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16回国会衆議院1953/10/27

農林委員会 第41号

発言数
54
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/10/27

会議録

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 これより会議を開きます。  冷害、凶作対策に関して議事を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。金子君。

金子與重郎改進党

○金子委員 官房長にお伺いいたしますが、政府では一応今度の冷害に対して七十億、なお純粋に言えば五十億の予算を大体決定しておるようでありますが、それに先だつて官房長が大蔵省から折衝を受けまして、既定予算の削減をどういうふうな経過をたどつて、どれだけ削減をしたか、それに対する資料があれば資料で説明していただいていいのですが、なければあとで資料をもらうごととして、概略だけ説明してください。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 節約は公共事業を主としまして、一般的行政費を削る、こういう話であります。節約の基準は、当初閣議に議題となつたのは一割であります。しかし、一割はとてもできませんのて、治山治水事業その他の費目等との度合について、多少の変更がありましたが、一応三十億ということできまりました。その内訳は農地関係、林野関係、水産関係とありますが、具体的にぴちつとした資料は今手元に持つておりませんので、あとで資料として差上げます。ただちよつと申し上げておきますが、基礎になります公共事業の農林省関係は、農地関係が二十九億、林野関係は十億、漁港関係が二億、合計四十二億、一割で計算すれば、それが三十億になつておるわけであります。

金子與重郎改進党

○金子委員 そうすると治山治水関係で十億、農地関係で二十九億、そのうち農地関係で、これははつきりして去るかどうかわからないが、大体二十億見当削つたのですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 今ちよつと正確な数字を持つておりませんが、治山関係では十億、山林関係で十億は削らないつもりであります。従いまして農地関係が二十億内外になつておりますが、ちよつと今手元に資料が見つかりませんので、あとから差上げます。

金子與重郎改進党

○金子委員 大体三千億のうち、農地局関係は二十億見当だと思うのですが、この予算を削つた費目は、大体において今度冷害対策、救農事業として増加する面と同じ項目があると思うのですが、その点はどうです。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 御承知のように年度の進行しておる途中でありますので、すでに事業をほとんどやつておるというようなものは密約してもだめでありますから、たとえば大規模の、まだ国営で未着手のものもあります。そういうものから先に持つて行くということになり七六して現実には計画の遅れたものがさらに計画が遅れて行く、こういうことになるのではないかと思います。

金子與重郎改進党

○金子委員 ここには農地局の資料だけしかないが、ぼくの見る目ではそう見えない。これはたとえば国営関係は直接国がやつておりますから、これは工事が未着手だ、年度内には間に合わぬという問題が出て来るかと思うけれども、それ以外の補助費、助成費として各県に割当てる分は、どこの県でももう今年度は不可能だから返上するというのはほとんどないと思うのだが、この点はどうです。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 これは事業の旅行上、私どもとしましては非常に重大な問題でありますので、何といいますか、可能額といつては悪いのでありますが、最も最小限の影響で節約のできる額も、一応各局で出させまして、それをもとにして費目別に割当をやらせておるのであります。結局本来ならば節約できないところをやつておるのでありますから、相当無理が行つておるのはやむを得ぬ。しかしできるだけ最小限度にやる。それともう一つは、やはり事務の進捗ぐあいが悪い、責任を問われるというかつこうにもなるわけであります。予算が今年遅れたといいましても、八月までには本予算がきまつておるのでありますから、そこで予算を配置して置けばもつと節約は、絶対不可能だということでがんばれるのでありますが、いろいろな準備が遅れておつて、ねらわれたところなきにしもあらずということも言えるかと思います。

金子與重郎改進党

○金子委員 何か官房長の話では、まるでねこがねずみをねらつたような話で、食わぬでおいたらとられてしまつたというようなことで、そんなばかげたことはないので、本年度の施行事業は来年五月までできるのでしよう。その内容は農地局長を呼ばなければわからないけれども、土地改良事業のこまかい事業は、これだけ二十億ひねり出す上には必ず入つていると思うのです。そういうことをすると、結局今度の冷害対策七十億を看板にしていても、実質的には農林省関係は五十億で、そのうち三十億差引いたら、二十億しか政府は冷害対策を組んでいないということになるのではないですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 前の勘定ではまつたくそうであります。しかし内容的には実質的にかわつているわけであります。

金子與重郎改進党

○金子委員 それは金の勘定だけではない。いらないものを取上げて有用なものに出したいというけれども、それなら冷害対策として特に大きなことを考えなくつたつて、その予算を補正予算によつてたらいまわしをすればいいので、それを五十億出すと言つておいて、そうして三十億は取上げられてしまつたということでは話になりませんので、この点については特に委員長にお願いしますが、次に資料をもつて削減された農地局にしましても、林野庁にしましても、その当面の責任者に一ぺん来ていただきまして、その金はどういうわけでいらなくなつたのだということを、納得行くまで説明を聞かぬと、今後補正予算を修正する上に支障が来ると思いますので、次の機会にこの問題を掘下げて行きたいと思いますから、そのようにお願いいたしたいと思います

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 了承いたしました。

金子與重郎改進党

○金子委員 それからもう一つお伺いいたしますが、農林省として本委員会の趣旨を了解せられて、この前、あなたの方から大蔵省の方へ要求しました資料を出してあるのですが、あれに基いて立法処置を要する事項と、それからその中で、今政府が原案として、国会が開かれると同時にただちに提出しようとして作業している法律は、どんな程度のものですか、それを伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 その資料はただいますぐ届くと思いますが、まず第一に冷害対策の関係といたしましては営農資金の融資であります。その次は飯用米麦の安売りの法律であります。これに伴いまして営農資金、もう一つは予算に伴いまして農林漁業金融公庫に十億を入れることにしておりますので、それの出資を増加すること。それから保険の金を百三十億受入れますので、特別会計法の改正、これは大蔵省の所管になります。なお関連して御説明申し上げておきますが、西日本の風水害関係の法律は、九月の十三号台風までの災害にも適用するという法律が別途考えられております。

金子與重郎改進党

○金子委員 このうちで営農資金の貸付の法律は、この前非公式にあなたも参画した各党の話合いの会議でやつたように、大体風水害の基準にならつてやりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 これは今法案が来れば、それに基いて申し上げた方がいいと思いますが、大体その基準でやります。多少かわつたのは、この前は農業経営のため必要な資金ということであつたのを、少し広げまして、農業経営を維持するため必要な資金というようなことに直したこと、あるいは十五万円とありましたのを、北海道では二十万円というようなことにしたこと、開拓地について多少基準等で考える、そういう点であります。

金子與重郎改進党

○金子委員 きようあとで資料を出せるという法律はどれとどれです。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 それはただいま申し上げました冷害等被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法と、それから冷害等の被害農家に対する米麦の売渡しに関する法律、それから農林漁業金融公庫の出資金の増額等に関する法律、この三つではないかと思います。あとはまだ印刷にまわつておりません。

金子與重郎改進党

○金子委員 それではこの法律はきよう資料を出せますね。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 出せます。

金子與重郎改進党

○金子委員 出せますれば、その際に法律については承ることとします。この間あなたと当委員会の懇談会のときに、いろいろの事業を掲げたのだが、その中で法律措置を要するような考え方は、あなたの方は別にありませんか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 それは例の問題になつております自作農資金の問題であります。そのほかでは法律事項は全部了してございます。

金子與重郎改進党

○金子委員 それではこの法律については、資料が来てからまた説明があると思いますから、そのときにゆだねることとして、一番問題なのは、差引勘定で、残り二十億というのが、結論において今度の対策費だということは、了承しかねることなので、先ほど申し上げました私のお願いを、委員長においてはからつていただければけつこうだと思います。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 私は先ほどの金子委員の立法措置の問題に関連した点を先にお尋ねしたいと思います。すでに水害等の特別立法が二十四できているわけであります。今官房長の言われた三つの法律措置は、営農資金の問題と米麦の売渡し、それから農林漁業金融公庫の関係でありますが、このほかに、これは当農林委員会で処理することはできないと思いますけれども、災害地の自治体の財政が窮迫するということは必至でありますので、これに対する地方起債の取扱いの問題等は、水害地の特例もあるので、今度の災害基準の中に入れる必要があると思います。  それからもう一つは、同じく災害地域における国保の事業は——結局災害を今度受けた農民の数は、水害地域農民の数よりもむしろ広汎であるということが想像できるので、当該地域における国民健康保険組合の保険料の問題とか、あるいは保険税の納付等が困難になる場合においては、必然的に国保の事業が行詰まつて来るわけであります。これに対してもやはり水害地の特例と同じような措置が必要であるというふうに考えるわけであります。  それからさらに確認したい点は、二十二日の当委員会に示された七十億の冷害対策の予算のうち、二十億は建設省、厚生省、労働省関係の分で、そのうちに失業対策に関する経費と生活保護に関する経費等が計上されているわけでありますが、これがどういうようになるかということです。特に零細農家が災害を受けたような場合においては、土地改良をやるというような余地も、五割程度の助成ではなかなかないと思います。そういう場合においては、失業対策の一環として失業対策の方で取扱つてやつて行くという考えであるか。  もう一点は、生活困窮者、これは永続的に出るわけではないけれども、今年の冷害による減収で生活がすぐ困窮するという派生的生活困窮者、これに対する生活保護法の適用ということを考えてあの予算に計上してあるかどうか、この点をまずお伺いしておきたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 地方起債の特例とか、あるいは国民健康保険の問題については、それぞれの担当省と話合つておりますが、私の方から責任を持つてお答えする程度になつておりません。  それから生活保護の問題でありますけれども、これもどの程度まで生活保護を及ぼすべきかという議論をずいぶんやつております。私の方では、生活保護の今までの範囲が非常に少いから、営農資金なら営農資金その他の救農対策をやれという議論をするし、いや、非常に規模の小さいやつはそれでもやれないはずだから、失業対策なり生活保護でやれ、こういう議論をやつておるのであります。どの程度までその範囲を広げるかということもまだ結論が出ておりません。今までの議論では、農林省の方が全部見なければ農村では、生活保護の対象になるのは非常に少い範囲に限られているだろうという実際の点を、大蔵省では、いや厚生省の関係でもつと広げてやるのだと言つておる。こういう議論でまだ結論が出ておりません。いずれにしましてもはつきりすることによつて、たとえば今までより以上に生活保護の範囲が広げられることになれば、営農資金の交付等についてもある程度考慮せなければいかぬという問題も起つて来ると思いますが、現在までのところでは、従来の通り農業者の生活困窮者は、やはり営農資金と救農土木事業でまかなわざるを得ない、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 法的措置の問題は時間的に非常に急ぐわけであります。政府等は短期国会に終らせたいというお考えですが、そして金子委員のお考もそうだと思いますが、政府が責任を持つて、法的な措置を考えておる点はこれこれ、できないのはこれこれという態度を明確にしていただければ、これらは議員立法等の形においてさつそく作業をして間に合せるということの必要があるわけです。そういう点に対しては、官房長においても虚心坦懐に表明をされることを期待しておるわけであります。なお耕土培養法によると思いますけれども、水田秋落ち等の問題は、やはり冷害対策の一環としてやれるわけでありますが、今度の冷害の場合には、畑地帯の冷害も非常に地域が広いわけです。そういう場合において、手取り早く耕土培養とか耕土の改良等ができ得るような状態をも、何か法律の中に不備な点でもあれば、これを是正してやつてもらう必要があると思います。たとえば北海道の畑地帯の酸性土壌等に対しては、やはりこれは秋落ちと同じような取扱いをして、降雪期前に炭酸カルシウム等を散布して置けば、これは十分その効果が達成されるわけですが、これらの取扱いはどういうようにすればいいか。  それからもう一つは、行政費とか補助の削減の中に、積寒法に対する、たとえば総合施設の助成とかいろいろな助成等がありますけれども、これは積寒法も五年の時限法なんで、そろそろ終末の段階に入つておるわけです。こういう点に対しても、聞くところによると、やはり同率に積寒法の助成もみな削るけはいがあるということも聞いておるのですが、こういうことになつて、冷害地域がほとんど含まれておるところの積寒地帯に対して、一方においてこれを削減するということになると、右手で取上げて左手に移すというようなことにしかならないで、実質的には予算がふえないわけであります。官房長は、額の問題は少しもふえぬようなことになるけれども、冷害対策は成り立つというような、非常におもしろい議論を言明されましたけれども、結局は、実質的に冷害地帯にどれだけの国の投資が行われるかということなのです。だから額というものが非常に重要な問題になると考えます。こういう点に対しては、十分大蔵省との折衝過程の中においても、強い方針を堅持されて、たとえば国会がいろいろな関係で延びて、八月から予算が実施されるような、これは異例な状態なのであるから、その点も大蔵当局に十分確認させる必要があると思いますが、この耕土培養あるいは積寒法等に対する御所見を伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 耕土培養の関係はこの中に出ております。  それからただいまお配りした予算の中に、低位生産改良事業という中に、これは秋落ち水田対策、それから今の単作地帯の特別助成の節約、これは事務費は節約いたしましたけれども、事業費は節約しません。  それから今度の冷害対策の関係で、公共事業費の方の内訳の書類がまだ間に合つていないのだと思いますが、その中で臨時救農施設というのを四億五千万円入れておるのです。これは今度の救農施設は、町村ごとに林道であれあるいは土地改良であれ、農道等いろいろな助成の対象になつておる事業をやります。しかしそういうことのやれない地域も相当あるはずでありますので、そこに最も適した事業をやることにいたすのであります。これは今まで土地改良等で二十町歩というような制限があるのをはずしまして、当委員会等の御要望の小団地を対象にした事業をいろいろやつて行く。あるいはまた牧場の牧道の改修とかそういうものも考える。あるいはまた今言つた耕土培養等のものも考える。そこで今度のやり方では、県に相当骨を折つていただいて、県で町村別に被害程度に応じた労賃収入が落ちるような計画を立てていただいて、この補助金の均霑に漏れるようなことのないようにというふうなことで、今申し上げました臨時救農施設というのは従来の助成のわくに入らないものを拾つて行く、こういう考えであります。従いまして、これは今後私の方で府県と打合せまして、それぞれの村に最も適したものを入れていただく、こういう考えであります。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 事務費の関係の問題をちよつとお伺いしますが、この中にも統計調査関係のものが出ておるのですが、今度の異例の冷害等に対する調査の作業とかそういうものは非常に困難を加えておるので、追加的な必要もあると思いますが、また一面においては食糧事務所等においても、たとえば規格の引下げ等によつて五等米の設定であるとか、等外米の上下を超過供出の対象に入れるとか、いろいろな問題等が出て、今までの職員の任務よりも過重な仕事が非常にふえると思いますが、そういうような点に対しても行政費、ことに事務費の削減等の形で、一律に削るかどうかというようなことが非常に危惧されるわけですが、こういう災害等に付随した、これに携わる、関連を持つた農林当局の職員等の事務費等は、あくまで官房長においても確保することに自信は持つておられると思いますが、そういう点の経緯はどうなつておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 こういう災害でありますので、役人だけがよけいな手当をもらうということはできませんが、しかし特に統計調査部等では、災害がたびたび起りますので、定期の調査以外の調査を行いますから、従来以上の仕事の分量がふえております。そういう点については今度相当程度を計上いたしました。  なおそのほかの関係につきましても、できるだけそういうことは、満足とは言えませんが、処置したいと思つております。たとえば今お配りした中で、公共事業費の事務費等もある程度増額して載せておるのであります。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 原君。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員 今の芳賀委員の質問に関連して、二点お伺いしたいと思います。最初に、先ほどの失業対策事業ですが、これに実際農家が冬季救農事業、土木事業には参加しなければいけないようなことになるのです。もし農家が失業対策事業に参加することになると、現行法では参加する資格がないように思うのですが、この点何か資格があるかどうか、御存じでしたらお伺いしたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 私の方では一応救農土木、あるいは建設省の土木事業の方で、できるだけ賃金をとつてもらうという考えですが、今の失業対策費の問題は、まだ詳しく具体的に打合しておりませんので、今はつきりしたことを申し上げかねるので、研究いたします。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員 その問題は、水害立法もないのですが、特にこれと関連して新たに立法措置を講じていただかなければいけないと思いますが、聞くところによりますと、四畝以上の耕作者は失業対策事業に参画する資格がないということになつております。四畝以下のものというのはほとんどありませんから、実際問題としては救農土木事業に参加することができない。これに対しては急速に水害、災害両方に対しての措置をお願いしたい。  第二点としまして、今お話を聞きますと、いろいろ凶作その他に対しましての経費の増額をはかるというお話ですが、たとえば食糧庁その他全部、あなたの部下、部局同じですが、手足になつて働く人々が、超過勤務をするときに何時間まで許されておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ちよつと今記憶しておりませんが、あとでお答えします。

原茂日本社会党(左)

○原(茂)委員 不眠不休でいつも資料を集めておる部下のことをもう少し心配してもらいたいと思います。大体三時間以上は許さないようです。従つて現在のこの凶作あるいは災害時における作業をやつて行くあなたの部下にしては、とうてい三時間の超勤だけでは仕事がやつて行けないと思うので、最小限度五時間までは超勤を認めるような手続を、ひとつ早急に改めていただきたい。これを要望しておいて、質問を終りたいと思います。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 最後に開拓問題についてお伺いしますが、開拓者の場合、こういう問題が一つあるのです。これは春の凍霜害のときにもありましたけれども、開拓者の諸君は、比較的農業災害補償法による共済に入つておらぬわけです。それで春の凍霜害の場合においても、開拓地における麦の災害に対する共済保険金等の支払いはほとんどできなくて、それでこの救済をどうするかということが大きな問題になつたわけでありますが、今度の場合においても、そういうような事例は多々あると思うわけであります。それに戦後における緊急開拓等の開拓者諸君は、現在においても結局生産条件の非常に悪い、劣悪な地帯に入植させられておるので、ちよつとしたこういう凶作とか災害等があると、なかなか二年や三年では立上ることができないような状態であります。特に今までも、ほとんど政府のいろんな資金とか助成等だけに依存して、それが一つの支柱をなして来たような関係でありますが、この際今まで開拓者資金融通法とか、いろいろな関係で融資を受けておる面が非常に多いわけでありますが、こういうような年賦償還等によるところの返済の分に対しては、この際は当然延納の措置を認めるということが必至になつて来ると思いますが、それらに対する利子補給なんかの場合は、官房長としてはどういうようなお考えを持つておるか。それから今度の冷害対策に対しては、種子等は全額助成ということにはなつておらぬで、既存農家よりは高率な三分の二程度の助成、あるいは炭がま等に対しても、既存農家と違つて二割助成というようなことになつておりますが、こういうような点に対しても、特に開拓者に対する当てはまつた緊急措置等は、もう少し具体的にこの予算の中においても組まれてしかるべきと思いますが、その点はどうなつておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 開拓者の問題は、当委員会のお話等もありましたので、私の方としては、大体普通の農家の倍に近い助成等を考えて来たのであります。なおそれは炭がま対策、種子対策等に、ただいまお配りした資料の中でも出ております。なお営農資金等につきましても、これは被害の程度のきついところでは、三分五厘の五箇年以内ということになりますが、そういう程度にならないところでも、二年を三年と上、普通のところの六分五厘を五分五厘ということで、できるだけの措置を考えておるのであります。開拓地の開拓民等の意見も十分伺いまして、まずその程度でがまんしていただく、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 償還年度に入つている分については……。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 開拓地営農資金の償還のことだと思いますが、それは政府の特別会計でありますので、措置ができると思います。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 川俣清音君。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私は委員会の態度をきめる上に必要な主要な部分だけをお尋ねしたいと思います。今資料の配付を受けますと、農林省は最初内閣に出しました救農工事分として五十三億、それを第二次要求の場合には四十億に引下げ、さらに決定が三十億になつておるようであります。これに対して約三十億の節減でありまするから、救農工事としては、一銭もふえていない、こういうことになると思う。ただ内容がわれわれの要望いたしておりましたような、小団地に対する一つの補助を新しく見出したというだけ以外においては、金額においては何もふえていない、そういうことになると思います。ところがここで重大なことは、今まで政府の説明を聞いておりますと、予算が膨脹してインフレになるから、できるだけ要求を削減しなければならない、大体こういう説明であつたのであります。今までの説明は、予算が極度にふえるとインフレになるから、要求額をある程度で押えて行かなければならない——今までの説明では、金額をふやしてはならないという説明ではなかつた。ある程度の要求は押えて行かなければならないという説明であつた。ふえたものだけとつてしまつて、その内容をかえるというような説明は、いまだかつてこの委員会においては行われておりません。農林大臣も緒方国務大臣も、冷害に対する救済の熱情は非常に持つておるのだけれども、思うような増額ができないのである、こういう説明だつたはずであります。その点は官房長は御存じですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 インフレ論議は、要するに裏打ちのない金を出すこと、たとえば公債なり日銀の国債引受け等、そういう金が出て来ることが困るというので、税金その他そういうインフレ要因にならない金を使うのならばさしつかえないけれども、そういう金が少い、こういう話は承つております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そこで私は問題を二つにわけて、ひとつ議論をして行きたい。一つは、冷害のわれわれの要求に対して、その要求を認めたいけれども、予算が非常に厖大に増額することはインフレになるのであるから、それを極力押えて行きたい。要求を一つも認めないというような意見はなかつたはずだ。ところが救農工事を見ると、一銭もふえておりません。内容の組みかえは行われておりますけれども、一銭もふえていない。そうすると今までの大臣の答弁は、答弁だけであつて、はなはだ無責任だつたということになると思う。第二段として、この点はあなたの御答弁のように、生産の裏打ちのないような金を出すということは非常にインフレになるのであるからということで、それは極力押えた、こういうことですが、今まで農林省が出されておりました食糧増産計画というものは、裏打ちのない金であつたのですか。あの三十億という金は何も生産の上らない金であつたのですか。私はそうではなくて、大いに食糧増産計画を農林省が立てておられまして、大いに裏打ちのある金であつて、あの金を出すことによつて食糧増産ができるというふうに信じておつたのですが、それはできないことであつたのですか、どうですか。この点をお伺いしたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 三十億が、一方節約で、一方それだけしか認めていない、こういうお話ですが、今度の予算では、御承知のような経過で、節約も込めて財源を出し、そのうちから各事業に、あるいは各省に予算を配当して来ておるのであります。私の方としては、節約の身がわりがすぐこつちに来たというふうには観念しかねるのであります。要するに、いやいやながら出すものは出した、しかしもらうものはもらつた、こういうふうに観念しなければ、ばからしくて仕事にならない、こういうのであります。実際問題としましては、今の三十億だけで議論をしていただいたのでは、少し私どももつらいのでありまして、そのほかのプラス公共事業費あるいは冷害等救農の諸種の対策、その他の施設、あるいはもう一つは、農林漁業金融公庫への出資の増加及び農業保険への繰入れもあわせてお考え願わないと、私の方もちよつと切ないのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私は必ずしも官房長を責める意味ではない。徹夜で大分苦労されたのでありますから、個人的には大いに同情おくあたわざるものがあるのであります。問題はそうではなくて、最初に第一次補正予算を要求された救農工事五十三億というものは、おそらく単なる救済事業ではなしに、食糧増産というものを目途にいたしまして、将来生産の裏づけが出て来るという計画であつたと思うのです。これは単に賃金を払うというだけのいわゆる救済事業ではなかつたはずでありまして、おそらく農林省が第一次補正要求をされましたのは、生産の裏づけをもつて、これが日本の食糧事情の急速な解決の一途になるという自信を持つて出されたのではないか。従つて裏づけがないからひつ込めたというようなことでありますと、まことに私どもは心細く考えるので、その点信念があつて要求されたのかどうかということをお尋ねしておるのです。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 ただいまの御質問の趣旨は、この金が非生産的であるかどうか、こういう問題であります。これは全然そういうのではありませんので、私が先ほど申し上げたのは、財源としてつくる金が国全体のインフレ要因にならぬような財源であるかどうか、こういう問題でありますので、私の方で七十億なり百億を要求したのについて、それを厳密に申し上げれば、労賃部分となるのはインフレ要因にならないということは言い切れないかもしれませんけれども、それはそこまで議論する必要はないのであつて、それに使う財源をどうしてつくるか、こういう問題だと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 それは私どもは十分大蔵当局へも説明の必要があつたと思うのですが、おそらく自信を持つて説明されたと思うのです。しかしそれが通らなかつたという場合におけるわれわれの態度というものを、あらためて検討しなければならないためにこの点を質問いたしておるわけでありますが、私どもは、少くとも冷害関係における救農工事というものについては、インフレにならないという信念を持つておる。これは実際の気の毒な場合から言いますと、九州災害にいたしましても、同情は禁ずることができませんが、しかし問題は、インフレの要因から言いますと、災害復旧でありますので、あるいはインフレになるのだという議論ができるかもしれぬと思うのです。それだからといつて、金を出してはいけないという意味ではもちろんありませんけれども……。ところが冷害の問題になりますと、これは何らの救済ではない。食糧増産の裏打ちがあり、あるいは林業開発の裏打ちがあり、それらの事業を遂行することによつて、冷害地の農民に賃金を与えるというばかりではなしに、その結果生産が拡大されて行くというところから、この費目が要求されておると信ずるわけです。そうすると、この点からもインフレというものは考えられないわけです。むしろインフレを非常に恐れるとするならば、私はこの際議論をしたくないけれども、単なる消費に向いているような保安隊の経費であるとか、生産の伴わない方を削減して行くならばいい。私はそういう意味のいわゆるインフレ論であれば賛成する。裏打ちのないものはインフレだというので削減するというのは、インフレ論にならないと思うが、その自信を持つて農林省が折衝されたのかどうか。あなたはどうかしらぬが、大臣は、食糧増産などは削減してもやむを得ないのだという考え方で、軽率に削減に応じたのではないかという懸念まで、実は非常に強いのです。東北をなぜまわつて来たのか。単に金を出して助けてやるのだという考えで見て来たというならば、大臣のあの旅行は大失敗だつたと思う。むしろそうでなくて、あそこから出て来ます米麦、主食に対する来年の手をどうして打つべきかということを、おそらく私は視察して来たと思う。今年の作柄がどうだなんてことは、しろうとの大臣にわかるわけはありません。従いまして、反別もわからぬような大臣が稲作を見て、どのくらいの作柄であるなんてことはおそらくわからぬと思う。わかれば将来どういう対策を立つべきかということが安ければならぬはずです。そのことさえ実行できないとすれば、何のためにまわつたのか。これはおそらく大臣に聞かなければならないが、留守であるからつい代理の官房冨に当らざるを得ないわけですが、もう一度どういう決心で農林省が当られたか、その点をひとつ聞いておく。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部説明員 総体の予算のわくの問題につきましては、あるいは議論が相当わかれると思います。しかし与えられたわくの中の配分、あるいはその配分されたものの使い方というふうなことになりますが、わくの配分についての努力が少なかつたではないかというのが、まず第一点の質問と了解します。これにつきましては、私どもも大いに議論しました。しかし一方から言うと、財源は公債発行まで行くか行かないかというふうな議論まで行つたと思いますが、この点は私でははつきりしたことを申し上げることはできません。第二の、大臣が東北の冷害を視察して対策を考えて来たはずじやないかということでありますが、その点につきましては、私の方では額については非常に不満を持つておりまして、いろいろ諸先生方の御援助もあおいでおるのであります。この額ではとうてい予算が組めないということを議論したのでありますが、とにもかくにも二十九日には議会が始まりますから、それまでに一応政府側できまつたわくの中でやるとすれば、こういう項目、こういう事業は絶対にやるのだという主張は、農林大臣以下懸命になつて努力しまして、諸先生方あるいは諸団体の要望等についても、相当の程度まで御満足していただけるのではないかと実は考えておるのであります。金額については、申し上げる通り非常に不満に思つております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 わくをとつて来られた大臣の作業を官房長がやつたのでありますから、その作業をやつた者をこれ以上責めても問題は片づかないと思う。これは今日農林大臣が、どれだけ一体食糧増産について確たる信念を持つておられるかどうかという問題に帰すると思う。私どもは、念のために申し上げておきたいことは、来年なおこの農林省の施策が悪くいたしまして生産が上らなかつた場合においては、金を使わない以上にインフレになるおそれが出て来ると思う。生産が上らないところに金が使われたといいましても、さらに生産が上らなかつた場合においては、その金は無効になるわけでありまして、期待するものがなければ生産はできて参りません。要は、どれだけの金を使つて、どれだけより多く生産を上げて行くかということが、インフレの要因を阻止することなのであると私どもはかたく信じます。しかしながらこれは大臣がいないところで議論しておつたつてしかたがありません。臨時国会が開かれました場合においては、農林委員会の意思表示をいたしておるのでありますから、あらためて修正等において政府に当ろう、こういう決意をせざるを得ないであろうと思いますが、これは今の委員会のことでありますから、私はこの程度の発言でこれはやめておきます。ただこの予算の削減について、もう一言申し上げておかなければならぬのは、今度の作況についても同様でありまして、わずかの予算を削減いたしましたために、旅費のない結果、想定をいたしましたような基礎のない作況調査をいたしまして、非常な失敗をしておるようであります。科学的な調査というようなことでありますならばあるほどに、これはそれに伴うところの旅費が十分でなければ、科学調査というものの裏づけは出て来ないのであります。また今度の産米検査にいたしましても、よほどよく実態を握らなければ、またこれも供出について支障が来るわけであります。こういうような重大な食糧政策、あるいは作況等について、わずかな旅費を削減することによつて、このような大きな政策の上に支障のあるような結果が来ておるということは、もう官房長お認めだと思うのです。このように既定の食糧増産費等が削減されまするならば、来年の食糧対策というものは、農林省の期待するようなことができないのではないか、これを農林省は、なぜもう少し強調されなかつたかということです。食糧増産計画というものを持つており、一体どうして来年度の食糧をまかなうかということについて、おそらく真剣になつておられるはずであります。この治山治水、これは公共事業としてぜひともやらなければならぬ、その通りでしよう。私はそれも反対しません。それと同時に、来年度の食糧増産をどうしてやつて国内の食糧をまかなうかということも、次に起る重大なことであります。それを一律に、予算削減一割だ、あるいは七分だ、はいというようなことで返事して来るような大臣は、一体来年の食糧政策について自信を持つているのかどうか。これは重大なことです。来年まで大臣は勤まらないというなら、今早くやめてもらいたい。来年の食糧政策をほんとうにやつて行こうというなら、こんな軽率な削減に応じて来るはずはないと思う。これは官房長まことに気の毒でありますけれども、この点を大臣に伝えて、責任ある処置を大臣みずからとるべきだと思う。大体十箇月くらいで、年数も来ている。責任をとるならもうはつきりとられた方がいいと思う。これは重大なことです。この点をお伝えおき願いたい。

芳賀貢日本社会党(左)

○芳賀委員 私はこの機会に食糧庁当局から、農産物価格安定法に基くところのかんしよ、ばれいしよ、澱粉の買入れ、それから、生切りぼしの買上げ等に対して、食糧庁は今どのような段階までこれら価格発表の時期が来ているかということを、まず聞いておきたい。食糧庁長官は重要な問題があつて来られないそうでありますが、業務第二部長がおそらく澱粉問題等を担当しておられると思うので、その点を具体的にお伺いしたいのであります。御承知のように、農産物価格安定法は、十六国会で議員立法の形で通過したわけであります。あの法律によると、遅くとも十月三十一日までに価格の発表等をしなければならないわけでありますが、もう余日がないのであります。聞くところによると、十月の二十二日に当局は生産者団体あるいは学識経験者等の出席を求めて、その骨子になる数字等を示したそうでありますが、それらがどういうような影響を持つて今日に来ているか、どのような具体的な考えでこの買上げをやろうとするか、そういう経緯をまず先にお伺いしたいのであります。

寺田庄次郎農林技官(食糧庁業務第二部長)

○寺田説明員 実はその内容を、どういうお話があるか伺わないで参つてはなはだ申訳ないのでございますが、この価格の問題は所管が違いまして、総務部の方でやつておりまして、私か品責任のある答弁をちよつといたしかねるようなわけであります。そういうお話でしたら、また総務部の方に御連絡をしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 暫時休憩いたします。     午後三時四十七分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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