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16回国会衆議院1953/06/18

農林委員会 第5号

発言数
77
登壇者
14
会派数
4
開催日
1953/06/18

会議録

井出一太郎改進党

○井出委員長 これより会議を開きます。農林大臣は参議院の本会議にも出席を求められておりますので、先に大臣に対する災害対策等に関する質疑を行うことにいたします。大臣に対する質疑は通告順にこれを許します。古屋貞雄君。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 大臣に承りたいのですが、山相害対策につきまして、今日まで五億八千九百四十万円の大体の予算を出していただきましたが、それは五月十九日までの凍霜害の被害に対する第一回の処置でありまして、やがて被害が明確になつた場合においては、これに対して善処するという政府の御答弁がございましたが、その後の被害が、実地調査をして報告がございましたように、大分ふえて参つております。それからふえて参つておりまするばかりでなく、農林大臣の御所見のように、日本の食糧増産は不可欠の問題であつて、非常に重要性があるという御答弁をよくやられておりますが、さような見地から考えまするならば、従来お出しになつていただきました対策費用以外に、政府においては凍霜害対策において相当に考えられた対策を持たれておるかどうか。昨日は政務次官からさらに増額された対策費用の捻出を考えられておるというような御答弁がございましたが、大臣はさようなお考えを持つておるかどうか。持つておるといたしまするならば、どういう対策の準備ができておるか、まずその点を承りたい。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 凍霜害が最初よりか被害がふえておるということは私も認めておる次第であります。ただその程度がどのくらいかということについて、また麦なんかは今後実収を見きわめるまで、あるいは今よりかふえるかもしれないしするもんだから、結論的にはどのくらいをどうするということは今申し上げかねますが、ふえているということだけは事実ですから、それに対しましては、飯麦を貸しつける、それから五等麦の買上げをいたします、それから営農資金を融通して、その営農資金のわくをこの前よりかさらに拡大するということを考えております。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 今の御答弁によりますと、営農資金の貸付の対策を考えておるとおつしやいますが、六月の暫定予算にも、七月の暫定予算にもさような対策に対する予算は組まれておらないように考えられるのでありますが、凍霜害対策に対しましては、特に政府から補助金として出す金は、これで打切られるのかどうか。さらに今の御答弁では明確になつておりませんが、打切らないとするならば、どのくらいの準備がされておるかということの、明確な御答弁をいただきたいのであります。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 予備金を考えております。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 政府の発表いたしました凍霜害の総額から考えましても九十一億円で、さような莫大な凍霜害の被害に対して、さらにその後の被害か明確になりつつあるという今日において、予備金において補助金を出して行くというようなわずかばかりの対策費用では、目的は達せられないと考えますけれども、その点はいかがでございましようか。特に農林大臣は、日本の食糧増産が重要な政策であるということをしばしば御発表になり、本会議においても、昨日も三浦さんの質問に対する答弁をしておられますので、さような零細な予備金くらいで一体凍霜害対策が行えると思うかどうか、その点を承りたい。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 七月の暫定予算の災害予備金に十五億円計上しております。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 それには凍霜害という明確にきめられた項目になつているでしようか。それとも災害補償の関係でございましようか。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 別に凍霜害と限定しているわけじやございません。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 私どもから考えますならば、日本の食糧増産政策というものは他の政策に優先いたしましてもやらなければならない。たとえば、政府におかれましては、増産計画のために、土地改良であるとか、あるいは開墾ということを奨励されておりますけれども、今回のような、災害によりまして、良田が来年度の生産の準備もすることのできないような窮状に置かれております農民の実情にかんがみまして、土地改良費用あるいは開墾費用に出されている予算以上の金がなければ、凍霜害対策は完全に行われないと私は考えておりますけれども、農林大臣におかれましては、はたしていずれが大事であると考えておられるか。言いかえますれば、良田に来年度の生産をする準備もできないような窮状に農民を追い込んでおいて――良田なれば、一億の補助金を出せば、三億とか、四億とかいう答えは明確になつております。ところが土地改良得用であるとか、あるいは開墾費は、一億の補助金を出すことによつて明確に幾らという答えは出ないのであります。しかるに農民の現状におきましては、良出そのものの生産をする準備に困つている。特に昨日の陳情を承りますと、今食べる食糧がない、麦を貸してもらいたいというような窮状にあり、農民が今日の生活にも困つておるような時代に、明年度の生産を準備する費用がない。その表出すら政府は補助することができないということになりますと、農林大臣のお考えになつております増産ということが不能になる。現在のような日本の経済事情におきましては、一を出す場合には二の答えが出るような政策が、最も先に行うべきものであると思うのです。農林大臣におきましては、九十一億の被害がある、さらに麦におきしては莫大な被害が予想されておりまする場合に、一体予備金を出てそれで十分であるというようなお考えを持つておるかどうか。予備金のほかに、根本的にこの問題については、翌年度の生産ができるような処置、補助をする意思があるかどうか、この点を承りたい。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 ただいま土地改良その他による増産も必要だけれども、目先その日の食べものにも困つている被害者、災害を受けた農民の始末をしなければ、再生産に支障を来すじやないかというお言葉、ごもつともでございます。それで今食べるものに困つているというものにつきましては、先ほども一言申し上げましたが飯麦を貸し付けまして、それで食いものの方は不自由なさしめないようにするつもりでございます。  それから九十一億の損害に対して云云というお言葉でございましたが、御承知の通り、農業共済金の方で三十億円出まして、それから営農資金が二十億円行く次第でございますから、御了承を願いたいのでございます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 農林大臣は食糧増産に重点を置かなければならぬというお言葉ですが、営農資金の二十億を貸すからいいというようなことでは、私はどうも承諾できない。営農資金を借りますと、返さなければならない現在の日本の零細農化している農民が、借りた金を二年の間に返せと申しましてもこれはおそらく返せないでしよう。それよりも、私どもはこの間補助金として出してもらいました五億八千九百四十万円のお金でございますが、これは麦などにはほとんどまわりません。  一体この五億八千九百四十万円の明細表を見ますと、麦に対する緊急対策の費用というものはほとんど計上されておらないのです。それでございますから、農民諸君からは毎日のように陳情が来ている。そうして麦に対しては相当大きな被害がある。これに対して政府は二十億くらいの金を貸して、日本中の零細農民に、この金をもつて翌年度の準備をしろというようにおつしやられましても、ただいま申し上げましたように、その日の生活にも困るような農民に来年度の準備をしろということは、これは非常に無理です。そこで非常に農村問題に御理解のある農林大臣でございますから、あえて私は質問を申し上げておるのですが、もう少し抜本的な解決策、補助策、こういうものに対してお考えがあるかどうか。  それからもう一つは、九十一億の被害――その後に、これは明確になつておりませんけれども。農業委員会の大会で私どもは、約百七十億、二百億くらいに被害が達するだろうというような報告を受けておりますが、さようなことを考慮いたしますと、ただいま承りましたような農林大臣の御答弁では、どうも農民は納得がいかない。本日もここにたくさん陳情に参つておるらしいのでありますが、風水害の問題等が出ておりますので、私どもはこの点について農林大臣から承りたいことは、ほんとうにこの日本の農民諸君が生活が安定して、増産意欲が高まつて、その裏づけであるところの経済的な問題が解決しなければ、私は増産はできないと思う。むしろ増産よりも減産になるおそれが今年はあると思う。かように考えますので、農林大臣の麦に対する対策についてのお考えを承りたい。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 麦に対しては、この前の処置が数字的にはなはだ少くなつておりますが、それにあのときの調査の結果、局部的の被害であつたものでああいうことになりましたが、私は食糧増産意欲を喪失しないように、お言葉の通りできるだけの尽力はいたすつもりでございます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 古屋委員に申し上げますが、質疑者が数名ございます。簡潔にひとつお願いいたします。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 ただいま二十億の融資の問題と農業災害補償の三十億の問題の御説明がございましたが、今現に行われておりますような農業災害補償法で、一体農民の増産意欲、並びにこれの裏づけである経済の安定が行われるのであるかどうかということを承りたいことが一つ。もう一つは、本年度の凍霜害対策といたしましてさらに抜本的な補助政策をやるお考えがあるかどうか、これを承りたいと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 農林大臣はただいま参議院の方から迎えを受けておりますので、一応この点だけを答弁をされて、向うに出席の上、後刻もう一度おいでを願う、こういう予定に相なつております。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 ほかのものは大体この間のもので手当が済んでいると思いますが、麦はこの間と状況を異にして来ているものですから、麦に対してはさらに考慮を重ねております。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 ほかのものと申しますと、蔬菜とか菜種、果樹などに対する被害については、全然今まで考慮されておらないのですが、蔬菜とか、菜種、果樹などに対してはどうですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 こまかくなりますので。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 方針が承りたい。大臣にその結論を承りたい。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 蔬菜等に対しては、この間処置しただけで大体済んでいるつもりでございます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 蔬菜は一つも入つておりません。はつきりした答弁をしてください。

内田信也自由党農林大臣

○内田国務大臣 詳細なことでございますから、政府委員から御答弁申します。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 蔬菜については、代作用の種子を……(「種子だけはわかつています」と呼ぶ者あり)それから果樹、蔬菜等については病虫害の防除費を増しているのであります。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 そういう問題について対策を新たに考える意思が大臣はあるかないかを承りたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 凍霜害は五月三日以降はありませんから、それの処置でありますので、凍霜害対策といたしましては、一応それで済んでいると思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 昨日政務次官は、済んでいない、これからあとも考慮して対策を講ずるとここでおつしやられましたが、それは官房長の答弁と食い違いますが、どうですか。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田政府委員 私の発言に関連しておりますから私からお答えいたしますが、私の申し上げましたのは、被害の調査が五月十五日現在でできているから、五月十五日現在以後に現われた被害について、たとえば麦のような計数を調べることのできなかつたものについては考慮するということ、前の救済方法に準じて対策を立てるということを申し上げたのであります。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 そうしますと、凍霜害については麦だけの考慮で、あとは全部農林省としてはお考えにならぬという結論になるのですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員  凍霜害対策としては、その後出て来たものは、北海道の苗しろ、島根の苗しろ等がありました。これはさきの凍霜害の結論を出すときに一緒に処置することにして手配しておりますので、一応凍霜害の対策としましては、先ほど来申し上げておりますように、麦の問題の未解決の問題を除いては、一応完了しておるというふうに考えます。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 あとは大臣がまた参りましてからお尋ねすることを留保いたしまして、ほかの質問者がございますので、ここで一応打切つておきます。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 農林大臣が参議院の方でどのくらい時間がかかるか知りませんが、やはり主管大臣によつて責任ある答弁を求めたいと思いますので、これから懇談会に移されまして、農林大臣が出席されてから、再び委員会を開いていただきたい。

井出一太郎改進党

○井出委員長 佐竹君の動議に御異議ありませんか。

松岡俊三自由党

○松岡委員 懇談会に移ります前に、蚕糸局長が見えておりますから、山形県の特殊なかいがら虫の被害について、本省では調査をせられたはずですが、もう帰つて来てその成案を得ましたかどうか。山形県としての被害の状況は、昨日申しましたが、その陳情も政府の方には参つておるはずでありますが、これについてどういう結果を得たか。なおこれに対してどういう措置をしようというお考えか。その点を明らかにしていただきたい。

寺内祥一農林事務官(蚕糸局長)

○寺内政府委員 山形の、特に最上川地帯のかいがら虫の被害が非常に甚大であるということを聞きまして、さつそく係員を派遣いたしまして調査いたしました。すぐ帰つて参りまして、これは緊急に処置しなければならないということでありましたので、一般会計のうちに計上してありまする病虫害防除費が、六月暫定の中にも五百万円入つておりますが、そのうち三百万円だけ使うように大蔵省と交渉がつきましたので、そのうちから八十五万円をすぐ山形県の方へ配付いたしました。  それからもう一つは共済の関係でございますが、これは普通に厳密に現在の法規を解釈しますと、ただちには適用にならないのでありますけれども、今回の被害は特に激甚でございますので、これによつて掃立て不能とか、養蚕の飼育をやめなければならぬというようなものについては、特に共済制度を適用するように交渉中でありまして、大体そうなる見通しでございます。

松岡俊三自由党

○松岡委員 六月の中旬から下旬にただちに防除の方法が講ぜられなければ、また蔓延するおそれがある。この機会をとらえなければ、たいへんなことになる。その点は十分に御配慮いただいて、ただちにあれの防除の薬等は配布するように御処置くださつたのですか。これからするのですか。いかがですか。

寺内祥一農林事務官(蚕糸局長)

○寺内政府委員 ただいま申し上げました病虫害防除につきましては、すでに出しましたので、ただちに手配できるはずでございます。

松岡俊三自由党

○松岡委員 了承しました。

平野三郎自由党

○平野(三)委員 凍霜害対策のために政府は三十億円の営農資金を支出することになつたそうですが、その貸付条件はどういうようになつておりますか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 二十億の営農資金は、まず資金源をどこからとるかであります。資金は中金、信連、單位組合または都道府県知事の指定する銀行ということになつております。そうしてこれに対しましては五分の利子補給をやります。その五分の利子補給のうち、二分五厘を国で補助する。残りの二分五厘は、府県または市町村で補助する。中金の資金源を元にしますと、中金の資金は一割でございますので、中間に一分五厘とりまして、普通ならば一割一分五厘で農家は借りることになつております。従いまして五分の利子補給をいたしますから六分五厘になります。信連あるいは單位組合、その他地方銀行で府県の指定したものは、あるいはそれより安い利子が予想されておりますので、そういう資金源から行きますと六分とか五分五厘。埼玉県などの例によりますと、埼玉銀行から八分五厘の金を借りるという話がありますので、もしそういうことになれば三分五厘になる、こういうことであります。  それからこの資金の融通の対象でありますが、対象は凍霜害で被害を受けた作物の再生産に必要な営農資金ということになつておりますので、麦、果樹、桑、蔬菜等を含んでおります。  それから一人当りの貸付限度は、大体一戸当り五万円という原則をきめております。しかしこれは県の事情によつて適当な、バリエーシヨンをつけることができるのであります。  それから貸付期限は二年にしております。大体営農資金でありまして、農林漁業金融公庫から出る施設資金と違いますので、二年あれば、少しずつ出来秋に償還していただけば大体償還できるものと考えております。  それからもう一つ違う金があるのであります。それは農林漁業金融公庫に九千三百万円を出資しまして、それと同額の農林中金の金をつけて流す金であります。これは末端に六分五厘で貸し付けることにします。  それから先ほどのものに申し落しましたが、先ほどのものには三割の損失補償がついておるのであります。その三割のうち、県または市町村が損失補償をつけ、もし損失が起つて、県または市町村か負担しなければならぬ場合には、その半額を国で負担してやる、こういうことになつております。公庫の方から流す金は、半額が財政資金でありますから、国の責任になりますので、国が半額の損失補償をつけてやるという勘定になります。このあとの方の金は、肥料代を三分の一補助しておりますが、その農家負担分にまわす、こういうことになつております。これは肥料代蚕種代の農家負担分の話であります。その他こまかい点がありますしから、御質問によつてお答えいたします。

平野三郎自由党

○平野(三)委員 農林漁業金融公庫の方へ政府から出資される条件を伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 これは九千三百万円出資しますので、それと同額を中金からつけて流しますから、一億八千六百万円になります。これは一方で肥料代の補助を出すことになつております。肥料代の補助は国で三分の一、府県で三分の一、農家が三分の一ということになりますが、その農家の三分の一に充てるわけです。その貸付条件は、六分五厘で農家に貸すことになるわけであります。

平野三郎自由党

○平野(三)委員 今の三分の一の二分の一を融資されるわけですね。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 いや全部です。

平野三郎自由党

○平野(三)委員 国が三分の一を負担して、県が三分の一を補助して農家負担分は三分の一になりますが、その三分の一の二分の一を融資されるわけですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 全部です。     〔「懇談会でやつたらどうかと呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 お諮りいたします。先ほど佐竹委員からの動議で、懇談会に移したらどうかという御意見でありますが、この際政府当局が見えておりますので、風水害の被害状況についての調査とりまとめの結果を聞きたいと思います。従いまして懇談会でなしに、このまま継続をいたします。渡部官房長。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 お手元に配付しておきましたが、風水害の被害の調査は、凍霜害の被害の調査よりもむずかしいのであります。これは凍霜害の中でも麦の被害の調査がなかなかめんどうなのと同じように、麦が主になつておるからであります。  そこで農林省としましては、統計調査部の府県の作物統計報告事務所で調べておりますが、この調査は一応中間の段階としまして、六月の十三日現在までの報告をまとめましたのが、百七十万石と出ておるのであります。これはしかし中間の報告でありまして、もつと精細な、ある程度自信を持つた報告は二十日過ぎでなければできないのであります。そこでとりあえず私の方は県から出て来ておる災害の報告をまとめましてお手元に配付いたしたのであります。府県の報告はまちまちでありまして、あるいは石数で出ておるものあるいは町数で出ておるもの、あるいは金額で出ておるものと、いろいろあつてなかなかとりまとめにくいのでありますが、それらを一応金額にまとめて出したのであります。そういたしますと、その表でごらん願いますように、麦は二百六億、ばれいしよが四億、菜種が二十五億、蔬菜が三十億、水稲が三億、お茶が八十三万、桑が六千八百万、果樹が二十億九千万、大豆が四億、その他として四億、林産物か千百九十二万、畜産が飼料作物等として二百八十万円余り、合計三百一億というような数字が出ておるのであります。もしこの麦の金額を、大麦、小麦裸麦の石当り平均四千五百円と仮定しましても三百数十万石の被得になつておりますので、私どもが十二百現在で統計調査部で調べたものの倍以上になつていると思います。そこで一方におきましては統計調査の職員を督励して、数字の具体的な状況を確定いたしたいと考えておりますと同時に、ある程度の的確な数字がありませんと、予算要求等につきまして支障がありますので、一応予算はこの表で大蔵省と折衝し、なお詳細に計算の基礎等をつくつて最後の決定をする、  こういう状況であります。営農貸金の補給でありますとか、種子代、病虫害の補助等の準備をしてくれということを申し出ておりますが、一部先般九州方面には係官を派遣しましたが、その後予想外に被害が多いので、係官をもう一度数班にわかつて出して、できればここ一週間程度のうちにある程度コンクリートな予算というかつこうにして大蔵省ととりまとめを進めたい、こういうふうに考えております。  それから施設の災害でありますが、これは昨日お手元にお配りしたと思いますが、「農林水産関係二十八年度発生災害緊急復旧額調」この農地関係の中には融雪の災害と六月の風水害林野関係も六月前の災害と六月の風水害、水産関係、それぞれ出しおります。それによりますと農地関係の被害が六十一億、林野関係の被害が十八億、水産関係の被害が七億になつております。これに要する事業費の災害復旧国庫補助金を出さなければならぬのでありますが、それに対しまして従来の例によるつなぎ融資の必要額を算定しますと、大体十二億余りになりますので、それを災害予備金の方に要求する手はずにしております。ただいままで私どもの調べておる被害の状況は以上の通りであります。  さらに私どもの方で一応今度の風水害に対してどういう処置を講ずべきかを、凍霜害の例等も考えまして、省議できめました案をお手元に配付しておりますが、「五月及び六月における風水害対策要綱」二十八年六月十五日付、これはきのうお配りしてあります。ちよつとそれを簡単に申し上げます。  まず第一点は菜種、麦、ばれいしよその他の農作物に対しまして、これの再生産を確保するために必要な金融措置を講ずるのであります。これは先ほど申しました利子補給及び損失補償をつけて出そうという考えであります。これに要する資金は凍霜害の例にならいますと、ただいま申し上げました県から出ている被害をそのまま正しいということにして計算しますと、約五十億余りの営農資金がいるという勘定になります。但しこれは大蔵省との交渉にはすぐこの数字を使うことは、今までの経過に徴するとできませんので、さらに農林省として妥当な数字を調査いたして交渉したいと思つております。そうしますと、かりに五十億としますと、国の負担になる利子補給額は二分五厘でありますので、一億二千五百万円ということになります。  それから麦につきましては、共済金の概算払いを早急に行う。これは概算しかできませんが、この麦の被害二百億といたしますと、今までの保険金の共済金の支払いの例によつて勘定しますと、この被害の約三分の一程度共済金として農家の手にわたる勘定になります。しかしこれは誤解のないように願いたいのでありますが、全損の場合共済金は半額になつておりますから、被害程度が少ければ、共済金の支払い割合が少いわけでありますので、実際に個々の町村で共済組合が個々の農家について一筆ごと調べた損害の結果共済金の額がきまりますが、その結果今申し上げたこの二百億の三分の一と違う数字に当然なるだろうと思いますが、もしかりにこの数字が正しいとすれば、大体六十億余りの共済金が農家に渡ることになると思います。これは町村の共済組合から農家に渡す金でありまして、それに対しましては連合会が金を用意しなければなりませんが、連合会にそれだけの金はありませんので、共済基金に現在二十数億の金が残つておりますから、それをできるだけ早くまわす。なお今度のような場合は異常災害でありますので、再保険金も相当渡す勘定になりますので、それの分としましては概算払いを急遽いたすように手配しております。大体国が負担する金が五十億ないし六十億共済金としまして三十億から四十億の国家支出が共済関係につきましては必要になると思います。  それから次には水稲につきまして苗しろ関係の被害が相当ありますので、早く水害を受けたところでは苗しろのまきかえをやつたところもあります。それから水につかつているところにつきましては、病虫害の防除等をやらなければいけませんし、また刈つたところもありますので、そのようなところにはまきかえの種子代、肥料代、農薬代及び苗をよそから持つて来る場合の輸送費の助成をいたすことになつております。  蔬菜につきましては、病虫害の防除費または代作種子代の助成をいたしたいと考えております。  果樹につきましては、果樹の樹勢を回復するために果樹間に緑肥を植え、その種子代、病虫害の防除等の施設の助成を行いたいと思います。この水稲、蔬菜、果樹等は凍霜害の例にならつているのであります。  それから畜産に関し属しては、家畜伝染病予防について助成を行いたいと思います。  さらに被害農家に対しましては、飯米対策としまして政府の方から県を通じて来期の出来秋に返還せしめるという条件で麦を貸し付けることにいたします。それから五等麦の買入れをやることにいたします。施設の災害につきましては、先ほど申し上げましたように、つなぎ融資をする手配にしております。  大体今までの被害の私どもの手元で判明しておるところ及び私どものところで考えている対策について概略申し上げたわけであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 いろいろお尋ねすることがありますが、大臣がおいでになつてから伺うことにしまして、今の官房長の言われた被害額の集計の、六月十八日までに各府県から農林省大臣官房に提出されたものをいただいておるわけでありますが、これは昨日の委員会でも話がありましたが、昨日全国あるいはその当該府県の知事会議が開かれておる。その知事会議でまとめられたものを、われわれとしてはどうでも信憑性のある被害統計として対策を進めるのがよかろうということに委員会ではなつておるのですが、本日いただいたこの資料は、昨日の知事会議におけるものと相違はありませんか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 知事会議は九州と四国、中国だけでありまして、そのほかの県が入つていないわけであります。その分を知事会議の資料の上にプラスして行こう、知事会議を開いた分については同じであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 わかりました。  それから統計調査部のものと知事会議あるいは府県報告に基くものとでは、開きがあまりにも大き過ぎると思うのです。二十日過ぎには統計調査部のものが出るということでありますが、この間の米価審議会に統計調査部長もおいでになつて、豊凶係数の点についていろいろ質疑が行われたのですが、それはいつごろでき上りますか、二十日ごろというのは風水害についてのみの、農林省の統計調査部の正式にとりまとめたものを発表するということですが、これは麦の場合なんかは凍霜害の場合とやはり共通していますので、なるべく豊凶係数としてまとめて出していただきたいと希望するわけですが、その辺はどうですか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 これは統計の方から言えば七月にならなければ自信のある統計は出ないのです。ところが災害対策としましては、どうしてもそれまで待てませんので、一応腰だめの数字でやつておいて、凍霜害のときと同じように、今度はさらに統計の正確な数字が出たときは前の対策に準じてそのわくをふくらます、こういう考え方にしておるのであります。これはどうもやむを得ないと思つております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 やむを得ないと思いますが、今の官房長のお話を聞いておりますと、麦の場合は石数に換算して、統計調査部の十三日現在のものでは百五十万石、府県の報告を集計したものは三百万石というと、その差があまりにも大きい。それで大体二十日ごろにおまとめになるもので、やはり麦、菜種が一番大きいのですから、そのものに対しては特に重点的な調査を急がれて、正確に近いものをコンクリートしたものにされないと、被害に対する信憑性の点で、いわゆる財政当局との折衝においても非常に支障があるのではないかと思う。それでこの三百万石と百五十万石の開きが大きいのですが、大体直接的に現われた被害というものはなかなか調査がむずかしくて、統計調査部でも――実際ほんとうに畑にあるものはできますが、調査できないだろう、なかなか困難であろうと思う。ですから府県から出て来たものとこんなに開くか開かぬかということを至急におとりまとめになつて、少くとも二十日には麦と菜種とについては実態がはつきりするようにしていただかなければ困ると思うのです。実際の開きについて、速記録にとどめて悪ければ講談でもいいでしようが、あまりひど過ぎると思うのです。今度の被害の三百一億のうち、二百六億は麦なのです。そのものが統計調査部のものでは十三日現在で百五十万石ですから大体百億見当になる。わずか五日の違いで倍ということは、あまりにもひど過ぎると思うのです。その辺もう少し出先の統計調査部を督励されて、はつきりしたものにしていただきたいと思うのです。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 私どもの方でも実は弱つておるので、ある程度端々で齟齬のあるのはやむを得ないと思いますが、大筋のところは妥当な数字を早く出せ、こういうわけでやつておるわけであります。今私が二十日過ぎと言つたら、月末だと統計調査部の方が言つておるくらいに統計の方は慎重になりますが、これはやむを得ないと思います。とにかく大筋のところはつかんで、財政当局に対しても、自信を持つて説明できる数字をできるだけ早くとりたい。ただ一般的のあれとしては、被害地の方としては、ことに今までの傾向を見ますと、水害などのときには水をかぶつているときの統計が一番大きく出て来るのです。それがだんだんおちついて来るにつれてかわつて来るのであります。これは毎年の例でありますので、一般的にはそういうことは言えますが、今度のは被害を受けて後の雨が非常に長く続いておりますから、統計調査部の方でも従来のそういう断定が早期に下せないので弱つているわけです。麦ですからあの雨から天気が回復すれば相当軽い程度で済む。しかし雨が将来どう続くかわからない、こういうことになると、ある程度時期を経過してみないと断定しにくい。こういうので弱つておるのであります。しかしいずれにいたしましても、大体二十日過ぎで一番遅いところでも麦の収穫が大部分済んでしまうと思いますので、そうなりますとある程度被害の断定が妥当に下せるのではないか、こういうふうに考えております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 そこでこれは府県が見られたのは、流失あるいは発芽、ほとんど収穫の七、八割までは被害を受けたとみなされるものが一応この数字に載つていると思う。品質の低下なんかは統計調査部のものにはなかなか載つて来ないのです。そういう従来の例もあるのです。それで同じ被害統計がわずか五日間のずれでこんなに開くということは、私は非常に遺憾なことだと思う。従つてこういう被害というようなものに対してわれわれが対策立つて行く場合には、やはり現地の声を代表している府県の要望、報告というものを信じて、そうしてそれを時間的なずれはあつても、実証するために、統計調査部の数字を一応念のために調べて行くということで行かないと迅速に行かぬと思う。また実際私は三百一億というもの以上に、まだこれは品質の低下で大きなものが出て来ると思います。そういう点をよく出先に指示をされて、規則ずくめだけで行かないように、現地の実態をほんとうによくつかみ、そうしてすみやかにやつてもらいたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 金額の算出の基礎も、今の品質の点なんかもまだ考慮した数字になつておりません。ただ一石平均どのくらい見たらいいだろう、こういうふうに出ておるわけであります、それから被害の、凍霜害の例によりますれば、三割から五割まで幾ら、五割から七側まで幾ら、七割から九判まで幾ら、こういうふうふうな段階別のやつ、これは非常にむずかしいのでありまして、お説のように、ある地方ではほとんど全村に近い地方もありますし、ある地方では平地と少し高地になつている所では違うのが、これは平地並に出て来ておる。こういう二、三の調査もありますので、そういう点は多少ひまをかけないと、結局府県間のバランスを失することにもなりますので、そういう点もある程度妥当なものをとりたい。こういうふうに思います。なお統計調査部の方から……。

安田善一郎農林事務官(農林経済局統計調査局長)

○安田説明員 足鹿委員の御要望に沿いまするべく、事務所を第一には時期的に早く大いに督励すること、また被害調査部がむずかしいので、圃場及び圃場外の被害にもできるだけよく調査するようにすでに指示をいたしてやらせております。ただ時期の点について御了解をお願いしたいと思いますのは、凍霜害が十月三日に一番多く降つたのでありますが、八月十五日現在の二回概報を速報いたしまして、二十一日にこれを公表いたしまして、対策の基礎資料の一つとして出していただきました。この時期にちようど期間を比例させてみますと、麦の方が実はもつとむずかしいのでございます、ちようど月末ごろまでお許しを願いたいような気がいたすわけであります。二十五日から二十八日までに県別にずつと固めまして、おそくとも七月一日には推定実収高で、最終的にはつきりさせます前の概況の大体最終的なものといたしたいつもりであります。凍霜害を約十八日間の間で概況としては確定いたしたても、府県庁ですらその後いろいろ被害を私どもに持つて来てくださつておつた事情もありますので、万全を期したい意味でそういたしたいと思います。また今回の、雨水害は非常に大きいので、先ほど足鹿委員が申されましたのは、母はこの間百五十万石ではなしに百七十万石と申し上げましたが裸麦についての例を申し上げますと、被害面積はすでに約六割、被害面積は日本の裸麦の総作付面積の五割七分以上も被害を受けておるということは押えてありますが、それでなお増加の傾向もあり、雨の被害に伴う病気としては、特に穂発芽のほかに赤さび黒さび等が発生すると思いますが、試みに農作物の被害はどんなものかということをごく簡単に結論だけを申し上げますと、終戦後の米の被害を五年平均いたしますと、風水害も、旱害も、冷害も病害も、虫害もみな入れましても、平均が約五百万石であります。米におきましても、そのうちの風水害は五年平均すれば百七十六万石ぐらいで、その風水害が特に国会でも問題が非常に大きく出ました、供出制度もありまして、強くありまして問題になりました二十五年でも、三百九十万石強というところが風水害の米の被害であります。麦は少くとも過去の例によりますとすべての被害を加えましても、最近の五箇年間では百八十四万石くらいでありまして、やはり二十五年に相当の被害があり、各地の各産麦の総計の被害として二十五年が一番多くありましたが、そのときでも二百五十万石くらいでありました。参考のために申し上げます。

井出一太郎改進党

○井出委員長 足立委員

足立篤郎自由党

○足立委員 私はこの際麦の被害対策につきまして、政府のお考えをひとつ統一願いたいと思います。と申しますのは、昨日来各委員から追究されましたのは、凍霜害対策について麦に関してどう考えるか、今後の対策をどうするかという追究があつたのでありますが、私の考えでは、この凍霜害の麦の被害につきましては、当時予測できなかつた状況でありまして、統計調査事務所の専門の技術員といえども、暫時は的確な予想もつかなかつた。それが今日に至りまして、意外な被害を呈しているという状況は各所に見られるわけであります。その後に風水害が起りまして、これがクローズアップされましたために問題がこんがらかつて来ておると思うのでありますが、その原因のいかんを問わず、減収になりあるいは質の低下を見書した本年度の麦の対策につきましては、ぜひ統一をしていただきたいと思うのであります。先ほど大臣から、断片的に対策について御発表があり、なお官房長からまとめて御発表もございましたけれども、この対策はぜひとも凍霜害についても適用する、そしてもつと幅を広げて、一括して本年度の麦の被害対策としてはつきりとここに打出されますように希望いたします。なお数字につきましても、風水害の被害の調査集計を今急いでおられるようでありますが、凍霜害につきましても同様に、当時予測できなかつた被害が今日現実となつて現われて参りつつありますの、これをひとつ統計調査事務所で的確に把握されまして、これを一本にいたしまして、北は東北から南は九州に至るまで、本年度の被害を統括して、これに対する対策はかくかくであるというふうに、根本的にひとつ御統一を願いたいと希望いたします。政府当局の御所信を伺いたいと思います。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田政府委員 麦につきましては、凍霜害も風水害も一本にして扱うことに方針がきまつておることは、昨日申し上げた通りであります。

井出一太郎改進党

○井出委員長 綱島委員。

綱島正興自由党

○綱島委員 小言を言い過ぎるようにお思いになるかもしれませんが、もう少し慎重にせられていただきたいと思いますことは、たとえば雨量なんというものはちやんと出て参るもので、少しも調査にひまがいるわけはないのであります。農林省から御発表になりましたものは、福岡県が四百ミリを越えたというだけの何で、あとは二百ミリ、三百何十ミリというようになつておるのでありますが、私は長崎県で、ちようど電報をいただいて、すぐ帰つて来たのでありますが、私がおりますうちに一日で二百八十ミリ降つた地方もある。長崎県などは大体五百ミリを越えた部分が大分ございます。長崎県知事からの上申書にも、県南が四百ミリ、県北は五百三十ミリに達したと書いておりますが、かようなことで雨量なども数字がちやんと出て来るのですから、もう少し役所でも、いろいろな御報告というものを将来ともうのみになさらずに、よく考えていただきたいと思う。  それから実情を申し上げますと、統計事務所の出先でありますが、なるほどひまがないとか、旅費がないとか、人数が足らぬとかいうこともございますようですが、いつの災害その他出来高等のことにおいても、実情についてこれは一般はどうか存じません、長崎県の場合だけ申し上げます。統計事務所にほんとうのことをどうして書いてもらおうかということを、地方ではみな心配をする。これが実情でございます。どうもこれは出先の人が何だか自分が偉そうなかつこうをしたいというようなことも手伝うのじやないかと思うのでございますが、どうも実情より、米を書かせるとよけいできたり、災害は少いように、というようなふうがありまして、地方ではみな非常に困つております。農林省ではおかしいようにお思いになるかもしれますんが、これは耕作民が来ておつたらみな激昂するほどのことでございます。どうぞこのことは注意してひとつごらん願いたい。それには特に大切なこの雨量は、気象台をお調べになればすぐわかる。これの計数が違うなんということは、実にこれはこの一モデルケースだと私は思う。こういうことは私はひとつよく調べていただいて、これよりもこういうはつきりしたものでない、ただ目検分で行くやつはもつとひどい感じがある。その点はどうぞひとつお調べ願つて、大体事実は事実に近いところをつかんでいただきたい、こういうことを極力ひとつお願いしておきたいと思うのです。別に御質問申し上げぬでも、大体皆さんはうまくやろうと思つていらつしやる――悪い意味のうまくやろうじやない、ほんとうの意味のうまくやろうと思つていらつしやるのですが、いろいろな事情がございます。一体必要な統計等がいろいろありましようが、統計事務所というものは廃止したらどうかという考え方も農民には非常に強い。これは長崎県には特に強い。統計事務所というものを全廃したらどうだろうという考え方は非常に強い。それは事実に反することばかりが出て来るのでそういうことが起るのですから、どうぞ出先についても特に御注意を願いたいと存じます。

安田善一郎農林事務官(農林経済局統計調査局長)

○安田説明員 御注意のありました点はせつかく努力いたしまして、調査技術をしつかりやること、ことにその態度気持において御趣旨に沿えるように、とくと地方の者まで督励をいたしましてかねがねやつておりますが、なお一段の――被害のような場合は農家の方々も非常に物的、心理的に打撃を受けておられるから、そのように気をつけてやるように指示をいたします。私どもは、御指摘のありました具体例につきましてはいささか違いまして、日照、降雨量、気温などは特に調べまして、それから判断いたします。気象感応試験で被害の尺度もよく使うこと、むしろそれを主としてやつておるのが私どもでありまして、御指摘の長崎の六月五、六日は、二日について見ますると二百ミリになるのでありまして、おのおの百ミリずつ。この一日というのは、気象台と同じことでありますが、午前九時から九時までの一日をいうのであります。この点において間違いなくやるように努めておりますから、御了承願いたいと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員 雨量について今お話がありましたが、これは実は私も空に申し上げるのではなくて、平戸測候所やいろいろなところを調べて、報告を得て申し上げておるのでありますから、なお一層御注意願いたいと思います。  それからも5一つ特にお願いをいたしておきたいと思うのですが、被害状況についての調査であります。私は長崎県の各町村全部をまわつたのでありますが、それによりますと、ほとんど収穫がございません。たまたま畑に立つておる大麦のようなものも、農家が実際にとつてみると、みなもげてしまう。発芽いたしておりまして、実際に何にもございません。実は私は持つて来ておるものでございますが、実際はもげてしまつて何にもならない。それから一日と二日が雨が降つて三日が天気であつたものだから、あと雨になるといけないというので急いで刈つたところが大分ある、刈れるだけ刈つたものですから、それをしまうことができずに、そのまま畑に置いておいたものを、四日の大雨でみんな流されてしまつた。それが六、七割に及んでいるが、その六、七割のものは、これは災害の補償の範囲に入らないという見解を統計事務所の出張所は持つておりましてこれは調査する必要はないということをしきりに言つている。そこらに食い違いの原因があるかもしれぬので、その辺も御注意願いたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 綱島君の御質問に関連してお尋ねしておきたいと思います。統計事務というものは、長年の歴史を持つた上に初めてその成績が現われて来る。一年間もしもあやまちを犯しますと、長年の統計を破棄しなければならぬような結果に陥ります。従いまして私から見ると統計事務としては相当進歩を遂げておると思いますが、統計事務の基礎をなすところの調査部の調査方針が必ずしも十分ではないと思います。いかに統計事務が発達いたしましても、あるいは基礎づけられましても、その基本となりますところの調査機構が十分でなければ、結果は統計の方に悪く現われて来ると考えます。こういう点からしまして、もしも日本の農業統計の上に画期的な寄与をするといたしますれば、今日の予算では、十分に農民の意向をキャッチできない形のものであるという考え方をいたすのであります。その意味において現在の状態では、綱島委員からお話が出ましたように、非常に不信の声が高い。むしろ廃止すべきではないかという声も非常に多く起つておるのであります。これは統計事務が悪いのではなくて、調査事務が十分でないというところから来ておると思います。元来臨時的に起きたものとは言いながら、旅費がない、あるいは調査費用がないというようなことが起きまして、その結果国民全体の生活の上に悪影響を及ぼすことになりますならば、政治の不信を買うことになりましようし、あるいは農林省全体の統計の不信にも発展する結果になるものであります。従いましてこの際こういうことが考えられ、活用できないかと思うのであります。  農業普及員がございますから、これを補助的調査事務に使うというようなことが現在の機構の上において不可能であるか。あるいはこれは予算的措置が十分でないためにできないのか。元来統計事務というのは非常にじみなものでありますために、農林省全体の予算の上からとかく粗略に扱われて来ておるのです。この粗略に扱われた結果農林省全体の行政が不信を買うことになりますれば事実重大だと思うのですがこの点に閲する官房長の意見並びに統計部長の御意見を承りたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 お話、ごもつともでありますが、実は普及員の方は府県の職員であります。統計の方は国の職員であります。こういうような関係があります上に、統計の調査の方についてはまた普及員と違つた訓練が必要でありますので、すぐに使うというわけには参らない。なお統計調査の災害に対する調査費の問題は、これはしばしば予算のたびにやつて来ておるのですが、まだ実現せず、十分な経費がとれなくてはなはだ遺憾でありますが、予算折衝のときは災害のときと違い、暮に予算が編成されるために、どうしても事務費節約ということになつて、われわれの意に満たないのでありますが、この点は今後一層努力したいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 私のお尋ねした点は、改良普及員をこの際補助的に使うことによつて調査の完璧が期せられないかという点なのですが、これに対する見解を明らかにしていただきたいと思います。

安田善一郎農林事務官(農林経済局統計調査局長)

○安田説明員 非常に御卓見だと存じますが、その間に経過があり、地方庁と話合いをしましたり、また先ほど川俣委員のおつしやいましたように、統一方法による調査の継続が必要でありまするので、それを教え込んだりする時間を考えますると、特に麦については早急に調査をなさなくちやならぬので、教え込むのに時間がかかりますと、かえつて能力が落ちると思いますが、これは今後において勉強、研究いたとたいと思います。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 教え込むのに非常に時間を要するといいましても、調査しないで机上の調査で終りますれば、なお弊害が大きいと思う。常に植付から最後の収穫に至るまで大体注意をいたしておるのが普及員の指導の任務であります。従つてこの被害については統計調査部とそう考えが相異をいたしておらないと思う。現に収穫等については普及員の意見を相当尊重してできておるのに、この水害についてだけその意見を尊重することができないということはおかしい。

安田善一郎農林事務官(農林経済局統計調査局長)

○安田説明員 私どもの仕事がなお一層完璧になるようにその意見を聞くということなら、少くとも私が役所の部長程度の意見として申し上げることをお許し願いますれば、早急に研究して実施してもいいと思います。

松岡俊三自由党

○松岡委員 議事進行について。本日水産関係で駐留軍関係の射撃によつて受ける損害の問題についての法案が提出されております。この駐留軍の射撃の問題は、単に水産関係ばかりでなく農地関係にもはなはだ多いので、この点について水産方面と協議して、農地関係において駐留軍のために受けている損害はどうすればよろしいかということについて、万遺憾ないように委員長の御善処をお願いいたしたいと思います。

井出一太郎改進党

○井出委員長 ただいまの松岡君の御発言は、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案についてであろうと思います。本件は水産委員会に付託になつておりますが、前国会における前例等にも徴しまして、あるいは連合審査等の運びに持つて参る場合もあろうかと考えますので、理事会に諮りました上で善処したいと考えます。  農林大臣は参議院の一般質問の関係がございまして、もう十五分くらいそちらの方がかかるそうであります。そこで、この機会に暫時休憩をいたしまして、懇談会に移し、折から西日本方面の水害地における府県知事さん方が代表して見えておられますので。その陳情を伺いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 さようはからいます。  暫時休憩いたします。     午前十一時五十一分休憩      ――――◇―――――     午後零時十八分開議

井出一太郎改進党

○井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  ただいま理事諸君のお集まりをいただきまして御相談いたしましたが、農林大臣にはただいま参議院からここにお見えになりましたが、続いてあとの日程も制約されておられるようでありますから、明日定刻十時より委員会を開きまして、農林大臣の先ほど来の問題に対する御答弁並びに農林行政についての基本方針を伺う、こういうことにいたしまして、本日は一応この程度をもつて散会をいたしたいと思います。     ―――――――――――――

井出一太郎改進党

○井出委員長 なおこの際お諮りをいたしますが、昨日の理事会におきまして、目下本委員会において審査中の農業災害補償法の一部を改正する法律案の取扱いについて協議いたしましたが、この法律案と関連して、別途農業災害補償制度のあり方等基本的な問題についても再検討の必要があるので、この法律案の審査と、さらに基本的問題に関する方策樹立のため、本委員会に小委員会を設置したいということでありました。つきましては、この小委員会を設置することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 御異議なしと認めます。なお小委員の員数、小委員及び小委員長の選任に関しましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井出一太郎改進党

○井出委員長 御異議なしと認め、追つて委員長において指名することにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十一分散会

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