文部委員会 第3号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/06/25
会議録
○辻委員長 これより開会いたします。 議事日程に入るに先立ちお諮りいたします。委員北れい吉君より理事辞任の申出がありました。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認め、許可するに決しました。 次に、その補欠選挙を行います。理事の補欠選挙はその手続を省略し、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議ない」と呼ぶ者あり〕
○辻委員長 御異議なしと認めます。よつて世耕弘一君を理事に指名いたします。 —————————————
○辻委員長 これより議事日程に入ります。文部行政に関する件を議題といたします。まず文部行政一般に関する大臣の所信を聴取いたします。
○大達国務大臣 終戦後の教育改革の根本精神につきましては、もちろんこれを竪持して育成に努めて参りたいと存ずるのでありますが、当面特に力を注ぎたい、かように考えておりまするのは、大体これから申し上げまする四つの点に帰着するのであります。 第一は、教育内容の刷新、改善、このことであります。今日の小学校、中学校、高等学校における教育内容につきましては、いろいろ世間で議論もありますし、また実施の結果について見まして、あるいは行き過ぎた点、あるいは不十分の点もあると存ぜられるのであります。これにつきまして全面的に検討を加えまして、改善をはかつて参りたい。 その主要な点について申し上げますると、第一には、いわゆる道義の高揚、この見地からする教育内容の改善であります。今日わが国の再建にあたつて、国民の道義が高揚せられること、また国民の愛国心が振起せられるということは、これが根本であるということはいまさら申し上げるまでもないと存ずるのであります。この見地からいたしまして小、中学校、高等学校におきまする道徳教育につきましても、とくと今日の状態を検討いたしまして、これを充実徹底せしめたいと存じておるのであります。これがためには、いわゆる社会科教育につきましてもその内容の改善をはかることにいたしたい。また歴史教育、地理の教育、これらにつきましても基本的に系統的な知識を与えまするように検討を加えて参りたい。これらの教育内容の改善につきましては、目下、御承知の教育課程審議会において研究しております。その答申が不日文部省に提出せられることになつておりますので、この答申に基きまして検討を加えて、早急に教育内容についての改善をはかつて参りたい、かように存じておるのであります。 次にやはり教育内容の問題といたしまして、今日の社会の要請にかんがみまして、職業教育、すなわち中学校、高等学校における職業教育並びに大学における技術教育、これについて改善、充実をはかるということが特に緊要であろうと存じまするので、その方針でやつて参りたい、かように思つております。 次に当面の方針の第二点といたしまして、義務教育の充実の点であります。義務教育の充実につきましては、ただいま申しました教育内容の改善、刷新、これも最も重要な点でありますが、なおそのほかに教員の素質を向上する。また教員の厚生を改善充実して参りたい。これによつて義務教育の充実を期して参りたいと考えております。それがためには現職教育ということに今後とも力を入れまして、教職員の厚生並びにその素質の向上をはかつて参りたい。 次に義務教育を充実する見地からいたしまして、教育施設の充実の面でありますが、これはすでに御承知の通り現状はきわめて不十分であります。これらにつきましては、できるだけ早急にこの施設の充実をはかりまして、教育効果をあげ得るようにいたして参りたい。いわゆる六三制の必要な校舎の整備充実、それから災害による校舎、戦災を受けた校舎の復旧、さらにいわゆる危険校舎、老朽校舎等につきまして、また積雪寒冷湿潤地帯における屋内体操場の設置、これらの方面におきまして施設の改善に十分に力を注いで参りたいのであります。ただこれはもちろん予算措置がもとでありますから国の財政と見合いまして、今後ともこれに努力をして参りたい、かように考えております。 第三の目標としておりますのは、学術の振興ということであります。学術の振興をはかりますがためには、学術研究のもとであるところの大学の充実並びに研究所の充実をはかるということであります。大学におきましては、講座組織を充実いたしますほか、講座研究費を増額することによつて十分その改善の実をあげるように、また講座の増設をはかつて、各大学の機能を十分発揮し得るようにいたしたいと考えております。同時にまた大学の施設も義務教育施設と同じように、あるいは戦災を受け、あるいは老朽等によりましてきわめて不十分でありますので、これも極力その充実、改善をはかつて、能率的な運営ができるようにいたして参りたいと思うのであります。なお学術研究の見地からいたしまして、科学の研究を助長、奨励するために、各研究機関の充実、強化をはかつて参りたい。 次にまた近ごろ諸外国との学術交流の道が開かれて参りましたので、今後ますますその育成に努めまして、特に在外研究員の制度を充実いたしますほか、学術文献の国際的交換に力をいたしまして、わが国における科学技術の発展に寄与して参りたいと考えております。 第四点といたしまして、教育の機会均等の見地からいたしまして、第一に取上げて参りたいのは、育英事業の強化であります。御承知の通りわが国の育英事業はまことに顕著な成績をあげているのでありまして、これは非常にけつこうなことと思うのであります。なおこの上にこの仕事の改善、強化をはかつて参りたい。それから勤労青少年教育であります。御承知の通りに今日十五歳以上二十五歳以下のいわゆる青少年のうちで、小学校、中学校を卒業したままで、教育の機会を与えられていないいわゆる勤労青少年は、千三百万人の多数に上つているのであります。これに対する教育の機会を与える方法といたしましては、定時制の教育ということがありますが、これによつて教育を受けている勤労青年の数はまだ五十万か六十万程度にしか達しておらぬのであります。また通信教育の制度もありますが、これによつて教育の機会を与えられている勤労青少年の数はきわめて少数であります。今度の国会に不日提案の運びになると思うのでありますが、青年学級の振興、充実をはかりまして、現在すでにこの青年学級によつて不完全ながら勉学の意欲を充たされている青年が約百万人に達しておるのであります。これらあらゆる方法を講じまして、いわゆる勤労青少年の教育の上に力を注いで参りたい、かように考えております。
○辻委員長 ちよつと御了解を得ておきたいと存じまするが、大臣は予算委員会の方に出席を求められておりますので、時間の関係上、大臣に対する質疑をまず最初にお願いしたいと思います。
○辻原委員 ただ大臣から当面の文教行政の一般方針につきましてお伺いしたのでありますが、この問題につきましては、あらためてお伺いをいたすことにいたしまして、ただ私この機会をかりまして、ぜひ大臣からお聞きいたしておきたい点がございますので、これを伺いたく思います。 ただいまも種々文教行政の各般の問題につきまして、就任されての新しい抱負をわれわれ聞いたわけでありますが、これらの一般方針とともに、きわめて重要な問題は、やはり大臣として教育内容の刷新であるとか、あるいは義務教育の充実、あるいは学術振興、教育の機会均等等の実現に対しては、特に義務教育の面におきましては、やはり何といつても多数の教員の協力が第一番の前提になるのではないかと思いますが、そうした点におきましては大臣がお考えになる労働対策につきましては、私どもも重要な問題としてお聞きしておかなければならぬ問題だと私は考えております。けさの新聞を見ますと、特に全国的な教員の団体である日本教職員組合の交渉について、何か非常に不測の事態が発生しているようなことを新聞で見たわけでありますが、これらの点につきましては、私たちもかねがね当委員会におきましても、民主的な教育行政を推進して行くためには、ぜひ民主的なこうした団体の育成、これに対する積極的な労働対策が望ましいということが、各委員の方からも発言があつたわけでありますが、そうした点につきまして、本日新聞に出ております問題は、私たちにとりましても、最近では非常に重要な問題だと考えますので、この点につきまして一応経過をお答え願いたいと思います。
○大達国務大臣 両三日以前から日教組の幹部並びに一部の人々が文部省に詰めかけて参つておりまして、文部大臣に面会をして、自分たちの意見も聞いてもらい、また文部大臣としての考えも聞きたい、こういつて面会を求めに参つております。一昨晩あたりからいわゆるとまり込り戦術に出ておるようであります。昨日代表の委員長の人が参りまして、ぜひ会つてもらいたい、こういうことであります。私は、会うことはむろんさしつかえないけれども、しかし非常に大勢の人間に会つた上で、すみやかに文部省からしりぞいてもらうならばたいへんけつこうであるけれども、会つてもどかぬ、こういうことであつては、それは要するに一種の示威運動の一駒として私が利用されるということであるから、さようなことでは面会はできない、こう申しておいたのであります。その後関係の課長その他を通じましての話では、本日の午後一時——議会の関係で大体一時ごろは多分多少手がすくと思つたのでありますが、一時ごろ短時間ならばお目にかかろう。しかし非常に大勢の人が出て、めいめいに発言するということであつては、面会の目的にも沿わぬことであるから、人数を制限して、そして代表の人が発言をする、こういうことで、一時から時間の許す限り、しかし短時間であろうと思うが、ひとつ面会をしよう、こういうことをきのう申し入れたのであります。ところが日教組側におきましては、その面会を拒絶いたしまして、どうしてもきのうのうちに会え、こういうことで事務の方の人々ともみ合つたようであります。結局夕ベおそくまでごたごたしまして、大臣室になだれ込んで大臣室を占拠するというような、まことに好ましからざる事態が生じたのであります。夜深更になりまして、麹町警察から警察官の出張を求めまして、少くとも大臣室からはどいてもらいたい、はなはた不穏なことであるから、どいてもらいたいという手配をとりましだ。ところがなかなかやかましくて、結局ある程度警察の実力を行使することによつて大臣室より出てもらつたのであります。今朝さらに大臣に会いたいというあらためての申入れがあつたのであります。ただその申入れは、人数に制限なく、それから時間も無制限ということで会いたい、こういう話が持ち込まれたのです。これは先ほどのことです。そこで私の方では、やはり今日の一時、これは議会の関係で多少時間がずれるかもしれぬが、大体一時、むろん時間がないから短時間の会見、そうして人数は、代表者、いわゆる三役に限つて会う。人数に制限をしないで、また時間も無制限というようなことは、およそ面会ということの観念に反することでありまして、不特定多数の人間に会うということは、面会の観念を逸脱するものだと私は思う。さような常識はずれな要求は受け入れられない。ほんとうに大臣にその意思を通じ、また大臣の意見を聞きたいということであれば、代表の人が来て話をされて十分目的が達せられるはずです。それを時間も無制限、人数も無制限だというようなことでは、とうてい応じられない。そこで私の方では、ただいま申したように、一時に会うということであれば会う、こういうことで今向うに申し入れております。それを今詰めかけておる諸君が受け入れるかどうかわかりませんが、ただいままでの経過はそういうことであります。
○辻原委員 概略の事情はお伺いしたのでわかりましたが、それに関連いたしまして、さきに私が申しましたように、いろいろな問題を持つて地方から陳情に参られるということはたびたびあります。こうした教職員が組織している民主的な団体と会うというのは、単なる陳情とはいささか様子が違つていると私は考えるのでありますが、そういう点につきましては、この交渉を申し入れられた際に、大臣は考慮されたかどうか。その点こうした団体からのいわける申し入れと申しますか、あるいはそれぞれの問題についての大臣との会見については、どういう扱いをされようとして対して来たか。この点についてお伺いをしておきたいと思います。
○大達国務大臣 さしつかいのない限りで会うということは、むろんけつこうであります。ただいわゆる団体交渉権というものを持つておる団体でもありませんし、私の文部大臣としての仕事をなげうつてまで、苦労して無理な時間で会わなければならぬとは思つておりません。ただ無理のない限りにおいて会つて話を聞くということなら、まことにけつこうと思います。
○辻原委員 私は新聞あるいは直接教員の方々から聞いた範囲によりましても、今回の面会につきましては、これは単に教員のみならず、他の多くの人々もともに非常に重要な問題だと考えている夏季手当の問題とか、あるいは全国的に長い間紛糾しておる給与の三本建、二本建の取扱いの問題であるとか、あるいは六大府県の、連日知事を先頭にして陳情しておるような義務教育費の負担問題であるとか、また大学運営の基本となる大学管理の問題であるとか、こういつた文部行政としてはきわめて重要な問題について、全国の教員の意向をよく大臣にお伝えしたい、こういうことで全国各地からも集まられておる、こういうふうに聞き及んでおるわけであります。もちろん大臣には国政一般の問題その他喫緊欠くべからざる問題がおありになると思いますけれども、やはりこうした問題についての解決こそが大臣の直接大きな問題ではないか。そういつた問題について教員の人々の率直な意見を聞いて、これを文部行政の上に反映しなかつたならば、これは必ずしも当を得た措置であるとは言い得ないし、おそらくそういう形において文部行政をやつて行かれる場合には、大臣の考えておられるようなことの実現はおそらく不可能になるのではないか。そういうふうに考えたならば、せつかくそうした機会にわずかな時間をもつて要求せられて来ておることに対し、特段の考慮があつてしかるべきだと私は考えるのであります。そうした意味において、当初大臣が院内でお会いになる、それ以外の場所では会うことができないと拒否されたその理由は、私はいささかふに落ちないのであります。私は元来こうした教員の関係の代表者であるならば、また教育の問題について直接会つて意見を申し述べたいというのであれば、ちやんと本省という場所もあるのですから、そうした場所でお会いになるのが筋道ではなかろうかと思うのであります。あえて院内でなければ会うことができない、こういうふうにお話をされた大臣の御真意はどこにあつたのか、この点についても御参考にお伺いをいたしておきたい。
○大達国務大臣 先ほど申し上げましたように、日教組の方面で、当面の問題について考えておることを私に伝えたいこういうことであれば、限られた代表者の方々によつて申し述べられても、十分その目的を達するのであります。大勢の人に会うまでの必要はない。今日は御承知のように国会開会中でもありますから、少数の人と院内でお目にかかる、これはひとり日教組の代表の人にだけ言つておることではないのでありまして、他の方面のいろいろな陳情その他の人とも大体院内で会つております。従つて少数の人でありますから院内で会つて何ら事足りないことはないと考える次第であります。
○辻原委員 ともかく院内で会いたい、院内では多数の者が来ておるのだから会えない、こういう点でこの間のトラブルが起つておるのだと思います。そうした面会をしたい、面会できないといつたような問題から——それは許可なくして室内に入るということは、一般常識からもつてすれば、大臣のお考えになるように、あるいは不当だと言えるかもしれませんけれども、しかしまた率直に述べたい、それを大臣がどのように努力されておるかを聞きたい、こうした気持に対してお答えにならないという大臣の気持も、私は問題になるかと思います。そうした点については、これは率直に会つてやろうというお気持があればトラブルは防げるのではないかと思う。そうした問題について、先ほど大臣からもお話になりましたように夜半に至つて警察力をもつて退去をはかられたということは、これはいささか私はふに落ちないことでありまして、こういうことが従来の文部行政のうちにあつたかどうか、この点につきまして一応お伺いしておきたいと思います。
○大達国務大臣 院内で会おうということにつきましては先ほど申し述べた通りであります。それを必ず院外において会わなければ承知ならぬ、こういうことは私には実は納得が行かないのであります。それから警察に連絡をして大臣室から出てもらう、これははなはだ好ましからざる事態であります。従来おそらく文部省においてそこまで行つたことはないと思いますが、しかし大臣室、仕事の部屋を占拠する、そういう事態も従来はなかつたように聞いております。かようなことはまことに遺憾なことでありますが、私は、私に面会を求めるためにここ二、三日とまり込みで来ている諸君の反省を促したいと思います。
○辻原委員 ほかに質問なさる方もおありになると思いますので、最後に私は文部大臣にお伺いしておきたいのであります。こうした団体の陳情、あるいは折衝と申しますか交渉と申しますか、こういう問題に対してただいま大臣から最後に反省を求めたいというお話があつたのでありますが、こういう問題を他の関係の課長なりあるいは局長なりといつた方々の手にゆだねられず、直接大臣が自分の今考えている考え方なりあるいは当面の問題について努力されて来た経緯等について率直に話してみずから教職員諸君に納得を与えるというような積極的な解決策をお持ちになつておるのか、あるいはそういうやり方をやるなら、いかにそういうことの意見を持つて来ても私は会うことはできない、なお執拗に強要すれば、いつでも警察権を発動して追い払うのだ、こういうことを今後もおやりになるお心であるのか、できる限りそういう点については身をもつて解決に当りたい、こういうことの努力を今後お払いになるのか、その点について私は承りたいのであります。
○大達国務大臣 私は先ほどから申し上げておるように、決して面会をしないと言つておつたのではありません。また先ほどから申し上げたように、私の時間のきわめてわずかな間をさいて面会しようということを今日あらためて申しておるのであります。ただ日教組側において、時間は無制限であるとか、あるいは面会の人数は無制限でなければならぬとかいう、さような要求に対しては応ずるわけには参らないのであります。 〔「関連々々」と呼び、その他発言する者あり〕
○辻委員長 重要な問題でありますから、関連質問は適宜お許しいたします。
○山中(貞)委員 ただいま御質問がありまして、大臣からも答弁があつたのでありますが、私どもは本問題につきましては、別個の観点かられを判断いたしておるのでありまして、たとえばただいま大臣が率直に会わなかつたからかかる問題を惹起したのであるという結論に導こうと努力されたようでありますけれども、しかしながらこれに対して大臣が常識でもつて判断される条件で会おうということを、日時とともに通告し、応諾をいたしておるにもかかわらず、その点については拒否をいたしておるのでありまして、お互いが話し合うにつきましては、いかなる立場にいたしましても、双方の都合が合致しない限り話合いができないことは当然のりくつだろうと私は思うのであります。この点大臣の行為については、別段私どもとして不当な点は認めないのであります。まして大臣室が占拠されたという事態は、先ほどの質問に答えた答弁にもありましたごとく、国民のためにまことにとうといこととしなければないない文部行政上、初めてのことであるということを聞いて、私ははなはだ遺憾に思うのであります。 そこでお尋ねいたしたいと思うのでありますが、深更に大臣室を占拠して、はたして陳情の目的とする大臣との面会が実際上実行できる状態にあつたかどうかを、まず第一にお伺いいたしたいのであります。 さらにまたそういう大臣と面会できる状態にない時間において、大臣室の占拠ということが実施せられたといたしますならば、何を目的に大臣室を占拠したか。しかもその大臣室は、国家の行政機関の最高の立場にある公的な部屋といいますか、そこを占拠された。かくのごとき状態はまことに嘆かわしい状態でありまして、関係の各局課長もおられたはずでありますが、どのようなことによつてそのような不法なることが行われたか、そしてその不法なることが行われた後、やむを得ず警察力の応援を得て退去してもらわなければならなかつたかどうかということについて、そのいきさつを明かにしていただきたいと思うのであります。私どもといたしましては、個人の関係におきましても、面会に参りました方が、明日会うから明日にしてほしいと、都合を答えられたときに、応接間を占拠して立ちのかなかつた場合に、もよりの派出所に電話することは当然の権利だろうと存じますので、そこらの点を明かに御説明願いたいと思うのであります。
○小林政府委員 大臣室を占拠したことについてのいきさつということでございますので、お答え申し上げます。先ほど大臣の答弁にもございましたように、一昨日から大臣室の前の廊下と秘書官室には入つておつたのであります。これに対しまして廊下はともかく、秘書官室だけはあけてもらいたいという折衝は、実はいたしておつたのでありますが、昨日の四時ころになりまして、聴員のちよつとしたすき間に、秘書官室から大臣室に不法に侵入いたしまして、その中に入つてから、廊下の人々を多数呼び入れたというような事情でございます。これに対しまして役所といたしましては、大臣室が占拠せられるということになりますと、中枢が占拠せられたわけでありますから、事務的にも非常に渋滞を生じますので、いろいろと折衝いたしまして、すみやかに退去してもらいたいということを交渉いたしたのでございますが、退去ということが行われませんでしたので、文部省の聴員としては、これはもはや大臣室を退去させることはできないと考えまして、建物の管理上、また事務の執行上からも、所轄警察署の応援を求めて、強制的に退去させることが必要な措置と思つて、処置をいたしたわけでございます。
○山中(貞)委員 ただいまの御説明中、もう少し触れてもらいたいのは、大臣室を占拠いたしておりまする間の陳情者の目的は、何にあつたかということであります。当初の目的は、大臣と会つて当面の文部行政の重大なる諸問題について話したいということである。それについて大臣の応諾せられた条件と一致しないから、それを自分たちの条件をもつて会見したいというのが目的だつたと思うのであります。ところが大臣室をそのような不法ないきさつによつて好ましくない状態で占拠しながら、警察力の発動があるまでその大臣室の占拠が続けられたということは、明かに常識上考えて、深更に大臣が文部省にいるわけでもないし、目的の変更がなされておると私は考えるのであります。その占拠中に、いかなる条件を満たせば占拠を解くという話合いが行われたかどうか、この点について御説明を願いたいと思うのであります。
○小林政府委員 これは推察でございますが、おそらく大臣室に侵入いたしました当初の目的は、大臣に会つてもらいたいということであつたと思うのであります。占拠いたしました後にいろいろ交渉したところによりますと、大臣が人数と時間に制限をつけて会うということでは承諾ができないということであります。また院内で会うということでは承知できない。それから明日—きようといえばきようでございますが、きよう会うということでは承知できない。今夜のうちに会えということでありまして、これは深夜に無制限に会うということは、折衝上不可能でございますので、これができない限り退去はしないということでございますから、私どもはもはや交渉の余地はないということで、強制的な措置を要求いたしたわけでございます。
○辻委員長 その程度で……。実は大臣は予算委員会の出席を求められておりまして、もう十五分ぐらいしかございませんので、簡単に願います。
○野原委員 この問題は先ほど辻原委員から御質問がありましたように、私もまつたく辻原委員と同じ見解を持つものでございますので、二、三大臣に簡単に質問をいたしたいと思います。 大臣のただいまの答弁を聞いておりますと、日本教職員組合の方は人数については無制限、時間についても無制限、こういうようなことを言うから、このような事態になつたのである、こういうようなお考えのように私は闘いたのであります。しかしながら人数とか時間についての無制限ということは、これは常識で判断できることで歩つて、大臣がほんとうに日本全国の教職員の代表としてこれを遇し、これに誠意をもつて会うという心構えがあるならば、このような人数が何千人、何万人というようなことは、常識で考えられないことでございますから、おのずから解解できる問題であろうと私は思うのであります。そこで問題は、私の聞くところによりますと、全国各府郡の教組の諸君がたとえば給与準則の問題であるとか、あるいは国庫負担に関する法令についてこの問題であるとか、あるいは校舎の施設改善、あるいは軍事基地の子供の道義高場の問題であるとかいうような点をひつさげて、ぜひとも大臣にお会いして訴えたい、お願いしたいこともある、と言つて来ておるにかかわらず、二十三日あなたはお会いにならない。二十四日もお会いにならない。そして二十五日、しかも院内という場所的制限と、わずかに二、三名といつたような、こういう冷たい態度で出られるならば——そこに待機しておる諸君は、初めから大臣室を占拠しようという意図は毛頭なかつたと思います。まだ結果において、占拠機というような言葉は私は当らない思うのでございますが、さような事態に持つて来たということは、大臣が初めて今度文部大臣になられて、就任早々のこともあるので、特に教職員組合の諸君とはむしろ進んで会おうじやないか、こういうようなお考えであつたならば、私はこういうような事態は決してなかつたと思う。この点について大臣の率直な御所見を承りたいのでございます。 なお第二点といたしましては、警察力を発動するというがごときことば、これはきわめて好ましいことではないと思う。教組の諸君が占拠したと文部省側は言ておりますけれども、決して乱暴したのでもなければ何でもない。大臣に会えたならば解決できることでございます。これに警察というような実力的な手段をとるということは、今後の大臣の文部行政について、きわめて遺憾な点があろうかと思うのであります。この点についての自己批判的た御所見を承りたいと考えます。
○大達国務大臣 先ほどから申し上げますように、私は面会を上ないとか、面会を謝絶するとかいう気持はないのでございます。ただただいま常識ということを申されましたが、およそ人に面会を求めるのに、時間も無制限、人数も無制限でなければならぬということを主張することは、私はその方が常識に反するものだと思つております。それから警察に頼んで出てもらうようにした、これは私まことに遺憾に存じます。ただかくのごとき措置をとらざるを得なかつたのは、日本教職員組合の諸君の責任であると私は思うのであります。文部省といたしましては、長時間にわたつてそこをどいてもらいたいということを懇談をし、話合いもしたのであります。しかるに頑として出ない。それでやむを得ず警察に依頼した。この事情は先ほどから説明を申し上げておる通りであります。私はまことに遺憾に存じます。
○野原委員 この問題は、実は文部大臣からあのような御答弁がなされておりますが、なお私自身としても、この問題ははたして日教組の諸君が文部大臣が言うがごとき行動に出たのか、そういうことを言つたのかということを調査した上で、機会を改めて再度質問いたすということを申し上げておきます。
○前田(榮)委員 ただいまの点につきまして大臣に伺いたいと思うのであります。大臣は、日教組の諸君がいわば無謀な要求のもとに面会を強要したようなことをおつしやつたのであります。大体大臣は、日教組の面会を求められた諸君が、何と何とを要求しようという、いわゆる陳情といいますか、要求といいますか、その条件を十分御存じなのでありますか。どういうことをあなたにお願いに来ているものか、そのお願いの内容については知つておるのか知つておらぬのか。それを知つておるなら、何と何であるか。こういうことをまず第一に明確にしていただきたいと思います。 第二には、人員の制限をなさつておる。いわゆる三役ならば会うが、ほかの人ならば会わない。こういう制限をあなたがしたといわれておる。今回の面会を求められた諸君がどうであるか、こうであるか、その内容は私は存じませんが、私の新聞その他の観測によりますと、全国から集まつて来られた日教組の諸君が、三役にまかせて、三役だけに話合いをして、それで済むものならば、何も全国から東京へ集まつて参りません。これがあなた方の感覚からいいますと、きわめて非常識にも見えるでしよう。しかしながら終戦後における近代的な日本の全般的な労働運動等の情勢から考えますると、これが常識化しておるところになかなかりくつがわからぬところがある。すなわち全部の人たちが、たとえばそこに五十人おるものを五十人全部では困る、こういうことは私も認めます。ところがただ東京におるものがたつた三人だけで会つたのでは、地方から来たものは、その交渉の経緯、情勢、こういうものが十分に理解できないで、地方へ帰つて報告することが困難であります。従つて中央におる三役と合せて、あるいは十人に制限するとか、十五人くらいにしてくれぬとか、この部屋はこういう状態であるから、あまりたくさん入つてもらつても話もしにくいから、こういうことをおつしやるのならば、私は日教組の諸君も考えただろうと思う。ところがただ三人に制限するというところに、あなたの時代感覚のずれがあるのではないか。これは正しい常識と思つていらつしやるのかどうか。もう少しそういうことは最近の近代的な日本の情勢等を十分勘案されなければならぬ。そういう点あなたはいわば文教の府におるところの親なんです。その親というものは、子供が少々無理を言おうとも、それもひとつ十分聞いてやるという親心がなければ、ほんとうの文教行政というものはなかなかスムーズに行かぬと思う。この点をあなたは正しいと考えておられるかどうか。 第三点は、これらの諸君の重要なる問題は、すなわち夏季手当の問題やべース・アツプの問題等の待遇の問題がある…。
○辻委員長 前田君、簡潔にお願いいたします。
○前田(榮)委員 あなたは前に一般的な問題についての教育の内容の刷新、その他の案件をお持ちになりましたガ、その中で重要な点は、これらの仕事に携つている人々の待遇の改善、ことに大学等の先生がどういう状態であるかということは十分御存じであると思う。こういうときに、あなたはそれに述べられておりません。そういうような感覚でおられる文部大臣だから、日教組の諸君はほんとうに腹が聞きたいところがあるのだと思う。すなわち親の子供に対するところの親心はどこにあるかということを聞きたいと思う。そういうことには少々無理があつても、多少常識的にはずれていると思つても、できるだけあなたは親心を出されなければならぬと思う。その点においてどういうふうにお答えになるか、これをお答え願いたい。
○大達国務大臣 私は日本教職員組合の諸君を毛ぎらいして面会を謝絶しているのではありません。現に先般宇治山田で大会があるその前に、日教組の諸君が、人数は何人でありましたか覚えはありませんが、二、三十名文部省に代表の諸君が来られた。そのときにはお目にかかつているのであります。でありますから、日教組だから何か毛ぎらいをして逃げて歩くようにお考え違いのないようにお願いをしたいのであります。それから日教組の諸君が今日私に面会して話そうとする内容は、私の方でもおよそこういう問題ではなかろうかということは思い当りがないわけではありませんが、これはもちろん会つてみなければわからぬのであります。それから代表の人だけでは困る。みんなそれぞれ来ている人にそれぞれの考えがあるから、それを聞いてもらわねば困る、こういうようなことでありました。ごもつとものようにも思いますが、私としてはなるべく日教組として意見をまとめた話をお伺いしたいのであります。日教組のそれぞれ構成しておられる諸君の一人々々の意見を聞くということは、これは時間があれば非常にけつこうでありますが、こういう際になかなかそれは行われない。だから一人々々の意見を聞くひまは実はないのであります。まとめた意見を聞きたい、かように存じますから、そこで代表の人だけにしてもらいたい、こういうことを言つたわけであります。
○小林(信)委員 時間がないから、私は簡単に関連の質問をいたしますが、こういう問題は、ただそこに現われただけの問題を検討しておりますと、質問をする方の意見も一応ごもつとも、答弁される大臣の方の意見もごもつともというふうな形になつて、この問題に対するわれわれ国会としての態度というものははつきりしないことになるわけです。われわれはもう少し根本問題を持たなければいけない。ことに新しい大臣にはわれわれ大きく期待しているわけなんです。その点私は大臣によくお聞きしておき、またわれわれの考えを申し上げておきたいのですが、要は、今日本の吉田政府がとつております教育行政が、ほんとうに国民に信頼されておるかどうかが問題だと思うのです。この点に対してあなたが、簡単に、概念的に吉田内閣の教育行政はりつぱである、満足であるというようなお考えを持つておるから、今の面会形式などが問題になるのです。もつと根本問題をはつきりと大臣は持つておつてもらいたいと思うのです。今父兄の立場あるいは国民全体の立場として、この予算に要求すそ毒のは、屋内体操場の問題だとかあるいは校舎の問題だとか、いろいろ要望されておるが、これは大臣もよくお聞きだと思うのです。ところが三本建というようなこの給与体系に対しまして、実に不可解な問題が台頭して来ておる。あるいは今地方教育委員会がどんな国民の批判を受けておるか。私は第十五国会におきまして、ここにおられる自由党の諸君とこの問題を論議したわけですが、政府は地教委を設置することを年延期したいというので、これを自由党の諸君が強引に審議未了の形にして、政府の意向あるいは自由党の態度もはつきりしないままに、しかも運営が困るような形で、日本の教育行政を崩壊するような状態に置いておる今日、大臣に対してこういうような陳情もあるいは面会も要求されるようなこともあるわけです。だからこれは、面会する人たちも一応はあなたのおつしやるように、責任を問うようなことがあるかもしれませんが、もつと大事なことは、今日教育行政に大きな欠陥を持つておる吉田内閣は、大きな反省をしなければならぬときなんです。あなたがその点をはつきり考えて大臣の立場に立つておるかどうかが問題なんです。さもなかつたならば、今日のような教育行政に対するところの批判が多い中で、あなたがいくら常識だとかあるいは世間の慣習だからといつて、この面会問題を簡単に片づけておく間には、この教育問題を中心にしてどんな事態が起らないとも限らない。私はこういう意味で、はつきりこの際大臣の態度をお聞きしておきたいと思うのです。 〔発言する者多し〕
○辻委員長 御静粛に。
○大達国務大臣 ただいまの御質問の趣旨をつかみかねた点もありますが、ただ私が、ただいま申し上げましたような経緯で、限られた人々に面会をするならばよろしい、こう言つたことは、今申し上げましたように、決して面会を拒否した、また回避したわけでもないのであります。いわんや国民の吉田内閣の文教政策に対する批判なり非難をおそれて面会を回避したというわけではありませんから、誤解のないように願いたいと思います。
○竹尾委員 簡単にお尋ねいたします。ただいま日教組の諸君の面会の形式が問題になつているようでございますが、こうした形が、あえて大達文相が文相に就任されてから起つた問題ではございません。すでに天野文相のときも、また岡野文的のときも、こういうような形の面会の強要があつたと思います。そこで私は日教組の諸君が、九十九パーセント九くらいは、非常にりつぱな人たちだと思いますけれども、常識は常に真理を含むものでありまして、常識でこれは悪いことであるということは、大体みな悪いことなんです。天野文相のときに、深夜文相の自邸で面会を強要したり、また大臣室を占拠して面会を強要するということは、それこれ日教組の諸君が大いに自己批判をしなければならぬと思うのであります。こういうことでは子供たちにどういう影響を与えるか、(「意見じやないか」と呼ぶ者あり)これから質問する。そこで、こういうような形の面会については、私は断固として断つてよろしいと思うが、文相の御決意をお尋ねいたします。
○大達国務大臣 私は、先ほど申し上げましたように、けさほど私の適当と、また妥当と考える形式において面会を承諾しておるのであります。それに対して日教組側からどういう回答をして参りますか、ただいままでは回答が参つておりません。しかしながら、依然として自分の指定した場所において無制限な時間で、あるいはまた人数に制限もなく面会しなければ承知せぬということであれば、これは話合いの余地はないと存じております。
○原田委員 簡単に申し上げますがわれわれの常識では、最も近代的な、民主的な日教組の人たちが、文部省へ押しかけて坐り込んで大臣に会わせろ、大臣が代表者なら会うと言つたら、それはいかぬということで坐り込んでいたり、そして大臣室を不法占拠したということは、これは常識でわれわれ判断できない。こういうことが許されるとするならば、今後各省にもそういう事態が起きて来るということを私は憂えます。これについて大臣は、いかなる対策を考えておられるか、また今後とういう処置に出ようとしておられるか、その点をお尋ねいたします。
○大達国務大臣 私は、かくのごとき事態が起つたことは、きわめて遺憾に存じます。かくのごとき事態を引き起したおもなる責任は、少くとも日教組の諸君にあると信じております。私はこの点、強く日教組の今後における反省を促したいと存じております。 —————————————
○辻委員長 文部大臣に対する質疑はこの程度で打切り、文部省予算に関する政府の説明を聴取いたします。小林政府委員。
○小林政府委員 お手元にお配り申し上げました資料に基きまして簡単に本年度の文部省所管の予算につきまして御説明申し上げます。お手元に三枚綴りの資料がお配りしてございますが、その一番最後の三枚目をお開きいただきますと、全体の数字が出ております。 文部省の二十八年度の予算は九百大十四億六百五十八万八千円ということになつております。前年度の予算が三百七十四億二千七百六十五万八千円、差引五百八十九億七千八百九十三万円を増加するということになつております。但しこの五百八十九億の増加のうち、五百四十億は、義務教育費国庫負担制度が本年の四月から実施せられました関係上、新たに計上せられた経費でございますので、これを差引きますと、四十九億が純然たる増加ということになるわけでございます。 以下項目に従いまして、おもな事項を簡単に御説明申し上げますが、まず第一に義務教育費国庫負制度の実施でございますが、これは御承知のように、義務教育費国庫負担法に基きまして、義務教育の諸学校の教職員の給与費の二分の一を国が負担する。また教材費の一部を国庫が負担するという法律の趣旨に基きまして、五百四十億を計上いたしました。この五百四十億のうち五百二十一億が教職員の給与費の負担金でございまして、十九億が教材費の一部負担金ということになつております。なおこの義務教育費国庫負担制度につきましては、比較的富裕な県に対しまして最高限度を制限するという、最高限度を定める政令というのを、本年の六月十五日に政令をもつて定めました。なお近く国会にいわゆる富裕府県に対する国庫負担金の減額ということを臨時にお願いする法律を提案いたしまして、御審議を願うことになつております。二番目の義務教育教科書無償配付、これは従来から計上されている経費でございまして、新たに入学する小学校の一年生の国語、算数の教科書を国庫で買い入れて、無償配付するという経費でございます。 次に三番目の公立小、中学校一般校舎等整備、これは備考欄をごらんいただきますとわかりますように、六・三制の校舎の整備と、屋内体操場整備、盲聾学校整備、危険校舎の改築というような四つの事項を含んでいるわけでございます。六・三制の校舎の整備と申しますのは、義務教育年限の延長に伴いまして、中学校の建築をする、これに対して従来補助金を出しておつたのでございまして、昨年までの予算措置により、計算上は応急最低基準と申します。七坪までの分を一応完成したことになつておるのでございますが、しかし現実にはまだ〇・七坪に達しないものがございますので、いわゆるふきこぼれの問題としてこれをさらに継続して、今年度以降も公共団体の方に補助するということを計画しているわけでございます。二番目の屋内体操場整備は、中学校の屋内体操場でございまして、主として寒冷積雪湿潤地帯の中学校の屋内体操場の整備の補助金でございます。三番目の盲聾学校整備と申しますのは、盲聾学校が新学制によつて義務制になりまして、年々義務制が学年進行をして参りましたので、本年度はその第六学年が義務制になるわけでございますが、このために新たに増築しなければなりません建物の設備につきまして、国から補助金を出す経費でございます。四番目の危険校舎の改築でございますが、これはいわゆる老朽危険校舎、五十年以上の老朽校舎または戦時中、終戦後にできました建物の中で弱朽のもの、こういう校舎に対して国から補助をいたしまして改築を促進する、これは大体今後四箇年の計画で、四十八万坪をやるという現在の一応の計画になつております。 それから四番目の特殊教育の振興でございますが、これは備考にございますように、盲聾児童の就学奨励、盲聾児童と申しますのは大体貧困な家庭の子供が多いので、それに対しで就学奨励の金を補助する。それから盲聾学校の設備、これは上にあります盲聾学校の施設の整備と関連いたしまして、いすとか机、そういつた設備の補助金を出すわけでございます。養護学校の施設と申しますのは、従来養護学校につきましては予算上特別な経費的な措置をいたしておりませんでしたが、本年度から新たにモデル的な学校施設をつくるということで、金額はきわめて少額でございますが、標準教育施設をつくるための補助金を出す経費を計上しておるのでございます。 次に五番目の教職員の保健管理でございますが、これは教職員の健康診断の経費を府県に補助するという経費と、教員保養所を設置する経費を、従来から年度計画をつくりまして国から補助をいたしておりますが、これの継続でございます。 それから六番目の教科書の編修、検定、刊行と申しますのは、学習指導要領の改訂、それから各種の手引書とかあるいは参考資料の作成、それから現在は御承知のように教科書は検定の制度になつておりますので、その検定の実施に必要な事務的な経費を計上してございます。 七番目の学校給食の助成でございますが、ここに計上しております三百九十二万八千円と申しますのは、日本学校給食会に対する補助金でございます。これは、現在学校給食のうち粉乳の購入につきましては、学校給食会が資金を金融機関から借りまして、その金によつて購入して児童に配付するという仕事をやつておるわけでございます。いわば国の肩がわりをしてこの仕事をやつてもらつておりますので、これに必要な事務的な経常的な経費を国から補助する経費でございます。 次に学術の振興のうち科学研究の振興でございますが、これは科学研究費のいろいろな補助金を全部ここにまとめておりまして、その合計額が七億ということでございます。これは内訳を申しますといろいろこまがいものもございます。基礎的な科学研究費交付金というのが四億円、それから試験研究費の補助金が一億二千万円、科学研究助成補助金が四千万円、それからいろいろ研究をいたしました結果を刊行する経費が四千五百万円、それから外国から機械や図書を購入するための経費の補助金が七千五百万円、それに従来はございませんでしたが、本年度から新たに、私立大学で研究の設備等が貧弱なものがございます。これに対して国立大学と歩調を合せて、基礎設備の助成をしたいというので、本年度から新たに二千万円の補助金を計上いたしました。 次に二番目の国立学校等の施設整備でございますが、これは七十二の国立大学、それから五十三の研究所、十九の国立大学附属病院の建物を整備するというための経費でございます。なおこれに合せまして、二十七年度に起りました災害の復旧費をつけ加えております。 次に在外研究員の派遣でございますが、これは、戦前文部省が実施しておりました在外研究員の派遣ということが、戦争中また戦後絶えておりましたりを、昨年から復活いたしまして、本十度は昨年度に比べまして倍額以上を計上してもらつたわけでございます。なおこれにつきましては、外国からの大学資金による留学生の希望がございますので、その留学生の候補者の選考に必要な経費等も含まれております。 四番の学術資料の整備でございますが、これは学術研究のいろいろな調査を行いまして、その結果を研究者に情報提供する、これに必要な経費が主たるものでございます。 次に民間学術団体の振興でございますが、これは事項をわけております通り、民間学術研究機関の補助金、日本学術振興会の補助金、開国百年記念文化事業会の補助金、日仏会館事業費の補助金、日伊協会事業費の補助金、この一番上の民間学術研究機関補助金と申しますのは、これは法律に基きまして、民間の学術研究機関の中で比較的成績の優秀な、相当研究成果の上つておりますような研究機関に対しまして、国から経常費を補助するものでございます。一番最後の目伊協会の事業費補助金というのは、今年度から加わりましたものでございます。日本とイタリアの文化の交換というようなことにいろいろ貢献をしております日伊協会に対しまして、事業費の補助金をしようというのでございます。 六番の輸入図書機械等購入、これは前年度ございましたものが本年度ゼロになつておりますが、これは従来内閣所管の科学技術行政協議会というところでやつておりましたのを、二十七年度だけ文部省で所管して予算を計上したのでございますが、政府の方針といたしまして、やはりこれは文部省所管より内閣所管の方がよろしいというので、二十八年度、すなわち本年度は内閣所管に移すことになつたためにゼロになつたのでございます。 次に、育英事業の充実でございますが、これは育英会が行つております育英資金の貸付に対する政府の出資金、貸付金並びに事務費の補助でございます。本年度は従来生徒並びに学生に貸し付けておりました単価を幾分引上げて計上しでございます。すなわち高等学校につきましては、従来一人一箇月五百円でありましたものを七百円に引上げ、大学におきましては従来千九百円でありましたものを二千円に引上げて計上しております。 次に、学徒援護会の補助と申しますのは、これは財団法人学徒援護会というような団体がございまして、学生の寄宿舍の管理だとか、あるいは学生アルバイトの仲介あつせん、あるいは就職あつせんというようなことをやつておりますので、これに対して従来からその経常費の補助を行つておりましたので、これを引続いて行おうとするものでございます。 次に、産業教育の振興でございますが、この産業教育の振興の経費のうち、従来から大体高等学校の産業教育の設備の充実に重点を置いて参つておるのでありますが、本年度もその点につきましては従来と変更がございません。従来に比べまして一億一千二百万円を増加しておりますが、その主たるものはやはり高等学校の設備費でございます。 次に、私立学校の助成でございますが、そのうち私立学校振興会出資十億円、これは昨年私立学校振興会法という法律が国会を通りまして、私立学校振興会ができました。しかしこの私立学校振興会の出資金は、現在その大半が債権出資でございますので現在まだ返還にならない状況でございます。その貸し付けました資金の返還がない状況でございますので、本年度は、少くとも当分の間の措置として、必要な貸付金を政府から出資するということで十億円を計上したのでございます。 私立学校共済組合事業費等の補助、これは私立学校の教職員に対する福利厚生施設といたしまして、現在は私立中等学校恩給財団という財団と、それから私学教職員共済組合という二つの団体がございまして、それぞれ別々の事業を行つておりますが、公立学校の教職員に比べまして、その給付の程度等はきわめて貧弱でございます。これが対策といたしまして、この二つの団体を一緒にいたしまして、大体公立学校教職員共済組合と同じような仕事ができる程度に、政府から補助金を出すということで、九百七十四万円を計上したのでございます。 次に、社会教育の振興でございますが、そのうち青年学級の開設、これは先ほどの文部大臣の御答弁の中にもございましたように、勤労青少年の教育の一つの方策といたしまして、青少年が自主的に開いております青年学級に対して、現在国からほとんど育成の措置がとられておりませんので、これは近くこの国会で御審議を願うことになると思いますが、一つの振興法案をつくりまして、これに基いて必要な運営費の補助をいたしたいというので七千二百万円を計上したのでございます。 それから社会教育施設の助成、これは公民館、公立図書館、博物館に対する経常費の補助、並びに建設費の補助金でございます。 それから視聴覚教育の拡充の経費でございますが、これは従来から文部省で実施しておりますところの教育映画の委託製作、あるいは幻燈画の委託製作ということに加えまして、本年度は放送教育を新たに行いたい。これにつきましては、青少年あるいは成人を対象といたしまして、民間放送会社の時間を買上げまして、駐在の計画では大体十六局でございますが、これを通じて勤労青年なり成人の必要とするような放送教育を行う、これに必要な経費でございます。 それから、五番の全国青年大会の開催、これは昨年から実施をいたしておる事業でございます。 次に、ユネスコ活動及び文化財保護事業ですが、そのうちユネスコ国内委員会運営というのは、ユネスコ国内委員会法に基きまして、ユネスコ国内委員会というものができて、国内におけるユネスコ活動というものをやつております。これに必要な事業をやる経費と、委員会運営の経費でございます。 それから二番の文化財保存事業と申しますのは、国宝あるいは重要文化財の保存修理に関する事業費を一括ここに計上しておるのでございます。 なお雑件といたしまして、第一に定時制教育の振興、これはやはり勤労青少年の教育対策の一つとしてきわめて重要なものでございまして、文部省としてもこの点につきましてはできるだけ努力をいたしたのでございますが、二十八年度の予算にはわずかに一千百五十万円だけが計上されたのでございます。この内容は、独立文庫の設備補助のための経費として一千万円と、モデル的な標準的な施設を整備するための経費といたしまして百五十万円、この二本がここに計上されておるわけでございます。定時制の施設の充実ということでその芽を出したという程度のものでございます。 二番の公立幼稚園施設整備費補助これも従来は全然ございませんでしたのを本年度から新たに計上されたものでございまして、やはり定時制の経営補助と同じように、設備の補助金と施設の補助金を両方含んでおるわけでございます。 三番の公立学校施設整備と申しますのは、これは前に義務教育のところで申し上げました施設整備とは異なりまして、公立の大学、公立の高等学校の戦災復旧のための経費と、それから二十七年度に起りました災害復旧費、それから炭鉱地等におきまする鉱害復旧の経費、この三本を含めておるものでございます。 次に、教育委員会の運営指導でございますが、これは御承知の通り昨年地方教育委員会が全国的に発足をいたしましたので、この地方教育委員会の事務局の職員を研修する経費と、それからこれの指導に必要な資料の作成の経費がこの事項に含まれておるのでございます。 次に、僻地教職員宿舎整備補助でございますが、これは僻地の教育を振興しなければならぬ。僻地教育ということはきわめて重要な事項でございます。本年度から初めてこの僻地教育対策の一つの方策といたしまして、僻地に有能な教員を獲得するために、教員の宿舎の建築費を補助する経費を計上いたしました。これがそこに載つておりますところの九百九十七万四千円であります。なお僻地教育につきましては、ここには出ておりませんが、僻地の小学校の教員の臨時養成、あるいは教員検定試験の実施というような経費が、二十八年度の予算には計上されておるわけでございます。 次に、現職教育講座の開設でございますが、それは備考にございますように、国立大学で従来から実施いたしておりますところの教員資格付与の講習会それに出席するための受講者の旅費の三分の一の補助、それから大学で実施しております現職教育講座の開設のための経費、それからやはりこれは国立大学の中で、教育学部なり学芸学部で行つております通信教育講座の実施のための経費等が、これに含まれておるのでございます。 次に、七番の大学入学試験実施でございますが、これは高等学校から大学に入学いたしますための一つの制度といたしまして、従来から進学適性検査を実施しております。この進学適性検査の実施のための経費でございます。 次に文教政策の普及徹底と書いてありますが、これは見出しはたいへん大きいのでございますが、実は内容は大したものではございませんで、文部省で従来文部広報というのを月に二回程度発行いたしておりますが、その文部広報を発行するための経費並びにいろいろ新しい法律案、あるいは新しい政策普及等についての講習会を実施するための経費でございます。 次に、十の社会的要請に基く教育計画樹立調査というのは、これは産業界あるいは経済界の実情に基いて、大学の各学部の数あるいは各学科の数等を将来現状に即して調整して行くべきであるという意見がございますので、その一つの資料にするために、産業関係の事業所等を対象といたしまして、また国立、公立、私立の大学等を対象といたしまして、本年度調査を行いたい。これは需要供給の関係を調査することを主たる目的としております。 次に、十一番の文化功労者年金でございますが、これは文化功労者年金法という法律がございまして、わが国の文化の向上発達について、特別に功績のあつた人に対して終身年金を交付するということになつております。この終身年金一人五十万円の五十六人分を計上してあるわけでございます。 以上が文部省関係の主たる事項についての予算の状況でございますが、次に第十番目の国立学校の経費がございます。これは国立学校七十二の大学、それから八つの高等学校についての管理、運営、あるいは教育研究等についての必要な経費が組んでございます。 二番目の大学附置研究所と申しますのは、たとえば東京天文台その他の大学附置の研究所が十九ございます。各大学附置運営研究に必要な経費が一括計上してございます。三番目の大学附属病院と申しますのは、大学に附属しておる病院が全国で十九ございます。この附属病院の運営研究等に必要な経費を一括計上したものでございます。 以上はなはだ簡単でございますが、さらに御質疑がございますれば承つてお答え申し上げたいと思います。
○辻委員長 次会は公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会