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16回国会衆議院1953/07/27

文部委員会 第20号

発言数
63
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/07/27

会議録

辻寛一自由党

○辻委員長 これより会議を開きます。  理事の補欠選挙を行います。委員田中久雄君は委員を一時辞任され、本日再び委員になられましたので、先例により理事の選挙の手続を省略し、私より田中久雄君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻寛一自由党

○辻委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 この際お諮りいたします。目下人事委員会で審査中の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に関して、当委員会としては重大な関係を有するものでありますので、衆議院規則六十条により人事委員会に対して連合審査会開会の申入れをすることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻寛一自由党

○辻委員長 御異議なしと認め、連合審査委員会開会の申入れをすることに決しました。  なお日時については人事委員長と打合せをいたしたいと存じまするから、委員長に御一任を願います。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 これより高等学校の定時制教育及び通信教育振興法案を議題とし、質疑を続行いたします。野原覺君。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の目的を私読んでみたのでございますが、この目的によりますと「勤労青年教育の重要性にかんがみ、教育基本法の精神にのつとり、働きながら学ぶ青年に対し、教育の機会均等を保障し、勤労と修学に対する正しい信念を確立させ、もつて国民の教育水準と生産能力の向上に寄与するため、高等学校の定時制教育及び通信教育の振興を図ることを目的とする。」このようにうたつてあるのであります。そこで私は、もしこのような目的で定時制教育及び通信教育を振興しようとするならば、なぜこの法案において大学の夜間部と大学の通信教育に触れていないのか、了解に苦しむのでございます。もう一度申し上げますが、このような目的で勤労青年の教育を振興しようとするならば、当然大学の夜間部と大学の通信教育を包含しなければ「勤労青年教育の重要性にかんがみ」云々という目的は達成されないと思うのでございますが、これを包含していないのであります。その理由について御答弁をお願い申し上げます。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 定時制の夜間大学並びに通信大学の教育につきましては最も必要なことでございまして、普通科を終えた者で上級の大学に入らなければならないという考えを持つておる者が多うございまして、当然これは必要が起つて参ります。少くとも全府県には一校以上の夜間大学あるいは通信大学を必要とするのでございます。私どもは一日もすみやかにその目的達成をいたしたいと存ずるのでございますが、今回は国家財政のこと等も勘案いたしまして、最小限度の振興法案を提出いたした次第でございますので、遺憾ながら大学の夜間部の設置にまで至らなかつたのでございますが、まつたく必要なことは痛感いたしておる次第でございます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこでお尋ねいたしますが、現在大学の四年課程の学校で通信教育を設けておる大学はどの程度でございますか。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 私立学校において六つと承知いたしております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 大学の夜間部は国立、公立、私立とわけてどの程度になつておるかお伺いします。

辻寛一自由党

○辻委員長 野原君、詳細なことは大学学術局長が参りまして答弁いたしますから、そのほかに御質問があつたらしてください。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 それでは詳細な点につきましては、大学学術局長が参りましてから承ることにいたします。  そこで私は次の質問をいたしたいと思います。最近勤労青年の職場におきましては、職制と労働強化が非常に問題になつて来ているのであります。すなわち夜間大学に学ぶ勤労青年あるいは夜間の定時制高等学校に通うところの勤労青年諸君が雇い主から圧迫をされている事実があるのでございます。そのような学校に行くならば、どうしても昼間の労働に影響するからやめてもらわなければならない、こういうようなことが今日至るところで起りつつあるのでございます。従つて私どもが勤労青年の教育の機会均等を保障するためには、何と申してもこのような理解のない雇い主に対して、理解をさせることが私は大事であろうと思う。ところがこの原案を見てみますと、そういう精神の上に立つた奨学制度というものが何らなされていないのでございます。  そこで提案者にお伺いをいたしますが、このような無理解な雇い主に対する奨学対策というものをどのようにお考えになつているのか、お伺いいたします。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 雇い主におきましては非常によく理解されまして、この定時制の学校に学んでいる者を自分の方で採用したいという雇い主もありますが、また中にはただいま御質問のありましたように、比較的無理解な、ほかの人たちと同じ時間まで勤務させたいというようなこと、あるいは居残りを慫慂されたりするような雇い主もあります。しかしこの定時制教育は、御承知の通り働くことと学ぶということが両立しなければならない。働く方をなおざりにするわけには参りません。また学ぶ方も——車の両輪のごとく二つが両立して進みたい、こういう目的を持つ教育でございますので、できる限り無理な問題が起らないように協調して行きたいと考えておるのでございます。これを法律とか規則の点において私どもは定めたいということではなしに、これは雇い主の個々の御都合によつて、いろいろな関係がありますから、せいぜい雇い主の利便になることは勘案いたしまして、そして学ぶことができるようにして行きたい。強制力をもつて理解させるということは少し無理が伴うのではなかろうかというふうな考えをもちまして、規則とかあるいは法律においてはそういうふうな定めをしない方がいいのではないかとただいまのところでは考えておるわけでございます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 ただいまの御答弁によりますと、できるだけそのような雇い主に対しては理解、納得を求めた上で、このような就学の奨励ということを考えて行きたいということでございましたが、御答弁になりました中川さん自体もお認めになつておるように、このような雇い主は簡単に理解をしないのであります。今日まで私どもはあらゆる機会に、理解を持つた人々が、ことに社会教育に対して関心を持つ人々が、雇い主を集めていろいろな話をし、啓蒙もやつて来ておるのでございまするが、依然として理解をなさらない方がかなりあることをあなた自身もお認めになつていらつしやるのでございます。そこで私はこういうような方方に対しては、どうしても法的な何らかの箇条をこのような法律の上に設けて、そうして勤労青年の就学を保護してやる法的保護を加えてやらなければならない。今日の日本の国民と申しまするか、雇い主の中にそういう者がおりますから、法的な保護の条文を設けるべきであるという見解を持つておるのでございまするが、再度この点に対する御見解を承りたいと思います。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 ただいまのところは、実い全国に定時制並びに通信教育振興会というものができております。各都道府県の文教委員あるいは委員長あるいは議員、あるいはまた町村長その他地方の有力な方々から成立つ振興会というものがありまして、それらの方々から地方の実情を聞き、あるいはまた場合によりましては雇い主とよく交渉していただきまして、そうして円満に、学びたい者が学びかつ働くことのできるような交渉をしようじやないかというような申合せをいたしております。しかしながらどうしてもこれができないという場合には、ただいま野原委員の御指摘になりましたように、あるいはドイツのように、法的根拠をもちまして、何パーセント以上は働きながら学ぶ者を雇わなければならない、あるいは傷ついた者、あるいは戦死者の遺児というものを法的根拠をもちまして何パーセント以上は雇わなければならないというようなことが起るかもしれません。ただいまのところではできるだけ円満に運ばせるために、ただいま仰せのような事柄が、各府県に少数ではありますけれどもございます、ですからせいぜい円満な理解を求めることによつて進みたいと思います。将来あるいはそういうことが起るかもしれないと思つてはおります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 その点は見解の相違でございますので、いずれ討論の際私どもの意見をあらためて申し上げたいと思います。  そこで次に参りますが、御承知のように、定時制教育というのはわが国では敗戦後設けられたまつたく初めての制度であります。従つて定時制教育における施設、設備というものはまつたくなつておりません。特に定時制分校の生徒は今どういう校舎を使つているかと申しますと、昔の戦争前の青年学校の校舎、それから小学校の校舎の間借り、それから中学校校舎の一部、はなはだしきに至りましては民家を改造しての仮住居でございます。しかもこの仮住居の中にあつてあらゆる辛苦と闘いながら向学心に燃える青年諸君が孜々勉学にいそしんでおるわけであります。従つて私どもが定時制教育の振興を考えまする場合には、校舎の問題、設備の問題を一日も早く解消してやるように努力しなければならないと思うのでございまするが、この法案を見てみますと、その点に対する配慮がはなはだしく乏しいことを私は残念に思うのであります。先般も文部委員会がまことに画期的なことではあつたと言われておりまするけれども、公立学校施設費の国庫負担についてあのような修正を加えたのでありまするけれども、残念ながら高等学校は遂に危険校舎の場合におきましても入つていない、こういうような実情でもありまするので、昼間制の高等学校にまで手が伸びないといたしましても、せめて勤労青年のこういう教育を保護する、特に勤労青年学校の設置者であるところの市町村の非常に苦しんでおるところの地方財政を幾分でもやわらげてやるという意味において、国はせめて定時制高等学校の建築費の三分の一くらいの補助を行うべきではないか、このことを要望して先日も私はこの法案に賛成いたしたのでございまするが、この点についていかがお考えでございますか。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 野原委員の御質問はまことにごもつともでございまして、私も同感に存ずる次第でございます。実はこの法案をつくりまするのに、昨年の六月茨城県で全国の定時制振興会の総会において議決いたしましたことに基いてつくりました法案で、いろいろ理想的な法案がございまして、非常にりつぱな法案でございました。しかし国家財政が不如意であるという見地から、この法案を縮めて参りまして、今回提案いたしました法案は最低限度のものでございます。ただいまの施設設備は何より大事なことでございますので、一日も早くその目的を達成いたしたいと存ずる次第でございますが、今回は遺憾ながら施設の点だけを遠慮いたした次第でございます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そういうかんじんな点が非常に省かれてあることを私は残念に思うのであります。この打出し方といたしましては、働く青少年諸君の教育について大きな関心を持つているというふうな示され方をしておりながら、実はその内容、実態というものを法案について分析を加えて、しさいにこれを検討してみますと、大した中身のないものに遺憾ながらこれがなつておる。このことを私は非常に残念に思つて質問を続けておるのであります。  もう一点お伺いいたしたいと思います。それは定時制高等学校の教職員の給与費についてでございますが、御承知のように、昭和二十三年、法律第百三十四号、公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法によりまして、教職員費の四割というものが国庫から補助されて、定時制教育の振興に寄与して来たのでございまするが、年度が進むに従いまして教職員の定員増加を必要とする今日、つまり昭和二十三年においては十七万の生徒でございましたが、昭和二十七年度、昨年度は生徒数が五十三万人を数える、こういうような比率に従つて教職員の定員増加というものも必要になつて来ているのであります。ところがかんじんの四割の国庫補助が実は昭和二十五年度から平衡交付金に移されましたために、生徒一人当り、ごく少額のこの補助金というものが、実は平衡交付金の中に投げ込まれたために、これが定時制高等学校教職員の給与費というひもつきに今日はつきりなつておりません。従つて昭和二十五年度以降の各都道府県の定時制教員の数は乙号基準をはるかに下まわつておるのでございます。これがために定時制教育の進展が非常に阻害されているということは申し上げるまでもございませんが、この点について、すなわち定時制高等学校教職員の給与費の問題についてはどのようなお考えを持つていらつしやるか、承りたいと思うのであります。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 仰せの通り、ただいまは平衡交付金の中に一人当り七千三百六十八円というのが計算されておるのであります。一日も早くすみやかにこのひもつきにいたしまして、平衡交付金から切り離すということは私どもの念願いたしているところでございます。今回は何分予算も提出された後にこの法案を出した次第でございますので、これを切り離した法律案を出すことができなかつたことを、まことに遺憾に存ずる次第でございますが、一日もすみやかにこれは平衡交付金から切り離しまして、四割あるいはそれ以上の補助金を出すことのできるように改めていただきたいというのが私どもの念願でございます。そういう見解を持つております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで次は、政府の方に対して御質問をいたします。青年学級の振興法案が本会議において本日可決になつたのでございまするが、私聞くところによりますると、この青年学級とともに、政府は本年度から短期産業教育と称しまして、もつぱら技能教育を行う別科の教育を積極的に進めて行こうという計画があるやに聞いておるのでございまするが、事実でございますか。

田中義男文部省初等中等教育局長

○田中(義)政府委員 お話の短期産業教育のために特に勤労青少年に対する教育を実施して行きたい、かような計画は先般の産業教育中央審議会等におきまして論議されたところでございまするので、文部省といたしましても、その実施を急ぎたいと考えております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで次の質問は、特に中川さんから御答弁願いましよう。青年学級とか、ただいま御答弁のありました短期産業教育というようなものは、これは私は教育体系の上からながめた場合に、教育の六・三・三・四という一本の教育体系の線とは別個の複線的なものである。教育の複線型化を来すものであつて、ややともすれば産業動員の安上りの教育にこれが堕するおそれがあるのであります。すなわち速成的な徒弟養成の教育に堕するおそれがあるのでございます。このことが実は戦争前の実業補習学校とか、あるいは青年学校というものが、日本の教育の機会均等、実質的な教育の水準向上の上に災いしたことは御承知の通りでございまするが、この点に対する御見解をひとつ承りたい。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 野原委員の仰せの通り定時制教育は学校教育でございます。通信教育も学校教育でございます。青年学級は社会教育でございます。ねがわくはこの定時制あるいは通信教育を受くべきである。中学校を出ただけでは社会へとして十分間に合わないというので、さらに教育を受ける場合に、なるべく専門的な教育を受けることが適当であろうと存じます。またそれが望ましいのでございますが、定時制すら、またさらに通信教育すら受け得られないような事情にあります者は、せめて青年学級によりまして、社会教育を学ぶということも必要であるかもしれません。しかしながら学びたい者がだんだん進んで参りますと、単位をとりまして資格を得たい。中学校の先生に教わるよりも、高等学校の先生に教わりたいという意欲を持つのが青年の考え方であろうと存じます。まず定時制なり通信教育を受くる前に、それすら受けることのできない者は、せめて社会教育である青年学級あるいは社会教育等の学校によつてその足らざるところを補うことが必要ではなかろうか、私どもはかような見解を持つておるのでございます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで重ねてお尋ねいたしますが、昨年度の定時制高等学校の数は三千百六十校、五十三万、間違いがあれば御訂正を願います。これだけあつたのでありますが、この法案をつくることによつて、昭和二十九年度におきましては、一体学校の数をどれだけにし、五十三万の生徒の数をどれだけにしようというお目安があるのでございますか。御答弁願います。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 ただいま皆さん方のお手元に参つておると思います。文部省の調査でございますが、これは公立学校が二千九百四十一でございます。そういうふうになつておりますが、生徒数は公立学校五十一万五千五百四十七人でございます。またどこかに数字が明らかに書いておりますが、ただいまではその程度で五十八万人ほどのものが学んでおるわけでございますが、働きながら学ぶ、これほどりつぱな教育はないと思いますし、また文部省の統計を見ましても、よく働くことのできる者はよく学ぶことができる、両立いたしまして、非常に成績が優秀でございます。これほどけつこうな教育はない、祖国を再建するのにはこの教育に限るというような感じを持つ人が非常に多いのでございます。私どもは早くこの教育を普及徹底せしめまして、少くとも十年以内には百万の学ぶ者のために、生徒をふやすことによりまして百五十万以上の定時制高等学校の生徒にしなければならない、こういうふうに考えておるのでございます。全日制よりも、——あべこべに全日制は少くなりましても、定時制は非常に増加するというようなところまで持つて行くことが適当であろう、かように私どもは考えておるわけでございます。

辻寛一自由党

○辻委員長 大学局長が参りましたから……。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 承知しました。そこで中川さんに重ねてお尋ねいたします。来年度におきましては現在五十一、二方の生徒を百五十万、つまり百万の増加を目標に考えておられるということでございますが、そうなりますと、あなたの方で予算についても、まだ閣議にはかつていない、党でも決定いたしておりませんけれども、大体の目安は当然おありになるはずでありますが、この法案に基いて百万の生徒数を増加しようとするならば、国はこの教員給あるいは校舎の施設設備、こういうようなものについて、どれだけの補助金をお考えになつておられるか、あなたの方ではどれだけを考えていらつしやるのか、お尋ねいたします。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 先ほど申し上げましたように、私の提案いたしましたものは、最低限度のものでございます。そうしてこの予算金額によつて申し上げますならば、公立高等学校定時制教育の設備費の補助でございますが、これは十二億二千三百二十九万円ほどが必要であると思います。そうして補助率は三分の一、十箇年計画といたしまして、一年分でございます。これをすでにできてある学校の充実のために、また新設の学校充実のために、これだけの費用が必要であると思います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そういたしますと、百万人増加するのに三分の一の比率で補助金を出すとして、設備費だけで十億円、このように受取つてよろしゆうございますか。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 そういうわけでございます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そういたしますと、これは校舎の建築が入つておりますか。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 入つていません。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 現在の校舎の内部充実の設備だけでございますね。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 そうです。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そういたしますと、これは非常に問題があります。今日ある校舎の内部の設備充実だけで一体百万人の増加が可能かという問題でございます。私の先ほど申し上げましたように、校舎の問題が非常に大事になつておる。私は大阪でございますが、大阪のような面積の小さい、比較的人口密度の高いとこにおきましては、実は民家でこの定時制高校が行われ、小学校の教室の足りないところを無理に小学校の校長に交渉してやつておる。だからこういう問題を解決しなかつたら、幾らこのような法案をつくつてみたところがむだなんです。だから私は、あなたの方で、校舎の費用としてはどれだけのことを考えておるのか、百万人の増加として、一体国はどれだけの補助金を出したらいいのかということをお尋ねしたのでございますけれども、どうもその的確な御答弁にいまだに接しませんので、これは政府委員の方でも御見解があれば、両者御相談の上でもう一度お答え願います。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 学校校舎の施設につきましては、来年度は七億一千百八十万円ほどの必要を私どもは認めておるのでございます。何分地方自治体もただいま財政が非常に枯渇いたしておりますし、中学校がだんだん定員増加を示しておるような状態でございまして、中学校と併設されております借家住いでおる定時制が相当多うございます。全国に千ばかりあると私は考えております。それらについては、中学校の定員増によりまして、早く立ちのきをしてもらいたい、新設の定時制高等学校を増設してもらいたいというような声が非常に強くなる場合が多いのでございます。ただいまの御意見のように、施設は最も必要なことでございまして、国がこれに対して三分の一でも補助ができる、あるいはまた補助ができなければこれに対して起債を認めるというようなことになれば、非常にスムーズに目的が達成し得られると思うのでありますが、遺憾ながらこの点も、今回は国家財政の都合を勘案して、私どもから提案はいたさなかつたわけであります。この点は何とかひとつ地方において心配をされるように、また近い機会において国においても必要を認めるようにしてほしいものであるという考えを持つております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 定時制高等学校と通信教育に関する本年度の予算は、教員給与の補助金を除いて、設備費、研究費、通信教育の運営費、こういうものを合計いたしますと、千八百一万円だと思いますが、間違いありませんか。

中川源一郎自由党

○中川源一郎君 そうであります。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで、百万人増加するのに、中川さんの御答弁によりますと、校舎と内部設備だけで約十八億円ということであります。本年は一千八百万円でございますから、十八億円というと一千八百万円の百倍になります。文部省もこの法案が通つた場合には、これを単に国民をごまかす法案に持つて行つてはいけませんから、予算を獲得してもらわなければなりませんが、十八億円では建物と設備だけでございますが、百倍の十八億円に対する提案者としての自信のほどなり、文部省の決意のほどなりを承りたいと思います。

田中義男文部省初等中等教育局長

○田中(義)政府委員 私から御訂正申し上げるのはどうかと思いますが、先ほど二十九年度において、定時制高校の生徒が百万人ふえる、こういう計画のようにあるいはお聞き取りになつたかも存じませんが、これは少し誤りでございまして、十年計画で百万を予定いたしております。従つて二十九年度においては約十万を予定いたしておりますので、さよう御了承いただきます。  それから予算の点でございますが、先ほど来御説明に相なりましたように、二十九年度において施設費も望ましいのですけれども、これはやむを得ないことでございました。しかし設備については約十億を予定いたしておるのでございまして、これについては、私ども政府当局としても十分に努力をして、いろいろ願わしいことも差控えてこの設備に重点を置いたわけでございますから、さような意味においてその実現をはかりたいと考えております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 実は、公立学校施設費の国庫負担で問題になりましたように、今の市町村は校舎を建てる力がないのです。だから私ども災害復旧に関しては三分の二まで引上げました。そこで義務制の校舎すら建てる力のない市町村あるいは都道府県が、定時制高等学校にまで手がまわらないというところに問題がある。今の田中さんの御答弁を聞きますと、十億円は設備費だけだといいますが、定時制高校だけでも、校舎ということに関して考えてやらないと、勤労青年の教育は絶対救えないと思うのですが、文部省は何かお考えになつておらないのかどうか、その点お尋ねいたします。

田中義男文部省初等中等教育局長

○田中(義)政府委員 文部当局におきましても、定時制高校の現状において最も問題となるのは、先ほどお話もありましたように、人件費の確保の問題と、それから施設、設備の点、かように考えておるのでありまして、将来施設についても実現を見るように努力いたしたいと考えております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 勤労青年の数は、私のとつた統計によりますと一千三百万になるのであります。今日定時制高等学校に入つておる生徒を五十三万と仮定しても、百分の四しか救済できていない。勤労青年の教育の機会均等とか何とかいつても百分の九十六はほつたらかしで、来年十万ふえたとしても、百分の五だけしか救済できないというところに私はもどかしさを感ずる。そこでお尋ねいたしますが、国の予算の面からやむを得ない制約がありますので、私どもとしては通信教育に重点を置くならば、もつとたくさんの青年諸君が救済できるのではないか、このように思うのです。通信教育に対する来年度の予算あるいは通信教育に対する御熱意のほどを文部当局からお聞かせを願います。

田中義男文部省初等中等教育局長

○田中(義)政府委員 勤労青年の教育のために、定時制教育の中においてさらに通信教育を学校教育法において取上げていることも御存じの通りでございます。従つて通信教育につきましても、その充実を企図いたしておるのでございます。ただいまではその生徒が約三万四千ばかりおると記憶いたしております。しかもその実施科目は本年度十二科目増加いたしまして、現在二十一科目、五十六単位をそれによつて得るような仕組みになつておるのでございますが、これも何とか、実際上の困難はございますけれども、通信教育だけでもやつて、高等学校卒業の資格も得るように御承知のように八十五単位になつて、おりまして体育なんかになりますと相当困難があるようでありますけれども、そこは何とか考えまして、通信教育だけをやつて、しかもその高等学校修業の力を得る、こういうふうなところに実は目標を置いて当局は努力を続けておるのであります。そこで来年度の問題でございますが、大体最近の情勢からいたしまして、一年約一万の生徒の増加を予定いたしております。従つて来年度におきましては、さらに五万近くの生徒を予定をいたします。そのためにさらに実施科品等もふやしまして、二十九年度における通信教育に対する補助として一応三千九百七十九万ばかりのその運営に朝する補助を考え、さらには設備補助といたしまして、これはわずかでございますけれども、七十五万ばかりの予算も一応予定をいたしました。そうして二十九年度実施をいたしたい、かように予定をいたしております。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 そこで大学教育局長に質問します。現在夜間大学と通信教育大学の通信教育と、大学の四年制度の夜間部、これの設置概況——国、公、知にわけまして、通信教育においてはどうなつておるか、夜間大学はどうなつておるのか、お伺いいたします。

稲田清助文部省大学学術局長

○稲田政府委員 第一に国立でございますが、国立で夜間の学部を置いておりますのは四つございます。場所といたしましては、横浜大学に一学部、神戸大学に二学部、それから広島大学に一学部ございます。それから通信教員とその他私立についてでございますが、これはちよつとお待ちください。調べた結果を申し上げます。それから私立の夜間部と称しますのは、合計いたしますと六十五でござまいす。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 通信教育はわかわませんか。

稲田清助文部省大学学術局長

○稲田政府委員 たしか六大学だと思いますけれど、念のために調べて申し上げます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 私のこれからの質問には、大学教育局長として御答弁願いたいと思います。私の見解は、今出されておるところの定時制高等学校及び常時制高等学校の通信教育に関しては、まつこうから反対はいたしませんけれども、少くとも勤労青年教育の重要性ということで考えるならば、大学の夜間部の問題、大学の通信教育の問題を何ら考えていないこの法案に対して、非常な不満を禁じ得ないのです。このことに対して大学教育局長としての御所見を承りたいと思います。

稲田清助文部省大学学術局長

○稲田政府委員 ある法案は提案者のねらいどころでつくられるわけでございます。重点をどこに指向するかということは、それぞれお考えがあろうと思います。ただ問題として、夜間大学を助長する必要ありやなしや、これは大いに必要あると考えております。われわれといたしましても、私立につきましては、現在大都会を中心といたしまして非常に優秀な私立の夜間大学が相当ございます。これらの領域に国立大学としてさらに手を伸ばす必要はなかろうと思つております。国立大学としては、自然地方勤労青少年の問題でございますが、こういうことになりますと、現在まで考えて参りましたのが、短期大学でございます。と申しますのは、地方の小都会、中都会になりますと、さらに広範囲から学生を集めるということになりまして、五年の久しきにわたりまして学生が修学を続けるという点につきましては、相当困難な事情もある。まず短期大学から出発いたしまして、地方の要請、状況に応じてそれを充実して、必要あらばそれを学部に直すということを私どもとしては考えております。通信教育につきましては、優秀な私立大学が率先せられまして、六つでございましたか、あるいは七つくらいかと思いますけれども、まずお開きになつております。これらに対しましては、しよつちゆう連合会その他と文部省と相談いたしまして、内容の充実発展というような点については御協力申し上げておるようなわけでございます。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 局長としては、夜間大学が必要であり、通信教育も考えなければならぬ、こう言われておるのですが、すでにやめられた文部大臣の岡野さんが、かつて夜間大学の廃止をお唱えになられたということがいわれましたが、事実でございますか。

稲田清助文部省大学学術局長

○稲田政府委員 この点につきましては、岡野前大臣自身で新聞に投書して自分の見解を明らかにされたわけでありますが、決してそういう伝えられた意味でないのでございまして、夜間大学に進学しようという勤労青年というものは、職場においても非常に勉強家である。非常に勤務に忠実である。同時に勉学にもこれまた非常に熱心な人である。従つてそこに始終問題が起ることは、本人の健康の問題である。そういう点で夜間大学としても健康の施設は十分にしなければならぬ、また進学しようとする本人及び家庭も、その点は十分留意しなければならぬ、無考えに入つて来た人は多く弊害が生ずるから、そういう点は注意しなければならぬ、こういう意味合いだつたと思います。     —————————————

辻寛一自由党

○辻委員長 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、次に私立学校教職員共済組合法案を議題とし、質疑に入ります。中村梅吉君。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 私は暑い折柄ですから、ごく基本的な問題の二、三について文部省当局に所見を伺いたいと思います。大体見当がついておることでありますが、基本的に伺いたいと思いますのは、官立の大学、高等学校等の生徒一人当りに対する国庫の負担、それから公立大学、高等学校等に対する国庫の負担額、学生生徒一人についてどのくらいになるか、同時に私立の大学、高等学校の学生生徒一人に対する国庫の助成、補助等の国庫負担にかかる経費はどのくらいになつておるか、その割合をまず承りたいと思います。

近藤直人文部省管理局長

○近藤政府委員 ただいま御質問の点につきまして、少し古いのでございますが、昭和二十六年の調査によりますと、大学、高等専門学校につきましては、国立学校は一校当り経営部臨時部を合わせまして一億四千五百八十九万八千円、これは国立学校一校当りでございます。それに対しまして公立学校は、一校当り四千四百八十七万、それから私立学校は、一校当り千七百六十三万、これが国立、公立、私立にわたる学校の一校当りの経費でございます。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 一校当りの経費は大体伺いましたが、学生生徒一人に対する割合はどのくらいの見当になつておりますか。おわかりがなかつたら、後日資料でいただいてもけつこうです。

近藤直人文部省管理局長

○近藤政府委員 学生生徒一人当りにつきまして、ただいま資料を持合せませんが、国立大学につきましては、たしか一人、一、二年前が約九万円でございましたから、ただいまは十万以上になつておるかと思つております。私立学校につきましては、はるかにその下でございます。なお詳細なことにつきましては、後刻資料を整えまして……。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 明日でもけつこうですから、その資料をいただきたい。  そこで今度の私立学校教職員共済組合法ですが、とにもかくにもこの制度を政府が立案されて、国会に提案をされたということは、一歩の前進でありまして、これは一般社会また学校関係方面から、長きにわたつて要望されていたところでありまして、かかる法案の提案を見たことは、われわれ当局に対して敬意を表するところでありますが、ただ問題は国庫の助成が一〇%であるということでは、せつかくりつぱな制度が確立されても、この制度を利用できない学校が相当数出るのではないかということが懸念されるのであります。さなきだに現在の各私立学校の経営状態というものは、非常に困難をきわめておりまして、何とかこれを改善をしなければならない、ことにただいまの概数を伺いましても明らかなごとくに、国立学校で、大学専門学校である場合には、一校当り一億四千五百八十九万、私立大学専門学校においては、わずかに千七百六十三万、こういう程度の国庫の負担割合でありまして、かかる現状から見ましても、私は国立大学、高等学校あるいは専門学校、短期大学、こういうようなものについては、よほど将来考え方をかえなければならぬと思うのであります。現在ある官公立の大学あるいは高等学校を縮小せよとあえて言うのではありませんが、大体官立大学というものは、明治の初年に、私費をもつてしては、国家の人材を養うに足るだけの勉学の機会を与えることができない、また私費をもつてしては、高等教育を受けることが至難であつた時代における尊い制度でありまして、今日のごとくに社会一般が進歩いたしまして、また国民全体としても向学心が盛んになりまして、私費をもつてどんどん高等教育を受ける、勉学に努める、また父兄にいたしましても、子弟を教養することに努力をしておるというような現段階に達しました今日において、官立の大学、その他の諸学校というものは、いわば一種のサンプル・スクールであつていいじやないかと私は思うのです。そこでごく理想的な学校経営というものの形態を整えて、これを広く天下に普及する、こういう行き方でいいのではないかと思うのです。かような私の考え方がもしあやまちがないとするならば、私立の大学、高等学校等に対するところの助成の方途については、もつと十分の考慮が払われてしかるべきだと私は思うのです。ことにこれらの私立の学校の経営者が、財政的に非常に苦心をしておることは、この問題に直接関係がありませんからさておきまして、私立の諸学校に奉職しておるところの職務をとつておる教職員の、これまた官公大学、高等学校の職員に比較して、非常に劣勢な給与を受けておつて、しかも退職した場合の退職金あるいはその後における恩給というような制度すらも今日までなくして、まつたくこれらの私立諸学校に奉職しておる人の前途というものが暗澹たるものである、ここにおいてこの制度がとにもかくにも頭を出しましたということは喜ぶべきことで、われわれ当局に対して敬意を表しますが、しかしながら何といつてもこの一〇%という国庫の助成率では、非常に遺憾を禁じ得ないのであります。せつかくできたりつぱな制度が、十分活用せられないことになつてしまつては、まことに残念しごくなのでありまして、将来あるいは私立諸学校の経営状態が非常に復興してよくなつて来れば別でありますが、戦災を受けた都市にあるところの学校というものは、みんな戦災に悩み、復旧に苦しんで、財政きわめて困窮の現状にある。どうにか形は復興したけれども、財政面においては非常に苦しみにあえいでおる、こういう現状にあるわけでありますから、将来それら私立学校の財政状態がいい場合には、また適当なる調節をする時期があるといたしましても、ここ当分はこの一〇%というようなことでなしに、もつと恩給制度と同等までは行かなくても、それに接近するような措置を国として考慮すべきではないだろうか、こう考えるのであります。文部当局におかれましては、今度の一〇%はやむを得ないといたしましても、将来これについてどういう熱意と意欲を持つていらつしやるか、それを承つておきたいと思うのであります。

近藤直人文部省管理局長

○近藤政府委員 ただいま中村委員からお話を伺いました。しごくごもつともな御意見でございます。すでに大臣から提案理由の説明がございましたが、その際にも私学の現状は国、公立に比較して、非常に政府の補助が劣つておるという点を指摘され、しかしながら私学の教育界における地位というものはきわめて高いものである、従つて政府といたしまして、今日まで私学を振興するという意味におきまして、去る昭和二十四年には私立学校法、また昭和二十七年には、私立学校振興会法というものを制定いたしまして、私学の基礎を強固にし、かつまた私学に対して経営資金の貸付をするという制度を設けたのでございます。しかしながらひるがえつてその教職員の福利厚生の面につきましては、今日まで遺憾ながら比較的国、公立の場合に比較いたしまして、手ぬるいというのは事実でございます。わずかに、御承知と思いますが、財団法人私学恩給財団、これが教職員の長期給付の仕事をして参つております。また財団法人私学教職員共済会というものが昨年設けられまして、これは私学の教職員の短期給付の仕事をしておるわけであります。ただそれだけでございまして、それに対して国が事務費、事業費を合せまして、一千万円を助成しておるというにすぎない、そこで今日これをどういうふうに取上げるかという問題が起つたわけでございます。ところがたまたま、御承知と思いますが、厚生省所管の健康保険法並びに厚生年金保険法の改正がございまして、これはただいま国会で審議されておるわけでございますが、これが九月一日に改正いたしまして、私立学校の教職員を全部これに強制適用するという事態が起つたわけでございます。それに対しまして私学全体といたしましては、これはそういう法文もさることながら、私学は私学として、ぜひこれは教育基本法の第六条の線並びに前回の私学振興会法をつくつたときの附帯決議の線に沿つて特別な立法をしてもらいたいという要望がございましたので、われわれといたしましてはその線に沿いまして実は立案いたしたのでございます。  立案の経過はさような次第でございますが、しかしながら御指摘ございましたように、この法案の内容につきましては、もちろんあるいは御満足の行かない点があろうかと思います。たとえて申しますれば、役員の数、あるいは都道府県の補助がないという点、あるいは振興会の補助がないという点、また百分の十であるという点、いろいろ御不満の点がございましたことは事実でございます。私どもはそういう私学側の意向を十分咀噛いたしまして、できるものはこれを取入れるという方針で実は立案して参つたのでございます。しかしながら関係官庁との折衝——あるいは急な話でございましたので十分これを見直す余裕もございませんので、そういつた意味におきまして御不満があろうかと思いますが、最小限度この程度ならばできるという案を実は御提案したのでございます。  ただ御指摘のような百分の十の点でございますが、これは共済組合の長期給付の財源計算でございまして、非常に専門的になつて恐縮でございますが、これは教職員の脱退残存表とか、あるいは年金受給者の生残表とか、あるいは給与指数とか、あるいはまた予定利率、そういつたいろいろな面をかみ合せまして、国の補助が百分の十でできるという線をつくり出したのでございます。もちろんこれは百分の二十、百分の三十であることは望ましいわけでありますが、一面そういうものかと申しますと、必ずしもそうではございませんので、それに伴つて教職員の掛金の負担率がふえるということがございますので、その点は専門的にいろいろ検討いたしました結果、百分の十という線を一応出したわけでございます。しかしながらこれはさらに詳細に内容を分析いたしますと、もちろん都道府県から補助があつて、また振興会から補助がありますれば、これは教職員の個人の負担率が少くなる、あるいはまた学校法人の負担が軽減されるという面はもちろんございます。そういつた点につきまして、御希望の点は十分わかるわけでございます。しかしながらかりに、これは現在厚生年金保険法とかあるいは健康保険組合を組織しておる学校に対しまして例をとつて申しますならば、必ずしも負担は現在よりも軽くならない、むしろその負担が多くなるというのが事実でございます。これは相互扶助事業であります性質上やむを得ないものがあると思うのでございます。また一方給付内容につきましては、現在の厚生年金保険法と比較いたしまして、できまする共済組合は相当上まわつております。従つて給付内容が上まわつておりますから、給付の負担も相当上まわるのは当然である。ただその上まわり方があまり極端であれば、学校が負担にたえないという問題は起ります。そういつた点も十分勘案いたしまして、一応百分の十という線を考えたのでございます。しかしながら御指摘の点は確かに御意見の通りだと思いますので、なおその点につきましては十分考慮いたしたい、かように考えております。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 ただいまの点につきましては、政府当局におかれまして今後とも一層深い関心を持たれて努力を払われんことを要望いたしておきます。  次にお話のありました私学振興会法によつて私学振興会が共済組合に助成をするという場合、現在のあの制度だけでよいかどうか、改正を要するのではないかという意見もありますので、その点について政府の考え方を承つておきたいと思います。

近藤直人文部省管理局長

○近藤政府委員 私立学校振興会法の二十二条によりますと、「振興会は、第一条の目的を達成するため、左の業務を行う。一、学校法人に対し、その設置する私立学校の経営のため必要な資金(その施設のため必要な資金を含む。)を貸し付けること。」それから第三号に、「私立学校の職員の研修、福利厚生その他私立学校教育の振興上必要と認められる事業を行う者に対し、その施設等について、必要な資金を貸し付け、又は助成を行うこと。」という規定がございます。この規定を生かしますれば、できまするところの私立学校教職員共済組合に対しまして助成の道は開けているわけでございます。但しこの振興会法の規定におきましては、「その施設等」とございまして、施設についてはもちろん明確でございます。たとえば教職員共済組合が福利施設をする、たとえば保養所を設ける、あるいは宿泊所を設ける、そういう具体的な施設に対しては、振興会がこれに対して助成をするということは明瞭でございます。ただ共済組合の事業の赤字に対して、振興会がはたしてその助成ができるかどうかという点につきまして、「この施設等」の字句だけではあるいは不明確ではないかというきらいはございます。従つてこの点につきましては、事実大蔵当局ともこれは話し合つたことはございますが、まだその点につきまして明確な結論を得ておりません。従つてこの点につきまして、今後ともそういう場合に私学振興会から助成ができるというふうな線は折衝いたしたいと、ただいまかように考えております。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 あとは政府の今後とも一層の御尽力を要望いたしまして、暑い折からですからこれで終ります。

辻寛一自由党

○辻委員長 本日はこの程度にとどめます。明日は午後一時半から開会の予定です。  なお先刻当委員会より一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に関しまして、人事委員会に対し連合審査の申入れをいたしましたが、明日午前十時より開会の旨人事委員長から回答がございましたので、振つて御出席を願いたいと思います。  これにて散会いたします。     午後五時八分散会

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