内閣委員会 第19号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/07/29
会議録
○稻村委員長 これより内閣委員会を開会いたします。 本日は公報に掲載しておきました請願及び陳情についての審議を行います。請願の審議については御出席にたりました紹介議員から紹介の説明を承ることとし、他は文書表によつて御承知と存じますので、ただちに政府の意見を聴取いたしたいと存じます。なお同一趣旨の請願については、便宜上一括議題とし審査を行います。 日程一九五、大湊町に警備隊大湊地方監部設置の請願につきまして紹介議員がお見えになつておりますので、日程を変更し紹介議員の説明を求めます。山崎岩男君。
○山崎岩男君 請願第七五〇号、大湊町に警備隊大湊地方監部設置の請願、請願者青森県下北郡大湊町長佐々木由吉外一名、本請願の要旨は、政府は、独立後の治安維持に備えて自衛に関する諸制度を確立するため、青森県下北郡大湊町地内大湊港を警備隊大湊地方監部に決定したとのことであるが、大湊町の生きる道は一に港湾の利用と旧軍施設の活用以外にはない実情である。ついては、すみやかにこれが実現をはかられたいというのであります。 大湊町は、御承知の通り、旧海軍の警備府の所在地でございまして、この警備府の施設というものがいまだにそのまま残つておるのであります。たとえば厖大なる施設を持つておる工作部の建物から、機械一般、また一万トン級の船の乾ドック等を備えておるのでありまして、東北、北海道における要鎮として、今日まで重要な役目を果して参つたわけでありますが、終戦後この町は火の消えたような、まことに気の毒なさびれた状態になつたのであります。私は昭和七年から昭和十四年までこの大湊町の町長を勤めておつたのでありますが、その当時六万からの人口のあつた大湊町は、今日わずかに一万五千より人口かない。しかもその大部分は北海道あるいは千島、樺太からの引揚民が多い。なぜそういう引揚民が多くなつたのであるかと申しますと、これらの樺太、千島からの引揚民を一時収容するために、旧海軍の施設を利用した、その結果それらの引揚民がただいま大湊町に雲集しておるような状態でありまして、これらの人々は狭い土地において共食いの実情なのであります。そこでこの大湊町が生きる道は一体何だというと、旧海軍のいろいろな施設、港湾等を利用していただくより以外に道はない、こういう結論に相なるわけでございます。 大湊町は地域から申しましても、東北、北海道の要鎮として、今日まで八十年に近い間重要な基地とし七の役目を果して参つたのであります。従つて警備隊の地方総監部を置くのにはうつてつけのところでなかろうかと考えますので、この地方民の要望を一日もすみやかに受入れられまして、地方総監部の設置をはかられるようにお願い申し上げるものであります。この点について政府当局からの御意見を承りたいと存じます。
○稻村委員長 政府委員の意見を求めます。保安庁土木課長大森頼雄君、
○大森説明員 警備隊が地方総監部を増置するというような場合には、大湊も一つの有力な候補地になつておりますが、二十八年度といたしましては、とりあえず地方総監部ではなくして、一つの補給を主にした基地をあそこにつくろうということで、予算を計上しておる状態であります。
○山崎岩男君 私は今から一箇月ばかり前に、地方の町村長九名を案内して、第二幕僚長の山崎さんにお目にかかつたのであります。そのときの山崎幕僚長の御意見では、大湊に地方総監部を設けるということが保安庁の意見として決定したという御答弁があつたのであります。これは明確にお答えがあつたわけでございますが、その点についてただいま説明をされた係の方はお聞き及びになつておりませんか、承りたいと思います。
○大森説明員 まだ正式にきまつたかどうか聞いておりません。
○山崎岩男君 御承知の通り、警備隊の予算が三十五億ばかり削減されたわけでありますが、そういう削減によつて大湊町の地方総監部設置ということが犠牲となつて、一段下の基地となつたと考えるのでありますけれども、そういうことになるのでございましようか。
○大森説明員 今度予算が削減されたために基地になつた、はつきりそうとも申されません。
○山崎岩男君 この大湊町のいろいろな施設というものは、結局国有財産でございまして、この国有財産がただいま眠つておるわけであります。従つてこれを利用することは警備隊の経費節約に重要な役目を果すものだと思うのであります。新しい場所に地方総監部を設けるとか基地を設けるということならば、さなきだに困窮しておる財政をますます窮迫に陥れるものと考えますが、長い間使われて参つた大湊のいろいろな施設、港湾を利用する、このことは国帑を節約する上においても重要な役目を果すと考えますので、当局におかれてはこの点十分に御研究くださつておるものと考えておりますが、地方民のこの熱望を一日も早く達成せられるように御善処のほどお願い申し上げたいと存じます。 ―――――――――――――
○稻村委員長 次に日程第一九四、港湾及び通関行政の一元化に関する請願について紹介議員の説明を求めます。それに続いて政府委員の所見を求めます。
○永田(良)委員 港湾及び通関行政の一元化に関する請願、請願者鹿児島県議会議長田中茂穂、本請願の要旨は、現在、港湾及び貿易に関する官公署は、税関のほか、海運局、海上保安庁、港湾建設局、植物防疫所等その数は十指に余り、しかも所掌する職務とその権限は互いに交渉するところ多く、同一対象に対して数機関の権限が錯綜し、公務の能率は阻害されているばかりか、諸手続上においても不利不便が大である、ついては、人員、施設等の節減の上からも、すみやかに港湾及び通関行政を一元化されたいというのであります。 これについては相当困難な点もあると思うのでありますが、この際当局の意見を承つておきたいと思うのであります。
○国安政府委員 運輸省としての見解を申し上げたいと思います。ただいま御指摘がございましたように、港湾行政につきましては、きわめて多くの行政機関が関与いたしておりまして、その手続も業者の側から見ますれば区々であつたり、あるいは各役所が地理的に離れた関係からずいぶんむだな時間を費したりというようなことがあろうかと考えております。われわれ関係者の一人といたしましても、そういつた点につきましては、何とかこういつたことは簡素化いたしたいということは念頭に置いて参つたのでございますが、行政事務の内容を一々検討いたしますと、そのいずれも各行政機関のそれぞれ所管の目的に沿うて、どれを簡略にするか、あるいは省略するかというような性質のものではなくて、いずれも必要なものであるという結論が出ているのであります。ただ問題になりますのは、そういつた行政事務を扱う場合の届出あるいは申請等、こういつた諸手続の簡素化ということは、この際考えるべき問題ではないかと考えます。こういつた諸手続の簡素化につきましては、われわれ運輸省の関係機関につきましては、今までも二、三そういつたことを考えたこともございますが、関係各省との間につきましては、まだ必ずしもそこまでは十分に連絡がついておりません。御指示によりまして、今後ともそういつた連絡を密にいたしまして、できるだけ手続の簡素化をはかつて業者の便宜に供したいと考えます。
○永田(良)委員 ただいまの御説明によつて承りますように、相当大きな困難な事情もあることと思うのであります。但し今日民主政治の達成の上から考えても、なるたけわれわれ民間人のために便宜をはかつていただくという意味で、漸次改善されていただくように要望する次第であります。 ―――――――――――――
○稻村委員長 日程一七五及び一七六、金鵄勲章年金復活に関する請願について政府の意見を求めます。
○村田説明員 金鵄勲章年金につきましては、かつてその支給を受けていられました方々に対しまして、まことにお気の毒と存ずるのでありますが、諸種の事由から現在のところその復活の意図を有していないのでございます。 その理由の第一は、少しこまかい実情に関する問題でございますが、現在金鶏勲章を受領しており、生存している方々は、大体六万人程度ではないかと推定せられます。その半数は、昭和十五年四月二十八日以前の要領者でございまして、かつて年金を支給されていたのでありますが、残りの方々は年金廃止後に金鵄勲章を受領されたために、一時金公債をかわりに支給された人々でございます。この一時金公債も総司令部の勧告によつて無効といたしたのでありまして、この措置の前に特別の事情によつてその公債を政府に買い上げてもらつた人を除いては一切を失つたということになるのでありますから、年金を受けていた人々だけに対しこれを復活するということは、当を得ないように考えられます。従いまして金鵄勲章年金の復活ということは、一時金公債をもらつた人々をも含めて考える必要があるのであります。ところがこのような一時金公債をもらつた後それを無効とされたという、要するに行賞賜金公債を無効にされたという人々は、金鵄勲金受領者だけではなくて、昭和十二年以後の戦役事変行賞を受けた者約三百万人に共通の問題であります。そうしてその中には多数の死没者を含んでおつて、その遺族の問題ということになるのであります。このような実情にありますために、今金鶏勲章年金の復活ということだけを取上げて解決いたしにくいということが、年金復活を今意図していない理由の第一でございます。 その理由の第二としましては、この年金は金鵄勲章と表裏一体の関係にあるのでありますが、その金鵄勲章の効力復活ということは、現在適切かどうか、多分に疑問を持つている次第でございます。前国会に政府から提案いたしました栄典法案におきましては、この復活を考えておりませんでした。国会の御審議において御反対の御意見も拝聴いたしましたので、目下慎重に考究いたしておりますが、まだ復活すべしという結論に達していないのでございます。 それから理由の第三といたしまして、この種の年金がかりに廃止という措置なしに現行の憲法にそのまま継続した、こういうふうに考えます場合に、こういう年金というものは、憲法に言う栄典は特権を伴わないという特権に該当するのではないか。この点について非常に疑義があると考えられるのであります。 以上のような理由によりまして、金鵄勲章年金の復活ということにつきましては、現在のところその意図を持つておらないようなわけでございます。
○稻村委員長 本日は本会議の都合上この程度にとどめ、残余の日程は次会において審議を進めることといたしたいと存じます。本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後二時三十七分散会