農林委員会 第8号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/06/24
会議録
○井出委員長 これより会議を開きます。 去る二十一日、内田農林大臣が突如として辞任せられました。即日保利新大臣が御就任になりまして、本日委員会冒頭、新大臣よりのごあいさつを申し述べたいという申出があります。保利農林大臣。
○保利国務大臣 ただいま委員長からお話がございましたように、私は今回突然農林大臣として行政の責任を帯びるようになりました。至らざる、かつまた経験を有しない私としまして、まことにその責任の重大なるを痛感いたしております。当委員会の皆様方は、いずれも農政面に対して多大の御関心と御権威を持つておられる方々でありますので、私といたしましても、誠心誠意、全力を尽しまして責任を果して参りたいという気持でおるわけであります。どうかよろしくお願いをいたします。 なお一般農政上の諸問題に対しましては、いずれ開陳いたす機会をいただきたいと存ずるところでございます。今日は就任早々でございまして、一言ごあいさつを申し上げる次第であります。
○吉川(久)委員 議事進行について。ただいま新農林大臣からごあいさつがございましたけれども、ごあいさつの中に、いずれ新大臣としての農政に対する基本的なお考えをおつしやつていただけるように伺つたのでございますが、私たちがこれから農林委員会において諸問題を審議するにあたりまして、大臣の基本的なお考え方をひとつ伺つた上でないと、審議の上にはなはだ支障がございますので、きようすぐということは御無理でございましようが、いずれとおつしやいますが、いつごろそれを鮮明にしていただけますか、その辺を伺つておきたい。
○保利国務大臣 これはごもつともでございますが、御趣意に添いまして、私できるだけ早い機会にいたしたいと思います。しかし、前農林大臣から、過ぐる最近の機会に一般基本方針は明らかにしておられると存じます。私はもとよりまだそういうものを見ておりませんから何とも申し上げかねますけれども、同じ政党にも所属いたしておりますから、大本的には前農林大臣のお述べになりました線をとつて行くことは当然のことでございます。御審議上非常に御支障があつて、それでは尽されないということでございましようから、できるだけ早い機会に申したいと思います。いずれ委員長に申し上げまして、そういう機会をできるだけ早くいただくようにいたしたいと思います。
○井出委員長 お諮りをいたします。先ほど理事会の申合せもございますので、本日会議に付しまする事項のうち、とりあえず三件だけ政府側の提案説明を聞きまして、しかる後にそれとの関連をもつて御質問を願う。こういうことにして、とりあえず政府の提案説明を聞いて議事に入りたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御了承願います。 —————————————
○井出委員長 去る六月二十日本委員会に付託になりました内閣提出、市町村農業委員会の委員及び都道府県農業委員会の委員の任期延長に関する法律案、及び昨日本委員会に付託になりました内閣提出、昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案、及び農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を順次議題といたします。 まず三案の趣旨について逐次政府の説明を求めます。保利農林大臣。 —————————————
○保利国務大臣 ただいま本委員会に附託されました市町村農業委員会の委員及び都道府県農業委員会の委員の任期延長に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げたいと存じます。 市町村農業委員会及び都道府県農業委員会の委員の任期は、それぞれ七月十九日及び八月二十日に満了いたしますので、法律上任期満了前三十日以内に選挙を行わなければなりませんが、本委員会において御審議をお願いしました農業委員会法の一部を改正する法律案に基きます農業委員会制度の改正に関する方策が決定を見ますので、とりあえず市町村農業委員会及び都道府県農業委員会の委員の任期をそれぞれ六箇月延長いたしたいと存じます。 以上の理由によりまして、本法律案を提案いたした次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同賜わらんことをお願いいたす次第であります。 次にただいま提案になりました昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する営農資金の融通に関する特別措置法の提案の理由を御説明いたします。 今次の四月から五月の間における凍霜害はその規模きわめて大であり、被害をこうむつた農家の損失もまたきわめて大きいものがありますることは各位の御承知の通りであります。政府はこの事態に対処して、さきに被害農家の購入する肥料、蚕種等の代金の一部を助成いたし、あるいは被害農家に対する技術指導費の一部を助成する等の措置を講じたのでありますが、さらに被害農家が今後その農業経営を維持するのに必要とする営農資金が円滑にかつ低利で融通せられるための措置を講じ、もつて被害農家の経営の安定をはかる目的をもつて此の法案を提案いたしたのであります。 次に本法案の内容の概略を御説明申し上げます。まず第一は農林中央金庫、都道府県信連、農業協同組合その他の金融機関が被害農家に対して営農資金を融通する場合に、その金融機関に対して都道府県、市町村等が利子補給及び損失補償を行う経費の一部を国庫から助成する措置であります。すなわち今次の凍霜害により平年作に比し三割以上の被害をこうむつた農家に対し、金融機関が期限二箇年以内、年利六分五厘以内の金利で営農資金を貸し付け、その金融機関に対し都道府県または市町村が年五分以内の利子補給及び融通額に対し三割以内の損失補償を行つた場合に、国が融資総額二十億円の範囲内において、当該利子補給金または損失補償額の二分の一を都道府県に対して補助しようとするものであります。 第二点は農林漁業金融公庫の行う肥料、蚕種等の購入資金の低利融資であります。被害農家に対する桑、茶、果樹の樹勢回復用肥料、晩々秋蚕増産用の蚕種及び代作用蔬菜種子の購入資金についてはその三分の一を国が補助し、三分の一を都道府県等の補助に期待しているのでありますが、残りの部分につきましても低利資金を融通するためその半額を農林漁業金融金庫が融資し、残り半額を農林中金等の金融機関から融資せしめることといたし、そのため農林漁業金融公庫の本来の業務の他に公庫の業務の特例を設けようとするのであります。 以上がこの法案提出の理由並びに内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。 次にただいま提案せられました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明いたします。 農業、林業、漁業の生産力を維持増進するために必要な長期かつ低利の資金を融通する機関としての農林漁業金融公庫は去る四月一日に発足して以来、ただちに長期資金の貸付を開始し、すでに土地改良事業を初め各業種に対し相当の貸付成績を上げている次第であります。本年度における同公庫の貸付計画としては別に予算案に計上いたしました通り、長期資金として二百四十億円、さらに今次四月五月の間における凍霜害被害農家に対する樹勢回復用肥料、晩々秋蚕増産用の蚕種並びに代作用蔬菜種子の購入資金として九千三百万円、総計二百四十億九千三百万円に上つているのでありますが、この貸付に充てる資金源といたしましては、一般会計よりの出資百八十億九千三百万円、資金運用部よりの借入五十億円、既貸付金の回収十億円と計画しているのであります。このため現行法においては昭和二十八年度の一般会計よりの出資金百億円となつておりますが、これを改めて、百八十億九千三百万円に増加し、もつて農林漁業の生産力の増強に必要な長期低利資金の融通機関として重要な任務を持つ同公庫の基礎を堅実にし、将来にわたりその積極的な事業運営に万全を期せしめるとともに、あわせて今次凍霜害による被害農家に対する低利資金融通の措置にも遺憾無きを期するためこの法案を提出した次第であります。 以上がこの法案を提出した理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○井出委員長 以上三件に対する質疑はあとまわしといたします。 —————————————
○井出委員長 これより農政の基本施策に関する件について議事を進めます。 本委員会は先般前大臣より今後における農政の基本施策について所信を承り、またその裏づけどもなるべき予算措置についても説明を聴取いたしましたので、今回より説明に対する質疑を行う予定でありましたが、にわかに農林大臣の異動が行われたことは先刻御承知の通りであります。灰関するところによりますと、今回の農林大臣の更迭は、麦価問題に直接の原因があるやに伺つておりますが、本年産麦価決定の動向は、今後におけるわが国食糧政策の方向と重大なる関連を持つておるものと考えられます。つきましては、この問題につきまして新大臣に対して質疑を行います。質疑は通告順にこれを許します。吉川久衛君。
○吉川(久)委員 前回内田前農林大臣から、今後における農林行政の基本施策について伺つたのでありまするが、先ほど私が保利新大臣に伺いますと、いずれできるだけ早い機会に基本的な施策を申し上げたい、こういう御答弁でございます。そうすると前大臣の基本的施策は伺いましたけれども、新大臣の基本施策を伺わないで質疑に入るということは私はできないと思うのです。そこで私は大臣に伺いますが、先ほどの私に対するお答えに、前大臣が基本的施策を申し上げてあるが、まだ聞いてないから、どういうことかわからないが、同じ党であるから大した相違はない、こういうことでございましたから、前大臣の基本的施策とあなたの基本的御施策とは間違いがないというように了解をしてよろしゆうございますか。
○保利国務大臣 就任早々でございまして、今ここに前大臣の申された草稿をいただいておりますが、事実読んでおりませんので、これだけ読みましたあとで申し上げさせていただきたいと思います。
○吉川(久)委員 委員長にお願いします。新大臣が前大臣の基本施策をこれからお読みになつて、それに対しての御意見をひとつ伺つた上で、この質疑を続けたいと考えます。さようおとりはからい願います。
○保利国務大臣 無責任なことを申し上げるわけにはむろん参りません。ただ、しかしながら前大臣がお述べになりました範囲におきましては、私は全然その所見をひとしゆういたしておりますということを申し上げます。
○吉川(久)委員 そうすると、新大臣は前大臣と同方針であるように私は理解をいたしますが、わずか短時間の間に前大臣の基本的政策をごらんになつて御了解になるなどは、確かにかつて農林省に職を奉ぜられたこともある新大臣らしいところで、まことに敬意を表します。そこで私は伺いたいのでございますが、私どもの聞くところによりますと、麦価問題で大臣がおかわりになつて、たいへん世の中を騒がしておるのでございます。まつたく前の大臣と同じ基本施策をお持ちになるとするならば、なぜ更迭しなければならなかつたか、あんたが自由党以外から招かれて大臣に御就任になつたのならば、私はかような疑いを持ちませんが、しかし、同じ党の高級幹部でおいでになるあなたは、内田大臣を補佐して、誤りのないようにしなければならないお立場にある方が、その方がやめたあとをすぐに御就任になつて、しかも事務引継ぎも十分に行われていないで、この委員会にお出になるからには、はつきりした御信念を持つてここへおいでになつたと思うのでございますが、その辺のいきさつを、ひとつこの委員会を通じて国民の前に明らかにしておいていただきたいと思います。
○保利国務大臣 麦の問題で、麦価の決定を当面急がなければならない段階にあるということはよく承知をいたしております。前大臣がいかような事情でおやめになりましたか、私が伺つておりますのは、昨秋以来の御病気のためにおやめになつたということを伺つておるわけでございます。麦価の問題につきましては、去る十六日の米価審議会の答申をいただきまして、前大臣の御在任中も検討を続けられておつたようでございます。就任以来一両日、その検討を急ぎまして、できるだけすみやかに決定をいたしたいと考えておる次第であります。
○吉川(久)委員 昨年以来の御病気ということでございますが、数日前われわれ農林委員一同前大臣にお招きをいただきまして、その席で、今度非常な決意をもつてこの重職を担当することになつたから、諸君ひとつ頼むよということを、私は折入つて頼まれた一人でございます。そういう私どもの事実から、どうしても大臣のお言葉は、その場のがれのお言葉としか解されません。むしろそういうことは、率直に、はつきりお打明けになつた方が、あなたもお楽でございましようし、国民もその点は了承されると思いますから、どうかその点は包み隠さずにおつしやつていただいた方が、今後の諸案の審議の上にも非常に好影響を及ぼすのではないかと思いますので、どうぞ御遠慮なくもう一応……。
○保利国務大臣 お言葉を返すようでございますけれども、昨日引継ぎをいたしましたときにも、前大臣はそうおつしやつておりました。麦価問題を解決して行かなかつたことは遺憾だけれども、ひとつよろしく頼むというお話だつたのでございます。私はそういうふうにお話を伺つておる。かつまた前大臣の御退任については、そういうことでおやめになつたということを、内閣の方からも伺つております。それ以上のことは私は存じません。
○吉川(久)委員 大臣は、あくまでも御病気とおつしやいますが、しかし新大臣が御就任のときに、新聞記者に、私は自由党の政調会の意見を尊重してこの麦価問題に対処するというようなことをおつしやつておいでになるのです。そうしてみると、今のお言葉はどうも裏づけがないように思います。そこで私は進めてお伺いをいたしますが、それでは新聞記者諸君におつしやつたように、この麦価問題については前大臣の麦価に対する態度を踏襲されないで、あくまでも政調会の御意見に従われるのかどうかその辺を明らかにしていただきたい。
○保利国務大臣 お答えいたします。前大臣のおやめになる直前において、前大臣とされましても、麦価問題について最終的にお考えがまとまつておられたようには、私は伺つておりません。新聞記者に私が申し上げた点をお取上げでございますが、それは全体についての話でございまして、この大任をお引受けして今後どういう考えで行くかということにつきましては、私の所属いたしております自由党でも、農政については心配をしており、研究もしておりますから、できるだけこれを尊重して、そうして同時に、自由党以外の方々のお力もいただいて農政の発展に寄与して参りたい、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○吉川(久)委員 農林大臣の基本的な御施策は近いうちに承ることができると思いますので、私は他の施策についてはあらためて質疑をすることにいたします。本日は麦価問題のみについてやりたいという同僚議員の要望等もございますので、私はここで特に伺つておきますが、この麦価問題については、前農林大臣のお考え方をそのまま踏襲なさいますかどうか。
○保利国務大臣 先ほどもお答えいたしておきましたように、前大臣もいまだ麦価問題については検討をせられておりました段階でございますから、慎重に検討をいたしますというその態度はむろんとりますけれども、こういうことでおれはやつておつたということはございませんので、そのことは多少御質問にはずれるかもしれませんけれども、そういう気持で取急いできめて行きたいと、かように考えております。
○吉川(久)委員 じや、もし前大臣の立てられた、こういうものだという案がございましたら、それを踏襲なさいますか。
○保利国務大臣 私は、新たに任を負いました以上は、私の責任において慎重に検討をして、そうして解決をいたしたいと考えております。
○井出委員長 足鹿覺君。
○足鹿委員 施政一般についてはまた別の機会に伺うことにしまして、ただいま問題になつております本年産麦価の問題について、新農相に二、三伺いたいと思います。 ただいまの同僚吉川委員との応酬を聞いておりますと、前大臣との麦価についての事務引継ぎの点が問題になつておつたと思いますが、具体的に言つて、本年産麦価について内田農相から、文書なりあるいは口頭によつて、具体的にどういう引継ぎを受けておられますか、それを正確に承りたいと思います。
○保利国務大臣 先ほども申し上げましたように、前農林大臣からは、麦価の問題を解決できずして送ることは遺憾だけれども、よろしく頼むということでございました。それだけでございます。
○足鹿委員 たつたそれだけだそうでありますが、しかし物には経緯がくついておるのでありまして、検討中というものの内容、その内容ができ上るまでの経緯というものがあるわけです。それを具体的に申し上げて、新大臣に御答弁を願いたいと思います。去る六月十六日開催されました米価審議会で、私どもが審議会の答申案を政府に提示をいたしましたその際に、内田農相は、米価審議会の答申案の実現のために極力努力する、こういうことをはつきり言つておられますし、また十九日の本委員会においても、これは速記録によつて明らかでありますが、政府の食糧政策の重大な一環を占めるこの麦価の問題についても、同様米価審議会の答申案の実現に努力するということをはつきり確約をしておいでになる。そういう点をも含めて検討中の麦価について、新農林大臣としては問題の解決に当つて行かれるのでありますか。ただ検討中のまま引継いだというのでありますが、それは一応表面のことであつて、今私が申し上げました二点についても、公式の場合において速記録に残る言葉で明確に答えておられる。この点はいかがでしようか。
○保利国務大臣 前大臣がどういうお答をしておられますか、今お話の通りであろうと存じます。もとより米価審議会の答申を尊重いたして行かなければなりませんから、私はその趣意からもただいま検討いたしておる次第であります。
○足鹿委員 検討々々とおつしやいますが、麦は現に出まわつておるのです。大臣の更迭によつてまた相当空白ができた。しかるにそういう検討というようなことではなくして、本日の新聞紙によれば、政府の大体の考え方というものは一応出ておりますが、政府の考え方については私ども知る由もありませんから、具体的にお尋ねを申し上げますが、そういたしますと、現在の新農相としては買入れ価格についてどういう検討をなさつておりますか。その買入れ価格に対して農相が具体的に御検討になつておる内容、たとえば米価審議会の答申によれば、買入れ価格については少くとも現行生産者米価における特別加算額相当の加算措置を講ずること、少くともこの問題に関連して内田前農相が御退陣になつたことは、いかようにおつしやいましても世間が許しません。事実なのであります。その買入れ価格全般についての構想が困難であるならば、とりあえず目下焦眉の急に迫られておる政府の買入れ価格の問題については、どういう御検討をなさつておりますか。
○保利国務大臣 今御指摘になりました米価審議会の答申の一項について、もとよりその項目を尊重して検討をいたしておるわけであります。各麦について検討をいたしております。
○足鹿委員 本日の毎日新聞の朝刊によりますと、閣議決定の基礎的な準備はできておるやに報道をしております。すなわち昨日あなたは農林省分室で、松野政調会副会長、平野同会農林部長から、麦価値上げについて自由党政調会の意向につき正式申入れを受け、東畑次官、前谷食糧庁長官を交えて協議した結果、政調会案通り米価審議会に提出した政府原案に比べ、買入れ価格は小麦二%、大麦、裸麦四%引上げ、売渡し価格はすえ置くことを了承したと伝えられておりますが、さようなことを昨日農林省の分室においておやりになつておるのでありますから、これは少くとも新大臣の資格において、自由党の政調会長あるいは農林部長等と御会談になり、またこれには東畑次官も前谷食糧庁長官も参画しておられる、これは事実でありますか。しからばその内容を検討中などということはおかしいと思う。すでに具体的になつているではありませんか。それがなぜこの委員会において御親切な詳細な御答弁を承ることができないのでしようか。
○保利国務大臣 その新聞記事で御質問をせられますと、まつたくごもつともでございます。もう先ほど来申し上げております通り、むろん松野、平野両氏の御来訪を受けまして、その問題について話合いをしたことも事実でございます。いろいろ意見も出ております。同時にまた事務当局の意見も聞いております。聞いてただいま検討をいたしておりますけれども、その新聞は少し行き過ぎておるような気がしております。
○足鹿委員 行き過ぎておるとか行き過ぎてないとかいうことは、これはあなたの御主観なんですが、要するにこの事実はお認めになつた。しからば私が申し上げました買入れ価格について、ほかのことはあまり触れておられぬようでありますから、この事実をお認めになるならば、小麦二%、大麦、裸麦四%の問題については、少くとも御検討済みだと私どもは解釈するが、それはまだ検討済みではなく、まだこれよりもさらに引上げる方向へ向つて御努力になるつもりか。それともこれよりもさらに、池田政調会長案なるものの考え通りに小麦においてはすえ置くというような点について、政調会の圧力によつてさらに引下げの方向に御検討になつておるのか。御検討の方向は一体どちらを向いて御検討になつているのでしようか。これは国民として聞きたいのです。風水害、凍霜害等によつて、麦価の問題は普通の年と違つて非常に大きい。いま一つは、最近は米のやみ値が二百二十円を突破しておる。これに対して、今後の食糧政策の方向とも関連して、先刻委員長のお言葉の中にもありましたように、少くとも自由党及び政府は、食糧問題については統制の継続を確保するのか、自由党の公約通り自由販売制度への道を歩もうとするのか、少くとも食糧政策の大きな分岐点に立つておる。従つて私どもは、この問題をただ麦とのみ解釈しないで、広い食糧政策の一環としての麦、こういう観点からも重視しておるわけでありまして、そういう点についていま少し具体的に御答弁を願いたいと思います。
○保利国務大臣 ごもつともでございます。すでに麦は出まわり、もしくは出まわらんとしている際でございます。しかも先般来の風水害、凍霜害等によつて地方では相当重大な打撃を受けております。従つてこの麦価の決定が今日の段階におきましては一日も早く行われなければならぬという状態は、私もよく認識しておりますから、できるだけすみやかに決定をいたす所存でございます。決定をいたしましたら、むろんただちに発表いたす考えでございますから、暫時の御猶予をいただきたいと思います。もとよりこの検討はどういう検討をしているかというと、いかにして事情に適した、しかも米価審議会の答申も尊重して、適正な価格をどう決定するかということで、広汎な面において検討をいたしております。
○松岡委員 私は議事進行について申し上げます。ただいままで議場の様子を謹聴いたしておりまするが、自然休会中に各委員諸君が各方面に出て被害を実査した結果によつて、これらの被害民を一時も早く安心せしむることが必要であるという上から、委員諸君のそのなされたるところが現われて、ただいま大臣がこの改正法案を出しておる。これが参議院に行つて一時も早く被害者を安心せしむることが、われわれ委員としてもなすべき当然のことだと思うのです。大臣が新たにかわられ、麦価の問題あるいは米価の問題の論議も当然必要ではあるけれども、これらの問題よりも先決的に、一時も早く被害民を安心せしむるようにすることが、委員としてもなすべき当然のことだと思う。先ほどから承りますれば、新大臣と旧大臣の問題について種種ありまして、これらは謹聴しまするけれども、それよりも一時も早く被害者を安心せしむるようなぐあいになすのが、われわれ書としての当然のことかと思うのであります。決してただいままでの御発言に対して私は云々言うのではありません。そういう問題はじつくりと新大臣に対して、そう速急に行かぬでも、私はこの問題をやつてからでも遅くはないじやないかと思う。そういう点から参議院にいつときも早くこの法案をまわすようなぐあいに御審議をくださるように、——私どもとしては、あの実に深刻なる被害に対して同情の念を禁ずることができない。ことにこの四月、五月とありますけれども、六月に新たに甚大なる被害も出ておるので、こういう点に向つて委員長の御善処方をお願いしたいと思うのであります。
○井出委員長 松岡委員に申し上げます。委員長はもちろんそのつもりで審議を進めております。先ほど来の麦価問題もこれと重大な関連がある、こういう意味で質問を許しておるわけでございまして、ただいま松岡委員の御発言のように、先ほど提案説明を聞きました三案については、本委員会はなるべく本日中にとりまとめて進行をしたいと考えます。
○足鹿委員 私がこの問題を重視しておりますことは、凍霜害関係並びに農業委員会法の一部改正、なかんずくこの任期延長案等については、私どもすみやかに審議する用意を持つております。その点については決しておろそかには考えておりませんので、御了解を願つておきたいと思う。ただ私は、この際農林大臣に申上げておきたいことは、この麦価の問題については去る六月十九日、本委員会において与党たる自由党をも含めたる決議案が採択をされ、委員長を通じてそれは政府に伝達されておる。すなわちそれは、大臣は新しく御就任になつておりますから、念のために申し上げますならば、「昭和二十八年産麦価に関する決議 政府は昭和二十八年産麦価に関する米価審議会の答申を尊重しこれが答申実現のため最善の努力をなすこと」という自由党をも含めた満場一致の決議案であります。この点をはつきりと胸に置いていただきたい。われわれは別にこの麦価の問題を、政局の問題とからんで、何か審議の延長をはかり、凍霜害の問題を引きずるというような考えはありません。少くとも農林委員会の満場一致の決議に対して、新大臣がわれわれ委員会に対して所信を具体的に御発表になる責任があると思うから、この問題はくどいようですが、あえて追究しておるのです。このただ単に米価審議会の答申尊重という米価審議会に対する問題と、六月十九日の本委員会の満場一致の決議という問題について、農林大臣はどういうふうにお考えになつておりますか、その点の御所信も承つておきたい。
○保利国務大臣 ただいまの御趣意に対しましては、私も十分承知をしておりまして、それをも腹に置きまして検討しておるわけでございますから、重ねて申し上げるようでございますが、ひとつこの問題は今日は右の程度で御了承をいただきたいと思います。
○井出委員長 川俣清音君。
○川俣委員 大臣の一般的な施策に対する質疑は、いずれあとで十分尽さなければならないと思いますが、今問題になつております法案を審議する上からも、麦価の問題をすみやかに決定しておかなければ、これらの法案を十分生かして活用するわけには行かないと思いますので、先ほどの理事会におきましても、麦価の問題を優先的に大臣に質問することに決定いたしたのでございます。従いまして、この観点から新大臣にお尋ねいたすのでありますが、私は、保利農林大臣は今日の国会における情勢も十分把握されて大臣に就任されたものと理解いたすのであります。しかも同じ吉田内閣でございますから、内田農相のあとを追つて責任をとらるるといたしますならば、政治道徳からいたしまして、前大臣の責任を背負うのが当然だと思うのであります。従いまして、前大臣の責任を負えないというような考え方でありますならば、おそらく大臣の就任を拒まれたと思うのであります。そういう意味から、前大臣の意向を十分尊重しながら新農政を行うという御意図につきましては、私もそうあるべきだと思うのであります。 そこで一参つお尋ねいたしたいのですが、大臣に就任にあたつて、当然みずからの意思で、今後どうして農政をやるべきかという点から、特に国会開会中でありますので、麦価の問題が問題になつておるということは一議員の一人として保利君十分御承知であつたと思うのです。従いまして、この問題点をみずから積極的に前農相に意見を聞かないで御就任になつたとは、政治常識上考えられないのであります。これは最近新しく出て来た代議士でありますならば別でありますが、保利君は戦前から出ておられて、山崎農相の秘書官も勤めて、大体大臣はどういう引継ぎをするのかということは十分御承知のことであります。従いまして、ただ内田農相からこれこれであつた、はあそうであつたかというような引継ぎをされたということはおよそ考えられない。そこでこの麦価問題については、おそらく保利農相から積極的な引継ぎを求められたものと私は常識的に考えますけれども、私のこの常識が間違つておりますかどうか、大臣に伺いたい。
○保利国務大臣 川俣さんの御意見はごもつともでございますが、実は率直に申し上げまして麦価問題が相当差迫つて来ておる問題だ、どうきめられるかということは、議員としても私は関心を持つております。しかし大臣がやめられたということは、これは私は寝耳に水といいますか、従つてまたお話を受けましたときも、まつたくの不意のことでございまして、その就任をお引受けいたしましたときに、麦価の問題はどうなつておるかということは、これははなはだ私の至らざるところでございますけれども、就任をするにあたつて、事前にあるいは前大臣から、あるいは関係の方々から十分お話を伺うという機会はなかつたわけでございます。この点はひとつ御了承をいただきたい。
○井出委員長 川俣委員に申し上げますが、実は先ほど来予算委員会から、ちようど農林大臣の答弁を願う順番に相なつておる、十一時半という期限を一応切つて来られたのでありますが、こちらの質問も非常にエキサイトしておつた際で、今まで延ばしていただきました。向うを済ましてもう一ぺんおいでをいただくことにして、ちよつと予算の方へ行つてもらつたらいかがでありますか。
○川俣委員 よろしいです。
○井出委員長 その間先ほどペンディングしてある農業委員会の委員の任期延長、ああいつた問題を少し審議願つ て行つたら、こう考えます。
○井出委員長 これより市町村農業委員会の委員及び都道府県農業委員会の委員の任期延長に関する法律案について質疑を行います。
○久保田(豊)委員 この案によりますと、七月の成規の任期から六箇月延期するということになつているが、六箇月というのは、何か理論的な理由なり、具体的な理由なり、いろいろあるかと思うのですがこれをひとつお聞かせ願いたい。
○小倉政府委員 六箇月となつておりますのは、特別理論上といつたほどの意味はございません。ただ七月十九日をもちまして委員の任期が満了になるものにつきましては、あまり著しく延ばすということになりますと、選挙によつております制度の本義にもとることになりますし、といいまして、あまり短い期間では、本国会で御審議願うためにもよくないと思いますし、また農繁期に重なるというようなことにもなりまするといかがかと思いまして、六箇月といつたところが適当じやないか、かように考えた次第であります。
○川俣委員 二、三点お伺いしたいのです。この法案を出された気持は割合に理解できると思うのですが、しかしなお真意を確かめておきたいのです。前国会から農業団体の再編成の問題はなかなか帰結が得られないために、農政当局も苦慮されておるようであります。従いまして何らかの便法を考えなければならないということでこの法案を出されたという意味は、理解できるのであります。しかしながら問題は、農業委員会と農協との、いわゆる農業団体の再編成の問題につきまして、この国会に出されようといたしておりまする再編成の方針が、そう簡単に議決を得られるとは思われないのでありますけれども、農政当局はどういうふうにお考えになつておられますか。
○小倉政府委員 もちろん私ども政府の者といたしましては、提案されました法案が通ることを希望いたしておるのでありまするが、万が一通らぬといつたような場合を仮定して考えますれば、現在の農業委員会の制度がそのまま存続するということになります。ただその場合にも、この延期の法案が通過いたしますれば、この延期されましたことが一つここに織り込まれるということが違つて来るだけであります。御趣旨のようになかなかこの問題がむずかしゆうございまして、簡単に結論が出にくいといつたようなことも推察されましたので、本法案が提出されたのであります。
○川俣委員 政府が大体通る見込みをつけておられますならば、これは法制上の建前でありますが、この改正案の中にこうした規定を入れてもさしつかえないんじやないかと思うのですが、単独法で出されたということは、通る見込みが割合少いんじやないかというふうな懸念があつてのことですか。それとも、通るという見込みでありますれば、附則にこれを規定してもよろしいと思うのでありますが……。
○小倉政府委員 これを別の単行法にいたしました理由は、この農業委員会の一部改正法の附則にでもこれを入れますと、一部改正の方が通らなければ任期延長も通らないことになりまして、結果としてまずいことにもなりかねませんので、単行法として独立に出した方が、これを自由に御審議願う場合にも最も便宜ではないか、かような趣旨であります。
○井出委員長 他に御質疑はありませんか。——他に御質疑もなければ、これをもつて質疑は終局することにいたしまして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 さよう決します。 —————————————
○井出委員長 次に、昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法案を議題といたしまして、これについての質疑を行います。金子與重郎君。
○金子委員 この法案は、各党合同の凍害対策委員会の申合せによりまして、こうした方策をとるということがきまりましたので、その大綱においては問題はないのでありますが、一、二この法案で解釈できない面がありますので、その点をお伺いいたします。 この法案によりますと、貸付の目的が、今度の春の凍霜害による被害農家に対して、肥料の買入れその他の営農資金ということに条文上書いてあるのでありますが、各党の合同対策委員会におきましてこの問題が取上げられたときの内容といたしまして、今度の凍霜害における被害による収入減に原因いたしまして肥料が買えないとか、あるいは営農に支障を来すというだけでなく、これと密接な関係のありますところの、かつて営農上借り入れておりました一般農家の農業手形、及び開拓地におきましては、信用基金による借入金の返済も当然できなくなりますので、この借りかえ資金も今度の融資の対象に含むということを、申合せとしてははつきりと承認を得られまして、それからこの法案の出発になつたと思つておるのでありますが、この点は相当重要な問題でありますので、この際はつきりと政府の方で見解を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○篠田政府委員 金子さんの御質問の、凍霜害の問題のほかに、過去における農業手形その他の金融の措置という問題がありましたが、これはこの際借りかえによつて処置して行く、こういうふうに考えております。
○金子委員 ただいまの答弁の要旨は、この間の五派の合同委員会のときの申合せの通り、政府も、新しく生れる営農資金だけでなしに、旧営農資金を借りたものの返済に充てる分も含むということで了承してよろしゆうございますね。
○篠田政府委員 さようでございます。
○金子委員 それではその次の問題でありますが、凍霜害の対策委員会のときには、開拓地の問題が統計上はつきりと別わくとして出ていなかつたことが一つと、それからその対策が非常に急がれて考究された関係上、今度の風水害にも同じ関連性を持つのでありますが、この資金融通その他の問題を取上げてみたときに、開拓地が共済の対象になつておらない点、それから開拓農民の経営の基礎が旧農家に比べて全般的に薄弱であること、そういうような面を取上げましたときに、開拓地の農民に対する救済というものは、手を及ぼしたくも、今の制度の範囲内においては及ぼし得ないというのが現状であります。それと同時に、さいぜん申し上げたように、風水害のときには、開拓地の問題が一応上りましたけれども、さてこれをどうするかという段階には入らなかつたのでございます。そこで私は今この法案を審議し、決定される前にあたりまして、政府にお考えおき願いたいことは、ほかの制度からまつたく恩典のない、ただ一つ営農資金の融通ということだけが、開拓地に残された救済策でありますので、開拓地の基礎的な条件の悪いこと、またさいぜん申し上げたように、ほかの方法で救済の見込みがない、方法がないという特殊性にかんがみまして、利子補給の面で開拓者に対して、もう二分なり二分五厘の利子補給をしてあげる、こういうことをこの法律の中で、しかもこれを行政上の処置として一体できるかできないかということが一つと、またする意思があるかないかということが一つ。もしそういうことをする意思がないならば、これはどうしてもしていただきたいということが一つ。もう一つは、法律を改正しないで、行政的措置でできるとするならばそれでよろしいが、できないならば、できるようにこの際一部法律を改正したらどうか、これは意見になりますが、それに対する政府の見解をお聞きしたいと思います。
○篠田政府委員 開拓者の問題は先般も委員会において申し上げましたように、開拓者資金は、営農資金の六分五厘よりもさらに安く、三分六厘五毛というふうに、非常に利子が安くなつておるわけであります。これをもつて充てるつもりでおりますが、ただいまおつしやいましたように、この法案の中にも別に開拓者を除くどいうふうにはなつておりませんので、もしこのわくの中でできないならば、あなたのおつしやるように考えて行きたいと思いますが、原則といたしましては、今申し上げたように、三分六厘三毛の開拓者資金によつてまかなつて行きたいと思います。
○金子委員 三分六厘というのは、一体どの法律による貸付金であるか。その点はちよつと私違うように思うのですが。
○篠田政府委員 ここに法文を持つておりませんが、開拓者資金融通特別会計法になつておると思います。
○金子委員 開拓者基金によるところの通常の貸付とは別のものでありますか。
○篠田政府委員 それは基金ではなくて、政府の資金であります。
○金子委員 その金が今度の災害による損害の報告によつて、いわゆる一般農家の今度の災害の結果借入れ申込みが出て来て、一応二十億というわくが出たのでありますが、それと同じ意味において災害地から申入れがあつたときに、そのわくを今度のきようやる法律にかわるべき資金より出し得るわくがあるかどうか。それがなければ何にもなりません。これは非常に重要な問題でありますから、そうだとすれば、開拓者は今度はこの資金は借りない。そうして別にあなたの説明した開拓者の別な金融のわくをこれに充てる、これと同じ性格のものに充てるというふうに、開拓者方面の資金要求に大きく方向をかえなければなりませんので、この問題は相当重要な問題でありますから、見解を明らかにしてもらいたいと思います。
○篠田政府委員 このわくの問題でありますけれども、もし今のわくで足りない場合には、特にそのわくを拡充するように考えなければならぬと考えております。
○金子委員 これはきよう初めてお伺いしましたが、今までの方針と大分かわつておりますから、開拓者に関する限りは、開拓者はおそらくこの金は必要でないということになつて、開拓者の方から今度災害の営農資金として要求されるものは三分六厘の金を要望するということに当然なりますから、それに対して政府は責任をもつて、この二十億と同じような性格を持つわくをふやすということが言明できますか。
○篠田政府委員 多少言葉が足りなかつたようでありますが、開拓者の救済も実は二十億のわくの中に入つておるわけであります。そういうわけでありますから、二十億のわくの中においてもし足りない場合には、このほかに開拓者に限つて利子補給の意味で考えなければならぬというふうに考えております。
○金子委員 それでは私がさつきから言うことにもどつてしまう。結局開拓者の営農資金というものがこの中に入つておるとすれば、ほかの信用基金であるとか、その他の開拓者に対する金融措置が講じられないという立場で行くならば、今度の二十億のわく内で別途に利子補給の道を考慮されたらどうかということを申し上げておるのです。
○篠田政府委員 二十億のわくの中にもちろん開拓者も入つておるのですけれども、この二十億というものは、御承知の通り期間も非常に短かいし、利子も六分五厘ということになつておるわけでありますから、それを期間も長い、利子も安い開拓者資金の融通をいたしまして、一方において利子補給、一方においてそれを長期に延ばすというふうに考えております。
○金子委員 ちよつとくどいようですけれども、非常に大切なことでありますし、開拓者としては、どつちの資金を申し込むかという限界になりますから、この点だけは政府ははつきりしていただきたい。この二十億の金を申し込まなければならないのか。それともあなたの方で三分六厘の開拓者特別融通資金を出して、それに申し込ませるということになるのか、これは大きな問題ですぐ当つて来る問題ですから、はつきりしていただきたいと思います。
○篠田政府委員 はつきりしておきますが、この二十億のわくの中で申し込んでもらいまして、それを開拓者資金の融通によりまして利子補給をし、かつそれを長期に延ばすというふうに考えております。
○金子委員 この問題は、わくが非常に問題になつて来るのですが、どういうことなんですか、こんがらがつてよくわからないのですが、二十億を新しい資金の、わくに入れるというならば、ほかの方のわくは絶対ふえないということになりますが……。
○篠田政府委員 この二十億のわくでやりまして、それでも開拓者の救済ができないという場合には別に考慮したい、こういうふうに考えます。
○金子委員 それではこの問題は、二十億の中で、一応救済のための営農資金として、一般農家と同じようなわくの中に開拓者の申込みを受けることになる。そうなりますと、開拓者に対する金利に対してもう少し考慮したらどうか。それは予算措置からいつても大した金額ではないから、考慮したらどうかという私の意見なんです。それに対して政府はどういうふうにお考えになりますか。
○篠田政府委員 でありますから、ただいま申し上げましたように、この二十億のわくの中で救済をするわけでありますが、そういたしますとこの利率の問題につきまして、このわくが高い。そこでそれは開拓者資金というものを融通いたしまして、その利子の差額を補給する、こういうわけであります。要するに六分五厘と三分六厘のそれぞれ差がありますから……。
○井出委員長 松岡俊三君。
○松岡(俊)委員 ここにはつきりと「昭和二十八年四月及び五月における凍霜害の被害」と出てます。これは前回申し上げた通り、その後に起つたのが全国にまれなる山形県のかいがら虫の被害です。これは四月、五月じやなく、六月に出て来た、あとの分です。これだけはこの前明快な答弁は得てますけれども、もしもこの中に入つておるとすれば、この予算をこの方面に少し流すということになつてはたいへんなことだと思うのであります。その点について……今のようにこれは四月五月とはつきり出てますから、このほかの今のかいがら虫の被害を、どのような予算措置でもつて対処するかということだけは明確にしていただきたいと思うのであります。その他の融資のことはわかりますけれども、その点を明らかにしていただきたい。
○篠田政府委員 金子さんのおつしやつたことに答えるのですが、どうも不なれでありまして、こまかい規則は実際知らないのです。そこで今いろいろ説明を聞いてお答えしたのでありますけれども、多少どうも私の、質問に対する感度が違つておつたようであります。従つて答えもどうも少し合わなかつた点があると思いますので、今農地局長が見えましたから農地局長から説明いたすことにいたしますから、御了承願いたいと思います。
○井出委員長 今松岡委員の御質問があつたのですが……。
○小倉政府委員 今のかいがら虫の件でございますが、これはこの法案によりますと営農資金の対象とはなしがたいと思います。ただこれが共済保険の対象になるかどうかという点につきましては、ただいま養蚕技術の点から検討を加えておりますので、近く結論が得られると思います。そして私どもの意見では、これは蚕糸の技術関係の規定によりまして処置いたしたい、こういうふうに考えております。
○平川政府委員 開拓者に対する資金融通の問題でありますが、二十億の一般の分は、その中において、一般の利子で貸付をするということになつております。開拓者資金融通の方は、これは法律の建前上入植後の営農施設に対する貸付と、さらに若干の中期の家畜等に対する貸付ということになつておりまして、これを開拓者の凍霜害等に対してこういう種類の貸付をすることは、会計検査の関係等からいたしましても違反になりますので、直接にその方に出すわけには参らないのであります。ただ開拓者のそういう損害を受けました人々に対して、中期の営農資金を貸し付けるという割当等の際にわいて十分考慮いたしまして、実際問題としてそういうところに相当の資金が行くようなふうにとりはからいたい、かように考えております。
○金子委員 私はそういう考え方がほんとうだと思つたからこういう質問をしたのです。なぜならば、今の開拓者に対する特殊な金融というものと、もう一つは信用基金によるところの営農資金、平時における営農資金、いわゆる農手に相当するものですが、この二つのルートというものは、そう簡単に原則としてこわせない。だから災害という特殊な場合における資金というものはあくまでも特殊な形にして、常時の二つの資金の返済と貸付というものに対しては、大きな番狂わせをしない方が、国家のためにも、開拓者のためにもいいじやないか。さてそうなつて来ると開拓者に対してはほかの条件もないし、またあの営農の基礎も薄弱な特異性からかんがみて、予算的な金額は幾らでもないから、これは何とか今度の二十億のうち、開拓者から申込みがあり、それに貸し付ける分に対しては、利子補給に対して考慮することがいいことじやないか。またそれをこの法律で考慮できるか。今度の予算は一応二十億と限つておりますけれども、これには麦は入つておりませんから、当然麦を含めて参りますと、今度の風水害と同じような立場において、この予算は相当考慮しなくてはならぬ問題が出て来ることを考えたときに、この利子補給問題を開拓者に対して考えたらどうか、こういうことなのであります。
○平川政府委員 この利子補給につきましては、一般の二十億の資金に対する利子補給の一般原則でさしあたり行かざるを得ないというふうに考えております。ただ一方に低利の資金融通の道がございます。ただこれは貸出しの場合が限定されております。たとえば中期の資金にいたしましても、これはその対象である開拓者が借り受け得るものであります。従つてこの割当等の際にその災害地等に対しては考慮をして、その資金融通の方の割当がよけい行くように実際上いたせば、それで金にしるしはないわけでありますから、ある程度の補いがつくじやないか、かように考えております。
○金子委員 平川君のその考え方は違うのです。そういうふうに考うべきものでない。たとえば災害を受けた開拓者と受けない開拓者がある。それであなたの、前の低利資金というのは、災害を受けたからよけい借りる、受けないから少く借りるという性格の金じやないのです。でありますから災害は災害として考えるならば、この際一般農家に対して五分の補給をする場合に、開拓者に対して率をかえて補給するような考慮をしたらどうかということなんです。これは、あの相談のときに開拓者の問題があとからあつたので、このときの相談には載つておらなかつたのであります。これは予算的にもわずかなことでありますので、これを考慮したらどうか。
○平川政府委員 これは開拓者の特殊事情もいろいろあるわけでありますけれども、やはり財政法の関係もございまして、この利子補給につきまして差を設けるということについては、大蔵省の了解もまだ得られない状態でありますので、さしあたり現行制度の運用で行ける部分はできるだけやりたいということを申し上げたわけでありまして、本格的に申せばお話のようなことになると思います。これについてはいまだ大蔵省の了解を得られるようなことになつておりませんということを申し上げたのであります。
○金子委員 最後に。大蔵省はおしゆうとさまみたいなものですから、一々大蔵省に伺わなければここで答弁できないかもしれませんが、それに対してわれわれも努力しますが、あなた方もそれに対して、その趣旨を了として努力するお考えかどうか、その点を聞きます。
○平川政府委員 その点については大蔵省としての立場もありますから、その方の立場も了承できるような形を私の方でくふういたしたいと考えております。さらに根本の問題として、こういう開拓者に対する災害がしばしば起りますので、こういう場合にお話のような点をある程度制度化することも必要じやなかろうかということも考えておるわけであります。
○古屋(貞)委員 私はこの前質問を次官にもしたのはその点なんですよ。今金子君が言つているのは、開拓農民であつて、共済組合に加盟していない者は、今回の補助やその他の共済保護が非常に不足しておるので、この点政府は特別な措置をとつて援助するかどうかという質問をいたしましたらば、政、務次官はそれはそうやろう、こういうことがあるものですから、そこで今金子君の言つていると同じように、政府は十分に考えてこれを補助するような対策を講ずるか、講ぜないかということが前提なんです。従いまして金子さんの質問は、誘いをかけてこうしたらどうかということを言つておるわけです、それを変な事務的な答弁ばかりしておりますけれども、政府ははたしてそういう特段な考えを持つて援助するかどうか、しからば具体的にはどうかという質問なんです。これを政務次官に承りたい。
○篠田政府委員 今率直に言えば、大蔵省との関係の折衝があるわけであります。そこでわれわれとしては、十分にそういうふうにしたいという考えを持つて努力中でございます。極力努力いたしますから、その程度で御了承願いたいと思います。いかがでしようか。
○古屋(貞)委員 今の政務次官の答弁けつこうでございますが、一つはとにかく一番経済的に弱い、しかも新しい農民の開拓者が、今申し上げたような共済保険にも入つていない。ただ普通の農民と同じような援助を受けたのでは立ち上れない。しかも最近の状況は、農地課長もいらつしやいますが、ほとんど農地を離れて、ほかに転職するような人が非常に多くなつて来ている。これでは増産ができない。せつかくこれを増産せしめたり、そこに落ちつかせて、ほんとうの農民にしようという努力と、愛情がありまするならば、これは二十億の補助でもけつこうです。やれる範囲で特段な補助を講じてやつていただきたい。それがわれわれの要求なんです。しからばそれは単なる、大蔵省に折衝して努力するというようなことでなくて、もつとほかに具体的な方法があるかどうか、これをお聞かせ願いたい。
○篠田政府委員 もう御趣旨まことにごもつともであります。私も身にしみて感じております。そういう意味合いにおきまして、農林省だけでなかなかまとまらないところでありますから、ひとつ相手もあるのでありますから、一生懸命努力いたしたいと思います。
○松山委員 政府にお尋ねいたしたいのです。営農資金の利子でございますが、六分五厘以内の金利ということに相なつております。五分を国と県が補助するということになるのであります。大体一割一分五厘ということに農林中金の利子がなるのでありますが、市中銀行は大体八分くらいの利子でございます。といたしますと、農林中金の方が非常に高いということになるのでございますが、国と県で補助をいたしますと、市中銀行でしたら、三分を本人が出せばいいということに相なるわけでございます。ところが農林中金の方になりますと、六分五厘を被害農民が出さなければいけないということになるのであります。どうもそこらあたりのりくつがちよつと了解できないのでございますが、農林中金等の利子をもう少し引下げる、特に凍霜害の問題につきましては、引下げるというわけには参らぬものでありますか。その点をお聞かせ願いたい。
○小倉政府委員 農林中金の利子は一割でございますが、信連、単協を通じますために、一分五厘の手数料を認めておる次第であります。もちろんこれは市中銀行に比べまして高いという問題がございますけれども、中金の自己出資と申しますか、中金の金に依存いたしまして、それに利子補給をするということが建前になつておりまするので、農林中金の一割というものを基準にいたしまして、利子補給がありますので、農家の出す金は六分五厘ということになるわけであります。
○松山委員 利子は国と府県または市町村で五分負担するということになるわけでございますが、そういたしますと、中金あるいは信連その他協同組合等の利息はここに書いてありますように、六分五厘以内ということになりますが、市中銀行から比べて非常に高いことになるわけでございます。せめて凍霜害につきましては、市中銀行並に利子を引下げるわけに参らないものか伺いたい。
○小倉政府委員 お話のごとく中金の金利を下げるということは、農民のプラスであることは申すまでもないのでありますが、ただいま中金の資金のコストはおそらく一分くらいになつていると思います。普通の貸出しといたしますと、一割をちよつと越えているわけであります。それを一割に勉強しているという関係でございます。なお金利体系全体をにらんでの金利引下げという点もございますが、これは中金の資金と申しましても、農家の金が単協、信連を通じて上つて来る分と、それから農林債券を発行しますその金とで中金の資金ができておりますので、急に現在の金利を下げるということもなかなか、むずかしいとも思いますけれども、御趣旨のほどはわれわれももつともだと存じますので、努力いたしたいと思います。
○松山委員 一般の市中銀行に比しまして中金の方が高くなつておりますが、さればといつて特定の市中銀行から借りますと、個人々々でございますので、いやがつてなかなか貸さない。従いまして凍霜害のような場合は特別の場合でありますから、何とか一般市中銀行並の利子に引下げてもらうというような交渉をしていただきたいと思います。 —————————————
○平野(三)委員 議事進行について……。本日午後一時から農業共済に関する小委員会も開かれることになつておりますし、なお質疑が終了しないようでありますが、先ほど農業委員会の委員の任期延長に関する法律案の質疑が打切られたのでありますが、この両法案の質疑は次会に続行することにして、時間の関係もあるので、任期延長の法案に関する審議を進められんことをお願いいたします。
○井出委員長 ただいまの平野君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 それではこれより市町村農業委員会の委員及び都道府県農業委員会の委員の任期延長に関する法律案につきまして、討論を省略し採決に入りたいと考えます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○井出委員長 起立総員。よつて本案は可決すべきものと決しました。 なお本案に関する衆議院規則第八十六条の規定による報報書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 —————————————
○久保田(豊)委員 ただいまの凍霜害に対する開拓者の件ですが、これではどうにも実際にまわらない。というのは県の信連や普通の協同組合は開拓者に金を貸さない。事実なかなかまわつてはおらない。私は中央の農林金庫からこのわくの中に特別の措置をとり、なお利子その他についてもはつきりした措置を中央で確保してやらない限り、ほんとうに困つている開拓者には令は行かないので、そういう点をはつきり出して、形式はどういう形にするかということは別問題ですが、この点が解決されない限り、開拓者に対してはこの凍霜害に対する救済の資金は行かないと思う。現に今までの政府の答弁ではどうにもならない。この点をはつきり出さない限りこれは非常に困難だ。これに対する政府の回答なりあるいは農林委員会としてこれに対してどういう回答をするかということが大事だと考えます。
○小倉政府委員 ただいまのお尋ねでございまするが、資金のわくを別わくにするということは、今回の法案の建前から行きますと不可能ではございません。しかし一応わけましたにいたしましても、実情におきまして単協が貸し付ける場合に、開拓者の方につきましての資金の融通を締めるということはこれはあり得ることでございます。もつとも今回は三割の損失補償がついておりますので、そういう趣旨も十分この系統の金融機関に浸透させまして、この資金につきましてのやり方につきましては、開拓者に対しましての不便をかけないように努力をいたしたい、かように考えております。
○久保田(豊)委員 今の三割の損失補償ですが、町村では開拓用地に対して三割の損失補償ということは実際問題として困難だと思う。県等において代表的にやれば別ですが、これとてもある程度の議論があります。従つて別個のわくをつくつて別個の措置をもう少しとらないと、この金は流れて行かない。この点に対する具体的な政府の考えがあるかどうか。
○小倉政府委員 損失補償の点でございまするが、これは法案には府県と市町村を同列に並べて書いてございまするが、われわれの趣旨とするところは、損失補償は国と県でやつて行く。県がやりますものにつきまして国が助成をするということで考えております。ただ災害地によりましては、災害地の府県の実情によりまして、町村に損失補償をして行く方が適当ではないかということも多少考えられますので、法制には市町村ということも載つておりますけれども、趣旨としては府県が損失補償をいたすということを考えておりますので、村の当局ないし協同組合ができるだけ開拓者に必要な資金が流れるように努めたい、かように考えます。
○久保田(豊)委員 そうすると政府としては一応行政措置として、できるだけ開拓者に対して金が流れるようにする。別わくを設けて特殊の措置を講ずる意思はない、こういうわけですか。
○小倉政府委員 ただいま御審議願つております法案に関する限りはさようになろうかと思います。なお開拓者資金全般の問題につきまして、抜本的と申しますか、こういう災害に対する措置については別途考究の要があるのではないか、かように思う次第であります。
○井出委員長 残余の質疑は次会に延期し、明日午後一時より委員会を開き審議を続行いたします。 —————————————
○井出委員長 この際お諮りいたします。木村文男君より農業共済制度に関する小委員を辞任いたしたいとの申出があります。これを許すに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認めます。なおただいまの辞任に伴う補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 異議なしと認めます。よつて綱島正興君を農業共済制度に関する小委員に指名いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会 ————◇—————