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16回国会衆議院1953/07/07

内閣委員会 第10号

発言数
40
登壇者
7
会派数
5
開催日
1953/07/07

会議録

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 これより内閣委員会を開きます。  まずこれまで保留されておりました辻委員の発言に関しまして発言を求められておりますので、これを許します。辻政信君。

辻政信小会派クラブ

○辻委員 去る六月二十七日の私の発言中、同僚議員を侮辱するような点がありましたならば、それは私の本意ではありませんから一言申し上げておきます。但しこの際一言つけ加えておきます。私の発言に関連しまして、軍閥とか軍国主義者というようなやじが盛んに飛びまして発言を妨害されておる。そういうこともまた同僚議員を侮辱するものでありますから、委員長において将来そういうことがないように御注意をお願いしておきたい。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 それでは先日の委員会における辻委員の発言につきましてはこれで了承することといたし、問題は落着いたしたことといたします。  次に青少年問題協議会設題法案、厚生省設置法の一部を改正する法律案を一括議題とし、その質疑を行います。質疑はございませんか。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 この前の議会の場合にもこれは大体通過した問題だと今伺つたのですけれども、私はこの問題についてついぞ検討するいとまを持ちませんでした。実は終始内閣委員でなかつたので、私が出席しておらなかつたときに説明があつたのだと思います。従つて私はまだ検討しておらないので、この問題について当然質疑をいたしたいと思うのでありますが、突如としてこれが提案されることになりましたので、その用意ができておりません。しかし一、二お伺いしたいと思います。  大体この協議会を設置して青少年の指導と申しますか、ちよつと今一瞥いたしますと不良化防止ということが中心になつておるようでありますが、この法案をお出しになるに至つた主なる目的についてなお一応伺つておきたい。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 この法案を御審議いただくことになりました主たる理由について説明せよということでございますが、この青少年問題協議会は、すでに都道府県におきましても中央におきましてもできておるのであります。今までは法律としての根拠がございませんでしたけれども、政令等によりましてその設置は認められておつたのでございます。しかしだんだんその仕事が発展して参りまして、地方におきましても、ぜひ法律に根拠を持つた協議会にしてもらいたいという要望が都知事の方からも、あるいは各地方の協議会の会長からも強い申入れがございましたし、いま一つは、今まではわずかな国庫の経費をもつてまかなつておりましたが、一十八年度から財政困難の折にもかかわらず、二千万円の補助金が計上されることになつたのであります。従いましてその補助金を交付し得る地方協議会の内容などにつきまして、大体統一したようなものがあつた方が便宜であろうというふうに考えられまして、地方の協議会に関しましても大体こういう種類の協議会にしてもらいたい。但し強制設置ではございませんので、地方公共団体において任意に設置し得るし、また任意にやめ得る。強制設置ということになりますると、自治権の侵害と申しますか、そういうおそれもございまするので、任意設置ではございますが、その設置する場合には大体こういう要件を満たすようなものにしてもらいたい。そうすれば国庫からの予定された補助金も出せるようにしたい、こういうような趣旨がこの法律を提案いたしましたおもな理由でございます。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 そうしますと、おもなる目的は現在地方に協議会ができており、青少年の団体ができておる。それに対して地方から補助を与えるについて中央からある種の監督と申しますか、統制と申しますか、そういつた連繋をとるためのことが主になつておりますか。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 少し説明を申し落しましたが、中央の協議会並びに都道府県青少年問題協議会及び市町村青少年問題協議会の間はまつたく同格でございまして、上下の関係とか、監督関係などは規定してないのでございます。なお地方協議会の会長は地方公共団体の長でありますので、その運営は当該地方公共団体にまかせられることになつておりまして、決してこれを全国一本に上と下との関係をつけるとか、あるいは思想とか教育とか、そういうような統制をして参りたいというようなことは全然考えていないのであります。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 そうしますと、中央、地方を通じての協議会委員と申しますか、協議委員はどういう方々が多くなつておりますか。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 中央青少年問題協議会の委員について申し上げますと、大体この法律の三條で予定されておりますように、「一衆議院議員のうちから衆議院が指名する者三人、二参議院議員のうちから参、議院が指名する者二人、三内閣官房長官その他関係各行政機関の職員十一人以内、四最高裁判所の職員一人、五学識経験がある者八人以内」こうなつておりまして、現在このうち一と二の分はつまり衆参両院から指名される方で委員になつている人がおりませんので、この法律が通過いたしますれば、新たに衆参両院から指名された方がこの委員に入つていただく。地方の方は第七條でございますが、地方の協議会の「会長は、当該地方公共団体の長をもつて充てる。」それから「委員は、地方公共団体の議会の議員、関係行政機関の職員及び学識経験がある者のうちから、当該地方公共団体の長が任命する。」こういうふうにして非常に地方の方はゆとりを持たせまして、人数などについても「若干人」というような字を使つておりまして、その点は決して厳格に規定して縛るというようなことは、全然考えておりません。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 そうしますと、地方中央を通じて協議会の委員という方は、国会議員なり地方公共団体の議員なり、その長なりがなつておるということ、これも一応けつこうと思いますけれども、それよりもむしろ青少年の指導に特別の熱意を持つた、ただ単に青少年に関する学究というような者でなしに、人柄なり何なりはむろん選ばなければならぬけれども、青少年指導に当る最も適当な人々を選ぶべきではないか、私はこう思いますが、いかがですか。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 まことにごもつともな御質問でございまして、私どもも先ほど申し上げました中央協議会につきましては、第三條の五号の「学識経験がある者」、この「経験がある」という字句を生かしまして、できるだけそういう実際面においてこういう問題について理解を持つておられる方々を委員に委嘱いたしたい、かように考えております。現在中央青少年問題協議会におきましても、数人のそういう方面のほんとうに経験を積まれた方を委員に委嘱しておるのでありまして、たとえば更新会の常任理事であるとか、あるいは中央児童福祉審議会の委員長であるとか、あるいは大東学園の園長さんであるとか、あるいはボーイ・スカウトの日本連盟の総長であるとか、あるいは元中央更生保護委員会の委員長というような方々もやはりこの委員に委嘱しておるのでありまして、ただいま御質問のございましたような点は、遺憾ないようにいたしておるつもりでございます。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 今お伺いすると、経験に基いてというお話がございましたけれども、必ずしも経験が長いからといつて、今日のこうした仕事に携わる——ひとり青少年関係の仕事ばかりではない、こういう文教的な、あるいは思想善導的な改善事業に対しての一つの大きな欠陥は、そこに脈々と流れる非常な熱意というものがないというところにあると思います。何々の全国的な長であるとか、何々なんという人は、社会的に非常に名声もあり、長いことそういうことに関係して来た人であるから一応だれもそういう人々を考えるのであるけれども、大体長いことこういう仕事に携わつておるという人人は、むしろ一つの型にはまつてしまつたものであつて、とうてい今日の青少年を率いて行く適材でないと思われる。大体私はそこに非常にこうした仕事に難点があると思う。地方の行政団体に関係のある人は、いろいろそれぞれの仕事がたくさんあつて、青少年の問題なんというものは非常に軽く見ておる。仕事の関係や何かで必然的に軍く見ないのです。私は最近の実情をつまびらかにいたしておりませんけれども、二、三知つておる点から考えてみましても、およそ青少年の指導なんかには最も縁の遠い人々がこれに携わつておる。これは型に落ち込んでしまつた結果なんです。それではいたずらに金を使つて、補助をやつたりなんかしても、結果としてはりつぱな報告書はできるかもしれぬ。幾つも団体ができ、青年団ができて、盛んにいろいろな活動をやつておるということで、報告はできるかもしれないけれども、ほんとうに青年の求めるものに適合するようなものを与えることができないのではないか。ほんとうの清新な若い人人の血脈に流れておる要望を満たすことができないのではないかと思う。ここが私はこうした仕事に対する主眼点であると思うのであります。だからたとえばこういう問題を国会でも簡単に通してしまうということそれ自体が、ほかにも問題が多いからでもありましようけれども、非常にいかぬ。何と申しましても、これからはもう古いわれわれの年寄りではどうにもならぬのです。だから青年にたよらなければならぬのでありますから、その次代の日本をになつて行く青年を導くにあたつては、一体どういう思想の持主にしてどういう日本国民に仕立てて行こうとするのか、それがはつきりしていないじやないかと思う。たとえば不良化を防止するというようなことでは不良化は防止できない。そういう消極的な行き方ではだめだ。不良化を防止するというような考え方がもうよろしくないのであります。若い人々は不良になりたくはない。環境なり指導がよくないからそれに移つて行くのであつて、積極的に別にもつと興味を引くものがあれば、それにみんな流れ込んで行くわけです。たとえば地方の農村あたりでも、青少年の精力とその熱情を満たすものがないから、のど自慢でもやつてごらんなさい、うんと集まる。演説会なんといつたつて、今日青年は政治に関心をあまり持たぬから、青年はその会合なんかには来ない。だから青年の今日の燃えておる熱情に対して打つてつけのものを持つて行くというような考え方をして行かなければ、そしてれつきとした思想がこの仕事の根本に備わつておらなければならぬ。それをどうするのか。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 先ほど申し上げました中央青少年問題協議会のいわゆる学識経験者側から出ておりまする委員の方々の肩書きなどについて申し上げましたが、われわれ委嘱をする場合におきましても、ただいまの仰せの通り、ほんとうに熱意を持つて青年の善導に当ろうというその熱意と経験とを持つておられる方、こういう人たちを今までもできるだけ選んで御委嘱申し上げて参つたのであります。実際の中央青少年問題協議会の動きなどを見ておりますと、大体官庁とかいうようなところから出ております委員よりは、むしろただいま申し上げますような経験者として出ておられる方の方がこの仕事に非常に熱意を持つておりまして、この協議会はむしろその方々によつて動かされておるというような実情でございます。もちろんこの法律が通りますれば、委員の数も相当ふえますので、ただいまお話のありましたような観意に沿いまして、ただ経験だけでなく、ほんとうに自分から乗り出して青年の指導に当り得るというような方々を選んで御委嘱をいたしたい、かように考えております。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 早く委員長がこの法案をあげたいという気持を持つているのに、どうも私一人この問題を質問しておるのも済まぬような気もいたすのでありますが、やはり今日の青年指導の思想の根本は、将来ほんとうの意味における日本の民主主義をになわせるためにこれを指導して行くということでなければならぬ、ところがその民主主義たるや、実にはつきりしておらない。民主主義国になつて地方の青年はどういうことが一番かわつて来たかというと、まあ自分のいろいろの権勢を主張するというようなことは確かにかわつて来ている。その点は確かに民主主義の一面である。自己というものの権利を主張するということに対しては、大分目ざめて来ている。これはけつこうなことであると思うのですが、しかし自分が権利を主張するとともに、その半面に他人の権利を尊重することを少しも考えない。また自分の権利を主張するとともに、自分の義務についての考えも、まつたく教えられていない。そういうふうに導かれていない。こういう点がやはり根本にならなければならぬのじやないかと思うのですが、こういうことを指導するにあたつて、地方協議会ではたしてそういう指導なり、青年団の種々の活動についての示唆なり何なり十分できておりますかどうか、お伺いいたしたい。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 先ほども申しましたように、中央と地方との間に監督関係などはございませんが、中央で先ほど申し上げましたような委員の方々によつてきめられまし方針は、やはりこれを地方にそのまま移して、その方針に基いて地方もやつていただくということにしておりますので、地方におきましても、ただいま申しましたような全国的な団体ではなく、地方における青年と結びついたほんとうに熱意のある方たちが、あるいは個人として、あるいは団体代表としてその委員に委嘱されておる例が多いのでございまして、それらの点は知事のお考えにもよりますけれども、今後一層その趣旨に沿つて人選かできますように留意して行きたい、かように考えております。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 それから地方団体に補助を出すというのですが、むろんこれも形の上で青年団の発展を期するという点では一番手取り早いことだと思うけれども、根本においてやはり中央からの補助金などによつて青年の団体など々導いて行くと言つても、私はそれではどうしても本物は出て来ないと思うのです。これはもうすでにここから間違つておるように思うのでありまして、これはひとり青年団ばかりではありません。すべての仕事でも、根本の趣旨において補助政策というものではほんとうのものが生れて来ない。私も長いこと子供の仕事をやつて来ておるので、つくづくそう考えます。それでは本物にならない。これはやはり篤志家なり何なり、地方の熱情のある人がほんとうに献身的に、青年とともに生きるその行き方で、そうして苦心努力の結果、難儀しながらやつたものでなければ本物にならぬと私は思うのであります。何でも日本の国家は上からいろいろ手助けをしないとどうもいかぬようであるが、民主主義になつた日本は、青年のことなどは、そういうことを遠まわしにいろいろ地方庁を通じてやることはいいと思いますけれども、それではどうしても本物にならぬ。上から下へ来る式でなく、むしろ下から上へ来る式でなければだめです。これはほつておいて悪い面もあるかもしれぬけれども、下からほんとうにいいものができ上つて来れば、どんな寒村からでもいいものができ上つて来て、それが天下を風靡するといつたようなふうに行きたいものだと希望するわけです。そういう観点から考えて、この施策からはどうも本物は出て来ないと私は思う。これを通そうとか何とかいうことでなく、あなたはこの仕事に携わつておられる方として、その点についてほんとうのお考えを述べていただきたい。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 先ほども中央青少年問題協議会におきましても、特にこの問題に熱意を持ち、非常に関心を持つておられる方が中心になつてその協議会を運営しておるということを申し上げましたが、地方におきましてもその通りでございまして、大体この問題について熱心な方が中心になり、そのほかに関係行政庁の公務員などが入りまして、その協議会を運営しておるのでありまして、今回こういう補助金が出るようになり、こういう法律を御審議願うことにいたしましたのも、結局は官設的なものではないのでありまして、地方のそういう熱心な方たちの意向がだんだん固まつて盛り上つて来て、そうしてぜひやらなければならぬということで、中央協議会が地方から鞭撻されてでき上つたものだとわれわれは感じております。中央からこういう案をつきつけて、この案に賛成してくれ、そうしてしぶしぶ賛成したものを補助金にし、あるいは法案にしているというある種のものとは異なりまして、まつたく地方から盛り上る非常な熱意に乗つかつてこの法案と補助金とが得られることになつた、こういう経過と私は承知しております。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 地方に補助を出すという以上特に御注意願いたいことは、熱意のある方を特に選んでとおつしやいますけれども、現実には地方はそうは行つておりません。およそ青年の指導に一番縁の遠いような人がしばしばなつております。その素行、その一般の村民の評判から考えてみてもおよそ緑の遠い人が幾らもなつている場合がある。だからこれはどういうことを地方の官庁に指令してやつても、一片の通牒ではなかなかその実は上らない。青年などの意向を聞いてみても、ばかにしているような人間を、青年から見たらそうしたえらい役につけてやつている場合がしばしばある。こういうことでは何ら効果を上げることはできないだろうと思います。そこに補助金をやつたり何かするようなことで私はほんとうのものはできないと思います。特にそういう点について格別の御留意あつてやつていただきたいと思いままだありますが、これで一応やめておきます。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 粟山博君。

粟山博改進党

○粟山委員 お伺いしますが、青少年の年齢層は、およそ幾つくらいから幾つくらいまでのものを対象として考えておりますか。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 十四、五歳から二十三歳くらいを対象としております。

粟山博改進党

○粟山委員 この法案を見ますと、なるほど前回に通つているのであるというので、ともすれば何ら質疑を用いることなしにあつさり通つたかもしれません。幸い同僚委員の質問に端を発しまして私も深刻に考えさせられるものがあるので、お尋ねしたいと思う。この法案をお出しになつた気持はよくわかります。またその動機も、衆議院における決議、参議院における決議、この二つの趣旨から見ると、これは同僚委員の指摘されたように消極的なものである。そうして二十八年度には二千万円という金が、このきゆうくつな予算の中にとれた。それだからという御説明でもあるが、それだといつてあげ足をとるような質問をするものではありませんが、およそこういう大きな問題を取扱いますのに、当局は少し覚悟が薄弱ではないかと思う。私はこれほど大きな問題は今日ないと思う。それに対して動機と、それからお出しになつた説明の上から、私の判断を許すならば、まことにどうも軽く考えておるのではないかということが考えられる。さらにお尋ねしたいことは、そういうことを前提として、戦後初めてのこういう法案でありましようが、戦前長い間の国家活動においても青年運動というものは重視された問題である。ところが往々にして官製の団体というものは、旧憲法の時代においてすらもうまく行つていない。かえつてその目的に反するような結果を招来しておることが少くないのであります。そういう過去の経験から考えますと、今日は新憲法下であつて、戦争というわれわれ民族のかつてない大きなる変化のもとに招来いたしましたところの新たなる時代、しこうして占領下において編み出されたる憲法、その批評は抜きといたしましても、その憲法下においてわれわれは新たなる国民生活というものを建設しなければならぬきびしき国際情勢のもとに置かれておる。そこでひとつお伺いしたいと思うのは、われわれはいかなる政治活動、社会活動、宗教活動の中にも、私はそのくどくどしい説明を用いないのであるが、大義名分ということがはつきりしておつた。老若男女を問わず、大義名分というものは何かということがはつきりしておつた。そういうはつきりした概念によつてわれわれは公私の行動というものにおのずから律せられるものがあつた。しかるに戦後憲法ありといえども、また駅伝ありといえども、地方には地方の県会ありといえども、この新憲法のもとにおいて何が大義名分というのか。これを旧憲法時代の大義名分と対照して、どういう大義名分を意識されてこの青年指導に手をつけられるのであるかという根本問題を私は当局にお伺いしたいのである。実はあなた方にお聞きするよりも、吉田総理大臣ないし閣僚、さらにもつと広い意味における行政指導の任に当つておるすべての層の全知全能を傾けた結晶に対して私はお伺いしたいと思うような考えを持つのであるが、たまたまこの重要な問題がこの常任委員会に付議されました機会において、私はあなたに一応お伺いしたいと思うのであります。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 非常に根本的なむずがしいお答えをしなければならぬので、私といたしましても即座にこういうふうに考えるということを申し上げるのもいかがかと存じます。確かに次代を担いまする青少年の保護育成に対しまして、大義名分と申し上げますか、その根本思想をどこに置いてそういう青少年たちに対するかという御心配の御質問だと思うのでありますが、まことにわれわれもそう考えるのでございます。終戦後七、八年の間の推移をじつと識者におかれましても、学者におかれましても、見て参つておるでございましようが、戦争前のように、何かまとまつたあるいは標語と申しますか、あるいは指針と申しますか、そういう短かい言葉で言い表わせるようなほんとうに青少年に対する根本的な指導理念というものがいまだ確立されていないのではないか、かように私どもは考えておりまするが、ほんとうに学者あるいは有識者の方々が今後の青少年をどういうふうに指導して行くかという御研究の結果、そういうものが固まるであろうし、また固まらなければならないものだ。かように私は考えておるのでございまして、ほんのわずかの間の研究や個人的な考え方からこうあるべきだというようなことを軽率に言うべきではないのではないか、かように考えております。お話のこともございますので、こういう協議会などを通じまして何かしらその指針になるようなものができ上ることをわれわれといたしましても希望いたしまして、こういう問題に対処して行きたい、かように考えます。

粟山博改進党

○粟山委員 聞きまするところ、せつかく当局においてこういう親切な心構えを持つておられるが、一部の青年団体からするとこれはよけいなお世話だというような、必ずしも同調しない気持が現われておるように思うが、御承知でございますか。

江口見登留内閣官房副長官

○江口政府委員 そういう空気があるやにも拝聴いたしますが、直接われわれのところまでそういう意見なり、話なりが参つたことはございません。ただ先ほどの松田さんの御質問にもお答えいたしましたが、これは決して青年運動と申しますか、青年団体などを統一化するとか、あるいは監督するとか、そういうような趣旨でできておるものでないということを十分に了解をしてくだされば、多少こういうものについて疑念を持つ青少年の皆様も了解してくれるのではないか、かように考えてわれわれの方では進めておる次第であります。

粟山博改進党

○粟山委員 私は旧憲法下においての議会政治に多少ある年月の経験を持つております。私の良心にははなはだ不適当なものであつたけれども、追放になり、私は昨年以来このなつかしい議事堂に議席を持つことが許されたのであります。そこで私ははなはだ私見を述べるようで失礼でございますけれども、この議会を運営するにおいても、この日本の国を健全なものに導くにしても、われわれは大きな反省を持たなければならぬ、私たちは過去の政治活動において良心的にやつて来たつもりでありますが、しかしながら時勢に流されてやむを得ず、一木のよく支うるところにあらずして自分たちの希望には添はない大きな動きに耐えないこともあつて、そうして国家から見れば取返しのつかない実に大きな失敗を戦争の結果しております。私は老いたる者も若き者も、再びこういうような大きなあやまちは繰返したくないということは何人であつてもこれは念願であろうと思う。ことにそういうことを考えますときに、私どものあとを継ぐものは何かといえば、この青少年よりほかないのです。つまり頭が、まだ感情の上、理性の上において固まつていない。早くいえば白紙のときからよくむらがないように染め上げて行くということは、私は非常に大事なことだと思う。その点から考えると、むろん青少年の問題というものはすべてのものが全力をあげて取上げなければならぬことであるが、その効果ということはよい結果をもたらすか、悪い結果をもたらすかということをます考えなければならぬ。そういう点から根本的に考えて行きますときに、今あなたが私に明らかにしてくださいました年層、青年男女は、戦争中のあの——くどくどしくは言わぬけれども徴発だ、徴用だ、学徒動員だという、実に気の毒な状態において家庭を離れた人たちである。今度戦争の済んだころに生れた人はまだ七つや、八つでございますけれども、小学校に入つた、あるいは小学校を出るころというような年層がちようどこれに当る、国の一番悪い、有形、無形の大きな病気をわずらつているときに育つた人たちであります。一膳の飯を食うにしても、親子の間で目を三角にとがらして見合うようなさんたんたる状態のもとに育つたのであるから気の毒です。この気の毒な者が今日統計的に犯罪層の一番恐るべきものを示しておる。これは何かと言えば、過去のことは、もう繰返してもしかたがないけれども、こういう思想の面をすなおに導こうと思うには、生活と環境の改善よりほかにないと思う。青年の活動ということは、さらにもう一歩先の問題である。せつかく先のことに先走つていろいろ金をかけてやつてみても、根本のものを調整してやらなければ、かえつてプラスになるよりも大きなマイナスになつている例が多くあるのです。日本の今日の世相はこれであると思う。なるほどわれわれは戦後は汽車の窓から物を背負つて、この年齢で窓から入つたり出たりするような思いをして、食糧や生活品を運んだ、自分のからだまでもそういう状況において運んだ、そうして着物はといえば、カーキ色の色あせたもの、破れたもの。しかしだれもそうだからはずかしいとは思わなかつた。しかし今日のようにたれさまのおかげか知らぬけれどもみんなが——私もそうです。とにかく一通り見てみぐさくないような着物を着て生活ができるようになつたときに、たれが耐乏生活をせい、精神的生活に入れと言つたつて、政府がいかにさかさになつて笛やたいこをたたいたつて、そうは行くものではない。私は政府当局は終戦後において今日まで六、七年の間に大きなミスをしておる。その点において、ほんとうに国民みずからが耐乏生活をしなければならぬときに、成長しながら正しい歩みを続けて、生産の拡充なり、あるいは生活の改善なり、あるいは米を離れてパン食に入るなり、やれるときにやらないでおいて、今になつて幾らか楽なような生活環境を来したときに、やれ耐乏生活だなんて言つたつてなかなかそうは行かぬ。そういうことを考えますと、今青少年の問題をここに取上げたあなた方の気持はよくわかるけれども、あなたが指摘されたような指導階級の人々の思想、感情、過去の経験によつてはたしてこの時代に即したところの、つまり国家に対し、民族に対し大きな希望を持つた、その骨身に徹底したこの青年運動の指導がはたしてできるかどうかということについても十分お考えを願わなければならぬ。もちろん私自身においても反省も必要であり、自制も必要であると思う。しかしながら少くとも私は衆議院議員としてここに議席を持つておるが、あるいは県会議員らもこの青年団体を指導するならば、その人の思想、その人の性格、その人の行いというような問題についてはよほど深刻に考えられなければ、私はかえつてこれはあやまちの方面に導くようなことになつて重大なる違算を生ずると思う。私はこういう問題については非常に根本的な問題でございますから、何かの機会において、われわれ八千万国民の名において、その実において根本的なものに触れなければならぬと考えておる一人でありますが、同僚議員の質問を機会といたしまして、当局においてこれを実施するにおいても私はあえて妨げるものではないけれども、マイナスにならないように深甚なる考慮を払われんことを切に希望いたしましまして、私の質問はこれをもつて終りといたします。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 一点だけお伺いします。先ほどもちよつと触れましたけれども、この問題についていろいろと質問をすればはてしがないわけでありますが、やはり根本の問題は指導の指針の問題です。これは日本をいい民主国にして行くんだということでなければならぬと思いますが、この民主国に日本がなつたのも、われわれ国民の手で闘いとつて民主主義になつたのではなくて、まあ、絶対権力のもとで与えられたもので、これは絶対権力下においては民主主義なんかはなかなか発達するものではない。なぜならば民主主義の本質というものは、トーマス・ジエハーソンか、アレキサンダー・ハミルトンか忘れましたけれども、民主主義という本質は権力に拮抗する力、それから相手方の立場から物を考え出す要件、これが表と裏になつてやらなければならぬものだ、これは私は民主主義についての定義というか、これが一番大切なものだと考えております。民主主義というものがわかりやすく定義ができればいいのですが、なかなかこれがむずかしい。しかし大体政治的な民主主義というのは、選挙権を与えられたり何かして、ほぼおぼろげながらみなわかつて来ているようであるし、また経済的な民主主義という点も財閥を解体されたり、あるいは勤労者の立場を擁護したり、あるいは社会保障制度ができたり何かして、これもおぼろげにわかつて来ていると思うのだが、一番わかりにくい、そうして一番青年に必要なのは、社会的の民主主義だと思う。青年に向くように社会的の民主主義の定義といつては何ですけれども、これをわかりやすいようにひとつ何かくふうすることを考えてもらいたい。今日民主主義国になつて、民法の改正等から日本の家族制度というものはなくなり、それにかわるべきものがまだ何もできておらぬ。どこの民主主義国に行つたつて長幼おのずから序あり、社会的秩序を守つて行く上において当然必要なことは必要とされている。しかるに日本で一番尊ばれた事柄が今日なくなりつつある。こういうことからして教えて行かなければならぬのではないか。学校の先生たちも何をしているんだと思われるようなことがあるのも無理はない。今の小学校の先生は二十四、五才ぐらいの人が多いんだが、この人々はここ十四、五年というものは戦争戦後のどさくさに大きくなつて来た人々である。何らいいしつけなり、社会的の教育なり、学校教育を受けておられぬ。そういう人々がお互いの子供を預かつている。そこへもつて行つて社会科というようなものを科目に赴いているのだが、それでどうして指導して行くのか、先生方が困りはしないかと思う。これはひとり青年ばかりじやない。日本国民全体に対しての問題でありますけれども、さしあたりこの法案をもつて地方青年に臨まんとする政府当局は、少くともどんな青年になつてもらいたいんだということをはつきりさせなければいけない。それをどういうふうに指導教育をされているのであるか、どういう指針か、これを何とか具体的にわかりやすいようにくふうしてもらわなければだめだと思うのです。ここが私は一番の中心点であると思うのです。青年に向くように、青年に対して社会秩序を守るための、そうして自分らのほがらかにしこうして豊富なる生活を送らせるための指針というものを、社会秩序を守るという点と相まつて、どういうふうに御指導されるか、この点だけをとくと考えて、私は今ただちに御答弁してくださいとは申しません。どうぞとくとお考えくださつて、何らかのいい方法を講じていただきたいと切にお願い申し上げて、質問を終ります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 念のため委員長より申し上げますが、厚生省設置法の一部を改正する法律案も一括議題としておりますから、御質疑があれば一緒に御質疑を願います。鈴木義男君。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 厚生省の方がお見えになつておるのですか。この予算は八十一万七千円というのが予定されておるのですが、人口問題審議会のためにいくらの予算が予定されておりますか。

小山進次郎厚生事務官(大臣官房総務課長)

○小山説明員 直接この人口問題審議会のために用意されております予算は、八十一万七千円でございます。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 一体この人口問題はわが国にとつてこれほど大事な根本的な問題はないと思うのでありますが、さきに二十四年の四月十五日の閣議決定で人口問題審議会というものをつくられた。間もなく二十五年の三月に廃止になつてしまいました。これは必要がないから廃止したのでしようか。どういうようないきさつで廃止されたのか。

小山進次郎厚生事務官(大臣官房総務課長)

○小山説明員 ただいまお話のように昭和二十四年から約一年間、人口問題審議会というものがございまして、その当時の情勢に基きまして、いろいろ人口問題について問題を御検討願いまして、三月に人口収容力に関する建議と、人口調整に関する建議という二つの建議をいたされまして、一応当時の情勢のもとにおいて結論を出して、それで解散をされた、こういうようないきさつになつております。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 今度厚生省に置かれる人口問題審議会は永続的なものであろうと思うのです。これもわずか一年や二年でやめてしまうのでは意味をなさないと思うのでありますが、その点はどうでありますか。

小山進次郎厚生事務官(大臣官房総務課長)

○小山説明員 今回人日問題審議会を設けますに至りました一番大きな理由は、一応昭和二十四年当時において答申をいただきましたもののうち、人口調整に関する建議は、その後ただちに実施に移されまして、今日受胎調節の普及ということで、いろいろ施策が進められておるわけでございます。当時の情勢のもとにおきましては、いわば人口の数の問題とでも申しますか、量的な問題が第一次的に意識されておりまして、勢い受胎調節ということが人口問題に対する第一次的な方策として行われておつたのでございます。その後農村におきまする、たとえば農産物価のやみ等が逐次なくなりましてから、非常に農村における人口過剰というものが顕在化して参りますとともに、また一方いろいろの事情によりまして、毎年増加いたしまするところの生産年齢人口約九十万の収容がいろいろな意味でむずかしくなつて来るというような形で、逐次人口問題の所在がそういつた単純な量的な問題からもう少し経済の構造とからみ合つた質的な問題に移つて参りましたので、前回御答申を願つた建議ではどうも問題の本格的な解決を考えることがむずかしくなつたというような事情で、今回つくつていただくということにしたわけでございます。従つてこの問題は非常に根本的な問題でございますので、おそらく一年二年で最終的な結論を出していただくということは非常に困難かと思つております。段階的に逐次結論を出していただく、こういうようなことに相なると考えております。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 この人口問題については、散発的にならば、民間の学者も研究し、あるいは毎日新聞であつたと思いますが、人口問題研究会というものをつくられて、ほぼ政府の委嘱者と似たような人を委嘱してやつておつた。しかしこれはわれわれの考えでは、一つの総合大学にも匹敵すべき研究所が必要であると思うのでありまして、その研究所を永続的に設けて、わが国の人口動態についてあらゆる角度から調査する、ただいま仰せられた受胎調節は、もちろん厚生省のプロパーの仕事として大事でありましようが、そのほかに日本の人口が産業構造にどういうふうに響いておるか、また資源とどういうふうな結び合せになり得るかというようなことは、みな非常な根本的な研究を必要とする問題であると思います。そうならば、わずか八十一万七千円くらいでお茶を濁すような、皆が集つてちよつとお茶を飲んでわかれる。まあそういうものはないよりはましかもしれないが、あまり本気になつてやるものであるとは思われない。今後われわれの立場から申しても、日本の経済をどういうふうに合理的に計画化して行くかということになると、この人口調査が根本になることは申すまでもない。文化科学系統のものを勉強する人が非常に多い。工業や農業についての勉強をする学生の数が、日本の実態に即してはたして妥当であるかというようなことは、だれも暗中模索で、実際はわかつていない。医科大学が四十もあつて、医者は過剰である。実際過剰であるのか適当であるのか、少いのであるかも、実は理論的に正確に客観的に説明ができないのが日本の実情である。こういうことを続けておるならば、非常な国費のむだであり、わが国の前途を暗からしめるものでありますから、こういうものこそもつと根本的にひとつ、内閣直属としてもよろしいし、あるいは厚生省の付属機関でもけつこうでありますが、もつと大きなものをつくるという抱負を政府は持つていただきたい、私どもはそう思つておるのであります。それを総務課長に申し上げてもしかたがないと思つておりまするので、むしろこれは総理大臣に伝言を願いたいのであります。この八十一万円で委員手当十五万七千円、一人当り一万円にもならない、こういうことでおそらくはみなかけ持ちで、ほんのおざなりの仕事をするにすぎないのではないか。私はこの審議会にあまり大きな期待ができないことを残念に思う。もつと本腰を入れて、ひとつ将来これを拡大強化することをこの際——賛同でありませんが、希望しておきたいと思うのであります。

小山進次郎厚生事務官(大臣官房総務課長)

○小山説明員 人口問題についての根本的なお考え、ただいま仰せの通りでございまして、私どもそういつたお考えに沿つて進めて参りたいと思つております。ただ一言申し上げておきたいと思うのでございますが、先ほど仰せられました人口問題に関する研究機関というのは、実は日本には大分前からあるのでございます。約十年以上もたつておりますが、厚生省の付属機関として、人口問題研究所というのがございます。世界で人口問題についての国立の研究機関を持つておりますのは、日本とフランスだけでございまして、最近、毎年一回ずつ彼我の間で連絡をして交換をしておる次第であります。人口問題研究所におきましては、創立以来先ほどおつしやいましたような事項についてかなり基礎的な研究をいたしておりまするが、何分研究でございますから、たとえば各国の人口政策についての研究をいたします場合でも、どういう條件のもとではどういう政策が立てられたかという、そういう相関関係の研究というところまでしか行かないわけでございます。現在日本の人口に関する條件がどうなつておるかということの研究は相当いたしております。そういうところまでは行つておりますが、こういつた條件のもとで日本がどういう人口政策を持つべきであるかという政策樹立の問題になりますと、これは研究機関の任務を越える問題でありますので、そういつたところを今回の人口問題審議会でお願いをしたい。従つて仰せのごとく、人口問題審議会そのものに盛られてある予算はまことに僅少でございますが、こういつた審議会でいろいろ御検討願う場合の基礎資料等は相当今までの研究でできておりますので、そういうものを編集いたしましたり、あるいはいろいろ御要求に応じましてとりまとめをする、こういうようなことでこのわずかな金を最大限に生かして審議を活発にお願いしたい、こういうふうな計画でおるわけでございます。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 ほかに御質疑がなければ、これにて質疑を終了し、二案を一括討論いたします。  討論はこれを省略し、ただちに採決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 御異議がなければ、これより採決いたします。  まず青少年問題協議会設置法案を可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 起立総員。よつて本案は可決するに決しました。  次に厚生省設置法の一部を改正する法律案を可決するに賛成の諸君の起立を願います。     〔総員起立〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 起社総員。よつて本案は可決するに決しました。  なおただいま可決しました三法案の委員長報告書の作成につきましては、委員長に御一任願います。  次会は公報をもつてお知らせすることにいたし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十四分散会

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