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16回国会衆議院1953/06/27

内閣委員会 第5号

発言数
122
登壇者
17
会派数
7
開催日
1953/06/27

会議録

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 これより開会いたします。  この際お諮りいたしますが、理事でありました田中彰治君が委員を辞任せられ、また上林與市郎君が理事辞任を申し出ておられますので、委員長において、その後任として中村梅吉君及び島上善五郎君を理事に御指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 御異議がなければさよう決定いたします。     —————————————  稻村委員長 昨日に引続き保安隊及び警備隊に関する件について質疑を続行いたしますが、大村国務大臣の出席されるまで法案の審議を行います。  外務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、その趣旨の説明を求めます。大江官房長。     —————————————

大江晃外務事務官(大臣官房長)

○大江政府委員 ただいまから外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を御説明いたします。  移民問題に関する行政事務は、外務省所管事項として外務省設置法(昭和二十六年法律第二百八十三号)に明記しているところであります。  移民送出は今次大戦の勃発とともに中断されましたが、戦後昭和二十三年に至りアルゼンチンの在留邦人による近親者呼び寄せが許可されたほか、引続いてブラジルの呼び寄せ移民がきわめて限られた範囲で許可されました。しかるに、平和条約発効後の昭和二十七年八月にブラジル移植民審議会はさきに許可しました上塚司氏計画のアマゾン移民五千家族を確認したほか、松原安太郎氏計画の中部ブラジル移民四千家族を許可いたしました。昭和二十八年度はそのうちアマゾン三百七十家族、中部ブラジル二百家族の入国を許可しました。さらにパラグアイも百二十家族の入国を許可いたしましたので、本年度分許可数は合計六百九十家族となります。最近現地に派遣した調査団の報告に基きまして、現地受入れ態勢ともにらみ合せ、このうちとりあえず二百五十家族(千二百五十名)をブラジルに送出する予定となつております。そのほか呼寄せ移民は年間二千人を送出する見込みでありまして、来年度以降は現地受入れ態勢の整備に伴い、計画移民は累増する予定であります。従つて、近い将来の移民送出は確実かつ大幅に増大するものと思われます。  しかるに、現在のところ、移民の保護助成の事務は欧米局第二課の移民班で処理しておりまして、戦前の外務省及び拓務省(拓務局)の関係行政組織に比較するときわめて貧弱でありまして、今後増加すべき移民事務を能率的に処理するためには不十分な状態にあります。  右の事情にかんがみまして、移民業務を円滑かつ一元的に遂行するために、外務省に海外移住局を設置することといたしました。  海外移住局の組織は最も簡素なものとし、人員の増加は最少限にとどめ、主として外務省内における所管事務の移管と統一化によりまして所期の目的を達成せんとするものであります。  右の方針によりまして、海外移住局を設置いたしますため、外務省設置法(昭和二十六年法律第二百八十三号)の一部を改正する必要が生じたわけでありますが、本改正法案におきましては、外務省の内部部局として海外移住局を新設追加いたしまして、これに伴いまして、現行設置法の第五条中六局を七局に改め、第九条第四号に定められている欧米局所管事務の一つである海外渡航、移住及び旅券関係の事務を削りまして、第十四条として海外移住局の所管事務を新たに定め、同局において、海外渡航及び移住に関する事務並びに旅券の発給及び査証に関する事務を統一的につかさどらせる次第であすます。  右の改正に伴いまして現行設置法の目次以下章条名について、従来未整理のものをも含みまして、所要の改正を加えるわけであります。  以上が外務省設置法の一部を改正する法律案を提案する理由及びその内容の説明であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。     —————————————

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 次に厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、その趣旨の説明を求めます。中山厚生政務次官。     —————————————

中山マサ自由党厚生政務次官

○中山政府委員 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします  今回の改正は、人口問題に関する重要事項を調査審議させるため、厚生省の付属機関として、人口問題審議会を設置しようとするものであります。  申すまでもなく、自立日本の当面している最大の問題の一つが人口問題の解決にあることは、国民のひとしく認めるところでありまして、この問題は、近年国会におきましても、しばしば論議されて来たところでありますが、これに対する総合的な人口政策は、今日までのところ、いまだ樹立されていない状況であります。しかしながらわが国は狭い国土において、年々約百三十万人の人口の自然増加を持ち、かつ、年々約九十万人の生産年齢人口の増加を持つわけでありまして、このことから生ずる諸問題について、確固とした人口政策を持つことは、国民経済の目標を決定するためにも、またこれを順調に進行させるためにも絶対に必要なことであります。従つて、この際、人口問題に関係のある各界の学識経験者を集めて、人口問題の基本的方策を樹立するために、人口問題審議会を設置することとした次第であります。  以上、提案理由につきまして御説明いたしまし券、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。     —————————————

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 次に皇室経済法の一部を改正する法律案及び皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を一括議題とし、その趣旨の説明を求めます。福永官房長官。     —————————————

福永健司自由党内閣官房長官

○福永政府委員 ただいま議題となりました皇室経済法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。  改正を要する第一点は、第一条の皇室用財産に関する規定でありますが、これは、本法制定後国有財産法等にも同趣旨の規定ができましたため、現在においては、存置する必要がないものと認められますので、第一条を削除いたしたいと存じます。  第二は、皇室がなす財産の授受の制限に関するものでありますが、皇室がなす財産の授受のうち、外国交際のための儀礼上の贈答にかかる場合及び公共のためになす遺贈または遺産の賜与にかかる場合は、その趣旨に沿うためには、授受が時期を失しないことが必要であり、且つ、性格もきわめて明瞭でありますので、授受の制限から除外いたしたいと存じます。  第三には、年額による皇族費のうち、独立の生計を営まれる親王の妃に対するものであります。この額は、現行法においては、定額の二分の一となつておりますが、夫たる親王が薨去され、妃殿下が独立の生計を営まれるようになつたときは、その妃殿下の社会的地位にかんがみ少きに失すると考えられますので、その場合には、独立の生計を営まれることにつき皇室経済会議の認定を経た上、定額相当額を支出するようにいたしたいと存じます。  以上が、この法律案のおもな内容とこれを提案いたしました理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。  次にただいま議題となりました皇室経済法施行法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。  皇室諸般の費用は、日本国憲法第八十八条及び皇室経済法の規定により、毎年国庫から支出することになつております。皇室経済法施行法第七条及び第八条は、内廷費及び皇族費の定額に関する規定でありますが、現在の定額は、昭和二十七年度当初において決定せられたものでありまして、内廷費は三千万円、皇族費年額の基準額は百四十万円となつており、諸般の関係から、今回これを改訂いたしまして、それぞれ三千八百万円及び百九十万円といたしたいと存じます。  以上が、この法律案のおもな内容及びこれを提案いたしました理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 これにて福永官房長官の提案の趣旨説明が終りましたが、委員長より一言お尋ねしたいことは、施行期日を七月一日とした格別の理由を御説明願います。

福永健司自由党内閣官房長官

○福永政府委員 詳細につきましては、ただいま直接関係いたします者からお答え申し上げます。

宇佐美毅宮内庁次長

○宇佐美政府委員 この提案になつております二つの法律案のうち、特に七月一日に関係いたしますものは、内廷費及び皇族費の定額に関する規定の部分でございますが、本来内廷費、皇族費は年額の定めでありまして、月割あるいは日割の計算の規定がないのでございます。従つて今回の改正案におきましても、実質には七月一日以降適用の計算で附則ができておるような次第でございまして、これが七月一日以降の施行になりますと、支給上、計算上多少の疑義を生じて参るかと思うのでございます。法律的にはただいま申し上げましたようなことで七月一日に施行をいたしたいと考えて、できますなら御審議をお進めいただきたいと考えている次第でございます。なおこの案自体におきましても、増額の理由の一つといたしまして、これは昨年の一般公務員の給与べース等の問題以降の問題でございまして、提案が国会の解散等の理由で遅れておりますので、当局といたしましてはなるべく早くこの御審議をいただきまして、支給のできますようにお願いをいたしたいと考えている次第でございます。     —————————————

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 次に青少年問題協議会設置法案を議題とし、その趣旨の説明を求めます。福永官房長官。     —————————————

福永健司自由党内閣官房長官

○福永政府委員 ただいま議題となりました青少年問題協議会設置法案につきまして、その提案の理由並びに内容の概略をもうしあげます。  現在の中央及び地方青少年問題協議会は、御承知のように第五回国会における衆議院の青少年犯罪防止に関する決議及び参議院の青少年の不良化防止に関する決議に即応し、青少年問題に関する総合的施策を樹立し、その適正な実施をはかるための機関として、設けられたものでありまして、中央青少年問題協議会は、総理府設置法に基き、総理府の付属機関として設置されており、地方青少年問題協議会は、中央に準じ、全都道府県及び多数の市町村が、自主的に設置したものであります。  この中央及び地方青少年問題協議会は、関係諸機関との緊密な連携のもとに、毎年春秋二回に行う青少年保護育成運動を中心として、青少年問題に関し各種の対策を推進して参つた次第であります。しかしながら、青少年問題の複雑性、困難性にかんがみ、その施策の一層の効果をあげるためには、総合連絡機関としての青少年問題協議会の強化が痛感されるに至つた次第であります。特に、地方青少年問題協議会に関しましては、その法制化並びに国からの財政援助方について全国的に強い要望があり、一方昭和三十七年七月の衆議院行政監察特別委員会の報告のうちにも協議会の強化を要望せられておりますのにかんがみまして、政府といたしましては、この際地方協議会に対して、明確な法的根拠を与えようとするものであります。  次に、本法律案の内容を簡単に御説明申し上げます。  第一に、青少年の指導、育成、保護及び矯正に関する総合的施策の樹立及びその施策の適正な実施に関し、関係行政機関相互の連絡調整をはかるため、国に、総理府の付属機関として、中央青少年問題協議会を置くこととし、都道府県及び市町村に、その付属機関として、それぞれ都道府県青少年問題協議会及び市町村青少年問題協議会を置くことができることにいたしました。  次に、青少年問題が国政及び地方行政の基本的な問題の一つである点にかんがみ、中央協議会の委員には、国会議員を、地方協議会の委員には、地方公共団体の議会の議員の参加を願うことにいたしました。  最後に、この重要な青少年の問題を扱う地方協議会のよりよき運営を期待し、とりあえず都道府県協議会の運営に要する経費の一部を国において補助することができることといたした次第であります。  以上が本法律案提案の理由並びに内容の概略であります。何とぞ、すみやかに、御審議の上御賛成あらんことをお願い申上げます。     —————————————

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 次に保安庁法の一部を改正する法律案を議題とし、その趣旨の説明を求めます。前田政務次官。     —————————————

前田正男自由党保安政務次官

○前田政府委員 ただいま議題となりました保安庁法の一部を改正する法律案の提案の理由を申し上げます。  保安庁の職員の定員は、十一万九千九百四十七人でありますが、今回これを十二万三千百五十二人に、すなわち、三千二百五人を増員しようとするものであります。この三千二百五人のうち二千七百三十三人が警備官、残りの四百七十二人が保安官及び警備官以外の職員であります。  警備官の増員については、わが国の海上警備力を増強するため、先般国会において承認を得ました日本国とアメリカ合衆国との間の船舶貸借協定に基き、政府は、当初の予定に八隻のパトロール・フリゲートを追加し、総計パトロール・フリゲート十八隻又び大型上陸支援艇五十隻の貸与を受けたいと考え、追加八隻分のパトロール・フリゲートを運航する等のため必要な海上員を増員するほか、第二幕僚監部に勤務する警備官を増員し、警備隊の部隊、学校その他の施設を新たに設け、または充実するため必要な職員の増加をはかろうとするものであります。  保安官及び警備官以外の職員で増員されます四百七十二人は、保安研修所及び保安大学校の教育訓練を行い、技術研究所の研究、調査の充実をはかり、かつ、保安庁の調達、施設その他の業務遂行の円滑を期する等のため必要な職員であります。  以上、本案の要点を申し上げたのでありますが何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。  なお官房長より補足説明をなしたいと思います。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 次に上村官房長より補足説明を求めます。上村官房長。

上村健太郎保安庁長官官房長

○上村政府委員 お手元に御配付申し上げました表によりまして、補足して御説明申し上げたいと思います。  警備官の方の内訳は、第二幕僚監部において八十六人の増員をお願いしておるのでありますが、これは現在第二幕僚監部の定員が非常に少数でございまして、仕事をして行く上におきまして支障がございますので、増員をお願いしておるわけでございます。その他の陸上員とありますのは、地方総監部、基地通信所、総合術科学校及びヘリコプター、飛行機等の関係の要員その他であります。保安研修所の五人及び保安大学校の二十三人は、教育訓練を開始することになりましたので、この訓練に当り、教育に当る者を増加しようとするものでございます。技術研究所の五人は船舶の技術を担任させる者でございます。船舶の乗組員の千三百四十三人は、大臣説明にもございましたが、パトロール・フリゲートの八隻分を追加いたしたに伴いまして、その運航に必要な増員をするためでございます。予備員は、船舶乗組員の事故及び陸上における訓練等に備えまして、乗組員全体の二〇%を見込んでおるものでございます。  次に保安官及び警備官以外の職員、これは制服を着ておりません、いわゆる私服職員でございますが、長官、長官官房及び各局におきまして、事務官、雇用員等の二十九人、それから第一幕僚監部関係——保安隊所属でございますが、この百三十八人、これは調達施設等の関係職員でございます。警備隊の第二幕僚監部関係の同じく百二十八人も、第二幕僚監部、各地方総監部、総合術科学校等の私服職員でございます。保安研修所、保安大学校は、これは私服の教官その他の職員でございます。なおそのほかに技術研究所におきまして技官その他七十五人を増加したい、こういう内訳になつております。     —————————————

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 ただいま木村国務大臣が見えましたので、保安隊及び警備隊に関する件について、昨日に引続き調査を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 木村長官は、新聞記者と会見をした際に防衛計画という言葉は使つてない、こういうことでしたが、しかし私どもの聞いているところによりますれば、警備計画という言葉もはつきりと使つてなかつた、こう聞いておる。しかし、新聞記者諸君は防衛計画というつもりで木村長官の談話を聞いているということなので、この点、一体警備計画であるということをはつきりと言つているのかどうか、これを伺いたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 お答えいたします。私は警備計画と申したのであります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 しかし新聞記者諸君は、防衛計画と、このように承知しているようですから、この点に対しては、どうしても食い違いがあれば、私は新聞記者をこの委員会に呼んでもう少しはつきりさせたいと思います。従いまして、その点はしばらく保留しておきます。  この長官の試案ですが、どなたに命じてつくつたものであるかということをまずお伺いしたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 それは、こういう試案をつくつてみたまえということで、私は保安局長に言つたのであります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 そうだといたしますると、つまり保安庁の役人、木村長官の部下に命じてつくらせたものでありまするから、長官の試案であつても、木村個人の私の案ということは言えないと思います。長官の試案と解釈してよろしいですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 もとより私は保安庁長官をやつておるのであります。保安庁長官が自分の試みの案として保安局長につくつてみさしたのであります。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 言うまでもなく、保安庁の所管事項は当内閣委員会の担当でありますので、私は、そのような、長官としての試案であるならば、この内閣委員会にぜひ御発表を願いたい、このように考えておりまするが、昨日は予算委員会において発表するようにという要求が決議されたようでございますが、これに対して長官はどのようにお考えになつておるか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 申すまでもなく、一つの案を立てまするについては、これは各省に関係があるのは当然であります。いわんや警備計画をつくるにつきましては、あるいは経済審議庁に、あるいは大蔵省に、あるいは通産省その他と関連があるのでありまして、これらの関係各省と十分な連絡をとるべきことは当然であります。ただ私は、将来の警備計画はどうあるべきか、日本の財政状態その他から考えて一応の私の見当だけはつけたい、こういう気持でありますが、これも正式に庁内のすべての関係者を集めてやつたのではありません。もとよりこれは庁内の決定でも何でもありません。研究過程における一つの試みであります。試みは、これは幾多あるのでありますが、自分の将来に対する見当をつけたいというつもりでこれを作成さしたような次第であります。重ねて申しまするが、いわゆる研究過程における一つの資料として、自分の心組みをひとつつけたい、こう考えた次第でありまして、庁内の決定も何も出ていないのでありますから、これの提出については慎重に考慮いたしたいと考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 長官は、この案と称するものが違うと言いますが、新聞にあのように大きく報道されまして、それが内外に相当大きな波紋を起していると思う。もし長官の昨日の答弁のように、あの新聞に発表されたものと自分の試案とはほど遠いものである、それから、今日の日本の状態では、徴兵制度を採用しないとすれば、十二、三万が限度である、自分は徴兵制度を考えていないといつたことが事実であるとするならば、あの新聞報道によつて内外に大きな誤解を生んでいる事実を払拭するために、ぜひあの試案を発表していただきたいと思う。予算委員会で決定もありましたが、私どもは、まずこの内閣委員会に発表すべきものであると考えておりますので、当委員会にぜひ発表していただきたい、その御意思があるかどうか、はつきりとお伺いいたしたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 慎重に考慮いたしたいと考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 慎重に考慮ということは、ずいぶん漠然とした言葉でどのようにも解釈できますが、予算委員会本において発表を要求されたあの決議、並びに私が当内閣委員会に発表してほしいという要求、これを尊重して考慮するという意味であるかどうか。その場限りの逃げ口上としてそういう答弁をされるのであれば、われわれはそれに対して満足できませんけれども、それを十分に尊重する意味であるかどうかということをはつきりさせていただきたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 逃げ口上ではございません。すべての点から考慮いたしまして、出すべきものであるか、出すべからざるものであるか、十分考慮した上でやろう、こう思つております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 考慮、考慮といいましても、あの問題のために大きな波紋を描いているので、私どもはその考慮が一週間にも、十日にもわたるようなことでは困ると思う。今ここで発表しろといつてもそれはできないかもしれませんが、今晩一晩くらいの考慮で結論が出るものであるならばがまんもできますが、そういう点は時間的にどのように考えておりますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 時間的にはつきりお約束はできませんが、十分にあなたのお考えもくみとつて考慮いたしたい、こう考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 それではもう一、二お伺いいたしたいと思いますが、あの試案はMSAの援助とは全然関係なしに立つたものである、こういう御答弁でしたが、昨日の予算委員会においては、どうやら政府はMSAの援助を受けるということにはつきりと態度がきまつているとは言いかねますが、受ける方向に大きく動いておるように思われる、その場合にMSAの援助は、軍隊のない日本においては、保安隊を対象としてなされる軍事援助である、こう考えられますので、そうなりますと、試案を当然もう一ぺん再検討するということになるのではないかと思いますが、長官はどのようにお考えですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 先刻申し上げました通り、試案は試案であります。従いましてこれと別個に、必要とあれば正式に省内において研究して決定いたしたいと考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 そういたしますと、MSAの援助を受けるということになりますれば、あの試案とは別個に、保安隊の強化と申しますか、そういうものを考えるということですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 試案はどこまでも試案であります。私の一つの見当をつける手だてにすぎないのであります。これが将来日本の保安隊を増強するというようなことになりますと、正式に省議にかけまして、慎重審議し、なお各省と連絡をとつてやらなければならぬ、こう考えております。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 私はこの際質問をこの程度で、食い違つたまま、疑問の点がたくさん残つておりますが、法案も出ておりますし、私だけが質問をやるのもどうかと思いますから、この程度で打切つておきます。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 ただいまの島上君の質問に関連して一言伺いたいのですが、大体昨日の国会における内閣の発表によりましても、あるいは総理の言明によりましても、MSA援助を受けることは明らかな事実であろうと思います。そういたしますと、一体このMSA援助を受けた場合に、保安隊が対象になる、これは先ほど島上君も言われましたように、保安隊が対象になるということは明らかでありますそういたしますと、このMSAの援助に対して、一体保安隊は内容的にどんな変化が来るのであるか、依然として同じであるのかどうか、この点をひとつ国務大臣からはつきりと伺つておきたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 今の段階におきましては、保安隊の増強ということはさしあたりは考えておりません。これはなおよくMSAの受入れにつきまして、アメリカの意向も聞かなくちやなりませんが、もとよりアメリカの意向をそのままわれわれは受取るわけではありません。日本が独自の見解を持つて、独自の構想を持つてどうすべきかということを決定すべきものであろうと、私はこう考えております。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 大体私はこのMSAを受ける場合には、条約の形になるのが当然であると思います。この点は木村長官はもちろん賛成しておられると思うのですが、いかがですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 私もその点はそうであろうと考えておりますが、これはやはり外交交渉に結局帰着いたすのでありますから、私の所管的な立場から断定は差控えたい、こう考えております。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 当然これは条約になる、従つて新しいMSAを受入れる場合に、たとえば例をとつてみればタンクを使つておるあるいは大砲を使つておる、あるいはバズーカ砲を使つておる、こういうものはどういう形で国防省から保安庁が借りておるのか私は知りませんが、少くともこのMSAを受入れるために、日本の自衛計画というものをはつきりと立てて、その基礎の上に立たなければ受入れることはできなかろう。ただ、今借りておる大砲、銃、タンク、そういうものをアメリカの国防省の費用から国務省の方の関係に乗りかえるということは、おそらく不可能だろうと思う、従つてMSAを受入れる根本的基礎としては、はつきりした防衛計画なり、あるいは保安隊に対する一種の防衛計画、こういうものを立てた上でないと、あのMSAの援助というものは受けられないと私は思う、しかもずつと前に保安隊の武器貸与の問題については、おそらくこれは別個の協定を結ばなければいかぬということを、奥村外務次官が言明しておる事実もあります。従つてこういうような点について、ずるずるべつたりに今借りておるものを最小限度借りるのならば、何もMSAの援助などを政府が少くとも武器貸与に関する限りは受ける必要はない。従つてこのMSAの援助というもについては何かの新しい基礎の上に立つて条約を結んで受入れなければ、全然私は不可能であると思う、この点木村長官から……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 ただいま保安隊で使用いたしております武器の貸与形式というものは、このままで行けるのではないかと思います。しかしお説のごとく、将来の問題はおそらくMSAとは関連を持つて来るかと考えております。それをどう受入れるかということについては、十分に慎重に考えて、もとよりわが国独自の立場からこれを検討いたしたいと思つております。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 ただいまの木村国務大臣の御説によりますると、今のままでよろしいというようなお話でありますが、このMSA援助を受けるためには自衛力漸増に関する具体的計画が基礎にならなければ、アメリカ側は絶対にMSAの援助を与えない、かように考えているものであります。従つて今のままで受入れるならば何ら意味をなさぬし、その必要もわれわれは認めないわけです。どうしてもこの自衛力漸増に関する計画というものがその基礎にならなければならぬと思うのですが、それは全然お持ちになつていないのですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 ただいまのところは持つておりません。もとより先刻申し上げました通り、これを一つの計画として立案いたしますについては、各省との連絡は十分せなければならぬのであります。そこで現段階におきましては各省との連絡も何もついておりません。御説の通り将来どうするかということになりますれば、これは真剣に考慮いたしまして、われわれの方でも正式な立案をいたしたい、こう考えております。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 いわゆる今保安隊の借りている武器の問題については、アメリカの予算の関係上人月一ぱいで打切られることに向う側からいえばなるわけなのであります。そうしますと、それにかわる何らかの方法がなければならぬ、それが私はMSAの援助でなかろうかと思うのです。これは必然的にどうしてもMSAの援助を受けなければならぬことに相なると思いますが、いかがですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 私の申し上げましたのは、現在使用しておる装備であります。これは現在の形のままであるいは行けるのではないかと考えておるのであります。将来向うからどれだけのものを、かりに貸借という形式でありましようかどういう形式でありましようか、日本で使用するものにつきましては、これはあるいはMSAに入つて来るのじやなかろうか、こう考えております。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 それでは話を別の方にかえまして、一体日本の置かれた今の国際的立場というものを考え、朝鮮の情勢、あるいはそれに伴う日本の国際情勢を考えてみますると、私は国内秩序の維持、並びに自衛力の増強ということについては、その重大なる責任の衝にあられる保安庁長官の木村国務大臣に当然日本の自衛という問題について積極的な具体的な御意見がなければならぬと思うのです。私があなたの地位にあれば、当然そういう見解をはつきりと国務大臣として持つと思う。従つてやはり日本の置かれたこの国際的立場、あなたが自衛という問題について積極的に、たとえばわが国防衛の五箇年計画であるとか、あるいは十箇年計画であるとかこういうものを保安長官としてお持ちにならぬということは、私はふしぎに思うと同時に、どうも了解できないのであります。いかがですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 いろいろな御批判もございましようが、現在の段階におきましてはまだそこまで進行しておらないのであります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 中村君より島上君の質疑に関連して質問の通告がありますから、これを許します。中村商一君。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 さつき島上君から、いわゆる長官の試案を発表してほしいという意見が出ておるのでありますが、予算委員会におきましても決定をされておることでありまするから、むろんそれとも関連をしていずれ腹をきめてお出しになるのだろうと思いますが、試案と称するものが総理大臣の手元にもう提出をされておるのだというようなことも聞いておりまするが、その事実はいかがですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 お答えいたします。私は自分の見当をつけるためにつくつたものであります。一応総理に自分の心構えはできたということを申して持参いたしたのでありますが、総理はこれが正式の案でなければ、将来正式の案ができた上でもらいたいということで、これは私の手元にもどつておるのであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 総理大臣のところにあなたのところから出されたものは長官の試案というのかどうかわかりませんが、総理大臣としてはもつとまとまつてから出せということなのか、その案は未熟だというのか、まだ早過ぎるというのか、あなた手元に返されたというものは総大臣に提出するからには、何か成案になつているのでしようね。それはどうですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 今申し上げた通りでありまして、一つの見当をつけたものであるということで何したのでありますが、総理は、これは庁内で決定もしないから正式なものということを認めないのであります。一応の成案を得た上において自分に出してもらいたいということでありますから、私はそれを持つて帰つたのであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 よくわかりました。そうすると総理大臣の意向はまだ閣議であるいは保安庁内でまとまつたものではないという意味なのか、それとも政府の方の案としてまとまつていないのだから、もう少し検討しろというのですか、それとも保安庁内ではもうまとまつたものなんですか。その点はどうなんですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 繰返して申しますが、これは保安庁でも正式な案になつていないのであります。私の一つの見当をつけるところの試案にすぎないのであります。それではまとまつた案じやないからまとまつた案ができるまではこれは必要がないからという意味でしよう、返されたのであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 どうもそれはおかしい。総理大臣にまで提出しておりながらこれがまとまつたものでないということをあなた自身が言われるのはおかしい。総理大臣がまだこれはまとまつてないから、もう一度検討してもう少しいいものをつくつて来いとかなんとかいつて返されたものならばわかります。けれども、あなた自身としてはもう総理大臣に提出したからには、保安庁として一応まずこの辺ならばいいといつて出すのがあたりまえだと思うのでありますが、聞くところによると、第一幕僚長も第二幕僚長もみなこの案の審議のときには参加して、もう一応庁内でまとめられて提出せられたということでありますが、木村長官はそういう方面に専門家でないことは明らかであります。そういうことについての技術的な知識が全然ない法律家でありますから、おそらくあなたが自分で試案をつくられたというても、あなたに自分にできるはずはないのでありますから、これは専門の人がつくつたものであることはもう間違いないと思います。庁内においてだけでは、——一応とにかくどの程度か、再検討を要するかどうかは別ですけれども、一応まとまつたものだと見てもさしつかえないのじやなかろうか、お出しになつたのですから……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 さようでありません。中村君は、私は法律家で、軍事知識はないと仰せになります。もとより私は専門家でありません。しかし一通りのことは私も研究しておるのであります。私は自分である程度の頭をつくるだけの研究はいたしておるつもりでおります。この案につきましては、今仰せになりましたように決して庁内の議を経ておりません。従つて第一幕僚長、第二幕僚長も私とこの問題については会つたこともないのであります。これはほんとうに私の見当をつけるための試案にすぎないのであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 ますますわからなくなつて来るのでありまするが、保安庁の案が長官一人で、幕僚長やなんかにも相談しないでまとまるということは、あなたのそういう方面の知識を私日ごろ知つておりますから、そういうことはあり得ないと思うのであります。そうすると、昨日予算委員会で決定をされたものは、試案という名義でありまするし、防衛計画の内容というようなむずかしいものだとは思わないのでありまするが、一体国会で政府に向つて必要な書類を請求をせられました場合には、提出の義務を国会法の規定からいたしましても負うものだとわれわれは考えておりまするが、まとまつておらないものだと一生懸命今予防線を張つたような答えをしておるところを見ると、場合によつたならば、これはまだまとまつたものではないから出さなくてもいいのだということを言おうとする伏線のようにも見えます。これは資料としてまとまつたものでない場合も、国会法の規定によりまするならば、資料として提出を要求された場合には、提出する義務はむろんあると思いますけれども、まとまつたものでなければ出さなくてもいいのだという御見解でありますか、その辺はどうですか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 まだそこまで研究しておりません。私は目下慎重に考慮しておるところであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 予算委員会でもああいう決定をせられましたのですが。むしろこれはこの委員会が早く進行しておりまして、こつちの方へ提出をして審議に入るというようなことになつておりまするならば、あんなに舞台を大きくせなくてもよかつたと思うのでありまするが、これはまことに木村さんのために惜しむのであります。ざつくばらんにこの委員会に出して、内輪でまず検討をするというように出られた方がいいと思うのでありまするが、どうも木村さんほどの人が私たちもきわめて正直であり勇気を持つた長官だと思つておつたのでありまするが、最近では何か非常にびくびく、いたしておるが、必要な資料あるいは自分の計画を堂々と発表することくらいお考えになることの方がいいと思う。大臣など場合によつたら棒に振つたつて、一木村のためにいいじやないですか。ほんとうにあなたが日本の国のためにやろうというのであるならば、ひとつ勇気を振つて御提出を願いたいと思います。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 私はただいまの問題をめぐつて、昨日からいろいろ与党と野党の間の政争を見て参りましたのですが、そうしてたいへん心外に感じたことがあります。いやしくも国家活動の中には、事の性質によつて公開すべきものと公開すべからざるものがあることは、皆様御承知の通りであります。木村試案にしろ、あるいは保安局の試案にしろ、要するに日本の平和と秩序を維持するための責任者たるものが、その責任を遂行する意味において、きわめて重要な秘密事項である警備計画を持つのは当然なんです。その警備計画を政争の具に供して国会に出せということは、私ははなはだ適当ではない、こう考えるのであります。今日日本には軍隊がありませんから、作戦計画というものはありません。しかし現段階において、木村長官がいわゆる試案として持つておられたものは、過去の軍における作戦計画と同様の性質のものである。どこの国にその作戦計画の内容を国会の審議にかけて暴露したものがあるか。たとい秘密会議を開いたとしても、一たび出した以上は、その内容が漏れることは常識であります。むしろ……(「軍国主義だ」と呼ぶ者あり)軍国主義ではありません。重大な犯人を警視庁が逮捕するというその大事な計画を……。     〔発言する者多し〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 辻君、関連質問をしてください。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 じようだんじやありません。私は国家を愛するのだ。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 辻君、それは討論になりますので……。討論でなくて、この際は質問です。質問を簡単に願います。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 木村長官はそういう重大問題を国会に出すか出さぬか慎重審議中である、私はそういうものではないと思います。私は、長官の責任において断じて出すべきものではないと考えております。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 関連して一言……。政府はMSAを受けることになつているらしいのですが、政府の大体の見解によりますと、MSAの援助を受けても、日本の負うべき軍事的義務は安全保障条約の線以上出でないということを非公式に言つているようであります。また本日の新聞などを見ましてもそういうふうになつているようでありますが、一体それはどうなるか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 きのう予算委員会においてその通りの答弁が外務大臣からありました。私もその通りであろうと考えておりまするが、なおこの点についてはいろいろこれからも交渉折衝があるだろうと考えます。まだその点は、私は外務大臣の説を今日遵奉するよりしかたがないと思います。

高瀬傳改進党

○高瀬委員 もし安全保障条約の域を出でないということになりますと、いわゆるMSAの法の五百十一条の点に触れて参りますが、それによりますと、軍事的援助の中に、条約の協定に基く軍事的義務は、日本の場合日米安全保障条約第一条による施設提供の義務だけでいいのか、それとも指示数項目ある義務を負うものであるか、この点木村長官の見解を伺つておきたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 私はこれは外務大臣からお聞きを願う方がよかろうと思う。その責任ある当局者でありますから。私はこれに対して答弁を差控えておきます。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 先ほど来島上君の要望にかかる事項は、結局私は保安隊の性格に根本を置いていると思う。保安隊が外敵に備えるものならば、ただいま辻君の言われた意見もあるいは成り立つかと思うのであります。長官の今まで言われているところでは、保安隊はあくまで国内治安を目的としたものである。国内治安が目的であるならば、所轄の委員会である当委員会にその計画なり腹づもりなりをあからさまに発表いたし、同時、にこれは発表するとか何とかいう問題ではなくして、むしろ所轄のこの委員会にすべてを相談されて、ここが中心にそういう立案をなすべきものである、私はこう思うのです。そこで私はさらに念のためにあらためてお尋ねをいたしますが、保安隊は国内治安のみを目的とするものであつて、外敵に備えるものではない、こう承つてよろしいかどうか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 保安庁の性格につきましては、保安庁法第四条に明確に規定されております。いわゆる国内の平和と秩序を維持し、人命と財産を擁護し、特に必要がある場合にはこれが出動をすることになつておるのでありまして、対外戦争を目的とするものではないのであります。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 保安庁の現況という冊子の三ページには、今長官の言わたように、治安の維持または人命、財産の保護、これが目的であると明記されておるのであります。しかりとするならば、警備隊と保安隊を区別する理由いかん、この点を承りたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 保安隊は主として地上において行動をする部隊でありまして、警備隊は主として海上において行動をする部隊であります。この区別がはつきりついております。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 私は警備隊と言いましたが、警察予備隊ですね。警察予備隊というものが一応治安の混乱に備えて置いてあるものでありますが、この警察予備隊を十分に強化すれば、保安隊はいらないのじやないか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 ただいま警察予備隊はないのであります。警察予備隊は、これはなくなつたのであります。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 なぜ保安隊というような軍隊にも類する名称に変更したか、こういうことに私は問題があると思うのです。前にあつた予備隊を強化して——あくまで警察の予備隊であるということが性格上よろしいのじやないかと思う

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 これは去年の行政機構の改革のときに、簡素化するために保安隊というもを設けられたのであります。その点についての詳細は次長より説明いたします。

中村梅吉自由党(分)

○中村(梅)委員 その点はすでにきまつたことでありまするからこれ以上申上げませんが、昨日の委員会で長官は、大体この保安隊というものは策ドイツのような集団暴徒を予想しているのだ、国内治安に備えるのだ、こういう趣旨の説明をされたように思うのであります。私どもはそういうような集団暴徒の事態が起こる現状にはないと思うのでありますが、政府は起る現状にあると思うほどに、現在の政治が弱体なもので、権威のないものであると認めておられるのかどうか。同時に集団暴徒に備えるだけであるならば、遠距離に威力を持つ大砲とかあるいはジエツト機とかいうものはいらないだろうと思う。この保安庁の現況に書いてありまする国内の治安維持または人命財産の保護あるいは東ドイツに起りました武力を持つところのああいう集団暴徒、これだけを鎮圧するのが目的であるとするならば、そういうような遠距離に威力を発揮する大砲あるいはジエツト機、こういうものは私は不要じやないかと思うのですが、この二点について……。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 もとよりただいま国内情勢は一応表面的には平穏であることは、皆さん御承知の通りであります。しかしながら、これは申すまでもないことありますが、いろいろ国際情勢なんかを考えてみまするに、この平和条約にも書いてありまするごとく、国外からの教唆、干渉によつていろいろな事件が突発しないとも限らないのであります。これは往々にして各国にその例を見るところであります。今東ドイツの例を引かれましたが、私は東ドイツのようなことばかりを考えておるわけではないのであります。あれは一つの例にとつたにすぎないのであります、いわゆる人民解放部隊とかというようなこともいわれておりますし、かたがた日本の平和と秩序を維持するにつきましては、私はただいまの保安隊くらいのものはぜひとも持たなければいけないと考えております。ただ表面の平静だけを考えておつたのでは、一朝事あつたときには、それこそ私は日本の経済も文化もすべて破壊される運命に至らざるを得ないだろう、こう考ております。重ねて申しまするが現在の保安隊程度の警備はぜひしなければならぬ。ジエツト機というお話がございましたが、ただいま保安隊ではジエツト機は持つておりません。

粟山博改進党

○粟山委員 私はごく簡単に木村長官にお伺いいたします。昨日かしらんが、何ですか予算委員会で試案の発表を決議されているように承つているのですが、これは事実でありますか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 それは事実であります。

粟山博改進党

○粟山委員 予算委員会においてさような決定があつたとすれば、政府としてはこれに答えるべくはつきりした態度をとらなければならぬと思う。元来保安隊に関する限りは、内閣委員会において取扱うのが私は本筋だと思つております。従来予算委員会は、予算審議にからめて、いろいろな問題を織り込んで来ておりますが、これは長い間の習慣で、必ずしもよいとばかりは言えない。かえつて非常に迷惑な場合もある。これはこの内閣常任委員会が取扱うことが本筋でありまする限り、予算委員会においてまだ内閣としては処置をとつておらないのであるから、むしろこの際内閣委員会において、委員の中から申出がありました発議に対してはつきりした御答弁をなすつた方がいい、私はかように考えます。長官、いかがでございましようか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 その点につきましては慎重研究いたしたいと考えております。

粟山博改進党

○粟山委員 予算委員会においての御返答も、またこの委員会においてのあいさつといいましようか、回答もいわゆるこれは時の問題であります。その時の問題から言えば、私はこの内閣常任委員会において、長官に優先的にお返事をいただいた方がよろしいとかように考えます。長官、いかがでございましようか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 その点についても十分考慮いたしたいとと考えております。

粟山博改進党

○粟山委員 関連してもう一点。長官の議場における真剣なる態度、いろいろな審議の場合においての長官の議員に対する態度に対しては、私は正直に申し上げますと非常に好感を持つております。吉田内閣の閣僚がとかくの批評を受けられておるとき、その最も大きく欠けておる点において長官がよさを持つておることについては、私は敬意を表する者である。しかしどうもその長官ですら、もう秘密々々といつて、秘密の許されないような状況にありながら、なおかつ秘密を守らねばならないような状況にあるということは、むしろ私はこれは国民の名において非常にさびしい気持を持つのであります。ということは、長官が試案を持つということはこれは当然だろうと思うのです。試案のないような長官であるなら、私どもはこれは主管の国務大臣としてその存在に満足しない。今ここでいわゆる保安庁の一部改正法律案が審議の過程にあるが、これとても、やはり保安庁の計画のうちの一部にすぎないと思います。大か小か、とにかく程度の差こそあれ、これは保安庁の一つの計画である。その計画が公式に出るにしても、私的に長官が考えられるにしても、これは当然のことだ。そこで内外の情勢から見まして、今春来の世論と、それから事対は、政府とアメリカとの間にはネゴシエーシヨンという言葉を使おうと何という言葉を使おうと、交渉があつた、あつたということが、もうそのままにしてふたをしておけない今日に差迫つたからには、総理大臣に試案をお出しになるならば、まず国民に試案をお出しになつた方が——私は時期が到達しておると思う。ここにこうして長官に質疑を許される者は、まつたく多数の国民を背景にしてこの議会に臨んでおるのでありますから、この際率直に国民に答える気持において試案を御発表になつた方が賢明であろうと私は考えるのであります。切に御発表あらんことを私は希望するものであります。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 御親切な御発言まことにありがたく拝聴いたしました。しかし、この計画を立てるにつきましては、申すまでもなく、各省と十分なる連絡をとらなければいかぬのであります。保安庁だけではこれは参りません。財政一計画から、あるいは技術の点から、その他いろいろな観点からこれを慎重審議しなければならぬのであります。その手だてを経て初めて国民に発表すべき成案というものが出て来るのであります。私としてはただほんの心づもりであつて、発表するに至らない程度のものであるのであります。もちろんこれが庁内の正式のものとなり、あるいは関係各省と連絡をとつて十分成案を得た以上は、何も隠すことはないのでありますから、堂々と私は皆様の前に発表すべきである、こう考えております。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 議事進行に関する発言の要求がありますので許します。鈴木義男君。

鈴木義男日本社会党(右)

○鈴木(義)委員 先ほどの同僚辻委員の発言は、まことに重大な発言であるとともに、ある意味においては国会を侮辱し、この内閣委員会を侮辱し、審議の目的を否定するような発言でありますから、十分にひとつ当委員会として御審議を願わなければならぬと思うのであります。大体保安庁は平和のための機構であり、軍隊でないのでありますから、軍の機密なるものがあるはずがない。軍機保護法というものはわれわれよく承知しておりまするし、かつてわが国に大政翼賛会のもとにあつたものであります。敵軍がどこへ上陸する、何箇師団をどこへ配置するかというようなことについて公の席上で論じたならば、これは軍事の機密に属することは明らかでありまするが、昨日から質問しておるのがけしからぬとは何事であるか。また政府当局に答えないようにというような牽制の発言をするとは何事であるか。われわれが質問したことは、保安隊というものはどういうふうな機構で、どういう数量を持つて、どういう装備でやつて行くのか、国内の治安のいかなる点に憂うべきものがあるかというようなことについてるる質問をしたのであります。そしてそれに対する長官の試案等があつたということでありまするから、それを根掘り葉掘り聞こうとしたのであるか、それがけしからぬ。国会議員としてなすまじきことであるというような発言は、これを黙過することができないのであります。これを黙過するならば、われわれは今後こういう質問はできないことになる。そういう頭の持主があるがゆえに、新憲法はどう規定しておるか。内閣総理大臣並びに各国務大臣は文民でなければならない。一度でも職業軍人であつた者は、国務大臣に採用することができないようになつておるのは、そういう点を憂えて予防しておるわけであります。辻君は、今なお東条内閣時代の頭をもつて本議会に臨んでおるように私はお見受けするのでありまして、その点をお取消しになりまするか、取消しにならないならば、この委員会は、辻君を遺憾ながら懲罰に付する動議を提出しなければならぬことと存ずるのであります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 辻君。不穏当なところがあれば、これを取消す意思はございませんか。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 国会審議を無視したのではなくして、私は事予算に関係あるものは当然お出しになるべきものと思います。しかし、かりにきわめて重大な……。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 今は弁明でなく、その意思があるかないかということです。

辻政信小会派クラブ

○辻(政)委員 速記録を調べた上で、今鈴木さんがおつしやつたような、国会を侮辱する言辞がありましたら取消します。私の真意はそこじやないのです。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 それでは、速記録を見た上でなお委員会にお諮りすることといたして、この問題を解決するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 それではさようにいたします。

粟山博改進党

○粟山委員 私は、非常に遺憾に思うことは、長官と質疑をいたしておりまする間に、長官の言葉を私の耳に取入れることのできないような雑言をする者がある。かようなことは審議上はなはだよろしくないから、委員長において十分御注意あらんことをお願いいたします。私は三十数年の経験を持つておるが、こんな行儀の悪いのは初めてです。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 ごもつともでございます。よく注意いたしましよう。  なお関連質問の順序は松田君になつておりますから、松田君に許します。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 木村長官はお急ぎのようですから簡単にいたしますが、長官はどういう御了解をもつてMSAを受諾なさらんとするのか。MSA、この法律を日本に適用するというのは、どういうふうに御了解なさつておるか。これの起りは、私の知るところでは——私も知りませんかもしれませんが、了解しておるところでは、北大西洋条約の加盟国に対してこれまで援助を供与して来た、その基本法律であるMSA、これを日本を含めた太平洋地域に準用して、今度の申出をして来たものであると了解いたしておるのでありまするが、木村保安長官は、どういう御了解を持つておられるか。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 アメリカの真意は、おそらく世界の平和をもたらすという意図のもとに、いわゆる自由国家群が互いに集団的に助け合つて行こうという、その根本の趣旨から出たものと考えております。従つて各国との間の条約におきましても、私は詳細に内容は検討していないのでありまするが、すべてその線から出ておるものと私は了解しております。従つて日本においても、決してアメリカは強制的にこれを受入れおことを強要しておるものではないと考えております。日本の経済的援助を根本に、ことに日本の民生の安定ということを考えつつ、この条約の取入れをいかにするかということに十分な考慮を払つておるものと私は解釈いたします。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 たいへんけつこうです。そうであろうと思います。しかしアメリカのミコーチユアル・セキユリテイ・アクトを読んでみますと、随所にミリタリー・エイドということが書いてある。一体ミリタリー・エイドというものをわれわれの常識でどう解釈するか。本文の一番初めに出ておるミリタリー・エイド、これはどう考えてみても軍事援助ということより考えられない。日本の政府ができるだけ小さく扱おうとしている保安隊とか警備隊とかいうものが相手ではありません。これはおつしやるように数十箇国の世界の自由国家群を全部含めた尨大なるアメリカの防衛計画、これはきわめて明瞭であると私は思う。しかるに日本の政府と国会とのこの答弁の内容は、系をわれわれは——私個人としては受けたいと思うのであるが、受けようにも受けられないような政府、国会の意見の食い違いがはなはだしい。これをもつと明確にしなければならぬ。アメリカ側のいろいろの文章を見ますと、たとえばわれわれに頒付せられたところのフリゲート艦の貸与の場合の文書の中にもありましたように、アメリカの海軍長官の名をもつて、アメリカの下院にこのフリゲート艦を日本に貸与するというこの行為は、アメリカの防衛計画の一環であるということを明白にうたつてある。だから急速にこれを承認して早く実行できるようにしてくれという勧奨状が出ておる。この点から見ましても、アメリカの今度のMSA計画というものは、日本に対する軍事援助が主眼である、経済の安定がなければ完全なる日本の防衛計画は立たぬからそれもむろん考慮しよう、けれども一番先にうたつているところのものはミリタリー・エイド、こういうはつきりしたアメリカの防衛計画に対して、その一環たるミリタリー・エイド、この日本に対する申出をもつてなおかつ政府はあやふやな態度をとつておるということはどうしてもわれわれは解せない。これは従来の建前で、そこで木村長官の新聞談話というようなものがつい出て来る。これはあるいは否定し、あるいは肯定し——ますますわからなくなるというのがわれわれの心境であります。だから結局MSAというアメリカの基本法によつて日本に申し出て来たところのアメリカのねらいというものは軍事援助であります。ミリタリー・エイド、これは保安隊あるいは警備隊というような政府の言うそんなちつぽけな、日本の海岸線を警備するとか、あるいは内乱に備えるとかいうようなねらいでないということは、アメリカのどの文書を見ても明白であると思うが、保安庁長官はこれに対しては、腹の底はまさにその通りと考えられているのであろうと思うのだが、この点に対してもつとはつきりしたことを言つてもらはないとわれわれはこの問題を審議できません。どこまでもこれを追究して行かなければならぬという気持がいたすのであります。あらためて保安庁長官にほんとうに腹を割つて真意をお述べを願いたいと思います。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 MSAの問題につきましては、私はここで深くは申し上げることはできません。ただお説の通りアメリカは各国に対してまさに軍事援助をやつております。しかし各国は日本と異なつて軍隊を持つておるのです。軍隊を持つていない国で、おそらくアメリカと交渉のある国は日本以外にないでありましよう。そこでわれわれといたしましても常に申し上げるごとく、独立国家といたしましては、みずからの手によつてみずからの国を守るだけの態勢を一日も早くとらなくちやならないのであります。ただいまの段階においてはやむを得ずアメリカの駐留軍の手によつて直接侵略を防衛し、日本の保安隊をもつて国内の平和、秩序を守つているのでありますが、しかしアメリカといたしましてはおそらく早く日本をして態勢を整えしめたいという希望は持つていると私は考えております。しかしながら日本の財政力はそこまで及んでいないのであります。しかしアメリカの援助にいたしましても、日本はほんとうにいわゆる憲法第九条第二項に規定されている戦力を持つに至るには莫大の費用のかかることは明瞭であります。こんなものをアメリカが日本に対して援助するということはとうてい私は不可能であると考えます。そこで日本の保安隊をいかに増強して行くかということがさしあたりの問題であろうと考える。しかしアメリカといたしましてもまた日本の政府といたしましても、まず何よりも先に日本の民生の安定が必要である、ここに経済援助ということが大きく浮び上つて来るのであります。そこでそれとマツチいたしまして日本の保安隊をどういうぐあいにするかということが今後の課題であろうと、われわれはこう考えておるのであります。

松田竹千代自由党(分)

○松田(竹)委員 木村さんのお言葉を拝聴いたしていると、われわれと考え方を同じようにしているように思われる。アメリカが決してあの厖大な援助をただ単に日本の警備をやるために出すものじやありません。これは全世界を相手とする厖大な軍事計画でありますから、日本をしてアメリカの厖大な防衛計画の片棒をかつがせたい、片棒まではかつげぬにしてもその一部をどうしてもいち早くかつがせたいというところにあるということをわれわれは見ぬわけには行かない。従つて私は非常に急いでいる方もありますので、今日は関連質問としてただこれだけを申し上げておきますが、その点をわれわれははつきりさせておかないと、日本にやがてアメリカと非常な激突をするような場面が必ず起つて来ると思いますから、その点を明白に今後もやつていただきたいと思う。今日はこれだけにとめておきます。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 島上君。関連質問ですからごく簡単に願います。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 私はきようこの委員会の席上でまつたく意外な言論を聞きましたが、それについては先ほど鈴木議員から出された動議によつてその処理がされることと思いますが、それに関連して長官にぜひはつきりと御答弁願いたいと思う点は、先ほど鈴木議員が言われたように、防衛計画にいたしましても警備計画にいたしましても、秘密なものであるかどうか、国会に審議できないような、発表できないような秘密な性格のものであるかどうか。私どもは国内の治安を守るにいたしましても、国民生活を守るにしましても、その最高の機関が国会であると思つている。われわれはその最高の責任を持つている。従つて予算と関連し法律と関連し、そうして国民生活と関連し。信内の治安に関連する防衛計画あるいは警備計画にいたしましても、当然ここへ発表されてここで審議すベきものである、かように考えておりまするが、長官は先ほど辻議員が言つたような、昔の軍隊のようなそういうものであるかどうかその点をはつきり御答弁をいただきたい。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 お答えいたします。これが正式に立案したものであれば、私は喜んで皆さんに大いに御検討を願いたいと思います。これは繰返して申し上げる通り私の一つの見当をうけるための試案にすぎない。庁議で確認したものでも何でもない。それをここへ提出して皆さんの御審議を願うというわけには参らないのであります。私は成案ができましたら喜んでこれを発表いたし、皆さんの前において十分に御討議願う、こう考えます。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 そのことについてはまたわれわれは別な意見を持つておりますが、それでは、要するに辻委員が言われたように、かつてのように軍の機密であるから発表できない、そういうものでないことは明瞭ですね。

木村篤太郎純無所属クラブ保安庁長官

○木村国務大臣 まさにその通りであります。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 速記を始めてください。  それでは午前の会議はこの程度にいたし、午後一時半まで休憩いたします。午後零時四十分休憩      ————◇—————     午後二時四十分開議

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 午前の会議に引続いて、これより内閣委員会を再開いたします。  皇室経済法の一部を改正する法律案及び皇室経済法施行法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし質疑を行います。質疑の通告があります。これを許します。柴田義男君。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 皇室の財産はいろいろ種類があるとわれわれ考えておりますが、この種類にどういう種類のものがございましようか。その種類によつてどういう収益を持つておられるか、たとえば不動産もございましようし、あるいは有価証券等もあるとわれわれは想像しておりますが、こういう種類に対してどういう収益があるかということを御説明願いたいと思います。  それからこの法律の改正に伴う第二点といたしまして、八百万円の増額を計画されているようでございますが、御六名様で三千万円の費用を今までお使いになつておられ、今度八百万円の増額をするということであります。今日まで三十万円の皇室費をもちましても、お一人の御費用は割つてみますと五百万円ばかりでございます。五百万円の一人の御生活費が、足りないという根拠はどういう関係で足りないのであるか、そういう点を御説明願いたいと思います。

宇佐美毅宮内庁次長

○宇佐美政府委員 皇室財産の種類についてお尋ねでございましたが、皇室関係の財産につきましては、皇居でございますとかその他の不動産、土地、建物というものは一切国有財産でございます。そのうち皇室の用に供するときめられたものがいわゆる皇室用財産となつているのでございまして、たとえば宮城の中におきましても三種類くらいになつております。それは皇室用財産であります分と、宮内庁のいわゆる行政財産に属しますものと、それからあの中で財産税として国に出されました現在大蔵省所管の財産というふうにございます。皇室といたしましてはいわゆる不動産というものは一切お持ちになつておりません。それは憲法にすべて皇室の財産は国有とするということによりまして、ただ新憲法当時におきましてお身まわりの品、什器等そのほかに千五百万円の現金、有価証券が保留されただけでございます。従つて皇室の私的な財産といたしましてはその千五百万円が基本になつて、それが債券等で多少の利子を生むという状況でございます。その他は全部国有財産でございまして、これを新たに国有財産を皇室の用に供する、あるいは皇室の用からはずすという場合には一々国会の議決を要することに相なつているわけでございます。皇室用財産となりましても、結局財産権が皇室に移るようなふうによく民間に言われるのでありますが、決してそうではございませんであくまでも国有財産でございます。それから今回三千万円を年額といたしまして三千八百万円に増額する案を提案いたしているのでございます。この経費は法律にもございます通りに、両陛下と内廷にある皇族の日常の経費その他内廷用に供する経費一切を内廷費と称しているわけでございます。端的に申しますと私的な御生活に要する経費でございます。これが新憲法施行当時におきましては全部で八百万円でございましたが、現在三千万円に相なつているのでございます。その間に大体におきまして物価の変動あるいは公務員の給与べースの変革、改訂というようなことを参照いたしまして、五回にわたりまして国会の議決を経て今日に及んだ次第でございます。その内容はただいま申し上げました通りに皇室の私的な御生活の関係が大部分でございますが、いわゆるこの中には物件費に属するものと人件費に属するものがございます。人件費に属するものと申しますのは、いわゆる前からあります賢所に奉仕する人あるいは女中、家事使用人的な人あるいは生物学研究というような私的な御行動に関する職員で、現在約三十名いるわけであります。これらの人たちは大体公務員と同じように過去においても御審議を願つてべース・アツプをいたして参つているのであります。そういうような状況で昨年公務員の給与ベースが改訂になりましたが、年額の関係もあり、ただこういうものを参照するというようなことで実際を検討しておつたのでありますが、今回昨年の公務員の給与ベースの改訂も参照し、なお講和回復後内外の御交際も大分ふえておりますので、今回二割六分に当る増額をお願いすることにいたしたわけであります。先ほど申し上げました基本財産千五百万円というものがございますが、これはもう過去におきましては臨時の支出、たとえば内親王様方の御結婚あるいは立太式等におきます不時の支出で使うというようなことで、できるだけ節約を願つて、またそれを回復するというようなことで万一に備えているわけでございますが、現状からいたしましてただいま申し上げました程度の増額を願いませんというと不時の場合にもただちに事を欠くということになるのじやないかと考えているわけであります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 千五百万円の有価証券その他の御所有に関しましてどれだけの収益をあげておられるでしようか、その数字を承りたい。

宇佐美毅宮内庁次長

○宇佐美政府委員 これはただいま申し上げました通りに常時変化いたしておりまして、最初は約その三分の一をただちに食い込んでしまいました。その後貞明皇后あるいは孝宮、順宮内親王の御降嫁の際に持分をお持ちになりましたというようなことで毎年の額が変動いたしておりますので、的確なことは毎年のことはちよつとはつきりいたしませんが、大体現在千五百万円が約二千万円近くになつております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 普通有価証券でございますならば、おそらく事案で御所有の有価証券であれば、超一流の有価証券であろうと想像いたしますが、そういたしました場合には少くとも三〇%ぐらいの利潤を生んでいる、こうわれわれには考えられるのですが、三〇%の利潤を生みますと、四百五十万円という収入が別個にあらわれるわけでございましようか。その点をちよつと承りたいと思います。

宇佐美毅宮内庁次長

○宇佐美政府委員 はつきりした資料が手元にございませんで、的確には申し上げかねますが、所得税からの関係を見まして、大体三、四百万円じやないかと存じます。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 島上善五郎君。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 あるいは私の聞き違いかどうか知りませんが、下総、北海道等に牧場をお持ちになつておるということを聞いておりますが、そのようなことがありましたら承りたいと思います。

宇佐美毅宮内庁次長

○宇佐美政府委員 北海道は国の方、農林省に移管になつております。下総に牧場がございますが、これはただいま宮内庁所管でございます。

島上善五郎日本社会党(左)

○島上委員 この皇室経済法改正の対象を見ますと、第一条には、皇室用財産は収益を目的とするものであつてはならないとあり、この改正案によりますれば、これも抹消するということで、この提案理由の説明には、国有財産法にも同様の趣旨の規定ができましたために、現在においてはこの第一条を存置する必要がない、だから削除するということになつておりますが、国有財産法に皇室用財産は収益を目的とするものであつてはならないというような趣旨の規定がありましようか。私がちよつと見たところでは、ないように見受けますが………。

宇佐美毅宮内庁次長

○宇佐美政府委員 皇室経済法ができました後に、たしか昭和二十三年の六月と存じますが、国有財産法が規定されまして、その中に、行政財産の一種目に皇室用財産というものがはつきりと新しく規定されたわけでございます。その新法ができます前に、皇室経済法で皇室用財産の規定をいたしたわけであります。それで収益の問題は、国有財産法の行政財産は全部収益を目的とするものではございませんので、その点は同じ文句ではございませんが、御趣旨はまつたく同一でございまして、収益を目的とすることはできないわけでございます。

稻村順三日本社会党(左)

○稻村委員長 ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御質疑がなければ、本日はこの程度にとどめ、次会は明後月曜日午前十時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後二時五十五分散会

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