文部委員会 第13号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/07/18
会議録
○辻委員長 これより会議を開きます。 本日の審査方針につきまして御了解を得たいと存じますことは、前回の委員会におきまして、まだ文部行政に関する御質疑の通告が残つておりましたが、本日はまず一般質問をあとまわしにいたし、付託されている法律案の説明聴取並びに審査を進めたいと存じます。 まず私立学校教職員共済組合法案を議題といたします。提出者より提案理由の説明を聴取いたします。大達文部大臣。 ————————————— —————————————
○大達国務大臣 ただいま上程になりました私立学校教職員共済組合法案について、その大要を御説明申し上げます。 わが国の学校教育にきわめて重要な地位を占めている私立学校がよく戦後の苦難に耐えて、特有の伝統と自主性を持つてわが国の学校教育の進展に貢献して来たことは申し上げるまでもないところであります。従つて、私立学校教育の振興をはかることは、ひいてはわが国の学校教育全般の振興を促すものでありまして、さきに昭和二十四年私立学校の基本法ともいうべき私立学校法を制定したことも、さらに昭和二十七年私立学校振興会法を制定して私立学校の経営に対する援助を行う恒久的制度を設けたのも、一にこの趣旨にほかならないのであります。 私立学校教育振興の根本は、まず私立学校が経営の合理化と健全化をはかることによつて自主性と公共性を発揮するところにあります。これと同時に私立学校の教職員がこの重大なる責務を安んじて担当できるためには、それらに対する福利厚生の対策を立てなければならないことはこれまた申し上げるまでもないところであります。しかるにこれら私立学校の教職員に対するそれらの対策はどうかと申しますと、国、公立学校教職員のそれに比し、相当立遅れの現状にあることはこれを認めざるを得ないのであります。すなわち現在設けられておりますところの、教職員の退職、老後の給付を目的とする財団法人私学恩給財団並びに本人とその家族の疾病、災厄等の給付を目的とする財団法人私学教職員共済会はいずれも国、公立学校教職員の共済制度に比し、その財政的基礎、給付の種類、内容等においてはなはだ不十分な実情にあるのであります。 そこで、かねてから私立学校関係者は、私立学校教職員共済制度の確立を熱望して参りましたが、政府といたしましても第十三回国会における私立学校振興会法制定の際の附帯決議、すなわち私立学校教職員の福利厚生対策については、教育基本法第六條の趣旨に基き国、公立学校の教職員と均衡を保てるような別途の施策を考慮するという趣旨に基き、また私立学校の自主性を尊重しつつ、先ごろから立案を進めて参りました。その結果、ここに私立学校教職員の相互扶助事業を行う私立学校教職員共済組合を設け、既設の両財団法人を発展的に解消させるとともに、新たに私立学校教職員の全員を原則として強制加入させ、その福利厚生をはかり、兼ねて私立学校教育の振興に資するため、ここに私立学校教職員共済組合法案を上程いたした次第であります。 なお、本法業は健康保険法、厚生年金保険法の特例法となるものであり、また本法案の施行期日は準備期間を見まして昭和二十九年一月一日といたしております。 以上本法案提出の理由を述べましたが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
○辻委員長 続いて政府委員の補足説明を求めます。
○近藤政府委員 ただいま上程になりました私立学校教職員共済組合法案について補足してその大要を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合は、法案第一條の目的に明らかでありますように、私立学校教職員の相互扶助事業を行い、その福利厚生をはかり、もつて私立学校教育の振興に資せんとする特殊法人でありまして、本法案は、この私立学校教職員共済組合の設立、組織、運営、業務、経費の補助及び監督等に関して必要な事項を規定することを内容とするものであります。以下本法案における主要事項について御説明申し上げます。 第一に、この組合は、私立学校法第三條に定める学校法人、同法第六十四條第四項の法人及び組合に使用される教職員をもつて組織するものでありまして、その学校数は約三千七百校、教職員数は約七万六千人であります。 第二に、この組合は、第七條の規定により、役員として、理事長一人、理事三人以上六人以内及び監事二人を置くことといたしております。これらの役員は組合の業務の運営の責任を負う機関であります。 役員は、第九條の規定により、組合の目的を達成するために必要な学識経験を有する者のうちから文部大臣が任命することとなつておりまして、専任者を建前としておりますが、場合によつては、他の職業に従事している者であつても、第十一條の規定により、適任者にこれに任命することができることとし、広く適材を求めることができるようにいたしております。 第三に、組合の業務の適正な運営をはかるために諮問機関として運営審議会を設けております。運営審議会は、第十二條及び第十三條の規定により明らかなように、十五人以内の委員をもつて組織され、定款及び業務方法書の変更、毎事業年度の予算、重要な財産の処分または重大な義務の負担、訴訟または訴願の提起及び和解その他組合業務に関する重要事項について理事長の諮問に応じ、または必要と認める事項について建議することを主たる任務とするのでありまして、組合の業務の運営に広い範囲の公正な意見を反映させる目的をもつて設置されるものであります。 委員は第十二條の規定により、組合員、組合員を使用する私立学校法第三條に定める学校法人または同法第六十四條第四項の法人の役員及び学識経験者のうちから文部大臣が委嘱することになつておりますが、その委嘱にあたりましては、一部の者の利益に偏することのないように注意し、公正妥当な運営をはかるようにいたしたいと考えております。 第四に、組合は第十八條以下の規定により業務として組合員またはその被扶養者の疾病、負傷、死亡、分娩、退職、災厄または休業に関する給付事業並びに組合員の福祉を増進するための福利及び厚生に関する事業を行うのでありますが、その給付の種類及び内容等は、国家公務員共済組合と同様であります。 第五に、掛金及び国庫補助金についてでありますが、掛金は、第二十八條の規定により組合員とその組合員を使用する学校法人等との折半負担とし、その掛金率は第二十七條の規定により政令で定める範囲内において定款で定めますが、万一その滞納がある場合を考慮して、健康保険法及び厚生年金保険法と同様、第三十條以下に滞納処分に関する規定をも設けております。 次に第三十五條の規定により、退職給付、廃疾給付及び遺族給付につきましては、これに要する費用の百分の十、組合の事務に要する費用につきましては、その全部を国庫が補助することができることとなつております。 第六に、給付に関する決定、掛金その他この法律の規定による徴収金の徴収または滞納処分に対し異議のある組合員の苦情を処理するために審査会を設けて処理させるようにいたしました。これは国家公務員共済組合とまつたく同様であります。 第七に、定款及び業務方法書の変更、予算及び決算については、文部大臣の認可または承認を受けることを要するものといたし、また第九章の規定により、組合は文部大臣の監督に服するものでありまして、文部大臣は組合に対して監督上必要な命令をなし、報告を徴し、または所属職員をして立入り検査をさせることができるのでありますが、これらは組合の業務の特殊性及び公益性に基くものであります。 第八に、組合の設立に関する事務は、附則第二項以下に規定しておりますように、文部大臣が設立委員を任命してこれを処理させることにいたしております。設立委員は、それにふさわしい学識経験者のうちから任命されるわけであります。 第九に、財団法人私学恩給財団及び財団法人私学教職員共済会は組合成立の日に解散し、その権利義務は組合がこれを承継することにいたしております。 第十に、附則第十三項以下の規定により組合成立の際、現に厚生年金保険の被保険者である者または私学恩給財団の加入教職員である者につきましては、その既得権を尊重する趣旨から、その者の被保険者または加入教職員であつた期間をこの法律による組合員であつた期間とみなし、これと、その者がこの法律による組合員となつた後の期間とを合算することとし、またその者に対して給付を行う場合においては、厚生保険特別会計がその給付費の一部を負担し、またはその給付について必要な調整を行うことができるようにしてあります。なお、これら期間の合算及び費用の負担その他細部の事項につきましては、政令で定めることにいたしております。 最後に、この法律は、教育基本法の精神にのつとり、健康保険法及び厚生年金保険法の特別法として制定するものでありまして、強制加入を原則といたしております関係上、この法律の例外的な取扱いは最少限度にとどめることが、この法律の趣旨に沿うゆえんであります。但し、附則第二十二項の規定により組合成立の際現に健康保険組合を組織する被保険者については例外を認めることといたしました。その著については、この法律の施行に伴い、健康保険組合の取扱いに関し問題を生じますので、その者に対する保健給付、罹災給付及び休業給付の適用についてはこの法律による組合員にならないものとすることができることといたしたわけであります。 なお、この法律の施行期日は、昭和二十九年一月一日でありますが、この法律は、前述の通り健康保険法及び原生年金保険法の特別法として制定するものでありまして、しかも両法の一部を改正する法律が先に施行される予定でありますので、混乱を避けるために、本法の施行に伴い組合員となるべき者について両法の適用を排除する規定を設けております。 以上が本法案の大要でございます。 —————————————
○辻委員長 これより危険校舎改築促進臨時措置法案並びに公立学校施設費国庫負担法案の両案を一括して議題とし質疑に入ります。辻原弘市君。
○辻原委員 この危険校舎とそれから公立学校の施設費国庫負担に関する法律案を直接審議いたします前に、私は若干これに付随する起債等の問題につきまして、文部省と自治庁に具体的にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、まだ自治庁が見えておらないようでありますので、最初に文部省から若干お伺いをたします。 第一は、本年度の文教施設に関する起債の計画の全貌は一体どのようになつておるのか、これを具体的に文部省の方から一応御説明願いたい。
○近藤政府委員 起債の全体計画につきましてただいままで自治庁と打合せを了しておりますのは、補助関係の令につきまして二十五億、それから老朽危険校舎並びにその他学校施設の増築分について五十五億でございます。
○辻原委員 補助関係の分として二十五億、それから老朽関係が五十五億、こういう話でありますが、間違いございませんか。
○近藤政府委員 補助関係の二十五億につきましてはただいままでのところは変更ございませんが、老朽危険校舎の分につきましては、その後ごく最近でございますが、さらに十五億プラスになりまして、合計いたしまして老朽危険校舎並びに校舎の増築分といたしまして七十億というふうになりましたから、先ほど私が申し上げました分を御訂正願います。
○辻原委員 その場合、産業教育等の施設に関する例の産業教育法の関係の分に対する起債の裏づけは、本年度は一体どういう形になつておるか、これをひとつ具体的にお答え願いたい。
○近藤政府委員 産業教育振興法関係の起債額につきましては、これは一般の単独事業に入るものと考えますので、ただいま申し上げました数字のうちには含まれてございません。
○辻原委員 補助関係の分二十五億、それから老朽の方が合計七十億、この中には産業教育関係は入つていない、いわゆる一般単独の事業の分に多分入つているであろう、こういうお話でありますね。そういたしますと、昨年度の取扱いとは違うように思うのですが、この点は昨年度との関係を考慮されているのかどうか伺いたい。
○近藤政府委員 昨年度分も立て方は同じでございますので、産業教育振興法関係の起債については含まれてございません。その他の一般の単独の方に含まれてございます。
○辻原委員 総額については一応わかつたのでありますが、次に、この問題について文部省の方針をひとつお伺いしておきたいと思うのです。起債と、それから直接補助との関係を一体どのような形で配分しようとしているのか、この点についてお伺いをいたしておきたい。
○近藤政府委員 この七十億の分につきましては、これは主として老朽校舎の起債一に充当されるものでございます。御承知のように老朽校舎の補助額は、ただいま予算で要求いたしておりますのは当初十二億でございます。それがややふえまして、約十億ふえるやに伺つておりますので、これが二十二億にかりに御決定をいただきますれば、これが三分の一の補助でございますので、残りの三分の二につきましては起債でまかなわれることになるわけでございます。しかしながら、従来の例によりますると起債額は一〇〇%つきませんで、大体八〇%程度の起債しかつかないのでございますので、そういたしますると、この二十一億に対しまして倍額の四十四億というものが一〇〇%に当るわけでございますから、その八〇%、三十五億二千万円というものがごの老朽校舎の補助に見合う起債として、この七十億の中から充当されると考えられるわけでございます。従いまして、七十億起債がございますれば、それから三十五億二千万円を引きました残りの分が、一般校舎の増築、あるいは単独の老朽校舎の改築というものに充当されることになろうかと考えております。
○辻原委員 ただいまのお話によりますと、方針としては、現在補助事業の分が二十五億予定されておる。それから老朽の分については七十億が予定されておるが、この場合昨夜通りました修正分を含んで、補助に対するそれの見合いの起債は完全に裏づけをする。こういう方針のごとく今承つたのでございます。その場合もちろん全体の起債計画の中で、一〇〇%見るかどうかということについては、これは別個の問題で、一応八〇%を予定しておる、こういうふうに聞いたわけでありますが、その通りでございますか。
○近藤政府委員 御説の通りでございます。
○辻原委員 聞くところによりますれば、——これは後刻自治庁から私詳細に承りたいと思うのでありますが、すでに第一次の配分が行われておることを聞いております。これは二、三日前でありまするが、その額は四十億となつておりますが、そういたしまると、この四十億に対する配分はどうやつたかという問題が非常に疑問になつて来るのであります。今のようなお話でありますと、七十億というのは昨今追加されたものではなくして、相当前から一応予定されておつたように私は聞いておるわけでありますが、そういうことならば、今の文部省の方針によつて、大体この修正分を除いても、当初の十二億なら十二億という補助額に見合う起債の分についての配分を一応考慮して、その分について各県にそのわくを設定する、こういうことが一つの順序ではなかろうかと思うのでありますが、これが四十億というふうな中途半端な数字でもつて配分されておることは、どうも私には合点が行きかねるわけであります。その点ただいまのお話のように八〇%と押えて、三十五億二千万円というものを見合いの起債としてこれを配分するということになれば、その間配分の方法について何か自治庁との間にギヤツプを見受けるように思うが、その点は一体どうなつておるか、自治庁との話合いは完全について、四十億が配分されたものかどうかその点をお伺いいたしたい。
○近藤政府委員 私先ほど申し上げました三十五億二千万円と申しますのは、この二十二億に対しまして、その三分の二を起債でまかなうとすれば、それを八〇%と見まして三十五億二千万円になる、そういうふうに申し上げたのでございますが、ただいま御説のように、自治庁の方におきましては、自治庁の責任におきまして四十億を配分いたしております。なお残りの分につきましては、これは自治庁の方におきまして、こちらの補助金と見合いまして配分額を考慮する、こういうことになつております。
○辻原委員 そこで今お話の補助金と見合つて配分をするということはどういうことか、私は具体的に聞きたいのであります。と申しますのはここで七十億を今局長のお話のようにして配分するならば、これは後刻補助金が交付された場合には、その補助金の交付額だけを還付させる、その分だけを逆に償還をするような形でこの調整はつくと思うのでありますが、残り三十億をその調整に使うということになれば、これはすでに四十億の配分にあたつて一応それぞれの基礎坪数なり算定の基準をもつて配分いたしておるものでありますから、そうすると残りの三十億についてはこれは調整に使う。平たく考えれば、いわゆる補助金の行つたところには、若干この起債を勘案して、やらないというふうな調整方法も考えられる。いわゆる補助金の多寡によつて残りの起債を配分するというふうなことは、この起債なりあるいは補助金の配分の基礎から考えて、どうも合理性を欠くように思うが、その補助金を交付したことによつて、その調整分としてやるのだというのは、そういう考え方の調整かどうか、この点をお伺いをしておきたい。これはむしろ文部省にお伺いするよりも、私は自治庁にお伺いするのが建前だと思いますが、これは一応打合せをして配分されておるというふうに私は承つておりますので、文部省の方から、どういうふうに打合せをされたかの見解を聞いて、後刻それに相違ないかを私は自治庁にお伺いするつもりであります。
○近藤政府委員 先ほど申し上げましたように、四十億の配分につきましては、自治庁の方で責任をもちまして、すでに実施いたしております。問題は残りの三十億の配分問題であろうかと思いますが、この残りの三十億の配分につきましては、これは補助金の予算の決定ともにらみ合せまして、自治庁においてこれをどう配分するか、それを考慮するということでございまして、ただいままだ予算の額が確定いたしませんので、自治庁の考え方といたしましては、その決定をまつてやるというふうに伺つております。なお詳しいことにつきましては自治庁の方からお願いいたします。
○辻原委員 では自治庁に伺います。ただいま文部省に私は二つの問題をお伺いいたしました。一つは、本年度の文教施設に関する起債の計画の内容はどうなつておるのか、この点については二十五億が補助事業の分で、七十億が老朽の分である、こういうお答えをいただきましたが、それに相違ないかどうか。 それから第二点は、補助事業に対するいわゆる老朽の三分の一の補助に対する見合いの起債は、これを必ず裏づけるという方針のもとにこれを立てておる、こういうふうにお伺いしたのですが、それに相違ないかどうか。まずその二点をお伺いいたしたい。
○細郷説明員 第一の九十五億という起債額に間違いがないかという御質問でありますが、これは当初提出されました政府予算に沿う場合の起債計画としては、一応そういう予定を立てております。 それから第二の方の老朽校舎の補助金の見合いの起債は必ず裏づけをするかという問題でございますが、この点に関しましては、原則的には私どももそういう考えを持つております。ただ実際問題といたしましては、地方団体のそれぞれの財政力に差異がございますので、その財政力によりましては、必ずしもそうならない団体が出て来るかもしれないということはあり得ることだと思つております。
○辻原委員 自治庁のお答えとしては、必ずしも三分の一の補助に対する起債は、裏づけない場合があり得る、こういうことでその配分計画を進めるということでありますが、そりいたしますと、文部省のお持ちになつておる考え方とは多少異なつておる。こういうように私は考えますが、その点打合せをせられておるのかどうか。
○細郷説明員 補助金の見合いとなります地方起債について、御質問の点が、一〇〇%必ずつけるということを御質問になつておるのか、あるいは若干財政力に応じて差異はあるが、起債をつけるかという御質問か、その点がちよつとはつきりしないのでございますが、いずれにいたしましても、私どもの方の作業としては、府県別にそれぞれの管下市町村分のわくを配分するわけでございまして、その際には、そういう財政力の勘案というものは、特殊な場合を除いては、一応捨象して配分いたしまして、具体的に府県が市町村に配分いたしますときに、そういう点を若干考慮してもらうというふうに指導したい、こういうふうに考えております。
○辻原委員 ならば、若干別の面から私はそれをお伺いいたしたいと思うのです。先ほども文部省に聞きましたが、第一次の配分をすでに自治庁としてはやられて各府県に通達をされております。その額は聞くと四十億、こういうことになつておるのでございますが、その四十億の配分はどのような方針で地方にわけられたか、まずこの方針をお伺いしたい。
○細郷説明員 四十億を先に配分いたしましたのは、本年度の予算の成立が遅延いたしましたことが一つ、それに伴いまして季節的に地方によつては工事を急がなければならないというところがある、こういう理由によつて、前もつて先に配分をいたしたわけであります。この配分の考え方といたしましては、将来補助金が来る団体も来ない団体もあるわけでありますが、ともかく本年度に工事をする目途を与えるという意味において、最悪の場合には起債が行くという目途を与える意味で、先に第一次の配分をいたしたのであります。その配分の考え方は、現在文部省がおとりになつております百六十五万坪の危険老朽校舎を基礎にいたしまして、それに児童の増加の状況並びに町村合併状況等を加味いたしまして、県別の配分を定めたのでございます。
○辻原委員 そうすると残額は危険校舎関係で約三十億ありますが、残りの三十億についてはどういう方針で配分されることになるか、それをお伺いしたい。
○細郷説明員 残りの問題につきましても、大体において危険老朽校舎の坪数を基礎にいたしまして、今申し上げたような要素を加味いたしまして、それに対して補助金がどのくらい出るのか、おそらくそのころは文部省でも御決定になつておりますから、その補助金の額をそれぞれ引いた残りについて配分をいたしたいと考えております。こういう考え方をとります基本は、私の方といたしましては、危険老朽校舎の改築という問題が現在の地方財政にとつて非常に大きな問題になつておるというところから、現在文部省がお調べになつております百六十五万坪を五年間で解消したいという考えのもとにそういう考えをとつたのでございまして、百六十五万坪を五年間で解消いたしますためには、毎年約九十五億円の経費がかかるのでございます。それに生徒の年々の増加に必要とする教室増築の経費が約五十五億円かかるのでございます。合せまして百五十億円を五年間続けて行きませんと危険老朽校舎が解消しないという計算になりますので、その百五十億について地方がどのくらいずつあるいは補助金に求め、あるいは起債に求め、あるいは一般財源に求めるかということを計算いたして、それぞれ措置をして行く、こういう考え方に基本が立つておるものですから、そういうような配分の方法をしておるわけであります。
○辻原委員 そうすると四十億は結局とりあえずの配分であつて、残りの三十億についても、その基礎の算定等については同じ方式でもつて配分して行くというふうに受取つていいかどうか、その点をお伺いしておきたい。
○細郷説明員 大体においてはそういう考え方をとりたいと思いますが、なおいろいろその基礎となりました県別の数字等について若干地方の側において意見のあるところもあるようでございます。そういう点につきましては、できるだけ実情に即するような意味での修正を加えるごとにはやぶさかでないのでございます。
○辻原委員 この起債の配分の全体的な構想の外貌が、私にもおよそわかつて来たのでありまするが、結論としてこう考えていいかどうか。それは、七十億の配分については一〇〇%を見るかどうかということは別個な問題として、三分の一の残りの地方負担については、これを裏づけるということを優先的に考慮して、そうしてそれは若干地方の財政能力等も勘案するという條件が入るが、その残余の分については、いわゆる補助金の交付されない一般単独の老朽校舎の分にこれを充当して行く、こういうふうな構想で配分されている。従つてかりに補助が、これはあとから出るということになりまするから、その補助の出た分については、一応その分だけを各県のわくの中から控除して、その分を各県の残りの単独事業等の起債に振り向けて行く、こういろ構想でこの起債計画を進めて行くというふうに考えていいかどうか、その点をお伺いしておきたい。
○細郷説明員 大体はそういうお考えに御了解願つてよろしいのでございますが、ただ私どもは全体といたしましてこういうふうに考えております。現在危険老朽校舎の補助金を文部省が交付になる場合には、おそらく危険の度合いの最もはなはだしいものから順次補助金を交付されるだろうと私ども想像いたしておるのでございます。起債の面におきましても、まず第一段には危険の度合いのはなはだしいものから、そして第二段には、その団体の財政力がそれに応じられるかどうかということを考えて配分することになると思います。従いまして、かりに起債の四十億が先に配分になりましても、あとから来る補助金がおそらくその団体ごとの配分においてはほぼ一致するのではないだろうかという予想がつくのでございます。そういう点から考えまして、今御説明申し上げたようなやり方でやりましても、文部省との間にそう大きな食違いが起るようなことはないだろう、こういうふうに考えます。
○辻原委員 その点について、先ほどこの残り三十億の配分については、文部省の方もまたあなたも言われたのでありますが、補助の配分の状況を勘案して、いわゆる補助と起債を調整する意味においてこれを使うのだという意味合いのことがあつたわけでありますが、そのことの意味は、これを常識的に受取れば、いわゆる補助金の高によつてこの起債を若干勘案する、こういうことになつて来ると思うのですが、優先順位と申しますか、危険度合いの高いものから順次行つて、危険度合いの高いものがかりに某県に非常に固まつている、そうした場合には、補助金の交付率が比較的高くなる。そういつたところには残りの三十億は、いわゆる補助金が相当量危険度合が高いということで行つたのだから、起債の方では若干考慮してもよろしい、こういうことになるのかどうか、その点をお伺いしておきたい。
○細郷説明員 補助金が多いところには起債をよけいに配分するかというお話でございますが、おそらく補助金の多いところは危険校舎の存在坪数も非常に多いのではないかと思われます。そこで私の方としてもやはり危険校舎の坪数の多いところには起債をよけいに配分せざるを得ない、そういう点で補助金交付にあたりまして文部当局とよく御連絡をしてやつて行きたいと考えております。
○辻原委員 結局補助金と起債とは絶えず関連をさして、補助の配分の方法と起債の配分の方法とは常に一体のものを採用して行く。従つて今お話のように危険度合いが高いといわれるようなところには、その地方負担分の起債はできるだけ地方の負担能力の許す限りつけて行く。こういうふうにその計画を進めておる、かように私は了解いたします。 次に全体の起債の計画の問題でありますが、これは当初補助が十二億と予定されておつたときに、大体五十五億ないし七十億という老朽の起債計画がありましたが、今回予算が修正されまして二十二億に増額になつた。そういうことになれば当初の起債の計画と補助との関係から見るならば、当然補助増額分に対する起債のわくを考慮しなければならぬということが、筋道として出て来るわけです。この点については何ら考慮されておられないように私は考えまするが、これは自治庁等においても、この増額分に対する見合いの起債については全然考慮しておらないのか、するとこれは先ほどの文部省の方針にもありましたように、補助と起債は必ず見合つて考えるということ、また自治庁の方でもそういうお考え方に賛意を表されて計画を進められておるように私は考えますが、全額の総額で行くと、これは七十億ありますから、大体七十億の範囲内で、十二億で二十四億あればよろしい、二十二億なら四十四億あればよいということになりますから、その範囲内でまわせますが、しかし建前としては一応補助が十二億として七十億の起債がきめられた。その起債の中には、いわゆる地方負担分に対する三分の二の裏づけ起債と、それにプラスして、そうならないところのいわゆる一般危険校舎の単独事業がその中に相当あつた。そういたしますと、この補助に見合つている分が相当ふくれて来るということになりますと、一般の方のわくに対して圧迫を加える、この点については一体どう考えられるか。当然これらの点を考慮すべきであると思うのでありますが、何ら考慮されておらぬということになれば、これはやはりその後の起債の計画について、若干の文句を言いたいのであります。その点はどう考えられますか。
○細郷説明員 実は今度危険老朽校舎その他の補助金が若干修正、増額になつたのでございますが、それに伴います地方負担が、今概算をいたしますと三十億ほど、従来の計算で行くとあるわけであります。その点をどう起債でカバーするかという問題に関しましては、この補助金に伴つてふえるであろうと言われております起債の額並びにそれの資金によるわけでありますが、今私どもが伺つております範囲では、それによつてふえます起債はどうも政府資金ではなかなかむずかしいようであります。かりに政府資金以外の公募資金ということになると、学校を設置するような市町村、特に町村などが学校をつくる場合の起債を最も必要とするわけでございますが、そういうところがはたしてそういう資金を獲得できるかどうかという、資金獲得上の能力の問題もございますので、その点をいかがすべきかということは今検討をしておるところでございます。ただふえました補助金のうちで、義務負担的な、いわゆる六三制のような補助金に当るものの部分については、従来からその地方負担額の八割程度は必ず起債で確保して参りましたので、その点に関しましては、何らか他の費目との間の調整をはかつてでも措置しなければならないのではないかという考えを、今のところ持つております。
○辻原委員 増額分に対する見合いの起債については、私もそういうことをちよつと聞いているわけでありますが、いわゆる資金運用部によらずしてこれを一般の公募公債でまかなうというような話、これは細郷課長に申し上げてもいたし方ないのでありますが、私はもつてのほかであると思います。少くとも先ほどのお話のような文部省の方針であり、自治庁の方針であるとするならば、これはただいまの配分にあたつても地方の財政能力を勘案して配分するということになつている。そうすると公募公債等によつては現在の市町村においてはむずかしい。こういう校舎施設において消化し切れるなどとは全然考えられない。そうした場合にそういうものをもつてこれを裏づけるということは、補助をもらつた残りの部分は勢いこれが消化し切れないから、地方はそれを自己資金でやらなければならない。こういうことになつて来ると、私はそういう公募公債というような形でこれを裏づけて行くことについてはどうしても納得ができない。その点で自治庁の方においても、ともかく現在の運用部なり国の責任において、いわゆる起債を裏づけて行く方針を堅持して進めていただきたいというふうにこの問題については私は考えます。 それといまひとつ、これは後刻問題になつて来ると思いますが、そういうふうに公募公債を転用して行こうという考え方は、いわゆる運用部の原資がないことがもちろん理由であると思います。その点は大蔵省にたださなければならぬと思うのですが、ないとするならば、これは他にそういうことを転用することもあり得ない。この危険校舎の増額分に対する起債の裏づけにそういう公募公債といつたようなものを転用するといつた考え方をかりに採用して行くとするならば、他の問題で起債の必要が生じて来た場合にも、これを資金運用部においてそれに与えて行くということは不可能であるということを裏書きしていると思いますが、あなた方もそういうふうに受取つておられるか、そういう余地がないというように考えられているか、その点をお伺いしておきたい。
○細郷説明員 これは私の方からお答えすべきことかどうかわかりませんが、将来いわゆる資金運用部の資金の原資の大宗を占めております郵便貯金、あるいは簡易保険、そういうようなものの増強が相当程度達せられますならば、あるいはまた運用の余力が出るのかと思いますが、現在私どもが伺つている範囲では、相当資金運用部の資金状況もきゆうくつなようでありまして、ただいまのところはこの二十五億についても充てることはなかなかむずかしいように伺つているのであります。
○辻原委員 時間もありませんので、こまかい点についてはおただしするわけに参らないと思いますが、これははつきり明確にしておきたいと思います。先ほど御説明の中でありましたように、この起債の計画を進めるにあたつては現在の老朽の対象坪数が、義務教育の施設については百六十五万坪を自治庁が採用されているということは、今お伺いをいたしてはつきりしたのでありますが、大蔵省との見解においてその点は相違がないかどうか。これはあなたの折衝の過程において大尉省も百六十五万坪の基礎坪数をもつてこういうような配分計画に賛意を表されているのかどうか、その点をお伺いしておきます。
○細郷説明員 今回四十億の起債の配分に関します限りでは、一応それで話をいたしました。
○辻原委員 四十億の配分というのは暫定的配分であつて、いわゆる七十億全体を通じての起債の配分について、その対象とする坪数に異なつた考え方を持つことはいささかおかしい、ということは、一応はつきりとしたものは四十億の第一次配分であるけれども、おそらく残りの三十億の配分についてもそのことの考え方は踏襲できるであろうというように私は受取るのですが、そういうふうに了解していいかどうか。
○細郷説明員 百六十五万坪あります危険老朽校舎を五年くらいでこれを解消するように処置をとりたいということについて大体の了解を得ている、こういうことであります。
○辻原委員 大体大蔵省においてもこの危険坪数の対象を百六十五万坪、こういうふうに考えておるという点はわかりました。第一次配分の算出の方式を先ほど承りましたが、この配分の方法の基礎は、人口増加あるいは防火地域、非防火の関係、その他寒冷積雪の度合いといつたようなものを加味されて、それを基礎にして配分せられているというふうに聞いておりますが、それを補正して配分されたその各府県に対する配分計画、各府県の基礎的な数字、そういうものをお持ちになつていると思うのでありますが、それをひとつお聞かせ願いたい。私は詳細にわたつて検討をいたしたいと思いますので、資料に基いてお聞かせ願いたいと思いまするが、資料をお出し願えまずか。
○細郷説明員 今お尋ねの点は、どういう程度の資料かはつきりいたしませんでしたが、ともかく考え方といたしまして、百六十五万坪を基礎にいたしまして、今申し上げたような諸要素を加えた経過については、御説明してもよろしゆうございます。
○辻原委員 では具体的にお伺いいたしますが、まず基礎の坪数の出し方をどうされたか、それから補正の要素はどういうふうにされたが、そうして最終的に出て来た数値をどういうふうにして確定せられたか、この点をお伺いいたしたいと思います。まず一応の御説明を承りまして、この点各県の数値があるはずでありますから、それを各県の第一次の内示額とともに表によつてお示しを願いたい。これは次回でもけつこうであります。ただいまは基礎坪数の出し方と補正の要素を今一度承つておきたいと思います。
○細郷説明員 百六十五万坪という危険老朽校舎の坪数の御報告を受けたのでございますが、各県別にこれを拝見いたしますと、若干差がございます。その点についていろいろ文部当局とも御相談をいたしたのでありますが、大体現在の校舎の保有坪数というものとの比率においてこれを若干修正をいたしまして、それを基礎に使つて、児童の増加につきましては、過去三箇年の児童増の平均をとる。 〔委員長退席、坂田(道)委員長代理着席〕 それから町村合併の要素につきましては、町村合併によつて減少いたしました人口のうちから生徒数を推定いたしまして、それの三分の一程度の生徒は校舎に変動があるものと考えまして、それを加える。こういうような計算でいたしたのでございます。 なお先ほど百六十五万坪について大蔵省と完全了解に達したかという御質問がございましたが、こまかい話になりますが、私ども起債を配分いたしますときには、大蔵省は理財局の系統においてこの折衝をいたしておりますので、この限りにおいては了解をつけた、こういう意味であります。念のために申し上げておきます。 補正の要素につきましては、地域別な補正の単価並びに補正の坪数について文部省がおきめになつております率をそのまま使用してございます。
○辻原委員 その具体的な配分計画につきましては、後刻資料に基いて私は質問をすることにいたしますが、次回の委員会までに、はなはだ恐縮ですが、先ほど申しました各府県別の内示額とその数値、これは補正の計数と、それから補正後の数値、これをひとつ表にしたものをお出し願いたいと思います。 時間もございませんので、私の本日の質問はこれだけに打切つておきます。
○松平委員 ただいまの御説明にちよつと関連して御質問申し上げます。起債の方針について、先ほど辻原委員の質問に対するお答えの中で、この起債のプライオリテイというか優先順位は、大体老朽校舎に優先をして、その残りの分については、先ほどのお話によると、町村の合併というようなものも勘案して……というようなお話がちよつとあつたのですが、その残余の分について、どういうような御方針をもつて許可をされておるか、この起債のプライオリテイを御説明願いたいと思います。
○細郷説明員 起債を配分いたします場合には、従来は、国の補助金の出ます公共事業の起債と、補助金の出ません単独事業の起債と、災害復旧の起債と、こう三種類に大体わけて配分いたしておつたのであります。義務教育施設の老朽の問題が、現在の地方財政上非常に大きな部分を占めているにかんがみまして、本年度から特にその三つに並べまして、義務教育施設のための起債のわくを一つ別に設けたのでございます。それによつてもそれに対する優先的取扱いということは御了解願えると思います。
○松平委員 町村合併等に関する自治庁側のお考えを前提として、組合立中学等の問題が非常に多いのですが、こういうものに対しては、起債等の面でこれを勧奨して行くというために、特に優先的に起債の道をつけるというお考えでございましようか。その点をお伺いいたします。
○細郷説明員 町村合併については、学校の施設に限らず、起債全般につきまして、優先的な措置をとるということを本年度の方針としてきめております。それに基きまして、学校に関しましても、今申し上げたような要素を加えて算定いたしたわけでございます。
○松平委員 その場合に、町村合併を前提として、町村合併に至らない前における組合立中学についても、やはりこれを勧奨して行く建前で優先権を持たせるというようなお考えと承知してさしつかえございませんか。
○細郷説明員 町村合併が実現した後においてのみ起債としては優先承認するという考え方をとつております。従いまして、先ほど申し上げた合併町村による人口の変動の資料は、昨年度中におけるその資料を使つてございます。
○松平委員 それではこの合併に至らない前の組合立の学校起債については、何ら考慮を払わない、こういうふうに了解していいわけですか。
○細郷説明員 それは普通の町村におけると同じような取扱いをしておる。こういうことでございます。
○坂田(道)委員長代理 相川委員。
○相川委員 危険校舎改築の問題で、要するに十五年以上と五十年以下の間のもので、危険校舎には入らないが、たとえば蟻害で非常に困つておる、ほんとうに倒れそうになつておるところがあるのでございます。これはちようど二十年、三十年といつたところで、非常に困つておるのですが、そういうものは何とか考えられないものでございましようか。
○近藤政府委員 お答えいたします。当初十二億の予算を決定いたしましたときは、お説のように五十年以上の老朽校舎、十五年以下の弱朽校舎について国が補助するということに一応決定されたのでございましたが、その後それでは非常に困る、また予算の配分の際におきまましても、そういうことでありますると四十九年のものがこれにひつかからないということになるので、非常に困難を来す面もございます。しかし半面から申しまして一応その線で切つた方が予算の配分上都合がいいという面もあるわけでございます。これはいろいろございますが、しかし現実の問題といたしまして、とにかく老朽校舎は百六十五万坪あるわけでございますので、われわれといたしましてはできるだけたくさんの坪数を、できるだけ短い期間に改築するということが念願でございますので、御指摘のような御意見もありまして、ただいまのところは、これを一応の基準とはいたしますけれども、必ずしもこれにとらわれないで、できるだけ範囲を拡張して考慮いたしたい、かように考えております。
○相川委員 根本の方針は大体わかつたのですが、ぜひひとつこれは御考慮いただきたい、二十年、三十年でも、白ありの害で実際あぶないところがあるのでありますから、あまりこれにとらわれないで、実地を御見聞の上に、あぶないものは、やはり認めてやるよう御配慮を願いたいと思います。西南地方は非常に湿気が多くて暖かですから、この間建てた校舎が白ありの被害であぶなくなつておる。府県市町村の財政でも困つておるところがあるのです。とにかく特別にお考えを願いたいと思います。
○近藤政府委員 白ありの害によりまして、老朽が一層促進されたという場合につきましては、もちろんこれは老朽校舎といたしまして、私どもは考慮の対象にいたしたい、かように考えております。
○相川委員 老朽まで行かない、弱朽なんでございますが、五十年以下で、三十年、二十年経つておりますから、弱朽のうちであぶないものです。心ずしも老朽に入らないかもしれませんが、これはひとつ特別に御研究を願いたいと思います。御説明では必ずしもこれにこだわらない、大体の準則ということでございますから、そういうおつもりでやつていただければけつこうでございます。
○近藤政府委員 蟻害の点につきましては、宮崎、大分、鹿児島という方面に相当ございますので、これは従来から問題になつておりまして、非常にはなはだしい被害が起りました場合には、これを普通の災害補助として扱うということもあるいは考慮の余地があるんじやないかというふうにも検討を進めて参つておりますが、ただいま御指摘の事案につきまして一応報告を受けました点におきましては、これはひどい害でございますけれども、まだ老朽校舎の範疇に入らないわけでありますので、一応のところ私どもはこれを除いておりますが、ただそれが老朽校舎になつております場合には、老朽校舎として扱うことになつておりますけれども、老朽の範疇にまだ入らない。単に蟻害だけであるという面につきましては、これは災害にも入り切れませんし、さればといつて老朽にも入り切れませんということで、中間に浮いてしまうわけでございますが、その点につきまして将来これを老朽ではないけれども、非常に危険である。危険校舎であるということに考えまして何とかこれを救いたいというふうな気持でございます。
○坂田(道)委員長代理 野原覺君。
○野原委員 危険校舎改築促進臨時措置法案、公立学校施設費国庫負担法案の二法案について御質問申し上げます。 まず危険校舎でございますが、この危険校舎の法案を見てみますと、危険校舎とは「建物の構造上危険な状態にあるもの」このように定義つけられておるのでございますが、私どもあちらこちらからデータを取寄せてみますと、危険校舎心該当する坪数が実にまちまちでございます。たとえば教組の調査したものは何百坪余り、文部省はどれだけというぐあいにはつきりつかめていないのでございます。一体正確にいつて危険校舎と称せられるところの建物の坪教はどれだけあるのでございますか、お聞かせ願いたいと思います。
○近藤政府委員 百六十五万坪とわれわれが申しておりますのは、これはもつぱら義務制だけでございます。小、中学校の校舎につきまして申し上げておるのでございまして、そのほかにも高等学校等のいわゆる非義務制学校の分が約十八万坪ございますので、これらを合せますると、危険校舎の総面積は約百八十三万坪というのがその総数でございます。ただいまこの法律で取上げておりまする対象坪教は、義務制を一応目標といたしまして、百六十五万坪と先刻申し上げておる次第でございます。
○野原委員 公立学校緊急施設整備期成同盟会というのが民間の危険校舎を改正する推進機関としてあるのでございますが、これのデータを私ども調べてみますと、実は百六十五万坪という坪数は、これは文部省に報告されたものであることは間違いないけれども、建築基準法によるところの使用禁止、それから使用制限の行政処分を受けているものでない程度の危険校舎だ、このように言われております。すなわち建築基準法によつて使用することはできない、それから使用制限の行政処分を受けておる坪数は、百六十五万坪以外に四十八万坪あると言われておるのでございますが、事実でございますか。
○近藤政府委員 御指摘のように四十八万坪と申しますのは、これは建築基準法第十條に基きまして、県の建築担当官の方から、危険校舎である、これは使用を禁止すべきである、あるいはまた使用を制限すべきであるという認定のありましたものが、全国で四十八万坪あるというわけでございます。これは一番危険度のはなはだしいものでございますので、とりあえずこの四十八万坪を改築するということは当然なことと考えるわけでござまいす。一応私どもが百六十五万坪と申し上げました数字は、最も危険なる四十八万坪を含めての数字でございます。さよう御承知を願います。
○野原委員 そういたしますと四十八万坪という数字は間違いない、そのほかに百六十五万坪の危険校舎があるのではないのですね。百六十五万坪の中に四十八万坪が入つておる、こういうお考えでございますか。
○近藤政府委員 その通りでござまいす。
○野原委員 この点はどのようにして御調査をされたのか、私どもに陳情なりあるいはその他訴えて来られる方の意見を聞きますと、百六十五万坪は四十八万坪のほかにあるということを主張しておるのでございますが、これは私もなお調査を続けたいと思いますが、間違いございませんか。ただいまの文部省の見解は重大でござまいすからね。
○近藤政府委員 私ども先ほど申し上げました数字は、二十七年五月一日現在の府県の調査に基きまして、それを基礎にいたしました本年度の数字でございますので、先ほど来申し上げました通り、百六十五万坪のうちに、四十八万坪が含まれておるわけでございます。
○野原委員 しかしながらこの点は、ここにあるパンフレットを見ますと、はつきり合計二百十三万坪という指摘がなされております。従つてなお文部省において御調査を願いたい。私もこれは一ぺん検討してみますから、もし間違いがあるならば、こういう重大な間違いをされては困りますから、ひとつすみやかに御調査されんことを要望いたしておきます。 そこで次に御質問申し上げますが、四十八万坪の使用禁止、それから使用制限を受けておるところの建物が、今日使用されておる事実があるのではないか、この点についてはどのようにお考えでござまいすか。
○近藤政府委員 県の建築当局から使用禁止または使用制限を受けております校舎につきましても、御指摘のようにやむなくこれを使用しておるものもあるやに聞いております。これはまことに危険な話でございますので、さようなことはぜひなくしたいと考えておりますが、現実に建てるべき校舎も建てられないままに、やむなく使用しておるという向きがあるやに伺つております。
○野原委員 建築基準法によつて使出まかりならぬ、これはいつ何どき倒れるかもわからない、このような指定を受けておるものが、やむなく使用されておる。そのために生ずるところの被害、子供の生命というようなものはきわめてあぶない状態に置かれるわけでございますが、そういう場合の責任はどなたにあるのでございましようか。
○近藤政府委員 さような危険な校舎をやむなく使つておるということは、まことに遺憾なことでございます。しかしながら学校の当局者といたしましては、あるいは危険な場合と認められる場合には、これを避難させるとか、その他適当な措置を講ずるようにはなつておるかと思いますが、万一地震等がございまして、重大な事故が起つた場合には、これはまことにわれわれといたしまして申訳ないことでござまいすので、さような事態が起りませんうちに、早く危険校舎を改築いたしたい、かように考えておる次第でござまいす。
○野原委員 私の質問は、そういう被害が起つた場合は、責任は一体どこにあるのか、文部省はその責任があるのかないのか、そういう場合の、つまり建築基準法によつて使用禁止及び制限を受ける場合に、これを使うということは、実際あぶない話であり、学校の教師としては、そういう危険な状態で子供を守つておらなければならないということで非常に騒いでおる。現実に予算の要求ということも、そういうところからも熾烈になされておるのですが、そういう場合の責任はどなたにあると文部省はお考えでございますか。それを聞いておるのです。
○近藤政府委員 危険校舎に万一の事故があつて、不測の被害が起つた場合の責任の問題でございますが、これはやはり学校の設置者に第一次的な責任があると考えます。義務制学校の設置義務者は市町村でござまいすので、市町村が危険なものを増改築するという建前になつているのでございます。但し市町村の財政がただいま非常に貧困でございますので、これに対しては国が起債とかあるいは補助金によつて援助するという関係になつております。しかしながらさような場合が万一起りますことにつきましては、市町村の責任ではござまいすが、文部省といたしましてもまことに残念に思う次第でございます。
○野原委員 設置者にあるということでございますが、そういう点から市町村長は建物の改築、増築ということについては非常に神経をとがらして、県なりあるいは文部省に対して盛んに陳情しておることは御承知の通りでございます。ところがこれに対するところの予算というものがきわめて僅少であるために、そういうあぶない校舎が今日もなお使われておる、こういうのが実情であろうと思うのでございますが、文部省はそういう四十八万坪の最も危険な校舎、使つてはいけない校舎の解消をいつまでにはかろうというお考えでございましようか、お尋ねいたします。
○大達国務大臣 事務的な問題にわたりますけれども、私が大臣に就任しましてから、事務当局から報告を受けております範囲で承知しておりますことを一応申し上げておきます。 二十八年度の予算に政府案として計上してあるのが十二億円、これは大体三分の一の補助として、木造建それからコンクリート建築合せて十二万坪の改築に相当する、こういうことであります。それでただいまお話のありました四十八万坪が、さしあたりの早く復旧しなければならぬ対象でありますので、建築基準法によつて使用の禁止もしくは制限を受けておるものは、お話の通り一日も放置することのできない問題であります。そこでこれを解消したいということで、大蔵省と折衝いたしました結果、約十二億円という金を出してもらうごとになつた。これが四箇年計画で四十八万坪を対象として一応計上を予期することができたものであります。ただ問題は、お話の通り今もやむを得ずそれを使用しておるという事実があるようであります。これはまことに不合理な話でありますけれども、どうも子供を教える場所がない、それを復旧しようにも、改築しようにも金がない、こういう実情でやむを得ずやつておるのでありまして、その場合の責任者というものは、法律の建前から申しますと、設置者にあるかもしくは学校の管理者にあるということになると思うのでありますが、学校の管理者といたしましても、場所がなければ子供を教えようがないのであります。設置者の方でも、それを提供する市町村としては義務があるわけでありますが、しかしこれも実際の経済的な事由でこれができない。国としてもそういうことのないように文部大臣としては指導もして行かなければならぬのでありますが、要するに、これも金に制約されて、ないものを使つちやいけない、こういうので指導も実はできかねておるのでありまして、市町村長側におきましても、文部省側におきましても、協力して一日も早くこれを解消して行かなければならぬ、かように考えております。 それからなお私の承知する範囲では、建築基準法によつて当然使用の禁止もしくは制限をしなければならぬような危険な程度に達しておるものでも、今のような関係で、使用禁止、制限したところで、これを使わざるを得ない実情にあるものがある。そこで県によつてその方をしばらく待つてもらつて、りくつづくめの分を待つてもらつて、事実は当然に建築基準法によつて禁止もしくは制限を受けなければならぬ状態であろのにもかかわらず、ことさらにその認定を猶予してもらつて、そしてそれを使つておる実情において、認定を受けているものと同じ状態にあるものがなお相当ある。しかし形式的にそういう認定を受けておるのでありますから、まず四十八万坪を第一次の目標として十二億円というものを出す、しかしそれでむちろんいいというわけじやないのでありまして、私が事務当局から報告を受けております範囲では、百六十五万坪というものの中には四十八万坪というものが第一次的に入つておる。入つておりまして、この百六十五万坪というものも、各府県を実際に精密に調べて出た数字とはおそらく思われませんが、とにかくそういう数字が一応出ておるので、この四十八万坪を手始めとして、そしてこの百六十五万坪、——この中には四十八万坪に相当する同じような状態にあるものもありますので、とにかく早く予算をもらつて、予算化してこれを解消したい、こういう考え方であります。
○野原委員 大臣は率直に申されたのでございますが、私も大臣と同じように、実は四十八万坪の危険校舎に該当しないその他のもので、百六十五万坪の中にこの四十八万坪と同じ程度の危険校舎が相当あるのではないかという疑いを持つておるのであります。しかもこれがさようであるのにかかわらず、実は危険校舎としてこれを指定しないのは、改築費の財源の見通しが府県あるいは市町村の当局に立たない。しかも改築中児童生徒を、一時的にもせよ収容するところの建物についての自信がない。こういうことからうつかり危険校舎として指定されるならば、とんでもないことになるからという、そういう責任回避から実は危険校舎になつていない、こういうところが相当あるのではないか。そうなりますると、危険校学の坪数は四十八万坪ではなくて、実は莫大な坪数になるということを私どもは考えなければならぬと思うのです。大臣が申されましたように、この十二億円の予算は、実は四十八万坪四箇年計画ということになるようでございますけれども、先ほど申し上げましたような考え方に立ちますと、とてもとてもこれでは解消できないのであります。従つてこの点についての予算は、今回の予算の修正である程度の解消はできたかもしれませんが、なおひとつ文部大臣はほんとうに子供の命を守る点、子供の仕合せを守る点、こういう立場から閣議の中で徹底的に闘つていただきたい。この点私が何回も申し上げますように、私どもは野党でありますけれども、文教予算に関しては超党派的に文部委員会は大臣を中核として獲得する努力をしなければならぬ、このように考えておりまするので、文部省は弱い省だとか、大臣は伴食大臣だとか昔はいわれておりましたが、少くともこのような教育予算の優先確保という点については、ほんとうに力を入れていただきたいということを御要望申し上げるわけであります。 そこで次に御質問いたしたいことは、なおこの危険校舎の坪数で、今日本造校舎は一体どのくらいあるのか、文部省は御調査済みでございますか、鉄筋は危険校舎になる可能性が少いのでありますが、全国にどのくらい木造校舎があるのでありましようか。
○近藤政府委員 ただいま義務制学校につきましては、全国ほとんど木造でございます。鉄筋はごくわずかであります。
○野原委員 この点は私も的確な数字の持合せがございませんので、何とも申し上げかねますが、かりに全国で千七百万坪の木造校舎があると仮定いたしまするならば、その使用年数を五十年とおいた場合には、毎年三十五万坪の危険校舎が出るという、この考え方は間違いございませんか。
○近藤政府委員 大体御説の通りであります。
○野原委員 そうなりますと、実にこれは容易でなくなるのであります。毎年三十五万坪の老朽危険校舎が出て来るということになると、一体この改築をどうやるかということが問題になるわけなのであります。こういうところから先日の文部委員会でわが党の辻原委員が、今後この義務制学校の校舎はこれを鉄筋にする意思ありやなしやということを御質問申し上げたのでございますが、文部大臣の御見解をなお重ねて承りたいと思います。
○大達国務大臣 お話の通り四十八万坪をさしあたり回復するだけにも四箇年計画、こういういわば気の長い話であります。年々生徒数は増加するし、また今老朽といわぬものも、その間にはどんどん腐朽度が加わつて行くのでありますから、少しばかりの予算でこれをやつて行くということではい追つかぬという実情であろうと思うのであります。この点は結局予算の問題でありますから、ただいま御指摘のありました通り、今後できるだけの努力をして、財源の関係からやつて行く、こういうことになろうと思います。 それからコンクリートの問題でありますが、だんだんコンクリートにして行くということは今後の問題として、非常にけつこうなことであるし、また今回の北九州の災害にあたりましても、コンクリート建設は災害にほとんど侵されておらぬというようなことを聞いております。これは基礎が非常にかたいというような関係であります。でありますからコンクリートにだんだんやつて行くということは、これはもちろん非常に望ましいことでありますが、これも予算の関係、それの改築費の見通しの問題であります。今日の窮乏した地方の財政の実情におきましては、これを一挙にその方針でやつて行く。今後はコンクリートにするというようなことは言うてみたところで行い得ない実情であることはよく御承知であろうと思います。文部省といたしましては、地方の財政状況もありますし、また地方自身がその点について自覚してコンクリート建をしたいというところもぼつぼつあるようでありますし、漸次そういうふうに持つて参りたい、かように存じております。
○野原委員 先ほど申し上げましたようなりくつで、実は三十五万坪の危険校舎が毎年々々出て来るのであります。そうなりますと、一万坪の建築の値段をかりに一億円といたしましても、三十五億の危険校舎改築の予算を計上しなければならない。こういうことになつて来て、これはたいへんなことでございますが、それでもなお今日の危険校舎の百六十五万坪は一向に減らない、十二万坪や二十万坪ぐらいの改築費では毎年百六十五万が百八十万になり、二百万になり三百万になる、こういうようにふえて参つて、しかも建物の使用禁止あるいは使用制限というようになつて重大な事態が生じますので、私はここで重ねてまた御要望申し上げますが、すみやかに危険校舎を解消するところの合理的な年次計画を立てていただきたい。そしてこの合理的な年次計画というものはすみやかに文部委員会に御提示を願いたい。このことを要望申し上げておきます。 そこで次に御質問いたしたいことは、公立学校施設費国庫負担法の第三條の第二項についてでございます。この第三條の第二項を見てみますと、第一項に一号から三号までうたつてございますが、「前項各号の施設の範囲は、政令で定める。」とあるのであります。そこで私はお尋ねをいたしますが、負担の対象となる施設というのは何をいうのか。国が二分の一あるいは三分の一というものを負担することになつておりますが、この負担の対象となる施設の範囲に政令で定めるとありまして、政令が出されてみないと何を対象にしたのかわからないのでございます。今日文部省は負担の対象とすべき政令で定める範囲のものは何と考えていらつしやるのかお尋ねいたします。
○近藤政府委員 この三條二項で考えております施設の範囲は、まず原則といたしまして、建物であることには間違いないわけでござまいす。それからことに災害復旧の場合におきましてはぜひとも校地を対象といたしまして政令案をつくりたいと考えております。なおこのほかにわれわれといたしましては学校の設備あるいは学校の囲障と申しますか、かきねでございますが、それをかりに工作物といたしますれば、その工作物をも災害の場合の対象にいたしたい。従いましてここで申します施設の範囲の中には災害の場合におきましては建物、土地、工作物及び設備、そういつたものをこの範囲に考えております。 なおこの第三條の第二号と三号につきましては、原則といたしまして建物たけを対象にいたしております。
○野原委員 そういたしますと、施設の範囲になる対象というのは建物、それから敷地、設備、工作物、こういうようなものを考えておるということですね。
○近藤政府委員 私申し上げましたのは、この政令で定める範囲の内容につきましてお答えを申し上げたのでございますが、目下予算の上では、先ほど申し上げました校地などは災害の場合の補助対象になつておりませんので、当然この政令の内容をなすとは申されませんが、ただ将来政令案をつくるときの考慮といたしましては、災害の面にはぜひ校地を加えたい、かような意味で申し上げたのでございます。
○野原委員 私はそういう点があろうかと思つて実は質問したのであります。私は第三條の二項の政令で定めるということは実は反対であります。これはいずれ私どもなお修正箇所を指摘して討論のときに申し上げますが、こういうかんじんかなめのことを政令へ持つて行きますがゆえに、常に大蔵省あたりから予算を減らされてとんでもない政令を出して、せつかく公立学校施設費国庫負担法案を文部委員会が慎重に審議して通しても、そのかんじんかなめのところは骨抜きにされるということが、従来の文部行政のやり方でございました。私はそのことを二、三指摘してもよろしゆうございますが、そういうことでございますので、ただいま局長が申されました建物、設備、工作物、敷地、こういうことをあなた方は理想として考えられても、しまいには建物だけになつてしまう。その建物も完全な復旧ではなくして、八割程度のものに持て行かれてしまうようなことになりますので、この政令というのを法律でもつて規定すべきではないかと私は考えるのでござまいすが、大臣の御所見を承りたいと思います。
○大達国務大臣 法律でこの点を明確にきめておくということも一つのやり方であります。またこの原案におきましては、政令でその範囲をきめるということになつておるのでありますが、たとえば校地につきましても、最近の西日本の大水害によりまして非常に校地がこわれてしまつた。とても何らかの救済方法がなければ単独にはこの復旧ができない。ことに今回の水害にあたつては、非常にやかましく今言つておるところであります。さようなわけで、この政令の内容になりますことは、そのときどきと言つては語弊がありますが、やはり実情に即して動くことが多いと考えまして、それで政令に譲る、こういうことにしたのでありまして、御意見の点は私はもつともなことであると思います。
○野原委員 正直な御答弁でありますが、あまりに動かされますと、かんじんのこの法律案のねらいがはずされてしまうというところから、私は簡単に所見を述べたのでございます、なおこのことはいずれ今後の機会に譲りたいと思います。 そこで政令が出ましたので、同じ法案の第五條の第二項に、これまた政令で定めるという項目があります。この点について、「児童及び生徒一人当りりの坪数及び一坪当りの建築単価を基準として」この政令で定めて「算定する」、このようにうたつてございまするが、この政令で文部省が定める場合に、これは政令が出てみないとわかりませんけれども、ただいまあなた方の頭の中で考えていらつしやる児童及び生徒一人当りの坪数はどれだけでござまいすか心尋ねいたします。小学校は幾ら、中学校は幾ら、盲聾学校は幾らということをお考えでございますか、お尋ねいたします。
○近藤政府委員 この第五條第二項の「義務教育年限の延長に伴う公立学校の施設の建設に要する経費」と申しますのは、通常六・三制の校舎の経費という意味でございまして、これは御承知と思いますが、予算上今日まで一人当り〇・七坪という基準で参つております。こ十八年度、二十九年度で大体この不足坪数が予算上充足される建前になつておりますので、ただいま一応私どもの考えております児童一人当りの坪数と申しますと、先ほど申し上げました〇・七坪というふうに目下のところは考えております。
○野原委員 これは私とんでもないお答えを承つたと思つて驚いております。〇・七坪というのは一人最低の応急基準を示したものであつて、教室と廊下と便所だけの坪数でございましよう。ところが第五條の二項は私はそのようなものであつてはならないと考えるのです。少くとも特別教室あるいは小使室とか宿直室とかいつたような管理室、こういうようなものもひつくるめたところのものがこの政令では規定されなければならないと私は考えるのでございますが、私の考えは間違いでござまいすか。第五條の立法精神から言つて。
○近藤政府委員 ただ、ただいま予算上計上されております補助金が一人当り〇・七坪を基準といたしておりますので、暫定的には〇・七坪ということを申し上げたのでございますが、御指摘のように〇・七坪は教室と廊下と便所というだけの坪数にすぎないので、さらに管理室あるいは特別教室というものをあわせて考えますれば、御指摘の通り一人当り一・二六坪というものが必要であるわけでございます。その点につきましては私ども重々承知しております。しかしながらただいまのところは〇・七坪でござまいすのでこのように申し上げたのでございますが、しかし〇・七坪が完了いたしましたあかつきには、さらににその次といたしまして一・二六坪をぜひ助成いたしまして校舎の充実をはかりたい、かように考えております。従いましてただいまの政令の基準としては暫定的には〇・七坪と考えておりますが、理想といたしましては御指摘のように一・二六坪ということも十分承知しております。
○野原委員 そうなりますと一・二六坪というのは小、中学校、盲聾唖学校の平均ですか。それとも盲聾唖学校の義務制においてはもつと坪数がたくさんいるのではないか。これは寄宿舎設備が必要になつて参りますから、そういう坪数はどれだけお考えでございますか。
○近藤政府委員 ただいま中学校分が〇・七坪と申し上げましたが、盲唖学校及び聾唖学校につきましては校舎は二・五五坪、寄宿舎については三・二〇坪、これが現状でございます。予算上この坪数は認められております。暫定的に政令で規定いたしますとすれば、ただいま申し上げた基準坪数を害くわけでございますが、しかしながら将来のことを考えますれば、これを中学校については一・二六坪、それから盲唖学校、聾唖学校につきましては校舎二・八八坪、寄宿舎五坪ということでなければならぬかと考えております。
○野原委員 これで私の質問を終りますが、私は終るにあたつて、何回も申し上げましたように、このかんじんかなめのところが至るところ政令ということで、融通自在のものが政令によつて規定されるごとになつております。これでは私ども積極的に予算の獲得に熱意をもつて委員会が当るという場合に、その意思がくじけて来るのであります。ただいまの政府委員の御答弁をお聞きいたしましても、〇・七坪しか考えていない。こういうようなことでは積極的な公立学校の施設費の国庫負担について私ども闘かつて行くところの熱意を大いにそがれますので、この政令をここではつきり文部省の理想的なものを打出すところの法律の文言に改める意思ありやいなや。この点は御質問いたしません。再度大臣に御検討をお願いいたしまして質問を終ります。 —————————————
○坂田(道)委員長代理 本法案に対する質疑は次会になお続行願うこととし、これより文部行政に関する質疑を前会に引続きいたすことにいたします。高津正道君。
○高津委員 大臣にお尋ねいたします。大臣の信念や理想は、文部委員各位の質問に答えられるたびごとにようやく全貌をうかがい知ることができたのであります。そしてその信念や思想は、いわゆる逆コースの風潮の最高峰を示すことにおもむいているものでありますが、戦後ようやくそのされかけた教育の民主化あるいは学問の自由、教育の地方分権、これらのよきものを次から次に、まるで何から何まで逆コース的にもどそうということに力を集中しておられるとお見受けするのでありますが、大臣は教育基本法を改正する意向を持つておられるかどうか。この点をまずお伺いします。
○大達国務大臣 教育基本法と教育に関する基本的な制度でありますので、これは容易に簡単に改正するという筋合のものではないと思つております。私は教育基本法にうたわれているその制度の精神を今後ますますわが国の教育の上にその実現をはかつて参りたいというふうに考えておりまして、この制度を改正するという考え方はただいまのところはいたしておりません。
○高津委員 教育基本法は容易にかえるべきものではない、その精神をますます生かして行こう、こういう御答弁でありますが、六月十九日の衆議院の本会議において、田中久雄君の質問に対して、総理大臣はこのように答弁をしているのであります。占領軍撤去後の今日において、「この文教政策については、政府としては深甚なる注意を払つて、お話のような教育基本法その他については、十分検討を加えて、改正いたさんという考えを持つております。」という答弁を総理がしているのであります。大臣の今の答弁は、本会議における総理大臣の答弁と食い違つているのであります。これは重大問題であると思う。総理大臣は検討してこれを改正いたさんという考えを持つている。文部大臣はこれは容易に改正すべきものでない、改正は考えていないと言うのでありますから、政府は統一を欠いているのであつて、どつちをわれわれは信じていいのか。どつちがこの内閣の方針なのか。明らかに食い違つている。文部大臣はこれに対して明快な御答弁を願いたい。
○大達国務大臣 総理大臣の答弁はただいま申されました通りきわめて簡単であります。総理大臣は検討を加えて改正したいというような意味を簡単に述べられたのでありまして、検討するということはまだ結論に達しておらぬということ、検討の上改正の必要があれば改正をする、かように言われたものと私は了解しております。
○高津委員 これはわれわれ活字をたくさん読んでいる者から、またたくさんの演説などを聞いている者から見れば、検討を加えて改正いたさんとする、こういうことを明らかに言つているのであつて、改正するかしないかわからぬという意味じやないのです。これは明らかに改正する意思表示を総理はしたものであります。あなたはさつき明らかに教育基本法の改正の意思はない、こう言われたのであつて、総理とあなたの見解は食い違つておる。閣内は不統一であります。
○大達国務大臣 総理の答弁の速記をお読みになつてどういうふうに御解釈になつたかは高津さんの御自由でありますが、私はすべて制度というものは、行政の衝に当る者としては、現在の制度でいいのか悪いのか、毎日進んで行き、毎日かわりつつある社会の情勢と対応して、これがいいか悪いか、これは常に検討を怠るべきものではないと思つております。総理大臣は検討をして改正すべきものがあれば改正する、決して改正はしないということを言つておられるのではないのだ、改正すべき必要があれば改正する、こういう一般のことを仰せられたのだろうと思うのであります。私が申し上げたのもやはり同じ意味でありまして、ただいまのところでは改正するつもりはない、しかしそれは今後世の中がかわるに従いまして、制度というものがそのままでいいのか、これは常に検討を続けておるのであります。検討した上でそういう必要が起れば改正する、これは裏を言つただけでありまして、今のところ改正の考えはない、こういうことを申し上げたので、総理の言われたのと表裏一体をなすものであると思います。
○高津委員 改正すると言うてもそれは改正するのではないと言いくるめるし、改正しないと言つてもそれは将来検討の上で改正するんだと言う。この内閣は、これは軍隊である、いや軍隊ではない、文部省においてもそういう答弁を聞くことは私は非常に遺憾に思います。男らしく今のは総理の答弁と違つたことになつて、委員諸君から御指摘を受けてまつたくあの点は間違いであつた、こういうように改めることを私は希望します。改めますかどうですか。
○大達国務大臣 私は率直に申し上げておるのでありまして、決して言いくるめたり、ごまかしたりする気持は一つもございません。私の申し上げておるどこがりくつに合わぬのですかおつしやつていただきたい。
○高津委員 相かわらず弁護士的で、法学士的で困りますが、それではこの問題を保留しておいて次に質問いたします。 大臣はこの間同僚山崎始男委員の、教育界に悪い風潮がある、あるいは教育の中立性を侵すようなことが起るし、教員にあるまじきようなことが起る、これに対して次官通牒などを出しておるが、措置をとるというが措置の内容はどうか、その質問に対して大臣は、それは私が首切りをするという意味ではない、県市町村の教育委員会をして厳正なる態度で措置をさせるようにあの次官通牒を出した、こういうことを言われたのでありますが、このような措置は、第二のいわゆるレッドパージのようなことになりはしないか、そのようなやり方は全国数十万の教職員に非常なる不安を抱かせることになると思いますが、大臣はそういうようにはお考えにならないのでしようか、これが第一点です。
○大達国務大臣 現在教職員であつて、ことさらに特殊な、特定政党の政治的な考え方を子供に教え込むということをもし考えておる教職員があるとすれば、あの通牒はその人々に対して一種の不安を抱かせるかもしれません。
○高津委員 私は次官通牒が出た場合に、教育委員会にボスなどが働きかけ、あるいは教育委員自身がボスであつて、そしてあれもこれに当る、あれもこれに当るといつて非常に濫用する危険が多いのでありますから、そういう意味で非常に教職員に対して不安動揺を与える、そう申したのであります。またこういうような措置は、日教組と文部省当局との間に正面衝突という重大な事態を引起すと考えます。最近の教育界はやや小康を保つている状態でありまして、ただ先般文部大臣と日教組代表との間に、会見要求の問題をめぐつて大臣室占拠とか警察官の出動という事件があつたけれども、あれは突然に起つた例外現象にすぎないと思われるのであります。文部大臣の考えられる措置は、文部当局と日教組との間に正面衝突という、平地に波乱を起すものであると思うものであります。文部大臣は私のこの見通しを単なる杞憂だと思われるのかどうか、またどのような重大な事態が発生しようともあの通牒をあくまで押し通そうと考えておられるかどうか、この点をお伺いします。
○大達国務大臣 教育委員が非常にボスであつて濫用する、こういうようなことでありましたが……。
○高津委員 一部にです。
○大達国務大臣 それは大勢の人でありますから、その職権を濫用するものがまず絶対にないということは私は申しません。しかしながら教育委員全体として、これがボスであつて職権を濫用するものであるということを言われるならば、これは教育委員会制度そのものに対する御疑問であつて、私はさようなことを考えてはおりません。もし教育委員がその職権を濫用するということが事実ありますれば、それは文部大臣としてそういうことのないように指導して参りたい、かように思います。 それからあの通牒が日教組と文部省との間に非常な衝突を起し、教育界に、平地に波乱を起すもとになるというふうな御意見でありましたが、あの通牒はごらんをいただけばわかりますように、わが国の教育の根本の一つの考え方としての教育の中立性、高津さんのおすきな教育基本法にはつきりうたつてある教育の中立性ということを堅持する、この意味において出したのでありまして、これが日教組と衝突のもとになるとは考えておりません。
○高津委員 私は教育勅語のきわめてすきな大臣にさらに続けて質問をいたします。(笑声)文部省が出した今回の次官通牒は、教育界に新たなる混乱と重大事態を発生すると予想いたしますので、大臣のこの政策をはなはだ遺憾とするものであります。そしてがんばるばかりが能ではありますまいから今からでも遅くはありません。私はあの次官通牒の撤回を希望し、それができないならば、少くともあれを不発弾に終らせられるように切に希望するものであります。 本日は私はこれで質問はやめます。
○坂田(道)委員長代理 小林信一君。
○小林(信)委員 今の御質問にちよつと関連してお尋ねをして、それから私の本論に入りたいのですが、あの例の次官通牒の問題がいろいろ論議されますが、私は内容とか、それについてどうこうというのではなくて、その次官通牒そのものでございますが、これは大臣は、指導助言の性格を持つたものとしてお考えになつておるかどうかをお伺いいたします。
○大達国務大臣 その通りです。
○小林(信)委員 大臣の御答弁をお聞きしますと、指導、助言のような形でもつてこれを見ておられるのですが、大臣が都道府県の教育委員会に対して指導、助言をする権限がおありですか、お伺いいたします。
○大達国務大臣 文部省設置法に、地方教育委員会に対する指導、助言が文部大臣の権限として規定してあります。
○小林(信)委員 教育委員会法の中に、文部大臣の権限として都道府県の教育委員会に対しては、報告を求めるということはありますが、指導、助言をする権限はないのでございまして、もし大臣がそういうふうなお考えでおるとするならば、これは大きな誤りです。何か他の法令に基いてなさるものであるならばとにかく、こういう意味でおやりになるとすると、これは権限の濫用でございます。法令上の問題としてこれはわれわれに非常に疑義を与えるもので、私たちは看過することができないわけでございます。昨年文部省は、教育委員会法の一部改正の中に、大臣が都道府県の教育委員会に対して指導、助言をすることができるという修正案を出したのでございますが、これが審議未了になつておりまして、この権限はまだ大臣には付与されていないわけでございます。そういう点から、大臣がこれを軽率にお取扱い旭なることは、権限の濫用であつて重大な問題でございます。この点しかと御検討なさつて、次官通牒の権限がいかなる形のもとに出されておるか、権限に基かないと濫用の形になりますので、御検討願いたいと思います。 これから私の質問をいたすわけでありますが、時間が少いので、基本的な問題について少し大臣にお伺いいたします。 日本の国が独立の態勢をとつて今後参るためには、憲法に明示されておりますように、文化国家として行くことに何らかわりはないのでございます。つまり文化を高度に発揚して、その力によつて日本の独立を全うする、これが基本的な態度であると考えるのでございます。文化の問題と申しますと、これは結局常時文化政策を担当するものに大きな責任があるわけでございます。ここにあげます問題はわずかでございますが、しかし非常に重大な問題であります。そこで治安それから経済自立、この二つの問題に関連して、今後大臣は、今のような基本的な態度をいかに文教政策の上に責任をもつて果して行くか。その基本的な問題を実はお伺いしたいのでございます。今保安隊の問題が云々されておりますし、再軍備是非の問題が論議されておりますけれども、これは日本の行き方からすれば、もつと基本的な問題を追究しなければならぬ点があるのでございまして、これらに惑わされることなく、国是として持つておる基本的な方針をいよいよこの際明確にしなければならぬ。大臣はこの点をいかに考えておられるか、まずこの点から質問をいたします。
○大達国務大臣 先ほどの文部大臣の指導、助言に関する権限の根拠でありますが、文部省設置法第五條に文部省の権限を列記してありまして、その十九号に、「地方公共団体及び教育委員会、都道府県知事その他の地方公共団体の機関に対し、教育、学術、文化及び宗教に関する行政の組織及び運営について指導、助言及び勧告を与えること。」となつております。これに基いて、権限ありと考えて指導、助言をした次第であります。 その次のお尋ねでありますが、治安並びに経済に関する具体的な国の施策、あり方については、私から申し上げる筋ではないと思います。ただ教育に関連する面といたしましては、一国の治安は、要するにその国における平和な幸福な社会が建設せられるということが根本であります。その意味におきまして、今日のいわゆる民主社会が要求する道徳というか道義というか、これを構成する人々の社会的な人格が完成され陶冶されて行くことが根本であろうと思いますので、教育はきわめて重大な関係を一国治安の上に持つておる。私どもは、できるだけ国民の道義の高揚に寄与し、次代の民族を形づくる青少年、児童の人格を、学校教育の面、社会教育の面を通じて陶冶して行くようにして参りたい、これは平和国家の建設、治安の整つた社会というものの基礎であろうと思うのであります。
○小林(信)委員 大臣から法令の問題について御答弁があつたわけでありますが、文部省設置法の中にはそれがある。ところが教育委員会法の中には、指導、助言をすることはできなくて、ただ報告を求きる権限しかない。この二つの使いわけということで問題が出て来るわけです。先日の教科書の検定の問題についても、やはり二つの法律があつて、二つの別個の権限が規定されておる。こうした矛盾が教育委員会法の中にたくさんあるわけでありまして、いずれが優先するのか、まことに解釈に苦しみます。おのずからそこに権限の誤解が生れて来る。これに対する御処置等もまたお聞きしなければならぬのでありますが、それは後日に譲るといたしまして、今の大臣の御答弁は、一応それでよいように思いますけれども、そうした観念的なお考えだけで対処しておるから、文化国家としての本筋が失われて行くような感がするのであります。大臣がそういうふうにお考えになるならば、今いろいろと論議されておる防衛とか治安とかいう問題の具体的な計画を持つて臨まれるならば、もつとほんとうに平和国家を建設する方法が国民全体に銘記されて、今はどうであつても、そこに将来の光明を見出すようなものがあるのじやないかと思うのであります。こういう点に対してもつと具体的な施策を御明示願いたいと思います。 次に経済の問題につきまして、経済自立が非常に重視されていて、政府からはいろいろな施策が出るのでございますが、私はこれには常に必ずその裏づけとして教育の充実ということがなされなければならぬと思う。ところがこの文化国家の問題を論議します場合には、まず経済の自立をはかつてから後に文化国家の建設だというようなことを、かつて私は今の吉田総理からも、あるいは池田大蔵大臣からも聞いたことがあるのでございますが、これは非常に私たちの了解に苦しむところでございまして、おそらく大臣はそうした見解を持たずに、苦しい財政の確立とともに常にこの教育が並行して行くところに、文化国家の道があるんじやないか、こういうふうに考えるのでございますが、この点につきましては、先日町村委員会から科学技術の振興というような面で具体的に御質問があり、これに対して大臣から不満足ではありますが、一応の御意図は承つておりますので、時間がないから私は省略いたしますが、この中で最も関心が払われておらない点が、食糧の自給自足の問題でございます。これは経済自立の中で、最も私は重大な問題だと思うのでございます。これはたとい完全な自給自足をなすことが不可能であつても、これを努力することは重大だと思うのでござい出すが、これに対して施策としては土地改良をするとか、あるいは種子の改善だとか、あるいは二重米価の問題も今度の予算で考えられました。しかしそういうものよりも、いかに農業の技術を振興させるか、農業経営を合理化するかというような勉強を、これは農村の人たちにしてもらわない限りは、目的を達成することができない。しかも二百年来、三百年来の農業技術をそのまま踏襲しておつて、基礎的にもできておらない今の年輩の方たちに要求することは、私は不可能だと思います。最も新しい時代のものを持つておる青年諸君、この人たちにこの意欲を持たせ、この技術を習得させることが、ほんとうに経済自立の基本をなす食糧増産の方法だと思うのでございますが、こういう点に関しまして、文部大臣がお考えを持つておられるかどうか、お伺いいたします。
○大達国務大臣 御意見はごもつともと思います。かねても申し上げましたように、職業教育を含めて産業教育というものをできるだけ振興いたしまして、そうしてこの社会的な要請にこたえたい、かように考えておるのであります。今日の農村の子弟は、その多くは義務教育を終えて勤労しながらでなければ勉強ができない、こういう実情にあるのであります。これはこの委員会におきましてもしばしば申し上げ、またお話の出たところでございます。青年学級の振興その他社会教育の面におきまして、特に農村における勤労青年を対象としての教育というものを振興して参りたいと考えておりますことは、今お話になりました趣旨とまつたく同じ見解に立つております。
○小林(信)委員 註文を申し上げるのですが、今御通知を受けまして、本委員会が何か別の委員会のために至急閉会しなければならぬようなことですから、具体的な問題につきましてはさらにお伺いすることを保留いたしまして、私の質問を終ります。
○坂田(道)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四分散会