農林委員会 第6号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/06/19
会議録
○井出委員長 これより会議を開きます。 本日はまず農政の基本施策に関しまして農林大臣の所信を承ることにいたします。 申すまでもなく農政の諸問題は、食糧の問題にいたしましても、また肥料の例をとりましてもおわかりの通り、古くからこれが対策について論議が繰返されておりますが、これは農業問題か、社会経済の推移とともに常に新しい角度から検討を要請されるからであると考えられます。政府は、先般の施政方針の中にも食糧自給度の向上のため農地の改良、技術の向上等遺憾なきを期するとは言つておりますが、この機会に所管大臣より農林業における政府施策の大綱を承り、あわせてかかる施策の背景をなすところの農政に関する大臣の基本的な考え方等について御説明を願いまして、今後の本委員会の審査に資したいと存じます。それでは大臣の御説明をお願いいたします。内田農林大臣。
○内田国務大臣 私定刻にあがるつもりでおつたのでありますけれども、やむを得ざる協議のために時間に遅れまして、まことに相済みません。つつしんでおわび申し上げます。 今後におきまする農林水産行政の基本施策についてその方針の概略を御説明いたしたいと存じます。 わが国がその独立と安定の基礎をつちかうためには、まず経済の自立を達成することが喫緊の要務であることは、ここにあらためて申し上げるまでもありません。しかるに最近の国際情勢は物価の低落と輸出競争の激化の方向を示しておりまして、独立後日なお浅く、臨時的な外貨収入の依存から完全に脱却しておりませんわが国経済の前途を、まことにきびしいものとしているのであります。かかる事態に対処しまして、われわれは、農林水産行政の諸力を集めて生産力の高度化をはかり、総合的な食糧自給度の強化並びに農林漁業経営の安定と向上のために、従前にもまして一層強力な施策を推進しなければならないと考えるのであります。 次に具体的施策の大要について申し述べますと、第一は総合的な食糧の国内自給の促進であります。主要食糧の輸入のため、現在においても年々巨額に達する外貨を必要としていることは御承知の通りでありますが、この食糧の不足は、人口増加による消費の増大と農地の壊廃、農業水利施設の老朽化等に伴う生産の減少によりまして、将来ますます増大の一途をたどることとなり、今にしてこれが対策を確立しなければ、わが国の経済基盤は根本的に崩壊せざるを得ないのであります。これがため、農林省においては食糧増産の計画を策定いたし、今後十年後においておおむね自給を達成するという目標を堅持しつつ、食糧増産の計画とその実施について一層の効率化、総合化に特に意を用いまして、自給促進対策の強力かつ着実な推進をはかる所存であります。 まず、増産の基盤である土地条件の整備をはからなければなりませんが、そのための農地の拡張及び改良事業につきましては、河川、電源開発等との総合性を特に留意いたしますことはもちろん、事業を効率的に実施し、その効果を明らかにする確実な手段を講じたいと思うのであります。 次に、耕種の改善に関しましては、特に農業技術の試験研究を拡充し、しかしてその成果を農家に普及浸透させるため、これを営農技術として確立することが、増産に多大の寄与をなすゆえんであるのにかんがみまして、特に意を払いたいと考える次第であります。なお湿田地帯、寒冷地帯等の後進地域については、その地域の特性に対応し、右の施策を推進するとともに、あわせて共同利用施設等による営農改善施策をも強化実施いたしまして、もつて当該地方の農村振興に万遺憾なきを期したいと存じます。 さらに畜産の振興につきましては、ただに地方の培養、経営の改善を通じて主要食糧の増産に貢献するのみならず、また脂肪及び動物性蛋白の補給源といたしまして、食生活改善の見地から見ましても、総合食糧の自給達成上重要な意味を有するのでありまして、従つて乳牛に重点を置いての有畜農家創設につきましては、集約酪農地区の改定、自給飼料増産等の施策を講じ、主要食糧の増産とともにその強化をはかつて参らねばなりません。 第二に、農業経営の安定向上について申し上げます。生産の基盤たる土地制度については、すでに恒久法として確定されました農地法の諸原則を堅持して参りますことは、あらためて申すまでもないことであります。 農産物の生産がほとんどすべて戦前の生産水準に達しました今日、農業経営の安定向上のためとるべき問題といたしまして、重要農産物の流通面に関する価格安定の問題がございます。これにつきましては、農業協同組合の系統組織によります共販体制を一段と整備強化いたしますとともに、政府買上げについても努力いたしたいと存ずるのであります。これと関連いたしますのは農業生産上の重要資材に関する施策でありますが、肥料対策につきましては、その国内価格の安定、内外需給の調整及び輸出の振興について根本的な対策を確立する必要があり、先般来肥料対策委員会において検討中であり、近く成案を得るに至るものと思われますので、これに基いて具体的施策を明確にいたしたいと思います。なお畜産の振興に伴う購入飼料の需給安定につきましては、さきに成立しました制度の適切なる運用に万全を期したいと存ずるのであります。 次に、農林漁業金融の拡充及び円滑化に関しましては、すでに発足いたしました農林漁業金融公庫の十全の活用に努め、その融資の拡大をはかるとともに、自作農の創設維持、開拓者の営農に対する資金の融通についても、それぞれに適切な措置を講じて行きたいと存じます。しかして、かかる金融上の諸施策は、また他面総合食糧の自給度強化に十分の役割を果し得るものと信ずるものであります。 さらに農業災害補償制度に関しましては、農作物共済の農家負担の軽減、家畜共済制度の改善等、農業生産の確保並びに農業経営の安定のための本制度の重要性にかんがみまして、その機能の改善に努力いたす考えであります。 次に蚕糸業振興につきましては、特に蚕糸業振興計画達成のために、桑園生産力の向上、技術指導の強化等の措置を講じて参りますとともに、生糸輸出の増進についても格別の施策を確立いたしたいと存ずる次第であります。 最後に、以上と関連しまして農家の経済的及び社会的地位の向上のために重要なのは農業団体に関する施策でありますが、本施策については、御承知のごとき次の三つの原則、すなわち第一は農業技術の生産指導について、現行の農業改良普及制度を整備強化いたしますとともに、市町村農業委員会に技術員を設置して、改良普及員の普及事業と農業協同組合の生産指導事業に協力させるものとすること、第二は農業及び農民の利益代表機関として都道府県農業委員会を改組するとともに、その全国的な組織として全国農業委員会議所を設けるものとすること、第三は、農業協同組合の事業の刷新強化をはかるため、全国及び都道府県に農業協同組合の総合指導組織として農業協同組合中央会を設けることがあるのでありまして、この方針に基きまして予算並びに立法措置を講ずることといたしました。なお農林漁業組合連合会の整備については、現行の再建整備法に基く措置のほか、さらにその促進をはかるため、立法化及び予算化を講ずることといたしたのであります。 次に治山治水対策でありますが、林業の振興と農業生産の基盤の整備に資するため治山治水対策を計画的に実施し、森林資源の維持培養をはからねばならないことは言をまたないところでありまして、このため官公民有林を通じまして造林事業を推進いたしますとともに、荒廃地を復旧し、山地の荒廃を防止し、水源林、災害防止林等の造成をはかり、また奥地林道の開発を総合的かつ計画的に施行して、治山治水に万全を期したいと考える次第であります。 最後に、水産行政の施策といたしましては、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へと、外洋への発展の基本方針のもとに、漁業経営の安定合理化と生産力の増強をはかり、水産資源の維持開発と漁場秩序の確立に今後とも努めて参りたいと思います。海洋漁業につきましては、昨年来多大の発展を見たのでありますが、国際的漁場において操業いたします関係上、今後ともその指導、監督及び調査に万全の措置を講じて参りますことはもちろん、関係各国との協定、紛争の解決には今後とも一段の努力を重ね、海洋漁業の健全な発展に資したい所存であります。他方、漁業者の大部分を占めております中小漁業者の漁業経営の安定合理化のために、農林漁業資金の確保について格段の努力をいたしますほか、中小漁業信用基金制度の機能の発揚に努力いたしまして水産金融に遺憾なきを期しますとともに、漁船損害補償制度の拡充によりまして、漁船の適期における更新を容易にいたしたいと存ずる次第であります。なおこのほか近海の資源の調査開発といたしまして、対馬暖流流域の資源の総合開発の調査を本格的に実施すべく努力中であります。 以上、農林水産行政についての施策の大要を御説明申し上げた次第であります。
○山本(幸)委員 議事進行について……。ただいま農林大臣からきわめて謙虚な、御親切な説明がございましたが、実はこれを拝見しますと、失礼ですけれどもこれは子供の作文です。抽象論もはなはだしいと思うのですよ。従来の慣例によりますと、各農林大臣はこれと同時に具体的な予算内容を説明するわけですね。ところが今回においては全然予算内容に関連するものが一つも出されておらぬわけです。こういうことでは審議のしようがないと思うのですよ。従つて私はこの際大臣にお願いをしたいことは、近くこれと同時に予算内容を説明したものをお出しになるかどうか、この点だけを先に伺つておきたいと思います。
○内田国務大臣 承知いたしました。さつそく出します。
○井出委員長 質疑の通告があります。順次これを許します。足立篤郎君。
○足立委員 私はこの際、緊急の問題になつております麦の価格の問題につきまして、若干伺つてみたいと存じます。過日米価審議会が開かれまして、本年度産の麦の買入れ価格あるいは売渡し価格、その他の問題につきまして答申がなされたのでございますが、この答申につきまして、大臣はこの答申案を尊重なさる御意思があるかどうか。また尊重なさるとすれば、すでに予算も提出されておりますので、これとの調整につきましてはいかようなるお考えを持つていらつしやるか、この際伺つておきたいと思います。
○内田国務大臣 米価審議会の御答申に基きまして麦価の買上げ及び売渡し価格を一刻も早くとりきめ、実は今日この席にて御報告申し上げたい、こう思いまして、今朝来各方面と折衝を続けておりまして、ここへ参上するのが遅れたのもそのわけでございまして、おそくも明日には決定するつもりでございます。なるべくきよう中にと思いまして、私は各方面に努力を傾注しておりますから、暫時お待ちを願います。
○足立委員 私のただいま質問しました点に御答弁が触れてない点があるのであります。すでに特別会計予算も国会に提案されておりますので、もし審議会の答申をそのまま尊重されました場合には、相当な変更を要する結果になると思うのでありますが、さような場合につきましてはいかようなる措置をおとりになる御決意でありますか、その点をはつきり伺つておきたいと思います。
○内田国務大臣 審議会の御答申をそのままのむということは私は申し上げたことはございませんが、なるべく尊重して行きたいとして努力しておる次第でございます。従つて多少そこに値段の相違が起ることと存じますが、その相違はあの特別会計の中にある予備金でもつて措置いたします。
○足立委員 審議会の答申をなるべく尊重されるということでございました。これは当然であろうと思いますが、特に問題になりますのは、審議会答申の第一項目にあります、今年の麦価の算定にあたつては、米の算定の場合加算を認めておりますが、この加算額相当の加算をすべきであるという答申に対しましては、どのようにこれを取上げる御決意でありますか、またもしこの加算を取上げました場合におきましては、私は重大な問題がここにあると思うのであります。と申しますのは、麦価につきまして相当程度の二重価格制度になるという結果になると思うのであります。これにつきましては、大臣はいかようなる御決意をお持ちになり、二重価格制を認める御意思があるかどうか、この点につきまして伺つておきたいと思います。
○内田国務大臣 特別加算額を入れるか入れないかという点等につきまして、今いろいろ党の方ともそれらの点において折衝中なんでございます。従つて今度きめる値段が二重価格制を如実に現わすやいなやはただいま申し上げかねます。
○足立委員 実は米価審議会に対する諮問案に対して、私どもが検討をしてみましたところが、あの諮問案におきましてもすでに十一億円の政府の出血になつております。中間経費を政府が負担するという形になつておりますので、五十歩百歩の議論にはなりますが、いずれにしても間接統制の必要性がすでに二重価格制をおとりになつておるという結果になつておると思うのでありますが、大臣はいかなる決意と覚悟を持たれてこういつた諮問をなされたか、また必然的に、今度の米価審議会の結果を幾分なりとも御尊重なさるとすれば、この幅はさらに拡大して来るものと想像されるのでありますが、そういたしますと、いずれにしても二重価格的な措置をとらざるを得ないという結果になると思うのでありますが、これに対する大臣のお考えをはつきり伺つておきたいと思います。
○内田国務大臣 お話の通り、麦価については昨年も十一億円の赤が出ておりますが、しかしこれを二重価格制であつたとは一般にいつておらないのであります。それを今度すなわち十一億円がふえることは確からしいのでございますけれども、どのくらいふえるかということがまだきまつてませんから、それ以上の御答弁は差控えたいと思います。
○足立委員 二十七年度の経過につきましても、間接統制の結果がある人によつては失敗であるという断定が下されるわけであります。私は立場がかわるせいか、必ずしも失敗とは思いません。間接統制の困難さというのはよくわかつておるつもりであります。従つて間接統制に万全を期する、それがためには政府が多少の出血でありましても、財政負担をしても、価格安定、国民生活の安定のために、価格統制の万全を期して行くという御決意であると考えるわけでありますが、これにつきましては、さらに米価との問題もからみ合つて参りますので、非常に微妙な問題であろうと思います。大臣におかれましても、とくと御研究の上ではつきりとした御方針をお立てになりまして、お示しをいただくように、この機会に希望を申し上げておきます。なお麦価の計算の算定の基礎の重大な要素をなしますところの豊凶係数の問題でございますが、昨日もここで農林当局から、今回の風水害の被害の結果等につきましてただしたのでありますが、まだその実態が明らかになつておりません。従いまして過日の米価審議会の答申におきましても、この豊凶係数が明らかになりました場合におきましては、すみやかに米価審議会を再び開いて麦価の改訂をやるべきであるという答申をいたしておるのでございますが、豊凶係数が麦価計算の基礎として明らかに示されております以上、当然なる措置と思いますが寸大臣はいかようにお考えになつていらつしやるか。またもし日を過しまして価格の改訂が行われました場合には、早く政府に売つて来ました農民は、結果としてばかをみることになろうかと思います。この正直者がばかをみるという結果に陥らないように、バツク・ペイとか補償とかいう問題が起つて来ると思うのですが、これに対して大臣はいかようなお考えを持つていらつしやるか、この機会に伺つておきたいと思うのであります。
○内田国務大臣 麦の収穫について、すなわち減産について目下取調中でありますが、収穫の見きわめがつきまして、その損害が著しい場合におきましては、また米価審議会等を開いて御相談を申し上げますが、ただいまお話の、正直者がばかをみないようにしろということは、これは世の中によくある例でございますから、十分その点は注意いたします。なお昨年来の間接統制の中途におきまして、必ずしも政府のやつたことが完全無欠なりとは申されない、運用についてもつと改むべきことがあるという米価審議会等の御注意もよく聞いておりますから、その点には私も注意して参りたいと思います。
○足立委員 ただいまの大臣の御答弁は、御趣旨はけつこうでありますが、非常に抽象的で満足できないのであります。昨日の農林当局の御説明では、今度の風水害の結果が確定しますのは八月になるというお話であります。そうしますと、麦の最盛出まわり期をうつかりすると過ぎてしまうおそれがあるのでありまして、かような時期に価格が改訂されて、結局豊凶係数が加味されるということは、価格が上るということになりますから、その後においては高い価格で農民から麦を買い上げる、それまでは暫定的と申しますか、今度きめられる価格で買い上げるということになりますと、勢い情勢を見て売惜しみが起つて参ります。さようなわけでありますので、はつきりとこの際方針を示されて行くことが、麦の出まわりを順調ならしめるゆえんであると私は考えますがゆえに、良心的立場から伺つておるのでありまして、正直者がばかをみないようにするためには、将来価格が上つた場合には、先に売つた農家に対してはバツク・ペイなり価格の補償なり適当なる金銭的な措置をとることが必要ではないか、それが明確になつておりませんと、ただいま私が心配をして申し上げたような結果が起るのではないか、それがために市場操作がうまく行かない、間接統制も不成功に終るというようなことになりましてもたいへんだと思いまして、私は善意をもつて伺つておるわけでありますので、大臣の決意を伺つておきたいと思います。
○内田国務大臣 今のお言葉は、まつたく農民のためを思うお話だと私は考えますが、私は正直者がばかをみないように適切なる措置を講ずることにおいてやぶさかならざるものであります。これははつきりと申し上げます。
○足立委員 麦の検査料は現在二十円でございますが、大臣の米価審議会に対する諮問案は、十五円に引下げられております。しかし、菜種の検査料は現在五円でやつております。国営検査でございますので、米価審議会におきましては、菜種と同様に五円に引下げるべきであるという答申をされておるのでございますが、これに対しまして大臣はいかなる御用意をお持ちになつておるか、伺いたいと思います。
○内田国務大臣 これにつきましても、目下関係方面と折衝を重ねておる次第でございますから、私の立場について御了承願いたいと思います。
○足立委員 ただ研究中だけでは、ちよつと困るのでありまして、どの程度下げられる見通しであるか、この機会に言明していただけませんか。
○内田国務大臣 それはいろいろお説もございますが、ただいまのところでは十円というのが、実現性が一番多いと私は考えております。
○井出委員長 足鹿覺君。
○足鹿委員 ただいま大臣から農林行政に対する基本方針の御説明を伺つたのですが、この問題につきましては、ただいま同僚山本委員から要求せられました具体的な数字の内容の御説明なり、資料をいただいた上で、私どもとしては御質問なり意見を申し上げたいと存じます。ただ、目下の緊急問題として、私は昭和二十八年産の麦価の問題について、農林大臣にお尋ねを申し上げたいと存じます。去る今月の十六日、米価審議会は延々八時間余にわたる審議の結果、御存じの通り政府に対して答申案を満場一致採択し、即日大臣に答申をいたしました。当時大臣も御出席になり、関係事務当局を代表するお役人の人々もおいでになりまして、これが答申を尊重するというはつきりとした御言明を審議会に与えられたことは、私どももその一員としてよく存じております。つきましては、政府はこの答申尊重のために、これは具体的な作業が伴い、数字的な計算を裏づけとするものでありまして、相当御検討になつたやに承つておりますが、その御検討の結果はどういうものでありますか、こまかいことは大臣も御存じないと思いますが、その大綱についてお示しを願いたいと思うのであります。
○内田国務大臣 ただいまお言葉でございますが、先ほど私申し上げた通り、なかなかむずかしい問題で、各方面と私一生懸命折衝中なのでございますから、この内容を私が申し上げてしまいますと、せつかく軌道に乗つているものが脱線するといけませんですから、内容の数字については暫時お許しを願いたいのでございます。
○足鹿委員 おそらくさようにおつしやるだろうと思つておりました。その御努力のほどはお察し申し上げますが、しかし大体において線はきまつておるのであります。米価審議会が小委員会を設けまして、具体的な答申案をまとめる過程において、農林省の事務当局も御列席になつて、審議会の目途しておるところは大体よく御存じのはずであります。別にこの問題を動かそうとされるならば、これはなかなか問題が出て来ますが、尊重をされるということについて、農林省としてですよ。私は他の方面のことはまず第二として、農林省として、国民を代表する米価審議会の答申について、本委員会における政府の基本的な態度というものを御発表になることは一向さしつかえないと思う。何となれば、この間の米価審議会についても、われわれは、開会式当日であり、大臣の施政方針演説の行われるときであるにもかかわらず、私どもはそれを放擲して、この現実の問題に対しては真摯なる態度をもつて答申に当つたのである。政府はもう少しこれを延べたらどうかという、先般の懇談会の席上において皆さんの意見がそうであつたときに、一刻を争う、早くやつてもらわなければならぬというので、われわれはそういう重大な開会式当日の行事を一時休みまして、そうして誠心誠意審議会の全員が当つておることは大臣も御存じの通りであります。それを今日に至つてまだその大綱の発表ができない、発表したらそれが折衝に支障があるというようなことは、農林省の腰がふらついておるということになると思うのです。ふらふら腰だからそういうことになるのだと私どもは解釈せざるを得ない。ですから私はいろいろ米価審議会の答申の内容についてくどくど申し上げることは差控えたいと思いますが、具体的に申し上げまするならば、米価審議会の答申の眼目は、政府買入れ価格の問題です。この問題について少くとも政府は断固たる決意を持たれない限り、われわれとしては米価審議会の存続の問題についても疑義が出て来る。実現不可能な案というならば別であります。食管特別会計には百億になんなんとする余裕があるというと語弊がありますが、政府の決意いかんによつては適当にこれを按分する財源はあるはずでありますから、まず買入れ価格に対するところの農林省の確乎たる方針を大臣からひとつこの際承りたい。
○内田国務大臣 お言葉の通り答申案の骨子の第一は買入れ価格であります。しかして買入れ価格のまた重点は特別加算額であるのであります。すなわち今度の米価をきめる過程においてこの特別加算額を入れるか、入れれば幾らにするかということが問題でありますが、その特別加算額を入れる入れないについてなかなか所見がむずかしいのでございます。但し私は農林行政を担当する立場上、答申案の御趣旨をあくまで尊重して、決してふらふら腰ではございません。
○足鹿委員 ふらふら腰でないそうでありますから、大体御決意のほどもわかつたのでありますが、問題は大臣の決意いかんにかかわらず、具体的な数字の問題に入つて、先刻足立君が当局弁護のような御質問をなさいましたが、(「よけいなことを言うな」、「その通り」と呼ぶ者あり)実際においてそうなんです。だから申し上げるのでありますが、別にこの加算額を加えたことが二重価格制の前提になるというはつきりとした結論にはならないと思う。何となれば外麦については昨年においても大麦等を中心として八十億の補給金が出ている。これを国民に対しては一定売渡し標準価格でもつて売つている。これは補給金を加算した輸入外麦の価格を下まわるものでありますから、外麦においては二重価格というものをやるかどうかは別として、そういう一つの措置が講じられておつて、米価審議会におきましては第三項か第四項において内麦の確保のために積極的な強力な措置を講ぜよということを答申をしております。でありますから、外麦については二重価格的な色彩があつても、ほおかむり、内麦加算額の問題をやる場合には、これは二重価格的な面が出て来るから慎重を要するなどということは遁辞であります。そんなことは成り立ちません。外麦だつて、内麦だつて消費者の食べる味には変りがあつても、みんなこれは外麦だ、内麦だといつて一々区別をつけて食つているのではありません。みんな麦として食つているのです。農林省が関係方面といわゆる弱腰の折衝をされておつたのでは、米価審議会の答申の実現にはよほど困難な事態に逢着するのではないかと憂慮するわけであります。だからはつきりとした断固たる決意ということでありますが、加算額の具体的な問題について政府の作業の内容はどうでありますか。私どもの計算によりますと、米価審議会が答申をした特別加算額をそのまま政府が実現をするために御努力になつたといたしますと、小麦二千百二円見当、裸二千二百七十六円見当、大麦千七百七十九円見当、これは包装込みの計算でありますが、そういう計算に大体なりますので、大臣がいろいろと意を尽した御答弁になりますが、ここ米価審議会が開かれて以来の日本の有力な新聞紙の伝えるところによると——米価審議会は一応数字的な面についても答申される用意があつたのでありますけれども、それでは政府もなかなか仕事がしにくいだろう、そしてこれは多数決等はなるべく避けて、満場一致答申をするために、非常に苦労しております。従つてあの加算額の問題についても、具体的な、そういう政府が今考えておるような、米の加算額を麦に引き直して、そうして実質的には米価審議会の意図とは違つた数字を出そうというような考え方で米価審議会はやつておるのではない。大体米価審議会の小委員会におけるところの空気というものは、あの加算額を現行米の加算額から割り出したものにいたしますと、大体小麦において四・六%の引上げになるという一つの目途に立つて少くとも答申案というものはきまつておるのです。それを、新聞紙の伝えるところによると、三・七%から三・九%程度に、農林省の作業によると引下げを余儀なくされておるやに伝えられておる。でありますから、大臣が今御答弁になつた点は、その御決意のほどはわかりますが、問題が具体的になつて来ると、こういうことに新聞紙が伝えておりますので、生産者としても、この成行きを非常に注視しておるわけなのであります。でありますから、もう少しその作業の結果について、農林省自体としては、ふらふら腰でないとするならば、四・六%の米価審議会の答申した加算額をもつてやるのか、やらぬのか、その点を明らかにしていただきたい。
○内田国務大臣 この間の米価審議会における答申について、いろいろ御親切な御配慮があつたことは私も承つております。それで私は、特別加算額を入れるということについて、先ほど申し上げた通り、決してふらふら腰でなく臨んでおるのでございますが、その点がなかなか率どころの問題でなく、入れる、入れないの難関にぶつかつておるのでありまして、この数字につきましてはこれからの折衝でございまして、私が今四分六厘だか三分七厘だかということを申し上げることはお許しを願いたい。
○足鹿委員 その難関というものは、具体的に言うとどういうことですか、難関々々というように大臣はぼやしておつしやいますが、新聞紙にはもうはつきり書いてあるのです。大蔵省が難色を示しておるということが第一点。その難色の内容というものは、先刻も少し論議がありましたが、二重価格的な色彩を帯びるから——いわゆる政府が負担して増額をする、こういう点に難関の一つの点があるように私どもは見ております。ところが、私の今聞いておりますのは、米価審議会の答申の、小麦に対して四・六%の引上げをする場合の一つの結論としては、いわゆる財政負担が具体的にはどういうふうになつて、それがどういう理由によつて難航しておるのかということを私はお尋ねしておるのです。今農林省が新聞で発表しておられることを——発表しておるということは語弊がありますが、新聞紙が報道しておる四・六%の引上げということについて作業をしておいでになるのか、四・六%を大体基準にして作業をしておいでになるのか、四・六%の作業に基いた結果でいろいろ折衝されるところに難色があるのか、またそれよりも下げてもまだ難色があるの、なそういうことを知らずに大臣が御折衝になるはずはない。だから、そういうことを少し明らかにしてもらいたい。
○内田国務大臣 難色は四・六%なんというところに行つておるのではないのであります。先ほども申し上げた通り、特別加算額を入れるか入れないかというところの第一関門で難色にぶつかつており、それがきまらなければ数字のところに入らないのでありますから、そこで私は今一生懸命にやつておるのであります。
○足鹿委員 だんだんはつきりして来ました。そうすると、加算額そのものを加えるということについては、いわゆる関係方面との折衝の径路からしてもむずかしいと考えるのでありますが、農林省自体としては、加算額を加えるということについてどうですか。
○内田国務大臣 農林省としては、加算額を入れるつもりで、私はふらふら腰でなくやつております。
○足鹿委員 それでは何パーセント入れるという作業をしておいでになりますか。
○内田国務大臣 その数字については、今はお許しを願いたい。もうじききまると思いますですから。
○足鹿委員 ま、押問答をいくら繰返してもしようがないと思いますが、しかしそういう段階じやないと思うのです。すでに本日も閣議で御検討になつたやに仄聞しておりますが、これはもう時間的に、今日ただちにでもきめなければならぬ問題なんですよ。だから時間的に、それを農林省が御発表になつたからならぬからといつて、それが重大な支障になるというふうには私どもには考えられません。少くともこういうことは、妥当な答申であるという自信があり、それを尊重して行かれるということであるならば、はつきりとした決意のほどを示して、加算額は加えなければならぬということが農林省の腹として明らかであるならば、四・六%の米価審議会の答申をあくまでも貫徹して行くのである、こういうやはり確固たる腹の上に立つて、もし通らねば大臣としても重大な用意があるくらいの腹構えを持つて向わなければ、これはとても進行しやしませんよ。ふらふら腰でないとおつしやいますけれども、少くとも職を賭するくらいのやはり決意を持つてお臨みにならなければ、この問題は私は解決しないと思う。もし米価審議会の答申を事実上において無視するような結果が出ましたならば、農林大臣は米価審議会において、その趣旨を尊重すると言われましたが、どういう責任をおとりになりますか。
○内田国務大臣 米価審議会の御答申を全部まるのみにするとは私は申し上げないのでありまして、尊重するということは、現にこの加算額を入れない初め農林省の政府案であつたのを、私は加算額をぜひとも入れろと主張しておる。そこらがすなわち米価審議会の御意見を尊重しているゆえんでございます。
○足鹿委員 それでは伺いますが、いつごろこの問題は妥結するという見通しに立つて折衝しておいでになりますか。
○内田国務大臣 おそくも明日あたりでございます。私はぜひともきよう解決しようと思つて大車輪でやつております。ただいまも実は呼びに来ておるのであります。
○足鹿委員 きようはもう閣議はお開きにならないのですか。明日の閣議においてさらに御折衝になりますか。明日きめたいということは、明日の閣議決定によつて大体最終決定をするということでありますか。明日中に関係当局との折衝を終えるということでありますか、どつちですか。
○内田国務大臣 明日の正式閣議もしくは持まわり閣議で決定してもらいたいと思つております。
○川俣委員 ちよつと関連して——大臣は米価審議会の意向を尊重して、いろいろと努力中であるそうであります。その審議会から出ましたいろいろな要項につきまして、いろいろと努力しておられるそうですか、そのいろいろ努力しておる点を三つなり四つなり五つなりをあげられて、どれとどれとどの点を努力しておられるか、それを明瞭にしていただきたいと思います。
○内田国務大臣 いずれも重要なる問題には違いありませんが、最も重点は、先ほども御指摘になつた第一の買入れ価格でございます。すなわち特別加算額を入れるか入れないかということ、それが一番の重点と心得て、それから麦の検査料というところに重点を置いてやつております。
○川俣委員 そうすると、いろいろでなくて加算額と検査手数料の問題だけですか。その他も努力しておられるのですか、あらためてひとつ、
○内田国務大臣 その他の点については政府委員から御答弁申し上げます。
○川俣委員 大臣が努力しておられる点だけお聞きしておる。官房長の努力しておる点ではない。大臣の御努力中の点だけひとつ……。
○内田国務大臣 官房長に命じて努力しております。
○渡部政府委員 答申の内容は数項目にわたつて詳細になつておりますので、私から申し上げた方がよろしいと存じます。 まず今まで問題になりました第一の買入れ価格の点は、今までの応答の通りであります。第二点の今後凍霜害、水害等の減収が判明した場合に、米価審議会を開いて適当の措置を講ぜよ、これはそうしたいと思つて、お答えした通りであります。それから買入れ方法の点で、麦の最盛出まわり期において、政府は内麦確保のため積極策を講ぜよ、こういう点でありますが、これは第一の買入れ価格を引上げることによつて一つの大きい策が果されることになりますが、そのほかいろいろマル特制度の活用等によりまして、出まわり最盛期の処置を一層うまくいたしたい、これは農林省の中でできることでありますのでそう決心しております。それから災害地における規格外の麦の買入れ、これは五等麦の買入れとか、規格外の麦の買入れについて準備をする。それから検査関係の問題でありますが、検査規格、それから規格の格差の決定に代表者を参加せしめる、こういう問題は今後の問題でありますから、その通りやろうという決心をしております。それから検査手数料の問題はただいま大臣からお話申し上げた通りであります。 最後に標準等級以下の等級格差をちじめろ、こういう御要望でありますが、これも規格の標準差をちじめることに決定いたしました。具体的な数字は今一類、二類、三類と登記の入組みがあるものですから、最後の数字はまだ出ておらないようであります。 以上申し上げましたようにいろいろ検討いたしております。
○川俣委員 関連質問で足鹿君から時間を借りておるわけですから、もう一点だけお尋ねします。 大臣はけさからいろいろと奔走しておるというが、大臣自身の奔走かと思つたら、農林省自体の活動であるという点、これは認めておりますが、大臣がけさからいろいろと奔走されておるのはこの二点だけですか、それとももつと奔走されておるのですか、その点をお尋して足鹿君の方に……。
○内田国務大臣 奔走というと自分が走りまわるというように聞えますが、自分が走りまわることもありますけれども、からだが一つきりですからそうあつちにもこつちにも動けません。ほかにも用がありますので、私は重点主義で、まず自分でなければだめで、代理ではきかないところの問題は私がやります。代理でもいいものは代理を使う。そうでないと仕事が遅れますから、仕事の迅速をたつとぶ意味において、みずからもしくは代理人をもつて尽力中であります。
○足鹿委員 私はいろいろ米価審議会の内容について、一つ一つ説明、答弁を求めるということも時間の関係上省略いたしますが、次に一番大きい問題は、標準売渡し価格の問題です。米価審議会が全知全能をしぼつたのも、買入れ価格と売渡し価格が二つの柱であつたことは御存じの通りなのであります。この米価審議会の答申は、御存じのように標準売渡し価格は昭和二十七年度売渡し価格以下とし、特に粒食麦について強力な市場操作を行うことという答申を行つておるのであります。ところが伝えられるところによりますと、二十七年度以下という米価審議会の答申について、これは農林省自体が難色を示しておるやにわれわれは聞いておりますが、事実そうでありますか。審議会は二十七年度の売渡し標準価格以下とせよという答申を満場一致採択しておるのです。ところが新聞紙等によつて知るところによりますと、これは財政負担上から困難である。二十八年度の標準売渡し価格に対する政府の諮問案を、政府は、特に農林省自体としても考えておいでになるようでありますが、そうなりますと、加算額自体が問題になる。標準売渡し価格、特に消費者との問題について重大な関係を持つておるものも、これまた審議会の答申というものがだんだん色あせて来るということになりますと、一体どこにとりえがあるのでありますか。ですから私はまず第一に、加算額の問題に重点を置いて先刻来くどいような御質問を申し上げたのでありますが、これについてはどういう作業をしておいでになつて困難であるか。これは一般消費者としては重大な関心のあることであります。去年の外麦については、多大な八十億の補給金がついて政府が買入れたものを、消費者に行く場合においては、本年三月においてはすでに五百三十円も中間業者においてその補給金の行き場がわからない。ほとんどその中間業者なり精麦業者なり、小売業者によつて吸収されて、八十億からの大金をつけられたものが、消費者は何らの恩恵をこうむつておらないという実態が明らかにされておる。これは議論でなくして事実であります。従つて米価審議会の答申というものが、少くとも再生産を保障する麦価であると同時に、消費者家計を圧迫しないだけの慎重なる配慮のもとにかかる答申を行つておる趣旨は明瞭でありまして、この点について二十七年度以下にするということが困難であると言われておりますが、農林省はそういうふうに考えておりますか。おりますならばどういう点が難関でありますか。これは買上げ価格の問題、折衝上の問題で機微に触れる問題もありますから、あえて私はこれ以上追究いたしませんが、誠意ある御所信を承つておきたいと思う。
○内田国務大臣 農林省の原案より上にならないように努力しております。
○足鹿委員 もう大臣に対する質疑はこの程度でやめます。なんぼ言いましても、それから先はあまり明確な御答弁がないようでありますから、まだほかに同僚議員からも御質疑があろうと思いますが、質疑を打切るにあたりまして、委員長におはからいをいただきたいことがあります。それは今までの大臣との質疑応答にかんがみまして、この際目睫に迫つた本年産麦価の買入れ価格並びに標準売渡し価格をめぐる問題について、農林委員会としての決定を意思表示いたしたいと思います。そのことについて委員長の方においてその時間を、今でもけつこうでありますし、他の委員の質疑が済んでからでもけつこうでありますから、おとりはからいをいただきたいとお願い申し上げて私の質疑を終ります。
○井出委員長 久保田君。
○久保田(豊)委員 農林大臣にお尋ねをいたしますが、私は足鹿君からるる述べられました通り、やはり今日の段階はあらゆる面から見て、米価審議会の答申をぜひ生かさなければならぬと考えるものであります。そこで私は政府にお尋ねいたしたいのは、米価審議会案を中心として見た場合において、政府の財政負担がどれだけになるか、はつきりこれをお示し願いたい。さらにもう一つの点は、加算額も加え同時に売渡し価格も米価審議会答申通りにやつた場合にどうなるかということ、さらにそれらの作業はすでに済んでおることと思う。大蔵省なり何なりと折衝する場合に、そういう作業が済まずに、数字を持たずに折衝はできるはずがない。従つてそれらについては、はつきり、すでに米価審議会等においても相当検討しておることでありまするから、数字は出ておると思う。この点をはつきりひとつ御明示を願いたい。そうしてそれらについての大蔵省との、大体どういうふうな程度ならば問題が解決するかという点についての見通しも聞きたい。さらにこれに連関して一つの大きな問題は、御承知の通り世界の小麦市場といいますか、麦市場は相当に最近恐慌ぎみになつて、値段は下りつつある。一応の財政負担を考える場合に、外麦との連関におきまして、この世界の麦作あるいは麦価の状況をどんなふうに今後見ておられるか、それらがさらに国内の価格並びに財政負担にどのように連関を持つて来るか、これらの作業もほとんど終つておることと思う。これらの点についてはつきり数字的に示していただきたいと思います。
○渡部政府委員 ただいまの財政負担かどういうふうになつておるかという第一点についてお答えします。諮問案の通りでありますと、財政負担を約十一億。
○久保田(豊)委員 買入れの方だけですか。売渡しもですか。
○渡部政府委員 諮問案の売渡しで、諮問案の買入れ価格で、そのときに財政負担が十一億いる、こういうことであります。それからも上加算額をした場合にどうなるかということでありますが、これは先ほど足鹿委員からお話がありました、米のときの加算額四・六をそのままとるといたしますと、約八億程度増加をする必要がある、こういう計算になつております。なお外国の麦の状況は……。
○久保田(豊)委員 そうすると、今の売渡し価格を答申案の通りにした場合の財政負担はどれくらいですか。
○渡部政府委員 今のやつは答申案の二十七年度すえ置きの場合ですか。
○久保田(豊)委員 ええ、政府の原案との開きによる……。
○前谷政府委員 お答え申し上げますが、実は財政負担と申しますか、結局売渡し価格と買入れ価格との差額の赤字の問題でありますが、これにつきましては、御承知のような現行の制度のもとにおきましては、買入れ数量の変化によりまして、相当変化いたすことは御承知の通りでございます。従いまして今売渡し価格につきましても、いろいろ検討いたしておるような次第で、的確な数字は目下作業中でございます。 なお小麦の国際市価の問題につきましては、御承知のように、予算を組みました当時は、将来を見越しまして大体八十九ドル見当のCIFとして考えております。ただ補給金は御承知のように現実に市価の低落高騰の変化によりまして、決算的に処理いたしておりますので、今後の市価の低落高騰によつて影響されることが多うございますが、現在におきましては、大体全体といたしまして三百億を予定いたしておる次第であります。
○井出委員長 吉川久衛君。
○吉川(久)委員 大臣の今後における農林水産行政の基本政策について御説明を伺つたのでありますが、農林関係の予算が説明されておりませんので、具体的な問題についてお尋ねすることのできないのははなはだ遺憾でありますが、近く数字をお示しになるようでありますから、そのときに詳しくお尋ねすることにしまして、二、三点について簡単にお尋ねしておきたいと思います。 ただいま問題になつております麦価の問題であります。大臣は米価審議会の答申を尊重するとおつしやいましたが、今日まで米価審議会というものができてから、いつも答申案を尊重するというお答えは、歴代の大臣のまつたく同じようなお答えであつたのでございますが、今度は今までの大臣と違いまして大内田新農林大臣は非常に国民が大きな期待をかけておりますので、しかも占領政策が終りまして、大臣のお考えをあげてほとんどお考えが実現できるように、そういう条件に恵まれておりますから、どうかひとつ今までとかわつたところの線を出していただきたいということを、私は希望するものであります。先ほどから問題になつております特別加算額の問題でさえもが、大変問題になつておるようであります。私ども改進党では米の二重価格制を党議で決定いたしております。これが通らなければ、従つて二十八年度の予算案にも、二十九年度の予算案にも重大な影響を及ぼしますので、農林大臣は政府の責任者の一人として、この麦価の決定に当つて特別加算額程度のものについて、非常に困難な事態で打開に苦労をしておるというようなことであつては、まことに前途思いやられるものがございます。国民は非常に心配をしておるだろうと思いますから、どうか明日の閣議で、この問題だけはすみやかに、この農林委員会でただいままで出ましたようなこの希望を、ぜひ実現をしていただきたい。私は特別加算額がそんなに問題にされるようなことでは心配であるということは、われわれは生産費を基準とするところの価格を決定すべきであると思つておる。パリテイ計算なんというようなわけのわからない計算方式をとるので、国民は納得ができないのです。日本語に訳すと等価計算といつて、なおわからなくなつちまうというようなことで、非常に疑惑を持つておりますので、この際きわめて簡明なるところの生産費価格という制度をひとつ取上げてもらいたいのです。しかしそれはただいまの差迫つた段階では非常に困難だと思いますから、麦の場合には、特別加算額を採用する、米価審議会の答申を採用するということにやつていただきたい。その御意思、御決意のほどを伺つておきたい。それから米価決定の際には、政府はまず率先して生産費価格をもつて価格の決定をやる方針であるというくらいは、ひとつこの際はつきりお答えを願つておきたいと思います。
○内田国務大臣 ただいま私に対して過分の御期待を持つていただいて、まことに恐縮でございますが、皆様の御指導御援助のもとに、何とか私がこの年で出た以上は、出ただけのかいがあるようにいたしたいと私は存じておる次第でございます。そこでただいまお言葉の一番根本の大きな問題である米価のとりきめについてのお尋ねでございますが、これは従来もお言葉の通りパリテイを基本として、パリテイ方式によつて計算しておるのが事実でございます。私はお言葉の生産費と従来の建前をとつて、すなわち物価という意味においてハリテイも考慮に入れ、しこうして生産費とともにあわせて計算して米価をきめたいと存ずるので、御了承を願います。
○吉川(久)委員 私は数点にわたつてお尋ねをしたいのでございますが、時間がございませんから後日に譲りまして、ここでもう一つ承つておきたいことは、政府は補給金を節約したいということから、多分二十億くらい浮かしたいということなんでしよう、輸入米よりは輸入麦の方が安いので、麦に今後切りかえて行きたいという御意向を持つていらるるがごとく仄聞するのでありますが、そういうお考えがあるのかどうか。もしあるとするならば、米のような日本の独得なというと少し言い過ぎかもしれませんが、こういつた特殊なものは、私は国際価格の影響を受けることが少いと思うのでございますが、麦のような国際性を持つたものに今後切りかえて、日本の国民の食生活の改善をやつて行こうという方針をとつて行かれるとするならば、これは日本の農民に及ぼす影響は非常に大きいと思います。それともう一つは、農民の生活が国際価格の影響を受けることが大きいということだけではなくて、日本の国民は、麦を主食とする食生活に改めることによつて、食生活の経費が非常にかさむのであります。米の質のよいと悪いとだけで、副食物に相当な影響を来し、それが生活費に大きな関係を持つていることは、きわめて低位の生活をしている国民であればあるほど、この影響は大きいのです。だから米を主食とする方が非常に食生活は安価で行くのですが、これを麦を中心にするところの食生活に改めることによつて、生活費の負担が非常に増高する、こういうようなことを考えると、大臣やその他お偉い方々の御生活には影響はないでしようけれども、国民大衆の生活には至大の影響があることを私たちは憂慮いたしますので、わずか二十億ばかりの補給金を削減するという目的のためにそういう方針をとられるということは、私は賢明な策でないと思いますので、この辺をひとつ明確にお答えを願つておきたい。 それから私の質問は本日はこれで打切つておきますが、あと足鹿委員から提案される問題を委員長において採択されたいと思います。
○内田国務大臣 ただいまのお尋ねにお答えいたしますが、米といわず、麦といわず、なるべく外国よりの輸入を減らして、自給自足の域に達したいと努力しておる次第でありますが、今日輸入するといたしましたならば、米はやはりビルマ、タイでございます。これはビルマ、タイはずいぶん高いのでございますが、同じ輸入するならばこれから米を輸入しませんと、東南アジアの開発のための輸出に対する見返りがなくなりますから、なるべく東南アジアから米を買いたい、輸出奨励のために買いたいということがこつちの弱みでありまして、それへつけ込んで向うは政府がコントロールして、ああいう高い米を売りつけられておる次第であります。買いたくはないのですが、やむを得ないのです。しからば米はどうかというと、麦の方が今割安についておりますが、生活改善という声は大分ありますが、粒食を粉食にする、麦を常用にしろということはなかなか進まないものでございまして、また経費もお言葉の通りよけいかかりますから、やはり日本はただいまいかに食生活改善といいましても、急には米を減らすというようなことは実情においてないと思います。それから今回補給金を二十億減じましたのは、米を麦にかえたい意味ではございませんで、輸入量を減らした次第でございます。すなわち米の供出が割合よく出た。そうして外米の需要がそろばん上減つて来た。それで初めの計画よりか米の輸入を六万トン減らしたために補給金が減つたわけで、麦に切りかえて減つたわけではございませんから、御了承願います。
○川俣委員 今後における農林行政の根本施策について大臣から説明があつたのでありますが、これに対しましては、この裏づけとなる予算の説明が終つてからあらためて質問いたしたいと思います。本日のところは先ほど足鹿君から出ておりまする動議をすみやかに採決していただきたいと思いますが、この際ただ一言大臣にお尋ねしておきたいことは、大蔵省との折衝において、米価審議会の意見を入れるために、予算的な措置について苦労をされているそうであります。ところがかつて吉田内閣の時代において、外米を買つて参りまして、黄変米というような悪質の米を買いまして七億、八億の損害を出したことがある。これなどは簡単に予備費から支出しております。また今大臣は、東南アジアから米を買いたくないのだが、押しつけられて買つておるようなことを言つておりますが、政府は食管会計の中から特別な旅費を出して買付のために努力いたしております。これを買わないといたしますれば、旅費などを見積らぬでもよいのではないかと思いますが、このことは第二にいたしまして、今までは外米輸入のために予算的にも相当努力をいたしておる。このような金を今後節約いたしますれば、特別加算額の金額などは簡単に出て来る。または中間経費を節約いたしましても、七億や八億の金は出て乗るのであります。また外米を買いましたために、黄変米の処置に困りまして、値下をして処分いたしておるが、この損害等の金を見積りますれば、加算額くらいの金額はごく微量なものになつて参りますが、こういう点について報告を受けて努力しておられますか、そういうことを知らずに努力しておられますか、この点をひとつ伺いたい。
○内田国務大臣 黄変米のことは私も伺つておりますが、私就任前から、なんてばかばかしいことをしたものだ、こんなことはけしからぬと思つて、私は遺憾の念にたえなかつたものでございます。その米がまだ処分し切れなくて残つているということを聞いて、下手に配給して国民の衛生に害を与えるようなことがないようにと言つて注意している次第でありますが、私はこの黄変米の損害を遺憾と感ずると同時に、こんなことのないように努めて行きたいと存ずる次第であります。
○川俣委員 私は今黄変米を非難しているのではなくて、そういうことについては簡単に予算的措置を講ぜられるが、こうした米価審議会の満場一致の意見についてはさらに努力を必要とするであろうということを例に申し上げたのでありますから、ただ単なる努力ではなくして、足鹿君の希望のありましたように、もつと実現のために御奔走願いたいと思います。その奔走いかんによりましては、当委員会は重大な決意を有することをつけ加えまして、足鹿委員の動議を採択願いたいと思います。
○足鹿委員 農林大臣の農政基本方針に対する同僚の御質疑もいろいろとまだあろうかと存じますが、これは別の機会をすみやかにつくつていただきまして、まだあとにも時間がありますれば、芳賀君の御質疑を継続していただきまして、とりあえず先刻来いろいろ同僚委員にもお打合せをいたしまして御了解をいただきましたので、この際動議を提出いたしたいと存じます。その動議は、昭和二十八年産麦価に関する決議を当委員会において御採択を願いたいということであります。 決議案を朗読いたします。 昭和二十八年産麦価に関する決議 政府は昭和二十八年産麦価に関する米価審議会の答申を尊重しこれが答申実現のため最善の努力をなすこと 右決議する 昭和二十八年六月十九日 衆議院農林常任委員会 以上であります。 この点につきましては、趣旨を説明するまでもなく、すでに委員諸君もよく御了解を願つていると存じます。特に先刻の大臣の御答弁によれば、明日の持ちまわり閣議によつて最終的な決定をいたすという重大な段階にあるのでありまして、この決議を御採択の上は、ただちに政府に委員長の方からお申入れをしていただきまして、すみやかに決議の趣旨が実現できますように御努力を願いたいと存ずる次第であります。その他いろいろ具体的な手続き等につきましては、委員長に御一任を申し上げますので、お諮りいただきたいと思います。
○綱島委員 ただいま足鹿委員から動議が提出になりましたが、動議の文面そのものにはわが党でもさほどの異議はないようでございます。ただもしもこれが実現することについて多少差ができたりしたときは、当局が格別な決意をされなくてはならないようなことを委員会は前提としているのだとか、あるいはこの決議文のほかに意味が含まつた意味の動議でございますと賛成いたしかねますので、動議はこの文章の上だけで私どもは賛成したいと思つております。
○井出委員長 ほかに御意見もなければ、採決いたします。ただいまの足鹿君の提案になりました昭和二十八年産麦価に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認めます。 なお本件の議長に対する報告、並びに関係各国務大臣に対する参考送付方につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。 —————————————
○井出委員長 なおこの機会にお諮りいたします。昨日の委員会におきまして、松岡委員から日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案につきまして、水産委員会に対し連合審査会開会の要求がありました。御承知の通り本案は、駐留軍によつて防風施設または防砂施設の除去または損壊を受け、農林業経営に損害をこうむつた場合に、国がその損失を補償することを含んでおります。従いまして、先ほどの理事会におきまして了承を得たところでありますが、この際連合審査会開会の申入れをいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井出委員長 御異議なしと認めます。 なお連合審査会開会の日時その他の点につきましては、関係委員長とも協議の上決定いたしたいと思いますので、御了承を願いたいのであります。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十六分散会