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16回国会衆議院1953/10/20

農林委員会 第38号

発言数
70
登壇者
9
会派数
4
開催日
1953/10/20

会議録

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 これより会議を開きます。  臨時硫安需給安定法案を議題といたします。質疑の通告があります。順次これを許します。金子與重郎君。

金子與重郎改進党

○金子委員 これは柿手部長にお伺いします。この前の委員会のときに、今継続審議になつております、肥料関係二法案の審議について、農林委員会で一番問題になつておるのは、肥料の需給調整のために、また一方価格安定の施策をとるという点は一応わかるのだが、問題はこの法律がいわゆる価格というものに重点を置いた相当大きな重要点を持つておるので、従つて法律の上に筋道が立つたといたしましても、かりに審議会が調査をいたしまして、各社別の生産費を出しました結果が、たまたま現在の肥料価格よりも何ら下らなかつたとか、あるいは逆に上つたというようなことでありますと、この法律を待つておるところの農民は、ある程度まで生産資材であるところの肥料は安くなるじやないかという期待を持つておるのに、それを裏切るということになりますので、通産委員会にかかつておりますような、主として硫安工業振興法というような形で通産委員会でやるならこれは別といたしまして、農株委員会の肥料の需給安定の立場からやると申しますと、そこに一つの見通しが必要だ、その見通しをつけるのに、今度法律によるところの審議会が生れて、強権を発動すればほんとうの数字が出るし、そうでなければ出ないというようなことでは、これは肥料会社の公的な性格と申しますか、もちろん営利企業ではありまするけれども、単なる営利企業ではなしに、国策産業として国家が多額の財政投資をするとするならば、これは自由資本主義の中にある一つの企業にいたしましても、相当自重した立場において、公的な性格を持つてもらわなくちやならぬと、私ども思うのでありますが、そうであるとするならば、その以前に、かりにあなたの方で審議会ができたときに、その生産費調査の計数をどうするかというような具体案は、もうすでに必ずその事前に用意をするものでありまするからして、それを一日も早く用意して、そうして発表形式はどういう方法でもよろしいから、法律のできる前に、その参考として一体硫安の生産費というものがどのくらいになり、この法律を施行した後にどれだけ値下りし得るかということを、一応見通しをつけて、こういうような考え方からこの前の委員会にあなたの方でその生産費調査の、いま一つの基準と申しますか、そういうものをつくるべきだということと、それから、それによつて自主的に会社からその基準によつて生産費というものを調査してみたらどうか、調べてみて、その報告を参考にしたいということを要望申し上げておいたのでありますが、その後の経過について承りたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 ただいまの金子さんの御意見、この前の委員会の当時から承つておりました。まことにごもつともであります。私どもといたしましても、法律によつて原価を調査いたします以上は、これは権威のあるりつぱな調査をいたしたいという考え方から、あの法律に基く報告書の内容といたしまして、硫安工業原価計算規則というものを政令でつくりまして、そうしてそれに基いて経理の報告をさせるということが適当であろうというので、農林省とも目下案を練つておるのでありますが、大体成案を得つつありますので、これに基きまして、法律はまだ施行しませんけれども、これによる原価というものをできるだけ早くつくりまして、何らかの形で御報告をいたしたいと考えております。

金子與重郎改進党

○金子委員 それでは、この問題は、本委員会にかかつております需給調整浜を審議する上に、法文的にでなくて実質的に非常に重要な一つのポイントでありますので、今大体成案ができたとするならば、なお法律の施行前に自主的にやりましたものといたしましても、そう二〇%も三〇%も変化はない、もし業者に良心的な考えがあるならば、そういうことはあり得ないと私どもは想像しておりますので、その発表の形式、その他については相当の一つの市場操作の必要なものでありますからして、ある程度まで影響力のあることも私ども考えないわけではないのですから、その発表や何かに対する時期なり方法は別といたしまして、次の肥料の問題が上るまでには、ひとつその問題をわれわれに知らしていただけるように運んでおいていただきたい、こういうところを重ねてきよう要望しておきます。  それからその後通産関係における本法案の審議の状況なり、あるいは現段階はどの程度まで入つておりまするか。それを私ども委員会が違いますのでよく存じておりませんのですが、その点をひとつお伺いしたいと思います。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 衆議院の方の通産委員会は、あの後開いておられません。参議院の方は、九月の十日前後でしたかお開きになりまして、第一日は、硫安メーカー、全購連、その他の関係業者の意見を徴し、その意見を聞かれたことに基きまして、翌日われわれ官庁に対する質疑がございました。その程度でございます。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 足鹿覺君。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 最初に委員長にお伺いいたしますが、通産局長並びに通産局次長、森農水産課長、前谷食糧庁長官の御出席はいつごろになるでしようか。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 ただいま極力出席方を督促いたしておりますので、午前中には見えると考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 私はその人々に対しまして肥料の問題で、またそれに関連した問題でただしたいことがありますので、この際その人々に対する質疑だけは一応あとに留保しておきまして、とりあえず化学肥料部長なり経済局長、肥料課長等にお尋ねをいたしたい。  第十六国会閉会後において、海外との肥料の輸出契約の現状はどういうふうになつておりますか、その概況を国別に御答弁を願いたい。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 二十八年の八月、この二十八肥料年度に入りましては、輸出は台湾との間に年間二十五万トンの長期の輸出契約を、両省で話合いをしまして認めております。これは秋肥として九月から十二月までに十二万トン、来年春、四、五、六に十三万トン、合計二十五万トンを台湾に日台貿易協定の一環として硫安を輸出するということにつきまして、内諾を与えております。それ以外は前肥料年度の輸出契約の残りの出荷が今まで約五千トンと、それから沖縄からの要請がございまして、これを二千トン今輸出を許可いたしております。それ以外におきまして相当方々から輸出の要請があるのでありますが、目下のところそれ以上は輸出を認めない。ただ十月から十二月までの第三・四半期におきまして、電力の増加配当を硫安部門に約二千万キロワット・アワー特配いたしました。それによつて緊急に二万三千トン程度の増産を期待することにいたしておりますので、この程度は輸出余力があるわけでありますけれども、目下のところ、まだその分については輸出を許可しておりません。大体さようなことであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 そうすると台湾との間に成立した契約年間二十五万トンが最も大きなもののようでありますが、これの取引の条件は価格その他についてどういうふうになつておりますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 少しさかのぼつて事情をお話申し上げたいと思うのであります。昨年のちようどこのごろ、非常に硫安が余りまして、足元を見られて四十何ドルというようなひどい価段でたたかれて売らされたのでありますが、そういうことのないようにいたしたいということから、ことしの五月に硫安使節団というものを台湾に派遣しまして、日台貿易協定の一環として、できるだけ有利に、長期に硫安の輸出をしたいという交渉を始めまして、当時国際価格は相当安かつたのでありますけれども、結局ちようど国会の終つた八月十三日でありましたが、向うから五十六ドル八十セントまでわれわれの方も出すから、その以上はどうも——国際相場は五十ドル見当であるけれども、外貨を出すのではなく、日本とのバーターであるから五十六ドル八十セント程度までわれわれも出したいと思うから、二十五万トンの輸出を頼むという、最終の向うからの返事がありまして、それに応じてFOB価格トン当り五十六ドル八十セントという価格で妥結いたしておるのであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 俵当りに直すと、大体七百四、五十円見当しますか、何ぼくらいになりますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 大体七百六十五円になります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 目下秋肥の最盛期に入つているわけでありますが、内地における安定帯価格は八百三十五円を最低とし、八百九十円ということになつているように伺つておりますが、その後における秋肥についての安定帯には、変動ありませんか。またその交渉経過等はどういうふうになつておりますか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 秋の硫安の安定帯価格につきましては、八月の初旬でありましたか、全購連対メーカーのいろいろの話の結果、八月が八百四十五円、九月が八百五十五円、十月が八百六十五円、その以後は大体この法案が近く成立して公定価格ができるだろうから、大体これを最高にしてそれ以上上げないで行こうという含みで、八百四十五円から八百六十五円、平均八百五十五円というようなところで話合いがきまりました。両省としても、その程度ならまずまずというところで今進んでいるのであります。市価も大体その線に沿つて、適当な線より逸脱するということはないように存じます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 本年の異常の凶作によりまして、凶作地帯はたいへんな金詰まりになり、生活不安にあえいでいるのであります。その結果裏作の作付を前にいたしまして、すでに長野県下等におきましては硫安、過燐酸等の今までの契約の解約を、農協を通じて申し入れているという現状にある。この傾向は漸次災害地帯に蔓延をして行くのではないか。非常に遺憾なことでありますが、事実金詰まりによつてそういう事態が随所に現われている。こういう深刻な、営農にも事欠く。麦の増産が唱えられている際に、その麦の増産のまず根源である麦肥すらも、農家はろくろく購入することができない。今まで農協との間に話し合つておつたものすらも中止しなければならぬという現実の際に、今柿手部長の話によれば、台湾向けに輸出の半量、約十二万トンを九—十二月に輸出をする。しかもその価格は硫安にして、八月に比較いたしますと約九十円の開きがある。内地価格の方が高い、こういう実情にあるわけでありますが、いくら麦の増産を唱えましても、元肥の施肥時期に今申しましたような事態が起きておるとすれば、これは麦の増産どころか、減産を招来するのではないか、こういう現実を前にして、農林当局は国内の麦肥に対しては、一体増産計画の上からいつてどういう対策をお持ちになつておるのであるか。台湾に対しては九十円も安く、すでに十二万トンの輸出が十二月末までには実現しそうな状態でありますが、これに対してはどういう施策を講じて行かれるのでありますか。麦の増産々々といつて、かけ声だけでは何も私はできないと思う。まず現在の裏作に対して肥料を完全に配給する、しかも適量に配給して行くということが必要ではないか。営農資金の融通が近くきまるのだから、それでよかろうというような声もありますけれども、営農資金は農民は食つてしまう。事実上食うのです。生きて行くことができないから。従つてこの点については特段の措置を必要としやしないかと、私は考えるのでありますが、この点についていかように対策を講じておられますか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 本年の農作物の作況から見まして、農家の経済が窮迫して参る。そうすれば裏作等につきましても、肥料についての入手難という経済上の問題が起るであろう。また現に起つておるではないかということにつきまして、私どもも、そういう点についてはなはだ寒心にたえないのであります。もつとも肥料の量的な需給の関係から参りますと、これは硫安にいたしましても、過燐酸にいたしましても、ほぼ心配がないように考えております。特に硫安についてはそうでありますが、過燐酸につきましても、秋肥に備えまして、繰上げ増産等の処置をメーカーに慫慂いたしております向きもございますので、量的な問題は心配がないのではないか、かように存ずるのであります。ただ御承知のような価格の面から見まして、農家の需要が経済的に伸びないという点につきましての施策ということになりますと、これはなかなかむずかしい問題ではないかというふうに存じます。これは御指摘にもございましたが、特に水稲でありますれば、共済金の支払いでありますとか、あるいは営農資金の供給でありますとか、こういつた措置によりまして、肥料の入手に必要な金融的な措置に事欠かないように今後措置いたしたいということで、ただいま具体的に立案中であります。かような措置におきまして大過なく行けるのではないかというふうに考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 そうしますと、ほうつていても麦の増産にはさしつかえない、こういうふうにもとれますが、私はそれでは手ぬるいと思う。これは意見にわたりますから、また今後われわれが講ずべき凶作対策の中で解決をして行かなければならない問題でありますから、多くは申しません。しかし、さように楽観をなさつておること自体は、少し実情の把握に不足しておる。先刻申しましたように、元肥の契約を中止して、農協あたりも相当事態によつて計算に狂いを生じておる。今後これはますます大きくなつて行く。これに対しては、一時営農資金とは別に、秋肥に対する融通措置は、来年の麦の増産の一環として当然手が打たれなければならないものだと思う。また関東以西は今後にかかつております。東北地方といえども、まだまだ第一回の追肥には間に合うわけでありますから、慎重なる対策を御検当願いたいということを、特に私は当局に要請をいたしておきたい。  松尾通商局次長がおいでになつておるようでありますから伺いたいのでありますが、今度の台湾向けの二十五万トンの契約によるメーカーの出血をカバーする意味において、何らかの措置が講ぜられておりますか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 御存じのように、台湾向けの硫安につきましては、台湾との通商協定の中におきましても、一定量を輸出することになつておるのであります。先般来向うといろいろ交渉の結果、取引について話合いができたのであります。十二月までに十二万トンというふうに承知いたしておりますが、ところがその輸出価格が、今お話がありましたように、現在の日本の市価よりもかなり安いわけであります。従いましてこの価格の差の部分につきまして、何か補償をしてもらいたいという申出が、その契約が進められる当時からあつたのであります。契約ができてしまわないと、われわれの方でそういう話を申すことは、かえつて価格表示上、日本側のメーカーの交渉される立場を非常にルーズにするようなことになつてはいけませんので、まあできるだけの御努力をなすつて、その結果若干の価格の差が出るというような場合には、何か方法を考えましようというような話をしておつたのですが、軽工業局その他の御指導のもとで、現在の国際情勢から見まして、決定されました価格は、最善を尽した価格であるというふうな御判断でございますので、今の安定帯価格の最低との差が、たしか四ドル四、五十開いておると承知しておりますが、その分については何か補償をしなければならないということになりまして、先般来いろいろどういうふうなことをいたすか、相当相談いたしておつたのですが、台湾からこれまた通商協定によりまして、バナナを年間四、五百万ドル輸入することになつておりますので、その一部をさきまして、硫安の出血部分に当ててはどうかということで、大体通産省といたしましては、硫安の輸出価格の一割程度のバナナの輸入を認めるということに内定いたしております。これはもつとも十二月までの輸出部分について、輸出価格の一割程度のバナナの輸入を認め、その程度で大体百パーセントの出血部分のカバーになるかどうか、これも現実に商売をされてみないとわかりませんが、大部分のカバーには相なるのではないかというふうなことで、一割バナナを輸入するということで内定しておるような状態であります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 そうしますと、大体輸出肥料価格は六百八十一万ドルくらいの見当になるわけでありますが、その一割といたしまとす、大体六十八万ドルものバナナ等を入れて、出血をある程度カバーするということ自体は、あなた方としては合理的であろうと思う。しかし、この間に硫安協会と台湾との間に、どのようなバーターによつて出血の防止対策があつても、私どもは別にそのこと自体に対して異議を唱えるものではない。しかしながら年間今四、五百万ドルと言われましたが、百万ドルの開きではこれは大きい金であります。五百万ドルの——われわれはバナナ、パイン等にはわくがあるように聞いておりますが、かりに五百万ドルといたしまして、このものの中へ六十八万ドルも肥料のバーターによるバナナが食い込んで来るということになりますと、さなきだにわずかな金額、たとえば三十ドル程度の取引をやつており、しかも農水産物あるいは雑貨というようなものは、そう大きな取引ではありませんのに、そのもののわくがだんだん削られて来ることになるのではないですか。今日本の現状は、中小企業を振興し、一粒の米でもほしいときです。そのときにバナナを六十八万ドル分入れるということになりますならば、九万ケースに当ると言われておるが、この九万ケースが来年の春までかかつて入つて来るということになります。もしさような金があるならば、当然これは今問題になつておる蓬莱米の輸入等に対して振り向けられるのがほんとうではないですか。バナナは既定量でがまんをしてもらう。国民感情の上からいつても、凶作地帯は食う米がない。都市においては、配給が満足にもらえるか、もらえないかという、国をあげて人造米騒ぎをやつておるときに、硫安協会自体が政治力を発揮されて、そうしてこの既定わくのほかに、いわゆるバーターでやられるというならば、それに対して私はあえて何をか言わんやであるが、既定のわくの中にこれを食い込ませて行くということは、国家の現状から見て私は妥当ではないと思いますが、通産局次長は、これは妥当なりとお考えになつておりますか。少くともこれを最小限度にとどめて行くべきではないか。私どもはそう思う。しかも内地の農民には、百円も高い価格を安定帯価格と称して、事実硫安を売りつけておる。それを台湾には百円も安く売つて、そのかわりバナナを入れる。そのバナナもやり方によつては非常に大きなもうけになるとわれわれは聞いておる。そういうことが、現在の国情からいつて、国民感情にどういう影響を与えるか。国をあげて凶作対策に狂奔しているときではないかと私は思う。このことを真剣にお考えになつての御所見を承つておきたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 お説ごもつともでございます。今御指摘のように、現下の国内の食糧事情から見まして、できるだけ食糧の輸入に意を注がなければならぬことは、われわれも食糧庁と同様に真剣に考えておるわけでございます。バナナと米のお話がございましたが、蓬莱米の輸入につきましても、現在の協定におきましては、台湾から四万トン輸入するということに相なつており、その四万トンにつきましてはすでに契約ができまして、この十一月から一月にかけて、協定上記載されておる数量は全部入つて来ることになつております。なお協定に掲げられている量以上に、できればもう少し多く買いたいという話を今進めておりまして、その見込みも非常にあるように承知をいたしております。できるだけ台湾から米を輸入したいと思つておるのでありますが、何分ご存じのように、貿易というものは、お互いに売りたいもの、買いたいものだけでは協定というものも成り立ちませんので、場合によれば、日本が買いたくないものでも、いわば抱合せというような意味におきましてある程度買つてやる。そのかわり、向うが買いたくないような雑貨類等も買わせるという建前でできておるわけであります。従いましてその意味におきまして、現在の協定におきまして、たしかバナナが先ほど年間四、五直万ドルと申しましたが、正確には四百五十万ドルということになつておるかと思います。そのほかにパイナツプル等も百万ドルほどございます。それらもどつちかというと、そんなものを買うよりは米を買つた方がいいではないかというお説もごもつともだと思いますが、協定を締結をする経緯から見まして、バナナやパイナツプルというようなものを買わないというわけには実は行きませんので、今申しましたような四、五百万ドルの、どつちかというと不急物資でも買うようなことに相なつて進んでおるわけであります。従いまして協定上買うものである以上、われわれといたしましては、できるだけそれを有効に利用するということが通商政策の本旨ではなかろうかと思つております。従いまして従来はいわゆる先着順、俗称ガラポンと称するような輸入でバナナの輸入もやつておつたのでありますが、できるだけ雑貨その他の向うの買わないような商品を無理やり買わせるという趣旨で、雑貨等とのリンク制を本年の二月以来実施して今日まで参つておるわけでありますが、その雑貨とバナナの輸入のリンク制につきましても、台湾人にしてやられるとか、不当な利潤が出ていろいろ問題が起つておるとというようなことも聞かされておりまして、十一月以降のリンク制につきましては、もう少し率の改正等によりまして、すつきりした方向に持つて行きたいと考えているわけであります。従いまして決してむだなものを買つておるというわけではございませんで、食糧等のそういう重要なものにつきましても、できるだけ買うように努めておるのでありますが、一応先ほど申しますように、とりあえず現在の協定できめられておる四、五百万ドルのバナナの輸入を有効に使うという意味から、この硫安の出血分に対しまして一部それをさいた、こういうことでありまして、硫安価格の当、不当の問題につきましては、実は私所管でございませんので、肥料部長からお話があろうかと思いますが、一応われわれは現在の価格を認めて、またそれの出血分が国内に転嫁されるということを防ぐ意味におきましても、その出血分を放置しておくよりは、若干でも補つた方が、国内への転嫁も少くなるのではないかという配慮から、一部バナナの輸入を認めたというような次第であります。なおこの年間の四、五百万ドルの輸入の中に硫安のリンク分が食い込みますことによつて、他への影響があるのじやないかという御趣旨のお尋ねもありましたが、この点につきましては、この四、五百万ドルという数字も、一応とりあえずの協定量でありますので、それを前提にいたして考えてみますが、リンク制の結果といたしまして、雑貨が非常に伸びたという結果、バナナの輸入も若干ふえるということに相なつても、これはわれわれとしてはやむを得ないのではないか。どつちかというと、出にくい雑貨が出てくれるならば、バナナが協定額を少し上まわるようなことになつても、やむを得ないのではないかというふうに考えておりまして、とりあえずはこの四、五百万ドルのわくの中で硫安のリンク分を考えておりますが、必要に応じて、いわゆる雑貨等の輸出の状況によりまして、そのバナナの輸入額を調整いたしたいというふうに考えております。その結果雑貨の輸出を非常に困難ならしめるというふうな考え方は全然いたしておりません。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 何ら問題のないようなお話でありますが、問題のないところに現在全国の輸出関係の中小企業者が血まなこになるはずはない。これは、自分たちの輸出額に大きな影響が来ることを彼らは案じ、またそれを知つて、最近非常にやかましい問題を起しておるのだと思います。今次長のおつしやるようなことであるならば、かえつて雑貨の輸出が促進されるというようなお話でありますが、それならば別に問題はない。しかし御答弁のような趣旨にならないから、実際においては業者の方で、特に少額の取引をしておるような人々が、懸命になつてこの問題を心配しておるのではないか、私はそう考える。影響があるのです。それをないとおつしやるということは、中小企業の現状等をもう少し御認識になる必要がありはしないか。バナナを入れなくても、日本には足りない資材はたくさんある。たとえば現在国内における木材のごときはどうです。日に日に木材はどんどんうなぎ登りに上つておる。日傘でも木材に対するところの輸入のわれがあるじやないですか。当然この内地の木材不足に対して緩和の対策も立つはずなんです。これは米に次いで大事な問題じやないか。食糧庁当局もおいでになつておりますが、そういう金があるならば——米について千五百万ドルのわくがあるが、これに約七十万ドルのわくがふえればそれだけ米がたくさん入る。これは当然バーターとして入つて来る。別にバナナに限定して行かなければならない理由はない。なぜバナナに限定をされるかというところに問題が伏在しておるのではないかと思う。これを解明せずして、ただ国民にバナナを食わすことも別に悪くはないというお話でありますが、かりに私どもの調査したところによると、一ケースが、原価が大体産地で二千七百円、税金二〇%五百四十円、諸掛二百六十円、計三千五百円がいわゆる横浜着のシフの価格であるとわれわれは調査しております。従つて現在の六十八万ドルのバナナの輸出わくからケースに直しますと約九万ケースに当る、現在内地の相場は一かご六千七百円前後ととなえられておる、これまた季節によつていろいろ変動があり、これが遅れれば遅れるほど有利な価格になるとわれわれ聞いております。そうしますと六千七百円の市価のものを三千五百円で輸入をすれば、大体において三千二百円程度の利益が上る、これを九万ケースではじきますならば二億七千万円程度の厖大な利益が上つて乗る、しかもまだまだこれは今いうように、相場変動によつて、上る方の変動によつて三千二百円の一ケースの利益が四千円以上にもなるように、私どもは従来の事例から知つております。そういたしますと四千円の利益となりますと、三億六千万円という利益になります。出血金額は大体メーカー側の言つておるのは六ドル五十セント程度になると言つております。四ドル程度だという説も当らずといえどもその辺であろうと思います。そこでこれを六ドル五十セントの出血にいたしました場合に、邦貨換算で約二億八千万円、四ドル五十セントの出血とするならば一億九千四百万円、大体メーカーの言うことを肯定するわけではありませんが、それをそのまま受取つたとしても、そういうことになる。といたしますと、今申しました四千円のバナナ一かごの利益があるといたしますと、その利益三億六千万、これから四ドル五十セントの出血として一億九千四百万円を差引きましても、残るところは一億六千六百万というべらぼうな利益になるじやありませんか、これは一体どこへ流れて行くものでありますか。硫安協会が真に出血を食いとめようとするならば、あえてそんな数字を出す必要はない。そうでしよう、そういうことになるでしよう。一体この処理はどういうことになるのでありますか。これは下手まごつきますと、この間においていろいろな輸出金額の一〇%のわくを持つておるものを、二〇%のわくに広げようという強いある筋の要請もあるように私どもは承知しておりますが、もしそういうことになりますと、おそらく三億数千万円の厖大なバナナの利益をあげるものが出て来る。それはどういうふうに流れるかは別といたしまして、しかも国をあげて食うものにも困る時代に、このようなバナナを肥料の見返りに入れてまで、出血をカバーするという美名のもとに巨利を博する何者かが出て来る。これは許せません。こういう事実が明らかになりますならば、国民をあげての指弾を受けるでしよう。また当の責任者であるあなたは、これに対してどういう弁明をなさいますか。私は問題であると思います。これはほんとうに真剣にお考えになつて、私は冒頭に言いましたように、バナナをわく外でメーカーがおやりになる分に対しては、商行為の自由であるからとやかくいうのじやありません。必ず中小企業者を食う、その資金はこのわくを食つて行く。それだけ中小企業者は難儀をして行くことになる。でありますから、もしバナナのバーターをやるとするならば、日本は玉ねぎであるとか、あるいはその他の台湾が欲しておる日本の農産物、みかんであるとか、あるいは水産物であるとか、そういうようなものを向うへやつて、そのわくに関して農産物同士のいわゆるバーターをやればよいじやありませんか。これは大いに私は奨励してよいことだと思います。資力ある人が、その資力のもとにおいてバナナを食つたからといつて、私はとやかくいうことはありません。しかし今私が述べたようなことの発端は肥料から来ておるのであります。従つて農民としてはこういう事実については十分関心を払わざるを得ない。バナナを入れなくても、木材とか、ほかに入れる品目はたくさんあるじやありませんか。そういうことに対してもう少し御研究にならないか、その点について御所見を承つておきたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 この計算の問題につきましていろいろお話があつたのでありますが、実はかりにバナナをリンクでなしに入れた場合を予想いたしますと、要するに輸入許可を得たものが今御指摘があるように、かなりの利益を得るかと思うのであります。ところがそれがいいのか、ある程度今言われました玉ねぎだとかあるいはくだものあるいは雑貨等を輸出した人に輸入させることによつて一部そういうふうな雑貨メーカーあるいは水産物のメーカーなり企業者の商売しにくい者を助けた方がいいかという問題と二つあるかと思うのでありますが、たまたま許可を得た者が不当なというか、やや不労的な利潤を得ることがおかしいという前提に立つて先ほども御説明申し上げましたように、今年二月からその農産物なりあるいは雑貨を輸出した人にだけバナナの輸入を認めて来ておるわけであります。現在何もそれをやつておらぬというわけではございませんで、今のお話では、あまりそういうことをやつておらぬので、硫安の輸出をした者にだけにやるというふうなお話のように承りましたが、現在そういうような趣旨に沿うて、農産物なりあるいは雑貨を輸出した人だけにバナナの輸入を認めて来ておるわけなんでありまして、その意味においては、バナナの輸入そのものがけしからぬというお話であれば別でございますが、通商協定上ある程度やむを得ないということであるならば、われわれはそれを有効に利用するという見地から、農産物なり、雑貨を輸出した人に現在許可をしているというわけでありますから、その点は是認されてしかるべきかと思うのであります。それから次にバナナ以外のものを選んでもいいじやないかというお話であります。もちろん台湾から入れるものといたしましては、塩とか米とかあるいは砂糖を初めといたしまして、その他のものも入つておるわけでありまして、今の台湾との貿易のバランスからしまして、たとえば、御指摘になりました木材の輸入等につきましては、何ら制限はいたしておりません。自由に輸入されたい御希望の方は輸入していただいてけつこうなのでありますが、これとても向うの価格の関係あるいは向うの許可の出し方の関係等があつて、そう大量を望めないという状況であります。われわれが木材の輸入を押えてバナナの輸入にえらい力を入れているということでありますならば、今お話の通りおしかりを受けてもやむを得ぬかと思いますが、決してそういうことでなしに、何でも必要なものであるならば輸入を開いて待ちかまえているような状況であります。その点はひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。  それから次に利益の配分関係でございますが、確かに末端の小売価格その他まで追求して行くということになりますれば、今六千数百円とおつしやいましたが、そういう価格に相なろうかと思います。バナナの輸入につきましては、別段バナナの輸入業者なり、青果業者の味方をするわけではございませんが、それで飯を食つている人間もあるわけであります。従いまして、めちやくちやに高い価格で彼らに引取らせるということもいかがかとわれわれは考えるわけでありまして一部輸出屋にももうけさせなければならぬと同時に、輸入物資の取扱い商社の利益の方もある程度考えてさしつかえなかろうかと思うのであります。その意味におきまして、従来からありますバナナの輸入の専業者なりあるいは青果物業者の意見では、大体問屋仲間の相場というものは、五千円なりあるいは五千四、五百円の間を往復しているのだというふうな話を聞いておるわけでありますが、そういう取扱い業者に少しの利潤もないということになりますと、そういうバナナの取扱い業者からの非難も予想されるわけでありまして、この辺の利益の配分関係は、別段役所の方で末端までの統制をいたしておらないわけであります。そこでかりに一割の率が多いというわけで五%といたしましても、バナナを高く売りつけるという場合も予想されますので、そこは硫安の業界あるいはバナナの輸入取扱い業者の間で、円滑な話ができることを期待したわけであります。従つてとどのつまり、突き詰めた数字までわれわれの方では干渉せずに、まあ大まかなところで上手に取引を双方されれば百パーセント行くかもしれない、あるいはバナナ業者の方が非常に力が強い場合は七、八割程度の補償率に相なるかもしれないというようなところで、両団体が円滑に話合いをされましてやられるだろう。今の自由経済の原則から行きましてわれわれはそれ以上、このリンクで入つたバナナを幾らで売れという干渉もできませずいたしますので、若干のゆとりを持たせておく方が両団体の話合いが円滑に行くのじやないかということで、われわれの事務的な判断といたしましては、大体七、八割程度の補償率になるであろうということで計算をいたしておるわけでありまして、御指摘のような厖大な金が出るとは全然考えておりません。これは多分硫安協会と、輸入の引受けをいたすでありましようバナナの団体には、輸入の業者の団体と青果物の団体と二つありますが、それに聞き合せてくだされば一目瞭然にわかることでありまして、今御指摘のような不当な利潤は決して出ないということをわれわれは確信いたしております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 それはあなたの御確信であつて私が申しておることも、一つの私どもの確信なんです。市況というものは常に動いておりますから、あなたもそう断言はできますまい。私の言うことを全面的に否定されるような言辞を弄されますが、それはバナナのいつの時点をとつて今のような市況を言われるのでありますか。私は別段バナナ論をやるのが本旨ではありませんから、こういうことに多くの時間を費したくないのでありますが、大体において、今度の肥料二十五万トンの輸出に基くいわゆる出血と称するもののカバーは、少くとも五%程度で足りる、こういう一つの数字に基いた権威ある意見があるのであります。これをしいて一〇%にし、あるいは情勢いかんによつては二〇%にも動かすというような動きが最近現われて来て、バナナの輸入業者、また自分たちの輸出わくの問題で案ずる中小業者の間に、深刻ないわゆる運動なるものが起きておるやに私どもは聞いておる。今あなたのおつしやるようなことで、何も問題はないじやないか、何も血道を上げて行く必要はない、何も利益がないということであるならば、私どもはそれをそのまま信ずるならば別に問題はないわけであります。ところがそれが実際においては問題になつて、必死の運動が展開されておるところに、あなたの解釈されるような事実でない、もつと深刻なものが内部に伏在しておる、こういうふうに私は考える。大体五%程度にこれを押えて、現在における国民感情また食糧の需給の状態、そういう点についてさらによく御検討になる必要があると私は思う。いわんやこれを引上げるなどということは、もつてのほかのことだと私は考えますが、その点について一〇%というものを適当だと思われる数字的根拠がありますならば承りたい。これは資料としてお示しが願いたい。ほんとうにバナナがそういう程度の利潤しかない、従つて一〇%にしなければ出血の補填ができないのだという根拠をお示しになるならば、私どももそれをさらに批判をし検討をして、そうしてまたあらためてお話をいたしましよう。ただ今のあなたの意見によつては、何ら具体的な根拠がありません。私をして納得せしめるような根拠がありません。バナナの市況にしてみましたところで、あなたが一々卸業者のふところに入つてごらんになるわけでもありますまい。市況は日に日に変動するのであり、現在において大体一かご六千七百円前後であるということは世間の常識です。それを否定される何らの根拠もない。いわゆる統計局の調査があるわけでもありますまいし、ただそれは、一つのあなたの御意見にすぎないと私は思う。従つてそういうようなものに対するはつきりした根拠をお示し願いたい。その上でさらにこの問題について申し上げたいのでありますが、とにもかくにも三つの点を私は要求をし、あなた方の今後のやり方を注目し、国民とともに、特に食いたくても米の食えない人々、麦すらも食えない人々、麦をたくさんつくろうとしても肥料代が今払えない気の毒な凶作地帯の人々とともに、私は以下三つのことを申し上げて、あなた方の良識ある自粛と判断による御反省を促したい。それは、でき得る限り、現在の凶作に基く食糧の需給の逼迫に貢献するべく、肥料の輸出による台湾から輸入するものは、これを限定してもらいたい。なお中小企業の輸出に対しては、これを圧迫しないように——バナナの輸入の問題は、硫安協会と台湾政府との間に行われた商行為でありますから、そのこと自体に、私は別に異議はございません、これは、お互い同士の自由なる行為ですから、資本主義社会においてはやむを得ないでしよう。だが、これが内地の中小企業者を圧迫しないために、国が定めた一応のわく以外で、この問題を処理してもらいたい。なお、このような品目の輸入については、少くとも農産物あるいは水産物等の輸出の範囲内において、これをとどめるべきである、こういう点であります。第三点に関連をいたしまして、私は少くとも硫安の出血を補填すると称するこのたびのバナナ輸入の問題は、輸出総金額の五%以上は不適当である、こういうふうに私は考えまするので、その点について、よく慎重なる検討をせられ、あやまちなきを期してもらいたい。現在の食糧の情勢、またこれに基く消費者及び生産者の険悪な世相をも、通産当局はよくお考えになり、あわせて中小企業の困窮の実情についても、真剣に御判断になりまして、いやしくも世の指弾を受けられるようなことのなきことを期せられたい。なお、この点について御反省がないということでありまするならば、また別の時間において、あなた方の今後進むべき方向を見定めまして、別途にまた意見も述べ、また批判もし、これが対策を講ずるでありましようということだけを申し上げて質問を打切つておきます。別にこれはあなた方を糾弾するとかどうとかいうことでなしに、現在やられようとしていることは、いわゆる世相に合致しない、おもしろくないことだから、これを防止して行きたい。少くともそういう意図にあるということもよく御判断を願いたい。これ以上は申し上げません。あとはあなたの御良識にまちたいと思う。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今、足鹿委員と通商局との間にいろいろな論争が行われたのですが、それを聞いておりますというと、私は非常に大きな疑問が幾つも出て参りましたので、お尋ねいたします。  通商局は輸出振興をはかつておられるのでありますが、どういう目的で一体輸出振興をはかつておられるのか、私、疑問が出て来たのであります。また、出血輸出までさせてなお通商を振興させようというのは、どういう目的でやつておられるのでありますか。これは抽象的でよろしゆうございますからお知らせ願いたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 別段出血輸出を奨励しているというわけではないのでありますが、日本の現段階と申しますか、貿易高その他の段階から申しまして、国際価格から比べて高いものがかなりあることは、これは否定し得ない事実であります。そういうものを輸出するなということになりますと、これは非常に事は簡単でありまして、輸出はそれだけ減るわけでありますが、海外の市場というものは一朝一夕に開拓もできませんし、これは常時不断の努力によりまして、若干無理なところでも物はつぎ込んで、資本はつぎ込んでおかなければならぬわけであります。その意味におきまして、割高物資といえども、今三百六十円の為替レート下におきまして、輸出困難なものにつきましては、できるだけ弊害のない措置でもつて輸出をいたしたいということで考えているわけでありまして、硫安もその一つであります。かりに硫安が年間たとえば二十万なりあるいは五十万のものが、これは価格が引き合わぬから輸出するな、それだけ生産を減してしまえということでありますれば、これも一つの考え方かと思います。一つの厳密の意味のアウタルキー経済ということになるかと思いますが、それではこれから輸出品として、特に東南アジア市場に対して有力な輸出品を失うことでもあるし、また生産を減少するということは、それだけ価格を騰貴することにもなるわけであります。将来長くこういうふうな出血輸出が続くことは、われわれもちろん歓迎することではないのでありまして、できるだけ早くそういうことがなくなることを希望するわけでありますが、暫定的にそういう価格の食い違いのもの、これは認めてかからなければならぬのじやないか。そういう意味から、できるだけの応援をいたすというような意味で、別段われわれの輸入にいたしましても、たまたま許可を得た者が不当な利得を得るということも、これはそうえらい根拠もないわけでありますが、その利潤の一部を若干、出血の方にまわすということになれば、これは共存共栄という立場から申しましても、まあ社会的に是認されるべき措置ではなかろうかというふうに考えて——これは邪道であるということも十分承知をいたしておりまして、最近はいろいろこういう出血輸出をカバーするために、有利な輸入をしてくれというような、要するにリンクの考え方もございますが、それはほとんど拒絶をして、どうもやむを得ないものだけに限定をして考えつつあるような状況なのであります。今は、そのうちの典型的な一つになつているわけであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私の質問に対して、第二段の点だけはお答えになつて、一段の点についてはお答えがなかつたのですが、あらためて申しますると、輸出振興というのは、普通にいえば、おもに外貨獲得のために、無理な輸出も行わなければならぬのだ、こういうふうに普通言われておりますが、それをやはりお認めになつておられるかどうか、こういうふうにお聞きしたのです。  それから、あなたの御答弁の中に、市場開拓のためには、ときには犠牲を払つてやることも、また必要であるということは私も認めます。そういたしますると、市場開拓のために犠牲を払う、たとえば広告をいたしまして——これは国内においてもそうですが、いろいろな広告をするというようなことは、やはり市場開拓の意味で犠牲を払うわけです。ところが広告は犠牲だとだれも言つておりません。あるいはサンドウイツチ・マンを使つたり、アドバルーンを上げたりしておりますのは、あれは犠牲を払つて広告をしておるのかと言えば、だれもそうは言いません。もしあなたのおつしやる通り、市場開拓のために、ときに出血輸出をするというのでありますれば、これは普通出血輸出だという表現はできないはずです。あなたのおつしやる通り、市場開拓だとおつしやるならば、これは出血でなくて、市場開拓のための一つの犠牲を払つたと申しますか、むしろそれだけの投資をした——これは投資に値することなんです。どつちなんですか。あなたにはやつぱり出血だというのですか。それとも市場開拓のためにこれは投資をしたというお考えなのか。あなたのお考えだと、出血でなくて市場開拓のための投資というふうに私には聞えたのですが、この点はどうなのですか。時間がありませんが、まだ続いて御質問いたしたいから、なるべく簡単に御答弁願いたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 これは考え方の相違だろうと思いますが、価格の中に生きている世の中でありますので、広告費ももちろんその価格形成の一部になるわけでありますが、ともかく合理的に考えられている価格よりも以下で売らなければならぬという場合、それが国内に転嫁される場合には、これは別段出血だとは言えないかもしれませんが、その企業自身にとりまして、結局損をしてやらなければいかぬというものを、われわれは俗に出血と申しまして、あまりそう理論的に字句まで研究をいたしておりません。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 輸出振興について……。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 輸出振興のために、無理な輸出でもという意味でありまするが、これも程度の問題でありまして、国内を非常に飢餓に陥れるような輸出、また言いかえてみれば、国内で正当の市場があるにかかわらず、それをめちやくちやに押えて輸出をするということまでは、われわれは考えておりませんが、国際競争力というものは、そういうふうに国内をハンガーにしておいてそう長くは持たぬのでありまして、生産力から見て、当然ある程度の引合わぬものでも輸出するという意味で、若干無理な輸出も続けなければならぬじやないか、こういう意味であります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 そこでたいへん重大なことが起きて来たと私は思うのです。あなたは出血輸出だというようなことを言われますが、今度の二十五万トンはこれは出血輸出ですか。今まで私どもの知るところによりますと、出血輸出に値する会社は脱落いたしております。単なる脱落でなくて、あとで弁償するような形式をとつておるようです。そうすると大体これに参加したものは出血でないはずです。あなたが言う出血だというのはどこから持つて来たのですか。これが一点。  もう一点は、国内価格を圧迫しないで、そのために輸出されるんだというあなたのお考えですが、今台湾へ輸出する、朝鮮へ輸出するということで、ちよつと国内の硫安価格が上りつつある、これは圧迫じやないですか。むしろここに停滞させることが、国内の硫安価格を下げるゆえんなんです。国内価格が下りかけたので、あわてて輸出を強要しておるのです。これを御存じないのですか。  またもう一点は、あなたがおつしやるところによると、硫安協会がバナナを買つて来ておるというようなことですが、やはり硫安協会が取引の対象になつているのですか、その点はちよつとわからないのですが、お教え願いたい。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 前二者の問題は、これは通商局の問題じやございませんで、これは肥料部の所管の問題だと思いますので、肥料部長からお答え願いたいと思います。  それから最後の硫安協会がバナナの輸入をするのかというお話がございましたが、これは輸出業者に許可するのでありまして、今のところわれわれとしては、メーカーが直接輸出をするというような建前になつておるようであります。メーカーでないから、また現実に許可はいたしておりませんからわかりませんが、多分そのメーカーが許可を申請して来るのではないかと考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私は柿手部長にお聞きしておるのではないのです。さつきからあなたは出血輸出という表現をされておるから、出血輸出だとされておることを確信をもつてお示し願いたい。あなたが出血輸出でないとされるならば、それはお取消しになつたらいい。先ほど足鹿君の御答弁の中に、硫安協会と取引が行われておる、こういうふうに御答弁になつておる。速記録をごらんになればわかるのですが、これはお取消しになるのですか。あなたの御答弁の中には、取消す部分がずいぶん出て来るのです。これはやはり公式の委員会ですから、あとで取消すようなみつともない御答弁をなさらないように願いたい。出血輸出だとあなたがおつしやるから私はお聞きしておる。さつき硫安協会との間に取引が行われておるということを言われるから、あなたの言つたことについてお聞きしておるのですから、どうぞ。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 先に硫安協会と申しましたのは、硫安協会はメーカーの団体でございますので、メーカーが十幾つか、あるいは二十社近くあろうかと思いますが、それが個々に話をするのもやつかいで、実際問題としては、私らが承知しておりますのは、硫安協会がそういうふうにタッチいたしておるということを聞いておりますので、それをただ申し上げたにすぎないのであります。それから出血か出血でないかということにつきましては、別段価格の分析を通商局ではいたしておりませんし、そういう権限もございませんのでわかりませんが、現在の安定帯価格の最低が六十一ドル三十五セントですか、というふうに下されておりまして、肥料部の方からも、今の台湾向けの価格では、どうも出血になるのだ、だから一つ何とかコンヴエニエンスを考えてくれぬかというお話があつたのでそれは出血であろうと思つておるわけで、別に私は出血であるか出血でないか厳密に計算もいたしておりませんので、同じ通商局の内部で、責任のある部局の申すことでありますので、ただ信用をして申しておるわけであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 これは非常に重大なことが起きたと思います。出血輸出ということは、ほかの業者が申しますと、通商局では出血輸出と簡単にお認めになつていろいろ便法を講じられるのですか。ほかの業者が出血輸出というと、いろいろ御検討になつておられるのですが、この硫安だけは簡単に出血だとお認めになつておるのですか。そんなふうに通商局は簡単にお考えになつて行政をおやりになつておるのですか。大分出血だという申込みを受けておるところがたくさんあると思うが、それについてはなかなか出血だとお認めになつておりません。硫安の方は出血だと言われる、よほど確信があつて言われたことと思うが、確信がなくてもけつこうです。もし硫安について確信がなければ、ほかの方の業者についても確信ないままにおやりになるのが公平だと思うが、この点どうなんですか。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 先ほど申しましたように、われわれの中の一部局であります軽工業局の言を信じてやつておるわけです。決して通商局でほかの物資を、そういう分析をいたす能力もございません。それぞれ物資所管の局の意見によつて判断をしておるわけであります。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 御質問のないのに立つてはなはだ恐縮でございますが、先ほども足鹿さん、川俣さんが松尾君を非常においじめになるので、実は私が松尾君に強姦してこの措置をとつていただいた経緯もありますので、一言私の発言をお許し願いたいと思います。実は先ほども御説明いたしましたように、五十六ドル八十セントで台湾に売りますことは、これは工業としては実情にそぐわない価格でありますけれども、先ほども硫安価格の根本問題についていろいろお話がありましたが、この際としては相当無理な輸出も強行して、増産をして、そうしてコストを下げて、農村にも安い肥料を供給し、外貨も獲得して、日本の国際収支の改善に資するというのがまずよかろうという方針をきめまして、政府といたしましてもただいま硫安の二法案を提出いたしまして、御審議を願つておるようなわけであります。そこで五十六ドル八十セントはつらいけれども、とにかくこの際輸出を強行して、増産をやつて行こうということにいたしましたが、これが出血かどうかという問題になるのでありますけれども、これはさきの国会においても各社からのコストの提出を慫慂されても出さないのに、コストがわからぬのに、一体出血かどうかわからぬじやないかという御質問がありましたので、一応ごもつともでありますが、実は五十六ドル八十セントというのは、かますに直しますと、さつき足鹿さんに七百六十五円と申しましたが、正確には七百六十四円であります。一円違いますから訂正いたしますが、七百六十四円でありますが、この七百六十四円という価格は、統制撤廃をいたしました昭和二十五年の八月当時における硫安の公定価格で、これは昭和二十五年七月に物価庁が最後にきめた価格であります。その平均が工場渡し七百三十四円であります。それにオン・レールまでの運賃をかりに八百円としまして、三十円を加算しますと七百六十四円という、くしくも昭和二十五年八月、統制撤廃当時物価庁が最後にきめました公定価格と五十六ドル八十セントが同値と考えられるのであります。その後生産の増加を来しましてコストの低下した分ももちろんありますが、われわれの給与ベースから申しましても、六千三百円ベースが一万三千円になつておるというような状況、あるいは電力、石炭その他も六割、八割は騰貴をいたしておりまして、この価格ではとうていペイせぬというふうに考えられるのであります。さらに一面今の安定帯価格は、この春三大臣の慫慂によりまして八百二十五円から八百九十五円というふうにきまりまして、現在先ほど御説明申し上げましたように八百四十五円、八百五十五円、八百六十五円というふうにきまつておるのであります。私どもとして、この五十六ドル八十セントにつきまして国内価格との差額を見ますと、約七ドルでありまして、二千五百二十円というものが大体差額になると思いますけれども、これは先ほども足鹿さんからおつしやつたように、そう百パーセントもカバーするということはあまりに一方的で、硫安が虫がよ過ぎるのでありまして、私どもとすれば、安定帯価格の最下限の六十一ドル三十五セント、つまり八百二十五円と五十六ドル八十セントの差額四ドル半を目安に何とかカバーはできないか、大体私どもとすれば、下限はコストのぎりぎりであり、要するに利潤は見なくても、コストのぎりぎりの安定帯価格のまず下限四ドル五十セントを目標にして、何とか方法がないだろうかということを通商局に相談を持ちかけまして、大体いろいろな計算をしてみますと輸出価格五十六ドル八十セントの一〇%、五ドル六十八セント程度のバナナの輸入をすれば、何とか四ドル五十セントに近いリベートが硫安業者に出るのではないかという目途のもとに話を進めておるのでありまして、最近硫安業者とバナナの輸入業者との間でいろいろ話を進めておるという模様を聞いておるのでありますが、その情報によりますと、バナナ輸入業者と硫安メーカーとの間では、大体硫安トン当り三ドル七、八十セントぐらいなところがリベートされるという方向に進みつつあるように思うのであります。かりに今三ドル七十セント程度とすれば、千三百五十円程度がカバーされるという状況のように考えております。硫安メーカーにバナナの輸入のフアンドが与えられますけれども、これはどこまでもバナナの輸入をする、あるいは取引をする業者と両方で、そのリベートの分配をするというふうに承知いたしておるのであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 たいへん柿手さんは雄弁に、自信を持つてお答えになるが、コストの計算のときには非常にあいまいな御答弁だつた。さて今度二十五万トンの輸出ということになると、業者の言われる通りをここできれいに代弁されている。だからこれは行政官でなく、肥料業者としての御答弁であれば私はごもつともだというふうにお聞きするのですが、どうも私には行政官としての御答弁とは思われない。というのは、この前コストの計算のときには、実際につかみにくい、わからぬと言われたが、今度は輸出のことだけは正確につかんでいるといつて、くしくも七百六十四円ぴつたりだと言つておる。この七百六十四円は、当時あなたが関係しておられたのでしよう。それはちようど中値をとつたのでありますから、上にも一割の開きがあり、下にも一割開いておる。そうして今度の二十五万トンの中には、約二十万トンぐらい出血輸出でない分が確かにあるはずなんです。非常に大きな出血の分が脱落しておるでしよう。あなたの説明によれば、一応脱落したと言つておる。独禁法に触れるのではないかと言つた場合には、脱落したのがあつて、とうてい出血に耐えないものはやめたとおつしやつた。ほかの者だけが参加したんだ、こういうふうな一応の答弁だ。こしらえた答弁だからそういうことになつて来ます。こしらえたことはあとで暴露しますが、あなた方が脱落したとおつしやいますけれども、十一月の今度の決算期を見てごらんなさい。おそらく出血輸出で脱落した者が、出血した損害を考課状に載せて来ますよ。あなたは脱落したとおつしやるでしようし、この前も軽工業局長はあれは脱落したとおつしやつていますけれども、十一月の決算期には、あの脱落した会社がおそらく出血輸出のための損失を計上して来ますよ。独禁法に触れるのではないかと言うと、これは脱落したのだと言つて逃げるし、今度は出血輸出だとかなんとかあなたは御答弁になるのですが、これは確かに出血輸出の分もあるでしようし、二十五万トンの中にはおそらく十八、九万トン、二十万トン近くは、私どもの計算では出血輸出ではない。たしか五万トン、五万七、八千トンまでは出血と見られるものがある。そういたしますればこれは出血ではないのですよ。あなたは出血だ出血だと言われるけれども、非常にコストの高い会社を持つて来て検討されると、あなたのような計算が出て来ることは間違いない。十四社あるのですよ。この十四社によつて、あなたは物価指数から見てもつと上るのがあたりまえだと言われるけれども、戦後硫安工業に対して国がどれくらい財政投資をしているか、財政的援助をしているか。これは価格が下るために財政援助をしているはずなので、利益をあげさせなくちやならぬのなら、何も今まで出しているような財政援助をする必要はなかつたのでないか。国があれだけ大きな犠牲を払つて、ほかの物資をさいて、みなこの肥料会社につぎ込んだ。資材なり資金をつぎ込んだのは、価格を下げさせるためにつぎ込んだのでしよう。ところが価格は、今の価格と昔の価格と違つてないから、たいしてもうけないじやないかと言われますけれども、今後合理化のためにあなた方が資金を出すということになり、あなたのような論法で行くと、価格が下るというわけに行きません。戦後において資金をあれだけつぎ込み、資材をつぎ込んだのは、硫安価格を上げないためにつぎ込んだはずなんです。そう説明されておつたのでしよう。金を出すときには、物価を上げないために、硫安価格を上げないために資金をつぎ込み、物資は特配するのだといつておいて、今になつての計算が、一般物価並に硫安を上げて行かなければならぬというあなたの根拠は、私は行政官とは考えられないということを申し上げたいのです。  大体私があなたと議論するには、きようは時間がないのです。まだまだあります。もう一つは、軽率にも通商局は、硫安協会がいろいろ折衝に当つておられるということを言つておられるのです。たびたび私どもが指摘するように、あなたの方は、独禁法違反のことを独禁法違反でないように言つておられますけれども、松尾さんは暗に硫安協会を対象にしていろいろな交渉に当つておられるのです。輸出のことについても、これは公取委員長にも松尾さんの記録を示して、独禁法に触れるか触れないかをどうしても抗議しなければならぬようなことが起つておる。そういう観念でおられて、独禁法の違反じやないかと言うと、いや個々に契約したんだと言う。松尾さんは十幾つもいろいろな団体があつて、一々めんどうだから硫安協会を対象にしておる、こういうことです。個々の契約じやないですよ。個々に契約をしたならば、代表というものはあり得ないはずです。これはやはり団体なんです。明らかに団体なんです。この点についてどういう御見解ですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 松尾君がどういうふうに申し上げたか知りませんが、これは硫安メーカー個々を一々呼ぶことは煩雑で、硫安協会の事務局にそういう連絡をしたことはあると思いますけれども、硫安協会が業者を代表してやる、そういうことはないので、硫安協会が便宜各メンバーに連絡はすると思います。そういう意味で松尾さんがおつしやつたのじやないかと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 ちよつと違います。これはバナナもあると思いますが、バナナを少しある会社が置くというようなことの折衝でありますならばこれは個々です。大体二十五万トンに対しては協会が代表的にやつていますよ。個々の会社が自分の出した硫安についてのものではありません。そういう交渉を受けていないはずです。二十五万トン全体を対象にしてやつておられる。またあの二十五万トンというものは、硫安協会が割当てられたことはあなたも十分御承知のはずなんです。これは大体生産高に応じて割当てているでしよう。ちやんと合うはずですよ。これくらいのことはあなたが検討されたら、しろうとでないからすぐわかるでしよう。どれくらいの生産高を持つているか、わかつておる。その生産高とちやんと見合いをしている。ただ脱落したところの会社の分を、この会社とこの会社が背負つたということはちやんとわかるようにできておる。このくらいのことがわからぬであなた方がおられるとは信じられない。硫安協会がちやんと割当てているでしよう。割当てた責任上硫安協会の言う出血に対しては、これだけのバナナが入つて来ないと、これだけの会社をまとめてなかなかやれないから、一つやつてくれないかという交渉でしよう。そうなんでしよう。個々の会社でバナナを入れたい会社もあるだろうし、入れたくない会社もあるでしよう。これを一括して、そこに私が前から指摘しているように、独禁法に触れる行為をあえて行つているということを、なぜあなたが御注意なさらないのです。そういうことでは、国会でもやかましくなつているから、この際注意したらどうだというくらいのことは、警告されてもいいはずだ。あなたがわざわざ強姦までされてバナナを輸入のためにとりはからつたのだから、それだけだつたらもつと硫安協会を強姦されたつていいじやないですか。同じ省内の同じ局内のものを強姦する勇気があつたら、外部の硫安協会を強姦する勇気があつてもあたりまえじやないか。どうして内部の通商局にできて硫安協会を強姦できないか。当然やるべきことがやれないで、やれないことをむりにやつておるから、あなたは強姦という言葉を使つた。どうして硫安協会にそのくらいの警告ができないのですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 はなはだ強姦という言葉は悪かつたので、それは取消しますが、先ほども松尾君が言う通り、常道でないということで、通商局としては、あまり好んでやらなかつたのでありますけれども、工業の方の関係から特に無理を言つたという意味であります。  それからバナナの輸入についての硫安協会のタツチが独禁法に違反するようなことをしておるのに、なぜそれを注意しなかつたかというお話でございまするが、私はそういうふうには考えておりませんから、注意する必要はないと思つたのであります。

吉川久衛改進党

○吉川(久)委員 私はただいまの肥料の輸出に関連してバナナを輸入するという問題について、松尾次長に二、三お尋ねいたしたいと思います。出血輸出出血輸出と申しますが、出血してまで肥料を輸出しなければならないということは、松尾次長のお答えでは、市場の確保と外貨の獲得ということでございます。国内肥料の価格がそのために安くなるならば、私もあえてお尋ねもいたしませんが、しかし国内の肥料はかえつて高くなる。それをもし承知の上で、あえて出血輸出をしてまでも市場の確保と外貨の獲得をしなければ、ほかに市場の確保と外貨の獲得の方法が全然ないとおつしやるのでございますか、その点をまずお伺いをいたしましよう。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 硫安の輸出をすることによつて国内価格を高からしめるような輸出をする必要があるかということでありますが、実はこれはあるいは柿手部長の方からお答えになつた方がいいかと思いますが、年間の生産計画、それから需給の計画から見まして、この程度のものは輸出ができるということで計画ができて、それに基いて、たとえば通商協定もいたしておりますし、そういう業者の契約活動となつて現われているとわれわれは承知いたしておるわけでございます。従いまして輸出をやめれば、あるいは生産を減らせば値が下るのか、あるいは輸出をしたから値が上つたのかということ、これは非常に今現実の問題としてそういう傾向があるのじやないかと言われればそれまでかもしれませんが、われわれといたしましては、本来は何も出血輸出までをして価格を上げるという意思はごうも持つておらぬわけでありますが、たまたま需給の計画に基いてやつた輸出が、あるいは一部そういう価格の違いになつたというふうなことかと思いますので、根本の趣旨から申しまして、別段国内の価格を引上げるような出血輸出という考え方は全然いたしておりません。

吉川久衛改進党

○吉川(久)委員 わざと国内市場の価格を上げるために、出血輸出しておるのではないということでございますが、しかし悪いと思わないでやつた行為が法に触れるようなこともございます。結果として悪い結果になる場合もございますので、今の場合はまさに私はそういつたことに該当するのじやないかと思うのです。これは大学へ行つて経済学の講義を聞くまでもなく、価格の構成はこれは常識で、需要供給の関係が価格をきめるんです。ですからなるほど五十万トンなら五十万トンよけいに、フルに生産すれば、硫安が余るにしても、ある程度国内にゆとりをできるだけ持つということが——私は輸出が悪いというわけじやありませんが、このゆとりをできるだけ持つということが国内の市場価格を下げることになるので、その点についての配慮が十分でないじやないか。むしろそれよりは悪く解釈すれば、やはりあえて出血輸出をしても国内の価格を下げないようにして行こう、そうして肥料会社を擁護してやろうというようなことが、私たちには感ぜられるので、こういう点についてはもう少し通産省、特に通商局あたりでは、肥料とは違つた立場で考えていただかなければならないじやないかと私は思うのですが、それはそれとして、とにかく肥料を輸出しなければ、ほかに市場を確保し、外貨の獲得のできる措置はないとおつしやるのですか。その点についてまだお答がないのでございますが……。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 肥料全体の輸出と日本の全体の輸出との割合を見ますると、これはまだ大した率にもなつておりませんが、具体的な事情として、たとえば台湾をとつてみますると、年間七千万ドル若干の通商協定の中で、硫安の輸出は非常に大きなフアクターになつておるわけであります。この硫安が全然出ないということでありますならば、米の輸入にいたしましても、砂糖あるいは塩その他の輸入につきましても、相当の影響があるのではないかと思います。総輸出額の中におきますればそう大きな地位とは申せませんが、台湾の市場にとりましては、これは非常に大きな輸出品目でありまして、これの輸出いかんということは、台湾からの輸入自身に相当の影響を及ぼして来ることは、数字の示すところであります。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 吉川君、関連の範囲で願います。

吉川久衛改進党

○吉川(久)委員 輸出の場合に、一応その割当のわくというものがあるそうでございますが、そういうものがあるのか。もしあるとするならば、肥料を輸出することによつてその他のものの輸出に支障を来しはしないか。その他のものといえば、たとえば農産物であるところの、あるいは農産物の加工品であるところの寒天とか、しいたけとか、朝鮮にんじんとか、たまねぎとか種ばれいしよとかりんご、なし、海産物、こういうようなものの輸出に支障を来しはしないか。松尾次長も御案内の通り、特にことしはたいへんな凶作である。あるいは御存じないかもしれませんが、そうだとすれば、そういう農民の立場も顧慮しないで、むしろ農民の困るような肥料の値段の上るようなこういう通商をなさるということは、私は国民の恨を買いはしないかと思うのです。そういうまずい貿易をなさるということは、これは国家のために私は非常に心配にたえないのでありますが、こういう点はどういうふうになつておりますか。  それから台湾に十二万トンとかの硫安を出血輸出するそうでございますが、聞くところによりますと、出血はトンについて三ドルくらいだそうでございます。そうすれば十二万トンで三十六万ドルになるでしよう。そうするとそのかわりにバナナを一割輸入するそうでございますが、そのバナナを通産省の方々は食べて、普通の食糧はおとりにならないのであるかどうなのか。お米の飯をお食べになるとするならば、バナナなんかやめてしまつて——計算をいたしますと、あの高い米が二万二千石輸入できるのであります。バナナをやめてしまつて米を輸入するお考え方はできないものでございますかどうですか、お尋ねします。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 吉川君に申し上げますが、先ほどその問題につきましては足鹿委員、川俣委員からもすでに質問がございました。従いましてあとは簡潔に願います。

松尾泰一郎通商産業事務官(通商局次長)

○松尾説明員 先ほどもお答えしたのでありますが、台湾からそういう米等の重要食糧の輸入につきましても、せつかく努力をしておるわけであります。先ほどお答えいたしましたように、すでに協定に掲げられておりまする四万トンにつきましては、もう契約ができまして、十一月ないし一月ごろに四万トン入つて来ることになつております。しかしながらこれはもう少し増加しようという交渉を進めておるわけであります。  次にバナナの輸入をやめてその分だけなおお米を買いましたらというお話でありますが、この点も通商協定という関係から申しますと、お互いに買いたいもの、売りたいものはありますが、これはお互いにギブ・アンド・テークでありまして、お互いに自分の好きなものだけを売る、買うでは話にならぬわけであります。これはいかなる商売をおやりになつてもおわかりの通りであります。不利な取引協定をつくります場合でも、若干こちらが緊要度の低いものでも買つてやらなければいかぬわけであります。そのかわり日本品の輸出の相当部分といいますか、今の日本流の考え方から行きますれば、どつちかというと緊要度の低いものを輸出しておるような現状であります。台湾といわずその他の地域もそうでありますが、できるだけそういうものを外国に買つてもらうためには、ある程度そういう緊要度の低いものでも輸入しなければいたし方がないわけであります。それがために国内の産業に非常な影響を及ぼすというのならば、これは大いに考えなければなりませんけれども、バナナの輸入をいたしても、これはくだものに若干影響があるとは思いますけれども、従来それほど農林省等からも、くだものの輸入があつて、バナナの輸入をとめろというような意見は、実は通商局としては伺つておりませんので、従来の実績、台湾からの輸出の要望等を考えまして、年間四百五十万トン程度のものはさしつかえなかろうということで、それを最も有効に利用すべく考えておる次第であります。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 川俣君、結論をお急ぎ願います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私はあえて今日は論争するつもりではなかつたのです。というのは輸出会社法が出ておりまして、その間に情勢上あるいはこれは緩慢に取扱うというようなことも考慮の中に入らなければならぬということであつたために、独禁法に触れるということで争うつもりはなかつた。ところがどうもあなたが御答弁になると強弁されるために、どうしてももう一回質問をしなければならなくなつて来る。この点はあなたもよく了承してください。私が挑戦するのではなくて、あなたが挑戦されたからやむを得ず受けて立たなければならぬ。あなたはさつき足鹿君の質問に対して、大体一〇%程度バナナをもつて見合いをしてやれば、大体出血を補填することができるという御答弁であつた。業者の方は二〇%ぐらいやつてくれぬか、そうでなければ補いがつかない、こういうようなことを言つておられるようですが、あなたは一〇%で大体出血の部分は補填がつくであろうという見解である。私はその見解は別に争うつもりはない。一〇形というのは、あなたどこから出されたのですか。これはあなたも十分御承知の通り、各会社はみんなコストが違うはずです。それはあなたお認めでしよう。そうすると一〇%ということは出て来ないはずである。ある会社は二〇%を補填してもらわなければならぬところも出て来る。ある会社は何も補つてもらわないでも出血でないことも、あなたは大体お認めになつておるはずである。一〇%ということになると、硫安協会全体として見れば、一〇%やらなければ補いがつかない、こういうことだと思うのです。そうするとどうしてもあなたの考えの中には、硫安協会という団体という考えがあるから、一〇%という計算が出て来る。もしも個々別々だとあなたが御主張の通りだとすれば、一〇%の計算が出て来ないはずである。二十五万トンみな生産費を割つてやつてごらんなさい。一〇%という平均は出て来るかもしれぬが、平均だつて出て来ないはずです。そうするとあなたが独禁法に触れないのだというのは強弁であつて、あなたの御答弁そのものからいうと、みなやはり触れるのだという御答弁だと私は思うのです。あの二十五万トンの中の生産費はみな異なつておる。おそらく一〇%やつた場合に、あなたどういうふうに分配されるつもりですか。これは分配はきまつております。硫安協会ではコストについて一〇%をわけるのじやない、輸出された数量に一〇%みな加えて行くはずです。そうすると、コストがみな一様だということになる。コストが一様じやないことがわかつていながら一様だということは、硫安協会という団体で価格を一つきめておるということです。統制をしておるという結果です。こんなことの理論は私が言わなくても小学生だつてわかります。どうですか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 これはまた強弁とおしかりになるかもしれませんが、独禁法に違反してやつておるというふうに思い込んで、そういうふうにおつしやるからそうでありますが、実は私が一〇%と言つたのは、私は数字的根拠をもつて言つたわけではないのでありまして、実は先ほども松尾さんに頼んだのは、五十六ドル八十セント安いけれどもしようがないだろうといつてのんだわけですが、さてどの程度のカバーをするかというときに、これはむろんおつしやる通り、各社いろいろコストの差があります。川俣さんが物価庁の次官をしておられたときほど差はありません。あのときは一万六千円から二万八千円くらいの差がありましたが、今はそんな差はありませんけれども、千円や二千円の差はあります。それを一々差はつけられませんが、結局私どもといたしましては、安定帯価格というものが半公式に八百二十五円から八百九十五円にきまつておりますから、その八百二十五円、これは六十一ドル三十五セントでありますが、それと五十六ドル八十セントの間の四ドル五十セントばかりを、何とかならぬかということを通商局に話をして、そういう、目安でいたしたなら、まあまあバナナの取引業者と硫安協会と話合いをして、四ドル五十セントに近いところへ行くのは、——今の制度で輸出に対する優先外貨制度というものがありまして、これ御承知の通り前はいろいろ一〇%のもあり一五%のもありましたが、一律に一〇%の優先外貨制度というものを認めるということになつておりますから、その優先外貨制度で認められている一〇%に相当するくらいなバナナの輸入をして、硫安メーカーとバナナの取引業者にもフエーバーを与えながら両方でやつて行くということにして、それに近いものはカバーできるのじやないだろうかというアイデアを私の方はお示しして、そうして通商局の方でそういうものでよかろうということでお示しになつたわけでありまして、私の方からそういうコスト計算をして、それぞれやつて一〇%をきめたのではないのでありますから、そういうふうに御了承願いたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 できるだけ質問を打切りたいのですが、どうも打切れないのはやむを得ないのですけれども、私はバナナのことばかりを問題にしておるのじやないのです。優先外貨にしても同じです。優先外貨の考え方は、一〇%のバナナというのを考えられたのだろうと思います。この点は否認したり、抗弁しようとは思わない、ただおのおの個々が輸出の対象になるとするならば、優先外貨といい、あるいはバナナにしろ輸出の犠牲の多い、出血の多い部分にその分がまわつて来なければならないのじやないか、それならば個々の取引なんだということが言えるけれども、そうでなくて、数量に応じてこの一〇%というものがついておるのであるから、やはり価格を統制しておるのじやないか、価格を協定しておるのじやないか、こういうことになると、私はこう言つておるのです。価格の協定になるということは独禁法違反だ、こう申し上げておるのですよ。おのおの価格が違うにかかわらず価格を協定しておるところに問題があるのだ、こういう違反の協定をしないで、この利益を、多く出血した会社に多く払い、出血のない会社に少く払う。優先外貨の割当といえどもそういう割当をしろというならば、これは協定の価格じやない、こういうことは言えると思うのです。ところが優先外貨の割当といい、今度のバナナの割当といい、一様に数量に応じて割当てて、コストに応じて割当てていない。そうでしよう。おそらくこの利益は、さつき私が申し上げた通り、あなたのような主張であるならば、個々の業者に対して、これらの見合い分が還元されて来なければならぬはずなのです。補償されて来なければならないはずなのです。ところがそうではなくて数量ということになると、価格は一定の協定された価格に応じた一〇%、こういうことになる。そこで独禁法に触れるのではないかと私は申し上げておるのですよ。これはもしあなたがおわかりにならなければ、どうしても公取の委員長にお聞きしなければならぬ。あなたが私はそう思つておるのだ、思つていないのだと言うのは、あなた自身のお考えで、これは独禁法に触れるのです。私が触れると言うのが誤りだとすれば、また公取委員長を呼んで、ここでぎゆうぎゆう言わすことはあなたもお困りになるし、硫安協会も輸出会社法ができて、これで何とか乗り切ろうと思つているときに、わざわざ火をつけるということになるのです。火をつけてもかまいませんが、そういうことになると思うのですが、もう一度反省されることはありませんか。

柿手操六通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○柿手説明員 そう言われると非常に困るのです。そういうことはないのです。これは法律的に公定価格を、原価を調べてメーカーごとに国で価格をきめておりますと、おつしやるような方法も講じられるかと思うのでありまするが、現在はそういうふうな制度をやつておらないのであります。あの法律をしきますと、そういうようなことも可能かと思いますが、現在ではしようがない。そこでこれは三大臣も入つて、法律的には効果がないかもしれませんが、安定帯価格というものを八百二十五円ないし八百九十五円にきめられましたので、一応それを目安にしてはじく以外に方法がないから、われわれの方としてもやつたのでありまして、それはどこまでもメーカー個々にそういう目安で輸出した部分についてやる方法上かないから、私はそうやつたのでありまして、安定帯価格というものは政府の指示でやつたのであるからこれは協定したのだ、これが独禁法違反だということになれば別でありますが、これはどうもこの際としてはやむを得ないものであつて、業者の独禁法違反の行為というふうには私は考えないのでありまする

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 国内価格が、一つの協定をしたからそれが独禁法違反になるのだというふうには私は言つてない。これもあぶないと思うけれども、これは今国会の情勢等を参酌いたしましてきめられたものであつて、これは半分強要されたものであるから、これは独禁法に触れるかどうかということは非常に疑問があると思う。問題は輸出の問題です。価格協定をしておるのじやないかということについて、国内においては価格協定はしていないのだ、従つて独禁法違反じやないというのが大体今までの通産省の御答弁です。ところが輸出だけは価格協定をしておることがあまりに明らかじやないですか。それはおのおのコストが違うにかかわらず、コストの違う分について、この出血輸出に相応した見返りとしてのバナナなりあるいは外貨手当なりがあるならばこれは問題ありませんけれども、価格を協定しておるのじやないか、そこに独禁法違反に触れるおそれがあるのじやないか、こういうことを私は質問しておる。そうでしよう。ところが一〇%の、バナナを入れた場合に、この利益は各社にコストに従つて分配されると思いますか。そうじやないのでしよう。それならば問題ありませんよ。おそらくコストに相応してこのバナナの利益を均霑させる意味ではないでしよう。おそらく一様に一〇%——一様にといつても数量に応じて一〇%、そうすると価格協定じやないですか。出血の犠牲の大きいものも少いものも同じだということになると、価格協定をしておるのじやないですか。みな一様に生産費が同じであれば問題ありませんが、生産費が異なるのにかかわらず一つの値段で押えておるということは協定でしよう。協定なしにはできないでしよう。そこに協定が行われている。あなたはこれでも協定が行われてないとおつしやるのですか。あなたは今陳弁されて、後段の言葉の取消しはありましたけれども、あなたが通商局に行つて強要されたのでしよう。あるいは業者のために代弁されたかどうか知りませんが、とにかく交渉された。一様に一〇%であるということは、あなたが価格協定を押しつけたということです。そうでしよう。あなたみずから価格協定を押しつけておるわけでしよう。これはもうあなたから答弁の必要がないのです。あらためて公取の委員長を呼んで、この速記録を議題にして、そして意見を聞くことにいたします。あなたは独禁法の専門家じやないから、これに触れるか触れないかおわかりにならずに行政をやつておられるようであります。行政官として、独禁法に触れるか触れないかわからないでやつていたということは問題になりますけれども、一応かんべんいたしまして、あらためて公取委員長の前で説明を聞かしていただきたい。  それから経済局長にお尋ねいたします。去年りんごの値段が非常に下つたのは、バナナが急にたくさん入つて来たためにりんごの値が急に下つた。これは市場をお調べになつてごらんなさい。急に下つておるのです。これはみかんよりもりんごが一番大きな犠牲を受けておる。りんごを作つておるところは長野県、青森県、北海道ということになる。最近は福島県も大分出て来た。これは相当の脅威です。特に東北が冷害だということになると、長野も冷害の部類に入る。この部分から生産されるりんごにしろ非常な影響を与えるのですが、そういう点について御研究にならないで、バナナを入れることについて御承認になつたのですか。あなたの方は、やはり農産物ですから関係が深いのです。御研究になつておつたんですか、研究にならずにそのまま見落されておつたんですか、この点だけお聞きします。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 バナナは年間の輸入は先ほどからいろいろお話が出ておりますように、五百万ドル見当ということは私どもも承知しております。昨年のくだものの価格につきましては、これはバナナの競合というようなこともあり得るかと思いますけれども、むしろくだもの自体の作柄の関係が多かつたのではないかと思います。五百万ドル見当がくだものの価格にも相当悪影響はないだろうという大体の見当で考えておるわけでありまして、もちろんバナナがこういうくだもの一般とどの程度競合するかということについては、むずかしい問題であると思いますけれども、同じくだものの一種類といたしまして、関連があることは申すまでもないことでございますので、数量の点につきましては五百万ドル見当というようなことで、一応のわくをつくつておるわけであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 年間というけれども、こういう農産物、くだもの類は年間という計算ができないのです。砂糖のようなものは年間という計算をしてもよろしいのですが、バナナはある季節に急に入つて来たならば、ほかの価格を下げることは明瞭です。年間といえば、一年に平均的に入つて来れば、問題はなく計算が出て来ます。ところがこういうくだもの類は年間ではないのです。ある季節にどつと入つて来る。このことが影響して来る。これは一年にちやんときれいに、砂糖のように、割切つて、毎月のように割切れるならば、これは影響がないということができる。こころがある季節にぐんと入つて参りますと非常な影響を与えることは、経済局長は私が説明するまでもなく御存じのはずなんです。年間というような言葉で表現されると、誤算があるということを考慮にならなければならぬと思いますが、この点どうですか、考慮されて将来対処されますかどうか。

小倉武一農林事務官(農林経済局長)

○小倉説明員 もちろんこれはバナナに限りませんけれども、国内産の農産物等と競合する輸入品につきましては年間の数量ばかりでなくて輸入の時期等につきましても、できるだけ競合を避けるための措置については、絶えず連絡をして研究いたしておるつもりであります。また今後もさようにいたしたいと思つております。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、暫次休憩いたします。     午後一時三十四分休憩      ————◇—————     午後四時九分開議

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  冷害対策に関する件について議事を進めます。安藤君より発言を求められております。これを許します。

安藤覺自由党(分)

○安藤(覺)委員 冷害等による凶作対策に関しまして、次に申し述べるような決議をして、政府に申入れをしていただきたいと思うのであります。  なお、本決議の案文は、先ほどの懇談会において、各派の賛成を得て、作成したものでありますから御了承願います。それでは、案文を朗読いたします。    冷害等による凶作対策に関する件   過般の冷害並に十三号台風はついに未曽有の凶作をもたらし、今春以来の相継ぐ農業災害によりうちひしがれた被害農家の苦悩は今や極めて深刻である。   よつて政府は、農業経営をその破綻より護り、国民食糧の生産を確保するため、左記事項を中心とする凶作対策の樹立を急ぎ、その実現につき万全を期すべきである。     記  一、本年産水稲等の農業災害を補償するため、農業共済保険金の仮渡及び概算払の早期実施に必要な措置を講ずること。  二、農手その他の債務償還に必要な資金及び肥料、農薬、農機具等営農資材購入に必要な現金不足を補填するため、系統金融機関又は市中銀行等を通じ、長期低利資金の融通の措置を講ずるものとし、その融資目標額は一応二百億円とするも、農家の需要に応じ増額すること。融資条件は、(イ)利子率、六分五厘以内(開拓地にあつては五分五厘以内)若しくは減収が三割以上の耕地が耕地面積の一割を超え、又は減収三割以上の耕地面積が百町歩以上の指定地域の農家(開拓地にあつては、減収三割以上の耕地がその開拓地の耕地面積の一割を超える場合はすべての開拓農家に対しては三分五厘以内、(ロ)利子補給率、国及び県市町村において五分以上(開拓地にあつては六分以上)若しくは前記指定地域の農家に対しては八分以上(この場合国の負担は五分五厘)、(ハ)償還、三年以内、但し前記指定地域の農家に対しては五年以内、(ニ)損失補償、国及び県市町村において四割、(ホ)貸付限度、二戸当十五万円以内(北海道その他農家の被害規模大なる地域に対しては二十万円以内)とすること。  三、被害農家に対し有畜農家創設維持資金を融通する措置を講ずること。  四、被害地域において副業を振興奨励するために必要な措置を講ずること。  五、農林漁業金融公庫の資金を増加し、土地改良、林道、立木の伐採調整等に対する新規融資枠を拡張するとともに、既貸付分に対しても被害状況により条件緩和の措置を講ずること。  六、特に零細農家に対しては、自作農創設維持特別会計より反当一万円以上を供給することとし、所要資金の増加額は一般会計より繰入の措置を講ずること。  七、被害農家の食糧確保策として、政府保有米麦の売渡、無利子代金延納の措置を講ずるものとし、その数量は、本年度完全保有農家にして転落するものに対しては、三合七旬とし、本年度不完全保有農家に対しては二合七旬(但し農繁期には別に労務加配一合)とし、売渡価格は、米穀及び玄麦は概ね生産者価格程度、精麦は二〇キロ八〇〇円以内とすること。  八、米喰率の全国均一化に努めるとともに、パン、麺類の消費を促進するために必要な措置を講ずるものとし、特に被害地域の学童に対しては、粉食による学校給食を極力援助すること。  九、明年度麦類の大増産を図るために必要な指導並びに助成の措置を講ずること。  一〇、産米検査規格は実情に即するよう大幅に緩和するものとし、等外米の設定、買入に当つては、「等外の上」は、供出状況により義務供出割当の枠内に含ませること。  一一、来米穀年度端境期対策として、早場米の種子確保並びに奨励金について適切な措置を講ずること。  一二、被害農家用種子確保策として、種籾の買入の対玄米換算率は八〇%とし、基本価格は一般籾価格の二割程度引上げを行い、且つ、供出のための各種奨励措置にいかんなきを期するものとし、被害激甚地帯、特に開拓地農家の種子用籾、雑穀、馬鈴薯等の購入費に対し、高率の助成措置を講ずること。  一三、飼料確保対策として、飼料作物の種子購入費を補助するとともに、単作地帯農家に対しては、相当量の政府保有籾を三〇キロ五〇〇円以内で売却すること。  一四、本年度農薬及び防除機具購入費に対し、植物防疫法の規定に従い、補助金を大幅増額する等格段の措置を講ずること。  一五、被害農家の現金収入の方途を講ずるため、左記により緊急且つ広汎なる救農土木事業を興すこと。  (一) 積寒地帯等の災害地帯に対し、土地改良及び開拓事業を新規又は繰上げ実施し、団体営潅漑排水、小規模土地改良(農道、客土、床締、区劃整理暗渠排水等)及び温水施設事業貯水溜池の改修事業に対する補助率を総て五割以上とし、且つ対象面積を一団地五町歩に引下げること。  (二) 国有林野特別会計は本事業に強力に協力するものとし、林道、造林等の新規又は追加事業を行い、且つ三百五十万石以上の国有薪炭林の払下、無利子延納の措置を講ずること。  (三) 海岸防災林の造成復旧等の治山事業を新規又は繰上げ実施するとともに、林道事業については、林道の改修及び簡易林道の開設についても半額国庫助成を行うこと。  (四) 災害地帯の牧野改良事業の補助率を三分の二に引上げて早急に実施するとともに、牧道設置等新規事業を大幅に採り上げること。  (五) 干拓堤防の欠潰復旧、改良補強工事を速急に完成する措置を講ずるとともに、応急復旧費に対しても助成を図ること。  一六、積寒地帯等に対する総合助成施設に対する国庫助成額を大幅引上げるとともに、十三号台風による塩害地帯に対しては、特に鑿井、排水ポンプ、排水路の新設等除塩施設に対し補助すること。  一七、山村農家特に開拓農家の副業対策として、炭がまの更新又は新設に対し、内地一基三万円、北海道一基五万円に対し二分の一以内補助すること。  一八、保温折衷苗代奨励のため、助成対象坪数を二千万坪以上に増加するとともに、北海道に対しては温冷床苗代に対する補助を復活すること。  一九、冷害対策試験研究機関の拡充強化を行うとともに、農業気象観測並びにその利用施設の整備を図ること。  二〇、被害農家の農業所得税については、収支計算書を附して申告した者に対しては、翌年度以降への損金の繰越控除を認めるとともに、地方税減免、特別平衡交付金増額の措置を講ずること。  二一、災害復旧に対する地方起債の特例措置を講ずること。  二二、米価に対する凶作加算の算定方式に関し、速かに米価審議会に諮問決定の措置をとること。  二三、被害地域に行われる国民健康保険事業に対する資金の貸付及び補助に関する特例措置を講ずること。  二四、農産物価格安定法に関する附帯決議の趣旨を尊重し、自主的調整保管菜種の十三号台風に依る被害額につき至急、具体的補償措置を講ずること。  以上であります。

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 ただいまの安藤君の動議に対して御意見があれば発言を許します。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 別に御意見もなければ採決をいたします。  ただいまの安藤君の提案になりました冷害等による凶作対策に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 御異議なしと認め、本委員会の決議とするに決しました。  なお本件の議長に対する報告及び政府に対する申入れにつきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  暫時休憩いたします。     午後四時二十六分休憩      ————◇—————     午後六時三十分開議

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 休憩前に引続き、会議を開きます。  先刻決議になりました冷害等による凶作対策に関する件に附帯して、委員長よりお諮りいたします。ただいまの懇談会において申合せができました冷害等対策費に関する件につきまして、決議を行いたいと存じます。案文を朗読いたします。    冷害等対策費に関する件  一、本日付、本委員会の「冷害等による凶作対策に関する決議」中、第二項営農資金の融資額は、二百億円を下らざるものとし、第一項の農業共済保険費六十九億円は別枠とし、救農土木事業(農林省所管)を含む財政支出額は百十億円を下らざるよう確保すべきである。  二、八月及び九月災害(台風十三号を含む)の災害融資額を増額し、少くとも営農資金五十億円を確保すべきである。  以上でありますが、ただいまの件に対しまして御意見がございますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 別に御意見もなければ採決いたします。ただいまの決議文に対して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 御異議なしと認めます。よつてただいまの提案は本委員会の決議とするに決しました。  なお本件の議長に対する報告及び政府に対する申入れにつきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党委員長

○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十四分散会

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