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16回国会衆議院1953/10/21

農林委員会農業共済制度に関する小委員会 第10号

発言数
28
登壇者
3
会派数
2
開催日
1953/10/21

会議録

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 これより会議を開きます。  本日は一昨日に引続きまして、過日示されました政府の考え方に対する御質疑なり御意見を委員各位から述べていただきたいと思います。  それでは資料の配付があるまで、私から政府にお尋ねを申し上げたい点がありますから、二、三御質疑を申し上げます。  まず第一に、第十六国会を通過いたしました市町村合併促進法に基きまして、現在市町村合併の機運は著しく促進をされ、また実行されておるのであります。しかるに現行法規によつては、旧行政区域の市町村の共済組合が新たなる行政区域においてそれぞれ並立をし、それが同一条件であるならばそう矛盾もないでありましようが、いろいろな条件が旧行政区画によつて相違しておる。そのものが一つの行政区画に入つておるのでありまして、この点について先般の公聴会の際にも、相当適正規模の問題が実際問題として多くの参考人から述べられ、われわれももつともだと考えておりましたが、政府はこの市町村合併の急速なる展開と共済組合の適正規模との関係については、どういうふうに考えておるのか、また現実に町村が合併され、その中に並立しておる旧行政区画の共済組合の再編成についてどういうふうな措置を講じようとするのか、まずその点をお尋ねいたしたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 今の市町村合併と共済組合の規模との関連の問題でございます。私ども町村の合併につきまして、共済組合がどういう影響を受けるか、あるいは町村合併のことを契機としまして共済組合の規模をどういうふうに持つて行くのがよろしいかということについては、十分検討をいたしておりません。と申しますのは、根本的な問題といたしまして、共済組合の責任と申しますか、現在では共済責任でございますが、それを一体どの程度今後の改正案で認めて行くか、あるいは考えて行くかということに実はかかると思うのであります。もう一つは、そういう責任の問題とは別に、共済組合としての単純な事務の量の問題もございますが、それよりもつと根本的改正ということになりますと、共済責任の問題で、農業災害といつた災害に対する危険の分散といつたことが、一体どの範囲で最小限度に考えられるかという問題と関連して考えられはしないか、あるいはまた損害の確定といつたようなことからいつても考えられるかもしれませんけれども、根本はやはり共済責任、あるいはまたさかのぼつては、被害の起り方がほぼ同一的な地帯を一つの区域にするということがよろしいのではないか、あるいはどの範囲の大きさであればある程度の危険分散ができるかということと関連して考えらるべきであつて、町村の自治体としての合併ということと、今申し上げましたようなこととは必ずしも関連が実はないように思うのであります。従いまして、たとえば共済組合としては、あるいは郡単位の方がよろしいのではないかというような見解も生じ得るのではないかと思うのであります。しかしそういうことを別にいたしまして、ほぼ現在の町村単位の共済組合で責任もせいそれぞれのところ一割、場合によつてはそれを削減してよろしいといつた程度の共済組合を前提として考えまする場合には、これまた問題が違つて参りまして、非常に狭小な村に一つの共済組合があるというふうなことは、事業分量の点からいいまして、不経済な面も多々生じて参ることは想像にかたくございません。そういう点は町村合併に即応して、共済組合についても合併されることがむしろ望ましいのではないかと思いますけれども、町村合併イコール共済組合の合併ということには必ずしも考えておらないのであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 そうしますと、適正規模設定の基準というものは、必ずしも町村の行政区画に一致しなくてもよろしい、こういう考え方のようでありますが、私の言つておるのは、二つ質問があるので、一つは適正規模の基準いかんということなんであります。それについては郡程度という考え方もあるということでありますが、大体において耕作面積なりあるいは農家戸数なり、それらを総合された総生産力なりあるいは地形的にいつた面、これは単純には割切れないと思うが、少くとも現在の経営規模では組合自体の経営ができないという貧弱組合のあることはこれは事実であつて、これに対してかりに現行法を大幅改正で行くといたしましても、これはあとで聞きますが、賦課金の問題とかあるいは局長の言われる危険分散の問題とか、いろいろな点において甚大な関係があるのです。ですからその基準について、やはり当局は責任のある検討を加えられて、もうそれがあつていい段階だと私は思う。その点について尋ねておる。  いま一つは、町村合併とは直接関係はないことは私も知つております。知つてはおりますが、現実に促進法が通過し、また町村のそれぞれの認識も深まつて、大体人口八千人というものを目途として町村合併が進行しておるのです。その中にいろいろな条件の違つた組合のあることについては、これは急速に何らかの措置を講じなければならないはずなんです。かりに新たな共済制度の出発をするにしてみても、今度はおそらく再出発の気持でやらなければならぬ。そういうときに市町村の行政区画がかわつて、そうして市町村自治体にも大きな転機が来ておる。従来の共済組合の単位は行政区画単位にでき上つておる。ですからこれとの関係を無視することは私はできないと思う。これについて一体どういう措置をするかということの二つを聞いておるのです。今の小倉局長の御答弁では、何かまだよく私には理解されないのですが、いま一応……。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 今の二つという御質問の点でございますが、それは必ずしもそういうふうに二つにはわけられないと思うのです。一つは共済団体の区域なり機能をどうするかということは、一体どういう仕事を考えて行くか、現在の制度をほぼその通りで考えて行く場合と、それから内容がかわつて行く場合とは、これはおのずから問題も違つて来ると思います。従いまして、その共済事業の内容自体が相当広汎に深くかわつて行くということを前提といたしますと、そのこととの関連においてでなければ区域は考えられないと思います。従つて町村との関係も、それだけからは簡単には論じがたいように思うのであります。現在の制度をほぼ建前として考える場合には、私はほぼ見当もつくかと思います。現在の制度でも、もちろん御質疑の通り町村と必ずしも有機的に関連がなくてはならぬということは一つもないのでございます。協同組合と同じように、やはりどうしても村単位にできておる。ことに共済組合の方はさような関係に相なつておるのであります。従いまして一方町村合併が進行すれば、共済組合につきましてもそういうことが直接間接に影響があると思います。ただ私どもは、町村合併がありましたからといつて、ただちに共済組合もそのまま統合されるべきものであるというふうに考えておりません。一般的にはむしろそういうふうに考えております。ただ先ほど申しましたように、非常に現在の組合の単位が狭い。村自体の区域が非常に狭い村があり得るのですし、またそういう県もあるのでありまするから、そういう村が合併されて適正規模な村になる、こういう場合には、おのずから共済団体も統合される方か私は望ましいというふうに考えております。機能をどうこう、こういうふうに経営の事業分量からいいますれば、おのずからどういう範囲で考えなければならぬかということも出て来ると思います。出て来ると思いますが、現在の制度を建前からすれば、職員が約二人でもつて、関係の良民なり、米麦等の作付面積とか、あるいは牛馬頭数といつたようなことがほぼ考えられますかり、全般的に共済組合を統合するということは、この際その必要性は感じておりません。ただ町村合併が促進されまして、あまりにも狭小だつた村あるいは組合が合併されるということは望しい、またそういう方向に指導さるべきであるというふうに考えておるものであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員会 たいへん消極的で、かつ慎重なんですが、慎重であるということは私はわかります。わかりますが、そうすると現在の共済組合は行政区画外にまたがつてできておるという事例がありますか。共済組合は少くとも現在においては市町村行政区画単位にできておる。家畜共済の場合は家畜の頭数等が対象になつて、診療所中心に一つの規模が決定されておるように私どもは承知しておる。この間の公聴会の際においても相当問題になつて、不良組合というか、不振組合というか、そういうものは主として戸数の少い、栽培面積の狭小な村に非常に多いということは、事実において証明がついておるわけなんです。そのものを指導するべきであるというような、そういう消極的なお考えでは、これは一面どうせ抜本的な改正をするのだから、そのときにやるのだというような気持はわかりますが、少くともこれに対しては、相当まとまつた指導方針というものがもうすでになけらねばならないはずなんです。町村合併があろうがなかろうが、元来なけらねばならないはずなんです。それがまだないというようなことでは、少し手ぬる過ぎる、言いかえれば、少し慎重過ぎはしないかと思う。これは市町村合併があるなしは問わず別の問題です。しかもその町村合併は急速に進んでおるではないですか。これに対する法的の措置とか、あるいは行政的な措置ということになれば、これは困難であるかもしれませんが、少くとも農林省としての指導方針は確立しておらなければならないはずなんです。すなわち適正規模の基準、町村を合併した場合における共済組合に対する措置というものは、おのずからなけらねばならぬはずだと私は思う。だから局長の今の答弁ではどうも納得が行かないのですが、私の言うのが無理でしようか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 私、御質問の趣旨がわかつておらないのかもしれませんが、私どもが考えておりますのは、共済組合に限りませんけれども、農業団体の仕事等から考えますと、その事業の分量なり、あるいは仕事の性質からいつて、どういう区域が適当であるかということは、実はあまり検討いたしておりません。と申しますのは、そういうことを検討いたしましても、その通り運用する、指導するということは、ほとんど不可能なことのように私どもは考えるわけです。現在の共済組合でも、区域については、何ら法律上制度上の制限はございません。従つて自由にできることになるのでありますが、実質は先ほど御指摘のようにほとんど村の区域にできておるわけです。しかし、村が合併した場合に、はたして新しい村の区域通りになるかというとそうではありませんで、過去の村の伝統ということがありまして、多くの場合はむしろ合併しないで、そのまま残るであろう、また無理に合併を慫慂しないのがいいのではないかというふうに思うわけです。ただ、非常に狭小な地帯であつて、あるいは御指摘のような、そのために非常に事務の能率が上らない、経営もはなはだ不振である、こういつた現在の一般の平均の村よりも非常に小さな村であつても、そういうところに村別に組合ができておる。しかもそれが町村合併された、こういつた場合には、私はやはり合併に持つて行くのが妥当ではないかと思います。ただこの場合考えなければなりませんことは、先ほども申し上げましたように、単に仕事の分量というだけではちよつと参らぬ点があるのではないかと思うのです。それは危険分散といつたこととも関係しますし、さらにまた料率のきめ方が一体どういう範囲できまつておるかという現在の状態あるいは将来の状態にも関連があると思います現在ではほぼ町村別に町村別といいましても、組合別といつた方が正確かもしれませんが、危険階級をわけまして料率をかえておるのでありますが、それを合併することによつて料率にどういう関係を持つて来るかというふうなこともございまするし、従いまして共済組合の規模の問題は、町村合併といつたことを契機として考えるよりも、今後制度のあり方として、末端の単位をどういうふうに考えるか、これを団体に考えるのか、町村という公共団体まで考えるのであるか、あるいは責任部別をどういうふうに考えるか、全然責任を負わせないか、あるいは現在の一割程度の責任を負わせるというふうに考えるか、そういうことが組合の規模を考える場合に、決定的な問題であろうと私どもは感じておるわけであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 私はまだよく納得いたしませんが、あまりこの問題に時間を費してもどうかと思いますから、次に移ります。  一昨日示された改正についての考え方というもののBの「(A、Bの場合事業運営の厳正化を図るための措置を併せ講ずることとする。)」というきわめて抽象的な言葉がつづられてございますが、これはしばしばこの委員会でも議論されました共済保険金と掛金との相殺、あるいは賦課金との相殺というようなことが常識的に行われておる。中には厳正に掛金は掛金、賦課金は賦課金で取立て、共済保険金の支払いは支払いで厳正に行われておるところもあるでしようが、全体としてみたところ、この農家は幾ら掛けておるのかということについても正確に知つておらない。そして非常にこれに対して不満を持つておる。しかもこの共済保険金が来ても、それは農協の口座に振り込まれて、もらつたこともはつきりわからない。もちろん現金の手渡しというようなことはきわめて少ないという事例が全国にわたつてあるようであります。この点について掛金を、あるいは賦課金を徴収するということについても、厳正的確に行うと同時に、相殺などということはみじんもあつてはならない。いかような少額の共済保険金であつても、これは正確、厳正に現金によつて被害農家へ支払うべきである。この鉄則が守られていないところに運営上から来る農民の不信を買つておる点も私は相当あろうと思う。そういつた点に何らかの新たなる構想がありますかどうか。私はこれは乱暴な意見ですが、も上現行法に改正を加えるという場合に、たとえば農地に対する固定資産税というものに、賦課金、あるいは掛金というようなもので賦課徴収し、これは町村に入つて来る。農民から取立てられるものは町村の金庫に一応入り、それから共済保険金は共済組合を通じて正確に農民に払われるというふうに、これは深く検討した考えではありませんが、とにかく支払保険金と掛金、あるいは賦課金というものを截然と区別してしまうというような、何らかの措置が講じられないというとずるずるべつたりで、この制度というものの真意がますます農民から離れてしまう、そういつた点に思い切つた措置が講じられなければならないはずだと私は思います。このABはそういつた意味の事業運営の厳正化ということ、これは必ずしもこの面のみではありませんが、特にそういつた点が重点ではないかと思うのですが、これらの点について何か構想がありますか。また御意見があれば聞かせていただきたい。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 ただいま具体的に御指摘の掛金と共済金との関連につきまして、掛金の徴収を確実にし、共済金の支払いを適正円滑にやるという意味においての適正化と申しますか、厳正化のためにどういう措置があるかという点については、これはなかなかむずかしい問題だと思うのです。一のABと書いてありますのは、制度自体はそう根本的な改正ではないというのでございます。たとえば共済団体というようなものについての考え方は根本的にはかえていないつもりでございます。従いまして掛金の徴収につきまして現在と抜本的にかえるということは、この考え方ではとられていないと思います。もし御指摘のように掛金を固定資産税の付加税というような関係、あるいはそうでなくても、何か町村の目的税的な考え方でもつて町村が賦課徴収して行くという考え方は、このABと離れても十分考えてしかるべき問題だと思うのでありますが、共済組合といつたような、いわば自主的な団体を前提にしては、そういうことはおそらく不可能に近いほどむずかしいのではないかと思います。共済事業を公営にする、あるいは仕事自体はそうかえなくても、主体を組合から町村へ持つて行くということでありますれば、そういうことが考えられると思うのであります。  それから共済掛金と共済金の相殺の問題でありますが、これは実際問題としてそういうふうになつてしまう事例がないとは保しがたいと存じます。ただ相殺を禁ずるといつたような、たとえば協同組合の出資金を支払うのに、共済組合の保険金を相殺してはいかぬとか、あるいは組合員が掛金を、組合に納める債務を組合に対する債権でもつて相殺してはいかぬといつたような、同じような趣旨でもつて相殺を禁止するということはできがたいと思います。と申しますのは、本来掛金を納めていない者に共済金を交付するということ自体がすでにおかしいのでありまして、そういう処置は自己矛盾をした規定になるわけであります。従いましてその点について政府としてどう厳正化を期するかという点についてなお検討しなければ、ただちに御参考になるようなお返事ができないと思います。ただここで「厳正化」と書いておりまするのは、これは小委員長から御指摘のように、その点だけではなしに、他にもいろいろ考えられております。たとえば共済金を払います場合に、何のたれべえには幾ら共済金を払うぞということを組合に公示させる、あるいは連合会に対しては、どこの組合にどれだけの保険金を払うぞということを一般的に公表させる、こういう公表の義務を課することは、制度としては非常に簡単なことでありますけれども、実際は厳正化を期する上に非常に役立つのではないかとも考えております。  それから「事業運営の厳正化」と申しまするのは、先般の国会で役員の責任の強化あるいは組合に対する監督の厳重化というようなことに関連して、いろいろ御議論のありましたような点につきましても考えておるのでありまして、役員あるいは職員の責任をどういうふうに規正して行くか、別に官庁の監督を厳重にするということばかりではなしに、役職員の組合に対する責任というものをもつと明確にするという意図でもつて処置をする必要があるのではないかというふうに考えておるのであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 それから補償制度は農作物共済のみに限らぬわけではありますが、農林省の考え方として示されたものの中には、任意共済については全然触れるところがない。たとえば九州における菜種の被害、これに対する法的欠陥から救済の道は別途な措置によつて講じられなければならないという事態が現実に起きております。また本年の八月成立した農産物価格安定法にも菜種は入つておる。国が買上げの責任とまで強くは言いかねますが、自主的調整を行うものとの間において契約された量については国が責任を負わなければならぬということになつておることは御存じの通りでありますが、こういつた地方の特殊の、しかもその県に限つて重要物産であるというようなことについて、自主性をもつて行つた任意共済が、その出発当初から一撃を食つて、すでに壊滅せざるを得ないというような事態がある。そうすれば、任意共済の道は開いておつても、事実は行えないという結果になりはしないか、これは法の大きな欠陥ではないかと私は思います。任意共済を自由性によつて認めながら、しかも国の保護に基く組合によつて施行させておきながら、それについては、国は、法の上から救済もできない、万一の場合に備えて救済もできないというようなことでは、非常に欠陥があると思うが、こういつた農作物の中の任意共済等については、どういうふうに考えておるのか。また農家の建物であるとかその他の任意共済の面もありますが、少くとも共済制度の改正ということをわれわれが考える以上は、いやでも応でもこの問題に入つて行かざるを得ない。臭いものにはふをたしておくということでは、今度の改正は私はおそらくできないと思う。それらのものを端的に取上げて、これに対する解決策を示さなければ、今度の改正は意味をなさぬと私は考えております。ただあたりさわりのないものだけをそつとさわつておくというような程度では、結局この改正は竜頭蛇尾になる。従つて農民の心理から離れ離れたこの制度は、最終的には野たれ死にをする、こういう結果になると思うのです。ですから相当痛い問題も、これを卒直に取上げて、爼上に乗せ検討して行かなければならないと私は思いますが、その点について経済局長はどういうふうにお考えですか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 任意共済の問題につきましてはこれは、もう私からるる御説明を必要としないほど、昨年あたりから国会でもいろいろ御論議がございましたので、問題の所在もほぼ周知のことでございますし、またどうしたらよいかということについても、そうむずかしい問題ではないと思うのであります。ただ政治的な関連がございますのでむずかしいだけの話で問題の所在をどうしたらよいかということを考えることは、非常に簡単なことだと私は信じております。そういう問題と比べましてこれまでいろいろ任意共済以外の問題につきましても御論議がございましたが、またわれわれも考えておりますが、それらと比べまして、任意共済の問題に劣らぬほど、現在私どもの考えている点も実は重大な問題を含んでいる、あるいはそれ以上むずかしい問題を含んでいる。技術上、事務上からむずかしいばかりでなく、政治上のむずかしい問題を含んでいると思います。任意共済の点につきましては、御承知の通り、共済事業の方におきましても再保険制度が欠けておる、それを何とかして補うということが一番よい方法ではないかと思います。それから協同組合の関係におきましては、任意共済について、いわば共済事業の事業法的な規定が欠けている。それを補う必要がどうしても出て来るわけです。そこでその両方をにらみ合せながらどう解決して行くかということでございますが、協同組合の任意共済も災害補償の任意共済も、実は仕事の内容は同じようなものでございます。二つの制度がどうしてもいるということはないので、これは一つであつてしかるべきである。一つであつて中央の再保険組織は一本でよろしい。また共済事業でありますから、県段階では一つのそういう団体があつてしかるべきである。末端は実情によつて共済組合がやつてもよいし、あるいは協同組合がやつてもよろしい、こういつたかつこうで実は事務的に考えておるのであります。それが一体できるかできないかという点は、実は私どもの判断の能力を越えておりますので、それがどういうふうにしたならば実現できるかということについては、むしろお知恵を拝借いたしたいのでございます上、また事務的にそういうことを考えております点が妥当かどうかということについても、御批判を受けなければならぬと思いますが、その問題についてどうだということを御質問になれば、私どもの考えておる点は、ごく概略でございますけれども、以上のように考えているのであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 その点はその程度でよいでしよう。  最後に、本年の異常天候から来る病虫害防除の関係を見まして、植物の防疫法と共済というふうに今後結びつけて行くべきかというようなことについて、先般他の委員からも御質疑があつたが、自分の所管外であるからその点については何とも申しかねる、こういう局長のお話でありました。しかし所管外であつても、この点については、私はあまりりくつから言うのではなくして、現実に問題が起きている。従つて、これは局が違つておつても、農林省としてはある一つの構想が立てられてしかるべきものだと思うが、この点について私もよくわかりません。どうあるべきなのかわかりませんし、自分としてもこうあるべきだというようなピントすらもまだないのでうりますが、これは少くとも速急に改良局等ともよく連絡をされて、農林省としての今後の病虫害防除の基本的な方針、それに伴う機構あるいは実施面というような点について、一貫性のあるものを、この共済との関係において検討される必要がありはしないか。先般の公聴会においても、病虫害の防除費に対しては、少くともこれをカバーする改正を必要とするという意見が皆さんの意見であつたようであります。問題はすでに出ておる。その点について、今申しましたように、局と局とわかれておつても、対象の農民は別人ではないのでありまして、今後御検討になる用意がありますかどうか。もしあるとすれば、どういう方向を考えておいでになるか。局長の私見でもけつこうであります。まとまつたものがあればなおけつこうであります。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 この前の御質問は、主として病虫害防除の実行主体と共済団体との関連で、共済団体を一元的に防除の主体あるいは防除の実行機関にした方がいいのではないか、こういう御説であつたのであります。農林省といたしましての考え方を申しますと、末端の県以下の実行団体というものにつきまして、画一的に協同組合であるとか、共済組合であるとか、あるいは町村であるとか、場合によつては農業委員会、こういつたものを指定するということにいたしませんで、村の実情に応じてそれぞれ適当な団体が相協力してやつて行くというのが現在の農林省の方針であります。それを画一的にどの団体にやつてもらつたらいいかということをきめた方がいいかどうかということにも問題がありますし、また画一的にきめるような適当なあるいは実行力のある団体が一体あるかどうかということになりますと、やはりそれ場に若干の不安があるというわけでございますのでさしあたりは現在の方針で行く以外にはないかと思います。実は小委員長もおそらく防除との関係におきまして、そういう問題のほかにもつと根本的な問題を含めての御質問だと思いますので申し上げますと、一つは、病虫害防除のために、国が制度としてもあるいは補助金としても相当の施策をだんだんに講じて参つておるのにかかわりませず、病虫害を理由とする損害の発生は相かわらず多い。むしろ増大をしておると見とれる節もあるわけであります。一方国が非常に補助金を厖大に出しまして、率は少いのでありますけれども、金額から申しますとだんだんに増大して参つておりますが、しかも他方共済金も多くなつて来る。これはやはりどこかに欠陥があるのじやないかということを疑わしめるのであります。  それからもう一つは、病虫害の補助金があるとは申しながら、一生懸命防除するには補助金が少な過ぎる。十分な防除のための費用は一体どこから出て来るか。防除をして収穫があればそれによつて回収される分もありましようが、防除を十分にやる、しかしながら必ずしも収穫は所期の通り上らなかつたというようなことももちろんありますので、防除費の補償というのをどういうふうに見て行くか。米価に含まれるように見るか、あるいは補助金で考えて行くかという問題があると思います。この両面を十分に私ども検討したいと思います。もちろんまだ結論には達しておりませんけれども、病害虫の防除のための薬代の補助と、病害虫を事故とする保険金の支払いとの関連、それから病害虫の防除の農家負担金について、補助金以外に何らかの補償の措置をとるこういうような点を研究したいと思います。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 もう一つだけ伺つて終ります。この間の刷りものC項ですが、引受けの単位を町村にする、但し共済関係の細目は、知事の認可を受けて町村が定めるとあるわけであります。要するに、その町村における共済の細目が保険方式をとつてもあるいは備蓄方式をとつても、知事の認可を受ければ大体においてそれでよろしい、いわゆる町村の自主性というものの尊重という意味が含まれ、また町村の意思が備荒貯蓄的な面に重点が置かれるならばそれもよろしい、こういうふうにも考えらます。これは相当画期的な考え方のようでありますが、備荒貯蓄等について何か相当御検討になつておりますか、その大綱的なものでもこういう考え方があるとかないとかいうことをこの際承つておきたいと思います。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 Cの考え方は、町村内部の共済につきまして、できるだけ自由に弾力的な運用ができるようにし、しかもそれをバツクするために町村単位以上を越ゆる部分についての的確な保険を考えて行く、こういう二段構えの考え方であります。そのうち備荒貯蓄につきましての御質問でありますが、これはもちろん一種の貯蓄として考えておるのでありまして、定期預金で申します定期積金というふうに考えております。定期積金であつてただ途中で災害が起れば、その期間が満了しないときにおきましても、一定の払いもどしをするか、あるいは一定の金融をするということを保証する、こういう考え方です。一部は払いもどしをして、足らぬ部分を金融で行くか、あるいは払いもどしは満期になつてからやる、全部途中の災害については低利の金融でやつて行く、こういう考え方をいたしておるわけです。期間は十年くらいにでもしまして、一戸当り十万円としますか、二十万円としますか、その辺はいろいろありましょうが、そういうふうにして、定期積金の利子につきまして国庫ができるだけ補給する。従いまして普通の協同組合でやつておりますような現在の定期積金よりは、積金が少くて一定の金額に達する、しかも災害が起れば積金の目標額の範囲内において融資ができる、こういつたような措置を考えておるわけであります。その場合町村以上の保険とのつなぎでありますが、町村内部は、さような一種の貯蓄でありますので、保険にはならないわけです。そういう貯蓄的なものでカバーできないような大災害と申しますか、町村では何ともならないような災害については、町村単位に保険料を上の方に納めて行つて、その保険料を基礎にして保険金が町村に下つて行く、その保険金でもつて金融のほかに現在で言えば共済金みたいな交付をして行つたらどうか、こういう考え方で、まだ熟してはおりません。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 まだほかにありますが、私ばかりでは何ですから、他の人にひとつ……。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 ちよつと伺いますが、この間詳しい説明を聞いてないので、あるいは多少脱線があるかもしれません。現行制度の強制加入に伴う難点を改正する、こと言つておられますが、強制加入の難点をどこにあるとお考えになつておられましようか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 強制加入の難点と申しますのは、実は災害補償制度についてのいろいろの難点のほとんど大部分と関連があるわけであります。農家の側から言えば、災害補償制度についていろいろの不満なり注文があるにかかわらず、それは無視をして、一方的に制度として当然加入させるということでありますから、よほど注意をしないと制度の改正ということはなかなか行われがたいのであります。そこに多少とも自主性あるいは弾力性がございますれば、その批判なりあるいは希望に基いて、制度を村の実情に合せて行くようにくふうして行くということが、国としても当然現在より以上におそらくやらなければならないでしようし、組合を経営している理事者にいたしましても、より以上にくふうが必要になつて来る、そういうことの上に、納得づくで全国的な共済制度が成立するという基盤がそこに出て来る。法律の強制の上でいわば難渋しておつては、いつまでたつても農家に得心の行くような制度に組立てができない。そこでこれはたいへんな冒険でありますが、そこに自由の制度を多少取入れまして、役所も団体側も、あるいは農民の方も一致しまして、欠陥を具体的にここにはつきりしまして、それを解決して行く、かはうなやり方ができはしないかというのがねらいであります。従いましてこの難点と申しますのは、たとえば共済金がもらえるのが少いじやないか、さかのぼつて申しますれば、共済金額が低いじやないかとか、あるいはうちの村はそんなに災害がないのに危険率が高く、掛金が高過ぎはしないか、こういつた点でありますとか、あるいは損害評価がいいかげんであつて、ちやんとした評価をするにかかわらず、一方的に上の方から画一的な査定を受けるといつたようなこと、そういつたもろもろの難点に対する批判のはけ口を、制度としても確保しておきまして、そうして批判ができたところで具体的に問題を解決して行くというために考えたらどうかということであります。ただ自由主義ということでもつて自由意思ということだけではございません。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 ぼくらもしばしば共済に対する不正を聞くのですが、結局問題は掛金の高いことと給付が低いこと、今局長が言うように、災害は均等に来ない、患は均ならずで均等に来ない関係から、掛ける方にまわる者はしよつちゆう掛けておる。掛けつぱなし、給付をもらう方は、そればかりもらつてもしようがないということで、両方からの支持を失つたところに共済が宙に浮いておるというような形で、任意加入の声も大分あるが、根本的には任意加入では共済というものは成り立たぬとぼくらは思うので、自由にやれる部分を相当取入れると言われるけれども、基本的にはやはり強制加入でなければならぬのじやないかと考えるのですが、大体強制加入に伴う難点を改正するというので、任意加入にするという考えではないのですね。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 任意加入にするということではありません。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 その点はそうだとすれば、やつぱり問題は掛金の高いことと給付の低いこと、それから災害の多い地域とあるいは少い地域と、ときには災害の危険性もあるという段階を区分して、そうして掛金あるいは給付であんばいするならば、今の共済でも救済できるのではないかと思うけれども、何かこの点についての改正案の具体的なものでもありますか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 ただいまのお話ですけれども、もちろん現在の制度によりましても、危険の高い地帯は掛金が高い、低い地帯は低いということを、できるだけ実情に合うように措置をいたしておるわけです。災害の危険の高い所は掛金も高いということは当然でありますか、そこで一方は国の助成、国庫の掛金の負担ということになつて、高い地方でも、絶対額は高いのですけれども、農家の負担する比率から言いますと、危険が高い程度には高くはないということに制度としてはいたしておるわけです。ただ実際問題といたしまして、まつたく事実の通り、そういうふうに料率を上げるということになりますと、危険の高い所は非常に掛金が高くなる、低い所は安くなるという実態になるのでありますが、それでは高い地帯の農家が因つて来るということで、必ずしも危険というものも実態に合わないということで、若干そこに緩和されていることは申すまでもないのであります。それはまあしかたがないのでございますが、さようにいたしまする危険階級のわけ方が、一体実情に合つているかどうかということになりますと、そこになお若干疑念がありまして、それをもつと具体的に、村の危険と料率とを関連させるということになりますと、そこにやはり組合員ない上組合の意思をある程度反映させて、組合の方から共済制度に対しての声を十分反映させられるような仕組みにしておく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけです。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 ぼくはそういう関係から、災害を受ける程度は絶計等から見ると大体わかるので、大まかに三段階にわけて、これを掛金で区分するということを考えているのですが、同時に給付はやはり引上げなければ、今の率では——今度の冷害対策で全国一致した考え方は、共済対象を三割にしているが、これを二割に引下げよう、そこまでの要求が一貫したあれじやないかと思うのだが、三割を二割に引下げることに対する局長の考えはどうです。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 私ども、なるべくこの補償の範囲と申しますか、内容を充実することについてまつたく大賛成であります。またそういうつもりで制度を運用して参りたいと思いますが、補償の内容を充実することについて二つの制約があるわけです。一つは常々かける掛金が高くなるということです。これは国が負担するにしても財政負担になるし、農家が負担するにしても農家負担になる。それからもう一つは、限度を引上げるということは損害評価との関係がありまして、損害評価というのはどの程度適正に行われるかということであります。どうしても若干の誤差というものがございますので、あまり補償の限度を損失と同じようにくつつけて行きますと、要するに損害の起らないところを補償するという弊害がよけい顕著に出て来る危険があるわけであります。その両点を加味して考えながら、補償の限度を引上げるということにつきまして、現在の一筆単位ということよりも、そういうことであれば村単位、農家単位でやつた方がよろしくないかと思うのです。あるいは石当りの共済金額をきめまして、石当りの引受けにして行くというふうなやり方が考えられると思います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 ぼくはこう考えるのです。それは給付を引上げれば掛金は高くなる。共済だけで全損害を補償するということは非常に困難です。被害のどの程度を共済で見るか、あとは国の補償でやるか、全体とにらみ合せてこの割合をきめる必要があるのじやないか。そして給付を引上げる、掛金は三段階にわけて、災害の多い所と少い所と中所と掛金の率をかえて行く、そういうことは新しい一つの考え方ですが、共済には再保険はついているのだけれども、局長のさつき話した何かのあれにちよつと出ているようだが、満期保険というものを考えてみるのもおもしろい構想だけれども、何かそういうことを考えたことはありませんか。一定の年限掛けて行つて、災害にあわなかつた場合は、その全額返すか何割返すか、それはそのときの決定ですが、返す。そうすると掛金は高くなりますよ。高くはなるが、一つの貯金のような観念でかけられるという構想なんですが、何かそういう研究はありませんか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 農業保険でも、家畜なんかにつきましては満期保険——養老保険ですか、ああいうような生命保険的なものが考えられるかとも思います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野委員 しかしこれは期間の設定で考えてよいものじやないかと思うので、ぼくはそこまで研究してないけれども、そういう点もひとつ考えてほしいし、根本的に共済という制度を残しておきたいと思う。自由加入、任意加入にしたら、おそらく共済制度は維持できなかろうと思う。そういう点が今度の改正の一つの要点になりはしないかと思うので、研究を願いたいと思うのです。この法律は、昭和二十三年にできてからずいぶん改正されてをりますが、一つも本質的な改正になつておらぬ。今度は根本的な、しかも宙に浮いている共済にてこ入れするような改正案をつくりたいと考えておりますが、大分時間の催促もありますから、次会に譲つておきます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 お諮りをいたします。当初の方針では、閉会中少くとも十月一ぱいに小委員会の意見をとりまとめることになつており、その方針で今日まで審議を続けて来たのでありますが、凶作等突発的な事態が各地に惹起いたしまして、農林委員会もその方に主力を注ぎましたために、非常に審議が遅れますことは免れないと思います。従つてこの際委員にお諮りを申し上げて御了解をいだきたいのでありますが、小委員会の意見を早急に定めたい。臨時国会中に小委員会をさらに再開して、その臨時国会中には少くとも小委員会の原則的な意見のとりまとめをいたしまして、もし必要がありますれば、小委員長においても、皆様方から文書あるいは口頭をもつていろいろと御意見をいただいておりますので、それらをよく咀嚼いたしまして試案的なものをまとめたいと思つております。いずれにいたしましても、近く予想される臨時国会中に小委員会の原則的な意見をとりまとめ、これに対して政府の検討を求めまして、必要があるならば、国会議員をも含めた審議機関のようなものをつくつていただいて、この原則の具体化に努力をいたし、もし結論が得られるならば、通常国会にこれを法案として提案をするような方針でもつて、今後審議を進めて行きたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員長 それでは御異議がないようでありますから、従来の審議の方針を若干かえまして、以上申し上げましたような考え方でもつて今後この委員会を運営して行きたいと思います。  それでは本日はこれで散会をいたします。     午後二時四十七分散会

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