郵政委員会 第2号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/06/17
会議録
○田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。 この際お諮りいたします。去る五月二十九日、理事廣瀬正雄君が委員を辞任されましたので、理事一名欠員になつておりますが、その補欠選任は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めまして、それでは大高康君を理事に指名いたします。 —————————————
○田中委員長 次にお諮りいたします。すなわち目下外務委員会において審査中の千九百五十二年七月十一日にブラツセルで締結された万国郵便条約及び関係諸約定の批准について承認を求めるの件(条約第四号)、この件について連合審査会を開会いたしたいと思いますので、その旨を外務委員会に申し入れたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○田中委員長 次にいま一つお諮りいたしたいのでございますが、郵政職員の給与体系是正に関する調停案が出ましたので、この件につきまして調停委員会、関係労働組合等の関係者を参考人においでを願つて意見を聞くことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。参考人の選定及び日時等に関しましては、昨日の理事会においても御相談申し上げたのでありますが、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○田中委員長 これより郵政行政の近況につきまして、当局より説明を聴取いたします。塚田郵政大臣。
○塚田国務大臣 私このたびの組閣にあたりまして、郵政大臣を拝命いたし、当委員会において御審議をお願いいたします郵便、為替、貯金及び簡易保険等の事業をお預かりすることと相なつたのでありますが、何分にもまつたく経験のない仕事でありまして、今後委員各位の御教示、御援助を得まして及ばずながら事業の整備充実をはかつて参りたいと存じますので、どうか各位におかれましても格別の御支援、御協力を賜わりますよう切にお願い申し上げる次第であります。 本日は当委員会に初めて出席させていただいたことでもあり、また委員の方々におかれましても前国会当時とは相当おかわりになつておられますので、この機会に事業の現況、または当面の課題等につきましてごく簡単に御報告申し上げまして御参考に供したいと存じます。 独立後満一年を経て郵便、貯金、保険三事業は、おおむね順調な再建復興の道をたどり、昨今ではサービスの点におきましても施設の点におきましても、どうやら戦前の水準近くまでこぎつけることができたのであります。しかしながらこれで十分であるとは申せないのでありまして、さらに今後一段と事業の整備拡充をはかつて参りたいと考えております。特に通信機関の拡充増置に対する国民一般の要望はきわめて強いのでありまして、当省といたしましては従来からこれが実現に努力いたして参つたのでありますが、何分にも定員及び予算等の制約を受けまして十分要望にこたえ得ない実情であります。しかしながら事業の公共性にかんがみまして、このまま放置することは許されないものと考えられますので、必要の度合いを十分考慮の上、無策配特定郵便局または簡易郵便局を増置いたしまして、でき得る限りその要望に応ずるよう力を尽して参りたいと思つております。 次に簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用復元につきましては、幸い前国会におきまして長年にわたる懸案の解決を見ることができまして、去る四月一日からその事務取扱いを開始いたしておりますが、今日に至りますまで、特に本委員会におきましては長期間にわたり並々ならぬ御協力、御支援を賜わりましたことを、ここにあらためて衷心感謝申し上げますとともに、今後とも格段の御指導と御援助をいただきますようお願いいたす次第であります。 次に本国会に提出を予定しております法律案のうち、本委員会で御審議をお願いいたしますものは、前国会に提出いたしまして、国会の解散によつて不成立となりました郵便法の一部を改正する法律案及び郵便物運送委託法の一部を改正する法律案であります。 郵便法の一部を改正する法律案の内容は、本年初頭から国鉄運賃が約一割値上げせられましたために、国鉄の小荷物運賃と小包郵便料金との間に均衡を失するようになりましたので、この小包郵便料金を改訂いたしますとともに、現状に即さない航空割増料金制度を廃止する等のものであります。 また郵便物運送委託法の一部を改正する法律案の内容は、郵便物の取集め、運送及び配達を運送業者等に委託して行わせる場合、契約の方法及び期間等についてさらに合理化して、事業の円滑な運営をはかろうとするものであります。 次に第十三画万国郵便連合大会議において締結されました万国郵便条約その他について申し上げますと、昨年ベルギーのブラツセルで締結されました条約は、万国郵便条約、価格表記の書状及び箱物に関する約定、小包郵便物に関する約定、代金引換郵便物に関する約定、郵便為替及び郵便振替に関する約定でありまして、これらはいずれも本年七月一日から施行されることになつており、これが承認を本国会に求めるよう外務省において目下取運び中であります。 次に日米間郵便為替に関する約定等につきまして申し上げますと、日米間郵便為替業務は昭和二十四年十二月から再開されましたが、現行の郵便為替定約は明治十八年に締結されたものでありまして、その規定中には実情に適合しないものも多々ありますので、昨年本邦から米国に対し現行定約の改締方を提議して協議いたしました結果、一応の成案を得ましたので、目下これが締結及び国会提出の準備を取運び中であります。 また日英間郵便為替業務につきましては、本年二月に在日英国大使館から外務省あてに、日英国郵便為替約定の効力は平和条約第七条に基いて効力の復活または存続を認める旨の通告がありましたので、この約定に基いて早急に業務を再開するため、目下準備中であります。 最後に労務管理について一言申し上げますと、御承知のように郵政事業は人力に依存する度合いがきわめて高いのでありまして、事業成績が向上するやいなやは一に二十六万従業員の努力いかんにかかつていると申しても過言ではないのであります。すなわち労務管理の問題は、事業経営上きわめて重要な課題であると存ずるのであります。 すでに本年一月より公共企業体等労働関係法が適用され、また去る五月二十八日には、同法に基き中央調停委員会より、給与の調整に関する調停案の提示を受けたような事情もありますので、今後は同法の精神に基いて、より正常な労働関係の保持に努めますとともに、従業員の勤労精神の高揚をはかり、もつて事業能率の向上に努めたいと存じております。 以上をもちまして私の報告を終りたいと思いますが、なお詳細の点につきましては御質問によりお答え申し上げたいと存じます。
○田中委員長 これより郵政行政一般に関し質疑に入りたいと思います。佐々木更三君。
○佐々木(更)委員 ただいま新任の郵政大臣からいろいろ郵政行政一般についてお伺いしたわけでございますが、どうも抽象的でわれわれのよく理解することのできない点が多々あるのであります。そのうちで、ただいま最後に御説明になりました郵政省の労働行政に関する件について御質問申し上げますが、御報告では、「公共企業体等労働関係法が適用され、また去る五月二十八日には、同法に基き中央調停委員会より、給与の調整に関する調停案の提示を受けたような事情もありますので、」というような弁で簡単に片づけておりますが、現在提示されておりますこの調停案を中心にいたしまして、郵政省当局と全逓労働組合の間には今日なお紛争状態が続いておるということは、私が申し上げるまでもないことでございます。このことの解決は、七月の暫定予算が審議されようとする現段階において、また二十八年慶本格予算がいよいよ審議を始めるこの段階におきまして、焦眉の急を要することは大臣も御了承のことと存ずるのであります。しかるにこれに対する方針が、この報告ではぼやかされて、まことに明確を欠いておるのであります。何かこれで見ますと、「給与の調整に関する調停案の提示を受けたような事情もありますので、今後は同法の精神に基いて、より正常な労働関係の保持に努めますとともに、従業員の勤労精神の高揚をはかり、もつて事業能率の向上に努めたいと存じております。」何かきわめてよそごとのような感じを受けることは、私のまことに遺憾とするところであります。そこで当局はこのことを実行しようとすることになりますと、ただいま申し上げましたように二十八年度の本格的予算はもとより、当然七月暫定予算からこれを実施してもらわなければならぬのでございますが、現在予算案を見ますと、何らこの点は計上されておらないのであります。ここにおいてこの法の精神を尊重するという郵政大臣の労働行政と、予算に現われたるところの一文も計上していないというこの矛盾はきわめて大きい、非常な不誠意であろうと思うのであります。そこでこれに対する今日までの経過と郵政大臣の決意をまずお伺いいたしたいのであります。その上において私は継続質問をいたしたいと思うのでございまして、まず第一に、今日までの調停に対する郵政大臣のとつた措置及びその決心、対策につきまして御説明をお願いしたいと思います。
○塚田国務大臣 御指摘の通り一番大事な問題を一番あつさり申し上げましたので、御質問をいただいたのでありますが、おそらく私もそのような問題をまつ先御質問いただくのじやないかと、実は内心びくびくとしておつたのであります。この問題は御指摘のように、今度の予算では予算措置はしてないのでありまして、自分では不誠意であるというようには考えておらぬのでありますが、力が及ばなかつた、こういうように自責の念にかられているわけであります。今までの経過を一応述べろということでございましたので、私が就任以来の経過を簡単に述べさしていただくと、こういうことになつているのであります。就任早々この問題が最も大事な問題として前大臣から引継ぎを受け、また事務当局からも説明を受けまして、私も調停案が出ます前から心配はしておつた。しかし調停案は五月三十一日が日切れであるということで、どつちにしても五月中に出て来るであろうということを予想もし、また調停案の内容がどういうものであろうかということも大体想像はついておりましたので、それに対し研究をし、かつ着々と打てるだけの手は打つて参つたのであります。いよいよ調停案が出て参りまして、さらに一段とその努力を続けて参つたのでありますし、そして私といたしましてあの調停案に盛られてある考え方、いろいろなこまかい点については若干意見を異にする点もありますが、しかし結論として、郵政職員の現在の給与体系がいろいろな意味において適当でない面がたくさんあると指摘されている点は、私も研究の結果、なるほどその通りである、従つてあの調停案は給与体系を是正するのであつて、ベース・アツプという考え方ではないというように表現されている点も私は同感なんであります。そこでそういう考え方に基きまして、必要な予算措置を事務当局ともいろいろ検討いたしまして、最も実行可能な考え方を、一応郵政省の意向をまとめて、鋭意大蔵省当局と折衝いたしたわけであります。この場合におきましては、おそらく御想像つかれると思うのでありますが、郵政大臣としてのものの考え方と国務大臣としてのものの考え方、さらに今度は、大蔵大臣が国の財政全般を考えている場合のものの考え方、それからして郵政職員の給与だけでなしに、公務員全般の給与というものを考えている大蔵大臣の立場などと若干意見の食い違いがありまして、その点の全面的な調整ができるところまで行かなかつたというのが、今度の予算措置というところまで行かなかつた原因であると、私はこのように考えておるわけです。そのように考えておりますので、自分としてはまことに努力が足りなくて申訳なかつたと思つておるのでありますが、その考え方というものは、その後大蔵当局といろいろ意見の交換をいたしましても、なお私は自分の考え方というものに理由は相当あると思う、しかし大蔵省の国政全般、財政全般の考え方から来る考え方にも理由がある、それらの面をなお双方隔意のない意見の交換をいたしまして、なるべく早く二十六万従業員諸君の希望の通りに実現できるように今後せつかく努力したい、こういうように実は考えておるわけであります。
○佐々木(更)委員 大臣が現在の郵政省の職員の給与が、他の公共企業体の関係職員との関連性において妥当でない、いわゆる不公平であるということをお認めになつた率直な態度に私は賛成するのであります。そこで現在でも大体郵政省職員と連関性のある電電公社あるいは国鉄並びに全専売、これらの給与を比較してみまするというと、今回提示されましたる一万二千八百二十円でございますか、この調停案の賃金というものは大体同額になりまして、新しい賃金ベースと別個に考えても、最小限度これは妥当なものであろう、こう思うのでございまして、この点は大臣も率直に認められたのでございまして、私ども了とするのであります。そうするといたしますと当然他の同列なる関係職員との給与が妥当であるということをお認めになつた以上は、法の精神を遵奉し尊重するとただいまも繰返し御説明なさいました郵政大臣は、当然これが実現方に対して責任を持たれなければならないのでございます。郵政大臣はむろん同時に国務大臣でございましようから、国全体の予算の点におきまして深く考え及ぼすということは当然でございましようけれども、この際は郵政大臣として主管庁の長官として、当然妥当なものは責任をもつてこれを実行するということでなければ、下が長官であるあなたの命令に心から従うという、いわゆる協力態勢というものはできるはずはないのでございます。それでただいまの努力をするということは大分弱いのでございますが、これは私から言わせますと、大臣は絶対にこれを実行する、これに対して現在大臣が努力をし、考慮しつつあるとするならば、いかなる線においてこれの実現を考えておるか、むろん最終結論は、まだ受諾しておらないのでございますから出ていないといたしましても、現在大臣はどういうような予算措置をして、どういうふうに大蔵大臣と折衝をしておるだろうか、こういう内容についてこの際われわれ議員に納得せしめていただきたいと思うのでございます。
○塚田国務大臣 お尋ねの点は、大蔵省と折衝をする場合に、郵政省としてどういうような予算措置を考えて折衝したかというお尋ねでございますか。
○佐々木(更)委員 そうでございます。
○塚田国務大臣 簡単に私から概略だけ申し上げまして、なお細部の点はまた政府委員からお答え申し上げさせることにいたしたいと思うのでありますが、大体調停案を予算的に検討いたしますと、三十五億七千万円ばかりの金がいるということがわかりましたので、できるならば国家財政も非常に窮乏の際であるから、その三十五億七千万円をなるべく自分の手元でまかないたい、こういうふうに考えて基本の構想を練つたわけであります。その結果大体手元でまかなえる、最後に一般会計のごやつかいにならなければならない分が約七億くらいあるだろう、しかしそのかわりこれだけの給与の値上げが行われますならば、これは当然勤労所得がまたふえて参るわけでありますから、それだけ税収の上ではね返りとして出て参りますから、これが七億の半分くらいあるだろう、結局一般会計から約三億か四億のめんどうを見てもらえばよいのではないか、こういう考え方で強く要求していたわけであります。 この機会についでに一言申し添えたいと思うのでありますが、これに対して大蔵省当局の郵政省の考え方にどうしても同意しなかつた点は、私どもは郵政職員の賃上げというものはそんなに他に波及しない、する性質のものでないと考え、そのように強く主張したのでありますが、この点について意見の食い違いがあつたように私には感じられる。従つてこれを大蔵省の側では、私の感じましたところでは、一千円べース・アツプというような考え方で受取つておつたのではないか、だが立場が違えば、おのずからそういうものの考え方というものは出て来るのでありますが、そこでわれわれが一般会計にはそんなにめんどうをかけないというように強く主張したのでありますが、やはりそうばかりは行かない、こういうことであつたわけであります。なおこまかい点は、御必要でございますれば経理局長からお答えいたさせます。
○佐々木(更)委員 そこで予算折衝の内容から見まして、郵政省内の操作でできない、つまり一般会計から繰入れを必要とするところの予算は三億五千万円ないし四億円、まあ今日の国家財政からすればきわめて微々たる金額だろうと思う。大蔵省においてはこれを一千円ベース・アツプと見ておるのけ、まつたく大蔵省当局の認識不足もはなはだしいことでありまして、大臣が言われる通り、これはまつたく不公平な従来の給与を是正するものでございますので、この点につきましては、どうぞ郵政大臣は大蔵大臣の蒙を開くために一段と努力をして、これはベース・アツプではない、従来の不公平な是正をするのだということをぜひ了解をさせるようにしてもらいたいと思う。 そこでたとえば郵政省関係の簡保の積立金等は、従来われわれは全額を郵政省に運営せしめるような法律案を出して闘つたこともあるのでございますが、現在はその半額だけをなお大蔵省がこれを所管する、こういうところにも郵政省予算の苦しい内幕があるだろう、こう思うのです。むろん郵政大臣としては不公平な、妥当ならざる給与はこれを是正するということは当然なことでございますから、一般会計からの繰入れを強く主張して、この実現を見てもらつて、本問題の円満な解決をしていただかなければならないのでございますが、どうしても大蔵省との交渉が不調に終るがごとき好ましからざる状態ができた場合には残余の半分の現在大蔵省所管になつておりますところの郵政省関係の資金をも、全部郵政省で運用するがごとき相当強い方向をとつても、郵政大臣としてはこれが実現に努力すべきものと思うのでございますが、こういうような点を郵政大臣は考えておられるかどうか、ひとつお聞きしたいのでございます。
○塚田国務大臣 御指摘の点は私も今度いろいろ検討をしてみ、大蔵省と折衝をしてみた結果、なお今の郵政の特別会計のあり方自体についても再検討をする必要がある面が多々あると実は考えたわけでございます。 今のように郵政省が努力して集めた金は全部やつてしまう、全部ということでもありませんが、半分は郵政省に、二十九年から全額ということになつておりますが、なおそのほかにも貯金などたくさんな金が行くわけでございますが、骨折つたものは全部やつてしまう。そして今度いるだけの金は向うからもらう。そのもらう場合に、もともとこういうように別な国策的な観点がありまして、市中の一般銀行のようにそうやすやす金を集められないという事情のものがあるものでありますから、どうしても足りない部分が出て来る。それで赤字のしりぬぐいをしてもらつている。お前の方は赤字なんだ、しりをぬぐつてやつているんだ、そういう考え方で、さらにまた賃上げで今度の場合のように渋られるということは、自分としては適当でないのじやないか。もしそうであるならば、ほんとうにこちらで集めた金はこちらで運営させてもらうならば、これはまた関係職員、従業員諸君の努力によつてもつと成績を上げて、もつと賃上げをするということも可能じやないか。そういう考え方もいろいろいたしまして、そういう点もあわせて折衝の段階には主張いたしております。ただこの制度自体をどうするかということは、一応簡易保険は前国会において皆さん方の御努力でこうなつて、私もいい形になつた、今後これがうまく運営して行けるようにということを非常に強く考えておりますが、しかしさらに貯金まで全部そういうように考えるかということになりますと、やはりこれは国の全般的な金融政策の観点からも広く考えなければならぬ面もありますので、まあその辺何となく中間的なものの考え方を今もいたしているわけであります。
○佐々木(更)委員 他の同僚委員の御質問もあるでございましようから、あまり長くすることは迷惑と思いますので、あと一、二点で終りにしたいと思いますが、どうも郵政省の長官としての塚田さんとしては、態度が弱過ぎるようであります。やはりあなたは国務大臣であると同時に、何としても郵政省何十万人の長官でありますから、この部下に対する生活の責任を持つということは、政治家として道義上当然だろうと思うのであります。そういう弱い態度ではいけませんから、もつと強い態度で政府に交渉しませんと、この問題は意外に悪化するおそれがあると思います。そこで郵政大臣としては大体これを受諾したいという意思が十分あるということはよく了解がついたのでございますが、その努力の跡においてきわめてマンマンデーでありまして、今国会が開かれたときむしろ敏腕をうたわれる塚田大臣がこの問題を国会まで持込んだということはまことに遺憾であります。すみやかにこれは解決をしていただきたいのでございますが、御承知のように調停が六十日間以内で成立をいたしませんと、当然これは仲裁裁定にかかることになるのであります。今日すでに、たしか五月二十八日でしたかに調停になつたと思いますが、それから二十日以上の日数が過ぎているのでありますが、いまだこの段階にいるということは心細いわけであります。まさか郵政大臣は引延ばし戦術を策して現在ものを考えているとは毛頭信じませんけれども、ともかくこういう法的期間の制限もあることでございますので、どうしても郵政大臣としては至急解決をして、急いでいただかなければならぬのであります。われわれ国会としては政府が法律を尊重するかどうかを監督する立場にある点からしても、当然政府は郵政大臣の言うように法律を尊重して、すみやかにこれを受諾し、妥結されんことをことに私としては要望するのでございます。そこでぎりぎり一ぱい一体郵政大臣は法律を尊重して何とか受諾したいという考えでありまして、必ずするという決意が見えないのでありまして、どうしてもしたいという念願だけでございまして、これをするという決心がないのでございますから、これはいつ妥結不能ということになつて、いたずらに時間だけを引延ばして、最後に仲裁裁定に持つて行つて、当然妥当ならざるものとされるかわからない。郵政大臣みずから認めているところの賃金の是正が、この調停案の事項が将来何箇月後の先に引延ばされまして、その時間的にも生活苦にある職員の苦悩というものはきわめて大きい。そこで郵政大臣はぎりぎり一ぱい一体受諾する気があるのかないのか。受諾する気で努力をするのかどうか。この決着の御決心をお伺いしたいのであります。
○塚田国務大臣 これは繰返して申し上げますが、郵政大臣がこの問題を受諾いたします場合には、最後の予算的な措置も十分見通しがついて確信が出て参りませんければ、受諾するということは申し上げられませんので、その段階におきましてさつきも申し上げましたように財政当局と重大な意見の食い違いがありまして、とうとうそこまで行かなかつた。そこで私はこの問題は結局認識の違いの問題なんであるから、皆様方の御支援も得てこの正しい認識を財政当局にも持つてもらつて、なるべく早くこの問題を解決したい、こういうふうに考えておりますし、ただいまの段階ではそれ以上お答え申し上げられませんので御了承願います。
○佐々木(更)委員 大臣は意外にも、もつと純真だと思つたら、老獪ぶりを発揮いたしてまことに遺憾であります。そこでいずれまた郵政省の職員その他調停案をつくつた関係者も呼んで、ここで聴聞会といいますか、それをやることにもなつておりますので、きよう一日では結論が出ないと思いますので、他の同僚諸君に対して質問の席を譲りたいと思うのですが、ともかくも繰返して言いますが、郵政大臣はそれでは長官として弱過ぎる。そういう弱いことをされずに、やはり法律を実行しなければいけません。郵政大臣に対して釈迦に説法でありますが、今日公務員並びに公共企業体の職員は、ストライキの権利を奪われている、その代償として当然これに調停委員会並びに裁定委員会という権威ある調停機関を設け、このきめられたることは両方実行しなければならぬということは法文の明記するところであり、また民主的法治国家の当然の行き方でなければならない。ところが政府は今日約一兆億の予算の中に、三億円や三億五千万円の捻出ができないで、憲法に定められたる法治国の政治的なこの精神を没却するということは許されないことだろうと思う。どうも郵政大臣はあえてあるいは大蔵大臣が同意しなければ、この法治国の精神を蹂躙するかもしれぬということを言葉の端々に見せていることは遺憾であります。今日公共企業体等労働関係法をつくつた以上は、その精神は尊重する、三億五千万や四億円の財政操作ができないということは絶対にないのであります。言わせません。どうぞ郵政大臣は法律を守る、法治国家の制度を守る、こういう建前で、ぜひ最後の御努力を、近い期間において実現するように強く要望いたしまして、次回の委員会に残余の質問を延ばします。
○田中委員長 船越弘君。
○船越委員 私は郵政委員会に初めてで何にもわからないのでありますが、簡易保険積立金あるいは郵便貯金について、本省の方から各郵政局あるいは局へいろいろな割当をなさつておられます。その割当はどういう基準によつてなさつておられるのか、それをひとつお示し願いたいと思います。
○白根政府委員 簡易保険の募集目標の割当の標準につきまして御説明申し上げたいと存じます。大体割当額の目標をどの程度にするかという問題につきましては、一面国家資金の要請の面もございますが、あまり無理に募集をさせてもいけないという面もございまして、従来の実績、その後の伸びぐあい等をも想定いたしまして、本年度はどのくらいの目標にするかということをまずきめるわけであります。去年は十億目標を立てまして、期待としては十三億程度お願いしたい、こういうような目標を立てたわけでございますが、二本建では現業が混乱するという声もございましたので、前年の伸びぐあいをも勘案いたしまして、本年度は十一億の目標をきめたわけであります。これは従来の実績やら伸びぐあいのカーブ等を考え、事業的に考えると同時に、国家資金の需要の面をも勘案いたしまして、そういたしたわけであります。さてその十一億の目標を各郵政局別にどうして割当てるかという問題があると思うのです。これは人口なり経済力等、一定の標準をとつて割当をいたしまして、しかも割当の際におきましては、現場の郵便局長さんあたりの御意見をも参酌してやり得るような方法もとり、また従業員の側につきましても、組合の方々の御意見をも参酌いたしまして、目標の設定にあたりましては無理をしないと同時に、国家資金の要請あるいは事業の要請等をも勘案できるような方法で、割当の設定をしておる次第であります。
○船越委員 今お話を聞きますと、なるほど無理はないと仰せられますが、地方へ参りますと、御承知のように保険契約八万円、貯金が十万円ということに押えられております。従つて上を押えられておるために、この目標額達成のために、いろいろ従業員が苦心をいたしまして、あるいは違法な方法でこの保険の契約をやつておる事実がある。もちろんこれは会計検査院あたりからいろいろ指摘があるかもしれませんが、そういうふうになつた場合には、つまり簡易保険の八万円あるいは郵便貯金の十万円ということ自体に無理があるのじやないか、こういうふうに私考えるのであります。民間企業を圧迫してはいけないという建前からこういうわくがきめられたと思いますが、しかし国民自体は、むしろこれをもう少しく上げてもらいたいという気持を持つておる。民間企業を圧迫するかいなかということもありますが、結局国民自体の福利の増進をやるかいなかが優先さるべきだと私は思います。従いまして郵政大臣は、今後この八万円あるいは十万円ということについて、どういうふうにお考えになつておるか。このわくを上げるべく努力するかどうか。この点についてお尋ねしたいと思うのであります。
○塚田国務大臣 御指摘のように、割当てられた金額を集めるという場合に、非常に無理をされており、また場合によつては幾らか違法なものもあるというような話は、私も承知しております。私は現在の限度額そのものが、一応今までの段階では、あらゆる面を総合考慮して、あれが適当であるということに国会の御意思できまつたと思うのでありますが、しかしこれがいつまでも絶対であるとも考えておりませんので、なお今後大いに検討を要する面があるのではないかとさえ自分も考えておるのでありますが、何分にもまだそういういろいろな問題にまで十分検討ができておりませんので、本日はこの程度で御了承願います。
○船越委員 もう一つお尋ねしたいのでございますが、近く電信電話料の値上げがあるようですが、そうすると郵政省と電電公社との委託契約も当然更改されるのではないかと思う。その際には私はぜひともこういうことをやつてもらいたい。地方に参りますと、いわゆる集配局あるいは無集配の小さい郵便局がたくさんございますが、電報が参りましても、その電報がなかなか用をなさないのであります。そして翌日になつて、一般の郵便物と一緒に電報が配達されるという実情にある。それをよく聞いてみますと、何でも一本の電報を配達するのに二十五円しかいただいておらない、これでは配達手間賃にも何ら当らない、だからぜひともこれは上げてもらわなければならないのだ。こういう声を聞いておるのであります。従いまして委託契約を更改される時期には、こういう点について十分考慮していただき、地方農村の国民が困らないように十分なる御留意が願いたい。その点についての御見解を簡単に伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 お尋ねの点は、私もいろいろ所管の業務を聞いておりました場合に、そういう問題があるというので、何とかこれは直さなくてはならないと思つております。ことに僻陬地において電報が非常に遅れるということは、今御指摘のように、二十五円を値上げするという形で解決する方法が一つあると思うのでありますが、今電信電話料金の値上げに関連いたしまして、なるべく僻陬地にも電話施設を置いて、その電話を利用することによつて、もう少し早く簡単にあて先に届ける方法がないものかということも、あわせて今検討いたしております。いずれにいたしましても、御指摘の点はまさにごもつともでございますので、御期待に沿うように研究して、実現をはかりたいと考えます。
○田中委員長 濱地文平君。
○濱地委員 いなかへ行きますと、はがきや切手を買いに行つても、人がいなくて買えないことが多いのです。非常に困つておりますので、どういうわけかと聞いてみますと、販売手数料がいかにも少いので、そのために人がおつてサービスするということはできないという。そういう原因のもとに、どこの小さな村へ行きましてもそういう声が非常に多い。これは結局販売手数料があまりに少いためでないかと思うのです。さつきの御質問にもやはり似通つたものがありますが、タバコの方は少いうちにでも切手やはがきの手数料よりは相当多いのですが、これに対しまして大臣はどういう御見解を持つておられますか、ひとつ承りたいと思います。
○塚田国務大臣 お尋ねの問題は私も初めて実は伺つたので、自分としてはどういうふうにすべきかということについて、いまだ具体的な考えを持つておりませんが、事務当局が何か持つておりましようから、事務当局よりお聞きを願いたいと思います。
○松井政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘のようにはがき、切手類に対する割引歩合というものは、現在三歩ないし五歩というきわめて低い率であります。その上に全般としての金額がそういう僻地においては大して上りませんので、もう手取りのと申しますか、そういう意味から申すときわめてわずかな金になろうと思います。これをずつと率を上げるということも一つの案でありましようが、これを上げましても大体日本の切手、はがき類を売つておりますいわゆる売りさばき所というもののほとんど九割までは、一箇月五千円以下の売上げしか持つておりません。そういうところにおいて一歩程度の値上げをやつたからといつて、それが金額的に非常にその人たちに潤うわけのものでもなかろうと思います。しかしわれわれはその人たちの考えの点、そしてどこまでもはがき、切手というものを皆さんの需要に沿うような施策は、何かの形においてやりたい、これを完全に歩合を一歩上げるというような形で、はたして御指摘のような点が救済されるかどうか、この点についても相当疑問があろうと思います。タバコは現在御承知のように専売局の方から持込み配給をやつております。切手の方は持込み配給ではなくて、郵便局にとりに来てもらう。とりに来てもらう上になお手数の金額が上らないといつたような点があろうと思いますので、この配給方法をもう少しこちら側からある程度やるといつたようなことも考えられるじやないかというような点を、いろいろ目下考究中でございます。
○濱地委員 今の御説明によりますと、少しぐらい上げたところでわずかのものだから上げないというようなお心持でありますが、これはちよつとお考え違いじやないかと思うのでございます。少しでも上げて、そうして当局の誠意を示すということは必要じやないかと私は思うものであります。ほかの予算面から申しまして、わずかな人のためにやつたところで大した問題ではないという、この議論と同じ結果になつて行くのでありますから、それでは政治というものはよくないと思うのであります。この点は十分ひとつ御検討くださつて、少くともタバコと同じ程度のことにお考えいただいて、実現できるように御考慮を願いたいと思うのであります。 その次にもう一つ聞いておきたいのでありますが、私は実はこの前選挙違反を起しました。それはどういうことかというと、ある村へはがきを十二、三枚出したのであります。それは選挙の、お頼み申し上げますということは少しも書いてないはがきでありますが、十数枚出したものが、どういうわけか全部警察がそれを調べ上げて持つて行つた。これは郵便局の方から知れたのか、あるいは警察の方でたつた一枚のはがきによつて村中を、濱地から手紙が来ないかというので一軒ずつ調べて取上げたのか、その経過がわからないのでありまするが、郵便局からこういうことがわかつたとした場合、また警察が選挙に関係していないはがきを村中探しまわつて、一軒ずつその信書を調べ上げたという事実に対しまして、当局はどういうお考えを持つておられるか承りたいのであります。
○成松政府委員 ただいまお話になりました事件につきましては、私ども何も聞いていないのでありますが、警察の方でいかに調べたかということまで、実は私ども報告としても聞いておりませんし、御必要ならば具体的な事実、と申しましても郵便局の関係について聞いてみるだけでありますけれども、おそらく郵便局といたしましてもそういうような捜査官が捜索令状を持つてやつて来た場合には、あるいは提供することがあるかも存じませんが、そういうようなことでないとすれば、情報として資料を提供するということは考えられないと思うのであります。
○濱地委員 私の質問の要旨は、郵便物の秘密保持という問題から来ているのでありますが、はがきでもやはり一つの信書として秘密を守るべきものだと思います。そうするとそれが警察でなくても、これを一々一軒々々強制的に調べ上げるという場合において、その信書の秘密というものに対して当局はどういう御見解を持つておられましようか。
○成松政府委員 御指摘の通り信書の秘密は憲法にも保障されておりまするし、郵便局関係の従事員についても、その点郵便法にもきめているのでありまして、信書の秘密を守るということについて十分承知していることと思うのであります。従つてたとえば捜査官等からいろいろ情報の提供を求められることがあるといたしましても、単にそれだけでは警察官に連絡するということは絶対にないと確信いたしております。
○濱地委員 ないと思いますが、もしあつたらどういう方法をおとりになることになるのでありましようか。
○成松政府委員 そういう場合があれば、それはむろん郵便法違反によつて問われることになつていると思うのでありますが、ただ今問題になつておりますような、具体的な点はわからないのでありますが、配達後の郵便物についてあるいは外へ漏れたという場合については、これは信書の秘密の範囲外であろうというように考えております。
○田中委員長 大上君。
○大上委員 郵政大臣がおられますので、そこで概括的な問題を一つお尋ねしたいのであります。いずれ決算委員会等においてもよく承りたいと思いますが、昭和二十六年度決算検査報告によりますと、いわゆる独立採算制をとつた郵政事業特別会計において、昭和二十六年度のいわゆる欠損が約二十二億円となつております。そこでもちろんこの欠損の起きた理由は、たとえば賃金ベースの引上げ等もあろうが、他面には郵便料金の値上げ等をやつておる。そこで新しき年度において、新任の大臣はどのような方法でどういう面についてこの独立採算制を生かして行こうとお考えであるか、こういうような大まかなお考えを聞かしてもらいたい。 次に同じくこの決算の財務諸表については、たとえば東京、大阪、熊本各郵政局では固定資産の計上を漏らしておるものもあります。あるいは貯蔵品の計上を漏らしたものもあり、未収金の計上を漏らしたものもあり、あるいは未払い金の計上を漏らしたものもある。他面また昭和二十四年、二十五年両年度の例のお年玉つき年賀郵便の景品が相当額、六箇月経過してもこれを受取りに来ておらない。当然受領権が消滅になつておるのですが、これらの経理も非常に粗雑になつておるような報告が来ております。そこで今一つの例といたしましては、同じく決算番号八八八にある仙台の簡易保険局において、高橋某が行つた不正行為が、昭和二十二年から昭和二十七年の五箇年間という長期間、この不正発見ができておらない。その金額は七十三万八千円余りでございますが、このような不正行為を長くほつたらかしておくということは、行政上の監督において何らか欠陥があるのじやないか、そこでこの三事態から見まして新大臣はどのような方針で、内部的な行政監督ももちろんでありますが、この独立採算制をどうして生かすか、この三点をお尋ねしたいと思います。
○塚田国務大臣 これは私も今度自分で担当してみまして、しみじみとそのように感じたのでありますが、今のように、先ほどもちよつと申し上げたのでありますけれども、集めたものは全部やつてしまつて、かかつたものはこれだけかかつたからもらうという考え方でおつたならば、なかなか励みが出ない。従つて今後もしも独立採算制でほんとうに能率を上げるとすれば、少くとも大蔵省の一般会計との関係はどこかの線で一応きめる。たとえば大蔵省一般会計から繰入れて来る金額は、何か基準を設けてこれをきめる。他の特別会計から繰入れる場合も同じようなことが言われると思う。そこで一応きめておく。そういたしますとよけいに働けばよけいに繰入金があるということになつて、ほんとうに働いてくださる方々に励みが出る。こういうようにしないと独立採算制のほんとうのうまいところというものは出て来ないのではないかと考えておるわけであります。今年の予算からは、大体そういうようになつておると漠然と説明を受けて承知しておるのですが、まだ詳細には検討してみておらないのですが、考え方がそのようになつておるならば非常にけつこうでありますから、そのように推進して行きたい。 なお内部の問題に対しましては、何にいたしましても非常にたくさんの人がおられて、人件費が非常に大きくなるもののようでありますから、結局この人たちに能率を上げて働いていただくということにならざるを得ないと思う。能率を上げます場合には、やはり給与も考えなければならないので、そうするとまた収入を上げるという財政の基本的な考え方と関連が出て来る。そのほか検査院の報告でありますから、物件費その他について御指摘のようないろいろな点があつたのだろうと思うのでありますが、しかし私が今たまたま行政管理庁長官という立場で、国の行政全体の監察というものを考えていろいろ検討しておりますところから見ますと、郵政省の持つております監察制度というものは非常によくできておる、こういうように実は今までのところでは感じております。従つてこれだけの大きな世帯でありながら、割に事故も少い、こういうように感じておるのでありますが、なお御指摘のような点が出ておるそうでありますし、ことに最後に御指摘のものは、相当長期間にわたつて不正が発見されずにおつたわけでありますが、今後なお監察に十分注意いたしまして、そうしてむだをなくし、従業員の諸君に働いていただく、そのかわり働いていただいたならば効果が上るのだ、身につくのだというような形に何とか持つて行つたらいいのじやないかと考えております。
○大上委員長 片島君
○片島委員 本日は大臣から所管事項について大体の御説明を承るにとどめたいと思いまして、特に同僚議員から多数御質問がありましたから、私は明後日の委員会でまたお伺いしたいと思うのでありますが、ひとつ私は問題を特に強く大臣に訴えて、御決意をしていただかなければならぬことがあるのであります。特にこの自然休会中にまわつてみますと、小さい郵便局などで非常に老朽な局舎もたくさんあるのでありまして、非常に公共性を強調しておられながら、定員とか予算の制約を受けてといつて、非常に消極的な態度が現われておるのであります。税金を徴収してつくつておるいろいろな庁舎は、非常にりつぱな出先機関などができております。特に大臣が行政管理庁長官として担当せられておる一般会計の出先機関は非常にりつぱなものができておるが、こちらはできておらぬ。こういうことは一般会計でしりぬぐいをされておるために、一般会計からのいろいろな援助を受けておるために、あまり強いことが言えない。たとえば調停案の問題を大蔵大臣といろいろ相談される場合にも、お前の方は助けてやつておるのだからと言われると、幾らかしり込みをして来るという点があるのじやないか。税金だけでやつておるものさえ円滑にりつぱに行つておるものが、税金でなくて郵政従業員が働いているこの公共性を持つた事業においてこのような状態では、今後の事業の円滑な発展も、また従業員の給与問題もなかなか解決しないのであります。私は郵政事業は大蔵省から会計上において今どのような援助を受けておるのか、お伺いしたいと思うのであります。 それからいま一つはそれと関連してでありますが、先ほど給与問題についてお話がありましたときに、予算上の点では郵政事業としては大したことはない。一般会計から三億か四億だけ繰入れてもらえば実行できるというようなお話でありましたが、そうすると、一般会計からの繰入れというのは、郵便事業に対して繰入れられるものであるか、あるいはその他郵政省がほかにたくさん事業を取扱つておりますたとえば保険とか、貯金とか、恩給とか、その他そういうような事業に対して繰入れて出してもらうものであるか、この二点だけお尋ねいたします。
○塚田国務大臣 郵便局舎その他出先の建築物の老朽についての御意見でありますが、これはごもつともだと思います。しかしこれをいたしますのにも、独立採算制の郵便事業の本来のあり方からすれば、少くともこれから先は、さつき申し上げましたようなものの考え方で、独自の収入を上げて逐次よくして行くようにぜひ持つて行きたいと思います。他の行政官庁も逐次よくなりつつあるかもしれませんが、郵政関係の局舎その他も遅々としてではありますがよくなりつつあるのじやないか、なお今後成績を上げることに対して一層その歩度を早めて行きたいと考えておるわけであります。 それから一般会計からの繰入れの点は、全体の中の自分のところでほんとうにまかなえると申しても、ほんとうにまかなえる量というのは、厳格にいえばあるいはないのかもしれませんが、あの内訳を詳細に申し上げますと、予備金でまかなう部分と、郵政部内の他の特別会計から、たとえば電信電話の会計から入つて来るものからよけいもらうというものを抜いて、ほんとうの一般会計から来るものが約七億、こういうふうに申し上げたのでありまして、結局表現の形をかえれば、全部どこかから持つて来なければ、ああいう財源はないのだというように御了解願います。
○片島委員 それでは今度の調停案について、給与の調整についての増額部分が三十五億であつて一郵政事業全体として見た場合に、一般会計の方からどのような援助というか繰入れを受けておるのか、それを事業別にひとつお尋ねしたい。
○塚田国務大臣 これは郵便町金の部分が三十一億の繰入れを受けておるだけで、その他のものにおきましてはそういう意味の赤字の繰入れを受けておるものはないのであります。
○田中委員長 吉田君。
○吉田(賢)委員 簡単に伺いますが、他の同僚委員の質問についての関連事項でありまして、私本来の質疑は次会に譲らしていただきたいと思います。今の調停案を受諾する場合に三十五億七千万円を必要として、大体手元でまかなえる金額を内容別に御説明願いたいと思いますことが一つ。それからこれは事務当局でもいいのですが、手元でまかない得る金額があるということになれば、それは調停案に対して部分的に受諾することは、技術的、法律的に可能であるのかどうか。可能であるとするならば、受諾するという方向へも持つて行き得るのではないかと思います。まずこの二点につきまして少し説明してもらいたいと思います。
○塚田国務大臣 第二の点だけについて私からお答え申し上げます。これはものの考え方としては部分的に受諾するということは、私は可能であるとは思うのでありますが、自分の気持としては、この問題がこういうような状態になり、かつ調停案の趣旨がああいうぐあいになつておる以上は、これは部分的に解決をすべき問題ではないのじやないか。やるならばやる、やらないならばやらないという形にあるべきではないか。それから大蔵省側の意向も、部分的に解決すれば何とかやつてもいい、こういうような考え方ではないように私には見受けられます。第一の点は経理局長からお答えいたさせます。
○中村(俊)政府委員 ただいまの吉田委員からの御質問の第一点にお答え申し上げます。三十五億円の内容を説明せよということでございますが、御承知のように…。
○吉田(賢)委員 まかない得るものの内容です。
○中村(俊)政府委員 まかない得る分ということは、大臣が先ほど御説明申し上げましたように、厳密な点から申しますと、いずれもどこかの会計に持つてもらわなければならぬというものであります。御承知のように郵政省の仕事は、郵便、貯金、保険、その他たくさんの仕事をやつておりますので、その各仕事につきまして、財源を負担する会計というものは、それぞれたくさんございます。十幾つにも及ぶのであります。従つてこういうような場合には、それぞれの会計で分担をしてもらう、こういうことでありまして、郵政省自体が、もう一つはつきり申し上げますと、郵政事業特別会計というところで、何もかも自前でやるといつたようなものはございません。こういう意味でありまして、七億何がしという金は、これは大蔵省関係の一般会計から分担をしてもらわなければならぬというものであります。それ以外の金は、それぞれ郵政事業特別会計とか、あるいはまた貯金特別会計、あるいは簡易生命保険及び郵便年金特別会計、あるいは電信電話公社、またはそのほかの農林省関係の特別会計とか、たくさんございますが、そういうところで、それぞれ分担をしていただく、こういう意味でございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、結局はあなたの御説明によると、大蔵省の一般会計から繰入れてもらわなければならぬ七億円を控除した残額は、これは手元でまかなえるか、あるいは他の今例示になりました特別会計でまかなうか、その表現はともかくといたしまして、大蔵大臣に特別に交渉しなくてもいい数額は七億円を引いた残額になる、そうしてそれは可能である、見込みもある、こういうふうに了承していいのですか。
○中村(俊)政府委員 お尋ねの点でありますが、大蔵省といたしましては、予算の編成の担当者といたしまして、今回の三十五億というものは、各関係の会計の予算をそれぞれに計上しなければならぬという点におきましては、大蔵大臣において配慮を願わなければなりません。それから財源を各関係の会計でもつて負担をしていただくことができるかどうかという問題は、これは各会計の都合でありまして、私どもはこれまでベース・アツプ等の基本的な経費に変更を来した場合には、それぞれ関係の会計で当然それを持つていただく、こういうことで従来進んで参つております。従つて今回の部分もそういう考え方をしているわけであります。
○吉田(賢)委員 これは大臣によくお確かめしておきたいのですが、要するに大蔵大臣と折衝なさる限界は、一般的な予算の配分の権限であるとかいつたような問題は別といたしまして、実質的に交渉をしなければならぬものは七億円限り、大体七億円の繰入れを大蔵大臣が承認すれば受諾し得る、こういうような御見解に帰するわけでありますが、それをひとつだめを押しておきたいのです。
○塚田国務大臣 これは非常に表現がむずかしいので、あるいは誤解を起しているかもしれませんが、やはり三十五億七千万円というものを給与体系の是正に使うということについては、大蔵省の承認を得なければならぬことは間違いないのであります。しかし大蔵省が渋ります原因は、予算がない、財源がない、こういうことを言うものでありますから、そういう大蔵省の考え方に対しては、郵政省の今度のこの問題だけは、予算をそんなにたくさん寄越せということじやないのだから、そういうような大蔵省の主張に対してのこちら側の抗弁の仕方として、今の七億という数字が出て来る、このように御了解願います。
○吉田(賢)委員 これはあなたと大蔵省の方との折衝の内容に立ち入つて、次の機会に大蔵省の方に伺つてもいいのですが、結局あなたの方としては、三十五億七千万円が調停案受諾の場合には必要であつて、積極的に大蔵省の方へ一般会計からの協力を求めなければならぬというのが七億円であるというのに重点を置いて交渉しておられるのではないでしようか。まつたく総額を大蔵省に依存して行くというのか。最初の佐々木君の質問に対して、大半があなたの手元で自信あるがごとき御答弁でありましたが、実はそうでないのかあるのか。そこのけじめをはつきりしておいてもらいたいというのが、私の質問であります。
○塚田国務大臣 折衝に重点を置きました点はどこまでも最初にお答え申し上げましたように、財源がないないというけれども、七億円あればいいじやないか、その上、七億円もらうかわりに半分ぐらいは、はね返りでもつて返つて行くではないか、こういうように強く主張し、説明をしておつたわけであります。
○吉田(賢)委員 そうしますと、はね返りで四億円か三億五千万円ですか、返つて来るという場合に、七億円からそれを控除した数額が実質上新たに支出しなければならぬことに帰着する。そこで大蔵大臣はその程度の金額がまかない得ない、それをもつて財源がない、こういうようにほんとに言うのですか。さつきの御説明によると、千円のベース・アツプというふうに受取り、他へ波及するというふうに解しておるというような御説明がありましたが、この点はやはり調停委員会のあの理由書の説明によつても、またあなたの方からおそらくは詳細に調停における経緯、相互の主張、理由等の御説明があつたと思いますが、そういう点はすぐに一言で誤解は一掃されるものだろうと思います。そこでやはり帰するところは、大蔵省は七億円からはね返りを差引いたものが調達しにくいというようなことに、財源上のこれを受諾し得ない、大蔵省が同意しない理由がある、こういうふうになるのでしようか。こういうふうにあなたの御説明を私は理解すればいいのでしようか。
○塚田国務大臣 その点は、どこまでも大蔵省側がこの問題に容易に同意をしないという考え方の出て来る理由は、私が折衝して感じましたところでは、さつき申し上げましたように、これは一千円のベース・アツプだ。従つてこれをやるということは、公務員の均衡という建前から行けば、もちろん他の公務員全般に及ぼさなければならないし、さらに地方公務員まで、平衡交付金その他の形でしりを見なければならぬ。そうなると三百数十億という金がいる措置なんだ、こういう意味において、財源はないと考えて同意をしなかつたと、こういうように私は考えております。
○吉田(賢)委員 大蔵大臣が一千円のべース・アツプになるというようなものの考え方は、認識の点におきまして重大な現象であると思いますので、こういつた点につきましては、後日に私の疑いを晴らしていただきたいということにして、一応この程度で関連の質疑は終ることにいたします。
○田中委員長 その点については、明後日この調停案を中心として参考人も来ていただいて、十分質疑をしていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 参考人その他の関係者の説明が十分にあつて、しかる後に大蔵大臣の出席を求めまして、今の点などを明らかにしておきたいと思います。
○田中委員長 先ほど御決定を願いました連合審査会は、明日午前十時から開くことに外務委員会の方で御決定を願いまして、向うの方から開会の通知が公報に出ます。 それでは本日はこの程度にとどめて、次会は明後十九日午前十時半より開会いたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後零時二十四分散会