体警察の場合は何ぼになつておりますか。
○河野(一)政府委員 この金額は国警と同じでございます。
○横路委員 齋藤国警長官にお尋ねしますが、今の千二百三十九名の増員を一人当り二十五万とすると、概算して大体三億になるのじやないかと思うのです。それが、この内訳は、自治体警察の国警編入による増加額約二億四千万円となつておりまして、何かそこに算定の単位に間違いがあるのじやないでしようか。
○斎藤(昇)政府委員 ただいま私が申し上げました約二十五、六万と申しますのは、国警の全警察官の平均でございます。町村の自治体警察が編入されまして国警に入つて参ります分は、どちらかというと下級の警察官が多いのであります。従つてその額よりも少い金額でまかなえるという結果に相なります。
○横路委員 財政部長にお尋ねしますが、自治体警察の警察官の場合には、平衡交付金で算定する警察官は、年間幾らというように算定されて出しているか、その点お尋ねいたします。
○武岡政府委員 平衡交付金の算定の基礎といたしておりまする基準財政需要額によつて申し上げますと、二十八年度の警察費の基準財政需要額は、二百二十八億六千三百万円、大体かような数字になつております。一人当りにつきましては、ただいま正確な数字はございませんが、かりにこの基準財政需要額をそのまま自治体警察職員の定員で割りますと、大体二十五、六万程度になろうかと思います。正確な資料はちよつと……。
○横路委員 齋藤国警長官にお尋ねいたします。さきの第十五回特別国会で、非常に問題になつて、論議をいたしました警察法の改正法案につきましては、今国会にば提出をされなかつたわけでありますが、この点について、何か特別の御事情があつたのか、それとも、警察法の改正法案については、もう全然提出をなさらないというのか、あるいはいろいろな情勢がかわれば提出をなさるというのか。先般の国会で非常に重大関心を集めまして、全国各市町村の自治体警察といたしましても、非常に問題としましたが、本国会に出されておりませんので、どういうようになつておりますのか、国内の治安状況が非常に緩和されたから出さないというのか、その点の経緯等について、ひとつ詳細に承りたいと思います。
○斎藤(昇)政府委員 私の聞いておりまするところでは、警察法の改正は、政府におきましても依然なお必要だと考えておられると聞いております。また私どももさように考えております。しかしながら、解散後の政界の状況、それから解散前における警察法の審議の状況等から考えまして、いま少しく研究を要する必要がある。従いまして、研究か進み、時期が熟されるならば、国会において審議をお願いすることに相なるであろう、かように考えております。
○横路委員 ただいまのお話で、いろいろ研究して、修正といいますか、そういう点がきつと多々おありだろうと思うのですが、そういう点で、前の警察法案のうち、国警長官として特段考慮し、修正の必要ある箇所というのは、大体どういう点か。ただ単にこの政界のいろいろな力関係で出せないというのだけではないだろうと思うのでございまして、国警長官として、前に出ざれた警察法のうちで、修正すべき点はこれこれであるという点がもしも明瞭でございましたならば、お聞かせいただきたいと思います。
○斎藤(昇)政府委員 当時国会において論議されました主要な点は、横路委員最もよく御存じだろうと思います。それらの点につきまして、いろいろとなお考慮を要する、かようにわれわれも考えておりますし、政府においても考えておられるのであります。しかし、どの点をどういうようにというところまで、まだ結論を得ておりません。その点は御了承を願いたいと存じます。
○横路委員 国内の治安状況につきまして、この一月から六月三十日までにおきまして、何か集団的な、計画的な大きな暴動というものが実際に起きたのかどうか。またそういうものが実際に計画されて、それが未然に防止されたという例があるかどうか。こうやつて聞きますと、よく昨年の五月一日のメーデーのことを言われるのですが、メーデーは一年以上たつておりますから、現実にことしの一月からということでお尋ねいたします。
○斎藤(昇)政府委員 ことしの一月から六月までの間に、大規模な暴動が国内に起つたことはございません。また大規模な暴動を起そうと計画して、その計画を未然に防止をしたということもございません。ことしのメーデーにつきましては、非常に心配をいたしましたが、これも東京においては、ごらんの通りの様子で終始をいたしたのであります。この場合におきましても、私は、計画的にあのメーデーを利用して、大きく暴動に持つて行こうという計画があつたとは思いません。しかしあの際におきまして、処置を誤るならば、あるいは昨年に類するような事態に発展したともわからないという情勢であつたことだけをつけ加えておきます。
○横路委員 国警長官に重ねてお尋ねいたしますが、国家警察と自治体警察とが相協力いたしまして、国内のいろいろな治安上における不安な状態について、これを絶対に取締ることができないというような、今の国内の警察力なのかどうか。その点ひとつ国警長官としてぜひお聞かせをいただきたいのであります。現在国内において——いわゆる戦争状態は別ですよ、どこかの国の軍隊が攻めて来たというならば別だが、そうでなしに、たとえば昨年のメーデーのような騒擾、あるいは吹田事件というのがよく国警長官からも言われますが、そういうようなことなどについて、国家警察と自治体警察とが完全に協力してやつても、なお秩序を保てないものかどうか。その点国警長官として、どういうように国内の治安状況というものを判断されているのか、ひとつお尋ねいたします。
○斎藤(昇)政府委員 ただいまの御質問、お答えいたしますことは非常にむずかしいのであります。たとえば、きようあるいは明日に限つて、そして条約のあれで駐留軍が日本に駐留をし、予備隊があれだけあるという前提のもとにおいて、きようあす何か事が起つた場合に、警察力だけで処置ができないかどうかというお尋ねと解釈いたしまするならば、これらが存在しているという現状におきまして、しかもきようあす、あるいは一箇月以内というこの政情のもとにおきましては、私は今の警察力で処置し得るであろうと考えます。しかしながら、駐留軍がいなくなり、あるいは予備隊もない、そして今後政情がどうかわつて行くかもしれない、国民の状況がどうかわつて行くかもしれないということに思いをいたしますと、今の警察力だけで国内の治安が確保できますということを確答申し上げることは、きわめて困難であります。むしろ非常に不安を感じます。
○横路委員 国警長官にお尋ねいたしたいのは、今国警長官から、駐留軍が引揚げた後においては、現在の警察力をもつてしては、この治安に対処できないというお話のように承つたのです。しかし私がお尋ねいたしておりますのは、国内の治安なんです。今齋藤国警長官の言うように、一応駐留軍が今日おるわけですから、帰つたらどうだろうという仮定でないわけです。駐留軍が今日おる。この立場において、いわゆる国内の治安というものについて、国家警察と自治体警察とが協力して、治安の維持ができないかどうかということです。駐留軍がおるのですから、その現在の立場に立つて聞いておるのです。
○斎藤(昇)政府委員 駐留軍が永久にいるということを前提にいたしましても、私は若干遠い将来ということについては、予言をいたしかねます。治安の状況というものは、御承知のように、時に従つて非常な変化をいたします。従つてきようあす、あるいは一週間以内、一月以内という程度ならば、私は心配はないと申し上げられると思います。しかしながら、ただいま外国の侵略がないという御前提でありますが、その場合におきましても、大災害が起つた、大震災が起つたというような場合にどうであろうか。御承知のように、九州のあの水害におきましても、治安はきわめて平静でありましたが、しかし保安隊、あるいは駐留軍の援助も得たのであります。関東大震災の際にはあのような状況でありましたが、国の底流を流れる治安情勢は、今よりもよかつたと考えまするが、あのときは軍隊もおそらく四箇師団であつたかと思いますが、出動を得て治安を保つたのでありますから、さような事態のことを考えますると、警察力だけでは何とも申し上げかねるのであります。
○横路委員 国警長官にお尋ねしますが、先ほどの警察法の一部を改正する法律案ですが、これはやはり国警長官としては、できればいろいろな情勢のもとに、市町村の自治体警察を廃止して行くという方向をおとりになるのかどうか、この点ひとつお尋ねします。
○斎藤(昇)政府委員 私は基本的な考えといたしましては、市町村の自治体警察と国家地方警察というこの二つの建て方よりも、やはり府県単位の警察で、そして自治的な性格も持ち、国家的な要請も満たし得るというものの方が、経済的で能率的で、そしてまた民主的な要素もそれによつて十分果し得るのじやないか、かように考えております。この基本的な考え方は、前に政府の御提案になりましたときと私は現在も同様に考えております。
○横路委員 なお国警長官には、あとでまた保安庁の方の関係でお尋ねをいたしたいと思います。 しばらくの間保安庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、長官がおいでにならないようですから、どなたか責任者に御答弁いただきたいのであります。新聞の報ずるところによりますと、改進党で出されました昭和二十八年度の国家予算の修正案に対して、政府与党である自由党が同調されまして、約九十億円これを削減されるということでございます。当初保安庁が大蔵省に要求いたしました昭和二十八年度の要求額の一千二百二十四億九千二百七十一万円が大幅に削減されまして、二十八年度の不成立予算のときすでに八百三十億であつたのが百十億削減されて七百十八億八千四百万円、それからさらに新聞で伝えられるところによれば九十億の削減が、今明日中には両派で共同修正になるというお話でございますが、当初概算で千二百二十五億要求なさつた点から行けば、約半額に減るということになるわけでございます。保安庁としては、いわゆる警備五箇年計画という内容は別にしても、少くとも二年や三年先のことを考えてこの予算を要求されたと思うのでございますが、保安庁として要求された千二百二十五億に比べれば約半分になつている、不成立予算八百三十億に比べれば約二百億減少されたこの保安庁費でもつて、よく保安庁長官が言うように、国内の治安を確保するのに絶対にこれで大丈夫だと言い切れるかどうか。この点政務次官でも次長でもよろしいが、大臣がおいでになりませんから、責任者にお尋ねいたします。
○前田政府委員 お答えいたします。長官はきよう支障がありまして出席できませんので、私がかわつてお答えさせていただきます。 保安庁といたしましては、お話の通り、次々とわれわれの希望額が減つて参りまして、非常に困つた立場におるわけであります。さらに九十億の修正などということは、われわれといたしましては非常に困つたことであります。しかしながら、国会の最高の御意忌といたしまして決定されるということならば、決定額の範囲内においてわれわれの責務を十分に果し得るように努力しなければならぬ、こう考えております。
○横路委員 重ねてお尋ねいたしますが、もちろん国会が予算の修正議決権を持つておるわけですから、今のお話でいいわけですが、保安庁としては初め千二百二十億を要求なさつた。それが今日半分以下の六百三十五億程度に削減されておる。これで国内の治安確保が絶対にできると言い切れますかと私は聞いておる。国会が予算を修正したならばやむを得ないということは当然ですが、保安庁としては、初め立てた計画案から見て、これで絶対に国内の治安が確保できると言い切れるかどうかということを尋ねておるわけです。
○前田政府委員 日本の平和秩序を維持するのはわれわれの責任であります。国会できめられた線に沿いまして、われわれの責任をもつて自分たちの職務を果して行かなければならぬと考えております。
○横路委員 もう一度重ねてお尋ねしますが、そうすると、不成立予算に比べて二百億削減されても、保安庁としては絶対に国内の治安については確保できる、こういうわけですね。そうしますと、要求された額の半分の六百三十億に削減されて、これで国内の治安が確保できるというのであるならば、当初大蔵省に要求した千二百二十五億というものは、国内治安確保という領域からは越えておるのじやないでしようか。
○前田政府委員 お答えいたします。私たちは、いろいろ考えきてそのような要求を出したのでありますが、御承知の通り、解散前にそれが相当削減があつた。しかし解散後の国会におきまして、さらに今回提出いたしました予算額は、なるほど相当の削減にはなつておりますが、その中で船舶建造費、施設整備費、百億を予算外契約として予算案を提出いたしましたので、われわれの計画としてはこれで遂行できると思います。
○横路委員 不成立予算八百三十億から今回百十億削減されたが、予算外契約として百億とつてあるからやれる、その点はそのようにお話を承つてもいいのですか、今度は改進党で修正案を出され、政府与党で同調されたこの九十億の削減は、どういうふうになさる予定でありましようか。
○前田政府委員 この問題につきましは、われわれ保安庁といたしましては、非常に困る立場であります。しかしながら現在のところ、まだ国会の正式の御意思が決定しておりませんので、われわれといたしましては、それに対する対策についてはまだ考慮いたしておりません。
○横路委員 保安局長にちよつとお尋ねをいたしたいのですが、おいででございましようか。——実は今政務次官のお話で、不成立予算八百三十億から百十億削減されたけれども、そのうちの百億については予算外契約でやつている、こういうお話でございます。従つて予算外契約でございますから、二十八年、二十九年と二箇年にまたがつて来るわけなんですが、そうすると、当然保安庁としては国内治安確保という意味の警備計画は、少くともことしだけのものを立てたものでないことは、この予算外契約でも明らかなわけです。そこで一体保安局長としては、これは二年先を考えてやつたのか、三年先を考えてやつたのか、その点は百億にわたる予算外契約のことがあるのでございますから、どういうような考えのもとにこれをおやりになつたのか、お尋ねをいたしたいと思うのでございます。 もう一つ、これは保安局長の領域でないのかもしれませんが、百億の予算外契約についてはわかつたのですが、九十億の削減については、国会がきめてからこうしよう、ああしようということは当然かもしれません。しかし現実に九十億の削減というものは明らかになつて来ているわけなんです。こういう場合に、保安庁のとるべき態度としては、さらに予算外契約でやるのか、まつたく節約でやるのか、その点もあわせてお尋ねをいたします。
○増原政府委員 私からお答えした方が適当かと考えますので、お答えをいたします。保安庁といたしましては、いわゆる警備の関係は、何年計画というような種類のものはまだ樹立をいたしておりません。しかし警備の関係は、一年限りでぽつきりぽつきりと行くものではございませんで、もとより基本的な線として今持つておりますような保安隊十一万、警備隊本年増員を願いまして約一万、この線を基礎といたしまして警備計画を立てておるという実情でございます。従いまして、本年度予算に提出をいたしました船舶の建造は、大体当初から二年くらいはかかるであろう、予算としては繰越明許をお願いするということで組んだわけであります。その後解散後の国会でいろいろ調整をいたしまして、明白に来年度にかかる見込みのものは、いわゆる予算外契約で行く方がよかろうということで、百億をその方へまわした。従いまして、二十九年度にでき上る船をもとより予定をいたしておるわけでありまして、二十九年度の警備計画が全然ないというわけでないことはもとよりであります。しかし二十九年度においてはどういう警備計画で行くかということは、まだわれわれの方としても考え方を立てておるのではないわけでございます。二十九年度において船ができ上りますると、現在持つておるものとこの船を合せまして警備計画を立てる。現在持つております船は、予算その他の都合で米国から借り受けておりまするが、この船では不十分と考えまして、財政の許す範囲で最小限度のものをお願いした。それが二十八年度、二十九年度にわたつてでき上つて参るという事情でありまして、それに基いての警備計画を立てるという次第であります。 なお新聞その他でいわれます九十億円の削減について、どういうふうにするかというお尋ねでありますが、これはただいま政務次官からもお答えをいたしましたが、私どもとしては、何とか原案の通り予算が議決されますることを衷心願つておるわけであります。しかし国会が、治安情勢の判断に基き、財政その他の見地から削減されるということに決定をいたしますれば、われわれとしては、国会の判断に基きまして、許されたる予算の中で、最善を尽して治安の任に当りたいということでありまして、現在のところ、まだこの九十億と称せられるものをどういうふうにいたすかということについては、申し上げます段階になつておりません。
○河野(密)委員 今の問題に関連してちよつとお尋ねいたします。昭和二十九年度に財政支出をするとして、予算外国庫の負担となるべき契約ということで、百億になつておりますが、これは一体どういう内容ですか。
○増原政府委員 いわゆる予算外国庫負担になりまするものは、船舶建造費のうちで六十五億円、施設整備費のうちで三十五億円ということであります。船舶の建造は、百三十億円を二十八、九両年を通して計上いたしておるわけであります。これで、二十八年度において、船舶については百三十億円を契約いたしまして、そのうち六十五億円は二十八年度内において支払いたいというものであります。施設につきましては、昭和二十九年度に支払うものを三十五億といたしまして、昭和二十八年度中に支払われるもの約百四十億三千万円といたしまして、これを二十八年度予算に計上をいたしておるわけであります。
○河野(密)委員 大蔵省にお尋ねしたいのですが、こういう予算外国庫の負担となるべき契約というような形における支出というものも、保安庁経費の性質上、私は非常に望ましくないものだと思うのですが、大蔵省としてどうしてこういう方式をおとりになつたか。現に保安庁経費の中でたくさんの未使用分があるにかかわらず、こういう方式をおとりになつたのはどういう趣旨に基くのですか。同時に財政法第二十八条に基く予算外契約、いわゆる継続して国庫負担になるべき書類は、当然この予算委員会に御提出にならなければならないはずだと私は思うのですが、今日まで御提出になつておらないのはどういう趣旨であるか承ります。
○河野(一)政府委員 保安庁の経費につきましては、先ほど次長が御説明申し上げましたように、船舶及び施設についての一体の計画として、二十八年度と二十九年度を通じて仕事が行われるものでございます。しかし現金の支出は、年度内にその一部でございまして、契約をいたしまするために、つまり船で申しますれば明年度にかかるのでございますか、債務の負担を一括してやりまするために、予算外契約——現在財政法では、国庫債務負担行為という名称になつておりますが、その関係で現金支出に至らずして、契約自体をいたしますものにつきまして、これを国庫債務行為として計上いたしておるのでございます。これは、現行の財政法におきましては、国庫債務負担行為は予算の経費ということになつておりまして、その経費、契約の行為の内容等につきましては、予算書に載つておるわけであります。
○横路委員 保安庁にお尋ねいたしますが、二十八年度予算で購入する飛行機の数は、軽飛行機を五十機、こういうようになつておりますが、それでよろしゆうございますか。二十八年度予算の機材費のところで、いわゆる軽飛行機の購入機数は一体何機になりますか。
○増原政府委員 保安隊といたしましては五十機、別に警備隊として五十機であります。
○横路委員 次に今までアメリカから貸与されました航空機は何機か。なおまた昭和二十八年度年内にアメリカ側からさらに貸与される見通しがあるのかどうか、その点についてお尋ねいたしたい。
○増原政府委員 ただいままで借りておりますのは御承知の練習機——軽飛行機でありますが、約四十機であります。二十八年度中にわれわれが貸与を希望いたしますのは、さらに約百二十機でございます。
○横路委員 そうすると、二十八年度予算で購入するのが保安隊用五十機、警備隊用五十機、アメリカから今まで貸与されたものが四十機、保安庁として今後アメリカ側から貸与希望のものが百二十機、こういうようになつておるようにお話を承りましたが、そういたしますと、保安庁といたしましても、飛行場の拡張といいますか、そういう点については当然考慮されなければならないと思うのでありまして、飛行場として予定されている所はどこどこであるか、その点についてお尋ねをいたします。
○窪谷政府委員 お答えいたします。軽飛行機を購入するにつきまして、飛行場が当然必要になつて来ます。それで今予算がまだ成立しておりませんので、具体的には場所は決定しておりませんか、大体の構想といたしましては、陸の保安隊につきましては、各管区に一箇所ございます。それから警備隊につきましては、大きなと申しますか、主たるものを二箇所、さらに付属のものとして二箇所、大体四箇所、従いまして陸と海とを通じますと、陸の方は四管区のほかに方面管区がございますので三つということになります。両者を通じまして九箇所程度の小さな飛行場を予定いたしております。
○横路委員 重ねてお尋ねいたしますが、二十八年度の予算につきましては、今のでわかつたのですが、二十九年度予算で、さらに保安庁といたしましては飛行機についてどういうような拡充計画を持つていらつしやるか。大体この程度の機数と、軽飛行機程度のものでいいのか。それとももう少しさらに拡充なさるのか、そういう点についておわかりでありましたら、この際ぜひ明らかにしていただきたいと思います。
○増原政府委員 ただいま米軍の方から借りておりますものは練習機でございまして、もとより連絡、観測などには使用可能であります。保安隊で買いたいと思いまする五十機も、練習、連絡、観測というふうなものに使うものを買いたいというつもりでございます。買いたいと思つておりまする約五十機の機種については、いろいろ研究いたしておりますが、まだ決定には至らない段階でございます。それで二十九年度において、保安隊の航空機についてどういうふうな計画を持つておるかというお尋ねでございますが、これについては、まだ研究が確定をいたしておりません。ただだんだんと航空機の練習を始めて参りまして、軽飛行機のほかに、ヘリコプターも持たせていただきたいという予定をいたしておりますが、具体的に言いまして、先般の九州方面の水害等の状況にかんがみましても、従来考えておりました軽飛行機の練習、観測、連絡というものよりは、もう少し足の長い、程度の高い連絡、観測というふうな航空機もほしいというふうな議になりつつあります。従いまして、二十九年度においても、なおいまだ研究中でございまするが、航空機の整備ということについて予算でお願いをすることになるかもわからない。まだしかしその計画は、申し上げるほどには固まつておらぬという段階でございます。
○横路委員 次長にお尋ねいたしますが、そういたしますと、現在の保安隊では高射砲を持つておるわけです。この前たびたび保安庁長官から、直接侵略と間接侵略は同時に起るのだ、だから時至ればやはり日本人としては、とにかくそこら辺にあるものをみな持つて、直接侵略のものに対しても対抗するのは当然でないか、こういうようにお話をしておつたわけです。そこで直接にしろ間接にしろ侵略なんですから、侵略して来る敵の飛行機に対処するためには、やはり現在のごとき飛行機では間に合わないので、高射砲を用意なさつて、侵略して来る飛行機に対して撃つというのであるならば、それよりもつと全きを得るところの、いわゆる防衛ということは、当然軽飛行機の連絡、観測という程度でなしに、少くとも侵略して来るその飛行機と戦闘といいますか、戦闘というとあまりうまくないかもしれませんが、少くともそれらを国外にといいますか、上空から追い払うことができる、そういう機種を当然用意なさるのが至当でないかと私は思うのでございまして、将来とも世間でいういわゆる戦闘機といいますか、そういうものについては絶対に用意をしないのであつて、それはまつたく練習機より進んでも連絡程度のものというようになるのか。保安庁長官がよく言うところの、間接侵略に対処できるのだという点からすると、私はどうも高射砲でなしに、やはり侵略して来た飛行機と相ともに空で迎え撃つことができる飛行機の機種の方がいいんじやないかと思うのですが、その点どういうふうにお考えになつておるか、次長にお尋ねしたい。
○増原政府委員 われわれの今持つております若干の高射砲、これはいろいろ国会においても従来御議論がありましたが、われわれが百五ミリなり百五十ミリの大砲を持つたり、あるいはタンク特車を借りたりいたしまして、いわゆる国内治安確保の面において、いろいろの場合に対処できるようにということで、そういう装備をいたし、訓練をいたしておりますが、これと関連するものとして若干の高射砲を借り受けてやつておる。これは、やはり国内治安という観点において、いろいろな事態に対処できるようにという範疇を出ないものであります。従いまして、直接侵略に伴う航空機による侵入というようなものに対処できるには、はなはだ遠いものであります。現在われわれは保安庁法に基き、また憲法に基きまして、国内治安の任に当つておるのでありますので、直接侵略に属する航空機の侵入を有効適切に防ぐ手段は持つておりませんし、またそういうものは現在は考えておらないという状況であります。
○中村(三)委員 関連して……。グライダーをお買いになるということを聞いておりますが、お買いになるのですか。
○増原政府委員 グライダーはただいま買う予定はありません。ヘリコプターを買うことにいたしております。
○中村(三)委員 横路委員の質問の飛行機は、予算書にも出ておりますが、軽飛行機を五十機お買いになるのは、内地で御注文なさるのか、外国へ注文なさるのか。外国へ御注文になつた場合は、いつこれが手に入るのか。おそく手に入るようになれば、これまた繰越しになつて来る。それから油をどうせられるのか。これを伺いたい。
○増原政府委員 軽飛行機の購入につきましては、だんだん研究はいたしておりますが、まだ予算が決定になりませんので、しかとしたところまで参りませんが、先般保安庁長官から他の機会に御説明申し上げましたように、われわれといたしましては、国内産で適当なものが適当な時期に、価格も適当に入手できるならば、国内産のものももちろん使用したい。しかし性能なり時期なり、価格の点で間に合わない場合には、外国産のものを買うことも同時に考えなければならない。そうしたものを、予算が確定しましたらただちに注文をして、いつ入手できるか、年度内に入手できる概略の見通しは持つておりますが、まだ予算が決定をいたしませんので、確実な商談と申しますか、注文取引をいたしておりませんので、明確にいつということは申し上げかねますが、年度内に入手し得る大体の目安はついておるわけであります。油は、五十機購入いたします分についても、予算にお願いをして、購入をすることになつております。
○中村(三)委員 ここがこの保安庁予算の足りないところです。大蔵省にお尋ねしますが、保安庁予算を査定せられる場合において、この飛行機はどこから購入するか、内池産か、それともアメリカあたりから買うのか、しつかりした目途をおつけになつて査定せられたと思いますが、両者の間に話合いがなければ、厳密なる主計局長、お認めにならぬと思うのですが、それをひとつ……。何も遠慮する必要はない。
○河野(一)政府委員 飛行機の購入につきましては、軽飛行機について、国内の状況等からして、現在そういつた完全な飛行機をつくつておるかどうかといつた点につきましても、いろいろ検討いたしたのでありますが、とにかく、国内で買うか、国外で買うかは別といたしましても、こういう飛行機を持つことが必要であろうということで予算を査定し、それを計上いたした次第であります。
○世耕委員 簡単に二点だけ関連して聞かせていただきたいと思います。保安庁の幹部は、飛行機を自分で操縦できますか。どれくらい操縦なさる方があるか。外国では、こういうような保安関係の幹部は、たいてい自分で操縦するようになつております。
○増原政府委員 幹部というものの意味が、長官とか私どもという意味でありますと、今操縦能力を持つておる者はありません。保安隊の幹部という意味でありまするならば、現在練習をいたしておりまする者は、ほとんどがいわゆる幹部でありまして、幹部は操縦能力を持つておるのであります。
○世耕委員 私の申し上げたのは、長官以下の幹部のことを言つています。飛行家を言うておるのではない。そこにいわゆる航空機に対する認識がかかつて来るのではないか。もう一つは、飛行機の機種について、他の委員から熱心に御質問があつたのはもつともなことだと思いますが、私は性能の悪い飛行機を何台も買うよりも、性能のいい飛行機を使う方がむしろ効果的ではないか。その意味において、ジエツト機のことなんかも考えなければならぬ。私は、ジエツト機は戦闘用に使うのかと思つておりましたところ、専門家の意見を聞きますと、ジエツト機はむしろ防衛用に使うのだ、防衛用が専門だということである。今とんぼのように並んで飛んでいる飛行機の中に、つばめのようなのがひよつと飛んで来るというようなことがかりにあつたとしたならば、問題にならぬ。むだな費用を使うということになる。こういう点にもう少し進歩的な考えがあつてしかるべきではないかと私は思うのでありますが、この点はいかがですか。
○増原政府委員 ただいまお答えを申し上げましたように、現在私どもの保安隊の任務が、国内の治安を維持することであり、その任務達成に必要な航空機を備えたいということでございます。航空機を買います以上は、もとよりわれわれも性能のいいものを買いたいと思いまして研究をいたしておりますが、性能がいいと申しましても、これは練習なり、連絡なり、観測なり、そういうものにいい性能ということでありまして、もとより防禦戦闘にいい性能のものという標準ではないわけでございます。練習なり、連絡なり、観測なり、そういうふうなものとしていい性能のものを買い受けたい。練習でありますならば、初歩練習、中練習、あるいはジエツトをやろうという場合であれば、さらに高級練習機のようなものもいるようであります。われわれは、今国内治安維持のために必要な練習をするために、適当な、よりいい性能のものを持ちたいというふうなことでありまして、ジェット防衛戦闘機を持つということは、現在のところ考えておらないわけであります。
○世耕委員 もう一点だけお伺いしますが、保安庁の幹部の頭とわれわれの頭とは大分ずれがある。遅れているようなところがある。現に台湾防衛のために、アメリカは数百機のジエツト機を蒋介石に貸している。あれは戦闘機ではなくて、防衛機だ。防衛に使うものだ。練習なさるというが、ああいうのも練習しておかなければ間に合わない。機械は間に合うけれども、人間が間に合わない。今練習のときにとんぼのようなんで練習して、ジエツト機の必要なときにどうして間に合いますか。今から練習しておかなければならぬと私思う。ここにわれわれの頭と保安隊の幹部の頭に相当のずれがあると私は申し上げたい。飛行機も各種各様だ。むしろもつと現代的に進歩的なものを使わなければ、何ら意味をなさぬ、かように考えるのでありますが、この点について、私はこまかくお尋ねするのはやめますけれども、何かこれについて用意がありますかということだけお尋ねしておきます。
○増原政府委員 ジエツト防衛戦闘機を持つことが適当である、そういうものをもつて任務を保安隊が果すべきかどうかは、保安庁法の問題であろうと考えます。保安隊がそうしたジエツト防衛戦闘機をもつて国の防衛に当るべきものであるという決定が国会においてなされることでありますならば、われわれも、それに基いて準備をいたさなければならぬのでありますが、現在は、国内の治安に当るという保安庁法の建前に基いておりますので、ジエツト防衛戦闘機を持つことは考えておらないわけであります。
○横路委員 私は次長にお尋ねいたしますが、保安隊の軽飛行機、それから警備隊の軽飛行機五十機、合計百機になりますね。その百機につきましては、七月三十一日に参議院をかりに予算が通過いたしたといたしまして、八月一日から、国内のいわゆるこれを生産しているところから、この百機は年度内に買い得る見込みでございますか。やはり予算をお立てになつた以上、この点については中村委員からも言つておる通り、外国から買うというのか——国内で買うというのが、やはり防衛生産という意味から保安庁としての当然な考えであろう。そうすれば、合計百機にわたるものを八月一日から年度内に買うことができるかどうかということです。
○増原政府委員 先ほどもちよつと申し上げましたが、予算が確定をいたしませんので、まだ具体的なしかとした相談をいたしておりません。概略のところで申しますならば、百機を全部国内産にして、年度末までに納入することには相当困難があろうかと思います。できるという話もありまするが、できないと推定する方がいいのではないかという材料もあるわけであります。そうした場合には、外国産のものを買うということもあるわけであります。 なおできる、できないの場合に非常に大切なのは、性能、機種であります。ある限定された機種のものを百機そろえるというふうなことであれば、確実に年度内に納まるというふうな一応の資料もあるわけでございますが、これは保安隊と警備隊とで——同じ連絡、観測と申しましても、警備隊では哨戒という任務のものも持ちたいという意向もございますので、そうした性能、機種等をにらみ合せまして、外国産、国内産両方で年度内に調達をする、概括的に申しましたら、そう申し上げざるを得ないと思います。
○横路委員 私は、保安庁としては当然この予算を立てられた場合に、わが国内のいわゆる飛行機工場とにらみ合せてこの予算をお立てになつていると思うわけです。当然これは大蔵省に要求されて、大蔵大臣に説明された場合には、八月一日以降の年度内においてこれが一体購入できるのかどうか、国内から買うのか、外国から買うのかという点は、これは当然主計局長からも重ねて念を押されていると私は思う。この点については、いわゆる経営者の諸君が、わが国の防衛生産という形でいろいろ年次計画を立てて、工場の拡張等もやられているようでございますが、そういう点について、当然保安庁としてももう少し具体的に、たとえば百機のうち大体何割であれば、今国内の生産からいつて国内で買えるが、あとの何割については、外国から買う予定であるとか、こういう目安が立たないで、予算が通つてから、国内の飛行機生産を見て、機種を見て、それから決定するということであれば、これはとても年度内にはこの百機の予算は絶対に使うことは不可能だと私は思う。もしもそういうふうに、これから考えますということであれば、当然私は、保安庁としてはそういう点のいわゆる経費の使い方については十分考えていらつしやると思う。国内の生産という点から行つても、従つて、その点にもう少し明確な御答弁をいただきたいと思う。それがどうしてもできないというのであればやむを得ませんけれども、その点明確にひとつお答えをいただきたい。
○増原政府委員 飛行機を買いまする際のこの予算を持つて参りまして、大蔵省へ要望いたしました際は、これはとりあえずは外国産を買う、買つてもよろしいという大体の話合いでお認めを願つたわけであります。しかしながら、予算が一応政府予算として国会に提出をされる段階になりまして、国内においても、保安庁で今使いたいという程度の飛行機であるならば、外国のパテントを買うなり何なりして早急につくり得るし、つくる準備もなしつつあるから、できるだけ国内産のものを買つてもらいたいというもつともな要望もあるわけでありまするので、両者をかみ合せて考えて行きたいというように考えているわけであります。
○横路委員 いろいろお尋ねしたい点もございますが、時間も制約されておりますで、国警長官にもうひとつだけお尋ねいたしたいのであります。それは、私先ほど国警長官に国内の治安についてお尋ねをしたのでありますが、今まで日本の国内で発生しました集団的な暴動というようなものについて、少くとも今まで私は国警、自治警の協力でこれが秩序を保てなかつたことはないと思う。そこで重ねて私は国警長官として、いわゆる国家警察、自治体警察の協力でどうしても治安が保てないような、いわゆる集団的な暴動というものはどういうときに発生するのか、その点をひとつ国警長官として御答弁いただきたいのです。
○斎藤(昇)政府委員 非常にむずかしいお尋ねかと思いますが、われわれの一番の関心事は、日本に暴力革命が企図されるか、この口火を切るようなことがあるかないかという問題であると思うのであります。いかなる場合に暴力革命が起るか、これはいろいろ各国の歴史等も示しておりまするので、非常に委員はそういうことを御研究であると私は考えます。従いまして、こういうようになつて来た場合にはこうなる、こういうようになつて来た場合にはこうなるということを一々ここでは申し上げませんが、そういつた暴力革命が日本に将来絶対に起り得ないとは保しがたい、むしろさようなことをいろいろと企図しているような団体が存在し得るのじやないか、これに対処し得る道は考えておかなければならない。そういつた企図は、われわれの関知しておりまする限りにおきましては、日本の国内にないとは言えない。われわれはこれをよく見守つて、さようなことが起らないように事前に防止をして行かなければならないと考えます。現在の警察力だけで、いかなる事態になつてもそういうものが防止できるかどうかというと、これは、私はできますということは断言できないと思うのであります。そこで日本の今後の国際的に置かれる環境なり、あるいは日本の国内の政治、経済、財政等の様子なり、あるいはただいま申しましたそういつた革命的勢力が、さらに今後どう動いて行くかということによつてきめなければならないと思うのでありますが、さような意味合いから、先ほども申しましたように、私ここ一箇月以内とか、そういつたごく近く限つた段階においては、今のところ暴力革命が成功に終るとはもちろん考えませんし、暴力革命を起そうというので口火を切ろうということも考えられませんが、これは若干将来について考えてみます場合に、どういうように変化して参りますか、この段階ではちよつと申し上げることは困難かと存じます。
○横路委員 そうすると、国警長官としては、今の保安隊は警察力ではないわけですね。そういうように長官はお考えでございますね。今の保安隊は、少くとも警察力ではない、警察力とは違つた、別なものだというふうに、国警長官としてはお考えでしようか、その点どうでしようか。
○斎藤(昇)政府委員 どういうところから今の保安隊が警察力でないということを、私がただいま申し上げました点から申されるのか、ちよつと判断に迷うのでありますが、私は、今の保安隊は、保安庁法に示しておりますように、広い意味の警察力だと考えております。しかし日常警察業務にタツチする警察力とは考えておりません。普通警察力では処理できない場合に出動する、広い意味の警察力だと考えております。
○横路委員 時間も足りないですが、いろいろお尋ねしたい点もありますから、大蔵大臣にお尋ねします。今米価の二重価格制のことが問題になつておるのですが、二十八年度の産米を石七千五百円にして、消費者価格を今日の石七千五百円のときのまますえ置いた場合には、一体どれたけの持出しになるのか、その点大蔵大臣としては、いろいろ御検討なさつておるだろうと思うのです。その点をお尋ねします。
○河野(一)政府委員 現在提出いたしております予算におきしまては、昨年度の予算米価をそのままとつておるのでございまして、従つて予算の建前としては、赤字はない建前にいたしております。
○横路委員 私は河野主計局長の答弁は、提出された予算ではというのでわかるのですが、しかし現実に、実際今予算の修正という形で、いわゆる生産者価格八千五百円は絶対に維持しなければならない、こういう点で出されておるのでございまして、もしもそういう主計局長の御答弁で、自由党と改進党の両方の共同修正案で石八千五百円、消費者価格は石七千五百円にすえ置くというような、いわゆる二重価格制がとられた場合には、大蔵大臣は責任をおとりになるのかどうか、この点は私は非常に重要な問題だと思いますし、新聞等でも、大蔵大臣は非常にいろいろと心痛なさつておるようですけれども、私が聞いておるのは、そういう場合には一体どの程度の持出しになるかを聞いているのです。
○小笠原国務大臣 この問題につきましては、政府としては依然としてそういうことを望んでおりません。原案の通過を望んでおるのでありますが、しかし国会が修正されるということであれば、この国会の修正権に私もどうこう申す権限を持ち合せない、こういうことだけを申し上げておきます。
○横路委員 これは大蔵大臣にお尋ねするのは酷かもしれませんが、そうすると吉田内閣としては、自分の政策の基本的なものが、国会の予算の修正でどういうように自分の内閣の性格がかわつても、国会が修正したんだからその通り受継いでやります、こういうことになるわけでございますか。それとも、以前自分たちが考えていた、与党と吉田自由党内閣としては、米の自由販売というような点を打出されておつたのでございますが、基本的に違う米価の二重価格制ということが予算の修正でとられた場合においても、それは国会で修正になつたのだから、私たちとしては、それに従う以外に、別に責任とかいうことについては考えてないという意味なのでございましようか、その点ひとつお伺いしたい。
○小笠原国務大臣 その問題につきましては、私どもは、今日八千万の国民はことごとく予算の成立を希望しておると思います。従いまして、予算成立のためには、ある程度私どもが予算成立を希望するという趣旨を現わす以外に方法はないと考えております。
○横路委員 この行政費の節約という点につきましても、改進党からは百四十五億の節減がうたわれまして、そうしてこれは大蔵当局とは言いませんが、与党の政調会では、百二十四億まで節減が可能だというようにまで出ているわけでございますが、この点私は主計局長にお尋ねしますが、実際に現在の国会に出されました予算の中から、さらに行政費が百二十四億節減されてそれで可能なのかどうか、その点お尋ねします。
○河野(一)政府委員 新聞に出ております百四十億の行政費の節約が、どういう計算でどういう内容のことか、私は存じませんのでございますが、私どもといたしましては、行政運営上最小限度の経費であるという建前で予算案を提出して、御審議をお願い申し上げた次第であります。
○横路委員 次に大蔵大臣にお尋ねしますが、人事院といたしましては、少くとも今週中には、公務員の給与べースを一万五千四百円ないし一万五千五百円程度で勧告すると思います。あるいは衆議院の本会議にかかるまでに勧告するか、本会議を通つてから勧告するかは別にいたしまして、これは大蔵当局といたしましては、今国会でもう予算を出しておるわけでございますから、当然補正予算ということになるだろうと思うのでございますが、やはり人事院で勧告することは必至になりましたので、そうなりますと、これは当然補正予算を組むということになりますが、それでよろしゆうございますか。
○小笠原国務大臣 財源の問題等もございますので、さらに考えてみます。
○横路委員 そこで財源の問題なのでございますが、今国会に出されました財源は、たびたびの予算委員会等における説明では、これはもう最大の限度である、公聴会におきましても、これは見積り過大であるというような点まで指摘されたのでございますが、この点につきましては、今大蔵大臣から適当な財源というがどういうような適当な財源がございましようか、その点お尋ねいたします。
○小笠原国務大臣 ただいまのところ、私ども財源を持ち合せておりませんが、さらに十分検討してみまして、その財源ありやいなやということを検討いたします。
○横路委員 大蔵大臣にもう一つお尋ねします。義務教育国庫負担法の特例法に関する問題なのですが、これは御承知のように、政府といたしましては四十八億、八月以降においてこれがまず軽減できるという見通しでやつたわけですが、これは当然今回の予算には、この国庫負担法の特例法が通るというので出されたわけでございます。もちろんこれは、この法案が今国会を通らなければ、補正予算で四十八億については当然組みかえをしなければならないと思うのですが、これはそういうことになるでございましようかどうか、この点お尋ねいたします。
○小笠原国務大臣 私どもは、予算もそういうふうに盛つてあるし、法律も通ることを心より希望いたしておる次第であります。
○庄司主査 横路さんに御注意申し上げますが、いかがでございましようか、あと六人残つておりますが、あなたは正味一時間と十分ほどおやりくださいましたが、どうかひとつ……。
○横路委員 それでは主計局長にお尋ねしますが、やはり今の義務教育国庫負担金五百四十億円が今の特例法とからんでいるわけです。私が聞いているのは、万一この特例法がつぶれれば、これは当然補正予算を組まなければならないと思うがどうですかと聞いているのです。大蔵大臣は絶対通りますという、それでいいのですけれども、これが審議未了とか、あるいは否決とかいうことになれば、当然これは組まなければならないと思うがどうですかと聞いているのです。主計局長から御答弁願いたい。
○河野(一)政府委員 私どもといたしましては、特例法を八月から施行するという建前でございまして、この予算の成立を希望いたしまする以上、法律についても真にその通過を希望いたしておる次第であります。
○横路委員 大臣にお尋ねします。そういうように御答弁なすつても、現実に予算の修正が行われて、主計局長から、行政費については、これ以上節減できないというのが、現に百二十四億から節約されて来ているわけです。これは法案が審議未了になれば、その点は当然補正予算で四十八億を組まなければならないと思うのですが、重ねてこれ以上聞いても同じような答弁だと思いますので、あと一、二点自治庁長官に聞いてやめます。
○庄司主査 あと六人でございますので、なるべく簡単にお願いします。
○横路委員 分科会は、ほんとうはもう少し丹念に聞かなければ……。
○庄司主査 ほかの方が時間がなくなりますけれども、他の御諸君が御同意ならばけつこうでございます。
○横路委員 皆さんに御迷惑をかけますが、自治庁長官に一、二点お伺いしてやめます。 この間から問題になつておりますところの昭和二十七年度のいわゆる赤字につきましては、これは自治庁としても、地方自治団体の再建整備といいますか、長期にわたる計画で、この赤字について、国の負担でやるか、地方自治団体の負担でやるかは別にして、長期債でやるような計画が現に進められているかどうかという点が第一点。それからもう一つは、これも仮定の上に立つて聞かれたのでは困るといわれればしかたがないのですが、現実に今改進党側では、大体平衡交付金を五十億程度増額しようという空気が多いので、もしも平衡交付金がどういう形かでこの国会で修正になれば、いわゆる政府の方でお考えになつている平衡交付金、短期債募集に関する問題は、今政府が出されているのは、当然それに伴つてあらためて修正する——国会の方で修正するか、政府の方であらためて原案でなしに別途に法案を出すか、その点どういうようになつておりましようか、その二点だけお尋ねします。
○塚田国務大臣 第一のお尋ねの点は、国会の委員会において、そういう計画が現に進んでおるやに私も承知しております。考え方といたしましては、私ももちろん反対ではないのでありまして、赤字が生じないように財政計画はしてあるのだが、過去何年間か赤字が生じておる現実というものは、否定するわけに行かない。赤字を生ずれば、当然短期債か何かで非常に無理な財政やりくりをやつておられると思うから、これは何とかいたしまして、無理のないように今後やつて行けるようにして差上げなければ、地方財政というものは現実に非常に悪い状態にぶつかりますから、これは考え方としては自分も賛成であります。ただ私としましては、時期をどうするかという問題は、今地方財政、税制全般に本格的な再検討をして解決をしようという立場から、そういう解決はそのときに一緒にしたい。ことにやり方についても、制度調査会などの意見もありましようから、制度調査会などの御意見なども伺つた上でいたしたいということで、時期の点に多少意見の食い違いがあるわけでございます。 第二の点は、平衡交付金を増額しようという御計画があることは、私も承知しておるのでありますが、そういう点をどういうように考えておられるのか、この五十億を何にしようというのか、改進党の案では、百億というのが話合いで五十億になるというように聞いております。何をどのようにお考えになつておるのかわかりませんが、今一応千二百五十億というもので、財政計画は現在の平衡交付金法に基いて出ておるのでありますから、これは増額しようとお考えになる国会の御意向を伺つた上でないと、よく御回答申し上げられないと思うのでございます。
○横路委員 長官にお尋ねしますが、七月二日の予算委員会で緒方副総理と大蔵大臣から、国家公務員の〇・二五については、できるだけ支給するように善処したいということでございました。そこで問題になるのは、地方公務員の場合、これは現に昨年も問題になりましたように、これは地方債でやつて、さらに足りない点は公募公債でやる、これは実際大蔵大臣がおいでになれば、この点よく尋ねたいと思うのですが、大体地方公務員に年末手当をやるのに、地方住民から公募公債でやるというのは、地方財政を無視しておることはなはだしいものだと思う。この点は、今度は年末手当の繰上げでございますから、自治庁長官としては、当然この予算に計上されている平衡交付金の中から繰上げ支給ということになると思うのでございますが、その点は、自治庁長官はどういうようにおやりになるか、大蔵省から制肘を受けないようにひとつ御答弁いただきたいと思います。
○塚田国務大臣 これは国がそういうことになりますれば、従つて地方もそれに準じてやるということになりますので、各団体がどういうようなやりくりでおやりになるか、これは自治の建前から、政府の干渉するところではありませんが、そういう措置をいたしまして、当然不足が出て来ると考えられますので、それはそのときに、各地方団体の財政計画と、またそのときにおける収入支出のぐあいとにらみ合せて、さらに国家財政の状態とにらみ合せて、あるいは起債というものでまた考え、あるいは平衡交付金というもので考えるとか、そのときに適切に考えて処理をいたしたい。しかし気持といたしましては、起債というあまり好ましくない方法でやらずに、できるだけ平衡交付金増額でやれるならば、自分としてはそうしたいと考えております。
○横路委員 私は北海道開発庁長官にお尋ねしたい点もあるのですが、委員長からたびたび注意のように、時間が非常に超過しておるというお話です。これは分科会ですから、もつと丹念にやらしてもらえるものだと思うので、関連質問の方にもゆつくりやつていただいたのですが、ほかの方にも迷惑をかけますから、これで終ります。
○中村(三)委員 私は、この際主査を通じまして、保安庁当局に要求をいたします。それは、現在保安隊がアメリカから借りておられます武器、兵器、 航空機を含むこれらの完成年度、それから性能等につきまして、一覧表を資料として御提出願いたいと存じます。
○庄司主査 ただいま中村委員より資料の要求の点、お聞きの通りでございます。保安庁当局におかれましては、すみやかに作成の上、でき得るならば午後二時ごろまで、あまり時間を切つたようでございますが、すみやかに御提出になるようおとりはからいを願います。 午後二時より再開いたします。暫時休憩いたします。 午後一時二十分休憩 ————◇————— 午後一時二十分休憩
○庄司主査 休憩前に引続きまして会議を開きます。質疑を継続いたします。河野密君。
○河野(密)委員 私はごく簡単に、事務的な質問を申し上げたいと思いますが、昭和二十八年度の予算におきまして、一般会計、特別会計、それから政府関係機関を通じまして、公務員の給与のベースをどういうふうに押えてこの人件費を計算になられたか、これをまず承りたいと思います。
○正示政府委員 お答え申し上げます。御承知のように、昨年の十一月にペース・アップをいたしました一般会計と特別会計、すなわちこれを国家公務員と言つているのでありますが、そのベースが一万二千八百二十円、それから国鉄が一万三千四百円、それから電電公社が一万三千四百三十円、専売が一万三千百円、こういうふうになつております。
○河野(密)委員 私の承つたところによると、一般会計並びに特別会計の公務員のペースは、その後の定期昇給を入れて、現在一万三千二百円になつているというのですが、どうなんですか。
○正示政府委員 お答え申し上げます。仰せの通り、昇給昇格等によりまして最近の実績は一万三千三百円と心得ております。
○河野(密)委員 それで今お示しの通り、一般公務員が一万三千三百円、それから電電公社一万三千五百円、専売が一万三千二百円、国鉄が一万三千四百円、こういうペースなんでありますが、これによりますると、電電、専売、国鉄等というのは大体現業でありますが、これと一般公務員との間における区別というのは、現業における人々をその仕事の性質上優遇しておるもの、こういうように考えられるのですが、これはその通りに了解してよろしいでしようか。
○正示政府委員 お答え申し上げます。御質問の御趣旨は、現状がこうなつておることは何を根拠としておるかというように承つたのですが、御承知のように、現在の公務員、あるいは公共企業体等に関しまする法律が、われわれの方、一般の者は国家公務員給与法になつておるわけでありますが、国鉄、専売、電電、あるいはいわゆる印刷、造幣等の五現業につきましては、公共企業体労働関係法というふうに、適用の根拠法規が違つておるわけであります。従いまして、一般公務員につきましては、人事院勧告によりまして、それを最も重要なる基礎といたしまして、政府が財政その他の関係を判定いたしまして、ペースをきめておるわけでありまえ公共企業体等労働関係法の適用の分につきましては、いわゆる調停または仲裁というふうな手続を経ました上で、これに対しまして、管理者の方の判断、最後に国会の御決議によりまして、ベースがきめられておることは御承知の通りであります。その過程におきまして、ただいま河野先生のおつしやられましたような、いわゆる現業としての特殊性というようなものが織り込まれて、調停なり仲裁なりが行われるということは、確かにあろうかと存じまするが、いわばそういう現在の根拠法規の違いと、従来からの沿革というふうなことと、ただいま申し上げたような勤務の特殊性というようなことが総合されまして、こういうベースの違いになつておるというふうに承知をいたしておるわけであります。
○河野(密)委員 一般公務員の中でも、現業の職員に対しましては、公企労法が適用になるのであります。公共企業体と同じような適用を受けておりまするその現業員の給与の問題につきましては、政府としてはどういうお考えを持つておられますか。
○正示政府委員 お答え申し上げます。公共企業体等労働関係法の定むるところによりまして、一般公務員の給与ベース、その他各企業体におきまする勤務、その他の要素を総合的に勘案いたしまして、決定をいたすことに相なつております。
○河野(密)委員 そこで私は、大蔵大臣にお尋ねしたいのでありますが、現在の公務員の給与体系というものは非常にまちまちで、一般会計、特別会計を通じての一般公務員の給与体系は、これは人事院の勧告による。しかしその中でも現業の方は、公企労法の定むるところによつて、これは調停案による、それは電電公社とか、国鉄とか、専売とかいうようなものと同じような考え方に従つて行く、その体系が非常にまちまちになつておるのであります。従つて、その間においていろいろな問題が起つて、これが今日不当に種種なる労働問題を起しておる原因になつていると思うのです。大蔵省としてはこの予算の編成にあたりまして、この給与体系というものをどういうようにか整理したいという考え方が当然なければならないと私は思うのでありますが、大蔵省として、この給与体系の全般的な整備というものについて、どういうお考えを持つておるか、これを私は根本問題としてお尋ねしたいのであります。
○小笠原国務大臣 私どもは、国会でおつくりになつた法律をそのままやつておる次第なんでございます。大蔵省としても、法律に基いてやつておる次第でありますから、現在のところ、今お話になつたような点もありますけれども私どもがいつも予算を編成するときには、現在のままで予算を編成しておるような次第でございます。
○河野(密)委員 それは法律は国会がつくるから、法律の通りにやるとおつしやれば、その通りでありますけれども、私はこれが禍根だと思いまするので、その禍根について、政府としてはどういう是正の考え方を持つかということを尋ねたいのであります。
○小笠原国務大臣 御意見の次第、よく考えてみます。
○河野(密)委員 先ほど横路委員からも質問がありましたが、近く今週中に、人事院から一万五千四、五百円と新聞には出ておりましたが、一万五千四、五日円、少くとも一三%程度のベース・アツプになる勧告が出るとのことでありますが、この勧告に対して、大蔵省としてはいかなる見解を持つかということを、この際承つておきたい。
○小笠原国務大臣 大蔵省で調べましたのは、昨年の十一月を一〇〇としまして、CPIとかCPSを出してみますと、あまり大きな差はありません。ことにCPSのごときは、下へ下つております。これは河野さん御承知の通りであります。但し民間の分を調べましたところ、ちようど一割三分ぐらい上つておるように民間の分ではありましたが、しかし今日では、財界が少く悪くなつて来ましたので、そういうことか続いておるかどうか、大蔵省でも疑問を持つておつた次第であります。しからば、今の人事院の勧告が大体一割三分アツプぐらいになされた場合どうか、こういうお話でございますと、やはり現在のところでは、財源問題で少しむずかしいのではないかと私は考えます。しかし財源を得る道もありますれば、さらに考慮します。今のところ率直に申しますと、財源関係でその勧告がいれにくいのではないか、こういうふうに感じておるのでございます。
○河野(密)委員 大蔵大臣のお話でありますと、人事院の勧告はいかようにあろうとも、これはなかなか大蔵省としてはのみ得ないというように承わるのでありますが、私は少しく立ち入つて伺います。そうしますと、現在現業方面における給与の是正の要求というものに対しては、大蔵省としてはどういうふうに考えておりますか。
○小笠原国務大臣 これも御承知のように、その全般に対する影響をよほど考慮してやらぬときめにくいので、それの事柄について考えた上で処置したいと考えております。
○河野(密)委員 大蔵省にお尋ねしますが、現業官庁は、大体今公社の組織になつて、一般公務員の中でも現業に従つておる者は、公企労法の適用になつておるのでありまして、それに応じて、たとえば郵政の調停案とかいうようなものが出ております、あるいは印刷局の調停案というものが出ておるのでありますが、これらの調停案全般についてはしばらく別といたしまして、この六月二十六日に出ました、大蔵省の所管でありまする印刷の調停についてお尋ねをしたいのであります。この印刷局の職員に対する調停によりますと、現業であるべき方面において、むしろ一般公務員のベースよりも低くなつておる、こういう点が発表されております。そうして、その調停案によつてその不合理を是正しなければならない、こういうことが書いてあるのでありますが、大蔵省としては、この調停案に対してどういう態度をおとりになるのか、これをまず承りたいと思います。
○小笠原国務大臣 あるいは今の問題は、私の答弁が間違つておるかもしれませんが、頭打ちという問題じやないかと思います。その頭打ちの問題ですと、印刷局が一番頭打ちをしておるわけです。印刷局は三三%ぐらいかと思いますが、中には三五%ぐらい頭打ちをしておる者もありまして、そんなことで、この問題も何とか考えなければいかぬと思つておりますが、これもほかの影響等を考えて、まだ決しかねておる次第であります。
○河野(密)委員 この問題に対しまして、当面の所管責任者の御意見を承りたいと思います。
○吉田説明員 ただいま御質問のございました印刷局の調停案の問題でございますが、これは先ほどから大臣並びに主計局方面からもいろいろと話がございましたが、印刷局というのは、御承知の通り大蔵省の付属機関でありまして、公社とか、あるいは外局とかいうような独立の形態をとつていないわけであります。もちろん労務管理という点を担当し、相当程度の委任を受けまして、日常の事務を執行しておるわけであります。ただいま問題になつております調停案というのは、現在の予算の範囲ではとうてい実行することができないわけでありますけれども、その点について、監督を受けております官房でありますとか、あるいは予算の関係の主計局の方といろいろ折衝しておるわけでありますが、ただいま大蔵大臣もお話になりましたように、まだ決定しておらないわけでございます。
○河野(密)委員 御承知のように、影響するところが大きいからという点から申しますと、いろいろ問題があります。現在われわれの承知しておるだけでも、郵政省の問題があるし、林野庁の問題がありますし、この印刷局の問題がありますので、これは影響するところが大きいといえば大きいのでありますが、私は、これは非常に片手落ちだと思うのであります。それはなぜかと言うと、同じような現業の政府の機関、あるいは政府の機関に準ずるところのものであつて、そこで同じような仕事をする者の中で、給与の点において差等があることは非常に不合理だと思うのであります。郵政の方では、御承知のように今度は予算を要求いたしております。大蔵省は認めるか認めないか私たちは存じませんが、これは郵政委員会に現在かかつているのであります。しかるに同じような立場にあるところのこの者に対して、当該官庁において何らの措置も講じないということは、片手落ちであると思う。同時に、この問題に対しまして何らの措置も講じておらないということは、どうも納得が行かないのであります。現在の現場を預かつているところの責任者として、当然これに対する対策を立てなければならぬと思うのでありますが、この点についてどう考えるかということと、現在の印刷関係のものにおいて、かりに予算措置を講ずるとするならば、どのくらいの金額を必要とするのか、その点を承りたいのであります。
○吉田説明員 ただいま御質問のありました調停案をかりに実行いたしますと、どのくらいの数字になるかという点について先にお答えいたします。これは大体一億八千万円程度のものであるということになるのであります。またこの財源措置はどうしたらいいかというお話でございますが、この点は、やはり全体に関係する問題として、あるいは主計局当局からお答えになるのが筋かもしれませんが、かりに印刷局だけとして考えます場合には、一番簡単な方法としては、ある程度の製品の値上げということにつて、一般会計に対する影響がなく措置ができるという道があるかと思いますので、もちろんこれは他にいろいろ波及する点もありますので、全体のそういう問題について一番考えておられます主計局の方でお考え願いませんと、実行はむずかしいかと思います。
○河野(密)委員 聞くところによりますと、この六月二十六日に出た調停案に対して、七月八日までに双方で回答しなければならないということになつておるそうでありますが、政府の方はこれに対して回答しておらないということであります。回答しておらない理由は、この調停案を実施する意思がないというのでありますか、それとも、この調停案を実施するためには、今お話のありましたように、私の承るところによると局内の予算のやりくりでできるように考えられるのですが、そうではないのでございますか。
○吉田説明員 ただいまの調停委員会の回答の問題でございますが、実は組合の方では八日に拒絶回答を一応いたしたのであります。御承知の通り、調停は両者の妥結がなければ成立いたしませんので、片方が拒絶すれば、当然これは調停の段階は過ぎるということになりますので、政府当局としては、かりに回答をいたしませんでも、当然調停は終るというような結果になるのではないかと考えております。 ただ後段で御質問ございました、印刷局内部で予算のやりくりができるようなお話でございますが、これはやはり給与総額というものがきまつておりますので、国会の措置というものがなければ実行することができません。そういう点で、これを拒否したというわけでごございません。
○河野(密)委員 重ねて伺いますが、当局としては、一万三千五百円というふうに調停が決定をしたものは——組合の方でこれを拒絶したかどうかは別でありますが、当局としては、一万三千五百円を、今までの不合理を是正した上におい——これを実施すべきであるというこの決定に対しては、これは大体しかるべきものだというふうにお考えになつておるのですか。
○小笠原国務大臣 これは今の印刷の分も、林野庁も同様のことを聞いておりますが、一〇%のペース・アップになつておるのでございます。ですから、ほかの分どの関連が非常に深いので、その問題を十分に検討しないといずれとも決しかねる次第でございます。
○河野(密)委員 もう一つお尋ねしますが、先ほど大蔵大臣のお話によりますと、人事院勧告があつても、これに対して、財源の関係上非常に困難であるという趣旨でございましたが、今当局の話によりますると、この印刷局におきましても、あるいは林野庁の方は別でありますが、そういう林野庁の方におきましても、過去において、一般公務員に比べて一つのひずみができておるということはお認めになり、これはどうしても是正しなければならないものであるということだけはお認めになるのでしようか。
○小笠原国務大臣 頭打ちの問題だけですと、実は考える余地が少しあると思いますが、頭打ちの問題を使つてベース・アップをするということになると、いろいろ関連するところ多くてやりにくい、こういうのが実情でございます。
○河野(密)委員 もう一つ立ち入つて伺いますが、この一万三千五百円というのは、さつき伺いましたように大体現業並にするということで、現在あれは現業並にしなくても、一般公務員から比べてもひずみができておる。一般公務員から比べてもひずみのできておる分は、これを直して、直した上に立つて、ペース・アップになる分についてはまだ考えておらぬ、こういう意味でしようか。
○小笠原国務大臣 今おつしやつたようにひずみと言えばひずみですが、まあ、しかしこの形で一応バランスがとれておるのです。このひずみを直そうとすると、またどこかのひずみを直さなければならぬという問題が派生して参りますので、もう少し全体についての検討をいたしませんと、はつきりした御返事がいたしかねます。
○吉田説明員 ただいまの御答弁にちよつと補足さしていただきたいと思います。ただいまの印刷局のベースは一万二千四百七十六円であります。専売の方が一万三千二百円というような数字が出ておるのでございます。また一般公務員についてもいろいろと数字が出ておるわけでございますが、もちろんこれはその構成人員の年齢なり、あるいは勤務地域なり、いろいろな点で訂正いたしませんと、正確な比較はできないのであります。ことにまた専売と印刷では、勤務時間の点も違つておるわけでありまして、印刷はたしか、四十一時間十五分で、専売は四十四時間というふうに勤務時間も違つております。そういうような点を訂正いたしませんと、はつきりした比較ができないので、われわれもそういう点を正確に比較いたしたいと思つておりますが、まだ正確な比較ができていないような次第で、その点御了承願いたいと思います。
○河野(密)委員 こまかいことをくどく聞くようですが、そうすると印刷局の当局としては、組合の方で要求しているようなもの、あるいは調停案に盛られたような点については、まだ早急にこれに同意を与えるわけには行かぬというような考え方のようにも聞えるのでありますが、これは現業をあずかるものとしては、当然他の現業公務員並になることを率先やるべき筋合いのものと私は思うのですが、これははなはだ不本意だと思うので、重ねてもう一ぺん明確に御答弁願いたいと思います。
○吉田説明員 ただいまのベースの問題は、つまり現状で申し上げたわけでございます。この現状で、かりに郵政の方で今回の調停案が予算化されるということになりますと、それだけの変化が来るわけであります。従つて同じ現業の同じ体系のものについて、少くともある程度有利なものができると思います。その他労務関係を担当いたしておるものといたしましては、できるだけこれに近いと申しますか、公正な措置がとれませんと、非常にむずかしいと言うことができるわけであります。その点については、いろいろと組合の方に事情を説明している次第であります。
○河野(密)委員 人事院の給与関係の説明員がお見えになつたそうでありますからお尋ねしますが、近く、今週中に出るといわれておりまする人事院勧告は、一体どういう考え方のもとにおいて一万五千四、五百円という目安をおきめになつたか。それから当然含まれるであろう租税の問題を通じて、一体実質的な給与はどれだけの給与の上昇になるということを見込まれているのか。この点を承りたい。
○慶徳説明員 ただいま人事院の勧告の問題について質問があつたのでありますが、ただいまのところ、少くとも今週中には、ペース・アップの問題と給与準則の問題とあわせまして、国会及び内閣に勧告いたしたいというふうに考えておる状態でございます。従いまして、勧告になりましたあかつきにおきましては、具体的なデータに基き申して、詳細に御説明申し上げたいと存ずるのでございます。ただいま勧告前でもございますので、ただいまの御質問は、相当具体的な中身に入つておるやに拝聴したのでありまするが、勧告されますまで御猶予いただけますれば、幸いと存ずる次第でございます。
○河野(密)委員 これはごもつともなことで、しいて追究はいたしませんが、人事院が、伝えられるところの一万五千四、五百円という勧告を考えられたその考え方の根本を承りたい。実は私どもも、この一般予算に対する修正案を提案したいと思つて、修正案をつくる以上は、われわれの建前としては当然それに対して、人事院の勧告の線をそれに盛り込んだものをつくりたい、こういうようにわれわれは考えておりますので、その人事院の考えを承りたい。その要点は、かりに形の上で一割三分、一万五千円というように上つても税制の改革によつてもしわれわれの考え方の方がいいならば、そういう人事院勧告よりも、もつと実質給与に重きを置いて修正案をつくりたい、こういうつもりがございますものですから、そこで人事院の考え方は、実質給与の面においてどれだけのアツプになるという考え方を持つておられるのか、そこらのところを承りたいと思うのであります。
○慶徳説明員 ただいまベース・アツプの点に対する根本的な考え方という御質問でございましたが、御承知の通りこの点につきましては、すでに国家公務員法に明示されておるところでございまして、現在の公務員法の規定によりますと、生計費と民間の賃金、それから人事院が適当と認める条件、この三つの条件によつて公務員の給与を定めるという根本の基準が定められてあるわけでございます。従いまして、この条項の趣旨にのつとりまして、一つには標準的な生計費を保障する程度の内容でなければならないという条件と、さらにまた国家公務員の場合におきましては、民間のように自然的な、ある意味におきましては、経済的な賃金を捕捉することに困難がございまするので、民間における経済的賃金とのバランスをも考えあわせまして、主としてこの二つの要素を基礎として公務員の賃金を算定するというのが、現在の基本的な考え方でございます。従いまして、ただいま税制等の関係云々の御質問があつたのでありますが、この中におきまして、当然税法等の関係にも触れるわけであります。さらに、しからばやがて勧告さるべき賃金の中身が形式的にはどうなるか、実質的な手取りにおいてどうなるかというような問題になりますると、正式に勧告されました場合に、そういう税引手取りの実質給与の比較につきましても、詳細な説明資料を添付いたすべく事務的に用意しておりますので、その際にあらためて説明さしていただくことをお許し願いたいと存じます。
○河野(密)委員 よくわかりました。それでは今週中というのですが、実は私たちの予算の組みかえの修正と関係がありますから、いつお出しになるのか、その点伺つておきたい。
○慶徳説明員 たいへん具体的なつつ込んだ御質問でございまして、私説明員でございまするし、昨日も出まして首脳部の会議をやつたのでありまするが、おそらく総裁とされましても、明日勧告をする、明後日勧告をするというところまで至つていないのではないかと想像するのでありまして、今週中に少くとも勧告をするという人事院としての方針は決定したのでありまするが、いつということにつきましては、まだはつきりいたしておりません。
○横路委員 給与局長にお尋ねいたします。今週中に勧告というお話ですが、人事院で国会に勧告するということになれば、あなたの方も御承知のように、総括質問をやつて、十五日に衆議院の本会議に上提するのです。人事院としては、今日の午後か明日の午前中に勧告すると、野党側の修正にいい口実を与えるし、政府はまことに困るであろうから、十五日に予算が衆議院の本会議を通過したらひとつ出してやろう、こういうことではどうもあまり政治的な配慮が多過ぎるのでないか、こう思うのです。やはり政府並びに国会に対して勧告をするという建前から行けば、やはり私は人事院としても、国家公務員の生活については、責任をもつてこれを保障するという建前からいつて、私はやはりおそらくとも明日の午後はひとつ勧告をしてもらいたい。また勧告をするのは、今の政府情勢からいつて至当だと思うのです。どうもあなたのお話を聞いておりますと、今週中ということになりますと、衆議院の本会議を通過した翌日が翌々日くらいになるのではないか。それではせつかくのあなたたちの御苦労が水泡に帰しますので、その点私は今明日中に勧告してもらいたいと思います。その点はどうなつておりましようか。それだけの腹をきめてやつていただきたいと思うのですが、河野さんの質問に関連して、その点をお尋ねします。
○慶徳説明員 再三申し上げますように、私人事院の組織官ではございませんので、まことに恐縮でありますが、私の立場としまして、ここではつきりお答え申し上げることはできない立場にございます。但し帰りまして、責任者であるところの淺井総裁に御趣旨のほどを十分お伝え申し上げたいと存じます。
○河野(密)委員 私そこで給与ベースと関係のあります点で、法務省に資料を要求いたしておるのでありますが、最近における汚職涜職事件の趨勢の資料をお出し願いたいと思います。これはまだ参つておりませんか。
○庄司主査 まだ来ておらないそうでございます。
○河野(密)委員 これはひとつ委員長から御要求を願いたいと思います。私は公務員の給与ペースと公務員諸君のいわゆる汚職、涜職の事件の趨勢とどういう関係があるかということについて、一言お尋ねしたいと思つたのでございますが、これはまだ資料が出ておらぬそうでありますから、あらためてお尋ねすることにいたしましよう。 最後に一つお尋ねしたいのは、この間予算委員会で決定になりました〇・二五をどういうふうに予算化するかという問題について、これはおそらく改進党との間の予算組みかえの折衝においても当然問題になつておると思うのですが、これはただ一時のでき心としてやつたのではなく、実際予算委員会において、多数の決定によつて、ここで決定をしたのでありますから、〇・二五の問題については、大蔵大臣に当然お考えがあることと思うのでありますが、この点承つておきたいと思います。
○小笠原国務大臣 〇・二五の問題は、御承知のようにこの委員会での御決議が、十二月十五日支給の分の中より繰上げ支給するということでございまして、この点については、善処をお約束いたしておりますから、この予算案通過に伴いまして処置をとりたいと存じております。
○河野(密)委員 この予算案が通過すれば、繰上げ支給については大蔵当局としても大体異存はないが、その額も大体〇・二五に該当するもの、こう心得ていいですか。
○小笠原国務大臣 金額が〇・二五かどうか、その点についてはまだ検討中でございます。それからまた法案をちよつと必要といたします次第で、河野さん御承知のように、昨年でしたか、暮れに〇・二ですか〇・二五を、超勤手当とかいろいろな形で出した、ああいうようにはさせたくないわけであります。それのために、ところによつては借金をしたり何かして始末に困つたことがありますので、できますれば、やるときは法律的な措置をとつてやりたいと考えております。
○河野(密)委員 私の質問を終ります。
○庄司主査 世耕君。
○世耕委員 私は数点大蔵大臣並びに事務当局にお尋ねいたしたいと思います。私の調査によりますと、徴税の費用が、他の国に比較して割合に日本の方が高率のように考えられるのでありますが、何かこれにはくふうすることが考えられないか、まず最初にその一点をお尋ねいたします。
○小笠原国務大臣 最近徴税費が相当多くなつておることは仰せの通りであります。それと、徴税費というものは、国の分があり、府県の分があり、市町村の分がある、こんなふうなぐあいになつておりますので、納税者からみると窓口も広くなり、交渉するところも多くなる。そして全体から見ると徴税費もふえておる、こういう点もございますので、今度つくります税制改正調査会ではこういう手続もできるだけ簡素化したい、それで実情に合うように持つて参りたい。徴税費の方もできるだけ減らしたい。かように考えておる次第であります。
○世耕委員 地方の財政が次第に圧迫されて、地方によつては、財政的にほとんど破綻状態に陥りやせぬかと思われるような状況に置かれておりますが、それを救済する意味か、あるいは緩和する意味かで平衡交付金なるものが制定され、あんばいされておるようにも考えられるのであります。しかし地方的に国民の声を聞くと、むしろ平衡交付金は、中央に厚く、地方に薄い、こういう非難が相当起つておるのであります。ことに人口の少い町村になりますと、特にその弊害が大きいのであります。こういう点に関して、何か新しいお考えがおありになるかどうか、この点をお尋ねいたします。
○小笠原国務大臣 御指摘の通りに、地方団体によりまして、財源その他の関係上非常にいわゆる赤字になつて苦しんでおるところがある。他面には、たとえば固定資産税等の大きい収入があつて、非常に楽になつておる部分もあるというようなぐあいであります。従いまして、地方平衡交付金についても、多少いろいろな点にうらみがあると存じます。さような点を考慮するために、大体八月末にはできるということでございますが、あの地方制度調査会というものが今調査しておりますから、その報告に基いて措置いたしたい。なお念のために申し上げておきますが、税制の調査会の方は、これにかまわずもう来月早々には出発して、いろいろ税制の問題を処置したいと考えております。
○世耕委員 大臣から税制改革の御意見がありましたから、こまかくお尋ねすることは避けたいと思いますが、この際直接税に重きを置かないで、間接税に中心を置いて税政策を立てるということは、どういうものかということを、お尋ねしてみたいと思うのであります。 なおこの点に関連しまして、いわゆる所得税の改正、勤労所得税の税率の引下げ、——昔は、統計によりますと、役場の小使さんは税金がかからなかつたものが、最近は役場の小使さんにも税金がかかるようになつた、こういうふうなことで、ことに源泉課税のごときはごまかしがきかぬ。ところが小使さんは税金で苦しんでおるが、小使さんより裕福な生活をしている人が税を免れておるというところが、非難の中心になつておるのであります。こういうところに、担税能力の公平な処置ということがやはり必要ではないかと思います。この点も御意見を承つておきたいと思います。
○渡邊政府委員 便宜私からお答え申し上げさせていただきます。間接税により重点を置いた税制を考えるべきではないかという御意見、これはわれわれもずいぶんいろいろ聞かされておりまして、その方向に検討して見ております。ただ具体的に、それじやどういう対象を間接税の対象として見るかという問題に入つて参りますと、御承知のように、現在はタバコ、酒、これが一番中心になつておりまして、そのほかに砂糖消費税とか、比較的税額の少いものもありますし、物品税につきましては、これは、現在としましては奢侈課税というよりも、多少幅が広くなつておりまして、むしろこれは残すとしても、奢侈品課税にすべきではないかという御意見もございますし、また同時に、本来こういう消費税は消費者にうまく転嫁なされますと、目的を達するのでございますが、中小企業の方が製造されておるものなどにつきましては、なかなかこの転嫁がむずかしいようであります。結局中小企業者が中に入りまして負担を負うて行く。物品税についていろいろ全廃の運動がございましたり、われわれも話伺つておりますが、それの中心は、やはり今の転嫁の問題にかかつておると思います。昔ありました税として考えられますのは、織物消費税、これはシヤウプの勧告で一応やめておりますが、物によつてはずいぶん高い織物もありますから、もつと課税したらいいじやないかという御意見もございます。これはごもつともと思うのでありますが、た だそういう皆さん方の目につきますような一万、二万、三万といつたような織物だけに課税するとしますと、税収はあまり多く期待できない。結局大きな税収を期待しようと思うと、やはり一ぺんやりましてあまり評判が芳ばしくなくてやめましたいわゆる取引高税といつたもの、これはよその国ではかなりやつておりますが、こういうものをもう一ぺんやるかといつたような議論にしかならぬ。抽象論としましては、われわれも現在の日本の経済の状態から見ますと、直接税のような非常にフリクシヨンの多い税金よりも、間接税の方に重点を置いたらいいのじやないかという考え方は、実はわれわれも同じように考えるのでありますが、それじや具体的にどういう税種をとり、どういう税目をとるか、やはり間接税というのは、私長年税金の方をやつておりますが、広く薄くやるのが間接税としてはよい税金と思います。あまり特殊なものに重く税金をかけることは、結局脱税をつくるだけでございまして、あまり税収も上らぬ、そういう意味からしまして、われわれもその方向にものを考えたいという気持は持つておりますが、具体的にどういう税目をとつてどういうふうに広げて行くかということになりますと、一般の取引高税でも復活するか、これはなかなか決心がつきませんが、そういう方向でやりませんと、どうもあまりほかには、目ぼしい財源もないのじやないかというのが、現在われわれの考えておる心境なのでございます。これらにつきましては、先ほどの税制調査会等におきましてさらに一般の方々の御意見なども十分承らせていただいて、来年の税制改正の場合におきましては、その結論によつて改正案を提案することを考えたいと思つております。 それからもう一つの御質問でございました、一般勤労者の所得税の関係でございますが、最近何割か基礎控除、扶養控除の引上げ等を行いまして、相当低額所得者の方の課税がなくなつて来ております。しかしまだ現状におきましても、特に源泉所得の場合におきましては、課税標準が割合いに的確に把握されることもあるかと思いますが、相当多くの人に課税がされている、これをもう少し引上げるということにつきましては、われわれも何とかその方向に努力したいと思つております。ただこの間も一応試算してみたのでございますが、奥さんと子供三人、家族四人の方で、月給二万円くらいまでの人は、税金がかからぬ。それも勤労者でもつて勤労控除のない方は、そこまで行かぬという程度ですが、その基礎控除、扶養控除の引上げだけをやりまして——これは今度の歳入見積りに出ておりません。二十七年度の歳入見積りの平均計算でございますが、所得税だけで、税率は今のままにしておきまして、九百五十億くらいの減収になるという数字が出るようでございます。結局は歳出と歳入の見合いの関係でこれがきまるわけでございます。われわれとしては、できるだけ負担を軽くすることを希望しておるのでございますが、国の財政規模をどういうぐあいに考えて行くかという問題とからみ合せまして、この点なども、税制調査会でも御意見を伺いたいと思いますし、さらに明年度における財政規模というものを考えまして、できるだけ負担を軽くする方向に何らかできないものかということを、われわれとしては考えております。
○世耕委員 よくわかりました。次にお尋ねいたしたいのは、漁業関係でありますが、水揚高が一箇年百五十万円以下くらいの事業税は、廃止してほしいという希望が相当あるのであります。なおこれに関連いたしまして、漁業協同組合に対する法人税の撤廃等は、最近の漁業界の状況から見て考慮さるべき筋のものではないか、かように考えておるのであります。この点についてお尋ねいたしておきたい。 それからもう一つ、これに類したことがありますが、最近大きな会社等が増資をします。いわゆる資産を再評価いたします。これに対して対して課税されたものと思われますが、この課税の方針は、かえつて逆な結果を来しておるのじやないかと私は考えております。これはどこをねらつて対策をお立てになつたのか。むしろ資本を蓄積させるような方向に指導して、将来の財源を求めさせるという方が得策ではないか、ちようど鶏に卵を生まして利益を上げるというのと、鶏を絞めて食べてしまう。一時には収益はあるかもしれぬけれども、決してそれは税政策の上から見て適当ではないのじやなかろうか、こういうふうに考えておるのですが、この点をひとつ。 それから、質問を簡略にする意味において、もう一点お尋ねしておきます。これは大臣の政治力としてお考え願いたいと思いますが、それはいわゆる公営住宅に政府は相当金を出しておりますが、必ずしも成功といえないのです。私はむしろあの金をば、昔の貸家業者のようなものに貸して、それからだんだん貸家をふやすというふうなやり方の方が、かえつて住宅難解決の一番近道じやないか かように考えるのであります。もしこれが公営住宅、あるいは住宅資金を貸して個々に家主にさせることも文化的の一方法でありますけれども、それを与えることは、それ一軒にとどまつてしまう。ところが貸家業者に資金を融通してやると、それを基礎にしてさらに貸家をふやして行く、一挙に住宅難が解決して行けるのじやないか、むろんこの間におけるところの弊害は、十分な取締りをすればいい、かように考えますが、この三点を伺つておきます。
○渡邊政府委員 税金関係のことについて、私から一応お答えさしていただきたいと思います。 漁業関係につきましては、水揚げ百万円以下程度のものは事業税をまけたらどうか、水揚げ百万円といつた場合には、収益としてどれくらいになるか、ちよつと私数字を持つておりませんので、すぐお答えできませんが、事業税の負担全体につきましては、今後の問題としてやはり相当検討して行かなければならぬのじやないかということは、われわれも考えております。さしあたりましての臨時的な——臨時的といつては語弊がありますが。さしあたりましての措置としましては、事業税関係は、御承知のように大蔵省よりも自治庁が主管しておりますが、今まで基礎控除三万八千円というのを、今度五万円に引上げることにはしております。ただ非常にまだまだ小さい金額でございますが、といいましても、地方財源が先ほどお話にもありましたよ うに相当苦しい事情でもございますので、その両方の兼ね合いからしましてどういうふうに考えて行つたらいいかということにつきましては、われわれも真剣に検討してみたいと考えております。 それから協同組合に対する法人税課税についての御質問でございますが、協同組合につきましても、いろいろな御意見がございます。われわれも検討はしておりますが、現在の法人税の建前としましては、大体組合員の方に課税するような建前をとるかわりに、組合に課税するような建前をとつておりまして、昔の法人税と大分性格もかわつて来ておりますこともございますし、現在としては、組合員の方のことも考えまして、普通の法人税が百分の四十二でありますのを、百分の三十五という税率にはしておりますが、さらに今後これをどう考えて行くかということにつきましては、税制調査会の意向の問題につきましても、われわれとしては十分検討して行きたいというふうに思つております。 それからもう一つ御質問のございました再評価関係の問題でございますが、鶏を殺して卵を生まないようにしてしまわないで、むしろ卵を生ませることを大いに考えた方がいいのじやないか、そういつた方向は、われわれも実は同じように考えておるのでございますが、現在の再評価法の関係としましては、再評価積立金を資本金に組み入れます場合には、これらについては課税はしておりません。課税をしておりますものは、再評価をしましたときに、新しく再評価積立金が出ますので、その場合について、一応総額にし て百分の六ずつ課税する、これは第一次再評価のとき、第二次再評価のときとやつて参りまして、今度第三次再評価をやります場合におきまして、業者の意見としまして、第三次再評価に相当する分につきましては、課税をやめたらどうかという御意見が相当出ていることを、われわれも伺つておりますし、ずいぶんいろいろな角度から実は検討してみたのでありますが、再評価税をつくつたゆえんと申しますのは、結局再評価そのものが特に資産の増加ではない、これが再評価税をつくるべからずという主たる根拠でございますが、金銭債務を持つていらつしやる方が逆に財産がふえて行くとか、あるいは借金をして固定資産を持たれると、借金の方が減つているのに固定資産の方は残つているとか、そういつたいろいろな理由があるわけでございます。そういう結果が、第一次、第二次のときに一応百分の六の再評価税をとつたゆえんではないかと思いますが、今度の第三次再評価をいろいろ検討してみましても、やはりどうしても第一次、第二次の一つの補正というか、補足と考えざるを得ないのであります。そうしますと、建前としては第一次、第二次とかえるわけにはいかない。しかし確かに御説のように、できるだけ会社の方の負担を軽くしまして、再評価をできるだけ奨励するということは、われわれも考えているところでありまして、従いまして、今回提案されております案は、今まではその百分の六を最初の一年に百分の三納めていただきまして、二年、三年目には百分の一・五ずつとし、三年間で納めていただく、こうなつておりましたが、今度は、一年目から五年目まで百分の一・二ずつと延びまして、結局はもう同じになるわけでございますが、しかし、初年度におきまして今までは百分の三納めなければならなかつたものが、百分の一・二で済むことになる。さらにまた、これは措置法の方で提案してございますが、大体再評価税の大きな負担になつておりますものは、再評価をやりますと、ずつとたくさん減価償却ができますから、その方で法人税の負担が軽くなるわけでございますが、三十年、五十年といつたような、電力会社のような長期の償却の固定資産を持つている会社におきましては、毎年の償却額が非常に少いわけでございまして、従つて法人税の方から受ける恩恵が割合に小さい。ここが一番苦痛を感じているようでございますので、そういう会社におきましては、一次、二次の再評価の場合の税につきましても、今後五箇年に均分して納めていいというふうな措置をとりました。一応第一次、第二次の再評価の建前をかえるということがどうも説明しにくいものでございますから、百分の六の税金をとるということはぜひやりたい。しかしその限度におきまして、できるだけ会社が再評価をしやすいようにということにつきましては、実はできるだけの配慮をして提案としたつもりでございます。 なお資本金に組み入れます場合におきましては、これは別に税金はとりませんが、なお資本金をできるだけ多くするという意味におきまして、従来は三分の二まで資本金に組み入れていい、残りはとつておけということでございましたが、今度は九割まで組み入れていいということになりまして、再評価の点につきましても、われわれとしては相当のりくつがつく限りにおきまして、できるだけ再評価をしやすいようにする方向に努力した案を提案申し上げたと思つております。
○小笠原国務大臣 資産再評価税の問題は、あれで大体おわかりが願えただろうと思うのでありますが、念のために申し上げておきますと、今度ああいうふうに支払いしやすくいたしましたが、しかし世耕さんの御心配の点は、資本に入れながら税をとつている。資本組入れを十分の九にしましたから、その点は御心配ないようになります。ただ私どもがいつも考えておつたのは、再評価をしながら資本に組み入れると、資本額がふえて参りますから、経営の合理化をやるようになる。資本に組み入れないで置いておくと、同じような配当を続けており、同じようなことをやつておりますので、経営の合理化が進まない。こういう点に一番考えをいたしまして、今度のにかえた次第でございます。 住宅についてお答えいたしますと、今世耕さんが言われたことは非常によくわかるのでございますが、実は公営住宅の方は第一種と第二種とありまして、第一種の方は、地方団体がやるのに対して国が二分の一やる。片方は三分の二を補助する、こういう建前になつているのであります。そういう関係のもので、今年は合計して五万四千四百四十戸できることになつております。片方の方はどうなつているかというと、住宅金融公庫に今度は百八十億出しております。さらに勤労者住宅にも二十五億出すことにしております。この分も世耕さんのお話の——多分そういうふうに個人々々に出すよりも、少し貸家でも営むようなものにそういう金融のめんどうを見てやることにすれば、もつとよく住宅がふえるのではないか、こういうお考えかと思うのでありますが、これにつきましては、あるいはもう少し住宅金融公庫というものを広げて、資金のわくをふやすというようなことによつて、そういう措置がとり得るかとも考えられますが、これは御意見の次第もございますから、ひとつよく考えてみることといたします。
○世耕委員 最後に一点お尋ねしておきます。これは税徴収の費用の節減という建前からお尋ねしておくのですが、御承知の通りあらゆる統計は、国の費用で各村にまで統計委員といいますか、統計官といいますか、そういうものがあつて、一通りの統計ができているのであります。そういう統計に基いて国家の統計ができ上つているものと私は考えるのであります。そういう関係から、食糧の供出等もその統計に基いて割当されている。食糧のごときものもそういうふうに割当が可能であるとするならば、税の方も、そういう組織に基いて委任で取立ててもらつたら、その間の費用の節約ができるのではないか。これは技術的になるから問題があろうと思いますが、そういうような意見も実は起つているのであります。米の供出割当必ずしも正確とは言えない、むしろ誤算が多いという非難がかなりあります。これについては、本日は私はこの機会に論ずることを避けますが、国の町村にまで統計委員があるのだから、この統計を生かして、もう少し税の徴収等も公平に取立ての方法を講じたらいいのではないか。ごく簡単に申しますならば、ある業者仲間に一定額の徴収額を割当てて、そうして業者同士でその納税額をきめるというような考えを大きく広めて行けば公平に行くのではないか、かように私は考えるのであります。その点について最近の、あまりいい統計ではないのですが、自殺者の統計を調査してみますと、昭和二十七年中に自殺した者が一万六千六百五十八人、この原因はむろん一時気の狂つた者、あるいはいろいろな者もまじつてはおりますけれども、納税の取立ての苛酷な結果、生きる楽しみがなくなつたと言うて死んだ者も相当この中に入つている。大蔵省の方から言えば、そんなばかなことはないとおつしやるかもしれぬけれども統計の中にはそういうものも現われて来ているのであります。だから、いわゆる苛酷な取扱いをしないように、納得の行くような徴収の方法ということを考えて行かないと、せつかく善政をしこうとして大蔵大臣努力なさつておつても、末端で国民の恨みを買うということがたくさんあるのです。けさも私は緒方副総理にも申し上げましたが、たとえば恩給法の措置、あるいは援護費の分配等に関しましても、納得の行くように話せば了解の行くことが、つつぱねてしまうものだから、かえつて恨むというようなことになる。この点をひとつ十分慎重に取扱つていただきたい。今申し上げた二点について、御意見があれば承つておきます。私の質問は終ります。
○渡邊政府委員 税務行政におきまして、納税者に納得していただいて税金を納めていただくようにしなければならぬという御趣旨については、私どもも全然同感でございます。私も先日まで東京の国税局長をやつておりましたが、その場合一番の重点は、まずその点でなければならぬということで、税務署員にやかましく申して参つたのでございますが、事実まだなかなかそこまで行つていない点があろうと思います。その点については、今後ともさらに推し進めて行かなければならぬのではないかと考えております。 最初にお話になりました統計等を使つてやつて行つたらどうかという御意見でございますが、われわれも実はそういうようないろいろな数字を大数観察的には使つております。しかし御承知のように、税の問題になりますと、これは一人々々の方の所得が幾らになつておるか、あるいは収益が幾らになつておるか、同じ村に田を持つておりましても、山手の方の田と下地の方の田とそれぞれ収穫も違いますし、いろいろ特殊な事情もある、あるいは働く人が少くて、人を雇つて耕して行かねばならぬ方もあれば、家族の方が働いておられる方もある、それぞれの方の御事情がございますので、大数観察として今お話のような統計を一応の参考として使うということは、これはもちろん大事だと思いますし、また十分活用すべきだと思つておりますが、個人個人の方の課税にそういう一律的なことを——これは世耕さんそういうふうな御趣旨とは思いませんが、やることはちよつと無理じやないかと考えております。 それから組合にある程度税金の関係をまかせて、組合の中でもつて負担をきめさしたらよいじやないか、こういう御意見もあつたように承りましたが、これはわれわれも実は考えてみたことなんです。二十二、三年ごろ税務行政が非常に苦しい立場にありましたときは、かなりそういつた方法で課税がなされた事実がありますが、結局、一口に言いますと、組合のボス的な人がとかく自分の負担を平組合員の負担の方にまわしてしまうような弊害が少くないという情勢でありまして、私国税局長をしていた当時、申告をしておりながら異議の申立てが出て来るので、これはどういつたわけかと聞いてみますと、結局組合の幹部が判を押せというから実は判を押したが、私の所得はそんなにない、そういつた方が出て参りまして、実際問題としてぶつかつて参りますと、なかなかむずかしい点が多いようでございます。ただこういうことは現在も相当実行しております。組合の方からいろいろ意見を聞きまして、時計屋さんであれば、この町で一番大きな時計屋さんはだれで、この人を百とすれば、あの人はどれくらいであるかというように順位をつけていただいて、大体のウエートをつけて行きます。しかし、これは税務署としましてそれだけにたよるわけに参りません。それを一応の参考としまして、さらにほかの方の調査と結びつけて個個の方の所得額をきめて行く、こういうようなことで、組合の意見も十分聞き、さらにそのほかの資料ともにらみ合せて、的確な数字を把握するという努力はしております。しかし、どうもある特定の組合だけにおまかせしてしまうということになりますと、今までの経験では、弊害がかなり多いように思いますので、さらに研究してみたいと思います。そういう事情で、われわれもやつてみましたが、むしろそういうことでなしに一意見は十分聞く、しかし税務署の責任ある調査で仕事はして行く、こういうところに一番よい調整の点があると思います。
○庄司主査 福田赳夫君。
○福田(赳)委員 せつかく大蔵大臣がお見えですから、最近の金融情勢について一、二承つておきたいと思います。最近日本銀行の貸出しが非常な勢いでふえて来ておるわけです。一方、貸出しがふえておりますから、通貨が増発されるかと思うと、通貨は増発されてない。これは非常な政府資金が引揚げ超過になつておる。暫定予算というような関係もあろうかと思うのでありますが、 〔主査退席、世耕主査代理着席〕 この調子が経済界に非常に大きく響いておるのではないかと思うのであります。たとえば、大きな会社で非常な金詰まりを来す、大きな、想像できないような会社が、やみ金融にたよらなければやつて行けないような状況にもなつているようでありますし、また小さい会社は小さい会社で、非常なきゆうくつなことになつで来ておる。この政府資金引揚げの情勢は、七月、八月、九月、と、税の関係もあつてまだ続く模様でありますが、ひとつ何か大臣として、これに対してお考えになつておることがあるかどうか承りたいと思います。
○小笠原国務大臣 福田さんが言われたように、最近まつたく金詰りの状況で、私どもも暫定予算が続いておるために、政府のいわゆる引揚げ超過が多いという点は非常に心配いたしておるのであります。予算が遠からず通過いたしますれば、たとえば、財政投融資のようなもので出し得る分はできるだけ迅速に出して参りたいと思つております。現在のところでも、日本銀行の方で締めるということは一切やつてないのですが、御承知のように不渡り手形などが出て来ますと、銀行の方でも多小警戒ぎみになつておつて、いわば表面化しないもので大口の貸出しをしなければならぬものが相当ある。それからまた不渡り一歩手前というものも相当あつて言葉がちよつと悪いかもしれませんが、不渡り手形が一億頭を出すときには、実質上それに類する手形が三倍なり四倍なりに上つておるというのが実情のようであります。従つて、どうも日本銀行の借入れに依存する分が多くなつて、最近のようにオーバー・ローンがふえておる。これは、主たるものは何といつても財界の不安ということでありましようから、これを取除くことに政府も全力を尽さなければならぬと思いますが、しかし予算が通ると、二千九百何十億という財政投融資がございますので、これをできるだけ迅速にやりたい。さればといつて、しばらくたつと散布超過になるおそれが大いにあるので、そのときはできるだけそういつた金を引揚げる、あるいはまた指定預金等についてもいろいろ措置をしたい、かように考えておりますが、お話の点はまことにごもつともでございまして、今のところこれを善処しないと、割合にさまでと思わぬ金融の状況が、さらに深刻になると思いますので、よく金融業者とも相談をいたしてみます。 〔世耕主査代理退席、主査着席〕
○福田(赳)委員 ごもつともな御意見なのでありますが、しかし十月ごろから先は急激な勢いで相当な大散布超過の事態が起つて来やしないか。これは、ことしはこういう暫定予算の変態的なことでありますので、例年に見ない、まれな一大変化が起つて来はしないかと思うのであります。そういう際に、今の政府資金が引揚げ超過であり、従つてそれに対して日銀が貸出しをするという時期におきましては、貸出しを受けられるような——もちろんこれは市中銀行を通しでありまするが、市中銀行から貸出しを受けるような面は非常にうまく行くわけでありまするが、その他の者、ことに中小の者は非常な塗炭の苦しみにあう。また十月以降大散布超過ということになると、保安隊の経費であるとか、あるいは占領軍関係の費用であるとか、そういうようなものに関連する経済界はよろしゆうございますが、その他の中小のものは、また非常な物価高騰で困つてしまう。また資金の面から言いましても、散布超過があつてもどうも、順便でないということになるのじやないかと思うのです。そこで最近のやみ金融といいますか、株主相互であるとか、あるいは匿名組合であるとか、そういうようなものが大きく浮き上つて活動して来るという社会的必要があるのじやいかというふうに考えるのですが、私は今の政府の中小金融対策というものが、大きく道を誤つているような感じがしてならない。たとえば無尽会社、これは昔は主として中小金融というものをやつておつた、これを相互銀行というふうに名前をかえた。内容も多少わかつて来ておりますが、銀行というふうに名前かかわつた関係上、どうもわしは銀行だということになりまして、普通の商業金融を対象とするというふうになつて来る。また信用組合が信用金庫というふうに名前がかわつた。これまた格上げになりましたために、あまりにこまかいものは相手にしないというようなことになつて、どうも中小のものを相手にする人がないという一大変化が金融機構上起つて来ているのじやないかと思うのです。しかもまれに見る金融変態期に対して、その弊害というものが極端に現われて来ているのが、現在の実情ではないかと思うのであります。どうしても中小金融を考え直してもらいたい。これをひとつお願いいたしまして、大蔵大臣に対する質問は終ります。 次に、保安庁の方に伺いたいのでございますが、先般の国会の際も申し上げたのですが、保安庁というものは、予算を見れば保安庁の大体の仕組みがわかるというふうに、もう少し国民一般に理解できるようにしてもらいたいと思うのです。各目明細を見ましても、三枚しかございませんで、ほとんど内容がつかみにくい。特に重要なるもの、臨時費、維持費の区分は、各日明細その他の説明にしてないわけです。どうしても臨時費と経営費の区分だけは、保安隊は将来とも重要なものでありますので、してもらいたい。これを次会以降にしてくれるかどうか、ひとつ御見解を承りたい。
○増原政府委員 保安庁の経費の組み方は、総理府所管の他の関係と似たような形で組んでおります。仰せの通り、経営費的なものと臨時費的なものとが、明確にわかるようにはなつておりません。ただいまの予算形式としましては、大体現在のような形で行くよりはかなかろうかと思いまするが、相当多額の経費を持つものでありますから、適当な説明方式において、そうした区分が明らかになるように考えたいと思つております。
○福田(赳)委員 他の方との関連も、権衡もありますから、それでいいんです。ほかの説明資料で、経営費と臨時費の区分が明らかになるように願いたいと思います。 次に、前回の分科会におきまして、私は要求しました資料に基いて申し上げたのですが、本年度の重要なる施設として技術研究所の新営であるとか、あるいは病院をつくるとか、燃料貯蔵施設をつくるとか、そういうようなことがある。それらは旧陸海軍において使つておつたさようなものを使つたらどうかということを申し上げた。たとえば技術研究所の方は、戸山ヶ原に元の残りがあるのです。これを使うべきであつて、何とも新しくさようなものを新営するには及ぶまい。燃料貯蔵施設にいたしましても、海軍で使つておつたものがあるのでありますから、さようなものを使うべきではないか。病院にいたしましても第一病院があり、第二病院というものがある。さようなものを運用して行くべきではないかということを申し上げたのでありますが、その検討の結果を承りたい。
○窪谷政府委員 昔の軍の施設を極力利用すべきじやないかという御意見でございます。まことにごもつともな御意見でございまして、私どもといたしましても、できるだけそういう方向で検討いたして参つたのであります。今お話になりました具体的な例につきまして検討いたしましたところを簡単に御報告いたしますと、戸山ヶ原の元の陸軍の技術研究所でございますが、これはもうすでにほかの用途に転用されておりまして、これをまた元の研究所のようなものにやり直すということは不可能な状況でございます。実はその中でごくわずかの建物が、最近においてあいたという話を聞きまして、それを利用することができないかというので当つてみたのでありますが、それは恒久的な施設としてはあまりに坪数が小でございまして、技術研究所の本拠を置くには不適当である。それにいたしましても、今技術研究所の庁舎がなくて困つておりますので、暫定的にでも使わしてもらえるだろうかという話をいろいろ関係省との間に打合せいたしたのでありますが、一応あくにはあいたけれども、すでにほかの用途に転用するためにあけたという事情もございまして、利用が不可能になつたような状況でございます。それから、たとえば燃料タンク等につきましても、今残つておりますのは重油タンクが大部分でございまして、ガソリンを詰めます燃料庫等につきましては、ほとんど終戦後解体されて、スクラツプ化されておるような状況でございます。なかなか適当なものが見つからないというようなことから、どうしても最小限度のものは新設をする以外に道がないというようなことで、この予算に計上いたしまして、御審議をお願いいたしておるような次第であります。
○福田(赳)委員 保安隊で使用する武器、弾薬の方は、アメリカから全部提供することになつておるから、これは書いてありませんが、弾薬を借りる場合の性質はどうなるのか。これは無償消費貸借なのか、あるいは武器と違つて、将来返さなければならぬのか、それはどういうふうになりますか。
○増原政府委員 火器類は、二十八年度も全部米国のものを事実上使用するという考え方でやりますので、計上してありません。弾薬も二十八年度使用分につきましては、向うの方から——性質はちよつと明瞭でありませんが、貸してくれて、こちらで撃つてしまう。薬莢などは返すわけです。経費に計上をしておりませんが、これについて明確な文書のとりかわし等はないわけでありまして、これは事実上将来金を支払わなければいかぬということにはならないという、両者の明示ではない、話合いというようなことになつております。
○福田(赳)委員 返さなくていいのならそれでいいのですが、なおこの間、MSAの論議が盛んにここで行われまして、その際木村長官のお話では、ただいま借りておる武器弾薬につきましては、これはMSAと全然関係がないのだという表現のお話があつた。これはそういうふうなのですか。私はそこまではつきり言えるのかどうか、そこに疑問があるのではないかと思のうですが、非常にはつきり言われたので、これを次長はどういうふうに思われますか。
○増原政府委員 現在使つておりまするものは、米国側でもMSAという問題が全然起りません時分から、事実上使用をしておるというような形のものですから、これを一括して保安庁が借りる受取りを出すというふうな形にしたいということで、両方話合いをして来ておるわけです、これはMSAか具体化しませんでも、やはりこれを使つて行くということには、向うの方も了承を与えておるという意味合いにおきまして、MSAとは関係がないというふうに長官がお答えをしたことと思います。ただMSAをいよいよ日本で受ける、向うでもMSAの形において将来は武器弾薬等を支給しようというふうなことになりました場合に、多少関係がありはしないかという御質問はごもつともであります。私どもも想像をいたしたしますると、現在のものは事実上使用をするという形、これを一応正式なものにしましても借りて、保安庁の方から受取りを出すという程度の話合いを今しておるにすぎませんが、MSA援助を正式に日本が受けることになりますると、他の国の例を見ますると、現在まで借りておるというふうなものはこれを譲渡して、くれてしまうというふうな例が、他の各国にはあるようであります。もし米国がそういうふうな形をとるとしますれば、それはMSA援助を行うというふうになつたことに関連して、全部譲渡をしてしまうというふうなことがあり得ると想像されるわけでおります。そういう意味においては、多少の関連があると言うてもいいわけであります。現在のものは、MSAがなくても借りて行かれるという建前から、関係がないというふうに長官は申したのだろうと思います。
○福田(赳)委員 そうしますと、MSAは、保安隊の武器弾薬には関係はないというお話は 将来のものについて話されたわけじやないのですか。それは現在手持ちのもののお話であつて、将来はおそらくこれは私もMSAと関連して来るんじやないかと思うのです。将来、来年もらう、さ来年もらう、というようなもの、これは長官のお話の内容には入つていないのでしようね。その点ちよつと……。
○増原政府委員 現在借りております火器、武器類につきましても、まだ少々もらいたいというものがあるのです。これは向うでも、向うの八月から始まる新会計予算によらずして、向うの前年度と申しますか、今の年度のうちから貸してくれるというふうなことになる見込みであります。そういうものについては、これから渡されるものでも、一応MSAには関係はない。しかし将来火器類をわれわれに貸してくれるという場合には、あるいは支給してくれるという場合には、おそらくこれはMSAの形で行われるでありましよう。また弾薬類も、今向うの年度の予算で渡してくれるという予定量がありまするが、これが終りましたらば、爾後の弾薬類は、おそらくMSAとして支給してくれるものと思われます。
○福田(赳)委員 それから保安庁の定員を見ますと、約十一万になつておりまするか、この資料によりますると、管区が四つあつて、そしておのおの一万五千人と書いてあるのです。そうすると六万人ぐらいにしかなりませんが、残りの五万人はどこで、どういうふうにやつておりますか。この資料を見ますと、一管区というのが兵隊が——兵隊ですか、職員ですか、一万五千人だというのです。それで四管区あるというわけでありますから、そうすると六万になる、あとの五万人はどこへ、どういうふうについているのか。非常に数が大きいから、ひとつ……。
○増原政府委員 管区が四つありまして、これは大体一万五千で六万人であります。そのほかに北海道には方面隊というのがあります。方面隊に直轄しまするものが約一万あります。そのほかに越中島に第一幕僚監部というのがある。この幕僚監部の直轄といいますか、長官直轄の学校、補給廠、そういうふうなものがありまして、合計十一万と見てあるわけであります。大体申しますると、管区にありまする約六万よりも少々少い数が、簡単に言いますると後方部隊といいまするか、そういうふうな形で方面隊及びその直轄部隊が約一万、そのほかに学校が今八つ、九つありますが、それと補給廠、補給廠は各管区にありまするし、また中央補給廠が四つ、五つあります。そういうものがありましてそれを合せれば十一万になつております。
○福田(赳)委員 そうすると、方面隊というものを入れましても七万人になるのです。あと四万人ですね。後方隊に四万人も必要もなさそうな感じがするのですが、ことしは管区をふやそうという計画はないのですか、あるのですか。
○増原政府委員 ことしは、二十七年度にありまする一方面隊四管区で、管区をふやす予定はございません。学校も従来小さい形で、寄合い世帯をしておりましたものが、だんだん充実をされるにつれて分離をしたい、少し拡充をして行きたいというものはありまするが、たしか、特別に新設をするものはことしはなかつたように記憶しております。
○福田(赳)委員 どうも、そうしますと四万人がどこへ行くのか、私どもの常識としてわからない。補給廠というか、そういうような施設と申しましても、四万人おりまするとたいへんな施設であります。どこかへ配属されておるのだと思いますが、何か適当にわかるように御説明はできませんでしようか。
○増原政府委員 たとえば第一幕僚監部で、越中島におります者が三千足らずであります。補給廠も、宇治の補給廠等は二千を越す。これが四つありまして、やはり一万近いものであります。地区補給廠、それから立川、それから茨城の方に武器補給廠、これがやはり少くとも五、六百多いのは千五、六百から二千というような数があります。学校が普通科学校、特科学校、武器学校、施設学校というふうなものがありまするが、これはその主たるものは付属の部隊、それと学生、学生は部隊から集めるのですが、教職員関係と付属部隊、これがやはり千名から千数百名というふうなものであります。それから衛生隊、通信隊というふうなものも直轄であります。大きいものは直轄、部隊の管区に属するものもあります。そういうものを全部合せますと四万名くらいになりますので、所属不明のものはないわけであります。
○福田(赳)委員 ひとつこれは適当な一覧表で御説明願いたいと思います。それから警備隊の方につきましても疑問があるのでありますが、今度予算外契約に六十何億かをまわしまして、そうして警備船が翌年度に完成されるということになつておる。本年度の警備隊の計画からすると、非常な変化があつたと思うのであります。そうしますと、乗組員はいらないわけではないかと思う。それにつきましては、前回の予算と比べまして変化はない。これはそういう艦船の整備と並行して、翌年度の方へ繰入れるべきものではないかというふうに思うのですが、これはどうでしよう。
○増原政府委員 本年度増員をお願いしておりますのは約三千名であります。主として警備隊に属するものでありまするが、これはいわゆるパトロール・フリゲートを初め、十隻借りる予定で昨年度予算措置をしたわけでございます。そうしたところ、向うの方から十八隻を貸そうということで、これは国会の御承認を得まして、船舶貸借協定でパトロール・フリゲートを十八隻借りる、八隻よけいになつたわけであります。この八隻に乗り組ませますものが今度の増員の主たるもので、そのほか前の実績及び上陸支援艇の五十隻も、乗り組ましておつたものが、やつてみますと少し人が足りないので、一隻に数名ずつ増員を願つたものがこの三千名であります。今度予算にお願いしておる予算外契約を合せて、百三十億の船舶建造分に乗り込みまする乗員は、二十八年度予算には計上をいたしておりません。これは二十九年度に竣工を見る予定でありまして、二十九年度には大約千三百名程度の増員をお願いしたいと思つております。
○福田(赳)委員 その点はわかりました。 それから今度の予算で初めて、軍艦という名称を使つては穏やかでないのでしようが、警備船をつくる。日本において初めて警備船、すなわち昔の客観的な言葉で言えば軍艦をつくる、こういうことになるのですが、これは国産ですか、それとも外国から買うわけですか。
○増原政府委員 これは国産で参りたいと思つております。ただ載せます火器、あるいは通信機材等につきましては、国産で間に合わないものもできるかもわからない。そういうものは部分品なり、あるいは一部完成品として外国産のものを取入れるということもあり得るわけであります。しかし大部分のものは国産で行けるという見通しであります。
○福田(赳)委員 これは造船所はどこでつくるのですか。
○増原政府委員 まだどこの造船所というふうには、予算もきまりませんことでありますし、もちろんきめてありません。ただ各造船所では、おれの方でやりたい、おれの方には十分造船能力があるというふうにデータを持つて参られて、お申込みのある造船所は数箇所あるわけでございます。一応承りましても、みなそれぞれ伝統、技術経験を持つております。そういう造船所も数箇所あるわけであります。
○福田(赳)委員 経理局長でいいのですが、そういう軍艦をつくる契約とかなんとかをする場合には、支払いはどういうふうになりますか。前金をどういうふうにするとか、それからあとはどういうふうにするとか、大体どういうお考えでありますか。
○窪谷政府委員 造船につきましては、民間におきまして、商慣習法とまでは参らないかもしれませんが、それに近いような支払い方法があるように思います。昔の海軍におきましても、大体それに準じた支払い方法をいたしておりますので私どもといたしましても、新造船につきましては、一般の民間で行われております慣習的な支払い方法に従つて支払いをいたして参りたいというふうに考えております。それで概略を申し上げますと、契約のときに二割五分ないし五割、それから起工をいたしましたときに、かりに初めに二割五分払つておりますればさらに二割五分、進水をいたしましたときに二割五分、完全に竣工いたしましたときに二割五分で全額を支払う。かりに契約のときに五割を払いましたときには、起工のときにはおおむね払わないで、進水と竣工のときにあとの残額をそれぞれ分割して支払うというふうなことになつておるようであります。大体それに準じてやつて行きたいと思います。
○福田(赳)委員 そうしますと、予算外契約でやる方は金は払わない、一般の契約方法と違うことになりますか。
○窪谷政府委員 一隻の船を契約をいたしましてから竣工いたしますまでに、一年数箇月を要することになりますので、一隻の船を契約いたします場合には、一部は二十八年度の予算に計上いたしました契約書に基き、さらに予算外契約に基く契約と両方を合せまして、一つの契約になるわけであります。二十八年度内に支払われると見込まれます金額を予算に計上して、工程の進行に応じて、二十九年度に支払われると見込まれますものを予算外契約に計上するということにいたしたのでございます。従いまして各船につきまして、それぞれ進行に応じて、民間の支払い方法に準じて支払い可能な措置をいたしております。
○福田(赳)委員 そうすると、一つの警備船を二つにわけてそういう契約をするのですか。
○窪谷政府委員 契約は一本でございますが、契約権の根拠か予算と予算外契約ということになります。別に一つの船につきまして、二つの契約ができるわけではございません。
○福田(赳)委員 そうすると、少しおかしいのじやないかと思うのですが、一つの船をつくるのに、船をつくる契約を本年度にいたしまして、普通ならば本年度に予算をとつて、そして前金として半分なり二割五分を払わなければならぬということになると思うのでありますが、ほかの方の予算、来年度の予算にとるべきもので本年度に契約をするものに充当する、こういうことは、財政法上の建前からしても非常におかしいことになると思うのですが、どうなんでございましよう。
○窪谷政府委員 これは、私どもといたしましても最初の事例でございますので、その辺の法規関係につきましては、大蔵当局とも十分に研究をいたしましたが、支障ないということになつておりまして、前例といたしましては、ほかの省に、これは船の建造ではございませんが、施設関係の整備についてそういう措置を講ぜられているのが——もちろんこれは終戦後の状態でございますけれども、新財政法及び新会計法のもとにおいてとられたような前例もございますので、私どもといたしましては、別に財政法あるいは会計法に抵触するというようなことには考えておらないのでございます。
○福田(赳)委員 その点は、私は予算と予算外契約と混淆する非常に大きな問題があるというふうに思うのです。今後の予算外契約の全体の運用から見ましても、問題があるのじやないかというふうに思いますので、また追つてひとつ検討してみたいと考えております。 それから、内灘に対しまして政府が相当多額の補償金を出したのですが、ああいうふうに、内灘のように新しく駐留軍が使用するという地域におきまして、いろいろ駐留後においてトラブルが起つて来るだろうと思うのです。そういう際に、違法行為があつたとかいう際には、その方途があると思うのですが、いわゆる適法行為によつて、たとえば漁業に影響するとか農作物に影響するとか、いろいろ問題が起るだろうと思うのです。そういう際の救済措置について法制的な意見をひとつ承りたいと思います。
○林政府委員 ただいま御質問のことについてお答えいたします。駐留軍に一定の施設区域を日本政府として提供いたします場合には、当然それに伴いまして私有地なり、あるいは国有地を提供しなければならないのであります。この私有地につきましては、御承知のように当然所有権に対して一時使用する、あるいはそれを買収して向う側に提供するわけであります。その場合の買収費、あるいは賃貸借に伴う費用、あるいはこれに伴いますところの立ちのき料とか移転費とか、そういうものが当然出て参ります。これにつきましては、行政協定の第二十五条の第二項(a)に基きまして、一応日本政府が負担をいたすということが規定されているわけでございます。この関係の予算は、防衛支出金の中に計上してございます。また民間と政府の間の任意の契約でそういうことができません場合には、御承知のように土地等の使用等に関する特別措置法という、土地収用法の大部分の規定を適用いたしました特別の法律ができておりまして、これをもつてそういう場合に適用することになつております。それから今一旦施設区域を提供いたしましたあとにおきまして、その施設区域があることに基いて、またそこにいろいろ問題が起つて来ることかあります。この場合に、あるいはそこの施設区域におります駐留軍の将兵の不法行為であるとか、あるいはその駐留軍の施設の瑕疵に基く場合、こういう場合には行政協定の第十八条の第三項で、日本の公務員が同様の行為をした場合に適用される法令の規定に従つて、日米両国が分担をいたしてその補償をいたす、かようになつております。これに関連いたしましては、民事特別法という特例法が出まして、大体国家賠償法なり、民法の規定に従つて日米両国がその損害を補償いたすことに相なつております。そのほかにこの十八条にも当りません、あるいは二十五条の施設の補償費にも当りません、いわゆる適法左行為に基いてそこに損害が生じた、こういう場合がございます。これにつきましては、従来いろいろ問題がございまして、従来は、ことに占領時代には、あるいは見舞金というようなことで解決しておりました例もあるわけでございますが、昨年行政協定に基きます漁船の操業制限知に関する法律というのができまして、これは主として海面でございますが、海面におきまして、漁業権を接収したわけではございませんで、一定の海面におきます漁船の操業を制限いたす、こういうことによりまして、その海面において従来適法に漁業を営んでおつた者が、その漁業を営めなくなつた、こういう場合の損害を補償いたします法律が昨年の春の国会で成立いたしました。これも一つの適法行為に対する損失補償の例であろうと思います。またただいまの国会には、御承知のように行政協定に基きます駐留軍の行為によりまして起りました特別損失補償法と申します法案が今水産委員会で御審議中でございます。これは、たとえば東京湾の入口へ防潜網を張つたために、湾内の漁業に非常に大きな影響を及ぼした、つまりその行為自体は、日本側が施設区域として提供いたしましたところに防潜網を張つたわけでありまして、これは当然日本政府としても認めた適法な行為でございますが、それに基きまして湾内にある漁業が制限される、こういう場合に、従来そこで適法に漁業等を営んでおりました者に損害の起つた場合、その損害を補償する、こういう法案であります。この法案は、その第一条で損失補償をいたします項目を一号、二号と列挙しておりますが、そのほかになおいろいろの事態があり得ますので、「その他政令で定める行為」というようなことで、政令に相当広い範囲で委任をいたしまして、いろいろ問題が起りました場合に、政令で適切なる損失補償の規定が適用できることにいたすことに相なつております。今申し上げましたように、これは大体適法な行為に基く損失補償であります。ただこの法案は御承知のように駐留軍の行為のみを対象といたしております。行政協定の第十八条の第三項で、いわゆる日本の公務員が同様の行為をやつた場合に適用さるる法規は日本にはないわけであります。従いましてその行政協定に基きまして、アメリカ政府に対してその損失補償額の分担を当然に請求できるかどうかということについては、私ども今の行政協定ではできないのではないかと思つておりますが、いずれにしても結局日本政府の負担ということに相なるものと存じます。そういう法案がただいま御審議中でございます。この法案ができます以前におきましては、御承知のように見舞金として——法律上じやなく、技術上予算のあります範囲において見舞金として差上げております。かように存じております。
○福田(赳)委員 内灘の場合はどうなつたか、私は的確に存じませんが、駐留軍においてその土地を使用したい、しかるにその地元はこれを拒否せんとしておるという際に、日米安全保障条約の協定によつて、その土地が収用されるというような事態が起つて来るわけであります。その際に特別法によつて収用審査会と申しますか、審査会に諮つて、その議によつてこれをきめるということになると思うのでありますが、その際に日米安全保障条約の効力が勝つのか、国内の特別法が勝つのか、政府としてはどういう見解をとつておられるか、はつきりしておきたいのであります。
○窪谷政府委員 行政協定に基きまして、駐留軍に施設区域を提供いたします場合の国内法的な措置を定めましたものは、ただいま御指摘になりました行政協定に基く土地等の使用等に関する特別措置法でございます。この法律は、行政協定に基きまして、日米両国の委員が出席しております日米合同委員会を通じまして、日米両国の間で、ある区域を施設なり区域として提供いたすということについて、一応の合意をいたしましたあとの手続を規定いたしておる法律だと存じます。そういうある地方のある区域を施設、区域として提供いたすことがきまりました場合に、調達庁の地方の調達局長を協議に呼びまして、そこの施設、区域として提供するに必要な土地なり、物件なり、あるいは権利を円満な話合いで賃貸借をいたす、または買い取ることができません場合に、この手続によるものと存ずるわけであります。そういう場合には、この法律に基いて調達局長が内閣総理大臣に使用の認定処分を請求いたします。その認定処分のありました場合には、それを報告いたしまして、そのあとは大体土地収用法の規定にのつかつているわけでございます。従いまして、このあとにおいても、協議かととのわないときには、結局調達局長の側において、その土地、物件等があります府県の収用委員会に裁決を申請する。こういうことに相なると思います。収用委員会においてその裁決をいたすことに相なるわけでございますが、これにつきましては、大体土地収用法の規定がそのまま適用になるわけでございまして、土地収用法におきましては、第四十七条、第四十八条に収用委員会の裁決の仕方が書いてございます。大体これに基いて裁決があるものと存ずるわけでございます。一応四十七条で参りますれば、この法律の適用が誤つておる、この法律に違反している裁決申請であれば、却下になる。法律には違反ではない、ただその区域のきめ方とか、あるいはその補償金額に基いて争いがある場合には、その内容に基いての裁決があると思います。そこで収用委員会が行政協定に基いてある区域を提供することを決定いたしましたこと、そのものを批判できるかどうか、これにつきましては、結局この特別措置法の第三条でございましたかに「適正且つ合理的である」がゆえに使用収用できるという規定がございます。従いまして、その区域を提供すること自体が適正かつ合理的なことであるかどうかというようなことまで、審査できるかという疑問が多少出て来るわけであろうと思いますけれども、これは、やはり行政協定の方において、日米両国の間で一応の協定を結びまして、ある土地なり物件を提供することをきめました以上、それに基くところの実際の収用なり使用行為が、はたしてその必要な範囲を越えているかどうか。適正かつ合理的であるかどうか、そういうことの判断ではなかろうか。もつとほかの土地があるであろうとかなんとかいうことには、これはやはり収用委員会の裁決としては及び得ないのではなかろうか。土地を提供するにしましても、そこが広過ぎるとか、あるいはきめ方がどうもおかしいとか、そういうことの範囲を出ないのではなかろうか、かように存じております。
○福田(赳)委員 それじや私はこれで終ります。
○庄司主査 中村三之丞君。
○中村(三)委員 私は午前中に関連いたしまして質問したので、保安庁予算に限つてお尋ねをいたします。 保安庁予算を健全なものにしたい、往年の臨時軍事費の跡を追うてはいかぬということは私たちの考えである。まずこれを明らかにいたしておきます。そこでこの間配られました資料によりますと、保安庁予算には二百八十億の繰越額と、三十二億円の不出額があります。想像しますに、おそらく工事費関係であると思いますが、その内容を示していただきたいのであります。
○増原政府委員 二十七年度から八年度へ繰越しました額は、契約をいたしませんで繰越しました分と、契約は年度内にいたしましたが、物品の納入、施設の建設等がありませんで、代金の支払いが行われておらないという繰越しと、二通りございます。契約をしないで繰越しましたものが約百四十五億円であります。その主要なものは器材費が約六十二億円、施設費が約七十三億円であります。支払いが二十八年度に行われますので、すなわち二十七年度で契約だけはしたが、金が払つてないという意味の繰越し、これが約百四十四億円、似たような金額でございますが、契約をしませんものが百四十五億円で、契約はしてあるが、繰越しになつたものが百四十四億円、その主要なものは、器材費が約百二十八億円、施設費が約十二億円であります。不用に立ちましたものは、昨年度は当初保安隊に入りました者が二年たちまして、除隊をいたしました者がありまして、そのあと募集をして採用いたしましたが、その前に昨年度は七万五千を十一万にしまして、三万五千ばかり増員しましたために、続いて募集を行うことが不適でありましたので、多少遅れまして、十二月にこれが入つておるわけであります。八月から始まつて大体十月初めに除隊になつて行きました者に対し、あと入つて来ました者が十二月、その間の俸給、その他のものの不用額が一番大きいものであります。そのほか一億数千万円は、電話の専用回線をとりつけましたものが、やはり予定より少し時期が遅れまして不用に立ちました。それから警備隊の方ではPF、パトロール・フリゲートと上陸支援艇を借りたわけでありますが、これがやはり予定より遅れまして、これの運航等に要する油が不用に立つたというふうなものがおもなもので、約三十億円ということであります。
○中村(三)委員 お話を承つておりますと、保安庁予算は消化しきれないものがある、こういうふうに私は判断をするのです。そこでさらに器材費というものが保安庁予算のうち相当部分を占める、そして維持費がまた相当ある。これは、大体において一つの軍隊的な形をとつている経費はこういうふうになる。そこで演習費に相当使つておられる。この訓練演習費というのは、かつての陸軍の演習費と同じことなのでしよう。これは何回演習をやられるのですか、どういう規模でやられるのですか。ことに物資輸送費であるとか、演習参加費であるとか、部隊移動費などは大したものではないが、そういうものにずいぶん金を使つておられる。私はこれは多過ぎはせぬかと思うのでございますが、ひとつ合理的説明を願いたい。
○増原政府委員 ただいまも申し上げましたように、二百九十億ばかりのものが、半分は契約をし、半分は契約もしないで繰越したということになつておりますが、この主要なる原因は、保安隊が発足をいたしましてからまだ間もないために、調達関係の手が人数の上においてもそろつておりませんし、採用いたしました者も、事務に十分なれておらないということのために、相当この中で遅延をいたしたものがあります。さらにまた調達をいたしまする器材等は、通常市販の物を買いまする場合はよろしいのでありますが、通常市販でない物、あるいは日本ではまだめつたに使つていないというふうな種類もありまして、こういうものは、もとより仕様書をつくりますのにも手不足、ふなれ等のために相当日数がかかりますが、一応つくりました仕様書によりまして試作品をつくりまして、これを現実に使用をしてみて、その結果の上で大量注文をしよう、あるいは外国から見本をとりまして、これを運転してみ、あるいはばらしてみて、そうして仕様書をつくり、製品を注文するというふうないろいろ手数を食うものがありまして、仕様書をつくつたり、あるいは原価計算をしたり、工場の実態調査をしたりというようなことで手遅れとなつていたものが、この方はだんだんと人数もそろいましたし、仕事にも慣熟をして参りましたので、今日以後においては、現在の予算を消化して参るのに、さような繰越等を生じないと思います。また本年は、三月末に予算が成立をしないで現在まで暫定予算で参つたせいもありまするが、百億をいわゆる予算外契約にまわしてもらいまして、来年度に支払いを繰越すというようなことにもいたしてありまするので、今後においては、大なる遅延等のことなく、行き得るように努力をして行きたいと思つております。 演習の関係は、基本訓練をまず部隊の所在地で始めまして、これを小隊、中隊から大隊という程度の訓練にしておりますのが、現在までの実情であります。大隊訓練ができましたところで連隊の訓練に入りたい、できまするならば、これを年度内には管区隊としてのある程度の訓練まで参りたいというのが、一つの見通しであります。そこまではできないかもわかりません。せんだつて富士の裾野で行いました演習は、これは普通科の連隊を主体にいたしまして、特科、施設科等を加えまして、現在までにおいては最も大きい部隊の運用をやつてみまして、これによつて現在までの訓練なり、計画なりに支障がなかつたか、どういう点を改良すればいいかというふうなことでやつたわけでございます。この経費が——こまかい数字は現在持つておりませんが、二千七、八百万くらいを要したのであります。現在部隊を移動しまするのには、実は私どもが事前に常識的に思つておつたよりは、経費がずつとかかるのであります。たとえばこのたび九州の水害にあたりまして、地元方面の要望も非常に多くありましたので、要望にもこたえるため、九州における部隊はもとより、本州におりまする部隊、特に施設部隊を中心として二個大隊半ばかりのものをやつたわけであります。施設部隊が参りますには、ブルトーザーとか、グレーダー、あるいはダンプのトラックだとかいうようなものを持つて参りませんと能率が上らぬわけでありますが、そういうものを持つて九州まで参ります。水戸の勝田の部隊と、愛知県の豊川の部隊、一部は金沢から参つたのでありますが、大体一個大隊の施設部隊をそういう重車両とともに福岡、門司あるいは熊本あたりまで持つて参りますると、往復に概算して二千万円足らずのものを要するというふうな実情であります。演習に要しまする経費として掲げましたものは、輸送の関係、あるいは加給食の関係、あるいは演習に要しまする木材その他の材料というようなものでありまして、もとより切り詰めたもので十分な成果をあげたいというつもりで、これを計上いたしておるのであります。
○中村(三)委員 それから食糧費でございますが、これは食ベなければならぬので、これが大きくなるのは当然であります。食べることに私は異議はないが、石数にして一体どれくらいですか、それから一日何カロリー与えておられるか、また単価は幾らですか。われわれ民衆に対する配給米よりも安いのだと思いますが、安く買つておられるかというふうなことをお聞きいたしたい。
○窪谷政府委員 隊員の平常の訓練の場合に支給いたしまするカロリー数は、三千二百五十カロリーということに相なつております。そのうちで主食の配給のございますのが六百九十グラム、そのうちで七割は米で配給を受ける、さらに残りの三割を麦で配給を受けるということになつております。炊事をいたします水でございますとか、あるいは燃料代というようなものを別にいたしまして、材料費だけで一日九十三円ということにいたしまして予算も計上をし、また実行も今それでやつておるような状況でございます。
○中村(三)委員 われわれが配給米を買つておりますね、あれより安く買つておられるでしよう。昔の軍隊など、大量的に買入れるのですから安く買つておつたのですが、これは公定なんですね。そういう点はどういうふうになつておりますか。
○窪谷政府委員 もちろん保安隊が購入いたしておりますものは卸売値段でございまして、家庭に配給されます小売値段に比べますと、小売のマージンだけは低い価格で買い取つておる次第でございます。
○中村(三)委員 刑務所なども一般より安く買つているのです。私は保安隊もおそらくそうだろうと思うのです。が、それの批判はしない。事実を確かめておくのです。 それから被服ですが、以前は被服廠などでやつておつたのですが、今はありませんが、これはどういうところから買つておるのですか。民間の会社から買つておられるのだろうと思うのですが、保安庁予算を検討するための判断資料として、分科会ですから、ひとつ腹蔵なく、その内容をポイントだけつかんでお示し願いたいのです。
○窪谷政府委員 保安隊、警備隊ともに、昔のような被服廠というような制度は現在ございません。従いまして、外注をいたしまして調達をいたしておるのでございますが、その契約方式は、大体信用のできる業者を選定いたしまして、その間におきまする指名競争入札という方式でやつております。従いまして、固定的にどの会社というふうにきまつたものはございません。希望者はその希望を申し出て、これを資格を審査いたしまして、受注して十分正確な品物を納められると認定されるものを登録いたしまして、その範囲内におきます指名競争契約という方式で調達をいたしております。
○中村(三)委員 相当いろいろな競争も行われているように聞いておりますが、正確にやつていただきたい。午前中にアメリカの貸してくれた武器の内容を承つた、いずれ表にしてお出しくださると思いますが、アメリカから借りておる武器は、中古品だとここの席上でも言われたが、演習や訓練で空砲など撃つと、銃などはだんだん磨滅して減つて来るだろうと思う。いわんやアメリカの廃品なんですから、そういう消耗の率は多いと私は信ずる。アメリカから今借りておられる兵器のうちで、もう使い切れない、あるいはもう解体するか、スクラップにする以外に道がないというものも相当出ておるのではないかと思うのですが、この事情を承りたい。
○増原政府委員 今借りておりまする武器類は、大体いわめる中古品であります。しかしながら、私どもの方にもいわゆる武器加工というようなものもできますし、武器の補給廠もできました。ある程度の検査、簡単な修理というふうなものはできるようになりました。そうして演習の程度でたまを撃つておりまする段階でありますので、さようにひくど磨滅をするというようなことはございません。大ざつぱに申しますると、今借りておりまするものは、製造されてから大体五年から十年というような鉄砲、大砲その他のものであります。航空機といえども、親しいものでも五年くらい、古いものでも十年くらい、これはただ十年というわけに参りませんので、飛行使用時間によるものでありまするが、千時間程度を越えまして、すでにオーバー・ホールをしたというふうなものを借りているものもあります。オーバー・ホールをしないで借りているものもあります。武器によりましては、やはり日本人にはぴたりとじないというものもあります。こういうものは、日本における財政状態か許しますならば、また生産技術の点では、小さいものはその困難はないと思いますから、わが国において製造し、保安隊にぴつたりとしたものを使うようにしたいということは、保安庁長官からも申し上げている通り、われわれの念願でありますが、現在では事情が許しませんので、向うの物を借りて使つておる。しかし災害等の起りませんように十分に検査をいたし、注意をし、もう廃品とすべきような程度のものは、向うに返してかわりをもらつたというようなものもあるわけであります。
○中村(三)委員 要するに中古品で、万事がアメリカのお古というわけですから、相当修理費を食つておると思う。私はこれでやめますが、保安隊の予算というものは、私今いろいろ承り、またわれわれの判断するところによればどうも少し過大である。そして濫費も行われておる。従つて保安庁経費削減二百億は当然である、こういうふうに私は思います。
○庄司主査 武藤運十郎君。
○武藤委員 私は裁判所関係についてお伺いいたしたいと思います。今度の二十八年度予算につきましては、与野党一致の見解におきまして、行政費等の節約をいたしたいという方向に進んでおるわけであります。私もこの考え方には決して反対ではありません。役所によつては、かなりの冗費が使われておるということは、人民の税金を考えますると、これを削減しなければならないことは当然であります。しかしながら、たとえば百四十五億なら百四十五億というように天引きをいたしまして、各省庁按分的にこれを削るということにつきましてはいかがかと思うのであります。役所によりましては、かなり余裕のあるところもあるし、またきゆうくつなところもあると思います。そういう点におきまして、私は、裁判所関係の予算が詰められることによつて、運用がどういうふうに行くものであるかということを伺いたいと思います。たとえば行政費の節約によりまして、裁判所関係では、文書に流せない問題の協議について、裁判官会同というようなものが行われますが、そういうことかできないことになり、また他の省庁と違いまして、裁判所では事務的な費用が多く、政策的な費用が少いという点から行きますと、ゆとりが少くて、流用が非常に困難ではないかと思うのです。この意味から申しますと、行政費の節約と裁判所の機構の運用という点についてどういう結果になるか、お伺いをいたしたいと思います。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまお尋ねになりました裁判所関係の行政費の節約の点でありますが、お話のように、元来裁判所の経費は、もつぱら純粋な事務的な費用であつて、いわゆる政策面のものはほとんどございません。その関係で、さらに行政費節約ということになりますと、一般の行政費の方もかなりきゆうくつになるのでございますが、特に心配しておりますのは、裁判系統の費用でございます。これは、たとえば刑事事件の国選弁護人の報酬、あるいは民事事件の証人のお礼、あるいは調停事件の調停委員に対するお礼というような問題がありまして、これは事件が起りますと、当然ある程度のそれに相当する経費の支出を要するわけでございまして、ただいま事務的に要求いたしておりまする数字は、もともと実績主義で、実績を見込みまして、その実績に基いて実際に要する金額をはじいて出しておりますので、この実績に減少がない限り、やはり必要な金だけはどうしても支出を要する、こういう関係に相なると存じております。従つてそういふ関係の金は裁判所側の方で節約しようにも節約の余地のない経費というようになりまして、この点についてさらに節約がありました場合に、実施上どうなるものかというように心配いたしておる次第でございます。 それからもう一点は、裁判所関係の施設費関係でございますが、これは、本年度ただいま予算書に計上いたしておりまするのは七億九千万ばかりでございますが、御承知のように、終戦後裁判所の機構といたしまして新しくできましたもの、すなわち家庭裁判所、それから簡易裁判所というものの庁舎の設備状況が、制度としてはすでに事務を開始しておるのでございますが、これに相当する庁舎というものは、まだ全部できていない、家庭裁判所について申しますと、終戦後新営できておりますのは、全国で家庭裁判所の本庁十箇所だけでございます。残りの三十九箇所という家庭裁判所は、従来の地方裁判所に同居しておるか、あるいは同居もできないので、他の私有、あるいは公有の建物を借りてやつておるという状況でございます。それから簡易裁判所につきましては、全国で五百六十八箇所ばかり開設されておるのでございますが、このうち従来の地方裁判所、あるいは地区裁判所、現在は支部と申しますか、支部の所在地はその庁舎に同居いたしております。しかしそういう本庁、あるいは支部の所在していないところの簡易裁判所、これはただいまの五百六十八箇所のうち二百八十七箇所ございますが、これにつきましては、新しく庁舎を建設しなければならぬものの中で、現在までに新営いたしましたもの、あるいは一部寄付を受けたものもありますが、要するに庁舎ができておりますのは約百九十ございまして、残りの九十七箇所ほどはまだ庁舎ができないで、警察の建物の一部を借りる、あるいは役場の武徳殿を借りるとか、あるいは役場の会議室を借りておるというような状況のところが大分ございまして、これらの新営も、裁判所といたしましては非常に焦眉の急に迫られております。なお従来からあります地方裁判所支部の庁舎につきましても、明治時代にできました木造庁舎で、もうすでに三十年以上たつておるというものが半分くらいございます。そういうものの中には、とうてい補修では間に合わないという程度のひどいものもあります。それから戦災で焼けました庁舎について、応急にバラックを建てておるのもございますが、そのバラックも今となつては非常にみすぼらしいもので、裁判所としての体をなきないというようなものも若干ございます。そういうような庁舎、いわゆる老朽庁舎の改築、それから新しく開設しました裁判所の庁舎の新営ということにつきましては、最高裁判所発足以来非常に苦心を重ねて来ておりますが、何分にも相当の経費になります関係上、思うように新営か運ばないでおる状況でございますが、ことしの予算の状況で行きますと、現在考えられておりますそういう改築を要する庁舎、それから新営しなければならない庁舎というもののその坪数を、裁判に支障のない程度の最小限度にいたしましても、大体の数字でございますが、約七万五千坪くらいになるという見込みでございまして、ことし入つております予算と同じ額が毎年入るといたしましても、なお十二、三年というふうな計算になりますので、この施設費の増額ということは、裁判所にとりましては非常にやりにくい事柄である、こういうふうに考えております。まあただいま申しました裁判所系統の節減、施設費系統の節減というものは、非常に苦しい立場にあるという事情でございます。
○武藤委員 もう一点伺いますが、これは経理局長に伺うのはどうかと思うのでありますが、私ども見ておりますと、東京その他大都市の裁判所は、事件も非常に多いようでありまして、裁判官諸君も書記官諸君も、非常に激務のようであります。ところがひとたび地方に出ますと、ひまということはないでしようが、東京、大阪その他の大都市に比べますと、事件の数も少いという実情ではないかと思うのであります。こういう点につきまして、もう少 し人員の配置をうまくやつて、東京その他の大都市が裁判に影響があるほど激務でないようにし、地方におきましては、やや閑散なところは適当に配置がえをするというような方法によつて全国的な裁判官、書記官の配置の調整並びに裁判事務の円滑な運行ということをわれわれは考えておるのではりますが、当局におかれてはどんなふうにこの点をお考えになつておるか、お伺いしたいと思います。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまお話の点は、私専門の所管ではありませんが、見ておりますと、確かに事務量の負担は都会地の方が非常に多いという傾向にあるようであります。それで、この点につきましては、毎年定員の配置の際に、事件数、それから事件の種類というふうなものを勘案いたしまして、大体一人の負担量がどれくらいになるかということも考えまして、できるだけそういう不公平といいますか、負担のでこぼこのないようにいたしておるわけでございます。地方によりましては、事件のないときは兼任というふうなところも、田舎の方にはあるようでございます。そういうふうにできるだけ合理的な配置をするようにして行く努力をいたしておるわけであります。
○武藤委員 私の質問はこれで終ります。
○庄司主査 ちよつとこの際お許しをいただいて、経理局長にお伺いしてみたいと思います。昭和四、五年ごろと思いますが、濱品、若槻内閣時代に、予算の緊縮のために全国六十二箇所の甲の地区を乙に下げる。あるいは全国百何十箇所の区裁判所の事務を停止したというようなことが過去においてありました。今回もし新聞報道のように、若干の裁判所関係の予算が減らされるようなことがあつた場合には、一部事務停止などという不祥事が台頭しないであろうか。また本年度新しい区裁判所、あるいは家庭裁判所等の設置を熱望している町村等にこたえるために、全国何箇所かの御計画があるならば、その御計画が何箇所であるか、あるいは予算の圧縮によつて将来一箇年、あるいは二箇年の遅れを見るのではないかというような心配があるかないか、この際参考のために伺つておきたいと思います。
○岸上最高裁判所説明員 今お話の点は、まだ予算の節約の具体的な点について承知いたしませんので、その結果事務を停止しなければならぬというような場所ができるかどうかという点については、はつきりした見通しもつきかねておりますが、先ほども申し上げましたように、裁判系統の節約の結果、必要な裁判所調停委員、国選弁護へ、証人の旅費の支給にさしつかえを生ずることもないではないかというふうに考えております。 それから施設費系統も、今お話の簡易裁判所関係は、現在計上をいたしております金額によりますと、大体二十八年度では十三箇所ほど新営できるという予定でございます。そのうち二箇所は前年度からの継続工事となつております。ところが先ほど申しましたように、過去独立の簡易裁判所の所在地で庁舎のできていないのが九十七箇所ございますので、それにことしと同じ程度の予算が入りましても、なお八、九年はかかるという関係がございますので、これがさらに節約を受けることになりますと、それだけ時期が先に延びるという結果になるのじやなかろうかと考えております。
○庄司主査 羽田武嗣郎君。
○羽田委員 このたびの国会において、鉱業法の一部改正法律が成立を見たのであります。去る七月の九日付の官報で公布されて、八月の八日から施行されることになつたのでありますが、実は一地方の問題ではありますが、長野県の国立公園の一部をなす菅平に硫黄が出るのであります。この硫黄の鉱毒を心配いたしまして、上田市外九箇町村の住民の人たちが、昨年来一年間にわたりまして反対運動を続け長野県知事より内閣の土地調整委員会に、菅平の国立公園地帯の相当の地積に対しまして、鉱区禁止地域としての指定を提訴いたしておるのであります。これは去る十日に土地調整委員会の委員長の我妻博士を初めとして、委員の方がおいでになつて現地の調査をし、また上田市において公聴会を開いたのでありますが、当日はこのことを心配しておりまする約五千の農村の人々がわらじ脚絆で、一つの赤旗もなく、ほんとうに真剣に自分の世代並びに将来の世代を心配し、生命の問題であるということで、まつたく静粛のうちにこの公聴会の成行きを注視するというような、すこぶる人心不安な状態にあるのであります。今回のこの鉱業法の一部改正法案が八月八日から施行される前に審判が下ることになりますれば、この改正法律の恩典に浴しないことになるのでありまして、従つてこの菅平の十ノ原の事案を、土地調整委員会は、はたして新法によつて御審判をなさるのか、あるいは旧法によつてなされるか、ちようどボーダー・ラインのところにあるのでありまして、そういう点で、時刻もおそくなりまして恐縮でありますが、特にお尋ねをいたすのであります。 今回の改正案の骨子は、従来とかく問題になりがちでありました鉱業と公益との摩擦を緩和し、進展する社会の実情に即して、鉱業活動の分野に制限調整を加えたのであります。従いまして、この法律は相当進歩的な改正法になつておるのであります。すなわち鉱業法の第十五条には、「土地調整委員会において、鉱物を掘採することが一般公益又は農業、林業若しくはその他の産業と対比して適当でないと認め、鉱物を指定して鉱業権の設定を禁止した地域は、その鉱物については、鉱区とすることができない。」と規定してございます。今回この十五条に新たに第二項をつけ加えたのであります。すなわち、「土地調整委員会は、前項の規定による禁止をした場合において、その鉱区禁止地域内における同項の規定により指定された鉱物の掘採が著しく公共の福祉に反するようになつていると認めるときは、通商産業局長に対し、その鉱区禁止地域内に存する当該鉱物を目的とする鉱業権について第五十三条の規定による処分をすべきことを勧告することができる。」と規定されておるのでございます。 さらに、この第五十三条の規定は、すなわち「通商産業局長は、鉱物の掘採が保健衛生上害があり、公共の川に供する施設若しくはこれに準ずる施設を破壊し、文化財、公園若しくは温泉資源の保護に支障を生じ、又は農業、林業若しくはその他の産業の利益を損じ、著しく公共の福祉に反するようになつたと認めるときは、鉱区のその部分について減少の処分をし、又は鉱業権を取り消さなければならない。」と規定しておるのでございます。さようなぐあいに、去る十日における公聴会、あるいは土地調整委員会が、過去半年にわたつて、あるいは地質調査所や、あるいは学者、あるいは業者等いろいろな方面の意見を聞かれまして、慎重に研究され、調査をされておるのでありまするが、もしこの調整委員会において新法を採用して、新法によつて裁定を下すということになりますと、すなわち、もし調整委員会が公共の福祉に反するものであるというふうに御判断なさつた場合においては、委員会は試掘権取消しの処分をするように東京通産局長に対して勧告をなされることができるのでありまして、その場合に局長は、その勧告に従つて鉱業権の取消しをしなければならないのであります。その上に今回の改正法によりますと、今まではこの場合において、何ら鉱業権者に対しての国家補償の方法がなかつたのであります。正当な許可を受けて、財産権として試掘権または採掘権を持つて鉱山開発に従事していた業者に対して、経済的な打撃があまりに大きかつたというようなことは、やはりどうしても土地調整委員会としてはお考えにならざるを得なかつたと思います。それに旧法では、断固として処分をするという権限もまたありませんでしたし、同時に断を下すに忍びざるものがあつたと思うのでありますが、今までの覚書を今度はいよいよ法律化しまして今回は幸いにして五十三条に、その二として新たに一項がつけ加えられ、たとえば十ノ原鉱区が取消し処分を受けた場合においては、この業者に対して国家が損失を補償するという道を開いたのでございます。かくいたしまして、土地調整委員会の御判断も非常に気楽に、自由におやりいただけるように相なつておるのでございまして、この点は従来とかく問題になつて来ました鉱業と公益との摩擦が私は緩和されて、今回の改正案の一特色だと考えておるのであります。そういう意味において、十ノ原問題の審判に今回の改正法を適用するか、しないかということは、この判決を左右する大きなかぎでもあると私は実は考えておるのでありまして、そういう意味において特にこの質問をいたしたのでございます。なお私は実態的に申しまして、十ノ原の鉱区というものは、今回の法律を適用した場合においては、まず私の考えから申しますれば、当然鉱業権の取消しをすべき筋合いのものではないかと思つておるのでございまして、もちろん公平なる委員会の御判定にまたなければならぬところでありますが、私としてはそう考えておるのでございます。すなわち三十五条には鉱区出願に対する不許可の要件が指摘してありますが、この要件を見ますと、まず第一としては、いわゆる「経済的に価値がない」というのがございます。私はこの条件に該当しておると考えておるのであります。すなわち土地調整委員会の依嘱によりまして、中立的な、わが国の最高権威である通産省地質調査所の調査によりますと、鉱石の品位は最高二〇%、平均一〇%以下で、硫黄鉱山の品位としては相当低いものであると断ぜられておるのであります。また推定鉱量のごときも、品位一〇%ぐらいとして計算いたしますと、わずかに三万八千六百トンの見込みが確実であるといわれておるのであります。しかもこのほかに、この地区においては、他に独立鉱床は発見ざれることはないだろうという判定もあるのでございます。右のような次第でありますので、右三万八千六百トンを十箇年間に開発するといたしましても、何しろ一〇%という論外の貧鉱でありますから、一年平均の精製硫黄の生産高はわずかに三百八十六トンというようなわけでありまして、今日の相場である二万八千円で換算いたしますと一千八十万八千円ということでありまして、これに対して経費の方はどうかと申しますと、人件費、運搬費、精錬川燃料、用材費、器具費事務費等をざつと計算をいたしてみますと、税金抜きで千二百万円もかかるのでありまして、年に百万以上の赤字が出るということが私の計算によつて出て参るのでありまして、まつたく経済的な価値なしと断ぜざるを得ないのであります。しかも経営が成り立たないで中途で放棄されるようなことになりますれば、その被害は将来にわたつてゆゆしいことになるのでございます。 第二の要件といたしまして、保健衛生上の害という項目がございますが、これは上田市の上水道の水源となつている水でございますし、なおまた十万の人たちの飲料水にもなつておるのでございまして、これは保健衛生上に害一のあることは言うまでもございません。また東京方面から行くリクリエーシヨンの青少年のキャンプの飲料水は、一番ぺ一・ハーの多いところにございますので、この点から申しましても、私は保健衛生上に害があるという点に当ると思つておりす。 第三には、「公共の用に供する施設を破壊」するかという問題でありますが、この点も、目下四億八千万円の資料を投じまして、すぐの下流に大洞ダムをつくらんと計画をいたしておりますが、このダムがぺー・ハー分の貯水池になるという見地から申しましても、このダムというものは、この問題を解決しなかつたならば建造すべきではないというふうにも考えておるのでございます。 それから第四には、今回新たに挿入された事項でありますが、上信越国立公園の地帯を占むる本鉱山の開発は、自然美を害し、公園の保護に支障があるということは申すまでもありません。 第五は「農業、林業若しくはその他の産業」に害のあることはもちろんでございます。この点が最も地方の農村の人たちが心配をいたしておる点であります。 以上によつて明らかなごとく、法の規定するところのあらゆる条件を備えておりまして、公共の福祉に反すると認められることは明々白々である、きようゆつくり詳細に申し述べることが時間の都合でできないのでありますが、明らかだと私は思つております。かくして鉱毒におびえる十万民衆の人心不安を思うときに、公安を維持するためにも、鉱毒地としてこれを取消すことが適当と存ずるのであります。もちろん硫黄は、地下資源少きわが国において、国内のみならず、海外にも輸出しているゆたかな資源であります。品位がよく、多量に埋蔵する場合においては、科学が進歩いたしましたる今日、中和も相当できることがわかつておるのでありますから、十分なる資本を投下して中和施設を完全にやつて、これが採掘に力をいたすべきことは当然であります。しかしながら、ただいま申し上げる十ノ原のごとく、赤字が出るだけでまつたく経済価値少き貧鉱の開発のごときは、百害あつて一利なき顕著な例であると思うのであります。その意味において、土地調整委員会各位の御賢察を仰いで、ぜひともこの地区を鉱区禁止地域に御指定を願い、既存の権利を取消し願いたいと思うのであります。 以上申しましたような見地に立ちまして、新しい鉱業法をこの十ノ原の鉱毒地に適用されるのかどうかという点を、土地調整委員会の豊島事務局長に御質問をいたして、なおこれらの点については、土地調整委員会の委員各位に十分御連絡をいただき、その目的が達成するように、ひとつおはからいをいただきたいと思うのであります。
○豐島政府委員 お答えいたします。ただいま長野県知事から、菅平地区につきまして鉱区禁止地域の指定の申請がありまして、委員会で慎重審議いたしております。法律によりますと、審問だとか、あるいは公聴会だとかいつたような法定の手続がありますので、そういつたような手続につきましては、七月の十日に現地で公聴会を行いまして、さらに審問につきましては、五月二十九日、七月の九日、十日に全部終了し、さらに七月の十四日、二十回目東京において審問を行い、さらにまた専門家の方々の鑑定も依頼しておるのでありまして、それが大体今月中には完了する予定になつておりまするので、委員会といたしましては、八月上旬に最後の結論を出すという予定で現在進んで参つております。 ただいま、鉱区禁止地域の指定を、改正鉱業法の施行されます八月の八日以後にやつたらどうかという御意見と、さらにまた、菅平地区は、鉱物については経済的に価値がない、またそこで鉱業をやりますることは、保健、衛生を害し、公共の施設を破壊し、また菅平地区の公園としての風景を損する上、農業、林業とも両立し得ないから、鉱区禁止地域の指定をするだけの十分の根拠があるではないかという御質問がございましたが、これらにつきましては、委員会は御承知のように会議体でありまするので、委員の方々に十分お伝えいたしたいと存じます。
○羽田委員 それでは、ただいま申しました多数の地方の人たちの真剣な要望を委員会にお伝えいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○庄司主査 お許しをいただいて、主査より宮内庁当局に簡単に一問だけお尋ねしておきたいと思います。 終戦後、空襲のために荒廃の極に達したるところの皇居内を、汗を流して、自発的に尊い勤労の奉仕によつて清掃してあげたいという、純な天皇敬愛の精神の上より全国民が、あるいは青年団、あるいは壮年団、あるいは婦人の団体等々がここ数年来勤労奉仕をされており、涙ぐましい光景を見せつけられておるのであります。そこで念のためにお伺い申し上げたい一点は、終戦後皇居内において勤労奉仕された国民の数がどのくらいの数になつておるか、もし府県別等において判明するならば、大ざつばな概算でもけつこうでありますから、なるべく簡潔にお答え願いたいというのが一点であります。 また、最近地方の青年団、特にこの勤労奉仕をされて各地方に帰られた青年団等は、各町村より、たとい一本なりとも樹木を宮城内に植栽してあげたいというような純な心持をもつて語つておられますが、そういうようなことが宮内庁として受けつけられるものであるかどうか、願わくは、そうした純な青年の心持を達成させてやりたい、こういう見地からこの点をお伺い申し上げたいと思うのであります。
○三井政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。 終戦後、昭和二十年に、宮城県の有志が皇居の荒廃したのを嘆いて、御奉仕申し上げたいと申し出たことが発端になりまして、年々その熱情に動かされて、純真な動機のもののみを許しているわけでございます。昨年末、すなわち昭和二十七年十二月までの総人員は、本年の分は集計してございませんが、実員にして十六万人でございます。それから府県別にいたしますと、終戦後——全部の府県別の人員は集計してございませんが、たとえば昨年一月から十二月までの集計の分を概略申し上げますと、昨年は全部で三十九都道府県で二万五千人、一府県平均約六百人でございます。その平均よりも多い府県を抜いて申し上げますと、秋田、宮城、福島、栃木、茨城、千葉、東京、新潟、富山、石川、長野、静岡、愛知などでございます。全部の都道府県別を持つていないのは遺憾でありますが、一応御答弁いたします。
○庄司主査 樹木の御寄付の点はいかがですか。
○三井政府委員 樹木の点でございますが、従来そういう御希望もあつたかとも思いますが、今までは、皇居内に献木というようなものは許しておりませんので、いずれゆつくり関係の係官とも相談しておくことにいたします。
○庄司主査 これにて質疑は全部終了いたしました。 この際お諮りいたします。本分科会所管の予算各案に対する討論採決は、予算委員会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○庄司主査 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。分科委員各位の連日の御精励に対し、厚く感謝の意を表します。 これにて散会いたします。 午後五時四十八分散会